テレビ朝日・木曜ドラマ枠で、骨太な法医学サスペンス「サイン―法医学者 柚木貴志の事件―」が7月よりスタートすることが決定。大森南朋が民放連続ドラマ単独初主演を務め、松雪泰子、飯豊まりえ、高杉真宙、仲村トオルといった豪華キャストが共演する。本作は、テレビ朝日のロングランシリーズ「法医学教室の事件ファイル」や昨年のヒットドラマ「アンナチュラル」などでも取り扱われる人気の高いジャンル・法医学を軸に、“真の正義とは何か”を問うノンストップの群像サスペンス。原作は韓国の大ヒットドラマ「サイン」(2011年)。様々な事件の真相を追い求める無骨な天才法医官と新人女性法医官が、“真実”を隠ぺいしようとする絶対的権力に立ち向かっていく姿を描いた同作は、韓国で初めて法医学を扱ったドラマとしても話題に。最高視聴率25.5%を記録し、「大韓民国コンテンツアワード」の放送映像グランプリ分野で大統領賞も受賞した。勝つのは“法医学があぶり出す真実”か、“権力が作り出す嘘の真実”か――大森南朋を主演に迎え、日本版としてよみがえる本作は、法医学を基軸に、絶対的権力を誇示する巨悪を相手取った“真実”をめぐる熾烈な戦いを描く。韓国版は実在の法医学鑑定機関「国立科学捜査研究院」を舞台に、国や権力の息がかかりやすい状況下での攻防戦を描いたが、日本では該当する国家機関がないことから、「日本法医学研究院」なる厚労省・警察庁共管の架空組織を設定。法医学の現場で実際に起こりうる、第三者による解剖結果への“干渉”や“忖度”を国レベルに押し上げ、物語をダイナミックに揺り動かしていく!失敗と挫折、裏切りと陰謀に翻弄されながらも、遺体に残された真実の証(=サイン)と正義を求めて突き進む解剖医と仲間たち…。物語は、あるスターの死亡事件をきっかけに、想像を絶する巨大権力が暗躍し始め、解剖医たちが導き出した“真実”は闇から闇へと葬り去られてしまうことから幕を開ける。全話を通してどこまでも複雑に絡み合う驚愕の物語展開と、誰も予想できない号泣必至の衝撃ラストが、観る者の心に大いなる爪痕を残す――。大森南朋、松雪泰子、飯豊まりえ、高杉真宙、仲村トオル…実力派揃いの群像劇大森さんが演じるのは、愚直なまでに真実と正義を追求する「日本法医学研究院」の解剖医・柚木貴志。同院長・兵藤邦昭の一番弟子で、解剖の腕は超一流。すこぶる口が悪くて偏屈な無頼派だが、表になかなか出さない胸の奥底には温かい心が宿っている。「柚木はすごく真っ直ぐで、自分が信じているものに対して疑いがない人。だからこそ、目の前に立ちはだかる矛盾にあふれた世の中と常に戦っている」と大森さん。「僕自身も柚木の生き方にはわりと共感します」と語る。韓国版を楽しみに見ていたそうで、「今回の日本版では僕なりに一歩超えた“オリジナルの色”を提示できる作品にしたい。俳優・大森南朋、全力で取り組みますので、ぜひ楽しみにしていてください!」と力強い。松雪さんは、女性初の捜査一課長を目指す野心家の管理官・和泉千聖を演じる。圧倒的な男性社会である警察組織の中で悔しさをバネに、必死に勉強して現在の地位まで這い上がってきた。勝ち気で、芯が強い。柚木貴志とはかつて恋人関係にあり、一時は婚約もしていた。そんな大人の女性に「力強さのある女性像を構築していきたい」と松雪さん。「幸いなことに、男性にも負けない力強さは私自身も持ち合わせております(笑)。自分の中に潜んでいる“ライオン”を引き出して、この役に挑みたいと思います」と頼もしく語る。また、柚木の助手となる新人解剖医・中園景を演じるのは飯豊さん。尊敬する「日本法医学研究院」院長・兵藤邦昭の一番弟子である柚木のもとで、自ら弟子になることを志願し、食らいついていく、打たれ強く天真爛漫な女性。実は、過去に身内がある事件に巻き込まれているという。「柚木さんの姿を見ながら、私自身も景と一緒に大きく成長していきたいです。柚木さんには相当虐げられますが(笑)、今の世の中なかなかそういう先輩もいない気がするので、すごく楽しみ」と語りつつ、「実は私、景のように、先輩に対しても立ち向かっていくような、強い女の子をあまり演じたことがないんです。その点でも今回はすごく楽しみです!」とコメント。一方、高杉さんが演じるのは、生意気だが正義感あふれる千聖の部下の警部補・高橋紀理人。若手ゆえに経験値はまだ浅いが、刑事としての勘が冴えており、仕事は優秀。千聖の迫力に時折ビビりながらも、臆することなくズケズケと物を言い、かなり生意気だが、なぜか憎めない新世代刑事。「10代の頃は犯人役が多くて、刑事役は今回が初めてなんです。実は、刑事役にはすごく憧れがあって…」と高杉さん。「僕が演じる紀理人は純粋に真実を追い求める刑事。一方で、ちょっと軽い部分もありますけど、誰からも好かれるタイプの子なんです。この二面性をうまく切り替えながら、演じていきたい」と語り、“メスライオン”のごとき千聖に対して「タメ口をきいても許されるキャラクターってすごいなって思うんですよ。そうやって生きてこなかった僕にとっては、高度な生き方(笑)」と演じる役柄に憧れがあるよう。そして、そんな彼らの前に立ちはだかるのが、国立大の法医学教授・伊達明義を演じる仲村さん。「真実とは勝者に与えられるものだ」と言い切り、権力側に寄り添う危険な男。自らの保身のためなら、時には解剖結果の改ざんもいとわない。かつて兵藤邦昭と「日本法医学研究院」院長の座を争って負けたが、いまもなおその椅子を虎視眈々と狙っている。仲村さんは「“大きな枠組みの中で世の中をもう少し良き方向へ導く”という正義感、“今存在する大きな問題を解決するのは自分だ”という使命感があるからこそ、強引に事を進める男。あくまで現時点における僕の想像でしかありませんが、そういった要素を香辛料的に散りばめられたらいいな、と思っています」と意気込む。対立する柚木貴志は「大森(南朋)くんですから!予想を超えた感情を刺激してくれるだろうという期待も、ものすごくあります」と語っている。大人のベテラン実力派俳優陣と、旬で勢いのある若手俳優陣が力を合わせ、見応えある法医学サスペンスを織りなす本作。万全のキャスティングでさらなる熱を帯びる“それぞれの信念と思惑が入り乱れる圧巻の群像劇”に、期待していて。「サイン―法医学者 柚木貴志の事件―」は7月、毎週木曜21時~テレビ朝日系にて放送。(text:cinemacafe.net)
2019年05月28日「担当編集者にアイドル好きの女性がいて、一緒に出掛けたり情報を交換したりしているんです」そんな関係から生まれたのが、柚木麻子さんの新作『デートクレンジング』。ただし主人公は義母が切り盛りする喫茶店で働く35歳の佐知子。アイドルグループ「デートクレンジング」の解散が決まり、長年彼女たちのマネージャーをつとめてきた親友の実花が突然、婚活を開始。仕事に打ち込んできた彼女に憧れていた佐知子は戸惑いを隠せず…。社会の呪縛にとらわれた親友のため、奔走するヒロインを描く痛快小説。「アイドルに興味のない人でも、誰かしら憧れの存在はいるはず。アイドルって自分の知らない世界を見せてくれる人、抑圧から自由にしてくれる人。佐知子にとっては、それが好きなことを仕事にして打ち込む実花だったんです」ではなぜ、実花は婚活を言いだしたのか。「もともとデートクレンズという言葉があるんですが、これは“女の人はデートしなきゃ”という呪いを解いて、他のことを楽しむ時間を作ろう、という意味。自分が育ててきた『デートクレンジング』も、男ウケを狙わずにきたグループ。それが解散となり、実花は自分のやり方が間違っていたと思い、世の中に従って男性に献身するためにしたくもない婚活をしようとしているんです」彼女の無理をやめさせたい佐知子だが、自身は既婚者。しかも妊娠が分かり…。「最近、女の人が分断されていると感じるんですよね。女の人は似た者同士でないと仲良くできない、結婚している人といない人同士、子どもがいる人いない人同士では仲良くできない、などと社会が決めつけている気がします。でもそんなことで友情を失わなくていいって言いたかったんです」主人公を妊婦にしたのにも意味が。「ドラマでも妊婦が登場するとたいてい脇役で常識担当で、ヒロインは恋に仕事に奮闘しますよね。そのお決まりの描かれ方が嫌で。妊婦だって悩んだり頑張ったりしていいはず。だから、ドタバタコメディの主人公を妊婦でやりたかったんです」『デートクレンジング』嫁ぎ先の喫茶店で働く佐知子にとって、親友の実花は憧れの存在。仕事一筋だった彼女が婚活すると言いだし、驚く佐知子だったが…。祥伝社1400円佐知子の奮闘の結果は?実花の選ぶ道は?アイドルたちや婚活マスターら個性的な登場人物を盛り込みつつ、意外な、でも腑に落ちる結末が待っている痛快な一作だ。※『anan』2018年5月16日号より。写真・土佐麻理子(柚木さん)大嶋千尋(本)インタビュー、文・瀧井朝世(by anan編集部)
2018年05月13日