JR東海道新幹線グリーン車「おしぼり広告」2022年1月よりEXILE AKIRAさんのビジュアルに!男のエステ ダンディハウスのおしぼり広告が新ビジュアルに!男のエステ ダンディハウスが長年続けているJR東海道新幹線グリーン車内の「おしぼり広告」が2022年1月より新しく入れ替わります。2021年10月よりダンディハウスのブランドキャラクターを務めているEXILE AKIRAさんのビジュアルです。JR東海道新幹線グリーン車ダンディハウスのおしぼり広告2021年12月末から入れ替えを始め、2022年1月中頃にはダンディハウスのおしぼりは全てAKIRAさんのビジュアルに替わります。お楽しみに!男磨きチャレンジャー大募集中!男のエステ ダンディハウスでは、現在男磨きチャレンジャーを大募集中です。チャレンジコースにご入会で3万円分のエステチケットをプレゼント中。※一定額以上のコースをご購入されたかたのみが対象です。「ダイエット」「脱毛」「フェイシャル」の体験コースでぜひお試しください。男磨きチャレンジャー 体験コースはこちら : 男磨きチャレンジャー大募集!|キャンペーン・お得情報 : サーモアタックエナジーもおすすめ!身体を温めて代謝を上げて脂肪の燃焼を促すサーモアタックエナジーはこの時期特におすすめです。RFというマシンを使用し、冷たく堅くなった脂肪を温めながら燃焼しやすい状態にほぐしていきます。エステティシャンの手技はダンディハウスオリジナルのトリートメント。身体の流れをよくしてデトックスしながら代謝を上げていきます。そしてカプセル型サウナ+ファットバーンという特許取得のマシンで全身運動をしながら燃焼サポートしていきます。上記全ての工程がサーモアタックエナジーのコースです。現在5,500円(税込み)で初回体験実施中!ぜひお試しください。サーモアタックエナジーの体験はこちらから : サーモアタックエナジー|コースと料金 : 男のエステ ダンディハウス日本初の男性専用エステティックサロンとして1986年にスタートした“男のエステ ダンディハウス”。高い技術力と確かな指導法でメンズエステを日本中に広めてきました。2004年には業界初となるISO9001(国際品質保証規格)認証を取得。世界共通の品質管理と保証の基準である国際規格ISO認証をサロン単位で取得し、エステティックサービスの品質向上のために最善を尽くしています。男のエステ ダンディハウスダンディハウスでは衛生管理を万全にして、みなさまのご来店をお待ちしております。Twitter投稿 : 詳細はこちら プレスリリース提供元:NEWSCAST
2021年12月29日2021年3月現在も、新型コロナウイルス感染症の感染拡大を防ぐため、外出の自粛などが呼びかけられています。客足の減少は、交通業や観光業などのさまざまな分野に影響を及ぼしました。渦中で働く人々にとって、昨今の状況は、まるで先の見えないトンネルの中を進んでいくようなものでしょう。東海道新幹線の車内で流れたメッセージに反響しこく(@oms467)さんがTwitterへ投稿した動画が、「泣ける」「素晴らしい」と話題になっています。東海道新幹線に乗車していた、投稿者さん。車内の電光掲示板に流れる『メッセージ』を目にし、内容に感激したといいます。多くの人の涙を誘った、内容がこちら。東海道新幹線、やだ...イケメン...これからもついていきます/// pic.twitter.com/zFq1NRsJaQ — しこく (@oms467) March 9, 2021 ご乗車ありがとうございます。みなさまの大切な「会いに行く」をお支えするため、今日も、新幹線は走ります。トンネルを抜ければ、あの笑顔。ともに乗り越えましょう。新幹線に携わるすべてのスタッフより。電光掲示板に流れていたのは、新幹線に関わるスタッフからの、応援のメッセージだったのです。コロナ禍で客足が大幅に減り、厳しい状況にあるはずの交通業界。それでも、誰かの「会いに行く」を支えるため、苦しい状況をトンネルに例え、「トンネルには必ず出口がある。だから、みんなで乗り越えよう」という想いを伝えたのでした。ネット上では、東海道新幹線の車内テロップに、勇気づけられた人が多いようです。・読んでいて、涙がこぼれてきました。突き進めば、『のぞみ』はきっと叶いますよね。・新幹線に乗りたくなりました!素敵なメッセージに感動。・私たちももう少し頑張るので、新幹線も頑張ってください。東海道新幹線の、『のぞみ』を捨てず『ひかり』に向かって進む姿に、元気づけられます。たとえ乗客が減っても、私たちの「会いに行く」を支えるため、頑張るすべての人へ感謝をしたいですね。[文・構成/grape編集部]
2021年03月12日年末年始が近づき、帰省や旅行などで新幹線を利用する機会が増えてくる頃。昔と違って、最近ではネットで予約をして窓口で受け取れたり、スマホをかざすだけで改札を通れたりと、新幹線の快適さはどんどん進化しています。昨年始まったばかりの「スマートEX」というサービスをご存じでしょうか。東海道新幹線、山陽新幹線を頻繁に使う人にとってはお馴染みでしょう。今回は、その「スマートEX」を実際に使ってみた時のお話です。■ 「スマートEX」はチケットレスで新幹線に乗れる!JR東海とJR西日本が運営するスマートEXとは、簡単な登録だけでスマホやパソコンからネット予約ができ、スムーズに東海道新幹線、山陽新幹線(東京~博多間)に乗ることができるサービスです。photo-uny / PIXTA(ピクスタ)登録は、SuicaやPASMOといった交通系ICカードと既存のクレジットカードだけ。年会費無料で利用することができます。そしてなんといっても、チケットレスという最大の魅力があります。切符の受け取りが不要で、新幹線の改札にICカードをタッチするだけで乗車ができます。EKAKI / PIXTA(ピクスタ)残念ながら、筆者の地元の東北方面では、スマートEXのサービスはありません。tarousite / PIXTA(ピクスタ)帰省する時はネットで新幹線の予約はできても、発車時刻までにJR東日本の各駅のみどりの窓口か、自動券売機で切符を受け取らなくてはいけません。tarousite / PIXTA(ピクスタ)これがとにかく面倒くさい!新幹線に乗る直前に受け取ろうと、混雑する窓口に並びながら「発車時刻に間に合わなかったらどうしよう」と、冷や汗をかいた経験は筆者だけではないでしょう。そして自動券売機なら混まないかと思いきや、東京駅や上野駅の自動券売機は筆者と同じように切符の受け取りや購入をする人が並ぶことは多く、数分ほど待つことがたびたびあります。この発券作業によって、筆者はかなりの時間を無駄にしていることでしょう。■ 在来線との乗り換えも改札タッチのみ昨年の夏、筆者は仕事で大阪へ行った際に初めてスマートEXを利用しました。スマートEXは予約している列車の発車時刻前であれば、列車発車時刻4分前までの列車に手数料無料で変更ができます。acogale / PIXTA(ピクスタ)筆者は仕事のスケジュールが急遽変わったため、新幹線乗車予定の1日前に、乗車時間を変更。いちいち窓口に行かなくても、スマホで簡単に変更手続きができたのは、とても助かりました。また、キャンセルしたい時も、列車発車時刻前であれば片道310円、往復620円と払戻手数料が安いのも魅力。予定が変更になりやすい忙しいビジネスマンにとっては、かなり重宝するサービスなのではないでしょうか。そしてチケットレスのため、新幹線を降りるまでに切符を手元に持っていなくてもOKでした。今までに何度、地元の駅に到着した時に、「あれ、乗車券が見当たらない!」とバッグや財布の中を探したことか……。さらに、在来線との乗り換えの時には運賃はICカードから引き落とされるため、新大阪駅から目的地の駅までも改札にタッチするだけ。新幹線の切符とICカードを両方用意して乗り換える必要がないので、まるでずっと在来線に乗っているかのようなラクラク乗り換えでした。観光シーズンや帰省の時期など、新幹線の窓口が混雑する時期には、とても便利なスマートEX。旅行や帰省の時だけでなく、小さな子どもと一緒に新幹線に乗る方は、窓口での待ち時間や切符の紛失、乗り換えの煩わしさといった不安が一気に解消されるでしょう。■ スマートEX利用だけで豪華景品が貰えるキャンペーンもまた、スマートEXはたびたびお得なキャンペーンを行っている点も見逃せません。現在は、サービス開始から1周年を迎えるにあたり、スマートEXで予約して乗車した新幹線の座席番号によって、抽選で豪華景品が当たるプレゼントキャンペーン「スマートEX THE くじ」を実施しています。Tony / PIXTA(ピクスタ)実施期間中、5,000円以上の区間(1名片道あたり)を乗車した方の中から、「乗車日・列車・号車・座席・区間」を抽選して当選者を決定するとのこと。景品は、美白美容液を1年分、オロナミンCを1年分、さらには東海道・山陽新幹線沿線ホテルペア1泊2日宿泊券など。この冬の旅行で、名だたる高級ホテルのスイートルームやツインルームに宿泊できるチャンスです!西日本へ帰省や旅行の予定があり、まだスマートEXを使ったことがないという方は是非その快適さを体験して、さらに豪華景品をゲットしてみてくださいね。【参考】※「スマートEX」1周年記念キャンペーン「THE席くじ」
2018年11月29日東京から東海道新幹線で約1時間、三島由紀夫のペンネーム由来の一つとも言われる三島駅に到着した。都心からも程近い静岡県の東部にあたるこの町は、過ごしやすい温暖な気候と、昭和の面影が残る町並み、一駅足を伸ばせば温泉街のある熱海と、パノラマの富士山を望める新富士がある味わい深い町。そんな静岡県東部をもっとよく知るために出かけた旅の一部を今回から全3回にわたって綴りたい。まずは静岡県長泉町にある「クレマチスの丘」へ。クレマチスの丘は、美術館、文学館、レストラン、ショップ、季節ごとのクレマチスが咲く庭園が点在する複合文化施設。広大な敷地内は、フランスの画家ベルナール・ビュッフェの作品を所蔵する「ルナール・ビュッフェ美術館」、作家・井上靖の「井上靖文学館」とそれらに隣接する「駿河平自然公園」があるビュッフェ・エリアと、杉本博司が設計を手掛けた「IZU PHOTO MUSEUM」、クレマチスの庭園に併設された「リストランテ プリマヴェーラ」などのレストランがあるクレマチスガーデン・エリアと大きくふたつのエリアに分かれている。中でもとりわけ印象に残る場所は、クレマチスガーデン・エリア側にある「ヴァンジ彫刻美術館」。芝生の上に寝転んだり、椅子に腰掛けてパノラマに広がる伊豆や箱根の山々を眺めていれば優に丸一日が過ぎてしまうようなのんびりした時間が流れ、その心地良さを思わず誰かに共有したくなる魅力的な場所である。「ヴァンジ彫刻美術館」エントランスを抜けてすぐの作品《レリーフ 風景の中の人物》2002年イタリアを代表する具象彫刻家ジュリアーノ・ヴァンジの世界唯一の個人美術館であるこの施設には、現在、屋内と屋外を合わせて47点の彫刻と、デッサン・版画11点のデッサン・版画が展示されている。ヴァンジは、人間の多面的な心の在りようを形にした表情豊かな彫刻が特徴だそうで、一方から見た時と、そのまた反対側から見た時では全く別の表情や輪郭をしているという。また、屋外に佇むこれらの彫刻には触れることも出来る。《竹林の中の男》1994年反対側から見ると違った表情を見ることができる館内にも、たっぷりと余白を使い作品が点在する。《紫の服の男》1989年《コートを着た女》2006年館内は自由に撮影可だそうこれら常設の展示のほか企画展も行っており、4月2日からはキギ(KIGI)の個展「KIGI キギ in Clematis no Oka」がスタートする。そして初夏になれば、美術館の庭園内にあるクレマチスガーデンに、這沢(はいざわ)やヘメロカリスなど一年で最も多くのクレマチスの品種が咲き誇るといい、また再び訪れたくなる話を聞いてしまった。2月の足元にはクロッカスがクレマチスの丘静岡県長泉町東野クレマチスの丘347-1055-989-8787開館時間:1月 10:00~16:30 2月、3月 10:00~17:00 4月、5月、6月、7月、8月 10:00~18:00 9月、10月 10:00~17:00 11月、12月 10:00~16:30 ※入館は閉館30分前まで休館日:水曜日、年末年始入館料はHP参照
2016年03月17日JR東海とJR西日本は7月6日、東海道新幹線の放火事件を受け、東海道・山陽新幹線において、防犯カメラを増設することを発表した。セキュリティの向上を図るため、これまでデッキ部に設置されていた防犯カメラを客室内およびデッキ通路部にも増設する。対象編成は、JR東海がN700A(31編成)とN700系(80編成)の計111編成、JR西日本がN700A(9編成)とN700系(16編成)の計25編成となっている。2社は、平成28年度から30年度にかけて改造工事を実施する。
2015年07月07日新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)は6月30日、三菱電機が開発した3.3kV/1500A定格のフルSiCパワーモジュールを適用した主変換装置を開発、東海旅客鉄道の東海道新幹線N700系試験車両に搭載し、高速走行に用いると発表した。3.3kV/1500A定格のフルSiCパワーモジュールは小田急電鉄の1000形リニューアル車への採用実績があるものの、新幹線車両での高速走行は世界で初めてとなるという。なおNEDOでは、新幹線車両のみならず、2015年度より新たな応用分野の開拓を目指した研究を進めており、パワーエレクトロニクスの適用範囲拡大による日本の産業競争力の強化を図っていきたいとしている。
2015年06月30日全国各地の城の来城者はここ数年右肩上がりに伸びており、3月27日にせまった"白すぎ城"と噂の姫路城のグランドオープンも注目を集めている。しかし、日本には何百、何千と城があり、なかなか全国の城をまわるのは難しいもの。そこで、「旅や出張のついでに城が見たい! 」というわがままな旅行者のために、東海道新幹線に乗りながら楽しめる城を紹介しよう。車窓から眺める名城めぐりなんてなかなかツウな旅路! とは言え、一瞬で通り過ぎる城も少なくないので、相応の集中力をもって挑んでいただきたい。なお、城によっては見える方向が違うので、往路はA席・復路はE席などと方向を変えて楽しむといいだろう。まずは東京駅~浜松駅までの間に楽しめる城から。○発車数秒後に現われる「江戸城」旅の醍醐味である駅弁やビールを買って、東京駅から東海道新幹線に乗車。席について、「さあ駅弁を食べよう! 」なんて余裕は車窓からの城旅にはない。発車してわずか数十秒で、「江戸城」が見えるからだ。江戸時代の徳川将軍家の居城であり、現在は天皇家が住まう皇居なので、知らない人はいないだろう。見える側は東京駅→新大阪駅の進行方向に向かって右側(E席側)。城跡の前には片側3車線の大通りが現れ、その通りの先に白い櫓がそびえている。これは伏見櫓と呼ばれる皇居宮殿の入り口に建つ建物で、分かりにくいがその手前には、江戸城一の撮影スポットである二重橋も見える。発車して間もなくなのでそれほどスピードも出ておらず、注意していれば見逃すことはないだろう。○「小田原城」は3回チャンスあり!品川駅を過ぎ、新横浜駅を過ぎ、ちょうど駅弁も食べ終わる頃(東京駅から30分程度)に出現するのが「小田原城」。天下統一を目前にした豊臣秀吉による小田原城攻めは、歴史の時間に習ったはず。江戸時代、徳川家康の家臣によって小田原城は大改修され、石垣や天守のある城に生まれ変わった。現在建つ天守閣は、この江戸時代の天守を模したである。城は大阪駅への進行方向に向かって左側(A席側)、先ほどの江戸城とは反対側だ。小田原駅は新幹線「こだま」しか止まらないが、この小田原駅を通過する前後に城が見える。小田原駅に入る前にはビルの谷間から天守閣が見え、小田原駅通過直後にはトンネルに入る数秒の間に大きく全体像が出現する。さらに、トンネル通過後には左後方に確認することができるので、前述2カ所で見逃した人は窓ガラスにかぶりつこう。○立派な"ウソ城"「熱海城」小田原駅の次の熱海駅を過ぎた直後には、左側(A席側)の丘陵上に立派な天守閣が現れる。こちらは「熱海城」なのだが、実はこの城は真っ赤なウソ城。「北条氏が水軍の本拠地として築城を計画したものの、ついに完成しなかった」という都市伝説のような伝承をもとに戦後築かれたそう。どっしりと構えるその姿はなかなか凛々(りり)しいものがあるのだが……。東京駅を出発してここまで3城紹介したが、集中して車窓からの景色を眺めていると、わずか3城だけでも結構疲労が出てくるはず。疲れた人はしばしブレイク。進行方向の右側(E席側)には静岡名物の茶畑、そして日本人の心の故郷・富士山が登場し、旅路にはやる想いを慰撫(いぶ)してくれる。○仲間由紀恵ゆかりの「掛川城」静岡駅を過ぎたら、次の城に備えよう。静岡駅を過ぎて約15分程度で掛川駅を通過するが、その掛川駅の前後、右側(E席側)に見えるのが「掛川城」だ。掛川城は織田信長や秀吉の家臣であった山内一豊が関ヶ原の戦い前に居城とした城。そう言われてピンとこない人も、NHK大河ドラマ『功名が辻』で仲間由紀恵さんが演じた千代の夫と言えば、思い出す方もいるのではないだろうか(ちなみに山内一豊役は上川隆也氏)。千代は一武将にすぎなかった一豊を献身的に支え、内助の功で夫を大名へと出世させる。そんな一豊の居城だったことから、掛川城は"出世城"の異名を持っている。小高い丘の上に建つ掛川城の天守は、新幹線からでもはっきり見える。周りに遮るような高い建物は多くないので、意識していれば見逃すことはないだろう。この天守は1994年に再建された、日本初の木造復元天守である。○一瞬見える"出世城"「浜松城」「こだま」では掛川駅の次の停車駅は浜松駅である。この浜松駅を通過した直後に見えるのが「浜松城」だ。浜松城は江戸城に移る前に長く家康の居城だった城。さらに江戸時代に入ると、天保の改革を実行した老中・水野忠邦など、浜松城主から幕府の重役に出世した例が数多くあり、掛川城と同じく"出世城"として当時から貴ばれてきた。サラリーマンであればぜひとも拝んでおきたい城だが、この浜松城の復元天守が見えるのはほんの一瞬、わずかに現れるだけなのだ。見えるのは掛川城と同じく右側(E席側)。浜松駅を過ぎたら凝視して、マンションの狭間に見える緑の丘陵を探そう。天守が見えている間に3回願いごとを言えたら、その願いがかなうとかかなわないとか……。続いては名古屋駅~新大阪駅。この区間では、名古屋城や彦根城などが拝める。引き続き、城をお見逃しなく!(文・かみゆ歴史編集部 滝沢弘康)○筆者プロフィール: かみゆ歴史編集部歴史関連の書籍や雑誌、デジタル媒体の編集制作を行う。ジャンルは日本史全般、世界史、美術・アート、日本文化、宗教・神話、観光ガイドなど。おもな編集制作物に『日本の山城100名城』(洋泉社)、『これが皇居です』(宝島社)、『一度は行きたい日本の美城』(学研パブリッシング)、『日本史1000城』(世界文化社)、『廃城をゆく』シリーズ、『国分寺を歩く』(ともにイカロス出版)、『日本の銅像完全名鑑』(廣済堂出版)、『新版 大江戸今昔マップ』(KADOKAWA)など多数。また、トークショーや城ツアーを行うお城プロジェクト「城フェス」を共催。「かみゆ」「城フェス」
2015年03月19日財務省は13日、新幹線鉄道開業50周年記念100円硬貨(100円クラッド貨幣)の引換えを2015年4月22日に開始すると発表した。デザインは、東海道新幹線、山陽新幹線、東北新幹線、上越新幹線、北陸新幹線の5種類。発行枚数は各230万枚前後で、各引換取扱機関の窓口にて1枚につき100円で引換えを行う。引換枚数は、引換開始日が1人当たり各路線2枚、計10枚以内(状況により制限あり)となり、翌日以降も状況により制限される場合がある。引換取扱機関は、銀行(信託銀行、ゆうちょ銀行および外国銀行在日支店を含む)、信用金庫、信用組合、商工組合中央金庫、労働金庫、農林中央金庫、農業協同組合、信用農業協同組合連合会、漁業協同組合、信用漁業協同組合連合会で、詳細は4月上旬に財務省サイトにて掲載する。それぞれの引換枚数および引換開始時刻は、4月15日に各店舗の店頭で提示する予定。
2015年03月13日財務省は1月23日、新幹線鉄道開業50周年記念貨幣のうち、東海道新幹線、山陽新幹線、東北新幹線、上越新幹線、北陸新幹線の5路線の貨幣(百円クラッド貨幣)の発行枚数を発表した。5路線の貨幣の発行枚数は、取扱金融機関の希望枚数などを踏まえて決定された。各貨幣の発行枚数は、東海道新幹線が232.4万枚、山陽新幹線が229.2万枚、東北新幹線が230.4万枚、上越新幹線が228.8万枚、北陸新幹線が236万枚となっている。貨幣の引き換えは、金融機関の窓口において額面価格によって行われ、具体的な要領は3月頃に発表される予定。また、造幣局では、これらの貨幣をセットとして販売を行うが、申し込み方法や受付期間などは3月頃発表される予定。百円クラッド貨幣の図柄
2015年01月26日JR東海は12月18日、今年12月より、東海道新幹線のATC(自動列車制御装置)を更新すると発表した。新たなATCは地上装置の処理能力が向上しているとともに、信号の伝送距離が延伸している。ATCとは、先行列車との間隔等を考慮した許容速度を列車の運転台に信号として表示し、列車速度が許容速度を上回った場合は自動的にブレーキを作動し、許容速度以下まで速度を低下させるシステム。新幹線では、進路を一定距離に分割して構成される区間(閉そく区間)を定め、各区間には1つの列車しか入れないようにすることで、列車相互間の安全を確保している。新たなATCは、1つの地上装置で処理できる軌道回路数が増え、システムを構成する設備数が減り、設備の正常・異常の判断速度が向上する。また、地上装置の送信出力が向上し、ATC信号の伝送距離が5kmから延伸し、より遠くの軌道回路設備までATC信号が伝送可能になることから、装置を配置する機器室が駅部に集約できる。これにより、日々のメンテナンスを効率化できるほか、故障が発生した際も、駅近隣の信号通信所にいる社員が、現地まで移動する時間を短縮できるという。
2014年12月19日JR東海は東海道新幹線の4カ所の周波数変換変電所(FC)のうち2カ所の周波数変換装置について、最新のパワーエレクトロニクス技術を活用した静止形に入れ替えると発表した。周波数変換変電所(FC)は、東海道新幹線の富士川以東の交流50Hz地域において、電力会社から受電した交流50Hzの電気を新幹線走行に必要な交流60Hzに変換するための設備。現在は大井・綱島・西相模・沼津の4カ所に設置されている。FCに設置される周波数変換装置には静止形のほか、モーターと発電機を組み合わせた回転形があり、大井FCと沼津FCに静止形各1台、綱島FCに静止形1台と回転形3台、西相模FCに回転形3台の計9台が置かれている。今回は綱島FCと西相模FCの回転形1台ずつを静止型に入れ替える。静止形は回転による損失がないことからエネルギー効率に優れ、電力使用量も約2%削減できるという。定期点検時に機器を解体する必要もなくなるため、定期点検にともなう停止期間も短縮され、安定輸送の向上にもつながるとのこと。ただし、回転形と静止形の組み合わせによって一時的な大電流をバランスよく分担する必要があるため、すべてを静止型に入れ替えることはせず、回転形4台は引き続き使用する。入替え工事は、綱島FCで今年度から2019年度にかけて、西相模FCで2015年度から2021年度にかけて行う予定。工事費は約134億円。
2014年12月02日東海道新幹線用車両N700Aが、環境負荷の低減に配慮した製品・サービスを表彰する「第11回エコプロダクツ大賞」のエコサービス部門で国土交通大臣賞を受賞した。表彰式は12月11日、東京ビッグサイトでの「エコプロダクツ2014展示会」会場内で実施される。エコプロダクツ大賞は、環境負荷の低減に配慮した優れた製品・サービス(エコプロダクツ)の表彰を通じ、さらなる開発や普及を図ることを目的に2004年に創設された。エコプロダクツ部門とエコサービス部門があり、今回はエコプロダクツ部門73件、エコサービス部門15件、計88件の応募があったという。N700Aは「高い環境性能を実現した省エネ型新幹線車両N700Aの開発と投入」の受賞名で、エコサービス部門唯一の国土交通大臣賞に輝いた。置換え対象の700系と比べて電力消費量を19%(東海道新幹線区間)削減したことや、モーターを制御する電力変換装置を小型軽量化してすべての電動車に展開したこと、トイレや洗面所にLED照明を採用するなど車内の照明電力をN700系より約20%削減したこと、シートクッションに100%リサイクル可能な材質を採用したことなどが評価されたという。N700Aは2013年2月に営業運転を開始し、2013年度までに13編成が投入された。2016年度までにさらに18編成投入される予定だ。
2014年12月02日JR東海は11月27日、東海道新幹線の周波数変換装置を回転形から静止形に交換することで、省力化とメンテナンスの効率化を進めていくと発表した。富士川以東の交流50Hz地域では、電力会社から受電した交流50Hzの電気を新幹線走行に必要な交流60Hzの電気に変換するため、大井・綱島・西相模・沼津の周波数変換変電所に9台の周波数変換装置が設置されている。現在、静止形の周波数変換装置は大井変電所、綱島変電所、沼津変電所に1台ずつ設置されているが、今回、綱島と西相模の回転形の装置を静止形に交換する。静止形は、回転による損失がないことからエネルギー効率にすぐれ、電力使用量を約2%削減できる見込みだという。また、定期点検時に機器を解体する必要がなくなるため、定期点検に伴う停止期間が短縮される。なお、回転形と静止形を組み合わせて、一時的な大電流をバランスよく分担する必要があるため、回転形4台は引き続き利用される。
2014年11月28日1964年に東京~新大阪間が開業した東海道新幹線は、2014年をもって満50周年を迎えた。10月1日に東京駅で行われた記念イベントも記憶に新しい。その昔、「時速250キロ」と歌われる新幹線の歌があったが、1964年の開業当初はもっと遅く、最高速度は時速200kmだったという。長らく続いた時速210kmでの運転はその翌年、1965年からのことで、歌にある「時速250キロ」を凌駕するのは1992年の「のぞみ」登場まで待たなければならない。1964年といえば、新幹線開業もさることながら、東京オリンピックも大きなニュースとなった。50年前の東京オリンピックは10月10日に開幕し、10月24日まで開催。同年10月1日に開業した東海道新幹線は、オリンピックに辛うじて間に合ったことになる。新幹線開業・東京オリンピック開催を迎えた1964年を境に、東京は世界の主要都市と肩を並べる都市として成長することになる。○国鉄時代、20年以上にわたり製造された0系昭和の時代、新幹線を代表する電車として活躍したのが0系。高度経済成長期を代表する意匠として人々の目に映り、さらに高速なN700系が主流となった現在でもなお、「新幹線といえば0系」というイメージが強く残っている人は多いのではないだろうか? ただし、その車両が広く「0系」と呼ばれるようになったのは、かなり後になってからの話だという。0系が活躍した期間は長い。1964年から30回以上ものマイナーチェンジを行いつつ、1986年まで製造され、2008年まで営業運転が行われた。50年にわたる新幹線の歴史の大半は0系で語られる……、そう言っても過言ではない。そして今後も、これ以上の長期にわたって製造される新幹線車両は現われないだろうと思われる。0系は製造時期によって0番台・1000番台・2000番台の3種類に大きく分けられる。0番台と1000番台の違いは、車体側面の窓の大きさと数。新幹線が博多駅まで開業した後、1976年頃から登場した1000番台は、客席の窓が小さくなっている。1980年代になると、内装を変更した2000番台が登場した。長距離を高速で走る新幹線車両の寿命は短く、製造から15~20年程度で廃車となってしまうことが多い。その上、国鉄時代はさまざまな事情から、「0系を0系で置き換える」という更新が長く続いていた。「ひかり」16両編成の中に大窓・小窓の車両が混在していた時期もまた、長期間にわたっている。ところで、初期型の0番台より新しい車両にもかかわらず、現役当時の写真を探すとなると、1000番台のほうがかえって難しいかもしれない。鉄道車両をカメラに収める者の心理として、より古い車両に注目が集まる傾向があるように思う。東海道新幹線をまだ100系や300系が走っていた時代、ひたすら0系を追いかけて写真を撮っていた人も多いはず。同じように1970年代後半も、新たに登場した小窓の0系より、置き換え対象となる広い窓の0系に対し、カメラが向けられる機会が多かったようだ。新幹線が開業する前、高速走行のための試作車が2編成あった。1000形A編成・B編成と呼ばれた車両で、編成ごとに配色も異なっていた。鉄道模型の世界では、この車両を塗装まで忠実に再現した事例もあるという。量産車ではB編成の塗り分けが採用されている。1000形B編成はその後、922形電気試験車に改造され、黄色い試験車塗装に変更。正面も一部標準化された。通称「ドクターイエロー」の先駆けといえる車両のひとつで、1970年代半ば頃に廃車になったという。○0系の保存車両は各地で見られるが…新幹線の開業以来、40年以上にわたって活躍した0系が引退して久しいが、現在もさまざまな場所で保存車両を見られる。「リニア・鉄道館」(愛知県名古屋市)では、0系をはじめ歴代の新幹線車両が保存されており、現役時代をほうふつとさせる姿を目の当たりにできる。東京都内の青梅鉄道公園にも0系が保存され、若干の改造はあるものの、ほぼ当時の状態を保ち、内装からも当時の仕様をうかがい知ることができる。同じ0系でも、2000番台のように客席のデザインが変わったものもあれば、後年のリニューアルによって車内設備が変更されたケースもあるので、当時の青系統のシートは貴重かもしれない。1964年当時の新幹線車両を知るのであれば、こうした保存車両を見るのが最も詳しいだろう。リニア・鉄道館や青梅鉄道公園だけでなく、全国各地で新幹線車両の先頭車、あるいは先頭車のカットモデルが展示されている。ただ、惜しいことに現在保存されている0系の多くが初期型中の初期型。自由席・指定席の表示はサボによるもので、当然ながら大窓。新幹線の歴史を考えると、開業当時に走っていた車両が選ばれるのも無理はないのだが、後年製造された1000番台以降の小窓タイプはあまり保存されていないようだ。
2014年11月16日10月1日に東海道新幹線が開業50周年を迎えた。さまざまなメディアが記念の記事を掲載している中で、当連載としてはやはり開業当時のダイヤを紹介したい。JTB時刻表の2014年10月号が新幹線開業時の時刻表を掲載しているとのこと。これをもとにダイヤグラムを作成してみた。時刻表を購入して新幹線開業ダイヤを探してみたものの、すぐには見つからなかった。付録の冊子にもなっていないし、巻頭カラーページにもない。JTB時刻表はときどき私鉄の時刻表をどーんと紹介してくれるから、目立つように載っているはずだけど……あ、あった。なんと、黄色い特集ページの見開き2ページ分で載っていた。列車の運行本数が少なかったから、「どーん」とはならなかったらしい。早速、列車ダイヤ描画ソフト「OuDia」に時刻入力。運行本数が少ないと手間が少なくてありがたい。しかも、当時の新幹線はパターンダイヤだ。東京駅または新大阪駅発の毎時ちょうどが「ひかり」、毎時30分が「こだま」の発車時刻となっていた。「Oudia」は列車単位のコピー&ペーストができるから、それぞれ1本ずつ入力して、あとは運行本数の分だけコピペ。始発駅の時刻を変更すると、他の駅の時刻も連動して書き換わる。こうしてダイヤグラムが完成した。なんと美しいダイヤだろう。相似形の菱形が整然と並んでいる。赤い線が「ひかり」、黒い線が「こだま」。どちらも1時間に1本ずつ。しかも下り10時発の「こだま」と上り12時発の「ひかり」はない。笑っちゃうほどスカスカだ。兵庫県と鳥取県を結ぶ第3セクターの智頭急行みたい。それはともかくとして、「ひかり」は当時、東京~新大阪間を4時間で結んだ。「こだま」は5時間かかった。「ひかり」が「こだま」を追い越す場所は、上り・下りともに浜松駅だった。東海道新幹線の所要時間で考えると、浜松駅は真ん中の駅となるようだ。ではもう一度、新幹線開業時のダイヤを見て、今度は現在の東海道新幹線のダイヤと比較してみよう。現在の東海道新幹線の密度はすごい。画像を縮小したら、線の間が近すぎてつぶれてしまうほど。そしてスピードアップの積み重ねの結果、列車の線が急角度になっている。両者が同じ路線とは信じられないほどだ。開業時の東海道新幹線は、現在では考えられないほどのんびりした様子に見える。「夢の超特急」だったのに!いや、ダイヤはスカスカだけど、まさにこれは「夢の超特急」。当時の東京~新大阪間4時間は驚異的だった。開業後、新幹線の利用客は増え続け、その需要に応えて運行本数を増やしていく。速度も当初の予定だった時速210kmになり、東京~新大阪間の所要時間は3時間10分に。その後もさらなるスピードアップが続き、現在のダイヤができあがった。50年前と現在の列車ダイヤを比較したら、東海道新幹線の成功の様子がひと目でわかった。
2014年10月12日東海道新幹線の開業から50年が経過した。当時の東京~新大阪間の所要時間は約4時間。運転室の乗務員は運転士2名と助士1名の3人体制だったという。運転士1人乗務の現在とはずいぶん様子が違う。ところで、2人の運転士はいつ交替したのだろう? 答えはなんと、天竜川を渡る鉄橋の上。もちろん走行中だった。この話は、埼玉県で開催された新幹線開業50周年記念イベントで、パネルディスカッションに登壇した元運転士、大石和太郎氏によって語られた。大石氏は開業日の新大阪発東京行「ひかり2号」の運転士。時速210kmで走り続けたため、東京駅の到着が速すぎて途中で減速。なんと山手線に追い越されるという珍記録を作った人だ。運転士の交替は天竜川の鉄橋だった。その理由のひとつは、そこがちょうど行程の半分だったから。当時の新幹線「ひかり」は、東京駅から名古屋駅までノンストップだったが、名古屋駅は全体の距離の中では大阪寄りで、ここで交替したら運転士の負担が偏る。仕事量として不公平だ。だからちょうど中間付近にあたる静岡県浜松市の天竜川橋りょうが選ばれた。そしてもうひとつの理由が、いかにも安全を重視する国鉄らしい。「鉄橋の上は見通しが良くて、近隣からなにかが飛び込んでくる心配がない。万が一、交替作業中に目を離しても大丈夫だろう」だったという。じつは、天竜川橋りょうでの交替については、誰が宣言することもなく、自然に決まっていたようだ。なぜなら新幹線開業前、東海道本線の在来線特急「こだま」も、鉄橋で運転士を交替していたから。在来線特急「こだま」の場合、天竜川ではなく安倍川鉄橋だったという。東海道新幹線の運転士交替は、東海道本線の伝統を受け継いだだけだった。じつにシンプルな理由だ。それではなぜ、在来線特急「こだま」は鉄橋で運転士を交替したのだろうか? 前述の「見通しの良さ」「近隣からの障害」だけではなく、在来線特急ならではの理由があった。それは、「これだけの長距離で踏切のない区間が他になかった」から。高速で走る電車特急は、運転士が交替する一瞬だけでも、かなりの距離を走行する。鉄橋以外の場所だと踏切があるから、ここで目を離してはいけない。そこで鉄橋の上が選ばれた。ちなみに在来線特急時代の「こだま」は、東京駅を出発すると次の停車駅は横浜駅。そこから名古屋駅までノンストップで、次が京都駅、そして大阪駅に到着していた。所要時間は6時間50分。最高速度は時速110kmだったという。東海道新幹線の開業前日に、在来線特急「こだま」は運行終了。列車名は東海道新幹線の各駅停車タイプに引き継がれて現在に至る。各駅停車タイプになったとはいえ、新幹線開業時の「こだま」の所要時間は5時間。東海道本線でトップスピードを誇った頃より、所要時間を約2時間も短縮している。運転士交替の話に戻すと、現在の東海道新幹線の運転士は1人乗務。ハイテク機器にサポートされて安全を確保している。もちろん走行中の交替は、相手がいないからできない。運転士の交替は、「ひかり」「こだま」は名古屋駅で行われ、「のぞみ」は原則として新大阪駅まで交替なしとのことだ。※写真は本文とは関係ありません。
2014年10月04日JR東海は東海道新幹線開業50周年記念日となる10月1日、記念クリアファイル50万枚を東海道新幹線利用者に配布する。記念クリアファイルは、東海道新幹線をこれまでに走った0系から最新のN700Aまでの歴代車両と「ドクターイエロー」の計8種類の列車を描いたデザイン。東海道新幹線全17駅の改札口にて、各駅の営業開始以降に改札を通る新幹線利用者に駅係員が1人1枚ずつ手渡す。なくなり次第終了となる。
2014年09月29日JR東海はこのほど、東海道新幹線の架線を低コストな次世代架線に切り替えると発表した。11月以降、東海道新幹線区間の約7割に相当する、曲線半径2,500m以上の明かり区間(トロリ線の交差箇所を除く)に順次導入する。従来の架線は、上から順に吊架線、補助吊架線、トロリ線の3本で構成されているが、今回導入する次世代架線には補助吊架線がなく、吊架線とトロリ線の2本のみ。架線を1本減らすことで部品点数も低減され、導入以降の取替えコストを約2割削減できるという。故障の発生も従来より抑えられる見込みだ。この次世代架線「高速ヘビーシンプル架線」は、長編成、高密度かつ高速走行を特徴とする東海道新幹線に対応する低コストな次世代架線として、JR東海が開発を続けてきたもの。営業線に近い条件下の試験装置(電車線試験装置)による技術開発、高速区間での現地試験を経て実用化に至った。今回導入しない区間についても、引き続き導入に向けた技術開発を進めるとしている。
2014年09月29日東海道新幹線「こだま」は各駅に停まるから時間がかかる。しかし、「ぷらっとこだま」を使うと、かなりお得な料金で乗れるからありがたい。そこで、東京発「こだま」の時刻を眺めてみたら、同じ駅間でも所要時間が短い列車と長い列車があった。車両の性能に大きな違いはないはず。これはどういうことだろう? 今回も列車ダイヤで謎を解こう。早速、東海道新幹線の時刻表を表示させてみよう。注目したい列車は、「こだま631号」「こだま633号」だ。新横浜駅と小田原駅の発車時刻を比較してみる。赤い丸の部分を比較すると、「こだま631号」は新横浜駅6時52分発、小田原駅7時8分発で、その差は16分だ。ところが、「こだま633号」は新横浜駅7時15分発、小田原駅7時36分発で、その差は21分である。ここだけを見ると、「こだま633号」は「こだま631号」より5分遅いと思ってしまう。JTB時刻表によると、「こだま631号」の車両はN700系、「こだま633号」の車両は700系だ。性能はちょっと違うけれど、同じ駅間で走行時間が5分も違うとは考えにくい。この時刻表の表示にはトリックがある。小田原駅の時刻は「発車時刻」だけで、「到着時刻」は表示されていない。「こだま631号」も「こだま633号」もスピードはほぼ同じ。だから所要時間も同じはず。じつは、「こだま633号」は小田原駅で5分間停車している。だから発車時刻だけを比較すると、所要時間に5分も差があるように見えるのだ。この謎は、列車ダイヤを描画させると理解できる。「こだま631号」は小田原駅に停車するとすぐに発車する。「こだま633号」は、実際には7時31分に到着し、「のぞみ203号」と「ひかり461号」に追い越された後、7時36分に発車する。これで、「速いこだま」「遅いこだま」の謎が解けた。ところで、ここでもうひとつの謎が生まれる。時刻表には小田原駅の発車時刻しか掲載されていない。だから、当連載で使用している列車ダイヤ描画ツール「OuDia(おおゆうだいや)」に対しても、発車時刻しか入力しなかった。しかし、ダイヤを表示させると、列車を表す線は発車時刻ではなく到着時刻を示している。これが、「OuDiaが作るダイヤ」と「折れ線グラフ」の違いだ。エクセルで折れ線グラフを作ると、表に入力した数値に合わせて線が描かれる。だからエクセルでも列車ダイヤを描ける。しかし、「OuDia」には列車の所要時間を計算し、到着時刻を推測する機能がある。他の列車と比べて発車時刻が遅い列車がある場合、「停車時間が長い」と判断し、到着時刻を推定してダイヤを描いてくれるのだ。すごい。人工知能か? と思うかもしれないけれど、しくみは簡単だ。「OuDia」は、複数の列車の時刻が入力されたときに、駅間の列車の時刻を比較して、最も短い所要時間を基準とする。たとえばA駅とB駅について、発車時刻の差が2分・3分・4分の列車があったとすると、基準となる最短の所要時間は2分となる。このとき、A駅の発車時刻を「10:00」、B駅の発車時刻を「10:04」と入力すると、「OuDia」は所要時間の2分を基準として、B駅の到着時刻を「10:02」と判断する。ダイヤ上でこの列車は「2分間停車」するように描かれるというわけだ。到着時刻がわかれば、列車の追い越しや単線の駅で列車がすれ違う様子もダイヤに現れる。当連載第7回で紹介した相模鉄道のダイヤも、この機能のおかげで追い越し駅が明らかになった。ちなみに、「基準となる所要時間」は、駅を表す線の間隔にも反映される。駅の間隔は距離ではなく、最短所要時間によって自動的に決まる。だから「OuDia」では、駅間距離の数値を入力する必要はない。この考え方は、方眼紙で列車ダイヤを描画するときにも応用できる。最短所要時間のみで走り、追い越しもなく、単線の待ち合わせもない列車は、ダイヤ上でまっすぐな線になる。ただし、この考え方は、「すべての列車の性能が同じ」という前提になっている。路線によっては、電車だけでなくディーゼルカーや貨物列車も走る。実際にスピードが遅い列車もあるだろう。その場合は個別に各駅の到着時刻を指定する。これで列車ダイヤの線の傾きが変わり、スピードの違いがわかりやすくなる。「最短所要時間を基準とする」機能によって、「OuDia」は列車ダイヤ描画ツールの定番となった。この「OuDia」は、Windows対応のフリーウェアだ。作者「take-okm」氏のサイトから無料でダウンロードできる。そして「OuDia」は16ビットPC時代のフリーウェア「WINDIA」がヒントになっている。「WINDIA」の作者「ふゆき」氏にも、この場を借りてお礼申し上げる次第である。
2014年07月20日JR名古屋駅前のJR名古屋タカシマヤで8月6~17日、中日新聞社とNHKプラネット中部の主催で、東海道新幹線開業50周年記念催事「夢の超特急展」が開催される。運転台やパンタグラフなど実物車両のパーツ、東海道新幹線開業までの経緯や開業当時の資料、東京~新大阪間の大型ジオラマなどが展示されるほか、食堂車を模したイートインコーナーも設置される。毎年好評の子供向け夏休みイベント「わくわくレールランド」も同日程で同時開催し、乗務員やメカニックの仕事体験、鉄道関連商品の販売などを行う。これに先立ち、7月19日からは1階メインステージにて、新幹線の実物車両(先頭車両の一部)を展示するほか、8階ローズパティオを期間限定で「新幹線パティオ」とし、新幹線の座席を設置して自由に座れるようにするという。「新幹線パティオ」では、駅員などの仕事が体験できる子供向けイベントも実施する。車両展示は8月17日まで、新幹線パティオ設置は9月2日まで。また、7月19日から10月14日まで、東海道新幹線開業50周年記念オリジナル商品や限定品、関連グッズをそろえた「新幹線スペシャルショップ」を館内に設置する。同ショップは9月9日まで1階北ブロック特設会場に設置され、9月10日以降は10階南エスカレーター横特設会場に移動する。
2014年06月13日ジェイアール東海ツアーズは30日14時より、東海道新幹線にこの夏設定する子ども連れ専用「ファミリー車両」の旅行商品を発売した。同商品は、小学生以下の子ども1名以上と大人1名以上を含むグループが利用できる「ファミリー車両」の乗車・特急券がセットになったもの。7月20日から9月1日までの全44日間、上下各1本運行、合計88本の「のぞみ」に設定される。大きな荷物にも対応し、申し込み人数にプラス1席をサービス。また、有料人員分の1ドリンク引換券が付く。主な区間の片道旅行代金は、東京・品川駅と名古屋駅間が大人1万円、小児と幼児4,600円。新大阪駅間が大人1万3,200円、小児と幼児5,900円。名古屋駅と新大阪駅間は大人6,000円、小児と幼児3,000円となる。発売締切日は、出発日の4日前まで。同社の「旅の通販デスク」と、首都圏・名古屋地区・関西地区にある主な支店で発売する。利用特典として、全ての子どもに「新幹線プラレール・シール」を、抽選で総計50名に「プラレール新幹線セット」等を進呈する。また、子ども向け弁当「キッズランチ」の割引券を、子ども1名につき1枚進呈するほか、7月20日~31日または8月20日~9月1日に乗車した乗客には、「東海キヨスク1,000円分のお土産券」をグループに1枚進呈する。運行スケジュールなど、詳しくは、同社のホームページで確認することができる。【拡大画像を含む完全版はこちら】
2013年05月30日ジェイアール東海ツアーズはこのほど、小学生以下の子ども1名以上と大人1名以上を含むグループで利用できる、年末年始運行「ファミリー車両」の予約を開始した。同商品は、年末年始の帰省・旅行シーズンに運行される、子ども連れグループ専用商品。東海道新幹線のぞみ号に、子ども連れでも気兼ねなく利用できる専用車両を設定し、快適な旅を楽しんでもらおうというもの。有料乗客人数分のドリンク引換券が付くほか、1グループにつき1席が荷物用として提供されるという。特典としてすべての子どもに「新幹線プラレール・シール」をプレゼント。また抽選で50名に「プラレール新幹線セット」などが当たる。また、12月中の利用者グループには「プラレール展 in OSAKA」の無料入場券が1枚、往復分を同時購入したグループには「東海キオスク1,000円分のお土産券」が1枚、それぞれ添付される。運航日は12月22日~2013年1月14日(12月29日~1月4日は運行せず)。全17日間、上下各1本の「のぞみ」に設定される。主な区間の片道旅行代金は、東京・品川駅~名古屋駅が大人10,000円、小児・幼児4,600円。東京・品川駅~新大阪駅が大人13,200円、小児・幼児5,900円。名古屋駅~新大阪駅が大人6,000円、小児・幼児3,000円など。「大人+子ども」の2名以上からの発売となる。発売締め切り日は出発日の7日前までだが、人気が高いため早めの予約が望ましい。発売場所はジェイアール東海ツアーズ旅の通販デスク、主な支店(首都圏・名古屋地区・・関西地区)。詳細は「ジェイアール東海ツアーズのホームページ」へ。【拡大画像を含む完全版はこちら】
2012年11月19日三井住友カードは26日、東海旅客鉄道(以下JR東海)と提携し、JR東海が10月9日にサービスを開始する東海道新幹線のネット予約&IC乗車サービス「プラスEX」について、三井住友カードが発行するクレジットカード(一部の提携カードおよび法人カードは対象外)で利用できるようになると発表した。「プラスEX」はJR東海が提供するサービスで、手持ちのクレジットカード(「プラスEX」の取扱対象クレジットカード)に“プラス”して、東海道新幹線のネット予約とIC乗車を利用できるサービス。駅に並ばずに、東海道新幹線(東京-新大阪間)の指定席をケータイ・スマートフォン・パソコンから簡単に予約・変更できるほか、一年中変わらない値段で利用できる。このたび三井住友カードおよびVJA(三井住友カードをはじめとする全国の主な銀行・金融機関系カード会社で組織する企業連合62社(提携会社を含め163社))グループ加盟各社の内5社は、カード会員からの「プラスEX」の申し込み受付を開始し、カード会員が保有するクレジットカードで利用できるようにするという。また、三井住友カードではこのたびの「プラスEX」のサービス開始に合わせ、「プラスEX」を期間中(10月9日から12月末)に2万円以上利用した人に、抽選で「三井住友プレミアムギフトカード1万円」ならびに「300系新幹線模型」(1等の場合。2等はギフトカードのみ)があたるキャンペーンも実施する。三井住友カードは「プラスEX」の利用を可能にすることで、クレジットカードの利用用途を拡大し、カード会員の利便性の向上ならびにメインカード化を図っていく。一方、JR東海はこのたびの新サービスの立ち上げにより、東海道新幹線の更なる利用拡大を図っていく。両社は今後も、さらなるサービスの拡充と利便性の向上を図り、顧客に満足してもらえる商品・サービスの提供に努めていくとしている。【拡大画像を含む完全版はこちら】
2012年09月27日JR東海は25日、東海道新幹線N700系以降の技術開発成果を採用したN700A(N700系1000番代)の車両シンボルマークとインテリアデザインを発表した。車両シンボルマークは、奇数号車の両側の車体側面(1編成あたり計16カ所)に配置されることに。東海道新幹線のシンボルといえる青帯と、「Advanced」の頭文字「A」が一体化。「SHINKANSEN series N700 Advanced」とも刻まれており、N700系からの進化を力強く表現するデザインとなっている。インテリアについては、グリーン車、普通車ともにN700系のインテリアを継承しつつ、座席モケットのデザインが変更されている。グリーン車は茶色をベースに生地を霞(かすみ)模様に織り、より落着きを持たせた車内に。普通車は青色をベースに、生地を流れ模様に織ることで、明るく開放感のある車内を演出した。シートのクッション素材には、日本の新幹線では初めて100%リサイクル可能なポリエステルを採用したという。また、トイレや洗面室の照明にLEDを採用するなど、車内の照明電力をN700系と比べて約20%削減している。N700Aは今後、8月に最初の編成が完成予定。来年2月の営業運転開始に向け、試験走行などの準備を進めるとのことだ。【拡大画像を含む完全版はこちら】
2012年07月26日JR東海は28日、東海道新幹線車両の定期検査・修繕を行う車両基地(車両所)4カ所の耐震化を行うことを発表した。工事費は約43億円を予定している。東海道新幹線の地震対策については、東京の総合指令所の機能が損なわれた場合に備えての第2総合指令所の新設、土木構造物の耐震補強、脱線・逸脱防止対策、地震防災システムの機能強化などに取り組んできた。さらに車両の全般検査を行う浜松工場をはじめ、電力・信号・通信といった重要な電気関係機器を収容する施設も耐震化を進めることに。今回の発表によれば、耐震化を行うのは大井車両基地(東京都品川区)、三島車両所(静岡県三島市)、名古屋車両所(名古屋市中村区)、鳥飼車両基地(大阪府摂津市)の4カ所。各施設の検修庫については、「ブレース補強」「方杖補強」などの工法で耐震補強を行う。工期は今年7月から2015年6月までの予定。信号扱所が入っている建物も耐震化が図られることになり、三島車両所の事務所は建て替えられ、名古屋車両所の事務所も耐震補強を実施する。工期は今年7月から2015年12月まで。三島車両所の電源室と鳥飼車両基地の通信機器室も耐震補強を行い、工期は今年7月から2013年9月までの予定となっている。これらの工事により、東海道新幹線の駅や列車運行に関わる建物はすべて耐震化されるとのこと。【拡大画像を含む完全版はこちら】
2012年06月29日東海道新幹線の普通車の座席配置は3列+2列になっている。0系や100系はすべての座席の幅が同じだったから、3列シートの真ん中のB席は窮屈だった。しかし、300系量産車以降、B席の幅が他の座席より30mmだけ広くなった。窓側や通路側は430mm、B席は460mmだ。300系が引退した現在も、700系とN700系の3列座席はB席のほうが広くなっている。ただしN700系では、それまでの形式と比べて窓側と通路側が10mm広くなり、幅440mmとなった。B席は460mmと変わらないから、その差20mmに縮まっている。いずれにしてもB席のほうが広いから、体格の良い人はB席のほうがゆったりとくつろげるだろう。同じ料金でもB席のほうが広いからお得と言えそうだけど、窓際のほうが楽しいと思う人は多いし、通路側のほうが遠慮なくトイレに立てるから良いという人もいる。どの席にも一長一短あるわけだ。ところで、N700系は普通車の一部で従来より座席が狭くなっている。その差はわずかとはいえ、ちょっと損をした気分になるかもしれない。新しい車両のほうが居住性は改善されているはずなのに、これはいったいどういうことだろうか?ちょっとだけ狭い普通車、それは先頭車両の1号車と16号車だ。狭い部分は座席の前後の間隔である。他の普通車は前後の間隔が1,040mmで、これは100系以降から変わらない。しかし、N700系の1号車と16号車だけは1,023mmで、17mmだけ狭くなっている。その理由は先頭車の形状に関係している。新幹線の先頭車は、伝統的に流線型になっている。空力やトンネルに入るときの衝撃を軽減するためで、新型車両が出るたびに改良されてきた。N700系の先頭車は、700系の先頭車形状を進化させた形で、「エアロ・ダブルウィング」と呼ばれている。その長さは10.7mで、700系の9.2mより長い。しかし車体の長さは同じだから、流線型部分を長くするには客室の前後長を短くする必要があった。つまりN700系の先頭車は、700系の先頭車より客室が短い。その上で、N700系と700系は座席数を同じくした。そのために座席の間隔を縮めたというわけだ。指定席を取るなら16号車、自由席に並ぶなら1号車は要注意かもしれない。もっとも、N700系は窓側の各座席にコンセントがあり、ノートパソコンを使う人も多い。そんな人の中には、テーブルが近くて使いやすいという人もいる。いずれにしても、「N700系の1号車と16号車は前後間隔が狭い」は覚えておいたほうがいいだろう。N700系といえば、山陽新幹線と九州新幹線を直通するタイプもある。「みずほ」「さくら」に使われている7000番台や8000番台だ。こちらの先頭車の座席間隔は、他の車両と同じ1,040mmで、他の普通車と同じになっている。そのためにわざわざ定員を減らしたからだ。東海道・山陽新幹線のN700系先頭車の座席番号は1番から13番までだが、九州新幹線直通タイプは12番までとなっている。九州新幹線に限定した場合、「さくら」「つばめ」の自由席に乗るならN700系より800系のほうがゆったりしている。指定席・自由席ともに2列+2列の配置で、座席の幅が広く取られているからだ。【拡大画像を含む完全版はこちら】
2012年05月26日JR東海はこのほど、新幹線N700系の改造について発表した。2013年2月頃にN700Aを営業投入する予定で、N700Aに採用する機能の一部をN700系にも反映させるため、改造を行うとのこと。N700A(「A」は”Advanced”の略)は、N700系以降の技術開発成果を採用した車両として製作が進められ、来年2月頃の営業投入を予定している。これにともない、東海道新幹線のさらなる安全安定輸送を実現すべく、N700系も改造されることになった。おもな改造内容として、同社は中央締結ブレーキディスクの搭載と定速走行装置の搭載を挙げている。現行の内周締結ブレーキディスクから中央締結ブレーキディスクに変更することで、より強いブレーキ力を発揮し安全性向上が図られる。また、定速走行装置の採用により、ATC信号に沿った安定した運転も実現するという。N700系の改造は、2013年度から2015年度の約3年間で実施。計80編成を対象に、全般検査時に浜松工場で改造を行う。費用は約230億円(概算)を予定している。【拡大画像を含む完全版はこちら】
2012年04月24日16日に引退した新幹線300系は、東海道新幹線の歴史を変えた車両だった。東海道新幹線は開業以来、速達型の「ひかり」と各駅停車の「こだま」の2種類を運行していたが、300系は3番目の種別「のぞみ」を運行するために作られた。最高時速270kmを達成し、ちょうど20年前の1992年3月14日に営業運転を開始した。その一番列車「のぞみ301号」は、新幹線史上唯一の停車駅パターンとなっていた。なんと名古屋駅と京都駅を通過していたのだ。東京駅6時0分発、新横浜駅6時15分着・6時16分発、新大阪駅8時30分着。当時、「ひかり」さえ一部の列車しか停まらなかった新横浜駅に停まる一方、名古屋駅と京都駅は通過した。この扱いに名古屋の人々は激怒したという。この扱いは約5年8カ月も続き、1997年11月に「のぞみ301号」は廃止された。鉄道路線に新型車両を投入する理由は、おもに「古くなって廃止する車両を置き換えるため」だ。しかし300系は単なる新旧交代が目的ではなかった。新幹線そのものの商品力を高めるため、もっと速く走らせる必要があったのだ。その第1の理由は航空業界の規制緩和だった。国はアメリカの航空規制緩和を受けて、まず国際線、次に国内線の規制緩和に着手。全日空に国際線就航を認める一方、新しい航空会社の新規参入も認める方針を決めた。競争を促すために運賃の価格競争を認めた結果、東京~大阪間の航空運賃が下がった。もちろん飛行機と新幹線では座席数に圧倒的な違いがあり、飛行機が安くなったところで新幹線の客をすべて奪われるわけではない。しかしビジネスにおいては、5~10%程度の乗客減少も大きなダメージとなる。JR東海はこの勝負に受けて立つ必要があった。そこで立案された計画が、「ひかり」より速い「スーパーひかり」こと「のぞみ」の運行だ。300系は「のぞみ」として、飛行機と勝負する使命を背負って走り始めた。300系が実現した時速270kmは、車両の性能だけでは実現しなかった。高速で安定した走行を実現するため、線路のカーブの傾きなどが改良された。300系を走らせるために、東海道新幹線は路線ごとリフォームされたわけだ。300系は2階建て新幹線100系や、奇抜な先頭車形状の700系に比べると、デザイン的には印象が薄いという声もある。だが、東海道新幹線の歴史のなかで、300系がもたらした影響はとてつもなく大きい。「のぞみ301号」が名古屋駅と京都駅を通過した理由は、飛行機に対抗する都合上、新大阪駅にどうしても朝8時30分に到着したかったからだ。新大阪に8時30分に到着すれば、大阪のたいていの企業には9時に到着できる。つまり、「朝イチの会議に間に合いますよ」とビジネスマンにアピールしたかったのだ。新幹線は保線や沿線環境の条件から、営業運転は朝6時以降。東京駅を6時に出発して、新大阪駅に8時30分に着くためには、名古屋駅、京都駅停車では間に合わなかった。ただし、不思議なことに同じ時間帯の上り「のぞみ302号」は名古屋駅と京都駅に停車していた。しかも新大阪駅6時ちょうど発、東京駅8時30分着だ。なぜ下り列車は名古屋駅と京都駅を通過し、上り列車は停車できたのだろう? 理由としては、名古屋・京都・新大阪の駅間が短く、実質的に旅客需要がなかったとも考えられる。もうひとつの理由として、当時の東海道新幹線は早朝の東京寄りの区間で減速する必要があったという。新横浜駅停車は所要時間に影響がなかったものの、徐行の遅れを回復するため、その先で停車駅を減らす必要があった。前述の通り、1997年11月に「のぞみ301号」は廃止されている。東京駅6時0分発を引き継いだ「のぞみ1号」は、京都駅、名古屋駅に停まっても8時30分に新大阪駅に到着できた。ただ、このときの「のぞみ1号」は300系ではなかった。東京に乗り入れを開始したばかりの、当時のJR西日本の最新型車両500系だった。【拡大画像を含む完全版はこちら】
2012年03月17日