●イベント6回で12000人の集客大型小売店の進出をきっかけに、活力が失われてた地方の商店街。衰退した商店街の姿から生まれたのは"シャッター通り"という言葉だった。活気を取り戻すのは容易ではないが、誰もが知っているボードゲーム「人生ゲーム」が地域活性化の鍵を握るかもしれない。○祭りでは商店街は潤わない人生ゲームは、ルーレットを回し、盤上のマス目に記されたイベントをこなして、ゴールを目指す。家族やお金に恵まれたばら色の人生、そうでない人生もルーレット次第。誰もが知っているあのゲームだ。その現実版がリアル人生ゲームであり、出雲市経済環境部産業振興課の田中寛氏が考案した。商店街に活力を取り戻したいという思いが発案のきっかけになったという。出雲市と言えば出雲大社があり、その参道となる神門通りおもてなし商店街には人の往来があるが、田中氏が気にかけるのは、市内の別の商店街、平田本町商店街のほうだ。平田本町商店街は、出雲大社から車で東に20分ほど向かった先にあり、当然、観光客がくるわけではない。大型店の進出などにより、近年はシャッター通りになりつつあるという。商店街を盛り上げようと、"お祭り"も行われているが、イベントで盛り上がるのは、見世物のステージ、儲かるのは露天商だけ。店主はイベントスタッフとして動員され、店舗は休み、という現実を田中氏は耳にする。どうすれば、かつての賑わいを取り戻せるのか。そこで浮かんだのが人生ゲームだった。「お酒の席で、幼少の頃に遊んでいたゲームは何かと話していて、人生ゲームが話題になったんです。そのマス目の並びが商店街にそっくりだと。それを街めぐりに活用できないかと考えました」(田中氏)。こうして、平田本町商店街を巻き込み、生まれたのが"リアル人生ゲーム"である。初回は2013年7月に開催。初回は地元の人を中心に406人が参加したが、イベントがメディアによって報道されると、その存在が広まり、2015年10月開催時には1925人が集まった。神門通りおもてなし商店街でもイベントが行われ、過去に計6回、延べ12000人を集客した。○リアル人生ゲームで生まれ変わる商店街リアル人生ゲームのルールは、盤面のものとほぼ同じ。参加者には職業カードを引いてもらう。職業が決まると、初任給(仮想通貨)、店舗がマス目になった紙のマップをもらい、ルーレットを回してゲームをスタートさせる。ルーレットで出た目のマス目まで進み、そのマス目には人生ゲーム同様にイベントが発生して仮想通貨のやりとりをする。イベントをこなすと各店舗に設置されたルーレットを回して、商店街を一周、最後は仮想通貨を一番多く獲得した人が勝ちとなる。肝になるのは、参加者が必ず商店街の店舗に立ち止まり、店内を見てもらうということだ。何の変哲もない、店内を見てもらうという行為。これこそが、重要なポイントだ。●人生ゲームの効用とは?○リアル人生ゲームが変えたものいつの日からか、大型店ばかりに足が向き、接客するのは馴染みの客ばかり。見過ごされてきた地元の商店。家電屋とはわかっていても、どんな商品が並ぶのかはわからない。入店すれば、何か買わないと申し訳ない。だったら行かないほうがいい。これが活気を失った商店街に抱く消費者の気持ちだ。リアル人生ゲームはこうした心理的な障壁を乗り越える。強制的に店舗に立ち寄り、中を見る。何も買わなくても、どんな商品が店舗に揃っているのかがわかるようになる。これは大きな進歩だろう。イベントの実施により「イベントをきっかけに、普段使っている化粧品があることを知って、平田本町商店街で買うようになったという人もいる」(田中氏)とのことだ。店側の意識も変わった。イベント当初は、積極的ではなかった店も、回数を重ねることで、陳列する商品にもこだわりを持たせた店舗が出てきたという。イベント終了後もこうした効果の持続が課題となるが、田中氏は「イベント開催の1カ月前から、商店街で一定額の買い物をした場合に、仮想通貨を渡すなど、イベントに有利に働く仕組みも取り入れるなどのアイデアを取り込んでいきたい」と話す。課題は見えつつも、地元民、店舗の双方が前向きになったのは、大きく評価すべきだろう。○双六じゃだめなのかさて、誰もが抱きそうな素朴な疑問についても触れておこう。それは「別のゲームじゃだめなのか」ということだ。たとえば、双六に人生ゲームの要素を入れれば、あまり変わらないように思える。商店街活性化のために、あえて"人生ゲーム"と銘打つ必要はなさそうだ。しかし、田中氏は、人生ゲームの必要性を2つ挙げる。ひとつは、イベントの開催にあたって、ルールの説明が不要なことだ。人生ゲームの認知率は9割に達しており、「イベント開催にあたってルール説明をしたことがない」という。もうひとつは、参加者が地元に限らないことだ。平田本町でのイベントで5%、出雲大社近くの神門通りおもてなし商店街で10%が遠方からの参加者。北海道、佐賀から参加する人もいるという。いずれも、リアル人生ゲームを出雲観光とセットで考えれば、「地域活性化」という意味合いからも、効果ありと見てよさそうだ。実際、リアル人生ゲームは、地域活性化の事例として、多くの商工会議所が注目しており、田中氏には、講演依頼が多数寄せられているという。●リアルの効果はさらに拡大?○リアルで期待される人生ゲームの広がりこの話、面白いのは、さらなる広がりを見せたことだ。田中氏の取り組みが出雲市長の長岡秀人氏の目にとまり、出雲市は自治体PRのためにタカラトミー、ツヴァイと連携、「縁結びポケット人生ゲーム」という名称で実際に商品化してしまったのだ。ゲームはパワースポットなどの観光地を巡り、出雲そば、ぜんざいなどの特産品に触れ、出雲男子との出会いにより結婚、出産・子育てをしていくストーリーとなる。縁結びの神様を祭る出雲大社があり、ターゲットとなるのは独身女性。人生ゲームで出雲市を知ってもらいたい考えだ。長岡市長は「出雲大社の大遷宮をきっかけに、出雲に1000万人の方にお越しいただいております。訪れる8割の方が独身の女性。行ってみたい街、住んでみたい街、出雲を目指したい」と話す。人生ゲームの提供元、タカラトミーでは、出雲市のほかにも、コラボレーションを予定している。提携するのは、愛知県犬山市の「博物館 明治村」。そこで「明治村版リアル人生ゲーム(仮称)」が今秋、開催される予定だ。明治村ではチーム対抗方式のゲームとなる。村内を盤面に見立て、村内の建造物を巡り、与えられたミッションをクリアしながら、仮想通貨の獲得を目指していく。家族や友人とコミュニケーションを図りつつ、ゲームを通じて明治村を巡ることで、明治時代の雰囲気を味わい、楽しみながら学べるという。実際の建物を目の当たりにし、イベントを通じて明治時代を味わえるのであれば、教科書を読むよりも、覚えやすく、頭に入ってくるだろう。明治村でのイベントがどのようなものになるのかはまだわからないが、リアル人生ゲームは、出雲市のように"地域活性化"という側面だけではなく、"学習"のあり方も大きく変えうる可能性も秘めているように感じられる。「リアル」×「人生ゲーム」。そのコラボレーションはまだまだ広がり、大きな効果が期待できそうだ。
2016年04月07日マイルが貯まるカードといえば、ANAカードやJALカード、外資系航空会社のカードを思い浮かべる人も多いと思うが、今回は地方を拠点とするAIRDO、スターフライヤー、ソラシドエアのクレジットカードを紹介する。出張や帰省で対象路線を頻繁に利用する人は、ぜひチェックしてほしい。■AIRDO北海道に拠点を置くAIRDOには、「DOマイル」というポイントプログラムがあり、WEB会員サービス「My AIRDO」に登録するとAIRDOポイントを貯めることができる。AIRDOポイントは、搭乗ポイントとして、積算対象運賃での航空券購入金額100円につき1ポイント。ボーナスポイントとして、同一年度内(毎年4月1日から翌年3月末日)での搭乗6回ごとに100ポイント(上限500ポイント)が積算される。有効期限は搭乗ポイントの対象となる最終搭乗日の翌日から2年。定期的に搭乗していれば、実質無期限でポイントを貯められる。貯まったポイント数に応じて特典航空券に交換でき、東京~札幌であればレギュラーシーズンは片道1,600ポイント。ハイシーズンは+200ポイント、ローシーズンは-200ポイントとなる。また、特典航空券は会員本人以外でも利用できるが、一部利用不可の期間がある。AIRDOのクレジットカードは「AIRDO VISAクラシックカード」と「AIRDO VISAゴールドカード」の2種類。クラシックカードは年会費1,728円(初年度無料)で、AIRDOホームページから同カードで航空券を購入すると、搭乗ポイントとは別に150円につき1ポイント(1年度の合計金額に対して積算)、年度内に1回以上のAIRDO搭乗で100ポイントが貯まる(いずれも宿泊とセットになったAIRDOダイナミックパッケージは対象外)。また、入会でもれなく200ポイントのプレゼントもある。ゴールドカードは年会費1万2,960円で、航空券購入金額120円につき1ポイント、年度内に1回以上のAIRDO搭乗で200ポイント、入会で300ポイントとなる。どちらもショッピング利用時は三井住友カードのワールドプレゼントのポイントが貯まり、月合計1,000円利用につき1ポイント。前年および当年度の利用額に応じてボーナスポイントが貯まる制度もあり、最大でポイント還元率は1.3倍(ゴールドカードは1.6倍)。2016年夏頃からは、ワールドプレゼントのポイントをAIRDO ポイントに交換できるようになる予定だ。たとえばクラシックカードを使って片道1万円の航空券で3往復(6搭乗)した場合、搭乗ポイントが600ポイント、ボーナスポイントが100ポイント、ホームページからの航空券購入で400ポイント、年1回以上の搭乗に対して100ポイント、合計1,200ポイントが貯まる計算。カード入会時の200ポイントを足せば、1年間(4月1日から翌年3月末日)で東京~札幌のローシーズンの片道航空券が手に入る。■スターフライヤー北九州空港に拠点を置くスターフライヤーは、「STAR LINK MEMBERS」に会員登録するとマイルを貯められるようになる。マイル数は区間距離と運賃種別によって決まり、たとえば東京~福岡は普通運賃なら片道567マイル、前日までに購入する「STAR 1A」なら積算率75%で425マイル、21日前までに購入する「そら旅21」なら積算率50%で284マイルとなる。マイルの有効期限は搭乗日の翌々年12月末日まで、最長3年となっている。貯まったマイルを特典航空券に交換する場合、東京~北九州・福岡・山口宇部なら片道7,500マイル、往復1万2,000マイル、東京~大阪なら片道5,600マイル、往復9,000マイル。特典航空券は会員本人以外でも利用できる。スターフライヤーのクレジットカードは4社から発行されているが、マイルの貯めやすさを重視するならジャックスから発行されている「スターフライヤープレミアムカード」。ショッピング利用では月合計100円につき1ポイントが貯まり、2000ポイント=2,000マイルに交換できる。また、スターフライヤー航空券の値引きに充てられる「STARデポ」へ交換すると、2,000ポイント=2,500円分として利用することも可能だ。単純計算では1万2,000マイル貯めるには120万円の利用が必要だが、仮に東京~福岡の往復航空券が3万円だとすると還元率は2.5%。2万円で計算しても1.67%。STARデポへ交換した場合でも1.25%の高還元で利用できる。カードの年会費は2,160円だが、初年度無料で、年10万円以上利用すれば次年度も無料。入会時には1,000マイルのボーナスがあり、カード到着後3カ月以内の利用額に応じて、カード利用代金に充当できる「Jデポ」が最大5,000円分プレゼントされる特典もある。■ソラシドエア最後は宮崎に拠点を置くソラシドエア。同社のマイルを貯めるには、「ソラシド スマイルクラブ」への会員登録が必要で、搭乗で貯まるマイル数は区間距離と運賃種別によって決まる。たとえば東京~宮崎は大人普通運賃なら片道561マイル、前日までに購入する「特売り1日前」なら積算率75%の420マイル、14日前までに予約する「バーゲン14」なら積算率50%の280マイルとなる。マイルの有効期限は搭乗日の36カ月後の月末まで、約3年となっている。貯まったマイルは特典航空券に交換でき、東京~宮崎・熊本・長崎・鹿児島・大分なら片道7,000マイル、往復1万2,000マイル、沖縄~石垣なら片道5,000マイル、往復9,500マイル。特典航空券は会員本人以外でも利用できるが、繁忙期の一部期間は利用できない。クレジットカードは「Solaseed Airカード」および「Solaseed Airゴールドカード」が発行されている。どちらもショッピング利用では月合計1,000円につきワールドプレゼントの1ポイントが貯まり、200ポイント=2,000マイルに交換可。前年および当年度の利用額に応じてボーナスポイントが貯まる制度もある。このほかにも入会時に1,000マイル(ゴールドカードは2,000マイル)、毎年の継続時に500マイル(同1,000マイル)のボーナスがあり、機内販売は同カードでの支払いで10%オフになる特典もある。たとえば「Solaseed Airカード」を初年度に110万円使うと単純計算で1,100ポイント(1万1,000マイル相当)。入会ボーナスの1,000マイルと合わせれば、東京~宮崎などの往復航空券相当のマイルが貯まる。同航空券が3万円相当だとすると還元率は2.73%、2万円相当だとしても1.82%。2年目以降はボーナスマイルが500マイルとなるが、年間利用額に応じてポイント還元率は最大1.3倍(ゴールドカードは1.6倍)となる。カード年会費は「Solaseed Airカード」が1,350円(初年度無料)、「Solaseed Airゴールドカード」が1万800円。ゴールドカード保有者は1年間(毎年1~12月)に20回以上搭乗すると、翌年4月から1年間、「ソラシド ファーストメンバーズ」のサービスを受けられる特典もある。同サービスでは搭乗時の優先案内、空港での空席待ちの優先案内があり、年1回2,000マイルのボーナスもプレゼントされる。いずれのクレジットカードも、申し込みの前に各航空会社の会員登録が必要となっている。ゴールデンウィークに利用を考えているなら、早めに手続きをしておこう。公式サイトは以下の通り。AIRDOカードスターフライヤープレミアムカードSolaseed Airカード(※クレジットカードの用語などは以下を参照)『シーンで選ぶクレジットカード活用術 (1) 最低限知っておいてほしい基礎知識』※本記事で紹介したサービス内容は、消費税率8%を前提とした更新日時点の情報です。また、各サービスには一部対象外となるケースがあります。ご利用の際は公式サイトなどで最新の情報をご確認ください。<著者プロフィール>タナカヒロシ(ライター・編集者)普段は音楽やエンタメ関係の仕事が多いが、過去に勤めていた会社の都合でクレジットカード本を作ったことをきっかけに、クレジットカード、電子マネー、ポイントなどに詳しくなる。以降、定期的にクレジットカードのムック本を編集・執筆。3月7日発売の『最強クレジットカードガイド2016 本当にトクするカードの選び方・使い方=写真=』(角川マガジンズ)では、編集統括および記事の大部分を執筆している。
2016年04月07日パナソニックは4月5日、持続的成長に向けた共創型イノベーションの実践を目的として、西門真拠点(大阪府門真市)の構内に共創の場となる「Wonder LAB Osaka」(ワンダーラボ・大阪)を新設した。同施設は延床面積は約2640平方メートル(約800坪)。「社外パートナーも含めた多様な人々と一緒に、新たな価値を創造するプレイフルな共創空間」をコンセプトとして、「組織を超えたオープンなイベントができる交流の場」「最新技術やプロトタイプも導入評価できる実証の場」「社内外のコミュニティやメディアと繋がる発信の場」を特徴として挙げている。以下の表は具体的な施設内容。同社は同施設を利用して、幅広いヒューマン・ネットワーク構築を行いながら、ビジネスや産学連携のパートナーと共に、新たなコア技術や「Wonder!」な商品などを生み出していく活動に取り組んでいくとしている。
2016年04月06日旭化成ファーマは3月28日、ペプチドリームと複数の創薬標的分子に対する「特殊ペプチド」を創製することを目的とした共同研究開発契約を締結したと発表した。同契約は、旭化成ファーマが開発を目指す創薬ターゲットに対して、ペプチドリーム独自の創薬開発プラットフォームシステム「PDPS(Peptide Discovery Platform System)」を用いて特殊環状ペプチドを創製し、旭化成ファーマにおいて当該特殊ペプチドに係る臨床開発を目指す内容となっている。ペプチドリームはこれまでにも、国内製薬企業5社、海外製薬企業10社との間で創薬共同研究開発契約を結んでいる。旭化成ファーマは今回の契約締結について、「今後の創薬研究において医薬品候補物質取得の可能性を飛躍的に向上させることができるものと期待している」とコメントしている。
2016年03月28日日立システムズと群馬県みなかみ町は2月29日、農業ICTによる地方創生モデルを共同推進することで合意した。今後、同社はICT活用により同町の農業の大規模化・集約化を促進し、周辺産業の活性、雇用創出を支援するため、内部環境の現状や事業モデルの実現性を多面的に調査するほか、ビジネスパートナーであるアグリコンパスのノウハウ、同社の親会社である三井物産が有する食品マーケット情報などを活用し、具体的な計画を立案する。みなかみ町の人口は1955年の3万6000人をピークに下降を続け、現在は約2万人まで減少し、過疎化・高齢化が進む中で、持続可能な地域づくり推進のため具体的な振興策づくりが急務となっている。農業分野においては、農業従事者の高齢化、耕作放棄地や鳥獣被害の増加など農業振興を図るうえで問題を抱えているが、持続可能な地域づくりにおいて担い手となる次世代の育成は喫緊の課題となっている。課題解決に向けては、農業を魅力ある産業に転換していく必要があるが、個々の農家による取り組みだけでは十分であるとは言い難いことから、法人化や農業ベンチャーの育成・誘致を進め、農業を大規模・集約化したうえで、生産性の向上や就労環境の改善、マーケットニーズへのタイムリーな対応などを実現する新たな仕組みが求められている。こうした背景を踏まえ、同町は民間企業の事業・経営ノウハウを活用することで、効果的で具体的な振興策を立案、実施したいと考え、農業ICT分野に知見を有し、自治体業務にも精通している日立システムズと農業ICTによる地方創生モデルを共同推進することで合意。同社は、日立グループの情報・通信システム事業における中核企業であり、農業ICTなどの社会インフラ分野にも事業進出しており、昨年11月には農業ICTベンダーのアグリコンパスと資本・業務提携契約を締結するなど、事業体制強化を図っている。今後、同社はビジネスパートナーの知見なども活用し、中長期視点による持続的な発展に向けて、ICT活用による高付加価値いちごの通年栽培、温泉熱を活用したハウス栽培、栽培施設や直売所のショールーム化による観光業の活性化などを中核に多角的な事業モデルの調査を行う。一方、同町は同社の調査結果を踏まえて、具体的な施策の立案とその実現に向けて取り組む方針だ。
2016年02月29日国内アクティビティ専門予約サイト「アクティビティジャパン」を運営するインデックスは2月24日、エイチ・アイ・エス(HIS)とともに同サイトを活用し「地方創生・観光プロモーションコンソーシアム」を2016年3月1日に設立すると発表した。アクティビティジャパンは全国のアクティビティ・レジャーの検索予約だけでなく、アウトドアイベントへの参加や主催、地域への取材などの取り組みを通じ、さまざまな形でアクティビティ個々の魅力を情報とともに発信するアクティビティの総合情報メディア。地方創生・観光プロモーションコンソーシアムは、自治体・観光協会・各種企業を取りまとめ、窓口を事務局に一本化し、より効果的な情報の整理と発信を行うことで自治体観光予算の有効活用、地域経済の効率的な活性化を実現する。また、アクティビティジャパンは同コンソーシアムにおいて、以下の活動を行うことでコンソーシアムの目的達成のために貢献していく。自然や文化遺産などの観光資源を利用したアクティビティ・文化体験などの魅力ある着地型旅行商品を地域住民とともに開発ITを活用した観光プロモーションを実施し、地域やアクティビティ事業者の情報発信をサポートするほか、 昨今増え続けている訪日外国人に対しても、地域だけでしか体験できない自然の遊びや日本文化体験の情報発信を通じて、地域の魅力をPRさまざまな体験型イベントを開催し、その地域の集客に貢献
2016年02月25日日本マイクロソフトは2月9日、東京エレクトロンデバイスなど9社と協力して「IoTビジネス共創ラボ」を発足したことを発表した。Microsoft AzureをベースとしたIoTソリューションの開発促進や、共同検証結果を発表するセミナー開催など、各企業がマッチングする場を提供する。登壇した日本マイクロソフト 代表執行役 会長の樋口泰行氏は、「Azure IoT Suite」による迅速な共同検証の支援で、スモールスタートから本格導入までスムーズに行えるとアピールした。日本のICT産業を語る上で「IoT(Internet of Things)」は、今もっとも注力しなければならない分野である。米国のように官民一体となってIoT事業を推進しなければならないのは、誰の目にも明らかだ。このことを改めて強く感じさせたのが、日本マイクロソフトが2016年2月9日に開催した「IoT分野の新たな取り組みに関する共同記者発表会」である。東京エレクトロンデバイス IoTカンパニー(幹事社)、日本マイクロソフト(事務局)、アクセンチュア、アバナード、テクノスデータサイエンス・マーケティング、電通国際情報サービス、ナレッジコミュニケーション、日本ユニシス、ブレインパッド、ユニアデックスの計10社が協力して「IoTビジネス共創ラボ」を発足したことを発表した。登壇した東京エレクトロンデバイス IoTカンパニー カンパニープレジデントの八幡浩司氏は、「IoTのエキスパートによるエコシステム構築や、プロジェクトの共同検証によるノウハウ共有、先進事例の共有によるIoT導入の促進といった目的を持って、各企業がエコシステム的に協力しあう。自由な議論から生まれる発想を活かしたい」と発足理由を語る。そもそも東京エレクトロン デバイスは、産業用エレクトロニクス製品の設計や開発、半導体電子デバイスおよび情報通信機器の販売や保守を行う企業として、さまざまなデバイスを世に送り出してきた。日本マイクロソフトとは23年前から組み込み分野で付き合いがあるというから、Windows Embedded CompactがまだWindows CEと呼ばれていた時代までさかのぼる。そこで東京エレクトロンデバイスと日本マイクロソフトが中心となって、ビジネスソリューション開発やサイエンス分野など幅広い専門分野に声をかける形で、IoTビジネス共創ラボの発足に至った。IoT分野における未来予測はIDCやGartnerの調査結果が顕著だが、八幡氏は2020年までにIoT接続数は250億(Gartner)、市場売り上げ規模は1.7兆ドル(IDC)を引用し、「数字だけではピンと来ないが、我々が関わるすべてのものがインターネットにつながる世界を想像してほしい。より良い行動指針を提示する未来が訪れる」とIoTで変わる未来を語った。また、McKinsey&Companyの調査結果である"IoTがもたらす価値の70パーセントはB2Bシナリオから"についても、「正しい予測だ。我々も同様に始める」という。さらに日本国内のIoT市場についても言及し、「(IDC Japanの調査結果によれば)現在のICT市場は25兆円だが、そのうちIoT市場は9兆円。今後はIoTが市場全体を牽引し、年12パーセントの成長率がある」と説明した。特にサーバーやストレージ、分析ソフトウェアなどが成長分野となり、IDC Japanの調査結果では4年後の2019年には16兆円まで拡大する。この7兆円の部分を参画する企業たちで盛り上げようというのが、IoTビジネス共創ラボの存在理由だ。IoT導入で問題視されるのがセキュリティや投資対効果、そして人材不足である。この点についてはMicrosoft Azureで解決することが可能であると八幡氏はいう。記者からの他社製パブリッククラウドの導入について検討しなかったのか、という質問に対して、「(東京エレクトロン デバイスの調査によれば)あらゆるモジュールを持っているのはMicrosoft Azureだけだった。顧客がオンプレミスサーバーでデーターを管理している場合も、データーだけをPower BIに投げるなど柔軟なシナリオに対応できる」と、日本マイクロソフトを協業パートナーに選択した理由を説明した。さらに日本国内にデーターセンターを保有している点も大きいという。IoTビジネス共創ラボではプロジェクトを検証するため、5つのワーキングループを設けることを明らかにした。各分野に特化した「製造ワーキンググループ(リーダー: 東京エレクトロンデバイス)」「物流・社会インフラワーキンググループ(リーダー: ブレインパッド)」「ヘルスケアワーキンググループ(リーダー: ユニアデックス)」の3つに加え、ビジネスインパクトがあるIoTシナリオを検討する「ビジネスワーキンググループ(リーダー: アクセンチュア)」と、多様なデーターを分析、活用する「分析ワーキンググループ(リーダー: ブレインパッド)」が脇を固める。八幡氏は「ホワイトボードに書き殴りながら議論を進めたい」と語った。日本マイクロソフト 代表執行役 会長の樋口泰行氏は、「IoTはクラウドとデバイスを結びつけることで高い付加価値を生み出せる。弊社は後出しジャンケンが得意な会社だが、より良いもの目指した結果、機能的には(他社製パブリッククラウドよりも)先に進んでいる」と述べている。IoT市場においてはMMI(マンマシンインタフェース: 人と機械の間で情報伝達を行うデバイスやソフトウェア)が重要だが、Microsoftは同分野の研究を長年続けてきた。この点についても「M2M(Machine to Machine)からIoT、最終的には人とつながることに価値を見いだしたい」という。樋口氏はIoTデバイスの多様化を、自社のSurface HubやHoloLensといったデバイスと機械学習などのIT技術を例に挙げ、「別々に存在したものがクラウドやIoTでつながり、それが人につながっていく」と説明した。近年の日本マイクロソフトは国内にデーターセンター設置してから、Microsoft Azureを用いたビジネスを開く展開している。シェア拡大の理由について樋口氏に尋ねると「最近はオンプレミスサーバーを自社で購入する企業はかなり減ってきている。その環境変化に合致したのだろう。『Azure Stack(IaaSやPaaSの機能をオンプレミスで利用可能にするパッケージ)』や他社製パブリッククラウド、企業内クラウドなどにシームレスに対応し、その裏でもインテリジェンスな機能が多数存在するため選んでもらっている」と、Microsoft Azureの強みを語った。IoTビジネス共創ラボにおける日本マイクロソフトの役割は事務局ということだが、容易なクラウドとIoT導入を実現すると同時に遠隔監視や予兆保全、資産管理などのシナリオをパッケージ化する「Azure IoT Suite」や、IoTデバイスとソリューションバックエンド間でセキュアな双方向通信を認定する「Azure Certified for IoTプログラム」を提供。後者は2015年9月から米国本社で始めたプログラムだが、認証済みデバイスなどをリスト化することで、ユーザーのIoT導入支援につなげる意図がある。既に8社のゲートウェイパートナーが申請を開始し、内1社認証を取得済みだという。その他にも、「Azure IoT Hub(何百万台ものIoTデバイスとクラウド双方向通信やセキュリティ保護を確立するサービス)」を2月3日から最終版として提供を始めている。さらにIoT市場の需要喚起として、製造や流通といった各種業界の意思決定者5,000人を対象にしたイベントやセミナーを開催。既に3月10日には1回目の勉強会を予定している。さらにパートナーマッチングや先進事例のモデル化などを行いながら、1年以内に100案件の送出を目指すという。加えてIoT技術者不足を改善するため、無償トレーニングも提供する。年90回以上のトレーニング開催を予定し、合計1万人の技術者育成を目指す。最後に活動目標として八幡氏が「1年以内に(顧客企業を)100社に拡大する」と語った。その理由として「日本は製造業の土壌がある。長年付き合いのある企業は3,000社、常に取引のある企業は2,500社以上。各社からIoT市場への参画をほのめかす声を頂いている」からだという。今回の取り組みがIoT市場へどのようにコミットし、成果を生み出すのか現時点では分からない。だが、IoTへの取り組みは世界レベルで切磋琢磨する時代となった。IoTビジネス共創ラボには次世代のICT市場を盛り上げる役割を期待したい。阿久津良和(Cactus)
2016年02月09日働く女性たちに、キラキラしただけではないリアルなエピソードを聞いていくこのシリーズ。今回は、ある地方都市で働く女性に話を聞きました。○好きな分野の仕事がなかなか見つからないカルチャー関係の商品を扱う店舗で10年以上働いたものの、突然のリストラにあったBさん(39歳)。その後は地元で転職活動中とのことですが、以前のように好きな分野での仕事はなかなか見つからないと言います。そんな地方の転職活動について、聞かせてもらいました。――Bさんは、現在は地方都市で働いていますが、それまではどんな職歴だったんですか?実は、親戚の伝手で一度は関東の飲食店で働いたことはあるんです。その後、地元に戻って、カルチャー関係の商品を扱う店舗で働いていたんですが、経営が厳しくなり、店舗をたたむか、従業員が辞めるかの二択を迫られてしまいました。――説明の仕方によっては、不当な解雇になるかもしれないですよね。ただ10年以上も、好きな仕事に携わってきたし、お店の苦しい状況もわかっていたしで、それに抗うことはできなかったですね。私たちが辞めなくても、お店がなくなれば、どっちみち自分自身は職を失うことになるので。――不当だとは言えない空気っていうのはありましたか?職場の環境は、割と自由だし、女性も長く働いていたしで、そこまで窮屈ではなかったんですが。いざというときには、好きでやっている仕事だから、職があるだけでもありがたいことだったよね、だから今更文句を言うなんて……という思いがあったかもしれません。――Bさんの友達はどんな働き方をしていますか?仕事を通じて知り合った同じような業種の人は、やはりお店の経営がなりたたなくなって、別の仕事に就く人は多いです。地元で事務職に就いたり、東京に出て、もう一度好きなことをしたり、東京に出たけどまた別の仕事をしていたり。自分が独身なので、独身の友達が集まってきますね。そういう意味では、同じ境遇の友達には恵まれていると思います。――Bさんは、仕事を辞めてからは、就職活動はしていますか?やっているんですが、なかなか見つからないですね。私の職歴では事務はできないし、車を運転できないので営業も難しい。となると、やはり接客業になるんですが、それも年齢でやんわり断られてしまったり。田舎は交通網も整っていないので、遠くの地域で募集があっても、私のようにバイクで一時間かけて毎日通うのは物理的に難しい。もちろん、私が以前のように好きなカルチャーの仕事にこだわっていると、仕事はないと思うから、それは捨てて就職活動をしているつもりなんですが、難しいですね。――確かに、私も地方で働いていて、ひとつめの会社を辞めた後、そのあとも前職と同じモチベーションと賃金が確保される仕事がほかにもあるはずだと思ったら、もう地方にはそんな仕事は見つかりませんでした。そうですね。都会ならば、転職でキャリアアップということもあるかもしれませんが、地方ではなかなか難しいかもしれません。役職を目指すとか昇給があるなんてことは望んでなくて、同じ職場で年をとっても働けるということだけでも、貴重だと思います。○ずっと続けていられる仕事を探したい――それでも、何度か短期の派遣やアルバイトをしているんですよね。百貨店に派遣社員として短期でいきましたが、生まれて初めていじめのようなものを経験しました。というのも、百貨店のパートさん、アルバイトさんの時給よりも、派遣のほうが時給がよかったりするんですね。急な求人であったり、短期の契約であったりするから、仕方ないことだと思うんですが、経験の長い自分よりも、仕事ができない新人のほうが時給が高いことはやっぱり納得いかないんだろうなと思います。――そうですよね、時給が違うのは、いじめたパートさんの責任でも、新入りの派遣さんの責任でもないのに、その違いのせいで微妙な関係になってしまうと。それでも、なんとか仕事で迷惑をかけないように、いろいろ覚えようとしていたんですけど、逆にパートさんのテリトリーを奪う行為に見えたらしく、一生懸命に仕事をすることも阻まれて。なんとか派遣の契約期間終了までがんばったけれど、つらかったですね。――東京には、比較的、地方よりは仕事があるということは、地方から上京して派遣の仕事をしていた自分の実感としてはありますが、上京するということは考えていないんですか?地方から募集を見て履歴書を送ったこともあるんですが、なかなかうまくいかないですね。腰を据えて東京に住んで履歴書を送るほうがうまくいくのかなと。――それは私も経験があります。地方から履歴書を出しても、その本気度が見えないのか、返事が来た事はなかったです。もちろん、私のやり方がうまくなかったのかもしれません。ほかの方に聞くと、募集がなくても、好きな業種の会社に熱い手紙を書いて採用されたという話もありましたし。ただ、今は東京に行こうという気持ちも薄らいでいます。両親がまだ元気で、姉は結婚して子どももいるし、私が突然仕事を失った経緯も知っているので、今の状況には、そこまでうるさく口出ししてはきません。それに同じような仕事をしてきた趣味の合う友達もいるので、思いとどまっているのかもしれません。――その状況だったら、確かに無理して東京を目指す必然性は感じないかもしれませんね。私の場合は、仕事のない状態で家族とも以前よりギスギスしていたし、友達も結婚ラッシュで、気軽に遊びにいく仲間が少なくなっていたところでした。そういう辛い状況があったからこそ、上京する気力がわいたということは考えられます。今は、友達が紹介してくれた観光地の飲食店で土日と祝日に働きながら、この土地で長く続けられる仕事を探しています。今まで、ほぼひとつの仕事しか知らなかったし、かつ、それが自分の好きな仕事だったので、そこに甘えていた部分もあったかもしれないなと。今は、いろんな仕事に触れてみて自分に何ができるか勉強する期間だと思ってやっているんです。今度は、好きな仕事ではないかもしれないけれど、ずっと続けられる仕事が見つかればいいなと思っているんです。西森路代ライター。地方のOLを経て上京。派遣社員、編集プロダクション勤務を経てフリーに。香港、台湾、韓国、日本などアジアのエンターテイメントと、女性の生き方について執筆中。現在、TBS RADIO「文化系トーラジオLIFE」にも出演中。著書に『K-POPがアジアを制覇する』(原書房)、共著に『女子会2.0』(NHK出版)などがある。
2016年02月03日クオリティアは、地方自治体向けのメール無害化ソリューション「Active! zone」を2016年5月下旬にリリースすることを発表した。「Active! zone」は、総務省が推奨する自治体向け情報セキュリティ対策の1つである添付ファイルの無害化転送をサポートするソリューションで、「添付ファイルの削除」、「HTMLメールのテキスト化」、「添付ファイルのテキストファイル変換」、「アンチウイルス」、「アンチスパム」といった機能を備えているのが特徴。また、今後リリース予定の「添付ファイルの画像化」や「添付ファイル無害化後のWebダウンロード化」といった機能と組み合わせることで、一般企業の標的型攻撃対策としても効果を発揮することが可能だという。なお、同ソリューションの価格は、基本ライセンスが16万6000円(税別)/100ユーザーからで、アンチスパム機能やアンチウイルス機能もオプションとして追加することが可能となっている。
2016年02月02日佐賀県は1月27日~31日および31日、「スプラトゥーン有田焼豆皿」「スプラトゥーン唐津焼小皿」の限定販売を行う。同県は、情報発信による地方創生プロジェクト「サガプライズ!」の事業として、任天堂のWiiU用ゲームソフト「Splatoon(スプラトゥーン)」とのコラボレーション企画「Sagakeen(サガケーン)」を実施している。今回販売が行われる限定商品は、同コラボレーションの新グッズとして展開されるもの。佐賀県の名産磁器・有田焼は、1616年に初の国産磁器として誕生し、2016年に創業400年を迎えるという。「スプラトゥーン有田焼豆皿」は、これを記念して、「呼子のイカす広場」(佐賀県唐津市)にて1月27日~31日の期間、1,000枚(1枚1,200円)限定で店頭販売される。絵柄としては、ガール、ボーイの2種類を各500枚用意。同商品は、1月30日~31日に幕張メッセ(千葉県千葉市)にて行われるゲームイベント「闘会議2016」でも販売される。販売枚数は「呼子のイカす広場」と同じ1,000枚限定。1月21日~31日にはWEBでの受注販売も受け付ける。また、1月31日には「スプラトゥーン唐津焼小皿」(1枚2,500円)も、両会場にて25枚限定で販売する。「唐津焼小皿」については、WEBでの販売は行わないとのこと。なお、両商品とも、購入は1人につき1つまでとなる。※価格は全て税別
2016年01月22日総務省はこのほど、2015年地方公務員給与実態調査の結果を発表した。それによると、国家公務員を100とした場合の地方公務員(一般行政職)の基本給与水準を示すラスパイレス指数の平均(2015年4月1日時点)は前年比0.1ポイント増の99.0となり、2年連続で国の水準を下回った。○都道府県別、最低値は鳥取県都道府県の平均は同0.2ポイント低下の99.7。このうち最も高かったのは神奈川県の104.1で、以下、静岡県の102.7、秋田県の101.4と続き、21都府県で国を上回った。一方、最も低かったのは鳥取県で91.8だった。政令指定都市の平均は同1.1ポイント上昇の101.2で、最高値は神奈川県川崎市の103.8、最低値は大阪市の97.2。一般市の平均は同0.1ポイント上昇の98.7、町村は同0.2ポイント上昇の95.8で、市区町村の最高値は兵庫県芦屋市の104.7、最低値は大分県姫島村の75.7となった。平均給与月額(平均給料月額と諸手当月額の一部の合計)は36万7,557円(前年36万8,817円)で、国家公務員の40万8,996円と比べて4万1,439円低かった。平均給料月額は32万5,130円(同32万6,969円)、諸手当月額は4万2,427円(同4万1,848円)だった。
2015年12月28日田辺三菱製薬、日本電気(NEC)、理論創薬研究所は12月9日、ICTを駆使した創薬技術「インシリコ創薬」の高精度かつ高速なアプローチを3社共同で開発したと発表した。田辺三菱製薬と理論創薬研究所は2012年より、膨大な化合物情報が一元化されたデータベースから、医薬品創製に役立つ過去の成功/失敗事例といった「創薬ナレッジ」を目的に応じて効率的に抽出できるシステム「改良版MMPA」を研究・構築してきた。2014年よりNECも参画。オープンソースのデータベース「PostgreSQL」に検索を並列処理させるソフトウェア「NEC PostgreSQL Accelerator」を適用させることで、改良版MMPAを用いた創薬ナレッジの抽出速度を最大で約24倍向上させたという。3社は、改良版MMPAとNEC PostgreSQL Acceleratorを効果的に用いたICTによるインシリコ創薬で、医薬候補品の選択を効率化させることが可能になるとしている。
2015年12月09日三重県とANAホールディングスは11月16日、三重県における「グローバル化における地方創生」を共通のキーワードに、地方創生に向けた様々な分野で連携した取組みを推進するために連携協定を締結し、調印式を行った。三重県とANAホールディングスはこれまで、航空宇宙人材育成に係る協働事業や海外ミッションへの協力などを行ってきた。今回の提携は2016年5月に伊勢志摩サミットが開催を控えている三重県に対し、観光促進や食の販路拡大など様々な分野で連携を強化し、地方創生につなげるための取り組みにまで拡充するというもの。主な取り組みは、「世界の人が集うグローバル化の推進」としてMICE(マイス、ビジネストラベルの総称)誘致や開催への協力、ファムトリップ等への協力等、「観光の振興」として機内誌等での三重県の紹介や旅行商品の造成等、「食の販路拡大」として機内食やラウンジ等での三重県食材の提供、ANAグループの貨物ネットワークを活用したASEANへの販路拡大等、「人づくり」として航空宇宙分野に係る人材育成支援等を予定している。
2015年11月19日沖電気工業(OKI)と日本IBMは11月16日、地方自治体向け地方創生分野で各種クラウド・ソリューション・サービス提供における協業について合意した。今回の協業では、OKIは日本IBMと協力して、地方創生クラウド・サービスの運営に加え、地方自治体向けの取り組みで培ったノウハウをもとに地域活性化を実現する新しいアプリケーションの開発を行う。一方、日本IBMはOKIによるIBMクラウド環境を活用した新ソリューションの開発における技術支援を行い、地方自治体の魅力作りを推進していくことで地方自治体の魅力を発信し、観光、産業などから地方自治体の新たなビジネスへの取り組みを支援する。また、OKIが地方自治体向けに開発した地方創生に貢献する防災システムやITSシステムなどの各種アプリケーションや、日本IBMおよび同社のパートナー企業が提供するソリューションを「SoftLayer」上で提供するため、両社が協力して技術検証を行う。OKIはIBMのクラウドプラットフォーム「IBM Bluemix」などを活用し、観光による地域活性化や雇用創出、ITSによる地域内移動、防災・減災など、快適で豊かな生活の実現につながるソリューションを提供するOKI独自の地方自治体向け地方創生ソリューションを新たに開発し、2016年4月より提供を予定している。両社の協業により、地方自治体はOKIが提供する「地方創生クラウド・サービス」を利用し、短期間かつ低コストで地方自治体が自身の魅力作りに必要なサービスを選択、利用することが可能となる。OKIの地方創生クラウド・サービスは、市町村防災行政無線システムや消防指令システムなど地方自治体向けにシステム提供をした実績を踏まえ、地方自治体が抱えるさまざまな課題解決を支援することを目指すクラウドサービス。安心・安全、域内移動、観光振興など、多くのソリューションをクラウド上で提供している。今回、同社はIBMのSoftLayer東京データセンターを利用し、ベアメタルサーバー、仮想サーバー、ストレージ、ロードバランサー、ファイアウォール、ネットワークサービスなどSoftLayerの全サービスと機能を活用し、安定性と性能、そしてセキュリティーを備えたインフラ構築に取り組んでいく。また、サーバー構築、維持、運用費用などのコストの観点でも、自治体向けクラウド環境の運用コストを削減する効果が期待されている。
2015年11月16日佐賀県は、情報発信による地方創生プロジェクト「サガプライズ!」の事業として、任天堂の人気ゲーム『スプラトゥーン』とのコラボレーション企画「Sagakeen (サガケーン)」を実施する。「呼子のイカ」で有名な佐賀県北部の唐津市呼子町は、特に春から秋にかけて、透き通った見た目のイカの活作りや朝市などを求める多くの観光客で賑わう。一方、気温の下がる冬はやや観光客が落ち込む時期。そこで、県の魅力発信による唐津市呼子町を中心とした佐賀県への観光誘致を目的に、イカが主人公のWiiU用ゲーム『スプラトゥーン』とのコラボ企画を行う。■東京タワーにコラボショップ「Sagakeen イカすロビー」が期間限定オープン11月18日(水)~11月24日(火)の7日間、呼子名物いかまんじゅうや唐津焼など『スプラトゥーン』とのコラボグッズを販売。さらに、イカの回転乾燥機「いかぐるぐる」をモチーフにしたツリーが、クリスマスまで輝く!■スプラトゥーン仕様の遊覧船が就航12月1日(火)からは、呼子エリアを舞台に観光誘客策を展開。観光遊覧船「イカ丸」がスプラトゥーン仕様の「スプラ丸」になるほか、朝市通りの公式ショップではコラボ商品を販売。さらに、呼子の冬の風物詩となった、ツリーに吊るしたイカの干物が来場者にプレゼントされる「イカすクリスマスツリー」も『スプラトゥーン』とコラボする。■ゲームでは「山の幸(佐賀牛) VS 海の幸(呼子のイカ)のフェスを展開11月21日(土)~22 日(日)の週末は、WiiU用ソフト『スプラトゥーン』で、ユーザーが佐賀県産の「山の幸」と「海の幸」の好きなチームに分かれて戦うフェスを展開。ゲーム内のキャラクターのTシャツには、「佐賀牛」「呼子のイカ」がしっかり描かれる。そのほか詳細については、「Sagakeen」オフィシャルサイトをチェックしてみよう。(C)2015 Nintendo
2015年11月13日●都市勤めのビジネスパーソンが地方で勝負する価値近年、「地方創生」を耳にする機会が増えたが、実際に都内で働く人が地方でビジネスをするなら、どのようなメリットがあるのだろうか。そこで今回は、過去に岩手県知事や総務大臣などのキャリアを持ち、『地方創生ビジネスの教科書』(文藝春秋/1,200円+税)の著者でもある、日本創成会議座長の増田寛也氏に、地方での働き方や地方が求める人材について、お話を伺った。○地方の働きやすさとは――都市勤めのアラサービジネスパーソンが地方で勝負するメリットは何だと思いますか仕事上での自己実現について考えると、都内よりも達成しやすいと思います。私が岩手県の知事を経験して感じたのは、地方では人材層が薄いということです。だからこそ、スキルを持っている人は強い。ビジネスパーソンが自信のある分野でビジネスを始める場合、都心と比べて競争相手が圧倒的に少ないと思います。また、地方であれば職住近接30分以内が多く、物価も安いので、生活がしやすいでしょう。30代前後の既婚者や子育て中の方がワークライフバランスを両立させるには、東京は難しい地域だと思います。通勤時間が片道60~80分と長時間で、近所との関わりが少ないケースも多いです。例えば子供が熱を出した場合、地方の企業であれば「一旦、家に帰って子供の様子を見たらどうか」と声をかけてくれます。15分ほどで自宅に帰れて、子供を看病したら会社へ戻れる。この"近さ"が地方で働く良さだと思います。起業してみたい方にとっては、細部の法律関係まで相談可能な体制になっていることが重要だと思いますが、今は地方の環境も相当整ってきています。競争相手が少なく、環境が整っており、ワークライフバランスを確立させやすい。こうした生活環境からみた働きやすさが、地方のメリットとして大きいのではないでしょうか。出身地の近くで知り合いがいれば、ネットワークを広げやすいという利点もありますね。――逆にデメリットはありますか?人によって考え方は異なりますが、毎晩違うナイトスポットに出掛けたい、歌舞伎座に通いたい、など都市的な刺激に飢えている人にとって、あまり満足感は高くないかもしれません。――Iターン、Uターンでは、東京より南の地方が人気だと思うのですが、東京より北の状況はいかがでしょうかたしかに、移住となるとそうですね。北の地方の場合でも、東北を飛ばして北海道に行きがちです(笑)。しかし、たとえば仙台なら東京から1時間半ほどで行けますし、都会の需要に合ったサービスを仕事にしたい方にも、良い地域ではないかと思っています。●地方で活躍するのに"必要な力"とは○地方で働くために知っておきたいこと――都市で働くビジネスパーソンが地方でビジネスを行うにあたって、気をつけなければならないことはありますかすべてその土地の習慣に従う必要はありませんが、東京と若干異なっていることは知っておいた方がいいでしょう。時間や生活の感覚において、ゆったりとしている部分はあります。都心のように、時間に対して1分1秒を争うことはありません。――例えば、土地による習慣や、人間関係はあまり気になったりはしないのでしょうか相手が30代前後の働いている人であれば、土地の習慣によって仕事が進めにくくなることはほとんどないと思います。もちろん、全体でみれば閉鎖的なところはありますが、県庁所在地や、第二の都市程度であれば、経済が発展しています。はじめは相手の口が重たくなることもあるかもしれませんが、実際に入ってみると、親切な人が多いんです。ただ、行ってみないとわからない部分も多いので、東京から地方へ行って働いている人達の口から話を聞く機会があるとなお良いですね。○いま、地方が求めている人材とは――都市で働くビジネスパーソンが地方で活かせる、求められるスキルというのはありますか地方で人材が足りないのは、サービス業やITなどの事業です。また、デザイン系も手薄ですね。――どういったサービス産業が多いのでしょうかサービス産業の幅は広いのですが、特に観光業です。なかでも、今注目されているものに、インバウンドに対しての通訳やレセプションの応対などがあります。こうした観光業において、地方にはまだまだ伸びしろがある。近隣の都市とライバル関係にあるよりも、むしろ広く協力関係をつくることが大事になっています。地元の人達だけでは、観光協会で留まって衰退しています。だからこそ、県から飛びだして、他県の端までダイナミックに動き、企画することが必要です。――サービス産業などにしても、企画を立てられる力が求められるのでしょうか企画のみならず、実現へむけての交渉、集客、PRまでを含む全部をひとつにまとめられるような力が求められます。古い企業形態のまま固まっている企業が多いので、新しい分野に広げていく意欲と、新しい分野で全体をとりまとめられることが大事。そのあたりは、なかなか地元の人だけだと出来ないことだと思います。やっぱり実際に行ってみないと、自分に合っているかどうかわからないですよね。ドアをノックしてみて初めて、その先の人や自然など、地方ならではの良さを感じるのではないでしょうか。――ありがとうございました『地方創生ビジネスの教科書』(文藝春秋/税別1,200円)日本各地に眠る宝の資源を発掘し、磨き、売り込み、稼ぐには?地方に魅力的な仕事を生むことで、人が集まり、街がつくられ、次世代へもつながる。本書では、「地方創生ビジネス」10の事例を紹介。鍵を握るI&Uターン、地方ならではのIT活用、人づくり・場づくり、補助金からの自立、日本一の売り場へ並べる方法、農協との共存作法、小ささを逆手に取る方法、など「成功の極意」を惜しみなく伝える。
2015年11月04日西日本シティ銀行はこのたび、2008年8月に北九州市と締結した「産業振興分野に関する連携協定」に基づき、地方創生に資する支援策の一環として、北九州市での住宅市場の活性化及び定住・移住促進のため、「住宅ローン」及び「リフォームローン」の金利を特別に優遇すると発表した。○「住宅ローン」の金利優遇について対象商品/「NCB 建築名人」、「NCB ガン保障特約付住宅ローン」、「NCB 全国保証 住まいるいちばん」、「NCB 定期借地権付住宅ローン」、「NCB 住宅ローン キレイの住まい」金利優遇/全期間適用金利を0.1%引下げる適用条件/住宅ローン購入対象物件の住所が北九州市内であることが条件取扱店/西日本シティ銀行 全店(東京支店・大阪支店は除く)取扱開始日/11月2日(月)申込受付分より○「リフォームローン」の金利優遇について対象商品/「NCB EZ リフォームローン」金利優遇/適用金利を0.1%引下げる(その他取引内容により最大▲0.8%の優遇となる)適用条件/リフォーム物件の住所が北九州市内であり、北九州市が実施する「リフォーム促進事業」又は「耐震補強工事促進事業」を利用してリフォームを行うことが条件取扱店/西日本シティ銀行 全店(東京支店・大阪支店は除く)取扱開始日/11月2日(月)申込受付分より西日本シティ銀行によると「これまでも移住促進応援住宅ローンや福岡県須恵町との連携で住宅ローン金利の優遇などを行ってきたが、このたび実施するのは北九州市と締結した『産業振興分野に関する連携協定』によるローン金利の優遇となる。今後も引き続き、地元の活性化のため、これまで当行が培ってきた知見やノウハウ、さらには当行グループが有する金融サービス機能を発揮し、地方創生に取り組んでいく」としている。
2015年10月27日日立製作所は10月15日、顧客と共に事業機会を探索・発見し、新事業コンセプトを創生してビジネスモデルを検討するための手法、ITツール、空間を体系化した顧客協創方法論「NEXPERIENCE」を構築したと発表した。「NEXPERIENCE」は、顧客との協創過程を「ビジョンの共有」と「新コンセプトの創出、プロトタイプ開発とデモンストレーション」という2段階に大別し、過程ごとに適した手法とITツールを体系化したもの。ITツールには検討に必要な枠組みやデータをコンテンツとして格納するなど、議論を円滑にすすめるための要素を盛り込んでおり、導き出されたアイデアなどの結果やその検討過程を自動整理する機能を備えている。例えば、「プロトタイプ開発」過程で提供される「ビジネスモデル設計ツール」では、参加者がタッチパネル上でアイコンを簡単に並べながらビジネスモデルの設計を検討できると同時に、描き出されたモデルを別の視点で俯瞰できる図やグラフに、リアルタイムで自動的に置き換えて提示することが可能となっている。また、同社の独自性を生かした協創を促進するために必要な「空間」として、プレゼンテーションスペース、協創スペース、ラウンジスペース、ミーティングスペースを備えた顧客協創空間をCSI東京内(東京・赤坂)に開設。協創スペースには、手法やITツールを利用できるタッチパネル仕様の大型マルチディスプレイとテーブルディスプレイを備えた端末や、タブレット端末が設置されている。これらの端末は連携しているため、ファシリテーターと参加者が一緒に使うことで、多角的な視点による濃密な議論を支援し、創造性の発揮と共感の醸成が期待できるという。ラウンジスペースは、東京都心を一望できる開放的な空間で、リラックスした雰囲気で打ち解けた対話を誘発するような作りとなっている。「NEXPERIENCE」は北米、中国、欧州にある社会イノベーション協創センタにも展開される予定。
2015年10月16日●熊野古道が地方創生政策の先行事例で滞在型外国人の集客に成功するまで訪日観光は2015年1~8月まで1,287万人と絶好調だが、一言で訪日観光といっても観光ニーズや旅行内容は国や地域によりかなり異なる。欧米豪のFIT(個人の訪日外国人旅行)客の日本での滞在日数は平均して2週間以上、団体旅行やパッケージツアーの利用は少なく、9割近くが個人手配の旅だ。そんな欧米豪のFIT客にターゲットを絞り、成功を収めているのが和歌山県田辺市である。○世界遺産の道の周辺には様々な温泉も田辺市には歴史ある「湯の峰温泉」や「龍神温泉」、川底を掘れば温泉が出る「川湯温泉」、西日本最大級の露天風呂を誇る「渡瀬温泉」など8つの温泉がある。また、2004年世界文化遺産登録された「紀伊山地の霊場と参詣道」の構成資産のひとつ、熊野古道の中辺路(紀伊田辺から熊野本宮大社までの約60km)が通っている。中でも滝尻王子から熊野本宮大社の約38kmは人気が高い。コースは初心者や外国人でもひとりで安心して歩けるよう、整備や地域観光のサポートシステムが確立されている。○ターゲットは滞在型の欧米豪個人旅行者田辺市は世界遺産登録の翌年である2005年、5市町村が合併して観光振興の方針を大きく転換した。熊野観光は団体旅行や通過型観光には馴染まないと判断し、地域に滞在してゆっくり歩いて楽しんでもらう観光を目指した時、ターゲットとなったのが欧米豪のFIT客だった。そのため田辺市は2006年、新たな観光の推進役として田辺市熊野ツーリズムビューロー(以下、ビューロー)を設立、海外へのプロモーションと地域の受入れ体制づくりに取り組んでいった。そうした努力もあり2011年、熊野古道、熊野本宮大社は「ミシュラン・グリーンガイド・ジャポン」で三ツ星に選定された。ミシュランで三ツ星を得るには、9つの評価基準のうち複数の項目で高い評価を得なければならない。中でも、「旅行のしやすさと利便性」「旅行者の受け入れ姿勢の質」は外国人旅行を促進をする上で重要な項目となる。ビューローは2009年、ITを活用し日英2カ国語に対応した独自の「旅行予約管理システム」を開発し、地域観光の推進組織(DMC)となり、地域で企画した旅行商品(着地型旅行)の取り扱いを開始した。システムは宿泊施設、ガイドや体験プログラム、手荷物の搬送にお昼のお弁当、タクシーやレンタカー、レンタサイクル等の手配まで可能だ。その結果、ビューローのDMCの売上高は2014年度には9カ月で1億2,361万円に達した。着地型旅行を扱うDMC(地方創生ではDMO)は今、国が推進する地方創生の柱の事業のひとつだが、田辺はその先進事例となっている。だが、この成功を支えているのは予約システムやDMCだけではない。熊野古道を歩いてみたいと憧れつつ、ハードルが高いと尻込みしている人もノープロブレム。今回、初心者でも楽しく歩けるコースとその充実したサポートシステムを紹介しよう。●熊野古道3時間コースのすすめ - 夜は海外セレブも2時間歩いて訪れる宿に○初心者にもやさしい3時間コース中辺路の中でもアップダウンが少なく、初心者でも歩きやすい「発心門王子」から「熊野本宮大社」までの約6.9kmは所要時間約3時間のオススメコースだ。発心門王子は熊野の神様の御子神(みこがみ)が祀られている王子社の中で最も位の高い五躰王子のひとつで、熊野本宮大社の神域の入口とされる場所。王子社は参詣者の休憩所でもあった。コースはバス停や休憩所、トイレが整備され、田辺市発行の「熊野古道めぐり地図帳(英日版あり)」にはその位置が細かく記されている。また、500m毎に設置された番号道標はマップにも番号の記載があり、まず迷うことはない。この地図帳は実に優れものでそれぞれコースの見所、バス停や休憩所、トイレ、緊急電話や自販機の位置、距離や高低差、所要時間の目安までが詳しく記されている。発心門王子から熊野本宮大社のコースには大斎原や熊野の山々が見渡せる2つの見晴台、寝転がって休める森のベッドなど楽しみも多い。こうした場所で、ネットで予約もできる名物の熊野古道弁当を食べるのもいいだろう。また、スタンプラリーは「完歩証明付の中辺路押印帳」と、熊野古道と協定関係にあるスペインの巡礼地、サンティアゴ・デ・コンポステーラとの「共通巡礼手帳」と、ダブルで楽しめる。○ハリウッドセレブも訪れる山の上の宿一方、田辺市にはハリウッドセレブも2時間歩いて訪れるという外国人に大人気の宿がある。それが2015年「プロが選ぶ宿100選-日本の小宿」で審査員特別賞、旅行口コミサイト「トリップアドバイザー」のホテルアワード2015旅館部門で国内15位に選ばれた「霧の郷たかはら」だ。滝尻王子から歩いて2時間の山の上にあり、別名天空の宿と呼ばれている。もちろん車で来ることも可能だが、外国人客の大半は徒歩で宿まで来るという。霧の郷たかはらの運営を任された小竹治安さんは海外での滞在経験が長く、英語、スペイン語、中国語に対応でき、そのマルチリンガルぶりはインテリアや料理にも反映されている。地元食材を使った旬の料理や客室の廊下や洗面台などには、多国籍なコーディネートが見られる。特に眼下に棚田が広がる天空のテラスは小竹コーディネートの最たるもの、魅力的な空間となっている。滝尻王子からたかはらまでは初心者には少し厳しいがガイドシステムも確立されており、ネットで好きなコースやガイドを選び申し込みもできる。熊野古道は一度に全てのコースを歩く必要はなく、一区間だけ歩くこともできる。まず自分に合ったコースから始めて、徐々に興味あるコースを歩いてみてはどうだろうか。一度歩くとその魅力と楽しさを体感し、すぐに次のコースを歩きたくなる。熊野観光の玄関口であるJR「紀伊田辺駅」へは、南紀白浜空港からバスで約50分ほど。なお、白浜には双子パンダのいる動物園「アドベンチャーワールド」もある。熊野古道とあわせて楽しんでみるのもいいだろう。※記事中の情報は2015年10月のもの○筆者プロフィール: 水津陽子フォーティR&C代表、経営コンサルタント。地域資源を生かした観光や地域ブランドづくり、地域活性化・まちづくりに関する講演、企画コンサルティング、調査研究、執筆等を行っている。著書に『日本人がだけが知らないニッポンの観光地』(日経BP社)等がある。
2015年10月16日テレビ番組でも目にすることのある「地方の男性と他県女性のお見合いイベント」。過疎が進んだ地域、出会いの無い地方の若者には起死回生の一手になることもあるだろう。しかし、「住み慣れた地域・働いている社会の人間関係」を離れて見知らぬ土地に根付くのには、それなりの"人生設計"が必要不可欠になってくる。このほど、結婚支援事業を行うツヴァイ、地方生活の魅力を伝える情報誌『TURNS』(発行/第一プログレス)、広告会社の電通が協力して運営するUIJターン促進プロジェクト「ミライカレッジ」の自治体向け商品説明会が行われた。ミライカレッジは、現在自治体が抱える「人口減少対策」「地域活性化」などの課題に対し"人と出会う、街と出会う、未来と出会う"をコンセプトに、「若者自身のライフデザイン」と「地域の魅力発信」をサポート。結婚支援やビジネスマッチングを行い、少子化対策、定住の促進を行って地域の担い手を育成する試み。地方に若者を呼び戻すには、何が必要なのか。そこからさらに一歩踏み込んで「地域をまたいで地方で伴侶を見つけ、根付いてもらう」にはどういったものが必要なのか。発表会では各社のこれまでの取り組みが語られた。○「人を掘り下げる」ことで地方を紹介するTURNSの堀口正裕氏は、若者には「生き方の選択肢がいろいろある」ということを知った上で地方を選んでもらうことが大事だと語った。その方法として「地方の魅力を伝えるため、その地域で暮らしている人を掘り下げて紹介し若者とつなげる」活動を行っているという。具体的にはTURNS誌面で移住者や支援制度の紹介を行った後、都内で「TURNSカフェ」という移住者と交流できるイベントを開催。その後現地ツアーを行って実際の暮らしや職業を体験する。段階を踏んで理解を深め、現地を訪れることにより、"単なる観光"でなく移住の足がかりとなる現地とのネットワークや思い入れを形成する場を提供している。堀口氏によれば、「TURNSカフェ」に参加する時点で移住者や地域に関して下調べをしてきている人が多く、例えばクラウドソーシングで仕事をして地方で生活できるかなど、カフェでの交流会で具体的な話題が出ることも多い」という。○嫁いでもらうために地域の魅力を伝える続いてツヴァイの高田康太氏は、秋田と佐賀での婚活ツアーを例に県在住男性と他県女性のマッチングについて語った。「AKITA婚ツアー2014」はまず前段階として、都内の秋田県をコンセプトにした店で「秋田の魅力満喫パーティー」を開催。当日は男鹿市や千北市の市長も会場に訪れ、秋田の味や魅力をPRした。さらに女性を対象にした「地方暮らしのライフデザインセミナー 秋田」も開催。地方に興味のある首都圏の独身女性コミュニティーを形成した。その後、実際に秋田県を訪れるツアーを行い、最終的に秋田県外女性40名、秋田県男性56名が参加し、21組のカップルが誕生。そこから現在までに5組ほどが結婚したという。また「SAGA婚活」では佐賀県在住の「農業男子」を中心に男性だけのセミナーを2回、関東在住の女性だけのセミナーを2回行い、両方向からのアプローチを行った。男性には「自分たちで佐賀県や農業の魅力を考え、発信する力をつける」「服装などから結婚力を高める」ための後押し、女性には「佐賀県と佐賀県農業男子への興味喚起」「移住後のライフデザイン」「移住後の悩み解消やフォロー」などについて講義した。その後、初めて男女一緒でのツアーが開催された。高田氏いわく、大事なのは「関東の女性を、ストーリーを持って地方に連れていくこと」「男性自身が佐賀の魅力を伝えられるようにすること」「イベント当日だけ盛り上がるのではなく、翌日から遠距離恋愛になる2人の関係を結婚までサポートすること」「移住後のライフデザインをサポートし、"住む"ことを実感してもらうこと」だという。また、今後のプログラムでは「男性(花婿)を地方に呼ぶ」プログラムも想定に入れている。○3社の強みを合わせた支援ミライカレッジでは、都心での集客力と情報発信力に長けた電通、UIJターンを支援してきたTURNS、ライフデザインの設計や結婚への知見を持つツヴァイが、各社の強みを生かして自治体へのプログラムを提供するという。基本パッケージは「首都圏イベントを含む告知&集客」「地元ワークショップ&現地ツアーなどの実施」「TURNSでのレポート」「サポート」で1千万円(税込)ほどを想定。期間は5~6カ月ほどで、オプションで「移住促進プログラム」も用意している。また、基本パッケージ実施の前段として、地域内限定の「ローカル価値創造プログラム」もある。こちらは対象エリアでの「告知&集客」「ワークショップ&ローカル価値の取りまとめ」「TURNSレポート」「サポート」で500万円(税込)ほどを想定している。なお、パッケージの内容は自治体のニーズによって調整可能とのこと。また、依頼に関しては自治体以外の団体でも可能だという。
2015年10月08日NTTと日立製作所は10月1日、地方創生に貢献するため、ICTを利活用した安心・安全・快適で効率的な都市インフラの整備・構築の支援を目指し、業務提携を行うことで合意した。両社は提携の下、ヒトが安心・安全・快適に活動し、モノが効率的に流通する活気ある都市づくりに向けて、都市内のヒト・モノの移動を支援するため、情報が流通する仕組み、ビッグデータ利活用のためのシステムを地方自治体などに提案していく。また、持続可能な都市づくりを支援するため、地産地消の促進など地域特性に応じた幅広いニーズへ対応し、都市インフラのエネルギー効率を高めるソリューションを地方自治体・法人に提案していく。さらに、「ヒト・モノ・情報が流通する活気ある都市」と「効率的で持続可能な都市」の実現に不可欠な安心・安全・快適な都市インフラとして、IoTを含むICT基盤を組み合わせた都市インフラを提案していく。
2015年10月01日千葉銀行はこのたび、地方創生に向けた取組みを加速するため、10月1日より、新たにローン2商品(住宅ローン「移住・定住促進プラン」、目的別ローン「空き家対策支援ローン」)の取扱いを開始すると発表した。○定住人口増加や防災・防犯といった地域社会の課題解決にも資する取組みこのたび取扱いを開始する2商品は、いずれも自治体の「住宅関連助成制度」に対応するもので、定住人口増加や防災・防犯といった地域社会の課題解決にも資する取組みとしている。住宅ローンの「移住・定住促進プラン」は、千葉県内に居住するための住宅の取得、住み替え、増改築、改修に際し、顧客が自治体の移住・定住に係る助成制度を利用する場合に、住宅ローンを特別金利で提供するもの。目的別ローンの「空き家対策支援ローン」は、所有する空き家の解体、リフォーム、防災・防犯上の設備等の設置を行う顧客に対してローンを特別金利で提供するとともに、顧客が自治体の空き家対策に係る助成制度を利用する場合には、さらに金利を割引くものだという。○目的別ローン「空き家対策支援ローン」商品概要千葉銀行は、今後も地域のトップバンクとしてグループをあげて「地方創生」に積極的に取組み、地域社会の持続的な発展及び活性化に貢献していくとしている。
2015年09月29日奈良県葛城市とリコージャパンは9月15日、葛城市民の生活の質の向上と地方創生に向けた連携協力に関する協定を締結した。これにより、両者は、同市の行政にまつわる「コスト削減」に向けた庁内業務改善やさまざまな実証実験に取り組む。説明会では、初めに葛城市市長の山下和弥氏が同市のビジョンについて説明した。同氏は「高齢者人口や介護・医療費が増えるなか、生産年齢人口が減少し、税収が下落している今、生活に対する不安が増大している。こうした不安を希望に変えるため、われわれはシティセールスとローコストコミュニティを推進している」と説明した。具体策として、民間企業が参加する「新時代葛城クリエーション研究会」を創設するとともに、クラウドシステム導入や備品管理を実施したり、サテライト市役所構想を立てたりしている。クラウドシステムは2年前に7つの自治代でシステムを共有化する形で導入し、年1億円のコスト削減を達成した。また、備品管理として5S(整理・整頓・清掃・清潔・しつけ)活動を行うことで、チューブファイル約830冊の再利用化を実現した。今回、同市は市の特色を生かしながら地方創生の理念を具現化するための中核となる戦略として、「葛城市ラボラトリー・シティ構想」を発表。同構想の下、同市はモニタリング、マーケティング、実証などを行う「研究の場(ラボラトリー)」として広く開放する。両者の協業は同構想の具体策の第1弾となる。「工場の誘致はさまざまな条件があり難しいが、ナレッジの集積地として企業を集めることはできるのではないかと考えた」と山下氏。すでに、リコーの社員2名のほか、凸版印刷と東洋アルミの社員が同氏に常駐しているという。リコージャパン 代表取締役 社長執行役員の佐藤邦彦氏は、「当社はビジネスパートナーとの関わりが深いため、コーディネート力があり、IT以外のビジネスもできる。また今後は、これまでとは異なる新たな価値観の下、時間をかけたビジネスも作り出していかなければならないと考えている」とIT製品や産業機器を手がける同社が地方創生に取り組む背景を説明した。同社はすでに「省庁の業務効率化」や「地域活性化」を支援する活動を行っており、発表会ではさまざまな事例が紹介された。その1つに、同社の最大の開発拠点がある「海老名駅西口地区の土地区画整理事業への参画」がある。同社は同事業に対し、安心・快適・便利を実現するまちづくりのためのソリューションやサービスを提供している。また、デジタルサイネージやプロジェクション・マッピングを活用して、地域ブランドの向上も支援している。今回締結した協定の下、庁内業務改善を推進するための施策として、「5S活動の拡大」「組織風土改革」「ファシリティマネジメントの取り組みへの参画」が実施される。また、環境エネルギー分野の実証実験として、「水道施設を活用した小水力発電の実証実験」と「施設の電力量削減を目指した照明・空調自動制御システムの実証実験」が実施されるほか、医療・介護分野の実証実験として「サテライト市役所を核にした遠隔健康相談の実証実験」に取り組む。
2015年09月16日NECは9月16日、社会保障・税番号制度(マイナンバー制度)の開始に伴い、地方公共団体情報システム機構(J-LIS)から、全国の地方公共団体(7月時点で1743団体)の個人番号カード(ICカード)交付窓口で、本人確認に利用される「個人番号カード交付窓口用顔認証システム」を受注したことを発表した。同社によると、顔認証システムが全国の地方公共団体において統一的に導入されるのは、今回が初めての事例となるという。本システムは、地方公共団体の窓口において個人番号カードの交付を希望する住民に対し、来庁者と個人番号カードの顔写真を照合、もしくは、来庁者と個人番号カード交付申請書の顔写真を照合するもの。これにより、地方公共団体における個人番号カード交付時のなりすまし対策などに対して有効だとしている。同社によると、採用されたシステムには、同社の顔認証エンジン「NeoFace」を活用しているという。
2015年09月16日博報堂が提供する地域ブランディングプログラム「LoCoBra」と、オズマピーアールが運営するWebメディア「colocal(コロカル)」、マガジンハウスのWebメディア編集部は8月11日、地域創生に関わる活動の企画・運営を支援する共同プログラム「地域エディットブランディング」の提供を開始した。同プログラムは、地域が持つ固有の「らしさ」を発掘し、ブランド価値として再構築する活動を地域社会とともに推進するもの。博報堂の地域ブランディングの視点と、地域をテーマにした各メディアの視点(ソトの視点)、地域住民ならではの視点(ウチの視点)を組み合わせ、これまで気づかなかった地域の魅力を固有の「らしさ」として再発見し、ブランド構築・プロモーション戦略の起点として活用する。プログラムの企画・運営チームは今後、他メディアをはじめとするさまざまな企業・団体と連携しつつ、地域のビジョン開発や産品開発、文化・観光振興、定住促進、シティプロモーションなど各地域の多種多様な課題に対応したプログラムを開発・提供予定していく。なお、同プログラムは既に、兵庫県豊岡市移住戦略プロジェクト「TOYOOCOME(トヨオカム)!」にて実施が決定。2016年2月末までに、インタビューツアーやワークショップなどを通して豊岡市への移住・定住を促すプロモーション戦略立案をおこなうという。
2015年08月12日日本マイクロソフトは8月10日に記者発表会を行い、8月24日~28日に同社が実施する「テレワーク週間 2015」の取り組み内容について説明した。2012年からテレワーク推進を行ってきた日本マイクロソフト。2013年までは自社単独で実施し、2014年は32の法人と共同で取り組んできた。3回目の実施となる今年は、テレワークを実践する法人だけでなく、応援・協力する法人など対象を広げて呼びかけた結果、8月10日時点で賛同する法人は651社になるという。さらに、今年同社では新たな挑戦として、地方創生への協力も取り組むことが発表された。日本マイクロソフトの代表執行役 会長の樋口泰行氏は、2014年の同社の活動結果から、テレワークを阻害する要因を次のように語った。「まず、『オンライン会議の仕組みがない』といったICT環境による要因と、勤怠管理やセキュリティなど社外で仕事ができない制度による要因、そして一番大きな問題は『そもそもテレワークの発想がない』といった、マインドによる要因が浮かび上がった。『部下は目の前で仕事をさせなければいけない』といった、古い考え方を変えてく必要がある」(樋口氏)このような教訓から、「テレワーク週間 2015」では、「テレワークを実践する」以外にも、「テレワークを学ぶ/議論する」「テレワークを応援する/協力する」という観点での取り組みも予定されている。賛同法人の内訳は、大手企業が約8%、公共機関が約8%、残りの約8割が中小企業による構成だという。賛同法人の取り組み内容として、ソニーでは、これまで育児や介護の支援に限定していた在宅勤務制度を、全社的に拡充・展開することを見据えた実証実験として実施することを表明している。カラオケルーム歌広場とジャンカラでは、テレワークスペースとして、カラオケルームをテレワーカー向けスペシャル価格で提供するという。日本マイクロソフトの取り組み内容としては、賛同法人向けにセミナーを実施したり、中学生へのテレワークセミナーの開催を予定するなど、テレワークを学べる機会を用意するという。また、テレワーク週間中、品川にある同社の本社オフィス1階をテレワークスペースとして賛同法人に開放したり、中堅中小企業に対しては、「Office 365 テレワーク体験無償セットアップ」を提供する予定としている。さらに自社の実践内容としては、全社一斉のテレワーク実施、派遣スタッフの在宅勤務トライアルのほか、普段テレワークを実施しないカスタマーサポート部門のテレワーク実践が挙げられている。同社のテレワーク推進 担当役員の織田浩義氏は、「今回のテレワーク週間では、自宅以外の場所で働くことへの可能性を模索したい。そこで、あえてテレワークの実践が難しいと言われるカスタマーサポート部門を、北海道に移して挑戦する」と語った。同社は、地方創生の取り組みとして、北海道別海町で滞在型テレワークの実証実験を行うことを発表した。今回の実証実験では、日本マイクロソフトの社員自身が、別海町で滞在型テレワークを実施するという。3つの期間にわかれての実施となり、第1期はテレワーク週間の開催にあわせた、8月24日~28日で実施する予定となっている。実施場所については、旧光進小中学校跡地を利用するという。「これまでテレワークというと在宅勤務を中心に考えられてきたが、今回は自宅以外で一定期間働くことにチャレンジする」(織田氏)また、同社では「ファミリー滞在型テレワーク」での実証実験を考えており、これは、家族と一緒に別海町へ行き、同社の社員は平日は仕事をし、週末・休日に家族と共に過ごす働き方の検証だとしている。同社ではこの交通費を一部負担するとしており、社内では多数申し込みがある状況だという。最後に、同社のエグゼクティブアドバイザーである小柳津篤氏は、これまでの同社の取り組みについて、次のように振り返った。「これまでのテレワークの考えられ方は、育児中の女性が在宅勤務を行うなど、『一部の社員』の『ある局面』を対象に、今の仕事を別の場所で行うことを考えられてきた。しかし、当社のテレワークの考え方は、『全員』が『毎日』必要な時に、必要な人と、必要な対話/情報を交わすことだと捉えている。これは、コンピューターとクラウドサービスの配布だけで実現できるものではない。就業規則からICTの使い方など、あらゆることをこの考え方に即して変えていく必要がある。この業務スタイルの変化を行うのに、当社では8~10年程かかって、やっと成果が見えるようになってきた」(小柳津氏)同社は、この「テレワーク週間 2015」を先駆けとして、今年の11月に実施される総務省などが参画するテレワーク推進フォーラムによる「テレワーク月間」において、今回の活動結果をフィードバックし、日本のテレワーク推進への貢献を目指すと決意を表明した。
2015年08月11日大垣共立銀行はこのたび、愛知県の春日井市と「地方創生に関する連携協定」を締結したと発表した。○産業および経済の活性化、地域活力の創造に寄与する「地方創生に関する連携協定」は、大垣共立銀行と春日井市の相互連携・協力により、春日井市における地方創生の諸課題に取り組むことで、地域活力の創造などに寄与することを目的としているという。政府が地方創生を重要政策として推進するなか、OKB垣共立銀行は6月、「地方創生センター」を新設して地方公共団体の取り組みをグループ一体となって積極的に支援しているという。同協定の締結により春日井市との連携をさらに強固なものとし、地方版総合戦略の策定・推進や高蔵寺ニュータウンを始めとした市内への移住・定住促進など、春日井市の地方創生に向けた取り組みへの支援を強化するとしている。OKB大垣共立銀行はこれからも、地域金融機関として地域における地方創生への取り組みに積極的に参画し、地域の活性化に寄与していくとしている。
2015年08月06日これから間違いなく日本のロックシーンを席巻する存在になるであろう、ポテンシャルあふれるロックバンドが登場しました。その名も、空創ワルツ。ファンタジックなバンド名ですが、サウンドはキャッチーさを兼ね備えた、骨太なロックです。メンバーは、ヴォーカル・ギターの中川悠太さん、ベースの太治さん、ドラムのTAHARAさんの3人。中川さんと太治さんは福岡県出身、TAHARAさんは山口県出身という、関門橋がつなぐ縁で結成されたバンドです。その空創ワルツの2ndミニアルバムが、『Waltzer Waltz』(ワルツァーワルツ)です。全6曲入りというアルバムではありますが、それぞれの楽曲の充実度が凄まじく、フルアルバムを聴いたかのような充足感を持っています。どの曲も個性的で面白いアレンジが施されているので、ライブ感満載ですし、何よりメンバーが音楽を楽しんでいる様子が伝わって来ます。このバンドは、必ず時代を作り上げるはずです……空創ワルツ、要注目!リリース情報:『Waltzer Waltz/空創ワルツ』(2015.8.5発売/¥1500(tax out)/CLMR0035)
2015年08月03日新国立劇場の「地域招聘公演」は、全国各地で生み出された舞台作品を紹介する事業で、地方の優れた劇場文化に光を当て、「地方創生」を現場レベルで実践する意義ある取り組みだ。今年は7月25(土)、26日(日)の2日間、原爆投下を主題にしたオペラ「いのち」(作曲・錦かよ子)が上演される。長崎県オペラ協会が2013年に初演した作品。オペラ『いのち』チケット情報注目のひとつが、当公演の指揮者・星出豊が台本構成を手がけていること(演出も)。日本を代表するオペラ指揮者である星出は、長崎県オペラ協会の初代会長だった声楽家・柴田睦陸に請われて1986年から協会の活動に関わってきた。その約30年の交流が結実したのがこの作品。「台本」に「構成」の二文字が添えられているのは、長崎の人々との対話や取材の中で星出が受け取った現実の声で書かれているから。作りものではない、生の言葉が埋め込まれた作品なのだ。物語は、原爆症で逝った妻・夏子の墓参に訪れた老医師・松尾の人生を振り返る形で進む。描かれるのは声高な反戦ではない。福岡に出かけていて原爆を免れた松尾の、一種のサバイバーズ・ギルト(自分だけが助かったという罪の意識)、被爆者である自分は愛する人を幸せにできないと思い込む夏子の心の葛藤…。戦争や大量殺戮の悲劇は、つまるところ人間一人ひとりの等身大の悲劇として発現するからこそ悲劇なのだということに、あらためて気づく。そんなシリアスな社会的なテーマの一方で、方言はもちろん、長崎のわらべ歌やご当地自慢、はたまた長崎を舞台にしたプッチーニのオペラ「蝶々夫人」の一節が登場するなど、地方色豊かなエンタテインメント性が盛り込まれているのも楽しい。作曲者の錦かよ子は愛知芸大で石井歓に師事。すでに数曲のオペラを発表するなど、拠点の三重県を中心に他分野で活動している。「いのち」は聴きやすい調的な響きを軸にした音楽で、けっして難解な現代作品ではない。第2幕の原爆投下シーンでも過度に激しく厳しい表現は用いず、そのぶん、聴く側の耳とイマジネーションで脳内に「リアル」を創る余地を与えてくれる。出演は長崎県オペラ協会所属の歌手を中心とする、初演時とほぼ同じメンバー。2管編成の管弦楽はOMURA室内合奏団。さらに同協会の合唱団と児童合唱団、かとうフィーリングアートバレエと、長崎勢による「引っ越し公演」だ。全3幕。2回の休憩を含めた上映時間は約2時間30分。文:宮本明
2015年07月24日KDDIは7月14日、インキュベーションプログラム「KDDI ∞ Labo」の第8期デモデイを開催した。第8期では、第7期よりパートナープログラムとして、大手企業がメンターやパートナーとなって参加チームの支援を行ってきたが、今回新たにクレディセゾンと日立製作所を加え、全15社でスタートアップの支援を行った。また、第8期とは直接関係性はないものの、地方のスタートアップ支援団体との連携を図っており、大阪市が運営する大阪イノベーションハブがその第一弾として参画した。5月にハブで行われたピッチイベントで審査委員に選ばれたチームがでもデイに参加しており、都心だけではない地方も巻き込んだスタートアップイベントとなった。○シンデレラシューズが頂点にデモデイで発表を行ったサービスは以下の5組。詳しい各チームの詳しい内容については参加チーム発表時の記事を参照いただきたい。当日の会場で選ばれるオーディエンス賞には「シンデレラシューズ」が輝いた。プレゼンテーションもさることながら、代表者の女性が語る「合わない靴から女性を解放したい」という思いと、ECサイト運営のビジネスモデルの内容が見事にマッチしていた。実は、オーディエンス賞だけでなく、最優秀賞も受賞しており、「独自性」「市場性」「完成度」の3点が選定理由になったのだという。ほかにもIoTデバイスやスマートアグリなど、今"バズワード"となっている要素が散りばめられた第8期だったが、個人的には「Bee Sensing」にスポットを当てたい。Bee Sensingは、その名の通りに蜂をセンスする(読み取る)スマートアグリの一種(正確にはアグリ=農業ではないが)で、広島県で実際に養蜂業を営むチームが開発した。養蜂業の国内市場は180億円規模だが、大部分は国外からの輸入の売り上げとなっており、国内業者は安価な輸入品に太刀打ちしづらい部分があるのだという。理由は蜂の管理の手間で、「重労働かつ繊細」な作業が必要な点とのこと。養蜂家が1カ所で管理できる量は、3万匹が棲んでいる箱が22箱。3万匹という数字と22箱という数字のアンバランスさがその事実を物語っているといえるだろう。国内産の養蜂は品質が良く、かつ新鮮なものが多いようだが、その一方で労働コスト、生産コストという"重荷"も存在する。そこで、箱の状態チェックをセンサー機器に任せることで、労働力不足の代わりにしようというわけだ。ここを置き換えることができれば、より多くの箱を管理できるようになり、また、生産コストの低減にも繋がる。こうした一次産業のICT化は、日本の生産性向上にもっと寄与できる、その一例を見たように感じた。○地方創生はスタートアップから?Bee Sensingは、もうひとつのキーワードが存在する。それは「広島県」だ。実は∞ Labo、この8期より地方連携という取り組みを行っており、次期の9期にはまさに広島県も連携の取り組みに参加する。デモデイでは、先駆けて連携している大阪のイノベーションハブの選抜チームが、8期生と同じようにプレゼンテーションを行っており、勝るとも劣らない完成度の高さを見せつけた。詳しい内容は以前の記事に譲るが、Cofameなどは、シリコンバレーでも活動するなど、もはや日本から飛び出しているスタートアップの"優等生"とも言える存在だ。ただし、その記事でも触れているように、∞ Labo長を務めるKDDIの江幡氏は、地方連携の主眼を"地方の課題解決"に据え置いている。もちろん、世界に飛び出すスタートアップが悪いわけではないが、そうした"身近な課題解決"こそ、いわゆる"地方創生"のヒントに繋がるというわけだ。新たに石巻市と広島県、福岡県と連携する9期の取り組みでは、より"地域密着型"なスタートアップ企業と、∞ Laboに参加する既存の大企業との結びつき、ビジネスマッチングを進めていくようだ。○Googleが新たに参加へ9期については、パートナー連合の一員に、新たに「グーグル」と「住友不動産」「三菱UFJニコス」の3社が参加する。住友不動産と三菱UFJニコスについては、同業他社がすでにパートナー連合へ参加しているが、業種が重なりつつも参加する点は、スタートアップベンチャーとの"出会い"を求めていきたいという姿勢がうかがえる。金融とICTの組み合わせの「Fintech」という言葉が広がりつつあるが、三菱UFJニコスの参加については、特にそこを狙ったものではなく、あくまで「同社が持つアセットを提供する」とのことだった。一方で今回目を引いたのが「グーグル」だ。もはや説明不要の存在であるグーグルだが、9期より参加する同社はグーグル側から∞ Laboに参加したいとの意向があったようだ。2011年よりベンチャー支援プログラムとして始まった∞ Laboだが、その存在があまり目新しいものとはなくなりつつある。その一方で、定期的な発表の場が設けられている点、継続してKDDIがコミットするという存在は安定感が出てきたのも事実だろう。そこにグーグルという存在が入ってくることで、新たに世界への道が見えてくるかもしれない。まだグーグルがどのようなアセットを提供するのか、グローバルへの道が開けるのかについて詳細は不明だが、初の「世界的なOTTの参加」(KDDI バリュー事業本部 新規ビジネス推進本部長 雨宮 俊武氏)が新風を吹き込むことに違いはないだろう。
2015年07月22日