手塚治虫の名作「鉄腕アトム」の中の人気エピソードを、人気漫画家の浦沢直樹がリメイクした「PLUTO(プルートウ)」(小学館刊)が実写版CG作品『PLUTO』として映画化されることが明らかになった。手塚作品の著作権管理とアニメーション制作を行う「手塚プロダクション」とまもなく日本でも公開となる『怪盗グルーの月泥棒3D』の製作者として知られるクリス・メンダドリが率いる「イルミネーション・エンターテインメント」の連携によって製作されるとのことだが、「実写版CG」ということ以外、どのような形で映画化されるのかについては現時点では明らかにされていない。「PLUTO」は手塚さんの名作「鉄腕アトム」の中でもひときわ高い人気を誇るエピソードである「地上最大のロボット」を「YAWARA!」、「20世紀少年」の浦沢直樹が新たな視点でリメイクした作品で、日本国内で850万部以上を売り上げている。手塚さんのオリジナルではもちろん、アトムを主人公に描かれたが、浦沢版ではロボット刑事のゲジヒトを中心にストーリーが展開し、ロボットと人間が共生するようになった世界が舞台となっている。世界最高水準を誇る7体のロボットを標的とした殺害事件が発生し、ゲジヒトは捜査に当たるが、その裏にはこの7体が参戦した中央アジア紛争を巡る怨念や、世界のリーダーシップをとる超大国「トラキア合衆国」の大統領にまつわる陰謀が…。物語の中には人間と共生するロボットの“人権”や、連載がスタートした2003年に勃発したイラク戦争を反映させたと思われる様々なテーマがちりばめられており、連載当時から大きな話題を呼んだ。浦沢さんは映画化決定に際し「私は子供の頃から『地上最大のロボットの巻』の大ファンでした。しかし、まさか自分がそれをリメイクして『PLUTO』を描くことになるとは思ってもみませんでしたし、それはとてつもない挑戦でした。今回、その『PLUTO』の実写映画化に挑む新たなチャレンジャーが現れました。大の手塚ファンの私は期待をこめて見守りたいと思います」とコメント。クリス・メンダドリは「浦沢直樹は『PLUTO』で独創的なアクションと冒険に満ちた創造の世界を確立しましたが、私が本作品の権利をぜひ獲得したいと思ったのは、そのキャラクターであり心温まるストーリー故でした。素晴らしい歴史のある手塚プロと、また最も才能ある現代の作者である浦沢氏と一緒に働くことができ嬉しく思います」と映画化の喜びを語る。浦沢さんの数々の人気作品の製作に携わってきた、「PLUTO」のストーリー共同制作者でもある長崎尚志は「20世紀、日本中の少年がむさぼり読んだ手塚治虫の『鉄腕アトム・地上最大のロボット』――いまでは伝説となったその作品を、私と浦沢直樹は21世紀に『PLUTO』として甦らせました。それは現代の日本漫画界にとっては、タブーを破ることであり、とてつもない冒険でした。その作品がハリウッドで映像化されるのは、我々にとっても、映画ファン、マンガファンにとっても実に喜ばしいことです。ですが同時に、メレダンドリ氏は、我々以上の冒険を引き受けたことになります。どうか日本中、いや、世界中のファンが納得し、興奮し、感動するような作品が生まれますよう、心から願っています」と期待を口にする。そして、手塚治虫の息子であり、今回の映画のエグゼクティブ・プロデューサーを務める手塚眞は「手塚治虫と浦沢直樹のコラボレーション。これは黒澤明と北野武が出会ったような、あるいはフォードの『駅馬車』をルーカスが『スター・ウォーズ』に作り変えたような、マンガの大ニュースでした。さらにそこにグローバルな映画のアーティストたちの手が加われば、その興奮は数倍にもなるでしょう。これがハリウッドと日本の良いパートナーシップのもとに作られる、エポックメイキングな傑作になることを期待しています」と映画化作品への期待を語ってくれた。先述のように映画作品の詳細はほとんど明らかになっていないが、神様・手塚治虫と現代の漫画界の天才・浦沢直樹による2次元のコラボレーションが、どのように実写化されるのか?漫画に沿って映画化が進められるなら、日本の国民的キャラクターともいえるアトム(を基にしたキャラクター)が実写で登場するということも考えられるが…。映画版『PLUTO』への期待が高まる。© Naoki Urasawa/Studio Nuts, Tezuka Productions, Takashi Nagasaki出版元:小学館■関連作品:PLUTO怪盗グルーの月泥棒 3D 2010年10月29日よりTOHOシネマズ有楽座ほか全国にて公開© 2009 Universal Studios. ALL RIGHTS RESERVED■関連記事:東京の南160キロ映画館のない式根島に初の3D『怪盗グルーの月泥棒』&鶴瓶上陸天才子役・芦田愛菜ちゃんが東国原知事を表敬訪問!知事のストレスを和らげる?鶴瓶小林桂樹さんに哀悼の言葉「ものすごい優しい人でした」少女時代が『怪盗グルー』で声優を担当!レッドカーペット登場にソウル大興奮鶴瓶、天才子役の堂々たる姿にびっくり『怪盗グルー』ワールド・プレミア動画が到着
2010年10月21日巨匠・手塚治虫が10年の歳月を費やして世に送り出した名作「ブッダ」が『手塚治虫のブッダ 赤い砂漠よ!美しく』として、全三部作のアニメーションで映画化されることが決定。吉永小百合、堺雅人、吉岡秀隆らが声優陣として参加することも発表された。原作は日本国内で約2,000万部が発行されており、英語、フランス語をはじめ各国語に翻訳され、海外でも出版されており、コミック界のアカデミー賞と称されるアイズナー賞最優秀国際作品部門において、2度にわたって受賞。仏教の祖・ブッダの生涯を、説話に基づいてではなく、独自のドラマを構築して大スケールで描き切っている。これまでにも映像化のオファーは何度かあったものの、原作の壮大さから実現に至らなかった。今回、東映アニメーションと手塚プロダクションがタッグを組む形で、初の映像化が実現することになった。第1部では、のちにブッダとなるシャカ国の王子、ゴータマ・シッダールタの誕生、そして、当時の厳しい階級社会の中で、身分の低い人間たちが、自らの運命を変えようともがくさまが描かれる。シッダールタは、最下層の身分の人々との交流の中で、人はなぜ生きるのか?なぜ苦しまなくてはならないのか?という問いに向き合い、その答えを見つけるために旅立ちを決意することになる。堺さんが演じるチャプラは、第1部の物語の鍵となる登場人物で、奴隷の身分を隠して軍人として出世の道を歩んでいく。そのチャプラの母の声と本作のナレーションを務めるのが吉永さん。吉永さんは物語を「のちにブッダとなるシッダールタ王子を光とすれば、その対極にある、影とも言える奴隷少年・チャプラの栄光と破滅の物語。奴隷の身分を隠し、軍人として国家の英雄にまで上り詰めた少年が、奴隷の母親を『母さん』と呼んでしまったがゆえに、母と子は、破滅への道へむかいます」と説明し「大好きな手塚作品に参加できましたこと、とても嬉しく思っております」とその喜びを語る。堺さんは「アクションが多く、低い身分からスーパーヒーローに上り詰めるというスケールの大きい役だったので、楽しんで演じました」とふり返る。録音は別々ながら、堺さんは吉永さんの声を聞きながら演じたそうで「心に染み入るようなお芝居で、ご一緒させてもらい光栄です」と語った。そして、シッダールタの声を演じるのは吉岡さん。「22〜24歳くらいのときに(手塚さんの)『ブッダ』、『火の鳥』、『アドルフに告ぐ』、『ブラック・ジャック』などをすがるように読んだ記憶があります。人間の根底を描くそれらの作品に救われました」と明かし、「2,500年前のブッダの教えが現代まで受け継がれていることは素晴らしいことです。昔、『ブッダ』を読んだ大人の方たちが子供連れで劇場に来てもらえれば嬉しいです」と語った。ほかに、シッダールタの父・スッドーダナ王の声を能楽観世流二十六世家元・観世清和が、マリッカ姫を黒谷友香、シッダールタが心を通わす盗賊の少女・ミゲーラを水樹奈々が演じることも発表された。『手塚治虫のブッダ 赤い砂漠よ!美しく』は2011年5月28日(土)より全国にて公開。© 2011「手塚治虫のブッダ」製作委員会■関連作品:手塚治虫のブッダ 赤い砂漠よ!美しく 2011年5月28日より全国にて公開© 2011「手塚治虫のブッダ」製作委員会
2010年07月07日『鉄腕アトム』や『ジャングル大帝』、『ブラック・ジャック』など数多くの名作を世に送り出し「漫画の神様」とも呼ばれた手塚治虫先生。そういえば私も『リボンの騎士』や『七色いんこ』を夢中で読んでいた記憶があります。手塚治虫先生の生誕80周年を迎えた今年、書籍やテレビなどで記念作品が続々と登場。我がコブス横丁でも手塚治虫生誕80周年を記念し、読者849人(男性275人・女性574人)による「ベスト・オブ・手塚マンガ」を決定したいと思います!(勝手ながら!)というわけで、ベスト5を発表!<5位>『リボンの騎士』■王位継承の男女問題をああいった作品で残すのはすごい(23歳/女性)■生き方が格好良いと思う(29歳/男性)■王女様が母国の為に男として戦う勇敢さに心うたれる(26歳/男性)少女の心と少年の心を持ち合わせたヒロイン・サファイアが「リボンの騎士」に扮して、悪と戦うストーリー。集まったコメントのなかには「主人公が可愛くて憧れた」(29歳/女性)や「主人公の着ているドレスがとてもかわいくて、ファッションでも楽しめる」(26歳/女性)など、少女マンガならではの意見も。<4位>『ジャングル大帝』……77票■ジャングルを人間社会にたとえて色々なことを示唆しているところ(26歳/女性)■小さいとき、レオになりたかった!思い出の作品(25歳/男性)■親の偉大さを感じた(27歳/男性)白いライオン・レオと、不思議な力を持つ石・ムーンライトストーンを巡るストーリー。4度に渡りアニメ化したこともあり、「昔テレビで放映されて、印象に残っているから」(24歳/女性)という理由で支持する人もみられました。なかには「西武ライオンズファンだから」(29歳/男性)という回答も。そうそう、西武ライオンズの白いライオンは、レオなんですよね!<3位>『火の鳥』……110票■過去・現在・未来の壮大なストーリーを読んだときの、あの感動が忘れられない(23歳/女性)■どれも大作だけど、手塚さんの訴えたいことが一番詰まっていると思う(26歳/女性)■諸行無常について触れている作品なので、非常に考えさせられる(24歳/男性)不死鳥「火の鳥」をモチーフとしたストーリーで、「ギリシャ編」や「黎明編」「未来編」「鳳凰編」ほか21編から構成される未完作品。ほかにも「歴史の勉強にもなる」(29歳/女性)や、「いろんな主人公がいて、ストーリーがおもしろい」(29歳/男性)などの声もチラホラ。<2位>『鉄腕アトム』……179票■世界中の人に愛されていると思うから(22歳/女性)■人型にこだわるのは日本人だけと聞くが、その理由はこの作品が影響している気がする(24歳/女性)■ストーリーがわからなくても、アトムを知らない人はいないから(26歳/男性)10万馬力の少年ロボット・アトムを中心にくり広げられるSFストーリー。「人権(ロボット権?)などシリアスなものが多く今読んでも考えさせられる」(23歳/男性)と、あの愛らしいキャラクターの背景から、手塚先生のメッセージ性を感じたという人もいる様子。そして、20代読者849人が選んだ「ベスト・オブ・手塚マンガ」の栄えある1位とは!?<1位>『ブラック・ジャック』……363票■50年も前の作品なのに、現在の日本を見据えていたかのようなストーリーになっている(27歳/男性)■メッセージ性や社会風刺に共感できるところがある(24歳/男性)■助けられなかったり、助けるまでの苦悩があったりするところがリアルでいい(27歳/女性)2位の『鉄腕アトム』と100票以上の差をつけ、『ブラック・ジャック』が堂々の1位を獲得!天才無免許医師、ブラック・ジャックが法外な治療費と引き替えに、難病やケガを治療していくストーリー。「冷徹なブラック・ジャックがみせる人間臭さが魅力的」(26歳/男性)「ブラック・ジャックの人間性に惹かれる」(28歳/女性)など、ブラック・ジャック個人の魅力を語る人もいました。その他の、ランクイン作品はこちら!■『どろろ』……20人■『MW(ムウ)』……9人■選べない……21人■その他58人……(『アトムキャット』、『アドルフに告ぐ』、『きりひと賛歌』、『ブッダ』、『W3(ワンダースリー)』、『海のトリトン』、『奇子(あやこ)』、『三つ目がとおる』、『ザ・クレーター』、『七色いんこ』)「その他」のなかには、「これ知っている!」というものから「…知らない!」というものまで実にさまざま。個人的には『三つ目がとおる』が3位内に入っていなかったことに、とても悔しい思いでいっぱいなのですが…。それにしても、このランキングをみていたら、むしょうに手塚作品を読みたくなってきました!(吉住夏樹/プレスラボ)【関連リンク】この作品はダメだった…。あなたが途中であきらめたマンガは?なんと、このなかに「ベスト・オブ・手塚マンガ」のあの作品が…モテたい男子必見!モテワザ満載の少女マンガ3冊!少女マンガ「リボンの騎士」からは、戦うヒロインの気持ちがわかるはず!
2009年11月08日