画家ゴッホの短くも激しい生涯を描いた劇作家・三好十郎の代表作で、日本演劇史に残る傑作戯曲として知られる『炎の人』。2009年に初演された栗山民也演出、市村正親主演のバージョンは絶賛を浴び、市村に読売演劇大賞最優秀男優賞などをもたらした。その再演が11月4日、東京・天王洲銀河劇場で幕を開けた。『炎の人』チケット情報物語はゴッホが画家になる以前、ベルギーで宣教師として貧しい人々に尽力していた時期より始まる。労働者たちの悲惨な現状に触れ、聖職者でありながら神を冒涜する言葉を吐いたゴッホはその道を閉ざされ、絵画に理想と真実を見出すようになる。ゴッホは実弟テオの支援を受けて憑かれたように絵を描き続けるが、未成熟で特異に映る彼の絵は当時の人々に受け入れられない。貧しい画家たちが集い創作に没頭するコロニーを夢見るようになったゴッホは、パリから自然豊かなアルルに移住。憧れと同時に嫉妬の対象である画家ゴーガンとの念願の共同生活がスタートする。だがゴッホの凄まじいまでの絵画への情熱は、その肉体と神経を確実に蝕み……。キャストは初演とほぼ変わらず(シィヌ、ラシェル役の富田靖子は初参加)ということもあってか、まるで危なげのない完成度の高い初日だった。初演をなぞるがゆえの安定、という意味ではない。“無垢の人”ゴッホを慈しむようなまなざしで見つめるこの戯曲は、むしろ安定とは対極の鮮烈なるパッションを放出し尽くして、観客の心を激しく揺さぶる。やはり、ゴッホ役の市村が圧倒的だ。風貌も、見慣れたゴッホの自画像によく似ているが、舞台上の市村はゴッホの魂と通じているかのよう。劇中で他者が言うように“優しすぎる”“素直すぎる”“無抵抗すぎる”など何事においても“~すぎる”ゴッホのありのままを、テクニックというよりは魂で体現する。本当に感動的な演技だ。舞台全体が巨大な額縁に収まっているようなセットだが(美術は堀尾幸男)、ゴッホの生き様イコール作品なのだろう。だからこそゴッホの作品は今も、見る者の心を鷲づかみにして離さない。ラスト、中嶋しゅうによって朗読される詩の言葉ひとつひとつにも耳を傾けてほしい。そこには作者・三好十郎のむき出しの思いや魂があふれんばかりに込められている。作者、主人公、俳優……あらゆる者の偽りなき魂のぶつかり合い。名作と呼ばれる理由がそこにある。取材・文武田吏都公演は11月13日(日)まで同劇場にて上演。チケットは発売中。
2011年11月07日阿部寛主演の映画『テルマエ・ロマエ』で、上戸彩のほかに、市村正親、北村一輝、宍戸開が共演することが発表され、現場から古代ローマ人姿に扮した阿部らの写真が届いた。その他の写真今年の3月にクランクインし、阿部らはイタリア最大の映画撮影所・チネチッタにある古代ローマの巨大オープンセットで現地のエキストラ1000人とともに撮影を敢行。日本屈指の“顔濃い俳優”阿部、市村、北村、宍戸が古代ローマ人姿を披露すると、現地のスタッフやエキストラからは「あの人本当に日本人なの!?」と声があがるほど馴染んでいたという。本作でローマ皇帝・ハドリアヌスを演じた市川は、「日本人がローマの皇帝をやるなんて、舞台の上ではあっても、映画でこういう役をやるなんて初めての経験でした」と話しており、北村も「ローマで古代ローマ人をやるとは」と、驚きと興奮を隠せなかったようだ。撮影は5月にクランクアップしており、現代の日本に生きる“平たい顔族”には上戸のほか笹野高史をはじめとする“純和風顔”のキャストが脇を固める。『テルマエ・ロマエ』2012年全国ロードショー
2011年10月19日市村正親主演の舞台『炎の人』が11月4日(金)から東京・天王洲 銀河劇場にて開幕する。『炎の人』のチケット情報稽古初日を迎えた10月14日、プロデューサーが取材に応じ、「いよいよ『炎の人』のお稽古が始まりました。稽古初日だというのに、既に市村正親さんにはゴッホが舞い降りています」と意気込みを語った。本作は、ときに狂気の画家として知られる天才画家、ヴィンセント・ヴァン・ゴッホの炎のような生涯を、劇作家・三好十郎が描いた戯曲。2009年に栗山民也演出、市村正親主演で初演。市村はこの作品で、読売演劇大賞最優秀賞男優賞、紀伊國屋演劇賞個人賞をW受賞している。再演となる本公演も初演に引き続き、主演・市村正親、演出・栗山民也が務める。また、ゴッホが強く憧れた画家・ゴーガンを益岡徹、ゴッホが愛したシィヌとラシェルというまったく雰囲気の異なる女性の2役を富田靖子、ゴッホの弟テオを今井明彦が演じる。なお、チケットぴあでは、10月18日(火)23:30までチケットを購入した人の中から抽選で稽古見学会に5名様をご招待するキャンペーンを実施中。プロデューサーからは、「演出家の栗山民也さん率いるベテラン俳優勢がどんな稽古に日夜励んでいるのか、特別に公開しちゃいます! 芝居が出来上がっていくその場に立ちあうことのできる、貴重な機会をお見逃しなく!!」とのメッセージ。ほかにもスープ付チケット、学生当日引換券も発売中。
2011年10月17日映画『十三人の刺客』の初日舞台挨拶が9月25日(土)、東京・有楽町のTOHOシネマズ日劇2で行われ、主演の役所広司をはじめ、共演の市村正親、山田孝之ら男性キャスト12人と三池崇史監督の計13人が顔を揃えた。江戸末期、暴君として悪名高い将軍の弟で明石藩主・松平斉韶(なりつぐ/稲垣吾郎)の暗殺の命を幕府より受けた刺客十三人の死闘を描く時代劇。1963年公開の同名時代劇(工藤栄一監督)の再構築版。十三人のリーダー、島田新左衛門を演じた役所さんは「血まみれ泥まみれになってがんばりました」と清々しい表情。島田の好敵手、明石藩御用人・鬼頭を演じた市村さんは「早く妻(篠原涼子)と一緒に劇場に観に来たい。きっと興奮して惚れ直してくれると思う」とプライベートネタを交えて軽妙にPR。会場の笑いを誘った。オリジナル版を上回る、クライマックスの約50分もの殺陣シーンが話題で、刺客の一人を演じた波岡一喜が「小っちゃい子にも勧めてください」。隣りの高岡蒼甫は「いやいや」と首を振ったが、波岡さんは「いや大丈夫だって」と妙な自信を見せた。同じ刺客の一人で出席者13人中、一番若手の窪田正孝が、緊張からか「この映画がいい踏み台に…?いや、いい経験になりました」と言い間違えて、役所さんのほか松方弘樹、伊原剛志、沢村一樹ら共演陣は爆笑。役所さんは「僕ら13人は窪田くんの踏み台になりました」とさらに観客を笑わせた。『十三人の刺客』は全国東宝系にて公開中。(photo/text:Yoko Saito)■関連作品:十三人の刺客 2010年9月25日より全国東宝系にて公開© 2010「十三人の刺客」製作委員会■関連記事:山田孝之女性の悩み相談に燃える!「メラメラでした」岡ちゃん“サムライシネマ”応援団長就任「まさかこんな風になっちゃうとは」金獅子賞はソフィア・コッポラ作品!“元カレ”タランティーノ感激?日本勢は無冠『十三人の刺客』にスタンディングオベーション7分!金獅子に三池監督手応えアリ?三池崇史監督、SMAP稲垣の“悪役”起用を説明
2010年09月25日元横綱の朝青龍が6月23日(水)、東京・新宿フェイスで行われた、映画『プレデターズ』の宣伝“横綱”就任イベントに出席。新聞記者への恨み節を噴出させた。最強の地球外生命体=プレデターと人類側の戦闘エリートたちとの戦いを描く本作にちなみ、オーダーメイドのプレデターコスチュームで登場した朝青龍は「あれ(アーノルド・シュワルツェネッガー現カリフォルニア州知事が主演した1987年公開の『プレデター』)、大好きだったから。今回迫力あるもの(コスチューム)作りたいと思っていろいろ注文したよ。記念に欲しいなぁ」とゴキゲン。俳優業進出についてMCから聞かれると「興味津々だね。いまの顔を映画で残して子供たちに見せたい」とやる気満々だった。さらに、人類を狩るプレデターそのままに、網を撃ち放ち標的を捕獲するネットランチャーを手にすると、「昔の新聞記者いないかな?」と獲物探し。万一の危険性を考慮し、主催者があらかじめ用意した男性へ発射させたが、気が収まらないのか取材者席をキョロキョロと見渡して「その辺にいる人でやりたいね」と自身が起こした数々の不祥事を書き立てた記者たちへの逆恨みを“噴射”。集まった約200人の取材陣を笑わせた。一方で、開催中のFIFAワールドカップの話題になり、MCから「横綱もサッカーをたしなまれますよね?」と聞かれると、2007年に疲労骨折したとして夏巡業を休場しながらモンゴルでのサッカーイベントに参加し処分された騒動を思い出し「まあ、いろいろありました。子供とサッカーを見ると、仕事を忘れちゃう」と頭を掻くひと幕も。24日(木)深夜に決勝トーナメント進出をかけたデンマーク戦を控える日本代表に「厳しいことを言われていますけど」と同情を寄せつつ「ぜひ勝ってください、応援しています。ハンデはありますけど、あるものを全て出し切ればいい。岡田監督にエールを送りたい」。と言いつつも「アルゼンチンが1番いいかな!」と全勝でグループリーグを突破した優勝候補に魅了されている様子だった。『プレデターズ』は7月10日(土)より全国にて公開。(photo/text:Yoko Saito)■関連作品:プレデターズ 2010年7月10日よりTOHOシネマズ 有楽座ほか全国にて公開© 2010 TWENTIETH CENTURY FOX■関連記事:『プレデターズ』特別映像先行配信!R・ロドリゲス監督自ら解説「最も危険な男」
2010年06月23日