総務省による、発達障害者の支援に関する実態調査。その結果は?出典 : 年1月20日、総務省は、文部科学省と厚生労働省に対し、発達障害者支援に関する行政評価と監視の結果に基づく勧告を行いました。この調査は、保育所・学校現場を含む、都道府県・市町村における発達障害者支援の実態を初めて調査したものとなります。前回の記事では、早期発見に関する実態の調査報告と総務省の勧告内容についてお伝えしました。今回の記事では、発達障害がある子どもへの支援状況と情報の引継ぎに関する調査・勧告内容についてご紹介します。発達障害児に対する支援「個別の教育支援計画」「個別の指導計画」とは出典 : 発達障害を含む障害のある児童生徒の指導について、学校等では、児童生徒それぞれに「個別の教育支援計画」(以下「支援計画」)と「個別の指導計画」(以下「指導計画」)を「必要に応じ」作成し、指導と支援を行っていくこととされています。(4) 関係機関との連携を図った「個別の教育支援計画」の策定と活用特別支援学校においては、長期的な視点に立ち、乳幼児期から学校卒業後まで一貫した教育的支援を行うため、医療、福祉、労働等の様々な側面からの取組を含めた「個別の教育支援計画」を活用した効果的な支援を進めること。また、小・中学校等においても、必要に応じて、「個別の教育支援計画」を策定するなど、関係機関と連携を図った効果的な支援を進めること。(5) 「個別の指導計画」の作成特別支援学校においては、幼児児童生徒の障害の重度・重複化、多様化等に対応した教育を一層進めるため、「個別の指導計画」を活用した一層の指導の充実を進めること。また、小・中学校等においても、必要に応じて、「個別の指導計画」を作成するなど、一人一人に応じた教育を進めること。特別支援教育の推進について(通知)なお、2016年の改正発達障害者支援法においても、発達障害児が年齢及び能力に応じ、かつその特性を踏まえた十分な教育を受けられるようにするために必要な措置として、これらの支援計画及び指導計画の作成を推進することが具体的に明示されています。法律第六十四号(平二八・六・三) ◎発達障害者支援法の一部を改正する法律支援計画や指導計画、実際にどれくらい作成されているの?その効果は?出典 : しかし支援計画に関していうと、必ずしも発達障害のある児童全員に作成されていないのが現状のようです。この度の総務省の調査で調査対象となった111の保育園および幼小中高校において、発達障害児(発達障害が疑われる児童生徒を含む)は計2,431人でした。そのうち支援計画作成が「必要」と判断された児童生徒は829人であり、さらにそのうち支援計画を作成済みの児童生徒は690人でした。支援計画作成が「必要」と判断されたものの、未作成の生徒が139人いることが明らかになりました。未作成の理由としては、教員の業務が多忙で作成する時間の確保が困難であるため、保護者の同意が得られないため、などとされています。また、支援計画作成が「必要」と判断する範囲に関して、111の調査対象のうち19の保育園および幼小中高校では、医師の診断がある児童生徒のみなど、計画の作成対象をかなり限定した範囲にとどめている例がみられました。そしてこうした計画作成対象が限定されていたことの結果として、支援計画や指導計画が作成されていなかった生徒の中には、不登校等の二次障害が生じている例がみられたとのことです。問題行動の度合いが高くない生徒には支援計画及び指導計画を作成することとしていないため、発達障害の診断を受けているにもかかわらず、両計画とも作成されず、結果として、学習障害等で授業についていけずに、平成22年度から26年度までの間に、不登校4人、休学1人、退学1人が発生した。一方、調査した保育所及び学校において、支援計画又は指導計画を作成したことにより、特別支援学校など関係機関による助言や保護者との連携等が図られ状態が改善するなど効果的な支援が行われている例が30事例みられました。総務省は文部科学省と厚生労働省に対し、保育所及び学校において、一律の基準によって支援計画及び指導計画の作成対象を限定するのではなく、個々の児童生徒の特性や状態を踏まえ、支援が必要な児童生徒に対して着実に作成されるよう、作成対象とすべき児童生徒についての考え方を示すことを勧告しました。継続的な支援のために欠かせない、進学先等への情報の引き継ぎ。しかし現状は…出典 : 支援計画や指導計画の作成だけでなく、支援の前提となる子どもに関する情報の引き継ぎ共有も重要です。こうした情報共有の実態についても調査がなされました。具体的には、・乳幼児健診の結果として発達障害の疑いがあるとする情報を保育所へ渡す取り組み・保育所や幼稚園で作成された支援計画等に適宜資料の追加等を行った上で、障害のある児童生徒等に関する情報を一元化し、支援計画や相談支援ファイル等として小・中学校等に引き継ぐ取り組みなど、関係機関同士の情報の引き継ぎ・共有が十分ではないという勧告がなされています。しかし、情報共有が十分に進まない背景には、個人情報保護の観点からの障壁もあるようです。そのことが明らかになったのは、調査対象となった31市町村が実施した乳幼児健診結果の引き継ぎ状況の調査からです。平成26年度に実施した乳幼児健診の結果の、進学先(保育所、幼稚園等)への引き継ぎ状況をみると、30市町村で「引継ぎを行うこと」という方針を立てているものの、個人情報保護の観点から、保護者の同意が得られた場合であって、保育所等から情報提供の依頼があった児童のみ引き継ぐとしている自治体が14市町村にのぼりました。つまり、半数近くの市町村では、保育所等からの働きかけがなければ引継ぎが行われない状況であるということです。調査した市町村の中には、乳幼児健診の結果の進学先への引継ぎ時における保護者の同意取得については、次のような取組を行っている例がみられたとのことです。乳幼児健診の問診票の中に、健診結果等について、保育所等の関係機関と連絡を取り合う場合がある旨をあらかじめ記載し、これに同意するか同意しないかを選択させることとしている。児童が幼稚園に入園する前に、心配事のある保護者に「保護者との連携シート」の記載を依頼しており、同シートにより、幼稚園が保健師等の関係機関等から情報を入手する旨の同意を得ている。また、乳幼児健診の結果が引き継がれなかったことにより、対応が困難になった例もみられたとのことです。市外からの転入により入所した児童について、転出元の市町村での乳幼児健診結果(発達障害の疑いあり)を把握できなかったため、支援計画の作成、個別の配慮、小学校への引継ぎ等を行わなかったところ、小学校で集団行動になじめない状況となり、急遽支援が必要となった歳児健診及び3歳児健診で紹介された親子教室において、軽度な知的障害を伴う発達障害の疑いを指摘されたが、それらの結果が、入園先の幼稚園に伝わらず、児童の知的障害の把握が遅れた。その結果、児童は、特別支援学級へ入級したが、知的学級ではなく、自閉・情緒学級へ入級することとなり、児童に対する教育的配慮や課題設定を行うのに数箇月要した同様に、進学の際や転校の際における引き継ぎの不備も指摘されており、総務省は厚生労働省に対して、市町村に乳幼児健診の結果等の進学先への引継ぎの重要性を周知し、積極的な引継ぎを促進することを勧告しました。他にも総務省は、厚生労働省と文部科学省に対して、保育所・幼稚園から大学・就労先までの各段階において、発達障害児に対する必要な支援内容等が文書により適切に引き継がれるような呼びかけを行なっています。都道府県、市町村、都道府県教育委員会及び市町村教育委員会に対しては、・具体例を挙げて支援内容の引き継ぎを周知すること・支援計画及び指導計画については、引継ぎまでの適切な保存・管理を求めるとともに、具体的な引継方法を提示し、確実に引き継がれるよう徹底を図ることを勧告しました。「切れ目のない支援」を実現するための課題は出典 : 情報の引き継ぎは、切れ目のない支援を推進する上で不可欠だと言われています。そして文部科学省でも障害のある子どもに対して小学校から高校まで一貫した支援ができるよう、進学先の学校へも引き継げる「個別カルテ(仮称)」の作成を学校に義務付ける方針を固め、推進しています。また逆に保育所から専門機関に相談するようすすめられる場合もあるようです。現在、4歳の男の子を持っていますが、引越しして、2ヶ月前ほどから、転園した先の、保育園の先生から、落ち着きがなく、みんなと一緒のことができない、話す単語が少ない、との指摘を受けて、療育センターに問い合わせをするように、言われました。保育園で発達障害を疑われました。3歳1ヶ月の男児です。保育センターの心理相談の結果、問題はなさそうでした。しかしモヤモヤと心配が晴れず、何か息子のためにできることはないかなと焦っています。親や支援者が発達障害をどう理解するか、そして個人情報保護や当事者、家族の不安に配慮する仕組みの構築が、実際に切れ目のない支援を実現するためには必要なのではないでしょうか。
2017年01月30日総務省による初の発達障害者支援実態調査出典 : 年1月20日、総務省は、文部科学省と厚生労働省に対し、発達障害者支援に関する行政評価と監視の結果に基づく勧告を行いました。この調査は、保育所・学校現場を含む、都道府県・市町村における発達障害者支援の実態を初めて調査したものとなります。約12年前となる2005年4月、「発達障害者支援法」が施行され、自閉症、アスペルガー症候群、注意欠陥多動性障害(ADHD)、学習障害(LD)などの「発達障害」のある児童生徒が乳幼児期から切れ目なく適切な支援が受けられるよう、国、都道府県及び市町村の責務や求められる取組が定められました。この発達障害者支援法が制定されるまで、発達障害は、身体、知的及び精神の各障害者制度の谷間に置かれ、必要な支援が届きにくい状態となっていました。しかし同法の施行により、発達障害の早期発見、発達支援(医療的、福祉的及び教育的援助)サービスの提供、学校教育における支援、就労の支援、発達障害者支援センターの設置などが進められてきました。法の施行後、発達障害に対する理解や支援の取組が進展したとの一定の評価がなされています。一方、今回の総務省勧告では、・発達障害の早期発見の不十分さや市町村による発見状況の差・障害児に対する「個別の指導計画」「個別の教育支援計画」の未作成・進学過程での支援の途切れ・専門的医療機関の不足などの課題が残っていることが指摘されました。発達ナビでは、この総務省による発達障害者支援に関する行政評価・監視の結果に基づく勧告について、「早期発見に関すること」「発見後の支援と引継ぎに関すること」「専門的医療機関の確保に関すること」の全3回に分けて詳しくお伝えします。発達障害早期発見の重要性と早期発見の場としての健診出典 : 現在、適応困難、不登校や引きこもり、反社会的行動等といった二次障害を未然に防止するという観点から、発達障害の早期発見と適切な支援の実施はとても重要だと考えられています。発達障害者に対する適切な支援がなされない場合、その特性により生じる問題に周囲が気づかずに、無理強い、叱責などを繰り返すことで失敗やつまずきの経験が積み重なり自尊感情の低下等を招き、更なる適応困難、不登校や引きこもり、反社会的行動等、二次的な問題としての問題行動(以下「二次障害」という。)が生じることがあるとされている。(生徒指導提要」(平成22年3月文部科学省)こうした二次障害を未然に防止する上で、発達障害者を早期に発見し、早期に適切な発達支援につなげていくことが特に重要であることから、国及び地方公共団体は、発達障害の早期発見のため必要な措置を講ずるものとされている。(発達障害者支援法第3条第1項)また、早期発見の機会としては、1歳6か月児健診、3歳児健診、5歳児健診などの乳幼児健診や、就学時健診が該当します。市町村は、母子保健法(昭和40年法律第141号)第12条及び第13条に規定する健康診査(以下「乳幼児健診」という。)を、市町村教育委員会は学校保健安全法(昭和33年法律第56号)第11条に規定する就学時の健康診断(以下「就学時健診」という。)を行うに当たり、発達障害の早期発見に十分留意しなければならないものとされている。(発達障害者支援法第5条第1項及び第2項)調査で分かった早期発見の取り組みにおける課題点出典 : 厚生労働省は乳幼児健診において、広汎性発達障害を早期に発見するためのツールとして、2歳前後の幼児に対して自閉症スペクトラムのスクリーニング目的で使われる、親記入式の質問紙であるM-CHATや、広汎性発達障害の支援ニーズを評価するための評定尺度であるPARSの活用・普及を図っています。そして就学時健診を行うにおいて、市町村教育委員会に対し発達障害の早期発見に十分留意するよう求めてはいますが、具体的な方法は特に示してはいません。今回の調査の結果、健診時に発達障害が疑われる児童を見逃しているおそれが指摘されています。というのも調査対象となった31市町村で、市町村ごとの発達障害が疑われる児童の発見割合をみると、1歳6か月児検診では0.2%から48.0%まで、3歳児検診では0.5%から36.7%までと、市町村ごとで発達障害が疑われる児童の発見割合にかなりのばらつきがある検診で発達障害が疑われる児童の発見割合が1.6%を下回る市町村については、発見に漏れがある可能性が高いのではと考えられます。また、厚生労働省が早期発見ツールとして普及を図っているM-CHAT及びPARSの活用がされている市町村は、31市町村のうち5市町村にとどまりました。総務省は厚生労働省に対し、乳幼児健診における発達障害が疑われる児童の発見のための市町村の取組実態を把握するとともに、発達障害が疑われる児童を早期発見する有効な措置を講ずることを勧告しています。文部科学省に対しては、就学時健診時における発達障害の発見の重要性を改めて周知徹底するとともに、就学時健診における具体的な取組方法を示すことを勧告しています。発達障害早期発見のための保育所・学校の取り組み出典 : 保育所や学校も発達障害の早期発見の場としてとらえられています。文部科学省は、都道府県教育委員会及び市町村教育委員会に対し、各学校において発達障害等の障害は、早期発見・早期支援が重要であることに留意し、実態把握や必要な支援を着実に行うことなどを求めています。今回の調査の結果、調査した23保育所では、保育士等による日々の行動観察を通じて発達障害が疑われる児童の発見に努めていました。このうち、4保育所では、行動観察に当たって、着眼点や項目を共通化し、できるだけ客観的に判断できるよう、所内共通のチェックリストを用いてました。また、調査した23幼稚園、23小学校、23中学校及び24高等学校の計93校のうち、91校においては、教諭・教員による日々の行動観察を通じて発達障害が疑われる児童生徒の発見に努めていました。このうち、35校(4幼稚園、14小学校、11中学校、6高等学校)では、行動観察に当たって、校内共通のチェックリストを用いていました。チェックリストの活用をしている学校では、「教諭・教員が行う行動観察の習熟度が向上する」「発達障害児の特性が把握でき、その後の支援方法の検討に参考となる」「客観的な尺度であるため、保護者の理解が得られやすい」などの意見がみられたとのことです。教育委員会の学校に対する支援状況出典 : また、教育委員会の学校に対する支援の実施状況の調査も行われました。調査した50教育委員会(19都道府県教育委員会、31市町村教育委員会)のうち、36教育委員会(19都道府県教育委員会、17市町村教育委員会)において、文部科学省の「小・中学校におけるLD(学習障害)、ADHD(注意欠陥/多動性障害)、高機能自閉症の児童生徒への教育支援体制の整備のためのガイドライン(試案)」や「通常の学級に在籍する発達障害の可能性のある特別な教育的支援を必要とする児童生徒に関する調査」(平成24年12月)における質問項目を活用するなどし、学校に対し、チェックリストを示していました。しかしながら、上記ガイドライン(試案)は、小学校及び中学校を対象としたものであり、また、上記調査の質問項目は、学習面に関しては小学校3、4年生までに表面化する困難や障害を意識して作成されたものとされ、元々の調査対象も小学校及び中学校となっていることから、幼児や高校生に関しては、そのまま用いることは必ずしも効果的とは言えません。総務省は、厚生労働省と文部科学省に対し、発達段階における日々の行動観察に当たっての着眼点や項目を共通化した標準的なチェックリストを、活用方法と併せて示すことを勧告しています。発達障害の早期発見はなぜ重要なのか、そしてその難しさ出典 : このように現在、発達障害の早期発見と適切な支援の実施は、適応困難、不登校や引きこもり、反社会的行動等といった二次障害を未然に防止するという観点から重要とされ、国として取り組みが行われています。しかし市町村によって取り組み具合にばらつきがあることも今回の調査で明らかになりました。発達ナビとしては今後の国の取り組みを注視しつつ、情報発信を続けていく予定です。
2017年01月26日質問:男女・年齢などでがんになる確率は違うものなのでしょうか?祖父をがんで亡くしており、義父にもがんが見つかりました。医療の進歩により、かつては致命的だった他の病気などで命を落とすことが少なくなった分、がんになる確率はとても高いと思いますが、男女・年齢などで確率は違うものなのでしょうか?がんの治療は昔と比べてだいぶ進歩していると聞きますが、治療で助かる人と助からない人の違いはありますでしょうか?また、治療にお金をかければかけるほど治りやすくなるものでしょうか?東京都:たもさん(32)回答:「がん」についてお答えします。――性別や年齢で「がん」になる確率は変わるのか?ご家族にがんにかかられた方が複数いらっしゃるということで、ご心配でしょうね。やはり、身近でがんの宣告・闘病を目の当たりにすると、いろいろな不安や疑問も湧いてくるかと思います。ご相談のなかに複数のご質問があるようなので、ひとつずつお答えしたいと思います。まず、性別や年齢などでがんになる確率は異なるのかというご質問についてですが、これは大きく異なるというご返答になるかと思います。最近発表された日本の統計によると、がん全体で見ると男女とも50歳前後からがんにかかられる方が増加し、高齢になるほど確率が上がります。また、30代の後半から40代では女性の方がややがんの罹患率が高いのに対し、60代以降になると女性よりも男性の罹患率の方が明らかに高い、という特徴もあるようです。また、がんの種類についても、食道がん、胃がん、肺がんなどは男性に多い傾向があり、女性はがんのなかでも肺がんや大腸がんなどに加え、乳がん、子宮がん、卵巣がんなどに罹患される方が多くおられます。従って、年齢によってがんの罹患率は大きく異なりますし、男女でもがんの確率や部位などはやや差がある、ということはいえるかと思います。<「がん」は早期発見・早期治療が大事>次に、治療で助かる人と助からない人の差についてのご質問ですね。これは、非常に難しいご質問ですが、主に治癒率、生存率の差は、がんの種類とステージ、つまり進行度によって変わってきます。確かにおっしゃるように、医学は日々進歩しており、例えば胃がんの場合では胃の粘膜下層と呼ばれる比較的浅い層までにとどまっているがんであれば、9割以上という高い確率で治癒が望めます。しかし、全身に転移が広がっている症例では1割前後とかなり厳しい生存率になります。従って、がんの早期発見、早期治療が、治療で助かるための一番のポイントということになります。また、お金をかけるほど治りやすくなるのか、ということに関しては、日本では多くのがん治療が保険診療で行われており、お金を多くかければ治療に変化がある、という状況ではありません。ただ、一部保険適用になっていない治療法を自費診療で行っている医療施設もありますし、患者さんによっては日本で行っていない新しい治療法を試みるために海外に渡航される方などもいますので、お金をかけることで、選択肢としては広がるかもしれません。ご参考になれば幸いです。Doctors Me(ドクターズミー)が保証している医師が回答しています
2016年12月18日photo by 編集部奨学金を貰いながら高校・大学を卒業した苦労人である北弁護士。ちょうど転換期を迎えつつあるという弁護士業界が、相談者のためにどのようなサービス提供を目指していくべきかについて、北弁護士独自の見解を伺いました。北 周士(きた かねひと)弁護士東京都千代田区、最高裁に隣接する平河町にオフィスを構える。離婚・相続といった問題はもちろんのこと、ベンチャー企業の若手経営者の支援や士業の開設・運営支援などに注力していることで注目されている。北周士弁護士は、奨学金を貰いながら高校・大学を卒業した苦労人なだけに、困難な状況にいる人を支援したいという熱意に溢れている弁護士である。 ■弁護士業界には人材難の波が押し寄せている!?___事務所として注力している取り組みについて教えてください。1番目はベンチャーないし中小企業の支援で、2番目は離婚問題や相続問題といった感じですね。パートナーの長谷見峻一弁護士は、相続や信託に注力しています。私個人としては、士業の開業と経営の支援に力を入れています。いままで士業のサポートは、弁護士がメインだったのですが、今後は会計士、税理士、社会保険労務士、司法書士、行政書士など他の士業の方々も、開業とか経営の支援をしていければなと思っていますね。士業は、他人を助ける仕事ですが、他人を助けるためには、自分が経済的・精神的に余裕がないといけないと思います。ですので、私が開業して経験した事柄を、うまく伝えていければ良いなと思っています。 ___今後、弁護士業界はどうなっていくでしょうか?今後、弁護士業界は、人材難が起こると予想しています。そう考える理由は、弁護士になりたがる人がすごく減ってしまったことと、一時的に増やした層が、弁護士登録から5年以上立ち、採用側に回り始めているので、需要と供給のバランスが崩れると考えられるからです。あとは、弁護士一人の事務所の比率は減っていくということも予想しています。現在、東京には、全弁護士の約3万7,000人のうち、約1万7,350人がいます。さらにその1万2,000人が、千代田区、新宿区と、港区、中央区にいるのです。統計局による売上統計を見ると、儲かっている事務所と、そうでない事務所の二極化が起きていますね。そうした中では、経営的な視点をもって、事務所を運営していく必要性が出てくるのではないかと思います。一人事務所は経費的な負担が相対的に重いことや対応できる業種が限られることから、相対的な比率としては減少していくのではないかと思います。 ■法律トラブルも医療と同じく早期発見、早期治療が大切___今、弁護士に相談しようか迷っている方にメッセージをお願いします。弁護士に相談にいくというのは最後、というイメージはいまだに存在します。法律トラブルは、医療と同じで早期発見、早期治療が本当に大切です。早い段階であれば、打てる手はいっぱいあるのですけれども、時間がたってしまうと手の打ちようがなくなります。法律問題は、自分でなんとかしようとして失敗し、問題が重篤化してから助けを求めてくるケースが少なくないのです。最初に問題が起こった時点で、相談に来てくれれば、本人も弁護士も負担が軽く、費用も安く押さえられる可能性が極めて高くなります。例えば会社をたたむのにも、費用がかかります。弁護士の法律相談は、なんとなく料金が高いというイメージで敬遠しているのであれば、今は初回無料相談の事務所も多いので、気軽に助けを求めに来てほしいですね。どの弁護士が良いかといったことを考えなくても、大都市圏の法律事務所の場合、自分の専門外だと思ったら、その分野のエキスパートを紹介してくれることが多いです。弁護士が担当する事案でなくても、怒る人はいませんので、どの士業に相談すればいいかわからないときも同様です。「Yahoo!知恵袋」などの掲示板で、法律相談をする人がいますが、ベストアンサーは、質問者に気持ちの良い回答をした人ですという意味でしかなく、それ以上の正確性は担保されていません。ですので、ネットだけに頼らずに、私でなくても良いので早めに弁護士に、相談することをおすすめします。 *北弁護士のインタビュー記事母子家庭で育った弁護士が語る「離婚問題で相談者のストレスを軽減させる」ことの重要性ベンチャー支援を続ける弁護士が「労務・法務のリスクマネジメント」を重視する理由とは *取材協力弁護士:北 周士(きた かねひと)弁護士(1981年生まれ、静岡県出身。本籍地は佐渡。長野県立上田高等学校卒業。中央大学法学部法律学科卒業。大学在学中の2005年に、司法試験に合格。青山総合法律事務所、安藤武久法律事務所を経て、きた法律事務所を開設。事務所名を北・長谷見法律事務所に変更し現在に至る。企業・個人を問わず困難な状況にいるクライアントの利益を最大化することを目標にしたサポートを行なっている。ベンチャー企業支援や、士業の開設支援などを得意分野にするほか、母子家庭で育った自身の経験をもとに、離婚問題や相続問題などに関する親切なアドバイスが評判の弁護士である。著書に『弁護士-独立のすすめ』(第一法規株式会社)、共著本に『弁護士 独立・経営の不安解消Q&A』(第一法規株式会社)などがある。)*取材・文:塚本建未(トレーニング・フットネス関連の専門誌や、様々なジャンルのWebメディアを中心に活動するフリーランスライター。編集やイラストも手がける。塚本建未Website 「Jocks and Nerds」)【画像】*編集部
2016年12月04日●連載の目次は こちら から●「小学校受験って、どうなの?」特集も今回は最終回。早期英才教育は有効なの? という素朴な疑問を、幼児教育研究所柊会(ひいらぎかい)代表の浅木真里さんにぶつけてみた。■早期英才教育は有効なのか?「お友だちが文字を書けるようになった」「英語教室に通い始めた」そんな話を聞くと、「うちも何かしなきゃ!」と気持ちは急く。育脳やバイリンガル、早期英才教育といった言葉にも、無関心ではいられない。そこで、「早期英才教育は有効なの?」という素朴な疑問を、浅木さんにぶつけてみた。「私の回答としましては、『子どもへの接し方が好ましいものであれば有効。好ましくなければ、やらないほうが良い』ということです。お子さまが嫌々やるのであれば、早期教育は百害あって一利なしだと考えています」難関私立中学受験指導をしていた(1本目にリンク貼る)という経歴から、小学校受験が苦い経験となり、学業でつまづいてしまった生徒を数多く見てきたからこその思いなのだろう。■焦らないほうが、良い結果が出ている今回の取材を通じて、浅木さんがとても強調していたことは、「どうか、お母さま方、焦らないで欲しい」ということ。この記事を書いている私は息子の中学受験を体験したことがあるが、受験準備中は、「志望校に合格しないと、この子は(私は)、その先、どうなってしまうのだろう?」という気持ちになりがち。それが「合格しなければ!」となり、準備が思うように進まないと、「何かしなければ!」という、やみくもな焦燥感に繋がり、子どもをせっついてしまう。「すんなり合格を手にするお子さまなど、1人もいません。志望校に合格した先輩を見て、『志望校に合格して、うらやましい』と思われるかもしれませんが、そんな方でも必ず、苦しい時期を過ごされています。『焦らないで欲しい』と申し上げても、焦ってしまうお気持ちは、現場にいればよくわかります。けれども、私の経験から鑑みても、焦らないほうが、良い結果が出ていることが多いのです」(浅井さん)小学校受験は、対策期間は平均して1年~2年。親や指導者に怒られないために努力することで、何とか志望校には合格をする。けれども、そういった子どもたちのその後の学校生活は、苦しいものになりがちだそう。 ■大切なのは心の安定と自己肯定感「すべての学年のお子さまを見てきて、真に思うことは、大切なのは心の安定と自己肯定感です」(浅木さん)親の焦燥感から、嫌がっているにも関わらずに無理に課題をこなすことを強いられ、、何とか合格を手にしても、子どもの心には大きな傷が残る。不合格だったらなおさらだ。それが、子どもが自己肯定感を持てない原因になってしまうこともよくあることだという。思春期に入っても自己肯定感が不足し、心が安定していない子どもは、成績が上がるまでに本当に時間がかかる。また学年が上がるほど、親も焦りを感じてしまい、子どもの心が満たされ自主的に努力するようになるまで待つことができないし、親子関係の立て直しも難しくなる。「そうならないために、幼少期に健全な親子関係を育んで欲しい、そのためにお子さまに接するお母さまのサポートにも力をいれております」(浅木さん)■子どもの人生を長い目で考えてみて欲しい「つい子どもを叱り過ぎてしまうママに伝えたいこと」(リンク貼る)でも記事にしたが、現代は子育ての負荷がママに集中してしまい、追いつめられた気分になりやすい。だからこそ、私たちは「そういう時代に子育てをしている」ということを、きちんと意識する必要がある。小学校受験をするとなると、ママ、あるいはパパたちは、「私が頑張らなければ!」とより一層、自分を追い込んでしまうこともあるだろう。私自身、「中学受験ママ」をやっているが、悲しいかな、すぐにテンパってしまう。最近、そんなときは浅木さんが取材で話してくれたことを思い出すようにしている。「小学校受験で花開く子もいれば、中学校受験や高校受験で花開く子もいます。子どものモチベーションを含めた適切なサポートができるよう、どうか子どもの人生を長い目で考えてみてあげてください。そして、焦ってしまうということは、それだけ真剣にお子様のことを考えていること。立派に母親業をこなしている自分をまずは認めてあげてください」受験は、親子にとってひとつの試練。でも、それを乗り越えた先には大輪の花が咲くと信じて、ゆったりと構えていられる親でありたいものだ。今回取材を受けてくださった浅木真里さんの著書『 名門小学校受験 合格する「家族力」 (浅木真理・著/エール出版社)』●浅木真里1981年、東京都生まれ。関西学院大学総合政策学部卒業。灘、ラ・サールなどの難関中学、医学部受験指導を行う学習塾の設立に携わる。名古屋在住時より、慶応幼稚舎、早実、雙葉、暁星小学校などの難関校への圧倒的な指導力の高さから指導依頼が絶えず、東京で小学受験指導を行う。その後、幼少期の母子関係の重要性を痛感し、幼児教育研究所柊会を文京区に設立。
2016年07月27日有名人が乳がんになったことを告白するたび、乳がん検診の大切さが取り沙汰されます。何度も聞いてわかってはいるけど、子どもの定期検診のほうが優先で、自分の健康管理のことは後回しにしがち。なかなか検診に行けない…とお悩みのママさん。乳がん検診は、自宅でもできるんです。■乳がんは自分で発見できる乳がんは、「自分で発見できる唯一のがん」と言われています。早期発見できれば、治癒率は約90%。早期発見するためには専門機関へ定期検診に行くことがベターですが、自己検診でも見つけることが可能です。■知っておきたい、乳がんの自己検診方法・目で確かめる1.両腕を上げて、左右の乳房、乳輪、乳頭の形、大きさなどの変化を確かめます。2.腕を腰にあてて、腕を前後に動かし、胸を変形させて乳房の変化を確認します。 ・手で確かめる3本指の腹で「の」字を描くようにして、腕を伸ばした脇の下から胸全体の乳腺を確かめるようにチェックしてください。前回触った感覚と比較し、硬いところがないかどうかをチェックします。 このとき、素手よりも触感の感度が高められるグローブ、「ブレストケアグラブ」を使えば、より異常を感知しやすくなります。使い捨て式で、焼却時にはダイオキシンが発生しないように作られています。自己検診は、気がついたときにいつでもおこなえますが、生理後1週間あたりがタイミングとしてベター。もちろん、時間を見つけて専門家がいる施設で定期的に検診を受けることも大切です。(情報提供: 株式会社ICST )これなら、いますぐにでも乳がん検診ができます。昔から、子を持つ母に向けて言われる、「あなたひとりの体じゃないんだから」という言葉があります。ひとりの女性としてはもちろん、元気なママ、笑顔の妻でいるためにも、こまめにチェックしておきたいところです。・ ブレストケアグラブ (株式会社ICST)
2016年06月17日こんにちは。メンタルケア関係を中心に執筆しているメンタルケア心理士の桜井涼です。夏休み前の時期は、学校生活にも慣れが出てきます。そうなると、人間関係にも不具合が出てきやすくなります。「自分とちょっと違う」という感じ方によって生じてしまう、いじめや仲間はずれがその例です。する側やされる側は必ず何らかのサイン を出します。それをいち早く見つけることで、子どもを守り、また正すことができるようになります。●どちらの側もストレスがあるいじめや仲間はずれは、ほんの些細なことから始まることが多いです。寂しさ・親とのすれ違い・過干渉などのさまざまなストレスが発端となり、子ども同士の人間関係の中で火種が出て、そこから起こります。子どもの状況を見て、気がついてあげられるのは親や教師です。特に家庭で見せる表情や体の状態には、子どもの心が表れやすいのです。子どもは親に心配をかけまいとして、一生懸命に隠そうとします。しかし、本当は気がついてほしいという気持ちも持ち合わせています。それを見つけてあげて欲しいと思います。いじめる側は、自己肯定感の低下や両親の不仲からくる寂しさ、妬みなどさまざまなものからストレスを感じ、いじめを行っています。いじめられる側は、いじめを受けたことでストレスを感じ、さまざまな症状が心身に表れます。どちらの側にも手を差し伸べてあげなくてはいけません。責め立てないこと が再発を防ぐことにつながります。●いじめられている子のサインいじめを受けている子は、年齢が高くなればなるほど一生懸命隠そうとします。でも、完全に隠せるものではありません。できるだけ毎日顔を見て話すようにすることが、サインを早期発見するポイントになります。・すり傷やあざがしょっちゅう見られる・衣服のやぶれや不自然な汚れがある・持ち物の紛失や破損・朝に体調不良を訴える(頭痛・発熱・腹痛・ふるえなど)・「ただいま」を言わないで隠れるように部屋に行くことが多くなる・食欲低下や意欲低下(ぼーっとするなど)・金品の持ち出し・無表情(作り笑いをしてごまかすことも)・急に甘えるこういった今までとは違った特徴を見せたり、「急にどうした?」と感じる行動を見せるときは何かあったのではないかと疑ってもよいと思います。●いじめている子のサインいじめている子の場合、サインなんかないと考える方もいるかもしれません。しかし、いじめる子にも抱えているストレスがありますので、サインを出しているのです。・金遣いが荒くなる・買い与えたものでない物が増える・学校などの話をしなくなる・友達の悪口を言うようになる・目つきが鋭くなる・急にスッキリしたような感じで帰ってくる・急に聞き分けが良くなるなどのサインが出てきます。極端なものもありますが、これはいじめ方の度合いなど、個人差があるせいで変わってきます。●おわりにいじめが始まると、どちらの側にも必ず“急な変化” があります。それを見逃さないことが早期解決につながります。手帳などに変化をメモしておくと一目でわかりますし、なにより証拠となります。いじめは命を奪ってしまう可能性の高い行動です。親ができるだけ早くに気がついて対処(手助け)してあげなくてはいけない問題です。当事者は、どちらの側も心の苦しみを抱えています。それをわかってあげられるのは親だけです。人権を侵害しない・させないように本気で関わりましょう。まずは、子どもにサインが出ていないか、チェックすることから始めましょう。【参考文献】・『ストレスから子どもを守る本』富田富士也・著●ライター/桜井涼(メンタルケア心理士)
2016年06月16日小倉智昭キャスター(68)が13日、フジテレビ系情報番組『とくダネ!』(毎週月~金8:00~9:50)で、膀胱がんの手術のため、入院することを報告した。冒頭、「こんなに元気で休養なんかできないでしょう。あとで詳しく話しますから」と話し、番組をスタートさせた小倉キャスター。最後に、「昨年末から微量の血尿を見つけ、全部チェックをしたら膀胱にがんがあるのがわかりました」と膀胱がんであることが判明したと告白した。そして、「早期の発見だったので、火曜日に手術をしても土曜日には出られる」と言い、「1週間だけお休みをしてちゃんと戻って参ります」と説明。「1週間だけお休みさせていただきます。ごめんなさい」と明るい表情で呼びかけた。また、「夏休みとか言えばよかったのかな」と公表するか考えたと言うが、「今まで糖尿病とか帯状疱疹とかぎっくり腰とか、全部番組で言っていたので、ちゃんとしたことをお知らせしておこうと思った」と語った。
2016年05月13日【ママからのご相談】3歳の息子が他の子に比べて落ち着きがなく、ママ友に「発達障害も考えてみたら?」と言われました。発達障害と簡単に言っても一体具体的にはどのようなものがあるのでしょうか?●A. 小児科医師に聞いた3つの代表的な発達障害をご紹介します。こんにちは。ご相談ありがとうございます。ママライターのmomoです。たしかに発達障害といえども、実際どんなもの?というところがありますよね。今回は小児科医師に発達障害の具体的な特徴について聞いてみましたので、ご紹介します。●発達障害の主な種類3つ●(1)広汎性発達障害一般的に『自閉症』や『アスペルガー症候群』といわれるものが広汎性発達障害です。小児科の医師によると、具体的な特徴としては、・人と上手につきあうことができない・コミュニケーションをとりにくい・強いこだわりを持っている・歩き方や走り方などの動作がぎこちないなどが挙げられるそうです。これらの特徴が3歳くらいまでに現れる ことが多いとのこと。3歳くらいだと判断が難しいところですが、不安に思うことがあったら医師や専門家に相談してみましょう。●(2)注意欠陥多動性障害(AD/HD)自分の欲求など、コントロールをすることが難しくそれが行動に現れることで問題視される障害です。医師によると具体的な特徴は、・ひとつのことに集中することができない・落ち着きがなく、じっとしていることができない(多動性)・突発的な行動をとることが多い(衝動性)などが挙げられるそうです。周りの子に比べて落ち着きがなかったり、幼稚園などでいつもクラスから飛び出してしまったりなど、思い当たることがある場合は相談してみましょう。●(3)学習障害(LD)知的な遅れはない ので一見気づかれにくいのですが、幼稚園や小学校に入ると発覚しやすいのが学習障害です。医師によると具体的には、・聞くことが苦手・話すことが苦手・読むことが苦手・書くことが苦手・計算することが苦手などが挙げられるそうです。学習や日々の生活に困難を感じることが多く、周囲の人が早めに気づいて支援してあげることが大切です。----------発達障害は誰かの努力が足りず起きるものではなく、誰のせいでもありません。周囲の人が障害を理解して支えてあげることが大切です。少しでも自分の子に不安に思うことがあれば、医師や専門の人に相談してみましょう。●ライター/momo(ママライター、元モデル)
2016年05月07日最近、よく眠れないと感じても、それだけでは睡眠外来へ行こうとは思わないですよね。しかし、すべての病気に共通して言えるのは早期発見が大事ということ。そこで、年に2回ある「睡眠の日」を睡眠外来へ行く機会にしてみませんか?「睡眠の日」を睡眠外来に行く機会に2011年に日本睡眠学会が年に2回、睡眠の日を定めました。春が3月18日、秋が9月3日です。睡眠の日を含む1週間は睡眠健康週間として、全国各地で睡眠に関する講座が開催されたり、相談窓口ができたりと、さまざまな睡眠関連の活動が行われます。日本は不眠大国とも呼ばれるほど、睡眠に関する悩みが多い国で、睡眠に満足していない人は5人に1人とも、3人に1人とも言われています。不眠の原因となる睡眠障害には睡眠時無呼吸症候群やむずむず脚症候群など、さまざまなものがありますが、どれも共通して言えるのは、「早めに専門の医師に相談するが吉」ということ。次は秋になりますが、年に2回ある睡眠週間を、睡眠外来に行く機会に定めてみてはいかがでしょうか?睡眠の日に行われた睡眠調査今年の3月18日、「春の睡眠の日」に、睡眠に関する調査が行われました。その調査結果を一部ご紹介します。・うつぶせ寝は途中で目覚めやすいみなさんは寝るときにどのような姿勢で寝ていますか? 仰向け、うつぶせ、横向きといろいろな姿勢がありますが、「うつぶせで寝る」という人は少ないかもしれません。今回の調査では、うつぶせで寝ると途中で目が覚める中途覚醒の回数が増えることがわかったそうです。ただ、なかには、うつぶせで寝ると楽という人もいます。たとえば、睡眠時無呼吸症候群と呼ばれる、睡眠中に呼吸が止まってしまう障害を患っている人たちです。うつぶせで寝ると、あまりいびきをかかなくなるので、睡眠時無呼吸症候群の人は好んでうつぶせの姿勢をとるのだとか。まわりにこのような人がいたら、睡眠中の症状をチェックしてあげてくださいね。・経営者や役員は睡眠外来へ行くべき?職業別に睡眠の症状を調べたところ、最も中途覚醒が多かったのは、会社の経営者または役員に属する人たちだったそうです。実際のところ、中途覚醒はストレスと深い関係のあるホルモン、コレチゾールの分泌によって起こるといわれています。会社を背負って立つ彼らは、一般的にストレスにさらされている傾向が高くなるので、納得の結果ではありますね。ちなみに、中途覚醒は経営者や役員に限らず、真面目な人、仕事がデキる人に多く見られるそうです。彼らも仕事でストレスに晒される機会が多いのでこのような結果になったのでしょう。とはいえほどよい塩梅で仕事をするというのはなかなか難しいもの。ストレスを減らすことができるのがベストかもしれませんが、難しければ、定期的に運動をするなど、溜まってしまったストレスを解消する工夫を取り入れるのがいいかもしれません。不眠症を解消するには?不眠症のひとつでもある中途覚醒の怖いところは、病気の発症リスクにつながる可能性が指摘されている点です。たとえば、脳卒中が挙げられます。これは脳の血管に何らかの障害が発生する病気のこと。中途覚醒が頻繁に起こると、脳の血管が詰まりやすくなると言われています。これは、睡眠が途中で途切れてしまうと、脳に血液がまわりにくくなるからという説があるそうです。中途覚醒が睡眠時無呼吸症候群のような睡眠障害ではなく、ストレスから起きている場合は、ストレスを取り除くことを心掛けましょう。方法はさまざまですが、適度に運動をする、リラックス効果のあるアロマを焚く、趣味に没頭する時間をつくるなど、工夫次第で、ストレスを上手に発散することができます。photo by acworks
2016年04月08日ユニアデックスは3月22日、企業におけるIoT利活用の早期実現を支援するため「ユニアデックスIoTエコシステムラボ」を4月11日に開設すると発表した。同社は、2015年7月からデバイスなどのセンサ技術とICTインテグレーション技術を組み合わせたIoT分野の実証実験を実施。また、これまで培ったデバイス開発を含めたICT基盤技術を駆使し、デバイス、ネットワークの提供からデータ収集・配信、データ加工・解析までのワンストップサービスを実現する「IoTビジネスプラットフォームサービス」の開発も日本ユニシスと共同で進めている。今回、開設するラボではIoTを利活用した新たな価値創造の実現を目的に、顧客の課題を解決するシナリオの具体化に向けた「利活用検討の場」、オープンイノベーションをもたらす共創パートナーとのIoTを利用した「ビジネス共創する場」として、さまざまな活動を進めていく。利活用検討の場では「体感」「仮説導出」「技術検証」を目的にIoT利活用の具体化を目指すほか、ビジネス共創する場ではさまざまな強みや知見を持った共創パートナーとバリューチェーンから課題と価値創出の利用シーンを洗い出し、段階的な試行により利用シーンを具現化することでビジネスの早期実現を目指す。プレオープンは4月11日~6月上旬に同社の東京ベイ開発センターとなり、本オープンの開設時期は6月上旬、東京都江東区豊洲、東雲への移転を予定。なお、ユニアデックスはラボの活用にあたり、有償にてワークショップによる利活用シナリオ導出やコンセプト立案、それを検証する技術的支援、IoTスタートキットの提供を予定している。
2016年03月23日こんにちは。医療カウンセラーのyoshiです。がんというのは、医学が大きく発展してきている現代でも、大きな病気、難病になってしまうことが多くあります。早期発見が重要とされており、それによる治療をすることができれば、 がんであっても十分に充実した生活を送っていける可能性はあるとされています。がんというのは、皮肉なことに自分自身の細胞 が大きな敵になってしまいます。なぜこのようなことが起こるのかというと、遺伝子の異常が影響しているのです。遺伝子は体をつくりあげていくための設計図であり、この設計図に間違いがあったとき、それを正していく力は人の体にはありません。がんというのは、遺伝子に異常が起きて設計図が大きく間違ってしまい、存在しなくていい細胞が次々にできあがってしまうのです。ただ、遺伝子の異常というのは、体の中で比較的多く起こっています。それががんにならないのは免疫細胞がしっかりと機能しているから です。設計図が間違ってしまっていても、その間違いを消してくれる免疫細胞がしっかりと機能する限り、がんの脅威はあまり感じないで済むことになります。間違いを消してくれるというのは、設計図の間違いを直してくれるわけではなく、設計図によってできてしまった余分なものをなくしていくという意味です。設計図である遺伝子自体の治療は現在研究されています。●予防や早期治療以外での治療に大きな期待がんになる人は、毎年60万人を超えています。しかし、その半数ほどは早期発見によって症状の改善を期待できるようになってきています。これは早期発見・治療について社会的な関心が高まったと共に、医療的な技術がそれに対応できるようになってきているからです。しかし、再発・転移・悪化してしまった場合、“治療”をすることは難しくなってしまう のが現状です。そのため、早期発見・予防を大切にしながらも、新しい治療・画期的な治療に対して大きな期待がされています。設計図となる遺伝子自体に対しての治療も期待されているもののひとつと言えます。【参考リンク】・細胞ががん化する仕組み | がん情報サービス()●ライター/yoshi
2016年03月18日NECは3月9日、台湾交通部中央気象局(CWB)と地震の早期検知に向けた共同実証を開始することで合意したと発表した。CWBは台湾における地震検知の技術を有するとともに、地震発生後の状況をいち早く知らせる地震速報システムの運用実績を有している。一方、NECは、日本の気象庁と過去20年以上に及ぶ地震・津波関連システム開発の実績をもち、地盤データなどから、震源の位置、規模(マグニチュード)を瞬時に測定し、震度や到達時刻を推定する技術を有している。さらに、それらの情報をもとに、大きな地震や津波が到達することを、緊急地震速報や津波警報として知らせるシステムの開発実績もある。同実証事業では今後、台湾にある既設のセンサーを用いて、新たに開発する早期地震検出用ソフトウェアを搭載した早期地震検知システムおよびCWBでの解析結果の検証を行っていく。NECとCWBは、「本共同実証事業を通じて、台湾国土に適した、より優れた地震検出技術を確立し、将来の地震・防災に役立つシステムの開発を推進していきます。」とコメントしている。
2016年03月09日アズジェントは3月1日、相関分析を行い、ビジネスリスクの高いマルウェアに感染した端末を早期に発見するためのサービス「セキュリティ・プラス セキュア・ドック MSS版」の提供を開始した。同サービスでは、顧客のネットワークにDAMBALLA Failsafeのセンサーを設置して、アズジェントのセキュリティ監視センター(SOC)で24時間365日リモート運用してマルウェア感染の監視と相関分析を行い、ビジネスリスクの高いマルウェア感染端末を特定する。マルウェア感染が検知された場合は第一報を担当者に通知し、続いて、相関分析を行い、ビジネスリスクの高い端末を特定した上で、再度通知を行う。DAMBALLAの検知アルゴリズムは全世界のインターネットトラフィック中の約3割に当たるデータを定常的に分析することにより、常にアップデートされ続けているため、過検知や誤検知が少ないという。同サービスは、複数の検知エンジンを使って、感染端末を検知するため、誤報が少なくかつ精度の高いアラートを受け取ることが可能なほか、センサーをミラーポートに接続するだけで監視が行えるため、顧客はネットワーク環境の変更を行うことなく、同サービスを導入できる。価格はオープンで、参考価格は50ノードで17万5000円(税別)となっている。
2016年03月02日メンター・グラフィックス・コーポレーション(メンター)は2月18日、ARMと複数年サブスクリプション契約を締結し、ARMの知的財産(IP)と関連技術への早期アクセスの供与を受けることを発表た。同契約によりメンターは、ARMベースSoCの設計ツールおよびメソドロジをIPの製品リリースに先行して最適化できるようになる。その結果、メンターの顧客は、検証、実装、テスト環境が完全に最適化された状態で、最新のARM IPをデザインに取り込み、設計しているASICおよびFPGAに最高水準の性能と機能を実装できるようになるとしている。契約対象にはARMv8-AおよびARMv7-Aアーキテクチャ向けARM Cortex プロセッサ、ARM Maliグラフィックプロセッサ、ARM CoreLinkシステムIP、実装を加速化するARM ArtisanフィジカルIPおよびARM POP IPが含まれている。メンターは今回の契約について「メンター・グラフィックスとARMは長年にわたって協業し、最先端の半導体企業がARMベースの製品を市場に導入する支援をしてきました。本契約によってさらなる高度な連携と最適化が図れるため、IoTやモバイルなど、低消費電力と高性能が求められる製品の次世代開発に臨む顧客企業は、成功への自信をより一層深めることができるでしょう。」とコメントしている。
2016年02月18日コープ共済連(日本コープ共済生活協同組合連合会)と全国の生協では、乳がんの早期発見・早期治療に結びつくよう、がんの定期検診とセルフチェックの大切さを伝える活動を年間を通して実施している。一部の生協(CO・OP)店舗においては、乳がんのしこり、皮膚のくぼみなどを実際に触って体験できる「乳がん触診モデル」設置。このモデルとともにDVD(乳がんのことや早期発見のためのセルフチェックの方法、検診、備えについて)を用いた学習会や講演会を行っている生協もあるという。みやぎ生協では年2回、ライフプランアドバイザーと一緒に乳がん触診モデルを使った体験学習会を実施。体験した組合員からは、「いろいろな種類の『しこり』があり、勉強になった」「自己流ではなかなかわからない。体験してよかった」など好評で、「これを機会に自己検診する」と検診に意欲的になった例も見られたという。コープ共済連では、職員向けに乳がんの知識を習得するための「乳がん触診モデル体験会」を実施している。参加した職員からは「皮膚が引っ張られて、えくぼができることを初めて知った」「乳がんに対する意識が変わった。今後もきちんと検査したい」などの感想が寄せられたとのこと。全国の生協(CO・OP)では、乳がんに関する「体験記」「ミニ知識」「チェック表」「保障に関する情報」をまとめた小冊子を配布。また、月に一度の自己検診を推奨していることから、自己検診方法を記載した「乳がんセルフチェックカード」も配っている。なおCO・OP共済では、「ピンクリボン運動」の特設サイトも開設し、乳がんに関する知識や専門家からのアドバイスなどの情報提供を行っている。全国の生協で入手できる「乳がんセルフチェックカード」も同サイトからダウンロードできる。
2015年12月09日トークノートは、社内SNS「Talknote」の新機能として、社内SNSに蓄積されたビッグデータを解析することで実現した「アクションリズム解析」を11月25日から提供開始することを発表した。同機能は、「行動変化の背景には気持ちの変化が起こっている」という前提に基づき、日々行われる社内SNSへのアクセス時間帯や投稿量などの傾向をアクションリズムとして観測し、メンタルヘルス不調や退職意向などにつながる可能性のある気持ちの変化を早期に発見するという。また、社内SNSでの行動データから社員ごとの標準的なアクションリズムを抽出し、大きなリズムの崩れが一定期間継続したタイミングを変化の兆しと捉え、管理職や人事担当者など指定した任意の特定メンバーへ通知される。これにより、早期にフォローやヒアリングを実施することで、顕在化前の退職意向やメンタルヘルス不調を未然に防ぐことが可能となるとしている。
2015年11月24日京都大学(京大)は11月19日、これまで台湾の一部地域でしか発見されていなかったラン科植物「Gastrodia uraiensis」を屋久島の低地照葉樹林にて発見し、和名を発見場所の「椨川(タブガワ)」にちなみ、「タブガワヤツシロラン」と名づけたと発表した。同成果は、屋久島在住の写真家である山下大明氏、京大 白眉センターの末次健司 特定助教、手塚賢至 屋久島学ソサエティ副会長らによるもの。詳細は、10月31日発行の日本植物分類学会英文誌「Acta Phytotaxonomica et Geobotanica」に掲載された。タブガワヤツシロランは、植物としての特徴である光合成を行わない代わりに、菌類に寄生してその栄養を搾取する菌従属栄養植物。こうした菌従属栄養植物は菌類が豊富な原生林でなければ生育することができないと考えられており、日本では約50種の存在が報告されているが、その正確な分布情報についてはあまり解明が進んでいないのが現状だという。研究グループでは、今回、タブガワヤツシロランを発見した場所は、屋久島の原生林として一般的に想像される標高500mを超す場所ではなく、低地の照葉樹林であり、その内一カ所に至っては、国立公園の特別地域でも、世界遺産の登録地域にも指定されていない、森林伐採が可能な区域であり、実際にスギ植林地の伐採が行われている場所もあるとし、そうした場所での乾燥による菌類相の変化など環境の悪化に対する懸念を示しているほか、今回のタブガワヤツシロランの発見は、豊かな森とそこに棲む菌類に支えられたものであり、屋久島の低地照葉樹林の重要性が示されたものであるとコメントしている。
2015年11月20日メットライフ生命はこのほど、同社Webサイト内の「MetLife Online」にて、「男女ともに注意が必要なのは胃ガン」と題したコンテンツを公開した。同コンテンツでは、胃ガンの罹患(りかん)率の高さや早期発見の大切さなどを説いている。まずは、がん研究振興財団「がんの統計’14」より「部位別予測がん罹患数(2014)」の結果を紹介。それによると、男性の部位別予測ガン罹患数は「1位: 胃ガン、2位: 肺ガン、3位: 前立腺ガン」、女性は「1位: 乳ガン、2位: 大腸ガン、3位: 胃ガン」となっている。このことから同社は、「いずれも性別に特有のガンが上位に来ているが、性別や年齢を問わず、罹患率が高いのは"胃ガン"といえそうだ」と警告している。早期発見の大切さに関しては、ガンと診断されてから5年後に生存している人の割合を「5年生存率」と呼び、ガンの進行を一般的にステージI~IVと表現していることを踏まえて、胃ガンの5年生存率をステージ別に見たデータを紹介している。それによると、早期の胃ガンであるステージIほど5年生存率が高いことが確認できる。同社は、「胃ガンを早期のうちに発見し治療を開始できれば、約97.8%の人は完治すると言い換えることもできる」とコメントしている。また、「もし治療していく中で手術が必要になった場合でも、早期発見だった場合とそうでなかった場合で、手術方法にも違いがでてくる」と解説。早期発見の場合は、体への負担が軽い内視鏡での手術で済む場合が多いが、早期発見ではなかった場合は、体に負担のかかる腹腔(ふくくう)鏡や開腹手術などが必要になってくるという。そこで、早期発見する方法のひとつとして、バリウムを飲んで写真を撮るエックス線検査や胃カメラ(内視鏡)を使用する「胃ガン検診」を紹介。バリウムを飲むことに抵抗がある人も多いようだが、近年の医療機関では、飲む量が少なくなり、ネバネバしたものからサラサラしたものへ変化した高濃度低粘性バリウムが採用されており、飲みやすく進化しているそうだ。これまで苦手意識を持っていた人も安心でき、胃粘膜表面の描出力が良くなるなど性能面でも格段に進歩してきていると評し、早期発見のために年に1回は検査を受けることをすすめている。
2015年11月16日国立がん研究センター(国立がん研)は11月9日、膵がん早期診断の血液バイオマーカーを発見したと発表した。同成果は、国立がん研 創薬臨床研究分野 本田一文 ユニット長の研究グループらによるもので、11月9日付の英オンライン科学誌「Scientific Reports」に掲載された。同研究グループはこれまでに、血液中に存在するタンパク質「apoA2 アイソフォーム」が膵がんや膵がんリスク疾患の患者で低下することを質量分析の結果から発見・報告していたが、今回、米国国立がん研究所(NCI)との共同研究においても、健常者に比べ早期膵がん患者でapoA2 アイソフォームが低下していることが確認された。また、既存の膵がんバイオマーカーである「CA19-9」と比べて高い精度でI期、II期膵がんを検出できることも確認。この結果からNCIは、apoA2 アイソフォームが膵がんにおける信頼性の高い血液バイオマーカーになりうる可能性があると評価している。また従来、apoA2 アイソフォーム濃度を計測するためには高価な機器を必要とする質量分析を用いた測定法しかなかったが、今回、同研究グループは、apoA2 アイソフォーム検査を実用化するために簡便な検査法の開発に取り組み、検査キット「Human APOA2 C-terminal ELISA kit(研究用試薬)」の作製に成功した。同検査キットで国内多施設共同研究で集められた膵がんを含む消化器疾患患者と健常者の血液検体を測定し、その判別性能を検討したところ、CA19-9に比べ、より高精度に早期膵がんを検出できたという。また、CA19-9が反応しない膵管内乳頭粘液性腫瘍や慢性膵炎などの膵がんリスク疾患も高い精度で検出。さらにapoA2 アイソフォームとCA19-9との組み合わせにより、早期膵がんの検出率はさらに向上した。今後、国立がん研と神戸大学などが協力し「apoA2 アイソフォームを用いた膵がん模擬検診」が開始予定。この模擬検診を含めたさらなる研究により、apoA2 アイソフォームの検査が本当に早期膵がんや膵がんリスク疾患を適切にスクリーニングでき、検診に実用化できるかどうかを確認していくという。また、同検査キットは研究用試薬であるため、体外診断薬としての承認を得ることも目指していく。
2015年11月10日放射線医学総合研究所(放医研)は11月5日、ヘルメット型PET(陽電子断層撮影法:Positron Emission Tomography)の開発に成功したと発表した。同成果は、放医研とアトックスの研究チームによるもので、11月5日~7日に開催されている第55回日本核医学会学術総会で報告された。PETは、身体の中の生体分子の動きをそのままの状態で外から見ることができる画像診断法の一種で、特定の放射性同位元素で標識したPET薬剤を検査対象者へ投与し、そこから放射される陽電子に起因するガンマ線を検出することにより、体深部に存在する生体内物質の分布や量、時間変化を測定できる。これらを測定する従来のPET装置では、感度を上げるため検査対象に測定器を近づけた際、解像度が劣化してしまうという課題があったが、今回の研究では近づけても解像度を維持できる「3次元放射線検出器」の特性を活かし、頭部に最も検出器を近づけられるようにした。具体的には、半球状に検出器を並べた内径25cm、外径50cmのヘルメット部のほかに、あご部にも帽子のあごひものように検出器を追加配置することで、脳の中心部の感度を高めた。性能試験の結果、装置感度は脳中央部でも5%、脳表部では10%と従来装置の約3倍となり、場所によらず均一な3mm以下の解像度が達成できたという。これにより、認知症の発症前~早期では蓄積量がわずかであると考えられている脳内の原因タンパク質の量や分布を画像化できるほか、検査時間の短縮やPET薬剤の少量化による被ばくの低減が期待される。今後は、検出器の改良によって1mmに迫る高い解像度を目指すことで、これまでのPET検査では見えなかった、脳深部にある記憶の座である海馬と呼ばれる領域での加齢によるアルツハイマー病の原因とされる異常なタンパク質の蓄積のプロセスや、大脳皮質の層構造や脳幹部などのさまざまな神経細胞の分布などを明らかにしたいとしている。
2015年11月06日東北大学は11月5日、40歳代女性を対象とした乳がん検診における超音波検査の有効性を検証するための比較試験から、マンモグラフィに超音波を加えることで早期乳がんの発見率が約1.5倍になるなどの結果が得られたと発表した。同成果は、東北大学大学院医学系研究科 大内 憲明 教授らのグループによるもので、11月5日付の医学誌「the Lancet(電子版)」に掲載された。今回の試験は、2007年7月から2011年3月にかけて、全国42の研究参加団体を通じ、7万6196人の女性の参加同意を得て施行された。参加者は参加同意後に 1:1 の割合で、マンモグラフィに加えて超音波検査を実施するグループ(介入群)と、通常のマンモグラフィ検診を実施するグループ(コントロール群)にランダムに割り振られ、初回および2年後の検診を受診した。その結果、介入群では感度91.1%、コントロール群では感度77.0%であり、有意差を持って介入群で感度が上昇。乳がん発見数、発見率においても介入群で有意に高値となった。発見がんのステージ別評価では、ステージIIまたはIII以上の発見がん数は、介入群、コントロール群で差は見られず、超音波検査はステージ0またはⅠのがんの発見に寄与していることが明らかとなった。一方で、介入群では精密検査が必要と判定される人の割合である要精検率が有意に上昇、針生検などの侵襲的な追加検査の施行数も増加しており、検診の不利益も増加していることがわかった。今後は、超音波検診導入による利益と不利益との相対バランスを厳密に検討することが不可欠であるとしている。
2015年11月05日味の素は8月7日、同社のがんリスクスクリーニング検査「アミノインデックス(AICS)」が、膵臓がんの早期発見に対応したと発表した。AICSは、味の素と臨床検査会社であるエスアールエルが2011年より共同で提供している検査で、血中アミノ酸濃度バランスの変化を解析・指標化し、胃がんや肺がんなどのリスクを調べることができる。検査に要する血がわずか5mlと少量なことから、体に負担の少ないスクリーニング検査となっており、2015年7月現在で956の医療機関で受診可能となっているほか、地方自治体の住民検診に採用されるなど普及が進んでいる。これまでは胃がん、肺がん、大腸がん、前立腺がん(男性のみ)、乳がん(女性のみ)、子宮・卵巣がん(女性のみ)という6種類のがんを対象としていたが、膵臓がんが新たに加えられた。これは、味の素と大阪府立成人病センターの片山和宏 副院長を中心としたグループとの多施設共同研究による成果で、膵臓がん患者360名と健康な人8372名の血中アミノ酸濃度バランスの変化を解析した結果、膵臓がん患者の血中アミノ酸濃度バランスが有意に変化していることがわかった。また、手術可能な段階の患者でも進行がん患者と同様の変化を示すことが判明し、その変化を解析する事で、膵臓がんの早期発見技術の開発が可能となった。膵臓がんは早期の発見が難しく、切除手術も長時間となり患者への負担が大きいだけでなく、腫瘍が2cmを超えると周囲へ浸潤して取りきれないことがあるなど、治療が極めて難しいがんとして知られているだけに、AICSによる膵臓がんの早期発見が可能となり、より効果的な治療につながることが期待される。
2015年08月07日サイズや形や左右の差など、自分のおっぱいに悩んでいる女性はとても多いけれど、実際にケアをしている人はとても少ないのが現状です。コンプレックスがあると直視したくないという心理があるのかもしれません。でも、自分のおっぱいを見る・触るということは、美乳づくりのためだけでなく、おっぱいの変化に気づくためにもとても大切なこと。ふんわりもちっとした美乳づくりのためのマッサージだけではなく、乳がんのセルフチェックとして、ときどきはおっぱいを触ってみましょう。 面倒くさくならないよう、簡単にとりいれられる、セルフチェックの方法をご紹介します。セルフチェックのベストな時期は、生理が終わって5~10日ほど経ってから。とくに生理前、おっぱいが張ってきたり、しこりのようなものを感じたりする人はしっかりと間をあけてからにしましょう。1.入浴前に鏡の前でチェックおっぱい全体の形に変化(へこみなど)はないか? 乳頭から分泌液などがないか?両腕を上げてみて、引きつれる感じがないか? 正面だけでなく横向きや斜め向きでも見ましょう。2.入浴中にチェックおっぱい全体を指の腹で円を描くように触り、しこりがないか? 脇の下を手で挟むように触り、しこりがないか?おっぱいが大きい人は仰向けになってチェックするのがオススメです。乳頭からの分泌物がないかどうか、日常的にチェックしておくことも大切です。しこりの原因は乳がんだけでないので、焦って自己判断するのは禁物ですが、もししこりや違和感があったら、病院へ行ってくださいね。日ごろからおっぱいマッサージをしていると、リンパの流れを助けて乳がん予防に役立つと言われます。今まであまり自分のおっぱいを見たり触ったりしていなかった人は、今日からケアしてみませんか?
2015年07月09日東京商工リサーチは7月8日、2015年上半期の「希望・早期退職者募集状況」調査の結果を発表した。同調査は、2015年1月以降、希望・早期退職者募集の実施を情報開示、具体的な内容を確認できた上場企業を抽出したもの。同社によると、アベノミクス効果による円安の進行に伴い、輸出企業を中心に企業業績が改善し、希望・早期退職募集などの人員削減に動いた上場企業は調査を開始した2000年以降で最少ペースで推移しているという。同期に希望・早期退職者の募集実施を公表した上場企業数は、前年同期比3件減の18社となった。募集人数はシャープの大規模な募集が影響して6598人(同3395人)に上っている。募集または応募人数の最多は、シャープ(グループ会社を含む)の募集3500人だった。これに、横河電機(グループ会社を含む)の応募1105人、サニックスの募集600人、電通の募集300人、タカギセイコーの募集230人、丸順の募集200人と続く。募集または応募人数が100人以上は9社(前年同期9社)だった。同社は、人員削減の動きは沈静化しているとしながらも、工業計器最大手の横河電機が主力の石油化学プラント向け機器の国内市場縮小をにらんで希望退職者募集を行ったように、業績が好調な上場企業でも事業の市場縮小やグローバルな競争に適応するため、事業規模の適正化や経営資源の効率化の一環として人員削減に踏み切る企業が出てくる可能性が高いとコメントしている。
2015年07月09日東邦大学は6月12日、6月15日より同大医療センター大森病院の先端健康解析センターにがんの同期発見につながるPET-CTドックを先端健康解析センターに開設すると発表した。PET-CT検査は、通常の健康診断では発見が難しいごく小さながんでも、早期発見の可能性が高まると期待されている技術。PET-CTの被ばく量は、約10mSvとCT検査と同等だが、妊産婦や授乳中の女性は検査を受けることが出来ないことに注意が必要となる。また検診メニューは「PET-CTがんドック」もしくは、PET-CTに腫瘍マーカー/ピロリ菌胃炎検査のための血液検査を加えた「PET-CT総合がんドック」の2種類。料金はPET-CTがんドックが12万円、PET-CT総合がんドックが16万7400円で、いずれも健康保険の対象外のため、すべて自費扱いとなるほか、支払いは前払い(一週間前までの入金)方式となっている。完全予約制で、予約受付はすでに開始している。受付時間は祝日や創立記念日、年末年始を除いた月曜から金曜日までの10時~12時/13時~16時、問い合わせ方法は先端健康解析センターの専用番号への電話、もしくは同病院1号館1階の医事課0番窓口にて行う形式だという。
2015年06月12日IPAは6月10日、組織のウイルス感染の早期発見と対応に関する注意喚起を公表した。この喚起は、企業・組織の経営者、システム管理者を対象に行われたものだ。標的型サイバー攻撃の被害事案増加を踏まえ、その対策と運用管理の注意喚起が6月2日に行われた。今回の注意喚起は、相次ぐ報道を受け、多くの組織においてウイルス感染の有無に関する懸念が広がっていると想定されることから実施された。ウイルス感染の懸念がある場合、まずウイルスに感染して攻撃活動が始まっていないか、ウイルスの活動の痕跡の確認を行う必要がある。このような確認が、ウイルスの早期検知と被害低減につながるという。ウイルス活動の痕跡を確認するには、以下の4つのポイントがある。○ファイアウォール、プロキシサーバーの確認ファイアウォールやプロキシサーバーのログにおいて、ウイルスによる外部のC&Cサーバー(感染PCに命令を送るサーバー)への通信を確認する。このログで、数秒や数分間隔で繰り返し行われているなど、人間によるウェブサイトの閲覧では起こりえない特徴的な通信が行われていないか、注意する必要がある。○業務上想定していない通信の確認ウイルスはプロキシサーバーを経由せずに直接外部へ通信を試みる場合がある。そのため、端末のインターネット接続がすべてプロキシ経由で、直接のインターネット接続は遮断されている場合は注意が必要だ。直接外部と通信を行おうとして遮断されている通信がないか、ファイアウォールにおいてブロックされた通信のログを確認することも重要だという。また、Active Directoryサーバーやファイルサーバーなどの端末からWindows Updateなどの通信を除いたインターネット向けの通信が無いか確認したい。もし通信があれば、意図的なものか注意が必要だ。なお、国内のサイトが改ざんされ、C&Cサーバーとなっている可能性もある。そのため、国内のウェブサーバーへの通信だから安全とは判断せずに、通信内容を精査する必要がある。○Active Directoryのログの確認Active Directoryを運用している組織は、ログなどから下記のような不審な兆候がないか確認する必要がある。想定されないアカウントでのログイン想定されない端末やサーバーへのログイン想定されない端末での管理者ログイン想定されない時間帯のアクセス想定されない管理者操作やポリシーの変更○Active Directoryサーバーやファイルサーバーなどの確認見覚えのないタスクがタスクスケジューラーに登録されていないか確認する。また、タスクのイベントログに見覚えのないタスクの実行履歴が残っていたら注意する必要がある。また、不審と思われる通信などを行っている端末を発見した際はすぐに対応する必要がある。対処方法は下記の4点だ。○該当の端末をネットワークから切り離すこれにより、被害は最小限に抑えられる。その上で該当の端末や通信ログなどを詳細に調査する。○ファイアウォールやプロキシサーバーでのブロック不審な通信先を発見した場合、ファイアウォールやプロキシサーバー、導入済みの場合はウェブフィルタリングシステムで、不審な通信先との通信をブロックする。これにより、更なる通信が防げる。○セキュリティベンダなどの専門家に相談する正確な被害範囲や感染原因を把握した上で対応を進める。これにより、該当の端末が踏み台とされ、既に他の端末へウイルス感染が広がっている場合の被害拡大を防げる。このほか、継続的な脆弱性対策を実施することも重要だという。攻撃者に一度侵入されてしまうと、Active Directoryサーバーなどの内部サーバーの脆弱性も攻撃者に悪用される恐れがある。IPAでは、クライアント端末だけではなく、Active Directoryサーバーなどの内部サーバーにもソフトウェアの更新プログラム(パッチ)の適用することを推奨している。
2015年06月11日アズジェントは6月10日、企業や組織のネットワークにおける、セキュリティ被害が顕在化する前に発見・対処するサービス「セキュリティ・ドック」の提供を開始した。なお、このサービスは同社のセキュリティサービス群である「セキュリティ・プラス」として提供される。感染端末検知用のアプライアンス製品である「DAMBALLA Failsafe」を監視/解析ツールとして使用し、企業や組織に潜伏期間中の脅威があるか否かを、被害が顕在化する前に診断し、対処の指針を提示する。ネットワークシステムの定期的な診断や、企業や組織における情報セキュリティ監査、感染の疑いがある場合の初動調査、インシデント発生後の予後経過観察などの利用を想定している。このサービスを利用する場合、まずアズジェントが「DAMBALLA Failsafeアプライアンス」を、顧客の環境に設置し、構内のネットワークトラフィックをミラーポートで受けて監視する。そこで検出された疑わしい兆候から、端末ごとの挙動を分析。判定の根拠となる証拠情報(アクセス先情報、アクセスの結果及びパケットキャプチャファイルなど)をそろえた上で、脅威が潜む感染端末が特定される。また、感染内容と共に、取るべき対処の指針が提示される。診断結果は1カ月間で提出される。なお、DAMBALLA Failsafeは、長い間「振る舞い」を学習しなければ対処できない検知方法ではないため、潜伏中の脅威によってはサービス開始直後から脅威を早期発見することができるという。セキュリティプラス「セキュリティ・ドック」の販売価格は、756,000円~ (~500ノード環境/監視期間1ヶ月の場合、税別)。初年度の販売目標は5億円を見込んでいる。
2015年06月11日コンピューテックスとNTTPCコミュニケーションズ(NTTPC)は4月14日、自社製品のIoTを検討する企業向けに、IoT早期実現キャンペーンを開始すると発表した。キャンペーンでは、IoT組込みボードCM-3G、モバイルネットワーク及びIoTプラットフォーム(6か月利用料無料)がセットとなる「SIM付CM-3G開発パッケージ」がキャンペーン特別価格で利用可能となる。5月13日~15日に東京ビッグサイトで開催される組込みシステム開発技術展(ESEC)の共同出展を機に受付を開始する。「SIM付CM-3G開発パッケージ」は通常価格10万円だが、20%OFFの8万円(税別、単位はセット)で提供する。キャンペーン提供数は50セットで、これを上回った場合は通常価格での提供となる。また、ESEC内共同ブース限定で、来訪者特典キャンペーンとして50%OFFの5万円となる「特典付キャンペーン申込書」を配布する予定だという。
2015年04月15日富士通研究所は3月10日、居住空間や人間に着けたさまざまなセンサーから、対象者の隠れた運動機能異常を早期発見する技術を開発したと発表した。これまで、センサーから得られる膨大な量のデータから、機能異常など医療従事者にとって有意なデータを抽出すること、また個人ごとの状態に応じた判定は困難とされていた。同社が開発した技術では、環境センサー、体の動作センサー、バイタルセンサーを用いて、起立や歩行など日常の動作(生体イベント)を継続的に抽出し、個人や症例ごとに特長を数値化する。また、個人に合わせて歩行速度などの基準値を設定することができるのでより正確な生体イベントの検出が可能となり、行動や健康状態に応じた特長の変化を定量的に比較することが可能となる。さらに、大量に抽出される歩行特長などの生体イベント情報と、扉の開閉など居住環境の変化の情報から関係の深いパターンを抽出する技術も開発。各患者の症状に関係する生体イベントと発生条件に関わる環境イベントの関係性を繰り返し抽出することで、これまで医療従事者が気付かなかった新たな運動機能不全の事象を発見することが可能となる。例えば、ベッドから起きた後に歩行に異常がある場合、関節のこわばりや起床後の血圧異常が疑われるという。同社は2013年7月からアイルランドの研究機関であるCASALA、INSIGHT@UCDと共同で、スマートハウスに居住する高齢者などを対象に、センサーから収集したデータを可視化・分析する研究を実施している。今後、同技術の2017年度中の実用化を目指し、アイルランドでの研究を通じて、さまざまな症例やスマートハウス外での適用・検証を進めるとしている。
2015年03月11日