近年、海外の映画祭や各映画賞をにぎわせる日本人俳優たちの活躍が数多く聞かれる。日本での活動はもちろん、海外で製作された映画にTVドラマ、舞台とその活躍の幅を広げている。“ハリウッド俳優”の仲間入りする者も少なくなく、国境や言葉の壁を越えた彼らの活躍は、同じ日本人にとって嬉しいもの。シネマカフェと旬の俳優のインタビューを中心に映画、演劇の最前線を届ける雑誌「acteur アクチュール」のコラボレーションによるランキング企画では、ずばり「海外での活躍に期待する俳優」をテーマに読者投票を実施した。注目の結果をここで発表!海外で活躍するなら、やはり英会話能力は必須!ということで、帰国子女で180センチのモデル体型、さらに容姿端麗の慶應ボーイと、海外でも通用するポテンシャルを持つ水嶋ヒロが並みいる強豪を押しのけ、圧倒的な得票で見事1位を獲得!映画『BECK ベック』では流暢な英語を披露しており、その語学力はファンはもちろん、広く知られるところ。「語学がネイティブ並みに堪能。容姿が海外の人に引けをとらないほど端麗」(30代・女性)、「あの英語力と美貌で世界を魅了してほしい」(40代・女性)とその期待値はかなり大きい様子。さらに、「自分の意見をきちんと持っている」(30代・女性)、「ストイックに役柄に向き合うところ」(50代・女性)と生まれ持った才能に加え、役者としての資質に期待する声も。2位には、同じく『BECK ベック』での共演者がランクイン。今年、爆発的に知名度を上げ一躍人気俳優へのステップを駆け上がった明治大学出身の超秀才俳優・向井理。帰国子女ではないが、今年劇場公開された主演作『僕たちは世界を変えることができない。 But, we wanna build a school in Cambodia.』のプロモーション時には、日本外国特派員協会にて行われた会見で外国人記者を相手に堂々の英語スピーチをやってのけ、世間を驚かせた。「英語も堪能だし、体格的にも恵まれている。海外で活躍するいままでの日本の俳優さんにはいない爽やか系」(30代・女性)、「透明感のある視線、日本人ならではの爽やかな雰囲気を世界に広めてほしい」(30代・女性)と英会話能力と共に日本男優ならではの“爽やかさ”を武器に海外進出を望む女性が多数。一方、惜しくも僅差で3位となったのは岡田将生。現在公開中の『アントキノイノチ』で主演を務め、釜山映画祭での上映や第35回モントリオール世界映画祭での「イノベーションアワード」受賞を経て、海外での評価を集めた岡田さんには「世界共通のイケメン。まだ22歳、可能性を秘めている」(30代・女性)、「アンドリュー・ガーフィールドのような繊細さと、他をよせつけぬ男前。あとは経験でしょう」(20代・女性)とこれからの成長に期待する声が。本作で不安定な若者の心を見事に演じきった彼がどんな俳優に育っていくのか。日本のみならず世界からの注目度は今後増していくはず。続いて第4位には加瀬亮。クリント・イーストウッド監督作『硫黄島からの手紙』や間もなく公開されるガス・ヴァン・サント監督の最新作『永遠の僕たち』で、上位3名より一足早く海外作品への進出を果たしている。「空気感がしっかりしていて、どこに行っても負けなさそう。出演映画も海外で評価されているから」(20代・女性)と俳優としての実績、安定感ともに申し分ないとの意見が集まった。実は、幼少期をアメリカ・ワシントン州で過ごしている加瀬さん。語学力においても上位3名の中でも実はトップかも?そして、5位には渡辺謙がランクイン。『ラスト サムライ』への出演以降、“ケン・ワタナベ”の愛称で海外から多数のオファーを受ける正真正銘の“ハリウッド・スター”である。「いままで以上の活躍を期待したい」(60代・男性)という声に表れているように、ハリウッド作品での初の日本人主演の偉業に期待がかかる。このほかにも、『ヒミズ』で注目を集める染谷将太を始め、高良健吾や二宮和也(嵐)、女優陣では満島ひかり、榮倉奈々といった若手俳優勢に期待する声も多く聞こえた。来年の世界3大映画祭での日本人俳優たちの活躍にも期待したいところ。「acteur アクチュール」公式サイト■関連作品:はやぶさ遥かなる帰還 2012年2月11日より全国にて公開© 2012「はやぶさ」製作委員会永遠の僕たち 2011年12月23日よりTOHOシネマズシャンテ、シネマライズほか全国にて順次公開アントキノイノチ 2011年11月19日より全国にて公開© 「アントキノイノチ」製作委員会僕たちは世界を変えることができない。 But, we wanna build a school in Cambodia. 2011年9月23日より全国にて公開© 2011「僕たち」フィルムパートナーズBECK ベック 2010年9月4日より全国にて公開© 2010『BECK』製作委員会/© ハロルド作石/講談社■関連記事:難役乗り越え、会心の笑み松坂桃李『アントキノイノチ』舞台裏の貴重な写真が到着“ほっとけない男子”俳優No.1は岡田将生!人気子役・鈴木福は僅差で3位渡辺謙、映画『はやぶさ』の被災地での試写会実施を約束岡田将生「何だよ、みんな…」榮倉奈々ら共演者&瀬々監督からのサプライズに号泣!9割の人が絆について考えたと回答!『アントキノイノチ』グッと来るシーンは…?
2011年12月14日記憶を失った“三股男”のドタバタ恋愛劇を描いた『指輪をはめたい』が11月19日(土)、全国で公開初日を迎え、主演の山田孝之を始め、共演する小西真奈美、真木よう子、池脇千鶴、二階堂ふみ、そしてメガホンをとった岩田ユキ監督が東京・新宿バルト9で初日舞台挨拶を行った。記憶喪失でプロポーズする相手を忘れてしまった男・輝彦(山田さん)と彼の前に現れた全くタイプが異なる3人の花嫁候補(小西さん、真木さん、池脇さん)。輝彦が本当に愛していた相手とは?手がかりを求めて記憶を失ったスケートリンクに赴いた彼は、そこで謎のスケート少女(二階堂さん)に相談するが…。原作は芥川賞作家・伊藤たかみの同名小説。山田さんは本作のキャンペーン期間中、「男性に向けた作品」だとアピールし続けてきたと言い「原作者も男性ですし、男が結婚するにあたってどういうことを考えるのか?自分自身、その点は面白いなと共感できた。作品のイメージから女性にはさしてアピールしなくても(笑)、ちゃんと観に来てくれるかなと」。実際、客席には男性客の姿も多く見られ「アピールした甲斐ありました!」と満足そうな表情だった。そんな山田さん演じる輝彦について、この日登壇した女性MCが「いわゆる“ロールキャベツ男子”ですね。外側は草食系で、内側は肉食系っていう…」と持論を展開すると、山田さん本人は「どんどんそういう言葉が出てくるんですね。初めて聞きました」と苦笑いだった。一方、女性陣も個性豊かな演技で作品を盛り上げており、輝彦の上司で才色兼備の智恵を演じた小西さんは「パッと見はパーフェクトな女性ですけど、実は内側には情熱を持っていて、猪突猛進タイプ。人間臭く感情を爆発させるところが可愛らしい」と自己分析。真木さんは“セクシー風俗嬢”というこれまでのイメージを一新する役柄に「これを逃したら、こういう役は二度とできないなと思って。現場ではあれこれ考えたが、頭では正解を出せないので、体当たりでぶつかった」と役柄そのままの心意気を披露。人形劇で生計を立てる“ちょっと重い”女性・和歌子を演じる池脇さんは「とにかく輝彦さんと人形劇が好きで好きでたまらない。それだけで生きているような部分がある」と語った。『ヒミズ』(園子温監督)で共演者の染谷将太と共に日本人初のヴェネチア国際映画祭マルチェロ・マストロヤンニ賞(最優秀新人賞)の受賞も記憶に新しい二階堂さんは、スケートリンクでの撮影を「とにかく寒くて、靴も足も冷えてしまって、筋肉が硬直した」とふり返った。そんなバラエティに富んだキャラクターの右往左往を、ファンシーに描いた岩田監督は「漫画チックな部分があるが、それをウソがないようにみなさんが演じてくれた」とキャストに感謝。「カッコつけたいとか、誰かに嫉妬したりとか、人間の原始的な感情の成長を描きたかった」とアピールしていた。『指輪をはめたい』は、新宿バルト9ほか全国にて公開中。■関連作品:ヒミズ 2012年春、シネクイントほか全国にて順次公開© 『ヒミズ』フィルムパートナーズ指輪をはめたい 2011年11月19日より新宿バルト9ほか全国にて公開© 2011 Kino Films/Kinoshita Management Co.,Ltd■関連記事:山田孝之インタビュー「夢はない。でも、芝居は楽しくて仕方ない」山田孝之、結婚は「タイミングと巡りあわせ。機が来ればすぐにでもGO!」園子温&神楽坂恵が婚約を改めて報告「私の“恋の罪”でお騒がせして」と照れ笑い名匠が被災地に捧げる3分11秒の短編が東京初上映!ワークショップも開催決定あなたは見つけられる?『指輪をはめたい』特製デコトラ“迷走”中!
2011年11月21日石井聰亙から石井岳龍(がくりゅう)に改名した石井監督が、『五条霊戦記//GOJOE』以来約10年ぶりとなる劇場用長編作品『生きてるものはいないのか』を発表。16日に都内で行なわれた完成披露試写会に主演の染谷将太と共に登壇した。その他の写真映画『生きてるものはいないのか』は、岸田國士戯曲賞受賞した劇作家・前田司郎の代表作を映像化。とある大学を舞台に、18人の登場人物が次々と死に直面する様を、コメディ会話劇と、石井監督の得意とするパンク表現を交えて描いた不条理劇。石井監督は冒頭で改名について「よく漢字を間違われるし、あまり“聰亙”に思い入れもなかったので、生まれ変わったつもりで心機一転したかった」と説明。主演の染谷将太は、『ヒミズ』(園子温監督)で、ベネチア国際映画祭の最優秀新人俳優賞にあたる“マルチェロ・マストロヤンニ賞”を受賞した注目の若手俳優だが、石井監督は起用の理由は「『パンドラの匣〈はこ〉』(2009年公開)を観て、久々にスクリーン映えのする、とても力のある男優さんだと思ったから」と話し、「すべてはラストシーンに向かって作られている作品で、今回の芝居は大変難しく、私の求める要求も高かったので、できる方たちにお願いした」と、染谷ほかオーディションで選ばれた17人の出演者たちを絶賛した。本作で喫茶店の店員として登場する染谷は、「台本がものすごく分厚く、ここまで会話の多い作品は初めて。石井監督は基本的に任せてくれるので、役をどう演じるか自問自答していたら頭がグルグルしてしまった」と苦笑し、「ある意味、これは試練だと思って、実際に喫茶店でバイトをした」と明かした。最後に石井監督は「日本映画界はこの10年で激変し、作品を作りづらくなっているが、私としては本作を成功させて、次の意欲的な作品につなげたい」と映画にかける熱い想いを語った。『生きてるものはいないのか』2012年2月18日(土)よりユーロスペースほかにて公開
2011年11月17日石井聰亙改め石井岳龍監督の『五条霊戦記 GOJOE』以来10年ぶりとなる劇場長編『生きているものはいないのか』の完成披露試写会が11月16日(火)に開催され、石井監督と主演の染谷将太が舞台挨拶に登壇した。劇作家であり、芥川賞候補となった「グレート生活アドベンチャー」(新潮社刊)や竹野内豊主演で映画化もされた「大木家のたのしい旅行 新婚地獄篇」(幻冬舎刊)など小説家としても活躍する前田五郎の岸田國士賞受賞の同名戯曲を映画化した本作。病院に併設され、妖しい都市伝説がささやかれる大学を舞台に、18人の登場人物が次々と不可解な最期を遂げていくという不条理劇が展開する。久々の劇場公開作品のお披露目ということで「緊張してます」と石井監督。この10年間の沈黙について「いろいろ企画はあったんですが、いろんな理由で残念ながら実現しなかった」と悔しさをにじませる。だからこそ「私が大切だと思うような映画、面白いと思うような映画が、いまの日本映画界では作りづらくなってしまいました。何としてもこの作品を成功させたい」と強い思いを訴える。改名は2年ほど前。「勝手に変えて申し訳ない(笑)」と頭を下げつつ、その理由を問われると「元々、前の名前に思い入れがなくて、必ず間違われるのでいつか変えたいと思ってたんです。神戸で人材の育成に携わったり、今回の映画のきっかけとなるプロダクションを作ったので心機一転。(社名が)『ドラゴンマウンテン』なので岳龍です(笑)」と説明した。染谷さんは、劇中で展開される脱力系のギャグと不条理な物語について「言葉にできない不気味な面白さがあって惹きつけられました」と語る。石井監督からのオファーを喜ぶ一方で、監督について「最初は怖いイメージがあった」と述懐。「リハーサルをみっちりやったんですが、監督はけっこう静かで、少ない言葉で的確な指示を出してくださるんです。基本的には任せてくれるんですが、自問自答しながらグルグルしてました」と苦労を明かした。役柄は喫茶店の店員だが、実際に役作りのために喫茶店でのアルバイトまで経験したという。「普段は役作りとかはしないんですが、リハーサルが終わって『どうしたらいいんだ?』と悩んで、トイレで用を足してたら隣に監督が来たんです。そのとき、ふと思い立って『石井さん、バイトして来ます』と言いました(笑)」とそのときのやり取りをふり返った。敢えて監督に質問はせず「試練だと思って感じたままやった」と染谷さん。石井監督はそんな染谷さんについて「『パンドラの匣』を観たんですが、久々にスクリーン映えする、アップになって力を感じさせる俳優が出てきたなと思い、ぜひ仕事したいと思った」とその実力を高く評価。染谷さんは「監督から自分のことについて聞くのは初めてですが、嬉しいです」と照れくさそうに笑みを浮かべていた。『生きているものはいないのか』は2012年2月18日(土)より公開。■関連作品:生きてるものはいないのか 2012年2月18日よりユーロスペースほか全国にて公開© DRAGON MOUNTAIN LLC.
2011年11月16日恋した相手を遠くから見つめていた日々、好きな人と2人きりになった時のドキドキ感、切なすぎて涙がとまらなかった想い出…誰にでも忘れられない“初恋”があるものだ。11月4日からスタートした日本映画専門チャンネル「First Love〜ボクらの初恋〜」特集では、“初恋”をテーマにした作品を毎週金曜日に放映中。『空気人形』、『サヨナラCOLOR』、『ウルトラミラクルラブストーリー』など、さまざまな視点から初恋を描いた映画が数多くラインナップされているほか、俳優の染谷将太がナビゲーターとして出演している。そこで、彼が主演する、誘拐監禁事件の被害者である男女のピュアで残酷なラブストーリー『嘘つきみーくんと壊れたまーちゃん』について、染谷さん自身の初恋の想い出について、“初恋”をキーワードに19歳の俳優の今と過去とこれからを語ってもらった。染谷さんといえば、先日のヴェネチア国際映画祭で上映された園子温監督作品『ヒミズ』で、最優秀新人賞にあたるマルチェロ・マストロヤンニ賞を受賞したことで、一躍注目を浴びている期待の若手実力派。9歳の頃から子役として活躍、19歳を迎えた現在は「自分がこれからどんなところに向かっていくのか、それが楽しみなんです。単純に映画が好きなので、素晴らしい監督と素敵な役者さんたちとたくさんのスタッフと一緒に仕事ができていけたら、それだけで幸せ」と、映画の世界にどっぷりと身を置いている。彼が俳優として生きていこうと決意したのは『14歳』という映画への出演、それがきっかけだった。「周りの役者さんに刺激を受けて、初めて自分が“映画の現場にいる”っていうことを意識した作品でもあって──そのとき、俳優をずっとやっていけたらいいなと思ったんですよね」と、4年前の自分自身の決意を思い返す。よく行く場所は名画座、最近のブログに綴られているのは『シネマトグラフ覚書』、『宣戦布告』、『狂った野獣』といった作品。そこからも染谷さんがどれだけ映画の世界に惹かれているのか、容易に察することができる。長所は、好きなことはとことんのめり込むこと。短所は、苦手なものは触りもしないこと。自分の性格をそう分析する染谷さん。『嘘つきみーくんと壊れたまーちゃん』では、まーちゃんを一途に愛するみーくんを演じているが、とことんのめり込む性格だからこその苦労もあった。「初めて台本を読んだとき、みーくんは純粋すぎるというか、純粋すぎて気持ち悪い正義のヒーローだなと思ったんですよね(笑)。撮影前の準備としては、監督の瀬田(なつき)さんからバスター・キートンの映画を観ておいてほしいと言われていたので、彼の作品は観ました。キートンの無表情なのにコミカルな動きというのが、みーくんに通じるものがあるんじゃないかという理由なんですけど、無表情だけど暗くならないように演じる、それがなかなか難しくて。実際、リハーサルの段階では全然みーくんをつかめていなかった…。でも、初日のファーストカット、本編ではカットされているシーンなんですけど、そのシーンを撮ったときに『これだ!』って思えたんです。(まーちゃんが通う)学校を探して道を歩いている、ただ歩くだけのシーン。セリフがなくて動きだけのシーンが最初の撮影だと役柄をつかみやすいんです。そういえば、『ヒミズ』も動きだけのシーンがファーストカットでしたね」。役が下りてくる、役が入り込む、そんな演技をする俳優はよく憑依型と言われる。染谷さんの話を聞いていると彼もまさにそのタイプであることは間違いなく、「役に集中するのはカメラの前に立ったときだけにしたいと思っているんです。性格上、そうしないと持たないというか。撮影が終わると、1週間ぐらい何もやる気が起きなくなるんですよね。“みーまー”をやっていたときは、まだ高校生だったんですけど、学校に行っても放心状態で。自分でも知らないうちに、映画の現場では常に興奮している状態にあるのかもしれないですね。なんていうか、小さな子供がディズニーランドに行って帰ってきて、遊び疲れてぶっ倒れる、そういう感覚に近いのかも(笑)」という話からも、演じているときの集中力の大きさが伝わってくる。もちろん、そこにたどり着くまで、撮影初日を迎えるまでにさまざまな準備をしている努力があってこそ。興味深いのは、準備で身につけた知識を撮影前に「すべて削ぎ落とすこと」が染谷流の取り組み方であることだ。「いろいろやってみて、削ぎ落ちたという感じですね。めちゃくちゃ大量の油を使って揚げた揚げ物の油を、クッキングペーパーで搾り取って、結果、芯しか残らなかったっていう感じ?毎回、どの現場でもそうなんですけど、準備期間中に監督といろいろと話をしたり、どれだけリハーサルを重ねても、初日にそれをぜんぶ壊しちゃう、ぜんぶ捨てちゃうんです。準備しているときは、後で捨てるぞ!とは思っていないですけどね(笑)」。凜としてキリッとした顔立ちからクールさを感じさせる染谷さん。その寡黙に見える美しい仮面の奥には、映画を愛して止まない、演技のことを話し出したら止まらない熱い情熱があった。けれど、初恋特集にちなんで自身の恋愛観に話が移ると、急に言葉数が少なくなり照れ出す──。とても正直な人だ。そして、はにかみながら語ってくれた初恋の想い出は、幼稚園の頃の想い出。「初恋は…幼稚園のときですね。初めて好きになった女の子に、ある日のお弁当の時間、好きな人はいるの?って聞かれたんですよ。僕、あなたですって(ストレートに)言っちゃったんですよね。そしたら、その場がシーンとなっちゃって。その後、向こうから話しかけてこないので、僕も話しかけづらくて。そのまま話さなくなって、あやふやのまま卒園しちゃったんです。別々の小学校に進んだんですけど、たまにすれ違うこともあって。でも、声をかけてもらえず…。それが僕の初恋(苦笑)。面と向かって“あなたです”なんて、今の自分じゃ絶対に言えないですけどね」。では、今だったらどう答える?「うーん…、それなりにいるんじゃないですかねぇ、とか言ってごまかしちゃうかな。基本、告白もしないし、待つこともしないタイプ。気になる子が自分のことを好きだって知って、攻めてこられると引いちゃうこともあるし。だから、いつの間にか付き合っている、というのが理想。ただ、これまでに友達から恋愛に発展したことはないので、たとえば、僕がその女の子を好きなことも、その子が僕のことを好きなのも両方好きなことを知っている友達がいて、その友達が仲介役になって自然に付き合うっていう、そういう始まり方なら…(笑)」。俺ってダメだなぁと言葉を詰まらせながらも、自身の恋愛観を語るその無器用さもまた魅力的。そして、『嘘つきみーくんと壊れたまーちゃん』で演じたみーくんの一途さを「みーくんのまーちゃんに対する感情はとてもシンプル。愛しているだけ。ただまーちゃんを愛しているだけ、それに尽きると思います」と真剣に力強く訴えるその言葉にこそ、染谷さんの恋愛観があるような気がしてならないのは、やはり彼が演技派だからなのだろうか──。(text:Rie Shintani/hairmake&styling:Miyuki Abe)特集「First Love〜ボクらの初恋〜」CS日本映画専門チャンネルにて、11〜12月の毎週金曜、初恋をテーマにした映画作品を放送。TV初放送となる染谷さん出演の『嘘つきみーくんと壊れたまーちゃん』を始め、さまざまな初恋の形を描いた邦画をセレクトしてお届け。映画本編の前後には、チャンネルだけでしか見られないオリジナルである染谷さん出演の映画紹介ミニ番組もあわせて放送。「嘘つきみーくんと壊れたまーちゃん」放送日: 11月25日(金)23:30〜ほか日本映画専門チャンネル:■関連作品:嘘つきみーくんと壊れたまーちゃん 2011年1月22日より角川シネマ新宿、シネマサンシャイン池袋ほか全国にて公開© 2010 「嘘つきみーくんと壊れたまーちゃん」製作委員会■関連記事:大政絢、華やかミニスカートで登場し受験生にエール!大政絢インタビュー「仕事で泣きそうになること?ある…けど我慢してます(笑)!」大政絢20歳の抱負「柴咲コウさんみたいな女優に」大政絢主演!『嘘つきみーくんと壊れたまーちゃん』試写会に20組40名様ご招待シネマカフェ読者ゴコロなんでもベスト5(第9回) 来年ブレイクしそうな俳優は?
2011年11月14日園子温監督の『恋の罪』が11月12日(土)に公開を迎え、園監督を始め、主演の水野美紀、冨樫真、神楽坂恵、津田寛治、小林竜樹が都内劇場で行われた舞台挨拶に登壇した。園監督が、渋谷のラブホテル街で起きた殺人事件にインスパイアされる形で作り上げた本作。円満な家庭を持ちつつも浮気する女刑事、満たされない小説家の妻、夜になると娼婦としてホテル街を徘徊する大学助教授という3人の女性を中心に女の業や欲望が描き出される。念願叶って園作品への出演を果たした水野さんは「監督に新しい一面を引き出していただいた」と充実の表情。自身が演じた女刑事・吉田役について「セックスが愛を確認するためだけの行為でなく、女性にとって渇望や心を満たす代償行為であるということは、女性なら肌で分かると思います」と女性ならではの共感を口にした。大学助教授の美津子を演じた冨樫さんは「美津子の言葉のひとつひとつが印象に残ってますが、『セックス』という言葉を大声で言うところは『こんな大声で言ってたのか…』と驚きました。普段、言う機会がないので…良い体験でした(笑)」と語り、会場の笑いを誘った。小説家の妻・いずみ役の神楽坂さんは、園監督と共にカンヌ国際映画祭に赴いた。夫役の津田さんとのお風呂場でのやりとりに現地の観客が大爆笑していたことを明かし、風呂に入り裸の津田さんと向き合ってのシーンについて「すごく真剣にやってて、私も(津田さんに)触りたかったです」と過激発言。映画を鑑賞したばかりの客席は大いに沸いた。その津田さんはオーディションで小説家の夫役をつかんだ。「何とかオーディションに行けるように仕組んで、監督の前で演技したんですが、緊張して落ちたと思ってたら受かった。涙が出るほど嬉しかった」と大興奮。監督に言われたという「おれが役者に求めているのは『カーペンターズ』の歌声じゃなくてジャニス・ジョプリン」という言葉を紹介し「あかをかなぐり捨てて裸でぶつかりました」と胸を張った。映画初出演となった小林さんは女優陣による強烈なシーンに触れ「ただただ凄まじいとしか言えない。素晴らしい女優さんたちと監督による凄まじいセリフ。それが彼女たちの口から発せられるとき、目がカッと変わるんです。パワーとエネルギーを感じました」と圧倒されたようだ。監督は立ち見もありの大盛況に「感無量です」。「こういう映画でも(客が)入るんだと映画界に教えられるし、映画の可能性として多くのプロデューサーに驚きと意外性を与えられる」と語り、感謝の思いを伝えた。『恋の罪』はテアトル新宿ほか全国にて公開中。■関連作品:恋の罪 2011年11月12日よりテアトル新宿ほか公開にて公開© 2011「恋の罪」製作委員会■関連記事:『恋の罪』水野美紀インタビュー「愛じゃなくて、恋なんです」川島なお美、園子温監督の新作『恋の罪』は…性悪女みたいなブルゴーニュワイン園子温&神楽坂恵が婚約を改めて報告「私の“恋の罪”でお騒がせして」と照れ笑い冨樫真トークショー付き『恋の罪』女子会試写会に40組80名様ご招待園子温が「稲中卓球部」古谷実の人気漫画「ヒミズ」を映画化!主演に染谷将太
2011年11月14日「男性にとってはホラー映画」という水野美紀の言葉を決して笑えない。20世紀が終わりを迎える直前に渋谷のラブホテル街で実際に起こった事件にインスパイアされる形で製作された映画『恋の罪』。監督の園子温は本作を「セックス・アンド・ザ・シティ」の“裏通り版”と称したが、物語の軸となる3人の主人公たちの“女の業”がこれでもかとえぐり出されていく。近年、多彩な役柄に挑戦し、新たな境地を開拓し続ける水野さんだが、本作を経て「解放された気がする」とも。その真意は――?優しい夫と息子に囲まれながらも不倫に走る女刑事。小説家の夫を持ち、何不自由ない暮らしを送りながらも満たされない思いを抱える世間知らずの妻。昼は大学助教授、夜は売春婦という2つの顔を持つ女。それぞれの動機に動かされ、情欲に身をゆだねる姿は一見、奇異に映るが水野さんは「実は結構、リアルな気がしてます」と語る。「すごく振り切った描かれ方をされていますが、監督は女性の本質を見抜いて作っているように感じました。私が演じた吉田は職業こそ刑事ですが、特別な人間という感じはないです。こうやってインタビューを受けていても、インタビュアーが男性か女性かで感じ方がハッキリと違うのが面白いです。仕事もバリバリやって、幸せな家庭もあるけど不倫しているという彼女を、女性は割と疑問もなく受け入れるんですが、男性は『何が不満なんだ?』って。不倫に走る特別な理由が描かれていないことが怖いし、理解できないみたいです(笑)。逆に女性は『そうだよね』と最初からそこを共通言語として理解してるんです」。水野さん自身も演じる上で、この吉田という役柄をすんなりと受け入れることができたと明かす。「女性の業とか欲、性的な部分にスポットが当てられていますが、男性も幸せな家庭があってもそれとはまた違った刺激を求めて不倫をしますよね(笑)?女性は女性で種類は違うかもしれないけど同じように業を持ってると思います。女性って、一度スイッチが入ったらとことん行っちゃうという傾向もあると思うんです。吉田は何とか理性で境界線を越えずに踏みとどまってますが…。ただ自分でコントロールできない本能や性(さが)みたいなものは誰にでもあって、『それを満たしてくれるものがどこかにあるんじゃないか?』、『その先を覗いてみたい』という興味や希望を持っちゃうと転げ落ちていくんだろうなと思います」。ちなみに水野さん自身、己のコントロールを失い、転げ落ちていったというような経験は…?「気づかないものなのかな、と思うんです。周りから見たら危なっかしくなるような行動を取っていても、自分ではそういうときは気づけないんじゃないかと…。堕ちてるつもりがないんでしょうね。神楽坂(恵)さんが演じた主婦もそうですよね。自分では解決に向かってると思ってるんですから。そう考えると怖いですね(笑)」。メガホンを握った園子温は日本で数少ない“鬼才”と称される映画監督。水野さんは以前から園作品のファンで今回、念願叶って園組初参戦となった。厳しいリハーサルで知られる園監督だが、水野さんは「現場ではすごく温厚で、一回も声を荒げるところを見たことがない。とにかくエネルギーの高いプロフェッショナルな現場だった」と現場をふり返る。改めてその魅力を聞いてみた。「詩人ですね。すごく繊細で刺激的で何にも媚びていなくて、どの作品にも物悲しさがある。それが針を振り切った表現と共存しているところが面白い。お会いするとすごくシャイな方です。傷つきやすそうで、普通に生活していくのが大変そうに見えます。それが撮影現場に入ると、憑き物が落ちた仙人みたいに穏やかになって楽しそうなんです。きっと現場にいて映画を作ってないと死んじゃう人なんじゃないかって…。引いた目でモノを見てニーズに合わせて作るようなタイプではないです。切実に…自分の中にある感情を処理するため、自分の中の毒やうみを出すために映画を作って、そうやってバランスをとって生きてるように私には見えました」。映画は冒頭、水野さんがホテルで不倫相手と激しく交わるシーンで幕を開ける。「とにかく監督の作品に出たかった」とフルヌードも厭わず、文字通り体当たりの演技を見せているが、彼女の反応はあっさりとしたもの。「正直、そういうニーズは自分にはないものだと思ってました。どちらかというと男っぽい役の方が多かったし、周りの友達にも『誰もあんたの裸なんて見たくない』って言われてたんで(笑)。(今回、演じて)自分の中でも特別なことではなくなったというのはありますね。これでもう、別作品で絡みやヌードがあっても周りも騒がないだろうし、その行為だけが特別なこととして映らないだろうし。そういう意味でちょっと解放された気分です」。近年は吹き替えなしで激しいアクションをこなしたり、自ら演劇ユニット「プロペラ犬」を主宰するなど活躍の幅を広げている。「演じることが面白くなってきた」と自らに訪れた“変化”を説明する。「いろんなことがやりたくて…これまで培ってきたイメージとかも含めて、自分で自分を“遊ぶ”という感覚が出てきましたね。それが楽しいです。元々、アングラな表現が好きだったんですが、そっちの方に触手が伸びてきましたね(笑)。いま、守ろうとしているイメージも何もないので、自分の中で面白そうだと思ったものをやるようにしてます」。タイトル『恋の罪』という言葉について「愛じゃなくて恋なんです」とその意味を説く。「恋というのはある種ファンタジー。その先に何か明確な明るい未来や答えというのは…なかなかないんじゃないかと思います」。そんな悲観的な言葉を漏らしつつ、いたずらっぽく微笑む。あらゆる運命を、女の業を楽しみながら水野美紀は進む――。(photo/text:Naoki Kurozu)■関連作品:恋の罪 2011年11月12日よりテアトル新宿ほか公開にて公開© 2011「恋の罪」製作委員会■関連記事:川島なお美、園子温監督の新作『恋の罪』は…性悪女みたいなブルゴーニュワイン園子温&神楽坂恵が婚約を改めて報告「私の“恋の罪”でお騒がせして」と照れ笑い冨樫真トークショー付き『恋の罪』女子会試写会に40組80名様ご招待園子温が「稲中卓球部」古谷実の人気漫画「ヒミズ」を映画化!主演に染谷将太【カンヌレポート8】テーマが明確な作品が勝利の鍵?気になるパルム・ドールの行方
2011年11月11日園子温監督の新作『恋の罪』の公開を記念した“女子会試写会”が11月8日(火)、都内で行われ、女優の川島なお美と同作に出演する冨樫真が出席した。2人は3年前の舞台共演をきっかけに親しくなり「まこっちゃん(=冨樫さん)は、女優仲間では一番変なやつ」(川島さん)。冨樫さんが本作のオーディションを受ける際も「絶対受かるからって、応援していた。だからこの作品で見事に花を咲かせてくれて、私もとても嬉しい」と、川島さんは喜びの笑顔を見せた。90年代に渋谷区のラブホテル街で起きた殺人事件からインスパイアされ、園監督自身がオリジナル脚本を執筆。殺人課の女刑事・和子(水野美紀)は、女性が惨殺された猟奇事件を担当することに。捜査を進める過程で、人気作家のセレブ妻(神楽坂恵)と大学のエリート助教授(冨樫さん)が隠し持つ“罪”にたどり着き、自身もその罪深い世界に引き込まれていく…。冨樫さんは二面性を抱える女性を体当たりで熱演し「へたな役作りはせず、直感を大切にした。自分の引き出しでは対応しきれず、もう素っ裸で挑戦するしかないなと」と渾身の役作りを語った。川島さんは「役を演じることで、こういう激しい人生も生きられるのは女優冥利に尽きるはず。3人の女優がみな、恐ろしいほど輝いているでしょ。同業者として嫉妬するし、私自身も改めて大好きな園監督ワールドの“毒のとりこ”になった」と大絶賛。夫でパティシエの鎧塚俊彦氏と一緒に鑑賞したと言い、「主人は『まこっちゃんは良かった』って(笑)。男性には分かりづらい部分もあるのかな」と分析した。ちなみに川島さんと言えば、ソムリエの資格も持つワイン通。愛と欲望が渦巻く『恋の罪』をワインに例えると…?「やっぱりブルゴーニュワインかな。性悪女みたいに、飲む人を手玉にとって、味の印象もコロコロ変わる。罪深いおいしさがある作品」とのこと。秋の深まりを感じながら、『恋の罪』が放つ罪深き味と香りを堪能してみては?ちなみに、本作の公開期間中、女性3人一組が映画のイメージカラーであるピンクのものを身につける、もしくはピンクの物を持参すると入場料が1人1,000円になる“女性3人女子力割引”が一部劇場で実施される。『恋の罪』は11月12日(土)より全国にて公開。■関連作品:恋の罪 2011年11月12日よりテアトル新宿ほか公開にて公開© 2011「恋の罪」製作委員会■関連記事:園子温&神楽坂恵が婚約を改めて報告「私の“恋の罪”でお騒がせして」と照れ笑い冨樫真トークショー付き『恋の罪』女子会試写会に40組80名様ご招待園子温が「稲中卓球部」古谷実の人気漫画「ヒミズ」を映画化!主演に染谷将太【カンヌレポート8】テーマが明確な作品が勝利の鍵?気になるパルム・ドールの行方【カンヌレポート番外編】カンヌに華をそえる!スターたちのファッションチェック
2011年11月08日先日、婚約を発表したばかりの映画監督の園子温と女優の神楽坂恵が11月2日(水)、映画『恋の罪』の完成記者会見に水野美紀、冨樫真と共に出席。改めて婚約を報告した。90年代に渋谷のラブホテル街・円山町で実際に起きた殺人事件にインスパイアされて生まれた本作。大学助教授という社会的地位を得ながらも体を売る女性に満たされない思いを抱える人気小説家の妻、不倫にハマる女刑事という3人の女性を軸に女性の業を描き出す。園監督は司会者から婚約を祝福されると「ありがとうございます。私の“恋の罪”でお騒がせしてすみません。こんなことになるとは…」と照れくさそう。着物姿の神楽坂さんは「このたび園子温監督と婚約いたしました。『冷たい熱帯魚』、『恋の罪』という素晴らしい作品を通して人としても女優としても成長させてもらいました。尊敬、信頼できる方と巡り合えたことを嬉しく思います」と喜びを明かした。水野さんは、以前からファンだったという園組に参加して「楽しかったです。エネルギーが高くて、芝居に集中できる環境を作ってくださるので緊張感を保って現場にいられました」と笑顔。円満な家庭を持ちつつも不倫に走る刑事という役柄については「脚本を読んでそれほど特別な人という気はしませんでした。取材を受けても女性のインタビュアーは『女はそういうもの』と特に不思議に感じてないのに、男性のインタビュアーの方からは『役作り難しかったですか?』と聞かれるのが面白い」と男女の感じ方の違いに言及した。昼は助教授、夜は売春婦という異なる2つの顔を持つ女性を演じた冨樫さんは「憑依したのかもしれないですね。何をしても半端になる気がしたので、現場の空気感を大事にして演じました」とふり返った。神楽坂さんは「この役になりきれなかったら女優をやめようと思った」と背水の陣で臨んだことを明かし「思い入れの強い作品になりました」と充実した表情を見せた。本作はすでにイギリスとアイルランドでは公開されており、12月に台湾でも公開。さらに韓国、香港、マカオ、ドイツ、フランス、イタリアなど30か国以上で公開される予定であることが発表された。各国の映画祭でも驚きと称賛をもって迎えられたが、園監督は「女性の立ち位置によって捉え方もいろいろ。女性への抑圧が強い国では悲しい作品に捉えられたり、見方が異なって面白い」と語る。一方で、外部からの評価については「僕はただ撮るだけ。何も感じないです。外部の評価を気にするとダメになるので、淡々と撮り続けたい」とマイペースを強調した。『恋の罪』は11月12日(土)よりテアトル新宿ほか全国にて公開。■関連作品:恋の罪 2011年11月12日よりテアトル新宿ほか公開にて公開© 2011「恋の罪」製作委員会ヒミズ 2012年春、シネクイントほか全国にて順次公開© 『ヒミズ』フィルムパートナーズ■関連記事:冨樫真トークショー付き『恋の罪』女子会試写会に40組80名様ご招待海外での活躍に期待する俳優は?「acteur」最新号を5名様にプレゼント第68回ヴェネチア国際映画祭金獅子賞はソクーロフ監督に。日本映画人も健闘ヴェネチア新人賞の染谷将太、被災地での撮影で「頭の中が真っ白になった」園子温監督、震災後に『ヒミズ』シナリオ変更し被災地で撮影していたことを明かす
2011年11月02日園子温監督『ヒミズ』に主演した染谷将太と二階堂ふみが最優秀新人俳優賞「マルチェロ・マストロヤンニ賞」をダブル受賞し、日本人俳優初の快挙を伝えるニュースで湧いた第68回ヴェネチア国際映画祭。10日(現地時間)に発表されたコンペティション部門の受賞結果は以下の通りだ。最高賞にあたる金獅子賞はロシアのアレクサンドル・ソクーロフ監督の『ファウスト』。ゲーテの代表作とも呼ばれる「ファウスト」をソクーロフ監督独自の視点で脚色し、権力の腐敗に取り組み続けた監督の4部作の最終作。公式上映後から本命視されていたロマン・ポランスキー監督、ジョディ・フォスター主演の『Carnage』(原題)は無冠に終わった。対して『ファウスト』は上映後に賛否両論に分かれたが、審査員長のダーレン・アロノフスキー監督は「夢を見させる映画、泣ける映画、笑える映画もあれば、一度観たら人生が変わってしまう映画もある。これはそういう作品だ」と授賞理由を語った。銀獅子賞(優秀監督賞)は中国・香港の『人山人海』(原題)の蔡尚君監督。映画祭開幕後にサプライズ上映された同作は、中国国内の検閲を受けずに製作したという経緯があり、上映日までタイトルも含めて詳細はベールに包まれていた。優秀男優賞はイギリスのスティーヴ・マックイーン監督の『Shame』(原題)のマイケル・ファスべンダー、優秀女優賞は中国・香港のベテラン女性監督、アン・ホイの新作『Simple Life』(原題)で年老いた病身のメイドを演じたディニー・イップに輝いた。審査員特別賞はイタリアのエマヌエレ・クリアレーゼ監督の『Terraferma』(原題)。優秀技術賞(撮影)は「嵐が丘」をアンドレア・アーノルド監督が映画化した『Wuthering Heights』(原題)のロビン・ライアン、金のオゼッラ賞(優秀脚本賞)はギリシャの『Alpes』(原題)のヨルゴス・ランティモス&エフティミス・フィリップーが受賞した。また、先鋭的な作品がそろうオリゾンティ部門では最高賞のオリゾンティ賞を塚本晋也監督、Cocco初主演作の『KOTOKO』が受賞した。(text:Yuki Tominaga)写真は『ファウスト』で金獅子賞を受賞したアレクサンドル・ソクーロフ監督。© AP/AFLO■関連作品:ヒミズ 2012年春、シネクイントほか全国にて順次公開© 『ヒミズ』フィルムパートナーズ■関連記事:ヴェネチア新人賞の染谷将太、被災地での撮影で「頭の中が真っ白になった」園子温監督、震災後に『ヒミズ』シナリオ変更し被災地で撮影していたことを明かす窪塚洋介、鈴木杏が『ヒミズ』で園子温作品初出演!西島隆弘&吉高由里子も再びヴェネチア、モントリオールにトロント…世界の映画祭での邦画の奮闘に期待!『冷たい熱帯魚』の衝撃再び?『ヒミズ』に吹越満、でんでんら“園組”が勢揃い
2011年09月12日第68回ヴェネチア国際映画祭でマルチェロ・マストロヤンニ賞(最優秀新人俳優賞)に輝いた『ヒミズ』の染谷将太と二階堂ふみが9月11日(日)、都内で会見を行い、受賞の喜びを語った。「行け!稲中卓球部」で知られる古谷実の原作を『冷たい熱帯魚』の鬼才・園子温が映画化した本作。ヴェネチア国際映画祭ではコンペティション部門に出品され、公式上映では8分間ものスタンディングオベーションが起こった。イタリアが誇る名優の名を冠した新人俳優賞を受賞した2人だが、まだ実感が伴わない様子。「いまもまだフワフワしています」(染谷さん)、「染谷くんからの電話で知りましたが、いまでもウソとしか思えない」(二階堂さん)と心境を語った。現地の反応については「スタンディングオベーションが初体験でした。(劇中の)『ガンバレ、スミダ』という日本語のセリフで声を掛けてもらいました」と染谷さん。二階堂さんは「拍手がずっと止まらなくてウルウル来てました。『ガンバレ』という言葉と拍手が一番心にきました」とふり返った。オーディションを経ての園監督の現場について染谷さんは「監督は段取りの後、テストなしで、ぶっつけ本番で撮影するんですが、いままでで一番、自由にやらせてもらった」と明かす。一方の二階堂さんは、リハーサルで監督から「(100点満点で)4点」とこき下ろされたこともあったとか。「次のリハでは笑顔で『よかったよ。12点』と言われました(苦笑)。60点を目指していたのでそう言ったら『60点に限りなく近い12点だ』って(笑)。優しい、愛のある監督でした」と語った。東日本大震災の発生を受けて監督は脚本を変更。原作とは異なる結末が描かれることになった。このラストについて染谷さんは「感動しました」と語り、「監督が『希望に負けた。希望を持たざるを得なくなった』とおっしゃっていて…。人間はどこかで希望を見つけ、すがるもの。それが描かれていると思います。僕らはこのラストに対して前向きでした」と胸の内を明かしてくれた。さらに撮影最終日には被災地でも撮影が行われたが、被災地に足を踏み入れた染谷さんは「それまで、どういう心情になるか想像できなかったんですが言葉が出ず、頭の中が真っ白になりました」と衝撃を語る。さらに「ここである意味、記憶が塗り替えられた」という監督の言葉を紹介し、「監督が決意しなかったらありえなかった映像を、海外の映画祭に持って行けたことを誇りに思います」と語った。二階堂さんは「震災を受けて立ち上がっていく同世代の人々への『頑張れ』という思いがあるのではと感じています」と今回の受賞を受け止め「魂のこもった作品なので、そのままの自分で、素直に感じ取ってもらえたら」と同世代の若者たちへの思いを語った。『ヒミズ』は2012年春、シネクイントほか全国にて順次公開。■関連作品:ヒミズ 2012年春、シネクイントほか全国にて順次公開© 『ヒミズ』フィルムパートナーズ■関連記事:第68回ヴェネチア国際映画祭金獅子賞はソクーロフ監督に。日本映画人も健闘園子温監督、震災後に『ヒミズ』シナリオ変更し被災地で撮影していたことを明かす窪塚洋介、鈴木杏が『ヒミズ』で園子温作品初出演!西島隆弘&吉高由里子も再びヴェネチア、モントリオールにトロント…世界の映画祭での邦画の奮闘に期待!『冷たい熱帯魚』の衝撃再び?『ヒミズ』に吹越満、でんでんら“園組”が勢揃い
2011年09月12日先日より開催中の第68回ヴェネチア国際映画祭のコンペティション部門に日本から唯一、出品されている『ヒミズ』の記者会見が9月6日(現地時間)に開催。園子温監督と染谷将太、二階堂ふみが出席した。2009年のベルリン国際映画祭では4時間を超える大作『愛のむきだし』が出品され、昨年は『冷たい熱帯魚』がヴェネチアへ。さらに今年『恋の罪』がカンヌ国際映画祭に出品されるなど、海外からも熱い視線が注がれる園監督だが、今回、満を持して世界三大映画祭のコンペティション部門に殴り込みをかける!「行け!稲中卓球部」で知られる漫画家・古谷実がギャグを封印して描いた漫画を独特の世界観で映画化しているが、3月11日に起こった東日本大震災を受けて、脚本の変更、そして被災地での撮影が行われたこともこの日の会見で明らかになった。10年前に連載が開始された原作について「終わらない日常の退屈さ、虚しさみたいなものが若者の意識の中にあった」と語る監督。それが「3月11日の震災を受けて、“終わらない日常”から”終わらない非日常”が当たり前になってしまった。そういう若者を描きたかった」とシナリオ変更に至った心情を明かす。さらに被災地での撮影について「多くの人に撮影を止められ、自分の中で葛藤はありながらもここで現地に入らなかったら一生後悔すると思い、被災地での撮影に挑んだ」と説明した。染谷さん、二階堂さんにも震災後の若者の心境を問う質問が。染谷さんは「3月11日に震災があって、いままでの日本人の若者では考えなかったことを考え始めたり、すごく悲しい思いをして立ち直ろうとしていたり、いままでとは全く違う思考を若者が持ち始めていることを実感しています」と変化を語る。二階堂さんも「今回、震災を受けて、改めて、何も知らなかったというショックを受けている同世代の人が多いと感じています。少なくとも、私はもっともっと勉強していろんなことを知りたいと思いました」と若者の心情の一端を代弁した。この後、現地時間22時にレッドカーペットに登場し、作品の公式上映が行われる。まもなく震災から半年となるが、“震災後”の日本の若者たちを綴った本作は海外の観客、批評家にどのように受け止められるのか?授賞式は9月10日(現地時間)に開催される。『ヒミズ』は2012年春、シネクイントほか全国にて公開。■関連作品:ヒミズ 2012年春、シネクイントほか全国にて順次公開© 『ヒミズ』フィルムパートナーズ■関連記事:窪塚洋介、鈴木杏が『ヒミズ』で園子温作品初出演!西島隆弘&吉高由里子も再びヴェネチア、モントリオールにトロント…世界の映画祭での邦画の奮闘に期待!『冷たい熱帯魚』の衝撃再び?『ヒミズ』に吹越満、でんでんら“園組”が勢揃い園子温が「稲中卓球部」古谷実の人気漫画「ヒミズ」を映画化!主演に染谷将太
2011年09月07日「行け!稲中卓球部」の古谷実の異色のベストセラーコミックを園子温が映画化した『ヒミズ』の新キャストが解禁!窪塚洋介、鈴木杏が園監督作品初出演を果たすほか、それぞれ園監督作品で映画デビューを果たしている西島隆弘(AAA)、吉高由里子が出演していることも明らかになった。ギャグ漫画で高い人気を誇る古谷氏がギャグ路線を完全に封印して描き上げた原作漫画を、『冷たい熱帯魚』など海外でも注目を集める鬼才・園子温が「3.11」以降の日本を舞台に実写化。「普通」な大人になることを願う15歳の住田(染谷将太)と愛する人と守り守られ生きることを夢見る景子(二階堂ふみ)を通じて、ある事件をきっかけに破滅へと突き進んでいく若者たちの姿を描き出す。染谷将太、二階堂ふみという若いキャストを中心に、吹越満、でんでん、黒沢あすかなどこれまで園作品を彩ってきた名優陣の共演が発表されていたが、今回、新な顔ぶれが明らかに。窪塚さんは、物語に強烈なインパクトを与えるスリの若者・テル彦役で出演。「ひやかし程度の出演ですけど、園監督とご一緒できてだいぶ楽しかったです」と撮影をふり返る。窪塚さんと同じく園監督の作品に初めて参加した鈴木さんは、「いつも観て圧倒されていた園子温監督の作品に参加できてとても嬉しかったです。もっと現場にいたかった!」と喜びを語ってくれた。映画初出演&初主演作となった『愛のむきだし』で強烈な存在感を放ち絶賛を集めた西島さん。「約4年ぶりの園監督とのお仕事でしたが、あの頃を思い出すくらい、園ワールド全開のLIVE撮影を久しぶりに味わえました!最高に気持ちが良かったです!もっと出たかった!漫画も読んでいたので、出来上がりが楽しみです」と自信をうかがわせる。そして『紀子の食卓』でデビューを果たし、園監督の薫陶を受けた吉高さんは「1日だけ参加させていただきました。なので、現場全体がどういう雰囲気で前進しているかあまりわかりませんでしたが、その日だけで感じたのは、何かが決壊したような自由で勢いのある作品になりそうだということです」と手応えを明かす。常連&初参加組が園監督の指揮の下でどのような化学変化を見せているのか?本作はこのほど開幕した第68回ヴェネチア国際映画祭のコンペティション部門にも出品されており、グランプリの金獅子賞受賞に期待がかかる。日本の“いま”をすくい上げた作品として、海外の感想、評価も気になるところだ。『ヒミズ』は2012年春、シネクイントほか全国にて順次公開。■関連作品:ヒミズ 2012年春、シネクイントほか全国にて順次公開© 『ヒミズ』フィルムパートナーズ■関連記事:ヴェネチア、モントリオールにトロント…世界の映画祭での邦画の奮闘に期待!『冷たい熱帯魚』の衝撃再び?『ヒミズ』に吹越満、でんでんら“園組”が勢揃い園子温が「稲中卓球部」古谷実の人気漫画「ヒミズ」を映画化!主演に染谷将太
2011年09月02日先日、第35回モントリオール世界映画祭「コンペティション」部門への正式出品が決定した岡田将生×榮倉奈々共演の感動作『アントキノイノチ』の予告編がこのほど解禁となった。原作は歌手のさだまさしによる書き下ろし小説。高校時代に親友を亡くしたことをきっかけに、心を閉ざしてしまった少年・杏平(岡田さん)、自ら死を選ぼうとした過去を持つ少女・ゆき(榮倉さん)。遺品整理業を通して出会った2人が、それぞれの命と向き合い壊れかけた心を再生していく姿を描く。今回到着した予告編では、冒頭から青空の下、岡田さんが全裸らしき姿で登場。虚無感、悲しみ、心の叫びが彼の表情に映し出され、やがてゆきとの出会いによってその表情に変化が―ー。笑い、抱きしめ合い、命の尊さや繋がりを強く感じさせる映像に仕上がっており、主題歌を担当する「GReeeeN」の歌声が物語に彩りを加える。そしてついにメインキャスト以外の共演者もお目見え!杏平のクラスメイトを演じる松坂桃李と染谷将太、遺品整理業の上司役の原田泰造、そして壇れいに柄本明、鶴見辰吾と若手実力派からベテラン陣まで、それぞれの演技が作品に深みを与える。18日から開幕するモントリオールでの評価は果たして?授賞式前に、まずはこちらの予告編を確認しておくべし。『アントキノイノチ』は11月19日(土)より全国にて公開。※こちらの予告編はMOVIE GALLERYにてご覧いただけます。MOVIE GALLERY■関連作品:アントキノイノチ 2011年11月19日より全国にて公開© 「アントキノイノチ」製作委員会■関連記事:榮倉奈々、岡田将生は「小学生」!?「もう22歳なんですけど」と本人苦笑岡田将生×榮倉奈々を絶賛!『アントキノイノチ』がモントリオールへ岡田将生は心の叫び、榮倉奈々は泣きながら願う――『アントキノイノチ』特報到着「女神のイタズラ」松坂桃李動画インタビュー!共演の杏を大絶賛の理由とは…?作業着姿の岡田将生&榮倉奈々の画像が解禁!『アントキノイノチ』豪華共演陣も発表!
2011年08月11日「行け!稲中卓球部」などで知られる古谷実の人気漫画を鬼才・園子温が実写化することで話題の『ヒミズ』。すでに出演が発表されている染谷将太、二階堂ふみに加え、渡辺哲、吹越満、神楽坂恵、光石研、渡辺真起子、黒沢あすか、でんでんら“園組”のおなじみの俳優陣が出演することが明らかになった。古谷実が一切のギャグを封印して、人間の暗部を浮かび上がらせた本作。園監督にとっても初の原作実写化となるが、原作で主人公の貸しボート屋に集まる中学校の同級生が映画では家を持たない、大人の“自由人”として描き変えられ、世の中の不条理さが、より刻銘に描き出される。この自由人たちを演じるのが、園監督の『冷たい熱帯魚』で強烈なインパクトを残した渡辺哲と吹越満、そして監督の最新作『恋の罪』で独特の色気と存在感を放っている神楽坂恵。さらに、染谷さん演じる主人公の住田をどん底にたたき落とすきっかけを作る父親を演じるのは、主演作『あぜ道のダンディ』が先日公開された光石研。園監督作『紀子の食卓』では、真面目だけが取り柄の主人公の父を演じたが、今回は全く違ったタイプの父親像を見せてくれそうだ。そして、住田を捨てて男と逃げる母親を、『愛のむきだし』の自由奔放な女・カオリ役で脚光を浴びた渡辺真起子。そして、二階堂さんが演じる住田の唯一の理解者である茶沢の母親という、原作にはないキャラクターを黒沢あすかが演じる。そしてもうひとり、『冷たい熱帯魚』の冷酷な殺人犯役で映画史に残る怪演を見せたでんでんが、住田から借金を取り立てようとするヤクザの金子に扮する。渡辺哲さんは今回の現場をふり返り「監督にどんどんひっぱってもらいました。ハードでしたが、やり終えた充実感は他にはないもので、完成がすごく楽しみです」と語る。吹越さんは、園監督からのオファーについて「園さんのご要望とあらば、いつでもどこでもなんでも、です。え?『ヒミズ』?そりゃスゲェー!!!ってな感じでした」と述懐。現場を終えて「園さん初の“原作あり”ということですが、これがまたなんと、オリジナルではないかと思えるほどぴったりな世界観。園子温が園子温の映画を撮っていたとしか言い様がないのです。また、これはいつも感じることですが、『園子温の撮影現場』というライヴを観ているようでした」と感想を明かす。原作の独特の世界観に園カラーが加わり、どのような化学反応が起こっているのか?完成が待たれる。『ヒミズ』は2012年春、シネクイントほか全国にて順次公開。■関連作品:ヒミズ 2012年春、シネクイントほか全国にて公開© 『ヒミズ』フィルムパートナーズ■関連記事:園子温が「稲中卓球部」古谷実の人気漫画「ヒミズ」を映画化!主演に染谷将太
2011年07月22日「行け!稲中卓球部」で知られる漫画家・古谷実が「ヤングマガジン」(講談社刊)に連載した異色作「ヒミズ」が、『冷たい熱帯魚』、『愛のむきだし』の園子温によって映画化されることが発表された。「稲中」などギャグ漫画家として人気を博してきた古谷さんだが、「ヒミズ」ではこれまでのギャグ路線を封印。“普通の人生”を望む男子中学生が、ある事件をきっかけに心に闇を抱えて普通とは程遠い人生を歩んでいくことになるさまを描く。人間の心の奥に潜む暗部をえぐり出した残酷な青春劇として熱狂的な支持者を生み出した。この過激な物語を、過激な暴力描写では引けを取らない鬼才・園子温が映画化することに!これまでに原作のノベライズ版が刊行されているほか、2004年には舞台化もされたが、映像化は今回が初めてとなる。撮影は茨城県で特設セットを設置して5月いっぱいをかけて行われ、すでに編集段階に入っているとのこと。気になるキャストだが、主人公の住田を演じるのは、『嘘つきみーくんと壊れたまーちゃん』に主演し、来年公開の『ALWAYS 3丁目の夕日 ’64』への出演も決まっている若手実力派の染谷将太。そして、原作で住田と同じクラスという設定の女子・茶沢を『ガマの油』で鮮烈なデビューを果たし、最近では『劇場版 神聖かまってちゃん/ロックンロールは鳴り止まないっ』のヒロイン役で強烈な印象を残した二階堂ふみが演じる。住田も茶沢も複雑な内面を抱えた役だけに、若い2人がどんな掛け合いを見せるのか楽しみなところだ。『冷たい熱帯魚』のヒットおよび国際的な高評価に続き、水野美紀を主演に迎えての『恋の罪』の公開も決まるなど、その勢いが留まるところを知らぬ園監督。どんな激しい描写で若者たちの内面をさらけ出すのか?『ヒミズ』公開は2012年春、シネクイントほか全国にて。■関連作品:恋の罪 2011年公開© 2011「恋の罪」製作委員会ヒミズ 2012年春、シネクイントほか全国にて公開冷たい熱帯魚 2011年1月29日よりテアトル新宿ほか全国にて順次公開© NIKKATSU■関連記事:【カンヌレポート8】テーマが明確な作品が勝利の鍵?気になるパルム・ドールの行方【カンヌレポート番外編】カンヌに華をそえる!スターたちのファッションチェック吹越満、“血まみれ”園子温監督現場をふり返り「笑ったねぇ」キーワードを集めて幻の“超過激”映像を観よう!『冷たい熱帯魚』動画キャンペーン吹越満インタビュー「いつも『俳優になりたい』って気持ちで仕事してます」
2011年06月10日「解夏」、「眉山」の著者であり歌手のさだまさしの書き下ろしになる感動小説『アントキノイノチ』。先日、岡田将生、榮倉奈々主演により映画化されることが発表されたが、このほど本作の特報が解禁となった。2009年に発売され、幅広い年齢層の感動をよんだ「アントキノイノチ」は、高校時代のとある事件をきっかけに心を閉ざしてしまった永島杏平(岡田さん)と、心に闇を抱える久保田ゆき(榮倉さん)の2人の男女の心の交流を描き出す。遺品整理業の現場で知り合った2人は、命の失われた場所で、徐々に心を通わせていくのだが…。監督は『ヘヴンズ ストーリー』でベルリン映画祭2冠を制した瀬々敬久。『余命1ヶ月の花嫁』、『Life 天国で君に逢えたら』など“命”をテーマとした作品を手がけてきた製作チームが集結し、感動のドラマを紡ぎだす。冒頭から岡田さんの叫びで始まるこちらの特報。一方、榮倉さんは涙を流しながら「死のうと思った」とつぶやく姿が。心に傷を負った主人公の2人が自らを再生していく姿と、背景で流れる壮大なメロディに、思わず心がじんわり。まさしく希望をつなぐ“命”の物語となっている。共演者には松坂桃李や染谷将太、壇れいが名を連ねているが、今回の特報ではまだ姿が見ることができない。今後どのように登場するかも気になるところ。『アントキノイノチ』は11月、全国にて公開。※こちらの特報はMOVIE GALLERYにてご覧いただけます。MOVIE GALLERY■関連作品:アントキノイノチ 2011年11月、全国にて公開© 「アントキノイノチ」製作委員会■関連記事:「女神のイタズラ」松坂桃李動画インタビュー!共演の杏を大絶賛の理由とは…?作業着姿の岡田将生&榮倉奈々の画像が解禁!『アントキノイノチ』豪華共演陣も発表!“ブラック・ジャック”岡田将生、脚フェチ告白の仲里依紗に振り回されっぱなし?岡田将生が若き日のブラック・ジャックに!手塚治虫の名作ドラマ化共演に仲里依紗岡田将生×榮倉奈々×ベルリン2冠の瀬々監督で『アントキノイノチ』映画化
2011年06月03日映画『嘘つきみーくんと壊れたまーちゃん』が1月22日(土)に公開初日を迎え、主演の大政絢が共演陣と共に舞台挨拶に登壇。ミニスカート姿でファンの大歓声を浴びた。シリーズ累計130万部を突破したライトノベルを原作とした本作。10年前に起きた誘拐監禁事件の被害者であるみーくん(染谷将太)とまーちゃん(大政さん)の周辺で連続して起きている奇妙な事件の真相と、10年前の事件の秘密が描き出される。この日、本作がソウル国際女性映画祭、台北ゴールデンホース・ファンタスティック映画祭、台北映画祭など各国の映画祭からオファーを受けていることが発表され、客席からは大きな拍手がわき起こった。受験シーズンということで、登壇陣は受験生へのエール、そして自分なりのジンクスや必勝法を求められたが、大政さんは「私のブログにも受験生の方から『試験に受かったら『嘘つきみーくんと壊れたまーちゃん』を観に行きます』というコメントをたくさんいただいています。全員に受かってほしいのですが、私自身は緊張したりしないために、普段通りに生活します。あとは辛いガムを食べたり、歯磨きをしてスッキリさせます」と明かしてくれた。染谷さんは「緊張しないように深く考えないようにします。あと良く寝ることは大切だと思います」と“マイペース”を強調。さらに田畑智子は「あまりお腹をいっぱいにしないようにします。甘いものを食べたり糖分を取って頭をスッキリさせます」と語り、宇治清高は「家を出るときに『行ってきます!』と大声で挨拶をします」と明かした。ちなみに、宇治さんの劇中での役名は、学問の神様と同じ“菅原道真”ということで「げんかつぎで舞台挨拶に呼ばれたんじゃないですよね?」と笑っていた。瀬田なつき監督が「私はネガティブなので、最悪の事態を想定して臨みます」と語ると会場は爆笑。さらに監督は「今日も劇場に数人しかいないことを考えていたので、こんなにたくさんの方に来ていただいて良かったです」と笑顔を見せた。最後に大政さんが「この作品はいろいろ考えさせられるところがあり、可愛くてポップだけど、残酷でミステリアスな部分もあります。色々な方に楽しんでいただける作品だと思うので、2度3度と観ていただければと思います」と呼びかけ、舞台挨拶は幕を閉じた。『嘘つきみーくんと壊れたまーちゃん』が角川シネマ新宿、シネマサンシャイン池袋ほか全国にて公開中。■関連作品:嘘つきみーくんと壊れたまーちゃん 2011年1月22日より角川シネマ新宿、シネマサンシャイン池袋ほか全国にて公開© 2010 「嘘つきみーくんと壊れたまーちゃん」製作委員会■関連記事:大政絢インタビュー「仕事で泣きそうになること?ある…けど我慢してます(笑)!」大政絢20歳の抱負「柴咲コウさんみたいな女優に」大政絢主演!『嘘つきみーくんと壊れたまーちゃん』試写会に20組40名様ご招待シネマカフェ読者ゴコロなんでもベスト5(第9回) 来年ブレイクしそうな俳優は?【TIFFレポート】大政絢&染谷将太が許せる「素敵な嘘」は…?
2011年01月23日モデルとして絶大な人気を誇り、さらに「恋する日曜日」、「ケータイ刑事」、「怪談新耳袋」など、数々の人気女優を輩出してきたおなじみのシリーズで主演を張るなど、女優としても目覚しい活躍を見せる大政絢。今年は「ケータイ刑事」の映画版第3弾に、人気漫画の実写版として話題を集める『パラダイス・キス』、さらに1月クールのTVドラマでも「美咲ナンバーワン!!」(日本テレビ)など出演作品が目白押し。中でも累計130万部を超える人気ライトノベルの実写版であり、彼女が“猟奇的な”ヒロインを演じることで注目を集めているのが『嘘つきみーくんと壊れたまーちゃん』。まもなく20歳。ブレイク間近の彼女が、見事な“壊れっぷり”を見せてくれている本作について語ってくれた。壊れたキャラだからこそあえて「まーちゃんの“普通の部分”を意識した」大政さん演じるマユ(まーちゃん)と、染谷将太扮するみーくんは、10年前に起こった誘拐監禁事件で共に生き残った被害者であり、壮絶な過去のトラウマをそれぞれ違った形で抱えている。特にかわいらしい外見と裏腹に、屈託のない笑顔を浮かべたまま残酷さを発揮するまーちゃんのキャラクターは際立っているが、大政さんが強く意識したのは「まーちゃんの普通の部分」だったという。「確かに最初に脚本を読んだときは“ぶっ飛んでる”という印象を持ったんですが、演じていくうちにそうしたイメージは薄れていきましたね。逆に、純粋で真っ直ぐな、かわいい女の子だな、と。監督からも『狂気の要素を持っているからこそ普通に演じてほしい』と言われて、彼女の普通さが伝わるようにと演じました。みーくんもすごく純粋で、物語についても、残酷な部分というのはあるんですが、みーくんとまーちゃんのかわいらしい恋愛の部分の印象が強くて、ポップでかわいい作品になったなと思います」。「役柄を作り上げていくことに難しさは感じなかった」と何とも頼もしい言葉を口にする大政さん。だが、これは監督、染谷さんと共に段取りとリハーサルを徹底して行ったからこそ生まれた自信だという。「リハーサルや段取りについては、クランクインする前から(瀬田なつき)監督と何度も繰り返していて、クランクイン後も時間があれば、すぐに染谷くんと3人で部屋にこもってました。そういう意味で、撮影に入る前に役は掴めていましたね。だから現場でも、染谷くんというよりはみーくんと話してる時間がすごく長かった(笑)。染谷くんと大政絢で話してるイメージではなくて、現場でもみーくんとまーちゃんでした」。「演じながら、新しい発見があるのが楽しい」とは女優という仕事の楽しさを尋ねる質問への答え。今回の現場で学んだの「喜怒哀楽の切り替え」だったという。「私自身、素では怒ったり泣いたりってあまり外に出さないタイプなので、逆にマユはそういうのがハッキリと出せてかわいいなぁと思いましたね」。大政さんお気に入りのシーン&衣裳は…?ついでに大政さんの“自己分析”を聞いてみよう。「そもそも、感情を表に出さないと言うより、イライラすることが少ないかな…。あまり怒りを感じないというか。『悔しいなぁ』と思うときはありますね。でも、人前では泣くのは我慢します(笑)!仕事で悔しくて泣きそうになること?ありますけど…我慢してます!周りにはマイペースだっていつも言われてますね。マイペースな方です(笑)」。まーちゃんは制服姿に加え、私服姿もキュート!本作に限らず、大政さんは衣裳に関して常にスタッフと話し合いを重ねるという。「話し合いはいつもしてますし、衣裳合わせもいつも何度も何度も繰り返してます。今度のドラマ(『美咲ナンバーワン!!』)も含めて制服を着る機会は多いですが、どういう着こなしを見せるかというのも大切にしてます。今回のマユは、本当に色とりどりの衣裳が多くて、その部分のかわいらしさを一番に表現できるようにしました。みーくんとまーちゃんが自転車でデートするシーンが爽やかでかわいらしくてすごく好きなんですけど、そのときのワンピースは衣裳さんの手作りで、すごく気に入ってます!」。「大きな目標というより、いま、頂いている仕事を丁寧にやりたい」と大政さん。さらにこんなことも。「モデルと女優を両立してずっと続けていきたい、という思いは強くあります。自分の中ではこの2つの仕事はそれぞれ違うものとして現場に臨んでいるんですが、互いに影響し合っている部分もあります。女優については、やっぱり周りから『よくなったよ』と言われると嬉しい。新しい役や大きな役をいただけるようになるにつれて責任やプレッシャーも大きくなるけど、だからこそ壁を乗り越えたら楽しいです」。凛とした笑顔が印象的な彼女。これから、20代の真っ白なキャンパスにどんな絵を描いていくのか――。■関連作品:嘘つきみーくんと壊れたまーちゃん 2011年1月22日より角川シネマ新宿、シネマサンシャイン池袋ほか全国にて公開© 2010 「嘘つきみーくんと壊れたまーちゃん」製作委員会パラダイス・キス 2011年5月、丸の内ルーブルほか全国にて公開© 2011「パラダイス・キス」製作委員会ケータイ刑事 THE MOVIE3 モーニング娘。救出大作戦!〜パンドラの箱の秘密 2011年2月5日池袋テアトルダイヤほか全国にて順次公開© 2011 ケータイ刑事 THE MOVIE 3 製作委員会■関連記事:大政絢20歳の抱負「柴咲コウさんみたいな女優に」大政絢主演!『嘘つきみーくんと壊れたまーちゃん』試写会に20組40名様ご招待シネマカフェ読者ゴコロなんでもベスト5(第9回) 来年ブレイクしそうな俳優は?向井理、ピンクのシャツ&黒ハットでクールに「行こうか」『パラキス』特報が到着!映画で見たいカップルNo.1は向井理&綾瀬はるか!実生活で夫婦の2人もランクイン
2011年01月14日モデルで女優の大政絢が1月10日(月・祝)、成人式と主演映画『嘘つきみーくんと壊れたまーちゃん』のヒット祈願を兼ねて東京・赤坂の日枝神社を参拝した。約30分間の祈祷と参拝を終えると「今年初めてのおみくじを引いたら末吉で、仕事運はとてもよかったんですが、その他がダメで…仕事を頑張れってことかな?」。2月4日の誕生日で20歳になり、お酒が解禁となるが「(おみくじに)お酒は控えめにって書いてあったので、飲めるようになりますけど、控えめにいこうかな」とご託宣を素直に受け止めてニッコリ。縁結びでも知られる同所だけに、「恋みくじ?引きました!それも良くなくて待ち人は2年後にとあったので、焦らずにいこうと」と苦笑いだった。20歳を迎える心境については「自分の中ではそんなに変わらないんですけど、周りから言われます」と実感はまだない様子。それでも「いろんな役柄に挑戦していきたい。モデルも女優も両方大好きなので、両立させてしっかりやっていきたい」と仕事には貪欲な姿勢。同じ所属事務所の縁と印象的な目元から、“ポスト・柴咲コウ”として注目を集めており、この日も柴咲さんから「たくさんの色々な経験を重ねて、感受性豊かな、素敵な女性になってください!(抜粋)」とのお祝いコメントが到着。「大先輩なので嬉しいし、柴咲さんみたいな大女優になりたい!」と20歳の誓いを立て、大きな瞳を輝かせていた。『嘘つきみーくんと壊れたまーちゃん』は1月22日(土)より角川シネマ新宿、シネマサンシャイン池袋ほか全国にて公開。(photo/text:Yoko Saito)■関連作品:嘘つきみーくんと壊れたまーちゃん 2011年1月22日より角川シネマ新宿、シネマサンシャイン池袋ほか全国にて公開© 2010 「嘘つきみーくんと壊れたまーちゃん」製作委員会■関連記事:大政絢主演!『嘘つきみーくんと壊れたまーちゃん』試写会に20組40名様ご招待シネマカフェ読者ゴコロなんでもベスト5(第9回) 来年ブレイクしそうな俳優は?【TIFFレポート】大政絢&染谷将太が許せる「素敵な嘘」は…?映画版『ケータイ刑事』に大政絢ら歴代ヒロイン3人!モーニング娘。も本人役で出演柴咲コウが映画挿入歌でユーミンの名曲「ルージュの伝言」をカバー!
2011年01月10日開催中の第23回東京国際映画祭(TIFF)で映画『白夜行』(深川栄洋監督)が10月25日(月)、東京・六本木のTOHOシネマズ六本木ヒルズで特別招待作品として上映され、主演の堀北真希、共演の高良健吾、船越英一郎らが舞台挨拶に立った。人気作家・東野圭吾の同名ベストセラー小説を原作に、迷宮入りした質屋殺し事件の被害者の息子・亮司(高良さん)と容疑者の娘・雪穂(堀北さん)が辿る重苦しい人生を描くミステリー。美貌の裏に自分がのし上がるために周囲を不幸に陥れることに躊躇しない素顔を持つ悪女に初挑戦した堀北さんは「原作がとても好きで、読んでなんとなくイメージはありましたが、いざ台本をいただいたらどうやって雪穂に近づいたらいいかすごく悩みました。自分で悪いことをするシーンのない悪い人で、一見、好感が持てるところもある。悩みました。でも挑戦だと思って頑張りました」。雪穂に献身的な愛を捧げる役どころを演じた高良さんも「人を騙し自分も騙すし…。親切な芝居じゃなくて、お客さんも騙しにかかっている。監督はとてもドS。キツかった。クランクアップが嬉しかったけど、こんだけきつかった現場だったから、次も乗り越えられると思った」とそれぞれ役作りの苦労をふり返った。一方、2人を追う刑事役の船越さんは「キャリアの半分以上、犯人を追いかける役どころでサスペンスに人生を賭けています。いつも役を生きることともうひとつ、観る人に分かりやすく楽しんでもらうことを心がけています。平たく言えば説明過剰な嘘臭い俳優です」とサスペンスに取り組むポリシーを吐露。「今回もそう思い、撮影初日に監督に伝えて『分かりました』とおっしゃっていただきましたが、(そういう部分は)ほとんど取り除かれてしまいました」と会場の笑いを誘った。『白夜行』は2011年1月29日(土)より全国にて公開。(photo/text:Yoko Saito)特集「東京国際映画祭のススメ2010」■関連作品:第23回東京国際映画祭 [映画祭] 2010年10月23日から10月31日まで六本木ヒルズをメイン会場に都内各所にて開催© 2010 TIFF白夜行 2011年1月29日より全国にて公開© 2011 映画「白夜行」製作委員会■関連記事:【TIFFレポート】創設者自ら試写会主催し鑑賞『ソーシャル・ネットワーク』会見【TIFFレポート】大政絢&染谷将太が許せる「素敵な嘘」は…?【TIFFレポート】C・ドヌーヴ舞台挨拶登壇も撮影切り上げ退場「たくさん撮ったわ」【TIFFレポート】ポール・ポッツ日本初野外ライブで美声とジョーク!ディズニーの本格3D映画『トロン:レガシー』山田優に続編オファー?
2010年10月25日映画『ソーシャル・ネットワーク』の来日会見が10月25日(月)、東京・千代田区のザ・ペニンシュラ東京で行われ、主演のジェシー・アイゼンバーグ、脚本のアーロン・ソーキンが出席した。世界中に5億人のユーザーを持つ世界最大のSNS(ソーシャル・ネットワーク)、Facebookの創設の裏側に焦点を当て、創設者マーク・ザッカーバーグ氏をはじめ、それに関わった人たちの人間模様をマーク氏に対して起こされた2つの訴訟を絡めて描く人間ドラマ。オーディションでマーク役を勝ち取って演じたジェシーは「メディアの注目を集めている存在だったから、彼の名前だけは知っていたけど、どういう人だとか、どういう顔なのかは知らなかった。現場では『本人の真似をするな、これはFacebook自身がテーマでもなく、ましてやマークの映画でない。これはいま、生きている同時代の人々の物語だから』と言われ、実在の彼らのことは意識しないで、臨んだんだ」とドラマ重視の役作りを吐露。マーク氏をはじめ多数の実在の人物を描いているが、実際に会ったり本作を観てもらったか?との質問には、アーロン氏が「マーク氏は映画館を借り切って会社のスタッフ全員に観せ、その後、みんなで飲みに行ったそうです。彼は19歳のときのことを描かれたことに複雑な思いもあったかもしれないけど、私たちにユーモアを持って接してくれました」。ジェシーも「僕のいとこがFacebookで働いていて、その貸し切った映画館で観たんだ。僕とマークの間に入ってくれたんだけど、試写の後に僕の演技に関して、『ナイスジョブ、なかなか良かった』ということだけ聞いた。本当は映画の感想を聞きたかったけど…」と照れ笑いで明かした。またFacebookについては、ジェシーは「個人としては入っていない。すでにインターネットにはすでに俳優としての僕の情報が載っているから、いまさらあえて載せなくていいと思っているよ」と話した。ジェシーは映画のPRとしては今回が初来日。本作は開催中の第23回東京国際映画祭でオープニング作品として23日(日)に上映され、ジェシーらはオープニングセレモニーから参加した。『ソーシャル・ネットワーク』は来年1月15日(土)より丸の内ピカデリーほか全国にて公開。(text:Yoko Saito)特集「東京国際映画祭のススメ2010」■関連作品:ソーシャル・ネットワーク 2011年1月15日より丸の内ピカデリーほか全国にて公開© 2010 Sony Pictures Digital Inc. All Rights Reserved.第23回東京国際映画祭 [映画祭] 2010年10月23日から10月31日まで六本木ヒルズをメイン会場に都内各所にて開催© 2010 TIFF■関連記事:【TIFFレポート】堀北真希初の究極悪女役「すごく悩みました」【TIFFレポート】大政絢&染谷将太が許せる「素敵な嘘」は…?【TIFFレポート】C・ドヌーヴ舞台挨拶登壇も撮影切り上げ退場「たくさん撮ったわ」【TIFFレポート】ポール・ポッツ日本初野外ライブで美声とジョーク!ディズニーの本格3D映画『トロン:レガシー』山田優に続編オファー?
2010年10月25日開催中の第23回東京国際映画祭の「日本映画ある視点」部門に出品されている『嘘つきみーくんと壊れたまーちゃん』の上映が10月25日(月)に開催され、主演の大政絢をはじめ、染谷将太、田畑智子、瀬田なつき監督が上映前の舞台挨拶に登壇した。ファンの間で“みーまー”という略称で親しまれ、シリーズ累計で100万部を突破した同名小説が原作。一緒に誘拐された過去を持つみーくん(染谷さん)とマユ(大政さん)が10年ぶりに再会して巻き起こす“事件”を描いた青春ストーリー。登壇陣が見どころとして強調するのは物語の持つ“二面性”。大政さんは「ピュアな恋愛の部分と残酷な部分が描かれていて飽きさせません!」とアピール。染谷さんもこれに頷き「かわいくて残酷な映画です。両面性を楽しんで」と呼びかけた。劇中、みーくんはマユを一途に想い、マユはわがままでみーくんを振り回すが、恋愛対象としては?という質問に大政さんは「一途に想われていて、マユは幸せ者ですよね。すごくいいな、と思います。マユもみーくんのことが大好きで…そういう関係が良いですね」と笑顔。「田畑さんはどうですか?」といきなり質問を振られ、やや慌て気味の田畑さんは「(みーくんは)痛々しいほどに頑張りますが、相手をそこまで想えるのって素敵だと思います」と回答。一方、マユのような女の子は恋人にしたいか?と尋ねられた染谷さんは「難しい質問ですけど…守ってあげたくなるかも」と考え抜いた末に回答。またみーくんが劇中につく嘘について「みーくんはマユのことを想って嘘をついて生きてる。素敵な嘘だなと感じました」と語り、大政さんも「相手を想う嘘ならいいかな」と頷いた。『嘘つきみーくんと壊れたまーちゃん』は2011年1月22日(土)より角川シネマ新宿、シネマサンシャイン池袋ほか全国にて公開。特集「東京国際映画祭のススメ2010」■関連作品:第23回東京国際映画祭 [映画祭] 2010年10月23日から10月31日まで六本木ヒルズをメイン会場に都内各所にて開催© 2010 TIFF嘘つきみーくんと壊れたまーちゃん 2011年1月22日より角川シネマ新宿、シネマサンシャイン池袋ほか全国にて公開© 2010 「嘘つきみーくんと壊れたまーちゃん」製作委員会■関連記事:【TIFFレポート】堀北真希初の究極悪女役「すごく悩みました」【TIFFレポート】創設者自ら試写会主催し鑑賞『ソーシャル・ネットワーク』会見【TIFFレポート】C・ドヌーヴ舞台挨拶登壇も撮影切り上げ退場「たくさん撮ったわ」【TIFFレポート】ポール・ポッツ日本初野外ライブで美声とジョーク!ディズニーの本格3D映画『トロン:レガシー』山田優に続編オファー?
2010年10月25日映画『嘘つきみーくんと壊れたまーちゃん』の主題歌、および挿入歌を柴咲コウが歌うことが発表され、主題歌の歌詞を柴咲さん自身が手掛けるほか、名曲「ルージュの伝言」のカバーに挑戦していることがも明らかになった。大政絢と染谷将太というフレッシュなコンビを主演に迎えて送る本作。“僕”ことみーくん(染谷さん)と幼なじみで10年前の誘拐監禁事件の被害者同士でもあるまーちゃん(大政さん)の2人が、連続殺人事件の発生で揺れる街で10年ぶりに再会。そこから巻き起こる騒動をポップかつシニカルに描き出す。柴咲さんは自ら詞をつけた主題歌「サヨナラブ」に加え、ユーミンこと荒井由美(松任谷由美)の名曲で、宮崎駿監督のアニメ『魔女の宅急便』でも使用された「ルージュの伝言」をカバー。柴咲さんにとって他アーティストの楽曲をカバーするのは初めてのこと。今回の発表に際し柴咲さんは、主題歌のレコーディングについては「ディスコミュニケーションをテーマに制作しました。曲調はアップめだが、詞はシニカルな内容で、それを楽しんでレコーディングできました」と語り、「ルージュの伝言」に関しては「歌ってみたら、すごく自分にフィットして歌いやすかったです。レコーディングがとても早くできました」とのコメントを寄せてくれた。さらに映画については「思っていたより映像が暗くなくてフレッシュで、いまどきっぽくて、内容のわりに描写が爽やかでした。みーくんを、好きになってしまいました」と感想を寄せている。瀬田なつき監督は、挿入歌を「ルージュの伝言」のカバー曲にしたことについて「映画の中では、現在と過去を繋ぐ曲として使っています。幅広い世代の方が子供時代を思い出せるポジティブな曲として『ルージュの伝言』のような雰囲気がイメージだと伝えていたら、そのまま『ルージュの伝言』になりました。びっくりでした。楽曲を聴いてみて、懐かしくもあり、新しくもあり、不思議な感覚でした。何よりも柴咲コウさんが歌っているのかと思うとウキウキします。映画では、重要なシーンで使っていますので、楽しみに見て(聴いて)下さい」と語っている。そして大政さんからもコメントが到着!「POPな曲調と、切ないけど前向きな歌詞が、映画と重なって本当に素敵だと思いました。曲を聞いて、ますます映画の公開が楽しみになりました」と喜びを語っている。なお、本作は10月23日(土)から開催される第23回東京国際映画祭の「日本映画・ある視点」に出品されることも決まっており、来年の劇場公開を前にどのような評価を受けるのかも気になるところ。『嘘つきみーくんと壊れたまーちゃん』は2011年1月22日(土)より角川シネマ新宿、シネマサンシャイン池袋ほか全国にて公開。■関連作品:嘘つきみーくんと壊れたまーちゃん 2011年1月22日より角川シネマ新宿、シネマサンシャイン池袋ほか全国にて公開© 2010 「嘘つきみーくんと壊れたまーちゃん」製作委員会
2010年10月11日孤島に無人島に監獄島――。ここ最近、四方を海に囲まれた“島”というシチュエーションで描かれる映画および海外ドラマ作品が次々と世に送り出され、話題を呼んでいる。ひと口に“島”といっても、ごく普通に人間が暮らしていた島に、人々が流れ着いた無人島、囚人を隔離する監獄島などなどそのバリエーションは豊富。一体、島の何に人は魅せられるのか?島を舞台にした作品を大解剖!まず、この夏公開の邦画で製作発表当初から大きな話題を呼んでいるのが、桐野夏生による同名ベストセラーを木村多江主演で映画化した『東京島』。無人島に漂着した22人の男とたった1人の女の織りなす愛憎のドラマを描き出す。22人の男たちには、窪塚洋介に福士誠治、木村了、染谷将太など豪華俳優陣が集結。だがしかし!“無人島版イケメンパラダイス”などとのんきに思うなかれ!助けの来ない無人島という極限状態であぶり出される人間の本質に思わず冷や汗が…。続いて、DVDとして好評レンタル中の“島”作品といえば「ハーパーズ・アイランド」。舞台は7年前に6人が惨殺されるという事件が起きたシアトル沖に浮かぶハーパーズ島。平和を取り戻したかに見えるその島で、一組のカップルの結婚式が執り行われることになり、島を出ていた人々も久々に戻ってくるのだが、そこで再び惨劇が…。全13話からなるこちらの作品だが、各話ごとに必ず誰かが殺され、残された人々が“新たな容疑者”そして“次なる犠牲者”となっていくというめまぐるしい展開が特徴。逃げ道のない島ならではのサバイバルゲームにご注目!そして、レオナルド・ディカプリオが主演し、この4月に劇場公開された『シャッター アイランド』のDVDとブルーレイが早くも9月にリリースされる。物語の舞台となる島はボストン沖にあり、そこには精神を患った犯罪者が収容される病院がある。その“監獄島”の病院の、鍵のかかった病室からある女性患者が失踪。レオ扮する連邦保安官は、相棒と共に捜査のために島を訪れるが…。巨匠マーティン・スコセッシが仕掛ける深遠なる謎解きミステリー。残された暗号めいたメッセージに何かを隠すような人々…巧妙に仕組まれた“謎”の先にあるものは――。さらに、上記3作のほかにも、“元祖”島モノとして忘れてはいけない海外ドラマ「LOST」もいよいよファイナル・シーズンに突入!すでに放送はスタートし今後、DVDのレンタル&リリースも予定されており、こちらも要チェック!ジャンルも物語の展開も様々だが、そこには知らず知らずのうちに島の“魔力”に引き寄せられ、狂わされていく人々の姿が――。先述の『東京島』、「ハーパーズ・アイランド」、『シャッター アイランド』を一挙上映する“島フィルムフェスティバル”なるイベントが開催されるなど、やはりいま、島が熱い!?島で繰り広げられる、時に熱く、時に背筋の凍るような物語から目が離せない。夏休み特別企画 島フィルムフェスティバル■関連作品:LOST [海外TVドラマ]© AXN Japan Inc. All Rights Reserved.シャッター アイランド 2010年4月9日より全国にて公開© 2009 BY PARAMOUNT PICTURESハーパーズ・アイランド [海外TVドラマ]© TM & c 2010 CBS Studios Inc. CBS and related marks are trademarks of CBS Broadcasting Inc. All Rights Reserved. TM, R & c by Paramount Pictures. All Rights Reserved.東京島 2010年8月28日よりシネスイッチ銀座ほか全国にて公開© 2010東京島フィルムパートナーズ■関連記事:話題の『東京島』も上映!「島フィルム・フェスティバル」に150組300名様ご招待真田広之が焼きゴテでグリグリ!「LOST」衝撃のファイナル予告編をお届けジョニー&「SATC」4人組…写真でふり返る来日ハリウッドスター2010年上半期木村多江が飛び出す!?本編は2Dの『東京島』の劇場予告編を3Dで上映!孤島の連続殺人事件、容疑者は25人ドラマ『ハーパーズ・アイランド』特別映像到着
2010年07月26日2009年は太宰治の生誕100年。この節目にちなんで今年から来年にかけて太宰作品を原作とした映画が4本立て続けに公開となる。5月に公開された『斜陽』に続き、10月10日(土)には『ヴィヨンの妻 〜桜桃とタンポポ〜』と『パンドラの匣』が、『人間失格』は来年公開予定だ。そこで、今回は同日に初日を迎える2本を紹介したい。世間一般的に知られている“太宰治”像は、自殺癖があって、暗い性格で、けれど男前…といった感じだろうか。もちろんその背景には「人間失格」が与えるイメージが大きい。しかし、主演・松たか子、共演・浅野忠信、『雪に願うこと』の根岸吉太郎監督という実力派のコラボレーションによって生まれた『ヴィヨンの妻 〜桜桃とタンポポ〜』は、ある1組の夫婦の生きざまを丁寧に描いた愛の物語。そこにあるのは前述したダークな印象ではなく、清々しさと切ない愛。見ごたえある文芸ドラマである。もちろん、そう言い切れるのは──愛人は作る、借金は作る、おまけに常に死を考えている小説家・大谷という、どうしようもないダメ男を魅力的に演じた浅野忠信、そんな大谷を大きな愛で包み込むしっかり者の妻・佐知を凛とした美しさで演じた松たか子、実力がなければ演じられない役どころを2人の俳優が見事に演じているからこそ。さらに、日本を代表する美術監督の種田陽平の率いる美術チームが創り上げた昭和20年代のセットの素晴らしいこと!原作、キャスト、スタッフ…すべて一流という贅沢な1作はファンならずとも見逃せない。そして、大人の愛を描いた『ヴィヨンの妻 〜桜桃とタンポポ〜』に対抗するのは、1945年、太平洋戦争中の日本を舞台に、結核にかかった青年・ひばりが人里離れた健康道場で病気の治療をしながら“新しい男”に生まれ変わろうとする姿を描いた青春モノ『パンドラの匣』だ。こちらのキャストはフレッシュさで勝負!オーディションで主役を勝ち取った16歳の染谷将太が主人公のひばりを演じるほか、看護師・竹さん役を2008年に著書「乳と卵」で第138回芥川龍之介賞を受賞した作家でありミュージシャンである川上未映子。意表を突いたキャスティングが見どころとなっている。演技初心者のキャストでは不安を感じるかもしれないが、「やっとるか」「やっとるぞ」「がんばれよ」「よしきた」──という小説そのままのセリフや雰囲気ある健康道場など、ファンタジックとも言える世界観を強く意識できるのは、無名の俳優だからこそ。役者に対する先入観がない分、その世界観が浮き立ってみえる。また、『パリビリオン山椒魚』で衝撃デビューを飾った冨永昌敬監督と菊地成孔(音楽)が再びタッグを組んでいる点も注目したい。複雑な大人の愛なら『ヴィヨンの妻 〜桜桃とタンポポ〜』、甘酸っぱい青春の恋なら『パンドラの匣』という、恋愛をキーワードに選ぶのもありだが、どちらを観ても太宰治がこんなにもドラマティックでポジティブな作品を残していたことに驚かされるはず。(text:Rie Shintani)■関連作品:ヴィヨンの妻〜桜桃とタンポポ〜 2009年10月10日より全国東宝系にて公開© 2009 フジテレビジョンパパドゥ新潮社日本衛星放送パンドラの匣 2009年10月10日よりテアトル新宿ほか全国にて順次公開© 「パンドラの匣」製作委員会■関連記事:『パンドラの匣』仲里依紗インタビュー「時々、自分が分からなくなります(笑)」フルCGのミッキー・カーチスが見どころ?『パンドラの匣』宮城先行公開変わりやすい?女心と秋の空vol.1『ヴィヨンの妻〜桜桃とタンポポ〜』松たか子、夫婦像について意味深な感想「常識で線を引かずに自由でいいかも」『ヴィヨンの妻』モントリオール監督賞受賞で浅野忠信、松たか子からも喜びの声が到着
2009年10月09日