「そろそろしっとりとした恋愛ものをやりたいと思って…」。目を細めながらそんなふうに『スイートリトルライズ』との出会いを語る大森南朋。たしかに、『ハゲタカ』、『笑う警官』、『ゴールデンスランバー』など、近年出演した作品は社会派ものが目立つ。殻を破りたいと思うのは役者として当然のことだ。そこで、今現在“色気のある格好いい大人の男”として女性を魅了し続けている大森南朋の魅力に、さらには恋愛観に迫ってみた。近づけないのか、それとも近づかないのか本人曰く、今回演じる聡という男は「甘えん坊で優柔不断な軽い男」。穏やかな妻・瑠璃子(中谷美紀)と積極的な後輩・しほ(池脇千鶴)の間で揺れ動く役どころで、そんな「男の心の揺れを表現したいと思った」のだと言う。「現場でも瑠璃子としほ、どっちがタイプか?という話題はよく出ていましたけど、生意気承知で言うならば、瑠璃子としほの両方を持ち合わせている女性が理想です。ただ、しほのような元気のある女性もいいけれど、僕自身は瑠璃子のようなちょっと面倒に思われがちな女性も嫌いじゃないかもしれないです(笑)」と、照れながら本音をちらつかせる。聡と瑠璃子の夫婦については「夫婦なんだけれどギリギリ夫婦に見えるか見えないか、近づけないのかそれとも近づかないのか、という距離感。それが監督の狙いでもあったと思うんです」。常に“距離”を意識し、タイプの異なる2人の女性それぞれが与えてくれる空間も楽しんだそう。「池脇さんとのシーンを前半に、中谷さんとのシーンを後半に撮っていたので、違う映画を撮っている感覚だったことも面白かった。特に朝食のシーンでの聡と瑠璃子の間合の取り方は、演じていて楽しかったです。ただ、理解し難かったのは、部屋に鍵をかけてゲームをしている聡の心理。たとえ倦怠期でもそれは失礼なんじゃないかな、と。もしも大好きな女性が聡のように鍵をかける女性だったら、やめた方がいいって注意します、きっと(笑)」と言うように、聡は同じ家に住みながらも自分の部屋にこもり、鍵をかけ、携帯でやりとりするような男。その姿から観客は孤独を感じ、孤独について考えるだろう。ちなみに、大森さん自身は「誰からもメールが来ない日が2日間続いたら孤独を感じる」と、意外な一面も明るみに!愛はずっと続いていくものであってほしいそして、最後にこんな質問を投げかけてみた。聡と瑠璃子はお互いの愛を確かめるために恋をし、それぞれが恋と愛の答えを出しているようにも捉えられる──大森さん、愛と恋の違いって何ですか?「難しい質問ですね…」と悩みながらも「恋は一過性のものだけれど、愛はずっと続いていくものであってほしい。なんて、上手いこと言っちゃったかな(笑)」。こんなコメントをさらりと口にしてしまうなんて、やはり格好良すぎる。(photo:Toru Hiraiwa/text:Rie Shintani)特集『スイートリトルライズ』FEATURE INTERVIEW 中谷美紀×大森南朋■関連作品:スイートリトルライズ 2010年3月13日よりシネマライズほか全国にて公開© 2009 「スイートリトルライズ」製作委員会笑う警官 2009年11月14日より全国にて公開© 2009『笑う警官』製作委員会ゴールデンスランバー 2010年1月30日より全国東宝系にて公開© 2010「ゴールデンスランバー」製作委員会ハゲタカ 2009年6月6日より全国東宝系にて公開© 2009 映画「ハゲタカ」製作委員会■関連記事:『スイートリトルライズ』中谷美紀インタビュー夫以外の人に心奪われていく気持ち…恋愛脚本家が見せる、乙女な素顔狗飼恭子×大森美香“大人の恋愛”トークショー『スイートリトルライズ』矢崎監督インタビュー「映画は理解するのではなく感じる物」中尾彬夫妻、30年前の結婚3年目をふり返り「仕事してた記憶しかない…」【読者レビューをウォッチ】『アバター』旋風に負けず、邦画勢に高ポイント続々
2010年03月09日原作・江國香織、主演・中谷美紀×大森南朋──多くの女性の興味をそそるであろう組み合わせが『スイートリトルライズ』で実現した。ドキドキするというよりもドキッとする、そんな大人のためのラブストーリーだ。そこで、女優という仕事は物語(映画)を作ることであり「私の職業は“嘘”」だと言う中谷さんに、甘く小さな嘘の世界に生きる主人公・瑠璃子について話を聞いた。聡や春夫ではなく、もっと男らしい人が好き中谷さんが演じる瑠璃子はテディベア作家。夫と2人暮らし。どこにでもいるごく普通の夫婦だ。しかし、演じるにあたっては「この瑠璃子という役は簡単ではなかった。演じていて心地よくもない。難産でしたね(苦笑)」と、一筋縄ではいかない役だったことを語る。「実は、瑠璃子というキャラクターに最初は共感できなかったんです。私自身、結婚の経験はないですから、夫がいながらほかの人に心奪われていく気持ちが分からなくて。でも、人間なら結婚している、していないにかかわらず、そういう気持ちが多少はあるのかも…そんなふうに想像しながら演じていました」。また、瑠璃子は「とても秩序的な女性」だと分析する。「瑠璃子は日々の暮らしをとても大切にしている人です。朝起きて、窓を拭いて、時計のネジを巻いて、コーヒーを淹れる。しかもコーヒーフィルターではなくわざわざサイフォンを使って時間をかけて淹れるような人。煩雑な事柄に忙殺されていると瑠璃子のような丁寧な暮らしはできないですから、ある意味、彼女の暮らし方は素敵だと思いました」。そんな秩序的な性格はどこか中谷さんにも通じるような気もするが──「私、コーヒー飲めないんですよ。それに、聡(大森さん)や春夫(小林十市)のようなタイプには惹かれない。もっと男らしい人が好きですね」。役柄に縛られることなく自分をさりげなくさらけ出すところも中谷美紀らしさだ。凛とした佇まい、にじみ出る艶っぽさ、そこはかとない知性──そんないくつもの美を兼ね備えた彼女が求めるのは「男らしい人」。妙に納得してしまう答えだが、具体的にどんな人なのか詳しく聞きたい!「自分を犠牲にしても責任を負うとか、人のために自分が悪者になれるとか、そういう男らしい人は素敵ですよね。女性は仕事をしていると精神的にタフになってしまうので、一緒にいるときにこちらがタフにならなくてもいい、タフな男性が好きです」。たしかに、瑠璃子の夫・聡も、瑠璃子が恋に落ちる青年・春夫も、格好いいが決してタフとは言えない。けれど、その男女の間にはなんとも言えない空気感が流れ、その空気感こそが作品の見どころでもある。2人でいることで余計に寂しいそして、原作の行間が紡ぎ出すその空気感を表現するために映像で試みたのは、限られた台詞と限りない余韻。その中で中谷さん自身が心打たれたのは「1人でも2人でも寂しいものは寂しいんだよ」という、犬の飼い主のおばあさんの台詞だった。瑠璃子が抱いている孤独について深く考えたという。「1人暮らしであったなら孤独であることは当たり前で、孤独を感じることはなかったかもしれないけれど、2人でいることで余計寂しさを感じるのかもしれない。瑠璃子は聡にとても尽くす女性ですから、なおさら彼女の想いが一方通行のようにも感じられるんです。たしかに夫としては、帰ってきてすぐにあんなに色々と妻にしゃべられたら鬱陶しいだろうなって思いますが、女性は本来そういうもの。一見、聡と瑠璃子は特異な夫婦に見えるかもしれないけれど、実は世の中の縮図なのかなと思います」。共感することが難しいと言いながらも、これだけ瑠璃子を理解している──中谷美紀という女優が演技派と言われ多くの監督から求められているのは、この感性、この才能ゆえ。彼女が言うように女優という職業は“嘘”かもしれないが、中谷美紀の女優魂は“本物”だと『スイートリトルライズ』が物語っている。(photo:Toru Hiraiwa/text:Rie Shintani)特集『スイートリトルライズ』FEATURE INTERVIEW 中谷美紀×大森南朋■関連作品:スイートリトルライズ 2010年3月13日よりシネマライズほか全国にて公開© 2009 「スイートリトルライズ」製作委員会■関連記事:恋愛脚本家が見せる、乙女な素顔狗飼恭子×大森美香“大人の恋愛”トークショー『スイートリトルライズ』矢崎監督インタビュー「映画は理解するのではなく感じる物」中尾彬夫妻、30年前の結婚3年目をふり返り「仕事してた記憶しかない…」狗飼恭子×大森美香トークショー付き『スイートリトルライズ』女性限定試写会に30組60名様ご招待『ニューヨーク,アイラブユー』公開記念恋愛力アップグッズを合計8名様プレゼント
2010年03月02日江國香織の人気恋愛小説を原作に、中谷美紀&大森南朋扮する夫婦の心の揺れを描いたラブストーリー『スイートリトルライズ』。公開に先駆けて、3月1日(月)、女性限定の試写会を開催、映画のテーマに因んで「大人の恋愛トークショー」と題して、本作の脚本を務めた狗飼恭子さんと、以前から狗飼さんの友人であり、数々のヒット作の脚本を務める大森美香さんを迎えてのトークショーが行われた。本作のメガホンを取った矢崎仁司監督とは『ストロベリーショートケイクス』(’06)でもタッグを組んでいる狗飼さん。大森さんは前作の大ファンだということで、本作を誰よりも楽しみにしてたそうだが、「『ストロベリーショートケイクス』よりも一段階“大人”な映画になっていて、とても興味深かったです」と大絶賛。「観た後に良かったかと思うかどうかはそれぞれの恋愛観によると思いますが、すごく充実した気持ちになれます」と評した。これを受け狗飼さんも、前作と本作を比べて「この映画は、恋愛を維持することについて描いてます。前作は1人で生きていく女性たちの映画で、今回描くのは“2人”で生きていくことについて。1人で生きていくか、2人で生きていくか、どちらを気に入っていただけるかすごく楽しみです」と観客に問いかけた。本作は、結婚3年目、予期せぬ“スキ”によって生まれる、夫と妻、それぞれの恋愛を描くが、実は未婚というおふたりはこの物語を通じて結婚に対して多少の絶望感も味わったようで、狗飼さん自身も「脚本を書いている間も、結婚してこうなるんだったらどこに幸せがあるんだとずっと考えてましたね」とのこと。大森さんも「本当に結婚が怖くなりましたね」と頷きつつ、「でもすごく恋愛がしたくなりました」と笑顔を見せた。劇中の瑠璃子(中谷さん)のように2人の男性を同時に愛することについては「才能が要ること」と共に瑠璃子を仰ぎ見る(?)ふたりだが、男性のタイプは少々異なるようで、大森さんは「(聡役の)大森南朋さんが本当に素敵で、男性の弱い部分を垣間見せるところに弱いんです」と照れれば、狗飼さんは「俗に言うダメ男の春夫が大好き。だからダメなんだと言われ…」と自嘲気味。さて、本作のテーマにある、夫婦の間に生まれる小さな“ウソ”。ずばり、愛する者同士にはウソは必要?との質問には、「ウソをつけるくらいならとっくに結婚してます」と即答の狗飼さん。一方、大森さんも「私は好きでもない人にウソをつくのは罪を感じないけど、好きな人には上手にウソをつけないんです。だから私の恋愛はダメなんだな…」と思わずため息?数々の恋愛作品を手がけてきたふたりが見せる乙女な素顔に、女性で満たされた会場はすっかり和やかなムードに。最後に、狗飼さんは“大人の恋愛”について「“やっぱり”と思える恋愛」と表し、観客に「この映画で何かを感じてください」と呼びかけた。『スイートリトルライズ』は3月13日(土)よりシネマライズほか全国にて公開。シネマカフェSweet「大人な恋愛映画ガイド特集」■関連作品:スイートリトルライズ 2010年3月13日よりシネマライズほか全国にて公開© 2009 「スイートリトルライズ」製作委員会■関連記事:『スイートリトルライズ』中谷美紀インタビュー夫以外の人に心奪われていく気持ち…『スイートリトルライズ』矢崎監督インタビュー「映画は理解するのではなく感じる物」中尾彬夫妻、30年前の結婚3年目をふり返り「仕事してた記憶しかない…」狗飼恭子×大森美香トークショー付き『スイートリトルライズ』女性限定試写会に30組60名様ご招待『ニューヨーク,アイラブユー』公開記念恋愛力アップグッズを合計8名様プレゼント
2010年03月02日空気感のある映画──とても曖昧な表現に捉えられるかもしれないが、『スイートリトルライズ』という映画にはそんな“空気感”という言葉がよく似合う。ある1組の夫婦の物語、危険なラブストーリーなど、どんな作品であるかを簡単に説明することはできる。けれど、空気感のある映画という表現にはかなわないような…。なぜ空気感なのか?という答えは、矢崎仁司監督の映画監督としての佇まいのなかに隠されていた。「僕自身が好きな映画は夫婦の話が多いんです。だから、いつか自分も夫婦の話を撮ってみたいなと思っていて。江國香織さんの原作を読んだとき、いいチャンスだなと思いました。原作の登場人物を生身の人で動かしてみたいかどうか、それが自分にとって映画化したいかどうかの決め手でもあって、この原作を読んだときにそう思えたんです」。監督がずっと描きたかった夫婦の映画は、江國香織の原作との出会いで実現したというわけだ。だが、この物語に登場する瑠璃子と聡の夫婦を“少し変わっている”と感じる人も多いはず。中谷美紀、大森南朋に会って感じたことテディベア作家の妻・瑠璃子、IT企業に勤める夫・聡。どこにでもいる幸せな夫婦に見えるが、2人の間に小さな溝、小さな違和感、小さなすれ違いがあり、それが互いを別の恋に走らせる。そんな夫婦を中谷美紀、大森南朋の2人の俳優が演じている。キャスティングの決め手となったのは、監督がいつも大切にしている“感覚”。「僕はいつも頭のなかをニュートラルにした状況で原作を読むんです。プロデューサーから事前に“この俳優はどうか?”と提案されてもあまり考えない。絶対にこの役はこの人と決めつけるのではなく、実際に会ったときに自分がどう感じるのかが大切なんです。極力ニュートラルでいたいと思っています」。そして、「僕は本当にラッキーな人間」と笑みをこぼしながら、中谷美紀と大森南朋との出会いを語る。「中谷さんと大森さんに会ったとき、すぐに『あっ瑠璃子だ!』、『あっ聡だ!』と感じました。中谷さんに関しては、会う前に彼女の過去の作品をいくつか観ていましたが、実際の彼女の印象はスクリーンで見る印象と全く違っていて。僕が感じたのは、とても品のある美しさを持った孤高な人だなと。彼女のその美しさ、それだけは絶対に映像として映し撮らなければならないと心に刻んだんです。大森さんはプライベートで会うとヒゲを生やしていたりして、わりとラフな人。聡のようにスーツにネクタイというかっちりしたイメージではなかった。でも、絶対に他人に見せない部分、さわってはいけない部分というのが彼のなかにあって、それが僕のなかでは聡につながったんです」。ただ、聡と恋に落ちるしほ役の池脇千鶴だけは例外だった。「ニュートラルにしようと思っていても、原作を読みながら頭の中でしほが池脇さんとして動いているんです。どうしても池脇さんが思い浮かんでしまう。もし彼女にしほ役を引き受けてもらえなかったらどうしようかと(苦笑)。引き受けてもらえて嬉しかったですね」。監督の代表作である『ストロベリーショートケイクス』(’06)に彼女が配役されていたことも少なからず影響しているのだろうが、やはりその感覚に従うのも矢崎監督らしさだ。僕の映画にテーマはないまた、あえてテーマを用意しないのも矢崎映画の特徴。作家であれば、何か伝えたいことがあり、それを言葉や映像にすることはごく自然なこと。けれど、忘れてはならないのは矢崎仁司監督は感覚に重きを置く監督であること。「理解には興味がない。極端な言い方をするとストーリーにも興味がない」と断言する。「映画を観た人が普段忘れていたことを思い出すことができたら、それで十分なんです。普段忘れている感情の記憶に届くものは空気感でしかない。物語からは記憶は届かないんです。例えば、今回の作品で言うと、瑠璃子と聡の気まずい空気感を“知っている”と感じた瞬間に、その人の過去の想い出がよみがえってくる。それで十分。でも、最近は説明過多な映画が多いと思っていて。本来、映画は美術館で絵を見て何かを感じるように、感じるもの。だから、絵画に添えられているキャプションを読んだり音声解説を聞いたりしながら理解するものではないと思っているんです。映画も同じ。ストーリーが分からないと映画を楽しんだことにならないと思っている人がいるとしたら、それはとても悲しいこと。映画館の暗闇で感じたことが全て、観客ひとりひとりが感じてくれたことが全て。僕が作る映画はそういうものなんです」。自分の映画に「テーマはない」と言うが、感じること──監督が繰り返すこの言葉こそがテーマであり、観客はタイトルの「小さくて甘い嘘」についても深く考える、いや、感じるだろう。そして最後に投げかけた質問は、この映画を通じて監督は嘘をつくことについてどう感じているのかということ。矢崎監督、生きていくうえで嘘は必要ですか?「僕がこうして映像の世界にいるのは、嘘のなかにしか真実がないと思っているからです。だから、嘘はとても大切」。この言葉の真意は、もちろん『スイートリトルライズ』の中に…。(text:Rie Shintani)大森南朋インタビュー:coming soon中谷美紀インタビュー:coming soon■関連作品:スイートリトルライズ 2010年3月13日よりシネマライズほか全国にて公開© 2009 江國香織/「スイートリトルライズ」製作委員会■関連記事:中尾彬夫妻、30年前の結婚3年目をふり返り「仕事してた記憶しかない…」『ニューヨーク,アイラブユー』公開記念恋愛力アップグッズを合計8名様プレゼント狗飼恭子×大森美香トークショー付き『スイートリトルライズ』女性限定試写会に30組60名様ご招待『スイートリトルライズ』ポスター解禁2人の姿から感じるのは寂しさ?それとも…小栗旬初監督作引っさげ北海道に!ゆうばり国際映画祭ラインナップに注目
2010年02月24日江國香織の人気小説を映画化した『スイートリトルライズ』。3月13日(土)の公開を前に、2月22日(月)に本作の試写会が開催され、上映前に俳優の中尾彬と池波志乃夫妻を招いてのトークショーが催された。通常は、11月22日が語呂合わせで“いい夫婦の日”とされるが、平成22年とあわせて2が5つ並ぶこの日を、映画の内容に因んで“スイートな2人の夫婦の日”と命名し、中尾さんと池波さんに結婚生活の秘訣などについて語ってもらった。劇中、中谷美紀と大森南朋が演じる夫婦は結婚3年目だが、中尾さん夫妻は33年目。中尾さんはしみじみと「33年の間、ほかの人と恋に落ちることもなく…おい、ないだろう?」と池波さんに呼びかけると池波さんも「ないですね」と返答。さすが“おしどり夫婦”…と思いきや、中尾さんはニヤリと笑って「これがやさしい嘘というものなんですね」と映画のテーマと絡めて語り、会場の笑いを誘った。では、30年前…つまり2人が結婚3年目のときはどのような様子だったかと尋ねると池波さんは「ものすごく仕事をしていましたね。がむしゃらに仕事をしていた記憶しかないです。その間に実は、もっと大きなことを知らないままに乗り越えてきたのかもしれないですね。それを実感しないままに過ごしていたことはある意味、哀しいことなのかもしれない。(劇中で、中谷さん扮する妻が感じるような)孤独感を味わえることは、私にとっては贅沢なことと言えるのかも」とふり返りつつ心情を明かした。中尾さんも「借金もあったので一生懸命働いて…夢中だったね。祝言の日のことは記憶にあるけど、その後のことは覚えていない(苦笑)」と懐かしそうな表情を見せた。そして、劇中の夫婦を見ての中尾さんが感じたことはというと「とにかく、一生懸命会話をした方がいい!私はそうしてます。その日あった出来事全てを話すんです」。池波さんもこれにうなずき、「私たちは、わざわざ家の外で待ち合わせして、2人で飲みながらずっと話をしてたりするんです(笑)」と結婚生活の秘訣を披露。ただし、池波さんからは「大事なのは、他人が言う“秘訣”に惑わされないこと。実行してみたらきっとうまくいかないものですよ!」と忠告も。では中尾さん、33年間でほかの女性に気持ちが動いたことは本当に一度もない?との質問には「そりゃありますよ!なかったら嘘です(笑)。でも、結局(池波さんと)別れられないんだな」とニンマリ。この後も2人は、開催中のバンクーバー五輪の話題で盛り上がったりと、まさに“おしどり夫婦”といった様子をしっかりと見せつけてくれた。『スイートリトルライズ』は3月13日(土)よりシネマライズほか全国にて公開。■関連作品:スイートリトルライズ 2010年3月13日よりシネマライズほか全国にて公開© 2009 江國香織/「スイートリトルライズ」製作委員会■関連記事:『ニューヨーク,アイラブユー』公開記念恋愛力アップグッズを合計8名様プレゼント狗飼恭子×大森美香トークショー付き『スイートリトルライズ』女性限定試写会に30組60名様ご招待『スイートリトルライズ』ポスター解禁2人の姿から感じるのは寂しさ?それとも…小栗旬初監督作引っさげ北海道に!ゆうばり国際映画祭ラインナップに注目中谷美紀×大森南朋×江國香織『スイートリトルライズ』予告編解禁!
2010年02月23日女性から絶大な人気を誇る江國香織の同名小説を中谷美紀×大森南朋という組み合わせで映画化し注目を集める『スイートリトルライズ』の予告編がこのほど初めて公開された。一見、理想的な家庭を築いているかのようで、心のすれ違いを感じている一組の夫婦。それぞれに家の外に心惹かれる相手を持ち、家の中では嘘と秘密を重ねつつも、互いへの愛の深さを確認し合う姿が生々しく描かれる。映画の製作が決定した当初から、江國作品独特の言葉遣いが、生身の俳優によってどのようなトーンでどのように表現されるのか?と注目を集めていたが、今回解禁となった予告編では、妻・瑠璃子(中谷さん)の「恋をしているの。本当は夫だけを愛していたいのに」、「この部屋には、恋が足りないと思うの」などのセリフが登場している。小林十市が演じる不思議な青年、池脇千鶴扮する大学の後輩に、瑠璃子と聡(大森さん)がそれぞれ惹かれていく様子もしっかりと描かれているので、こちらもぜひチェック!ちなみに原作者の江國さんは、映像化された本作について「書いたことではなく書きたかったことを、視覚化されて愕然とした、というのが正直なところです。一体どうしてこんなことができたのかわかりません。小さな、美しい映画」と独特の表現で称賛している。原作者を“愕然と”させるとは、一体どのような作品に仕上がっているのか?『スイートリトルライズ』は2010年3月、シネマライズほかにて公開。こちらの予告編はMOVIE GALLERYにてご覧いただけます。MOVIE GALLERY■関連作品:スイートリトルライズ 2010年3月、シネマライズにて公開© 2009 江國香織/「スイートリトルライズ」製作委員会■関連記事:中谷美紀、官能&ドッキリ表現「肌の上をなめくじが這うような作品」「変態監督?」大人な秘密の恋をしてみたい俳優、第1位は大森南朋! デップ&ブラピに競り勝つスガシカオが江國香織×中谷美紀×大森南朋『スイートリトルライズ』の主題歌を担当!『スイートリトルライズ』クランクアップ!中谷美紀×大森南朋の自宅写真を独占初公開中谷美紀×大森南朋が夫婦役に!江國香織原作『スイートリトルライズ』が映画化
2009年12月19日数々の映画へ出演が相次ぎ、それぞれで印象的な演技を見せている大森南朋。兼ねてから実力派俳優として、多くの監督たちに信頼されてきた彼が、一躍世間に名を広めたのは連続TVドラマ「ハゲタカ」の主演。最新作『笑う警官』では再び主演に抜擢され、社会派ドラマに挑戦している。出演の決め手は“タイミング”これまでの出演作を改めてふり返ってみると、その数と幅広さに驚かされる。「基本的に『タイミング』が大きいんです。スケジュールのタイミングがまずありますし、イメージが固定されてしまうのもなるべく避けたいので、(同じタイプの作品が)続くと外したくなる、というのもあります。『ハゲタカ』、『笑う警官』と社会派が続いたので、ちょうど違うテイストの作品がやりたいな、と思っていたところに(恋愛映画の)『スイートリトルライズ』のお話をいただいて…というように。あとは、昔からお世話になっている監督やプロデューサー、共演者…そういう方からお話をいただけるなら、時間さえ合えば出来るだけ参加したいと思っています」。『笑う警官』の原作は、実際に起こった北海道警察による組織ぐるみの汚職事件をヒントにしたベストセラー警察小説。監督は12年ぶりにメガホンを取る巨匠・角川春樹だ。「道警の話は以前、ノンフィクション小説で読んだことがあったんです。こんな事実があるということに衝撃を受けて、『誰か映画化しないのかな?』と思っていました。それから数か月後に角川春樹さんに映画出演のお話をいただきまして。僕は子供のときから角川映画を観て育っていて、その角川さんからお話をいただいたので、すぐに『やらさせていただきます』とお返事しました」。実際、角川監督と仕事をしてみて、「監督は自分が取りたい世界観をしっかり持っている人」と印象を語る。特に記憶に残っている撮影シーンは…「11分間の長回しのシーン(メインキャストたちがバーに集まり、事件について話しあうシーン)があったんですが、そこは前半の肝の部分だと意識していて、前半戦はその日が来るのを待ち望んでいた、という気持ちもありました。あの人数で11分に及ぶ芝居をする、というのはもちろん緊張もしましたが、妙な興奮も感じました」。先のことはあえてイメージしないように『笑う警官』は映画ならではの緊迫感や重厚感を持つ、まさに映画の醍醐味が詰まった作品と言えるが、テレビ、舞台…と俳優として広く活躍している大森さんにも「映画」に対しては特別な思いがある、と話してくれた。「やはり若いときから、映画の現場でプロ意識の高い大人たちに囲まれて、怒られながらいろんなことを教えてもらってきたと思っています。最初の頃は映画の現場に行くのが嫌でしょうがなかったんですが、いつしか映画の現場が一番ホッとするようになっていた。映画のスタッフ、監督、共演者の方…みなさんに育てていただいた。映画の現場というのは、僕にとっては“真ん中”なんです。舞台やドラマにも出演させてもらっていますが、そこでの仕事を終えた後には『次は映画がやりたいな』そう思ったりしています」。知れば知るほど、もっと見たくなる俳優…そんな不思議な、人々惹きつける力を持つ大森さん。この先の俳優活動について、「あまり何年も先のことをイメージしないようにしているんです」と話すが、その自然体なところこそが、大森南朋の魅力なのかもしれない。(photo:HIRAROCK)大森南朋ロングインタビューをシネマカフェにて掲載中特集 美しき男の佇まい■関連作品:笑う警官 2009年11月14日より全国にて公開© 2009『笑う警官』製作委員会■関連記事:大人な秘密の恋をしてみたい俳優、第1位は大森南朋! デップ&ブラピに競り勝つ角川春樹、『笑う警官』宣伝のために自ら時計に変身して時をかける…というか刻む【TIFFレポート】大森南朋、原作者の「かっこよすぎる」という称賛に複雑な気分大森南朋「監督と一緒に、人間ドラマをしっかり作った」『笑う警官』舞台挨拶恋したい“大人”な俳優は誰?MTVオリジナルiTunesダウンロードカードを10名様プレゼント
2009年11月13日江國香織の人気小説を中谷美紀×大森南朋という、この世代を代表する実力派俳優2人を主演に迎えて映画化した『スイートリトルライズ』の主題歌が、スガシカオの書き下ろし曲「雨上がりの朝に」に決定した。原作小説は、2004年に刊行され、透明感あふれる文体の中に強烈な“孤独”と“恐怖”を散りばめた名作として江國ファンの間でも人気の高い作品。結婚生活3年目を迎えた夫婦が、それぞれに家庭以外の場で恋をし、小さな嘘を積み重ねつつも寄り添って共に生きていくさまが綴られる。スガシカオさんにとっては、『DEATH NOTE デスノート』に挿入歌として提供した「真夏の夜のユメ」以来、3年ぶりとなる映画とのタイアップ。今回の「雨あがりの朝に」は、スガシカオさん自身が映画を観た上で書き下ろした。映画化に際し、原作の中の「恋をしているの。本当は夫だけを愛していたいのに」、「この部屋には、恋が足りないと思うの」といった女性の心に強く響く、江國さん独特のセリフが映画でどのように再現されるのか?といった声が多数聞かれたが、スガシカオさんによる、軽やかさの中にもどこか切なさを含んだ詞とメロディは、江國作品に通じるものが。スガシカオさんはこの主題歌について「大人になってもうまくいかないことは多くて、自分が思っていた“大人”とはずい分違うなぁ…なんて思ったりして…。そんなことを映画を見ながら感じて出来上がった曲です」と説明。中谷さんは「横断歩道で信号待ちをしながら『君に会いにいくよ』と、思わず口ずさみたくなるような素敵な曲ですね」と曲を聴いての感想を寄せている。美しく切ない大人の恋愛映画のラストにスガシカオさんの艶やかな歌声が響き渡る!『スイートリトルライズ』は2010年春、シネマライズほか全国にて公開。■関連作品:スイートリトルライズ 2010年公開予定© 2009 江國香織/「スイートリトルライズ」製作委員会■関連記事:大人な秘密の恋をしてみたい俳優、第1位は大森南朋! デップ&ブラピに競り勝つ『スイートリトルライズ』クランクアップ!中谷美紀×大森南朋の自宅写真を独占初公開中谷美紀×大森南朋が夫婦役に!江國香織原作『スイートリトルライズ』が映画化
2009年11月13日映画『笑う警官』が23日(金)、開催中の東京国際映画祭にて特別招待作品として上映され、これに先立ち角川春樹監督および大森南朋、松雪泰子、宮迫博之(雨上がり決死隊)らキャスト陣、そして原作者の佐々木譲が出席しての記者会見が行われた。北海道警で実際に起きた事件を基に書かれた佐々木さんの同名小説を映画化した本作。12年ぶりにメガホンを握った角川監督は「全世界のどこでも通用する映画になった」と自信満々。主演を務めた大森さんは「僕は子供の頃、角川映画で育った世代。(角川監督と会って)憧れの人と出会えた気分でした」と挨拶した。警察をテーマにした作品とあって、報道陣からは角川監督の演出方法について、大森さんに「直接、(監督の)実体験を基にした演出や指導はあったか?」というきわどい質問も。大森さんは「現場でこまごまとありましたが、どういうものだったかは僕の口からは差し控えます」と慎重なコメント。では、角川監督の第一印象は?という質問には「恐怖!」(大森さん)、「左に同じ」(宮迫さん)、「恐怖(笑)」(松雪さん)と口を揃えた。だが、話をしてみると最初の印象と全く違ったようで、松雪さんは「純粋な情熱を持った方で少年のように目が輝いていた」と笑顔で語った。一方で「監督には常に『いままでにない表現を見せておれを感動させてくれ』と求められた」と妥協のない演出を明かした。宮迫さんは、海外の報道陣も詰め掛ける国際映画祭の場で、おなじみの身振り手振りを付けて「宮迫です!」を決め「いちコメディアンなもので」とご満悦。「僕はこのキャストの中で唯一、実体験で怖い人に追われたり、逃亡したり、すごく隠れたりしたことがあるので、やりやすかったです」と笑顔を見せた。原作者の佐々木さんは完成した映画について「あの原作をここまで深い映画にするとは…原作者として悔しいです。もっと野暮ったい道警の刑事たちを描いたつもりが『こんなにかっこよくていいのか?こんなかっこいい刑事いないだろう』と思った」と称賛を贈ったが、大森さんはこのコメントに「嬉しいですが…ちょっと複雑な気持ちです」と苦笑していた。『笑う警官』は11月14日(土)より全国にて公開。東京国際映画祭2009特集■関連作品:第22回東京国際映画祭 [映画祭] 2009年10月17日から25日まで六本木ヒルズ、Bunkamuraをメイン会場に、都内の各劇場及び施設にて開催笑う警官 2009年11月14日より全国にて公開© 2009『笑う警官』製作委員会■関連記事:【TIFFレポート】これぞ影の最高賞?観客賞が発表 『少年トロツキー』に栄誉!辻仁成インタビュー「アントニオ猪木さんをもう一度、リングに上げたかった」【TIFFレポート】辻仁成が率いるバンドZAMZA登場!往年の名曲「ZOO」熱唱【TIFFレポート】辻仁成、不在のアントニオ猪木と支えになった家族への感謝を吐露【TIFFレポート】中谷美紀、貧血で挨拶を降板広末は「任せきり」と中谷を絶賛
2009年10月24日小林聡美&もたいまさこというおなじみのコンビの主演で贈る、タイを舞台に繰り広げられる愛情いっぱいの映画『プール』が9月12日(土)、公開を迎えた。初日の舞台挨拶に小林さん、もたいさんに加え、共演の加瀬亮、伽奈、そして大森美香監督が登壇した。『かもめ食堂』、『めがね』と多くのファンを持つ作品のスタッフ、キャストが再集結した最新作ということで、あいにくの天気にもかかわらず、開場前から劇場の前に列ができるほどの盛況ぶり。映画上映前の舞台挨拶となったが、小林さんは「隠すほどのことは何もないんですよ(笑)」と前置きし、自身が演じた4年前から家族の元を離れ、タイのチェンマイに暮らす京子について「すでにチラシなどでも書かれている通りなんですが…。表面的には“好き勝手に生きる母親”と捉える方もいるかもしれません。でも、優しいところもあるんですよね…きっと…」と周囲をうかがうような口ぶりで説明してくれた。もたいさんは、京子が働くゲストハウスのオーナー・菊子を演じたが「この菊子という女性の生き方がどのように、けつじちゅ…けちゅじちゅ?……結実するのか(笑)、楽しみでした。タイに行ってみて、やっと答えが見つかったような気がします!」と晴れ晴れとした表情で語った。もたいさんが、“結実”と言えずに口ごもってる横で、小林さんは大きく口を開けて「け・つ・じ・つ!」とフォロー。ファンにとっては2人のこうしたちょっとしたやり取りや掛け合いがたまらない様子!客席からは大きな笑いがわき起こった。ゲストハウスで働く青年・市尾役の加瀬さんは、撮影について、いきなり「まあ、基本的にいいかげんな人たちの集まりなんで…」とのんびりとした口調で語り、「ゆっくりと撮影が進むんですが、スタッフもキャストもみんなが、ひとつひとつのシーンを見てるんですね。そこがほかの映画と違いましたね」と現場の様子を語ってくれた。今回、初めての映画出演となった伽奈さんは少し緊張気味。母親役の小林さんは「初めての現場に一人で入ってくるのって心細いだろうな、と心配していたんですが、伽奈さんは若いけど精神的に自立してました」と称賛…したかと思いきや「私たちがあれこれ構う方がわずらわしい、という感じでしたよね?」と笑顔でイジワルなコメント。伽奈さんは「そんなことないですよ!」と慌てて否定するも、「(伽奈さんが)動くたびに楽しませてもらいました。ランニングシャツがこれほどまでに似合う女性はいない!」(小林さん)、「小学生の男の子みたいでした。一家に一台ほしい!」(もたいさん)と2人して“ホメ殺し”の集中砲火!大森監督は、伽奈さんとタイ人の少年・ビーくんのやり取りに触れ「一緒の時間を過ごしていく中で、伽奈さん自身の体験がそのまま映画になってました。新鮮な風を吹かせてくれましたね」とこれまた称賛を贈った。4人と監督の壇上での絶妙な絡み合いに、映画の上映前から観客はすでに映画を観ているような気分になったのでは?『プール』は9月12日(土)よりシネスイッチ銀座、新宿ピカデリーほか全国にて公開中。■関連作品:プール 2009年9月12日よりシネスイッチ銀座、新宿ピカデリーほか全国にて公開©プール商会■関連記事:飯島奈美インタビュー人気フードスタイリストが手がける『プール』魅惑の料理人気モデルから期待の映画デビュー伽奈が語る『かもめ食堂』スタッフ新作『プール』あなたが作ってあげたい料理は?『プール』原作本を3名様にプレゼント『プール』完成!現場も作品もゆる〜く?映画初出演の伽奈は「大目に見てやって」小林聡美&桜沢エリカがサイン会「聡美ちゃんの映画はいつもお腹がすきます」
2009年09月12日桜沢エリカの書き下ろした漫画原作を人気脚本家の大森美香がメガホンを取って映画化!『かもめ食堂』、『めがね』のスタッフ、キャスト陣が再び集結して贈る、ゆるーく、そして美しい物語『プール』がまもなく公開を迎える。9月2日(水)に本作の完成披露試写会が行われ、上映前の舞台挨拶に主演の小林聡美、加瀬亮、もたいまさこ、伽奈、そして大森監督が登壇した。本作が東京で上映されるのはこの日が初めて。小林さんを始めとするキャスト陣は、初上映を前にやや緊張しつつも、観客の反応を楽しみにしている様子。今回、映画初出演を果たした伽奈さんは「初めてお芝居させていただきましたので…大目に見てやってください」と自嘲気味に語り笑いを誘った。続いて、キャスト陣4人に自分とは別の登場人物を紹介してもらった。菊子役のもたいさんから見て、小林さん扮する京子は「冷静沈着で頼りがいがある人。思いやりをさりげない形でそっと見せてくれる大人の女性です」とのこと。その京子から見ての娘のさよ(=伽奈さん)はというと「素直なんだけど一方で意地っ張りなところもある娘。独立心が強いから、ほったらかしにしてしまって、逆に母親の方が娘に甘えているような部分もありますね」と苦笑交じりに語ってくれた。では、さよの視点で加瀬さん扮する市尾はどう見えるかというと「優しいけど不器用。それが分かってるのにうまくいかない。そんなところがありますね」とのこと。最後に加瀬さんが語る菊子という女性は?「死というものを実感を持って感じている方で達観している部分があり、物事の受け止め方が大らかで潔いんですね」。それを聞いていた大森監督は「みなさん、すごくよく見てくださってるなと思います。現場で、みなさんと話しながら作り上げていった日々を思い出しました」と感慨深げな表情を見せた。報道陣からはキャスト4人に、「この中で誰がチームを引っ張るのか?」などの質問が出たが「仕切り人はいないですね。みんなバラバラですから」(小林さん)など、作品同様に何ともゆるやかな空気感が伝わってきた。『プール』は9月12日(土)よりシネスイッチ銀座、新宿ピカデリーほか全国にて公開。■関連作品:プール 2009年9月12日よりシネスイッチ銀座、新宿ピカデリーほか全国にて公開©プール商会■関連記事:小林聡美&桜沢エリカがサイン会「聡美ちゃんの映画はいつもお腹がすきます」キャスト陣舞台挨拶付き!『プール』完成披露試写会に10組20名様をご招待『プール』セレクトショップがオープン映画の世界観を楽しめる雑貨、内装にうっとり最も浴衣が似合うと思う俳優は?「MTV」オリジナル携帯ストラップを10名様プレゼントやっぱり猫が好き?超人気ブログ「くるねこ」アニメ化で小林聡美が一人全役に挑戦
2009年09月04日女性からの根強い支持を受けスマッシュヒットを遂げた『かもめ食堂』、『めがね』のスタッフと小林聡美らおなじみキャストが、緑あふれるタイの古都・チェンマイを舞台に再結集して贈る、癒しムービー『プール』。9月の公開を記念して、8月15日(土)より期間限定で映画オリジナルのセレクトショップ「プールショップ」がオープンする。こちらの「プールショップ」では、映画に登場するグッズやオリジナル商品の開発を行い、発売。映画のポスタービジュアルとなった原画の展示や、映画写真などの展示も行われる予定だ。映画美術を手がけた富田麻友美が内装を担当した店内で、映画の世界観を一足早く味わえる。また、これと併せて8月21日(金)には、本作のオリジナルサウンドアルバムもリリース。“聞こえない音が映画の中から聞こえてくる”をコンセプトに、米米CLUBのサックスプレイヤーで作曲家の金子隆博が音楽を手がけるが、中には、小林聡美が初の試みとして作詞・作曲・歌に挑んだ劇中歌「君の好きな花」も収録されている。果たして、どんな歌声を披露しているのだろうか?『かもめ食堂』ではフィンランド、『めがね』では美しい浜辺がある与論島を舞台に、引き寄せられるように集まった個性的なキャラクターたちの過ごす、ゆったりとした時間を描いてきたが、本作『プール』では、舞台をチェンマイのとあるゲストハウスに移し、ここに集まる5人の男女の物語を描く。原作は人気漫画家の桜沢エリカ、メガホンを取るのは、『デトロイト・メタル・シティ』などの脚本を手がけてきた大森美香。そして小林聡美、もたいまさこ、加瀬亮の『めがね』チームに加え、新たにモデルの伽奈が映画デビューを果たす。「プールショップ」は8月15日(土)から9月30日(水)まで営業予定。『プール』は9月12日(土)よりシネスイッチ銀座、新宿ピカデリーほか全国にて公開。「プールショップ」開店期間:8月15日(土)〜9月30日(水)予定営業時間:12:00〜19:00(月・水〜日曜)※火曜休場所:渋谷区上原1-20-1 1F(代々木上原駅より徒歩4分)問い合わせ:03-6804-7445『プール』公式サイト■関連作品:プール 2009年9月12日よりシネスイッチ銀座、新宿ピカデリーほか全国にて公開©プール商会■関連記事:最も浴衣が似合うと思う俳優は?「MTV」オリジナル携帯ストラップを10名様プレゼントやっぱり猫が好き?超人気ブログ「くるねこ」アニメ化で小林聡美が一人全役に挑戦
2009年08月06日中谷美紀と大森南朋を主演に迎え、江國香織の人気小説を映画化した『スイートリトルライズ』が無事、クランクアップを迎えた。先日のクランクアップ直前に、撮影現場に潜入!さらにこのほど、映画の新たな場面写真も到着。嘘と秘密を積み重ねつつ、共に歩む夫婦を演じた中谷さん、大森さんの姿が初めて公開された。撮影も佳境に差し掛かった6月中旬、訪れたのは主人公の瑠璃子(中谷さん)と聡(大森さん)が住むマンション。東京・五反田にある6階建てのマンションをビルごと借り切って撮影は行われていた。2人が住む岩本家の一室は、外観の古ぼけた感じからは全く想像つかないほど見事なセットが組まれていた。瑠璃子のテディベア作業机のあるリビングとキッチンがつながるダイニング。十数体のテディベアが並べられた2人の寝室に1人閉じこもりゲームを楽しむ聡の部屋。淡いブルーやグリーンを配色した部屋にはアンティーク調の家具が並べられ、テディベア作家の瑠璃子らしいハンドメイドの趣あるセットが美術・装飾の手によってゼロから作り上げられていた。この日、撮影が行われていたのは瑠璃子と聡の朝食のシーン。瑠璃子が食卓に差し出したポーチドエッグを見て「これが食べたいとずっと思ってたんだ」と言う聡に対して「私たち、気持ちがちゃんとつながっているのね」と返す瑠璃子。一見、何気ない会話のように見えて、静かな朝の風景に2人の間の微妙な緊張感が感じとれるシーンだ。中でも鍵となるのは「一緒に眠って一緒に起きて、どこかに出かけてもまた同じ場所に帰るってこと。大切なのはそのことだと思う」という瑠璃子の孤独が見え隠れする意味深なセリフ。ちなみに本作にはこれ以外にも、「恋をしているの。本当は夫だけを愛していたいのに」、「人は守りたいものに嘘をつくの。あるいは守ろうとするものに」など、原作そのままのセリフが度々登場し、江國香織の繊細で美しい世界観が映画で表現されている。監督を務めるのは『ストロベリーショートケイクス』の独特な空気感が印象的だった矢崎仁司。本作でもまた、夫婦の間の距離感をどう映像として表現するのかに期待と注目が集まる。監督の細部に至るまでのただならぬこだわりは、撮影現場を見れば容易に見てとれる。そして、中谷美紀と大森南朋こそが、そんな彼の要求に応えうる役者なのである。監督は2人について、こう語ってくれた。「中谷さんは、初めて会ったときに『瑠璃子だ』と直感しました。中谷さんが醸し出す“品”のようなものが『瑠璃子に会えた』と思わせたのだと思います。大森さんについては、彼の持つ静けさ、他人と一線を画す距離感みたいなものが、聡の孤独と重なると感じました。孤独をまとっているこの2人の夫婦を見てみたいと思いました」。『スイートリトルライズ』は今秋の完成を目指しており、公開は2010年を予定。まさに現在編集中という段階にあり、これまで、ほとんど写真も明かされていなかったが、このたび、シネマカフェが写真を独占入手。岩本家のベランダで瑠璃子が遠くを見つめ、聡がその姿を優しく見つめるシーン(写真上)のほか、2人の朝食シーンなど、合わせて4枚の写真が到着、シネマカフェ内の『スイートリトルライズ』特集にて公開中。特集『スイートリトルライズ』撮影現場フォトアルバム■関連作品:スイートリトルライズ 2010年公開予定© 2009 江國香織/「スイートリトルライズ」製作委員会■関連記事:中谷美紀×大森南朋が夫婦役に!江國香織原作『スイートリトルライズ』が映画化
2009年07月17日