シーティーシー・エスピー(CTCSP)は日本トイザらスの店舗拠点の無線LANシステム構築を受注し、全国の既存店舗の無線LANシステムを順次新システムに置き換える予定だと発表した。CTCSPは製品の提供とシステム構築を主に行い、運用での技術支援はネ日本テレマティークが行う。日本トイザらスは、全国160店舗以上の「トイザらス」「ベビーザらス」および「トイザらス・ベビーザらス オンラインストア」を運営。店舗では店舗スタッフの在庫管理用のハンディターミナルで無線LANを利用しており、店舗内の在庫検索や棚札の作成・出力、近隣店舗の在庫検索などに利用している。2014年7月からは店内に設置されたタブレットやパソコンを使用して、一部カテゴリーを対象に店舗で取り扱いがない商品や欠品商品を店舗にいながらオンラインストアで注文できる「ストア・オーダー・システム」でも無線LANを利用している。従来は、店舗ごとに無線LANの設定作業が必要であり、障害時の対応にも時間がかかる場合があったが、新システムでは、クラウドサービスを使用してネットワーク全体を管理する統合無線LANシステムとなる。また、日本トイザらスでは、無線APのエリア内のWi-Fiデバイスの位置を特定し、店舗内の導線情報を可視化するCisco CMX(Connected Mobile Experiences)を利用し、売り場の変更にも柔軟に対応できる無線LANシステムの構築を目指している。また、店舗内のWi-Fiデバイスの情報を分析することで、クラウド上に来店者のヒートマップを表示することで売り場の利用状況の把握や業務の効率化を支援し、顧客満足度の向上につながる施策の実施も視野に入れているという。
2015年11月04日勘定奉行をはじめとする、基幹業務システムを開発するオービックビジネスコンサルタント(OBC)は10月29日、新製品ラインナップとして、基幹業務パッケージシステム「奉行10シリーズ」をOBCの販売パートナーを通じて発売開始となったことを発表。新シリーズは、システムが担当者の仕事(タスク)の管理を支援し、基幹業務の情報を新システムから直接、さまざまな部署の人に共有することで、業務コミュニケーションを活性化し、各部署の業務スピードを向上させるという。同社は、これらの業務を支える基盤として、制度改正・IT革新・顧客の業務の変化といったさまざまな環境変化に対応し、常に最新の業務環境を提供することが必要不可欠であると考え、新シリーズは基幹業務パッケージ特有のサポートライフサイクルの概念をなくし、常に新しい奉行シリーズを提供するとしている。また、新シリーズはマイクロソフトの最新OSである「Windows 10」に対応。新機能の特長の一つである、人と業務をつなぐアシスタントのような役割を担う業務オペレーションツール「奉行Myスペース」では、担当者のさまざまな業務を管理し、従来の基幹業務システムにはないオペレーションで、業務の品質と生産性を向上させるとしている。具体的には、担当者の代わりに業務の予定管理を行い、今日やるべき業務を担当者に教えることで漏れや遅延をなくし、定期的かつ定型的な業務を代わりに実行したり、設定した指標を超えるとアラートを通知して対応業務の実行を促すなど、担当者をアシストする仕組みとなっている。企業向けの業務SNS(ソーシャルネットワーキングサービス)である「奉行Linkitサービス」では、業務コミュニケーションのスピードを上げることで、企業全体の生産性を向上させるという。直感的に使える操作性で、メッセージやExcel、WordなどのOfficeファイル、PDF、動画の送受信が可能となっており、PC、スマートフォン、タブレットで使えるマルチデバイス対応となっている。また、画面表示した帳票をボタン一つでダイレクトにExcelに出力したり、グラフ化することも可能となっており、「奉行Myスペース」や「奉行Linkitサービス」と連携して、ExcelやPDFを開くことなく、企業のさまざまな人に業務情報を配信する機能が備えられている。そのほか、制度改正対応や機能アッププログラムだけではなく、メジャーバージョンアップの際の最新製品プログラムの提供や、オンプレミスとクラウドの両環境に対応している点などが、特長となっている。価格は、「勘定奉行i10」スタンドアロンモデル Sシステムの場合は28万円(税別)。
2015年10月29日富士通は10月21日、ソニー銀行向けに、勘定系システムとパブリッククラウド型カスタマーサービス支援システム「Salesforce Service Cloud」とのリアルタイム連携を実現したコンタクトセンター・システムを構築したことを発表した。新システムでは、個人向けPC「FMVシリーズ」の大規模コンタクトセンターのシステムをリファレンスとした。「Salesforce Service Cloud」に情報を集約して、富士通データセンターにあるオンプレミスの勘定系システムとリアルタイムに連携させることで、従来は分散していた顧客管理データやコンタクトセンターでの電話情報、メールでの問い合わせ情報などの一元化を実現した。これにより、問い合わせ時に、契約しているサービス内容や利用状況などの情報をポータル画面で確認できるようになったという。情報を取り扱うコンタクトセンター業務でパブリッククラウドを活用するにあたり、情報や通信経路の暗号化、厳密なアクセスコントロールなどのセキュリティ面の考慮に加え、顧客対応に必要なレスポンスを確保し、安全性とシステムの性能要件の両立を図っている。
2015年10月22日Windows 10無償アップグレード開始前、Microsoftは「システムの圧縮機能によって、OS(=システムファイル)の使用領域を大幅に節約する」とアナウンスしていた。弊誌Windows 10大百科の執筆時は具体的な動作を確認できなかったが、調べてみるとコマンドラインからNTFS圧縮を実行する「Compact.exe」に気になるオプションが加わっていた。このコマンドを使ったシステム全体の圧縮手順を紹介しよう。○生まれ変わった「Compact.exe」Microsoftの開発陣は2015年3月の時点で、圧縮済みシステムファイルから直接Windowsを起動する「WIMBOOT」の肥大化を避ける仕組みを加えると、公式ブログで表明している。これらは展開時に組み込む仕組みのため、一般的なスペックを備えるPCでは恩恵を受けることはできないと思われていた。だが、システムファイルの圧縮に対しては後から適用する方法を用意している。それが「Compact.exe」だ。以前から存在するCompact.exeはNTFS上のファイルをコマンドラインから圧縮するものだが、Windows 10では新たなオプションが加わった。例えば「/EXE」は変更頻度が低い実行形式ファイルに対して、XPRESSやLZXといった圧縮アルゴリズムも適用する。この圧縮を一括実行するオプションが、「CompactOs」だ。サブオプションとしては、圧縮状態を確認する「query」、すべてのシステムファイルを圧縮する「always」、すべてのシステムファイルを圧縮解除する「never」がある。これらはWindows 10インストール後でも実行できるため、ストレージの空き容量に悩んでいる多くユーザーにとって有益だろう。ただし、圧縮は伸長(解凍)とペアの存在だ。システムファイルを圧縮するということは、伸長処理もすべてのバイナリファイルに対して加わるため、必然的にパフォーマンスが落ちる。特にCPUパワーが乏しい場合は、体感的な速度低下は小さくないだろう。この点を鑑みて本Tipsを試してほしい。○システムファイルを圧縮する操作自体は簡単だ。管理者権限でコマンドプロンプトを起動し、コマンドラインから「compact /CompactOS:always」と実行するだけでよい。ただし、進捗状況を示すプログレスバーなどは現れず、作業中はI/Oの負荷が大きいため、PCをそのまま放置できるタイミングで実行することをおすすめする。圧縮が完了すると、圧縮対象となったファイル数や全体の圧縮量と圧縮率を示すメッセージが現れる。今回試した環境では圧縮率「1.7対1」で、約3.5Gバイトのストレージ容量を空けることに成功した。前述のとおり、「compact /CompactOS:query」と実行すれば、現在の圧縮状態を確認できる。圧縮はしたものの、全体のパフォーマンスが低下する場合は、「compact /CompactOS:never」で圧縮を解除すればよい。圧縮時と同等の時間を要するが、筆者の環境では問題なく元の状態になることを確認した。阿久津良和(Cactus)
2015年10月18日システムサポートは10月14日、ナチュラル・オーガニックコスメ製品の輸入・製造・販売を行うネイチャーズウェイのERPを含む基幹システムを、アマゾン ウェブ サービス(AWS)上に移行・構築したことを発表した。今回、ネイチャーズウェイは基幹システムのハードウェア保守契約が切れ 、利用中のデータセンターの移転とそれに伴う費用負担の可能性が生じたことに伴い、AWSへの移行を検討したという。移行対象のシステムは、ERP/基幹業務システム「スーパーカクテルシリーズ」用のアプリサーバ、スーパーカクテル用データベース・サーバ、データ連携ソフト「DateSpider」用サーバ、BI/情報活用ツール「Dr.Sum」用サーバ。稼働は12月初旬を予定している。AWSへの移行により、既存システムで課題だった「バックアップ環境のクラウド化(既存環境ではオンプレミスのNASを利用)」「システム監視(既存環境では未実装)」を解決し、管理運用の工数削減にもつながったという。今後、サーバの管理運用工数を削減するため、オンプレミス環境(ファイルサーバ、レガシーシステム)、ホスティング環境(EDIサーバ)のクラウドへの移行も検討する予定。
2015年10月14日富士通は10月14日、販売・在庫・購買・生産・保守などの管理をクラウド上で実現する基幹系業務アプリケーション「FUJITSU Enterprise Application GLOVIA OM(GLOVIA OM)」の新バージョン「GLOVIA OM V10」を製造業や流通業、卸売業の顧客向けに10月14日より販売開始した。販売価格は税込で月額7500円(1ユーザーあたり)~。新バージョンはセールスフォース・ドットコムが提供するクラウド基盤「Salesforce App Cloud」上で動作するアプリケーションでは国内初となるMRP(資材所要量計画、工場などで使われる生産管理手法の一つで資材管理により生産を計画する手法)機能を搭載。データベース上に入力した商品の部品構成表や現在の在庫状況、出荷納期、リードタイムなどから商品が必要になる時期を分析し、必要な時期に適正な在庫数を容易に確保・管理するほか、部材の調達から商品の出荷までの手配を一括で行うことができ、在庫削減やリードタイムの短縮を可能としている。また、将来的な需給の予測などの情報に基づき、MRPの計算で算出した推定在庫の推移をリアルタイムにカレンダー形式で照会が可能。これにより、スケジュール遅延により発生する在庫の欠品や過剰在庫の発生を容易に予測できるため、追加の手配、手配納期・数量の変更などをタイムリーかつ的確に行うことが可能だ。さらに、モバイル端末用の画面を用意したことで新バージョンの操作性・視認性を向上しており、アフターサービスなどの保守現場において在庫確認の効率化を実現する。
2015年10月14日NECは10月14日、基幹業務などの常時稼働が必要な企業システム向けにクラスタリングソフトウェアであるCLUSTERPROの新ラインアップのCLUSTERPRO Dシリーズを発売した。価格は、いずれも税別で物理1CPU(要ソケット数分)の「CLUSTERPRO D Standard 1.0」が70万円、仮想1VM(要仮想マシン数分)の「CLUSTERPRO D Standard 1.0 for VM」が84万円、異なる拠点間で遠隔クラスタ構築時のオプションである「CLUSTERPRO D DR Option 1.0」が10万円。新製品は、社内環境からクラウド環境上にあるオブジェクトストレージにクラスタリングするデータを直接格納。障害発生時に格納していたデータをオブジェクトストレージから待機サーバに取得させることで常時起動することなくデータミラリングを実現し、運用コストを従来(AWSリザーブド・インスタンス(3年一括払い)を1日1時間起動した場合と比較。同社調べ)比で25%低減する。また、従来のミラリング方式である「同期モード」や「非同期モード」に加えて、過去データの参照および復元が可能な「スナップショットモード」を利用可能とした。さらに「CLUSTERPRO D DR Option 1.0」を追加することで、1システムから複数拠点へのミラーリングを可能にし、拠点先の障害発生や災害時にも業務システムを停止することなく事業継続を実現できる。なお、米Chef社が開発したOSSである「Chef」に対応し、インストールから設定まで自動で行い、構築時の利便性を向上させている。
2015年10月14日日立ソリューションズは10月13日、企業内に存在する複数のWebシステムや業務システムへのログインを1回の認証で実現するシングルサインオン・ソフトウェア「Single Sign-On Manager」を10月14日から販売開始すると発表した。同製品は、同社がこれまで提供してきたシングルサインオン・ソフトウェア「SRGateCA」の後継製品として、グローバルでも利用しやすい英語OSに対応したものとなる。新製品は、クライアントPCにソフトウェアを導入するクライアントエージェント(代行入力)方式で、Webシステムに加えて、独自のログイン画面を利用するようなクライアント/サーバ・システムにも対応する。Active DirectoryやOpen LDAPなどのユーザー管理サーバと連携するだけでなく、サーバを構築せずにスタンドアロンでも利用できるため、既存システムやアプリケーションへの影響が少なく、低価格かつ短期間での導入が可能となっている。仮想環境にも対応しており、仮想アプリケーション環境(Citrix XenApp)や仮想デスクトップ環境(Citrix XenDesktop)で利用可能。そのほか、指1本でシステムにログインできる指静脈認証システム「静紋」や ICカード認証との連携もサポートしており、容易にセキュリティを強化できる。価格(税別)は、1ユーザー・ライセンスが1万円、100ユーザー・ライセンスが70万円となっている。
2015年10月14日伊藤忠テクノソリューションズ(CTC)は10月9日、SAPジャパン及び米Virtustreamと共同で、基幹系システムの安定稼働に特化したクラウド・サービス「CUVICmc2(キュービックエムシーツー)」の提供を2016年4月から開始すると発表した。新サービスは、パフォーマンスやセキュリティの面で世界的に定評と実績があるというVirtustreamのIaaS技術をベースに、SAPなどの基幹系・ERPソリューションをCTCのデータセンターから提供するもの。また、既に統合業務ソフトウェア(ERP)であるSAP ERPを国内で使用している企業に対しても、クラウド環境への移行サービスを提供する。SAPソリューションについては、データベースのトランザクション処理と分析処理を統合したインメモリ・プラットフォームであるSAP HANAや次世代ERPソフトウェアであるSAP S/4HANAなどの提供により、既にSAP ERPを使用しているユーザー企業のシステムのクラウド環境への移行を支援するとのこと。他のERPソリューションを利用したシステムに対しても、安定的かつセキュアな環境を提供するとしている。Virtustreamは、世界の企業や政府機関に対して基幹系システム向けのIaaSサービスを展開しているとのこと。CPU/メモリ/ネットワーク/ストレージを複合的に計測し、効率的な使用を可能にするという特許技術「μVM(マイクロヴイエム)」により、仮想環境でのリソースの実使用量を把握でき、仮想サーバで3割ほどになるというアイドル時間を除いた課金体系を実現するという。また、μVMに基づくリソース管理技術「xStream」が、IaaS上で稼働するアプリケーションの負荷に応じてリソースを自動的に管理することで、ミッション・クリティカルなシステムに対してSLA(Service Level Agreement)に基づくパフォーマンスを提供できるとしている。SAP製のソフトウェアと親和性が高く、アプリケーションレベルでのSLAも提供しているとのこと。Virtustreamが世界で提供している6割のIaaSではSAP製ソフトウェアが稼動しているという。セキュリティについては、CPUレベルでの暗号化技術であるIntel TXTやポータルの2要素認証を含め、SSAE16、ISAE3402、PCI-DSS 2.0、FISMA、HIPAA/HITECなど、金融機関やライフサイエンス、政府といった各業界で要求されるシステムの規格に対応しているとのこと。
2015年10月13日キヤノンITソリューションズは10月5日、製造業や流通業向けに、業務ごとに適したアプリケーション製品を組み合わせてクラウド運用も含めた柔軟なシステム構成で提供する基幹業務トータル・ソリューションの新コンセプトとして、「AvantStage」(アバントステージ)を発表した。大手の製造業・流通業の企業を中心に、2017年までに50社の導入を目指す。新コンセプトは、従来から同社が提供してきた業務システム・パッケージを組み合わせて、ユーザー企業に適した基幹業務システムを高品質・短納期・低コストで提供するという、Best of Breed型のトータル・ソリューション。長年にわたる多くのシステム構築経験とノウハウを活用し、個々の業務システム間のシームレスな連携を実現しているという。また、オンプレミスとクラウドの双方に対応しているため、柔軟なシステム構成が可能としている。なお、同コンセプトには同社製品の他、東洋ビジネスエンジニアリングの「MCFrame XA」やアスプローバの「ASPROVA」など、他社製品も含む。
2015年10月06日三越伊勢丹は6日より順次、伊勢丹新宿本店・三越日本橋本店・三越銀座店の基幹3店舗で、2015年クリスマスケーキの予約をスタートする。今年の共通ディレクションテーマは「ファンタスティックテーブル」。独自性の高いクリスマスケーキを豊富に用意。各店で顧客の嗜好に合わせたケーキを紹介する。○伊勢丹新宿本店は42型をラインアップ伊勢丹新宿本店のテーマは「セレンディピティ(=幸運をつかむ能力)」。パティシエやブランドにとって「運命を変えるほどの出会い」をクリスマスケーキで表現する。14日から予約スタート。品ぞろえは、カタログ掲載が42型。うち、伊勢丹限定が6型、新宿本店限定が28型、三越伊勢丹限定が2型となる。パティスリー・アカシエの「エクセシフ」は、タヒチ・ボラボラ島のバニラに巡り会い、その香りに惹きつけられたパティシエの興野 燈氏による。"エクセシフ(過剰)"と名付けるほど、バニラを使った。直径約17cmで限定50点。価格は7,020円となる。「ルージュ・ベーゼ」は、M.O.F.ショコラティエのクリスチャン・カンプリニ氏と、ハイアット リージェンシー東京のペストリー・ベーカー料理長・佐藤浩一氏のコラボレーション。アダムとイヴの運命を変えたエデンの園にある禁断の果実にインスピレーションを得た。直径約15cm、限定250点で5,400円となる。アディクト オ シュクルの「フレジエ ノエル2015」は、ラグジュアリーショートケーキ。マダガスカル産バニラを使ったクリームと苺の酸味を、ラズベリーとキルシュの芳香が包む。下段横幅約12cm、限定100点で5,616円。○三越日本橋本店は55型を用意三越日本橋本店のテーマは「妖精たちのクリスマス」。妖精たちが作り出す「幸せが訪れるクリスマス」を絵本のようなカタログで表現。北欧の妖精・ニッセを飾ったケーキや、ボリュームの大きいケーキなどを用意する。予約は6日から。カタログ掲載が55型。うち、三越限定が11型、日本橋本店限定が30型、三越伊勢丹限定が5型となる。オクシタニアルの「ホーリーナイト」は、雪だるまをデザインしたケーキ。バニラ風味のマスカルポーネムースにいちごのクリームとゼリーを合わせた。縦幅約22cm、限定50点で5,400円となる。デメルの「ハーゼルショコラーデントルテ」は、チョコレートスポンジに、飴掛けしたヘーゼルナッツとチョコレートのガナッシュをサンド。オーナメントをトッピングした。 直径約15cm、限定70点で5,184円。東京會舘の「シャーロット・ノエル」は、2段のショートケーキ。幸せな家族と、皆から愛される小さなプリンセスのために、ティアラやベビーシューズをあしらった。直径約17cm、限定70点で7,020円。同店限定となる。○三越銀座店は個性際立つ50型三越銀座店のテーマは「ohako(おはこ)」。シェフ・ブランドの十八番のレシピによるケーキなど、それぞれの個性が際立つケーキを紹介。6日から予約スタート。品ぞろえは、カタログ掲載が50型。うち、三越限定が12型、銀座店限定が24型、三越伊勢丹限定は3型となる。ルラシオンの「レオパール カフェ」は、野木将司シェフの十八番のひとつ「シャンティ・カフェ」が引き立つようにエスプレッソとピスタチオが寄り添う。エスプレッソはバリスタが抽出したものを使用。横幅約17.5cm、限定50点で5,400円。東條會舘 レストラン アルゴの「フレジエ マカロン」は、ケーキをカットすると中央のベリーのソースが下に流れる。いちごやフランボワーズ、ピスタチオの濃厚な香りと味わいが楽しめる、なめらかな口当たりのケーキだという。直径約16cm、限定40点で5,400円。サン・フルーツの「あまおうの森のクリスマス」は、福岡県産の大粒のあまおうが80%以上を占めるフルーツショップ十八番のケーキ。横幅約16cm、限定30点で1万800円。※価格はすべて税込。
2015年10月05日ESETは9月29日(現地時間)、「Vulnerable medical equipment details disclosed online」において、医療システムの多くが攻撃者によってデータ窃取などを引き起こされる可能性がある脆弱性を抱えていると伝えた。主にScott Erven氏およびMark Collao氏の発表を引用した内容になっており、データ漏洩と患者のプライバシーに関する懸念が示されている。具体的に問題を抱えている医療関連企業や組織は情報の重要度の高さから明らかにされていないほか、脆弱性の詳細も明らかにされていない。ただし、問題の多くはそうした医療システムがすでにサポートの終了した古いオペレーティングシステムを使用していることに原因があると指摘しており、その一例としてWindows XPが引き合いに出されている。医療システムのみならず、Windows XPなどセキュリティサポートの終了したオペレーティングシステムを搭載したシステムは相当数に上ると見られる。特に、ITに精通していないユーザが使用しているシステムにはこうした懸念が残る。今後、セキュリティファームや当局の発表に注目するとともに、アドバイザリに従った対処が期待される。
2015年10月01日ケースレーインスツルメンツは9月28日、同社のパラメトリック・テスト・システム「S530シリーズ」のシステム・ソフトウェアの最新版「KTE(Keithley Test Environment) version 5.6」を発表した。S530シリーズは半導体製造分野で使われており、標準のCMOS、バイポーラ、MEMS、その他関連する低電圧半導体プロセスで一般に使用される200Vシステム構成に加え、GaN、SiC、Si LDMOSパワー・デバイスの要求による、テストが難しいブレークダウン、リーク・テストのために最適化された、独自の1kVバージョンも提供されている。今回のソフトウェアアップデートにより、測定時間が最大25%短縮されるため、ウェハレベルのテスト・スループットが向上することとなる。また、低電流測定のセトリング時間を短縮するシステムSMUの強化も含まれており、最新のケースレー・デジタル・マルチメータ(DMM)が統合されることにより、短時間での低電圧、低抵抗測定が行えるようになったという。
2015年09月28日竹中工務店は9月25日、電力システム改革後に想定される多様な料金メニューに対応して電力デマンドを最適に制御可能という新しいエネルギー・マネジメント・システムである「I.SEM(アイセム)」を開発し、同社の関連会社であるTAKイーヴァックの新砂本社ビル(東京都江東区)に初導入したと発表した。新システムは、建物の負荷予測を行い、熱源や空調機器などの運転を最適に計画し、計画通りの電力デマンドを達成する。マネジメント機能を、同社が開発したクラウド利用の情報プラットフォーム上に構築することで高速処理が可能になったことや、パーソナル対応のデマンド・レスポンスを負荷予測に初めて加えたことで、最先端のリアルタイム制御を実現しているとしている。これにより、予測から運転までを一貫して高精度・高効率で可能になり、計画通りの電力デマンドを達成することで多様な料金メニューに対応するという。同社によれば従来も個別の予測システムや制御システムはあったが、各種の個別システムをクラウド上に構築してトータルに制御するマネジメント・システムの実用化は初めてだという。同システムは、パーソナル対応デマンド・レスポンスを加味した「負荷予測システム」、複雑な熱源やEVを考慮して電力調達を計画する「最適運転計画システム」、太陽光発電や発電機など多様な電源を最適にコントロールして空調や照明と統合して電力デマンドを制御する「リアルタイム制御システム」といった特長を持つ。負荷予測システムでは、電力負荷と熱負荷を±5%で予測するエンジンに、居住者の意向を反映させるパーソナル対応デマンド・レスポンスを加えてシステム化したことで、居住者に不満の無い環境での高精度な負荷予測を実現しているという。最適運転計画システムでは、電気熱源やガス熱源、蓄熱などの複雑な熱源機器とEV充電のスケジュールを、コストや省CO2などの目的に合わせて最適化し、電力調達の計画値を決定する。必要な分析機能を、同社が開発した情報プラットフォームである「ビルコミ」に構築することで、高速かつセキュアなシステムを提供しているとのこと。30分単位の計画値に対して電力デマンドを±3%に制御しているが、更に短い周期でのデマンド対応力へのポテンシャル、を持つとしている。なおビルコミのネットワークおよびクラウド・インフラには、NTTコミュニケーションズの「Arcstar Universal One」および「Cloudn」を利用しているとのことだ。リアルタイム制御システムでは、新開発のMSEG(multi-source energy gateway:エムセグ)が中核になるという。MSEGは、パワー・コンディショナー機能(PCS)とバッテリー機能を一体化したコンポーネント(国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)による助成を受けて開発)を制御するシステム。太陽光発電・発電機・電気自動車など最近のビルが採用する多様な分散型電源を統合して、効率良くビルの電力デマンドをリアルタイムに調整するとしている。MSEGはさらに、分散型電源を利用して停電時の自立運転が可能としている。これらの機能をパッケージ化したことでイニシャルコストを低減し、施工性を向上させるなど提案時の商品性を高めたという。同社は今後、I.SEMを導入したTAK新砂ビルで実証データを蓄積し、システムの充実をさらに図ると共に、オフィスビルを始め、集合住宅や学校、大型ショッピングセンター、駅ビルなどのエネルギー・マネジメントとBCPニーズの高い建物に提案していくという。
2015年09月28日インフォコムは9月18日、グループ会社であるGRANDITが開発・販売を推進するERP「GRANDIT」が、ウイングアーク1stの基幹システムに採用されたと発表した。ウイングアーク1stは新基幹システムの構築にあたりERPパッケージを検討した結果、費用・機能・内部統制の3つの選定基準により、GRANDITの採用を決定。特に既存で稼働している見積もりシステムや商品マスタシステム、SFA(Sales Force Automation)などのクラウドサービスや同社製品を用いた「情活基盤」との連携対応のしやすさを評価したという。一方、導入支援は、GRANDITでの導入経験数、同社製品との連携実績がある候補の中から、技術力とプロジェクト推進力、導入目的に対する提案内容が評価されたベニックソリューションが採用された。新基幹システムの稼働により情報活用のレベルは上がり、顧客情報は販売履歴や保守契約といった基幹データと統合され、顧客軸の可視性が高まったほか、外部の企業データと組み合わせることで、企業とそのグループ内でウイングアーク1stの製品を導入している企業、そうでない企業が一目で分かるようになり、新規開拓の顧客へのアプローチが容易になったという。
2015年09月18日住友電工情報システムは9月14日、文書管理・情報共有システムの最新版である「楽々Document Plus(らくらくドキュメント プラス) Ver.3.8」を開発し、販売を開始した。パッケージライセンス価格は150万円(税別)~。楽々Document Plusは、企業内に分散している文書やデータを登録・保存・管理し、必要な時に必要な情報を検索する文書管理・情報共有システム。オフィス文書の管理や契約書管理、ISO文書管理、複合機連携による紙文書活用など様々な機能を備えている。楽々Document Plus Ver.3.8では改訂時期を迎えた契約書の管理者に対して定期的に督促メールを送信し、その改訂状況を一覧で表示するなど契約書管理に必要な機能を追加。一覧では「期限日超過」「督促中」「通知済み」「改訂作業中」「WF(ワークフロー)回付中」「改訂完了」の6段階で表示されるため、全体の進捗状況の確認を容易にした。これらの機能強化により、契約書の改訂漏れや期限超過が防止できる。また、文書の改訂時に更新された添付ファイルと旧版文書の添付ファイルの内容を比較し、変更箇所を色分けして表示。契約書や約款、マニュアルなどページ数の多いファイルも変更したところをピンポイントに漏れなく確認することを可能とした。さらに、文書を登録するために複数のフォルダにツリー構造を定義したCSVファイルを登録し、一括で作成できる一方、指定した配下のフォルダを一括で削除することも可能。フォームや経路が同一のフォルダは一括で登録できるため、データ移行時におけるフォルダ作成の手間を削減するという。動作環境はサーバOSがWindows Server、アプリケーションサーバがTomcat、データベースがPostgreSQL/Oracle/SQL Server、クライアントがInternet Explorer/Firefox/Android (Firefox)/iPad(Safari)。
2015年09月14日パナソニックは、スマートフォンと連携するホームネットワークシステム「スマ@ホーム システム」シリーズ5製品を10月中旬に発売する。対応製品を使うことで、ホームセキュリティ、子供・ペットの見守りがスマートフォンから行える。「スマ@ホーム システム」は、屋内カメラ、屋外カメラ、開閉センサー、人感センサー、ホームユニットからなるネットワークシステム。Android 4.0、iOS 7.0以降のAndroid、iOSデバイスに対応し、いずれも専用アプリ「ホームネットワーク」をインストールしたスマートフォンと、Wi-Fi環境が必要になる。屋外カメラは、赤外線LEDを搭載し、昼夜を問わず、自宅前の様子を確認できる。また、内蔵スピーカーやマイクを通じて、カメラに写った人物へスマートフォンを通じて声をかけることも可能。屋内カメラは屋外カメラの特徴に加えて、温度センサー、音センサーを搭載し、これらが反応するとスマートフォンに通知し、映像を送ることができる。開閉センサーは、窓/ドアに取り付け、窓/ドアが開くと、開閉センサーから警戒音が鳴り、近くの人に通知するほか、スマートフォンに通知することもできる。人感センサーは、人や動物の動きを赤外線による温度変化を検知、離れて暮らす両親や子供の安否確認として活用できる。スマートフォンには、センサー反応時、無反応時のいずれの場合も通知設定をすることが可能。ホームユニットは、シリーズ製品の全機器を制御する。屋外カメラ、屋内カメラ利用時の映像、音声の録画が可能になるほか、開閉センサー、人感センサーの利用開始に必要なものとなり、また各機器の登録などに用いる。
2015年08月27日パナソニックは8月26日、自宅の様子をスマートフォンから確認できるホームネットワークシステム「スマ@ホーム システム」を発表した。同日開催の新製品発表会では、新製品の開発背景や、導入のメリットが解説されたほか、実機を使ったデモンストレーションなどが行われた。スマ@ホーム システムは、外出先でもスマートフォンなどから自宅の様子を確認できるシステム。今回発表されたスマ@ホーム システムは、1台の「ホームユニット」と、それに接続するカメラやセンサーといった機器で構成される。ホームユニットが自宅の無線LAN経由でインターネットに接続し、スマートフォンなどへ通知を送る仕組み。家屋や家族構成に応じて機器を組み合わせることで、防犯や見守り用のシステムを比較的安価に、容易な設定で導入できるのが特徴だ。今回発表された第1弾は全部で5製品だが、個々の製品については、こちらの記事を参照のこと。○防犯意識が高まっている発表会の冒頭、パナソニック コンシューマーマーケティング ジャパン本部 本部長の中島幸男氏が壇上に立ち、今回投入する新製品を第1弾として、「ホームセーフティー」「見守り」といったテーマの製品を展開していくと宣言。また、今回の新製品を投入するに至った背景を説明した。パナソニックの調査によれば、セキュリティについて、7割以上の人が何らかの不安を感じており、一般家庭でも防犯意識が高まっていることが明らかとなった。また、総務省の調査では、共稼ぎ世帯が1,000万世帯超、高齢者の単身・二人暮らしが約1,122万世帯という結果も出ている。留守宅や離れて暮らす家族の様子を気がかりに思う人が増加する傾向にあるなか、従来のホームセキュリティシステムや防犯機器は、ランニングコストや設置の難しさがハードルとなって導入が進みにくいというのが現状だ。家の中の様子をスマートフォンで確認できる製品について、設置に対して前向きな回答をした人は6割以上いた。特に、ペットを飼っている人や子育て中の母親、要介護者の同居者では7~8割の人が設置に前向きな回答をしたという。そこでパナソニックでは、家の中を見守るニーズがあると判断。先述したハードルをクリアすべく、導入が容易でランニングコストもあまりかからないスマ@ホーム システムを市場に投入する運びとなった。パナソニックでは、これまでもスマートフォンとつながる家電製品や、家庭内のエネルギー管理システム「スマートHEMS」など、ネットワークを活用した製品を提案してきた。今回のスマ@ホーム システムも、無線LAN(Wi-Fi)やスマートフォンを使用する環境への導入が前提となっており、今後は他の家電製品と接続してコントロールできるようにするなど、事業を拡大していく。パナソニックショップや家電量販店での販売を予定しており、将来はカーショップやペットショップでの展開も期待しているという。発売当初はドアホンの売り場などに置かれることになるだろう。○導入のハードルを低く続いて、コミュニケーション事業担当の南 恭博氏が登壇。スマ@ホーム システムにおいて、ホームユニットと、屋外・屋内カメラや開閉・人感センサーを接続するために採用されているDECT準拠方式の強みや、スマ@ホーム システムのメリットなどについて語った。スマ@ホーム システムのメリットは、大きく分けて3つ。スマートフォン専用アプリから設定するだけという初期設定の容易さ、1.9GHz帯のDECT準拠方式を採用するため、電波干渉が少ないこと、月々の定額費用などが不要で、購入時の費用だけで済むということだ。パナソニックでは、これらのメリットにより、導入のハードルが下がり、ホームセーフティー市場全体を拡大できると予想する。DECT(Digital Enhanced Cordless Telecommunications)は、世界で広く普及している無線通信方式の一つであり、日本でも海外でも展開しやすい。海外ではすでに販売している「水漏れセンサー」や「ガラス割れセンサー」「屋内サイレン」「スマートプラグ」といった製品は、国内への投入も検討しているそうだ。南氏は、「スマ@ホーム システムをIoT(Internet of Things、モノのインターネット化)の商品として拡充していく」と述べた。今後、国内市場において、2015年度(2014年10月~2015年3月)で約5億円の売上を見込み、2018年度には国内で70~100億円程度を目指す。海外と合わせて、2018年度には400億円弱の売上に伸ばす考えで、中島氏は「次の柱となる事業に育てていきたい」と意気込む。
2015年08月26日パナソニックは8月26日、ホームネットワークシステム「スマ@ホーム システム」として、屋外カメラや屋内カメラなど全5機種を発表した。発売は10月15日で、価格はオープンだ。単品販売のほか、パッケージ販売も行う。スマ@ホーム システムとは、外出先からスマートフォンなどを通じて自宅の様子をモニタリングできるシステムのこと。このたび日本国内向け第1弾の製品として、「ホームユニット KX-HJB1000」「屋外カメラ KX-HJC100」「屋内カメラ KX-HJC200」「開閉センサー KX-HJS100」「人感センサー KX-HJS200」の5製品を発売する。ホームユニットを自宅の無線LAN環境を通じてインターネット接続し、無料の専用アプリ「ホームネットワーク」をインストールしたスマートフォンから、自宅に設置した屋外・屋内カメラに映った映像などを確認できる。ホームユニットとカメラ、センサーはDECT準拠方式で接続。映像を確認できるだけでなく、会話も可能だ。○ホームユニット KX-HJB1000ホームユニット KX-HJB1000は、自宅の無線LAN環境を経由してインターネットに接続し、カメラやセンサーなど自宅に設置された機器のセンサー反応を、ユーザーのスマートフォンへ通知する。カメラやセンサー各機器とはDECT準拠方式で接続。1.9GHz帯を使用するため、電波干渉しにくく、安定した通信を実現できる。屋外・屋内カメラを合計4台まで、開閉センサー・人感センサーを合計50台まで登録できる。通知を送るスマートフォンは最大8台まで登録可能だ。サイズはW130×D130×H42mm、重量は220g。電源コードの長さは約1.8m。屋外・屋内カメラで撮影した動画などを保存するためにmicroSDカードスロットを備え、64MB~32GBまでのmicroSD/SDHCカードに対応。動画の記録フォーマットはMPEG-4(H.264/AAC)。推定市場価格は税別12,000円前後だ。○屋外カメラ KX-HJC100屋外カメラ KX-HJC100は、自宅の庭やガレージなど屋外での使用を想定したカメラ。動作検知、人感(熱)センサーを備える。センサーの動作検知範囲は32分割された領域から設定可能だ。サイズはW75×D173×H75mm、撮像素子は30万画素のCMOSセンサー。画角は水平約70度、垂直約53度。重量は460g。電源コードの長さは1.8m。IP54相当の防塵・防水性能を持つ。推定市場価格は税別18,000円前後だ。○屋内カメラ KX-HJC200屋内カメラ KX-HJC200は、屋内での使用を想定したカメラユニット。動作検知、温度センサー、音センサーを備える。温度センサーを搭載しているため、室内が一定温度を超えた際にスマートフォンへ通知する機能も持つ。音センサーによって、一定以上の音が鳴った際にも通知できる。自宅の防犯対策のほか、離れて暮らす家族の見守り用途も想定されている。サイズはW75×D75×H102mm、重量は160g。撮像素子は30万画素のCMOSセンサー。画角は水平約70度、垂直約50度。電源コードの長さは約1.8m。推定市場価格は税別17,000円前後。○開閉センサー KX-HJS100開閉センサー KX-HJS100は、窓やドアなどに設置して使用する。窓・ドアが開いたことを検知すると、報知音が鳴るとともにスマートフォンへ通知する。開閉センサーと前述の屋外・屋内カメラは連携も可能で、開閉センサーの反応をきっかけとして、屋外・屋内カメラで録画を開始する機能も持つ。本体サイズはW28×D23×H126mm、電池を除く重量は約60g。電源はコイン形リチウム電池(CR2)×1個で、窓・ドアを1日10回開閉した場合、約1年の使用が可能だ。推定市場価格は税別4,500円前後。2個入りのKX-HJS100Wが税別8,500円前後だ。○人感センサー KX-HJS200人感センサー KX-HJS200が赤外線による温度変化を検知すると、ホームユニットから報知音が鳴る。報知音はオフにも設定可能だ。サイズはW73×D39×H72mm、重量は約70g。電源は単3形アルカリ乾電池×2本を使用。1日に50回センサー検知した場合、約1年の使用が可能だ。推定市場価格は税別4,000円前後。また、単品販売のほか、パッケージ販売も行う。ホームユニットと屋外カメラがセットになった「屋外カメラキット KX-HJC100K」と、ホームユニットと屋内カメラがセットになった「屋内カメラキット KX-HJC200K」を用意。推定市場価格はKX-HJC100Kが27,000円前後、KX-HJC200Kが26,000円前後(いずれも税別)。
2015年08月26日2014年度から開発が始まった、新型基幹ロケット「H3」。2020年度に試験機1号機が打ち上げられる予定で、現在活躍中のH-IIAロケットやH-IIBロケットの後継機となることが計画されている。H3ロケットは宇宙航空研究開発機構(JAXA)と三菱重工業とが共同で開発を行っており、2015年度からはロケットの基本設計が始まっている。また7月2日には、それまでの「新型基幹ロケット」という呼び名に代わり、ついに「H3」という正式名称が与えられるなど、徐々にその姿が明らかになりつつある。本連載では、H3の開発状況について、新しい情報などが発表され次第、その紹介や解説などを随時、お届けしていきたい。今回は、第2段と、固体ロケット・ブースターについて見ていきたい。一見すると、H-IIAやH-IIBからあまり変わっていないようにも見えるが、その実は大きな進化を遂げる。○第2段にはH-IIAのエンジンを改良、新型エンジンはおあずけH3の第2段には、H-IIAやH-IIBで使われているLE-5B-2を改良したエンジンが使われる。以前の検討では、第1段に新しく開発したロケット・エンジン「LE-9」を使うのと同様に、第2段には「LE-11」という新しいロケット・エンジンを使うことが計画されていた。LE-11はLE-9、またLE-5B-2と同様に、エキスパンダー・ブリード・サイクルを使うエンジンで、LE-5B-2よりさらに高性能なエンジンになる予定だった。しかし最終的には、LE-5B-2を改良したエンジンが使われることになった。岡田プロマネは「LE-11はパワフルなエンジンとして計画していました。しかし、我々にとって大事なのは『2020年にH3を実現させる』ということ。これまで日本では、新型の第1段エンジン(LE-9)と第2段エンジンを同時に開発するということはやったことがありません。そのチャレンジをしても良いのかと考え、今回は確実に開発できる『LE-5Bを改良する』という方法を選びました」と語った。LE-5B-2をH3で使うにあたっての改良点は、エンジンの寿命を延ばす「長寿命化」にある。H3ではH-IIAよりも第2段機体が大きくなっており、その分タンクには多くの推進剤が入っていることから、H-IIAよりも長い時間、ロケット・エンジンを動かす必要があるためである。H-IIAの高度化の技術も継承また、現在開発中のH-IIAの第2段の「高度化」で培われる技術も受け継がれる。高度化とは、打ち上げ能力を向上させたり、振動や衝撃を小さくし、衛星への負担を低減したり、地上のレーダー局に頼らずに飛行できるようにし、地上インフラ設備を少なくしたりといった改良のことだ。詳しくは今後別の記事で触れるとして、このうち打ち上げ能力を向上させる改良について、軽く触れたい。たとえば、通信衛星のような静止衛星を打ち上げるときのことを考えると、現在のH-IIAの打ち上げ能力は世界標準からやや劣っている状態にある。多くの場合、静止軌道を積んだロケットは、最終的に静止衛星が運用される静止軌道の一歩手前の「静止トランスファー軌道」に衛星を投入する。一方、静止軌道は近地点高度(軌道の中で地表に最も近い点)と遠地点高度(軌道の中で地表から最も遠い点)が共に3万5800km、軌道傾斜角(赤道からの傾き)が0度のところにある。つまり静止トランスファー軌道から静止軌道へは、衛星側が持つエンジンを使って乗り移る必要がある。H-IIAは最大で6トンの静止衛星を静止トランスファー軌道に投入することができる。この数値自体は決して悪いわけではない。しかし、H-IIAの「静止トランスファー軌道に6トン」という打ち上げ能力は、厳密には“近地点高度が250km、軌道傾斜角が28.5度の”静止トランスファー軌道に6トン、という前提条件が付く。ここから衛星がエンジンを噴射し、静止軌道に乗り移るためには、秒速1830mほどの増速量が必要となる。ところが、商業衛星の打ち上げ市場の中で一番のシェアを握る欧州の「アリアン5 ECA」ロケットは、この増速量が秒速1500mほどで済んでしまうのだ。アリアン5の発射場はほぼ赤道直下にあることから、軌道傾斜角が静止軌道と同じ、ほぼ0度の静止トランスファー軌道へ打ち上げることができ、その結果、衛星側はほとんど高度を合わせるだけで済んでしまうためである。この格差を改善するために開発が始まったのが、H-IIAの高度化である。主にH-IIAの第2段を改良し、より長時間飛行できるようにし、そしてLE-5B-2を再々着火、つまり合計で3回、点火と停止を繰り返すことができるようにする。これにより、これまでは衛星側が負担せざるを得なかった増速量の一部を肩代わりできるようになる。その代償として、静止トランスファー軌道への打ち上げ能力は最大4.6トンまで落ちることにはなるが、アリアン5などとほぼ同等の条件の静止トランスファー軌道に、衛星を打ち上げることが可能となる。これにより、たとえばアリアン5で打ち上げることを想定して造られた衛星を、H-IIAで打ち上げることができるようになり、衛星の運用者にとって選択肢に入りやすくなるなど、H-IIAの国際競争力が強化される。実は、もともとLE-5BやLE-5B-2は、それが可能なだけの性能を持っていた。しかし、タンクや配管、バッテリーなど、機体側の制約によって、その能力のすべてを発揮することができず、これまでは宝の持ち腐れ状態となっていた。高度化の開発は2011年度から行われており、これまでに地上での試験だけではなく、実際の打ち上げの中でも試験や実証が行われている。たとえば2014年の小惑星探査機「はやぶさ2」の打ち上げでは、その技術の一部が先行的に使われている。高度化された第2段が本格的に投入されるのは、今年の秋ごろに打ち上げが予定されている、H-IIAロケット29号機からとなる。これらの開発で培われた技術はH3にも投じられることになっており、つまりH3もまた、世界標準とほぼ同じ条件で衛星を打ち上げられるということになる。振動環境も低減また「三菱重工技報 Vol.51 No.4 (2014)」によると、エンジンとタンクとの結合部も改良されるという。これにより、ロケットの振動が積み荷である人工衛星に与える影響の度合いが少なくなるとされる。振動環境については、現行のH-IIAやH-IIBで問題となり、対策が必要となったという経緯がある。そこでH3では、設計初期からエンジン取付部の剛性に配慮した設計を採ることにしたという。これにより、ロケット飛行中の衛星への負荷を低減し、また衛星の開発試験の負担も低減される。JAXAによると、振動も含めた衛星への搭載環境条件は、世界標準以上を目指すとしている。これが実現できれば「乗り心地の良いロケット」としてアピールできるようになるだろう。もっとも、世界各国の次世代ロケットでもこの辺りは対応することが予想されるため、「H3ならでは」の強みにはならないかもしれない。○固体ロケット・ブースターも大きく改良H3の両脇に装着されている固体ロケット・ブースターは、H-IIAと同様に、打ち上げに合わせて装着数を2基と4基で選択することができる。またH3は、第1段のLE-9だけでも離昇が可能なので、0本、つまり装着しないということもできる。H3の固体ロケット・ブースターは、H-IIAやH-IIBで使われているもの(SRB-A)とほぼ同じ大きさだが、大きく改良が加えられることになる。一番大きな改良点は、ロケットのコア機体との結合方法を簡素にすることである。H-IIAを見ると、コア機体とSRB-Aとは何本かの白い棒のような部品で結合されている。横向きに付いているものをヨー・ブレス、斜めに付いているものをスラスト・ストラットと呼び、ヨー・ブレスはヨー方向、つまり横方向への動きを伝達し、スラスト・ストラットはロケットを持ち上げる力を伝達する役割を持っている。ただ、世界の他のロケットを見てみても、こうした棒状の部品を用いて結合されているロケットはない。また、H-IIAの先代にあたるH-IIロケットにもない。なぜ、H-IIAやH-IIBでこうした結合方法が使われているのかといえば、SRB-Aのモーター・ケースに、炭素繊維強化プラスチック(CFRP)が使われていることにある。炭素繊維強化プラスチックは高い強度と軽さを併せ持つ材料だが、どこか一点に力が集中することに弱い。たとえばボルトを使って第1段機体と直接結合すると、その部分に力が集中し、壊れてしまう可能性があるのだ。そこで、ブースターの前後にアルミ合金製のアダプターを取り付け、そこにヨー・ブレスやスラスト・ストラットを接続するという方式が採られた。アルミ合金製は結合部にかかる力を十分に受け止めることができるだけの強度を持ち、また一部分にだけ使うことで、他の大部分はCFRP製のままにできるため、軽量化も図れる。だが、H3ではさらなる軽量化のために、CFRP製のモーター・ケースはそのままに、ヨー・ブレスやスラスト・ストラットもなくし、コア機体と直接結合する方法となった。また、ノズルの可動機構もなくなることになった。SRB-Aには推力偏向機構(TVC)が装備されており、ノズルの方向を動かすことで、ロケットのピッチ(縦)方向とヨー方向の制御を行っていた。H3のブースターではこれをなくし、コア機体の第1段にあるLE-9エンジンのみで飛行方向を制御するという。また、SRB-Aのモーター・ケースは、米国のオービタルATK社にライセンス料を支払って製造しているが、H3では国産化される。さらに、推力のパターンを見直したり、振動を少なくしたりといった改良も加えられ、軽量化と低コスト化、信頼性や性能の向上などが一挙に図られることになる。次回は、ロケットの製造や組み立ての工程や、打ち上げが行われる種子島宇宙センターの改良点について見ていきたい。(続く)
2015年08月24日2014年度から開発が始まった、新型基幹ロケット「H3」。2020年度に試験機1号機が打ち上げられる予定で、現在活躍中のH-IIAロケットやH-IIBロケットの後継機となることが計画されている。H3ロケットは宇宙航空研究開発機構(JAXA)と三菱重工業とが共同で開発を行っており、2015年度からはロケットの基本設計が始まっている。また7月2日には、それまでの「新型基幹ロケット」という呼び名に代わり、ついに「H3」という正式名称が与えられるなど、徐々にその姿が明らかになりつつある。本連載では、H3の開発状況について、新しい情報などが発表され次第、その紹介や解説などを随時、お届けしていきたい。今回は、H3の第1段に採用される新型ロケット・エンジン「LE-9」について見ていきたい。○新型ロケット・エンジン「LE-9」ロケットの第1段には、「LE-9」という新しく開発されるロケット・エンジンが装備される。1基あたりの推力は150トンで、前回触れたように、ミッションに応じてこのエンジンを2基装着するか、あるいは3基装着するかを選択することができる。LE-9は、現在H-IIAロケットやH-IIBロケットの第1段エンジンとして使用されている「LE-7A」と同じく、燃料に液体水素、酸化剤に液体酸素を使う。だが、エンジンを動かすための仕組みが、LE-7Aから大きく変更されることになった。これはH3にとって最大の目玉であり、日本の宇宙開発にとっても大きな決断となる。液体ロケット・エンジンの多くは、ターボ・ポンプという強力なポンプで燃料と酸化剤(この2つを合わせて推進剤という)を燃焼室に送り込んで燃焼させ、発生したガスを噴射してロケットを飛ばしている。このターボ・ポンプを動かすために、タービンという羽根車を回す必要がある。このタービンを動かす仕組みとして、LE-7Aでは「二段燃焼サイクル」という方式が使われている。これは、まずプリ・バーナーという小さな燃焼室で推進剤を燃やし、そのガスでタービンを回してターボ・ポンプを動かし、燃焼室に大量の推進剤を送り込み、さらにタービンを回したガスも燃焼室に送り込んで燃焼させるというものである。推進剤を2段階で完全に燃焼させることから、この名がある。この仕組みは、推進剤をいっさい無駄にすることなく噴射の力として使えるため、性能の良いエンジンにできるという長所がある。しかし、エンジンの構造が複雑で、また各所にかかる圧力や温度の条件が厳しく、どこかで不調が起きると途端に爆発する可能性があり、さらにエンジン始動のタイミングの制御も難しいなど、製造や運用が難しいという短所もある。一方、LE-9では「エキスパンダー・ブリード・サイクル」という方式が使われる。この仕組みはプリ・バーナーを持たず、燃料を使ってエンジンの燃焼室やノズルを冷却し、その際に発生したガスを使ってタービンを回す。そしてそのガスは噴射には使われず、そのままロケットの外に捨てられる。これにより、効率や性能は二段燃焼サイクルよりも劣るものの、構造が簡素で造りやすいという特長がある。また壊れにくいため安全性も高く、運用もしやすい、頑丈なエンジンである。エキスパンダー・ブリード・サイクルはすでに、H-IIロケットの第2段エンジンの「LE-5A」や、H-IIA、H-IIBの第2段エンジン「LE-5B」、「LE-5B-2」で採用されており、日本にとっては得意とする技術でもある。○打ち上げ失敗から生まれた希望エキスパンダー・ブリード・サイクルの頑丈さは、過去にH-IIロケット8号機の打ち上げで、期せずして実証されている。H-IIの8号機は1999年11月15日に打ち上げられたものの、失敗に終わったミッションだ。H-IIの第2段には通常LE-5Aを使うが、この8号機のみ、当時開発されたばかりのLE-5Bが装備されていた。ロケットの第1段エンジン「LE-7」は、約6分間燃焼するはずだったが、約4分後に問題が起きて停止してしまい、予定していた飛行経路を逸れはじめた。そんな中、第2段機体が予定よりも早く、しかも不安定に回転した状態で第1段機体から切り離され、その状態でLE-5Bが始動されることになったのである。通常、極低温の推進剤を使用するロケット・エンジンを始動させる際には、ポンプの吸い込み不良を防ぎ、安定して始動させるために、あらかじめ推進剤でポンプを十分に冷却し、推進剤を所定の圧力まで加圧して供給する必要がある。しかし、こうした背景から、8号機のLE-5Bは冷却やタンク圧力が十分でない状態で始動することとなった。しかし、このような悪条件の中でもLE-5Bは正常に立ち上がり、計画通りの性能を発揮し続けることができた。H-IIの8号機は最終的に、飛行を継続すると地上に落下する危険などがあったことから、地上からの指令で破壊された。だが、この一件によって、LE-5Bエンジンと、そしてエキスパンダー・ブリード・サイクルという仕組みそのものが、故障や想定外の状況に強い頑丈さと、高い信頼性を持っているということが実証されたのである。頑丈ということは、たとえば少々不調であっても、H-IIの8号機のときのように飛行を継続できる可能性ができ、あるいはエンジンが壊れるようなことになったとしても、爆発はせず、ゆるやかに停止するようにできる。もしそのとき、ロケットの先端に宇宙飛行士が乗った宇宙船が搭載されていたとしたら、脱出するまでを時間を少しでも多く稼ぐことができるだろう。また構造が簡素ということは、造りやすく、さらに部品の数が少ないこともあって低コスト化や信頼性の向上にもつながることが期待できる。○鍵は大型化ひとつ懸念があるとすれば、それはLE-9が大型のエンジンであるという点だろう。前述のように、エキスパンダー・ブリード・サイクルのエンジンはH-IIのLE-5AやH-IIA、H-IIBのLE-5B、LE-5B-2で採用されており、20年以上の運用実績があることになる。しかし、ロケットの第1段向けエンジンと第2段向けエンジンとでは求められる性能が大きく違う。たとえばエンジンのパワー(推力)は、LE-5B-2の14トンに対して、LE-9では150トンと10倍以上にも増え、エンジンの各部分にかかる熱や圧力なども大きくなるため、LE-5BがあるからLE-9は簡単に造れる、ということではない。JAXAや三菱重工はすでに、LE-9とほぼ同じ性能の技術実証エンジン「LE-X」の開発を終えており、その成果はLE-9の開発に活かされることになっている。だが、実際にロケットに組み込んで飛ばせるエンジンにするためには、まだ多くの関門が待ち受けており、LE-9の開発がどうなるかが、H3が成功するかどうかの鍵となることは間違いない。○二段燃焼サイクルの技術はどうなるのかところで、そもそもH-IIで二段燃焼サイクルのLE-7が開発された背景には、そうしなければH-IIが実現できなかったという事情があった。もちろん性能が若干劣るエンジンを造り、それを束ねて使用するという考えもなかったわけではないが、そもそも当時の日本には国産の第1段エンジン自体が存在しなかったため、どちらにせよエンジンを新しく開発する必要があった。つまり「高性能なエンジンを造り、1基だけ使う」ことと「少し性能が劣るエンジンを造り、それを複数束ねて使う」ということが天秤にかけられた。しかし、当時の日本には、エンジンを束ねて運用する技術もまた存在しなかったため、まだ前者のほうが技術開発がシンプルで、ハードルが低いと判断されたのである。また、二段燃焼サイクルはスペース・シャトルのエンジンにも採用されている技術であったため、近い将来、日本がスペース・シャトルのようなロケットを造る際にも役立つだろうと期待されていた。しかし、二段燃焼サイクルは高コストであったことや、またH-IIBの開発でエンジンを束ねる技術が得られたことなどから、H3ではその技術を使わないことになった。これは日本の宇宙開発にとって、非常に大きな決断だ。LE-7A、特に二段燃焼サイクルの使用を止めることで、その技術はどうなってしまうのだろうか。岡田プロマネは会見で「二段燃焼サイクルについては、いったん使用を止めることになります。きちんとした技術の体系としては残した上で、エキスパンダー・ブリード・サイクルに切り替える、という考えです」と述べた。しかし、技術というものは、造り続けなければ継承はされない。たとえ設計図や実機を完全に保存したとしても、何十年か経ったあとですぐに復活させられるかといえば、非常に難しいだろう。H3が二段燃焼サイクルのエンジンを採用しない理由は、H3に求められるコンセプトに合わないから、という理由が一番大きい。だが、二段燃焼サイクルは本質的に高性能で、致命的な欠陥があるわけでもなく、さらにまだ発展の余地もある。その技術の系譜をむざむざと絶やすことは、日本のロケット技術の将来にとって、大きな損失にはならないだろうか。たとえば二段燃焼サイクルは、水素以外の、ケロシンやメタンなどの燃料を使っても実現でき、高い性能が得られる。実際に、ロシアや米国、中国などは、こうした燃料を使った二段燃焼サイクルのエンジンを開発している。また、二段燃焼サイクルには、「フル・フロウ二段燃焼サイクル」という、LE-7Aなどが採用している二段燃焼サイクルよりも、もっと効率が良くなる技術がある。これまでにこのサイクルの開発に成功したのはソヴィエト連邦だけで、現在は米国でスペースX社が「ラプター」というエンジンを開発している段階にある。日本の経済状況を考えると難しいだろうが、実際にロケットを造るところまではいかなくとも、LE-7Aの技術を活かし、こうしたエンジンの技術開発だけでも行うべきではないだろうか。(続く)
2015年08月18日2014年度から開発が始まった、新型基幹ロケット「H3」。2020年度に試験機1号機が打ち上げられる予定で、現在活躍中のH-IIAロケットやH-IIBロケットの後継機となることが計画されている。H3ロケットは宇宙航空研究開発機構(JAXA)と三菱重工業とが共同で開発を行っており、2015年度からはロケットの基本設計が始まっている。また7月2日には、それまでの「新型基幹ロケット」という呼び名に代わり、ついに「H3」という正式名称が与えられるなど、徐々にその姿が明らかになりつつある。本連載では、H3の開発状況について、新しい情報などが発表され次第、その紹介や解説などを随時、お届けしていきたい。第1回では、7月8日にJAXAが開催したH3ロケットに関する記者会見から、H-IIAロケットと現在の日本のロケット産業が抱えている問題について紹介、また第2回では、そうした背景を踏まえ、H3はどのようなロケットを目指すのか、その狙いについて紹介した。第3回となる今回からは、いよいよH3がどんな姿かたちや性能をもち、どんな技術を使って造られるのかについて見ていきたい。○日本最大のロケット現時点でのH3ロケットの想像図は、H-IIAロケットを拡大したような形をしている。実際、全長は63mと、H-IIAから10mも伸びている。中心のコア機体の直径は5.2mで、これはH-IIBロケットの第1段と同じだ。初期の検討では「直径は4.5mから5mの間で検討中」とされていたが、最終的にそれよりも太くなった。これには、同じタンク容量でも、直径を太くすることで全長を抑えることができるといったメリットや、H-IIBで使っていたジグ(固定用の道具)などの設備を流用できるといったメリットがあると考えられる。また機体が大きくなったことで、打ち上げ時に空気の抵抗や音などから人工衛星を守るための衛星フェアリングも、H-IIAより大きくなっている。なお、H-IIAではロケット本体よりも太いフェアリングや、衛星を2機搭載するためのフェアリングなど、さまざまな種類が用意されているが、あまり多いとコストが上がってしまうため、H3では種類を抑えたいとしている。打ち上げ能力は、高度500kmの太陽同期軌道へは4トン以上、静止トランスファー軌道へは6.5トン以上の打ち上げを目指すとされる。太陽同期軌道というのは地球を南北に回り、なおかつ太陽光の差し込む角度が一定となる軌道のことで、地表の観測に適しているため、地球観測衛星や偵察衛星がよく投入されている。H-IIAは、高度500kmの太陽同期軌道に対して約5トンの打ち上げ能力を持っているが、日本の地球観測衛星「だいち2号」や政府の情報収集衛星などは約2トンほどしかなく、また世界的にも4トン以上もあるような地球観測衛星はあまりないため、やや過剰性能であった。ただ、これはH-IIAの性能設定が間違っていたというわけではない。H-IIAはもともと、後述する静止トランスファー軌道への打ち上げ要求に合わせて設計されたので、太陽同期軌道などへの打ち上げ能力が過剰性能になったのは仕方がないことだった。そこでH3では、打ち上げ能力をH-IIA以上に柔軟に変えられるようにすることで、静止トランスファー軌道以外への打ち上げにも最適化できるようになっている。ただ、「4トン以上」と説明されているように、今後、日本や世界の需要の変化などがあれば、目標値が若干増えることはあるかもしれない。もうひとつの静止トランスファー軌道というのは、通信衛星などの静止衛星が打ち上げられる静止軌道の、ひとつ手前の軌道のことだ。多くのロケットは静止軌道に衛星を直接投入することができないため、まず静止トランスファー軌道に衛星を投入し、その後衛星自身がもつ小型のロケット・エンジンを噴射することで、目的地の静止軌道に乗り移る。現在、H-IIAの標準形態である202型では4トン、最強形態である204型では6トンまでの静止衛星を打ち上げることができるが、第1回で触れたように、近年では7トン近くもあるような、H-IIAでは打ち上げられない衛星も出てきていることから、H3では6.5トン以上の打ち上げ能力を目指すことになっている。また6トン以上であれば、3トン級の中型衛星を2機同時打ち上げることも可能になる。具体的に最大何トンまで対応できるかは、今後の設計を進める中で決定されることになるだろう。○第1段ロケット・エンジンの装着数を変えられる独創的な設計こうした、さまざまな軌道へ多種多様な人工衛星の打ち上げを行うため、H3は打ち上げ能力を柔軟に変えられるような設計になっている。H-IIAでも、機体下部の両脇に装着されている固体ロケット・ブースター(SRB-A)の装着数を変えることで打ち上げ能力を変えられたが、これはH3でも継承された。ただ、以前H-IIAであった固体補助ブースター(SSB)などは設定されず、現在のH-IIAと同じ、2本か4本で選ぶことになる。また、打ち上げ能力が一番小さくなる構成では、固体ロケット・ブースターは装着すらされない。そしてH3ではさらに、ロケット本体の第1段ロケット・エンジンの装着数を2基と3基で選ぶことができるようになる。第1段エンジンの装着数を変えるというのは、古今東西見渡しても例がない、独創的な設計だ。これにより、より打ち上げたい衛星に合わせて、性能を柔軟に変えられるようになっている。ただ、その反面、生産にかかるコストが上がるという問題も生じる。エンジンを2基と3基で変えられるということは、ロケット下部の配管や電線などの配置や、エンジンが装着される部分の構造を、機体によって変えなければならないということになる。ある程度は共通化できるだろうが、製造や組み立てが複雑になることは避けられない。JAXAの岡田プロマネによると「そこは天秤にかけた」という。つまり種類を増やすことによる生産コストの上昇よりも、打ち上げ能力を変えられることによるメリットのほうが大きいと判断されたということになる。こうした種類を用意できるようにすることで、太陽同期軌道に3トンから4トンの衛星の打ち上げから、静止トランスファー軌道に6.5トン以上の衛星の打ち上げまで、H-IIAよりも幅広く対応できるようになる。また、具体的な質量の値は不明だが、たとえば宇宙ステーション補給機「こうのとり」や、あるいはそれをも超える十数トンあるような大型衛星を、地球低軌道に打ち上げるような特殊ミッションも可能だろう。また月・惑星探査機も、H-IIAより効率的に打ち上げられるようになり、またより大型の探査機の打ち上げも可能になるはずだ。○打ち上げ価格は最小構成で約50億円最大の焦点は、はたしてH3はいくらになるのか、ということだ。第1回や第2回で触れたように、現在のH-IIAは世界的に高価であり、2020年代にはさらに安価なロケットが出てくると予想されていることから、H3はそれらライヴァルと対等に戦える価格を目指すとされている。今回の記者会見では、最小構成で「約50億円」を目指すと明言された。最小構成というのは、第1段ロケット・エンジンが3基で、なおかつ固体ロケット・ブースターを装着しない形態のことで、予定されているH3の種類の中では、打ち上げ能力が一番小さい構成である。この構成では高度500kmの太陽同期軌道に4トン以上の衛星を打ち上げることができる。現在のH-IIAの最小構成である標準型、もしくは202型と呼ばれている機体の価格は、約100億円といわれている。よくメディアの報道で「H3はH-IIAの半額」というキャッチーな言葉が使われているが、それはこの最小構成のことを指している。ただ、世界の競合ロケットと比べるのであれば、第1段ロケット・エンジンが2基で、固体ロケット・ブースターを2基、ないしは4基装着する、静止衛星の打ち上げにとって標準となるであろう構成の価格を使わなければならない。しかし、記者会見では「国際競争力の観点から具体的な価格についてはお話しできない」と述べるにとどまった。また「価格の話は三菱さんがこれから決めること」ともされたが、三菱重工は現在のH-IIAの価格も、やはり「国際競争力の観点から」という理由で明らかにはしていないため、最小構成以外のH3の価格が明らかになることはないかもしれない。次回では、H3に使われる技術についてより細かく見ていきたい。(続く)
2015年08月07日大成建設は7月21日、施工システムと3次元モデルを統合した独自CIMシステム「T-CIM」を今年度より土木事業作業所に順次導入すると発表した。「T-CIM」では、現地で計測・記録やデータの管理などを行うさまざまな施工システムを、工事で必要な施工管理、品質管理、現地作業の安全管理などの統一した仕事の流れに当てはめて統合し、これらの施工情報を3次元モデルに集約する。これらの情報にアクセスするときは、3次元モデルが「施工情報の取り出し口」となる。同システムの導入により、従来と比べてさまざまな施工情報が一元管理されるため、業務の生産性と品質の向上につながるという。同システムはダムやトンネルなど構造物に特化した「専門工種」と、どの工事にも当てはまる「共通工種」を相互に関連させ体系化した構成となっている。「共通工種」では、コンクリート品質管理試験や生コン打設時間などの個別データを現地でデジタル化することで、リアルタイムに施工記録を取得して帳票を作成することができる。また、工事作業所やそれ以外の場所からでも、タブレット端末などを用いて施工情報の入力・検索・閲覧できるようにすることで、一元管理された情報を関係者間で共有できる。今後は、国土交通省が進めている「CIMモデル作成ガイドライン」に対応できるよう「T-CIM」の機能拡張を進めながら、2015年度はダム、土工、トンネル、地下構造物、橋梁などの「専門工種」やコンクリート工を中心とした「共通工種」で国内32ヵ所の土木工事作業所に順次導入していく予定。また、「共通工種」のコンクリート工を中心に2016年度は全国の土木工事作業所の半数、2017年度以降は全作業所への展開を目指していくとしている。
2015年07月22日大日本印刷(DNP)は、社屋における、社員一人ひとりの入室権限を人事データに合わせて適正に管理できるシステムとして、人事システムと入退室管理システムを中継するサーバーシステムを開発したと発表した。新たに開発したシステムは、人事システムより、人事データの更新情報を受け、社員ごとの入室権限を自動設定し、入退室管理システムに自動送信する。AND設定(部署Aに所属かつ部長以上)やOR設定(部署AまたはBに所属)の条件など合わせた権限の自動設定ができ、個別に手動で権限を割り振ることも可能。また、システムの管理者自身による不正を防止するため、操作履歴の確認や、ユーザーIDによる機能制限等を行うことができる。そのほか、有効期限が切れたカードを自動で使用不可とすることやグループウエアの承認ワークフローとの連携などにも対応するという。さらに、このシステムでの権限設定を、Active Directoryに反映させることが可能で、これにより、人事データの変更にともなう権限変更を、入退室管理システムと情報システム(複合機、プリンタ等)に、同時に反映させることも可能。システムのライセンス価格は500万円/年。DNP自身がすでにシステムを社内に導入しており、その効果も確認できたことから、今後、資本・業務提携先の日本ユニシスとともに外販に力を入れていくという。
2015年07月16日基幹システムの刷新における最難関ポイント、それが経営者の承認である。そのための提案書作成に頭を悩ませる情報システム担当は数知れない。そんな人たちの駆け込み寺とも呼べる存在が、NTTデータセキスイシステムズが開催する「超上流構想書作成講座」である。前回の記事では、超上流構想が生まれた背景について紹介した。今回は、具体的に超上流構想の肝となる「6つの構成要素」について解説していこう。○成長に必要な基幹システムとは?5年後想定の超上流IT構想「6つの構成要素」「超上流」は課題を抽出する「トリガー」「超上流」は、全体構造として企業が持つ課題を炙り出すための"トリガー"としての役割を担っている。ごく簡単に言ってしまえば、システム面から見た企業に”ストレス”を与えて、問題点を抽出するという方法を採る。システムの置き換えというと、現場や周囲からの不満やクレームを集めることから始まり、ここから構築していくのが一般的だが、これではたいしたシステムは構築できないと宮下氏は述べる。5つのトリガーを与えることで、その企業が抱える課題を明解に導き出すというわけだ。「基幹システムの刷新は、現場からクレームが切っ掛けとなることが多いようです。ただその場合、どうしても使い勝手の改善に視点が向かってしまう。それでは、システムを変える意味はありません」現場から苦情が上がった部分に対応したとしても、それはあくまで「現状の改善」にしかならない。だが基幹システムというものは長い期間にわたり、使い続けていくものである。「今のシステムが使いやすく改善されても、それが5年後、10年後にも使いやすいとは限りません。場合によっては、基幹システムそのものがボトルネックとなってしまい、企業の成長を妨げてしまうことも十分にあり得ます。ですから今を基準にするのではなく、最低でも5年先を見越してシステムを考える必要があるのです」と宮下氏は主張する。だからこそ企業成長や事業の移り変わりを予想した上でシステムを検討する「超上流構想」が有効なのだ。○5年先を見据えたシステムを生み出す超上流フレームワークの「6つ構成要素」宮下氏による「超上流構想書作成講座」では、NTTデータセキスイシステムズが用いる超上流構想書を作成するためのフレームワーク「超上流フレームワーク」を元に解説が行われている。ここでは、特に重要となる「6つの構成要素」について宮下氏のコメントとともに紹介しよう。事業成長企業である以上、成長を目指すことは当然の責務である。もし年々成長していったと仮定した時に、果たして現行システムの改善だけで対応できるのかを検討する必要がある。声高らかに売上げの目標を掲げるだけではなく、システムを入れ替える場合には、それを前提としたシステムの問題点を具体的に探し出すのだ。例えば、年々10%ずつ成長していったと仮定する。当然、その場合には人が増える、作業量が増える、事業所が増える。そのように、成長を前提としてシステムに負荷を掛けて行った時に、どこがボトルネックになるのかを見つけ出す。「5年先が想像しにくければ、取り敢えず仕事が1.6倍になった場合を想定してください。その時に真っ先にボトルネックになるポイントが成長を妨げる要因です」事業特性1つの会社でも複数の事業を抱えることは珍しいことではない。また先を見据えた場合にも当然、全く形態の異なる事業を運営しなければならないこともある。事業成長は事業毎の特徴を整理した"骨格"のようなものだ。システムも当然事業毎に異なってくる。ある企業において、A事業とB事業の2つがあったとする。現時点ではA事業の方が圧倒的に売り上げが高い。だが、近年の成長から推察すると5年後にはB事業が逆転している可能性もある。もし、現時点を基準にシステムを刷新してしまうとA事業が主体のシステムになってしまい、近い将来に主力となるB事業の成長を阻害してしまう要因となってしまう。このような状況を回避するためにも、システムを事業ごとの骨格として整理して、把握しておく必要性がある。「超上流フレームワークでは、事業を特性別に20のモデルに分類をします。そこで事業成長やベンチマークをトリガーにして、強化、維持・文化、補強に層別して整理して、各事業の将来を見定めます」事業課題5年後にはどのような課題が存在しているか、または現状よりも大きな課題となっているのかを検討する。例えば、海外進出を検討しているのであれば、それぞれ国ごとに異なる税制に対応しなくてはならない。これは、事業特性と合わせて考える必要がある。事業特性ごとに考えて、何が成長し、そこにはどんな課題が生じるのか。それらを予想してシステムを検討していくプロセスだ。「たとえば、法人型の顧客を中心に組まれてきたシステムが、コンシューマ的なシステムに対応しなければならないという課題が出てきたとします。この場合、決済の仕組みから、顧客の広がりへの対応と事業特性ごとのシステム的な課題が見えてくるわけです。」事業俯瞰基幹システムは、企業活動のプロセスを支えるインフラである。それぞれの業務プロセスにおいて、どことどこが繋がっているのか。また、組織間の連携はどのようになっているのか。それらを俯瞰して、明確にすることが大切になる。「近年はビジネスが複雑になり、社長ですら組織や業務プロセスのつながりがわからないことが多いのが現状です。ビジネスフローや自社と取引先の関係、業務プロセスなど、全体を俯瞰からみた地図を作る。すると、どの部分に問題があるのかが浮き彫りになります」競争優位基幹システムの刷新は、規模によっては数千から数億の予算がかかる大きな投資である。経営者であれば、当然だがそれに見合うだけのリターンを求める。だが、単なる現状改善では、そのリターンに対する答えは出て来ない。かつては、人件費削減と業務効率化が、基幹システム刷新のキーワードとなっていた。だが既にやるべきことはやり尽くしている企業も多く、今ではそれも通用しない時代となっている。ではどうするのか?それに対する宮下氏の答えが「システムそのものが、価値を生み出し競争優位性を高めるものになること」である。「宅急便で、荷物がどこにあるかを追跡できるサービスがあります。この例のように、基幹システムによって、顧客サービスが向上し、競争力を高まるのであれば、投資に対するリターンとして認められやすくなるでしょう」テーマ抽出前述した5つの要素を組み合わせ検討していくと、自ずと5年先に向けてやるべきテーマが見えて来る。それらに優先順位をつけて何からすべきかを検討する。「実際にこのフレームワークを実践すると、大体30ほどのテーマが見つかります。それに優先順位をつけて経営者の方に“絶対にやらなければいけないこと”を選んでいただく。これが超上流コンサルティングの方法です」これまで、多くの企業に対して「超上流コンサルティング」を実践してきた宮下氏だが、抽出されたテーマに対して、「経営者の方から、特にやるべきことはない」と答えられた経験は皆無とのことだ。「5年後、10年後を見据えた時に、すべきことが一つもない企業なんて存在しません。それは企業の根幹を支える基幹システムも同様です。そして、今ではなく将来を見据えたシステムを考える手法として、この超上流フレームワークは非常なる手法なのです」(宮下氏)今回紹介したNTTデータセキスイシステムズが提供する「超上流フレームワーク」を学ぶことができる「超上流構想書作成講座」は、2015年度も不定期ではあるが開催されるとのこと。システムの入れ替えを考える場合には、まずは、自分たちが今現在どんな組織であるのか?5年後にどんな組織になるのか?をジックリと見つめ直し、具体的に抽出していくことが何よりも必要なのだ。
2015年07月10日エスワンオーインタラクティブは7月7日、複数の広告配信プラットフォームのデータを一元管理/統合分析できるシステム「VISARY」をリリースした。同システムでは、同社の事業支援型トレーディングデスク機能のひとつの特徴である最新のトレンドを踏まえたDSPプラットフォーム/アドネットワーク/関連アドテクノロジーを第3者視点から選定/運用することに加え、データの統合管理~マルチデバイスユーザーの行動を把握し、分析から運用までをワンストップで行うことで、より適切な広告配信を実現できる。
2015年07月07日宇宙航空研究開発機構(JAXA)は7月2日、現在開発中の指次世代基幹ロケットの機体名称を「H3ロケット(エイチ・スリー・ロケット:H3)」に決定したと発表した。今回の命名についてJAXAでは、日本がこれまで積み上げてきた大型液酸/液体ロケットの技術を受け継ぐロケットであり、これまでのH-IからH-IIA/H-IIBロケットへと続く「H」を継承したとするほか、H-IIA/H-IIBロケットから機体構成を根本から見直した機体であることから、「H3ロケット」としたとする。また、これまでのローマ数字ではなくアラビア数字である「3」としたことについては、「IIと混同しない明確さ」や「報道などでの実質的な認知度・知名度」があるため、としている。なお、呼称(愛称)については、プライムコントラクタである三菱重工業と別途検討していく予定だとするほか、開発スケジュールとしては2020年度に試験機1号機の打ち上げを予定しており、最終的な開発の完了は2021年度の打ち上げを予定している試験機2号機の打ち上げ結果の評価を経てからとなる予定だという。
2015年07月02日ミロク情報サービス(MJS)は、中小企業向けERPシステム「MJSLINK NX-I(エムジェイエスリンク エヌエックス・ワン)」の新オプションシステム「MJSLINK NX-I 財務大将BI(ビジネスインテリジェンス)」を開発し、7月1日より販売することを発表した。新システムは、中小企業の財務・会計に特化したBI。同社の中小企業向けERPシステム「MJSLINK NX-I 財務大将」と一体型のオプションシステムとなっているため、分析用データの抽出、取り込み、データ加工の必要なく、リアルタイムな分析を可能としている。また、集計値の元となった集計前のデータを表示させて原因を探るなど、集計結果から気になる箇所を自在にドリルダウン・ドリルスルーできるという特徴も持っている。価格は30万円~(税別)となっており、別途システム導入支援料、データベース料、保守サービス料が必要となる。
2015年06月24日印鑑のインターネット通販でトップの実績を誇る「ハンコヤドットコム」の親会社、株式会社AmidA(アミダ)ではEC事業の拡大だけでなく、長年のECサイト運営ノウハウを生かしたデジタルマーケティングやプラットフォームビジネスといった新たな事業領域に進出。将来は、“世界”をも視野に入れている。そうした将来の成長を見据えて、同社は、システムの最適化と、将来的なプラットフォームビジネスへの展開にも対応できるような、社内システムの構築に着手。商品管理、製造、外注、出荷といった一連の業務プロセスをクラウド型データベース「kintone」(サイボウズ)上に実装し、基幹システムや周辺システムをデータ連携ツール「DataSpider Servista」(アプレッソ)で連携させた。その狙いはどこにあったのか。経営戦略室 室長 兼 マーケティング事業部 副部長の大田基樹氏とICT部サーバーチームの堺祐輔氏にお話をうかがった。○ECサイトに“おもてなしの心”を組み込んだ先進的なプラットフォームを目指す1998年に大阪で創業して以来、インターネットビジネスの可能性を追求してきたAmidAでは、「お客様第一主義」が理念となっている。同社が運営する印鑑のインターネット通販の先駆け「ハンコヤドットコム」が、「日本オンラインショッピング大賞」「ベストECショップ大賞」など数々の賞を受賞しているのも、お客様第一主義のサイト構築・運営があってのことだ。そうしたECサイト運営における経験やノウハウ、IT基盤を生かし、AmidAはいま新たなビジネス領域にチャレンジしている。大田氏は、これからのビジネスの方向性を次のように語る。「集客や販売促進といったデジタルマーケティングや、Eコマースのプラットフォームビジネスなど、これまで『ハンコヤドットコム』で培ってきたノウハウや知見を生かし、お客様のEコマース事業のお役に立ちたいと考えています。またインターネットという特性を生かし、国内に限らず、海外へのビジネス展開も視野に入れています」海外向けのビジネス展開の1つは、日本と同じような印鑑・スタンプによる認証文化のある地域に国内と同様のビジネス展開をすること。もう1つは、認証文化のない地域で、“おみやげ”として販売するというビジネスだ。また、プラットフォームビジネスにおいては、「ECサイトに“おもてなしの心”を組み込んだ先進的なプラットフォーム」を目指しているという。では、ECサイトにおける“おもてなしの心”とは何か。それは、サイトを訪れるお客様に最善の“顧客体験”を提供することに他ならない。そのために必要になるが、お客様ニーズに俊敏に対応できるスピーディーな開発体制であり、柔軟性のあるIT基盤だ。そうしたスピーディーな開発体制と柔軟なIT基盤を持つ先進的なプラットフォームを目指して、今回、社内システムの再構築を決定。商品管理、製造フロー、外注フロー、出荷フローなどの業務プロセスをクラウド型データベース「kintone」上に構築し、基幹システムや周辺システムとの連携を、データ連携ツール「DataSpider Servista」で行う社内システムを実現した。○スクラム開発で、満足度の高いシステムをスピーディーに開発これまでAmidAでは、スクラッチ開発でシステムを構築してきた。堺氏は、スクラッチ開発は自由度が高いというメリットがあるものの、次のような課題があると話す。「スクラッチ開発は、開発期間が長期にわたってしまいます。また稼働後の改修・追加が必要になると、その対応に時間がかかってしまいます。今日のようにビジネス環境の変化が激しく、システム変更のニーズにスピーディーに対応できるようにするには、スクラッチ開発では限界があります」また大田氏は、これからの時代に求められる開発手法を、粘土細工とレゴブロックの例で説明してくれた。「これまでは、自由度は高いが時間がかかる粘土細工のようなシステム開発が主流でしたが、現在は、短期間で完成できるレゴブロックを組み合わせるような開発方法が主流です。そうは言っても、エンドユーザーの皆様にご満足頂けるサービスを提供するためには、きめ細やかな対応も必要になるため、AmidAでは、基本的な部分はレゴブロックで組み上げ、細かい部分は粘土で細工する、というようにミドルウェアとスクラッチ開発の良い部分を柔軟に取り入れながら開発を進めています」こうした考えのもと、AmidAでは、アジャイル開発手法の1つである「スクラム」による開発体制を採用した。そうすることで、チーム全員がうまく連携し、満足度の高いシステムをスピーディーに開発できるようになる。そして、そのIT基盤として選ばれたのが、クラウド上でアプリケーションを自由に作成できるkintone と、全てのデータの“ハブ”として機能するDataSpider Servistaだった。○実現できる機能とスピード感のバランスを評価AmidAが構築している業務システムは、①販売用ECサイト、つまり、エンドユーザーが商品を注文するための「インタフェース部分」、②受注から出荷までの社内業務をサポートする「バックヤードシステム」、③経営に関わる数字を管理する「基幹システム」の3階層で実現されている。このうち、バックヤードシステムの部分をkintone上で構築し、基幹システムや周辺システムとDataSpider Servistaで連携した。2014年10月より検討を開始し、12月よりシステム構築に着手。翌年1月からは、「出荷フロー」「製造フロー」「外注フロー」を順次リリースした上で改善を重ね、検討からわずか3ヵ月という短期間でサービスインを実現した。このスピード感、システムを拡張していく際の柔軟性こそが、AmidAが求めていたIT基盤だったと言えるだろう。大田氏は、DataSpider Servistaとkintoneの組み合わせを採用した理由を次のように語る。「DataSpider Servistaは、専用のアダプタを利用することでkintoneと容易に連携でき、データ接続をするためだけの余分なシステム開発に時間を割く必要がありません。その分、“お客様のためのサービス向上”という最も重要な部分に注力できるのが大きなメリットであり、導入を決めた最大の理由でした」また堺氏は、実際にシステムを開発・管理する立場から、「DataSpider Servistaとkintoneの組み合わせにより実現できる機能と、スピード感とのバランスが優れていることを評価しました。また、システム開発者の視点で見たときの使いやすさが優れていることも理由の1つでした」と評価する。○業務の自動化によって手作業がゼロに顧客サービスの向上に集中できるDataSpider Servistaとkintoneによる新システムにより、これまで手作業で行っていた業務が少しずつだが、着実に自動化できてきている。大田氏はビジネス面での効果を次のように語る。「DataSpider Servistaで各システムを連携できたことにより、これまで手作業で行っていた業務の自動化が加速しています。業務によっては、手作業の時間がほぼゼロになり、現場リーダーの管理業務の負荷も大きく軽減されました。その分、よりお客様サービスの向上に集中できるようになりました。」たとえば、今まではできなかった拠点間でのデータ連携を実現したことで、2人で4時間かかっていた受注データの振分作業が自動化された上、出荷処理が同時にできない不都合も解消した。また、拠点間での情報共有もスムーズになった。製造・外注フローシステムでは、合計約4時間ほどかかっていたデータの振分作業を自動化している。システム面での効果について、堺氏は、「DataSpider Servistaは、直感的に使える高い操作性により、開発・生産性を大幅に向上できます。これにより現場の要望をすぐに実装できる俊敏性を得ることができました。またアプレッソさんや、サイボウズさんのサポートで、事前にシステム構築の青写真を描くことができていたので、安心してシステム構築に望めました」と話す。今後の展開について大田氏は、「今回のシステム構築は、単に社内シテムの最適化というだけでなく、当社の新しい事業領域であるプラットフォームビジネスの展開という面でも大きな意味がありました。今後の強化ポイントは、より一層の“スピード化”であり、お客様の顧客体験をさらに向上させることです。アプレッソさんのサポートには、これからも大きな期待を寄せています」と話している。AmidAのプラットフォームビジネスへのチャレンジ――「“おもてなしの心”を組み込んだ先進的なプラットフォーム」がどのように進展していくのか、今後も目が離すことができない。
2015年06月19日PEZY Computingは6月5日、ExaScalerの第2世代液浸冷却専用HPCシステム向けに最適化した演算処理システムの最小構成モデルを開発し、液浸冷却環境下での初期動作の確認に成功したと発表した。今回開発された演算処理システムは、Intel Xeon E5-2600 v3シリーズのプロセッサ1個を搭載した専用の「Xeon Module」1枚と、1024コアのMIMD型メニーコアプロセッサ「PEZY-SC」にDDR4メモリを接続し、PCI Express Gen3を32レーン接続可能とした「PEZY-SC Module」4枚を、マザーボード機能を集約した専用の「Carrier Board」に2セット組み付けて、さらに専用の56Gbit InfiniBandアダプタカード 2枚と1,200WのPSU(Power Supply Unit)を1台組み付けた「IF Board」を上下方向に組み合わせた構成を採用しており、多数のPCB基板をコネクタで積層した、細長い直方体形状を採用したものとなっている。また、マザーボードへの電源供給のためのケーブルなどは、冷媒の効率的な循環を阻害する要因となっていたことから、新たに基板内の配線とネジおよびスペーサーを用いた給電手法を開発、採用することで、多積層構造ながら、完全なケーブルレス構成を実現したという。さらにPEZY-SCそのものも従来のエンジニアリングサンプル品から、量産前段階品に変更したことによる動作周波数の引き上げがなされており、従来品と比べてXeonプロセッサの変更やInfinibandの帯域を2倍に向上したことなどと併せて、ノードあたりの性能は6305.61GFlopsから6669.12GFlopsへと引き上げられたほか、平均消費電力性能も5107.06MFlops/Wから5323.06MFlops/Wへと向上が図られたとする。なお同社では、本来は4枚の「PEZY-SC Module」間での 1対3の双方向プロセッサ間通信を実現する計画であったが、今回のタイミングでは実現が叶わず、「ExaScaler-1.5」としての完成は次のタイミングに持ち越されることとなり、今回開発された最小構成システムを用いた第2世代の液浸冷却HPCシステムは、ExaScalerより「ExaScaler-1.4」として近日中にリリースされる予定だとしている。
2015年06月08日