東京都・墨田区の「たばこと塩の博物館」は、日本の細密工芸である「根付」を中心に、日本の精美な工芸品の歴史と文化を紹介する特別展「細密工芸の華 根付と提げ物」を開催する。会期は、4月2日~7月3日 10:00~18:00(入館は17:30まで(月曜休館)。会場は同館 2階特別展示室。入館料は、大人・大学生:300円/小・中・高校生:100円/満65才以上:150円。同展は、江戸時代~現在まで、象牙・鹿角・木などの素材を用いて作られた「根付」をはじめ、印籠やたばこ入れなどの「提げ物」、さらには根付に関する文献資料なども合わせて展示しながら、これら日本の精美な工芸品の歴史と文化を紹介する特別展。江戸時代に制作された「古典根付」から、明治・大正・昭和時代前期ころまでの「近代根付」、昭和時代中期以降に制作された「現代根付」まで、象牙・鹿角・木などさまざまな素材を用いて作られた「根付」約370点を、形態や題材(中国・日本の故事、霊獣、動植物など)で分類して展示される。また、近代根付の巨匠・森田藻己(もりたそうこ/1879~1943年)の作品13点や、兄弟弟子の大内玉藻や藻己の弟子の作品も合わせて展示されるほか、根付の研究者でありコレクターでもあった高円宮憲仁親王殿下が所蔵されていた現代根付10点も合わせて紹介される。さらに、巾着、印籠、たばこ入れなど、さまざまな形や素材の提げ物が約80点展示されるとともに、「根付」本来の用途や歴史的背景についても紹介されるという。このほか、江戸時代中期に活躍した刀装金工や根付師57名を紹介する稲葉通龍(いなばつうりゅう)の名著「装剣奇賞」の手稿本、初版本、後版本も展示され、同書に掲載されている根付師の手がけた作品や絵画なども合わせて紹介されるということだ。
2016年03月02日Googleは26日、世界中の美術館やアーカイブから展示やコレクションを検索できるサービス「Google カルチュラルインスティテュート」において、日本の工芸作品を世界に紹介するコンテンツ「Made in Japan: 日本の匠」を公開した。「Googleカルチュラルインスティテュート」は、世界中の美術館やアーカイブから、600万点を超える美術作品や歴史的文献を閲覧できるGoogleのサービス。アメリカ・ニューヨークのメトロポリタン美術館、フランス・パリのオルセー美術館、そして東京国立博物館など、世界各地の1,000以上の美術館や博物館が参加している。このたび公開された「Made in Japan: 日本の匠」では、立命館大学アート・リサーチセンターや青森県庁を始めとする6つの施設の協力により、西陣織や京薩摩、九谷焼、輪島塗など、日本の各地に眠る82種類ものさまざまな伝統工芸品を高画質の画像で公開されているほか、それらにまつわる歴史や制作過程などが丁寧に紹介されている。また、同サイト内に表示される日本地図のポイントをクリックすると、その地域の工芸品にアクセスすることも可能。なお、言語は日本語と英語で提供されており、日本文化に関心のある海外のユーザーも楽しむことができる。
2016年01月26日Googleは26日、文化や芸術をオンラインで保存する取り組み「Google Cultural Institute」にて、日本の工芸品を世界に向けて紹介するプロジェクト「Made In Japan:日本の匠」を開始した。「Made In Japan:日本の匠」では、西陣織や京薩摩、九谷焼、輪島塗など、さまざまな日本の工芸品を展示するプロジェクト。立命館大学アート・リサーチセンターや青森県庁など6施設の協力を仰ぎ、27都府県から工芸品82種をオンライン展示する。工芸品は高画質の写真や動画、テキストで閲覧できるほか、作品の歴史や制作過程といった、背後のストーリーの紹介にも重きをおいた。展示は工芸品個別のページから閲覧できるほか、日本地図上で表示された産地をクリックすることでも表示できる。○歴史や素材、制作工程も紹介Google Cultural Institute統括責任者のアミット・スード氏は、京都「西陣織」のファンだという。しかし、長い間、西陣織の素材や制作の様子など、西陣織にまつわる背景のストーリーについて、情報が少ないこともあり、英語での理解が難しかった。今回公開した「Made In Japan:日本の匠」は、写真や動画、テキストなどで、工芸品そのものだけでなく、その工芸品にまつわる歴史や素材、開発過程、現在の状況といった"ストーリー"を理解しやすいことが特徴という。これにより、海外向けに単に日本の工芸品を紹介するだけでなく、より多くの人が西陣織の着物がどういう意味を持つものなのか、理解できるようになる。アミット氏によると、一つの国にフォーカスして、有名・無名の工芸品と、そのストーリーを紹介するようなデジタルアーカイブは初だという。イタリアにフォーカスした「Made In Italy」というコンテンツもGoogle Cultural Instituteで展示しているが、こちらは農業にフォーカスしたもので歴史や制作過程といったストーリーの紹介もなく、「全く別のもの」とする。○「今、頑張っている工芸品を取り上げたい」文化財や工芸品のデジタル化を進める立命館大学アート・リサーチセンター客員協力研究員で、京都女子大学の前﨑信也氏は、今回のプロジェクトに関わった中心人物の一人。「Made In Japan:日本の匠」の内容について、工芸品を制作する過程の写真がほぼないことなどから、「とにかく綺麗な画像を見られる」ようにし、そして「どのようなプロセスで、どんな材料で作られているか、ぱっと見てわかるようなサイトを作る」ことを目指した。「Made In Japan:日本の匠」内の各展示は、高解像度写真とテキストで構成され、一部展示には動画も使われる。プロジェクトは2015年夏頃から開始し、博物館や美術館といった施設と協力し、展示品の写真や動画の提供を受けたり、工芸品を撮影したりした。展示品の選定はGoogle側でなく、協力パートナーが担当するが、明確な基準は設けない。今後、「Made In Japan:日本の匠」を見た、工芸品関係者からの展示希望も受け付ける。第1弾となる82種の工芸品は、海外向けを視野に、「日本文化を海外に発信するときに注目されるもの」を選んだ。展示のオファー自体は100程度行っているが、時間的な制約があり、(夏頃から始まったプロジェクトのため)提供開始に間に合うとして進められたものが展示されている。前﨑氏は「地域のおじいさん一人でやっているところも入れようと思った。今、頑張っている工芸品を取り上げたい。玉石混交でもいいと思っている。今後、何を発信していくかが大事だ」と、今後の展望を語った。公開は26日から。対応言語は日本語、英語。展示する工芸品は下記の通り。
2016年01月26日「伝統工芸品」は、美術館で観賞するだけではありません。デパートの物産展やインターネットで入手できる、手ごろな価格の伝統工芸品も多くあります。こまめに手入れしながら使用する伝統工芸品は、まさに一生ものです。職人が丹精こめてつくりあげた工芸品は、美しさと実用性の両方を兼ねそなえています。装飾品ではなく、毎日の生活で使える伝統工芸品をピックアップしました。■さめてもおいしい、曲げわっぱの弁当箱はじめに紹介するのは、「曲げわっぱ」です。曲げわっぱとは、うすく削った板を円形状に曲げてつくる箱のこと。材料は、杉やひのきが一般的で、木目を生かしたデザインと、素朴な手ざわりに魅了されます。風合いだけでなく、機能性のよさも見逃せません。天然素材のため、なかに入れるごはんや、おかずが傷みにくいのです。軽くて持ちはこびやすいのはもちろん、食材が硬くならずに、おいしくいただけるのはうれしいですよね。木材の持つ水分を保持する性質や、弾力を利用してつくりあげる曲げ物。それは、わが国の風土と日本人の器用な手先を活かした、暮らしのなかの芸術品だといえるでしょう。アルミやプラスチックの弁当箱を使っている方は、ぜひ一度曲げわっぱを試してみてください。■使いこむとあめ色になる、柘植(つげ)の櫛日本髪を結うときのイメージが強い「柘植の櫛」。絵巻物や美人画では、なめらかな髪をとかす場面は定番です。とくに舞妓さんが持っているような柘植の櫛は、手になじみやすく、使い心地がよいのが特徴です。木材のなかでも、粘り気が強く割れにくい柘植は、櫛や将棋の駒に最適です。静電気がおきにくく、手や頭皮の体温と油分が伝わることで、長い時間をかけて美しいあめ色になります。毎日使っていると、持ち主にあわせて少しずつ櫛の歯先が削れてきます。本人の髪質や頭皮のカーブに沿って変化していくため、オーダーメイドのようなぜいたくさが味わえます。皇室御用達としても知られる京都の老舗「十三や」や、素材のよさに定評がある鹿児島の「喜多つげ製作所」がオススメです。ロングヘアや髪が多くて太い方は、大ぶりで目の荒い櫛を選ぶといいでしょう。ボリュームアップさせたい方は、目の細かいタイプを選ぶのがコツです。はじめに荒い櫛でおおまかな汚れを取りのぞき、次にこまかい櫛を通すと、頭皮のマッサージにもなり、髪もつややかになりますよ。■肌触りのよい化粧筆チークパレットを購入すると、付属のブラシがついています。近年では、どこの化粧品メーカーも品質が向上して、初心者でも簡単にグラデーションがつくれるようになりました。美意識の高い女性なら、自分専用の化粧筆をそろえたいものです。よい筆はムラなく粉をふくむことができ、肌ざわりがやさしいのがうれしいところ。手の角度や力加減を変えるだけで、淡い色からあざやかな色彩までを自由自在に発色させることができます。意外ですが、書道の筆をつくる職人が製作しているものに多くの良品が見受けられました。広島の「熊野筆」や「白鳳堂」は、いずれも毛質がよく品ぞろえが豊富です。ヤギやリスのやわらかな毛は、皮膚にやさしく、メイクの仕上がりがあかぬけます。日本の風土と伝統がはぐくんだ職人技を、ぜひ毎日の生活に取りいれて活かしたいものですよね。
2016年01月17日東京都・二子玉川の静嘉堂文庫美術館は、俵屋宗達・尾形光琳・酒井抱一にまつわる書画工芸を一堂に展示する「金銀の系譜 ― 宗達・光琳・抱一をめぐる美の世界」を開催している。会期は12月23日まで(月曜休館、ただし11月23日は開館し、翌24日休館)。開館時間は10:00~16:30。入館料は一般1,000円、大高生700円、中学生以下無料。同展は、修理を終えた国宝・俵屋宗達「源氏物語関屋・澪標図屏風」、重要文化財・尾形光琳「住之江蒔絵硯箱」(後期展示:11月25日~12月23日)の2点を公開するとともに、宗達・光琳・抱一にまつわる書画工芸の数々を一堂に展示するもの。「源氏物語」の第十四帖「澪標」と第十六帖「関屋」を題材とした同作は、宗達の作品中、国宝に指定される3点のうちのひとつとなる。絵具の剥落や画面の亀裂等の損傷がみられたため修理が行われ、約10年ぶりに公開されるということだ。また、重美の尾形光琳「鵜船図」、酒井抱一「波図屏風」をはじめとする同館所蔵の琳派の名品が一堂に展示され、「波図屏風」付属書簡・自筆句稿『軽挙館句藻』など、門外不出の抱一自筆資料をはじめ、関連版本もあわせて公開される。そのほか、制作から約300年を経て劣化がすすんでいた重要文化財・尾形光琳「住之江蒔絵硯箱」が修理後初公開される(展示期間:11月25日~12月23日)。「住之江蒔絵硯箱」は、本阿弥光悦作の硯箱を模して制作したものと知られており、光悦の特色をよく受け継ぎながらも独自の創意を加えた光琳蒔絵の頂点を示す名作と言われている。また期間中、自然光によって様々な表情を見せる国宝「曜変天目(稲葉天目)」重要文化財「油滴天目」や、松花堂昭乗「勅撰集和歌屏風」や重文の野々村仁清「色絵吉野山図茶壺」、原羊遊斎「雪華蒔絵印籠」など、琳派の画家たちを取り巻く同時代の優品もあわせて紹介される。また、関連企画として、京都美術工芸大学学長・河野元昭氏による講演会「これであなたも琳派通!」が開催される。開催日時は11月21日13:30~。参加費無料、ただし当日有効の鑑賞券が必要となる。
2015年11月19日ワイス・ワイスは、アートディレクターに「キギ」、販売協力にプロダクトブランド「D-BROS」を迎え、"赤いマル"をモチーフにデザインされた伝統工芸の新ブランド「UMEBOSI(ウメボシ)」を展開することを発表した。その第1弾として、グラスやフロシキ、バッグなど5産地14商品を発売する。販売開始は10月16日。場所は東京都・六本木のWISE・WISE tools(東京ミッドタウンガレリア3F)。「UMEBOSI」は、日本人にとっての"食べられる伝統工芸"的な存在である「梅干し」に現代の息吹をふきこむように、今日の生活につなげる新しい取り組みとして商品開発を行うブランド。アートディレクターに若い世代から絶大な支持を受ける「キギ」を迎え、従来のイメージを一新するクリエイティブな伝統工芸をより多くの人たちに届けるべくスタートした。販売協力は、キギが長年携わるプロダクトデザインプロジェクト「D-BROS」が担当する。今回、その第1弾として発売されるのは、伝統的な"花切子"で描いたモチーフに、新たな技術"漆硝子"で赤いマルを鮮やかに絵付けした「UMEBOSIグラス 江戸切子」(東京都、長野県)、堅牢な木曽漆器の遺伝子を深く受け継ぐ「UMEBOSIグラス 漆」(東京都、長野県)、京都の老舗工房・スギシタの捺染技法により、鮮やかな色合いの大胆な図柄を生かした風呂敷「UMEBOSIフロシキ 手捺染」(京都府)、米沢織の"細番手・手染め"の特長を活かした技術で織り上げた生地で制作された「UMEBOSIバック/ポーチ 米織」(山形県)、極細の糸で織り上げられ、畳むとコンパクトになる「UMEBOSIシルクウールストール 手捺染」(山梨県)といった、5産地14商品。どれも日の丸を思わせる"赤い丸"をモチーフとしたデザインとなっている。また、商品の価格は「UMEBOSIグラス 江戸切子」が各9,000円、「UMEBOSIグラス 漆」が1セット3万円、「UMEBOSIフロシキ 手捺染」が6,000円、「UMEBOSIバック」が1万8,000円、「UMEBOSIポーチ」が7,500円、「UMEBOSIシルクウールストール 手捺染」が4万6,000円(価格はすべて税別)。なお、10月25日 13:30~15:00には、東京ミッドタウン・カンファレンス(ミッドタウン・タワー4F)において、「日本とつながる 未来とつながる UMEBOSIプロジェクトとは?」と題したトークセッションが開催される。出演は、ファッションジャーナリストの生駒芳子氏、キギの植原亮輔氏と渡邉良重氏、ワイス・ワイス代表の佐藤岳利氏。参加希望者は、Tokyo Midtown DESIGN TOUCHの事前予約ページより申し込む。申し込み期限は10月21日 11:59まで。参加費無料。
2015年10月07日光岡自動車は、富山県の伝統工芸品「井波彫刻」とコラボレーションし、インテリアに井波彫刻を施したコンセプトカー「ビュート トヤマ(Viewt TOYAMA)」を、8月22日・23日に開催される『第41回井波彫刻まつり』で発表・展示する。ビュート トヤマは、地元富山の魅力をもっと多くの人に知ってもらいたい、という思いから、富山の伝統工芸品である井波彫刻や越中和紙と共演したコンセプトカー。コンパクトセダン「ビュート」のインテリアに、富山県の伝統工芸品をあしらった究極の"Made in TOYAMA"となっている。オプション装着された「クラシックインパネ」のウッドタイプパネル部分には、富山湾越しに見る3,000m級の立山連峰の雄大な景色で有名な雨晴海岸の絶景などを、井波彫刻の「欄間」の技法で制作した木製パネルを装着。同じく富山の伝統工芸品である「越中和紙」を使用した木製の一輪の花やパーセルボードが華を添え、富山県の魅力を全国に向けて発信する。同社は今後、富山のみならず北陸、ひいては日本の魅力を世界中に発信し、皆が元気になれるような「地域の産業が持つ魅力を再発見出来るコラボレーションカー」を企画していきたいとのこと。ビュート トヤマが発表・展示される『第41回井波彫刻まつり』は、富山県南砺市の井波彫刻総合会館にて、8月22日・23日に開催。車両展示に関しては、8月30日まで行われる。ビュート トヤマの発売については検討中。
2015年08月21日京都で脈々と受け継がれてきた6つの伝統工芸の後継者によるユニット「GO ON」。国内外トップデザイナーやアーティスト、また名だたるラグジュアリーメゾンやセレブリティ御用達ホテルにおける数々なコラボレーションを成功させてきた彼らが、次に取り組むのは積水ハウス株式会社が手掛ける地元・京都の分譲型マンションプロジェクトだ。GO ONがコラボレーションするのは、「次の100年の豊かな暮らし」をテーマにしたハイクラスなマンション『グランメゾン京都御池通』(京都市中京区麩屋町通御池上ル上白山町)。豊かな生活を提案するというコンセプトにたがわず、単にGO ONのクリエイションを空間の設えに取り入れるだけでなく、京都という街に愛着を感じてもらおうと全4回のワークショップ(成約者・検討者対象)に彼らが深く関わると言う。「伝統を継承しながら新しいモノを発信する我々GO ONの活動と、街の魅力と調和した豊かな暮らしを提案するグランメゾンのブランドポリシーが合致。短期間で住み替えるのではなく、この街に長く暮らすための住まいづくりという考え方にも共感しました。この街で暮らすことを決めた方に価値のある豊かな生活を提案したい」と西陣織「細尾」12代目・細尾真孝氏。6月27日には、京都西陣の細尾ショールームにて “ものづくりの現場から「心地よい空間」を考える”と題した第1回目のワークショップが開催された。細尾氏と「金網つじ」2代目・辻徹氏が、京都の暮らしやものづくりへの思いを、『グランメゾン京都御池通』に入居する家族たちと語りあった。参加者からは、伝統工芸や京のしきたりなど様々な質問が飛び交い、時に真剣に時に笑いに包まれた和やかな時間に。さらにGO ONの新作品が並ぶショールームや織り機が稼働する工房など、一般には公開していない伝統工芸の場を興味深く見学していた。終了後、辻氏と細尾氏に感想を聞いてみると「僕たちの商いは、モノを買っていただいてお終いではなく、そこからメンテナンスなども含めて10年、20年にわたるお客さまとの関係がはじまっていく。だからこそ、ものづくりの思いなどを新たに京都で生活する方へお伝えすることができて本当にうれしいです」と辻氏。また細尾氏も「入居前から参加者同士、また僕たちと縁を結んでもらえることで、京都での暮らしが少しでも楽しいものになれば」と話す。2回目以降のワークショップ詳細は未定だが、GO ONの他メンバーが京都における豊かな暮らしを説く予定だ。さて日々多忙を極めるGO ONのお二人にとって豊かな時間、豊かな暮らしとは?細尾氏は「コーヒーが好きなんですが、開化堂さんの茶筒からコーヒー豆を出して淹れる。経年変化で我が家の茶筒になってきたなと思いつつ、コーヒーを飲む時に豊かな日常を感じたりします。開化堂さんの茶筒はいいですよ」と笑う。また自他ともに認める車好きの辻氏は「愛車ゲレンデヴァーゲンを運転している時は幸せだなぁと。細かい仕様は別ですが、1979年登場後にわずか2回しかモデルチェンジをしていない。不変のステータスは、ものづくりを考える参考になります。また経年変化が楽しめる車であるのも魅力のひとつ」と話は尽きない。ふたりとも対象は異なるけれど、使い手の個性や想いをまとうモノに惹かれ、それを愛しみ、変化も楽しむ、そんな京の暮らしが見えてくる。年月が経つごとに愛着や風格が増し、価値が高まっていく“ものづくり”。そんな共通のポリシーを持つGO ONと積水ハウスが挑むプロジェクトは2016年の初夏に完成予定。京都に暮らすことの価値を、実感できる住まいに期待が高まる。■積水ハウス『グランメゾン京都御池通』構造規模:鉄筋コンクリート造り・地上10階建て間取り:1LDK+N~3LDK+N販売価格:3,920万~1億2,250万円(第1期販売)総戸数:97戸、店舗1店舗
2015年07月01日東京都・新宿の伊勢丹新宿店本館は、著名なグラフィックデザイナーによって新しくデザインされ、パリのトップギャラリーにて展示された日本各地の伝統工芸品を紹介・販売する「DENTO×GRAPHIC ~デザインが繋ぐ、日本の伝統」を開催する。開催期間は6月17日~6月30日。開場時間は10:30~20:00。同催事は、2015年2月にパリのトップギャラリー「GALERIE DUTKO」で開催した「DENTO-HOUSE PARIS -2015」展の凱旋ショップ。グラフィックデザイナーの浅葉克己、仲條正義、井上嗣也、服部一成、中村至男の5人によって新しくデザインされた、こけしや漆器などの身近なアイテムや、モダンに生まれ変わった浮世絵版画から桐製のチェストまで、パリ展で紹介したバリエーション豊かな作品が展示される。また、会期中には浅葉克己による、漆蒔絵を施した涼しげなガラスのテーブルウェアの先行販売と、パリ展で人気だった漆塗りサイドテーブル「猫」(仲條正義デザイン)の受注会を行うとのこと。なお、DENTO-HOUSEは、伝統工芸に関心を注いで創作活動をする、日本のトップグラフィックデザイナーのグループ。技術の継承が難しい状態にある多くの伝統工芸品に対し、デザイナーと職人のコラボレーションで新たな伝統工芸の魅力を再発見し、歴史・技術・文化をこれからの時代へ伝えて行く事を目指している。新しい素材の掛け合わせ、新たな技法の実験など、試行錯誤を重ねて独創的で遊び心あふれるアートピースを作り出し、世界的に見て美術市場が成熟しているパリをメインに発表を行っている。
2015年06月09日伊勢丹新宿店に日本と世界の工芸品を扱うセレクトショップがオープンする。このセレクトショップでは、稀少性の高い工芸品の魅力を現代的な感覚によって伝えるべく、国内外の作家、工房、アーティストなど約60組による作品を常時展示。3月4日から24日までオープニング企画として、九谷焼作家が絢爛な絵付けの技法を駆使した「ウルトラマン」のオブジェが出展される。この作品では赤絵や花詰技法、若草文などによって、ヒーローや怪獣のディテールが色鮮やかに描かれた。中でも、注目なのがウルトラマンで、緻密な青粒技法が彼の姿をキュートに彩っている。なお、伊勢丹新宿店では3月4日に5階リビングフロアがグランドオープンする。これに合わせて、この工芸品に特化したショップが同フロアのウェストパークに出店されることになった。写真:(C)円谷プロ
2015年01月27日伝統工芸を受け継ぐ後継者たちが集ったプロジェクト「ゴーオン(GO ON)」。「中川木工芸比良工房」「朝日焼」「金網つじ」達の3者には、時代のニーズに合わせて変えていくこと、そしてこれまでもそしてこれからも変わらないことは何かを聞いた。「中川木工芸比良工房」の中川周士氏はこう答える。「私達は代々、水に強い状態が求められる桶を作り続けてきたので、木の繊維によって水に強いところを内側に、弱いところは外側にする技術がある。木の適材適所を活かしたものであれば、形、ディテール、使う場所は問わない」。事実、彼が2年もの歳月を経て生み出したシャンパンクーラー「konoha」は機能美を備えたモダンなシルエット。このシャンパンクーラーは、がドン ペリニオン(DOM PERIGNON)の公式クーラーに選定されている。木桶に込められた「用」と「美」。世界がその価値を認めたのだ。また京都・宇治で400年前から続く「朝日焼」16代目松林佑典氏は「変わらないことは、お茶の器を作り続けること。それ以外はどこを変えてもいいと思う」と答える。実際、デンマークのデザインユニット「OeO」のトーマス・リッケとのコラボレーションでは、モダンなシルエットと色彩のティーポットやカップを製作した。そこには、代々受け継がれてきた技が生みだす上品さが備わっている。GO ONについて松林氏は「物づくりにこだわるメンバーと真剣に話し合えることで、自分の次に向かう動機付けになる」と述べる。「金網つじ」の辻徹氏は「変わらないのは、脇役の品格という理念」だという。京都名物の一つである湯豆腐おいて、豆腐をすくう金網は脇役ではあるけれど、丁寧で美しい金網だからこそ、場の雰囲気を損なうことなく、そこに佇む。それが脇役の美学だ。明かりをもたらすランプは部屋にとっての主役だが、その主役も洗練されたシルエットの金網シェードがあってのこと。GO ONのショールームには、手編みの金網をランプシェードに採用した照明が灯り、和室に優しい影を落としている。GO ONメンバーの言葉に共通するのは「立ち返る哲学」があること。時代の声に答えるべく真剣に悩み、時代の変化に向き合い、試行錯誤を繰り返しながら技を磨き上げてきた先代達から受け継がれたものが、彼らを支えているようだ。古に訊き、そこから新たな道を歩んでいくGO ONの行く先にはどのような未来が見えているのだろうか。4/5に戻る。 最初に戻る。
2015年01月02日2012年、伝統工芸を受け継ぐ後継者達が集い、プロジェクト「ゴーオン(GO ON)」が始まった。それは六つの伝統工芸の未来を背負う後継者らによるプロジェクトチーム。先代からの技と思いを受け継ぐ彼らを訪ねた。メンバーは、元禄時代から織物業を営む西陣織「細尾」の細尾真孝、明治8年創業の手作り茶筒の老舗「開化堂」6代目八木隆裕、明治31年創業の竹工芸「公長齋小菅(こうちょうさいこすが)」小菅達之、起源は平安時代にまで遡るという京金網「金網つじ」の辻徹、木工芸「中川木工芸比良工房」中川周士、400年の歴史を持つ「朝日焼」16代目の松林佑典。個性の異なる若い伝統工芸の後継者6人が集い、志を掲げクリエーティブユニットGO ONは生まれた。ユニット名GO ONには、長く引き継がれてきた伝統と先代達への「御恩」の意も込められている。■GO ON設立のきっかけ数年前、それぞれの屋号で出展していたミラノサローネなどの海外展示会で、度々顔を合わせる内に「伝統工芸が子供の憧れの職業になったら」という共通の思いで、意気投合した細尾、八木、辻。2012年、GO ONで上海のラグジュアリーホテルに進出するプロジェクトが経済産業省の推進するクールジャパン戦略推進事業に採択される。それもユニット結成のきっかけの一つとなり、日本の伝統工芸の技を国内外の企業やクリエーターに提供し、これまでにない物を作り続けていくことを目的にGO ONは誕生した。細尾氏は「10回のうち9回失敗しても、挑戦を続けていく気概で進んでいきたい。世の中が早いスピードで変わっていく時代において、まだ誰も踏み込んだことのないところにみんなで挑戦したい。そのためには稼げるマーケットであること。そしてかっこ良いスタイルでいること。結果、伝統産業をクリエーティブ産業にしていきたい」と意気込む。その言葉を体現するバー空間が14年12月シンガポールに誕生した。シンガポールにオープンしたバー「ディ・ピスポーク(D.Bispoke)」では、金網つじの照明、など、メンバーそれぞれの卓越した技が集結されたインテリアに加え、彼らのビスポークアイテムを販売するショップも併設されている。細尾氏の言葉にあるように、続けていくためのビジネススキームがここで実現されている。GO ONのメンバーは、新たなプロジェクトに挑戦するか否かを“その試みが新しいか”“これまでの枠に留まっていないか”を自らに問うて決めるという。シンガポールにオープンしたバーは、彼らにとって新しいステージを作るようなプロジェクトだったのだ。2/5に続く。
2015年01月02日「ジャム ホーム メイド(JAM HOME MADE)」から、日本の伝統工芸と同社のアクセサリーをセットで提供する「JAM HOME MADE×日本の伝統手仕事」が発売された。同ブランドが日本の手仕事とコラボレーションするのは、今回で2回目。この企画から提供されるのは、三つのペアアクセサリー。江戸切子とのコラボでは、“幸せを囲む”ことを意味する八角籠目紋が、ジャム瓶とペアリング(1万9,000円)へと刻まれている。これによって、リングを身に着けたカップルに、“幸せを掴み、逃がさないように”との願いを込めた。また、頑強さで知られる波佐見焼とのコラボでは、スタッキング出来るマグカップに、ペアネックレスをセット(1万5,000円)した。これらは2人の仲が“割れにくく”、生活を共にする2人を祝福することを企図。袖師焼からは勾玉を模った箸置きが用意され、同じ形を模ったペアネックレス(1万3,000円)と共に、二つ合わせて“円(縁)になる”アイテムとなっている。「ブライダルの日本代表」を目指すという同ブランドは、歴史ある日本の手仕事とコラボレーションすることで、より広い客層へのリーチを狙うという。
2014年12月29日ライカカメラジャパンはこのほど、「ライカ京都店」にて京都の伝統工芸とコラボレーションしたオリジナル商品を発売した。今回発売される商品は、京都の伝統工芸とのコラボレーションによる、カメラバッグとレザーアイテム6種となる。「カメラバッグ HOSOO Collage」は、300年以上の歴史をもつ西陣織の老舗「細尾」とコラボレーションしたカメラバッグ。両サイドとストラップの肩当てに伝統的なコラージュの技法を用いた西陣織のデザインがあしらわれている。生地にはダブルトーンやマルチトーン、淡い色合いや深い色合いなどのカラーリングを取り入れているとのこと。デザインは、デンマークのデザインスタジオ「OeO」のデザイナーであり、ライカユーザーでもあるトーマス・リッケ氏によるもの。カラーはブラック・ブラウンの2色展開で、価格は4万6,000円(税別)。コンパクトカメラやレンズ、小物類を入れるのに適した「レザーポーチ CHISO」は、450年以上の歴史を持つ京友禅の老舗「千總」の京友禅柄プリントのシルク生地を内側に使用したもの。京友禅の柄ごとにレザーの色も異なり、やわらかい本革は使い込むほどに手になじむという。サイズはS・Lの2種で、デザインは各3種類。価格はSサイズで1万2,000円、Lサイズで1万4,000円(ともに税別)となる。
2014年12月08日「イソップ(Aesop)」が、今秋冬の新作ギフトキット6種類を11月1日に発売する。「職人たちのギルド」と名付けられたこのキットは、世界の伝統的な工芸ギルドにインスピレーションを受けたもの。イソップのショップで使用されているセラミックや木材など六つの素材をモチーフに、ボディケアやスキンケアアイテムがセットになっている。「レザー」キット(9,000円)では、皮革素材の多様性にフォーカス。優しい洗い心地の「フェブラス フェイス クレンザー」の他、低発泡性で爽快感のある「コリアンダー ボディクレンザー」、リッチなうるおいの「ポストシェーブ ローション 43」がキットになった。暖かな色合いの中に確かな輝きを放つ銅に注目した「コッパー」キット(1万1,000円)は、ボディケアのための四つのアイテムをそろえた。「レスレクション ハンドウォッシュ」で洗った手には、「レスレクション ハンドバーム」でたっぷりとした潤いを。風呂やシャワーではマイルドで低発泡な「ダマスカン ボディクレンザー」を使用し、最後に「リンド ボディバーム」で全身をケア出来る。また、クラシックなスキンケアアイテムを贈りたいなら、大理石の滑らかさを重視した「マーブル」キット(1万3,000円)がおすすめ。肌をカサつかせずにメイクや汚れを落とす「フェブラス フェイス クレンザー」に加えて、「B & T バランシング トナー」と「カミリア フェイシャル クリーム」をセット。すっきりなめらかに整えた肌に、クリームが潤いを与えてくれる。その他、木材の適用性の高さにちなみ、ゼラニウムリーフボディケアから3種類をセレクトした「ティンバー」キット(8,200円)、保湿成分を贅沢に配合したパセリシードスキンケアの3アイテムを詰め合わせた「セラミック」キット(1万7,000円)。ボディケアとリップケアの定番アイテムをそろえた「テキスタイル」キット(6,400円)も用意。各キットは四角い缶に収められ、エンボス加工のスリープに包まれている。世界各地のイソップ直営店全店と百貨店のカウンター、公式オンラインストアで取り扱う。
2014年11月01日三井記念美術館、朝日新聞社は、近年、注目を集めている明治の工芸のなかでも、超絶技巧による作品を紹介する「超絶技巧! 明治工芸の粋ー村田コレクション一挙公開ー」を開催している。開催期間は7月13日まで、会場は東京都・日本橋の三井記念美術館。開催時間は10:00~17:00、入場料は一般1,300円、70歳以上1,000円、大学・高校生800円、中学生以下は無料。このあと、静岡(佐野美術館、10月4日~12月23日)、山口(山口県立美術館、2015年2月21日~4月12日)にも巡回する。同展は、村田理如(まさゆき)氏が収集した京都・清水三年坂美術館の所蔵品のうち、近年注目されている"明治の工芸"、なかでも超絶技巧による精緻を極めた作品を紹介。並河靖之(なみかわやすゆき)らの七宝、正阿弥勝義(しょうあみかつよし)らの金工、柴田是真(しばたぜしん)らの漆工、そのほか技巧を凝らした印籠や刺繍絵画など、約160点もの作品がまとめて出展されるのは初となる。また、単なる金工の置物のように見える「自在」は、複数の金属製のパーツをつなぎ合わせることで各部を自由自在に動かすことができ、動物や昆虫、魚などの複雑な動きが再現されている。江戸時代、甲冑師によって創始され、甲冑の需要が激減した江戸末期以降に隆盛を迎え、欧米諸国でも賞賛されている。さらに、白い材質をそのまま生かすことの多い「牙彫(げちょう)」の世界で、彩色を駆使した、究極にリアルな竹の子や茄子などの作品を制作した安藤緑山に注目し、特設コーナーが設けられている。安藤は、弟子もとらず、一切の記録を残さなかったため、技法はもちろん、生没年すらはっきりわかっていない謎の人物とされている。なお、村田理如氏は1980年代後半、出張で訪れたニューヨークのアンティークショップで購入した印籠がきっかけで、明治工芸と出会う。47歳で当時、専務を務めていた村田製作所を辞め、明治工芸の収集に邁進することを決意。2000年には「清水三年坂美術館」を設立し、現在は約1万点を超す作品が所蔵されている。今回の展示作品の多くは、万国博覧会などを通じて輸出され、長らく海外のコレクターが所蔵していたが、村田氏がオークションなどを通じて買い戻したものだ。
2014年06月13日ドコモの人気キャラクター「ドコモダケ」と日本伝統工芸の「熊野筆」がコラボレーションした、かわいらしい化粧筆が登場。カラフルな色合いで日本の伝統工芸がキュートに変身している。上から見ると…カラフルに染め上げられた「ドコモダケ×熊野筆」ジージドコモダケ、バーバドコモダケ、チチドコモダケの3キャラクターをイメージした化粧筆は、肌触りがよくコシのある粉含みのよい山羊毛(粗光峰)を使用。日本を代表する化粧筆の産地・広島県熊野町の日本伝統工芸「熊野筆」だけに、職人が一本一本手作りで作っている。チークブラシのほかにもハイライト用などにも使用できる。同商品は、オリコンストアで先行予約を受付中。6月いっぱいの受付を予定しているが、予約が定数に達し次第終了となる。【商品詳細】『ドコモダケ×熊野筆』(ジージドコモダケ、バーバドコモダケ、チチドコモダケ)サイズ:全長約55mm、毛丈約30mm素材:穂首/天然山羊毛100%、軸/木(桜)※染色については身体に影響のない「ECO染料」を使用価格:各¥3996(税込)
2014年06月02日東京工芸大学 写大ギャラリーは11月17日~12月25日、写真展「よそおい」を開催する。○「よそおい」として写真に表象されている時代や文化を考察人物を撮影した写真には、被写体となった人々の服装の趣味や嗜好だけでなく、職業や身分、さらには、その時代の流行やその地域の生活や風俗など、多くの情報が「よそおい」として象徴化され記録されている。また同時に、人物が撮影された写真には、シャッターを切る瞬間に、その被写体となった人物がカメラを意識することによって、その写真を見る他者を意識した無意識の演技(=よそおい)が記録されているとも言えるという。同展は、写大ギャラリーが所蔵する1万点以上のオリジナルプリント・コレクションの中から、人々の「よそおい」に着目して作品をセレクションし、展示するもの。肖像写真やファッション写真、スナップ写真、集合写真、セルフポートレートなど、いくつかのパートに分けて作品を選び、「よそおい」として写真に表象されている時代や文化、あるいは被写体と撮影者との「見る/見られる」関係についても考えていく、という。展示作品は、白黒・カラー写真オリジナルプリント約40点。主な作品として、ニコラ・ペルシャイト「少女像」、ニール・スレイブン「Welcome Twins」(1979年)、近藤福雄「佐渡万華鏡」(1923年)、エドワード・スタイケン「Marion Morehouse」(1927年)、木村伊兵衛「パリ、マヌカン」(1954年)、須田一政「みちのくの秋」(1976年)などを展示する。開催日時は、11月17日~12月25日 10時~20時。会期中無休・入場無料。会場は、東京工芸大学・中野キャンパス内 写大ギャラリー(東京都中野区本町2-4-7 芸術情報館2F)。その他、詳細は同大Webサイトを参照のこと。
2013年10月29日東京工芸大学は、全国の15歳から49歳の男女を対象に「ナチュラルユーザーインターフェースに関する調査」を携帯電話によるインターネットリサーチで実施した。ナチュラルユーザーインターフェースとは、人間が自然に行う動作によって機械を操作する方法のこと。約1,000名からの有効回答が寄せられた。ユーザーインターフェースの研究を行う東京工芸大学では、普及が進む“タッチパネル”や“ジェスチャー認識”、“音声対話システム”などが、複雑化するIT機器を誰でも簡単に利用できるようになっているのか、という観点から調査を実施。その結果、タッチパネル搭載製品は、約8割の家庭に普及していることがわかった。具体的な製品としては、タッチパネル操作のゲーム機所有率は49.6%(10代は70.4%)、タッチパネル操作のカーナビ所有率は35.1%(子どもがいる家庭では58.0%)、その他に携帯電話、スマートフォン、デジカメ、音楽プレーヤーなどがあげられ、8割強の家庭で何らかのタッチパネル搭載製品を所有していることが明らかとなった。その他にも、ATMやカラオケのリモコン、自動販売機など様々な分野でタッチパネルの採用が進んでいる。それらの使い勝手についての調査では、「ボタンよりもタッチパネルの方が操作方法で困ることが減った」と感じている人はが35.5%という結果に。さらにタッチパネル化によって操作ストレスが軽減したかどうかの質問では「あてはまる」が26.3%%、「あてはまらない」が25.4%とほぼ同率となった。また、IT機器の習熟度の高い層では「あてはまる」率は高くなるが、習熟度の低い層では逆に「あてはまらない」率が高くなるという結果となり、タッチパネル操作はIT機器の習熟度が低い層にとって、操作ストレスの軽減に繋がらないことが多いことがわかった。【拡大画像を含む完全版はこちら】
2012年03月30日秋の深まりとともに、魅力が高まる、奈良へのほっこり旅。旅の途中、日本庭園を眺めながら、体に優しい和のランチを味わい、奈良伝統工芸に触れる、体験プランはいかが? 奈良で約300年続く、奈良晒(さらし)の問屋、中川政七商店の和雑貨ブランド「遊中川」の本店では、布蔵を改装した「機場(はたば)」にて、麻の手紡ぎ手織り体験ができる。ならまちの路地裏に残る、築120年の町屋に店を構える、遊 中川本店。奈良の特産品である蚊帳生地を使用したふきんや、日本の伝統色が映える手紡ぎ手織り麻の小物が揃う。奈良晒とは、奈良周辺で生産されてきた麻織物。麻皮を紡いで糸にし、手織りした麻布を天日に晒し、純白にしたもの。日本の麻織物を代表する高級品。現在では、奈良の月ヶ瀬地区で、わずかに生産されているのみ。中川政七茶房のお重ランチ地元・奈良の食材を取り入れ、季節感のある、目にも舌にも嬉しいランチ。ランチをゆっくりと楽しんだ後、機場を体験する。※画像はイメージです。落ち着いた和の空間で、食事や甘味が楽しめる、中川政七茶房。元は布蔵であった場所を改装した「機場」。月ヶ瀬から、最近まで、実際に使われていた織機を運び入れてある。奈良晒の手紡ぎ手織り体験では、大麻を裂いて、撚りをかけて糸を作るといった工程から、織り、布に仕立てるまでを体験。細かな作業の積み重ねで作られ、ひとつひとつの工程が、いかに重要かを知る。アテンドが付き、奈良晒と中川政七商店の歴史について、楽しく、詳しく解説してくれる。その昔、実際に使われていた大福帳といった小物も置かれている。体験してこそわかる、麻織物のよさ。伝統工芸の素晴らしさを改めて知る、いい機会だ。なお、第63回正倉院展開催中(~2011年11月14日まで)の、2011年11月12日(土)には、中川政七茶房の正倉院展限定甘味と機場体験に、正倉院展入場券が付いた「奈良の伝統工芸体験&第63回正倉院展鑑賞(甘味コース)」企画も用意されている。お問い合わせ:中川政七茶房 tel.0742-24-2267奈良県奈良市元林院町31-1中川政七茶房のお重ランチ、アテンド付き機場体験(手織り麻商品の土産付き)1名¥3,000毎日13:00~(所要約1.5~2時間。13時~ランチ、14時~機場体験)※3日前までに要予約。「奈良の伝統工芸体験&第63回正倉院展鑑賞(甘味コース)」 専用応募フォーム
2011年11月07日