東京駅とその周辺施設ではこの春、季節にちなんだ様々なイベントや新メニューが登場。そのひとつとして、東京ステーションホテルでは、3月1日から4月30日に掛けて「SAKURAプロモーション」を開催している。期間中の1階ロビーラウンジでは、花見をイメージしたスイーツディッシュとフレーバーティーのセット「SAKURA Sweets」(2,222円※参考価格)を提供。更に、ふわふわのブリオッシュやエスプーマに桜が香る「SAKURA フレンチトースト」(1,574円※参考価格)も味わえる。その他、エキナカ施設「エキュート東京」でも、これからの季節にちなんだ数々の限定商品が登場する予定だ。中でも、注目なのが“桜”をテーマにした3つのスイーツ。「小岩井農場」が桜の葉の塩漬けを練り込んだ「大人のクッキー『さくら』」(602円)を、「ハナ シュンプウ」が桜の葉を練り込んだ「四季のかすてら さくら」(1,200円)を提供。「ドゥーパティスリー ア トーキョウ」でも、やはり桜の葉を加えた生地で、桜あんを巻き込んだ「桜ロール」(1,574円)を発売する。一方、イースターにちなんだ春限定アイテムでは、卵を用いたフードメニューや豆菓子などをラインアップ。「アンデルセン」の「半熟卵のベーコンポテト」(240円)、「小岩井農場」の「プリンセット」(973円)、「つばめグリル デリ」の「スコッチエッグ」(259円)、「菓匠禄兵衛」の「ひさごアネス」(200円)などが販売される。なお、エキュート東京のイベントスペース「粋ikisui」では、3月16日から29日にかけて「Desk my Style」のポップアップショップがオープン。小田急百貨店のバイヤーがセレクトした、新生活でのオフィス時間をサポートするようなアイテムが展開される。主なラインアップは木目調の温湿度計「FRAME」(5,800円)、京都西陣の模様を配した「コンパクトミラー」(1,500円)、メントールのように爽やかな楠の香りが楽しめる「カンフルオイル」(10ml/1,600円)、リラックスウエアとして注目されている「ふんどし」(1,980円から)など。また、東京ステーションシティ全体のイベントとしては、「桜 日本橋ラリー2015」も開催される。このスタンプラリーは3月21日から4月5日に掛けて、各週の土日に行われ、全てを集めると先着1,000人にオリジナルの手拭いをプレゼント。なお、スタンプは周辺の百貨店や商業施設など計7ヶ所に設置される予定だ。
2015年03月06日『宇宙戦艦ヤマト2199』と『宇宙戦艦ヤマト2199 星巡る方舟』の軌跡を音楽で綴るシンフォニーコンサート「宮川彬良 Presents『宇宙戦艦ヤマト2199』コンサート2015」が2月28日~3月1日にかけて、千葉県・舞浜アンフィシアターにて行われた。2012年に劇場でのイベント上映からスタートした『宇宙戦艦ヤマト2199』シリーズの音楽を、オリジナル・アレンジ・新曲の3つのアプローチから新たなる"ヤマトサウンド"を構築した宮川彬良氏。今回のコンサートでは、ヤマトの航海を音楽で追体験することをコンセプトに、第1部『追憶の航海』と第2部『星巡る方舟』の2部構成で楽曲をセレクトし、ミュージシャン60名が劇判と同じ編成で生演奏を行うという特別なコンサートとなった。第1部のオープニングを飾ったのは、弦と管楽器による落ち着いた曲調の「銀河航路BG」、2曲目は美しいスキャットで知られるYucca氏が登場する「無限に広がる大宇宙」。そして「夕日に眠るヤマト」「地球を飛び立つヤマト」と続き、ヤマトの航海が始まるシーンを再現した。中盤では、約40名の混声合唱団によるガミラス国家「永遠に讃えよ我が光」、ドメルとの死闘を中心にした「コスモタイガー(Wan・Dah・Bah)」「ヤマト前進」「ヤマト渦中へ」も演奏され、観客たちの気持ちを否応なしに盛り上げていく。そしてラストには、デスラーとスターシャの心情を描くシーンで使用された「孤高のデスラー」「虚空の邂逅」が演奏され、ヤマトは無事イスカンダルに到着し、第1部は幕を閉じた。休憩を挟み、第2部は第一バイオリンのソロが美しい「宇宙戦艦ヤマト2199 メインテーマ」からスタート。しかし、ティンパニの迫力が迫る楽曲「蛮族襲来」で空気は一変。その後「ジレルの囁き」では橋本一子氏が登場し、『星巡る方舟』のストーリーやシーンを思い出させる楽曲が続いていく。第2部の終盤では「大決戦-ヤマト・ガミラス・ガトランティス-」「方舟は星の海へと還る」「わかれ」「わかれ-出航-」と、『星巡る方舟』の劇中で使用された曲順と同じ流れで演奏が行われた。最後に、混声合唱団にYucca氏と橋本一子氏が加わった「Great Harmony ~for yamato2199」が斉唱され、ステージに設置されたスクリーンに"大志"のフレーズと地球の姿も。そして、地球が青く変わっていく姿が投影され、コンサートは盛況のうちに幕を閉じた。なお、このコンサートの模様を収録したBlu-ray Audio&CD『宮川彬良 Presents 宇宙戦艦ヤマト2199 Concert 2015』が、6月10日に日本コロンビアから発売されることも決定。価格は、Blu-ray Audioが5,184円、CD(2枚組)が4,104円。(C)西﨑義展/2014 宇宙戦艦ヤマト2199 製作委員会
2015年03月04日●17年越しで打ち上げられたDSCOVR米国のスペースX社は2月10日、地球・宇宙天気観測衛星「DSCOVR」を搭載した、「ファルコン9」ロケットの打ち上げに成功した。この打ち上げは2つの点で大きな注目を集めた。ひとつは、DSCOVRがかつてアル・ゴア元米副大統領の肝いりで開発が始まったものの、打ち上げ中止などの紆余曲折の末に、実に17年越しで打ち上げられた衛星であったこと。そしてもうひとつは、ファルコン9の第1段機体が海上への着水に成功したことだ。○17年越しで打ち上げられた「ゴアサット」DSCOVRは米航空宇宙局(NASA)と米海洋大気庁(NOAA)が開発した衛星で、太陽から放出される荷電粒子や、磁気嵐の状況といった「宇宙天気」を観測すること、また地球の昼側(太陽光が当たる側)を常時観測することを目的としている。DSCOVRは「Deep Space Climate Observatory」の略で、直訳すると「深宇宙の気象観測所」といった意味になる。またDSCOVRという略語は、「発見する」という意味の「Discover」に掛けられている。打ち上げ時の質量は570kgで、設計寿命は約2年が予定されている。軌道は、太陽・地球系のラグランジュ第1点と呼ばれる場所に投入される。下図にあるように、この場所は常に太陽と地球の間に存在しているので、太陽と地球の間の環境や、お互いがお互いに与える作用を観測したり、また地球の昼側を観測し続けるのに適している。DSCOVRには、大きく3種類の観測機器が搭載されている。まず「PlasMag」は、太陽から地球に向かって飛んでくる荷電粒子や電子、そして磁場などを観測する。「NISTAR」は地球のエネルギー収支を観測する。そして「EPIC」は、地球表面からのエネルギーの放射量やエアロゾル、オゾン、雲の動きなどを観測することを目的としている。DSCOVRは実に17年越しに打ち上げられた衛星だ。DSCOVRの開発は、もともと1998年に開発がはじまったトリアーナ(Triana)計画をその源流に持つ。トリアーナという名前は、1492年にコロンブスの艦隊がアメリカ大陸に訪れた際、最初に船から大陸を発見した乗組員の名前にちなんでいる。そしてトリアーナにはもうひとつ、「ザ・ブルー・マーブル」のような青く輝く地球の写真を、ほぼリアルタイムで世界中に配信するというミッションも課せられてた。「ザ・ブルー・マーブル」というのは、1972年にアポロ17の宇宙飛行士たちが撮影した、太陽の光を全面に受けて、宇宙に浮かぶビー玉のように輝く地球の写真のことだ。トリアーナを使い、現代の、そして常に最新のブルー・マーブルの映像を世界中に配信することで、環境問題や世界平和への意識を高めることが期待されていた。これは当時のアル・ゴア米副大統領の肝いりで進められたもので、後の証言によると、トリアーナはそもそも、このゴア副大統領の提案が発端となって計画が立ち上がり、他の科学機器はその後に徐々に付け加えられていったのだという。また、ゴア副大統領は太陽・地球系のラグランジュ第1点の持つ価値や、衛星からの観測で分かることなどについて、深い知識を持っていたという。しかし周囲からの評判は芳しくなく、「高価なスクリーンセーバーに過ぎない」と非難されたり、必要性を強固に訴えるゴア氏の名前を取り「ゴアサット」などと揶揄される始末だった。また、他の機器による科学ミッションについても「すでにある気象観測衛星からのデータで十分」という批判が集まるようになり、すでに衛星はほとんど完成していたにもかかわらず、2001年に計画は中止されることになった。トリアーナはスペースシャトルで打ち上げることが予定されていたが、国際宇宙ステーションの建設や、ハッブル宇宙望遠鏡の修理ミッションの方が優先順位が高かったために中止され、打ち上げ手段がなくなったのだ。ちなみに、打ち上げが中止される直前の時点で、トリアーナは、2003年2月1日に空中分解事故によって悲劇的な結末となった、STS-107コロンビアで打ち上げられることが計画されていた。また、この中止の背景には政治的な事情があったといわれることもある。ゴア氏は2000年の米大統領選挙に民主党候補として出馬し、激しい選挙戦の末、共和党候補のジョージ・W・ブッシュに破れている。トリアーナが中止されたのは、まさにブッシュ政権が誕生したのと同じ2001年のことであり、当時のことについて触れられた記事などでは「ブッシュ大統領はゴアサットを見せしめとして潰したのだ」などと書かれることもある。だが、スペースシャトルの運行予定が詰まっていたことは事実であり、かといって別のロケットで打ち上げるには追加予算が必要になること、さらに衛星の必要性が疑問視されていたことから、たとえゴア氏の息のかかった衛星でなかったとしても、打ち上げは中止されていたと見るのが自然だろう。トリアーナは打ち上げ中止となったが、しかし解体されることにはならなかった。NASAは、ゴダード宇宙飛行センターの窒素が充填された箱の中でトリアーナを保管し、いつか打ち上げの機会が巡ってくるときを待ち続けた。2003年には、トリアーナからDSCOVRへと名称が変更された。そして2009年、トリアーナ改めDSCOVRに、NOAAが救いの手を差し伸べた。当時NOAAは、NASAが打ち上げたACE(Advanced Composition Explorer)という太陽風の観測衛星に観測機器を提供し、宇宙天気の研究や、大規模な太陽嵐が発生する可能性があるときには警報を出すといったミッションを行っていた。しかしACEは1997年に打ち上げられた衛星であり、老朽化が進んでいたことから、NOAAでは後継機を欲していた。そこで目をつけたのが、ほぼ完成した状態で保管されていたDSCOVRだったのだ。NOAAの資金提供によって、約8年ぶりに保管庫から出されたDSCOVRは、まず各機器が正常に動くかが確かめられた。また搭載する観測機器はトリアーナ時代と変わらないが、NOAAの要求に合わせて再調整が行われた。こうしてDSCOVRは、姿かたちこそ変わらないものの、ミッションの主役はNASAからNOAAへ移り、新たに宇宙天気の観測を目的とした衛星として生まれ変わった。また、DSCOVRには米空軍も資金を提供している。これには2つの狙いがあった。まず1つ目は、宇宙天気の情報は米空軍の活動、特に弾道ミサイルの発射などを探知するための早期警戒衛星の運用にとって重要であること。そして2つ目は、新興企業のスペースX社が開発した新型のファルコン9ロケットに、1回でも多くの打ち上げの機会を提供することで、「育てる」という狙いがあった。ロケットに打ち上げ機会を提供するために衛星を新しく造るのはお金がかかるし、かといって単なる重りを打ち上げたり、あるいは空荷で打ち上げるのはもったいない。そこで、ある程度製造が終わっていたDSCOVRに資金提供が行われ、DSCOVRの復活を後押しした。米空軍が提供した分の金額は、ほぼすべて打ち上げ費用に充てられた。こうした紆余曲折を経て、DSCOVRは米東部標準時2015年2月11日18時3分(日本時間2015年2月12日8時3分)、米国フロリダ州にあるケープ・カナヴェラル空軍ステーションのSLC-40から旅立った。ロケットは順調に飛行し、約35分後に予定通りの軌道にDSCOVRを投入した。DSCOVRは現在、太陽・地球系のラグランジュ第1点に向けて飛行を続けている。2月24日にはその道程の半分を通過している。観測が始まれば、宇宙に浮かぶ、青く輝く地球の画像が、毎日のように送られてくる。それはきっと息を呑むほど美しいものに違いない。DSCOVRの打ち上げに立ち会ったゴア氏は、自身のblogの中で次のように語っている。「DSCOVRは、地球に関する私たちの理解を深め、市民や科学者たちに異常気象の現実を教え、その解決策を考えるためのミッションへ旅立った。そしてDSCOVRはまた、この地球の美しさと、そして脆さを映し出し、このたったひとつの地球を守る義務を思い起こさせてくれる、すばらしい機会を与えてもくれるだろう」。●ファルコン9ロケットは着水に成功○ファルコン9の第1段は精度10mで着水今回の打ち上げにおける世間の注目は、どちらかというと積み荷のDSCOVRよりも、それを打ち上げるファルコン9ロケットの第1段機体の回収試験に集まっていた。スペースX社は、ロケットを再使用することで、打ち上げにかかわる費用を大きく引き下げることを目指しており、その最初のステップとして、打ち上げを終えて地球に戻ってきたロケットの第1段機体を、広い甲板を持つ船で回収する、という試験を進めている。同社はこれまで、垂直離着陸実験機による試験飛行や、打ち上げ後に第1段を海上に降ろす着水試験を行い、今年1月10日には船の上に着地する試験に初挑戦した。ロケットは巧みに制御されつつ船の真上まで舞い戻りはしたものの、甲板に激しく衝突するように着地し、残念ながら完璧な成功には至らなかった。その詳細については、拙稿『隼は舞い降りられるか? - 再使用ロケットに賭けるスペースXの野望と挑戦』を参照していただければと思う。今回のDSCOVRの打ち上げでは、1月の試験と同じく、太平洋上に用意した回収船の上にロケットの第1段機体を着地させることを目指していた。しかし、打ち上げ当日に着地予定海域を嵐が襲い、船が出せなくなってしまった。また船自体も、エンジンの1つに問題を抱えていたという。あくまで主目的はDSCOVRを打ち上げることにあったので、回収船が出せないからといって打ち上げが延期されることはなかった。しかし、スペースX社は転んでもただでは起きなかった。船こそないものの、本番さならがらに、海のある一点を目指して着水させることを試みた。その結果、約10mの精度で垂直に安定して降下することに成功したという。同社のイーロン・マスクCEOは「天気が安定していれば、船の上に降り立つことは可能だろう」とTwitterで述べている。もちろん今回がうまくいったからといって、次の試験で成功するとは限らないが、それでも可能性は高くなったと言ってよいだろう。ファルコン9の次の打ち上げは3月1日以降に予定されているが、この打ち上げと、さらにその次の打ち上げでは、ロケットの持つ能力を最大限に使う必要があり、着地に使うための追加の推進剤や着陸脚を積む余裕がなく、回収試験は実施されない見通しだ。次に回収試験が実施されるのは、今年4月に予定されているドラゴン補給船運用6号機の打ち上げの際となる予定なので、今しばらく待たねばならない。なお、同社は1月27日に、「ファルコン・ヘヴィ」ロケットの打ち上げを描いたCGアニメを公開した。ファルコン・ヘヴィは、ファルコン9の第1段を3基束ねて、より重い人工衛星を打ち上げられるようにしたもので、現時点で今年中に初の打ち上げが行われる予定だ。ファルコン・ヘヴィも機体の再使用することが考えられており(再使用しなければもっと重いものを打ち上げることができる)、このアニメでも、3基の第1段機体が打ち上げた場所にきれいに舞い戻ってくるという、にわかには信じられないような光景が描かれている。次の回収試験に向けて、期待は高まるばかりだ。参考・ ・ ・ ・ ・
2015年02月27日2015年2月11日、欧州宇宙機関(ESA)は、再使用型宇宙往還実験機「IXV」の飛行試験に成功した。IXVは「リフティング・ボディ」と呼ばれる、胴体そのものが翼のような役目を果たす形をしており、未来の欧州のロケットや宇宙機の開発にとって重要なデータを集めた。IXVの飛行時間はわずか100分ほどであったが、欧州の宇宙開発の未来にとっても、そしてリフティング・ボディという「翼なき翼」の歴史にとっても、新たな章を刻むものとなった。○翼なき翼、リフティング・ボディ人類は古来より、鳥のように空を飛ぶことを夢見てきた。オットー・リリエンタールやライト兄弟がその夢を叶え、続いてその手が宇宙へと伸ばされたとき、しかし宇宙飛行において翼は必ずしも必要ではないことを知った。けれども、宇宙空間から地上のある一点を狙って着陸することを考えたとき、翼は依然として魅力的であり続けた。スペースシャトルなどが軒並み大きな翼を持っているのはそうした理由がある。だが、打ち上げや宇宙空間を飛行する際には、翼は役に立たず、単なる重荷でしかない。また宇宙船が大気圏に再突入する際、その速度は極超音速の、とてつもないものになるが、そのとき翼は大きな抵抗となり、また高熱からその翼をどうやって防護するかは難しい問題であった。さらに胴体から大きく張り出した翼は、構造的に弱点でもあった。そこで、翼がなくとも飛行を制御することができるよう、胴体そのものが揚力を生み出すような形をした機体が考えられた。それが「リフティング・ボディ」である。フティング・ボディは1950年代の米国で本格的に研究がはじまり、またソヴィエト連邦や欧州、日本でも研究が行われた。その過程でいくつかの実験機による飛行実験が行われたものの、すべて大気圏内の飛行であったり、あるいは宇宙空間には出たものの、軌道速度と比べ非常に遅い速度であったりと、純粋に「翼のないリフティング・ボディ機が宇宙を飛び、地球に帰還する」ことが実証されたのは、今回のIXVが世界で初めてのことであった。○IXVIXVが開発された背景には、ESAが2003年に立ち上げた「将来打ち上げ機準備計画」(FLPP:Future Launchers Preparatory Programme)というプログラムがある。これは将来のロケットにとって必要となる技術や要素を開発することを目的としたもので、例えば機体の信頼性の向上や製造や運用の簡略化、環境への影響の低減といった技術目標が立てられており、その中に「Reusability」、つまり再使用化も盛り込まれている。IXVという名前はIntermediate Experimental Vehicleの頭文字から取られているが、Intermediate(中間)という言葉が入っているのは、この将来の欧州のロケット開発に向けた長期的なロードマップの中の「中間的」な要素に、IXVが位置付けられているためだ。ESAやフランス国立宇宙科学センター(CNES)、ドイツ航空宇宙センター(DLR)では、2005年ごろからリフティング・ボディの実験機「PRE-X」や、再突入実験機の「AREV」、「EXPERT」の研究が行われており、IXVの開発にあたってはこれらの成果が受け継がれている。なおEXPERTは、実際にロケットに搭載して飛行試験が行われる予定だったが、打ち上げのために確保していたロシア製ロケットの都合で打ち上げが無期延期となっている。IXVはタレース・アレーニア・スペース社によって開発と製造が行われた。全長5.0m、全高1.5m、全幅2.2m、打ち上げ時の質量は1,845kgほどで、前述したように翼はなく、革靴のような姿かたちをしている。大気圏内での飛行制御には、胴体後部に装備された、足ひれのような2枚の板状の翼を使う。機体の姿勢制御はもちろん、飛行方向を左右に、距離にして400kmほど変えることもできるという。今回の飛行試験に先立ち、2012年には米国アリゾナ州のユマ実験場において、高度5,700mの高さからIXVの試験機を空中投下し、パラシュートを展開させる試験が実施された。また2013年には、地中海の上空3,000mから試験機を投下し着水させる試験も行われている。IXVは「ヴェガ」ロケットの先端部分に搭載され、現地時間2015年2月11日10時40分(日本時間2015年2月11日22時40分)、南米仏領ギアナにあるギアナ宇宙センターのヴェガ射場(SLV)から離昇した。当初、打ち上げは10時ちょうど(日本時間22時ちょうど)に予定されていたが、ロケットと地上設備との間のテレメトリーの接続が切れるという問題が発生したため、40分間延期されることになった。打ち上げ後、ロケットは順調に飛行し、17分59秒後に高度340kmの地点でIXVを分離した。IXVはそのまま慣性で上昇を続け、高度412kmまで到達した。そしてそこから下降をはじめ、やがて大気圏に再突入した。機体は高度120km付近で秒速7.5kmに達し、最大で摂氏1,700度もの高熱にさらされながら、大気を突っ切っていった。IXVのミッションは、地球周回軌道に乗ることを意図していなかったが、高度120km付近で秒速7.5kmというのは、宇宙船が地球周回軌道から離脱し、大気圏に再突入する際とほぼ同じ条件である。灼熱の環境を抜けたIXVは、大気圏内を滑るように飛行し、やがて速度がマッハ1.5にまで落ちたところで、最初のパラシュートが展開し、続いて2つ目のパラシュートも展開した。そして高度約26kmのところで主パラシュートが展開し、IXVは回収船の待つ海上へと降りていった。打ち上げから約100分後の日本時間2月12日0時19分ごろ、IXVはガラパゴス諸島のすぐ西の太平洋上に着水し、海上で待機していた回収船「Nos Aries」によって回収された。機体の状態は正常で、機体の各所には取り付けられていた、計300個を超えるセンサからのデータも予定通り得られ、ミッションは完璧な成功であったという。このあとIXVはESAの施設へと送られ、約6週間をかけて、初期分析が行われることになっている。ESAのJean-Jacques Dordain長官は「IXVは再突入と再使用の能力において、ESAのために新たな章を拓きました」と語った。(次回は2月24日に掲載予定です)参考・・・・・
2015年02月23日トヨタ自動車、日産自動車、本田技研工業の自動車メーカー3社は2月12日、燃料電池自動車用の水素ステーションの整備促進に向けた支援策を検討し、共同で取り組むことに合意したと発表した。水素を燃料とする燃料電池自動車の普及のためには、魅力ある商品の提供はもとより、水素ステーションの整備が重要であり、現在、インフラ事業者による取り組みが鋭意進められているが、燃料電池自動車の導入初期においては、水素ステーションの設置・運営は容易ではない。これに対し、政府は、2014年6月に策定した「水素・燃料電池戦略ロードマップ」を踏まえ、燃料電池自動車の普及のためには水素ステーションの整備が早急に必要であるとして、補助金による水素ステーションの設置支援に加え、燃料電池自動車の新たな需要創出活動を推進するために水素ステーションの運営支援などを含む施策の拡充を決定した。こうした状況から、自動車メーカー3社は、ユーザーの利便性を確保し燃料電池自動車の普及を後押しするため、政府およびインフラ事業者だけではなく、政府の補助金による支援のもと、自動車メーカーとしても、ロードマップの実現に向けて水素ステーションの整備促進に取り組むことが必要であるとの認識を共有し、今後、水素ステーションの運営に係る費用の一部負担などの具体的活動の検討を進めていくという。
2015年02月17日アメリカ航空宇宙局(NASA)はこのほど、今年に実施される第45次国際宇宙ステーション(ISS)長期滞在ミッションのポスターを公開した。ポスターは、映画『スターウォーズ』をモチーフに、日本人の油井亀美也宇宙飛行士を含む6人の宇宙飛行士が「ジェダイの騎士」に扮している。第45次ISS長期滞在クルーは、第43次長期滞在からクルーを務めるスコット・ケリー宇宙飛行士とミカエル・コニエンコ宇宙飛行士、第44次長期滞在からクルーを務めるオレッグ・コノネンコ宇宙飛行士、油井宇宙飛行士、チェル・リングリン宇宙飛行士、第45次長期滞在からクルーを務めるセルゲイ・ヴォルコフ宇宙飛行士の計6名。油井宇宙飛行士らが搭乗する「ソユーズTMA-17M宇宙船」は2015年5月に、ヴォルコフ宇宙飛行士が搭乗する「ソユーズTMA-18M宇宙船」は同年10月に打ち上げられる予定。10月の打ち上げ時には歌手のサラ・ブライトマンも旅行者として参加し、短期で滞在する予定となっている。NASAは宇宙飛行に対する認知度を高めるため活動の一環として、ISS長期滞在クルーをポスターという形で紹介している。そのポスターは、映画をモチーフにしたものが多く、これまで『マトリックス』『スター・トレック』『パイレーツ・オブ・カリビアン』を模したポスターが公開されている。
2015年02月13日アメリカ航空宇宙局(NASA)は2月10日(現地時間)、ハッブル宇宙望遠鏡が撮影した、宇宙空間に浮かんだ笑顔のように見える銀河団の写真を公開した。輪郭、2つの目、ボタンのような鼻、口元でかたどられたものは「SDSS J1038+4849」と呼ばれる銀河団。目のように見えるオレンジの光は「SDSSCGB 8842.3」「SDSSCGB 8842.4」という遠く離れた場所にある2つの銀河で、口元は、強い重力によって光が曲がる「重力レンズ」によるものだという。顔の輪郭のような曲線は、重量レンズのリング状の像である「アインシュタイン・リング」と呼ばれるものとのことだ。この写真は2012年4月にアップロードされたもので、今回、ハッブル望遠鏡が撮影した膨大な写真から「お宝画像」を見つけ出すコンテストで見つかったもの。
2015年02月12日電通、東京大学先端科学技術研究センター、ロボ・ガレージ、トヨタ自動車は2月10日、宇宙航空研究開発機構(JAXA)の協力の下、国際宇宙ステーションに滞在していたロボット宇宙飛行士「KIROBO(キロボ)」が地球に帰還することを発表した。アメリカ航空宇宙局(NASA)によると、KIROBOはグリニッジ標準時間の2015年2月10日の午後7時09分(日本時間2月11日午前4時09分)に、スペースX社のドラゴン補給船運用5号機に搭乗してISSから離脱し、グリニッジ標準時間の2月11日午前0時44分(日本時間同日午前9時44分)に、太平洋上に着水する予定。4者による共同プロジェクト「KIBO ROBOT PROJECT」は2012年に発表され、2013年8月に、KIROBOはISS補給船「こうのとり」4号機に搭載され、種子島からHⅡBロケットにて打ち上げられた。その後、KIROBOは若田光一宇宙飛行士と共に「宇宙での人とロボットとの対話実験」に成功するなど、人とロボットが共に暮らす未来に向けた研究を行ってきた。KIROBOのサイズは、身長約34cm、全幅約18cm、奥行き約15cmで、重量は約1000g。主要機能として、音声認識、自然言語処理、音声(発話)合成、情報通信機能、コミュニケーション動作、顔認識カメラ、記録用カメラなどを搭載している。
2015年02月12日デンノーは2日、Thunderbolt2ポートを搭載するドッキングステーション「TS2-60」を発表した。2月下旬の出荷予定で、価格はオープン。Thunderboltケーブル1本のみでPCと接続して、多くのインタフェースを増設できるドッキングステーション。本体搭載のインタフェースは、Thunderbolt2×2、USB 3.0×3(UASP対応)、HDMI×1(4K対応)、Gigabit Ethernet対応有線LAN×1、eSATA×2(6Gbps対応)、音声入出力。前面のUSB 3.0ポートはiPadなどの充電に対応し、Thunderboltデバイスは最大6台までデイジチェーン接続可能だ。本体はチタングレーのアルミニウム製で、縦置きと横置きの両対応。放熱性にも優れる。本体サイズはW43.5×D98.5×H132mm、重量は610g。対応OSはWindows 7以降、Mac OS X 10.8.5以降。
2015年02月02日一般人を対象に、宇宙旅行の企画・販売をする会社が現れた現代では、海外旅行が身近なものになったように、宇宙旅行も非日常なことではなくなる日がくるかもしれません。でも宇宙での睡眠って、実はちょっと特殊なようです。宇宙旅行が現実のものに将来的には身近なものになると考えられている宇宙旅行。実際に海外にある宇宙旅行会社では、2015年以降の出発予定で、1人25万ドル(約2,500万円)の価格で募集をスタートしました。上記の旅行は、宇宙の滞在期間が4分弱と非常に短いものですが、すでに約700人が予約をしているそうです。日本国内でも宇宙旅行を企画する会社が設立されており、本当に現実のものになりつつあるようです。現在では数分の宇宙滞在ですが、きっと科学技術がさらに進歩すれば長期間滞在できるようになるでしょうね。でも、果たして宇宙ではグッスリ眠ることができるのでしょうか。宇宙では睡眠不足になる?宇宙飛行士は宇宙でどのように寝ているのでしょうか?無重力の中では上下と言う概念がなくなるので、寝ようと思えばどのような向きでも寝ることができるようです。ただ、睡眠中にふわふわと浮いて、どこかに飛んでいってしまうので、寝袋を使って動かないように壁などに縛り、固定して眠るのだそうです。不眠に悩む宇宙飛行士の割合は非常に高く、全体の6~7割とも言われています。なぜ宇宙ではこんなにも不眠に悩まされるのでしょうか?睡眠不足解消に睡眠薬も宇宙における不眠の原因は、以下の7つが考えられています。(1)就寝スペースが十分ではない、狭い(2)無重力による宇宙酔い、体内環境の変化(3)普段の環境と異なることからくる精神的緊張(4)換気ファンなどの騒音、睡眠環境(5)(宇宙飛行士は)作業が多いため睡眠不足になる(6)睡眠構造が変化する(深い睡眠が減少する)(7)その他の生活要因(スペースシャトル内での90分周期のサイクルなど)これらを解消するために宇宙飛行士は睡眠薬を利用したり、耳栓・アイマスクを活用しているそうです。なかなか静かで快適な環境でグッスリ……どはいかないようですね!Photo by NASA’s Marshall Space Flight Center
2015年01月29日サンワサプライは21日、USBケーブル1本で接続し、HDMI / DVI / 有線LAN / USBオーディオなどの拡張接続ができるドッキングステーション「USB-CVDK1」を発売した。価格は32,184円。USB 3.0でPCと接続して使用するドッキングステーション。USBケーブル1本でノートPCなどと接続することで、2ポートUSB 3.0ハブ / 4ポートUSB 2.0ハブ / HDMI映像出力 / DVI映像出力 / 有線LANポート / USBオーディオ機能を利用できる。前面にあるUSB 3.0ポートの内1つは最大1.5A出力に対応。スマートフォンなどの充電に利用できる。HDMIとDVIの対応解像度は、2,048×1,152ドット(QWXGA) / 1,920×1,200ドット(WUXGA) / 1,920×1,080ドット(フルHD)~640×480ドットまでをサポート。表示モードは、ミラーモードと画拡張モードを利用でき、デュアルディスプレイ出力にも対応する。有線LANポートはGigabit Ethernetに対応。前面にはスピーカー / マイク用ジャックも装備する。本体サイズはW181.5×D77.2×H31.1mm、重量は約365g。対応OSはWindows 7 / 8 / 8.1。
2015年01月21日●「何もかも皆懐かしい…」沖田艦長はやっぱりかっこいい人はなぜ宇宙に惹かれるのだろうか。サイエンスやテクノロジーの領域においても、映画や漫画・アニメーションといったクリエイティブな領域においても、宇宙は多くの人の想像力を駆り立てるものであり続けている。現実の宇宙も創作の宇宙も、一般の社会に生きる今の我々にとっては触れ得ぬ存在だが、実際に宇宙を経験したことのある人にとっては、それはどのようなものであるのだろうか。今回は2010年にスペースシャトル ディスカバリーで宇宙へ飛んだ宇宙飛行士・山崎直子氏にお話しを伺う機会を得た。山崎氏が最初に宇宙へ憧れを持つきっかけになったのは、子供の頃に『宇宙戦艦ヤマト』や『銀河鉄道999』といった作品をテレビで見たことだったという。憧れるところまでは多くの人が同じでも、一生のうちに実際に宇宙に行く経験ができる人はごくわずか。今の時点では、特別に訓練された人たちが宇宙で特定の任務をこなす、宇宙飛行士だけだ。宇宙を経験した人にとって、実際の宇宙とはどんなものなのか、映画やアニメーションなどのSF作品はどのように見えるのだろうか。山崎氏にお話を伺った。○大人になったらみんな宇宙に行けると思った――子供の頃は、どんな作品をご覧になっていましたか?幼稚園生の頃に『宇宙戦艦ヤマト』を見ていました。おぼろげに『アルプスの少女ハイジ』も見たいと思っていた憶えもあるのですが、3歳違いの兄の影響でヤマトを見はじめて。そうしたら、面白かったんです。子供心に、宇宙はすごいな、いつか行きたいなと。大人になったらみんな行けるんじゃないかと思っていました。他にも、子供が普通に見るような『キャンディキャンディ』や『ドラえもん』も好きでしたが、最初に見始めた『宇宙戦艦ヤマト』は強烈でした。宇宙という舞台そのものにワクワクしましたし、後で見直すといろいろといい場面もあるんですよ。沖田艦長の『何もかも皆懐かしい』というシーンも。沖田艦長は子供の頃からカッコいいと思っていましたね。」――JAXAにも『ヤマト』をはじめSF作品のお好きな方が多いそうですね。そういったSF作品から感化されて、JAXAやNASAで働いているという方はたくさんいます。日本以外の宇宙飛行士の中にも日本のアニメオタクという人が何人かいて、『銀河鉄道999』や『宇宙戦艦ヤマト』、ジブリ作品などを英語で見たそうです。宇宙飛行士は訓練を開始してから実際に宇宙に飛ぶまで、とても長い道のりです。その間に計画もどんどん変わり、実際に宇宙に行けるかどうかわからない中で、小さい時からの"好き"という単純な思いがある意味一番のモチベーションというか、エネルギーになっていたと思います。だから何年かかっても、大変なことがあっても、それが苦ではない気持ちは大きかった。エンジニアや研究開発で携わっている方も長丁場であることが多いので、そういう好奇心が支えるところは同じなのだろうと。――それらの作品を改めて思い返して、印象深いエピソードはありますか?『銀河鉄道999』ではあの当時から"機械と人間"という奥の深いテーマを扱っていて、考えさせられました。『宇宙戦艦ヤマト』では、今でこそ高エネ研(高エネルギー加速器研究機構)などでいろいろな実験が行われている"反物質"というものがあの当時から出てくるんです。『さらば』(劇場2作目『さらば宇宙戦艦ヤマト 愛の戦士たち』1978年)はテレサという反物質世界の女性が登場して、最後は『ヤマト』と一緒になることで自爆し、なんとか地球を救うという話でした。それが中学高校の物理でアインシュタインの[E=mc²]という公式が出てきて、実際の公理で表されるのだということにびっくりしたんです。ある意味美しいというか……。それで物理が好きになりました。でも、それが一歩間違えれば原子爆弾にもなるという科学の両面性を知ったのも作品の影響です。『ヤマト』の中でも古代君が敵を倒した後に「なぜ戦わねばならないのだろう」というシーンがあり、そうした勧善懲悪ではない奥深さも描かれていました。現在は完全新作劇場映画『宇宙戦艦ヤマト2199 星巡る方舟』もあり、こちらも観に行きたいと思っています。●そうして行った宇宙は案外"普通"に生活できる場所○現実が想像を追いかける――実際に宇宙に行かれた人の目から見ると、SF作品とはどんな存在ですか?私から見るとSF作品は本当にすごいと思います。私たちの世界の何歩も先を行っていて、その後を現実世界が追いかけているという感じです。それこそ、ジュール・ヴェルヌの小説(『月世界旅行』1865年)から始まって、アーサー・クラークが作品に描いた静止衛星が今は実際にたくさん使われていたり。最近では宇宙エレベーターも、まだSF的な部分はありますが、いろいろな実験や研究を重ねて材料の開発も進められています。宇宙だけではなくテクノロジー全般について、SFやアニメの想像力はすごいと思います。私たちは未来を想像して技術開発や発明をしていきますが、どうしても今あるものに頼って、そこから一歩二歩先を考えるのですが、それをSF作家さんやアニメを作る人は、何百年、何千年先をスポーンと見てしまうのでしょうね。こうなったらいいなと将来をワクワクしながら考えることは同じだと思いますが、そのスケール感はすごいものだと思います。――そういう想像力が、何かをやりはじめる動機になるのかもしれませんね。最初から難しそうだと思ったり現実的な壁を見てしまうと、モチベーションが下がったり、じゃあいいやと諦めてしまうところもあると思います。私も最初から宇宙飛行士の訓練に11年かかると言われていたら、もしかしたら(宇宙飛行士を目指すかどうか)考えていたかもしれません。でも、何か楽しそう、やりたいという思いから始まると、それが苦でないから、何年かかろうとあっという間のように感じます。やっぱり、最初のモチベーション、ワクワク感は大きいですね。――これからのSF作品には、どんなことを描いて欲しいと思いますか?学生時代に見た『エヴァンゲリオン』や『攻殻機動隊』など、必ずしも宇宙ではなくても、人とロボットの関係や、人がどんどん改造されてコンピュータの世界との境界がどうなっていくのか、それは進化と呼べるのか、そもそも生命とは何かなど、いろいろなことを考えさせられます。描いて欲しいことがあるとするなら、これからは宇宙だけ、ロボットだけという分野ごとではなく、いろいろなことが同時並行で進んでいくので、それらが融合していくとどうなるのだろうということには興味がありますね。人が宇宙へどんどん進出して、再生医療が進んで病気が治り、機能を補うだけでなく強化された身体が造られ、コンピュータやロボットやITの技術も進んで……と、想像力が掻き立てられます。○宇宙は"普通"に生活できる場所――現実の宇宙は、SFとはどのように違うものなのでしょうか?小さい頃に宇宙へ行くというと、それこそイスカンダルのような遠い所へ行くことを考えていましたが、今人間が行き来しているのは地上約400kmにある国際宇宙ステーションで、まだまだ地上にへばりついているような状態です。そこに行き来するにも大変という、現実の厳しさがあります。でも、そうして行った宇宙は案外"普通"に生活できる場所でした。長い間訓練をして行くので特別なところだというイメージがありましたが、宇宙食でご飯を食べて、お風呂には入れないけれどタオルで身体を拭いて、歯磨きをして、夜は寝て、日中は起きて仕事をして……と。人は宇宙でも、生活をすればそこが日常生活になるんですよね。もちろん、壁一枚隔てれば真空の宇宙という危機感は、地上の安心感とは比べものになりませんけど最長滞在記録を持っているのはロシアで(※ワレリー・ポリャコフ宇宙飛行士。1994年1月8日から1995年3月22日まで、427日間滞在)、そうやって人が宇宙に生活するようになると、適応して進化していくのではないかという提唱もあるんです。本当に宇宙にいると、そんな気がしますね。●アニメやSFの世界を現実が追いかけている私はISSとスペースシャトルで滞在が15日間と比較的短かったんですけど、その間でもすぐに上下感覚が切り替わるんです。宇宙船の中では天井に明かりがあり、床に少し濃い色があって、"上下"は区別されているんですけど、それに関係なく、自分が宙ぶらりんになっていれば天井が自分にとっての"床"と思えて、自分はちゃんと立っているという感覚になります。だから、他の人にただ「上にあるものを取って」と言っても通じなくて、「あなたの上」とか「宇宙船の天井」と言わなくてはならないのですが、それにもすぐ慣れます。会話をする時に相手と逆さまになって話すのも全然普通で、人の顔も真っ直ぐだけでなく逆さまになった顔で思い浮かべたり、そういった想像も変わってきます。身体的にも、重力がないと体液がどんどん上に動いていき筋肉も衰えるので脚が細くなり、反対に顔は"ムーンフェイス"と言われるようにむくんで丸くなるんです。だから、脚は細く、頭は大きく、胴体は背骨と背骨の間隔が伸びるので長くなるという、宇宙人の想像図に出てくるような体型に近づくんです。本当に人が宇宙で生活していくと、姿も変わっていくのはあながち嘘ではないだろうと感じます。――それが二世代目、三世代目と続けば、新しい能力を身につけても不思議ではないですね。その意味では、中学生の頃に読んだ萩尾望都さんの『スター・レッド』などは火星での何世代にも渡る物語で、どんどん能力が変化していく話ですし、竹宮惠子さんの『地球(テラ)へ…』も、人が宇宙へ行くと新しい集団ができて、文化が生まれ……という内容です。これらもテクノロジーとは別の心理的な面で興味を持った作品です。○世界の多様な在りかたを考えるために――将来的に、普通の人が普通に宇宙へ行けるようになるでしょうか?あと一歩、二歩くらいでしょうかね。動き出せば早いと思います。飛行機だと1903年にライト兄弟が初飛行をした後、民間の利用が一般化するのに50~60年くらいかかりました。宇宙ではガガーリンさんが世界初の有人宇宙飛行をしたのが1961年、スペースシャトルの運用開始が1981年です。今は宇宙旅行用の宇宙船の開発も行われていて、申し込んでいる人も何百人といるようですが、一般の人にとって現実的な料金になるまでにあと20年くらいでしょうか。――山崎さんもまた宇宙へ行きたいと思っていらっしゃいますか?もちろん、行きたいです。旅行も良いですが、仕事でも行きたいですね。宇宙飛行士ですから。宇宙へ行くのに年齢制限はありません。『プラネテス』という作品で、スペースデブリ(宇宙のゴミ)を掃除する会社が描かれていましたが、今は本当に宇宙を掃除する会社が作られて、現在は必要な技術を開発中です。アメリカでは小惑星で資源を発掘する企業も設立されました。国の宇宙飛行士だけでなく、民間が独自に宇宙飛行士を宇宙に派遣するという世界にあと10年20年でなってくると思います。その点でも、アニメやSFの世界を現実が追いかけているなと感じます。――見て想像するだけでなく、現実的に足を踏み入れられる場所として、宇宙が身近になってくる時代なんですね。私自身、子供の頃も今も、SF作品やアニメからすごく影響を受けて、本当に考えさせられてきたと思います。現実の中で接することができるのは今この時代、この場所の限られた世界でしかありませんが、作品の中では過去や未来や宇宙の果てなど、時間と空間の制限を超えて本当に幅広い世界に接することができるのが醍醐味だと思います。私たちが今いる世界が全てではなく、色々な世界の在り方がたくさんあるんです。これからの世の中の在り方を決めていくのは私たち一人ひとり、特に若い世代の人たちであって、自分が何をするか、それでどんな未来になるのか、SFやアニメはそういった想像力を持つ力になると思います。宇宙の話に限らずいろいろな種類の作品に接して、考えていってほしいと思います。■プロフィール宇宙飛行士・山崎直子千葉県松戸市生まれ。1999年国際宇宙ステーション(ISS)の宇宙飛行士候補者に選ばれ、2001年認定。2004年ソユーズ宇宙船運航技術者、2006年スペースシャトル搭乗運用技術者の資格を取得。2010年4月、スペースシャトル・ディスカバリー号で宇宙へ。ISS組立補給ミッションSTS-131に従事した。2011年8月JAXA退職。内閣府宇宙政策委員会委員、日本宇宙少年団(YAC)アドバイザー、松戸市民会館名誉館長、立命館大学および女子美術大学客員教授などを務める。著書に『宇宙飛行士になる勉強法』(中央公論新社)、『夢をつなぐ』(角川書店)、『瑠璃色の星』(世界文化社)など。
2015年01月15日アーキサイトは25日、米infiniWing社のMacBook専用Dockingステーション「LandingZone」シリーズの取り扱いを発表した。対応するMacBookに合わせて全8モデルを用意し、12月下旬から発売する。価格はオープン、店頭予想価格は5,980円から。LandingZone Dockingステーションシリーズは、MacBook各機種の設計に合わせて、簡単に着脱できる構造。各種の外部インタフェースや、ケンジントンロックを備える。○LandingZone DOCK (MacBookPro用)MacBookPro with Retina display 15インチ専用モデル、および13インチ専用モデルを用意。店頭予想価格は23,800円。登載する外部インタフェースは、HDMI、Thunderboltスルー接続のMini DisplayPort、オーティオ出力、Gigabit Ethernet対応有線LAN、USB 2.0×2、USB 3.0×3など。○LandingZone DOCK EXPRESS (MacBookPro用)MacBookPro with Retina display 15インチ専用モデル、および13インチ専用モデルを用意。店頭予想価格は10,800円。登載する外部インタフェースは、HDMI、Thunderboltスルー接続のMini DisplayPort、USB 3.0×1など。○LandingZone 2.0PRO (MacBookAir用)MacBookAir 13インチ専用モデル、および11インチ専用モデルを用意。店頭予想価格は19,800円。登載する外部インタフェースは、Thunderboltスルー接続のMini DisplayPort、Gigabit Ethernet対応有線LAN、USB 3.0×3など。○LandingZone 2.0LITE (MacBookAir用)MacBookAir 13インチ専用モデル、および11インチ専用モデルを用意。店頭予想価格は5,980円。登載する外部インタフェースは、USB 3.0×1、Cutout for Thunderboltなど。
2014年12月26日2015年の宇宙、どうでしょう?ということで、予測が秒単位でできることから、どーなるかわからんことまで「素人でも手軽に観察・参加できる」宇宙にかかわるあれこれを、サクっと紹介しちゃいます。今回は、上半期分をば。宇宙にかかわるできごとは、予測が秒単位でできるものから、いきなりやってくるものまで、いろいろでございます。という2014年の「宇宙、どうでしょう」おかげさまで、私の近くでは、かなーり好評でございました。特に「ロゼッタについて早く知っておけてよかった」ってな声が多かったですな。もちろん、詳しくは、天文手帳、天文年鑑、星空年鑑2015を、あと、ライトな宇宙好きむけに、藤井旭の天文年鑑2015なんてのもあります。アプリだと iOS限定ですが、アストロガイド2015なんてのがございますので、ご参照くださいませ。ここでは、2014年版と同じく、まあ、ファンってわけじゃないけど、たまには空を見るかな。話題になったら、気になるかなという「素人でも手軽に観察・参加できる」宇宙にかかわるあれこれを紹介しちゃいます。○1月~2月星がいちばんよく見える時期です。明るい星が集中しているんですな。特に関東地方は、晴れ続けますねー。ただ、日本海側は、雪ですねー。雲の上ではという注釈をつけないといけません。日本は広い。晴れさえすれば、「オリオン座」。そう3つ星が並んでいる、あれがみえますね。オリオン座がわかれば、3つ並んだ星を、左にズーッと延長した先にある、明るーーい星が、シリウス。焼き焦がすものという意味がある星ですな。距離は8.7光年。本州から肉眼で見える、一番近くにある恒星でもあります。逆にオリオン座の3つ並んだ星を、右にズーッと延長すると、赤っぽいアルデバラン、そのさきに、モヤっとか、ゴチャっとか見えるのが「すばる」でございます。これくらいチェックできれば、ちょっと星に詳しい人としてはじゅうぶんです。あ、ビートたけしさんの前ではやらないように、あの人は本当によく知っていますから-。さて、宇宙探査というと、アメリカ勢の動きが目立ちます。まず1月29日、SMAP探査機が打ち上げ。ジャニーズアイドルとは関係なくて、地球の水の探査をするのでございます。2月中ごろ、DAWN(ドーン)探査機が、小惑星ケレス付近に到着します。1801年、最初に発見され小惑星帯最大の直径950km。ほぼ球形で、しかも大気があり、水蒸気を吹き出しているなんて発見もありました。DAWNは夏にかけてケレスをまわる軌道に入り、詳細な探査をはじめます。むー、楽しみですなー。また、同じく2月中ごろから、冥王星探査機ニューホライズンズも、冥王星の本格的探査にかかります。これも夏にかけて冥王星に突撃。横を通り過ぎるフライバイ探査でございます。冥王星は氷のかたまりと予想されておりますが、さてどんな姿をしているのでしょうね?探査機の運用には、直径が100mという巨大なアンテナを使って通信をするのですが、アンテナのスケジュール調整大丈夫かいなと思ってしまいます。リアルタイムでどのアンテナ使っているかなんてわかりますよー。○3~4月3月なかごろ、アメリカは「MMS」という地球の磁場の探査衛星を打ち上げます。4月4日の夜には、「皆既月食」があります。夜9時前後に皆既になる、観察のしやすい月食なので、またお知らせしますねー。双眼鏡で見るのがいいですよー。4月13日~19日は、国の科学技術週間です。毎年、つくばの学園都市などは特にお祭りみたいな感じだそうです。神奈川県相模原市のJAXAや埼玉県和光市の理化学研究所など、若手の研究者を中心に一生懸命って感じでとてもいいですよー。詳しい情報は3月末くらいにこちらで。一家に一枚XXXな科学ポスターの配布も各地の科学館などでされます。そうそう、ヨーロッパの彗星探査機、話題になったロゼッタちゃんは、チュリモフゲラシメンコ彗星によりそいながら、活発になっていく彗星のモニターをしています。彗星は太陽に接近して活発になりますと、噴水のように身体をまき散らします。どこまで見ていられるか? それも注目でございます。ロゼッタのツイッターのつぶやきも注目です。太陽への最接近は8月13日です。○5~6月このころ、夕方の空に、木星と金星、2つの明るい星がよく見えております。さらに5月5~9日くらいは、木星・金星を結んだ下に、水星が見やすくなっているのですが、ちょっとわかりにくいかもしれません。5月5~6日にみずがめ座エータ流星群がピークです。といっても条件はあまりよくないですね。明け方のみ、流れ星がふだんの倍ほど(1時間に5~6個)になります。6月には、ロシアのソユーズ宇宙船で、日本の油井宇宙飛行士が、国際宇宙ステーションに行く予定…なんですが、ロシアがちょっとグダグダになっているので、さてどうなりますか。宇宙はわりと影響受けにくいそうなんですけど、やはり政治や経済が左右するところはありますからね。後半分は、また6月ごろにお知らせいたしますねー。著者プロフィール東明六郎(しののめろくろう)科学系キュレーター。あっちの話題と、こっちの情報をくっつけて、おもしろくする業界の人。天文、宇宙系を主なフィールドとする。天文ニュースがあると、突然忙しくなり、生き生きする。年齢不詳で、アイドルのコンサートにも行くミーハーだが、まさかのあんな科学者とも知り合い。安く買える新書を愛し、一度本や資料を読むと、どこに何が書いてあったか覚えるのが特技。だが、細かい内容はその場で忘れる。
2014年12月24日東京ガスは12月18日、東京都練馬区に既存の天然ガススタンドと併設する商用の水素ステーション「練馬水素ステーション」を開所した。同日、開所式が行われた。同社はこれまで実証事業として、「千住水素ステーション」(東京都荒川区)と「羽田水素ステーション」(東京都大田区)の建設・運転を行ってきたが、経済産業省の「水素供給設備整備事業費補助金」の採択を受け、燃料電池自動車の一般販売開始に合わせるため、2013年7月より練馬ステーションの建設工事に着手してきた。練馬水素ステーションは、同社が設置している天然ガススタンド「練馬エコ・ステーション」に水素ステーションを併設するもの。水素ステーションと天然ガススタンドを併設することで、維持管理コストの低減、敷地の有効利用などのメリットが期待できる。また、練馬水素ステーションは、別な場所で製造した水素を蓄ガス設備で受け入れ、燃料電池自動車に供給する「オフサイト方式」を採用している。
2014年12月19日富士通は12月15日、燃料電池自動車に水素を供給する水素ステーションの位置や稼働情報などをリアルタイムに把握することができる「水素ステーション情報管理サービス」を自動車会社に向けて提供し、同日より運用開始すると発表した。同サービスは、位置情報を活用したクラウドサービス「FUJITSU Intelligent Society Solution SPATIOWL」を基盤とした、水素ステーション情報を統合的に管理するシステム。事業者登録された水素供給事業者の協力の下、収集された固定式・移動式水素ステーションの位置や稼働状況などの情報を、燃料電池自動車の利用者のカーナビゲーションやスマートフォンなどの端末にて活用できる情報として提供する。同社は、トヨタ自動車の燃料電池自動車「MIRAI」の発売に合わせ、同サービスの運用を開始する。トヨタ自動車は、MIRAI向けのI「T-Connect DCMパッケージ」で提供されるナビ専用アプリApps「水素ステーションリスト」と、スマホアプリ「Pocket MIRAI」上で、水素ステーション情報を提供する。
2014年12月16日本田技研工業は15日、パッケージ型「スマート水素ステーション」を福岡県北九州市の「北九州市エコタウンセンター」内に設置し、開所式を行ったと発表した。式典には、北九州市長の北橋健治氏、岩谷産業専務取締役の牧瀬雅美氏、本田技研工業取締役専務執行役員らが出席した。今回設置されたのは、同社独自技術であるコンプレッサーが不要な高圧水電解システムを採用し、高圧水素タンクから充填ノズルまでの主要構成部位をパッケージ型に収納した「スマート水素ステーション」。パッケージ化により、設置工事期間と設置面積の大幅な削減が可能となっている。北九州市エコタウンセンターにおいては、敷地内の太陽光パネルによって発電された電力を使って水素を製造しており、将来的には風力発電などの多様な再生可能エネルギーを取り入れたCO2排出ゼロの水素製造も視野に入れているという。同社は現在、燃料電池自動車「FCXクラリティ」を用いて「北九州スマートコミュニティ創造事業」における共同実証実験として、燃料電池自動車から家庭への電力供給(V2H : ビークルトゥホーム)や、蓄電池への継ぎ足し充電(非常用V2L : ビークルトゥロード)を行っている。今後は、今回設置したスマート水素ステーションによって、製造過程においてCO2排出ゼロの水素を供給することで、エネルギーの地産地消を実現するV2H・非常用V2Lの実証試験を進めていくとしている。
2014年12月15日岩谷産業とセブン-イレブン・ジャパンは12月10日、店舗併設に関する包括合意書を締結し、2015年に、東京都と愛知県に水素ステーションとセブン-イレブンの併設店舗を順次オープンすると発表した。セブン-イレブン店舗では、純水素型燃料電池を活用した店舗の環境負荷低減に関する実証実験を行い、小売店舗における燃料電池活用の将来性について検証する。両社は、「商品」「サービス」「クリーンエネルギー」を1カ所で提供することができる地域インフラとしての拠点づくりを目指していく。岩谷産業は今年7月、国内で初めてとなる「商用水素ステーション」が兵庫県尼崎市に完成している。
2014年12月11日宇宙誕生の秘密とその仕組みを解き明かすシリーズ番組「解明・宇宙の仕組み」のシーズン3が、7日からドキュメンタリーチャンネル「ディスカバリーチャンネル」でスタートした(毎週金曜23:00~)。28日に放送される第4話「宇宙の最初の1秒間」は、複数の専門家の意見を交えてビッグバンの謎に迫る。今のところ、現在の宇宙の起源とされている現象"ビッグバン"。何千億個もの銀河やそれを形作っている材料のすべてが凝縮した小さな1点、それがビッグバンを経て一瞬のうちに宇宙へと変貌を遂げた。宇宙の最初の1秒間は、宇宙の歴史上で最も重要な時間。なぜならば、その間に空間、時間、エネルギー、物質が一瞬のうちに生まれて動きはじめたからだ。しかし、今の時間の概念では、この宇宙創生の瞬間を語ることはできない。そこで、「10億分の1秒」のような想像を絶するほどの時間を表す単位「プランク時間」が用いられる。もともと、空間と時間は限りなく小さな1点の「純粋なエネルギー」の中にあった。そしてプランク時間が動きはじめた時に空間と時間は解放され、空間が膨張を開始。ビッグバンは「空間の中」で起こったのではなく「空間自体の爆発」と考えられている。そして、物質から星や銀河を作るために必要不可欠な「重力」が発生。強すぎず弱すぎない重力のお陰で、さまざまな物質が誕生していくことになる。宇宙の数ある謎の1つが、「どこを眺めても同じような銀河がほぼ均等に散らばっている」こと。1979年に宇宙学者のアラン・グースは、その謎を解き明かす説として「インフレーション理論」を提唱した。それは「生まれたての宇宙が想像を絶する速さで膨張した」という内容で、アラン・グースは「急激な膨張が、宇宙を構成する要素を均等にばらまき、宇宙に秩序ある配置をもたらした」と考えた。このインフレーション理論から時は流れて2014年3月。南極からの観測データが科学界を騒然とさせた。それは「宇宙誕生の直後に起こったことを伝える痕跡を捉えた」というもので、観測データはインフレーション理論にほぼ合致。同理論ではほかの宇宙を発生させた可能性もあるため、複数の宇宙が存在する「多元宇宙」やわれわれと全く同じ人々が全く同じ人生を歩んでいる「並行宇宙」など、「どんな宇宙でも存在しうる」と考えている科学者も現れた。そのほか、番組ではアインシュタインの「物質は凝縮されたエネルギー」という考えが与える影響、アメリカ・ロングアイランドにある研究所での「粒子の衝突実験」、ビッグバンの解明が大きく前進した「ヒッグス粒子」についても解説している。ビッグバンを経て、陽子と中性子が原子核を作りはじめ、38万年後に原子が誕生し、そこから数億年後に原子が集まって星が生まれ、90億年以上をかけて太陽や地球が誕生。今回の番組は、この壮大な"過去"を振り返りながら「すべての運命は、宇宙の最初の1秒間で決まっていたのです」という言葉で締めくくられている。(C)2014 Discovery Communications, LLC.
2014年11月28日2014年10月28日、国際宇宙ステーションへの補給物資を搭載したアンタレス・ロケットが打ち上げに失敗し、大爆発を起こした。その原因として、今から約40年前に製造された、ソ連製のロケットエンジンが疑われている。本稿では、アンタレス・ロケットと、その第1段のソ連製ロケットエンジンの概要、現時点での原因の調査状況、そして今後の動きについて解説したい。○アンタレス、墜落米オービタル・サイエンシズ社は米東部夏時間2014年10月28日18時22分(日本時間2014年10月29日7時22分)、無人のシグナス補給船を搭載したアンタレス・ロケットを、ヴァージニア州ウォロップス島にある中部太平洋地域宇宙港(MARS)から打ち上げた。シグナスの船内には、国際宇宙ステーション(ISS)に向けた補給物資として、約2,290kgもの水や食料、実験機器などが搭載されていた。しかし、離昇から約6秒後にロケットの下部で爆発が起き、地上へ墜落して、さらに大爆発を起こした。アンタレスやシグナス、補給物資はすべて失われ、発射台の周囲は火の海となった。事故後、真っ先に心配されたのはISSに滞在している宇宙飛行士のことであった。だが、ISSへの補給は、アンタレス/シグナス以外にも、スペースX社のファルコン9ロケット/ドラゴン補給船や、ロシアのソユーズ・ロケット/プログレス補給船、また日本のH-IIBロケット/「こうのとり」が存在する。実際に事故の約9時間後には、カザフスタン共和国のバイコヌール宇宙基地から、ISSへの補給物資を搭載したプログレスM-25M補給船が打ち上げられ、6時間後に送り届けられている。やりくりに多少の変更は生じるかもしれないが、宇宙飛行士の生命にかかわるほどの問題にはならない。むしろ不幸だったのは、実験機器や衛星を預けていた企業や大学、研究機関などだ。その中には日本の千葉工業大学・惑星探査研究センターも含まれている。保険は掛けられていただろうが、新たに代替機を造るには時間がかかり、また時間は保険では戻ってこない。アンタレスが打ち上げられたのは今回が5機目だったが、皮肉なことに、多くのメディアがトップニュースとして報じたことで、過去4回の打ち上げよりも高く注目される結果となった。○アンタレス・ロケットとシグナス補給船ギリシア神話において、英雄オリオンはあまりにも傲り高ぶったことから、生みの親であるガイアからサソリを送り込まれ、尾の毒針に刺され死んでしまう。彼を殺したサソリはその功績により、天へと上がり、「さそり座」が生まれたとされる。そのさそり座の中でも、ひときわ明るくて赤く輝く星が「アンタレス」だ。アンタレスという名前は、ギリシア語で「火星に対抗するもの」を意味する。ギリシア神話で火星は「アレース」、それに対抗するもの(アンチ)というところから、アンタレスというわけだ。条件が整えば、赤い惑星としておなじみの火星とアンタレスとが並び、両者が赤さを競い合うように輝くことから、その名がつけられたとされる。その名を冠するアンタレス・ロケット(正確にはアンタリーズと発音する)は、米国のオービタル・サイエンシズ社(以下オービタル社)によって開発された。オービタル社は1982年に設立された会社で、設立当初は小さなベンチャー企業ではあったが、現在では数多くのロケットや人工衛星を製造する、大手企業のひとつにまで成長した。アレースはかつて、米航空宇宙局(NASA)の新型ロケット、エアリーズ(Ares)の名の由来となり、オリオンもまた、現在NASAが開発中の新型宇宙船オライオン(Orion)の名の由来となっている。オービタル社がロケットにアンタレスと名付けたことに、もちろん深い意味はないのだろうが、1980年代から官が支配する宇宙開発に挑戦し続けてきた同社の、強い対抗心が見えてくるようだ。同社がアンタレスを開発した背景には、NASAが2006年に立ち上げたCOTS計画がある。これは民間の企業に、宇宙ステーションなどへの人や物資を輸送を担わせようとするものだ。COTSとは「商業軌道輸送サービス」(Commercial Orbital TransportationServices)の頭文字から取られているが、より一般的な「商用オフザシェルフ」(Commercial Off-The-Shelf)という言葉の頭文字にも掛かっている。もともとNASAでは、1980年代に、小型ロケットと小型衛星の開発や打ち上げに関して、民間に委託する計画を始めていた。実際に補助金も出され、多くの起業家が挑戦した。その中で成功し、生き残った企業こそ、こんにちのオービタル社でもあった。まずNASAは、ISSに貨物を輸送する無人補給船と、それを打ち上げるロケットの開発、運用を民間に委託することにした。そして2006年に、新興のスペース・エクスプロレーション・テクノロジーズ(スペースX)社と、同じく新興のロケットプレーン・キスラー社に契約を与えた。だがロケットプレーン・キスラー社はその後経営難に陥ったため契約は破棄され、それに代わって2008年に選び直されたのがオービタル社だった。スペースX社とオービタル社はともにNASAからの資金援助を受けつつ、ロケットと無人補給船の開発をはじめた。だが、両社が開発したロケットには大きな違いがある。スペースX社のファルコン9ロケットとドラゴン補給船は、ともに同社内で設計、製造された。もちろん米国の厚い宇宙産業の下地があってこそ可能だったことだが、ともかく開発はすべて自社内で完結している。それに対してオービタル社のアンタレス・ロケットは、ほとんどが他社で開発、製造されれたものを組み合わせて造られている。例えば第1段のタンクはウクライナのユージュノイェ社から購入しており、またその設計はウクライナのゼニート・ロケットのものを短くしたものだ。そこにロシアで約40年間保管されていたロケットエンジンを装着する。そして第2段には米国のアライアント・テックシステムズ(ATK)社が製造する固体ロケット・モーターを装備している。この第2段はもともと大陸間弾道ミサイルのLGM-118ピースキーパーで使われていたもので、その後アジーナIIやトーラスXLなどのロケットにも使用されたキャスター120というロケットモーターからさらに派生したものだ。またシグナス補給船も、貨物を搭載する部分はスペースシャトルで使われていた多目的補給モジュール(MPLM)が基になっており、製造もMPLMと同じくフランスのタレス・アレーニア・スペース社が手がけている。バッテリーや太陽電池、スラスターなどが載るサーヴィス・モジュールも、多くが既製品を流用して構成されている。対照的な両社ではあるが、一概にどちらが優れているかといえることではない。単純にアプローチが違うというだけで、既製品をまとめあげるというのも大変な技術が必要なものだ。アンタレスの1号機は米東部夏時間2013年4月21日17時ちょうど(日本時間2014年4月22日6時ちょうど)に打ち上げられた。この1号機は純粋にロケットの性能を確かめることを目的としており、頭の部分にはシグナス補給船と同じ質量を持つダミーのペイロードと、4機の超小型衛星が搭載されたのみであった。ロケットは順調に飛行し、打ち上げは完璧な成功に終わった。続く2号機は同年9月18日に打ち上げられた。この2号機ではシグナスの試験機を搭載しており、ロケットからの分離後、ISSへと飛行し、結合、物資の補給、そして大気圏への再突入までを予定通りこなした。3号機は2014年1月10日に打ち上げられた。この号からシグナスの実運用機を搭載し、NASAとの契約に基づいたISSへの商業補給ミッションを担うことになる。アンタレスもシグナスも問題なく飛行し、ミッションをこなした。また、第2段には性能を向上させた新しい固体ロケットが搭載され、従来型がアンタレス110、この3号機からはアンタレス120と呼ばれている。同年7月13日には4号機が打ち上げられ、こちらも成功している。今回の打ち上げは、アンタレスにとって5機目、シグナスにとっては4機目であった。また第2段がさらに強化されたアンタレス130の初打ち上げでもあった。これまで順風満帆な歩みを続けてきたアンタレスだが、ここにきてついに最初のつまづきを経験することになった。(次回は11月21日に掲載します)参考・・・・・
2014年11月20日JR西日本とJR西日本SC開発は、大阪ステーションシティノースゲートビルディング西館商業施設(2015年春開業予定)について、名称が「LUCUA 1100」(ルクア イーレ)に決定したと発表した。「ルクア イーレ」は30~40代のファッション感度の高い男女をメインに、幅広い年代の客層を想定した商業施設。伊勢丹によるセレクト型出店形態「isetan」(イセタン)と専門店を組み合わせたフロア構成となり、地下2階から地上10階までの各売り場のうち、1・4階はイセタン、3・5・6・7・9階は専門店、地下1・2階と2・8・10階は専門店およびイセタンを融合したフロアとなる。開業後は東館「LUCUA」(ルクア)と合わせて「LUCUA osaka」(ルクア大阪)と総称し、一体的に運営を行う。20代半ばから30代前半のファッションに重きを置く女性をターゲットとした「ルクア」との相乗効果により、幅広い世代のニーズへの対応をめざす。「ルクア イーレ」の店舗面積は約3万3,000平方メートルで、「ルクア大阪」全体では約5万3,000平方メートル。施設名に用いた「イーレ」は、ドイツ語で「あなたの」を意味し、施設名全体で「お客様のためのルクア」を表現。表記の「1100」は、専門店の「1000」と百貨店の「100」の融合をイメージしているという。
2014年11月14日宇宙には必ず終わりが訪れるという。それはいつ、どのように迎えるのか。宇宙誕生の秘密とその仕組みを解き明かすシリーズ番組「解明・宇宙の仕組み」のシーズン3が、7日からドキュメンタリーチャンネル「ディスカバリーチャンネル」でスタート(毎週金曜23:00~)。14日の番組では、「宇宙の終わり」をテーマに「明日にも人類が滅亡する可能性もある」という衝撃の仮説を、宇宙学者や天体物理学者ら複数の専門家の意見を交えて検証する。宇宙滅亡の鍵を握るのは、収縮させる「重力」と時空の「膨張力」。重力が勝れば宇宙は収縮を繰り返して超高密度の火の球になり、逆の場合は限りなく冷え込んでいく。この両者の綱引きで膨張力が勝った状態を「ビッグフリーズ」、重力が勝った状態を「ビッグクランチ」と呼び、釣り合った場合はそのままの状態が保たれる。現在はこの均衡状態にあるといわれている。太陽は天の川銀河を形作る2千億個の恒星の1つにすぎず、天の川銀河も直径900億光年以上の広がりに散らばる無数の銀河の1つにすぎない。番組は、巨大な銀河から小さな原子までもが「いずれ死を迎える」と断言している。そのはじまりは138億年前。高温で高密度の小さな一点が突然急膨張をはじめた。この「ビッグバン」からすべての物が生まれ今でも時空自体を膨張させているが、絶妙な加減の重力が働いていたことから、現在まで宇宙は均衡を保っている。40年前までは、ビッグフリーズとビッグクランチのどちらも起こらないとする説が主流だったが、1970年代にダークマターが発見されたことで状況は一変する。それは光を発することも反射することも、遮ることもない謎の物質で、宇宙をつなぎとめる役割を果たす一方、破滅の危険ももたらしている。つまり、大量の物質であるダークマターが存在していることで重力が優位になり、ビッグクランチ説が有力に。ところが、90年代になると宇宙の膨張を加速させる謎の"ダークエネルギー"の存在が判明する。正体不明のそのエネルギーは物理学史上最大の謎と言われ、真空そのものに存在する。重力に反発するエネルギー、いわゆる「反重力」の作用をもたらしていると考えられており、NASAが最先端の機器で宇宙に存在するダークエネルギーの量を調べたところ、全体のほぼ4分の3を占めていることが明らかになった。しかも、そのエネルギーは宇宙の膨張に伴って増え続けているという。球を頭上に投げた時と同じように減速していくと思われた宇宙の膨張が、加速しているという現実。この物理の法則に反した現象が、このエネルギーに関係するいわれている。宇宙を膨張させるダークエネルギーの存在が分かったことから、ビッグクランチ説は消滅。空間とダークエネルギーの関係が対等なら、宇宙は一定の速度で膨張し続け、ビッグフリーズに終わる。しかし、ダークエネルギーの増加率が上回れば、別の結末が待ち受けている。「ビッグリップ」は、「すべてが引き裂かれる」という新たな説。最後の数分で宇宙のすべての星や惑星が破壊され、その残骸が小さなかけらとなる。原子が破壊され光子が残り、最終的には時空すらも引き裂き、現実が消滅。宇宙の終わりは、ビッグリップか、それともビッグフリーズか。いずれにせよ、このダークエネルギーの性質を解明しない限りは、正確な「宇宙の最終章」を描くことはできない。現在、最も有力視されているシナリオがビッグフリーズで、気の遠くなるような時をかけて、冷え切った死を迎えるというもの。それを唯一打ち消す可能性があるといわれているのが「相転移」と呼ばれる現象だ。水の温度を下げると氷になるような物質の変化を指し、真空でもそのような現象が起こり得るとされている。真空からエネルギーが相転移によって放出されると、物理の法則が崩壊。新たな宇宙の"泡"が古い宇宙を一気に飲み込み込んでしまう。ビッグバンの瞬間から、1兆分の1秒にも満たない間に何かが相転移を引き起こし、すべてを破壊しながら急激に膨張した結果、現在の宇宙が誕生したとされている。今、われわれが目にしているものは、すべてそのエネルギーが作り出したもの。古い宇宙が持っていたエネルギーは新しい宇宙を作るために使われ、残ったものがダークエネルギーとも考えられる。相転移をもたらす"泡"は宇宙を光の速さで駆け抜け、膨張する泡が届いた途端に、惑星も星雲も銀河も破壊されてしまう。そして、古い宇宙から新しい物理の法則をもった新宇宙が誕生。それは意識しない一瞬の出来事。物理の法則が変わった瞬間に、すべてが消滅する時を迎えるということになる。この相転移がいつ起こるかは想定できないが、発生確率を予測することはできる。可能性としては、100億年か200億年に1度起こるとされていることから138億年が経過した現在の宇宙で起こっていないのは幸運ともいえる。宇宙学者のローレンス・クラウスは番組の最後でこんな言葉を残している。「ダークエネルギーの正体が分からない限り、何も定かなことは言えません。宇宙の将来をはじめ、多くのことが謎のままです。だからこそ、胸が躍るんです」。(C)2014 Discovery Communications, LLC.
2014年11月13日「宇宙戦艦ヤマト」のTVシリーズ第1作をベースに、新たなスタッフで制作した「宇宙戦艦ヤマト2199」のすべてが詰まったムック本『宇宙戦艦ヤマト2199ぴあ』が11月26日(水)に発売される。イラストギャラリーをはじめ、ヤマト第1作を現代的にリメイクしたTVシリーズ(2013年)クロニクル、10月公開の総集編となる映画「追憶の航海」解説、そして12月6日(土)公開の完全新作映画「星巡る方舟」の新設定完全紹介など、「2199」シリーズの魅力を凝縮。新作映画の総監督を務める出渕裕や、総集編のエンディング主題歌を唄う水樹奈々、中村繪里子、内田彩ら豪華声優陣のインタビューも満載で、表紙はTVシリーズのエンディングイラストを手がけた漫画家・麻宮輝亜による最新描き下ろしとなっている。現在「BOOKぴあ」では、予約購入者特典として表紙イラストのオリジナルクリアファイルがもらえるキャンペーンを実施している。■『宇宙戦艦ヤマト2199ぴあ』2014年11月26日(水)発売1350円(税込)ぴあ<コンテンツ内容>◎「宇宙戦艦ヤマト 2199 星巡る方舟」新設定全紹介◎7大スペシャルインタビュー・出渕 裕総監督・結城信輝・宮川彬良・山寺宏一・水樹奈々・中村繪里子・内田 彩◎描き下ろしイラスト◎濃縮「宇宙戦艦ヤマト 2199」クロニクル◎「2199」プラモデル完全ガイド他※麻宮騎亜描き下ろしB3ポスター付★BOOKぴあ予約購入特典★麻宮輝亜描き下ろし表紙イラストのオリジナルクリアファイルプレゼント(送料無料)■『宇宙戦艦ヤマト2199 星巡る方舟』12月6日(土)より公開
2014年11月13日宇宙航空研究開発機構(JAXA)宇宙科学研究所と東北大学は11月7日、宇宙赤外線背景放射にこれまでの予測を超える大きな「空間的ゆらぎ(まだら模様)」が存在することを発見したと発表した。同成果はJAXAと東北大のほか、米カリフォルニア工科大学や韓国天文宇宙科学研究院などとの協力のもとで実施した実験によるもので、11月7日付け(現地時間)の米科学誌「Science」に掲載された。今回の発見は、アメリカ航空宇宙局(NASA)の今回の成果は、NASA の観測ロケットを用いて2009年から実施しているCIBER実験のうち、2010年7月と2012年3月に撮影した赤外線観測画像から得られたもの。CIBER実験とは、すばる望遠鏡などの大きな望遠鏡を用いても詳しく観測することが難しい初期の銀河を観測するための観測手法。近傍から遠方宇宙までの天体の光が足し合わされた宇宙赤外線背景放射をまとめて観測する。その中から、明るさ(放射の強さ)の空間分布パターンの「まだら模様」を検出することで、観測された明るさから太陽系内の影響を取り除きやすくなり、観測対象である銀河系外からの放射成分を抽出することができる。個別に分解できる前景の明るい星や銀河を取り除いた後の画像には、空間的に広がった宇宙赤外線背景放射の「まだら模様」のパターンが現れる。発見された「まだら模様」を分析したところ、その大きさが知りうる限りのすべての銀河を考慮した予測値の2倍以上も大きいことが判明。条件的に既知の天体の影響では説明できないため、未知の放射成分が関係している可能性があるとういう。同研究チームはすでに、銀河の周囲にあり、ダークマター(暗黒物質)が広く分布しているハローという領域に、銀河同士の過去の相互作用により放出された多数の星が存在し、それらの光が今回観測されたような「まだら模様」を作り出すのではないかという仮説を立てている。現在、CIBER-2が進行しているとのことで、望遠鏡の口径を3倍にしてさらに精度の高い宇宙赤外線背景放射の「まだら模様」の測定を実施する予定だ。目標は、銀河ハロー星の仮説の検証を行うとともに、その向こうに見え隠れしている宇宙初期の「まだら模様」の成分も検出することだという。
2014年11月07日日本マイクロソフトは4日、法人向け「Surface Pro 3」本体に、タイプカバーとドッキングステーションを同梱したバンドルモデルを、12月末日までの期間限定で発売した。バンドル製品は、各製品を単体購入するより、Core i5モデルで約10,000円、Core i7モデルで約15,000円割り引かれる。販路は大塚商会や富士ソフト、リコージャパンなどのSurfaceリセラー各社。バンドルモデルにラインナップされるのは、Core i5の「Surface Pro 3」128GBモデル、同256GBモデル、Core i7「Surface Pro 3」256GBモデルの3種類で、一般向けモデルおよび法人向けCore i7搭載512GBモデルは対象外。同梱製品は「Surface Pro タイプカバー」および「Surface Pro 3ドッキングステーション」の2製品。タイプカバーの色は黒のみとなる。同社は、法人市場において、本体とタイプカバーを同時購入するケースがほとんどであること、ドッキングステーションへの強いニーズがあることの2点を背景に、バンドル製品を限定発売する。最小発注数は15台から。
2014年11月06日伊勢丹新宿店本館5階に、期間限定でクリスマスステーションが11月5日にオープンした。今年のツリーは、サイズも形も様々。重厚感のある本格派から、デスクやチェストにも置ける小型のもの、LEDライトが付いたタイプなど多彩なデザインがそろう。もちろんオーナメントも然りで、クリスマスの伝統的モチーフのものはもちろん、繊細なガラス細工やリボンまで様々にラインアップされる中、一際目を引くのはアニマルモチーフのオーナメントの数々だ。売り場では、「アニマルワンダーランド」をコンセプトに、愛らしい動物達が暮らす架空のクリスマスの世界を表現。「キャサリンズ コレクション」によるドッグオーナメント各種(2,900円)など、表情豊かなキャラクターの大ぶりなアイテムによってツリーが彩られている。さらに、スウェーデン在住のジャーナリスト・佐藤園子がセレクトしたフェルトのルームシューズ(9,200円)やブランケット(2万8,000円)といった、寒い冬を快適に過ごすためのアイテムを紹介する一角も設ける。共に11月18日まで。また、隣のリビングコーナーでは、12月2日までの期間限定で北欧スタイルの家具やインテリアを紹介する「The Origin of NORDIC LIFESTYLE」も開催している。北欧の暮らしを彩る温かな色味のファブリックのうちフィーチャーされるのは、フィンランドのテキスタイルメーカー「ラプアン カンクリ(Lapuan Kankurit)」、北欧の人気陶芸家リサ・ラーソン(Lisa Larson)、アラビア(Arabia)など。心和むなだらかなフォルムを持つ逸品を見付けられそうだ。
2014年11月06日国際宇宙ステ-ション(ISS)計画に参加しているカナダ・欧州・日本・ロシア・米国の各宇宙機関長は11月4日(現地時間)、フランス・パリにて同計画について協議し、ISS運用継続を今後も支援すると共同で発表した。各機関長は、ISSで行われているミッションが新技術の開発、低軌道の商業利用へと拡大しているほか、研究活動が医学的新発見につながるなど、さまざまな面において人類に恩恵をもたらし、国際協力と相互理解の向上に貢献していることを改めて確認したという。ISS参加機関は、少なくとも2020年までのISS利用継続に向けた、各国政府での手続に着手しているが、アメリカが表明した2024年までの延長決定については留意している。
2014年11月05日国際宇宙ステーション(ISS)に物資を送る米国の無人補給機「Cygnus」を積んだ米国の民間ロケット「Antares」が10月28日午後6時22分(現地時間)に米バージニア州にあるアメリカ航空宇宙局(NASA)の施設から打ち上げられたが、発射してすぐに爆発した。「Cygnus」には約2.3tの物資のほかに、千葉工業大学が開発した、ISSから流星の長期連続観測を行うための超高感度カメラなどが搭載されていた。NASAとOrbital Sciences Corporation(Orbital Sciences)は19億ドルで計8回の打ち上げを契約しており、今回はその3回目だった。NASAによれば、けが人はなく、建物などへの被害は発射場の周辺に限定されるという。「Antares」を開発したOrbital Sciencesは「現時点で詳細はわかっていない。速やかに調査を開始し、原因の解明と再発防止に努める」コメント。今後、詳細が判明し次第公表していくという。
2014年10月29日千葉工業大学がアメリカ航空宇宙局(NASA)などと協力して進めてきた、国際宇宙ステーション(ISS)から超高感度CMOSカラ―ハイビジョンカメラにより流星の長期連続観測を行う「メテオ」プロジェクトの打ち上げが目前に迫っている。同大学惑星探査研究センターは同プロジェクトをNASA, The Center for the Advancement of Science in Space (CASIS)およびSouthwest Research Institute(SwRI)と協力して2012年から進めており、10月27日に、米国バージニア州の飛行施設より、オービタル・サイエンシズのシグナス補給船運用3号機(Orb-3)に搭載され、同社が開発したアンタレスロケットで打ち上げられることとなる。「メテオ」の観測では、米国実験棟内の観測用ラックに流星観測カメラシステムを設置し、窓越しに約2年間流星観測を行う。流星の飛跡や明るさから流星塵の大きさを求めたり、回折格子をレンズの前に取り付けて分光観測を行い、流星塵の化学組成を調べる計画だ。また、毎年決まった時期に現れる流星群は、流星塵の元となる彗星や小惑星(母天体)がわかっているので、流星群の観測結果から直接探査が難しい流星群母天体の特性を知る手がかりを得ることができる。また、宇宙から流星を長期連続観測するという世界初の試みであると同時に米国実験棟で主体的に科学観測を行う日本初のプロジェクトとなる。なお、通信データの容量上、観測した全てのデータをすぐに地上に降ろすことはできないが、ソフトウェアにって流星を含むデータのみ切り出し、流星映像をインターネット上で公開する予定となっている。
2014年10月21日加賀ハイテックは6日、「j5 create」ブランドより、小型でスタイリッシュな汎用ドッキングステーション「Piccolo JUD530」を発表した。11月上旬より発売し、価格はオープン、店頭予想価格は13,990円前後。Piccolo JUD530は、楽器のピッコロを連想させるバー型のドッキングステーション。ホストPCとは、USB 3.0(microUSB typeB)で接続する。搭載する外部インタフェースは、USB 3.0×3、D-Sub出力、HDMI出力、Gigabit Ethernet対応有線LAN、マイク入力、スピーカー出力。電源は付属のACアダプタを用いる。D-SubとHDMIの外部ディスプレイ出力は、 拡張モード、ミラーモード、プライマリーモード、ローテーションモード(Windowsのみサポート)に対応。ホストPC側のディスプレイと合わせて、マルチディスプレイ環境を構築できる。本体サイズはW301×D22×H28.5mm、重量は106g。対応OSはWindows XP / 7 / 8 / 8.1、Mac OS X 10.6 / 10.7 / 10.8 / 10.8となっている。
2014年10月06日