太陽の寿命は残り50億年。終わりを迎えるとき何が起きるのだろうか?巨大化する太陽に地球は燃え尽きるという通説に反し、永遠の冬を迎えるかも知れない。飲み込まれて蒸発する水星・金星がうらやましくなるような、過酷な運命をたどりそうだ。■暴走する核融合太陽は半径およそ70万km、質量は地球の109倍、28倍の重力がある巨大な恒星だ。星といってもガスの集まりで、水素(約75%)とヘリウム(25%)がほとんどを占める。高密度に圧縮された核(太陽核)を中心に持つため、その重力によって拡散せず、きれいな球体を維持している。太陽が1秒間に放つエネルギーは、TNT火薬千億トン分にも相当する。このエネルギーは、水素原子4個から1つのヘリウム原子を作り出す核融合反応によって作り出される。太陽自身を構成している水素を燃料にするのだから、文字通り身を削りながら地球に糧を与えることになる。食品をモチーフとした正義のヒーローも自分を分け与えるシーンがあるが、規模と頻度を考えれば太陽こそが賞賛されるべきである。太陽核には2,400億気圧と、1,600万度の高温が加わり、収縮と膨張の微妙なバランスの上に成り立っている。中心付近の水素が豊富なうちは釣り合いがとれているのだが、これを使い果たすと核融合できなくなり、温度が下がって収縮する。これが第二段階の始まりだ。第二段階では、太陽核の外側の層が、今までおこなっていなかった核融合を始める。重力の弱い外層部で核融合が起きると、外側に膨らもうとする力が働き、63億年後には直径2倍ほどの準巨星となる。外層部のエネルギーは太陽核を3億℃に加熱する。高温となった太陽核は核融合を再開し、今度はヘリウムを原料に炭素を作り出す。順調に続けばネオン、酸素、ケイ素(シリコン)、鉄へと発展する。まさに錬金術だ。70億年後からは赤色巨星と呼ばれる段階となり、太陽は170倍程度に膨張する。半径およそ1億2千万kmだから、水星(太陽から5,800万km)と金星(1億800万km)は飲み込まれて蒸発する。人間ならそろそろ定年を迎える時期である。第二の人生にしては少々はしゃぎ過ぎだ。1億5千万km離れた地球は辛うじて逃れるが、太陽風も激化し地表は1,400℃に達する。地上の物体は全て焼き尽くされ、生物は死に絶える。地殻も融解すれば、地球はもはや溶岩の塊りでしかない。その後も太陽は膨張を続け、最大で200倍程度になる。公転半径を超えた太陽に飲み込まれれば、地球はあとかたもなく蒸発する。■太陽系、解散77億年後を境に太陽は衰退の一途をたどる。ヘリウムを使い果たした太陽核はふたたび活動をやめ、外層部の水素も尽き、核融合を再開させるだけのエネルギーが作れないからだ。膨張した外層部は宇宙に霧散し、核のみとなった太陽は直径10倍程度まで収縮し白色矮(わい)星となる。11万℃の輝きを見せるものの、数千年かけて燃え尽きるのを待つのみとなる。地球もすでに蒸発しているものと思いきや、太陽から遠のき、飲み込まれずに済むという説が強い。理由は太陽の引力の低下だ。赤色巨星となった太陽は、宇宙への拡散量が増えて、質量が減るからだ。引力の呪縛から逃れた惑星は、一斉に公転軌道をひろげ太陽から遠のく。太陽系の解散だ。辛うじて蒸発を免れても喜びはつかの間で、拡大した公転軌道が日射量を減少させ、地球を凍りつかせる。やがて太陽は完全に光を失い、太陽系は永遠の闇に包まれる。享年127億歳(推定)、太陽はその生涯を終える。もう少し穏やかな余生を送ってくれれば、と悔やまれてならない。■まとめ太陽の核融合は炭素までで、ネオンやケイ素には進まないと言われている。これが本当なら、高温・高圧にさらされた太陽核は、直径1万kmのダイヤモンドになっている可能性が高い。完全に冷めるのは150億年ほど後だろうか。この資産をめぐり、いさかいが起きないことを祈ろう。(関口寿/ガリレオワークス)
2012年10月21日堺雅人主演の映画『鍵泥棒のメソッド』が30日、インンターネットで予約できる前売券“ムビチケ”の販売で本作がナンバーワンを記録したTOHOシネマズ西宮OSで舞台あいさつを実施し、堺、内田けんじ監督が登壇したその他の写真本作は、『運命じゃない人』『アフタースクール』を手がけた内田監督が4年ぶりにメガホンを執った最新作。売れない貧乏役者の桜井(堺)、転倒して記憶を失った殺し屋のコンドウ(香川照之)、婚活中の女性(広末涼子)の三人が巻き起こす事件を描く。当日は台風直撃だったため、「大変な日に大丈夫ですか? お帰りの足は。我々も新幹線でこちらに伺って、神社のえびすさまのお導きかとうれしく思っています。映画をご覧いただいたみなさんの上気したお顔を見られるのが役者にとって望外の喜びです」という、観客を気づかう堺の言葉ではじまった舞台あいさつ。“本当にダメダメ”な主人公・桜井を演じての感想を聞かれると堺は、「案外素だったりして。いろんな方にヘタなお芝居が絶妙だったと言われるたびに、心の柔らかい部分が傷ついたりして。売れていない役者ですが、純粋だし、楽観的に物事をとらえるし、僕はすごくいい役者だと思っています。売れてないのが致命的ですけど(笑)」と苦笑していた。殺し屋役を演じた香川との一騎打ちのシーンについては、「あのシーンはエアガンが不調で、何度かお芝居できないほど本当に痛いこともありました。香川さんからあれは笑いをこらえるのが大変だったと言われました」と堺が振り返ると、内田監督は、「本番で堺さんが突然、『てめぇ』としがみつくアドリブをして、香川さんが笑いを堪えるのが大変だったと言ってました。あれが唯一のこの映画のアドリブです。あのシーンは面白かったので6回やってもらいました(笑)」と、わきあいあいとした現場でのエピソードを明かしていた。また、本作の大ヒットを祈願して、西宮中央商店街のキャラクター・ふくみみ福ちゃんが登場。耳たぶが幸運を呼ぶと言われていることから、狭い階段のなか堺が自ら触ろうとすると、ふくみみ福ちゃんが落ちそうになる場面も。その光景を見ていた内田監督に「(落ちたら)記憶がなくなっちゃうよ」と茶化されると、堺は「僕と福ちゃんが入れ替わるかもしれないね(笑)」とすかさず返し、会場を笑いの渦に巻き込んでいた。『鍵泥棒のメソッド』公開中
2012年10月01日堺雅人、菅野美穂が主演する映画『大奥~永遠~[右衛門佐・綱吉篇]』の主要キャストが揃った華やかなポスター画像がこのほど公開された。その他の写真本作は、2010年10月に公開された『大奥』の続編となる劇場版第2弾。謎の疫病によって男性の数が激減し、男女の立場が逆転してしまった江戸時代を舞台に、五代将軍綱吉(菅野)を頂点とする“大奥”の人間模様を描く。このほど公開されたポスター画像の中心には、才覚と野心で“大奥”の世界をまい進していく右衛門佐(堺)と、将軍綱吉(菅野)の姿があり、ふたりを取り囲むように、側用人として綱吉に使える柳沢吉保(尾野真千子)、右衛門佐の片腕となる部屋子の秋本(柄本佑)、綱吉の側室である伝兵衛(要潤)、大奥の御台所(正室)信平(宮藤官九郎)、そして綱吉を溺愛する父・桂昌院(西田敏行)が並ぶ。キャッチコピーには、“孤独なふたつの魂は、やがて永遠の愛に”とあり、“大奥”での陰謀や愛憎劇が渦巻く中で、右衛門佐と将軍綱吉にどのような運命が待っているのか気になるところだ。このポスターや映画チラシは、29日(土)より本作を上映する予定の劇場に設置、配布される。映画『大奥~永遠~[右衛門佐・綱吉篇]』12月22日(土)丸の内ピカデリーほか全国ロードショー
2012年09月26日映画『鍵泥棒のメソッド』が9月15日(土)に公開を迎え、堺雅人、広末涼子、香川照之、森口瑤子、内田けんじ監督が都内劇場で舞台挨拶を行なった。『運命じゃない人』、『アフタースクール』と巧妙な仕掛けのどんでん返しに次ぐどんでん返しで、観る者を魅了した内田監督の最新作。売れない役者と堅物の女性編集者、冷徹な殺し屋の運命が、殺し屋の記憶喪失をきっかけに交錯していく。これから映画を鑑賞する観客を前に、堺さんが「本当に面白いんで期待して観てください!」と満面の笑みで語ったのを始め、キャスト陣はみな作品の完成度に自信を覗かせる。内田監督は「みなさん、ハードルを上げるので…」と苦笑しつつも、「リラックスして楽しんでください!」と笑顔で作品を送り出した。この日は劇中のキーワードでもある“胸キュン”経験をキャスト陣がそれぞれ発表。広末さんは「堺さんのモンチッチヘアー」と書かれたボードを掲げ、「撮影中はもっと長かったので、今日お会いしてキュンとしました。かわいいです」と堺さんを見つめてニッコリ。堺さんは「光栄です!そうです、モンチッチを意識しました!」と大喜びだったが、広末さんは男性のヘアスタイルに関し「短ければ短いほど好き」なのだとか。するとこれまで公の場で常に帽子をかぶり続けてきた内田監督がおもむろに帽子を取り、坊主頭を披露。広末さんは大感激だったが、その様子を見た香川さんが「バリカン持ってきて!」と舞台袖に向かって叫び、客席は笑いに包まれた。そんな香川さんの胸キュンは「広末さん」。実は2人はここ数年、続けて共演しているそうだが香川さんは「最初の『龍馬伝』では僕が広末さんを追いかけるけど、振り向いてももらえなかった。去年の『世にも奇妙な物語』ではちょっとだけ好きになってもらえて、今回でやっとお互いに…。今年の秋にも舞台で共演しますが、ここでは僕が広末さんを振ります!この先、どうなるんでしょう」と得意満面に広末さんとの関係の“ステップアップ”を明かし、再び劇場は笑いに包まれた。ちなみに堺さんのボードに書かれた回答は「…」。堺さんは「生まれてから1回もキュンとしたことがない」と明かしたが、ここで客席は「えー…?」という落胆のため息に包まれ、テンションは急降下。堺さんは「こんなひどい空気になるとは…」と困惑しつつ申し訳なさそうに頭を下げていた。森口さんは、昨年の冬に貰ったというカブトムシの幼虫が、気が付いたらおしりを振りながら成虫になっていたというエピソードを披露し、その様子にキュンとなったと告白。堺さんはこのエピソードに「少しキュンとなりました」と必死に胸キュン経験をアピールしたが、広末さんから「人生の初キュンがカブトムシって…」と呆れられていた。内田監督は、そんな堺さんを見やり「この年で初めてキュンとなったらタチが悪そう(笑)。いつか堺さんから恋の相談を受けたい」と爆笑していたが、堺さんは「この年で初めて胸がキュンとなったら心臓麻痺ですよ!」と苦笑していた。『鍵泥棒のメソッド』はシネクイントほか全国にて公開中。■関連作品:鍵泥棒のメソッド 2012年9月15日よりシネクイントほか全国にて公開© 2012「鍵泥棒のメソッド」製作委員会
2012年09月16日堺雅人主演の映画『鍵泥棒のメソッド』が、現地時間11日に開催されたトロント映画祭のコンテンポラリー・ワールドシネマ部門で上映され、本作のメガホンを執った内田けんじ監督が上映後に行なわれた舞台あいさつに登壇した。その他の写真『鍵泥棒のメソッド』は、人生が入れ替わってしまった貧乏役者(堺)と記憶を失った殺し屋(香川照之)、婚活中の女性(広末涼子)の三人が巻き起こす喜劇を描いたヒューマンドラマ。内田監督ならではの先の読めない展開と絶妙な笑いを盛り込んだ本作は、“世界的な視野と注目すべきストーリー性を持つ作品”をセレクションする本部門に選出された。トロント映画祭への参加は初となる内田監督。観客から撮影エピソードについて聞かれると「キャストの演技が素晴らしく、演出しながら笑いをこらえることに必死だった」と回答。さらに劇中に登場するクッキーの缶には2000万円の大金が入っていたことを明かし、「紛失したら困るので、撮影が終わったらすぐにプロデューサーが持って帰った」という裏話を披露し、笑いを誘った。また「次の作品を早く観たいです。構想はありますか?」と質問されると、内田監督は「頭の中には構想があるのですが、この作品がヒットしないと次の作品が作れないので応援して下さい」と語り、次回作への意欲をのぞかせた。早い段階でチケットが完売し、上映が始まると序盤から笑い声が多く上がったという本作とあって、終了後には「最高でした!」「ファンタスティック!」など絶賛の声が次々と寄せられ、内田監督は笑顔でサインや写真撮影に応じたという。『鍵泥棒のメソッド』は、9月15日(土)より公開される。『鍵泥棒のメソッド』9月15日(土)よりシネクイント他 全国ロードショー
2012年09月12日何やら堺雅人が広末涼子に話しかけている。どうやら少し前のTV取材で香川照之が放送禁止用語を連発していたらしい…。堺さんはそれを子供のように嬉々として報告し、香川さんは「大丈夫、大丈夫」と鷹揚に構え、その脇で広末さんはケラケラと笑いながら耳を傾ける。いい年して(失礼!)、先生が急用でいなくなったのをいいことにおしゃべりで盛り上がる学校の教室みたいな雰囲気である。映画『鍵泥棒のメソッド』で内田けんじ監督の下、3人が紡ぎ出した意外な空気感とは?演技論から互いの魅力まで深く、楽しく3人が語り合った!「こんなに練られた脚本、楽ちんな現場はない」(堺)売れない役者・桜井(堺)と殺し屋のコンドウ(香川)、編集者の香苗(広末)という全く交わりのなかった3人の男女の人生が、コンドウの記憶喪失をきっかけに複雑に絡み合っていくさまが、観る者をあっと驚かせる内田監督ならではのハラハラドキドキ&どんでん返しアリの展開で描き出される。堺さんにとっては『アフタースクール』に続く2度目の内田作品出演となるが「特に努力したことはなかったし、とにかく監督に言われたことだけを『はいはい』とやろうと決めていた」とあっけらかんと語る。自分で考えるのではなく、あえて監督の“操り人形”となる。その真意とは?「とにかく監督の指示が的確で、その通りにやれば面白いものができるという確信がありました。普段のどの作品でもそうしてるかと言われたらそんなことなくて、こんなに練られた脚本、楽ちんな現場はなかなかないです。たいていはイヤな奴がいたりしますから(笑)。演じてて、ここまで葛藤がないのも珍しいですね。内田さんの作品なら、明日から撮影ですって言われてもすぐ行けますよ。現場にさえ行けば何とかしてくれるから」。広末さんもそんな内田演出に身を任せる中で「新たな芝居を引き出してもらった」という。気をつけたのは「笑わないこと」。一見、俳優に求められるごく当たり前の表情のコントロールのように思えるが、コトはそう簡単ではなかったようで…。「一貫して感情を表に出さないということを意識していましたが、それを通じてこれまでの自分のお芝居の作り方が、喜怒哀楽を開放していく作業だったのだと実感しました。演じていて、どうしても素の感情で反応してしまうんです。コンドウと話して『この人は努力家だ』と感じて、“笑う”というよりも自然にフッと口角が上がってしまったりするのですが、そういう起伏も抑えなくてはいけなくて…」。堺さんによると広末さんがあまりに「かわいすぎてNG」となることもあったとか…。「優しいし、気が付くから他人の芝居に全て反応してくれるし。それは普段ならありがたいことだけど、今回は全く気が利かない人としてそこにいなきゃいけなかったので、苦労されたと思いますよ」と堺さんは傍から見ていて感じた香苗という役の難しさをそう語る。「反応しないことで生まれる不協和音こそが、この映画の空気感」(広末)明らかな“表情”ではなく、“視線”だけで感情を伝えるというのも、内田監督によって教えられた表現のひとつだと広末さんは続ける。「役柄の性格を表そうとするとつい自分ばかりに目が行ってしまうのですが、監督に言われた動きをするだけで揺れる気持ちが表せたんです。『この人は不安です』とか『悲しい』とか『もっと』、『大きく』という言葉ではなく、動きで説明することで役になれたし、感情の表現も自然に出てきました」。普段から「死ぬほど台本を覚えて」現場に入るという香川さんだが、本作ではそれに「“死ぬほど何が何でも”をもう1枚増やして」さらに深く台本を読み重ねて撮影に臨んだ。それでも現場に入って「まだ脚本が読めていなかった」と感じることがあったという。「あるシーンで監督に『そこは相手の顔を見て』と言われたんですが、よく読めば書いてあるんです。もちろん『顔を見る』とは書いてないけど、この会話なら当然見るだろうと。字面だけで通り一遍に覚えて、心理的作業を積み重ねてもそこには至らないんだけど、本来は俳優が読み込んでいないといけないところ。たぶん、そこで相手の顔を見なくても成立はするんですよ。“キャリア的なもの”をドロドロと出して水増しすれば『香川さん、うまいですね』って。でも本当は見ないといけない。そういうことに気づかされたことが何度かありました」。3人一緒のシーンは幾度もあったが「現場で一緒に演じられる幸せと共に、お客さんとなって傍観したい思いに駆られた」と言うのは広末さん。「あるインタビュアーの方が“化学反応”と仰っていましたが、むしろ反応しないことで生まれる“不協和音”こそが、この映画の独特の空気感なんじゃないかって感じるんです」。堺さんも我が意を得たりとばかりに広末さんの言葉にうなずき、続ける。「3本の線がしっかりとあって、でも自分がお芝居しているときはほかの2本を無視できるんですよね。それは信頼している方とでないと難しい。僕(桜井)は僕の問題に没頭してて、コンドウはコンドウで事情があって、全く話を聞いてなくて違うことを一生懸命考えている香苗がいて、3人が全く噛み合わないアンサンブルを奏でてる。それはすごく豊かで楽しいことだと思います」。堺さんにとって“俳優”の役を演じるのは初めて。特に演技をめぐるコンドウとのやり取りは抱腹必至である。「真面目で几帳面なイメージの堺さんがあんなにだらしなくて、あんなに芝居が上手なのに本当に下手なお芝居ができる。その“腕力”がすごい」とは広末さんの感想だ。“腕力”という言葉がたいそう気に入った様子の堺さんは「いちいち言葉が正確だから傷つくんだよ!」と広末さんの言葉を嬉しそうに受け止める。改めて、俳優を演じてみての感想は?「俳優って何て捉えどころのない職業かと思いましたね。制服もライセンスもないから、これをやっておけばという“記号”がないんですよ。だから『ヘタな芝居をする』という演技も考えれば考えるほどドツボにハマっちゃう。結果的にはそこで『何もしない』ことにしました。相手が香川さんで技術と技術のぶつかり合い――『堺VS香川 演技合戦!!』みたいなことになったら絶対に分が悪いから、そっちで勝負したくないなというスケベ心もあり(苦笑)、何もせずにボンヤリした感じでそこにいました。つまり何が言いたいかというと、『これをやっとけば役者』というものはないけど、役者を役者たらしめている唯一のものは、指示に対して何の疑いもなくそこに居続ける力、ある種の鈍感力なのかなということ」。「演じれば演じるほど『演じたくない』と思う」(香川)何とも深い話に「すごい皮肉と取れるかもしれないけど、いい言葉だね」と香川さん。自身は“演じること”と“本音”の間で揺れる思いをこんな言葉で表現する。「ある意味で全ての人間が演じてるわけですよ。嫌な仕事でも『好き』と言って、『バカヤロウ』と思いつつも笑顔で『ただいま』と言ったり。“演じる”というのが人間の仕事。だからこそ、それを解いて本音を言う瞬間が面白かったりする。今回、僕も俳優の役をやったけど、それは二重三重の複雑な構造になっていて、演じない瞬間、本音に肉薄する瞬間がこの映画の面白味だと思ってます。実はそれはどの映画でも同じで、僕は演じれば演じるほどに『演じたくない』と思うし、自分のメッセージを出したいなと思ってる。本当の意味で“演じない”役をやりたいですね」。下ネタがどうのと盛り上がっていたのと同一人物とは思えない深みのある言葉。何よりインタビュアー以上に「うんうん」と深くうなずく堺さんと広末さんの表情が印象的だった。まずは百聞は一見に如かず。溶け合うことのない化学物質が奏でる不協和音をお楽しみあれ!(photo:Toru Hiraiwa/text:Naoki Kurozu)■関連作品:鍵泥棒のメソッド 2012年9月15日よりシネクイントほか全国にて公開© 2012「鍵泥棒のメソッド」製作委員会
2012年09月11日売れない貧乏役者(自殺願望あり)と、殺し屋(記憶喪失)との人生が入れ替わり。殺し屋を演じることになった役者は、危険な依頼を受けて大ピンチに。役者を目指すことになった殺し屋は、婚活中の女性の逆プロポーズを受け幸せに? しかし、記憶が戻った時、殺しの依頼、大金の行方、結婚が絡み合い、 想像できない展開へと転がり出す ――笑いとハラハラ・ドキドキのサスペンス、そしてトキメキまで盛り込んだ、 映画の楽しさが200%詰まったエンターテインメント・ムービー「鍵泥棒のメソッド」。出演する堺雅人、香川照之、広末涼子にインタビューを行った。■内田監督との仕事の感想は?堺:ちょっとおかしな言い方ですが、内田監督の現場って本当に楽なんです。監督の頭の中に完成された間とお芝居がある。本当に的確に指示をしてくださるし、その指示に精一杯答えていけば内面もそこに近づいていける。本当に楽だな~と毎シーンつぶやきながら演じてましたし、そういえば三年前もそうだったな~というのをだんだん思い出しました。ただ前作の『アフタースクール』は作品の性質上、すごくたくさんルールがありましたけど、今回はそのルールが少し減って、香川さん、広末さんをはじめとする共演者の方々との芝居のハーモニーとか、その場でしか起きないブレが生かされている、そういう性質の作品じゃないかと思います。香川:強したっていう気分です。脚本を読みこめてなかったと。もっと細かくひだを読み取らなくてはいけないのに、気分で押し切って、読めているつもりでも読めてなかったと思い知りました。内田監督から形を与えてもらうことで、自分では感情で、右脳で演技しているつもりだったのに、実は形でやっていることに気づかされる。形を与えられているのに、それによって感情を作ってもらえる。形によって、形から脱せられるというんですかね。不思議な二重構造、三重構造というのが毎日起こっていました。僕みたいに右脳と左脳が離れて旅をしているタイプの俳優にとっては非常に面白い、初めての体験でした。あの脚本でこの演出、内田さんにしかできないだろうなと思いました。若い頃のキャリアに戻ったような新鮮さがありましたし、久しぶりに離れがたい作品になりました。広末:ドキドキしました(笑)。香川さんもおっしゃっていましたが、最近は年齢もキャリアも重ねてきたからか、「お任せします」と渡されて、役者陣で練ってこねて熱くして、お芝居を作っていくような現場が多かったんです。今回は自分の意思や想いに勝る、熱い監督の完全なお芝居の構成があったので、そこにどう近づくかという芝居作りがすごく新鮮でした。毎回OKをもらえるかドキドキしながら本番を重ねて。OK!って言われた時にすごく嬉しくてほっとする。こういう緊張感って大切だなと改めて感じました。■共演の方々の印象は?堺:広末さんは、今までご一緒した作品で見てきた、どれでもないお顔をされていました。ぜひ映画館でちゃんと観てみたいです。香川さんについては…僕は香川さんが何をしてもびっくりしないので(笑)あれだけのポテンシャルと引き出しを持っていらっしゃる方だから。ご一緒できたってだけで非常に嬉しかったですね。香川さん、僕、広末さんという三人の和音は、相当バラバラだと思うんです。こんなに違うのにそれでも響きあうというのが逆に面白いなと。似通った音の和音じゃなくて、ちょっと複雑な和音、時には不協和音で。不協和音が面白いというのは内田さんもおっしゃってましたね。三人が均一になるのではなく、しらけた人が一人いたり。その空気がなんだか心地よかったですね。香川:堺さんとは共演する機会がとても多くて、脚本を読んだら「堺さん、こんな感じだろうな」堺さんは「香川さん、こういう感じだろうな」とある程度予想はできるんです。もちろん作品によって役が違うわけだから、常に演技のニュアンスは変わるんですけど、お互いその違いを微妙に感じながら演技するタイプなので。でも今回、その予想以上の不思議な違いがありました。予想通りでも演じた体感が違うというか。理由はわからないけれど。科学反応が起こるような初顔合わせではないのに、起きていたんですね。それは広末さんにしても同じことで。何度も共演して演技を観てきているのに、やっぱり違う、新しい広末さんが目の前にいる。最初の3日間くらいはずっと感じていたんですが、途中から皆が思っている、僕が知っている広末さんを全部忘れて、香苗にしか見えなくなっていました。この不思議な科学反応は、内田監督のマジックなのかもしれませんね。広末:堺さんは、面白かったですね(笑)役者の役は初めてとおっしゃっていましたけど、お芝居が下手な役者のお芝居なのか、堺さんのお芝居が下手なのかわからなくなるくらいおかしくって(笑)それはつまり巧いってことなんですけど。それくらいこれまで見たことない、堺さんのお芝居でした。香川さんは、記憶を失っている時、つまり桜井であるコンドウのおぼつかなさと、記憶を取り戻したコンドウの怖さが本当に対称的で。見せつけられました。さすがだなって。■作品の見どころは?堺:最後まで目が離せないハラハラドキドキの展開になっています。それでいて観終わった後には、恋をしたくなるようなラブストーリーにもなっており、いろんなエンターメインメント要素が詰まった作品です。香川:内田監督作品というとストーリーが入り組んでいて、その入り組んでいるのが解れていくところに快感があるというのが今までの持ち味だと思いますが、今回のストーリーは一本の道をただ走ります。ただその中に登場する人物が複雑な人生を背負っていて、その関係性が非常に入り組んでいるという、これまでとはアングルを変えた作品になっています。いずれにしても大変上質な喜劇に仕上がっている作品です。広末:本当に楽しい大人のシュールなラブコメディだと思います。お芝居をこんなに楽しませて頂いた映画は初めてかもしれません。私自身、演じるのを忘れて、お客さんとしてその場で見たくなってしまうくらい堺さんや香川さん、他のキャストの皆さんの素敵なお芝居がたくさん見られる映画です。■作品情報出演:堺雅人、香川照之、広末涼子、荒川良々、森口瑶子 監督・脚本:内田けんじ配給・宣伝:クロックワークス9月15日 全国ロードショー(C)2012『鍵泥棒のメソッド』製作委員会
2012年09月07日小堺一機が自らの笑いへのこだわりをギュッと凝縮させた、毎年恒例の舞台『小堺クンのおすましでSHOW』が、8月31日(金)より、東京グローブ座にて上演される。『サツ アカデミー』と題した第1部では、警察予備校を舞台にした100minシアターで、日替わりスペシャルゲストも登場する。第2部では、歌とトークのおすましバラエティーSHOWを展開する。初日を目前に控えた稽古場で、舞台にかける意気込みを小堺に語ってもらった。小堺クンのおすましでSHOW27チケット情報ファンの間では“おすまし”の愛称で知られる本作も、今回ですでに27回目。スタート直後は「そんなの無理!イヤだ~」と思っていた舞台だが、だんだん「何だかおもしろくなってきて」、今では「夏のお祭りみたい」と言うほど小堺にとって欠かせないものとなっている。「もし来年も出来るのであれば、こんなことがやりたいってことが、グレムリンの卵のようにポンと出てくる瞬間があるんです。それが共演者だったり、バンドさんだったりの手を借りて、どんどん具体的になっていく。それってすごく贅沢だし、おもしろいことなんですよね」。だからこそおすましは止められないのでは?と問うと、「そう、その言葉!」と目を輝かせる小堺。「つまりおすましは、かっぱえびせんみたいなものですよね。なんかあとを引いてしまうというか。別に僕のショーって、何のメッセージ性もありませんし。特に今回僕は、『ただモノマネがしたいだけでしょ?』ってツッコまれると思います(笑)」。そう小堺が語る『サツ アカデミー』では、警察予備校を舞台に、小堺がさまざまな特別講師役を演じ分ける。小堺の得意とする人物もいれば、中にはどうにも不安な人物も……。「心配ですよね?僕だってこの人のモノマネはイヤなんですよ(笑)。でもこれは舘川(範雄)って作家が僕がイヤだなって顔をすると、逆にキラッとするんです(笑)」。第1部、第2部ともにボリューム満点の内容。まさにそのショーは、一度食べたら止まらないクセになる味わいだ。「ここまでやってこられたのは、本当に皆さんに守られてきたからこそ。僕はただ、幼稚園の年少さんみたいなもので。まぁ要するに、成長してないんですね。でも成長したいとも思っていなくて(笑)。とにかく“おすまし”は、ストレス解消になって、しかも副作用が何にもない。頭空っぽになることは間違いないので、ポカーンとリセットしていただくには最高の舞台だと思います!」。公演は8月31日(金)から9月9日(日)まで東京グローブ座にて開催。チケットは発売中。またスペシャルゲストに友近、中川家、イワイガワらが決定した。詳細は公式HPに掲載。取材・文:野上瑠美子
2012年08月22日太陽のようなラメカラーでぱっつんフレンチ。◆ 季節 :夏◆ シーン :オフィス デイリー◆ デザイン :ラメグラデーション◆ カラー:パープル◆ 価格:¥11,587◆ サロンMOGA・BROOK BEAUTY STUDIO tel.03-6418-8939 add.東京都港区北青山3-6-7 青山パラシオタワー9F 公式サイト >>ネイル一覧
2012年08月03日堺東まちなか”逸品バル”実行委員会事務局は、第2回「堺東まちなか”逸品バル”」を開催する。堺東で毎年恒例となっている夏まつりの時期に合わせての開催となる。同イベントは、地元のまちづくり組織である「そや堺ええ街つくり隊」が中心となり、地元の商店組織である「堺東商店街連合会」と連携して、堺東のにぎわいづくりのため取り組んでいるもの。スペイン風居酒屋”バル”をイメージした「飲み物+逸品」のセットを楽しむイベントだ。昭和の面影が残る立ち飲み屋や小粋な日本料理店、おしゃれなバーなど、地元の個性豊かで魅力ある飲食店が、各店自慢の逸品を提供。各店舗はチケット1枚(約500円)で利用できる。今回は51店舗が参加。そのうち19店舗が堺の農産物「堺のめぐみ」を使用したバルメニューを提供するほか、堺産野菜や自家製プリンなどをチケットと交換できる「おみやげバル」3店舗が初登場する。なお、最終日(8月4日)には、堺市役所前市民交流広場で「そや堺ええ街つくり隊」主催の夏まつりが開催されるとのこと。■堺東まちなか”逸品バル”詳細・開催期間:8月2日から4日(開催時間は各店舗で異なる)・参加店舗:51店舗・チケット代:1冊4枚綴り(前売り:2,000円、当日:2,400円)・チケット販売:前売り(各店舗で8月1日・18:00まで、特設売場で7月30日から8月1日・12:00から18:00まで)・チケット販売:当日券(特設売場で8月2日から8月4日・10:00から21:00まで)詳しくは同イベントウェブサイトから。【拡大画像を含む完全版はこちら】
2012年08月01日11月公開の堺雅人主演映画『その夜の侍』の主題歌が、UAが歌う昭和の名曲『星影の小径(こみち)』に決定した。映画『その夜の侍』は、赤堀雅秋が自身の劇団・THE SHAMPOO HATで2007年に上演した舞台を自ら脚本・監督を務めて映画化した作品。5年前に起こったひき逃げ事件で妻を亡くした中村(堺)と、刑期を終えて出所した犯人・木島(山田孝之)を主軸に、ふたりを取り巻く人間たちの孤独と葛藤を描き出す人間ドラマ。UAが歌う『星影の小径』は、1950年に発売され大ヒットとなった歌謡曲で、ちあきなおみら多くの歌手によって歌い継がれてきた名曲だ。「まずエンディングは『星影の小径』しかないと思い、せん越ながら歌えるのはUAさんしかいない!」という赤堀監督の熱烈なオファーを受けたUAはこの依頼を快諾。彼女は今回の主題歌を歌うにあたり、「アイラヴユー、アイラヴユー。愛することは許すこと、あの人を、私を。いつまでも、いつまでも」と、歌詞と本作の内容に絡めたコメントを寄せている。現段階では、UAの歌う『星影の小径』のリリース予定はなく、彼女の歌は“映画館”のみで聴くことができる貴重なトラックになりそうだ。『その夜の侍』11月17日(土)より全国ロードショー
2012年06月26日太陽セメント工業株式会社は、子会社である株式会社エコブロックス、太陽サーブ株式会社と共に、兵庫県内にメガソーラー発電所「太陽エコブロックス兵庫発電所」を建設することを発表。「再生可能エネルギーの固定価格買取制度」がスタートする7月1日に現地発電所にて発電式を行い売電を開始する。同発電所は、定格容量3.5メガワット(第1発電所2メガワット、第2発電所1.5メガワット)で、「再生可能エネルギーの固定価格買取制度」実施の7月1日時点で、操業を開始する太陽光発電所の中では最大規模となるという。第1発電所は年間250万kwhの発電量となる予定。第2発電所は190万kwhで9月操業予定。両発電所合わせての発電量は、一般家庭1,000世帯の年間消費電力に相当する。同発電所では、同社グループが開発した“HRMソーラー架台システム”という特殊なコンクリートブロックを使う施工方法により、定格容量よりも実質発電量を重視した設計手法となっている。“HRMソーラー架台システム”では、実質売電収入アップにより、投資利回りをより高くすることも可能。また、頑丈なコンクリート工法なので杭工法や鋼材工法に比べ、ローコストで耐久性が保てるという。積雪地域などの急角度設計も、鋼材工法に比べ大幅なコストダウンが可能になっている。
2012年06月21日阪堺電気軌道と南海電鉄は10日より、共同キャンペーン「のってや~ちん電キャンペーン」を実施する。阪堺電車の沿線住民や全国の路面電車ファンに、大阪で唯一のチンチン電車を再認識してもらうとともに、ファンの拡大と利用の促進を目的として行うもの。キャンペーンではオリジナルのTシャツやうちわなどを製作。Tシャツは10日に実施する阪堺路面電車まつりにてスタッフが着用し、お披露目となる予定だ。Tシャツやうちわについては、阪堺縦断ウルトラクイズいちびり検定(6月30日開催)、通天閣・新世界100周年イベント(7月3日開催)、なにわの日関連イベント(7月28~29日)などの参加者にプレゼントするとのこと。【拡大画像を含む完全版はこちら】
2012年06月07日私たちがいるこの太陽系。その中には、光り輝く太陽のほか、地球や火星のように岩石でできた小さな惑星や、木星や土星のようにガスが中心の巨大な惑星が存在します。いったいこの太陽系はいつどのようにして生まれたのでしょうか。そして、なぜこのようにいろいろな種類の天体がいるのでしょうか。そこで今回は、太陽系の起源と進化の過程について、現在の定説とされている「星雲説」に基づいて、見ていきたいと思います。■太陽が生まれたきっかけ太陽系の中心に存在し、太陽系で唯一自ら輝いている「太陽」。まずはこの太陽が誕生した経緯から探っていきましょう。さかのぼること今から48億年前…。太陽が誕生したきっかけは、銀河系の片隅にある巨大な恒星の爆発でした。現在の太陽よりもはるかに大きなその星は、寿命を迎えると大爆発を起こし、その残骸(ざんがい)を周囲にまき散らすとともに、その爆発の衝撃は、周りの宇宙空間に漂っていた物質(主に水素やヘリウムといったガスやちり)にも刺激を与えました。すると、このようなガスやちりから構成される巨大な雲のようなものは、その密度の濃い部分が集まり、自らの重力によって収縮を始めることで、中心部の温度と密度が高まっていきます。さらにその雲は、自らの回転により「原始惑星系円盤」と呼ばれる渦巻(うずまき)状で平たい円盤の形へと少しずつ変化し、やがて円盤の中心部分には太陽のもとになる「原始太陽」が生まれました。その後も、中心部分の温度と圧力はますます高まり、一定条件に達することで、水素をヘリウムに変換する核融合反応が始まり、自ら明るく光る星へと変化します。このようにして、今から約46億年前に現在の太陽は誕生しました。ちなみに、このころの太陽の明るさは、まだ現在の約7割程度であったと推定されています。■太陽系惑星たちの誕生太陽が成長しつつあるころ、その周囲にあるガスやちりの円盤も、太陽の周りを回り続けていました。これらは少しずつ集まることで、その重力により小さくまとまり、次第に数km程度の大きさを持った「微惑星」へとなっていきます。微惑星はその後、小さな衝突を繰り返して「原子惑星」へ、そしてより大きな衝突を繰り返すことで、現在の惑星の姿へと少しずつ成長していきました。このとき、太陽から一定の距離(太陽~地球の距離のおよそ4倍)以内は、太陽からの距離が近いため、その影響によりガス成分は少なく、岩石や金属などの物質が微惑星を形成する中心となりました。それが、現在の「地球型惑星」(=水星・金星・地球・火星)になるのですが、岩石や金属といった物質はその量が少なかったため、あまり大きく成長することができませんでした。一方、それよりも外側は、太陽からの距離が遠く、温度が低いことから、水や二酸化炭素・メタンなどが固体の状態で存在できたため、それらの成分が中心となった微惑星ができます。そのような微惑星は、さらに自らの重力によって周りに存在する水素やヘリウムなどのガスを引き寄せることで、いっそう大きくなりました。それが、現在の「木星型惑星」(=木星・土星・天王星・海王星)にあたりますが、これらを形成する物質は、宇宙空間に豊富にあったことから、太陽の近くを回る地球型惑星に比べて、大きく成長することができたというわけです。■さらなる真実に迫る昨年(2011年)8月、NASAのニュー・フロンティア計画の一環として、木星探査機「ジュノー」が打ち上げられました。この探査機「ジュノー」は、打ち上げから5年後の2016年には木星に接近し、そこから約1年かけて大気や磁場のデータなどを収集する予定となっています。木星探査は、惑星が生まれる過程を調べる大きな手がかりになると期待されており、ひょっとするとこれにより太陽系が形成された謎が一気に解明されるかも知れません。■まとめ今回は太陽系が誕生した仕組みについて見てきましたが、いかがでしたでしょうか。ほかの星の爆発によって生まれた太陽と、その周りを回る惑星。8つの惑星たちも、太陽からの距離によってそのでき方が異なったため、地球のように岩石や金属を中心とした小さな惑星もあれば、木星のようにガスを中心とした巨大な惑星もあるというわけです。こうして見てみると、宇宙の歴史やそのスケールの大きさをあらためて感じることができますね。(文/寺澤光芳)■著者プロフィール寺澤光芳小さいころから自然科学に関心があり、それが高じて科学館の展示の解説員を務めた経験も持つ。現在は、天文に関するアプリケーションの作成や、科学系を中心としたコラムを執筆している。
2012年05月16日南海電鉄グループ3社(南海電鉄、阪堺電気軌道、南海バス)は、4回目となる「阪堺縦断ウルトラクイズ『いちびり検定』」を6月30日に開催する。「いちびり検定」(略称:ビリケン)は、下町と路面電車をこよなく愛する人々のためのクイズイベント。阪堺電車沿線を巡りながらその場所にちなんだ難問や珍問に答えていき、勝ち抜き方式で次のステージをめざす。各ステージを勝ち残った約20人だけが、貸切チンチン電車「キン肉マン号」に乗ることができ、通天閣にて最終決戦を迎えられる。バスや電車での移動中に出されたクイズで不正解の場合、最寄りのバス停や電停に置き去りにされるという厳しいルールも。優勝者には、大阪出身で『キン肉マン』作者・ゆでたまご氏の直筆サイン入り「阪堺電車・特製フラッグ」などがプレゼントされるほか、終盤まで勝ち残った人には、記念品および残念賞として、南海電鉄グループのオリジナルグッズなどが贈られる。なお、参加者全員にオリジナルTシャツもプレゼントされる。参加は無料だが、事前申し込みが必要。申込用紙は南海電鉄ウェブサイトからダウンロードできる。6月18日消印有効。募集人員は200名で、応募多数の場合は抽選となる。【拡大画像を含む完全版はこちら】
2012年05月13日書き下ろしコラボラーメン鉢が当たる、「ヱヴァンゲリヲン新劇場版」と「太陽のトマト麺」のコラボレーション企画が決定。2011年11月26日(土)~2011年12月25日(日)の期間中キャンペーン対象2商品が、「太陽のトマト麺」14店舗に登場する。1.豆乳とチーズを使用し、レイのイメージカラーである白でまとめられた「レイの豆乳パイタン麺」(¥880)。2.トマトを使用し、アスカのイメージカラーの赤でまとめ、スパイシーさと酸味を利かせ、出身国のドイツのソーセージやポテトがトッピングされた「アスカのトマト麺」(¥880)上記のどちらかを食べてスタンプを合計3つ集めると、抽選で「ヱヴァンゲリヲン書き下ろしラーメン鉢」が当たる。また、スタンプを3つ集めた人には各店先着800名に、特製クリアファイルがプレゼントされる。ファン必見、食べて当てて楽しめるコラボレーション企画となっている。お問い合わせ: 太陽のトマト麺ホームページ
2011年11月26日堺雅人と中谷美紀が2013年春に公開される映画『ひまわりと子犬の7日間』で共演することが発表され、新作への想いを語った。その他の情報映画は、宮崎県中央動物保護管理所に収容された母子犬をめぐる実話を記録した山下由美の書籍『奇跡の母子犬』を原作に、山田洋次監督のもとで脚本家、助監督として経験を積んだ平松恵美子監督がメガホンをとる。タイトルにある“ひまわり”とは、太陽の下を堂々と歩いてほしい、そんな思いを込めて母犬につけられる名前。堺は、“命の期限日”が付けられる母子犬と対面する管理所職員を演じ、中谷は獣医役だという。平松監督は「“憎しみの連鎖”ではなく、“愛情の連鎖”というものが本来あるべきことではないか。それがこの作品のテーマです」と語る。宮崎県出身の堺は、「“宮崎が舞台の作品”ということで、一も二もなく飛びついた。幼い頃から馴染んだアクセントで芝居をすることは、長年の夢だった」と喜び、「宮崎県では去年、口蹄疫が発生し、今年は東日本大震災もあった。この仕事は僕にとって、“命とむきあう”作業になるのではないかと思っている」と意欲的。獣医役を「虚飾のない素直な心で演じたい」と話す中谷は、「動物を飼うことの幸福な面だけではなく、その影に隠れた哀しい現実にも目を向け、その上で動物とふれあうことの喜びを伝える作品で、共感を覚えた」と語っている。ふたりが映画で共演するのは『壬生義士伝』(滝田洋二郎監督)以来、約9年ぶり。本作は今年の11月から宮崎で撮影を開始し、2012年3月の完成を目指す。『ひまわりと子犬の7日間』2013年春全国ロードショー
2011年11月17日「ぴあ映画生活」調査による10月7日、8日公開の映画・満足度ランキングは、宮崎あおいと堺雅人の共演で贈る“うつ病”に直面した夫婦の物語『ツレがうつになりまして。』がトップに輝いた。2位は東野圭吾の同名小説を映画化した『夜明けの街で』が、3位に韓国で大ヒットしたバイク・アクション映画『クイック!!』が入った。その他の写真1位の『ツレがうつになりまして。』は、夫がうつ病(心因性うつ病)になったことをきっかけに変わっていく夫婦の姿を描いた細川貂々の同名コミックを映画化したもの。出口調査では「人が支え合って生きることの素晴らしさを感じて温かい気持ちになった」「夫婦のやり取りが微笑ましく、泣きながら笑っているというシーンが多かった」「堺雅人の役に共感した。うつ病について以前よりも理解できた気がする」「病気のことを正確に、誤解を与えないようにわかりやすく描きながらも、娯楽映画として成立させているところがすごい」など、幅広い世代からの支持を集めた。2位の『夜明けの街で』は、不倫関係に落ちてゆく男女と殺人事件が絡み合う恋愛ミステリー。出演は岸谷五朗、深田恭子、木村多江。アンケート調査では「揺れ動く男性の心情が深く伝わってきて切なく、どういう結末を迎えるのかドキドキした」「人の感情が複雑に絡まり合って、それぞれの気持ちがわかり納得できた。見応えのあるラストもよかった」「サスペンスとラブストーリーが程よいバランスで完成度の高い作品」など、特に女性を中心に好評だった。(本ランキングは、2011年10月7日(金)、8日(土)に公開された新作映画8本を対象に、ぴあ編集部による映画館前での出口調査によるもの)
2011年10月11日実話を基にした細川貂々のベストセラーエッセイを映画化した『ツレがうつになりまして。』が10月8日(土)に公開初日を迎え、主人公の夫婦を演じた宮崎あおいと堺雅人を始め、佐々部清監督、原作者の細川さんと望月昭ご夫妻が登壇し、舞台挨拶を行った。夫がうつ病になったことをきっかけに、これまでの自分たちを見つめなおし、成長していく夫婦の姿を優しく温かく描いた夫婦の物語。宮崎さんと堺さんはNHK大河ドラマ「篤姫」に続き2度目となる夫婦役で息の合った演技を見せているが、再共演での互いの印象について聞かれると、宮崎さんは「とにかく真面目ですよね。たくさん色々と調べられるし、うーん…」と一瞬口ごもり、堺さんに「終わり!?」とつっこまれる一幕も。改めて「すごく頭をよく使ってらっしゃいますし、そのときの感情も大事にできる方なので、役者として尊敬しています」と宮崎さんが語ると、堺さんも宮崎さんについて「どっしりとそこに立っている方。『篤姫』のときもそうだったのですが、日常に自分を戻してくれるような、揺らぎのない豊かな存在感で、100%信頼できる存在」と全幅の信頼を見せた。そんなおふたりの現場での様子を「いつも台本を持たずに本棚から本を出して読んだり、宮崎さんは編み物をしたりと、うちのおじいちゃんとおばあちゃんを見ているような、小津安二郎の作品に出てくる老夫婦のような居ずまいでした」と語る佐々部監督。当の二人も「ここまで来たら手を変え品を変え、ずっと夫婦を」(堺さん)、「いろんなバージョンで(笑)」(宮崎さん)と、“夫婦役”に居心地の良さを感じているようだった。原作者の細川さんと望月さん夫妻も今回撮影に参加したが、完成した映画について「とても温い空気の映画にしていただいて、ありがとうございました」(細川さん)、「こんな素敵なお二人に演じてもらえて、夢のような話です」(望月さん)と感謝を口にした。また、この日壇上にはもうひとり、重要な共演者であるグリーンイグアナの“イグ”も登場し、みんなの注目の的に。宮崎さんが「かっこいいんですよね。癒されます」と優しく撫でれば、堺さんも「心の中でいつも『ありがとうございます』と敬礼してました。尊敬する俳優です」とすっかり心酔した様子で、会場を沸かせた。4年越しでの映画化実現から遂に公開を迎えた本作。最後に、堺さんと宮崎さんそれぞれから「『どんな瞬間も自分を誇りに思う権利がある』という、俳優としてもとてもありがたい言葉を映画からいただきました。その姿一つ一つがみなさんの心に響けばこれ以上の幸せはありません」(堺さん)、「この作品をみなさんに愛していただけることを祈ってます」(宮崎さん)と心のこもったメッセージが贈られると、500人の観客から温かい拍手が送られた。『ツレがうつになりまして。』は全国にて公開中。■関連作品:ツレがうつになりまして。 2011年10月8日より公開© 2011「ツレがうつになりまして。」製作委員会■関連記事:宮崎あおい&堺雅人夫婦になれる喜び、「一緒にいることが当たり前」の関係『ツレうつ』原作・細川貂々が明かす、宮崎あおい&堺雅人への特別な思いとは?宮崎あおい、堺雅人と「とことん夫婦役を演じ続けるのも面白そう」堺雅人、17歳の設定は「ハードル高かった」あなたならどうする?『ツレがうつになりまして。』プレス&ポスターを5名様プレゼント
2011年10月09日細川貂々(てんてん)の人気コミックエッセイを実写映画化した『ツレがうつになりまして。』に出演する宮崎あおいと堺雅人。NHK大河ドラマ『篤姫』に続き夫婦役で再共演するふたりが、夫のうつ病という現実と向き合う姿を軽やかに、そして真摯に演じきった。「堺さんとなら絶対、大丈夫だなって」(宮崎)、「あおいちゃんには、絶大なる安心感がある」(堺)と相思相愛ぶりをアピールするふたりが、作品にこめた想いを語る。その他の写真結婚5年目を迎えた売れない漫画家の妻(宮崎)とうつ病になったサラリーマンの夫(堺)が、病を機に夫婦関係を見つめ直し、手を取り合いながら困難を乗り越えていく。「何日か前に、改めて映画を観直したんです。“そこにいる夫婦”という日常をこんなに自然に表現できたことが、自分にとってはすごく幸せなことだなって思いました」としみじみ語る宮崎。「それは堺さんが隣にいてくれたからなんです」と再共演した喜びを隠さない。堺は当初、今回の再共演を「へー、すごいな」と客観的に捉えていたといい「だって、このふたりで夫婦役ですからね。自分の中で相当にハードルが上がってしまうんじゃないかって」。それでも宮崎との再会には「何の不安もなくて、むしろ『絶対大丈夫、こりゃラクチンだな』って(笑)。変な言い方だけど、達成感もなくて。いいコメントが出せなくてゴメンなさい」とサラリ。そんな二人が出した結論は「自分たちなりの“ツレうつ”を作り上げる」ということ。当事者が書き上げた実話エッセイが原作ではあるが、「僕らがお手本(原作)に近づく必要はないなって」(堺)。うつ病患者という役どころも「形だけ真似れば、うつ病に見えるじゃないかというのは絶対にイヤだった。たとえ実際にうつ病になられた方に、お叱りを受けても、自分なりに病気と向き合いたかった」と気負わず、そしてこだわりを忘れない。夫の闘病と同時に、宮崎演じる妻の成長も描かれる本作。「役柄としては、大雑把な女性なんですね。そういう面は少し意識しましたけど、いざお芝居が始まったら、堺さんをはじめみなさんがすべてを受け止めてくれた感じです」(宮崎)、「むしろ、あおいちゃんの演じる成長物語が、映画の“幹”になってくれるから、僕は安心して“枝葉”になれた」(堺)。やはり俳優として、相性バッチリなのだ。こうなると宮崎&堺のさらなる再共演を期待したくなるもの。堺もすっかり乗り気で「次は敵対する関係もいいかもね。バイキンマンとドキンちゃんじゃないけど、好きなんだけど嫌いみたいね。だって、あおいちゃん、時々“悪い目”してるもん(笑)」。宮崎も「じゃあ、次はドキンちゃん役で(笑)」と再共演に意欲を見せた。『ツレがうつになりまして。』10月8日(土)公開取材・文・写真:内田涼
2011年10月07日宮崎あおいと堺雅人主演の映画『ツレがうつになりまして。』のダイジェスト映像が公開された。ダイジェスト動画本作は、細川貂々(ほそかわてんてん)のコミックエッセイを基に、突然、うつ病(心因性うつ病)を発症した生真面目なサラリーマンの夫・幹夫(堺)と、売れない漫画化のハル(宮崎)が共に生きていく姿を笑いを交えながらほのぼのと描いた作品。このほど公開までの期間限定で公開されたダイジェスト動画は、ツレがうつ病かもしれないと気づく場面に始まり、その後のふたりを物語の順に追いかけながら、夫婦をとり囲む人々の登場シーンや、ふたりに訪れる試練の場面がテンポよく編集されている。メガホンを執った佐々部清監督は、『陽はまた昇る』『半落ち』など深い人間描写に定評のある監督で、4年越しで本作を完成させた。佐々部監督は本作について「今、うつ病で苦しんでいる人やその周りで一緒に闘っている人たちはもちろん、多くの人にうつ病を知ってほしい。人はひとりで生きているんじゃないんだという、勇気を与えてくれる映画です」とメッセージをおくっている。『ツレがうつになりまして。』10月8日(土)公開
2011年10月03日映画『ツレがうつになりまして。』完成披露試写会が9月27日(火)に開催され、上映前にペニンシュラ東京(東京・有楽町)内のチャペルにて行われた会見に宮崎あおいと堺雅人が出席した。細川貂々のベストセラーとなった人気コミックエッセイを映画化。突然、うつになった会社員の夫(=ツレ/堺さん)と彼を支える漫画家の妻・晴子(宮崎さん)が病に向き合い、少しずつ成長していく姿が優しく描き出される。教会でのイベントとなったが、宮崎さんは劇中に登場する教会のシーンが最も印象に残っているそう。こちらのシーンの撮影には原作者の貂々さん夫婦も参加しており、「難しいシーンでしたが不思議と心に残ってます」と笑顔。堺さんも「ご家族を目の前に演じるというのはグッとくるものがありました」と頷いた。NHK大河ドラマ「篤姫」に続いての夫婦役での共演となったが「『篤姫』のときから信頼しているので、遠慮なく何でもできるし、普段から一緒にいるときでも変な気を遣わなくていいから楽です」と宮崎さんが言えば、堺さんも「全幅の信頼を置いています。誰かの真似ではなく我々だからこその夫婦になったと思う」と語り、特に「ケンカのシーンをリハーサルしたのが面白かったです」と述懐した。また共演するなら?という問いに堺さんは「2回夫婦を演じたので、違う役をやりたい気持ちもありますが、ここまで来たらずっと夫婦を演じ続けたい気もします(笑)。僕がボンヤリした役であおいちゃんがエキセントリックな役だったら?とか考えても楽しいですね」と想像を膨らませた。宮崎さんも「とことん夫婦をやるというのもなかなかいないし、新しくて面白いかも」と笑顔を見せていた。また、今回演じた夫婦像については「2人の幸せの形を探しながら、頑張れないときは頑張らないで上手なバランスを見つけた素敵な夫婦」(宮崎さん)、「100点に近づけるのではなく、自分たちなりの100点を見つけようとする。それはすごく大事で勇気がいるし、美しいこと」(堺さん)とそれぞれ魅力を明かした。『ツレがうつになりまして。』は10月8日(土)より全国にて公開。■関連作品:ツレがうつになりまして。 2011年10月8日より公開© 2011「ツレがうつになりまして。」製作委員会■関連記事:堺雅人、17歳の設定は「ハードル高かった」あなたならどうする?『ツレがうつになりまして。』プレス&ポスターを5名様プレゼントあなたなら、どうする?『ツレがうつになりまして。』独占試写会に20組40名様ご招待堺雅人、戦国の“剣聖”を演じ「鹿嶋が育てた祈りの剣を見てほしい」堺雅人、未婚にして「家事を積極的に手伝ってくれそう俳優」ランキング1位に君臨!
2011年09月27日室町時代の“剣聖”の姿を描くBS時代劇「塚原卜伝」の完成披露試写会が9月14日(水)、NHKにて行われ、上映後に堺雅人、栗山千明、脚本の山本むつみ、原作小説を手がけた津本陽による記者会見が行われた。津本さんの「塚原卜伝十二番勝負」(講談社刊)を原作に、諸国を巡り剣聖とまで称されつつも、その生涯は謎に満ちている塚原卜伝の青年期を中心に描く。堺さんは「1カット1カット、悩まなかったシーンはない」と試行錯誤を繰り返しながらの撮影を述懐。映像作品で本格的なチャンバラを披露するのは初めてとなるが「(卜伝が学んだ)鹿島の太刀は、神様に仕える人たちが伝えてきたもの。刀が動きたいように動く、刀がきれいな軌道を描くように体を動かすようにしました。そういう部分はのちの宮本武蔵や幕末の北辰一刀流といった剣とは違うのではないかと思います」と語った。堺さんの初登場シーンは卜伝の元服式で、役の設定では17歳。「チャンバラよりもある意味、ハードルが高かった…」とふり返った。栗山さんは卜伝の妹で巫女の真尋を演じているが、卜伝が武者修行に出てしまうためなかなか一緒のシーンがなかったそう。それでも「私の中では卜伝は堺さん!」と語り、「優しい兄を思い浮かべ、家族、鹿島、そして兄上を想う存在でいられれば」と笑顔を見せる。脚本の山本さんは「役者の一人一人がバシッとハマってる」と絶賛。津本さんも「日本の昔の武芸者の生き方を丁寧に捉えておられます」と満足そうに語っていた。堺さんは卜伝という人物について「室町時代という、神様が近くに感じられた時代。あえて自らを主張しないというところが魅力」と語り「一緒に悩みながら試行錯誤し過ごせた」と充実した表情を見せた。BS時代劇「塚原卜伝」は10月2日(日)よりBSプレミアムにて放送。■関連作品:日輪の遺産 2011年8月27日より全国にて公開© 2011『日輪の遺産』製作委員会ツレがうつになりまして。 2011年10月8日より公開© 2011「ツレがうつになりまして。」製作委員会■関連記事:堺雅人『日輪の遺産』初日に感無量も…ユースケにかき乱される!?堺雅人インタビュー終わりなき思い「結論を出さない決断も、人として崇高なこと」あなたならどうする?『ツレがうつになりまして。』プレス&ポスターを5名様プレゼント撮影現場の女子の人気No.1男優は中村獅童!失意の堺雅人「薄々感じてた」と苦笑堺雅人「こういう日本だからこそ心に響く」『日輪の遺産』に込められた思いを吐露
2011年09月14日「ぴあ映画生活」調査による8月27日公開の映画・満足度ランキングは、浅田次郎の同名小説を堺雅人主演で映画化した『日輪の遺産』がトップに輝いた。2位に夏川草介のベストセラー小説を映画化した『神様のカルテ』が、3位にイタリア映画界の名匠フェルザン・オズペテクによる人間ドラマ『あしたのパスタはアルデンテ』が入った。その他の写真1位の『日輪の遺産』は、終戦間際の東京を舞台に、帝国陸軍から密命を受けた将校と20人の少女たちの任務遂行と、日本復興への思いを描いた作品。出口調査では「戦後の日本を描いた映画で、今の日本の復興について考えさせられた」「佐々部清監督作品の中では、今まで以上に極太でどっしりとしていて胸に重く響いた」「日本人が忘れてはいけない“心”が描かれている」「少女から大人までさまざまな立場から戦争を描いているところがよい」「今の平和な日本のありがたみが伝わってきた」「“軍人”と“女学生”という立場の異なる者を描くことで、守りたかったものが“国”なのか“生きたいという気持ち”なのか、その違いを実感させられた」など、“戦争”や“日本の復興”などについて語る観客の姿が印象的だった。2位の『神様のカルテ』は、櫻井翔、宮崎あおい主演で、地方医療の厳しい現実とその中で成長していくひとりの医師の姿を描いたもの。アンケート調査では「悩む夫を側で支え、優しく声をかける妻を演じた宮崎あおいがよかった」「櫻井翔はさえない感じの青年を演じていて、TVで観る日ごろのイメージとのギャップがあってよかった」「穏やかでじんわりと心に響き染み入る作品だった」など、女性を中心に高い満足度を集めた。(本ランキングは、2011年8月27日(土)に公開された新作映画13本を対象に、ぴあ編集部による映画館前での出口調査によるもの)
2011年08月29日浅田次郎のベストセラー小説を映画化した『日輪の遺産』が8月27日(土)、全国公開された。東京・角川シネマ新宿では主演の堺雅人をはじめ、共演した福士誠治、ユースケ・サンタマリア、森迫永依、メガホンをとった佐々部清監督が登壇し、初日舞台挨拶が行われた。堺さんは「僕自身、この作品を通してたくさんの抱えきれない遺産をいただいた気がします。物語が持つテーマや意味については、いまでも考え続ける日々」と感無量だ。一方、ユースケさんは「今日は300席の劇場に、なんと2,400人ものお客さんが来ていただいたそうで。続編ができるかは、みなさんの署名次第」と相変わらずの暴走トーク。しんみりムードの堺さんもすっかり心がかき乱された(!?)格好で、苦笑しきりだった。終戦を目前に控える中、マッカーサーから奪取した財宝200兆円を、戦後復興の礎とすべく隠匿することを命じられた日本軍の帝国陸軍の真柴少佐(堺さん)、小泉中尉(福士さん)、望月曹長(中村獅童)。そして何も知らずにその作戦に加担する少女20人(森迫さんら)の奮闘を描く。“遺産”にちなんで、登壇者は普段から大切にしているお宝を披露。堺さんはロケが行われた群馬県高崎市のだるまを、そして福士さんは佐々部監督からもらったというシャンパン、ユースケさんが劇中で使ったメガネ、森迫さんは小学生時代に友人からもらった寄せ書きを紹介した。シリアスな内容の本作だが、現場は和気あいあいだったとか。「スタッフさんが気を使ってくれて、女の子たちと僕らおっさんの待機場所を別々にしてくれたんですよ。僕らはもう本当にくだらない話ばっかりで…。ユースケさんの体調が悪いだとか(笑)」(堺さん)、「そうそう、下痢気味だとかね」(ユースケさん)。佐々部監督は本作を引っさげ、東日本大震災の被害が大きかった宮城県石巻市で試写会を行ったといい「この時期に、この映画を上映できたことが誇り。日本全体へのビタミン剤のようになれば。そしてご覧いただいた方々に、ちょっとでも東北への思いが芽生えてもらえると」と熱っぽく客席にアピールしていた。『日輪の遺産』は全国にて公開中。■関連作品:日輪の遺産 2011年8月27日より全国にて公開© 2011『日輪の遺産』製作委員会■関連記事:撮影現場の女子の人気No.1男優は中村獅童!失意の堺雅人「薄々感じてた」と苦笑堺雅人「こういう日本だからこそ心に響く」『日輪の遺産』に込められた思いを吐露復興のために命をかけた人々の熱き物語『日輪の遺産』試写会に10組20名様ご招待堺雅人、戦国の“剣聖”を演じ「鹿嶋が育てた祈りの剣を見てほしい」元ちとせ、3年ぶりのシングル堺雅人主演『日輪の遺産』のイメージソングに決定!
2011年08月29日宮崎あおいと堺雅人主演が『篤姫』以来の“夫婦役”を演じた映画『ツレがうつになりまして。』の予告編がこのほど公開された。『ツレがうつになりまして。』予告編本作は、細川貂々(ほそかわてんてん)のコミックエッセイを基に、突然、うつ病(心因性うつ病)を発症した生真面目なサラリーマンの夫・幹夫(堺)と、売れない漫画化のハル(宮崎)が共に生きていく姿を笑いを交えながらほのぼのと描いた作品。『陽はまた昇る』『半落ち』など確かな演出力と人物描写で定評のある佐々部清氏が監督を務めている。このほど公開された予告編では、結婚5年目の夫婦に突然訪れた“夫のうつ病発症”という変化を、時に笑い、怒り、泣きながらも乗り越えようとする夫婦の姿をテンポよく紹介。先日行われた会見で堺は「うつ病と言っても十人いれば十人のうつの症状があり、十組あれば十組の夫婦の形があるはず。これは“特別な夫婦の話”ではないんだというメッセージを伝えたい」と語っていたが、予告編に登場するふたりも、ごく平凡な夫婦として描写されており、どこにでもいる夫婦に訪れた“小さなつまずき”をどう解決してゆくのかに注目したい。『ツレがうつになりまして。』10月8日(土)公開
2011年08月19日浅田次郎のベストセラー小説を映画化した『日輪の遺産』の完成披露試写会が8日に都内で行なわれ、主演の堺雅人、福士誠治、ユースケ・サンタマリア、森迫永依、松本花奈ら出演者と、佐々部清監督、本作のイメージソングを手がけた元ちとせが登場。本作で重要な役どころを務める17人の女生徒たちもかけつけた。その他の写真映画『日輪の遺産』は、終戦間近の日本を舞台に、帝国陸軍がマッカーサーから奪取した900億円(時価200兆円)の財宝を秘匿する密命を受けた軍人3人(堺、福士、中村獅童)と20人の少女たちの日本復興への想いを描く。堺は自身の役について「今までのルールがすべて崩れ、新しいルールが定まっていない見通しの悪い時代に、手探りで自分の考え方や生き方をその場でつくっていった懐の深い大人の魅力を持った人物」と語り、佐々部監督は「悲劇ではなく、日本人が立ち上がる姿を現代の我々が受け止めるような映画にする、それが浅田先生が原作に込められた思いだと思った」とコメント。監督から「現場で暴走しないか注意していました」とジョークを飛ばされたユースケは「最近はシリアスでクールな役が多いんです! 男っていうのは人生の中で一度や二度、愛する者や自分の大事な人のために命をかける瞬間がある」と熱く語るも、「こうやって一生懸命に応えても、フザけたよう取られてしまう。自分のパブリックイメージがうらめしい!」と嘆き、客席からは笑いが起こっていた。最後に佐々部監督は「おそらく昭和20年8月から66年経った今こそ、がんばらなきゃいけない日本にとって、栄養剤になる作品」と述べ、堺は「こういう日本だからこそ、みなさんの心に響いてくるような要素をたくさん持っている映画です」と語りかけた。『日輪の遺産』8月27日(土)角川シネマ有楽町ほか全国ロードショー
2011年08月09日2008年に放送され、全話視聴率20%超えを記録したNHK大河ドラマ「篤姫」で夫婦役を演じた宮崎あおいと堺雅人が、今年の秋公開の映画『ツレがうつになりまして。』で2年半ぶりに夫婦役で共演を果たすことが明らかになった。原作は細川貂々(ほそかわてんてん)の実話を基に、イラストを交えて綴った同名エッセイ。タイトルの通り、パートナーのうつ病という一見、暗くなりがちなテーマを扱いつつも、深刻にならず、油断せず、世の中や人のせいにせず、という姿勢で淡々と“2人で生きていく”姿を描き出し、2006年の発売以来30万部を超えるベストセラーとなっている。2009年には藤原紀香、原田泰造(ネプチューン)という組み合わせでNHKで連続ドラマとして放送され、好評を博したが今回、『半落ち』、『夕凪の街 桜の国』の佐々部清監督の下、映画化されることに。宮崎さんが演じるのは漫画家の晴子。堺さん演じる夫の幹夫とは互いを「ツレ」、「ハルさん」と呼び合い仲睦まじく暮らしており、彼女はマイナス思考で怠け者ながらも、生真面目なサラリーマンの幹夫に温かく見守られながら好きな漫画を描いていた。ところがある日、幹夫がうつ病になり、満員電車にも乗れず、電話も取れない状態に。そんな彼の姿を見て、自分がいままでどれだけ幹夫に甘えていたかを実感した晴子は「がんばらなくていいよ、だらだらしてていいよ、寝てていいよ」と告げる。これまでと違い自分が彼を支えるという生活の中で幹夫への深い愛を再確認する晴子。そして彼女は一心不乱に本当に描きたい漫画を執筆し編集部へ持ち込む。それは、2人の日々を描いた漫画だった――。撮影は1月9日(日)にクランクイン。今回の発表に際し、宮崎さんと堺さんのクランクイン直前のコメントも到着。宮崎さんは「原作の画を真似て書いてみたりしながら、『ツレうつ。』の現場を想像して、ウキウキしています。堺さんとは約2年半ぶりにお芝居ができるので、そこからまた新しい何かが生まれることをとても楽しみにしています」とコメント。堺さんは「宮崎あおいさんとは久しぶりの共演で、しかもまた夫婦役。とても楽しみです。大河のときとはまた違った夫婦になるでしょうが、ご覧になった方々があたたかい気持ちになれるよう、がんばりたいと思います。『うつ病』については、僕はこれまでほとんど何の知識もありませんでした。たくさんの方が苦しんでいる病気の割りに、よく分かっていないことも多いということです。この作品をきっかけに、いろいろ勉強したいと思っています」と意気込みを語った。篤姫と13代将軍・徳川家定という間柄でお茶の間に温もりをもたらした2人が、今度は現代劇で笑いと感動を届ける!『ツレがうつになりまして。』は2011年秋、公開。■関連作品:ツレがうつになりまして。 2011年秋、全国にて公開
2011年01月11日映画『武士の家計簿』の大ヒット御礼舞台挨拶が12月15日(水)、東京・有楽町の丸の内ピカデリー2で行われ、主演の堺雅人と森田芳光監督が出席した。今月4日(土)に初日を迎え、公開12日目のこの日で観客動員55万人、興行収入6億円突破の好成績。舞台挨拶を鑑賞中の観客約600人へは、品川神社の「一粒萬倍の泉」と呼ばれる霊水で清められたという5円玉の入った大入り袋が配布された。幕末、家族全員で質素倹約に努め、借金返済に勤しんだ下級武士一家・猪山家の柱・猪山直之を演じた堺さんは「こちらが猪山家です、おあがりください、とあがっていただく気分。これからも多くの人にあがっていただきたい」と晴れやかな笑顔を見せた。同日、スタッフを代表して品川神社へお参りに行った森田監督は「一緒に行ったドライバーが、あるはずの200万円の振り込みがなくて嫌な顔をしていましたが、お金を洗った瞬間に振り込みがあったんですよ」と御利益があったことを証言。堺さんは「早いですね!僕、帰りに寄って行こうかな」と興味津々。森田監督は「そのドライバーは、かなり切迫していたから。(切迫)していないとダメじゃないかな?」と苦笑いだった。一方で年の瀬とあって、今年一年の感想と来年の抱負を司会者から求められた堺さんは、「今年は年明けからこの映画の撮影があって…酷暑と酷寒を行ったり来たりの1年でした。来年は地味に過ごしたいですね」と野心のない穏やかな笑み。森田監督は「来年は自分の力をもっともっとつけて、みなさまに喜ばれる映画をもっと作っていきたい」と張り切っていた。『武士の家計簿』は全国にて公開中。(photo/text:Yoko Saito)■関連作品:武士の家計簿 2010年12月4日より全国にて公開© 2010「武士の家計簿」製作委員会■関連記事:“鯛色”で初日祝い!仲間由紀恵、観客からの声援に「お褒めの言葉、ありがとう」堺雅人インタビュー「幕末の負け側ばかり演じてきて、勝手に三部作って呼んでます」グランプリ女性の強心臓ぶりに森田芳光監督「怖い」シネマプロットコンペ授賞式堺雅人仲間由紀恵の加賀友禅振袖姿にウットリ堺雅人主演!『武士の家計簿』劇場鑑賞券を5組10名様プレゼント
2010年12月15日仲間由紀恵が11月8日(月)、堺雅人、松坂慶子らと共に出席した映画『武士の家計簿』(森田芳光監督)の完成披露試写会で艶やかな加賀友禅の着物姿を披露した。幕末の加賀藩を舞台に代々、会計処理の専門家・御算用者を務める猪山家の八代目・直之(堺さん)が、天才的数学感覚をもって家計を立て直し、家族を守って生きる姿を描く物語で、舞台でロケ地となった金沢にちなみ、女性キャストが加賀友禅を着て登場。振袖姿の仲間さんは「なかなか着る機会がないですから、ありがたく光栄な気持ち」と色っぽくうつむき加減。冒頭には男性ファンから「由紀恵ちゃん、誕生日おめでとう!」と先月30日の誕生日を祝福され、「バースデーの言葉をいただいてしまいました。嬉しいです。31になりました」と照れ気味。仲間さん、松坂さんの間に立った堺さんは「まさに両手に花」とウットリ見とれていた。仲間さんは劇中では対照的に、切り詰めた生活をする直之の妻・お駒を熱演しており「あるものだけで工夫しながら楽しんでいく。そんな心の豊かさを撮影していて感じました。それはとても温かいものだと思います」と優しい笑顔。堺さんも「他愛のないおしゃべりをしてご飯を食べている食事のシーンが印象に残っています。言葉の合間に出る互いを思いやる気持ちは、いまも昔も変わらないんじゃないかと。言葉じゃない部分はやっていて楽しかった」と“清貧の撮影”をふり返っていた。ほかに西村雅彦、中村雅俊、子役の大八木凱斗、森田監督が出席した。映画『武士の家計簿』は12月4日(土)より全国にて公開。(photo/text:Yoko Saito)■関連作品:武士の家計簿 2010年12月4日より全国にて公開© 2010「武士の家計簿」製作委員会■関連記事:堺雅人主演!『武士の家計簿』劇場鑑賞券を5組10名様プレゼント堺雅人と仲間由紀恵が夫婦で節約に奮闘!『武士の家計簿』試写会に35組70名様ご招待ちょんまげが似合う俳優ランキングは大混戦!大沢たかおが錦戸亮を抑え1位岡ちゃん“サムライシネマ”応援団長就任「まさかこんな風になっちゃうとは」堺雅人が語る太宰、そして『人間失格』――。「近代文学と“再会”できました」
2010年11月08日