シアタープロダクツ(THEATRE PRODUCTS)が10月16日、2018年春夏コレクションをランウェイムービーとともに発表した。今シーズンのテーマは「NUDISTS BEACH」。その名の通り、ビーチでお披露目されたコレクションは、繊細なブライダルレースのカジュアルドレスを始め、日光浴を楽しむためのビーチドレスやスイムウエアなど、ヘルシーで幸福感に満ちたワードローブが展開された。日焼けした肌を思わせるブラウンやレッド、砂浜のサンドカラーを中心に、輝く太陽を想起させるグリッターや日陰のようなブラックを随所に効かせたカラーパレット。“CASUAL WEDDING”と題したシアーなドレスのシリーズは、大胆なフラワーモチーフと編み地が美しいブライダルレースを採用し、シンプルなスイムウエアをレイヤード。カジュアルなウエディングシーンをイメージしたオーガンジードレスは、カメリアの花刺繍によって、センシュアルでありながら、ピュアで可憐な表情を併せ持つ印象的なルックに仕上がっている。“BEACH”シリーズでは、ビーチパラソルを花に見立て、太陽が反射して輝く砂浜を表現したジャカードドレスや、ビーチの風景を描いたオリジナルプリントのノースリーブコート、ワンピースなど、プレイフルなアイテムを展開。さらに、日焼け止めのボトルを再現したヘアクリップやパフェカップ型のピアス、フラワーブレスレット、頭に巻いたスポーツタオルなど、キャッチーな小物もコレクションのムードを盛り上げる一翼を担っていた。その他にも、水着とのスタイリングが楽しめるガウンやニットドレス、スポーティーなショート丈のスウェット、ウォッシュドデニムなど、デイリーユースできるアイテムが豊富。また、素肌と一体化したようなカットソードレスや柔らかく繊細な糸で編まれたマット&スムースなロングドレスといったシンプルなアイテムも、洗練されたコレクションを印象付ける象徴的なものとなっていた。
2017年10月31日ミントデザインズ(mintdesigns)の2018年春夏コレクションが、表参道の直営店で公開フォトシューティングの形で発表された。今シーズンのテーマは「32上海」。イタリアの宣教師による写真集『Lost China/The Photograph of Leon Nani』(1930-1914)からインスパイアされた西洋の視点から見た中国、中国の視点から見た西洋、キリスト教文化がベースとなっている。さまざまなアイテムに使用されるアジアンノットに代表されるチャイナモチーフや、サイドスリットなどチャイナドレスのディテールをコレクション全体に散りばめながら、柄とカラーでコレクションのストーリーが構成。ヨーロッパの宣教師が伝えたとされるスワトー(汕頭)刺繍の複雑な柄をモチーフにした立体プリント、レイヤードから覗くお馴染みのドールモチーフ。ストライプ、ボーダー、プリーツが絵柄と交錯し、このメゾンのコンセプトである“ハッピーミステイク”が、時代の混沌のなかでミステイクでなくなりつつあることを実感する。そのアイコンはFASHION WASTE COLLECTIONとプリントされたガーベッジバッグでメッセージとして顔を出す。白のスペンサー丈のブラウスジャケットとパンツスーツ、オレンジのオーバーサイズのシャツなどシンプルな無地のアイテムがコレクションに奥行きを持たせ。リネン、レース、シアーとレイヤードを違えながら、混沌をシンプルにスタイリングするテクニックはデビューして15年というメゾンの時間を教えられる。Text: Tatsuya Noda
2017年10月30日グッチ(GUCCI)は、2018年春夏チルドレンズ コレクションで日本人アーティスト・ヒグチユウコとのコラボレーションしたスペシャル コレクションを発表。2017年12月より限られたグッチ ショップとグッチ公式オンラインショップにて展開する。ミステリアスで可愛い、ヒグチユウコのシュールな世界東京を拠点に活動している女性アーティスト、ヒグチユウコ。彼女の作品には、ルイス・キャロルの「不思議の国のアリス」のようなシュールさ、あるいはイギリスの絵本作家ビアトリクス・ポターが描くピーターラビットのダークな一面を想い起こさせる不思議な雰囲気を纏うキャラクターが登場する。人間の姿をしたウサギ、イノセントな少女、タコの脚を持つキャット、歩くマッシュルーム……。ミステリアスでかわいい。そんなキャラクターたちは、一度見たら忘れられないインパクトと愛嬌をもつ。「キャット」が主役のチルドレンズ コレクション彼女の作品が織りなす独特のファンタジーは、今回のスペシャル コレクションの中でアレッサンドロ・ミケーレが描くグッチの世界と絶妙に混ざり合う。主役は「キャット」。グッチのために制作されたオリジナルの「キャット」イラストが、ジャケット、Tシャツ、ドレス、スウェットシャツ、ニットウェア、ハット、スイムウェア、シューズなど様々なアイテムに顔を出す。さらに、ボーイズ & ガールズ向けに、ヒグチユウコのイラストをフィーチャーした、レザー製のバッグパックやトートバッグを幅広いラインナップで展開する。2018年春夏メンズ & ウィメンズでも一部ラインナップグッチ 2018年春夏メンズ & ウィメンズ コレクションにも、彼女のイラストによる2種類のプリントが取り入れられている。メンズでは、ウサギが棲む幻想的な風景が、クリームカラーの生地にブルーのプリントが施され、ジャケットのライニングとして採用された。ウィメンズでは、ホワイトカラーのファブリックに赤いイラストを描いたプリントシャツを発表している。なお、これらは同じプリントを使用したスカーフも展開される。【詳細】グッチ 2018年春夏コレクション ヒグチユウココラボレーション発売時期:2017年12月取り扱い:限られたグッチ ショップとグッチ公式オンラインショップ【問い合わせ先】グッチ ジャパン カスタマーサービスTEL:0120-88-1921
2017年10月29日デザイナー阿部潤一が手掛けるカラー(kolor)が、パリで2018年春夏ウィメンズコレクションを発表した。
2017年10月29日メゾン マルジェラ(Maison Margiela)がパリで2018年春夏ウィメンズコレクションを発表した。昨年7月に発表された「アーティザナル」コレクションのインスピレーションをさらに追求し、新しい美学の提示に試みた。
2017年10月29日メゾン マルジェラ(Maison Margiela)は、ドーバー ストリート マーケット ギンザ(DOVER STREET MARKET GINZA)にて、2017年春夏「アーティザナル」コレクションのインスタレーションを10月27日から11月21日まで開催する。メゾン マルジェラがオートクチュールと称するアーティザナルは、クリエイティブ・ディレクターのジョン・ガリアーノ(John Galliano)が定義するクリエイションにおけるピラミッド構造の頂点に位置する。今回のインスタ―レーションは、ジョン・ガリアーノが手掛けるアーティザナルの国内初お披露目となる2017年春夏「アーティザナル」コレクションで提起した、輪郭を際立たせて服の構造をあらわにするデコルティケ(Decortiqué)テクニックによって描かれた主要なルックを展示。また、10月27日から11月2日まで開催する「Discover the Maison Margiela ‘Tabi’ story」と題したエキシビションでは、メゾンのアイコン的存在の「タビ(Tabi)」コレクションより、1989年春夏コレクションで発表した初代「タビ」ブーツから、ジョン・ガリアーノが2017年春夏「アーティザナル」コレクションで提起したデコルティケによるカットアウトディテールのブーツまで、様々な年代の「タビ」シューズが展示される。さらに、ドーバー ストリート マーケット ギンザのために制作された、ゴールドレザーに白いペイントをほどこした「Exclusive ‘Tabi’ boots for Dover Street Market Ginza」(15万6,000円)を10月28日より限定販売する。【イベント情報】Maison Margiela SS17 ‘Artisanal’ installation会期:10月27日~11月21日会場:ドーバー ストリート マーケット ギンザ住所:東京都中央区銀座6-9-5 1階イベントスペースDiscover the Maison Margiela ‘Tabi’ story会期:10月27日~11月2日会場:ドーバー ストリート マーケット ギンザ住所:東京都中央区銀座6-9-5 1階
2017年10月25日ミューラル(MURRAL)2018年春夏コレクションが、2017年10月21日(土)に東京・渋谷ヒカリエにて発表された。ベートーヴェンのピアノソナタ第14番「月光」からインスピレーションを得て、"SONATA"をテーマにしたコレクションを発表。「月光ソナタ」は、それまでの古典的なソナタの常識を覆したソナタとして知られており、また、ベートーヴェンが恋していたが叶わなかった女性へ捧げられた作品としても有名だ。コレクションは、第1楽章から第3楽章までで構成されるソナタのように、色や素材などで変化をつけた3部構成となっている。はじめは、月下美人という花のモチーフをワンピースに総刺繍したルック。夜にだけしか咲かないという月下美人の持つ儚さを、ベートーヴェンの消えた恋に重ね合せる。チュールの上に刺繍を刺したりチュールのフリルをあしらったり、女性を美しく引き立てるデコレーションが何層にも仕込まれている。次に、まるで月の光のベールをまとったようなピースが登場。経糸と緯糸で色を変えた非常に薄い素材は、光の反射の具合でピンクから緑、青から黄色と、玉虫のように妖しく変化する。この幻想的な布地は、意外にもコートやプリーツスカートといったリアルピースの上に組み合わせられた。最終章は色で遊んだルックが並んだ。青のブラウスにブラウンのスカート、イエローのトップスにグリーンのスカートなど、目の覚めるような色合わせをコーディネートによって作る。独特の光沢感を持つサテンは、軽やかになびくシルエットにデザインされ、モデルが去った後まで余韻を残す。情熱的な“赤”のトップスに、月明りが照らす海辺をイメージしたという“青のスカートを組み合わせたラストルック。スカートの裾には馬の毛のテープが仕込んであり、より立体的な弧を描いて過ぎ去った。
2017年10月24日ミキオサカベ(MIKIO SAKABE)の2018年春夏コレクションが渋谷ヒカリエで2017年10月21日(土)に発表された。ショースタートに当たって、2017年春夏コレクションでのデザイナーの坂部三樹郎の言葉を今一度思い返したい。「これまでは東京カルチャーに魅せられてきたが、海外で学んで見てきたものにも向き合い、今までやってこなかったことにチャレンジしたい」と語っていた坂部。今回はどのようなショーを見せてくれるのかと、超満員の会場は期待に満ち溢れていた。今季は、いろんな和をミックスしているという。正直一目見ただけでは理解しがたい。しかし、よく見てみるとうなずける部分が多いのだ。序盤で登場した、ベストをレイヤードしたようなラペルの大きなジャケットワンピースは、OLがインスピレーション。バッグはというと女子学生が持つようなスクールバッグ。髪型は花魁風。あらゆる時代の日本の女性像が交差することで、ひとつのスタイルが作りあげられている。2017年春夏シーズンで話していたことは、ヨーロッパの歴史から紐解いたバッスルスタイルのようなフォルムや、ジコ袖のドレスルックに繋がるだろう。と言っても、単にそれをそのまま入れ込めば、和の要素と衝突してしまう。だから、例えば、チュールで重ねたドレスはトレーンを引かずに片手で裾をたくし上げてみたり、ブラウスのカフスは敢えてパンツの裾に用いたり。いい意味での崩しが効いている。むしろそうであるからこそ、あらゆる女性像がうまく組み合わさり、純粋に“素敵だ”と思える。テキスタイルは、壁紙のイメージ。きれいな壁紙ではなくて、少し汚れた壁紙だ。無造作に張られたグリッターのテープがキラキラと輝いていて、でもそれが今季の洋服にとてもマッチしている。パンツやジャケットの中には、まるではがれた壁紙のように、裾が垂れてしまっているものもある。こうしたディテールで感じる茶目っ気が多くなるにつれて、いつの間にか虜になってしまっている気がする。最後に登場したハートと星のモチーフが、洋服から飛び出して絡み合った2ルックは、海外ではなく立ち戻って日本の文化の象徴。これは、現代のかわいい文化の表現のようだ。あらゆる時代をタイムスリップして、試行錯誤して戻ってきた現代の洋服は、“これが日本のかわいいだ”と言わんばかりのボリュームを誇った。今シーズンのミキオサカベは、洋服に込められているものは複雑だが、でもやっぱり単純にカワイイとか自分らしくいたいとか、そういった理由で服をきることが楽しいことなんだと、ランウェイを通じて教えてくれた。自分にとっての“カワイイ”はきっと人それぞれ。「Amazon Fashion Week TOKYO」のラストにふさわしい、ミキオサカベらしさ満載の心に響くショーだった。
2017年10月24日メミューズ(MEMUSE)の2018年春夏コレクションが2017年10月21日(土)、東京・渋谷ヒカリエにて発表された。現役アイドル・でんぱ組.incのメンバーでありメミューズのデザイナー・相沢梨紗にとって、デビューコレクションとなる今季のテーマは“メインキャラクターズ”。洋服を選ぶように世界の中での自分の役割を自分で決めてほしいという願いを込めたコレクションだ。会場では、長いスカートを履いた女の子が2人、高いオブジェの上に向き合って座っている。そのオブジェの間をモデル達が通り、ショーは進行する。前半は、ホワイトとブラックを基調としたルックが交互に展開される。布を重ねたフリルドレス、ショートパンツとブラトップのセットアップなど、まるで天使と悪魔のようだ。身体から触手が伸びたような悪魔のようなブラックドレス、クマのぬいぐるみを大量につけたミニドレスなど、2次元から飛び出てきたような立体的な表現も特徴だ。ピンクと金の糸で帯ひものように編んだ大きなリボンは、後ろから見ると羽が生えたように見える。音楽が激しくなると、カラーパレットも色鮮やかに。黄金や水色のチャイナドレスの生地を部分的に採用したワンピースを展開。下に大きく広がったフレア、袖も通常よりも大振りなパフスリーブなど…シルエットはとにかくガーリーでフェミニンだが、色やモチーフを用いることでスタイルに毒々しさをプラスしていた。
2017年10月24日ユナイテッド トウキョウ(UNITED TOKYO)の2018年春夏コレクションが、2017年10月21日(土)に東京・表参道ヒルズで発表された。今シーズンが「Amazon Fashion Week TOKYO」初参加となるユナイテッド トウキョウ。ショーのテーマは、”Japanese Identity”だ。日本伝統の控えめながらも情緒的で時にダイナミックな美学。そして、それを裏打ちする綿密で丁寧なものづくりの技術。そんな”日本らしさ”を取り入れた。国内の技術を駆使した、繊細でうっとりするようなレースや刺繍が印象的。さらに、和柄や浮世絵をフィーチャーした模様が取り入れられ、初のコレクションを華やかに彩る。それでいて、あくまでもトゥーマッチになりすぎずスマートに。シックなカラーリングやカジュアルな素材をバランス良くミックスし、ブランドらしいシティライクで洗練されたスタイルを作り出した。ベージュのトレンチコートは、背中に施された金糸の刺繍に思わず目が奪われる。足元には、肌が透けるクリアヒールのショートブーツを。全身をベージュカラーで統一し、無駄のない洗練されたルックに仕上げた。幾何学的な刺繍をびっしり施したスーツも登場。スリーブ部分のみコーチジャケットのようなスポーティな袖を合わせ、かっちりとしたスーツとのミックス感覚を楽しんでいる。真っ赤なチュールのトップスには、あえてショート丈のダウンを合わせた。葛飾北斎の作品を取り入れたアイテムも多く登場した。《富嶽三十六景》の大波をプリントしたニットは、視線を惹きつけるような個性がありながらも、スリーブにボリュームを持たせたモダンなシルエットで他のアイテムにもしっくり馴染む。浮世絵を全面に配したスカートは、帯のように黒いベルトで腰元を絞って。アシンメトリーかつ立体的なシルエットで、古典的な柄を見事にモードに昇華した。
2017年10月24日ネハン ミハラ ヤスヒロ(Nehanne MIHARA YASUHIRO)が、俳優・早乙女 太一をフィーチャーしたショートムービーとともに2018年春夏コレクションを発表した。ネハン ミハラ ヤスヒロは、2017年春夏コレクションよりデビューしたミハラ ヤスヒロの新ライン。“日本人である私たち自身が、日本の歴史、日本の伝統を学び再認識することを大切にしたい”という想いのもと誕生した。日本の伝統を表現するため、今季のイメージビジュアルとして起用された早乙女太一は、2003年に北野武監督の映画『座頭市』に出演をきっかけに「100年に1人の天才女形」として脚光を浴び、2008年には16歳で新歌舞伎座史上最年少記録の初座長を務めた、まさに日本の伝統を体現するにふさわしい人物。そのことから、ネハン ミハラ ヤスヒロとは相通ずる部分があったのだろう。2シーズン目となる2018年春夏コレクションは、“粋”な着こなしを表現できるウエアをデザインソースとした。“粋”とは、江戸時代に生まれた、身なりだけでなく振る舞いなどにも用いられる日本人ならではの美的観念だ。その“粋”という和のスピリットを、古来からの作業着である「ボロ」や「作務衣」、「羽織」など使い込まれた作業着に吹き込み、上品なスタイルへと昇華する。ブランド最大の特徴である、大麻布「麻世妙」は引き続き採用し、今季はブランドのもうひとつの特徴である「染め」にも重きを置いた。黒をより黒く染める「深黒(しんくろ)」技術を持つ老舗の染師、京都紋付の真黒を用いている。
2017年10月24日グローバルワーク(GLOBAL WORK)の2018年春夏コレクションが、Amazon Fashion Week TOKYO6日目の2017年10月21日(土)、東京・渋谷ヒカリエにて発表された。グローバルワークのファッション性を海外も視野に発信していこうという目的から、東京コレクションにてショーを開催。カジュアルなファッションにスポーツをMIXしたコレクションを披露した。特徴的なのはそのテキスタイル。ハッピーな雰囲気の様々な柄たちは、リバティ・ファブリックスの生地を使用したものだ。花柄で有名なリバティ・ファブリックスから、あえて花柄ではないパターンを選んだという。それらは、ドローコードやフードといったアクティブなデザインを加えたスポーティな“ポンチョ”になって登場し、コレクションの多くのルックにコーディネートされた。スポーツの要素はほかに、サイドにラインが入ったワイドシルエットのハーフパンツやウインドブレーカーといったウェア、スポーツサンダルやナイロンテープのベルトといったアクセサリー類にもみてとることができる。コレクションには、ウィメンズとメンズに加えてキッズも登場した。メンズは、カジュアルな仕立てのジャケット&パンツにポンチョを腰巻きしたり、トレンチコートやシャツにあえてハーフパンツを合わせたりしたスタイリングが特徴的。キッズウェアは、袖口や裾にリブを配してアクティブに着用できるアウターなどが提案されている。
2017年10月24日ジン カトウ(ZIN KATO)の2018年春夏コレクションが、2017年10月21日(土)に東京・渋谷 ヒカリエで発表された。テーマは、「グラム・バロック」。これはグラムロックとバロックを掛け合わせた造語だ。グラムロックは、60〜70年代のめまぐるしくエネルギーに溢れていた時代に生まれたムーブメント。デヴィッド・ボウイが代表するような華やかな衣装とメイクは、音楽やファッションに影響を与えた。そして、”歪んだ真珠”を意味するバロックとは、安心感のある美よりはむしろ、過剰なアンバランスさの中に潜む美を指す。今シーズンは、刺激的なまでに異彩な美しさを放つグラムロックの世界観に、バロック的な不安定さを組み合わせた。ショーの始まりとともに会場は、オペラ歌手によるバロック音楽の重厚で神聖なムードに包み込まれた。まるで社交会の貴婦人たちのように、煌びやかなルックに身を包んだモデルたちが登場。ジン カトウらしい繊細でロマンティックな素材やディテールで、バロックファッションを表現した。「足し算の服作りをした。」とデザイナー・加藤徹が語ると通り、過剰なほどのアクセサリーや、細かなレース、フリルがルックを優雅に飾り付ける。純白のレースが美しいファーストルックのドレスは、シルエット自体はミニマムに抑え、まるでドレスの一部のようにも羽織のようにも見えるボリューミーな装飾を施した。ガウンのようなコートには、襟元や裾にたっぷりとフリルを。それがさらにスカートのフリルと重なり歩くたびふわりと揺れる。一方で、そんな華やかな装いの中にはグラムロック的なエッジーさや官能性が合わさっている。ふわりとフリルで飾られたドレスも、腰元はチェーンやレザーを使った太めのベルトでキュッと絞って。また、シルエットや装飾は優雅でありながら、パープルとブラックやシルバーなど刺激的な色使いを採用している。さらに、コートから露出した鎖骨や網タイツには、ロックな官能性を感じさせる。
2017年10月24日ユキヒーロープロレス(YUKIHERO PRO-WRESTLING)の2018年春夏コレクションが2017年10月21日(土)、東京・渋谷ヒカリエにて発表された。チアガール達と亀の戦隊ヒーローであるミュータント・タートルズのダンスで始まったショー。亀が一面に敷き詰められた柄をシャツやショートパンツ、ブラトップなどに展開。また、亀の顔を並べた柄の浴衣も登場した。アメコミ風のアイコンと相まって、一風変わった和のテイストを提案。スタイリングは、パーカーとレイヤードしたものが多数登場。セットアップと合わせて、フォーマルなアイテムも一気にカジュアルな印象に。腰から垂れ下がったロングベルトも、スタイルによりラフさを加えていた。ピンク、ゴールド、シルバーのラメで作られたオールインワンなど一目で目を引くルックから、ワンポイントのデニムオールインワンまで展開。覆面のアイコンや“YHP”の英字ロゴを施し、落ち着いたカラーのアイテムも斬新なデザインに。ラストは、大きな甲羅を背負い、もはや亀そのものになることができるルックが登場。デザイナー・手島ユキヒロの小中学生時代からの夢だったというタートルズとのコラボレーション。次のシーズンでは高校生の頃の夢を叶えることを堂々と宣言し、早くも2018年秋冬コレクションに期待が高まるショーであった。
2017年10月24日エンハンス(ENHANCE)の2018年春夏コレクションが、2017年10月20日(金)に東京・渋谷ヒカリエにて発表された。2017年にスタートしたエンハンスは、今回が「Amazon Fashion Week TOKYO」初参加となる。ショーは、オールスタンディング形式。赤い照明で照らし出されたランウェイに観客がひしめき合うライブ会場のような空間に、初めてのショーへの期待が高まる。テーマは、「自分が好きな女性に着せたい服」。これは今後のエンハンスのコレクションにも一貫したテーマとなる、とデザイナー・竹口正和は語る。自身が敬愛する染色家・荒木節子に着てもらえるような服をイメージしながらデザインしたという。コレクションは、ブランドを象徴するメンズテーラーをベースに、”ハンサムな女性らしさ”を表現。最初に登場したのは、異素材を組み合わせたテーラードジャケットだ。シルエットはかっちりとしていながらも、あえて裏地や縫い目を表に出して。背中はオーガンジーのような透け感のある素材を採用し、背中の肌を露出させる。足元はレザーのロングブーツでフェミニンかつエッジーに仕上げた。また、艶やかな黒の長いフリンジがコレクションを印象付けた。フリンジが、ジャケットの装飾になったり、それ自体がトップスになったり、パンツになったり…と、ショーのいたるところで登場する。マスキュリンなスーツスタイルにも、優雅に揺れるフリンジを足すことで、エレガントな女性らしさが添えられた。チョーカーのように首を飾るフリンジは、揺れるたび隙間から鎖骨の素肌がのぞく。
2017年10月23日ディーベック(D-VEC)の2018年春夏コレクションが2017年10月20日(金)に、六本木・ニコファーレにて発表された。フィッシング用品メーカーのDAIWAのアパレルラインとして展開されるディーベック。2018年春夏コレクションはショー会場として、照明や音響だけでない様々な演出が可能なニコファーレを選んだ。今回のテーマは「MINAMO」。ステージの四方を囲むスクリーンに水面が映し出され、ショーが始まる。序盤はスポーティーなアイテムに身を包んだルックが登場。グラフィックは泡や水の波紋のように見える、テーマを連想させるデザインだ。アクティブな印象のアイテムに描かれるそれらのパターンは、爽やかな雰囲気を作りだしていた。ディーベックのコンセプトは機能性とファッション性の融合。ファブリックからディテールまで、快適さを保ちつつ、ファッショナブルな装いにマッチするものを選ぶ。今回登場したシアサッカーのスラックスパンツは、フィッシング用品メーカーとして今まで培ったものとは別の、ファッションブランドとしての気概を覗かせたアイテムの1つ。スリムなラインのスラックスパンツはドレスカジュアルに最適な一本で、ホワイトやグレーのシンプルな色使いはコーディネートにすっと馴染む。また、ショーにおいて印象的だったのがレインコートだ。通常裾に付いているドローコードが、アンダーバストにも配置されている。ドローコードを2か所に施すことによって、体とのフィット感を調整するとともに、自在なシルエット変化が可能になっているのだ。コードを緩めることによって、全体に風を孕み、大きなシルエットが描かれ、絞めると女性的なボディラインが現れ、ドレスのような形のコートに様変わりする。さらにこのレインコートの高い機能性を見せつけたのはフィナーレの直前。会場が暗くなり、雷の音が鳴りだす。すると、スポットライトが照らされたモデルの頭上から大粒の「雨」が。レインコートを着たモデルの微動だにしない表情と共に強い耐水性をアピールした。
2017年10月23日リトゥンアフターワーズ(writtenafterwards)の2018年春夏コレクション「writtenafterwards 10th Anniversary Collection “After Wars"」を発表するファッションショーが、2017年11月17日(金)より東京都庭園美術館にて開催。このショーには一般向けの招待枠が設けられる。山縣良和が手掛けるリトゥンアフターワーズは、2017年に記念すべき設立10周年を迎える。最新の2018年春夏コレクションを披露する「writtenafterwards 10th Anniversary Collection “After Wars"」には、一般客向けの招待枠が設けられる。なお、ショーの翌日2017年11月18日(土)からは、東京都庭園美術館にて展覧会「装飾は流転する」展がスタート。展覧会では、アートの世界でも評価される山縣良和の作品が、新作を含む過去10年間のアーカイブの中から厳選して展示される。【詳細】リトゥンアフターワーズ10th Anniversary Collection “After Wars"開催日時:2017年11月17日(金) 17:30~ドアオープン/18:00~ ファッションショー会場:東京都庭園美術館住所:東京都港区白金台5-21-9応募方法:下記WEBページにて案内応募期間:11月6日(月)~11月15日(水)応募URL:※定員に達し次第、募集は締め切り。※返信にてデータインビテーションを発行。
2017年10月23日フォーチュナトウキョウ(FORTUNA Tokyo)の2018年春夏コレクションが、2017年10月20日(金)に表参道ヒルズで発表された。Amazon Fashion Week TOKYO初登場の同ブランドは、日本の伝統工芸「西陣織」を取り入れた「和モダン・クラシック」スタイルを提案している。デザイナー・木場 彰子がイギリス在住経験があることから「英国調のトラディショナル」と「和」を掛け合わせたデザインが特徴だ。フォーチュナトウキョウの看板アイテムである西陣織のネクタイ。ランウェイには桜や武士、葛飾北斎の作品など「和」をモチーフにした様々な柄が登場した。こだわりのあるネクタイの柄は、ポロシャツの襟や袖、そしてショートパンツの裾にも取り入れられ、ウェアを引き立てる。「和」がさらに顕著に現れたのは、着物型のコートやアクセサリーに取り入れられた雪下駄。下駄の鼻緒には、ネクタイと同様の柄が採用されている。そこに合わせられたのは、イギリスの伝統的なウェアだ。ネイビーのトレンチコートや、シングル・3ピースのスーツ、そしてチェック柄をあしらったノーカラージャケットがランウェイに現れ、イングランドの風を運ぶ。「和」と「英国」、2つの魅力が融合したコレクションに仕上がっている。
2017年10月23日トクコ・プルミエヴォル(TOKUKO 1er Vol)の2018年春夏コレクションが、2017年10月20日(金)東京・渋谷ヒカリエで発表された。毎シーズン世界各国の民族衣装からインスピレーションを得ていて、今回のテーマは「アフリカ」だ。ショーは、南アフリカの「ンデベレ族」の正装で始まった。イエロー、ブラック、ブルーのストライプ柄のマントを羽織り、中にはンデベレの伝統柄がプリントされたトップスとロングスカート、頭部にはカンガの様な布を巻いている。その後もンデベレの伝統柄を異国情緒漂う春夏らしい洋服へとアレンジし、続々と登場した。フランス・パリでも人気のアフリカンワックス柄を使用したカラフルなドレスは、アフリカ衣装の色彩美を最も反映したシリーズと言えるだろう。異なる柄を複数重ね、フリルでボリュームを出し、色彩のみならずシルエットまでもが華やかな印象だ。アフリカの動物たちを洋服に閉じ込めたシリーズは、野生に生きる動物のしなやかな美しさがそのまま衣服の美しさとして反映されていた。ボリュームのあるスカートは、モデルが歩くたびに揺れ、プリントされた動物に生命を与えたようだ。最後に登場した「ファンタジックキューブ」は、今回最も目を奪われた洋服の一つだろう。純白の丸いフォルムのドレスが場内暗転になると、ドレス内側から輝きだした。アフリカが持つ生命の神秘を感じさせ、ショーの集大成ともいえるフィナーレであった。
2017年10月23日メゾン マルジェラ(Maison Margiela)が、2017年春夏アーティザナルコレクションのインスタレーションを開催。2017年10月27日(金)より、ドーバー ストリート マーケット ギンザで行われる。「アーティザナル」はメゾン マルジェラのオートクチュール。ウィメンズのプレタポルテ「デフィレ」にインスピレーションを与え、メンズのプレタポルテからシューズ、バッグ、アクセサリーまでのすべてのラインを貫くメソッドや哲学を示す存在だ。クリエイティブ・ディレクターのジョン・ガリアーノが手掛ける「アーティザナル」の披露は、国内初。輪郭を際立たせて服の構造をあらわにするデコルティケ(Decortiqué)テクニックによって描かれた主要なルックを展示する。また、「Discover the Maison Margiela ‘Tabi’ story」と題したエキシビションも開催。「タビ」シューズは、日本の伝統的な履物である足袋にインスピレーションを得たシューズで、メゾンのアイコン的存在である。1989年春夏コレクションで発表した初代「タビ」ブーツから、2017年春夏アーティザナルコレクションでカットアウトディテールブーツまで、様々な年代の「タビ」シューズを展示する。さらに、ドーバー ストリート マーケット ギンザのために制作されたゴールドレザーに白いペイントを施した特別な「タビ」ブーツを、10月28日(土)より限定販売する。【詳細】Maison Margiela SS17 ‘Artisanal’ installation会期:2017年10月27日(金)~11月21日(火)会場:ドーバー ストリート マーケット ギンザ住所:東京都中央区銀座6-9-5 1階イベントスペースDiscover the Maison Margiela ‘Tabi’ story会期:10月27日(金)~11月2日(木)会場:ドーバー ストリート マーケット ギンザ住所:東京都中央区銀座6-9-5 1階<エクスクルーシブ「タビ」ブーツ for ドーバー ストリート マーケット ギンザ>価格:156,000円+税発売日:10月28日(土)【問い合わせ先】ドーバー ストリート マーケット ギンザTEL:03-6228-5080
2017年10月23日HARE(ハレ)の2018年春夏コレクションが2017年10月19日(木)、東京・渋谷ヒカリエにて発表された。今季のテーマは“HAZE”。霧・もやという意味で、情報が溢れる現代で自分たちのリアリティをつかもうとする若者の姿を洋服に落とし込んだ。足元に霧がかかったランウェイで、電子音と共に大量の霧が立ち込める中からモデルが登場し、ショーは開幕した。重ねることで下に着ているものの存在を不確かにするシフォンスカートやメッシュTシャツなどの素材で、もやもやとしたイメージを形成。また、レイヤード風のコートは、オーバーサイズのものを再構築することで製作しており、境界線をぼやけさせている。もやがかかったようなプリントは、Tシャツ、ブルゾン、ワンピースに施され、光の当たり具合によって見え方が変わる。シャツを開けっ放しにしたり、前後で長さの違うトップスを肩を落として着たり、シルエットやスタイリングでも曖昧さを表現。グレー、ベージュ、アイボリーなどぼんやりとした色味のアイテムに合わせる足元は、派手なグラデーションのソックスとブラックサンダル。おぼろげな印象と調和させ、スタイリングを落ち着かせる。ストライプのセットアップやコートは、ロバート ゲラー(Robert Geller)とのコラボレーションアイテム。メンズとウィメンズを展開し、グレーとパープルの柄がルックに登場した。ショーの後半になると、カラーパレットやディテールから、強い若者の意志が感じられるように。フロントでシャツを結ぶ、中途半端に留めずきちんと閉じる、パンツの裾を折る…ネイビーやブルー、ピンクやパープルなどで自己を表現しようと試み、現代の霧の中に生きる若者と共に闘うコレクションであった。
2017年10月22日パラドックス(PARADOX)2018年春夏コレクションが、2017年10月19日(木)に渋谷ヒカリエで発表された。ストリート・ゴシック・フューチャーをキーワードにウェアを展開する同ブランドが今回テーマに掲げたのは「坊主」。デザイナー・鉄羽淳平は自分のルーツである「日本」に立ち返り、「和」の要素をスパイスとして取り入れた。ランウェイに登場したのは、ブラックをベースに、シルバーアクセサリーやネオンカラーを効かせたストリートウェア。フーディーやボンバージャケット、スウェットのハーフパンツなどは、背中や裾にシルバーリングなどがディテールとして取り入れられた。さらに、「和」らしい<結ぶ>という行為に繋げさせるかのように、長く垂れる紐が随所にデザインされている。また「坊主」や「仏教」からインスピレーションを得て、仏壇で火を灯す行為から導き出した「炎」モチーフが取り入れられ、ストリートウェアにジャポニズムの要素を融合させている。「和」をさらに加速させるのは、和服の合わせを取り入れたはっぴを思わせる羽織りだ。ただし、ロゴデザインなどを取り入れることで変化球に仕上げている。
2017年10月22日ヒロコ コシノ(HIROKO KOSHINO)の2018年春夏コレクションが、2017年10月19日(木)に東京・恵比寿にて発表された。「リバース」というテーマの下にクリエイトされた今シーズンのコレクション。終わりを常に新たな始まりと捉え、古いものや過去を見つめ直すことで湧いてくる、新たな創造の喜びを表現している。冒頭はストライプをキーワードに、この非常に単純な幾何学模様を、様々な形態に変幻させた。縦のストライプと横のストライプを混ぜたり、斜めのストライプをずらして配置したりして生まれる、リズミカルな視覚体験。やがてストライプは単に柄としての次元を飛び出し、ヘムスカートのプリーツや、ニットの立体的な編地模様などのストライプとして3次元化した。ウェアのシルエットはワイドが中心。生地をふんだんに使用して、歩くたびに揺れ動く豊かなドレープを生み出している。さらに特徴的なのは、服のパーツの一つ一つを、誇張したサイズ感で表現している点だ。ショルダーを横に大きく張り出させ、衿とラペルを普通の何倍にも拡大したロングコートや、袖ぐりやカフスをオーバーサイズにデザインしたシャツ、ジャケットなどがその例だ。しかし、シャープなストライプ模様が、膨張したシルエットとのバランスをとることで、すっきりとした印象は壊さない。会場の雰囲気が変わり、コレクションは次のパートへと移行した。ストライプ模様の余韻を残しながら次の主役として登場したのは“タンポポ”のモチーフだ。フルレングスのドレスに大きく描かれたり、幾何学的なパターンに変化したりと、様々なバリエーションがウェアを彩る。気付けば、あんなにも中心的な存在感を放っていたストライプは影を潜め、代わりに、たくさんの星を散りばめた幻想的なパターンが出現している。タンポポに寄り添うように輝くその星は、夜空の星というよりも、タンポポが産んだ無数の種子のよう。終わりを迎えたタンポポは、その種子によって新たな命をつないでいく。新たな創造もまた、過去と現在を通過した先にしか見えてこないのだろう。なお、本コレクションにはコンバース(CONVERSE)のスニーカーが登場。厚底のモデルや、サンダルのようにアッパーが空いているもの、キーテーマのストライプ模様をのせたものなど、スニーカーの雰囲気を残しつつもユニークなアレンジが加えられたシューズだ。さらに、メンズモデルが登場し、オーバーなサイズ感が魅力のメンズウェアも提案された。
2017年10月22日ハナエモリ マニュスクリ(Hanae Mori manuscrit)の2018年春夏コレクションが、東京・表参道ヒルズで2017年10月19日(木)に発表された。「Flux」をテーマにした今季。流道、流転、絶え間なく流れ続けるというという意味を持つこの言葉を、デザイナーの天津憂は、自身のブランドにはぴたりと当てはまるという。彼はランウェイの上で、このテーマに沿う2つのシーンをみせてくれた。ひとつめは、序盤に現れたスタイル。ハナエモリ マニュスクリらしからぬ“物静かな”ルックが目立ったように感じる。裾がほんのり揺らぐサマーツイードのスカート、幾重かに重ねた細いベルトで絞めるシアーな素材のワンピース。際立つ色柄はほとんどなく、ドレープやギャザーがメインの装飾で、特徴的だったのは、ベルトや肩まで垂れ下がった大きなイヤーアクセサリーだ。流れるような落ち感のファブリックを背景にしたそれらは、今シーズンの「Flux」を語るにふさわしい。なぜなら、重力に逆らわずに落ちるフリンジやタッセルのディテールは、歩けばまるでエレガンスを主張するかのように揺れるが、足を止めれば、ただまっすぐに存在する。おそらく、ベースとしている滑らかなテクスチャーの素材も、ドレープやギャザーによって流動性のある立体感が生まれるからこそ、選んだものだろう。そして、次にふたつめのシーン。抽象的なグラフィック柄が投影される。リアルな花を銅板に写して、それをまるごと用いたという花柄は幻想的かつ魅惑的な印象を受ける。軽快な素材を用いているからか、さらに花という存在が現実的でなくなっている。一見、何模様か戸惑うほどの色柄が入り混じるテキスタイルは、よく見れば確かに花が咲き誇っている。そして、もちろんブランドのアイコン的存在である蝶の姿も見られる。こうした2つのシーンから読み解いたのは、ブランドの永遠のテーマである「エレガンス」である。追い求める上で、なければいけない存在であった美しく咲き乱れる花々は、土にかえり、そしてまた新たに生命を宿す。これもまた「Flux」に通ずるのだろう。そして、輪廻転生のように生き続ける花々と共に生きる蝶たちも……。ブランドのアイデンティティーであり、またやはり欠かせない存在だと、ランウェイの上で強く感じさせられた。
2017年10月22日ヴィヴィアンノ スー(VIVIANO SUE)の2018年春夏コレクションが2017年10月19日(木)、東京・渋谷ヒカリエにて発表された。フラワーアーティストのTAKAYA KISHIMOTOとコラボレーションし、伝えたいのは“花の一生”だ。花の始まりは発芽。ヴィヴィアンノ スーが得意とするボタニカルプリントを、レザージャケットの背や、フレアなワンピースに。ドレスは、プリーツとプリントが相まってまるで本物のツタのように見えるものも。そこから季節は巡り、蕾が芽生える。メンズのセットアップや、ウィメンズのシャツワンピース、ドレス一面にプリントされているのは白い蕾だ。その柄で存在感を放つアイテムはホワイトやブラックのパンツ、ジャケットとスタイリング。そこから続くのは、ウォームピンクのワントーンスタイル。蕾から花が咲いたのだ。ニットや、フリルトップス、ポイントで起毛のあるトレンチコートなど、満開の花が咲く、暖かい季節を思わせる。だが、満開の花もやがて散り、枯れる。蕾の頃はグリーンベースだったボタニカルが、ブラウンベースになってシャツワンピースなどに登場。コットン、シルク、ポリエステルなど様々な生地を用いており、生地によって柄の見え方が異なって面白い。最後には一面黒と、一面白のクチュールのドレスが登場。この優雅なドレスは、今までの花の循環を、“死と再生”として捉えたものだ。最後は、発芽から蕾、花が咲いて散り、枯れるまで…それぞれの時点での洋服を身に纏ったモデル達がランウェイを歩く。誕生から死まで、始まりから終わりまで、その変化がはっきりと映し出されていたコレクションだった。
2017年10月22日HYKE(ハイク)の2018年春夏コレクションが、2017年10月19日(木)東京・中目黒のHYKEプレスルームで披露された。昨シーズン同様にインスタレーション形式での発表である。アウトドア、ミリタリー、ワーク。HYKEの原点である要素は今季も変わらず存在している。そこに加えられたのは、フェミニニティへ近づくアイデア。ボリュームのコントロール、素材の差し方、細やかなディテールを追加することで、ドレスと並ぶほどエレガントなワーク・ミリタリースタイルを完成させる。軍服から着想したカーキのジャケットは、その男性性を排除するかのように胸上で潔くカット。そこにシースルーのプリーツ生地を繋ぎ、バストから足首まで流れるようなロングラインを作り上げた。襟は高く高貴に。コートの上で遊び回る、フラップポケットやドローコードの無邪気さが、逆にコート全体の気高さを引き立てている。胸ポケット付きの白いシャツ。男性的で力強いこのトップスは、アームのシルエットで遊んだ。襟下から別布を一枚かませてアームへと繋げ、ふんわりとしたボリューム袖を作り出す。袖口にはスポーティーなマジックテープベルトを添えて引き算を。重量感のあるコートやシャープになりがちなスリムパンツには深いスリットを入れて、女性的に仕上げる。また、レイヤードに起用したシースルーアイテムもキーアイコン。パンツの上に重ねたプリーツスカートは、程よいツヤがあり艶やか。手の平まで包み込むほど長く、ふわりと広がったアームカバーも、コートの下やジャケットの下から顔を出し、ソフトな雰囲気を作り上げる。目玉となるのは、2018年春夏よりスタートするザ・ノース・フェイス(THE NORTH FACE)とのコラボレーションだ。披露されたのは数種類のトップスとアウター。フード付きジャンパーはバストラインまでのボレロ型。裾にはドローコードが配されていて、ぎゅっと絞ると程よいボリュームが出る。HYKEが好んで使うパイソン柄のロングコートは、胸から上がザ・ノース・フェイスらしい黒のフーディコートとジョイントしている。クルーネックトップスは、ザ・ノース・フェイスのロゴを大胆に使ったもの。ナイロン生地で前ポケット付き。ジップは全て止水ファスナーになっていて機能性に富んでいる。
2017年10月22日アンダーカバー(UNDERCOVER)の2018年春夏コレクションのランウェイで、アンブッシュ(AMBUSH)とのコラボレーションアクセサリー発表された。アンダーカバー2018年春夏コレクションのテーマは、2つの顔を持つ「JANUS」。共通項を持ちながらも対照的な要素を、ファッションを通じて表現するという試みをランウェイでみせた。洋服はそれぞれが個性的で、フェミニンなものもあれば、ゴシック的なもの、クラシカルなもの、すべてが混合している。そして、そこには確かにアンダーカバーらしい“毒”が垣間見える。モデルたちが身に着けているこれらアイテムにアクセントを加えたのは、アンブッシュのアクセサリー。ウィット感に富んだユニークなデザインをアンブッシュらしく18金を用いて表現し、今回はパールを加えた。また、ゴールドに映える真っ赤なバラもポイントとなっている。茎が折れ曲がった真っ赤な薔薇の花はピアスとして登場。手元を彩るリングにも、大きな薔薇の花を咲かせた。また、ブレスレットやネックレスは、薔薇のトゲを再現したエッジィなデザイン。あわせてつけることで、よりこの“毒の効いたエレガント”な薔薇の威力を感じられる。一方、パールアクセサリーは“歪な形のパール”のようなものが紛れ込むことで、上品なのにどこか奇妙なムードを漂わせる。特に何連にもなったパールネックレスは、大小のパールがグラデーションのようになった、クラシカルながらスパイスの効いたアイテムだ。また、耳の傍で存在感を放ったピアスは、まるでパールアクセサリーが変形してしまったかのようなフォルム。デフォルメされたキャッチは本来の意味をなさず、耳の下で揺れ動く。【詳細】アンダーカバー×アンブッシュ コラボレーションアクセサリー発売時期:未定
2017年10月22日ケイスケヨシダ(KEISUKEYOSHIDA)が、「Amazon Fashion Week TOKYO 2018 S/S」期間中の10月17日、表参道ヒルズで2018年春夏コレクションを発表した。会場には、アマゾンファッションに招待された服飾業界を目指す学生たちが大勢つめかけ、熱気あふれるムードに包まれた。客席の照明が落ち、ジョン・スペンサー・ブルース・エクスプロージョン(The Jon Spencer Blues Explosion)の名曲『ベルボトムズ(Bellbottoms)』とともにショーがスタート。疾走感のある音楽とともに、ヒッピースタイルを思わせるヘアスタイル、リボンを結んでつなげたピンクのジャンプスーツに厚底ブーツを履いたモデルが登場。続いて、フロントに大きく穴が開いたジャージの下に超ミニのトップスを合わせたルック、ネックや膝、スカートの裾部分にリブ使いが施されたルックなど、スポーティなテイストのルックをまとったモデルたちが現れた。ファーストルックで見られたリボンを結んでつなげたデザインやフロントに大きく穴が開いたデザインは、今回のコレクションの特徴的なルックといえるだろう。前回のコレクション発表後、無力感にさいなまれた吉田は、初心に戻って“日常の中のリラックス”をテーマに制作に取り組んだという。その中で、資料で見た70年代のヒッピーのファッションにインスパイアされ「彼らの“フリーな姿勢”や“自由な人としての在り方”に惹かれ、作っていた服にはさみを入れたり穴を開けてみたら、それまで感じていた“硬さ”がなくなり自由な質感が生まれた」と語った。リボンの結び方でシルエットが自在に変えられるルックや、ジャケットに開けた穴から全くテイストの異なるスポーティーな服が現れるルックで、その時の気分で“ありのままの自分を自由に表現できる”ことの喜びを表したのだという。プログレッシブロックの曲とともに迎えられたフィナーレには、70年代のヒッピーたちが感じていた、新しい時代の始まりを予感させる高揚感が重ねられていたようだ。“穴”によって無力感を打破し、自由を手に入れた吉田は、装うことの楽しさをまた一歩進んだ表現で提示して見せた。
2017年10月22日ファイブノット(5-knot.....)の2018年春夏コレクションが、2017年10月19日(木)に東京・渋谷ヒカリエにて発表された。今シーズンは、デザイナーが旅行で訪れたポルトガルの町“ナザレ”から得たインスピレーションをもとにしたクリエイション。海に面している“ナザレ”は、眺めが美しく、またビッグウェーブが来るサーフポイントとしても有名な町だ。町の景観の中の色彩や、日常的な要素、また気候を反映したピースやスタイリングが並ぶ。色彩豊かな植物柄は、ポルトガルのタイル“アズレージョ”や建築様式“マヌエル様式”がアイディアの源となっている。布地に隙間なく描かれたボタニカルプリントは、群生する植物のエネルギッシュな美しさを表す。赤をベースにしたエキゾチックな植物柄の豪華な彩りは、柔らかな素材に乗せることで開放的なムードを描き出す。カラフルな紐を使ったスタイリングは、旅先で見かけた洗濯物から着想を得た。“ナザレ”で、赤や黄色の紐にカラフルな洋服を吊るして洗濯物を干す光景に出会い、その色鮮やかな様子を投影している。ウエスト部分に巻き付けて、シルエットに変化をつけてみたり、首に巻いてアクセサリーの様に使用してみたりと、まるで海風を受けているかのように、コーディネートに動きを生み出す。所々で登場するビビッドカラーのエナメルストレッチは、彩りのアクセント。ソックスやトップス、パンツなどポイントで使用され、鮮やかなカラーが思わず目に飛び込んでくる。多彩なカラーやシルエットで登場したデニムは、レイヤードのスタイリングで表情豊かに。ラメで輝くパープルのコートとジャケットに重ね合わせたベアトップのデニムワンピースは、タイトなシルエットで上品な印象に。ギンガムチェックのデニムブラウスには、透け感のあるブラックのオーガンジーワンピースを合わせ、軽やかな雰囲気を演出している。また、ファイブノットが第13回「DHL デザイナーアワード」を受賞したことが発表された。海外展開の拡大も含め、今後のブランドの発展を予感させる受賞となった。
2017年10月22日リヒトステール(Licht Ster)のファーストコレクションとなる2018年春夏コレクションが渋谷ヒカリエで発表された。ファッションデザイナー・コシノジュンコを叔母にもつディレクターのヒカリと、デザイナー・澤柳 直志による同ブランド。「リゾートトラベル」をインスピレーションに「ストリートエレガント」という新しいスタイルを提案した。ウェアはほとんどホワイトカラーで統一。序盤はシフォンを取り入れたワンピースやスカート、スリーブにリボンをあしらったコートなど、フェミニンな服が続く。ただし、そこに大胆なロゴ使いのTシャツや、落書き風デザインのジャケットが加わり、ストリート要素が組み込まれることで「ストリートエレガント」というワードに繋がってくる。続いてランウェイを占領したのは、中国のスポーツブランド「アニファ(ANIFA)」とコラボレーションしたスポーツウェア。テニスウェアを彷彿させるワンピースは、スカートにシフォンを重ね、胸元にフリルをあしらうことで、スポーティなウェアをエレガントに昇華。他にも、裾にレースをデザインした可憐なジャージパンツなどが登場した。ラストは、エレガントで優美なウェアで締めた。大胆にシフォンを使い透け感を出したトップスやベアタイプのロングワンピース、袖のフリルが踊るトップスなどが、リゾートを感じさせる優雅な空気を運んだ。
2017年10月21日