意外と知らない社会的な問題について、ジャーナリストの堀潤さんが解説する「堀潤の社会のじかん」。今回のテーマは「ニュースとアンアン」。『anan』50周年を記念して、連載でイラストを担当してくださっている五月女ケイ子さんと一緒に国会議事堂見学へ行ってきました。国会議事堂見学に行ってきました!五月女:生きているうちに、国会議事堂に来られてよかったです(笑)。堀:ここで様々なことが決まります。でも、本当に物事が動くのは控室や廊下のほう(笑)。議場は、事前に提出した議案に対して用意していた答弁を読み上げる、いわば「セレモニー」のようなものですからね。五月女:そうなんですか!?それはちょっと悲しい。その場で思いついたことは話しちゃいけないんですか?堀:無責任な発言はできないので、仕方ないですよね。大臣の読む答弁書を作るために、各省庁の官僚は国会が始まると毎日深夜まで働いています。五月女:事前に用意しているはずなのに失言が出るのはなぜ?政治家ってよく失言するイメージがあります(笑)。堀:(笑)。失言は、国会よりも、オフレコの会見や、支持者向けの講演会場で起きることが多いですね。五月女:普段、国会で我慢をしているぶん、支持者の前では気が緩んじゃうんですかね(笑)。「社会のじかん」で毎号イラストを描くようになって、政治の世界って意外に人間的なんだなと思うようになりました。堀:そうですよ!五月女:最初はTPPかPPTかもわからないくらい、時事に興味なかったけれど、堀さんのおかげで面白いと思うようになりました。国同士のいざこざも、家族や身近な社会と同じ、人間関係の縮図なんだなって。喧嘩したり仲直りしたり。喧嘩しているように見えて、世界に向けたアピールだったり。堀:外交は交渉術ですからね。五月女:前は、ニュースを聞くたびに、いちいち怖がっていたけれど…。堀:何もわからない暗闇にいると不安になりますが、全体の構造がわかると、不安も軽減しますよね。僕は『anan』では、普段のニュースでは届かないところに言葉を届けられている感触があります。報道の狭い世界にいると、どうしてもニュース好きの人にだけ向けてしまうところもあるので。五月女:わかります。ニュース番組はよくわからない単語の羅列で、「私には向けられてないんだな」と寂しい気持ちになることも(笑)。堀さんは、どのテーマでも中立で、良い面/悪い面、賛成派/反対派の両方を教えてくださるのがすごくいいなと思います。社会の出来事って、批判的な意見ばかりが聞こえてきて、私はそういうところが好きじゃなかったんです。堀:敵味方に分かれて撃ち合い、それに飽きたら、内輪で叩き合って何も成し遂げられないということは多々ありますね。本気で解決しようとすると、どちらの言い分もあるので簡単にはいきません。でも、僕は両方の意見を知りたいというのが、取材のモチベーションになっています。時代の変化に柔軟に。楽しいをモットーに50年。堀:『anan』は50周年だそうですが、時代ごとに若者もカルチャーも次々入れ替わるのに、先を読み変化し続けているところがすごいですね。五月女:50年って相当な重みですよね。堀:雑誌も年数を重ねると、作り手も一緒に年を取るので、意識していないと若い読者とのギャップに気づけなくなると思います。「社会のじかん」も、上から目線ではなく、僕の経験から知ることを参考までにシェアします、くらいのスタンスでいたいですね。五月女:『anan』は「こうしなさい!」という、高圧的なところがない。そこが、私には居心地がいいです。堀:権威にならないようにしているのでしょうね。国際貢献などの記事をさらりと取り上げてみたり、ニュース解説も、「効率良く生きるための武器としての教養」ではなく、「役に立つかはわからないけど、考えてみると面白いんじゃない?」という軽やかな印象。五月女:根本に、「楽しいこと、面白いことをいちばん最初に見つけて伝えたい!」という姿勢がある気がします。私は、「たかが一票で社会なんか変わらない」と思っていたタイプなんですけど、この連載に関わるようになって、自分のできることをやってみたり、考えたりすることが、社会につながっていくんだなあと思うようになりました。堀:どんな問題も、たどっていくと自分の生活につながります。この連載が、少しでも何かを考えるきっかけになる、楽しい場でいられたらと思います。堀 潤ジャーナリスト。元NHKアナウンサー。市民ニュースサイト「8bitNews」代表。「GARDEN」CEO。映画『わたしは分断を許さない』(監督・撮影・編集・ナレーション)が3/7公開に。五月女ケイ子イラストレーター。楽しいグッズが買える「五月女百貨店」が評判。エッセイ『親バカ本』、作品集『五月女ケイ子ランド』も発売中。LINEスタンプも好評!※『anan』2020年3月11日号より。写真・大澤千尋題字&イラスト・五月女ケイ子取材、文・黒瀬朋子(by anan編集部)
2020年03月05日俳優としてだけでなく音楽アーティストとしても活躍する星野源。星野さん初のワールドツアーの模様に迫る特別番組「星野源スペシャル ~ワールドツアー ライブ&インタビュー~」が、2月15日(土)NHK総合でオンエアされる。大ブームとなった「逃げるは恥だが役に立つ」に大河ドラマ「真田丸」などで俳優としての顔を見せる一方、昨年も大ヒットアルバム「POP VIRUS」を携え開催された5大ドームツアーに全楽曲ストリーミング解禁、国内外のアーティストとのコラボレーションで注目を集めたEP「Same Thing」をリリース。4年連続で出場した「紅白」では同曲を披露するなどアーティストとしても国内トップクラスの人気を誇る星野さん。今回の特番では星野さんが上海、ニューヨーク、横浜、台北と4都市を巡った初のワールドツアー「POP VIRUS World Tour」の模様をダイジェストで紹介しつつ、ツアー後の星野さんにロングインタビューを敢行。ツアーをふり返っていく。さらに、2014年に全世界で大ヒットを記録した「アップタウン・ファンク feat.ブルーノ・マーズ」や、作曲で参加した「シャロウ~『アリー/スター誕生』愛のうた」ではレディー・ガガらとともにアカデミー賞歌曲賞を受賞するなど、現代を代表する音楽プロデューサー・DJのひとりであるマーク・ロンソンが横浜公演に登場。「Week End」で星野さんとコラボした映像もオンエア。マークさんは2018年に星野さんとダブルヘッドライナーでライブを行って以来、交流を続けてきた。今回の星野さんのワールドツアーでも横浜公演にダブルヘッドライナーとして出演。互いのステージにゲスト出演し初共演を果たした。今回マークさんは番組の単独インタビューにも答え、星野さんの音楽の魅力を語るほか、マークさんが星野さんの音楽活動に与えた影響など知られざるエピソードも明かされるという。またBS8Kでは同ツアーよりニューヨーク・SONY HALLでの公演の模様をオンエア。「Pop Virus」「アイデア」「恋」など代表曲をはじめ、「Superorganism」のオロノとのコラボレーションも話題となった「Same Thing」まで存分に見せていく。「星野源スペシャル ~ワールドツアー ライブ&インタビュー~」は2月15日(土)23時~NHK総合テレビでオンエア。「星野源 LIVE in New York」は2月29日(土)16時~、3月8日(日)15時~NHK BS8Kでオンエア。(笠緒)
2020年02月15日シンガー・ソングライターで俳優の星野源が1月28日、39歳の誕生日を迎えた。Twitterでは「星野源誕生祭」のハッシュタグがトレンド入りし、多くのファンが祝福している。日付が28日に変わって間もなく「星野源誕生祭」がトレンド入り。日本エリアでは、トレンド2位まで上昇。さらに、Twitterがおすすめするトピックにも『1月28日は星野源さんの誕生日ファンからお祝いメッセージ』として取り上げられた。ファンたちは、ほかにも「星野源誕生祭2020」「星野源」のハッシュタグをつけ、《誕生日10分後にトレンド入りは強すぎるぞ》《生まれてくれて本当に感謝!》《星野さんの音楽が大好きです!》《お誕生日おめでとうございます》と祝福。自作のイラストや、似顔絵がデコレーションされているバースデーケーキの画像を投稿している。
2020年01月28日意外と知らない社会的な問題について、ジャーナリストの堀潤さんが解説する「堀潤の社会のじかん」。今回のテーマは「民主主義の歪(ひず)み」です。歪みが生まれたもとにあるのは、果てなき欲望。香港をはじめ、世界中で政府に抗議をするデモが行われています。フランスの黄色いベスト運動は1年以上続いていますし、南米チリでは地下鉄の値上げを発端に、抗議運動が暴徒化しました。昨年、ベルリンの壁崩壊から30年がたちましたが、せっかく自由を得たというのに、旧東欧諸国には民主主義を否定する声も上がっています。なぜ、民主主義にこのような歪みが生じてしまったのか。理由のひとつには、グローバル化により、世界における経済の回る速度がものすごく速くなったことが挙げられるでしょう。ベルリンの壁崩壊のころに比べ、金融の仕組みも変わり、インターネットを使ったサービス、流通網が世界に広がりました。人も情報もお金もスピードを増して行き交います。そんななか、多くの民の意見をぶつけあいながら物事を地道に進めていく民主主義は、決定までに時間がかかる。それよりも強い決断力を持つ国家元首の存在が、国民生活の向上には必要だという空気を生み、アメリカンファーストのトランプ大統領や、EUからの離脱を目指す英国のボリス・ジョンソン首相が生まれ、中国の習近平国家主席やロシアのプーチン大統領が盤石の体制を築きました。しかし、それはあくまで経済発展を基準にした価値観です。独裁的なトップのスピーディな決定により、開発のために個人の土地が強制的に奪われるようなことが、カンボジアやアフリカや南米で起きています。個人の尊厳に価値を置いて世界を見渡せば、個人が国家に弾圧されている状態。それは、民主主義が欲望に耐えられなかった結果なのだと思います。賃金格差が広がり、教育格差が固定されてしまうと、階層社会の下層に追いやられてしまった人は、這い上がることができなくなります。生活の安定を求めて共産主義的なものを求める貧困層と、資本を持ち、大きな力で帝国を築こうとする国家主義がぶつかりあう。これは、第一次世界大戦、第二次世界大戦の始まるころの構図とよく似ているのです。いま個人に最も必要なのは、自分の尊厳を維持できるかどうか。「仕方がない」と魂を売らずに、誇りを持って自分を大切にしてほしいなと思います。ジャーナリスト。元NHKアナウンサー。市民ニュースサイト「8bitNews」代表。映画『わたしは分断を許さない』(監督・撮影・編集・ナレーション)が3月7日公開。※『anan』2020年1月22日号より。写真・中島慶子イラスト・五月女ケイ子文・黒瀬朋子(by anan編集部)
2020年01月15日タレントの堀ちえみ(52)が1月7日、「徹子の部屋」(テレビ朝日系)に登場した。昨年2月に舌がんの手術を受けた堀にとって、復帰後初となるテレビ出演。その奇跡の復活に司会・黒柳徹子(86)も思わず涙ぐんでいた。黒柳は冒頭で「お帰りなさい!」と堀を迎え入れると、涙を堪えながら「よかったね、元気でね」と口にした。「大変でしたけど、無事戻ってきました」と話した堀は、舌の6割以上を切除したため話し方がたどたどしくなっていた。しかし、黒柳は「これは堀さんの個性」と言葉をかけていた。また番組では闘病のさなか、黒柳から手紙をもらったという堀が涙を流しながら「素敵なお手紙を頂きまして、すごく心の支えになって……」と感謝するシーンも。さらに今後の目標について訊ねられると「2年後にデビュー40周年になるんで、そのときにはライブができるようになれば」と意気込んでいた。手術から1年も経たないうちに復帰し、「病気に負けないということをお伝えしたくて」とも話した堀。その姿は大きな話題となり、Twitterでは「堀ちえみ」「徹子の部屋」といった関連ワードがトレンド入りを果たした。さらに、過酷な試練を乗り越えた堀の姿に感動したという声が上がっている。《ステージ4のがんだからボロボロになると思ってたら、がんになる前と変わらない顔立ちで嬉しかった。堀さんも、医療の進歩は進んでるって言ってたし、完全復活してほしい》《舌がんから復帰した堀ちえみさんの肉声を聞いて涙が出た。ここまでくるのにどれだけの苦難があったろうか。想像を絶する。並大抵なことではないと思う》《また歌が歌いたいという強い決意。涙が止まりません》番組で「お聞き苦しい点もたくさんあったと思いますけれども……」と申し訳なさそうにしていた堀。しかし、30分弱の番組でトークできるようになるまでには大変な努力があったようだ。昨年3月、静岡県立静岡がんセンターリハビリテーション科の言語聴覚士・神田亨さんは本誌で堀のように舌を6割ほど切除し再建手術後も行った後の患者のリハビリについて「『食事』と『発音』の訓練が必要」とコメント。続けて、こう明かしていた。「『食事』は、食べること自体がリハビリです。たとえ歯が全部あっても、舌がないと咀嚼できません。まず、とろみのついた水やどろどろとしたミキサー食をのみ込む訓練を行います。そこから徐々に粒のあるものへと移行していきます。『発音』は、構音訓練というリハビリを行います。舌は再建しても自由に動かせないので、『た』や『か』などの音が発音しづらくなる場合があります。まずはそうした出にくい音が入った文章を音読したりすることになります」以前は普通にできていたことを、こうした訓練によって地道に取り戻していかなければならないという。そんな自身のことだけでも手一杯であるはずの堀だが手術の1ヵ月後から、82歳になる義母の介護に奔走する“病老介護”の日々も送っていた。「堀さんは“おおまま”と呼ぶほどお義母さんのことを慕っており、連日診察に付き添っていました。お義母さんは『1人で大丈夫だから』と断ったそうですが、『心配だから』と堀さんは自ら率先して介護を行なっていたようです。お義母さんの自宅の近くに住んでいるとはいえ、頻繁に行き来もしていました。お義母さんは堀さんの最も尊敬する女性であり、さらに堀さんが手術を受ける際にも付き添ってくれた。その感謝の気持ちが介護の原動力だったようです」(堀の知人)ときに共倒れにもなりかねない病老介護を経験しながらも、見事復活した堀。番組の終盤では「ガンは素晴らしいことを教えてくれた。生きててよかったって心から思います」と語り、その笑顔は輝いていた――。
2020年01月07日意外と知らない社会的な問題について、ジャーナリストの堀潤さんが解説する「堀潤の社会のじかん」。今回のテーマは「日本人の英語力」です。国費を投じても、グローバルな人材を育成すべきです。2020年度から始まる大学入学共通テストで活用される予定だった、英語民間試験の導入が延期になりました。従来の試験では「読む・聞く」能力を問いますが、実践的な英語を身につけるには、「読む・聞く・話す・書く」が必須。この4技能を測るテストを一から作るには技術もコストもかかるため、7種類の民間試験の導入が提案されていました。しかし、受験生の家庭の経済力や、都市部と地方でも受験機会に差が出て、公平性に欠けると問題になり、延期が決まりました。スイスの国際語学教育機関の調べによると、日本の英語力は非英語圏の中では100か国中53位。中国や韓国を大きく下回り、‘18年より4位順位を下げています。日本の英語教育が遅れたのは、日本語だけで事足りる、非グローバル社会だったからだと思います。かつて日本が一流の消費国だった時代は、貿易が盛んでした。しかし、経済が下降し日本は世界から、商売相手として認められなくなりました。かつての日本は長い間、人件費の高い国でしたが、今は円安政策を行っており、人件費も物価も安くなっています。今後、世界の労働産業で、日本は使う側から、使われる側に回らざるを得なくなるでしょう。今、日本人にとって英語教育はとても重要なのに、英語民間試験の問題が起きました。国策にグローバル感覚がないことが明らかになったと思います。国力の低下を正面から受け止められず、格差の現状から目をそらし、一部の業界への利益誘導に終始した結果です。本来ならば、海外で勉強したい学生は、国費を投入してでもどんどん送り出していくべきなのだと思います。そうして、海外との競争力をつけ、日本市場以外でも生きていける日本人を育てることが、多くの問題を抱える日本の打開策でもあり、国の役割なんじゃないかと思います。英語はあくまでコミュニケーションツール。日本人は発音や文法の正確さにこだわりますが、移民の多いアメリカなどでは、訛りや誤りなど気にせず自由に話しています。語学力以上に問われるのが自分の意見です。考えを言語化して伝える習慣を、まずは日本語でつける教育改革が必要でしょう。堀潤ジャーナリスト。元NHKアナウンサー。市民ニュースサイト「8bitNews」代表。映画『わたしは分断を許さない』(監督・撮影・編集・ナレーション)が’20年3月7日公開。※『anan』2019年1月1日-8日合併号より。写真・中島慶子イラスト・五月女ケイ子文・黒瀬朋子(by anan編集部)
2020年01月06日日々のニュースや暮らしのなかで、ふと気になることをジャーナリストの堀潤さんにあれこれ聞いてみました!Q. 「結婚=幸せ」とは限りませんが、未婚者が増えることで、社会はどのように変わっていくのでしょうか?(30歳・ライター)A. 基本的には変わらない。少子化対策のために制度変更は必要でしょう。未婚者の増加により社会が変わるということはないと思います。統計によると、結婚しない主な理由は、結婚に興味がないというより、経済面など、結婚後の生活不安からメリットが感じられないためのようですね。ただ、本気で少子化対策を打つのであれば、里親制度を充実させて、同性婚カップルや未婚であっても子供が育てられる社会にしたほうがいいのではないでしょうか。これだけ子供の虐待件数が減らないのは、既存の家族制度に何か無理があるのだと思います。「未(いま)(だ)」婚と書くくらい、結婚することを前提にした家族構成の社会づくりは少々寂しい気がします。Q. 東京五輪が始まっても、都内の交通網はパンクしないのでしょうか?いままで通り通勤できるか不安です。(28歳・会社員)A. 大混雑します。国は休暇取得かテレワークを推奨しています。2020年、国は五輪開会式の前後を4連休、閉会式の前後を3連休にしました。また、五輪期間中は会社を休みにするようにも推進しています。予想来訪者は、選手1万1000人、観客780万人、メディア関係者2万5000人。選手やメディア関係者が1日5万~6万台の車を利用。780万人(パラリンピックと合わせて、約1000万人)の観客が鉄道を利用すると予想されています。ラグビーW杯のときが180万人なので、桁違いですね。交通量を減らすために、企業には、休暇の取得と従業員の50%をテレワークにするよう推奨。普通の通勤はできなそうですし、物流にも影響が出そうです。Q. ネットで見かける情報について正しい情報なのか判断がつきません。堀さんはどういうふうにデータを読み解きますか?(32歳・主婦)A. 自分で見聞きしたもの以外の情報は、すべて疑ってかかりましょう。基本的に、すべての情報を「本当かな?」と疑ってかかったほうがよいと思います。どのような意図、仕掛けで発信しているかはわかりません。参考までに僕も読みますが、真実とは限らないと思っています。先日「若い世代でテレビ離れ進む約1割『見ていない』」という時事通信の世論調査の記事を読みました。テレビ離れが進むと言いつつ、9割は見ているんです。このようにタイトルのつけ方次第でバイアスがかかり、違う印象を受けます。アンケートなども、設問の仕方で結果は異なる。インターネットでは出どころ不明な情報がいくらでも仕掛けられますから、注意が必要です。Q. ふるさと納税をしたいのですが、こんなに災害が多いと自分の自治体に納税しないのは被災時に困りませんか?(29歳・PR)A. 災害で大被害を受けるのは地方。自分の住む地域と同じように考えたいですね。世田谷区や杉並区はふるさと納税の制度により、税収が減って困っていると声かけをしています。ただ、もともと東京に税収が集中しているのを分散させようと始まった制度なので、それは東京目線の意見かなと思います。災害が起きて、圧倒的な被害を被るのは地方です。地方は日本の生命線。農業にしても水源にしても、首都圏の暮らしは地方に支えられています。また、自治体同士で災害時応援協定を結んでいますから、災害被害に遭えば、遭わなかった地域が助けてくれます。困ったときにはお互いさま。自分の地域だけでなく、広い視野で考えていただけたらなと思います。堀 潤さんジャーナリスト。市民ニュースサイト「8bitNews」主宰。シリア、朝鮮半島、香港、沖縄などを取材した映画『わたしは分断を許さない』が3月7日に全国公開。※『anan』2020年1月1日‐8日合併号より。写真・小笠原真紀イラスト・五月女ケイ子取材、文・黒瀬朋子(by anan編集部)
2020年01月05日意外と知らない社会的な問題について、ジャーナリストの堀潤さんが解説する「堀潤の社会のじかん」。今回はスペシャル版として、堀潤さんが“異常気象”についてイラストレーター・五月女ケイ子さんにレクチャー!想定外の異常気象は今後も起こるでしょう。10年後の気象変動を抑える行動を。五月女:2019年は台風15号や19号があり、大きな被害も出て怖かったです。台風の進路が昔と変わったんですか?堀:そうなんです。気温や海水温の上昇で、最近の台風は勢いを失わないまま本州を直撃するようになりました。千葉など、被害を受けた地域の停電があれほど長引くとは想像していませんでしたよね。五月女:今後、住むところも考えないといけないなと思いました。あの時期、たまたま小学生の娘の学校の授業の一環で、1970年代に起きた多摩川の狛江水害のことを調べていたんです。また、私は2005年の集中豪雨で事務所のマンションの1階が浸水した経験もしていたので、少し覚悟ができていたのかな?と思います。堀:知識や経験を持っていると対処しやすいというのはありますね。どの災害現場に行っても、みなさん「まさか自分が被災者になるとは」とおっしゃいます。避難指示が出ていても、なかなか避難所に行こうとしない。それは災害を経験していないからなんです。正常性バイアスがかかり、大丈夫だと思い込んでしまう。強度のストレスから脳が情報をシャットダウンして、サイレンの音が聞こえなくなってしまうこともあるそうです。五月女:それは怖い…。堀:渦中にいると、正しい判断ができなくなる可能性があることは知っておいたほうがいいですね。五月女:警報も、あまり頻繁に鳴ると、慣れてしまいそうです。堀:今年は「数十年に一度」といわれる大雨警報が毎日のように出ました。気象庁にとっても想定外の出来事。今後も未体験の異常気象が起き得るでしょうから、お役所の言うことに従っていれば大丈夫、とは限らないと思います。五月女:100年単位くらい、長い目で対策を考えることもきっと必要なんでしょうね?堀:はい。都市に人が集中しすぎなのも問題だと思います。都市に人が集まるほど、地方が犠牲になってしまう。2019年の台風も、多摩川は氾濫しましたが、利根川や荒川はギリギリのところで止まりました。それだけ自治体が東京23区を守ろうと事前に投資していたからです。ところが、インフラ投資がなされていない東北や北関東は毎回水害被害が出てしまう。消費者の価値観が変われば、企業も環境対策を積極的に。堀:気候変動は、10~20年前といまを比較すると実感できます。異常気象の原因は諸説ありますが、地球温暖化も大きな要因の一つ。しかし、グレタ・トゥーンベリさんが国連で泣きながら温暖化対策を訴えても、トランプ大統領は冷ややかなコメントをするなど、産業の敵のように捉えています。でも、放置していたら、本当に手遅れになってしまいます。五月女:私たちはどうしたらいいんですか?堀:環境を破壊しているのは圧倒的に企業活動。ビジネスの世界では、環境や人権を脅かす企業には出資しないというESG投資が出てきています。個人では、フェアトレード商品や、生産から消費までの物流の流通経路が追跡できるものを選ぶといいでしょう。五月女:「さんが作った××」と顔写真入りで売られているお米や野菜みたいなものですか?堀:はい。すると自然と近くで生産されているものになり、配送にかかるCO2排出も減らせるかもしれません。いままでは環境よりも安さが優先されていました。でも、私たち消費者が、環境を考えた生産者のものを積極的に選ぶようになれば、企業も環境を考えざるを得なくなります。それと脱プラスチックですね。マイバッグやマイタンブラー、マイストローを持ち歩くとか。五月女:マイストロー?堀:シリコン製でハサミで切れるので、好きな長さに調節できます。洗うのが面倒くさいという意見はありますが、そもそも「面倒」という思いが、効率・合理主義を加速させるすべての元凶でしょう?五月女:そうだ!その通りです。堀:これからは「手間のかかることにこそ価値がある」と思えるようになるといいですね。その価値観が多数派になれば社会は一気に変わると思います。堀 潤さんジャーナリスト。市民ニュースサイト「8bitNews」主宰。シリア、朝鮮半島、香港、沖縄などを取材した映画『わたしは分断を許さない』が3月7日に全国公開。五月女ケイ子さんイラストレーター。オンラインストア「五月女百貨店」では、新年にふさわしいおめでたいアイテムを多数とりそろえ。作品集『五月女ケイ子 ランド』が好評発売中。※『anan』2020年1月1日‐8日合併号より。写真・小笠原真紀イラスト・五月女ケイ子取材、文・黒瀬朋子(by anan編集部)
2020年01月03日意外と知らない社会的な問題について、ジャーナリストの堀潤さんが解説する「堀潤の社会のじかん」。そのスペシャル版として今回は、堀潤さんが“多様化する社会”について解説!イラストレーター・五月女ケイ子さんの疑問に答えます!「みんな仲良く一緒に」というのは夢物語。違いを尊重し、分断しないあり方を。堀:多様性やダイバーシティという言葉が浸透して、いまは次の段階にきている気がします。当初は「国籍やジェンダーなど違う者同士、手を取り合おう」という、キラキラした共存体制を思い描いていたと思うんです。しかし、お互いの違いが明確になるにつれ、摩擦が積み重なり、「よくわからないから距離を置こう」「私とは違うから関わるのはやめておこう」と、表面的には秩序を保っていても、内実は分断が起き始めているように思います。五月女:え!そうなんですか。堀:SNSなどでも、「賛成」「反対」と二極化して、価値観の多様性は受け入れられにくいですよね。五月女:出来事に対して、みんな感情的になりすぎなのでは?とちょっと思いますね。堀:問題は、違う考えの人とどう付き合っていくか。五月女:距離感なのかな。ママ友は距離感が大事です!(笑)堀:そうなんですね(笑)。ただ、「理解できない人とは関わらない」というふうになってしまうと、多様性が進むにつれ無関心が増えてしまいます。五月女:身近な人だったら、関心を持って考えられるんですけど。堀:いいポイントです。大きな主語より、小さな主語を使うことが大事なんですよね。分断や排斥には必ず大きな主語がつきまとう。「日本人は~」「女性は~」と大きく括るから衝突します。実際にはいろんな人がいるので、一括りにはできません。五月女:相手を知る、というのも大事ですよね?先日近所で、パラリンピック関連のイベントがあって、スポーツ義足を装着する体験をさせてもらったんです。想像していたよりずっと重くて立ち上がれない。義足を操るのにすごい筋力が必要なのだとわかりました。パラアスリートの方ともお話ができて、娘にもいい体験でした。マジョリティというだけで脅威になるという自覚を。堀:一般に、新しいもの、知らないものに対しては恐怖が先立って、保守的な選択をしがちなのだそうです。違いを知るには勇気がいる。五月女:私はお酒があんまり飲めないのですが、飲む人たちからの「飲まないの?」という声にいつも圧を感じています(笑)。みんながビールを頼むなか、勇気を出してノンアルコールを頼みます。堀:マジョリティの意見は本人の気づかないところで脅威になりやすいんですよね。この数か月、僕は香港を取材していますが、これまでの香港区議会では民主派は2割と少数派でした。ところが11月の選挙で8割以上に。すると、それまでデモ隊を強く弾圧していた警官が、自分たちがマイノリティに変わったとわかった途端におびえ始めたんです。五月女:立場が逆転したんですね。堀:多様性といっても、何もせずに「対等」はありえない。そのことは自覚しておいたほうがいいでしょう。日本では、これまでは会社員がマジョリティでしたが、2020年以降、雇用の流動が進めば、フリーランスが多数派に変わるかもしれません。家族の形も変化して、いまは夫婦別姓に反対する保守派がマジョリティですが、選択的夫婦別姓の議案が再び持ち上がるかもしれません。五月女:フリーランスの私は、常にマイノリティの意識でいました。でも、マジョリティに変わったら威張ってしまうんでしょうか?堀:マジョリティがマイノリティにすり替わったとき、マジョリティだった人たちは防衛本能から「(立場を)奪われた」という意識になり、嫌悪や暴力につながることはよく起きます。欧米で移民政策に反対する人たちにもそういう意識があったと思いますね。五月女:複雑なんですね…。堀:だから、「みんな違うんだから仲良くしよう」という多様性の声かけは失敗します。そんな簡単じゃない。知らない者同士、恐る恐る近づいて、ストレスのかからない付き合い方を模索するしかない。いつも一緒でなくていいと思います。多様性のある社会とは、全員が手をにぎり合う状態ではなく、普段はそれぞれの世界があり、何かのときに協力し合うというのが理想じゃないでしょうか。堀 潤さんジャーナリスト。市民ニュースサイト「8bitNews」主宰。シリア、朝鮮半島、香港、沖縄などを取材した映画『わたしは分断を許さない』が3月7日に全国公開。五月女ケイ子さんイラストレーター。オンラインストア「五月女百貨店」では、新年にふさわしいおめでたいアイテムを多数とりそろえ。作品集『五月女ケイ子 ランド』が好評発売中。※『anan』2020年1月1日‐8日合併号より。写真・小笠原真紀イラスト・五月女ケイ子取材、文・黒瀬朋子(by anan編集部)
2020年01月01日意外と知らない社会的な問題について、ジャーナリストの堀潤さんが解説する「堀潤の社会のじかん」。今回はスペシャル版として、イラストレーター・五月女ケイ子さんが堀潤さんに“経済・お金”についてレクチャーを受けました!東京五輪景気に期待!その後の落ち込みに警戒を。堀:お金に関することでは、老後の資金問題が大きなニュースになりました。金融庁の報告書にあった、「年金だけでは約2000万円不足する」という話だけが先行してしまい、年金制度に批判が殺到してしまったのですが…。五月女:老後にどれくらいお金が必要かわからなかったので、そういう話が聞けて私はよかったなーと思っていました。堀:あの報告書は実はよくできていて、将来お金が必要になるから、若いときから投資をするなど、お金を賢く増やそう、そのために金融教育にも力を入れようという提言がなされていたんです。投資と貯金の違いなど、ちゃんと教えてほしかったですよね(笑)。五月女:教えてほしかったです!投資とか全くわからなくて。儲かるんですか?堀:投資は、例えば証券会社にお金を預け、彼らが今後成長しそうな企業や国に投資をして運用利益を得るシステムです。途中、多少の上がり下がりがあっても、長期的には世界経済は成長し続けますから、ある程度は増えていきます。五月女:ちょっと博打みたいなイメージもある気が…。堀:「投資」という、お金を投げるみたいな言葉が良くないのでは、という意見も(笑)。日本は資本主義の国。投資、運用するという仕組みのなかで私たちは生きているのに、そういうことを教えてもらえる機会がなかった。「お金儲けは悪いこと」という思い込みがまだ残っているので、意識を変える必要があると思います。五月女:投資について勉強するには、どこへ行けばいいんですか?堀:基本的には証券会社や銀行の窓口です。いまは少額で始められるNISAやiDeCoなどの制度もできています。大手証券会社やメガバンク系であれば、ポートフォリオといって、いっぺんに全額失うような損をしないように、様々な商品を組み合わせて運用しているので安心です。いまは株取引にも人工知能が入ってますから、素人がFXを始めようとしても太刀打ちできないと思います。消費するだけではなく、生産する側にもなってみる。五月女:投資以外にしておくべきことは何かありますか?堀:「自分の手で何かを生み出してみる」ことじゃないでしょうか。そうすれば、消費するだけの側ではなくなります。絵を描く、文章を書く、歌を歌う、雑貨を作る、何でも構いません。自分の趣味や得意なことをお金に換えてみる。いまはインターネットで個人のショッピングモールを開くことができますし、シェアリングエコノミーのインフラも整っています。五月女:私の若いときは、やりたいことがお金につながらなくて表現の世界から離れた人が大勢いました。でも、いまはいろんなところにチャンスがありそうですね。どこからがプロなのか、境界線がわからなくなったけど。堀:必ずしも生業にしなくていいと思います。月に1万でも、「ランチ代10日分、ちょっとしたアイデアで賄う」くらいの感覚でいいんじゃないでしょうか。市場に素人が増えるほど、プロの価値も高まり、再評価されています。五月女:2020年には東京五輪がありますが、オリンピックによって経済って変わるんですか?堀:オリンピックの経済効果は大きいですから、景気は良くなるでしょうね。ただ、五輪後は東京も人口減少が進みますし、景気には陰りが出てくると思います。五月女:わーそれは心配ですね。堀:でも、2025年には大阪・関西万博がありますし、2027年には東京(品川)―名古屋間のリニアモーターカーが開業。IR事業も積極的に計画を進めています。五月女:カジノですね!堀:いま大阪と横浜に開設の審議がなされています。ただ、いずれにせよ、「ハコ頼み」「イベント頼み」の景気刺激策にすぎません。自分の手でお金を作り出すことをしていかないと、いつか行き詰まると思います。例えばパラリンピックに向けて、各メーカーが選手の器具の技術開発を進めてきました。そういうものづくり精神を、2020年の東京オリパラから学んでいけたらいいですね。堀 潤さんジャーナリスト。市民ニュースサイト「8bitNews」主宰。シリア、朝鮮半島、香港、沖縄などを取材した映画『わたしは分断を許さない』が3月7日に全国公開。五月女ケイ子さんイラストレーター。オンラインストア「五月女百貨店」では、新年にふさわしいおめでたいアイテムを多数とりそろえ。作品集『五月女ケイ子 ランド』が好評発売中。※『anan』2020年1月1日‐8日合併号より。写真・小笠原真紀イラスト・五月女ケイ子取材、文・黒瀬朋子(by anan編集部)
2019年12月31日意外と知らない社会的な問題について、ジャーナリストの堀潤さんが解説する「堀潤の社会のじかん」。今回のテーマは「2019年を振り返る」です。グローバル化が進む一方で、分断は避けられず。今年、最も印象的だった出来事は令和への改元ではないでしょうか。生前退位により、これまでと違い、お祝いムードでしたし、これほど多くの式典に国民が参加できた改元はほかにありません。また、今年はラグビーのワールドカップや、野球の「WBSCプレミア12」など、国際的なスポーツイベントが日本で開催され、外国人サポーターの方が大勢訪れました。これまではグローバル化というと、日本人が海外に出て活躍することが主でしたが、日本にいながら様々な国の方々と交流が深まる「内なるグローバル化」がようやく進んだ印象です。これは、インバウンド政策により、ビザ要件を緩和し、外国人観光客を増やしたこと。そして、少子高齢化により労働者が不足し、コンビニでも居酒屋でも外国人の方が働くことが当たり前になってきたという背景があります。今年の4月には、改正出入国管理法が施行され、農業や建設、介護などの分野で、「特定技能」の在留資格を得ることもできるようになりました。外国人労働者の数はこれからますます増えていくでしょう。ただその一方で、台風や大雨が昨年に続いて多発し、外国人の方に災害報道が的確に伝わらないという問題も浮き彫りになりました。来年の東京オリンピックを控え、駅や電車などのアナウンス同様、報道でも多言語対応の必要性を強く感じます。政治に関することでは、安倍晋三総理の通算在任期間が、憲政史上最長になりました。しかし、豊かになったのはある特定の層のみで、不満や貧困、格差は広がりました。7月の参議院選挙で、「N国(NHKから国民を守る党)」や消費税廃止を謳った「れいわ新選組」のような、極論を主張する政党が想像以上に多くの支持を集めたのも、印象深い出来事でした。人々の不満が政治に直結していることが顕在化した一例だと思います。外交面では、北方領土や、北朝鮮問題は棚上げ状態。日韓関係は悪化したままで、日米貿易交渉も核心部分は先送りになっています。世界的に分断が進みつつあり、残念ながら、先行きは明るいとは言い難い状況なんですね。堀 潤ジャーナリスト。元NHKアナウンサー。市民ニュースサイト「8bitNews」代表。映画『わたしは分断を許さない』(監督・撮影・編集・ナレーション)が来年3月7日公開。※『anan』2019年12月25日号より。写真・中島慶子イラスト・五月女ケイ子文・黒瀬朋子(by anan編集部)
2019年12月20日吉田鋼太郎が演出を手掛ける彩の国シェイクスピア・シリーズ第36弾 『ジョン王』が2020年6月8日(月)より、彩の国さいたま芸術劇場 大ホールで上演。その後、7月には名古屋・御園座と大阪・梅田芸術劇場シアターでも公演を予定していたが、全公演中止となった。彩の国シェイクスピア・シリーズ完結までラスト2作彩の国さいたま芸術劇場を舞台に、シェイクスピア全37作を上演する企画として1998年にスタートした彩の国シェイクスピア・シリーズ。スタート以来、芸術監督・蜷川幸雄のもとで、大沢たかお、菅田将暉、藤原竜也、松坂桃李ら豪華俳優を主演に迎えて国内外に次々と話題作を発表してきた。2017年12月からは、シリーズ2代目芸術監督に俳優・吉田鋼太郎が就任。「アテネのタイモン」でシリーズが再開され、2019年2月に吉田の初演出作品「ヘンリー五世」が上演された。2020年2月には阿部寛主演『ヘンリー八世』の公開を控えており、完結まで残すところ2作品となっている。小栗旬主演、初の歴史劇挑戦へ2020年6月に上演となる第36弾は、英国史上最も悪評の高い王であろうジョンの治世の時代を描いた歴史劇『ジョン王』。今回は、女性の登場人物含めすべての役を男性キャストが演じる“オールメール”公演となり、吉田鋼太郎が、演出を引き続き務める。主演は、本シリーズ4作品目にして初の歴史劇への挑戦となる小栗旬。生命力とユーモアにあふれ世の中をシニカルに見つめる若者“私生児”フィリップ・ザ・バスタードを演じる。そして、タイトルロールのジョン王役は本シリーズ常連の横田栄司、ジョン王が敵対する“フランス王”役は演出も兼ねる吉田鋼太郎が務める。小栗旬は、今作への出演に際し、次のようにコメントした。「僕にとって演劇の師である鋼太郎さんから、 ついに演出を受けられるのが非常に嬉しいです。 シェイクスピアの膨大で美しいセリフを、 きちんとお客様に届けて物語を伝えられるように自分を見つめ直したいと思っています。今回僕が演じる"私生児"は、 このビジュアルのように王族達を見下すような皮肉屋ですが、 稽古場では鋼太郎さん、 横田さんたちと向き合ってシェイクスピア作品を演じるのに必要な演劇筋肉を、 鍛えていきたいと思っています。 」ストーリーイングランド王ジョン(横田栄司) の下へ、 先王リチャード1世の私生児だと名乗る男が現れる。 ジョンの母エリナー皇太后はその 私生児フィリップ(小栗旬) を親族と認め従えることを決める。そこへ フランス王フィリップ2世(吉田鋼太郎) からの使者がやってくる。 領地の引渡しと、 イングランド王位を正当な王位継承者であるアーサーに譲り、 領地を引き渡すよう、 要求しにきたのだ。 それを拒んだジョン王は、 私生児を従えてフランスと戦うために挙兵する。戦闘を開始した英仏両軍の互角の勝負の中、 私生児が両軍に戦闘地の市民への攻撃を提案、 一転して両軍は協力体制となるが、 今度は市民がイングランド王女とフランス皇太子の結婚を提案、 両国の和睦を促す。 賛同した両王のもと、 すぐに結婚式が行われるが、 今度はそこにローマ法王の大使パンダルフが現れ、 フランス王に対し、 キリスト教会と対立するジョン王との関係を絶つか、 ローマ法王の呪いを受けるかの選択を迫る。 悩んだ末にフランス王はジョン王と手を切ることを決意するが、 結果としてフランス軍は敗れてしまう。 両王の思惑が入り乱れる中、 事態は展開し――。【作品詳細】彩の国シェイクスピア・シリーズ第36弾 『ジョン王』■<中止>埼玉公演期間:2020年6月8日(月)~28日(日)会場:彩の国さいたま芸術劇場 大ホールTEL:0570-064-939(休館日を除く10:00~19:00)■<中止>名古屋公演日時:2020年7月3日(金)18:30、4日(土)12:30/17:30、5日(日)13:30、6日(月)12:30会場:御園座TEL:052-222-8222(10:00~18:00)■<中止>大阪公演日時:2020年7月10日(金)18:30、11日(土)12:30/17:30、12日(日)13:30、13日(月)13:30、14日(火)13:30/18:30、15日(水)休演、16日(木)18:30、17日(金)13:30、18日(土)12:30/17:30、19日(日)13:30、20日(月)12:30会場:梅田芸術劇場シアター・ドラマシティTEL:06-6377-3888(10:00~18:00)【チケット払い戻しについて】5月16日(土)に予定していたチケットの一般発売はなし。 各種先行販売で購入したチケット代金は払戻し対応となる。各公演の払い戻しの詳細については公式HPより確認。払い戻しの返金に時間がかかる場合あり。キャスト:小栗旬、横田栄司、中村京蔵、玉置玲央、白石隼也、植本純米、間宮啓行、廣田高志、塚本幸男、飯田邦博、二反田雅澄、菊田大輔、水口てつ、鈴木彰紀(※)、竪山隼太(※)、堀源起(※)、阿部丈二、山本直寛、續木淳平(※)、大西達之介、坂口舜、佐田 照/心瑛(Wキャスト)、吉田鋼太郎(※)はさいたまネクスト・シアター出演者スタッフ:作 :W.シェイクスピア翻訳:松岡和子演出:吉田鋼太郎(彩の国シェイクスピア・シリーズ芸術監督)【問い合わせ先】彩の国さいたま芸術劇場TEL:0570-064-939(休館日を除く10:00~19:00)
2019年10月10日意外と知らない社会的な問題について、ジャーナリストの堀潤さんが解説する「堀潤の社会のじかん」。今回のテーマは「幼児教育・保育の無償化」です。無償化が先か全入化が先か。親が働ける環境を。10月より消費税が10%となり、増えた税収は、未来への投資として、「幼児教育・保育の無償化」が始まることになりました。対象になるのは、すべての3~5歳児と、住民税非課税世帯の0~2歳児。認可外の保育施設やベビーシッターもこれに含まれます。歓迎すべきことですが、いくつか問題もあります。まず、保育所などに入っていない子供たちは対象外。都市部ではまだ、待機児童問題が根強くあり、入園を諦めていた家庭が、無償になるのならと、新たに申請が増える可能性があります。そのため、無償化よりも、全員が入園できるように、待機児童問題を先に解決するべきではないかという声もあがっています。ただ、全入化のために保育所の数を増やす、というのも容易にはいきません。なぜなら、今後子供の数は減っていきます。保育所を新設したものの、利用者が減り、将来、保育所が余ってしまう心配もあるからです。保育所設置の規制を緩和して、会社のなかに保育所を置く、「企業主導型保育」を増やす案もあります。しかし、満員電車に小さな子供を連れて通勤できるものでしょうか?最も不安視されているのは保育の質です。保育士の数は慢性的に不足しており、待遇もよくありません。数が足りていないと、保育士1人当たりの面倒をみる子供の数が多くなり、安心して預けることができません。これだけ働き方改革、一億総活躍が謳われるのであれば、安心して子供を預けられるよう、保育士の待遇や保育環境の改善をしっかりやらないといけないのではと問題提起もされています。長期的な計画になりますが、雇用の流動性を高めて、在宅ワークやワークシェアリングをもっと進め、働きながら、家で子供も育てられるようにする、というのも一つの解決策になるのかもしれません。子育ては日本の将来に関わる問題です。自分に子供がいる、いないにかかわらず、社会全体で子供を育てるという姿勢は必要だと思います。無理して保育所などに預けなくても、必死に働かなくても、安心して子供を産める、子育てだけはできる、そんな国であってほしいと思います。堀潤ジャーナリスト。NHKでアナウンサーとして活躍。2012年に市民ニュースサイト「8bitNews」を立ち上げる。9月、3つ目の新会社「わたしをことばにする研究所」を設立。※『anan』2019年10月9日号より。写真・中島慶子イラスト・五月女ケイ子文・黒瀬朋子(by anan編集部)
2019年10月07日意外と知らない社会的な問題について、ジャーナリストの堀潤さんが解説する「堀潤の社会のじかん」。今回のテーマは「8050問題」です。100万人以上の人がひきこもりになっている時代。ひきこもり状態が長期化し、50代のひきこもりの子供を80代前後の親が養い続ける事態が起きています。子供だけでなく、高齢になり、精神的・経済的に限界を迎えた親も孤立。これを称したのが「8050問題」です。5月に起きた川崎市登戸通り魔事件や、元官僚がひきこもりの息子を刺殺した練馬の事件をきっかけに、世間で広く注目されるようになりました。ひきこもりの定義は「自宅にひきこもり、社会参加をしない状態が6か月以上持続し、精神障がいが、その第一の原因とは考えにくいもの」です。ひきこもりは、2000年代から継続的に調査されていたのですが、調査対象が15~34歳だったため、若年層の問題のように捉えられていました。しかし、近年の調査で、中高年層のひきこもりの実態が明るみになり、2019年3月時点で、40~64歳の中高年のひきこもり人口は61万3000人。若年層も合わせると日本には100万人以上のひきこもりがいる計算になります。親が健在なうちは、50代の子供も働かなくても、実家暮らしで生活は成り立ちますが、将来、親が他界したあとが問題です。ひきこもりの支援団体の中には、「精神の問題だ」と、恫喝して強制的に外に連れ出し、立ち直らせようとするところもあります。しかし、そのやり方は当人の尊厳を傷つけますし、間違った行為だと思います。いまの社会慣習の枠に無理やり当てはめることは正しい解決法とは思えません。もう一つ大きな問題は、5月の事件もそうですが、報道で「加害者はひきこもりでした」「8050問題です」と言われることで、ひきこもりが犯罪者の予備軍かのようなレッテルを貼られてしまうことです。そのことが余計に、ひきこもりやその家族を孤立化させ、問題を深刻化させてしまいます。家から出なくても、オンライン上で仕事をしたり、社会活動に参加できるかもしれません。また、定義からすれば、職場になじめず退職し、半年ほど実家で休養するうちに働く気力がなくなり家にこもった状態にある人も、「ひきこもり」になります。本人の自覚がなくても、多くの人がひきこもりになり得る時代になってきているんです。ジャーナリスト。NHKでアナウンサーとして活躍。2012年に市民ニュースサイト「8bitNews」を立ち上げ、その後フリーに。ツイッターは@8bit_HORIJUN※『anan』2019年9月25日号より。写真・中島慶子イラスト・五月女ケイ子文・黒瀬朋子(by anan編集部)
2019年09月20日星野源の楽曲「ドラえもん」が、10月から新たなスタートを切るTVアニメ「ドラえもん」の新オープニングテーマに決定した。これまで金曜日の夜に放送していた「ドラえもん」だが、10月からは土曜日の夕方にお引越し。これを記念した今夜放送の「ドラえもん誕生日スペシャル」では、10月からの新展開をドラえもんからお知らせするショートアニメも放送される。今回新オープニングテーマに決定した星野さんの「ドラえもん」は、昨年公開されシリーズ最高興収を記録した『映画ドラえもん のび太の宝島』の主題歌として書き下ろされたもの。映画主題歌がTVアニメのオープニングテーマにも採用されるのは、放送40周年を迎えた「ドラえもん」の歴史の中でも初めてだ。今回の決定に星野さんは「『ドラえもん』という歴史あるレギュラーアニメの新たなオープニングテーマに是非この曲を、というお話を聞いて、嬉しくて嬉しくて飛び上がりました」と心境を明かす。また「ドラえもんと藤子先生のことを数ヶ月考え続け、心血注いで曲を作ってよかったと、音楽家としてとても誇らしい気持ちです」と楽曲制作をふり返っている。さらに新オープニングテーマに加え、新ミニコーナーのスタートも決定。芸能界きっての「ドラえもん」通として知られる「サバンナ」高橋茂雄とスネ夫がタッグを組み、夕日をバックにひみつ道具をテーマにしみじみと語りあっていくミニコーナー「スネ夫としげお」。絶妙かつ、おかしなトークが繰り広げられる。「ドラえもん」は毎週金曜日19時~テレビ朝日系にて放送中。※10月5日からは毎週土曜日17時~「お引越し記念!ドラえもん誕生日スペシャル」は9月6日(金)19時~テレビ朝日系にて放送。※一部地域を除く(cinemacafe.net)
2019年09月06日7月23日深夜、星野源がパーソナリティを務めるラジオ番組『星野源のオールナイトニッポン』(ニッポン放送系)が放送された。リスナーから絶大な人気を集める本番組。日常の何気ない話から笑える下ネタといったいつもと変わらないこの日の放送には、ある“メッセージ”が隠されていた。番組のなかで7曲の音楽を流した星野。その7曲とは『もってけ!セーラーふく』『青空のラプソディ』『ドラマチックマーケットライド』『優しさの理由』『ヒャダインのカカカタカタオモイC』『止マレ!』『鳥の詩』。これらは全て今月18日に京都府で発生した放火事件によって多数の命を奪われた京都アニメーションが制作したアニメの主題歌だったのだ。大のアニメ好きで知られる星野。これまで本番組や著書のなかで星野はアニメへの深い愛を公言していた。また、14年に発売された星野の対談集『雑談集』(マガジンハウス刊)のなかで、『らき☆すた』や『氷菓』などの監督を務めた同社の武本康弘さんと対談。そのなかで星野は「アニメーションが本当に好きになったきっかけは『らき☆すた』なんです」と語っていた。そして、この日流した7曲は未だ安否が不明な武本さんが携わったアニメのものだった。放送中に今回の事件について直接は言及しなかったが、京アニ縛りの選曲という形で追悼の気持ちを示した星野。星野からの“無言のメッセージ”に、感謝する京アニファンが続出。ネット上では《自分からは何も語らず、楽曲をオンエアすることで想いを伝える。 京アニの作品を楽しみ、救われたと常々語っていた源くんの今の心境を思うと…》《星野源の口では語らないってやり方すごく好き。京アニ作品の曲を流してくれてありがとう》といった声が多く見られた。
2019年07月24日藩の“引っ越し”を題材にした痛快時代劇『引っ越し大名!』の完成披露試写会が7月23日(火)、都内で行われ、主演を務める星野源をはじめ、共演する高橋一生と高畑充希、犬童一心監督(「のぼうの城」)らが出席した。「こんな時代劇はなかなかない」と自信のコメント!原作は「超高速!参勤交代」シリーズの脚本・土橋章宏氏が執筆した時代小説。読書好きな引きこもり侍の片桐春之介(星野さん)が、国替えの陣頭指揮をとる“引っ越し奉行”に任命されたことから、さまざまな難題に巻き込まれる。幼なじみで武芸の達人・鷹村源右衛門(高橋さん)や前任の引っ越し奉行の娘・於蘭(高畑さん)ら協力し、わずか3か月でのミッション完遂に挑むが…。約6年ぶりの映画主演を果たした星野さんは「まず、脚本が面白くて、すぐに出たいですとお伝えした。引きこもり侍という設定も面白いなと(笑)。しかも、家ではなく、職場に」と振り返り、「自分の大好きなものや知識を活かして、活躍する姿がいままでの時代劇にはないなと。最後はすごく感動しますし、こんな時代劇はなかなかない」と自信を示した。高畑充希、まんじゅうヒットで『これは終わった』とヒヤヒヤ?共演する高橋さんも「源ちゃんと同じで、脚本がすでに面白くて。とっても楽しい作品に仕上がった」と満足気。劇中では、長さ約3mの槍を持っての殺陣にも挑み「先端ほど重いので、怪我しないかドキドキでした」と話していた。一方、高畑さんは「源さんより(実年齢は)10歳くらい下なんですけど、姉さん女房感を出す役だったので、そこは意識しましたね。子持ちのバツイチですし(笑)、いろいろ背負い過ぎていて」と役柄についてコメント。撮影の序盤、星野さんにまんじゅうを投げつけるシーンがあり「1回投げて、右目にヒットしてしまい『あっ、やべーな』って(笑)。気を付けたつもりが、2回目は左目に…(笑)。『これは終わった』と思いました。源さん、あんこまみれで」(高畑さん)、「バチンとね(笑)。まさか両目に当たるとは。まんじゅうって痛いんですね」(星野さん)と“迷言”を織り交ぜ、和気あいあいの撮影を語り合った。完成披露試写会には、共演する及川光博、小澤征悦、正名僕蔵、飯尾和樹が同席した。『引っ越し大名!』は8月30日(金)より全国にて公開。(text:cinemacafe.net)■関連作品:引っ越し大名! 2019年8月30日より全国にて公開©2019映画「引っ越し大名!」製作委員会
2019年07月23日意外と知らない社会的な問題について、ジャーナリストの堀潤さんが解説する「堀潤の社会のじかん」。今回のテーマは「政党の広告戦略」です。SNSを使った政党の広告手法。気軽に流されないで。今年は選挙イヤー。春に統一地方選挙があり、夏には参議院議員通常選挙が予定されています。投票可能な年齢が20歳から18歳に下がり、いずれ行われるかもしれない国民投票も視野に入れながら、各政党は若年層をとりこもうと広告戦略に余念がありません。まず3月に共産党がTikTokに公式アカウントを開設したことがニュースになりました。自民党は令和が始まると同時に「#自民党2019」プロジェクトの特設サイトをオープン。安倍首相ら自民党の7人を描いた屋外広告を街中に展開。動画CMでは10代のアーティストらを登場させ、話題を呼びました。与党の自民党は予算があるため、クオリティの高い広告を大量に作っていますが、どの政党も様々な手法で宣伝しています。皆が話題にあげ、SNSで拡散されることを狙っているのです。ただ、イメージの良い政党=自分の希望する社会を作る政党、とは限りません。広告では具体的な政策は語られず、スローガンを謳うだけです。「現実的な政策を広告で述べたところで、国民は耳を傾けてはくれないだろう」というのが政党側の意見です。イデオロギーを人の心に植え付けるとき、声高にメッセージを掲げるのではなく、美しい、かっこいい、悲しいなど、感情に訴え、知らず知らずにそう思わせるのがプロパガンダ(大衆操作)です。戦時中、ナチスはワーグナーの音楽やかっこいい映像を使い、ドイツが特別な国家だと国民に思わせましたし、アメリカはディズニーのドナルドダックを反ナチス映画に使いました。政治家がアートやスポーツをプロパガンダに利用する歴史は連綿と続いています。ですから、「なんとなくいいな」と思ったときには、誰かがそう思うように感情に訴えたのかもしれないと肝に銘じてください。そして、「なぜ、自分はよいと思ったのだろう?」と冷静に自問することが大事です。10年後20年後、どんな社会であってほしいですか?自分はどうありたいですか?具体的なビジョンを描けなければ、政策の是非も判断できません。イメージで選んだ政治の、その先の民主主義は足元が脆いと思います。ジャーナリスト。NHKでアナウンサーとして活躍。2012年に市民ニュースサイト「8bitNews」を立ち上げ、その後フリーに。ツイッターは@8bit_HORIJUN※『anan』2019年7月10日号より。写真・中島慶子イラスト・五月女ケイ子文・黒瀬朋子(by anan編集部)
2019年07月08日ひらり、ひらりとギンガムチェックのワンピースが初夏の風に踊る。まもなく公開の映画『ホットギミック ガールミーツボーイ』で、映画初出演ながらヒロインに抜擢された堀未央奈さんだ。乃木坂46きっての映画好き。その軽やかな身のこなしには、念願を叶えた彼女の高揚感があふれていた。――これまでのアンアンの取材でも「女優が目標」と語っていた堀さん、今はどんな気持ちですか。素直にうれしいです。山戸結希監督には乃木坂46のミュージックビデオでもお世話になったのですが、そこで私を見てオファーしてくださったそうなんです。日頃から目標を口に出すようにしてきたんですけど、それが実を結んだのかな。――初めての映画の現場はいかがでしたか。最初は緊張したけれど、日を追うごとに楽しくなって。やっぱりお芝居が好きだと実感しました。――劇中では、清水尋也さん演じるクールな秀才、板垣瑞生さん演じるキラキラ男子、間宮祥太朗さん演じるやさしいお兄ちゃんに同時に想われる羨ましい役で。ですよね。私もこんなシチュエーションはもちろん未体験なので、ヒロインの初(はつみ)ちゃんそのままに、どきどきしっぱなしでしたよ。――注目の若手俳優陣との共演で刺激になった部分はありますか。皆さんのプロフェッショナルな姿勢に圧倒されました。清水さんは普段はみんなを巻き込んでふざけているのに、本番になると瞬時に変わるんです。あの切り替え力は見習いたい!板垣さんは歌もお芝居もこなす同世代で、負けていられないぞと思ったり。間宮さんとは…家具やお店の情報交換とか、おもに主婦トーク仲間(笑)。――堀さん演じるヒロインの初は、自分に自信のない高校生。快活で行動的な堀さんとは…?真逆ですね(笑)。でも私も10代の頃は、お仕事がうまくいかなくて初ちゃんみたいに自信のない子でした。だから演じる上で一番参考になったのは、過去の私かも。山戸監督は乃木坂46の撮影を通して当時の私をよくご存じだったので、一緒にその時の感情を掘り起こしてくださって。だからこそリアルに演じられました。――一番思い出したのは、いつのことですか。「別れ際、もっと好きになる」という曲でアンダーのセンターをさせてもらった時のことですね。あの時は自分の“立ち位置”がわからなくて、このまま続けていいのか悩んで…。でも「続けると決めたなら、気を引き締めてやりなおす!」と覚悟を決めた時。あの経験は今回の演技にすごく生きたんじゃないかな。――そんなことが…。まさに「堀未央奈は一日にしてならず」?あはは。今の堀は、わりと最近できあがりました(笑)。――でもそういう青春の不安定さって誰しも通る道ですよね。だからこの作品は若い方だけでなく大人にも観てほしいと思っています。10代のあやふやな自分を受け入れて、初めて大人になれる。私は乃木坂46に入ったから、こんなに自分に対して悩めたし、その経験をこの作品に生かせた。それってありがたいことです。――なんと大人な…。ちなみに今回、作中に出てくる男子の中で、堀さんなら誰を選びますか?うーん、現在リアルの「堀さん」は、お兄ちゃんタイプ。私は今お仕事をすごく大事にしているし、やりたいこともたくさんある。それを制限せずにやさしく見守ってくれる包容力は必要です(笑)。ほり・みおな1996年10月15日生まれ、岐阜県出身。乃木坂46の2期生。黒髪ボブがトレードマークの清楚なルックスと、映画鑑賞や茶道など多趣味な内的魅力の両面で人気を集める、グループの中核メンバー。ファッションなど、トレンドへのアンテナの高さもグループ屈指で、女性誌のレギュラーモデルも務める。愛称ほりちゃん、みおな。伝説の人気少女漫画を原作とした映画『ホットギミック ガールミーツボーイ』。2019年の東京らしい景色の中で、堀さん演じる奥手な女子高生・初と3人の男子の切ない恋が繰り広げられる。みずみずしい恋模様と同時に、大人になることの切なさに胸が締め付けられる作品。6月28日、東映系全国ロードショー。※『anan』2019年7月3日号より。写真・小笠原真紀スタイリスト・菅野 悠ヘア&メイク・吉田真佐美インタビュー、文・大澤千穂(by anan編集部)
2019年06月30日意外と知らない社会的な問題について、ジャーナリストの堀潤さんが解説する「堀潤の社会のじかん」。今回のテーマは「米中貿易摩擦」です。アメリカも中国も譲らない状態がまだまだ続きそう。先日福岡で開催されたG20財務大臣・中央銀行総裁会議で、多くの国から、アメリカと中国の貿易摩擦が激化すれば、世界経済に大きなリスクを負わせるのではという意見が出ました。関税を巡る米中の貿易摩擦が表面化したのは昨年からです。トランプ大統領は就任前から、アメリカの貿易赤字を問題視しており、輸入品に高い関税をかけ、自国製品が売れるようにしたいと考えていました。昨年7月、中国製品に高い関税をかけ始めたところ、中国は反発。アメリカからの大豆や牛肉などに高い関税をかけ、対立が加速したのです。今年になり、アメリカは、「中国製の携帯電話はアメリカの技術を盗み取ったもの」と、中国の特定企業との取引を停止させました。対する中国は、半導体の元となる「レアアース」のアメリカへの輸出制限を示唆。アメリカは中国からの輸入品のほとんどの関税を引き上げましたが、さらに3000億ドルに相当する品目も、最大で25%まで引き上げるかどうか、6月末に決めると発表しました。『ウォール・ストリート・ジャーナル』の記者は、両者の勝負はしばらく膠着状態だろうと見立てており、中国研究の第一人者・遠藤誉さんは、「GDPで世界1位になるまで中国は退かないだろう」と話していました。中国外務省は先日、「米国が貿易摩擦を激化させたいのであれば、断固たる決意で対応する」と強い態度を示しました。いま中国は一帯一路構想により、アジア、中東、ヨーロッパ、アフリカまでの巨大貿易ルートを確保しようとしています。各国に巨額の支援や融資を施し、中国側に引き入れようと画策。例えばカンボジアのフンセン政権は、中国の支援に対し、プノンペンに中国人のための街を建設。強制退去させられた地元の人々の不満が募っています。アメリカもまた、中東地域の戦争や、自国内でも不法移民問題で人権を抑圧。人々の不満が積もれば、いつかほころびを見せるのではないでしょうか。いまこそ日本には、目先の利益にとらわれず、人権を守る協調体制が求められます。アメリカや中国、その他の国々との橋渡し役になることが、長期的には自国を守る術にもなるでしょう。堀 潤ジャーナリスト。NHKでアナウンサーとして活躍。2012年に市民ニュースサイト「8bitNews」を立ち上げ、その後フリーに。ツイッターは@8bit_HORIJUN※『anan』2019年7月3日号より。写真・中島慶子イラスト・五月女ケイ子文・黒瀬朋子(by anan編集部)
2019年06月28日星野源(38)が16年5月にリリースした楽曲「恋」。そのYouTubeでの再生回数が6月4日に2億回を突破した。Twitterでは「#星野源の恋」がトレンド入りし、《2億回再生おめでとうございます これからも生活の活力として聴き続けます》《3億回、5億回、100億回 めざすぞ!!》と喜ぶ声が続出した。さらに同曲が主題歌だったドラマ「逃げるは恥だが役に立つ」(TBS系)の脚本家・野木亜紀子氏も《なんでトレンドに上がっているのかと思ったら。おめでとうございます》と祝福している。「『恋』はリリース以降も反響を呼び、17年のBillboard JAPAN Hot 100でも1位を記録しました。また『逃げ恥』のエンディングで楽曲とともに披露された“恋ダンス”が大ブームになるなど、社会現象化。ファンのみならずキャロライン・ケネディ前駐日大使(61)や羽生結弦選手(24)といった著名人も“恋ダンス”をネットにアップし、さらに人気に火が付きました。星野さんは反響が大きすぎたために、当初は『遠い国の話を聞いているようだ』と驚きを隠せなかったそうです」(音楽関係者)本誌はこれまで星野が様々な現場で「恋」を披露しているシーンを報じている。16年12月に開かれた「逃げ恥」の打ち上げでは同曲を弾き語りでパフォーマンスし、17年5月の「おげんさんといっしょ」(NHK総合)の打ち上げでは出演者とともに恋ダンス。また17年12月の「コウノドリ」の打ち上げでは、同ドラマの主演・綾野剛(37)にねだられて熱唱したことも。星野は「恋」とともに、数々の思い出を作ってきた。星野自身にとっても特別な楽曲が多くのファンに愛されているいま、その喜びはひとしおだろう。
2019年06月05日意外と知らない社会的な問題について、ジャーナリストの堀潤さんが解説する「堀潤の社会のじかん」。今回のテーマは「留学生失踪」です。留学生を経営難の私大の水増し要員にしてよいのか?東京福祉大学では、昨年度だけで約700人の留学生が所在不明となり、この3年間で不明者はおよそ1400人に上ることがわかり、問題になりました。正規の留学生には定員があり、試験に合格することが必須です。ところが同大学では2016年度から「研究生」という枠組みで募集、3年間に留学生の定員の約6倍、5700人が入学していました。なかには日本語が全くできない学生も。これにより学費収益は12億円増加。収益を上げるために、受け入れを拡大していた可能性があり、文科省で調査を進めています。少子化により、厳しい経営状態に追いやられている私立学校は増えています。日本私立学校振興・共済事業団によると、大学・短大を運営する660法人の17%・112法人が経営困難な状態であることが判明。そのうち21法人は経営改善をしないと2019年度末までに破綻する恐れが出てきています。昨年から、18歳人口が減少期に入っており、経営環境の悪化が懸念されています。これに対し留学生の数はうなぎ上り。日本学生支援機構によると、2018年5月時点で大学院、大学・短大、専門学校、日本語学校などの留学生は29万8980人。10年前と比べ約2.5倍に膨らんでいます。東京福祉大学の研究生枠は、日本に出稼ぎに来たい外国人にとって、簡単に受け入れてもらえる受け皿になっていたともいえます。ここまで極端でなくても、ほかの私学でも似たケースはあり得ると思います。最初は学ぶつもりで日本に来た留学生も、学費と生活費を稼ぐためにアルバイトに明け暮れ、そのうちに勉強する意欲を失い、学費も支払えなくなり、失踪してしまう。もしかしたら、人手不足のコンビニを支えているのは、こういう学生たちなのかもしれません。しかし、単に労働力のみを求めるのではなく、外国人の若者たちをどのように教育し、コミュニティの一員として機能してもらうかを真剣に考えなければなりません。政府はいま、大学教育の無償化を掲げていますが、経営能力もなく外国人で水増ししているような学校まで無償化となると、大学行政も根本から考え直す必要があると思います。ジャーナリスト。NHKでアナウンサーとして活躍。2012年に市民ニュースサイト「8bitNews」を立ち上げ、その後フリーに。ツイッターは@8bit_HORIJUN※『anan』2019年5月29日号より。写真・中島慶子イラスト・五月女ケイ子文・黒瀬朋子(by anan編集部)
2019年05月24日意外と知らない社会的な問題について、ジャーナリストの堀潤さんが解説する「堀潤の社会のじかん」。今回のテーマは「景気回復」です。景気実感を得るには、新しい仕事を自分で生み出さないと。政府は、4月の月例経済報告にて、「輸出や生産の一部に弱さも見られるが、緩やかに回復している」と発表。日銀が発表した3月の全国企業短期経済観測調査(短観)では、企業の業況判断指数が、大企業・製造業でプラス12。昨年12月から7ポイント悪化しています。景気の問題が頻繁に取り上げられている理由は、豊かさがなかなか実感できず、不安感が広がっているからです。実質賃金は横ばいかやや下降が続いています。安倍政権はデフレから脱却するため、物価を上げたいと思っていますが、日銀が設定した2%の物価上昇率は達成されず、賃金は下降。世界的に、原材料や資材価格は高騰。人手不足で人件費も上がり、企業は収益を給与に反映できずにいます。このまま進むと、賃金は上がらないにもかかわらず、物価は上昇する「スタグフレーション」という最悪の事態を引き起こしかねません。しかし、企業からすれば、リーマンショックのように突発的に景気が悪くなることに備え、資金を会社に留保しておきたいのです。空前の人手不足だから、そのうち賃金も上がるだろうと楽観視する人もいますが、日本はこの春から外国人材の受け入れを拡大しています。日本に働きに来る外国人が増えれば、賃金が抑えられた状況は続くでしょう。いま、景気を底上げしているのは、株や為替など金融資産を持つ人たちです。金融取引により蓄財を増やしていますが、それができる人は一部。SMBCコンシューマーファイナンスの意識調査によると、30~40代で貯蓄額が0万円の人は23.1%。1万~50万円の人が24.6%。約半数の人たちが、投資を始める余裕がありません。与野党も、納めた税金が社会保障として還元される仕組みを作ろうと言っていますが、具体策は見えてきません。私たちが実感を得られるような景気回復は、待っていても起こりません。誰も気づいていないニーズを掘り起こし、新しい仕事を開拓していかないと厳しいでしょう。一つの勤め先だけに頼るのではなく、あちらこちらで仕事をしていく。一人一人が自分自身で新たな付加価値を生み出す、創造的な働き方が求められています。堀 潤ジャーナリスト。NHKでアナウンサーとして活躍。2012年に市民ニュースサイト「8bitNews」を立ち上げ、その後フリーに。ツイッターは@8bit_HORIJUN※『anan』2019年5月22日号より。写真・中島慶子イラスト・五月女ケイ子文・黒瀬朋子(by anan編集部)
2019年05月17日歌手で俳優の星野源(38)が5月14日、パーソナリティを務める「星野源のオールナイトニッポン」(ニッポン放送)でのトークが話題になっている。その中身とは、ゴールデンウィーク中に俳優の生田斗真(34)ととんねるずの木梨憲武(57)の実家が経営する木梨サイクルで自転車を購入したというものだ。ドラマの共演をきっかけに親交のある星野と生田。以前生田と食事した際、木梨サイクルで買ったという自転車でお店まで来ることがあった、と星野は話し、その自転車を「すごく可愛くて、いいな~」と羨んでいたという。ゴールデンウィーク中に時間が空いたという星野は、生田に「自転車、木梨さんのところで買いたいんだけど、どうしたらいいかな」と相談したところ、生田が木梨に連絡を取り、木梨本人もお店に駆けつけることになったと明かした。当日は、星野、生田、木梨が3人で一般客に交じりながら自転車を選んだといい、星野がお店のある祖師ヶ谷大蔵の商店街で試乗をする際は、生田と木梨は腕を組んで見守っていたという。自転車をオーダーしお腹が空いたということで、3人は商店街でコロッケを購入して木梨が作ったというコロッケパンを食べたといい「もうさ、最高だよね」と振り返った。ネットでは、「この3人が普通に商店街で3ショットでいるって。しかもチャリで。何かすごくない?」「その現場に遭遇したかった!」「生田斗真と星野源が自転車乗ってるとかやば、、、、」など豪華メンバーに驚きのコメントが寄せられていた。
2019年05月15日意外と知らない社会的な問題について、ジャーナリストの堀潤さんが解説する「堀潤の社会のじかん」。今回のテーマは「コンビニの時短営業」です。コンビニの問題から自身の働き方もぜひ振り返ってみて。セブン‐イレブンの東大阪南上小阪店が、スタッフを確保できず夜中の営業を中断したところ、本部から契約解除と違約金1700万円を請求されました。メディアで問題視され、請求はすぐに取り下げられましたが、コンビニエンスストアの時短営業について、各所で議論されるようになりました。現在、コンビニスタッフの人手不足は深刻な問題になっています。結果、オーナー家族に負荷がかかり、心身を壊すという事態が起きているのです。いまやコンビニは、モノを売るだけの場所ではありません。ATMがあり、公共料金の支払いや宅配便の窓口でもあり、各種チケットの発券、コピーやプリンターなど行えることは多岐にわたります。地方では、夜間の町の防犯の意味でも大事な存在になっています。とても便利で私たちの生活は助けられていますが、本当に24時間営業が必要なのかどうか。ヨーロッパなどで、ほとんどの店が日が暮れたら閉まる光景を目にすると、日本の経済活動の過剰さを痛感します。24時間店を開けるということは、商品や電力、資源もそのぶん消費しているということです。ローソンの統計によると、2017年度の売れ残り食品は1店舗あたり1日9.2kgでした。食品廃棄物のうち40%以上はリサイクルをしているそうですが、それでも少なくはない数字です。コンビニ大手も人手不足対策を相次いで打ち出しています。セブン-イレブンとローソンでは、「セルフレジ」を年内に全店で導入することにしました。時短営業もセブンの一部の店舗で実験的に行われています。ただ、「24時間営業」が前提の経営スタイルなので、簡単には時短営業店舗が広がっていくという流れにはならない模様です。4月5日には経済産業省がコンビニ8社に対し、オーナーの不満を解消する行動計画を出すよう指示。今回の件は、オーナーによる訴えに対してメディアが反応し、企業側も反応し、社会が問題を注視するようになった、示唆に富む出来事でした。無理を強いられているのはコンビニに限りません。働き方改革は様々な形があります。自分の働き方を見直し、権利を守ることに意識が向けばいいなと思います。堀潤ジャーナリスト。ジャーナリスト。NHKでアナウンサーとして活躍。2012年に市民ニュースサイト「8bitNews」を立ち上げ、その後フリーに。ツイッターは@8bit_HORIJUN※『anan』2019年5月1日‐8日合併号より。写真・中島慶子イラスト・五月女ケイ子文・黒瀬朋子(by anan編集部)
2019年05月02日堀未央奈(乃木坂46)の女優デビューにして初主演作『ホットギミック ガールミーツボーイ』。この度、堀さんが清水尋也、板垣瑞生、間宮祥太朗といった若手実力派俳優たちと繰り広げる3つの初恋を映し出した予告編が解禁。さらに主題歌を“次世代バーチャルシンガー・花譜(かふ)”が手掛けることが分かった。今回解禁となった予告編は、“誰が私の初恋なのか――”という印象的なメッセージから幕を開ける。映像前半で映し出されるのは、“3つの初恋”によって自分に自信が持てない主人公・成田初(堀さん)の平凡な日常が変化していく様子。初が恋をするのは同じマンションに住む3人だ。初の弱みを握る同級生・橘亮輝(清水さん)、数年ぶりに帰ってきた幼なじみ・小田切梓(板垣さん)、初の兄・成田凌(間宮さん)。初は恋に落ち、空虚な日常は彩りを得て幸せな時を過ごすも、「なんで…」と涙を流す場面を皮切りに、物語は急展開。「私の初恋は消えちゃったんだね」と初の切なくこぼすセリフに続き、亮輝、梓、凌らの想いが交差し、それぞれの悩みもがくシーンが連続していく。「見ていたいと今は思ってる、絶対に今は思ってる」「今この気持ちを大切にしたい――」不器用ながらも純粋な想いを寄せる亮輝、昔から憧れの存在だった梓、優しく見守り寄り添う凌…。初が3人の男性に揺れ動きながら、どこまでも透明で儚い初恋の先にたどり着く1つの答えとは――?恋にもがく不安定な初を瑞々しく体現した堀さん、そして清水さん、板垣さん、間宮さんたちの繊細な演技に加え、桜田ひより、上村海成、反町隆史、吉岡里帆といった各世代実力派の本編映像も初お披露目。女の子が恋をして初めて知った喜び、痛み、迷いの先にある“自分”の意志として歩むべき道を探す「ガールミーツボーイ」の新たな物語となる本作。“不器用な恋”“溶けるような恋”“秘められた恋”、3つの初恋がもたらす10代のアンバランスで儚く尊いリアルな感情を独特の視点で描く山戸結希監督により、“新時代の青春恋愛映画”誕生を思わせる予告編となっている。また、予告編をさらに盛り上げる主題歌「夜が降り止む前に」の作詞・作曲・編曲を手掛けたのは、新世代を代表するボカロPのカンザキイオリ。歌うのは、2018年10月、当時14歳にして突如YouTubeに登場し、話題上昇中の次世代バーチャルシンガー・花譜。YouTubeデビュー後、その類まれな歌声やSNSにアップされるリアルとバーチャルが融合した映像や写真が話題を呼び、フォロワーが急増。現在YouTubeチャンネル登録者は5万人を超え、12月に公開した「心臓と絡繰」は130万再生を記録している。この2人に白羽の矢を立てた山戸監督は、「花譜さんとカンザキさんの芽吹くような才気に、心打たれました。エンドロールの暗闇に、歌声と物語と聴く人の心が、交わる主題歌でした」と感激のコメントを寄せている。『ホットギミック ガールミーツボーイ』は6月28日(金)より全国にて公開。(text:cinemacafe.net)■関連作品:ホットギミック ガールミーツボーイ 2019年6月28日より全国にて公開Ⓒ 相原実貴・小学館/2019「ホットギミック」製作委員会
2019年04月30日NHKは音楽アーティスト・星野源の魅力にロングインタビューと歌で迫る番組「星野源スペシャル~POP VIRUSライブ&インタビュー~」を3月25日(月)オンエア。番組内では「POP VIRUS」東京ドーム公演の模様もいち早くお届けする。2000年にバンド「SAKEROCK」を結成、2003年からは俳優としての活動も開始、『箱入り息子の恋』や『地獄でなぜ悪い』などへの出演で日本アカデミー賞新人俳優賞など各賞を受賞すると、2016年には主演、主題歌を担当した「逃げるは恥だが役に立つ」が社会現象と呼べるほど大ヒット。この2月の東京ドーム2DAYS公演を含む5大ドームツアー「POP VIRUS」を成功させたほか、昨年12月リリースのアルバム「POP VIRUS」も4週連続1位を記録するなどアーティストとしても日本を代表する存在に上り詰めた星野さん。星野さんの作り出す楽曲は連続テレビ小説「半分、青い。」や「ドラえもん」の主題歌として広い世代に愛されるようになり日本中を席巻しているが、なぜ星野さんの音楽は音楽シーンを変えるほど注目され、世の中に刺さっていくのか?今回番組ではドームツアー最終となる福岡公演を終えた直後の星野さんにロングインタビューを敢行。どんな思いで音楽と向かい合い、作品を生み出しているのかを驚くほど率直、誠実に語ってくれた星野さんの胸の内に迫る。また全公演プレミアムチケットとなった最新ツアー「星野源 DOME TOUR 2019『POP VIRUS』」。その東京ドーム公演の本邦初公開となるライブ映像も放送。インタビューを交えて星野さんの魅力を探っていく。そして「逃げるは恥だが役に立つ」の主題歌としてドラマとともに大ヒット、2016年の「紅白歌合戦」でもおおいに盛り上がった大ヒット曲「恋」から、いまの星野さんを象徴する楽曲「Pop Virus」まで、その音楽制作の軌跡を辿りつつ星野さんを45分たっぷりと“詰め込んだ”番組としてオンエアする。「星野源スペシャル~POP VIRUSライブ&インタビュー~」を3月25日(月)22時~NHK総合でオンエア。(笠緒)
2019年03月25日意外と知らない社会的な問題について、ジャーナリストの堀潤さんが解説する「堀潤の社会のじかん」。今回のテーマは「中枢中核都市」です。地方の都市に集中させる目論見だが、理想通りには…。昨年12月18日に内閣府は82の市を“中枢中核都市”に選びました。人口が東京、神奈川、千葉、埼玉の東京圏に集中するのを抑えるためになされた地方創生政策のひとつです。2018年に東京圏に転入したのは約14万人。2020年時点で、東京圏と地方の転入・転出が均衡を保てるようになることを目標にしています。選ばれたのは、北海道ならば、札幌、函館、旭川。福島県では福島、郡山、いわきの3市。1県に1市のみのところも数多くあります。東京圏以外の、政令指定都市や県庁所在地、中核市。つまり、ある程度大きな街です。自治体の財政が厳しいいま、地方全体を活性化させるのは難しい。そこで、“地方創生推進交付金”の上限を引き上げ、企業誘致や住宅団地の再生などを支援し、地方のなかで、潜在的な成長が見込める都市に、人も仕事も集めて活性化させようという計画なのです。しかし、日本には792の市、東京都の特別区が23、743の町、183の村の合計1741の自治体があります。そのうち東京圏を除いた約1500からたった82市に絞り込んだわけですから、将来的には、数多くの田舎町が切り捨てられることになるでしょう。しかし、この政策を成功させるのは難しいのではないかと僕は思います。同じ県内でも、習慣や言葉、文化が異なります。いくら交付金を出し、「さあ、ここに集まってください」とお膳立てしても、あくまで東京目線。地方創生は、地方発信で進めないかぎり、壁にぶち当たるのではないでしょうか。平成の中頃までは地方分権の機運があり、地方は自分たちで支え、国と県とは対等の立場で緊張関係を持とうとしていました。そんななか、大阪府では橋下徹知事が出てきました。しかし、安倍政権になり霞ヶ関の中央官庁出身の配下を地方の知事に据えたため、地方と国のパイプが強くなり、中央主導が基本の関係になってしまいました。各州が独立して独自の法を持ち、その土地の文化を守っているアメリカのように、北海道や九州が独立して、“日本合衆国”になるくらいドラスティックに変わらないと、本当の意味での地方創生は実現しないのかもしれません。堀潤ジャーナリスト。NHKでアナウンサーとして活躍。2012年に市民ニュースサイト「8bitNews」を立ち上げ、その後フリーに。ツイッターは@8bit_HORIJUN※『anan』2019年2月27日号より。写真・中島慶子題字&イラスト・五月女ケイ子文・黒瀬朋子(by anan編集部)
2019年02月26日「2月19日にブログで舌がんを公表する前に、堀は堀越学園の同窓生で’82年デビューの同期である早見優に会っていました。堀は早見に病気のことを告げるとともに、82年組のほかの同期生たちにも病気のことを伝えてもらうこと、そして同窓会を開いてほしいということを頼んだのです」(芸能リポーター)ステージ4の口腔がんであることを公表した堀ちえみ(52)。同じく“花の82年組”である早見優(52)は元シブがき隊の薬丸裕英(53)に相談し、手分けをして親しい同期生たちに連絡をとることになった。そしてがん公表後、連絡を受けたメンバーたちは堀に次々とエールを送っていた。「’80年代当時は歌番組も多く、控室も大部屋だったりで、若いアイドルたちが仲良くなる機会もいまより多かったのです」(前出・芸能リポーター)ただ82年組メンバーのなかでは昔からアーティスト路線で、一時期芸能活動も休止していた中森明菜(53)の連絡先を知っている者はいなかったという。「しかし薬丸から連絡を受けた小泉今日子(53)が、『もしかしたらたどれるかもしれない』と、明菜への連絡役を買ってでたのだとか。2人は’93年にスペシャルドラマ『瞳に星な女たち』でW主演もしており、仲も良かったのです」(前出・芸能リポーター)早見は“堀が会いたがっているにちがいない同期”という条件で、連絡網を敷いたようだが、堀と明菜の交流についてはあまり知られていない。だが’80年代アイドルにも詳しいフリーライターの堀越日出夫さんは言う。「’82年9月に発売された堀ちえみさんの著書には『親友』と題された章があります。そこには、ファーストコンサートで小泉今日子さんからメッセージカード付きの花籠をもらったと書かれています。著書には《(今日子ちゃんは)お仕事の上ではライバルだけど、2人がいい意味で競争し合えたら最高だと思います》という記述もあります。きっと堀さんは小泉さんとの縁で、その親友である明菜さんとも交流があったのだと思います」舌がんが発覚する前は、82年組ネットワークの中心を担っていた堀は、ずっと明菜のことを気にしていたようだ。堀は’10年のブログで『明菜ちゃん、ガンバレっ』というサブタイトルの記事を書いていた。「明菜は’10年10月に体調不良により、芸能活動の無期限活動休止を発表しています。その当時、堀はその3年前にテレビ局で明菜と出会ったエピソードを披露し、《元気になった明菜ちゃんと、会いたいな私は明菜ちゃんの笑顔を、いっぱい見てきたから》などと、つづりました」(前出・芸能リポーター)それから8年、いまは逆にエールを送られる立場になった堀。芸能リポーターの城下尊之さんは言う。「明菜は堀の病状を聞いて絶句したそうですが、連絡をくれた小泉に《私も応援しています。強いちえみちゃんのことだから、絶対に病気に負けずに頑張ってくれると信じています》というメッセージを託したと聞いています」手術日当日には、同期たちが空に向かって手術の成功を祈ったというが、明菜も堀との再会の日を待ちわびているに違いにない。
2019年02月26日意外と知らない社会的な問題について、ジャーナリストの堀潤さんが解説する「堀潤の社会のじかん」。今回のテーマは「水道民営化」です。水道管の再整備が必要な時期。不透明なところも。昨年12月に「改正水道法」が成立しました。これにより、上下水道事業が民営化されやすくなります。改正の動きは数年前からありました。地方の自治体の財政基盤が弱っており、全国隅々まで水道インフラを維持するには、効率よく経営できる民間に任せたほうがいいという判断からです。日本の水道インフラは、主に高度成長期に整備を進めていきました。水道管の耐用年数は約40年のため、いままさに再点検が必要な時期なのです。昨年6月に起きた大阪北部地震では、老朽化した水道管が破裂し、高槻市や箕輪市で約9万戸が一時期断水に追い込まれました。今後こういう被害は増えていくだろうといわれています。実は水道料金は全国一律ではありません。破損した水道管を修理するにも、住民の数により負担額は変わります。平成28年4月の水道料金を見ると、全国平均は月額3227円。最も安いのは兵庫県赤穂市の853円で、最も高いのは北海道夕張市の6841円と、約8倍の格差があります。水道法の改正により、「コンセッション方式」といい、水道施設の所有権は自治体にあり、運営権のみを民間に売却できる仕組みを取り入れることになりました。民営化した場合の問題は、水道料金が高くなること。フランスは1980年代にコンセッション方式で水道民営化を実施しましたが、3か月後には水道料金が値上がりし、25年間で倍以上に高騰したため、2010年に公営化に戻りました。民営化でもうひとつ懸念されるのは、インフラの維持・管理。災害などが発生した場合に復旧されるのか?日本には、水メジャー(上下水道事業を担う巨大な国際企業)はありませんから、フランスのヴェオリア社やスエズ社、アメリカのGE社などが参入することになるでしょう。それらの海外企業が、災害で水道管が破損した際の費用負担をするのか。そもそも老朽化した水道管をまず整備しないことには、商売も始まらないのでは?という疑問も。ヨーロッパでは公営化に戻す動きが主流ななか、日本のこの、水道民営化に移行しようとする流れは、実は不透明なところもあるのです。ジャーナリスト。NHKでアナウンサーとして活躍。2012年に市民ニュースサイト「8bitNews」を立ち上げ、その後フリーに。ツイッターは@8bit_HORIJUN※『anan』2019年2月20日号より。写真・中島慶子イラスト・五月女ケイ子文・黒瀬朋子(by anan編集部)
2019年02月15日