ベイシックス(BASICKS)の2023年春夏コレクションが2022年9月1日(木)に東京・新木場にある「DHL 東京ディストリビューションセンター」で発表された。「消費の最前線」で初のランウェイショーを開催元クリスチャンダダ(CHRISTIAN DADA)のデザイナー・森川マサノリが2021年秋冬シーズンよりスタートしたブランド、ベイシックス。森川が考えるベーシックなデザインに捻りを加えた、シンプルな日常着を提案している。オーガニック素材やサスティナビリティ素材など環境に配慮した素材を取り入れているのも特徴だ。そんなベーシックスが初のランウェイショーの舞台に選んだのは、物流の拠点、DHL 東京ディストリビューションセンター。「消費」とは何だろうか、「ファッション」とは何だろうかーー暗闇の中をもがくような感覚で<答え>を探す中で、あえて消費の最前線ともいえるこの場所を選んだという。リーバイス501を再構築ファーストルックは、白のタンクトップとデニムパンツという「ベーシック」を象徴するようなルックからスタート。続くルックも、ブランドの定番であるデニムパンツをベースに、デニムジャケットやレザージャケットなどシンプルなアイテムを合わせた。また、古着のリーバイス(Levi’s)501を再構築したというジャケットとパンツは、ブランドコンセプトを象徴する一着として特に目を引いた。アンブロとコラボレーション今季はアンブロ(umbro)とのコラボレーションウェアも豊富なバリエーションで登場。Tシャツやジャケット、トラックスーツ、ファスナーによって丈を調整できるパンツなどが展開され、いずれも「umbro」の「o」の部分がベイシックスのアイコニックなハートマークにアレンジされた特別なロゴがあしらわれている。ミリタリーウェアをアレンジミリタリーウェアが散見されたのも今季の特徴といえる。テーラードジャケットには、ミリタリーテイストのスカートを合わせてプレイフルなミックススタイルを提案。無骨なカモフラージュ柄のシャツには、ニーハイブーツを合わせ、モダンなアクセントをプラスした。これらのアイテムもミリタリーウェアの過剰在庫をアップサイクルするなど、ブランドのスピリットがしっかりと反映されている。DHLのユニフォームを使用したドレスさらに、会場となったDHLとタッグを組んだアイテムもラインナップ。廃棄予定だったというDHLのユニフォームをブラトップやホルターネックのトップス、デニムパンツの一部に使用したほか、ユニフォームとは対極にあるようなデコラティブなドレスとして生まれ変わらせた。なお、森川は2022年内に、ベイシックスとは真逆となるクリエイティブに特化したブランドをスタートする予定だという。新しいブランドでどのようなクリエイションをみせてくれるのか、期待が高まる。
2022年09月04日リコール(RequaL≡)の2023年春夏コレクションが、2022年9月1日(木)に表参道ヒルズ内スペースオーにて発表された。もう一度原点に立ち返る「もう1度原点に立ち返る」。今シーズンのリコールは、ブランドの基盤を築いてきたテーラーリングに回帰。テーラードジャケットやトレンチコートなどベーシックなアイテムを土台にしながら、祖母の絵をインスピレーション源に、着る人に正解をゆだねる、自由なワードローブを提案していく。クラシカルなアイテムに自由なムードを象徴的なのは、再構築したクラシカルなテーラードジャケット。両肩や左右の身頃に、解体したジャケットの襟を組み合わせて、常識に囚われない自由な雰囲気を演出する。またダブルブレストのジャケットは、極端に肩幅を強調し、個性的なシルエットを生み出した。カジュアルなフーディーの前面や背面には、トレンチコートの一部パーツを秩序を持たせずドッキングすることで、ユニークなバランスに仕上げている。鮮やかなカラーを中心にカラーは、ブルー、グリーン、ピンク、オレンジ、イエローなど、鮮やかな絵画を思わせるパレットが揃う。オレンジとレッド、イエローとピンク、レッドとパープルなど、2ピース以上の異なるカラーアイテム同士を合わせることで、見る者の視線を惹きつけるコーディネートを完成させた。ロマンティックなディテール鮮やかなカラーパレットと呼応して、今季のディテールはその華やかなムードを加速させていく。はっとするほど鮮明なオレンジカラーのトレンチコートには、ボリューム感のあるグリーンやブルーのフリルをドッキング。ピンクカラーのジャケットには、同色のロマンティックなフリルをあしらって、ワントーンで統一しながらも、奥行きのある表情に仕上げた。ワイルドサイド ヨウジヤマモトとのコラボパーカーまた今季のコレクションでは、ワイルドサイド ヨウジヤマモト(WILDSIDE YOHJI YAMAMOTO)とコラボレーションしたパーカーが登場。ブラックを基調としたシックな佇まいで、コレクションに洗練された雰囲気をもたらしていた。
2022年09月04日レバークチュール(LEVER COUTURE)の2023年春夏コレクションが、2023年春夏楽天ファッション・ウィーク東京3日目の2022年8月31日(水)、東京国立博物館 表慶館にて発表された。一瞬のうちに織りなされる形象レバークチュールは、ウクライナ出身のレシャ・ヴェルリンジェーリ(Lessja Verlingieri)がデザイナーを務めるブランドだ。レディ・ガガのファッションディレクターであるニコラ・フォルミケッティに見出され、セレブリティのミュージックビデオやステージ、レッドカーペットなどの衣装を手がけてきた。東京国立博物館 表慶館を舞台に発表された今季のコレクションは、素材がふわりと蝟集し、身体を覆っては離れゆく、いわば一瞬に織りなされる形象をドレスに留めおいたようにすら思われる。たとえば光沢を帯びたナイロンは、ふんだんに素材の分量をとり、さながらヴェールが風に乗って身体を取り巻くようにして立体的なフォルムのドレスを生みだす。素材の弾力を活かしたそのドレスは、表面は激しく波打ち、襞に襞を重ね、時には弧を描くようにして半ば頭を包みこみ、流動的なフォルムを軽やかに固化しているといえる。〈軽やかなる固化〉という、この矛盾した響き!織物という平面を立体へと変えること──薄く柔らかな素材もまた、緻密なプリーツを施すことで、一種のボリュームを獲得する。華やかに光沢をまとったプリーツ素材は、褶曲しつつ身体の上を縦横に走り、あるいは扇のように優雅に広がる。身体という複雑なフォルムの上で、プリーツというひとつの素材が豊かな表情を織りなしてゆく。ひとひらの織物が凝縮し、また広がることでフォルムを織りなす一方、「パーツ」とでも呼ぶべきものを素材にするベクトルも見られる。帯を思わせる細長い素材は、いわば1枚の織物をまとうことで衣服とするかのように、身体に蝟集しては官能的なドレスに変幻する。歩みの律動に合わせて動くその躍動感は、帯様の形状ゆえにいっそう際立つものとなっている。織物ならぬ素材が一瞬夢見るドレスの形象──ダイナミックなフェザーを用いたドレスこそ、すぐれてその一例をなすものだといえる。光を透かして白くきらめくフェザーは、さながら天から舞い落ちては身体を包みこむかのように、官能的なドレスを生みだす。羽根という、柔らかく軽やかな素材が織りなす一瞬の姿──さながら刹那の裡に具現する〈軽やかなる固化〉を、ここにも見てとることができるだろう。
2022年09月04日サートグラフ(SARTOGRAPH)の2023年春夏メンズ&ウィメンズコレクションが発表された。“Power”を宿した服「Power and Creativity」をテーマに掲げた今季のサートグラフは、「クリエイティブな人々のための“力強い”ワードローブとは何か?」という、デザイナー中野晋介の問いからスタートしている。ブランドが得意とする都会的でミニマルなユニセックススタイルに、独自の視点で解釈した“Power”の概念を宿した。レザーの強さと美しさを纏う“Power”と一口に言っても、力、権力、経済力、軍事力...など、紐づく意味合いは文脈によってさまざまだが、この言葉を体現する素材として中野が目を付けたのは、レザー素材だ。エッジィかつラグジュアリーなムードを孕んだ皮革を、シーズンのキーアイテムとして打ち出している。シャツやカーゴパンツには、着脱可能なレザーポケットをオン。切り替えデザインのノースリーブトップスにも、首元に革のパーツを配した。レザーベルトは、アウターやトップスの上から、ウエストを絞るようにスタイリング。ゆとりをもって仕立てた布地が“きゅっ”とたわみ、身体の存在が露わになる様からも、纏う人の意思の強さがにじみ出る。ミリタリーウェアをデザインソースにした、メタリックなジップポケットも特徴的。強さの象徴たる軍服のディテールから引用し、モダンな印象にアレンジした。素材の力を引き出す黒のパワー素材そのものが持つ、色の強さを引き出すために、カラーパレットは、ブラックがベース。イエローやブルー、グリーンなど、コントラストの効いたヴィヴィッドカラーをアクセントとしてプラスすることで、パワフルな印象に仕上げている。
2022年09月04日チョノ(CHONO)の2023年春夏コレクションが発表された。テーマは「Resortir」。架空の避暑地を舞台にシーズンテーマに掲げた「Resortir」は、リゾート(Resort)の語源とされ、“再び外出する”という意味を持つ言葉。今季のチョノは、“再び訪れる”特別な場所として架空の避暑地を設定し、こだわりのオリジナルファブリックをもってして、優美なリゾートスタイルを創り上げている。自然豊かなリゾート地を思わせる花柄コレクションを象徴するのは、自然豊かなリゾート地を連想させる、フラワー柄テキスタイル。ヴィンテージ風のフラワープリントタフタは、身体が泳ぐゆったりとしたドレスに。ハチドリが潜むバイカラーの花柄サテンは、リラックス感のあるトラウザーに仕立てた。ツイード織で気品をプラスリラクシングなムードに、クラシカルな要素をプラスして、ラグジュアリーなリゾートスタイルを演出しているのも印象的。色彩豊かな鳥の羽をモチーフにしたジレや、ラメ糸を織り込んだ千鳥柄ジャケットなど、重厚感のあるジャカードを織り交ぜることで、気品あふれるスタイルに仕上げている。マジョレル庭園の色彩をアクセントにカラーパレットは、自然の力強さを感じさせるパワフルな色調。ニュートラルなトーンに、モロッコ・マラケッシュの「マジョレル庭園」からインスピレーションを得た、コバルトブルーやライムイエローといったヴィヴィットカラーでアクセントを加えた。
2022年09月04日ペイデフェ(pays des fées)の2023年春夏コレクションが、2022年9月1日(木)に中野ブロードウェイにて発表された。テーマは「forest maiden」。“朝日巫女”伝承を出発点にフランス語で“妖精の国”という意味を持つブランド・ペイデフェ。美しく神秘的でありながら禍々しい「人ならぬ世界」を舞台にルックが展開された。今季の出発点となったのは、デザイナー・朝藤りむのルーツ。柳田國男が岩手県・遠野地方の説話を集めた『遠野物語』にも伝わる、“朝日巫女”の伝承だ。ファーストルックはまさに、巫女がランウェイに現れたかのよう。軽やかな生地に、動物や植物を文様のように描いたドレスが、笛の音と共に披露された。“この世ならぬ”痕跡巫女が生きた世界を辿るようなピースは、あらゆるルックに落とし込まれている。森の昆虫や爬虫類、紫の花に埋もれているかのようなスーツや、ヴィクトリア朝のコルセットを彷彿とさせる光沢素材の花柄ビスチェなどが揃う。Risa Mehmetの絵画を纏ってまた、「固定概念に囚われず、己として生きるもの達を描く」というアーティスト・Risa Mehmetのアートワークを用いたテキスタイルが印象的。ブラックのオーガンザスカートから透けて見えるのは、あどけなくもどこか不可思議な少女が森の中を歩いている絵画『おさんぽ』だ。マザー・グースに登場する双子“トゥイードルダムとトゥイードルディー”のように、手を繋いで現れたモデルたちが着ているのは、絡まり合う花とリボンが描かれたカラー付きワンピース。袖や裾はバルーンのように寄せられており、空気を孕んだフォルムが異世界における浮遊感を想起させる。影の落ちたカラーパレットカラーパレットは鮮やかだが、影を強くした印象。どこかアンニュイなパープルやオフホワイト、ターコイズ、ダスティピンクなどが、“あの世でもこの世でもない”色彩感覚を提案した。
2022年09月04日六舞宴(ROKUBUEN)の2023年春夏コレクションが、2022年8月30日(火)に発表された。”和”のテイストを重んじる2020年にスタートした六舞宴は、和のテイストを重視したファッションブランド。シンプルなデザインで、長期間で使用できるウェアを提案している。ファッションウィーク初参加となる2023年春夏コレクションでは、六舞宴が得意とする”和”の要素をメインに、様々なファブリックを駆使。世界に誇れる”ジャパン・メイド”のワードローブを展開する。デニムをキーマテリアルに今シーズンのキーアイテムとなるのは、デニム素材を使用したウェア。既存のデニム商品に、手作業でアレンジした。中でも目を惹いたのは、藍染加工を施したデニムジャケットだ。伝統的な雰囲気を醸し出しつつも、襟や裾にはカラフルなステッチやリボンのディテールを織り交ぜて、遊び心を効かせている。赤いステッチがアクセントのデニムジャケットには、襟や袖、胸ポケットなど、至る所に和柄の入ったラインをセット。アメリカンカジュアル要素の強いデニムアイテムに、和の表情を加えた。リラクシングなシルエットシルエットは、体型に関わらず着られるリラクシングなスタイルがベース。ブランドを代表する、馬袴をモチーフにしたデニムパンツが好例だ。今シーズンは、耐久性のある良質な日本製生地を使用し、デザイン性だけでなく、心地よい着心地にもこだわっている。トップスには、肩の落ちたレースシャツを合わせて、上品なムードを漂わせつつもリラックス感のある着こなしを披露した。アクセントとなるカラー使いカラーは、ブラックやネイビー、ブラウンなど落ち着いたパレットを基調としつつ、時折鮮やかな色味を交ぜることでアクセントをプラス。ブラックカラーのトップスには、縦のラインを強調するような朱色のリボンをあしらって、存在感のあるデザインに仕上げている。性別や年齢の垣根を超えたワードローブなおランウェイ上には、性別や年齢、体型の垣根を超えた様々なモデルが次々と登場。サイズや着方の正解はなく、自由なスタイルで服を楽しんでほしい。そんな六舞宴のこだわりが伝わってくるようだった。
2022年09月03日ホウガ(HOUGA)の2023年春夏コレクションが、2022年8月30日(火)、東京・渋谷にて発表された。テーマは、「MY WILL, OUR WILL」。強い意思をワードローブに込めて毎シーズン、”ホウガの国の物語”をコレクションテーマとして制作しているホウガ。その「エピソード 02」として発表された、2023年春夏コレクションのインスピレーション源になったのは、”鉱山や宝石”。幼少期から少しずつ集め、大切にしているその宝物を守るために、自分の意思に自信を持つ、そんな強い想いをワードローブに託した。パンクロックなテイスト「反抗する気持ちを表現したかった」と語るデザイナー・石田萌の意思を表すように、コレクションは、パンク・ロックテイストが全体のベースとなっている。例えばロングドレスには、ブランドが得意とするフリルを不規則かつ大胆にあしらって、常識に囚われない自由なムードを演出する。またパンク・ロックな雰囲気は、脱構築的なデザインからも見て取れる。ジャケットは解体し、フェミニンなドレスやベーシックなシャツなどにドッキング。エネルギッシュなデザインに仕上げている。素材を組み合わせた、自由なスタイル素材を組み合わせたミックススタイルも今季の特徴と言えるだろう。グレーのデニム生地で仕立てたチューブトップ型のトップスには、軽やかなオーガンザ素材のフリルをあしらって、個性豊かな表情に。ふわふわとしたサッカーシフォンのチェック柄ブラウスには、クールなメタリックフリルをたっぷりとあしらっている。”鉱山&宝石”カラーをメインにカラーパレットは、鉱山のようにゴツゴツとした質感のシルバーやライトグレーを基調に、宝石を彷彿とさせる美しいルビーピンク、サファイアブルーを取り入れた。その華やかなルックに、度々ブラックカラーが登場し、コレクション全体を引き締めている。華やかなドレスピースで自分らしくワードローブを一層華やかに彩るのは、ボリュームのあるフリルの付け襟やグローブ、レースで仕立てたペンダント柄のハーネスなどのロマンチックなドレスピースたち。異なる素材やカラーで作られたそれらを、ウェア上にパズルのように組み合わせ、自分らしい着こなしの可能性を提案した。
2022年09月03日フミエ タナカ(FUMIE TANAKA)の2023年春夏コレクションが東京・国立代々木競技場 第二体育館で発表された。タイトルは“clear seed”。「見えない種」をキーワードに「見えない種」をキーワードにした今シーズン。コレクションには、それらの種が育ったものだと思われる美しい花々が溢れている。多彩なフラワーモチーフたとえばボックスシルエットのシャツやリラクシングなロンパース、バストラインを際立たせたキャミソールワンピースなどには、カラーコントラストを効かせながらオリエンタルテイストの花々を咲かせて。流れるようなシルエットが美しいロングドレスには、テイストの異なる4種の花柄をのせて、多彩な花が咲く野原のような楽しげなムードを演出した。花びらを思わせる繊細な素材コレクションの中で多用された、花びらを思わせる繊細な素材にも注目したい。シャツやコートに採用されたシアー素材は、光を反射する艶やかな質感も相まって、恵みの雨をうけて煌めく花々のよう。さらに、細かな模様が施されたレースや草花柄をのせたチュールなど、透明感あふれる素材がコレクションに漂う優美なムードをよりいっそう加速させていく。立体的なディテール大胆なパフスリーブや波打つラッフル、蕾を思わせるふっくらとした袖口など装飾的なディテールも散見された。中でも、立体的なフラワーモチーフのニットで構成された透明のドレスは、今季のテーマを象徴するようなデコラティブな一着だ。“透明”のアクセサリーフミエ タナカで人気を博すアクセサリーも注目。種をイメージさせる丸いピースを連ねたネックレスや、透明なパーツで構成したイヤリングなど、今季のテーマを落とし込んだアクセサリーが豊富なバリエーションで展開された。
2022年09月02日ユーシーエフ(UCF)の2023年春夏コレクションが、2022年8月30日(金)、東京の秩父宮ラグビー場にて発表された。テーマは「Shape shift」。膨らみから流れへ今季のコレクションの眼目は、衣服のフォルムの「変化」を見せることであったという。ブラックとホワイトというモノクロームをふたつの基調に、メッシュや強撚サッカーといった涼しげな素材を用いたスポーティなウェアを展開する。ブルゾンやトップス、ショートパンツ、スカートなど、軽快な素材感で構成されたウェアは、衣服と身体のあいだに小さなボールを数多と詰め込み、身体のシルエットを大きく膨らませる。スリーブはもちろん、トップスのショルダーやバスト、ウエスト、ショートパンツのサイド、スカートのバックなど、伸縮性に富んだメッシュがその張力でもって、膨らみに膨らんだパーツを抱えこんでは誇張する。それぞれのウェアが自然なフォルムを獲得するのは、むしろ、その裡に抱えこんだボールを放出したあとだ。膨張したシルエットはたちまちに収縮し、分量を存分にとった素材が、身体のシルエットに沿って流れるようなドレープを織りなす。素材はあくまでスポーティであり、ドレープもエレガントになりすぎない軽快さを示しているといえる。
2022年09月02日ハイドサイン(HIDESIGN) 2023年春夏コレクションが、2022年8月30日(火)表参道ヒルズ・スぺースオーにて発表された。“ファッション”としてのワークウェア多種多様なワークユニフォームを手掛けるデザイン集団から生まれたハイドサインは、ワーカー専用のディテールを構築的/機能的に落とし込んだアイテムを展開するブランド。これまでは企業向けに展開してきたが、今シーズンより“ファッションブランド”としての立ち位置で初のコレクションを展開する。会場では、観客ひとりひとりに勤怠管理の“タイムカード”を配布し、打刻することからスタート。働く現場を連想させるブランドらしいエッセンスを落とし込んだ演出のもと、記念すべきデビューコレクションが幕を開けた。グレーをキーカラーに激しく点滅する照明の合図──目をゆっくりと開けると、会場には複数のモデルたちの集団が出現していた。目が慣れるまで一見同じデザインに感じられるが、彼らが纏っているのはそれぞれ異なる仕様のワークウェア。グレーをキーカラーにしたパレットは、ホワイトカラー/ブルーカラー等に分類されない自由なポジションを意図しており、全ての人にとって最適なユニフォームを作りたいというデザイナーの想いが込められている。ウィットに富んだディテールそれぞれのディテールへと目を移すと、機能的でありながらウィットに富んだ収納が散見される。例えばハンマーやドライバー、ヘラといった所謂工業的な収納はもちろん、保冷剤入れや缶、ボールペン、パスポート…など、日常で“欲しかった”便利な専用ポケットまで。ポーチ風の収納を胸元に羅列してみたり、あえてフォルムを強調した大きなポケットをボトムスに配すことで、機能性そのものをデザインの一部として昇華させているのも面白い。無数に走るドローコードもちろんワークウェアそのもののデザインも、より日常で楽しめるアイテムへと一捻り。その好例となるのは、ドローコードを無数にあしらったルックで、ジャケット、パンツ、レッグウォーマーに至るまでドローコードを走らせ、キュッと絞ることで、個性的なシルエットのアレンジを楽しんでいる。レイヤードコーデもまたワークウェア同士を重ねた、真新しいレイヤードコーデも散見された。東レで開発されたテクニカル素材を中心に、様々な高機能素材をひとつのルックで多用することで、不思議とモダンな空気を帯びたシティルックを完成させている。
2022年09月02日ペイエン(PEIEN)の2023年春夏コレクションが発表された。『グレート・ギャツビー』から着想今季のペイエンは、「Green Light」をテーマに、小説・映画『グレート・ギャツビー』から着想したクリエーションを展開。映画のラストシーン、語り手ニックの「ギャツビーは緑の灯を信じていた。」という一節からはじまるメッセージからもインスピレーションを得て、夢を叶えようとするギャツビーの力強いエネルギーを、コレクションを通じて表現している。ライムグリーンをキーカラーにキーカラーは、シーズンテーマである「Green Light」を連想させる柔らかなライムグリーンをはじめ、未明の空を思わせるグレー、爽やかなライトブルー、透明感のあるベージュなど。ブランドが描く、儚さや少しの毒がある女性像はそのままに、希望に満ちた、ポジティブで明るいカラーを効かせた。エネルギッシュな脱構築デニム内面から湧き出るようなエネルギーを感じさせるのは、ペイエンが得意とする脱構築的なデザインのリサイクルデニムスカート。ジーンズを解体し、再びドッキングした動きのあるシルエットや、ダメージ加工を施した無骨なデニム地が、躍動感あふれるムードを演出している。ニットで作る儚げなレイヤードブランドのシグネチャーとも言えるニットウェアを駆使した、レイヤードスタイルも印象的。デニムのような風合いを表現したワンピースやベスト、光を宿したラメ糸のグローブなど、柔らかな風合いのニット素材を組み合わせ、奥行きのあるルックを創り上げた。あえて肩を抜き、ずらして羽織ったカーディガンや、ダブルジップのフロントから覗く素肌が、どこか儚げな印象も醸しだしている。
2022年09月02日ヨシオクボ(yoshiokubo)の2023年春夏コレクションが、2022年8月29日(月)、東京・渋谷にて発表された。なお、本ショーは、日本のファッションブランドを支援する楽天によるプロジェクト「by R(バイアール)」のサポートによるものだ。不可視なるものの具現化闇夜にゆらりと遊ぶ火の玉──今季のヨシオクボのテーマ「HITODAMA」である。死者の肉体から離れた、不可視の対象たる魂を衣服という物質へと具現化するこのコレクションが、身体のシルエットの拡張を核としていることは、すでに素描した。いやもっと、半透明のレイヤーが身体を二重化している、とすらいえる。コレクション全体の基調となるのは、スポーティなテイストだ。ブルゾンやポンチョなど、アウターはきわめてオーバーなサイズ、ボリューミーなスリーブで仕上げられ、身体のラインから乖離したシルエットを生みだす。そして素材が半透明であるがゆえ、つねにその下のレイヤーを、あるいは身体のシルエットを透かして見せる。身体に支えられ、しかしその動きとは必ずしも呼応せず、素材の弾力や柔らかなゆらめきでもって、むしろ半ば独立したシルエットを示す。身体の動きと衣服のフォルムとが互いに遅延し、差異を生みだす。冒頭に記した「二重化」とはこの謂いにほかならない。身体と衣服、それぞれのシルエットが齟齬をきたす最たる例が、内側に湾曲したバルーンを忍ばせたアウターなどであろう。スリーブには本来通るべき腕は通さず、そこでは身体を離れた造形性が追求されている。あるいは、フリルにフリルを重ねたドレス。身体から乖離した衣服といえば、たとえば19世紀ヨーロッパのクリノリンやバッスルスタイルのドレスが想起される。それらが重厚なスカートの圧倒的な不透明性でもってその下にあるはずの脚を隠蔽していたのならば、ヨシオクボの半透明性においては絶えず身体を透けて見せ、身体と衣服のあいだの緊張感を保持している。身体の二重化ほどラディカルではなくとも、アウターばかりでなくシャツやパンツなどに用いられた半透明素材は、全体として軽快さとレイヤリングをもたらしている。また、スポーティなブルゾンをはじめ、オーバーなサイズで丈感を長めに設定したアイテムを多用することで、レイヤードにより縦のラインを意識したスタイルを展開している。カラーは、ブラックやベージュといったベーシックカラーを基調としつつ、レッド、ブルー、オレンジ、ネオンイエローなど、ヴィヴィッドな彩りも数多く取り入れた。鮮やかな色彩を取り入れアクティブなムードを高めつつも、それらが過度に前へは出ないのは、シアーな素材という半透明性のなせるところだろう。
2022年09月01日リト ストラクチャー(rito structure)の2023年春夏コレクションが発表された。過去と今を繋ぐ「日常着」「Weave a time ~時を紡ぐ~」をテーマに掲げた今シーズン。今あるものと過去のものを“大切に繋げる、集める、再構築する”をキーワードに、独創的で現代的な視点で捉えた日常着を提案していく。ファンシーツイードのセットアップたとえば、ショートジャケットとタイトスカートのセットアップや、Vネックワンピースには、過去のシーズンに使用した生地をテープ状に裁断し、ションヘル織機で丁寧に織り込んで作り上げたという今季のテーマを象徴するような素材「ファンシーツイード」を使用。いずれも縦のラインを強調させるようなすっきりとしたシルエットに仕上げることで、リト ストラクチャーらしいモダンな印象に仕上げているが印象的だ。ロゴを再構築したグラフィックリト ストラクチャーのブランドロゴを分解し、再構築したというユニークなグラフィックも目を引く。歩くたびにひらひらとなびく繊細な生地で仕立てたブラウスやスカートにロゴの一部を切り取ったグラフィックを繰り返しプリントし、個性的な表情をプラスした。サステナブルなデニムシャツまた、今季もサステナブルな素材を使用したアイテムを幅広く展開。天然繊維のヘンプを緯糸に使用したデニムシャツやパンツ、“究極のサステナブル原料”と称される「カポック」を中綿として使用したシャツやトレンチコート、ベストなどが揃う。軽やかなカラーパレットカラーパレットは、ブラックやグレーといったベーシックカラーを基調としながらも、心地よい春夏を祝福するような軽やかさを感じさせる色味も採用。イエローやグリーンで展開されるジャケットやパンツがコレクション全体に軽快なリズム与える。
2022年09月01日ケイイチロウセンス(Keiichirosense)の2023年春夏コレクションが、楽天ファッション・ウィーク東京(Rakuten Fashion Week TOKYO)期間中の2022年8月29日(月)に、表参道ヒルズ内スペースオーにて発表された。”水”の表情をワードローブで表現「アート×テクノロジー×ファッション」の融合をコンセプトに掲げているブランド、ケイイチロウセンス。今シーズン、デザイナー・由利佳一郎の心を捉えたのは、”水”。豊かな表情を見せる”水”を、ケイイチロウセンスの世界を通して、ワードローブに落とし込んだ。「リアルとバーチャルを融合させたショーを作りたかった」と語る由利佳一郎。水滴を纏った由利佳一郎自身の3D映像が映し出されるともにショーが始まり、会場を近未来的な雰囲気で彩った。水面を思わせる涼し気なルックファーストルックを飾るのは、揺らめく水面のように涼し気なオーガンザ素材を纏ったルック。中には同柄のボディスーツを着用し、ワントーンで統一しながらも奥行きのある佇まいに仕上げた。流麗な水のようなボディスーツ続いて登場するのは、流麗な水を彷彿とさせるデザインのボディスーツ。草食恐竜・サウロロフスの化石のレプリカから生まれた特別なレザー生地を使用し、個性的な表情に。コーディネートしたバックパックも同デザインで彩ることで、ファッショナブルなアイテムに昇華している。近未来を想起させるパワードスーツまた、体の動きをアシストするパワードスーツにも目を奪われる。配線のようなディテールや色とりどりのボタンをセットしたパーツを至る所に配することで、ケイイチロウセンスらしいフューチャリスティックなビジュアルに仕上げた。レースを幾重にも重ねたドレスそして終盤、リボンを用いた可憐なパフォーマンスと共に現れたのは、レースを幾重にも重ねたドレスだ。上半身を覆ってしまうほどのボリューミーな佇まいながらも、軽やかなオリジナルオーガンザ素材を採用し、エレガントな雰囲気に。上身頃は繊細なビーズで仕立てることで、優雅なムードをより一層加速させている。
2022年09月01日エズミ(EZUMi) 2023年春夏コレクションが、2022年8月29日(月)東京・KITTE内の博物館「インターメディアテク」にて発表された。“Victorian woman in modern day"約3年ぶりのショー開催となる今シーズンは、デザイナー・江角泰俊の原点回帰ともいえるコレクションとなった。インスピレーション源になったのは、江角がセントラル・セント・マーチンズの留学時代に作成した一冊のスケッチブック。“Victorian woman in modern day"とタイトルを付けたその中身は、“ファッションの栄華を極めたヴィクトリア時代の女性が、もし現代にいたら…”という、極めてシンプルなアイディアのもと制作されたコレクションであった。今季改めてそのスケッチブックを開いた江角は、改めてヴィクトリアン朝時代の服飾文化を中心に調べることからスタート。当時の特徴的なディテールや装飾の構造を研究してみたり、分解し現代のテイストに合うように再構築してみたり…。昨今<建築>を着想源にしたコレクションを発表してきたブランドのテイストとは一変し、装飾を駆使しながらも力強いフェミニティを感じさせる新しいコレクションが幕を開けた。シグネチャーピースは“コルセット”コレクションのシグネチャーとなるのは、ヴィクトリアン朝時代を象徴するコルセットだ。女性の体躯をキュッと絞る象徴的なフォルムはそのままに、裾にはひらりとひらめくフリルをあしらって。それでいて甘くなりすぎないように、洗練されたテーラードで再解釈しているのも今季の大きな特徴といえるだろう。ウエストを絞るコルセットの機能を踏襲したように、たっぷりのギャザーをボディに配したブラウスも登場した。艶やかな光沢を放つ淡いブルーの布地を採用した上品な表情ながら、レースで切り替えたタイトなアシンメトリースカートを合わせることで、さり気ないセンシュアリティを演出している。クリノリンやバッスルを使用したシルエット身体のフォルムを拡張することが、“女性の美”として捉えられたヴィクトリアン朝時代にならい、今季のボトムスやドレスも、ヒップを強調するクリノリンやバッスル、パニエなどを使用した特徴的なスタイルが主流に。ボリューミーなシルエットながら、シックなブラックやホワイトなど、あえてシンプルな単色使いを採用することで、過剰になりすぎない絶妙なバランス感覚で提案している。ブリティッシュな空気を内包して一方今シーズンのアウターは、極めてマニッシュなムードに仕上げているのも見逃せない。ベースとなったのは、テーラードジャケットの起源にもなったフロックコートや、男性のスーツを女性が取り入れたエドワーディアンジャケットなど。歴史衣装のヘリテージの中にあるエレガンスを、現代女性の衣服として昇華させたアウターの数々は、江角の原点である英国文化を強く感じさせるものでもある。今回の原点回帰を通して、ブランドを今一度見直す機会ができたと語る江角。それは本コレクションだけに留まらず、今までのブランドのテイスト・スタイルに一度終止符を打つことを意味するのだという。ランウェイのラストに登場したパフスリーブのジャケットのルックは、パワーショルダーを連想させる堂々とした姿であった。甘さだけでなく、力強さを秘めたその女性像は、きっと未来でも新しい魅力を解き放つ物語を予感させる。
2022年09月01日エイ・クライプシス((A)crypsis)の2023年春夏コレクションが発表された。擬態し、美しい罠へ誘う“ハナカマキリ”がテーマエイ・クライプシスは、イー・ファン・チャンと、セイヴソン(Seivson)のデザイナーでもあるヅゥチン・シンが手掛ける台湾のメンズブランド。今季は、“悪魔”と称される大型ハナカマキリ「イドロマンティス・ディアボリカ」をテーマにコレクションを展開する。ハナカマキリは、ラン科植物の花に“擬態”することで、花に集まる昆虫類を捕食する生物。本コレクションでは、強い攻撃性を秘めながら周囲の環境に溶け込むことで、獲物を知らず知らずのうちに美しい罠へと誘うハナカマキリのイメージを衣服で表現した。同系色のカラーで境界を曖昧にコレクションのキーワードとなるのは、ブランド名でもある「crypsis(保護色)」。それぞれのルックは、ブラック、グレー、グリーンといった同系色のダークカラーで統一し、アイテム同士の境界を曖昧に。捻りの効いたシルエットを、あえて目立たないよう色に溶かしているのが面白い。異素材ドッキングの遊び遊びのある異素材ドッキングの手法にも注目だ。たとえば、くすみグリーンに彩られたアウターは、ブルゾンにダウンベストが“擬態”したデザイン。ほかにも、フード付きのジャンパーとMA-1のスリーブを繋ぎ合わせたジャケットや、異素材で切り替えたスウェットなどが登場した。ストリートとクラシックの融合今季も、様々なエレメントをミックス&マッチし、独自の世界観を築き上げるブランドの世界観は健在。ハナカマキリモチーフを胸にあしらった開襟シャツや、切りっぱなしのハーフパンツ、オーバーサイズのMA-1などストリートのテイストの洋服に、クラシカルなタッセル付きの革靴を投入しているルックがその好例だ。リズムを生み出す躍動的なディテールまた、躍動感を演出するディテールデザインも印象的。ワークパンツのポケットは大きく誇張されており、ジップの両端にはひらひらと風にたなびくストリングをプラス。ジャケットの裾部分にも紐を垂らし、動きのあるフォルムを作り出した。
2022年09月01日セイヴソン(Seivson)の2023年春夏コレクションが発表された。少女性のあるロマンティックなムード今シーズンのセイヴソンに漂うのは、ロマンティックなムード。ブランドが得意とするミリタリーウェアやクラシックウェアの“解体・再構築”的アプローチはそのままに、フェミニンなディテールが際立つ、レディなルックを創り上げている。トレンチコートをアレンジしたかのようなベージュのロングコートには、スカラップのビックカラーを施し、太めのベルトを張り巡らせて。ネイビーのジャケットには、布地を贅沢に使用したパフスリーブを採用し、ふっくらとボリューミーなシルエットに仕上げた。力強い女性像の中に、どこかロマンティックな少女性が感じられる。センシュアルな魅力を引き出すカットワーク女性のセンシュアルな魅力を引き出すのが、セイヴソンならではの巧みなカットワーク。ゆるやかな曲線を描き出すベスト風のピースから、デコルテや胸元がちらりと覗く。フロントから背面へと流れるようにつながるこのベストは、ビスチェやフーディーと合わせて、複雑なレイヤードを楽しむことも可能だ。モデルはSNSを軸に活躍する台湾人女性なお、台湾出身のヅゥチン シン(Tzu Chin Shen)が手がけるセイヴソンは、2023年春夏コレクションをオンライン形式で発表。“We Are All From Taiwan”をテーマに、SNS時代のファッションウィークを表現したムービー&ルックを披露している。モデルには、フォトグラファーのRuiやアクセサリーデザイナーのTsumireなど、SNSを軸に日本で活躍する台湾人女性7名を起用した。
2022年09月01日レインメーカー(RAINMAKER)の2023年春夏コレクションが発表された。静けさの中に強さを秘めた人物像今シーズン、レインメーカーが表現するのは、静けさの中に、力強さを秘めた人物像。ジャケット&パンツのスーツスタイルなど、男性的なテーラリングをベースにしつつ、春夏らしい柔らかくしなやかな素材遣いにより、気品あふれるコレクションに仕上げている。もちろん、レインメーカーならではの和の要素を織り交ぜたスタイルも健在だ。着物風コートには、風をうけると美しく膨らみ、たおやかに揺れ動く生地を使用。レイヤードしたピークドラペルジャケットの首元は、着物の襟合わせを思わせる。また、東洋的な衣装からインスピレーションを得たフロッグボタン付きのレザージャケットやプルオーバーシャツが、フレッシュな風を吹きこんでいる。自然着想のアクセントカラーニュアンスのあるカラーパレットも、今季のムードを創り上げている重要な要素。ホワイト、ブラック、グレーのモノトーンをベースに、さまざまな色調のグリーンをプラスした。ショー前半は、新緑や苔を彷彿とさせる落ち着きのある色彩からはじまり、後半にかけて、草花や川、日本庭園を連想させる鮮やかな色目が加わっていく。マイルストーンズ&ラングラーとコラボコレクションにリズムをもたらしている孔雀柄のテキスタイルは、西陣織の老舗「細尾」と京都造形芸術大学の学生たちによる協業プロジェクト、マイルストーンズ(MILESTONES)とタッグを組んで制作したもの。「細尾」所蔵の着物の絵柄を再構築した、オリジナルテキスタイルを用いている。ラングラー(Wrangler)とコラボレーションしたデニムウェアも登場。ラングラーのルーツであるウェスタンウェアから着想を得て、名作「11MJZ」をベースに、襟設計やフィッティングにアレンジを加えたカウボーイジャケットをつくりあげた。『ドライブ・マイ・カー』で話題の音楽家・石橋英子が出演なお、レインメーカーの2022年春夏コレクションはオンライン形式で発表。映像には、劇団マームとジプシーの演劇作品や、アニメ『無限の住人-IMMORTAL -』、映画『ドライブ・マイ・カー』の音楽を担当したことでも知られる音楽家・石橋英子が出演した。映像ディレクションは、2021年秋冬シーズンから継続して、写真家・水谷太郎が手がけている。
2022年09月01日フェティコ(FETICO)の2023年春夏コレクションが、2022年8月29日(月)に渋谷ヒカリエで発表された。テーマは“Admire Your Own Body”。鈴木いづみの“自己愛”を描き出す1970年代に作家や女優として活躍した鈴木いづみから着想したという今季。音楽や酒、セックス、薬物に溢れた過激な生活を送り、36歳という若さで自ら命を絶った彼女について、デザイナーの舟山瑛美は「鈴木いづみの写真にはリアルな女性の曲線美が描かれていて、彼女がその美しさを見せつけている姿に“自己愛”を感じた」と話す。“自己愛”は、今季のキーワードといって良いだろう。フェティコが大切にしてきた“女性の造形美”の中に、着る人だけが持つ美しいボディラインを讃えるようなルックが展開された。繊細と挑発のギャップラインナップしたのは、“繊細”と“挑発”を行き来するアイテムたち。スリップドレスをドッキングしたホルターネックのドレスや、メッシュのドレス、チュールのトップスなど、透け感のある質感があるかと思えば、黒光りを放つレザー風ジャケット、存在感あるビックカラーのブラウスなどがハードな表情を醸し出す。気ままなカラーパレットカラーパレットは、エレガントなブラックからホワイト、センシュアルなディープレッド、春夏らしいデニムブルーやネオングリーン、ピンクへと気ままに移り変わる。また、1970年代を彷彿とさせるペイズリー柄のジャカードのブラウスやスカートも印象的だ。ランジェリーに見る女性の造形美フェティコのアイコンであるランジェリー風のディテールも健在。デコルテ部分を覆う細かなメッシュ生地×フレアシルエットのワンピースという、コントラストの効いたシルエットが目を惹く。さらに、レースを施したシミーズ風ワンピースも揃う。また、フェティコでは初めてとなるシューズも登場。軽やかな足運びを叶えるプラットフォームシューズ&フラットシューズの2型で、細いストラップ×スクエアトゥが華奢な足元を演出。エナメルレザーのブラック、ブラウン、ホワイト、リザード型押しを用意する。
2022年09月01日こんにちは!HugMugブロガーのかみじょうです。今年の夏は本当に暑いですね...!!とにかく日差しが強くて黒焦げになりそう....。でも荷物を持ちながら、子供と手をつなぎながら、日傘を持って歩くのって結構大変。だからわたしの夏の紫外線対策はもっぱら「帽子」です!もともと帽子が好きなので、ついつい色々集めてしまうのですが今回はそんな中でも夏のコーディネートに大活躍の帽子ブランドをご紹介したいと思います!夏といえばやっぱり!『ストローハット』やっぱり夏は「麦わら帽子」ですよね。麦わらは通気性が良く、熱を遮断してくれるので、日本の夏に最適◎熱中症対策にもかかせないアイテムです。La Maison de Lyllisメゾンドリリスは日本のブランド。最近とっても人気ですよね。どのデザインも個性的で主張がありながらも、どこか品があって、被るだけで洗練された雰囲気にしてくれます。私が持っているのはつばが広くて、好きなリボンをつけてアレンジができるデザイン。内側にゴムが通っていてサイズ調整もできます。しっかり被ってリボンをぎゅっと縛れば飛んでいく心配もありません。デザインがかわいいだけでなく機能も優秀で、とってもお気に入りです。ブランドページはこちら:La Maison de LyllisHELEN KAMINSKIヘレンカミンスキーはオーストラリアのブランド。1983年にヘレンさんがオーストラリアの強い日差しから彼女の子どもたちを守るために、ラフィアハットを手作りした事をきっかけに誕生したそうです。伝統的な手工芸と現代的なデザインを組み合わせた「どこかなつかしいけどモダン」なデザイン。被るだけでコーディネートが格上げされる、上品な雰囲気がとっても素敵なんです。実は亡くなった祖母から形見として譲り受けたのですが、被るたびに祖母を思い出したりして、思い入れのある帽子です。ブランドページはこちら:HELEN KAMINSKIアウトドアにも最適!『サファリハット』とにかく汚れてもバッグの中でつぶれてもへっちゃら!なのが「サファリハット」。夏休みのママにはかかせないアイテム。プールやキャンプにも持っていくなら、これがおすすめ。THE NORTH FACE1966年にアメリカで誕生したアウトドアブランド。紹介するまでもなく、みんなにとって定番のアウトドアブランドですよね。このサファリハットは速乾性のある素材で通気性も良く、首元の紐がポイント。ぎゅっとしめていれば海風も平気!突然の山の雨からも守ってくれます。プール遊びの時の日差し対策にもいいですよね!普段はワンピースと合わせたり、通勤時の日焼け対策にも使ったりして、タウンユースにも◎流行に左右されないデザインと機能性がお気に入りです。ブランドページはこちら:THE NORTH FACEKIJIMA TAKAYUKIデザイナー木島隆幸さんがデザインする「スタイリングで生きるデザイン」をコンセプトに置くハットブランド。そのコンセプト通り、不思議とどんなコーディネートにも馴染みます。色々なデザインがある中で私が持っているのは、薄手のタイプライターコットンにウレタンコーティングがされた素材のもの。ライトな張り感があるのでシルエットがきれいにでます。くしゃっとまるめてバッグの中に押し込んでも、被るときには元通り!ポケッタブルでこんなにおしゃれなデザイナものってなかなかないですよね!レディな雰囲気にも、カジュアルな雰囲気にも馴染むので、色んな服装を楽しみたいリゾート旅行にもおすすめです◎ブランドページはこちら:KIJIMA TAKAYUKIシーズンレスに楽しめる!『キャップ』夏だけでなくオールシーズン楽しめるのはやっぱり「キャップ」。世の中にたっくさん種類があるので、自分に似合うこれだ!と思うものに出会えた時は喜びもひとしお!私の自慢のキャップたちをご紹介します。Positive Messageポジティブメッセージは、"幸福は、波紋のように広がって行くと信じて"というコンセプトのもとスタートしたオーストラリア発のブランド。たまたまCIBONEに行ったときに見つけて、かわいい刺繍のデザインと配色に一目惚れして購入しました!"WATERMELON PICKELS” と書いてあるのですが、”スイカのつけもの”という意味はあまりわからないけれど(笑)なんとなく、大好きなスイカを連想させてくれる色使いが気にっています♡高級感のある刺繍とヴィンテージ風の生地とのバランスも良いんですよね。見えない内側のタグに"Why Worry?"というポジティブなメッセージが書いてあって、そんな遊び心のあるデザインが魅力的なブランドです。ブランドページはこちら:POSITIVE MESSAGEWHITNEY MUSEUM最後にご紹介するのは、私のコレクションの中でも特に気に入っているこの子!ニューヨークのホイットニー美術館のミュージアムショップで買ったもの。真っ白な中に美術館のロゴが入っているだけなのですが、何とも言えないおしゃれなバランスなんですよね。本当にくたくたになるまでかぶっているので、内側は見せられないぐらい汚い(笑)。ニューヨークへ一人旅した時の思い出もつまっていて、被るだけで自由になれた気分にさせてくれます。もうくたくたになってしまっているから、またニューヨークへ行く時がきたら新調したいです!商品ページはこちら:WHITNEY MUSEUM SHOP帽子コレクションの中で気になるブランドはありましたか??もし帽子選びに迷っている方がいたら、参考になれば嬉しいです:)それではまた!熱中症にはお気をつけて夏をお過ごしください!
2022年08月08日ルイ・ヴィトンは、2023春夏メンズ・プレコレクション発売に先駆け、カプセル・コレクションとして登場する“Fall in Love” のルックビジュアルを公開しました。本コレクションは、1970年代のニューヨークでディスクジョッキーのデヴィッド・マンキューソによるパーティー「ロフト」からインスピレーションを受けています。レコードのフルセットを聞かせるように、洋服からバッグ、シューズ、アクセサリーに至るまでフルラインアップを展開し、DJとデザインの共生を探求します。メンズ アーティスティック・ディレクター ヴァージル・アブローのこの構想は、デザインを共に製作してきたチームであるメンズ・スタジオにより実現しました。“Fall in Love”カプセル・コレクションは9月15日発売予定です。【ルイ・ヴィトンについて】1854年の創業以来、ルイ・ヴィトンは、革新とスタイルを組み合わせた独自のデザインを常に最高級な品質で提供し続けています。現在もトラベルラゲージ、バッグ、アクセサリーなどの製品を通じて、クリエイティブでありながらエレガントで実用的という、創業者ルイ・ヴィトンが生み出した「旅の真髄(こころ)」という精神を忠実に受け継いでいます。ルイ・ヴィトンというストーリーを作り上げたのは「大胆さ」でした。伝統を重んじ、歴史の中で建築家、アーティスト、デザイナーに門戸を開き、プレタポルテ、シューズ、アクセサリー、ウォッチ、ファインジュエリー、フレグランスなどの分野を開拓してきたのです。これらの丁寧に製作された製品は、ルイ・ヴィトンがクラフツマンシップにいかにこだわりを持ってきたかという証となっています。詳細は、ルイ・ヴィトン 公式サイトwww.louisvuitton.com をご覧ください。
2022年08月02日シンヤコヅカ(SHINYAKOZUKA)の2023年春夏コレクションが発表された。テーマは、「FRIDGES IN THE AIR」。ファッションで“絵空事”を描く「真夏に大雪を降らせたい。」そんな想いからスタートした今シーズン。真夏に大雪を降らせることは“まやかし”であるが、実はそんな嘘やイミテーションこそが我々の日々を彩り、自信を与え、癒してくれるものだったりもする。デザイナーの小塚信哉に言わせれば、ファッションも“まやかし”だ。そして、嘘が持つパワーを声高らかに肯定できる点こそがファッションの長所なのだ。タイトルの「FRIDGES IN THE AIR」は、“絵空事”を英訳した「CASTLES IN THE AIR」をもじったもの。あえて冷蔵庫をピックアップしたのは、使用目的も見た目もほぼ同じだが、中身にその人の生活感や価値観が出る「冷蔵庫」と、ユニフォームやワークウェアなど匿名性の高い服を着ることで逆にその人のパーソナリティや資質が浮き出ると考える小塚自身の「ファッション観」が重なったからだという。“ゴーギャンの絵画”を織ったセットアップファーストルックに登場したのは、ナチュラルなグラデーションが目を惹くシャツ&ショートパンツのセットアップ。実はこれ、ゴーギャンの絵画を模写し、ゴブラン織りで仕立てたもの。あえて柄合わせをせずに生地を使用することで、今季のキーワードである“まやかし”を表現した。遊び心溢れる“手書きイラスト”「絵空事」というテーマから、洋服をキャンバスに見立てて“絵”を描いたアイテムも登場した。たとえば、エクリュのロングコートには、“王様”のイラストを小塚のカトゥーンチックなドローイングでオン。スキッパーシャツやオーバーサイズのジャケットなどにもマーカーで走り書きしたようなドローイングをあしらい、ラフでポップな遊び心をプラスした。スニーカーには、日本語でも英語でも“騙す・誤魔化す”といった意味を持つ「狐」のモチーフを使用。イミテーションや添加物、嘘だったとしても、パワーや役割があり素敵であるとの想いを込めている。絵を着る!?大胆なルックさらに会場の視線を集めたのは、言葉通り“絵画を着ている”ユニークなルックだ。キャンバスの中央部分にシャツの襟がドッキングされており、中から首を出せるように。前方から見ると迫力満点だが、このキャンバスの下には下着のみしか着用しておらず、その姿はどこか童話『裸の王様』の滑稽さを彷彿とさせる。フレッシュなグリーンを差し込んで洗いざらしのアイボリーやエクリュ、ブラウンなどナチュラルなカラーパレットに差し込まれるのは、目にも鮮やかなグリーンカラー。青みがかったグリーンや黄み寄りのグリーンなど、色調の異なる緑を随所に投入することで、コレクションの柔らかな雰囲気を鮮烈に締めた。
2022年07月23日ヴェイン(VEIN)の2023年春夏コレクション「アンフォルメル(INFORMEL)」が、2022年7月12日(火)、東京の代々木第二体育館エントランスにて発表された。アタッチメント(ATTACHMENT)の2023年春夏との合同ショーとなる。混沌から現出する形アグネス・マーティンの静謐なグリッド作品に誘われたのが今季のアタッチメントならば、同時に発表されたヴェインは、激しい表現性を示しているといえる。着想源となったのはジャン・フォートリエ──アンフォルメル、すなわち戦後期にかけてヨーロッパで興った抽象絵画潮流の先駆的存在とされるフランス人の美術家である。フォートリエの代表的な作品として知られるのが、「人質」である。これは、第二次世界大戦期に開始された絵画連作であり、ナチス占領下のパリで画家自身がドイツ軍に追われる極限状況下で手がけられた。厚塗りの絵具による不定形の絵画は、しかし、対象を純化するベクトルであるというよりもむしろ、いわば壁に投げつけたスポンジの染みからイメージが立ち現れるように、混沌としたなかからある種の形象が現出するものである。不定形から立ち現れる形象──それはすぐれて、ヴェインを特徴付けるものだといえる。MA-1やライダースジャケットはフロントのファスナーを2本にアレンジし、開け閉めによってフォルムに遊びを効かせられる構造に。ノーカラージャケットやカーディガンにはスリットを入れ、インナーパーツとの交錯が際立たせて。そのレイヤー構造こそ多層的で複雑だが、そこから立ち上がるのは、明晰に身体を包む衣服の形である。ディテールにもまた、形が立ち上がる手前が留めおかれているように思われる。生地を切断・再構築したデニムシャツやパンツの荒々しいほつれ、オープンカラーシャツやトップスに用いたフリンジのゆらめき、ところどころに甘い編み方を織り交ぜたニット。あるいは、まだらに染まる模様のように、不定形はグラフィックにも反映されている。コレクションを構成するカラーは、ブラックやグレーから、ブラックやグリーンを基調とした掠れるような模様、オレンジやグレーにまだらに染まる曖昧さ、そしてクリーンなホワイトへ──それらは混沌に形象を見出すかのごとく選ばれているといえる。
2022年07月15日© Courtesy of Burberry | Jared Buckhiesterバーバリーは、チーフ・クリエイティブ・オフィサーであるリカルド・ティッシによってデザインされた2023年春夏プレコレクションを発表しました。「フレンズ&ファミリーシリーズは、一体感、クリエイティビティ、コラボレーションを祝福するものであり、私にとってとても重要なものです。私にとって特別な人、そして限りないインスピレーションを与えてくれる人が、バーバリーの世界に独自のスタイルと視点をもたらしてくれる機会です。このシリーズ第2弾となる2023年春夏プレコレクションのフレンズ&ファミリー コラボレーターに Jared Buckhiester(ジャレッド・バッキエスター)を迎えることができ、とても嬉しく思います。ジャレッドと私は、長年親しい友人であり、彼の仕事に対する献身と情熱、そして自分のアイデンティティに忠実に生きようとする姿勢をいつも尊敬しています。このユニークでスペシャルなコレクションのリリースにより、私たちのクリエイティブな世界がひとつになった結果を共有できることをとても楽しみにしています。」リカルド・ティッシ、バーバリー チーフ・クリエイティブ・オフィサーこのコレクションは、ブランドのハウスコードである「双対性」を称えています。威厳と洗練された実用性を併せ持ち、クラシックな英国のフェミニニティと機能性にモダンなツイストを加えられています。この特徴は、ワークウエアにインスパイアされたカラフルなジャケット、チェーンモチーフをあしらった流れるようなシルクシャツ、イングリッシュフィットのスーツやスポーティなコーディネートスタイルなどに見られます。ダッフルコートやカーコートといったバーバリーのアイコニックなアウターウエアには、ストライプ、プリーツ、「馬上の騎士」モチーフなどがあしらわれ、レザータイやバイカーパンツ、パッデッドジャケットなど触感の違うアイテムと組み合わされています。2023年春夏プレコレクションは、リカルド・ティッシがバックグラウンドをもつ刺激的なクリエーターとパートナーを組むフレンズ&ファミリー クリエイティブシリーズの第2弾です。今回のコレクションでリカルドは、2022 年秋冬コレクション ランウェイショーにも登場したジャレッド・バッキエスターをパートナーに迎えました。ジャレッドはコレクションのスタイリングとルックブックの撮影を担当し、彼自身のコレクションテーマの解釈を表現するとともに、彼のクリエイティブなアイデンティティを確固たるものにしています。「私の経験をひとことで表すなら、単純に楽しいということです。このような強力なチームが、私が貢献すべく求められたアイデアに興味を持ってそれに応えてくれたことは、とても気持ちがよく、クリエイティビティを発揮するための余白をもたらしてくれました。スタート時から理想的なコラボレーションができ、私はコントリビューターとして快く受け入れられました。リカルドと私は、ワークウエアの美学を愛するという点で共通点があります。私のアーティストとしての作品の多くは、こうした服に宿るマスキュリンなアーキタイプをモチーフにしています。すぐにこの空間で活動することを楽しめましたし、クリエイションの上で実りのある場所となりました。リカルドを知る人は、彼が寛大で誠実であることを知っています。だからこそ彼の周りにはクリエイティビティに貢献している人たちが集まってくるのです。また、彼は鋭い観察眼を持っているので、どんなことも見逃しません。この観察眼と寛大さが組み合わさると、コラボレーターとして自分を最もよく表現するアイデアを見出すことができる人物になるのです。正直、彼と一緒に仕事をするのは夢のようでした。バーバリーは英国文化の象徴であり、パンクやレイヴカルチャーと同じように、私自身がもつ英国人であることの概念にも織り込まれています。それにリカルド、そして彼との友人としての関係が加わることで、バーバリーはよりパーソナルでタクタイルなものになりました。英国的なコアを維持しつつも、レイヴはすぐそばにあるのです。」ジャレッド・バッキエスター、アーティスト© Courtesy of Burberry | Jared Buckhiester© Courtesy of Burberry | Jared BuckhiesterWOMEN実用的なユニフォームを再構築しました。ウールを使用したバーチブラウン チェックのフーデッドダッフルコートは、ブラックのレザーシャツ、タイ、バイカーパンツと合わせてレベリアスなスタイリングに。オレンジのストライプでアクセントを効かせたブライトレッドのウール&レザー トリミング ジャケットと、ダスティオレンジのコットンキャンバス コートには、パネルデザインをほどこしたブルージーンズとストラップレスのプレイスーツを合わせています。テクニカル素材を使用し、バックにフェミニンなプリーツをほどこしたアイコニックなカーコートは、コットンギャバジンに「馬上の騎士」デザインをジャカード織りで表現。ブラックレザーのパッデッドジャケットとライトエアフォースグリーンのナイロンのボンバージャケットの下に着用しています。トレンチはレザーで再構築され、ホルターネックのボディスーツとスカートに合わせています。ダイヤモンドキルトのワックスドコットンジャケットとスカートはフィットしたシルエットで、シアリングのオーバーサイズコートの下に着用しています。クラシックなブリティッシュフェミニニティにモダンなアレンジを加えました。なめらかなカシミアのラップアラウンド ケープには新しいピクセル・チェックをほどこし、レザーでトリミングしました。フローラルの資料とクリスタルのアップリケをあしらったパーチメントグレーのウールカーディガンは、チェーンプリントのシルク タイネックシャツと、ダークグレーメランジのスカートのようなパネルを重ねたウールショーツとコーディネートしています。ブラックのウールカシミヤ カーディガンには、ファームヤードアニマルをインターシャ編みで表現しました。スポーツウエアは、ブライトブルーのボンバージャケットと、サイドにチェーンプリントをほどこしたヘビーウェイトのテクニカルニット素材を使用したフロアレングススカートに再解釈されています。テーラリングでは、トラディショナルな要素と破壊力のある要素がミックスした大胆なシルエットです。ブラックのウールテーラードジャケットはウエストを絞った構築的なデザインや、カラフルなストライプをアップリケしたボクシーなデザインで、乗馬からインスピレーションを受けたレザーチャップスとフロアグレージングスカートと対をなしています。ダークグレーのメランジウール テーラード オーバーコートにはワイドレッグパンツを。イブニングには、ネックラインとプリーツフリルが特徴的なバーチブラウンチェックのシルクドレス。ネックラインをチェーンで縁取った大胆なフリンジシフォンドレスも。© Courtesy of Burberry | Jared BuckhiesterMENワークウエアの機能性に、プレイフルな要素をプラスして再文脈化しました。ダークバーチブラウンのコットンキャンバスのカーコートは、シアリングのオーバーサイズコートの下に着用しています。ユーティリティスタイルのブラックのコットンギャバジン コートには、誇張されたポケットとアップリケのストライプをあしらいました。オレンジのコットンキャンバスのフィールドジャケットは、コーデュロイの襟とコントラストを効かせたトップステッチが特徴です。同系色のパネルを配したワックスドコットンジャケットは、スカートと組み合わせたスタイルで、ハニーのビスポーク ギャバジン カーコートとウールカシミアブレンドのリブニットセーターの上に着用しています。ロゴキルトのパファージャケットの下に合わせているのはレザーのエプロン。ハウスコードはさらにパワーアップし、ダークバーチブラウンのバーバリーチェックを探求したウールのダウンジャケットとバッジのアップリケが付いたウール&レザー ボンバージャケットは、レザーのバイカージャケットとパンツと組み合わせています。「馬上の騎士」モチーフは、カシミアウールのツインセットにインターシャ編みで表現され、テーラードジャケットには3D プリントをほどこしました。ループバックのコットンフーディーには新しいチェーンのモチーフをプリントし、コットンウールのトラックジャケットとジョギングパンツには総柄プリントにクリスタルをあしらいました。タイムレスなテーラリングはシグネチャーやシーズングラフィックでリフレッシュされました。サテンラペルのブラックのグレインドプードルウール タキシードは、クリスタルで飾ったオークリーフ モチーフのビブフロント コットンシャツに合わせました。ホワイトのイングリッシュフィット スーツにはテクニカル シルクキャディを使用し、シルクツイル シャツにはシーズナルなチェーンモチーフを水彩画風にプリントしました。© Courtesy of Burberry | Jared BuckhiesterBAGSブラックのミニチェーン TB バッグは、輝くクリスタルとトーマス・バーバリー モノグラムをあしらったクラスプで装飾され、連動するイニシャルがバーバリーの創業者へのオマージュを表しています。キャサリンバッグ、シグネチャーシェイプ、そして新しいストラップ付きアイウエア ポーチなどは、ブライトオレンジとタンレザー、ロゴエンボスをほどこしたブラッシュドブラウンレザー、ブラックのシャイニーレザー、スムースレザー、クロコダイルエフェクトをほどこしたエンボスレザーで作られています。ローラバッグは、「馬上の騎士」モチーフをあしらったグリーンベルベット、ポリッシュ仕上げのスタッズが付いたブラックレザー、バーバリーチェックから着想を得て、より大きなピッチのキルティング加工で表現したミニシェイプのブラッシュドブラウンレザーとホワイトスムースレザーなど、新鮮な表情を見せています。円筒形のスピーカーを連想させるバレルシェイプの「サウンドバッグ」が新登場。ハウスチェックにインスパイアされたブライトレッドのエンボスレザーを使用しています。クラシックなレザークロスボディバッグには、クリスタルをあしらったチェーンパターンと、トーマス・バーバリー モノグラムをポリッシュドレザーで質感豊かに仕上げました。© Courtesy of Burberry | Jared BuckhiesterSHOES AND ACCESSORIESウィメンズのレザーアンクルブーツは再解釈され、ダークバーチブラウンのバーバリーチェックにウールとブラックベルベットでアクセントを加えました。ビターチョコレートのレースアップ レザーブーツは、スティレットヒールとレースガードのディテールが特徴です。ポインテッドトゥ パンプスにはコントラストのトップステッチ入りデニムとクリスタルをあしらったスリングバックは、レザートリミングのチェーンストラップ付きで、ローラバッグともリンクしています。足首にチャンキーなチェーンのストラップをつけたスティレットヒール サンダルも。ワークウエアとハイキングにインスパイアされたメンズブーツはレースガードのディテールが特徴です。ブライトレッドとブラックのバックルストラップ付きのレザー バイカーブーツは、ミッドカーフとニーハイ丈がそろいます。新たに登場したスリップオン ブーツは、ラバーソールにポリッシュ仕上げのスタッズ付き。ブローグのディテールを採用したダービーシューズは、チャンキーなトレッドソールにアーカイブベージュのバーバリーチェックとグログランがアクセントを添えています。アーサー スニーカーは質感のあるテクニカルな素材を用いたジッパー開閉式のアッパーに包まれ、この特徴的なトレッドソールはラティスレザーサンダルにも取り入れられています。レクタンギュラーフレーム サングラスは、テンプルにカットアウトディテールをあしらい、オレンジのレンズを搭載したブラックやトータスシェルのフレーム。ヴィンテージの雰囲気漂うスクエア オプティカルはメタル製でアセテートのトリミングがほどこされています。リボン型のイヤリングはベルベットとグログランを使った2 タイプ。パールが揺れるチェーンペンダントイヤリングです。TB モノグラム イヤリングと鹿を象ったリングには、手作業で丁寧にクリスタルをはめ込みました。誇張したデザインのシグネットリングには「馬上の騎士」デザインを組み込んでいます。乗馬にインスパイアされたピルボックス型のキャップは、ウールとスムースレザーでエレベートされました。レザーベルトは、オークリーフの紋章をバックルにあしらったデザインです。ブライトオレンジにスケッチプリントをほどこしたレザーグローブは、鷹狩りのグローブからインスパイアされたスタイルです。© Courtesy of Burberry | Jared BuckhiesterKEY COLOURSソフトフォーン、ダークバーチブラウン、ダークグレーメランジ、ブラックを基調に、ブライトオレンジ、ブライトレッド、トゥルーコバルトブルーがアクセントを添えます。またライトエアフォースグリーンやアーストーンのビターチョコレートとタンがやわらかなアクセントになっています。KEY PATTERNS AND PRINTS「馬上の騎士」モチーフは、プリント、ジャカード織り、インターシャ編みによってデザインされています。ハウスチェックは、ダークブラウンと新しいピクセルチェックで表現しました。新たに登場したチェーンプリントはアクセントとして、水彩画のような総柄デザインとしても使用されています。アップリケやカラフルなクリスタルで飾られた繊細なフラワーモチーフや、インターシャ編みでプレイフルに仕上げられたファームヤードアニマルも目を惹きます。ニードルパンチやアップリケを施したストライプ、幾何学的なカラーブロックのバンドもラインアップ。バーバリー公式サイトBurberry.comLINE @burberry_jpInstagram @BurberryTwitter @Burberry_JapanFacebook @BurberryJP
2022年07月14日メゾン ミハラヤスヒロ(Maison MIHARA YASUHIRO)の2023年春夏コレクションが発表された。表層、あるいは幻影の舞台としての虚構とは通常、現実と齟齬をきたすがゆえに「虚構」である。純然たるトートロジー。だが、その虚構の精緻さを極めることで、現実の幻影へと誘う場合もありうる。トロンプ・ルイユをその例に挙げることができよう。たとえばフランドルにおける静物画は、本物と見紛うばかりに緻密な描写がなされた。あるいは17世紀イタリアの宮殿や教会の建築では、天井に突き抜けるような天空を繰り広げ、そこにキリストの姿などが描かれた。その幻影の舞台となるのが、ほかならぬ表層である。今季のメゾン ミハラヤスヒロは、この表層を戯れる。絵画という平面が静物という立体を見せ、建築という閉じた空間が天空という開いた場へと広がるように。たとえばシンプルなプルオーバーやワンピースには、オープンカラーシャツやドレス、スカーフ、アクセサリーなどの絵柄をプリント。スカートにはプリーツを織りなすまた別のスカートを描きだすなど、衣服の内実と見かけの齟齬を表現している。ブランドを特徴付ける解体・再構築的なデザインも、このトロンプ・ルイユに引き付けられる。MA-1は、スリーブの外側に大きくスリットを入れることで、ほとんどベストとでもいうべき姿に。また、デニムジャケットにカーディガンを、無地シャツにチェック柄を、あるいはMA-1にMA-1を重ねるなど、レイヤリングのデザインを多用した。上にふれたように、ウェアの基調となっているのはワークやミリタリーのテイストだ。デニムアイテムに見られるように、それらは多くの場合、オーバーサイズでくたっと着慣れた質感、エイジングやダメージの加工を施し、日焼けや糸のほつれを再現するなど、ユーズド感あふれる見た目で仕上げられている。これもまた、一種のトロンプ・ルイユだといえる。
2022年07月06日キディル(KIDILL)の2023年春夏コレクションがパリで発表された。永遠に揺るぎない「パンクの世界」「誰にでも、ファッションや音楽、アートでも、あるいは自身の感性を揺れ動かすカルチャーに惹きこまれた“初めて”の瞬間がある。」そう語るのは、デザイナーの末安弘明。最初期のパンクや映画黎明期のホラームービー、自由を志向する少年たちの精神を活写したスケートビデオなど――本質的に感銘を受けたものを思い浮かべた時、それは何十年経った今も色褪せることなく彼の精神の中核に結びついていたという。“昔から変わらず好きなパンクの世界”を組み込み、これまで以上にキディルを形作るメンタリティに従った今シーズン。タイトル「HELL HAUS」には、その不穏なムードだけでなく、末安にとって永遠のインスピレーションが同居した家=揺るがない彼自身の精神性という意味も込められている。“パンクスタイルの定番”を詰め込んでルックを彩るのは、ジップで切り裂いたジーンズやチェックシャツ、スカルモチーフのTシャツ、ボンテージベルトを施したワンピースなど、パンクの定番要素を詰め込んだハードなスタイル。合わせるアクセサリーも、スパイク鋲のブレスレットや有刺鉄線風のチョーカーなど過激なチョイスだ。ポップで異質な“花柄”でリズムをそんな、不穏で反逆的なファッションをポップに中和しているのが、大小さまざまな“花”のモチーフ。たとえば、白と黒のタイダイ染めワンピースには胸元にカラフルなフラワーモチーフをオン。一見パンクとは相容れないファンタジックな世界観を、あえて融合させているのが面白い。サイケデリックな柄使いルックの後半に入ると、より遊び心のあるマッドな柄使いが目立つように。ぐるぐると渦巻くマーブル模様のオールインワンに、同じくマーブル模様のジャンパーを重ねたコーディネートは、見ているだけで錯覚を起こしそうなスタイル。グリーンとオレンジの鮮やかなコントラストも、サイケデリックな雰囲気を一層引き立てている。
2022年07月05日ハイアット リージェンシー 東京より、「サマーパフェコレクション ~夏×パフェ~(Summer Parfait Collection ~夏×パフェ~)」が登場。2022年7月1日(金)から8月31日(水)まで、ロビーフロア・2階「カフェ」にて提供される。旬のフルーツ使った夏限定パフェ今回登場するのは、夏に旬を迎えるフルーツを使った全5種のパフェ。桃のコンポートや桃のムースを使用した「MOMO 白桃×ヨーグルト」は、ピンク色が映える“桃づくし”のパフェだ。トップにはローズ味のミニマカロンを乗せている。「MANGO マンゴー×ココナッツ」は、フレッシュマンゴーやココナッツムースなどをベースに作ったトロピカルな一品。フルーツの酸味とヘーゼルナッツクランブルによって、香り高く繊細な味わいに仕上げている。和風デザート好きには「MATCHA 抹茶×あずき」がオススメ。あずきムースの下に忍ばせたオレンジコンフィ、大納言あずきのクランブルや白玉など、食べ進めるごとに新鮮な味覚と食感を楽しむことができる。そのほか、砕いたヘーゼルナッツを入れた「CHOCO チョコレート×ヘーゼルナッツ」や、スペシャリテのモンブランをパフェにアレンジした「KURI 和栗×洋栗」がラインナップする。【詳細】ハイアット リージェンシー 東京「サマーパフェコレクション ~夏×パフェ~」提供期間:2022年7月1日(金)~8月31日(水)時間:11:30~21:00(ラストオーダー 20:00)場所:ハイアット リージェンシー 東京 ロビーフロア・2階「カフェ」住所:東京都新宿区西新宿2-7-2料金:各1,452円 ※サービス料込メニュー:・「MOMO 白桃×ヨーグルト」・「MANGO マンゴー×ココナッツ」・「MATCHA 抹茶×あずき」・「CHOCO チョコレート×ヘーゼルナッツ」・「KURI 和栗×洋栗」※数量限定販売【予約・問い合わせ先】ハイアット リージェンシー 東京「カフェ」TEL:03-3348-1234(代表)
2022年07月03日ロサンゼルス発のフレグランスブランド「フェルナンダ(FERNANDA)」は、2022年夏コスメとして、“桃の香り”の「モモコレクション」を、全国の直営店およびバラエティーショップで限定発売する。“もぎたて桃”の香りを再現「モモコレクション」フェルナンダ人気のフルーツシリーズに、“もぎたて桃そのもの”の香りを楽しめる「モモコレクション」がお目見え。コレクションでは、本物の桃から抽出したエキスを配合し、みずみずしく甘い桃を再現。とろけるような甘さの桃をベースに、ジューシーなプラムや可憐なピーチブロッサムを重ね、“もぎたて桃そのもの” のフレッシュな香りに仕上げた。「モモコレクション」のラインナップは、全13アイテム。中でも注目は、-22℃の“ひんやり”新触感で肌を包み込む「フレグランスモイストボディジェラート」だ。凍らせて使用すると、さらにひんやり感を楽しむことができる。また、ワンプッシュで優しい桃の香りがふんわりと広がる「フレグランスプレミアムヘアミスト」も登場。細かい霧状のミストで、髪全体に広がり、パサつきのないサラサラな髪を叶えてくれる。ほかにも、肌を保湿しながら、やさしく角質を取り除く「フレグランスシュガースクラブ」や、ホイップクリームのような心地よい使用感の「フレグランスハンド&ボディホイップクリーム」、ふわふわの泡で潤いを守る「フレグランスプレミアムボディソープ」なども取り揃えている。【詳細】フェルナンダ「モモコレクション」発売日:2022年6月24日(金)取扱店舗:全国の直営店、バラエティーショップ、オフィシャルECサイト<アイテム例>フレグランスモイストボディジェラート 120g 1,540円フレグランスプレミアムヘアミスト 100ml 2,860円フレグランスシュガースクラブグランデ 300g 3,960円フレグランスハンド&ボディホイップクリーム グランデ 300g 3,740円フレグランスプレミアムボディソープ 360ml 3,300円※「モイストボディジェラート」以外は、直営店&オフィシャルECサイト限定。
2022年06月30日6月25日パリ時間正午、ロエベの2023年春夏メンズコレクションが発表されました。今回のコレクションは、テクノロジーと自然の実験的な掛け合わせが、詩的なビジョンを立ち上げ、 デジタルスクリーンやテクノロジーの漂流物や、 生きた植物が装飾するコレクションとなります。
2022年06月30日