大人気マンガシリーズ、あしたのLawさんの「年金の支払いを無視し続けた節約女の末路」をご紹介します。みなさんはきちんと年金を払っていますか?今回は、デイトレードを始めて人生イージーモードと錯覚してしまい、大変な目にあった女性のお話です。私は成竹節子出典:あしたのLaw金に必死な人間を見下す節子出典:あしたのLaw得意げにパート仲間に話す出典:あしたのLaw1年前の節子は…出典:あしたのLawパート中に小耳にはさんだデイトレードの話出典:あしたのLaw高所得者のマウント合戦に感化されて出典:あしたのLaw自分も我慢、子どもにも我慢させる日々出典:あしたのLaw一念発起して勉強を始めた出典:あしたのLaw年収300万円稼げるようになった出典:あしたのLaw未だに金の奴隷の同僚を憐れむ出典:あしたのLaw夫の収入と自分の収入があっても足りないと感じた節子は、投資に挑戦することに。コツコツ仕事をして稼ぐよりも楽に稼げることを知り、仕事を辞めて投資で得た収入での生活を楽しむようになります。そんなある日、収入が膨れた節子は夫の扶養から外れることになって…。(イラスト/あしたのLaw)※本文中の画像は投稿主様より掲載許諾をいただいています。※作者名含む記事内の情報は、記事作成時点でのものになります。※YouTube動画 法律監修:ベリーベスト法律事務所
2023年06月06日皆さんは、年金について考えたことはありますか?今回は「年金の支払いを無視し続けた節約女」を紹介します。イラスト:あしたのLaw年金の支払いを無視し続けた節約女主人公は、夫と自分の稼ぎに不満を感じ、投資を始めることに。その結果、投資によって収入は増え、夫の扶養から外れることになります。すると、国民年金の支払い義務が生じました。主人公は、年金など必要ないと考えていて…!?年金の力を借りなくても生きていける!出典:あしたのLawなんと主人公は年金の支払いをしませんでした。その後も年金未払いの通知が来るのですが無視します。とうとう催告状や電話での督促が来たのですが、それらもすべて拒否。そして、デイトレードで稼げるようになったため、パートを辞めてデイトレードを専業にするのでした。投資で稼ぎ続けていた主人公でしたが、ある日年金の未納により財産のすべてを差し押さえられてしまいます。言い訳は通用せず、すべてを失った主人公は涙を流したのでした。ブレずに支払わなかった結果年金未納で催促状がきてもブレずに支払わなかった主人公。その結果すべてを失ってしまい、考えさせられる話ですね。※本文中の画像は投稿主様より掲載許諾をいただいています。※作者名含む記事内の情報は、記事作成時点でのものになります。
2023年05月21日意外と知らない社会的な問題について、ジャーナリストの堀潤さんが解説する連載「堀潤の社会のじかん」。今回のテーマは「フランス年金改革反対デモ」です。日本と似て非なる年金問題と最低賃金状況。1月より、フランスで年金改革に反対するストライキや抗議デモが続いています。この抗議運動は、年金支給開始の年齢を62歳から64歳に引き上げる改革法案が出されてから広がり、3月20日に強行採択された直後には、フランス全土で約110万人がデモに参加しました。日本では、警察官との衝突やパリ市内にあふれる大量のゴミなどの様子が報道されましたが、僕が現地で実際に見たのは、ほとんどが平和的な抗議運動でした。フランスも日本と同様に、高齢化により社会保障費が増大しています。2006年以降、貿易収支は赤字が続いており、稼ぐ力が弱まっています。財政が赤字に転じてしまうのを避けるための対策として、マクロン政権はここ数年、年金改革案を掲げていました。賃金が上がらず生活が苦しいというと、日本と同じ状況に見えますが、全く異なるのは、フランスでは物価変動に合わせて賃金を引き上げる制度があることです。ただ、同じ比率で上がっても、苦しい状態は続きます。さらなる賃上げを政府が決めることができる仕組みがあるので、その権限を使って賃金を上げてほしいと訴えています。それでも、フランスは昨年だけでも最低賃金を3回引き上げており、今年の1月にも引き上げて現在の最低賃金は時給で約1660円。1か月間フルタイムで働けば1709.28ユーロ(約25万円)です。フランスの労働組合(フランス労働総同盟CGT)は、1か月2000ユーロ(約29万円)への引き上げを要求しています。こうしてみると日本がいかに安く働かされているかがよくわかります。日本は社会保障費が上がり、年金受給開始は65歳。物価が高騰しても賃金は変わらず、実質下がり続けています。フランスでは年金受給年齢引き上げについて、お金だけの問題ではなく、豊かに過ごす第二の人生を奪わないでほしいと訴えていました。フランスの労働組合の結成率は日本よりも低く、CGTが中心になり、組合員以外の若者や高齢者、抗議に賛同する人たちが大勢デモに参加していました。「私の権利のために闘っているんです」という言葉がとても印象に残りました。ほり・じゅんジャーナリスト。元NHKアナウンサー。市民ニュースサイト「8bitNews」代表。「GARDEN」CEO。報道・情報番組『堀潤モーニングFLAG』(TOKYO MX月~金曜7:00~8:30)が放送中。※『anan』2023年5月24日号より。写真・小笠原真紀イラスト・五月女ケイ子文・黒瀬朋子(by anan編集部)
2023年05月20日松下政経塾は、「ロシアによるウクライナ侵攻と日本の外交・安全保障」をテーマにしたオンライン公開講座「外交・安全保障ラウンドテーブル」を開催するにあたり、参加者を募集します。詳細URL: 松下政経塾・日本政策学校 オンライン公開講座「外交・安全保障ラウンドテーブル」(チラシ)松下政経塾では、日本政策学校と共催で、全国各地でリーダーを目指している方々を対象に、政策テーマについて考える場として「オンライン公開講座」を開講しています。今回のテーマは「外交・安全保障」。「ロシアによるウクライナ侵攻」にスポットを当て、第1部では基調講演を行うとともに、第2部では松下幸之助が塾生たちと「円卓」(ラウンドテーブル)を囲んで、日本と世界の未来について議論したように、オンライン形式でラウンドテーブルを実施します。参加者の皆様から質疑応答も予定していますので、是非ご参加下さい。■共催松下政経塾・日本政策学校■開催日時2023年7月27日(木)18時~21時■開催方法オンライン(Zoom)※お申込みいただいた方にZoomのURLをお送りいたします。■プログラム開会挨拶遠山 敬史 松下政経塾塾長第1部 基調講演「ウクライナ侵攻の行方」講師:小泉 悠氏(東京大学先端科学技術研究センター専任講師)第2部 ラウンドテーブルセッション「ウクライナ侵攻を含めた日本の外交・安全保障のあり方」パネリスト:前原 誠司氏(元外務大臣・松下政経塾第8期)黄川田 仁志氏(衆議院外務委員長・松下政経塾第27期)モデレータ:小泉 悠氏(東京大学先端科学技術研究センター専任講師)閉会挨拶上田 博和 日本政策学校理事長■登壇者紹介(登壇順)○小泉 悠氏(東京大学先端科学技術研究センター専任講師)1982年千葉県生まれ。早稲田大学大学院政治学研究科修士課程修了。ロシア科学アカデミー世界経済国際関係研究所客員研究員、未来工学研究所客員研究員などを経て、2022年1月より現職。ロシアの軍事・安全保障政策が専門。著書に『「帝国」ロシアの地政学』(東京堂出版、サントリー学芸賞)、『現代ロシアの軍事戦略』『ウクライナ戦争』(以上、ちくま新書)、『ロシア点描』(PHP研究所)など。○前原 誠司氏(元外務大臣・松下政経塾第8期)1962年京都市生まれ。京都大学法学部卒業。故・高坂 正尭先生のゼミで国際政治を専攻。松下政経塾卒塾後、91年に28才で京都府議会議員に当選(左京選挙区)。1993年には旧京都1区より衆議院議員に当選。現在9期目(京都2区)。民主党代表、国土交通大臣、外務大臣、国家戦略担当大臣、民進党代表などを歴任。現在、国民民主党代表代行、党安全保障調査会会長。○黄川田 仁志氏(衆議院外務委員長・松下政経塾第27期)1970年神奈川県横浜市出身。東京理科大学卒業。メリーランド大学修士課程終了。大阪大学大学院単位取得退学。専門分野は環境学、生態学、海洋学。環境コンサルタント、国連環境計画北西太平洋行動計画地域活動センター主任研究員として活躍。松下政経塾卒塾後、海洋政策研究財団にて海洋政策に関する業務に携わる。現在、衆議院外務委員長(自由民主党衆議院議員、当選4回、埼玉3区選出)。前内閣府副大臣。元外務大臣政務官。■参加費社会人2,000円/学生無料※お支払いは下記の「申込方法」よりお願いいたします。■申込方法下記のPeatix(日本政策学校作成)にてお申込み下さい。 詳細はこちら プレスリリース提供元:@Press
2023年05月15日政府は3月7日、マイナンバー法などの改正法案を閣議決定しました。税と社会保障、災害対策に限られた利用範囲を拡大する方針です。もっとも大きな改正ポイントは、紙の健康保険証を廃止しマイナンバーカードと一体化することです。とはいえ、マイナンバーカードの取得はあくまでも任意で、持たない選択もあります。国はマイナンバーカードを持たない人には保険証の代わりに「資格確認書」を無料で提供するとしています。ただ、資格確認書の有効期限はわずか1年。毎年更新の可能性があり、医療費もマイナ保険証より高くなるよう設定されています。国はこれまでのマイナポイントを配る“アメ”政策から、今後はマイナ保険証がないと手間と費用の両面で損になる“ムチ”政策に転換するのでしょう。マイナンバーカードの申請状況は4月9日時点で76.5%(総務省)ですが、保険証を廃止してもっと広く全国民に行き渡らせようとする、マイナンバーカードの事実上の義務化にほかならないと思います。■全国民の口座登録が政府の目標かこれらはデジタル化政策の一環といわれますが、デジタル化すれば生活は便利になるのでしょうか。たとえば、マイナ保険証を機械で読み取れば、病院の受付時間は短縮されるでしょう。しかし、マイナ保険証は受診のたびに持参する必要があります。従来の保険証は月1回でよかったにもかかわらず、これでは紛失も心配です。また、マイナ保険証は5年更新で、2年更新の保険証より期間は延びます。しかし、更新時期に手元に届き交換するだけの保険証と違い、マイナ保険証は市役所などに自ら出向いて手続きしなければなりません。作成時に指定したパスワードを数回間違えるとロックがかかって手続きできないことも。さらに重大な改正ポイントは、公金受取口座の登録促進策です。国は年金受給者に「年金口座を公金受取口座に指定するか」という確認書類を送り、同意した人に加えて「一定期間返事がない人も同意したとみなす」といいます。つまり「同意しない」と返事した方以外は全員、年金口座が公金受取口座に紐づけられてしまうのです。私たちはさまざまな契約で同意を求められますが、「同意しない」を選ぶことはあまりなく、隅々まで読まずに同意する方もいるのでは。また、提出を忘れることもあるでしょう。こうした手続きで同意とみなされることに“だまされた感”を持つのは私だけでしょうか。これは年金受給者だけの問題ではありません。当初は年金受給者が対象ですが、そのうち児童手当の受給者などにも広げ、いつの間にか全国民の口座登録完了を目指しているのだと思います。マイナンバー法などの改正案はすでに閣議決定され、与党が圧倒的多数の国会で覆すのは容易ではありません。ですが生活に関わる大問題。厳しい目を向け、私たちも声を上げていきたいと思います。
2023年04月21日皆さんは「上司」や「部長」と呼ばれる人にどのようなイメージがありますか。「近寄りがたい」「話しかけにくい」といった印象を持つ人もいるかもしれません。そのようなイメージを、いい意味でぶち壊す動画をTikTokで配信しているのが、大京警備保障(dkykeibi_tokyo)の公式アカウントです。もし上司が「5歳児」だったら@dkykeibi_tokyoもし上司が5歳児だったら/if my boss were a 5year old.♬ オリジナル楽曲 - 大京警備保障/Daikyo Security・手をブラブラさせながら階段を昇る・ほうきで棚やコピー機をなぞる・照明のスイッチを付けたり消したりする・ガラスに顔を押し付ける・机に手をついてジャンプするどれも5歳くらいの子供によく見られる行動ですが、やっているのはおじさん。「大人なのに何やってるの」といわれそうですが、その表情は生き生きとして楽しそうです。その動きと表情は、まさに5歳児そのもの。目を細めて、おじさんの輪郭をぼかして見ると、まるで保育園児がそこにいるかのようです。一片の迷いもなく、全力で5歳児の動きをコピーするおじさんに、次のようなコメントが寄せられています。・シンプルにかわいいリアルっぽいのも凄い。・クソ笑った。・大人になったらできないことを、楽しそうだなあ、部長。そうなのです。実は、このおじさんは「大京警備保障」の部長職の人。TikTokに全力を傾けるおじさんがまさか部長だとは、誰もが驚くのではないでしょうか。このような人が上司にいる会社なら、和気あいあいと楽しく仕事ができそうです。大京警備保障のアカウントには、ほかにも「冷えピタに書いた目からアニメキャラを当てるクイズ」など、多くの動画がそろっています。@dkykeibi_tokyo ※社長は特殊な訓練を受けています。The CEO has special training so it’s okay.#animegelsheet #fyp #ワンピース #onepiece ♬ New Genesis - UTA from ONE PIECE FILM RED - Ado冷えピタに絵を描いているのは、部長です。面白いだけでなく絵も上手なことに驚くかもしれません。こちらには、部長だけでなく社長も登場しています。一度見たら、次から次へと見たくなってしまう動画ばかりなので、ぜひご覧になってみてはいかがでしょうか。[文・構成/grape編集部]
2023年04月11日4月分から年金の支給額が増える。そんな報道を見て、支給日を心待ちにしている人は多いだろう。でも、実は年金の“価値”が減っているのは知っているだろうか。「4月から、年金受給額が67歳以下の人は、前年度から2.2%の引き上げ、68歳以上の人は1.9%の引き上げとなります。たとえば67歳以下の夫婦2人のモデル世帯の厚生年金受給額は22万4482円となり、昨年の21万9593円から4889円増えることになります。“増額”のため、思わず喜びを感じてしまいそうですが、実は年金は目減りしていることを知っておかなければなりません」こう語るのは、YouTubeで『年金博士・北村庄吾の年金チャンネル』を運営している、社会保険労務士の北村庄吾さんだ。なぜ年金が増額されたのに、目減りしているというのだろうか。「公的年金のメリットは、インフレリスクがないことでした。68歳以上の人は『物価変動率』、67歳以下の人は『名目賃金変動率』に合わせて年金の支給額が増減する仕組みになっています。つまり、賃金や物価が上昇すれば、年金受給額も上昇する。そうなれば貰う年金の価値は失われず、同じものが買えるのです。ところが年金は賦課方式といって、現役世代が払う年金保険料で、年金生活者の年金を賄うというもの。平均寿命が延びているため、年金生活者の数は増えています。一方、昨年の出生数が80万人を切ったと報じられているように、労働力人口はますます減少していく。このような少子高齢化社会で年金制度を維持するため、2004年に厚生労働省が導入したのが『マクロ経済スライド』という制度です。これは、年金の支給額を実質的に減額させていくものなのです」マクロ経済スライドとは、具体的にどんな制度なのか。「簡単にいうと、年金額の上昇が、物価や賃金の上昇よりも抑制されます。平均余命の伸びや現役世代の減少数から『スライド調整率』を算出し、それを従来の上昇率から差し引いた分しか、年金額を増やさないという仕組みです」■あの手、この手で年金を減らそうとするしかし、長引く不況で物価や賃金の上昇が伸び悩んだため、政府の思惑に反して、マクロ経済スライドはほとんどの年で発動されなかった。物価や賃金の上昇率が低かったり、マイナスだったりした場合は、マクロ経済スライドが発動されない仕組みになっているためだ。「2018年の時点で、マクロ経済スライドが発動されたのは2015年の一度だけという状態でした。そこで、2018年に厚労省が新たに導入したのが、“使わずにあまった調整率を、キャリーオーバーできる”という、ロト6のような仕組みです。つまり、マクロ経済スライドが発動されなかった年の調整率は翌年以降に持ち越され、次に発動するタイミングで、一気に引かれることになったのです」その後、2019年、2020年にマクロ経済スライドが発動。そして今回、昨今から続く物価上昇や賃金上昇によって、3年ぶり4回目のマクロ経済スライド発動となったのだが、しっかりとキャリーオーバー分も引かれている。「今年度のスライド調整率は0.3%と計算されています。さらにキャリーオーバーが2022年度で0.2%、2021年度で0.1%あるので、スライド調整率は合計0.6%ということになるのです」その結果、67歳以下の人は名目賃金変動率の+2.8%から0.6%を差し引いた+2.2%、68歳以上の人の年金額は、物価変動率+2.5%から0.6%を差し引いた+1.9%で改定されることに。「額面では増えるのでわかりにくいですが、年金受給額の増額は物価上昇よりも低く抑えられているので、じつは年金の価値は下がっています。実生活では気づきにくい形で年金を“値下げ”するという、姑息な制度です。しかし、最近の物価上昇は激しいので、今年はマクロ経済スライドの悪影響を実感する年になりそうです」じつは、年金額改定で用いられる物価の変動率は昨年1月から12月の数値をもとに計算されている。たとえば、67歳以下の改定に用いられた名目賃金変動率(+2.8%)は、昨年1~12月の消費者物価指数(+2.5%)と、2~4年度前の実質賃金変動率(+0.3%)から導き出されたもの。今年1月の消費者物価指数の+4.3%は反映されていない。つまり、マクロ経済スライドによる年金額の抑制と、今年に入ってからのさらなる物価の上昇が年金生活者を襲うことになる。67歳以下の人の年金額は2.2%上がったものの、足元の物価の上昇率との差は2.1%まで広がっている。金額にすると、モデル世帯の厚生年金は月4553円、年間にして約5万4000円ぶんも価値が目減りしていることになる。■減額は続く…年金は将来2割減る「受給額が“減る”一方で、2024年には、国民年金の被保険者期間が20歳から65歳まで、厚生年金の被保険者期間が70歳までから75歳までと、保険料の支払いの負担が増える可能性があります」マクロ経済スライドによる年金の減額はいつまで続くのか。「厚労省は、現役の男性の平均手取り月給に対する、モデル世帯の年金額の割合、『所得代替率』を指標にしています。2019年の時点で、平均月給35万7000円に対して所得代替率は61・7%。これが将来的に50%になるとされています。現在の貨幣価値で計算すると、年金受給額は17万8500円。現行よりも2割も年金額が減ってしまう計算です」厚生年金のモデル世帯は、平均的な収入の夫が40年間年金に加入し、妻が40年間専業主婦という比較的恵まれた世帯。多くの人の年金はもっと少ないものになる。「自分で老後の備えを行う必要があります。減税効果のあるiDeCoに加入し、投資信託でインフレリスクにも対応する運用を行うなどの検討をするべきでしょう」国があてにならない以上、自己防衛しか道はないのだ。
2023年03月24日’23年4月から年金の「特例的な繰下げみなし増額制度」(以下、みなし繰下げ)が始まります。そもそも年金受給は原則65歳からですが、’22年4月に繰下げ期間が10年に延長されたため、受給開始は60~75歳から選べることになりました。65歳より遅く受け取る繰り下げでは、ひと月ごとに0.7%増額され、最長10年間の繰り下げでは0.7%×120カ月=84%もの増額が一生続きます。年金の繰り下げには特に申し込みなどは不要で、自分で請求しなければ、繰下げ待機が始まります。そして年金を請求する際、繰り下げるかどうかを最終決定するのです。65歳での年金額が年100万円のAさんが71歳で年金を請求するとき、現在の選択肢は次の2つです。【1】繰り下げる場合65歳から6年間の繰り下げで、71歳から受給が始まります。6年分なので0.7%×72カ月=50.4%の増額となり、年金額は年150万4000円です。【2】さかのぼって一括受給する場合65歳にさかのぼって、本来の年金額を一括で受け取ることもできます。しかし「年金は5年で時効」の法律があるため、5年分は受け取れますが、65歳から66歳になるまでの1年分はもらえません。結果、71歳の請求時には本来の年金額100万円の5年(66~71歳)分の500万円を一括で受け取り、71歳以降は本来の受給額(年100万円)を受け取ります。65歳から66歳になるまでの100万円分は損する仕組みになっているのです。そこで’23年4月に導入されるのがみなし繰下げです。みなし繰下げは70歳以降で年金を請求し、さかのぼって一括受給を選択する場合「請求の5年前に繰り下げていた」とみなされるものです。先のAさんの例で、4月の改正後どうなるかを見ていきましょう。【3】繰り下げる場合改正前と変わりません。71歳から、6年間繰り下げて50.4%増額された年150万4000円を受け取ります。【4】さかのぼって一括受給する場合みなし繰下げが適用されます。71歳で年金請求するAさんは、5年前(66歳)に繰り下げていたとみなされます。繰下げ期間は65歳から66歳になるまでの1年間。年金額は0.7%×12カ月=8.4%増額され、年108万4000円に。請求したときに、それまで受け取っていなかった108万4000円×5年=542万円を一括で受け取り、71歳以降は年108万4000円を受け取ることになります。Aさんが【3】繰り下げる場合と【4】さかのぼって一括受給する場合を比べると、84歳より長生きすると【3】繰り下げのほうが受給総額は多くなります。ですが、元気なうちにまとまった年金額をもらったほうがいいと思う人もいるでしょう。■加給年金の有無がポイント。注意しようたとえば、自営業のBさん(73)は長く働き国民年金を最大限繰り下げようと考えていましたが、入院することに。そこで、【4】のさかのぼって一括受給する方法で年金を請求。5年分を一括で受け取れたので、医療保険がなくても安心して治療できました。また、自営業のCさん(72)は事業を後継者にゆずったタイミングで年金を請求。【4】のさかのぼって一括受給する方法を選択し、まとまった金額を自分の退職金代わりにしました。ただし、みなし繰下げは’23年3月末で71歳未満の方が対象です。ご注意ください。いっぽう、年金の繰り下げで注意が必要なのは年下の妻がいる会社員の方です。厚生年金の加入期間が20年以上ある夫が65歳になったとき、65歳未満の妻がいれば、夫の厚生年金に「加給年金」がつくからです。加給年金の額は年齢によりますが年約40万円。妻が65歳になるまで支給されます。また、妻が65歳になると加給年金がなくなる代わりに、妻の国民年金に「振替加算」がつきます。振替加算は年1万5000円ほどで、妻が死ぬまで加算されます。繰り下げたために加給年金や振替加算を棒に振るのはもったいない。実は、年金は厚生年金と国民年金に分割して繰り下げられます。加給年金は厚生年金とセットですから、年金を分け、厚生年金は繰り下げず、国民年金だけを繰り下げて、加給年金を受け取る手も。本来繰り下げは手続き不要ですが、年金を分けて繰り下げる場合のみ、届け出が必要です。詳しくはねんきんダイヤル(0570-05-1165)でご確認ください。自分に合った受給で、安心の老後を過ごしましょう。
2023年03月10日年金を何歳から受け取ればお得かを考える人は多いけれど、年金をどの銀行で受け取るかについて考える人は少なそう。しかし、銀行選びでも“お得度”がかなり変わってくるのだ!「年金の受け取りによって特典が受けられる銀行が増えています。以前はどこも横並びでしたが、いまは各行独自のサービスでしのぎを削っているんです」そう話すのは元国税庁国税専門官でファイナンシャルプランナーの森本陽子さん。具体的にどんな特典があるのだろうか。「年金の受取口座として指定することで、ATMの利用手数料が無料になったり、普通預金の金利がアップしたり、ポイントが貯まったりします。自分に合ったサービスのある銀行を選べれば、かなりのお得感を得られますよ」(森本さん・以下同)そこで、どの銀行で年金を受け取るのが本誌読者にとって“得”になるのか、ランク付けをしてもらった。「1位のイオン銀行は、イオン銀行ATMがいつでも手数料無料で使えるのが特徴です。イオン系列の商業施設にはATMがあるので、イオンをよく使う方には便利。また、イオンユーザーには電子マネーWAONを月1万円以上使う方も多いでしょう。年金受け取りの指定と合わせると、他行のATM利用手数料が月2回まで無料になり、他行あての振込手数料は月1回無料になります。さらに、普通預金金利が0.03%にアップ。これはメガバンクの普通預金金利0.001%の30倍です」普通預金の金利アップでいうと、7位の東京スター銀行は0.1%に。メガバンクのなんと100倍だ。「東京スター銀行が近くにある方は店舗で口座を開設できますが、近くにない方はネットバンキングで口座を開くことに。スマホの操作に不慣れな方には難しいかもしれません」ネットが苦手な現金派には、メガバンクがおすすめだ。「店舗や窓口のある銀行が安心でしょう。そのなかから、ATMの使い勝手で選ぶといいと思います。条件はATMが身近にあることと、手数料が無料で使える回数が十分なこと。70歳以上なら自社ATMの時間外手数料が無料になる4位の三菱UFJ銀行は、高齢者にはよい選択肢だと思います」ゆうちょ銀行の場合、郵便局内やゆうちょ銀行内に設置されているATMは365日利用手数料が無料。年金受け取り指定による特典は少ないが、現金を引き出す機会の多い人にはよさそうだ。「そのうえでクレジットカードの口座振替などを1つの口座にまとめると、入出金などの管理も簡単です。各行が独自で行うポイント制度のランクも上がるので、特典が増えお得度もアップします」ネット銀行にもメリットがある。「ネット銀行はコンビニATMと提携しており、利用できるATMの台数や各種手数料が無料になる回数も比較的多いのが特徴です。3位の住信SBIネット銀行は銀行アプリとスマホの本人確認情報をひもづけるだけで、ATM利用手数料も他行あて振込手数料も月5回まで無料に。ネットが得意な方にはかなり好条件です」すでに年金を受給している人も銀行を変えられるのだろうか。「年金事務所などに『年金受給権者 受取機関変更届』を提出すれば変更できます。銀行でも相談に乗ってくれると思います」物価高が続く昨今、どんなに小さなお得も見逃せない。ランキングを参考に、お得に年金を受け取れる銀行に切り替えよう。の台数や各種手数料が無料になる回数も比較的多いのが特徴です。3位の住信SBIネット銀行は銀行アプリとスマホの本人確認情報をひもづけるだけで、ATM利用手数料も他行あて振込手数料も月5回まで無料に。ネットが得意な方にはかなり好条件です」すでに年金を受給している人も銀行を変えられるのだろうか。「年金事務所などに『年金受給権者 受取機関変更届』を提出すれば変更できます。銀行でも相談に乗ってくれると思います」物価高が続く昨今、どんなに小さなお得も見逃せない。ランキングを参考に、お得に年金を受け取れる銀行に切り替えよう。
2023年02月13日’23年度の公的年金は、3年ぶりに増額が決まりました。年金支給額は68歳以上で1.9%、67歳以下は2.2%増えます(23年1月20日・厚生労働省)。厚生年金の夫婦2人モデル世帯で、月4889円増えて22万4482円。国民年金は40年間保険料を納めた満額支給の方で、月1434円増えて6万6250円です(どちらも67歳以下)。4~5月分を受け取る6月から受給額が変わります。年金が増えて喜んでいる方もいるでしょうが、実は物価を考え合わせると、年金は実質目減りの状態にあるのです。本来、年金は物価の上昇と共に受給額が上がる仕組みでした。しかし、年金の支え手である現役世代が減り、財源不足が問題です。それらを解消し「100年安心」な年金にしようと’04年に年金改革法が成立。「マクロ経済スライド」を導入して、年金額の抑制を図りました。これは、物価などの変動率から、現役世代の人口減少と平均余命の延びから算出される「調整率」を差し引いた割合しか年金を上昇させない仕組みです。その結果、物価が上昇しても以前のように年金は増えなくなりました。■年金だけでは物価高に対抗できないしかし、マクロ経済スライドは物価などの下落時には発動されないのがルールです。デフレ下でずっと発動されずに10年余りが過ぎ、初めて実施されたのは’15年度でした。マクロ経済スライドの実施が少ないままでは、年金額の抑制は進みません。そこで’18年度からは、マクロ経済スライドが実施できなかった年分の調整率を、翌年以降に持ち越す「キャリーオーバー制度」が導入されました。今年、物価の上昇を受けて3年ぶりにマクロ経済スライドが発動されました。そのため、物価の上昇に対して、年金の増額が低く抑えられています。 ここで’23年度の改定率を見てみると、68歳以上の方の年金額は’22年の物価変動率2.5%が基準です。ただし2.5%の増額から、’23年度の調整率0.3%と’21年度・’22年度のキャリーオーバー分0.3%が引かれ、1.9%の増額に抑制されたというわけです。年金額の抑制は、若者世代の負担を減らすために必要な措置でしょう。とはいえ、’22年12月の消費者物価指数は前年同月比で4%の上昇。いまは41年ぶりの物価高です。値上げが相次ぎ、年金生活者の家計は火の車だと思います。国にはこうした状況に配慮して、たとえば「今回のみキャリーオーバー分は据え置く」などの措置をとってほしいものです。でも、岸田内閣は検討すらしていないでしょう。わが家の家計は、自分で守るしかありません。’23年度の年金額は、物価高に対応できていないと肝に銘じ、お金を使わない生活にシフトしましょう。徹底的にムダを排除し、家計のダウンサイジングに努めてください。
2023年02月03日舞台「年金未納者ミャーキ」製作委員会主催、舞台「年金未納者ミャーキ」(原作:須田信太郎、脚本・演出:田中大祐)が2023年4月19日(水)~4月23日(日)にあうるすぽっと(豊島区立舞台芸術交流センター)(東京都豊島区東池袋4-5-2 ライズアリーナビル2F)にて上演されます。チケットはカンフェティ(運営:ロングランプランニング株式会社、東京都新宿区、代表取締役:榑松 大剛)にて2月18日(土)10:00より抽選先行開始です。カンフェティにて2月18日(土)10:00より抽選先行開始 ★先行特典:複製サイン入りブロマイド(出演者別)公式ホームページ 公式ツイッター(@kibarashiboyz) すぐそこにあるブラックな未来!2023年4月19日(水)~4月23日(日)に、池袋あうるすぽっとにて、舞台「年金未納者ミャーキ」の上演が決定しました。今作品は、90年代にマンガ&音楽ファンに衝撃を与えた「江戸川ハートブレイカーズ」や「ウルティモ・スーパースター」など、伝説の名作を残した須田信太郎による原作で、2007年に「コミックビーム」(KADOKAWA/エンターブレイン)で連載された社会派ディストピアコメディです。脚本・演出を担当するのは、舞台「魁‼︎男塾」や「サルまん」を手がけた田中大祐。主演はミュージカル「刀剣乱舞」などで活躍する武本悠佑と個性派俳優コウガシノブ、ヒロインは元ラストアイドルの長月翠がつとめます。年金制度の崩壊危機が叫ばれ、国民の1/4以上が65歳以上の高齢者となり、ブラック企業が違法な労働環境で若者を搾取する社会状況を予見していたかのような今作品。若者たちが熱くPUNKする姿を笑いとともにお届けします!【ストーリー】202X年、国民年金を払わない者には容赦ない仕打ちが待ち受ける近未来のディストピア。富裕層の老人たちは医療科学の力で若返り、失われた青春を謳歌する。一方、金もなく年金を払えない若者たちは、そんな老人たちを支えるための労働力としてブラック企業以上の重労働を課せられる。極限まで追い込まれた若者たちの怒りの導火線に火がついた瞬間、溜めこんだフラストレーションがPUNKする!【原作者】須田信太郎(すだ しんたろう)1969年1月30日生まれ、静岡県出身。大学4年時に「トレンドバスターズ」で 講談社第25回ちばてつや賞大賞受賞。別冊ヤングマガジンで「江戸川ハートブレイカーズ」を連載。「ウルティモスーパースター」「地下鉄のランナー」「やさしい女は何処にいる」などを発表。公演概要舞台「年金未納者ミャーキ」公演期間:2023年4月19日(水)~4月23日(日)会場:あうるすぽっと(豊島区立舞台芸術交流センター)(東京都豊島区東池袋4-5-2 ライズアリーナビル2F)【原作】須田信太郎【脚本・演出】田中大祐【企画】気晴らしBOYZ【主催】舞台「年金未納者ミャーキ」製作委員会■出演者武本悠佑・コウガシノブ/長月翠/黒木文貴・縣豪紀・佐川大樹・竹本洋平・杏さゆり・農塚誓志・両國宏・半井小絵・兵藤美帆・杉田友里・三原有人・樋口裕司・賀谷亮祐・青地洋・アレス■公演スケジュール4月19日(水)19:004月20日(木)14:00/19:004月21日(金)14:00/19:004月22日(土)14:00/19:004月23日(日)14:00※ロビー開場は開演の45分前/客席開場は開演の30分前※出演者変更によるチケット代金等の返金、キャンセル等はいたしません。※未就学児童入場不可■チケット料金S席:8,500円(1列~7列)A席:6,500円(全席指定・税込)★先行発売(抽選)※特典付き・カンフェティ: 申込期間:2月18日(土)10:00~2/26(日)23:59当落発表:3月2日(木)特典:複製サイン入りブロマイド(出演者別)★一般発売(先着)・カンフェティ: 発売日:3月11日(土)10:00~公式HP: 公式ツイッター: お問い合わせ: myaaki.info@gmail.com 詳細はこちら プレスリリース提供元:NEWSCAST
2023年02月03日パナソニックの創業者・松下幸之助が設立した松下政経塾(神奈川県茅ケ崎市)は、1dayインターン「『水の安全保障』から考える持続可能性」~国土・地形・水・エネルギーの視点から~を2023年2月7日(火)に開催します。松下政経塾 1dayインターン現在、松下政経塾では、第45期生(2024年4月入塾)【前期】エントリーを受付中です。募集要項: そこで、入塾をご検討の皆様、松下政経塾に関心のある皆様に、松下政経塾生の研修をオンラインで体験しながら、社会課題、国家の長期的展望について考える【1dayインターン】を企画いたしました。今回のテーマは「水の安全保障」。私たちの未来は、資源の制約、温暖化に伴う異常気象の頻発、そして地球規模の環境悪化という過酷な状況に直面しようとしています。実は、これらはすべて「水の姿」となり我々の前に現れています。ゲスト講師に、ベストセラー『日本史の謎は「地形」で解ける』(PHP文庫)著者でNPO法人日本水フォーラム代表理事の竹村 公太郎先生をお招きし、お話を伺います。そのうえで、日本そして世界の水問題を解決し、水資源の争奪戦を未然に防ぎ、持続可能な未来を創るために、今、日本がなすべき「水の安全保障」について考えます。 当たり前すぎて、普段はなかなか考えることのない「水の重要性」を通じて、日本の未来を考えます。塾生募集中創設者・松下幸之助と塾生【開催概要】開催日時:2月7日(火)13:00~17:00開催場所:オンライン(Zoom)参加費 :無料【プログラム】13:00 オリエンテーション/松下政経塾紹介13:20 講義「日本の国土と水~これからの『水の安全保障』戦略~」講師:竹村 公太郎先生[元国土交通省河川局長/NPO法人日本水フォーラム 代表理事]14:20 講師とのディスカッション、質疑応答14:50 休憩15:00 グループワーク「わが国の『水の安全保障』戦略を考える~治水・利水・エネルギーを中心に~」15:50 休憩16:00 グループワーク成果発表16:50 クロージング17:00 終了※スケジュール・内容は一部変更することがあります。ご了承ください。【お申込】 【その他のイベント】〔松下政経塾 見学会〕3年ぶりに、実際に松下政経塾をご覧いただける見学会を実施いたします。松下政経塾の環境・雰囲気を感じていただきながら、現役の塾生と懇談いただけます。開催日時 : 1月28日(土)13:00~15:30開催場所 : 松下政経塾(神奈川県茅ケ崎市汐見台5-25)参加費 : 無料詳細・お申込: 松下政経塾の光景(本館・研修棟) 詳細はこちら プレスリリース提供元:@Press
2023年01月27日「障害年金と聞くと、どんな人が受給の対象だとイメージしますか?難病や交通事故に遭って、重い障害を負った……というくらいの状態じゃなければもらえないと思われがち。ですが、さまざまな身近な病気も対象となるのです」こう話すのは『障害年金の手続きから社会復帰まで』(秀和システム)などの著書もある、特定社会保険労務士の漆原香奈恵さんだ。漆原さんのもとへは受給希望者からの新規相談が舞い込む。「最近多いのは精神疾患の方です。うつ病や、双極性障害、統合失調症をはじめ、大人の発達障害などさまざな精神疾患が該当します」(漆原さん・以下同)そのほか、婦人科系の疾患やがん、糖尿病や透析、弱視など多くの疾患が対象となるといっていい。闘病が初診日から1年半以上続き、仕事を辞めたり休みがちになるなど、日常生活に支障があるなら、障害年金受給の対象となる可能性がある。「最近では手術困難な子宮筋腫で受給が決定した方もいらっしゃいました。長く付き合っていく可能性のある疾患であれば受給資格に該当し、働いていてももらえる可能性が。ソーシャルワーカーさんや家族に勧められるなどで存在を知り、手続きを思い立つこともあるようです」もらえる金額は次のとおり。■年金・手当金の年額(令和4年度)【1級】〈障害厚生年金・障害手当〉:(報酬比例の年金額)×1.25+[配偶者加給年金]〈障害基礎年金〉:97万2250円(77万7800円×1.25+子の加算)【2級】〈障害厚生年金・障害手当〉:(報酬比例の年金額)+[配偶者加給年金]〈障害基礎年金〉: 77万7800円+子の加算【3級】〈障害厚生年金・障害手当〉:(報酬比例の年金額)最低保証58万3400円【障害手当金一時金として受給】〈障害厚生年金・障害手当〉:(報酬比例の年金額)×2116万6800円に満たないときは116万6800円※報酬比例の年金額は、年金加入の被保険者期間が300月未満の場合、300月にみなして計算します障害の程度により1・2・3級・障害手当金とあり、2級以上に該当すれば、老齢年金と同様に、障害年金も2階建てに。国民年金加入者や20歳未満の方は障害基礎年金が受け取れて、厚生年金や共済年金に加入していれば障害厚生年金も受給できる。「国民年金加入の場合は、年度により金額は異なりますが、約80万円(令和4年度は77万7800円)。1級に認定されればここに25%上乗せされ97万2250円となります。さらにお子さんがいると人数に応じて金額が加算され、2級以上の障害厚生年金受給者の方は配偶者の加給年金もあります」子どもがいる場合の加算額は、年額で、2人目までなら1人につき22万3800円、3人目以降は1人7万4600円だ。配偶者の加給年金は22万3800円となる。■受給することをためらわないで!申請するうえで気をつけたいことは主に3つ。まずは保険料を一定期間納付していることだ。「いざというとき障害年金を申請しても未納があるともらえなくなってしまうこともあるので、滞納のないように気をつけましょう」2つ目は、その病気によって日常生活に支障があるか否か。「日常生活に支障があるというのはどの程度なのか、基準があります。誰かの介助が必要な状態でなくとも、労働に制限があったり、日常生活をすることに困難があった場合は該当する可能性が」3つ目は、初診日を特定する必要があることだ。「意外とこちらがハードルに感じることも。今から初診日までかなり遡る場合、初診日に通院していた病院が廃業していたり、主治医の先生が退職していることもあるからです」たとえばうつ病などで長患いとなり、よい医師がいると聞いては転院を重ねるうちに、初診日が曖昧になってしまうのだという。しかしあの手この手で、初診日を特定できることは多いため諦めることはない、と漆原さんは説明する。「当時の診察券やお薬手帳、障害者手帳などで特定・証明することができれば申請可能。受給に結びついたケースも多くあります」ちなみに10年前から通院している場合でも遡れるのは5年まで。それでももらえる金額は大きい。「障害基礎年金の場合は約400万円、障害厚生年金であれば700万円程度一括で(5年分)支給されたケースも。このくらいの金額は平均的で、受給資格を得られたなら、かなりまとまった額が保証されます。『経済的な不安から焦って無理をすることなく治療に専念できる』といって安心する方も多いです」申請をするには、まず8種類ある診断書のなかから自分が該当するものを選択することから。書面による審査のため記載項目が多く、添付書類も年金請求書・受診状況等証明書・医師の診断書・本人の申立書など多岐にわたるが、丁寧に進めれば自分で作成・申請することは十分可能だ。「診断書は年金事務所などで受け取ることができ、日本年金機構のホームページからダウンロードも可能。ただし、対象にならないケースもありますし、迷われたら年金事務所や専門家に相談し、申請しましょう」障害年金を申請することに抵抗感がある人もいるかもしれないが、漆原さんは、社会的なデメリットはほとんどないと話す。「もらっていることを会社やお子さんの学校に申告する義務はありません。病気やけがは誰にでも起こりうるもの。無理なく生活するうえで、障害年金は安定と安心を得られる大切な保障です」
2022年11月22日「老後の生活を支える『年金』に関する手続きを怠ってしまったがためにライフプランが狂ってしまった、という人が続出しています」そう話すのは、ファイナンシャルプランナーで社会保険労務士の井戸美枝さんだ。大切な老後資金に異変が起きている背景には、“働き方の多様化”があるという。「新卒で入社した会社で定年を迎えるのではなく、転職を繰り返す人や、定年を待たずに退職してフリーランスになる人も増えてきました。会社を辞めた後、忙しさにかまけて年金の手続きを後回しにしてしまい、ほったらかしにした結果、60歳になって受け取れるはずの年金がもらえなくなってしまった、という事態が起きているのです」(井戸さん・以下同)日本の年金制度は1階部分を「国民年金」、2階を「厚生年金」、3階を「私的年金」とする“3階建て”で構成されている。このうち3階部分の私的年金には、国民年金基金、厚生年金基金、確定給付企業年金(DB)、確定拠出年金(DC)があり、加入者自身が資産を運用する確定拠出年金には、企業型と、最近注目の個人型(iDeCo)がある。なかでも注意が必要なのが、「企業型の確定拠出年金」だ。「給与明細を詳しく見たことがない、毎月の給料から何が天引きされているか知らない、という人が意外と多いのです。退職した後には厚生年金から国民年金に切り替えるために年金事務所で手続きをしますが、それで手続きが完了したと勘違いしている人もいます。しかし、企業型の確定拠出年金に加入していた人は、退職してから6カ月以内に、それまで積み立てたお金をiDeCoもしくは転職先の確定拠出年金などに移す必要があります。iDeCoの手続きは自分で行わなければなりません。手続きをせず6カ月が経過すると、その資産は自動的に『国民年金基金連合会』が現金で預かることになります。これを『自動移換』といい、100万人以上の人が該当する深刻な問題になっています」■該当する人は111万人、総額2千600億円にも…国民年金基金連合会によると、この「自動移換」に該当する人は今年7月末で約111万人。同会が現金で預かっている、いわば“置き去り年金”の総額は今年3月末で2千587億5千200万円。200万円を超える資産が自動移換された人は2万3千200人もいる。いったん自動移換されると、現金の状態で国民年金基金連合会に置き去りにされた状態になるので、運用はいっさいできなくなる。しかも自動移換の際に4千348円の手数料が引かれて、それ以降も毎月52円の手数料が発生する。年間で624円と少額だが、長期間運用しないで手数料が引かれるとなると、資産は目減りする一方だ。「最大の問題は、確定拠出年金の場合、原則として加入期間が10年以上ないと、60歳から受け取ることができない点です。10年を満たしていれば60歳から受け取れますが、この間手数料が引かれるため、当初受け取れるはずだった年金よりも総額は少なくなります。また、加入期間が10年未満の人は、自動移換されている間は加入期間とはみなされません。たとえば入社してから7年勤めている間、企業型の確定拠出年金に加入した人が会社を辞めてそのまま年金資産を放置してしまうと、60歳から受け取ることはできなくなります」実質“喪失”となってしまうことにもなりかねないというのだ。「資産が少額などの条件を満たしていれば、脱退一時金として受け取ることができます。ただし、受け取るためにはiDeCoに加入して、加入期間を10年にするしか方法はありません。そうなると年金をもらい始めることができる時期が先延ばしされてしまいます」年金資産が自動移換になると国民年金基金連合会から「確定拠出年金に関する重要なお知らせ(自動移換通知)」という書類が送られてくる。それでも手続きをしなければ、年に一度お知らせが来るので、きちんと確認しよう。また、自分の年金記録は企業年金連合会のホームページで、年金手帳に記載されている基礎年金番号を入力すれば確認が可能だ。安心した老後を過ごすためにも、受け取れる年金をもらいそびれることのないよう気をつけたい。
2022年10月11日簡単に人間関係を崩してしまうお金。お金があれば不自由はしませんが、トラブルの元になることも。 今回は実際に募集した金銭トラブルエピソードをご紹介します!歳の離れた姉かなり歳の離れた、1人暮らしの姉がいます。収入が年金だけで貯金はなく、ときどき借金の申し入れがあります。「年金もらったら返すから」と言うので、その都度貸してあげるのですが…。最近になって借りたことを忘れていたり、金額を間違えてしまったりすることが増えて来ました。その度に、貸した日にちと金額を思い出させるのに苦労しています…。(男性/会社員)デート代をケチる元カレ元カレの話です。その人は金銭的なことに細かく、その上、自分のお金はできるだけ使わずに他人がお金を払うのを待っている人でした。私とデートのときもお金を出すという思考はないようで…。出典:lamire例えば一緒にレストランに入ると「今、給料日前でお金がないから」と言うので、私が彼の食事代を払ったことは1度や2度ではありません。次第に嫌気がさし、付き合って3ヶ月後に別れました。(女性/パートアルバイト)あなたの周りでもこんなこと、ありませんか?「金の切れ目は縁の切れ目」と言うように、お金はトラブルの元になりやすいみたいです。お金の貸し借りをするときには慎重にしないといけませんね。以上、金銭トラブル体験談でした。次回の「金銭トラブル体験談」もお楽しみに♪※こちらは実際に募集したエピソードを記事化しています。※作者名含む記事内の情報は、記事作成時点のものになります。"
2022年08月23日東京都社会保険労務士会(会長:寺田 晃)は、社会貢献事業の一環として、都内や近県にお住まいの小学生とその保護者の皆さまを対象に「夏休みこども年金教室」を令和4年8月18日(木)にオンラインで開催します。チラシ表面この年金教室では、年金に関する唯一の国家資格者である社会保険労務士が年金制度の仕組みをわかりやすく解説するとともに、将来の年金制度の担い手となるこどもたちに、年金クイズや夏休みの自由研究にもなる年金新聞の作成をとおし、年金の大切さを楽しみながら学んでもらう機会となるよう企画しました。この機会に是非ご参加ください。【夏休みこども年金教室】●対象者: 小学生とその保護者の方●日時 : 令和4年8月18日(木)14:00~16:00(受付開始13:30)●場所 : Zoomオンライン配信配信URL等についてはお申し込み後にお知らせします。●参加費: 無料●主催 : 東京都社会保険労務士会 社会貢献委員会●申込 : 右のQRコードまたは以下のURLよりお申し込みください。(申込期限は8月5日まで)但し、定員に達し次第、受付を終了する場合がございます。 ●定員 : 50組100名程度(保護者の方もご一緒にご参加ください。)※詳細は東京都社会保険労務士会ホームページ( )をご参照ください。【東京都社会保険労務士会 概要】社会保険労務士法に基づき東京都に設立された法定団体。社会保険労務士会は各都道府県に設置されている。都内で活動する会員社会保険労務士の資質の向上と業務の改善進歩を図るため、会員の指導及び連絡に関する事務を行うことを目的としている。所属会員は、開業、法人社員、勤務などの個人会員と社会保険労務士法人の法人会員で構成されており、2022年5月31日現在の会員数は、個人会員11,359名、法人会員759法人。HP: 詳細はこちら プレスリリース提供元:@Press
2022年07月15日新型コロナの余波が続くなか、家計がピンチになる家庭が急増している。「新型コロナの影響が想定外に長引いたので、さまざまな業種が影響を受けています。毎月の家賃や光熱費の支払いに追われて、思わず消費者金融やクレジットカードのキャッシングに頼る人もいるようですが、返済の利息が高くつきますので絶対にNGです。リストラや収入減のピンチに陥った際の給付金や支援金のほかにも、公共料金の支払いが免除される制度などを知っておくと、いざというときに役立ちますよ」そうアドバイスするのは、社会保険労務士でファイナンシャル・プランナーの井戸美枝さん。給付金や、支払ったお金の一部が戻ってくる還付金、または支払いそのものが免除される特例など。こうした制度は、言い方を変えれば、“申請すればもらえるお金”といえるだろう。知っておきたいのは、コロナ関連の給付金や減免措置だけでなく、病気や失業したときに受け取れるお金もあるということ。「正社員だけしかもらえない」と思い込んでいる人も多いが、実はパート・アルバイトも受け取れる対象になっているケースが多いので、しっかり押さえておきたい。■確実にお金を「もらう」ために確認しておきたい3つのポイントコロナ関連の給付金以外にも、払いすぎた医療費が戻ってくる「高額療養費制度」など、さまざまな場面で「もらえるお金」。だが、それらは基本的に自分で申請しなければもらえないシステムになっているなど、漏れなく給付を受けるためには注意すべき点も多い。通知が来るのを待っていてそのまま忘れてしまったり、申請しようと思ったら、期限が過ぎてしまっていたりすることもあるので気をつけよう。「コロナ関連の給付金は、申請期限を延長しているケースがありますので、役所のホームページで最新情報をチェックしましょう。また、収入減で生活が苦しいときに行政が無利子で貸してくれる『緊急小口資金』や『総合支援資金』は、すでに借りている分についても返済期間が延長されています。返済困難な場合も含め、窓口で困っていることを相談してみましょう」(井戸さん・以下同)そして、パート・アルバイトが、こうした「もらえるお金」の対象になるかどうかは、健康保険や厚生年金保険といった、いわゆる「社会保険」への加入がカギとなる。たとえば、健康保険に加入していれば、病気やケガで仕事を休んだときに「傷病手当金」がもらえるし、厚生年金保険に入っていれば、障害認定を受けるともらえる「障害年金」の受給額が多くなる。今年10月以降、これら健康保険と厚生年金保険の加入のハードルが下がるので、もう一度確認しておこう。〈1〉1週間の所定労働時間が20時間以上ある。〈2〉雇用期間が2カ月を超えて見込まれる。〈3〉月額賃金が8.8万円(年収106万円)以上ある。〈4〉学生ではない。この4つを満たすと、社会保険に加入できる。たとえば、1日4時間、週5日スーパーでレジ打ちのアルバイトをしていたら、働く時間は週20時間を超えるので、加入の対象になる。ただし、勤務先が「被保険者の総数が常時100人を超える事業所」でない場合は対象外になるので注意が必要。この要件は、’24年10月には「常時50人」になるが、個人経営のスーパーや飲食店で働いても社会保険には加入できないことがあるので覚えておきたい。社会保険への加入によるメリットはほかにもある。「社会保険というと健康保険と厚生年金保険だけが対象だと思う人も多いのですが、雇用保険、労災保険もあります。この2つの保険は勤務先の業種や規模を問わず、週の労働時間が20時間以上、かつ31日以上引き続き雇用が見込まれ、さらに学生ではないことが加入の条件。雇用保険に加入していると、失業時に基本手当(失業給付)がもらえるほか、再就職に向けた職業訓練も無料で受けられます。また、労災保険には、仕事中にケガをしたり病気になったりしたときに治療費が無料になるといった、たくさんの『もらえるお金』があります」パートの求人欄に、「社会保険完備」と書かれているのをよく目にするが、雇用保険や労災保険も含まれているか要チェックだ。それでは次は具体的な「もらえるお金」を教えてもらおう!■コロナ禍で“傷んだ生活”には緊急支援対策で対応しよう長引くコロナの影響で、収入減やリストラに遭ったとき、市区町村の社会福祉協議会が無利子でお金を貸してくれる制度が「総合支援資金」と「緊急小口資金」。「総合支援資金」は、コロナ禍で仕事を失ったり、仕事が減った人が生活を立て直すまでの一定期間(原則3カ月以内)、生活費として月20万円以内(2人以上世帯の場合)を借りられるもので、休業したり、仕事が減った人向けの「緊急小口資金」でも20万円以内を(1回のみ)借りることができる。「これらの貸し付けは通常、高齢者や住民税非課税世帯などの低所得者が対象となっていますが、コロナで収入が減ったり失業したりしたときは、収入の要件はなく無条件で借りられます。『緊急小口資金』も新型コロナの影響で減収した場合は、休業していなくても借りられるようになっています」コロナによる収入減で家賃の支払いが厳しくなったら、家賃相当額が3カ月給付される「住居確保給付金」を申請しよう。「賃貸住宅に住んでいる人が対象で、持ち家でローンを支払っている人は対象外です。コロナで生活がピンチになったら、市区町村にある社会福祉協議会、役所の福祉課にもらえる対象かどうかを含めて遠慮なく相談してみましょう」新型コロナの影響で要件が緩和されているが、これらの申請期限は今のところ8月31日となっている。期限を過ぎると借りられなくなるので、役所のホームページで最新情報を確認しよう。■納付の免除・猶予も「もらえるお金」の一部また、コロナ禍で失業してしまった場合には、国民年金保険料の免除・納付猶予制度もある。失業すると、勤務先で加入していた厚生年金保険から国民年金保険に切り替わるが、月1万6590円(’22年度)もする保険料を失業中に支払うのは大変。そんなときにこの制度を利用すると、保険料を支払わなくても年金の受給資格期間に反映されるのだ。「コロナの影響で収入減になったときは、特例措置として簡易な手続きで利用できるようになっていますが、年金額の計算上は、免除期間の納付保険料は本来納める額の2分の1とみなされます。また、納付猶予になった期間については、将来受け取る年金額には反映されず、満額支給にはなりませんので覚えておきましょう」収入が少ないときは公共料金の支払いも苦しいもの。電気やガス、水道など、公共料金の支払いが滞ると供給停止となってしまう恐れがあるが、これも事前に申請しておくことで支払いを猶予してもらえる可能性がある。ちなみに、東京都では水道料金は最長1年間、電気・ガス料金は1カ月先延ばしできる特例がある。■生活全般にかかわる「もらえるお金」一覧【総合支援資金】問合わせ先:市区町村の社会福祉協議会収入減で生活が苦しいとき、無利子で貸付が受けられる。2人以上世帯で月20万円以内を原則3カ月以内。申請期限2022年8月31日まで。【緊急小口資金】問合わせ先:市区町村の社会福祉協議会収入減で生活が苦しいとき、無利子で貸付が受けられる。貸付額は20万円以内。申請期限2022年8月31日まで。【生活困窮者自立支援金】問合わせ先:市区町村緊急小口資金等の特例貸付を終了した世帯、利用できない世帯が利用できる。2人世帯8万円、単身世帯6万円、3人以上世帯10万円を3カ月支給。申請期限2022年8月31日まで。【住居確保給付金】問合わせ先:市区町村収入減で住居を失う恐れがあるとき、市区町村が定める金額を上限に、原則3カ月(延長は2回まで最大9カ月)支給される。給付終了後、再度新型コロナの影響で収入源の場合、さらに3カ月再支給が可能。申請期限は2022年8月31日まで。【国民年金保険料の免除・納付猶予】問合わせ先:市区町村の国民年金課国民年金保険料の納付が困難なときは免除の申請をすることで、加入していたとみなされる。ただし、満額支給にはならない。追納は可。【公共料金の支払い猶予等】問合わせ先:各契約事業者新型コロナの影響で支払いが困難なとき、電気・ガス・水道料金の支払い期限の猶予が受けられる。措置を講じている事業者については地域ごとに要確認。収入減の急場をしのぐには、契約している会社や自治体にどんな「特例」があるのか確認しよう!【PROFILE】井戸美枝社会保険労務士、ファイナンシャル・プランナー。最新刊の『「届け出」だけでもらえるお金・戻ってくるお金』(宝島社)をはじめ、監修、著書多数
2022年07月13日「6月支給分から、年金が前年より0.4%減となりました。夫が一般的な収入のサラリーマンとして40年働き、妻が専業主婦という“モデル世帯”が受給する年金は、月額22万496円から219593円へと、903円も引き下がりました。年間では10836円ものマイナスです。しかも、急激な物価上昇により、年金は額面以上に“減っている”状態です」こう語るのは、年金博士こと、社会保険労務士の北村庄吾さんだ。そもそも、物価が高騰するなか、なぜ年金が減額されたのだろうか。「少子高齢化で現役世代の人口は減っているのに、寿命が延びたことで年金受給者は増えていきます。現役世代の負担を軽減するため、2016年の年金改定で、現役世代の賃金が下がれば、その分、年金受給額も下げるというルールになったのです」コロナ禍による景気の落ち込みなどで、過去3年の賃金変動率などが0.4%減ってしまったことで、年金額も同じように減額されてしまったのだ。■年金額は2割減に…生活の見直しが必須年金の減額はさらに続くと、前出の北村さんは分析する。「年金の条文の中でも、将来的に所得代替率が50%になることに触れられています。所得代替率とは、現役男子の手取りに対する年金受給額の割合のことです」現在、モデル世帯といわれる男子の平均給与は357000円で、所得代替率は61.7%になっている。「これが50%となれば、年金の受給額は178500円に。現行よりも約2割も減る計算です」つまり、物価が下落する見込みはなく、年金額は下がり続けていく。「主食を小麦製品から価格の上昇していない米に切り替えるなど、生活のあり方の根本的な見直しが必要です」(生活経済ジャーナリストの柏木理佳さん)厳しい老後が待っていそうだ。
2022年06月30日止まらない物価の上昇。さらに老後の頼みの綱である年金は6月の支給分から減額になった。このことによって、すでに年金をもらっている人も、これからもらう人も大きく老後資金が“減った”のだーー。「6月支給分から、年金が前年より0.4%減となりました。夫が一般的な収入のサラリーマンとして40年働き、妻が専業主婦という“モデル世帯”が受給する年金は、月額22万496円から219593円へと、903円も引き下がりました。年間では10836円ものマイナスです。しかも、急激な物価上昇により、年金は額面以上に“減っている”状態です」こう語るのは、年金博士こと、社会保険労務士の北村庄吾さんだ。そもそも、物価が高騰するなか、なぜ年金が減額されたのだろうか。「少子高齢化で現役世代の人口は減っているのに、寿命が延びたことで年金受給者は増えていきます。現役世代の負担を軽減するため、2016年の年金改定で、現役世代の賃金が下がれば、その分、年金受給額も下げるというルールになったのです」コロナ禍による景気の落ち込みなどで、過去3年の賃金変動率などが0.4%減ってしまったことで、年金額も同じように減額されてしまったのだ。■1万品目超の値上げ…政府の対策は期待できず年金減額だけではなく、急激な物価の上昇も家計に大きな影響を与えている。生活経済ジャーナリストの柏木理佳さんは言う。「2019年10月に消費税の増税、2020年の新型コロナによる景気の低迷で、企業の業績が悪化しました。一時期、コロナ禍で世界的に物流が滞りましたが、2021年に入り欧米諸国で輸出入が急激に再開されたことで、原油の需要と供給のバランスが崩れるなどして原油価格が高騰。大豆や小麦などの穀物の価格にも反映されました。昨年末からは、ロシアとウクライナの緊張が高まり、原油と小麦価格がさらに値上がっています。そして、この数カ月の急激な円安も家計に影響を与えています。麺類やパンなどの小麦粉商品をはじめ、輸入される牛肉や魚介類、さらにスーパーの総菜、ペットボトル飲料、お菓子など、1万品目以上が値上がりするのです」6月24日に発表された最新の「消費者物価指数(全国2022年5月分)」によると、総合的な物価は昨年と比べて2.5%上昇している。生魚や生野菜などの生鮮食品は12.3%、水道光熱費に至ってはなんと14.4%もの上昇だった。これを昨年5月の「家計調査」にあてはめてみると、この1年で月の支出額は214961円から220335円と、5374円も増えたことになる。年間だと64488円の上昇だ。「年金も減額されているので、年金世帯がこれまでと同じ生活をするだけで、年間75324円も負担が増えることになります。平均寿命の延びも加味し、老後を30年として計算したら2,259,720円の負担増になります。老後の計画が狂ってしまう人も多いはずです」(柏木さん)つまり、現在の状況は本来使えるはずだった老後資金が226万円も減ったのに等しい。政府はこの物価上昇をある程度容認すると、柏木さんはみている。「政府や日銀は長く続くデフレを脱却することを目標にしてきました。日本銀行のが『国民が値上げを受け入れている』と口走ったのも、そんな本音の表れでしょう。そもそも企業が、値上げした商品の価格を再び下げるとは、考えにくい。ウクライナ情勢も長引けば、さらなる値上げもありえます」岸田政権下で急激に目減りしていく老後資金。政治がそれに歯止めをかけない以上、生活を貧しくしていくしかないのかも……。【図解】昨年と今年の月の消費支出比較と物価上昇率
2022年06月30日平均寿命が男性より長い女性にとって、老後の「年金」は大事な収入源。年金は、一度受給を開始したら、死ぬまで“減らない財布”です。だからこそ、少しでも受け取れる額を増やしたいもの。その増やし方、教えますーー。「PGF生命の調査では、60歳の25%が『貯蓄が100万円未満』。4人に1人は老後資金がほぼない状態なのです。とくに私が心配しているのは女性の老後です」こう話すのは、最新著『私の老後私の年金このままで大丈夫なの?教えてください。』が話題の“年金のプロ”長尾義弘さん。「総務省の『家計調査(’19年版)』では、高齢の無職の夫婦世帯の平均支出は月額約27万円。シングルの場合は月額約15万円です」今回、長尾さんは独自の年金受給額シミュレーションを使い、夫が正社員の専業主婦、ともに正社員の共働き夫婦、ともに自営業の夫婦が、65歳から年金を受給した場合の月額受給額を試算。また、女性のさまざまなライフスタイルの変化により、起こりうる年金受給の変化についても試算(数字はすべて概算。以下、コメントはすべて長尾さん)。妻の立場別、老後のリスク別に、もっとも得な年金の受け取り方を長尾さんの試算をもとに徹底解説していこう。「妻が専業主婦の世帯では、前出支出平均と比べ月額2万円の赤字となり、けっこう生活は厳しい。そこで提案したいのは、夫にとにかく70歳まで働いてもらうこと」70歳まで夫の収入だけで生活し、夫婦とも年金受給を70歳からに遅らせることで、なんと年金受給額は36万円にアップする。「共働き夫婦も考え方は専業主婦と同じ。夫だけが70歳まで働くより、妻も働くことで、妻1人になったときの生活不安をより軽減できるのでがんばってください」国民年金しかない自営業の夫婦の場合は「国民年金基金」に加入して、老後の年金を増やす方法を長尾さんは勧める。そして、離婚や死別、親の介護やシングルのままなど、状況の変化の中でも、しっかり年金について考えておく必要がある。■妻が専業主婦の場合夫は60〜70歳まで厚生年金に入れる仕事に就き、夫婦の年金受給は70歳に繰り下げる。【現状】妻の平均賃金:月額20万円(妻は結婚のため30歳で退職)夫の平均賃金:月額50万円夫の60〜65歳の再雇用賃金:月額30万円〈65歳からの年金受給額〉妻:月額約7万円(年額約89万円)夫:月額約18万円(年額約213万円)夫婦の合計月額:約25万円【対策】・夫は70歳まで働く・夫婦共に年金の受給開始を70歳まで遅らせる〈70歳からの年金受給額〉妻:月額約10万円(年額約126万円)夫:月額約26万円(年額約312万円)夫婦の合計月額:約36万円※約11万円の得!!現在の企業は60歳退職、65歳まで再雇用のケースが多い。「そのまま65歳から年金受給すると、月額受給額は約25万円で、高齢夫婦世帯の平均支出額より月額2万円足りない計算。まだ夫の健康状態に問題がないようなら、あと5年間は働くように上手に舵取りしてください。もし65〜70歳の間の仕事が厚生年金に加入していない職場でも、収入によって繰下げ受給ができれば、月額約27万円よりは十分多い金額を受給できるので、働いてもらうことが大切です」さらに夫が先立つことも考え、今後、あなたも厚生年金に加入できるパートや派遣社員で社会復帰し、自分の受給額を増やすこともぜひ検討してほしい。■妻が共働きの場合夫婦共に70歳まで再雇用で働き、年金受給は70歳から。【現状】妻の平均賃金:月額26万円夫の平均賃金:月額39万円妻の60〜65歳の再雇用賃金:月額18万円夫の60〜65歳の再雇用賃金:月額30万円〈65歳からの年金受給額〉妻:月額約12.4万円(年額約149万円)夫:月額約15.4万円(年額約185万円)夫婦の合計月額:約28万円【対策】・夫婦共に70歳まで働く・夫婦共に年金の受給を70歳まで遅らせる〈70歳からの年金受給額〉妻:月額約18万円(年額約217万円)夫:月額約23万円(年額約273万円)夫婦の合計月額:約41万円※約13万円の得!!「夫婦共に正社員で、2人とも65歳から年金受給すると、合わせて月額約28万円。現状でも高齢夫婦の平均支出額を上回っていますが、夫が先立った場合、妻だけでは月額約12万円で高齢単身者世帯の平均支出額の約15万円には足りません。そこで妻が1人残った場合の安心な老後のためにも、夫婦そろって70歳まで働き、年金受給も70歳からにすること」こうすることで、70歳以降の年金生活でも、趣味などにお金を回せ、潤いある生活を送ることができると同時に、妻だけになったときの年金受給額も月額17万円にアップ。これなら1人の老後もなんとか年金だけでやっていける金額だ。■妻が夫と自営業をしている場合国民年金基金に加入し、70歳まで働き、年金受給は70歳から。【現状】妻:国民年金のみ夫:国民年金のみ〈65歳からの年金受給額〉妻:月額約5.7万円(年額約68万円)夫:月額約5.7万円(年額約68万円)夫婦の合計月額:約11万円【対策】・60歳以降も国民年金に任意加入して満額に・国民年金基金に加入・夫婦共に70歳まで働く・年金の受給を70歳まで遅らせる〈70歳からの年金受給額+国民年金基金(月額:妻約4万円、夫約5万円)〉妻:月額約13万円(年額約159万円)夫:月額約14万円(年額約174万円)夫婦の合計月額:約27万円※約16万円の得!!「自営業の夫婦が受け取る年金は国民年金(老齢基礎年金)だけなので、2人合わせて月額約11万円。平均支出と比べて16万円も足りません。できるだけ早いうちから国民年金基金に加入し、年金を“2階建て”にしましょう。無理はいけませんが、なるべく多い金額を掛けることが“安心老後”を迎えるコツ」夫婦が国民年金基金に月額3万5000円ずつ、約20年掛けた場合、65歳以降合わせて月額9万円が受け取れる。また国民年金も満額にするため任意加入して払い続けることで、70歳からの月の受給総額は夫婦で27万円に。「必ず夫だけでなく妻も国民年金基金に加入し、妻1人の老後にも備えることが肝心」■熟年離婚を考えているケース増え続ける熟年離婚。今後離婚を考えている場合、必ず「年金分割」を利用し、夫の厚生年金の半分を受け取る。【現状】妻の平均賃金:月額8.5万円(パート)夫の平均賃金:月額40万円夫の60〜65歳の再雇用賃金:月額25万円〈65歳からの年金受給額〉妻:月額約6.5万円(年額約78万円)夫:月額約15.5万円(年額約186万円)夫婦の合計月額:約22万円〈婚姻期間30年で按分割合50%の場合〉妻の厚生年金:約3万円夫の厚生年金:約3万円〈離婚後65歳の年金受給額〉年金分割:月額約3万円妻の基礎年金:月額約6.5万円月額:約10万円【対策】・離婚したら正社員の仕事に就き、70歳まで働く(月額13万円)・年金の受給を70歳まで遅らせる〈70歳からの年金受給額〉妻:月額約15万円(年額約177万円)月額:約15万円※約5万円UP!!「『年金分割』は婚姻期間中の厚生年金は夫婦共同で支払っているとみなし、厚生年金の最大半分を妻が受け取るというものです」妻が60歳以降に離婚したケースで、年金分割の按分割合は50%。夫が認めた場合だが、それでも離婚後の妻の年金受給額は月額約10万円と厳しい。「そこで提案したいのが、たいへんですが70歳まで働き、自分の基礎年金分の受給を70歳まで遅らせること。こうすることで、受給額はぐんと増え約15万円になりますよ」■介護で離職するか悩んでいるケース離職は年金が激減するので極力避けて働き続ける。【現状】平均賃金:月額25万円〈65歳からの年金受給額〉月額:約11万円(年額約129万円)【対策】・介護離職をしないで70歳まで働く・介護保険、介護サービスを活用する・再雇用で70歳まで働く(月額20万円)・年金の受給を70歳まで遅らせる〈70歳からの年金受給額〉月額:約18万円(年額約216万円)※約7万円UP!!「母親と二人暮らしの正社員のシングル女性(53歳)。最近母親に介護が必要になって、介護離職したいと相談を受けました。いまや介護は日本全体の問題。たしかに仕事と介護の両立はたいへんですが、1人で抱え込むと後で後悔することに。介護する人の老後を試算すると、仕事は無理をしてでも続けるべきです」長尾さんの試算では53歳で退職すると、厚生年金加入期間が短くなるため、65歳からの受給は月額約11万円と激減。「平均的な介護日数は約5.1年。介護離職ではなく、介護保険をうまく活用して介護サービスを使うことで、行政や専門スタッフの力を借りてなんとか乗り切ってほしいものです」■夫に先立たれたら……と不安なケース夫の遺族厚生年金と基礎年金は受給し、自分の年金受給だけ75歳から。【現状】妻:専業主婦夫の平均賃金:月額40万円夫の60〜65歳の再雇用賃金:月額25万円企業年金あり(月額5万円)〈65歳からの年金受給額〉妻:月額約6.5万円(年額約78万円)夫:月額約20.5万円(年額約246万円夫婦の合計月額:約27万円〈夫の死後の年金受給額〉遺族厚生年金:月額約7万円妻の基礎年金:月額約6.5万円月額:約13万円【対策】・75歳までは夫の遺族厚生年金月額約7万円と夫の保険金で生活・基礎年金部分だけ受給を75歳まで遅らせる〈夫の死後の年金受給額〉遺族厚生年金:月額約7万円妻の基礎年金:月額約12万円月額:約19万円※約6万円UP!!「5歳以上年上の夫がいる専業主婦の場合を想定して試算してみましょう。ただでさえ女性のほうが6年以上長生きというデータがあるので、妻が75歳を過ぎると夫が先立つ可能性が高い。妻の基礎年金だけを75歳から受給するようにして、それまでは夫分の年金でやりくりすることが理想といえます」遺族厚生年金は夫が生きていた場合の受給額の約半分。また企業年金は夫死亡と同時になくなってしまう。夫の死後の妻の年金は月額約13万円。それがこの方法で約19万円になるという。「もし妻が75歳になる前に夫が亡くなったら、そのときから自分の基礎年金を受け取る手続きも可能なのでご安心を」■このままシングルかも……と想像するケース正社員の立場を確保し、70歳まで働ける環境を築く。【現状】平均賃金:月額17万円〈65歳からの年金受給額〉月額:約11万円(年額約126万円)【対策】・転職し正社員の仕事に就く(月額30万円)・再雇用で70歳まで働く(月額15万円)・年金の受給を70歳まで遅らせる〈70歳からの年金受給額〉月額:約18万円(年額約212万円)※約7万円UP!!「派遣社員として働き、現在親と同居中の女性(月収17万円)がこのままの生活を続けた場合、65歳からの年金受給は月額約11万円。高齢単身者世帯の月の平均支出額は約15万円なので、4万円足りない計算。むずかしいとは思いますが、受給額を増やすには、とにかく正社員になってベースとなる給料を上げる努力が必要です」もし35歳で月給30万円の正社員になり、そこからキャリアアップしながら60歳で定年。再雇用で70歳まで働き、年金受給を70歳まで遅らせれば、月額18万円受給可能に。「たいへん厳しい提案ですが“安心老後”のためには、とにかく正社員をめざすことです」人生100年時代、70歳までは働き盛りと考え、乗り切ることが必要とされているといえそうだ。【PROFILE】長尾義弘ファイナンシャル・プランナー。新聞・雑誌・WEBなどで「お金」をテーマに幅広く執筆。『私の老後私の年金このままで大丈夫なの?教えてください。』(河出書房新社)など著書多数
2022年06月01日パートの厚生年金の加入要件が緩和される。そこで、加入した場合の手取り額と、どれくらい年金が増えるのかを徹底シミュレーション。すでに厚生年金に入っている人も、これから入るかもしれない人も、人生100年時代の指針に役立てて――!「今回の年金制度改正により、中小企業に勤務されているパートやアルバイトの人たちも、厚生年金に加入する機会が増えます。加入すれば、将来の年金受給額を増やせます。“人生100年時代”に備えた保障を厚くするチャンスだといえるでしょう」このように語るのは、年金制度に詳しい「よこはまライフプランニング」代表で、特定社会保険労務士の井内義典さんだ。パートやアルバイトなどの短時間労働者は、特定の要件を満たさなければ、厚生年金と健康保険に加入できない。しかし、その要件が次のように緩和されるのだ。■厚生年金の加入要件はどう変わる?【企業規模】現行:常時500人超改正点:常時100人超(’22年10月~)→常時50人超(’24年10月~)【労働時間】現行:週の所定労働時間20時間以上改正点:変更なし【賃金】現行:月8万8,000円以上改正点:変更なし【勤務期間】現行:継続して1年以上の見込み改正点:継続して2カ月超の見込み(’22年10月~)【適用除外】現行:学生でないこと改正点:変更なし現行は「従業員500人超」の企業で働いていることが要件のひとつだが、10月から「100人超」に変更。同時に、勤務期間も「継続して1年以上の見込み」から、「継続して2カ月超の見込み」になる。厚生労働省の推計によると、この緩和で、厚生年金の加入者は新たに約45万人増えるという。2年後の’24年10月には、企業規模の要件が「従業員数51人以上」まで緩和され、さらに約20万人加入者が増えると予測されている。■国民年金からの変更は二重にお得夫が会社員の場合、妻が年収130万円を超えると、夫の扶養から外れ、自ら社会保険に加入しなければならなくなる。年収130万円以上で現行の要件に該当せず、国民年金に加入している人(第1号被保険者)、また夫の扶養の範囲で働いている基礎年金の人(第3号被保険者)のなかには、10月の要件緩和で厚生年金に新たに加入するという人が増えるはずだ。さらに、年収130万円未満でも、独身や夫が自営業で国民年金に加入していて、新たに厚生年金に入るというケースもある。厚生年金の被保険者(第2号被保険者)は、将来、基礎年金に加え、加入した期間や当時の報酬額で決まる「比例報酬部分」を受給することができる。収入と加入期間(働いていた期間)で、どれだけ年金受給額が増えるかを、井内さんの協力のもと、本誌が試算したのが図の表だ(画像参照)。たとえば、パート収入が月に11万円の人が厚生年金に5年加入した場合、65歳から受け取る年金額は、基礎年金(国民年金)だけの人と比べると、月に2,854円、年間で3万4,248円も増額される。仮に90歳まで生きた場合には、85万6,200円も差が出る計算だ。メリットはこれだけではない。「たとえば障害年金。国民年金制度の障害基礎年金は、障害等級1級と2級の障害を対象としていますが、厚生年金に加入することで、それよりも軽い3級の障害でも障害厚生年金を受給できるようになります。また、1級や2級に該当した場合は、基礎年金と厚生年金の“2階建て”で障害年金が受けられます」(井内さん)厚生年金に加入すると、収入に応じた保険料を払うことに。ただし、会社が保険料の半分を負担してくれるので、年収220万円くらいまでは、国民年金の保険料(1万6,590円、’22年度)よりも自己負担額は少ない。国民年金から厚生年金に移る人は、手取り額が増え、将来の年金受給額も増えるという“両得”な場合が多いのだ。一方、夫の扶養内で働く第3号被保険者は、新たに保険料を払うことになるので、手取り額が減ってしまう(表参照)。それが嫌なら、働く時間や収入を減らしたり、勤務先を変えて、加入要件から外れるようにする必要があるが……。「逆に働く時間や収入を増やして、将来の年金も増やしたほうが、長い目で見た老後の安心を手に入れられると思います」(井内さん)10月の変更でも該当しないという人は、働き方を変えて、厚生年金の加入を検討してみて!※表は井内氏の協力のもと、本誌作成。金額は2022年度時点の概算。小数点以下は四捨五入。税・社会保険料については、健康保険は「協会けんぽ東京支部」の被保険者負担分の保険料率(4.905%)、雇用保険は令和4年4~9月までの保険料率(0.3%)で計算。介護保険料は0.82%、厚生年金保険料は9.15%の保険料率で計算。健康保険料、介護保険料、厚生年金保険料は標準報酬月額×保険料率。税については社会保険料の控除も行われている。
2022年05月06日皆さんは恋愛で苦い経験をした事はありますか?どうせ恋愛するならいい恋愛がしたい…そう上手くいかない方もいるみたいです…。今回は実際に募集した恋愛トラブル体験談エピソードを2本ご紹介します!「高収入が自慢の元彼」元彼は高収入が自慢のエリートでした。しかし私は平均収入程度だったのにも関わらず、支払いは全て割り勘…。まぁそれはいいとしても、彼は高級な食事など費用がかさむことばかりしたがり、私に対して「転職したら?ま、無理だよね」と、上から目線。耐えられなくなり「もっと将来を視野に入れて貯金をしていこう」と話合いを何度も求めましたが、結局フラれて終わりました…。(女性/主婦)「年下の彼氏のお願い」昔、年下の彼氏とお付き合いしていたとき「〇〇ちゃん(私)の仕事の送り迎えをしてあげたいから免許がとりたい」「今はお金がないけど、バイト代がたまったら必ず返すから」と言われ、自動車の教習所の代金を全額支払いました。その後破局…。車での送り迎えはともかく「お金は返してもらいたい…」と何度か連絡しましたが音信不通で、結局返済はしてもらえませんでした…。(女性/会社員)いかがでしたか?「金の切れ目が縁の切れ目」とも言いますし、付き合っていく中では重要なファクターですよね。いくら好き合っている同士でも、お金の貸し借りは慎重にしないといけませんね。以上、恋愛トラブル体験談でした。次回の「トラブル体験談エピソード」もお楽しみに♪※こちらは実際に募集したエピソードを記事化しています。"
2022年05月02日受給開始時期を遅らせることで、受け取る金額を増やせる年金の繰り下げ。しかし、年金の額が増えると、税や社会保険料の負担も増えるという。結局、どれくらい繰り下げるのがいちばんお得なのかーー?「年金の繰り下げの仕組みが大きく変わります。現在は70歳までの繰り下げ受給が、4月からは75歳まで可能になるんです」そう語るのは、ファイナンシャルプランナーで「生活設計塾クルー」取締役の深田晶恵さん。この4月から施行される年金制度改正法によって、今年の4月1日以降に70歳になる人は、75歳まで公的年金(以下年金)の受給開始を繰り下げできるようになる。「受給を1カ月遅らせると、額面の年金額は0.7%増えます。たとえば5年繰り下げて70歳から受け取ると65歳時点で受け取る金額の1.42倍が、10年繰り下げて75歳から受給した場合には、1.84倍が受け取れます。65歳時点の年金額が年200万円の人なら、5年繰り下げると年金額が284万円、10年繰り下げると368万円に。この金額を生涯にわたって受け取れるのが繰り下げ受給の魅力です」【年金の繰り下げ受給のポイント】・年金額が増える・公的年金は生きている限りずっともらえるので、長生きするとお得に!【年金の繰り下げ受給の注意点】・厚生年金の繰り下げ期間は、加給年金を受け取ることができない・夫の死亡後に妻が受け取る遺族厚生年金の額は65歳時点の金額。繰り下げで増えた分は反映されない・年金額が増えると、社会保険料や医療費の自己負担額などが増える場合がある老後の生活を支える虎の子は、額面ではなく実際に使える“手取り額”を把握しておくことが重要だ。じつは、年金の手取り額は繰り下げによる額面の増加と同じようには増えないという。「受け取る年金額によっては、収入が増えると同時に、社会保険料や税の負担が大きくなる場合があるのです。年金の手取りは、額面から所得税と住民税、国民健康保険料(75歳以降は後期高齢者医療保険料)と介護保険料を引いた金額。所得税は全国共通ですが、それ以外は住んでいる自治体によって金額が異なります。けれど、どこに住んでいようと年金収入が増えれば、税金と社会保険料の比率が高くなって、手取り率が下がる仕組みは共通です」■年金が夫200万円、妻78万円の場合繰り下げるとどうなる?それでは、額面と手取りでは実際にどれくらいの差があるのだろうか?今回は東京都世田谷区に住む「夫200万円、妻78万円」と厚生労働省のモデル世帯に近い同年齢の夫婦を想定し、65歳から年金を受け取る場合と、5年、10年と繰り下げたケースでの手取り額を深田さんに試算してもらった。「65歳から年金を年200万円受け取る夫の場合、介護保険料は4万8,000円で、国民健康保険料は9万7,000円(ともに年間、端数切り捨て)に。5年繰り下げて、受給額が284万円に増えると、介護保険料は9万3,000円、国民健康保険料は22万9,000円に増えて、手取りの増額率は額面の増額率より大幅に低くなります。一方、基礎年金だけの妻の場合は、元の金額が少ないため、年金額が増えても社会保険料や税の負担はそれほど大きくなりません。手取りでも額面と同程度の増額効果を得ることができます」何歳まで受給すれば、65歳から受給した場合の年金の総額を超えるかという「損益分岐年齢」も額面と手取りでは違ってくる。額面ベースなら、70歳から受給すると81歳11カ月、75歳から受給すると86歳11カ月で、65歳から受給したときよりも受け取る年金総額が大きくなる。「年金200万円の夫の場合、手取りベースの損益分岐年齢は、70歳から受給した場合85歳6カ月、75歳からなら89歳8カ月に後ろ倒しとなります」一方、年金78万円の妻の場合、手取りベースの損益分岐年齢は5年繰り下げで82歳、10年でも87歳。額面と比べても差はわずかだ。厚生労働省の「令和2年度の簡易生命表」によると、60歳まで生きた男性の平均寿命は84.21歳、女性は89.46歳。年収200万円前後の男性の場合、年金の受給開始を70歳や75歳に繰り下げても、元が取れる可能性は女性ほど高くないことは頭に入れておいたほうがよさそうだ。■年金が増えると医療費負担も増えるさらに、年金収入が増えた場合、医療費の負担も増加する。「75歳以上の高齢者の医療費窓口負担は原則1割ですが、10月からの法改正で、一定の所得(単身世帯は年金含めて200万円以上など)がある人は2割に引き上げられます。後期高齢者になれば、定期的な通院が増え、夫婦で年間10万円程度の医療費がかかると思っていたほうがいいでしょう。これが2割負担になると20万円に。年金生活において、この10万円の負担増の影響は無視できません」深田さんの試算によると、年金200万円の夫が、65歳から年金を受給した場合は、75歳以上の医療費の窓口負担は1割にとどまるが、70歳、75歳までと年金を繰り下げた場合には、2割負担になる可能性が高いという。図のチャート(画像参照)を参考に、自分の負担割合が何割になりそうかを知っておくことも重要だ。では、どのような人が繰り下げに適しているのだろうか?「男性でも女性でも、予想される年金収入が少ないと、増額に伴う手取り率低下の影響を受けづらく繰り下げで得をしやすいです。自営業の人や専業主婦など年金を100万円前後かそれ以下しか受け取れない場合には、75歳まで繰り下げるのも選択肢です」都市圏の場合、夫婦なら夫の年金額が211万円未満で、扶養される妻の年金額が154万円未満であることが住民税の均等割が非課税になる基準。この金額を超えない範囲での繰り下げなら、社会保険料の負担の急増を避けて、年金を増やすことができそうだ。超える場合、もちろん手取りの金額自体は増えるがお得感は少なくなる。■貯金を崩してまで繰り下げしなくていい「そうはいっても、いちばん問題になるのは繰り下げ期間中の生活費をどう賄うのかです。年金を受け取るまでの期間、貯蓄を取り崩して生活するのは危険。年間の生活費に300万円かかる場合、老後資金が2,000万円あったとしても5年間で500万円にまで減ってしまいます。年金受給までの生活費を貯金で賄う人の場合、70歳時点で貯蓄が1,000万円を下回ってしまうなら、繰り下げず65歳から受給して。それでも年金を増やしたいなら、夫の年金は65歳からもらいながら、妻の年金をできる限り繰り下げるのがおすすめです。受給開始までの期間、妻の年金が受け取れない分は、夫婦で少し働いて補うのがベスト」一般的に妻は夫よりも長生きする確率が高いが、年金額は少ない。「夫の死亡後に妻が受け取る遺族厚生年金の額は、65歳時点の年金額を基に計算するため、夫の年金を繰り下げても、夫亡き後の妻の生活の支えにはなりません。妻の年金は元の金額が少ない分、繰り下げの恩恵も受けやすい。女性の長生き対策としても、妻の年金はできる限り繰り下げるのがおすすめです」年金の繰り下げ受給を、シニア時代を豊かに過ごすための大きな武器にするかどうか、しっかり見極めたいものだ。
2022年04月06日「年金の繰り下げの仕組みが大きく変わります。現在は70歳までの繰り下げ受給が、4月からは75歳まで可能になるんです」そう語るのは、ファイナンシャルプランナーで「生活設計塾クルー」取締役の深田晶恵さん。この4月から施行される年金制度改正法によって、今年の4月1日以降に70歳になる人は、75歳まで公的年金(以下年金)の受給開始を繰り下げできるようになる。「受給を1カ月遅らせると、額面の年金額は0.7%増えます。たとえば5年繰り下げて70歳から受け取ると65歳時点で受け取る金額の1.42倍が、10年繰り下げて75歳から受給した場合には、1.84倍が受け取れます。65歳時点の年金額が年200万円の人なら、5年繰り下げると年金額が284万円、10年繰り下げると368万円に。この金額を生涯にわたって受け取れるのが繰り下げ受給の魅力です」年金収入が多くなれば、老後の生活は安泰に。しかも年金は終身制度なので、長生きをするほど受給総額は増える。この超低金利の時代に、これほど増える金融商品はない。やっぱり繰り下げが“正解”なのだろうか……。「繰り下げにはメリットがありますが、注意しなければいけない点もあります。まずは自分が実際にもらえる年金収入を確認し、どのように繰り下げをするのがベストかを考えていきましょう」■年金繰り下げで手取りはいくら増える?老後の生活を支える虎の子は、額面ではなく実際に使える“手取り額”を把握しておくことが重要だ。じつは、年金の手取り額は繰り下げによる額面の増加と同じようには増えないという。「受け取る年金額によっては、収入が増えると同時に、社会保険料や税の負担が大きくなる場合があるのです。年金の手取りは、額面から所得税と住民税、国民健康保険料(75歳以降は後期高齢者医療保険料)と介護保険料を引いた金額。所得税は全国共通ですが、それ以外は住んでいる自治体によって金額が異なります。けれど、どこに住んでいようと年金収入が増えれば、税金と社会保険料の比率が高くなって、手取り率が下がる仕組みは共通です」■年金金額の手取りはいくら?早見表つぎの「年金手取り額早見表」では、年金収入が上がるほど、手取り率が下がっていく。【年金手取り額早見表】額面収入:180万円→手取り額:163万円(手取り率:90.60%)額面収入:200万円→手取り額:181万円(手取り率:90.50%)額面収入:220万円→手取り額:194万円(手取り率:88.20%)額面収入:240万円→手取り額:208万円(手取り率:86.70%)額面収入:260万円→手取り額:224万円(手取り率:86.20%)額面収入:280万円→手取り額:239万円(手取り率:85.40%)額面収入:300万円→手取り額:254万円(手取り率:84.70%)額面収入:320万円→手取り額:268万円(手取り率:83.80%)額面収入:340万円→手取り額:284万円(手取り率:83.50%)額面収入:360万円→手取り額:301万円(手取り率:83.60%)額面収入:380万円→手取り額:317万円(手取り率:83.40%)額面収入:400万円→手取り額:334万円(手取り率:83.50%)額面収入:420万円→手取り額:350万円(手取り率:83.30%)額面収入:440万円→手取り額:366万円(手取り率:83.20%)額面収入:460万円→手取り額:381万円(手取り率:82.80%)額面収入:480万円→手取り額:397万円(手取り率:82.70%)※令和2年、江戸川区のモデルで試算。本人年齢は66歳・妻の年金は90万円特に、年金増額で社会保険料の負担が増えやすいのは、男性の厚生年金受給者の平均的な受給額である、年200万円前後の年金を受け取る人だという。「都市部などの大都市圏では、扶養する配偶者がいる場合は年金収入211万円まで、単身者は155万円までで住民税の均等割が非課税になります。これを超えると、社会保険料の減免措置が受けにくくなったりして一気に負担が増え、手取り率が減ってしまうのです。ただし、均等割の非課税基準は自治体ごとに異なるので自分の住んでいる地域の基準を確認するようにしましょう」
2022年04月06日「年金暮らしの人でも、確定申告をすることで、払いすぎた税金が戻ってくる場合があります」そう語るのは、土屋会計事務所の税理士・土屋裕昭さんだ。「確定申告とは、1年間に得た所得を計算して税務署に申告することで、税金を納めたり、払いすぎた税金の払い戻しを受ける手続きのこと。年金生活者の場合は、年金等の収入が年間400万円を超えたり、公的年金以外の所得(パートやアルバイトも含む)が年20万円(給与収入だと75万円)を超えると確定申告が必須になります」確定申告の必要がある人の場合、期限に遅れると最大年14.6%程度の延滞税が、申告しないと無申告加算税(税額の最大20%)が課せられることがある。それ以外の年金受給者は確定申告の“必要”はないが、確定申告によって“払いすぎた税金が戻ってくる”ことはあるという。■所得税を払っていれば「確定申告」で還付を受けられる可能性が「年金のみが収入源となっている世帯でも、年金収入が一定額を超えれば所得税が発生します。たとえば、現役時代会社員だった夫と専業主婦の妻がともに65歳以上の場合、妻の年金収入は国民年金のみなので、満額(約78万円)もらっても所得税は発生しません。一方夫は、公的年金等控除と基礎控除相当(162万円)と配偶者控除(39万円)を足した201万円に社会保険料控除を加えた金額を超える収入があると、所得税が源泉徴収されます。この税額が“本当に払うべき”税額よりも多い場合、確定申告でその差額が戻ってくるんです」〈元々会社員の夫と専業主婦の世帯なら〉夫の年間の年金収入が、社会保険料の年間支払い金額+201万円より多い〈未婚女性の場合〉年間の年金収入が、社会保険料の年間支払い金額+162万円より多い。※公的年金等控除+基礎控除(相当額)+配偶者控除、未婚女性の場合は配偶者控除なし自分が源泉徴収でいくら払ったかは、毎年1月ごろに日本年金機構から送られてくる「公的年金等の源泉徴収票」で確認できる。「所得税は、収入から各種控除を引いた“課税所得”にかかります。この所得の金額を減らすことができるのが“所得控除”です」年金受給者に送付される“公的年金等の源泉徴収票”で行われる控除は、社会保険料控除や扶養控除など一部のもののみ。「サラリーマン時代にあった年末調整では、生命保険料、地震保険料などが所得から控除されていました。しかし、年金生活者がこれらの控除を受けるには、自分で確定申告をしなければいけません」還付は5年前の分まで可能。この機会に、支出を見直して取り戻せる税金は取り戻そう!
2022年02月14日「確定申告とは、1年間に得た所得を計算して税務署に申告することで、税金を納めたり、払いすぎた税金の払い戻しを受ける手続きのこと。年金生活者の場合は、年金等の収入が年間400万円を超えたり、公的年金以外の所得(パートやアルバイトも含む)が年20万円(給与収入だと75万円)を超えると確定申告が必須になります」そう語るのは、土屋会計事務所の税理士・土屋裕昭さんだ。それ以外の年金受給者は確定申告の“必要”はないが、所得税を払っている場合確定申告によって“払いすぎた税金が戻ってくる”ことはあるという。「所得税は、収入から各種控除を引いた“課税所得”にかかります。この所得の金額を減らすことができるのが“所得控除”です」■市販漢方薬の購入費も控除の対象になる「セルフメディケーション税制」「よく使われるのは、医療費控除。年間10万円を超えた分の医療費を所得から差し引くことができます。また、総所得金額等が200万円未満の人の場合は、10万円ではなく総所得金額等の5%を超えた金額を、医療費控除額として差し引くことができるのです」たとえば、年金を月20万円もらっている65歳以上の人の場合、年間の収入240万円から公的年金等控除110万円を引いた、130万円が総所得金額になる。この5%にあたる6万5,000円を超えた医療費が控除されるのだ。年間20万円の医療費を払った場合、控除額13万5,000円の5%である6,750円が支払った所得税から戻ってくる。住民税にも適用され、控除額の10%である1万3,500円が翌年6月以降に支払う住民税の合計から天引きに。ぜひ活用したいのは、「セルフメディケーション税制」と、「寡婦(夫)控除」だと土屋さん。「’17年からスタートしたばかりで知らない人も多いセルフメディケーション税制は、ドラッグストアで購入した特定医薬品の合計額が税込み1万2,000円を超えた分を所得控除できるというものです」家族全員の分を含めることができ、花粉症の薬や漢方薬、湿布薬も対象なので利用しやすい。ただし、医療費控除との併用はできないので、注意が必要だ。「もう一つは『寡婦控除』。ご主人が亡くなった後、婚姻しておらず合計所得金額が500万円以下の場合などに適用され、27万円の所得控除を受けることができます」所得税を5%払っている人ならば、27万円の5%である1万3,500円所得税が安く。住民税を払っている場合は、住民税も2万7,000円安くなる。「確定申告の期限3月15日は所得を申告し、納税する人の締切り。守らなければペナルティが発生しますが、還付はこの期限に限らず申告できます」次のページからはよく使われる控除を紹介。確定申告でお金が戻ってくるチャンスがあるのはこんな人だ。■よく使われる控除11選【前編】被災地への義援金も控除の対象に!【病院にたくさん行った】医療費控除年間で10万円を超えた分の医療費が所得控除される。また総所得金額等が200万円未満の人は、所得の5%を超えた医療費が控除対象に。保険診療の医療費だけでなく、自由診療の入れ歯やインプラント手術の費用、はりなどの施術の対価(疲れを癒すなど治療に関係ないものは含まれない)、医療機関までの公共交通機関を利用した通院費、緊急時のタクシー料金のほか、訪問看護、通所リハビリなどの一部介護費用なども医療費控除の対象。【指定の市販薬を1万2,000円超購入した】セルフメディケーション税制健康診断・予防接種・がん検診などを受けた人が、1年間に「スイッチOTC医薬品」などの対象医薬品を年間1万2,000円以上購入した場合に、超えた分を所得控除することができる(上限8万8,000円)。確定申告する本人と生計を共にする家族や親族の分も含められる。令和3年分から対象となる医薬品が拡大。葛根湯など漢方薬やアセトアミノフェンを含む解熱剤の購入でも控除を受けることができる。【義援金を送ったり寄付をした】寄附金控除寄附金控国が指定する団体へ2,000円超の寄付をしたときに「寄附金控除」を受けられる。対象となる団体には国・地方公共団体、財務大臣指定の公益法人、学校法人、社会福祉法人、認定NPO法人などがある。災害にあった自治体への義援金も対象。「年間の寄附金の合計額」か「その年の総所得金額等の40%」のどちらか低いほうから2,000円を引いた額が、所得控除される。【生命保険料を払っている】生命保険料控除控除を受ける人が支払う、生計が同じ家族の生命保険料は全額「生命保険料控除」の対象に。ただし契約した時期で適用範囲と限度額が異なるので確認を。’11年12月31日までに契約した「生命保険」「個人年金保険」は、それぞれ最高5万円(計10万円)。’12年1月1日以降の契約では「生命保険」「年金保険」「介護保険」がそれぞれ最高4万円、計12万円まで控除できる。【台風やゲリラ豪雨で家が壊れたり、現金や家具が盗まれた】雑損控除地震・台風・豪雨などの自然災害や、火事・盗難など自分に過失のない場合の損害は控除される。住宅、家財などの財産(別荘や30万円超えの貴金属、骨とう品は含まれない)は「損失額-(総所得金額等×10%)」か「災害関連の支出-5万円」の多いほうを控除できる。控除額が大きい場合、最大3年間繰り越すことも可能。所得や被害によってはより節税できる「災害減免法」が適用になる場合も。■よく使われる控除11選【後編】肩代わりして払っている子供の年金も控除対象!【配偶者と死別または離婚した】寡婦(夫)控除配偶者が死亡したり離婚した場合などに受けられる。合計所得金額が500万円以下で、離婚・死別(生死不明含む)後に婚姻をしておらず、離婚の場合子ども以外の扶養親族がいるなどの条件に当てはまると、一律27万円の寡婦控除が受けられる。【バリアフリーのリフォーム工事をした】バリアフリーリフォーム減税バリアフリー改修工事をした場合に、年齢や工事内容などの諸条件を満たすと、改修工事の標準的な費用(最高200万円)の10%を所得から控除できる。【家を買った】住宅ローン控除一戸建て・マンションを購入し住宅ローンを組んだ人は最長13年間「住宅ローン控除」を受けることができる。所得が3,000万円以下で、床面積が40平方メートル以上であることなどの諸条件がある。【5年以上住んでいるマイホームを売却したが、住宅ローンが残り損が出た】譲渡損失の繰越控除売却価格がローンの残高を下回っていたときに、5年超マイホームとして使用したなど諸条件を満たすと「譲渡損失の繰越控除」の申告ができる。【子どもの年金を支払っている】社会保険料控除年金からの天引き以外に、自分や生計を一にする家族の社会保険料(年金や健康保険料など)を支払っている人は、全額を「社会保険料控除」として所得から控除できる。【ふるさと納税をした】寄附金控除年金受給者でも、ふるさと納税をすることはでき、寄附金額から2,000円を除いた額がその年の所得税と翌年の住民税から差し引かれる。ただし、ふるさと納税の実質的な負担額を2,000円にとどめることができるかどうかは年金収入による。とはいえ、期限内に申告したほうが、申告忘れは防げそう。払いすぎた税金を取り戻して、心にも財布にもゆとりをつくろう。
2022年02月14日「1月21日、’22年度の年金受給額が’21年度比0.4%引き下げとなることを厚生労働省が発表しました。4月分から、国民年金(満額)は月額6万5,075円から259円減額、夫婦2人の厚生年金(国民年金を含む)は、モデル世帯(平均的な給与で40年間働いた会社員夫と専業主婦という世帯)で22万496円から903円減額されます。厚生年金の場合、年間1万836円も減ってしまうのです」(生活経済ジャーナリストの柏木理佳さん)年金は、今後もマクロ経済スライドなどにより徐々に減っていく見通しだ。今後は、日々の暮らしで支出を抑えていくことが必要になってくる。そこで今回、節約や制度に詳しい柏木さんに加え、節約アドバイザーの丸山晴美さん、同じく節約アドバイザーの和田由貴さんに、年金受給世代に向けた“年金大減額時代”の節約技を教わった。■年金暮らしをスリム化するための節約技※柏木さん、丸山さん、和田さんへの取材をもとに本誌作成【1】乗り換え&電気ガス一本化で光熱費をカットガスや電力を一社にまとめたり、電力会社を乗り換えることで、割引が得られるケースが多い。たとえば「HISでんき」を利用すると、大手電力会社に比べ最大5%安くなる。【2】格安スマホに乗り換えて通信費削減格安スマホや大手キャリアのサブブランドに乗り換えることで月額料金を安くできる。利用していない固定電話がある人は、詐欺電話のリスクもあるので解約を検討してみよう。【3】無駄な医療保険は解約する70歳以上の医療費負担は2割なうえに高額療養費制度も利用できるため、医療保険は解約を検討して。がん保険も、先進医療特約など、どこまで積極的な治療を望むのか考えて見直しを。【4】お中元・お歳暮から卒業するシニア世代の削りたい出費の上位に入る交際費。その大部分がお中元やお歳暮で、年間数万円もの費用がかかる。年賀状のように儀礼的に送り合う季節の贈答品もやめたい人が多いので、話し合いのうえ、卒業しよう。【5】スーパーの棚を回る順番を変えて無駄買いを減らす一人当たり年間2万2,000円という調査結果もある食品ロス。 スーパーの入口にある野菜や果物売場から買い物を始めると、安いが不必要なものもカゴに入れてしまいがち。メインの食材となるものの売場にまず行き、その後付け合わせになるものを買うようにすると無駄な買い物を防げる。【6】日用品はスーパーよりドラッグストアで購入するドラッグストアは薬の販売で利益があるので、そのほかの日用品がスーパーよりも安くなる傾向がある。また、平日の19時以降や土日祝などの時間外の処方薬の調剤には調剤加算料がかかるので、処方箋は時間内に受付して。【7】運転免許証返納特典を活用する東京都には、免許返納者に定期預金の金利を店頭金利から0.05%上乗せする信用金庫がある。またそのほかにも、帝国ホテルのレストランが10%オフになる、スーパーの丸正チェーン加盟店では500円分のクーポンが進呈されるなど、免許返納に伴い多くのサービスが実施されている。【8】シニア割を見逃さない「イオン」では毎月15日、55歳以上を対象に「G.G感謝デー」として、イオンクレジットカード利用の場合5%引きに。「ココカラファイン」や「スギ薬局」などドラッグストアも、60歳以上を対象に、5%引きになるシニア割の日がある。今年度は0.4%だった受給額の減額だが、来年度以降さらに大きく減る可能性もある。年金大減額時代への備えは、早く始めるに越したことはないのだ!
2022年02月03日「1月21日、’22年度の年金受給額が’21年度比0.4%引き下げとなることを厚生労働省が発表しました。4月分から、国民年金(満額)は月額6万5,075円から259円減額、夫婦2人の厚生年金(国民年金を含む)は、モデル世帯(平均的な給与で40年間働いた会社員夫と専業主婦という世帯)で22万496円から903円減額されます。厚生年金の場合、年間1万836円も減ってしまうのです」(生活経済ジャーナリストの柏木理佳さん)政府が“100年安心”とアピールする年金だが、なぜ減額されるのか。経済評論家の平野和之さんは、こう解説する。「年金の受給額は物価や現役世代の賃金の動きに応じて毎年度変わっています。’21年度の物価は前年比0.2%減で、過去3年間平均の名目賃金変動率が0.4%減。今回は賃金の変動率が優先され、0.4%の減額となりました。コロナ禍によって旅行業界や飲食業界などサービス業を中心に業績が悪化した企業が増えたことが今回の減額の主要因でしょう」年金減額は、今後もさまざまな理由で行われるという。「もともとは、賃金や物価の上昇に伴い、年金の受給額も上がっていました。しかし、現在は少子高齢化のため、受給額を大きく上げると現役世代の負担がとても重くなってしまいます。それを防ぐために、’04年からマクロ経済スライドという仕組みが導入されているのです。スライド調整率というものを設定し、その分を年金の改定率から引くという仕組みです。そのため、年金の上昇分は、賃金や物価の上昇分に満たず、実質的に減額となります」(平野さん)ただし、マクロ経済スライドは、今年のように年金額が減少する際などには、発動されない。しかし、その分は、翌年度以降に繰り越されるので、今後仮に賃金(物価)が上がっても、繰り越されたマクロ経済スライド調整率が差し引かれるため、年金はほとんど上がらないのだ。■物価は上がるが年金は減っていく……こうした複雑な仕組みなどによって、年金減額が行き着く先はどこなのか。平野さんは、厚生労働省が年金の将来の見通しを予想した「財政検証」にヒントがあるという。「最新の財政検証(’19年)では、前述のようなモデル世帯の年金受給額は月22万円となっています。この金額が現役男子の平均月収に占める割合を表す所得代替率は、61.7%となっていました。しかし、財政検証ではこの所得代替率を維持することは困難で、将来的には約50%にまで落ち込むと想定しています」現在のモデル世帯の平均月収で換算すると、年金受給額は月17万8,500円。現状よりも月4万円以上減額することになるのだ。「さらに不安なのは物価が上昇していることです」こう指摘するのは、節約アドバイザーの丸山晴美さんだ。「昨今、原油、大豆や小麦などの穀物の高騰が続き、2月以降には、冷凍食品などの価格にも影響が出そうです」今後も続くとされる、物価の上昇。年金受給世帯にとっては、入ってくるお金が減り、出ていくお金が増える状況が続くことになる。
2022年02月03日コロナ禍でひっ迫した家計に、なんとか無理なく余裕を持ちたい!王道なのはやはり、「固定費の見直し」だ。「保険はライフステージによって、必要な保障額が変わります。特に、子どもの独立後は、余計な保障をカットするチャンスです」そう話すのはファイナンシャル・プランナーの西山美紀さん。どれほどの保障が必要か、A子さん(50)の夫(55)が亡くなった場合の家計を試算した。夫は会社員で年収約500万円。A子さんは扶養の範囲内でパート勤めをし、子どもは独立している。「夫の死後、住宅ローンは、団体信用生命保険で完済されます」(西山さん・以下同)A子さんは住居費も、教育費の心配もない。あとは生活費だけだ。「夫が会社員なら、遺族厚生年金が出ます。勤続年数や年収によりますが、このケースでは概算で年約60万円が一生涯もらえます」加えて65歳までは「中高年寡婦加算」として年約58万円が支給され、遺族年金と合わせると年約118万円になる。また、65歳以降は自分の老齢基礎年金が年約78万円出るので遺族年金を合わせると年約138万円になる。「死亡退職金も出るでしょうし、A子さんの生活費は、遺族年金などをベースに少し働くことで、大きく困ることはないでしょう。この世代の方は、保険に頼らなくても暮らせる方は多いと思います」生命保険は、保障を減らす代わりに保険料の支払いをストップする「払い済み」という方法や、すべて解約するのも手だという。「払っていた保険料分を毎月、老後資金貯蓄に回しましょう」25年以上前の貯蓄型保険には、予定利率の高い「お宝保険」もあるので保険会社に問い合わせを。いっぽう医療については、高齢になるほど不安感が強くなる。「医療費は『高額療養費制度』で自己負担額が抑えられます。この制度は、収入が少ない方や70歳以上の方のほうが、自己負担額はより少なく設定されています」では、医療保険は不要?「まったく不要とはいえませんが、特約の多い複雑な医療保険から、入院日額と手術給付金といったシンプルな保険に乗り換えるのも一案です。次の試算では年約6万4,000円も節約できます。■医療保険をシンプルな保障の保険に乗り換え【BEFORE】毎月の保険料8,000円入院日額5,000円のほか、長期入院保障特約、通院保障特約、健康祝金特約など、複数の特約が付いている。【AFTER】毎月の保険料2,697円入院日額5,000円、手術給付金(入院中10万円/外来2.5万円)などシンプルな保障。例:オリックス生命の医療保険・新キュア(50歳女性の場合)。【年間の差額】(8,000円−2,697円)×12カ月=約6.4万円貯まる。「保険につけた特約を全部覚えている方は少ないと思います。保険は自分で請求しないと、保険金がおりません。覚えていないため請求できない特約に、保険料を払うのはもったいないですよ」
2022年01月26日’22年4月に制度の一部が変わる年金。高齢化真っただ中での今回の“年金大改正”は、長生きを前提に、年金をできるだけたくさん増やせるようにするというもの。「人生100年時代を迎えて、夫の定年退職時が“人生の折返し地点”という人たちが多くなります。長い老後を安心して過ごすためにも、受け取れる年金収入がいくらなのかを、まずは『ねんきん定期便』で確認しましょう。長生きすることを想定して、年金をどれだけ増やすことができるのか。夫の定年前に把握することが大切です」そうアドバイスするのは、社会保険労務士でファイナンシャル・プランナーの井戸美枝さん。今回の年金大改正で得するための条件として、井戸さんが教えてくれたのが「受給開始年齢を遅らせる」「なるべく長く働き続ける」「できるだけ収入を増やす」の3つ。「誰でもできるのは『年金の繰り下げ』ですが、その前に必ず、夫婦で年金収入がいくらになるのかを調べておきたいですね。『まだ先のことだからいいや』といって放置している人も多いようですが、遅くとも50代のうちに、年金収入だけで生活が成り立つのか、家計の見直しをしておきましょう。老後のお金がどれくらい足りなくなるのかがわかれば、いつまで働けばいいのか、いつまで年金受給を繰り下げればいいのか、といった方向性も見えてきます」(井戸さん・以下同)■65歳以降も“夫に働いてもらう”ことが欠かせない繰下げ受給を選択するにしても、その期間は年金以外の収入でまかなえる生活設計を立てる必要があることを考えれば、「なるべく長く働く」「できるだけ収入を増やす」の要素が大きいという。「現役生活に一区切りつけてしまうと、『なかなか働くスイッチが入らない』という声を聞きます。働きたくない夫に無理に働いてもらうようにすると、そこで夫婦ゲンカにもなってしまいます。ですから、単にお金のことだけではなく、会社を辞めた後の生活をどうするのか、といったことを含めて、65歳以降の生活を夫婦で考えてみることをおすすめします。特に、仕事をスッパリ辞めてしまった人は、将来への不安が尽きないうえ、『妻以外の人と話すことがない』『何もすることがない』という状態に陥りがち。それがストレスのもとになり、心身の不調を訴える人もいるくらいです」それでは定年以降、夫にはどんな働き方をしてもらうのがいいのだろう。「外に出ることは健康をキープすることにもつながりますので、趣味やサークル活動を楽しむ時間を持ちながら短い時間働く、といった選択肢もありですね」とはいえ、70歳まで年金を繰り下げる計画を立てるのであれば、年金以外の収入がないからといって貯蓄を取り崩すのはNG!将来、病気や介護が必要になったときに備えて手をつけないでとっておきたい。「繰り下げの待機中はマイペースに働くことが大事。夫がどうしても『フルタイムで働くのはもう嫌だ』ということもあるでしょう。その場合は、企業年金に加入していた人であれば、その受給分だけを生活費に回したうえで、そのほかに必要な分だけ働いてもらえば十分です。老齢厚生年金だけを65歳から受け取り、老齢基礎年金は繰り下げて、生活の不足分は働いて得る、という選択肢も出てきます。妻がフルタイムで働く代わりに、夫は家のことを手伝う、というように、夫婦で役割分担をすることも円満の秘訣です」■2つの改正ポイントで働くモチベーションアップさらに今回の改正では、老後も働き続けるモチベーションを維持するための制度変更もある。これまで、60〜65歳で年金を受け取りながら働くときは、年金収入と働いて得た収入の合算が月額28万円を超えてしまうと年金額が調整されていたが、’22年4月からはその基準額が47万円に引き上げられる。さらに、これまでは70歳にならないと、65歳以降に納めた厚生年金保険料は支給額に反映されなかったが、’22年4月からは、働いて納めた厚生年金保険料が、翌年の老齢厚生年金に反映されるようになる。つまり、もらえる年金が目に見えて増えるので働いた実感がわいてくるのだ。また、今回の大改正に合わせて、働き方の法整備も進み、65歳から70歳まで働く機会を確保することが企業側の努力義務となった。「改正高年齢者雇用安定法で、70歳まで働く時代が本格的にやってきました。企業は今後70歳まで定年を引き上げるだけでなく、定年制そのものを廃止し、起業する人やフリーランスになる人への業務委託などを進めることになっていきます」再雇用で同じ会社で働き続けるほかにも、転職や起業、フリーランスになるなど、老後の働き方が多様になるこれからの時代。夫はもちろん、妻だって元気なうちは働くに越したことはない。ペースを崩すことなく夫婦で働き、「老後の資金」と「健康」をゲットする。そんな一石二鳥を目指すべし!
2022年01月19日