歴史って知っていると、観光をしたときに興味が一層湧いたり、人に話すのが楽しくなったりと、結構おもしろいものです。最近では歴女などと呼ばれる、歴史好きの女性も増えてきているほど。このように歴史への世間の関心は高いよう。栃木には歴史に大きくかかわる場所が意外と多い。「日光東照宮」「平家の里」などは知る人も多いはず。そんな古き良き文化、自然が、残り続けている栃木県で、歴史を学ぶ旅に出ましょう!栃木の歴史を巡る旅、歴史の名所は「日光東照宮」だけじゃない!日本を代表する世界遺産、「日光の社寺」のなかでも、もっとも有名なものが「日光東照宮」。徳川家康公を祀るために建てられたものです。江戸幕府を築き上げた家康が祀られていると思うと、壮大な歴史を感じます。さて、次は「大猷院仁王門」に。1つ目の門で、口を開いた「阿形」と口を閉じた「吽形」の2体の仁王像が安置されています。その作りには圧巻するものがある大迫力、「阿吽の呼吸」という言葉もここに由来していると言われています。「竜頭の滝」や「神橋」も観光スポットとして、有名です。スポット情報スポット名:神橋住所:栃木県日光市上鉢石町電話番号:0288-54-0535スポット情報スポット名:輪王寺住所:栃木県日光市山内2300電話番号:0288-54-0531スポット情報スポット名:竜頭の滝住所:栃木県日光市中宮祠電話番号:0288-22-1525ホテルだって歴史的、「日光金谷ホテル」で古き日の思いに耽る世界遺産「神橋」脇の高台に佇む日光金谷ホテルは、現存する日本最古のリゾートホテルです。写真の客室は、昭和10年(1935年)に建てられた別館のもので、当時の趣を色濃く残しているのはもちろん、昭和12年(1937年)には、ヘレン・ケラー女史もご宿泊されるなど、ホテルを代表する客室のひとつとなっています。国の登録有形文化財に登録されてからも変わらず、宿泊利用も可能なので、日光の社寺を巡る、聖地「日光」の歴史の次は日光金谷ホテルで、国際避暑観光地「NIKKO」の歴史にも触れてみてはいかがでしょうか。とちぎ旅ネット(外部リンク)制作協力:栃木県企画編集:ルトロン編集部スポット情報スポット名:日光金谷ホテル住所:栃木県日光市本町1-25電話番号:0288-50-1873
2017年02月19日ボロブドゥール photo:世界遺産イェーイ!約18,000もの島々から成る島国インドネシア。その中心となるジャワ島に仏教とヒンドゥー教の宗教遺跡、ボロブドゥールとプランバナンがあります。 ボロブドゥールは世界最大の仏教寺院、プランバナンはヒンドゥー教の寺院です。ボロブドゥール、プランバナン寺院以外にも世界遺産に登録されている寺院が多数あるのですが、それらは仏教寺院とヒンドゥー教寺院が混在していて、二つの宗教がゆるやかに融合し共存してきた歴史を垣間見ることができます。 1. ボロブドゥールの仏教寺院群世界最大規模の仏教遺跡ボロブドゥールは、インドネシア観光のハイライトとも言えるポピュラーな観光地です。 1,000年も密林の中で眠っていたボロブドゥールphoto:ひさほ ゆう770年頃から820年頃にかけて仏教を信仰するシャイレンドラ朝という王朝によって築かれたボロブドゥール。1871年にイギリスのラッフルズに発見されるまで何と約1,000年間もの間、密林の中に埋もれていました! 大乗仏教の宇宙感を表す構造マノハラホテルに展示されていたレプリカ photo:世界遺産イェーイ!遠くから見ると1つのピラミッドみたいなものに見えますが、実は2つの部分から構成されています。上部の「3層の円壇(丸い形)」と下部の「5層の方形壇(四角い形)」、そして「3層の円壇」の頂上にはストゥーパ(釣鐘状の塔)があります。これらの構造は大乗仏教の宇宙感を表しています。 レリーフにも注目!photo:世界遺産イェーイ!「5層の方形壇」の各層は、回廊上になっており、その壁面は仏教をテーマにしたレリーフ(浮き彫り)で埋め尽くされています。こちらのレリーフのカメは実はお釈迦様なのです。釈迦は前世でカメとかゾウとかサルとか様々な姿で善行に励んだとされています。 「ボロブドゥールの仏教寺院群」という名称で世界遺産に登録されているボロブドゥール。実はボロブドゥール寺院に加えて、近隣にあるムンドゥ寺院、パウォン寺院を含めた3つの寺院が世界遺産として登録されています。 ムンドゥ寺院photo:ひさほ ゆうボロブドゥールから東に3kmのところにある小さな寺院で、中にある「三尊像」というジャワ美術の最高傑作ともいわれる仏像と、外壁の「レリーフ」が見所となっています。 パウォン寺院photo:世界遺産イェーイ!同じくボロブドゥールから東に1.5kmのところにある「パウォン寺院」はムンドゥ寺院を一回り小さくしたような感じの建物で、可愛らしい小窓がついたレリーフが有名です。photo:世界遺産イェーイ!ボロブドゥールから歩いて観光するには少々遠い2つの寺院。私たちはベチャという三輪自転車タクシーでまわりました。夫婦二人で乗ると少々重いのか坂道は歩かされることに・・・バイクタクシーやレンタルサイクなどもあるので効率よく回りましょう。結構暑いので暑さに負けずに観光して下さいね! オススメのホテルphoto:世界遺産イェーイ!ボロブドゥールを観光するなら、レストランからボロブドゥールが見えちゃう奇跡の立地なのにリーズナブルな「マノハラ・ホテル」に泊まるのがオススメ!ボロブドゥールの向こうから朝日が昇る光景を見ることができるサンライズツアーもこちらのホテルから出発します!ホテルの中にある「オーディオ・ビジュアル館」では、遺跡の歴史を解説したビデオが上映されています。レリーフの解説など図を使ってわかりやすく説明されているので、観光する前にぜひ見てみましょう。ビデオは何と日本語もありますよ! ■ボロブドゥールの仏教寺院群 (文化遺産)・登録:1991年・登録基準: 「人間がつくった傑作」「文化交流」、「出来事や宗教、芸術」・アクセス:成田から首都ジャカルタ、またはバリ島のデンパサールまで直行便で約7時間。ジャカルタ、またはデンパサールからジョグジャカルタまで飛行機で約1時間。ジョグジャカルタからバスで約1時間半。 2. プランバナンの寺院群photo:ひさほ ゆう9世紀に建造されたプランバナン寺院(別名ロロ・ジョングラン寺院)には、ヒンドゥー教の3大神、「シヴァ神」、「ヴィシュヌ神」、「ブラフマー神」を祀る建物が3つそびえており、さらにそれぞれの神の祠堂の前には、その神の乗り物が祀られた小堂があります。シヴァ神は「ナンディ(牡牛)」、ヴィシュヌ神は「ガルーダ(神鳥)」、ブラフマー神は「ハンサ(白鳥)」に乗っています。photo:世界遺産イェーイ!ヴィシュヌ神の祠堂の内部にはビシュヌ神の像があります。それぞれの祠堂の中には像があるので入れるところは入ってみましょう! ラーマヤナのレリーフphoto:ひさほ ゆう中心にあるシヴァ神をまつったシヴァ堂の回廊の見事なレリーフには、ヒンドゥー教の神話「ラーマヤナ」で描かれているコーサラ国の王子ラーマの活躍する姿が彫られています。 世界遺産でラーマヤナ舞踊劇を鑑賞写真提供:インドネシア共和国観光省プランバナン寺院の屋外劇場では、夜にラーマヤナ舞踊を鑑賞することができます!5月~10月は屋外で、それ以外の時期は屋内で週3~6回上演されています。 星空の下、ガムランの響きを聞きながら幻想的な舞踊を見学しましょう!世界遺産として登録されている寺院は、プランバナン寺院以外に、仏教寺院のセウ寺院、ヒンドゥー教寺院のカラサン寺院、サンビサリ寺院などがあります。ボロブドゥールを築いた仏教王国シャイレンドラ朝とプランバナンを築いたヒンドゥー教国マタラム朝は王族同氏の結婚により縁戚関係にありました。宗教の違いを超えて良い関係を築いていたことを遺跡から感じ取ることができます。 ■プランバナンの寺院群(文化遺産)・登録:1991年・登録基準:「人間がつくった傑作」、「建築技術」・アクセス:プランバナン寺院は、ジョグジャカルタから車で約45分。プランバナン寺院以外のセウ寺院などをまわる場合は、タクシーチャーターが便利。 ※記事中の情報は、全て2016年10月現在のものです。(参考文献:『すべてがわかる 世界遺産大事典 世界遺産検定公式テキスト』、『きほんを知る世界遺産44 世界遺産検定4級公式テキスト』、『地球の歩き方』、『るるぶ』】) 4年間世界遺産巡りの旅をした夫婦「世界遺産イェーイ!」のコラム
2016年10月30日ホイアン ©TRIPPING!世界遺産と言えばアンコール・ワットやピラミッドのようにドーンとした遺跡のイメージが強いと思うのですが、実は街並み全体が世界遺産として登録されているところがあるのです。屋台へおやつを買いに行くだけで、それはもう世界遺産散歩!東南アジアの街の世界遺産は特にオススメなのです! ねっとりと暑い中汗をかきながら散歩したり、屋台で買い食いしながら道端に座り込んでおばちゃんとおしゃべりしたりするのも醍醐味の1つ!ヨーロッパなどにも街の世界遺産ってたくさんあって、魅力的なところも多いのですが、名所が多いからかあれを見て!これを見て!と忙しくせかせかと動き回ってしまいます。名所1つ見落としちゃったけれど、屋台のプリン美味しかったから、まあいいや~と思っちゃうのが東南アジアの街の世界遺産の魅力ではないでしょうか。ホイアン photo:世界遺産イェーイ! 今回の記事では、東南アジアが誇る街の世界遺産4選をご紹介いたします!1. 古都ホイアン (ベトナム)2. マラッカとジョージ・タウン:マラッカ海峡の歴史都市 (マレーシア)3. 古都ルアン・パバン (ラオス)4. ビガンの歴史地区 (フィリピン) 東南アジアの街の世界遺産の特徴の一つに、他の国の影響を強く受けているというのがあります。国際貿易港として発展したために様々な建物や教会、寺院が残されているホイアンやジョージタウン、欧米列強に支配された歴史を持つマラッカやビガンなど、どういった歴史を経てこのような見事な街並みが作り上げられてきたのかにも注目してみると面白いかと思います! 1. 古都ホイアン (ベトナム)人気急上昇中の街の世界遺産、ホイアン!成田から直行便のあるダナンから車で1時間とアクセス良好です!来遠橋(日本人橋) photo:ひさほ ゆうホイアンは16~19世紀に中国、インド、アラブを結ぶ中継貿易の拠点として栄えた港町です。16世紀~17世紀には日本との朱印船貿易の中継地点として栄え、かつては日本人町もありました。しかし江戸幕府の鎖国政策により日本人町は衰退し、現在はその後に移り住んできた中国人の影響を受けた街並みとなっています。 フーンフンの家(馮興家) photo:ひさほ ゆうホイアンではノスタルジックな木造のお家を見学することができます!こちらのフーンフンの家は約200年前に貿易商人の住居として建てられた家。建物の中は中国っぽいレトロな雰囲気なので、ぜひ部屋の中も見学して下さい。photo:ひさほ ゆう夜景も素敵なホイアン!ダナンからナイトツアーもあるので、夜景も安全に楽しめます!朝、昼、夕方、夜と様々な姿を見ることができるのも、街の世界遺産ならではです。夜の来遠橋 ©TRIPPING! アクセス成田からダナンまで直行便で約6時間。ダナンからホイアンまで車で約1時間。 ■古都ホイアン (文化遺産) ベトナム・登録:1999年・登録基準:「文化交流」、「伝統的集落」 2. マラッカとジョージ・タウン:マラッカ海峡の歴史都市 (マレーシア)マレー半島とスマトラ島(インドネシア)の間にあるマラッカ海峡は、古くから太平洋とインド洋を結ぶ海上交通の要所でした。マラッカ海峡周辺はモンスーン(季節風)の変わり目にあるため、風待ちで停泊する中継地として栄えました。こちらの世界遺産はマレーシア南部の都市マラッカとペナン島にあるジョージタウンの2つの都市が世界遺産として登録されています! ■マラッカマレーシア最古の都マラッカには、15世紀にイスラム教国家マラッカ王国、そして16世紀にポルトガル、オランダ、イギリスに支配された時の建物が残されています。photo:ひさほ ゆうマラッカのシンボル的存在であるオランダ広場!正面はムラカ・キリスト教会、右側の建物がオランダの旧総督邸であるスタダイスです!photo:ひさほ ゆうこちらは日本に初めてキリスト教を伝えたことでも有名な、聖フランシスコ・ザビエル教会です。中にある美しいステンドグラスは必見。このように美しい宗教建造物を見ることができるのも東南アジアの街の世界遺産の特徴です!クアラルンプールから車で約2時間とアクセス良好なので日帰りも可能です。乗り継ぎの関係で、クアラルンプールで1泊するけれどどこに行こう?!なんて時にもオススメですよ! アクセス日本からマレーシアの首都クアラルンプールまで飛行機で約7時間半。クアラルンプールから車で約2時間。 ■ジョージタウンphoto:世界遺産イェーイ!1786年、イギリス東インド会社のフランシス・ライトは、東南アジア進出の拠点にペナン島を選び、以後この島は東西貿易の中継地として発展していきました。そのためペナン島にはイギリス統治時代の建造物が数多く残されています。こちらのシティ・ホール(ペナン市庁舎)は神殿のような造りが特徴です!このようにイギリスなど植民地時代の建物の形式をコロニアル様式とも言います。photo:世界遺産イェーイ!左手前が中国寺院の「ヤップ・コンシ」で、右奥にちょこっと写ってる塔がペナン島最大のモスク「カピタン・クリン・モスク」のミナレット(尖塔)です。街を歩いていると、イギリス、中国、イスラムなど東洋と西洋の文化が入り混じったエキゾチックな雰囲気を味わうことができます。photo:世界遺産イェーイ!ペナンと言えば食も有名!こちらはペナン島のラーメン福建麺(ホッケン・ミー)!エビの出汁がたっぷりのスープに、レンゲに入っている辛いソースを混ぜると絶品!美食の街ペナンは屋台メシの食べ歩きも楽しいです。 アクセスクアラルンプールからジョージタウンまで飛行機で約1時間。 ■メラカとジョージ・タウン:マラッカ海峡の歴史都市 (文化遺産) マレーシア・登録:2008年・登録基準・:「文化交流」、「文明の証拠」、「建築技術」 3. 古都ルアン・パバン (ラオス)photo:世界遺産イェーイ!ルアン・パバンはラオスの仏教信仰の中枢として栄えた古都です。こちらの写真は何層にも重なった屋根を持つ本堂(ルアン・パバン様式)が有名な「ワット・シェントーン」です。photo:世界遺産イェーイ!市内中心地のサッカリン通りでは、早朝に僧侶達の托鉢を見ることができます!photo:世界遺産イェーイ!ルアン・パバンでは毎晩ナイトマーケットが開かれます。可愛いらしい雑貨などが多く、ついつい買いたくなってしまうものばかり。お寺巡りもお買い物も楽しいルアン・パバンです。photo:世界遺産イェーイ!ラオスは19世紀半ば以降からフランスによって、カンボジア、ベトナムと共に植民地化されました。その影響で、ラオスでも美味しいフランスパンを食べることができます。好きな具を挟んでもらって観光の合間にパクリしちゃいましょう! アクセス日本からタイの首都バンコクまで飛行機で約6時間半。バンコクからルアン・パバンまで飛行機で約1時間半。 ■古都ルアン・パバン (文化遺産) ラオス・登録:1995年・登録基準:「文化交流」、「建築技術」、「伝統的集落」 4. ビガンの歴史地区 (フィリピン)photo:ひさほ ゆうフィリピン北部、南シナ海に面した良港をもつ街ビガンは、16世紀後半からスペインの植民地として築かれ、中国やメキシコとの交易の要所として発展しました。こちらの写真は美しいスペイン風の大聖堂、聖ポール大聖堂です!photo:ひさほ ゆうこのような石と木を組み合わせた家屋が特徴で、こちらはフィリピンの公用語のタガログ語で「バハイ・ナ・バト」と呼ばれています。photo:ひさほ ゆう街は都市計画に基づいて碁盤目状に作られています。スペイン情緒溢れるコロニアルな街並みを馬車で世界遺産散歩するのも楽しいですよ! アクセス日本からフィリピンの首都マニラまで飛行機で約4時間半。マニラからラワグまで飛行機で約1時間。ラワグからビガンまで車で約1時間半。 ■ビガンの歴史地区 (文化遺産)・登録:1999年・登録基準:「文化交流」、「建築技術」 ※記事中の情報は、全て2016年9月現在のものです。(参考文献:『すべてがわかる 世界遺産大事典 世界遺産検定公式テキスト』、『きほんを知る世界遺産44 世界遺産検定4級公式テキスト』、『地球の歩き方』、『るるぶ』】 4年間世界遺産巡りの旅をした夫婦「世界遺産イェーイ!」のコラム
2016年09月30日プリンスの遺産管理団体がイベントプランナーから5万6,260ドル(約580万円)の損害賠償を求められている。今年4月にプリンスが死去したことにより、ミネソタ州ペイズリー・パークにあるプリンスの自宅で予定されていた2つのイベントが中止となっており、そのイベントを企画したリッキー・バロン氏が自腹を切るはめになったと主張しているという。ピープル誌が入手したミネソタ州の裁判所に提出された書類によれば、バロン氏はペイズリー・パークの代理として行った仕事と遺産管理団体が中止したイベントによって得るはずだった利益5万6,260ドルを求めているという。イベントの1つは、難病と闘っている子どもたちの夢を叶える活動を行うメイク・ア・ウィッシュ、もう1つは、文化多元主義の劇団ミクスド・ブラッド・シアターとの企画だったといわれている。今回のバロン氏が訴える前には、ミクスド・ブラッド・シアターでアーティスティック・ディレクターを務めるジャック・ルーラーが、40周年ガラが中止されたことを受け、34万8,358ドル(約3,600万円)をプリンスの遺産管理団体に求めていると伝えられていた。そんな中、先日にはプリンスの自宅ツアーが来月6日から始まると明らかになったばかりだ。そのツアーでは、プリンスが数々のヒット曲を生み出したレコーディングスタジオを含む建物の主要な箇所を回り、プリンスが手にしたアワード、コンサートの衣装、レアな音源や映像に加えプリンスが手にした楽器も数点も目にすることができるという。(C)BANG Media International
2016年09月18日4月に過失による多量投薬で他界したプリンスの遺産管理費用が、すでに約200万ドル(約2億340万円)に達しているようだ。プリンスが遺書を残していなかったことで、遺産管理を担当するブレマー・トラストは、スティンソン・レオナルド・ストリート・ファームの1社だけでの190万ドル(約1億9,300万円)を含む多額費用を法律事務所数社に支払う許可を裁判所に求めているという。同社は自社に対する手数料の支払い許可も裁判所に求めているというが、その金額は公表されていない。そんな中、プリンスがビバリーヒルズ、ニューヨーク、ミネソタに所有していた自宅などが売りに出されている。TMZによれば、法廷書類にはその物件が市場価値の90パーセント以上のオファーだった場合にのみ売却すると記されているようだ。それに対して法廷は、一部の物件の売却を遺産管理団体に許可したようで、ミネソタの自宅だけでも3,000万ドル(約30億円)はくだらないと言われている。また死後間もなくには、プリンスが1,200万ドル(約12億円)相当の別荘をタークス・カイコス諸島に所有していたことが明らかになっていた。プリンスは10寝室をも要するその豪邸を2010年に購入していたというが、実際に住むことはなかったという。その家は家具は全てそろっていないながらも、映画『パープル・レイン』で使用された鏡や椅子などが備えられていると言われているが、今回の売却物件に含まれているかどうかは分かっていない。(C)BANG Media International
2016年08月03日photo:世界遺産イェーイ!ご存じ!東南アジアで最も有名な世界遺産、アンコール・ワット!東南アジアにはバラエティに富んだ世界遺産がたくさんあり、どれもオススメなのですが、やはりアンコール・ワットの存在感は圧倒的です。ちなみに、世界遺産として登録されているのは、アンコール・ワットだけではありません。世界遺産「アンコールの遺跡群」は、9~15世紀にかけてインドシナ半島のほとんどを支配していたクメール人の王国、アンコール朝の遺跡群で、その最高傑作がアンコール・ワット。世界遺産の登録範囲は40000ha、東京ドーム約855個分!という広大な敷地に600を超える石造りの遺跡が残されています。アンコール・ワットの次に有名と言われている、仏教的要素が強いアンコール・トム、巨大な樹木が遺跡にからみついたタ・プローム、東洋のモナリザと言われるデヴァター(女神)像で有名なバンテアイ・スレイなど、アンコール・ワット以外にも見所は満載です。バイヨン寺院の四面仏塔@アンコール・トム photo:世界遺産イェーイ!さて、今回はアンコール・ワットでこれだけは押さえておきたいスポットを時系列にご紹介致します。朝日や夕日を絶対に見たいので、アンコール・ワットは観光する時間帯が重要なのです! アンコール・ワット観光の1日はこんな感じ!1. 5時:アンコール・ワットの朝日2. 8時:第一回廊のレリーフ(浮き彫り)観光3. 10時:シェムリアップの街に戻ってブランチまたは他の遺跡観光4. 14時:アンコール・ワット再び5. 17時:プノン・バケンかプレ・ループから夕日 1. 5時:アンコール・ワットの朝日西参道北側の聖池の前からパシャリ photo:世界遺産イェーイ!アンコール・ワットまでやってきたら、絶対に見たいのが朝日!前日までの移動で疲れているかもしれませんが、暗いうちに起き出して、次第にはっきりと姿を現す暁のアンコール・ワットを目に焼き付けましょう。アンコール・ワットは、12世紀後半アンコール朝のスールヤヴァルマン2世によって約30年かけて造営されたビシュヌ神を祀るヒンドゥー教寺院です。クメール語で「アンコール」は「街」を「ワット」は「寺院」を表します。そんなアンコール・ワットは、ヒンドゥー教の宇宙観を元に建てられており、だいたい以下で構成されています。・お堀・東西南北の門・東西の参道・経蔵・聖池・第1回廊・十字回廊・第2回廊・第3回廊・中央塔を含む5つの尖塔「中央塔」は世界の中心とされる伝説の山、須弥山(しゅみせん:メール山)を象徴し、中央に行くに従って高くなる3重の回廊は「山脈」や「大陸」を表し、お堀は「大海原」を表しています。何とも、神秘的ですね!アンコール・ワットの全体像を見るにはやっぱり空からが一番!「アンコール・バルーン」という気球に20USドルで乗ることができます。気球はロープにつながれたまま200m真上に上昇します。横の移動がないため、比較的安全で怖くありません!人気なので、事前の予約は必須です。ちなみに、アンコール・ワットの観光は原則早朝5時半からとなっています。アンコール・ワットの中に入れなくて朝日が見られないという可能性は低いと思うのですが、念のため日の出の時間と観光開始時間を現地のホテルなどで確認してから行きましょう!観光の拠点となる街はシェムリアップ。シェムリアップの街からアンコール・ワットまでは車で約15分です。早朝の車の手配などは念のため前日までにしておきましょう! 2. 8時:第一回廊のレリーフ(浮き彫り)photo:世界遺産イェーイ!さて、日の出の後は第一回廊のレリーフ(浮き彫り)を見に行きましょう!この時間帯は、朝食を食べにホテルに戻る観光客が多いので、人が少なくて観光しやすいのです!この時間にレリーフを観光した方が良い理由はもう一つありまして、午前中は逆光となるため外観よりはレリーフなど内部の見所がオススメなのです。午後は順光となるので外観は午後に観光することにしましょう。中央塔を四角く囲んでいる第1回廊の壁面には1辺に2個ずつ物語をモチーフにしたレリーフがあり、壁面が浮き彫りでびっしり埋め尽くされてます。普通に歩いてくると西側の回廊から入ることになりますので、以下の順番に反時計回りで回るのが一般的です。1. 西側の南:マハーバーラタ(クルクシェトラの戦い)2. 南側の西:創建者スールヤヴァルマン2世の軍隊3. 南側の東:天国と地獄4. 東側の南:乳海攪拌(にゅうかいかくはん)5. 東側の北:ヴィシュヌ神の悪魔征伐6. 北側の東:クリシュナと魔王7. 北側の西:神々と悪魔の戦い8. 西側の北:ラーマーヤナ(ランカの戦い)マハーバーラタ@西側の南 photo:世界遺産イェーイ!古代インドの叙事詩「マハーバーラタ」。北インドの名門バーラタ族の覇権争いがテーマ。こちらのレリーフはパーンダヴァ軍とカウラヴァ軍が王位を争っている戦闘シーン。乳海攪拌(にゅうかいかくはん)@東側の南 photo:世界遺産イェーイ!ヒンドゥー教の天地創造神話を描いた「乳海攪拌」は、不老不死の妙薬「アムリタ」を手に入れる為に、神たちが色々な努力をするお話です。その中に、神々と魔人が大蛇の胴体を綱として引き合うシーンがあり、こちらの写真はまさに引っ張っているところなのです! 3. 10時:シェムリアップに戻ってブランチ、他の遺跡観光など一旦アンコール・ワットを出て宿があるシェムリアップに戻りブランチなど食べながら休憩しましょう!ブランチの後は最も暑い時間帯になります。早起きした疲れをマッサージで癒したり、プールでのんびりしたり、昼寝して休憩するのも良いでしょう。せっかくシェムリアップまで来たからには、昼寝なんてしてないでもっと遺跡を観光したい!という方にオススメなのはアンコール・トム!アンコール・ワットとアンコール・トムは車で約5分。アンコール・トム自体は3~4時間で全てまわることができます。遺跡の周辺には売店や軽食を食べられるところがありますので、そこでさくっと休憩して、観光を続けるのもアリです。くれぐれも水分補給は忘れずに!! 4. 14時:アンコール・ワット再びさて、アンコール・ワットに戻ってまいりました!夕日は別のところで見るので観光時間は17時までの3時間!効率良く行ってみましょう!・お堀と西参道photo:ひさほ ゆうまずは、お堀を見ながら西参道をテクテク歩いて行きましょう!奥に見えるのがアンコール・ワット最大の門、中央西塔門! ここをくぐって、いよいよアンコール・ワットの境内に入ります!photo:世界遺産イェーイ!西門の裏側には、彫りの深いデヴァター像がたくさんあります! ・聖池photo:世界遺産イェーイ!門から本堂入口の十字型テラスまで参道があります。その両側に経蔵があり、その先に聖池が2つあります。向かって右手の池には水がないのですが、左手の池には水が残されています。この左手の池が写真スポット!水面にアンコール・ワットが映る絶景をぜひとも写真に収めましょう!朝日の写真もここがオススメです! ・十字回廊photo:世界遺産イェーイ!第1回廊と第2回廊をつなぐ十字回廊に出てきました。十字に区切られた空間には4つの沐浴池があります。十字回廊の北側の真ん中のちょっと出っ張ったところにエコーが響く場所があります。壁を背にして胸をたたくと音が反響します!ツアーの皆さまがドーンドーンと胸をたたいていらっしゃるので、きっとわかるはず。一度やってみましょう!そしてこの十字回廊での一番の見所は「森本右近太夫」さんの落書き!1632年に仏像を奉納にやってきた右近太夫さんの落書き、現在は上から墨汁が塗られていて解読が難しいのですが必見です。落書きは十字回廊の南側、東側の沐浴池と西側の沐浴池の間にあります。 ・第2回廊photo:世界遺産イェーイ!第2回廊までやってくると、高さが結構高くなります。回廊の内部は第1回廊とは異なりガランとしており、頭部のない仏像が並んでいたりします。 ・第3回廊&5つの尖塔photo:ひさほ ゆう第2回廊を超えると、第3回廊、そして5つの尖塔の前に抜けることができます!中心にそびえる中央祠堂は4つの塔とそれをつなぐ第3回廊に囲まれた中心に立っています。日によっては第3回廊に登ることができます。急な階段ですので、足元に注意しましょう! 5. 17時:プノン・バケンorプレ・ループから夕日夕日は運なので難しいのですが、ベストシーズン乾季の11月~5月は比較的美しい夕日を見られる可能性が高いです!それでは、夕日スポットオススメ遺跡を2つご紹介致します! ・プノン・バケンアンコール・ワットから車で5分くらいのところにある夕日スポットNo.1と言われている「プノン・バケン」。高さ60mの小高い丘の上に建てられたヒンドゥー教寺院です。photo:世界遺産イェーイ!こんな感じでえっちらおっちら登って行きます。結構大変。そして、現在は入場制限などの規則があるそうなので、早めに行った方が良さそうです。photo:世界遺産イェーイ!頂上の様子です。photo:世界遺産イェーイ!頂上からは、アンコール・ワットが見下ろせます!photo:世界遺産イェーイ!私たちが見た夕日はこんな感じでした!幻想的ですがちょっと曇ってますね。これは10月に行ったときの写真です。うーん、夕日は難しい! ・プレ・ループアンコール・ワットから車で10分弱くらいの「プレ・ループ」。夕日スポットとしても有名なピラミッド寺院です。photo:世界遺産イェーイ!プレ・ループとは「体の変化」という意味で、火葬が行われていたことに由来するそうです。写真中央に見えるのが火葬に使われていた石槽です。photo:世界遺産イェーイ!少々曇っていますが、こちらが夕日!と、こんな感じで、真っ赤に燃える夕日を見るのは難しいですし、朝日と比べるとアンコール・ワットをバックにするわけではないので、ちょっとイメージとは違うのかもしれないのですが、何とか美しい夕日を見たいですね! 以上早朝からのアンコール・ワットを堪能する1日いかがでしたでしょうか。アンコール遺跡はまだまだあります!翌日もたくさんの遺跡を観光するために早寝しましょう! 世界遺産豆知識!■アンコールの遺跡群 (文化遺産)登録:1992年登録基準:「人間がつくった傑作」、「文化交流」、「文明の証拠」、「建築技術」・アンコール・ワットへのアクセス日本からカンボジアまでの直行便はないので、タイのバンコク、またはベトナムのホーチミン経由が一般的。【バンコク経由】日本からバンコクは直行便で約6時間半。バンコクからシェムリアップは約1時間。【ホーチミン経由】日本からホーチミンは直行便で約6時間。ホーチミンからシェムリアップまで飛行機で約1時間。 ※ 記事中の情報は、全て2016年7月現在のものです。(参考文献:『すべてがわかる 世界遺産大事典 <上・下> 世界遺産検定公式テキスト』、『きほんを知る世界遺産44 世界遺産検定4級公式テキスト』、『地球の歩き方』、『るるぶ』】 4年間世界遺産巡りの旅をした夫婦「世界遺産イェーイ!」のコラム
2016年07月31日歌手プリンスさんの遺産を巡り、新たな2人の相続人候補が現れたようだ。相続人を名乗る1人目のノーマン・イエイツ・カーテンズさんは今年4月に亡くなったプリンスさんの養子であると話しており、それを証明した遺書があること記した書類を遺言検認裁判所に提出した。ノーマンさんはプリンスさんが自分のために700万ドル(約7億5,400万円)の遺産を残していると主張しているが、現在その遺書がどこにあるか職員たちに話すことはできないとしている。また、もう1人のレジーナ・ソレンソンさんは、プリンスさんの異母兄弟であると主張しているとTMZが報じている。プリンスさんは遺書を残していなかったことから妹タイカ・ネルソンが相続財産管理人になっており、プリンスさんの残した遺産は推定3億ドル(約320億円)といわれている。タイカは自身の半分血のつながった兄弟たちアルフレッドとオマーと今年4月、ミネソタ州でプリンスさんの遺産についての話し合いを行ったが、タイカが葬儀にアルフレッドを呼ばないという決断を下したことにアルフレッドが腹を立て、2時間の話し合いはけんかで終了してしまったようだ。タイカの兄弟たちは、タイカが遺産を多くを受け取る権利があると思っていると感じたといわれている。ミネソタ州の法律では、6人のプリンスさんの兄弟たちは平等に遺産を受け取る権利が与えられるという。プリンスさんの家族たちは、現在もペイズリー・パークにあるプリンスさんの自宅に保管されていた何百万ドルもの価値があると言われるプリンスさんの未公開の作品を含めた全ての遺産を巡り、争いを繰り広げているところだ。(C)BANG Media International
2016年06月08日ワット・スラ・シー(城壁内) photo:世界遺産イェーイ!仏教遺跡や仏像が好きな方に絶対オススメの世界遺産スコータイ!タイ初の統一国家スコータイ朝が築かれた古都には、多くの寺院が残されています。 タイの仏教遺跡と言えば先日ご紹介したアユタヤが有名ですが、タイの歴史を肌で感じたかったらスコータイが絶対オススメ!!観光客が多いアユタヤよりもスコータイの方が喧騒から離れてゆったりと古都に思いを馳せることができます!スコータイまではタイの首都バンコクから北へ飛行機で約1時間半。5日間くらいの休みがとれてタイに行こう!と思ったら、バンコクともう一都市行きたいところですよね!そんな時、遺跡でも見ながらのんびりすごしたいな~という方はぜひスコータイを選びましょう!それでは、そんなスコータイで外せない寺院10をご紹介致します! 1. ワット・マハータート(城壁内)photo:世界遺産イェーイ!スコータイ最大の寺院「ワット・マハータート」! 城壁の真ん中にある最も重要な寺院であります。増築を繰り返したので作りが複雑なのが特徴。広大な境内には200以上の大小の仏塔が並んでいます。もともとは屋根があったのですが、現在は石の柱と仏像だけが残されています。ここで、ちょっとだけスコータイの地理について説明します。世界遺産「スコータイと周辺の歴史地区」は、メインの「スコータイ」、そして少し郊外にある「シー・サッチャーナライ」と「カンペーン・ペット」この3つの都市遺跡が世界遺産として登録されています。メインの「スコータイ」だけでも約70平方km(東京ドーム約1,500個分!)とびっくりするくらい巨大!その中でも遺跡の中心となるところは、東西約1,800m、南北約1,600mの城壁に囲まれたメインエリア、城壁北エリア、城壁西エリア、城壁南エリア、城壁東エリアの5つのエリアに分かれています。ホテルやレストランが多いスコータイ市内から遺跡までは西に約12kmです。ソンテオ(小型トラックの荷台に屋根と座席をつけた乗り合いバス)で移動しましょう。遺跡をまわるのは自転車かトゥクトゥクがオススメ!ソンテオが到着したところにはレンタルサイクル屋さんやトゥクトゥクの客引きがたくさんいます。photo:クスクスさん(自転車) 世界遺産イェーイ!(トゥクトゥク)のんびり旅情を感じながらまわれる自転車。料金交渉がないのが楽ちん!道が整備されているので運転しやすいです。ただ日影が少ないスコータイでは常に直射日光にさらされることになるので、帽子と水分と日焼け止めは忘れずに!涼しい早朝から観光して、一番暑い時間帯は休憩しましょう!トゥクトゥクを利用する場合は、行きたい寺院をリストアップしてLet’s料金交渉!予めホテルなどで相場を聞いておくと交渉しやすいです。屋根のあるトゥクトゥクに乗っている間は、日の当たらないところに座っていられるので、体力のない方にはオススメです。雨季などでスコールが来ても安心! 2. ワット・シーサワーイ(城壁内)photo:世界遺産イェーイ!3基並んだトウモロコシのような仏塔(クメール式)が残されている寺院。細かい彫刻も必見! 3. ワット・トラパン・ングン(城壁内)photo:世界遺産イェーイ!「銀の池」という意味を持つ寺院。池の中に浮かぶ小島と池をはさんだ西側の遺構から成ります。こちらの写真はスコータイ美術で特徴的な遊行(ゆぎょう)仏。仏陀の歩く姿を描いてます。ほっそりとして流れるような体の線が美しいスコータイ様式の仏像は歴代で最も美しい形とされています。 4. ワット・スラシー(城壁内)photo:世界遺産イェーイ!池に浮かぶ小島にある寺院。こちらの写真の奥に見える仏塔はスリランカ様式の釣鐘型です。 お次は城壁の外に出てみましょう!城壁の外でもいくつかの寺院は自転車で行くことができます。 5. ワット・シーチュム(城壁北)photo:世界遺産イェーイ!屋根のない本堂に、高さ約15mの巨大な座仏像(アチャナ仏)がいらっしゃいます。 6.ワット・プラパーイルアン(城壁北)photo:世界遺産イェーイ!スコータイで最も古いと言われている寺院。トウモロコシのようなクメール様式の仏塔が特徴です。これら2つの寺院は城壁の北側から約500m~1.5kmのところにあるので、自転車でも行くことができます。 7. ワット・トラパントーンラン(城壁東)photo:世界遺産イェーイ!今はこんな四角い建物だけが残っている遺跡なのですが、かつては美しいブッダのレリーフがあったのです!ブッダの説法の様子などのレリーフが彫られていました! 8. ワット・チャーンローム(城壁東)photo:世界遺産イェーイ!釣鐘型の仏塔を32頭の象さん達が支えています!この2つの寺院は城壁の東側から約1kmのところにあります。こちらも自転車で行くことができます。 9. ワット・チェートゥポン(城壁南)photo:世界遺産イェーイ!城壁の南側から約1.5kmのところにあり、本堂の四方には、座像、立像、臥像、遊行像の4体の仏像がありました。この写真は立像。かすかにお姿が見えます。 10. ワット・サパーンヒン(城壁西)photo:世界遺産イェーイ!城壁の西側にあるワット・サパーン・ヒン。ここは少々遠いので覚悟して行きましょう。トゥクトゥクで行っても途中で丘を自力で登らなければなりません。また観光客が少なく少々治安が悪いのでグループで訪れるなどしましょう。こちらでは赤いレンガで支えられている高さ12.5mの「アッターロ」と呼ばれる右手を挙げた仏像が有名!スコータイの中では一番行くのが大変な寺院ですが、上まで登ると畑や木々の緑あふれる風景を眺めることができます。 スコータイで外せない寺院に続いて、スコータイからは少し離れてしまうのですが、世界遺産に登録されているスコータイ郊外の遺跡をちょっとだけご紹介します。 シー・サッチャーナライphoto:ひさほゆうスコータイから北へバスで約1時間20分のところにあるシー・サッチャーナライ。スコータイ朝時代には、スコータイに次いで第二の都市として発展したところでもあり、現在も14の寺院が残っています。こちらの写真は「ワット・プラ・シー・ラタナー・マハータート」。クメール式のトウモロコシのような塔が特徴です。 カムペーン・ペットスコータイから南西へバスで約1時間のところにあるカムペーン・ペット。カンペーン・ペットとは「金剛の城壁」という意味を持つのですが、その名の通り高さ約5m、総距離約5.8kmの城壁にぐるりと囲まれた軍事都市でした。城壁の中の王室寺院「ワット・プラケオ」にある巨大な涅槃像は必見です! スコータイは街ものんびり楽しい話は戻ってスコータイ市内のお話です。観光客がそこまで多くないスコータイ。おしゃれなカフェも多いのでのんびり読書したり、夕方からにぎわう市場の屋台でつまみ食いをするのも楽しいです。photo:世界遺産イェーイ!私がスコータイで夜な夜な食べていたのが、こちらのおつまみセットです。北部のソーセージとピーナッツと生唐辛子としょうが、なのですが、どれも美味しくてポリポリ食べてしまいました。タイ北部のソーセージは酸っぱくて辛くて歯ごたえがあって、ビールのつまみにぴったりなんですよ!スコータイでは早朝からせっせと汗をかきながら遺跡を観光!暑くなって来たらおしゃれなカフェで休憩。夕方からは美味しいつまみをかじりながらビールをガブガブ飲んじゃいましょう! 世界遺産豆知識!■スコータイと周辺の歴史地区 (文化遺産)登録:1991年登録基準:「人間がつくった傑作」、「文明の証拠」スコータイ朝は、カンボジアのアンコール朝の支配から独立し、タイ人初の独立国家となりました。スコータイとは「幸福の夜明け」という意味です。このスコータイ朝は、後にアユタヤ朝に併合され幕を閉じることになります。スコータイ朝は、ラームカムヘーン王の時に最盛期を迎え、仏教が伝わると多くの寺院が建立され仏教国として繁栄しました。そのため現在でも多くの寺院が残されています。スコータイの遺跡はアユタヤの遺跡よりも古いのですが、アユタヤよりも保存状態が良いものが多いです。スコータイの遺跡はれんが造りのものが多いので、木造が多いアユタヤよりも完全な状態で残っているのです! ・スコータイへのアクセス日本からバンコクまで直行便で約6時間。バンコクからスコータイまで飛行機で約1時間半。 ※記事中の情報は、全て2016年5月現在のものです。(参考文献:『すべてがわかる 世界遺産大事典 世界遺産検定公式テキスト』、『きほんを知る世界遺産44 世界遺産検定4級公式テキスト』、『地球の歩き方』、『るるぶ』】 4年間世界遺産巡りの旅をした夫婦「世界遺産イェーイ!」のコラム
2016年06月02日photo:世界遺産イェーイ!街の世界遺産ホイアン!ぷらっと街を歩けば、それは世界遺産散歩!ホイアンは小腹が減っておやつを買いに行くだけで世界遺産が堪能できてしまう素敵な街なんです。ベトナム中部にあるホイアンは国際貿易港として繁栄した街で、様々な国の文化の影響を受けたノスタルジックな街並みが魅力です!成田から直行便があり人気急上昇中の都市ダナンからホイアンまで車で1時間とアクセスの良さも素敵です。それでは、ホイアンでマストな観光スポット6個をまわるモデルルートをご紹介致します! 1. 来遠橋photo:ひさほゆうホイアンで最もメジャーな観光スポット「来遠橋(らいおんばし)」からホイアン散歩を始めましょう!ベトナムの2万ドン札にも印刷されている来遠橋は、日本の職人が作ったと言われています。朱印船貿易の中継地点として多くの日本人がホイアンに移住し、最盛期には1,000人もの人々が暮らしていたそうです。 2. フーンフンの家(馮興家)photo:ひさほゆう来遠橋から歩いて1分のところにあるフーンフンの家!ホイアンでは古くからある木造のお家を見学することができます!こちらのフーンフンの家は約200年前に貿易商人の住居として建てられた家。建物の中は中国っぽいレトロな雰囲気で素敵なので、ぜひ部屋の中も見学して下さい。2階からは来遠橋を見ることができますよ! 3. クアンタンの家(均勝號)フーンフンの家からチャンフー通りを東に歩くと数分でクアンタンの家に到着です!このチャンフー通りには古い町並みが残っているので、のんびり歩いて世界遺産散歩を楽しみましょう。photo:ひさほゆうクアンタンの家は平屋でホイアンの典型的な住宅と言われています。こちらの写真は中庭。このようにホイアンには中庭のある造りの住宅が多いんです!繊細な美しい彫刻も見逃せません。 4. 海のシルクロード博物館photo:ひさほゆうクアンタンの家の斜め向かいにある海のシルクロード博物館は2階建ての民家がそのまま博物館になっており、内部には沈没船から引き上げた遺物などが展示されています。朱印船貿易で日本との関わりが深かったホイアン。朱印船の絵巻の写真なども残されています。 5. 福建会館photo:世界遺産イェーイ!クアンタンの家からチャンフー通りをぷらぷらと数分歩くと、中国南東部にある福建省出身者達が建てた集会所、福建会館に到着!中国っぽい華やかな色使いが鮮やかです。 6. タンキーの家(進記家)photo:世界遺産イェーイ!福建会館を出たらチャンフー通りの1本南を走るグエンタイホック通りを西に戻りましょう。グエンタイホック通りもチャンフー通りと同様ノスタルジックな風景が広がっていますので、カメラ小僧も大満足!パシャパシャしながらグエンタイホック通りを10分くらい歩くとタンキーの家(進記家)に到着です。こちらは200年前に建てられた中国広東省出身の漁師の家。 ホイアン三大名物は外せません!タンキーの家の周辺には、お洒落なカフェやレストランがたくさんあるのでここまで来たら一休みしましょう!すぐ近くのアンホイ橋を渡った対岸にも、トゥボン川に面した眺めの良いカフェがあるのでそちらもオススメ!実はホイアンは食も有名なんです!ホイアン三大名物の「カオ・ラウ」、「ホワイト・ローズ」、「揚げワンタン」はどれも絶品!他の街ではなかなか味わえないホイアン名物をぜひ味わってみて下さい。左上:カオ・ラウ右上:ホワイト・ローズ左下:揚げワンタンどれもビールとの相性が抜群です! photo:世界遺産イェーイ! ホイアンは夜もい~んです!photo:ひさほゆう街の世界遺産ホイアンは、早朝、昼、夜、全ての時間でそれぞれに違った趣のある姿を見せてくれるのですが、私のオススメは夜のホイアン!ホイアン名物のランタンに彩られたロマンチックな風景は日程に余裕がなくとも一度は見ておきたいところです!photo:ひさほゆう先ほどご紹介した来遠橋も夜はライトアップされて、幻想的になります! ホイアン観光どこに泊まって楽しむ?昼間のお散歩も夜のそぞろ歩きも楽しいホイアン!どこに泊まってホイアンを楽しめば良いのか悩むところです。ホイアンを観光するには、ホイアンもしくはダナンを拠点とすることになるのですが、私のオススメはダナンのリゾートホテル!ホテルからホイアン1日ツアー、もしくは夜のホイアン散策&ディナー付きのナイトツアーなどもあるので、リゾートライフも満喫しつつ、効率よくホイアンを楽しむことができます。世界遺産大好き!写真撮りまくりたい!!という方はホイアンを拠点とした方が早朝、昼、夜と色々なホイアンの姿を見ることができて楽しいです。ホイアンの街中には小さいホテルが多いですが、雰囲気のあるブティックホテルなどもありますよ!またダナンからは「ミーソン」という遺跡の世界遺産にも車に乗って2時間程度で行くことができます (ホイアンからミーソンは車で約1時間半) 。ダナン、ホイアンから半日ツアーがあるので、ホイアンとは全く趣の異なる、緑に囲まれた神秘的な遺跡を見てみましょう!ミーソン聖域 photo:世界遺産イェーイ!午前中はミーソンで汗をかきながら遺跡観光、ホテルのプールで一休みして夕方からはホイアンでノスタルジックな雰囲気を味わうなんて過ごし方も素敵ですね。 世界遺産豆知識!■古都ホイアン (文化遺産)・登録:1999年・登録基準:「文化交流」、「伝統的集落」全盛期はヨーロッパ、インド、中国、日本などの船がたくさん寄港し、国際貿易港として栄えた街ホイアン。前回の記事でご紹介したアユタヤも同じく国際貿易港として栄華を極めました。どちらも朱印船貿易で日本との関わりも深く、その面影を現在も残しています。世界遺産を500件以上まわってきた私も大好きな街の世界遺産ホイアン。あまり気負わずにのんびり散策するのが楽しいですね。東南アジアでは金ピカの寺院が美しいラオスのルアン・パバンなども同じく街の世界遺産です。どちらも街をぷらぷら歩いたりするのが好きな方におすすめです。・ホイアンへのアクセス日本からダナンまで直行便で約6時間。ダナンからホイアンまで車で約1時間。 ※記事中の情報は、全て2016年4月現在のものです。(参考文献:『すべてがわかる 世界遺産大事典 世界遺産検定公式テキスト』、『きほんを知る世界遺産44 世界遺産検定4級公式テキスト』、『地球の歩き方』、『るるぶ』】 4年間世界遺産巡りの旅をした夫婦「世界遺産イェーイ!」のコラム
2016年04月30日まだ気温の寒暖差はあるものの、徐々に春らしくなってきました。すでにお花見の予定を入れている方も多いかと思います。日本の世界遺産には、美しい桜が咲き誇る場所がいろいろとあるのですが、今回は桜にちなんだ"女神様"を祀った神社をご紹介します。2013年に「富士山」が文化遺産として登録されたことはまだ記憶に新しいところですが、実は25カ所もの資産から構成されています。そのひとつに富士宮市にある「富士山本宮浅間大社」があります。富士山の噴火を鎮めるために創建されたことを起源とする、全国に1,300社ある浅間神社の総本宮です。ここには「木花之佐久夜毘売命(このはなさくやひめのみこと)」という女性の神様が祀られています。木花(このはな)という御神名から桜が御神木とされており、境内には500本の桜が植えられています。神界で最も美しいとされる女神で、恋愛運や、特に玉の輿運にご利益があるそうです!しっかりお参りして富士山と桜を愛でた帰りには、富士宮焼きそばもお忘れなく。○世界遺産データ富士山本宮浅間大社(文化遺産・「富士山-信仰の対象と芸術の源泉」に含まれる)。2013年。静岡県富士宮市○筆者プロフィール: 本田 陽子(ほんだ ようこ)「世界遺産検定」を主催する世界遺産アカデミーの研究員。大学卒業後、大手広告代理店、情報通信社の大連(中国)事務所等を経て現職。全国各地の大学や企業、生涯学習センターなどで世界遺産の講義を行っている。○世界遺産検定とは?世界遺産の背景にある歴史、文化、自然等の理解を深め、学んだことを社会に還元していくことを目指した検定。有名な観光地のほとんどは世界遺産になっているため、旅の知識としても役立つと幅広い世代に人気。主催:世界遺産アカデミー開催月:3月・7月・9月・12月(年4回)開催地:全国主要都市受検料:4級2,670円、3級3,900円、2級5,040円、1級9,250円、マイスター1万8,510円、3・4級併願6,060円、2・3級併願8,220円解答形式:マークシート(マイスターのみ論述)申し込み方法:インターネット又は郵便局での申し込みその他詳細は世界遺産検定公式WEBサイトにて
2016年03月21日●世界遺産が抱える事情今年の登録を目指していた「長崎の教会群とキリスト教関連遺産」の推薦取り下げ。審査を行うユネスコの諮問機関イコモスは、推薦内容を“禁教期”の歴史的文脈に焦点を当てたストーリーに、と示した。なぜ“教会群”は再考を迫られたのだろうか。背景にある「世界遺産」全体がおかれた状況も理解する必要がある。○そもそも「世界遺産」とは何か観光資源としての絶大なブランド力を持つようになった「世界遺産」。ペルーのマチュピチュやエジプトのピラミッド、中国の万里の長城など誰もが知っている遺跡などが名を連ね、日本では、1993年に法隆寺など4件が登録されて以降、昨年の「明治日本の産業革命遺産」まで15の文化遺産と、4つの自然遺産が登録されている。登録されれば、国内だけでなく海外での知名度もあがり、押し寄せる観光客による経済効果は莫大な額になる。人口減少、地方格差がいわれる今、地元で大事に守ってきた遺産をより多くの人に知ってもらいたいという思いと同時に、地方復活の起爆剤としての期待値は高まっている。国内推薦を待っている世界遺産暫定一覧には、文化遺産で10件。さらに「その次」を目指す資産も出てきている。○世界遺産が抱えるジレンマ世界遺産は、「文化遺産」「自然遺産」「複合遺産」に分類される。それとは別に、開発や紛争などによって重大な危機にさらされている遺産は「危機遺産」に登録されることもある。現在だと、過激派組織「イスラム国」(IS)による破壊の脅威にさらされている、シリアの世界遺産などがこれに登録されている。過去には、こんなこともあった。ドイツのドレスデンで、住民の生活のために橋をかけようとしたところ、世界遺産としての景観にそぐわないと待ったがかかり、結局地元は世界遺産から除外される道を採った。これは極端な例だが、住民にとって、“生活”か“遺産”か、折り合いをつけることが大きなテーマになってくる。一方で世界遺産登録による“観光客の増加”も資産そのものへの脅威となりうる。「人類共通の宝」である世界遺産の理解を広めるいいきっかけとなる一方で、資産の老朽化などを招き、世界遺産の意義にそぐわないことになっているのも事実で、それをどうマネジメントするのか、世界遺産を抱える団体は開発への備えも事前に検討し、ユネスコに提出する推薦書に盛り込む必要がある。世界遺産を推薦した国は、その遺産について維持する責任がある。定期的なチェックも行われる。そこで問題があればドレスデンのように世界遺産から外れる可能性もあるのだ。○“教会群”が進めてきた観光客対策2007年に世界遺産の暫定一覧に登録された“教会群”だが、離島に点在するため地理的な課題がある。過疎化の進行が早く、世界遺産としての文化的景観の維持や、教会の信徒の減少に不安がある。元々大きなコミュニティではないので、道路などの道幅も狭く、観光客が増加すれば、住民の生活に影響が出る恐れも考えられる。そのため、資産を持つ自治体は登録を目指し始めてから、推薦内容をつめるほかに、長い期間かけて、地元の整備を進めてきた。駐車場対策やトイレ、看板の整備などほか、教会については、誰でも入ることができるが、内部の見学希望者はインフォメーションセンターのホームページから事前の連絡をお願いするというシステムを始め、さらに見学者にマナーを呼びかけたり見学人数をコントロールしたりするために、昨年から「教会守」という見守役を設けるようにしている。このシステムの狙いは、教会での葬儀が入ったときに見学人にその時間見学に入れない旨の連絡を入れたり、使用されていない教会に見学希望があれば鍵を開けたりと、臨機応変に対応し制御できることにある。このように自治体だけでなく地域をあげて世界遺産登録に向かってきた。●登録へのハードルは高くなっている○世界遺産の登録のハードルはどんどん高くなる現在191カ国、つまり国連に加盟しているほとんどの国が締結している世界遺産条約は、締結国の増加、世界遺産に対するブランド意識が高まったことなどで申請件数が増加し、現在では1000件を上回る数になっている。この現状にはいくつかの課題がある。1つは、件数そのものの増加だ。すでに主要な遺産は登録済みといわれる中、このまま件数を伸ばすことはどうなのかということ。2つ目は、専門家であるイコモスが登録にふさわしくないと勧告しているものに対して、政治力で登録に転じているケースが増えていること。さらに3つ目は世界遺産の登録件数の国による偏りだ。世界遺産のあり方については、今まさに議論が求められているところだ。○“教会群”が登録を目指す環境は、元々厳しいまだ1つも遺産を持っていない国の初めての申請は通りやすくなっているものの、世界遺産登録に向けた審査のハードルはどんどんあがっている。そのため、いくつかの遺産をまとめて1つのストーリーとして申請する「シリアルノミネーション」タイプの遺産が増えている。先に述べたストーリーが大事ということもこういった背景のもとにある。また、13年に登録された「富士山」の時には「鎌倉」とあわせて2件の文化遺産が日本から推薦されたが、翌年の「富岡製糸場」際には、1件のみに絞られた。また、今後1つの国からの推薦は、毎年はできなくなる方向になりそうだとの話も出ている。●“教会群”は幸運か○審査の透明性を高める改革をはじめたイコモス教会群は、本当は幸運だったといえるのかもしれない。イコモスの審査は、実際に世界遺産委員会で審議される前の年の夏から秋頃に現場の調査を行った後、非公開での審議が続けられる。申請者は、この間イコモスからの質問内容などからしか審査の状況を推し量ることができない。勧告が出るゴールデンウィーク頃まで中身がわからない、いわば“密室”での議論には以前から批判があった。しかし今年の推薦案件の審議から、公開の場で申請者へのヒアリング機会を設けることになり、中間報告も出た。“教会群”については昨年の11月30日、政府と関係自治体の担当者がパリで公開のヒアリングに臨んだ。1月に出てきた中間報告ではそのときの日本側の説明は、結果的には「受け入れられなかった」(馳文科相)ものの、2年後、3年後の国内推薦への締め切りである3月末までに時間がある段階だったことは幸いだったといえる。もし中間報告が出ず、ゴールデンウィークシーズンまで勧告の感触がわからなかったら、登録されるのがさらに遅くなるのだ。しかも、先にも述べたように、今後毎年推薦できなくなる可能性もあるからなおさらだ。また“教会群”はイコモスとのアドバイザー契約を2月24日に結んだ。イコモスの指摘に則って推薦内容を見直すことになるため、イコモスのお墨付きとなる。そのため、登録へのハードルが高い中にあっても、可能性はグンと高くなるのだ。○“教会群”はどう課題と向き合うか今までに登録された遺産の事例を考えると、ストーリーの変更があれば、資産とされる遺産の数や名前に変更が生じる可能性はあるだろう。さらには、世界遺産として保護されるべき範囲の変更も考えられる。実際14の資産のうちイコモスが焦点を当てるべきといっている「禁教期」の資産はうち4つだけで、半数以上の8つは禁教が解けた後に立てられた教会だ。これはそもそも教会群を世界遺産にという動きからスタートしていることにも関係あるだろう。そこに集落や城跡なども入っていったのだ。長崎県の担当者は、「イコモスに話を聞いてからでないとわからない」としつつも、「遺産の普遍的価値の自体は認められていますから、禁教期にスポットを当て、そことの関係性などを中心とした推薦書に変える。資産の数は今のところ減らしたりすることは考えていない」と話す。イコモスからの助言でどの程度の推薦書の変更になるのか……。遺産を持つ長崎県や熊本県などの自治体にとって時間のない中での戦いが強いられる。
2016年03月14日●受難か救済か、復活をかけ取り下げに踏み切った“教会群”ここ数年、登録の可否が大きな関心事となっている世界遺産。「明治日本の産業革命遺産」の場合、10年あまりの歳月を費やし、もめにもめた末、昨年登録された。「軍艦島」などがある長崎市は観光客の増加に沸いている一方、同県にはもうひとつ、世界遺産を目指す「長崎の教会群とキリスト教関連遺産」があるが、2月に推薦取り下げとなった。2つ目の世界遺産登録に向け再スタートを切った長崎の行く先は……。○3月末に控える国内推薦の公募締め切り「時間がないですし、プレッシャーはありますが、攻めの取り下げです」2月中旬、電話越しにそう答えたのは、世界遺産候補「長崎の教会群とキリスト教関連遺産」の長崎県の担当者。今年の登録を目指し準備を進めてきたが、ゴールまであともう少しのところでの仕切り直しとなり、再来年の登録に照準をあわせ、国の推薦獲得に向けた公募締め切りである3月末に推薦書の素案を間に合わせるべく奔走していた。連日のニュースで悲観的な見出しが躍る中、予想外に電話の声に悲壮感はなかった。○「長崎の教会群とキリスト教関連遺産」長崎やその周辺の地域といえば、大陸から近いため、古来より海外との交流の窓口となってきた。キリスト教は戦国時代にフランシスコ・ザビエルによって日本にもたらされ、この地にイエズス会の本部が置かれ布教の重要拠点とされた。天草・島原一揆後は禁教とされながらも、信徒は隠れて教えを継承した歴史がある。そのため、長崎周辺には全国的にみても特出して多い、約130もの教会が存在する。こういった、日本独自のキリスト教の歴史を特に顕著にあらわすものとして14の資産が選ばれ、世界文化遺産に登録しようとしている。○推薦引き下げのわけ「『急がば回れ』という趣旨です」。2月9日「長崎の教会群とキリスト教関連遺産」の推薦取り下げが閣議了解されたことを受けて、馳文科相は会見で記者の質問に答えた。取り下げの理由について、馳文科相はユネスコの諮問機関イコモスから出された中間報告で“教会群”は世界遺産になるにふさわしい唯一無二の価値があるとされる「顕著な普遍的価値」が潜在的にあるとお墨付きを得た一方で、現状での推薦内容には問題があり、見直すべきだと示されたと説明した。公開の場で文化庁や関係自治体が、推薦内容について説明をしたものの、意見が覆ることはなかったため、先送りを決めたという。なぜ取り下げとなったのか。再考を迫られた推薦内容そのものと、「世界遺産」全体が置かれている状況を知る必要がある。●ストーリーが大事な推薦書○“ストーリー”と“推薦内容”と“名前”推薦内容の“良し悪し”とはどういうことだろうか。教会など個々の資産そのものの歴史的価値が高く、きちんとした姿で残っていることが大事なのではないかと、思う方もいるだろう。資産そのものの価値ももちろん大切だが、さらに個々の資産をつなげるストーリーに世界遺産にふさわしい価値があるかということも、大きなポイントになってきている。そのため、登録をめざす自治体などは、専門家の助言を受けながら、世界遺産の資産になりそうな遺跡や建造物の調査や、類似する別の世界遺産などとはどう違った価値があるのか、比較検討し、いかに唯一無二の「普遍的価値」があるものか証明するストーリーをつくることに力を入れている。そしてそれにもっともふさわしい遺産の名前をつけている。○イコモスの存在世界遺産の登録までには、国からユネスコに推薦書が出された後、イコモスによる審査がある。この審査の勧告内容を踏まえて、世界遺産委員会で正式に可否が決定する流れになっている。記載されるには、このイコモスによる勧告が重要で、登録にふさわしいとされる「記載」から「情報照会」、「記載延期」、登録にふさわしくないとされる「不記載」までの4段階の勧告がある。「情報照会」や「記載延期」から「記載」に転じたケースは近年増加しているが、今まで「記載」の勧告が出たもので、登録されなかったものは1件しかなく、逆に「不記載」で、登録された例もほとんどない。イコモスを納得させる推薦内容に仕上がっているかどうかが登録に向けた天王山なのだ。○事例1 富士山今まで登録された世界遺産ではどうだったのか。たとえば、2013年に登録された「富士山」は最初、自然遺産での登録を模索する動きがあったが、自然遺産にふさわしい価値をもってないことがわかり、文化遺産での登録に舵を切った。信仰の山として人々に崇められてきた歴史、その美しい姿から国内外の芸術に与えた影響の大きさ。富士山のそういった側面が世界遺産にふさわしいと、遺産の名称には、「信仰の対象と芸術の源泉」という言葉が追加された。そして富士山の信仰にかかわる場所や、芸術に影響を与えた富士山の姿が見られる場所など25資産が選定された。しかし「三保松原」について、イコモスは富士山から物理的に遠いという理由からこの資産を除外しての「記載」勧告を出した。だが、最終的には、ユネスコの世界遺産委員会にかけられ、21の委員国の決議によって決まる。富士山の時、三保松原は、この場所から見る美しい富士の姿が芸術に与えた影響や富士山と精神的なつながりがあることを世界遺産委員会で認められ、全資産を含めた「記載」決議に転じた。○事例2 平泉イコモスから条件が付けられる例は、ほかにもあった。2011年、震災後の被災地に久しぶりの明るいニュースをもたらした平泉の登録。一度「登録延期」となってからの再チャレンジだった。推薦内容をブラッシュアップさせ、「浄土思想」とのつながりがより明確な6つの資産に絞った。しかしイコモスは、1つの資産について、「浄土思想」との直接的な関連性が薄いとその資産を除外して「記載」勧告を出した。結局、5資産で世界遺産に登録された平泉は、除外された遺跡の拡張登録に向け準備を進めている。●世界遺産候補「長崎の教会群とキリスト教関連遺産」の推薦内容○指摘をうけた推薦内容長崎の件に戻ろう。14の資産は「1:伝播した教えが普及していった『伝来と繁栄』時代」、「2:禁教となって弾圧されながらも信仰が継承された『弾圧と潜伏』時代」、「3:禁教が解かれ教会が建てられるようになった『潜伏・復活』時代」、3つの時代に分類される。1にあたる遺産としては、「島原・天草一揆」の際に、2万人以上の民衆が立て籠もった長崎県南島原市の「原城跡」など、2は隠れキリシタンが潜伏していた集落の景観を残す「平戸の聖地と集落」などがある。3については禁教が解けた後に建築された国宝の「大浦天主堂」など8つの教会があり、西洋の伝統的な教会建築の様式を引きつぎながら、石のほかに木や土などで造られていて、特異な文化的な伝統を証明しているとされている。そしてこれらの遺産群全体について「450年に及ぶ西洋の価値観の交流の中で生じた日本における『キリスト教の伝播と浸透のプロセス』に世界遺産としての価値がある」(長崎県のホームページより)と、説明されている。一体何が問題とされたのか。○“禁教期が日本のキリスト教史の特徴”とイコモスここでポイントになってくるのは、3期間に分けられる独自の歴史の「流れ」や「東西文化の交流」を表していることなどに価値があるとされているところだ。イコモスは先日出した中間報告で「日本のキリスト教の特徴は、禁教とされた時代があったことであり、禁教期に歴史的文脈をあてた形で推薦書を見直すこと」とある。つまり、「禁教期」に焦点をあてたストーリーに変えるべきということだ。なぜストーリーづくりが大事なのか。「世界遺産」をめぐる状況については、後編で述べたい。
2016年03月10日「鏡」、私たちは一日何回目にするでしょうか? 朝起きて顔を洗うとき、化粧ポーチの手鏡、お手洗いにある洗面台の鏡、お店の姿見、駅のホームなんかにもありますね。様々な場面で身だしなみを整えるのに普段から使っている鏡ですが、日本では古来より信仰の対象でした。今回は「和鏡」と「魔鏡」の不思議な歴史と秘密を紐解いていきます。「鏡」の始まり童話『白雪姫』では女王が「鏡よ鏡、世界中で一番美しいのは誰?」と魔法の鏡に語りかける場面がありますね。魔力さえも持つと思われてきた鏡は古くから我々の生活の中で様々な使われ方をしてきました。そんな鏡、起源はどこなのでしょうか?最初に作られた鏡はさすがにまだわかりませんが、確認されているもので最も古い鏡はトルコ中部の遺跡で発見された黒曜石を磨いた6000年前の鏡だと言われています。そして古代メソポタミア、エジプト、ギリシャなどでは銀や銅を磨いた鏡が作られました。その貴重さから鏡は神聖で霊力が宿るものとして昔から世界中で大切にされてきました。また、「mirror」(鏡)の語源は、「mirari」(英語: miracle)奇跡、不思議という意味のラテン語に密接に関連していると言われ、いかに鏡が人々を驚かせていたのかがわかります。 古事記にも登場する「和鏡」とは?日本には弥生時代前期に中国から鏡がもたらされ、当時は宗教・祭祀用具としての意味合いが強かったとされています。皆さんが学校の教科書で見た卑弥呼の鏡「三角縁神獣鏡」(さんかくえんしんじゅうきょう)もそのひとつです。その後、古墳時代には日本でも製造できるようになり有力者の埋葬品として多く使われるようになりました。平安時代後期には、中国からもたらされた唐鏡をもとに製作した鏡「和鏡」が確立しました。そして、日本流の文様の山吹や桜、萩、長尾鳥や鶴、千鳥、雀など自然の動植物が描かれるようになりました。しかし、鎌倉時代に入ると鏡の信仰が薄れ、江戸時代になると細密な図案の描き込まれた鏡や柄のついた鏡、懐中鏡が大量生産され婚礼道具の一部など庶民にも使用が広がりもっと実用的な用途で使われるようになりました。古事記や日本書紀にも登場し、古くから鏡は剣や勾玉とともに祭具として、重要な意味を持って扱われていました。そんな鏡を現在一番身近にみられるところは「神社」です。もともとは、神社にお祀りされる神様には具体的な姿や形は無く、岩や木などに神様が宿ると考えられていて、またその中で鏡も神様が宿る“依代(よりしろ)”の一つと考えられています。 信仰を秘めて守った「魔鏡」神社では神の依代だった鏡ですが、実は江戸時代は、「魔鏡」(隠れ切支丹鏡)が迫害を受けていたキリスト教信者の心のよりどころになっていました。フランシスコ・ザビエルが来日した1549年以降、キリスト教の布教がおこなわれて改宗した(キリシタン)が国内では増えていましたが、1614年に徳川家康による禁教令でキリスト教信仰は禁止されることになりました。続いて1637年に起きた島原の乱の前後からは幕府によって徹底したキリシタンの取り締まりが行われました。当時のカトリック信徒(キリシタン)やその子孫は、国内にカトリック司祭が一人もいなくなった1644年以降、表向きは仏教徒として生活しながら密かにキリスト教の信仰を代々伝えていきました。そんな中でキリシタンたちは慈母観音菩薩を聖母マリアに「見立て」、また一見、普通の鏡にしか見えない鏡に光を反射させることによって、内部に隠されたキリスト像を光で投影することができる「魔鏡」などを使って、明治維新後の宗教の自由まで200年以上も信仰を守ってきました。しかし、キリスト教を信じることが許されると「魔鏡」も必要ではなくなり、ガラス製の鏡が普及したことで、銅鏡自体が衰退し、魔鏡も姿を消し作れる職人もいなくなってしまいました。消えた「魔鏡」を再び 親子が引き継ぐ技術2014年1月、京都国立博物館の発表で、「卑弥呼の鏡」とも言われている古代の青銅鏡「三角縁神獣鏡」の精巧な金属製レプリカを3Dプリンターで製作をしたところ、鏡の背面に刻まれた文様が、光の反射で浮かび上がる「魔鏡」と呼ばれる現象が起きることが分かり、世間を驚かせました。しかし、この再発見よりも前から国内で唯一手作りで魔鏡を作る父と息子が京都にいます。江戸末期の創業で、神社や寺に納める金属製の和鏡を製作する「鏡師」を代々継承してきた山本合金製作所では1974年に3代目山本真治さんが復元に成功しました。その技を受け継ぐ「日本最後の鏡師」と呼ばれる5代目の山本晃久さんに作り方や職人としての思いを伺いました。【山本晃久Akihisa Yamamotoプロフィール】鏡師。1975年生まれ。大学卒業後,国内では数少ない古来製法による手仕事で和鏡・神鏡・魔鏡を製作する山本合金製作所に入る。祖父山本凰龍に師事し,伝統技法を受け継ぎ,神社仏閣の鏡の制作や修理,博物館所蔵の鏡の復元に携わる。平成26年には,安倍首相がバチカン訪問時に,ローマ法王へ贈呈した隠れ切支丹魔鏡を制作。京都神祇工芸協同組合。 「魔鏡」の作り方魔鏡はヘラで模様を施した鋳型に地金(青銅・白銅・銀等)を流しこみ反射させる背面の文様を作り、鏡面側を専用の道具で一か月かけて鏡面を4ミリメートルから1ミリメートルまで薄く削り、硬さの異なる炭を使い丁寧に磨いていくと微細な凸凹が生まれ、そこに光を当てると乱反射して背面の模様を映し出されます。とても緻密で集中力のいる繊細な作業です。削り足り過ぎても魔鏡現象は起こらなくなってしまいます。「魔鏡はなかなか見ることが出来ないかもしれませんが、和鏡は神社などに行けばみることができます。こうして伝統産業にたずさわっていると、よく人に『残してほしいわね』って言われますが、では残すためにどうアクションをするかがすごく大事だと思うんです。だから “伝えたい” んです。必要とされないと絶対に残らないから。必要とされないものは消えていくから、必要であり続けないといけない。残したいと思ってくれる人がいてくれなくては消えてしまう。だから残すにはどうすればいいのか考えます。つまり、人に思ってもらえるようにならないといけないと思う。どうやって儲かるかを考えるのではなくて、どうやって本当に良いものを作るかを考える職人でありたい。工場にはよく修理に昔の鏡が持ち込まれます。作り手の思いや、持ち主が大切に残したいという気持ちをしっかりと汲み取りたい。きっとその時に僕らの技術が生きてくるのだと思う。残したい思い出がある人のために、それを残してあげられる職人でありたいと考えています」山本さんは手作りの鏡の技術を多くの人に見てもらえるようにペンダントの魔鏡作りを始め、色々な場所での実演や工場見学の機会などを作り職人の思いを「伝え」続けています。鏡は古くから不思議な力を持つと世界各地で信じられてきました。様々な歴史や伝承、言い伝えがあります。これから神社や博物館で鏡を見る時、その鏡が何を映し、何を伝えようとしていたのかを考えてしまいます。取材協力/山本合金製作所住 所:京都市下京区壬生川通七条上る連絡先:tel.075-351-2338神具製造,仏具製造,仏壇製造
2016年03月06日photo:世界遺産イェーイ!ベトナム屈指の世界遺産ハロン湾!海に浮かぶ奇岩の幻想的な風景はベトナムまで来たら絶対に外せません。そんなハロン湾はベトナムの首都ハノイからのツアーで楽しむのが便利です。今回の記事では、ハノイからの日帰りツアーについての詳細をご紹介致します。ハノイとハロン湾は車で片道4時間弱と少々遠いのですが、日帰りだと日程に余裕がなくても大丈夫ですし、ハノイでナイトライフを楽しめるのも魅力です!ツアーは現地で手配ベトナムでは現地でツアーの手配をするのがお値打ちで旅情も味わえるのでオススメです!ホテル街や市内に旅行代理店がたくさんあるので、簡単に予約することができます。気になる言語も片言の英語や身振り手振りで大丈夫。ただし、値段とツアーに何が含まれるのかはしっかり確認して下さいね。私は英語で話すのが苦手なので、値段やツアーに含まれるものやランチの有無などをメモ帳に英語で書き出して代理店のスタッフに確認していました。ただし現地で結構時間を取られてしまいますので、時間に余裕がない場合は日本で手配していきましょう!ツアーの概要とスケジュール私たちが予約したツアーに含まれていたのは、ハノイからハロン湾のバス往復と、船上でのランチ、ハロン湾遊覧、ティエンクン洞窟観光、そして英語ガイドでした。スケジュールはこんな感じ!08:00ホテル出発バスでハロン湾へ12:00ハロン湾到着船に乗って出発!13:00船上でランチ14:00ティエンクン洞窟到着下船して鍾乳洞観光15:00再び乗船16:00ハロン湾到着バスでホテルへ20:00ホテル到着ハノイからハロン湾までは車で約4時間なので、実は日帰りだと少し忙しいです。時間に余裕のある方はハロン湾の船上で1泊するツアーなどもオススメです。いよいよハロン湾ツアーへ出発です!photo:世界遺産イェーイ!朝8時に泊まっているホテルにバスがお迎えに来てくれます。私たちの時はこんなマイクロバスで行きました。photo:世界遺産イェーイ!ハ・ロン湾に到着すると船が待っていました。私たちが乗った船はこじんまりとした船でしたが、豪華客船もあります。船の種類は予算に合わせて選ぶことができます!photo:世界遺産イェーイ!船に乗り込み、いよいよ奇岩に向けて出発です!photo:世界遺産イェーイ!しばらく進むと、にょきにょきした奇岩が見えてきます!あっちもこっちも奇岩だらけの中を、クルーズで抜けていきます!約11万5,000年前の氷河期に石灰岩台地が沈み、海上に残った部分が風化してこのような景観が生まれました。お待ちかねのランチタイム!photo:世界遺産イェーイ!船の中でランチを頂きます。ゴージャスなツアーでは、エビやカニなどのシーフードが楽しめるようです。photo:世界遺産イェーイ!ご飯を食べてお腹いっぱいになったら、再び出発です。奇岩がたくさんあるのですが、その中には、変わった名前をつけられているものもあります。こちらはゴリラ岩。他にも魔法使い、幽霊?などと名前がつけられているものがあります!photo:世界遺産イェーイ!しばらく進むとティエンクン洞窟に到着です。ここでは下船して洞窟の中を歩いて見学することができます。実は中は蒸し暑くて、汗だくになりました。ティエンクン洞窟を見学した後、再び乗船し、船着き場へ戻り、バスに乗ってハノイのホテルまで行きます。早起きなので、帰りのバスはツアーメンバーのほとんどが爆睡していました。以上、ハロン湾ツアーの詳細でした!私たちは比較的お値打ちなツアーを選んだのですが、他に船やランチがゴージャスなものや、カヤックで奇岩の中を進むオプションツアーなどもあるので、時間と予算に合わせて楽しいツアーを選んで下さいね!ハ・ロン湾(自然遺産)・登録:1994年・登録基準:「自然の景観美」、「地球の歴史」・アクセス羽田からハノイまで直行便で約5時間半。ハノイからの日帰りもしくは1泊2日のクルーズツアーに参加するのが一般的。日帰りの場合は、8時頃に出て20時頃に戻ってくるツアーが多い。ハノイからハロン湾の船乗り場まではバスで4時間弱。※記事中の情報は、全て2016年2月現在のものです。(参考文献:『すべてがわかる 世界遺産大事典 <上・下> 世界遺産検定公式テキスト』、『きほんを知る世界遺産44 世界遺産検定4級公式テキスト』、『地球の歩き方』、『るるぶ』】4年間世界遺産巡りの旅をした夫婦「世界遺産イェーイ!」のコラムその他の記事はこちら>こちらも合わせてCheck!ベトナム北部の世界遺産!奇岩、洞窟、遺跡を楽しもう!
2016年03月01日2月4日、2016年の世界遺産登録を目指していた「長崎の教会群とキリスト教関連遺産」(長崎県、熊本県)の推薦を政府が取り下げる方向で検討しているとの報道が流れた。筆者は世界遺産アカデミーの研究員としてこの遺産については各所で「まず大丈夫」と太鼓判を押してきたため、驚きをもってこのニュースを見ていた。実際、なぜ「推薦取り下げ」が検討されているのか、世界遺産登録への道筋も含めて説明したい。○用意していた「ストーリー」への指摘この遺産は、日本においてキリスト教がどのように伝わり、広まり、根づいていったかというプロセスを14の構成資産で示している。まず、フランシスコ・ザビエルが1549年鹿児島に上陸し、やがて平戸を拠点に日本国内での布教活動を展開。その後450年にわたり、キリシタン大名下での繁栄、秀吉に始まる取り締まり以降の激しい迫害と弾圧、各地キリシタンの潜伏と復活、という世界宗教史上まれにみる激動の歴史を重ねて来た。そのストーリーを大浦天主堂や五島列島などにある教会群、島原の乱の舞台となった原城跡などの資産で示している。一般的に世界遺産に登録されるには、「いつの時代の誰が見ても文句なしに素晴らしい」という「顕著な普遍的価値」をもつことが求められる。最近登録される遺産の多くは、単体の建造物で「顕著な普遍的価値」を示すのではなく、文化や歴史的背景などが共通する複数の資産をひとつの遺産として、「顕著な普遍的価値」を有するとみなし登録する手法が増えている。専門用語で「シリアル・ノミネーション(連続性のある遺産)」と呼んでいるが、2015年に推薦された『明治日本の産業革命遺産 製鉄・製鋼、造船、石炭産業』はこの手法で登録された。「長崎の教会群」も同様の手法である。「シリアル・ノミネーション」で登録する場合には、「顕著な普遍的価値」をもつストーリーをしっかりと組み立て、時代や性質の異なる遺産を一連のものとして過不足なく含めることが求められる。そうした意味で筆者の個人的見解ではあるが、「長崎の教会群」が語るストーリーや、日本と西洋の価値観の交流、弾圧からキリスト教解禁を経て静かに受け継がれた信仰の思いは、十分に「顕著な普遍的価値」を有していると思っていた。しかし、文化遺産の調査を行う諮問機関であるイコモスの見解は、「長い禁教の歴史の中で信仰を守ってきたことが日本の特色で、そこに焦点を絞る形」にする方が良い、というものだった。すなわち、弾圧や禁教の歴史に特化した内容への修正を促してきたというものであり、長崎が用意していたストーリーの中で「伝来」と「復活」のプロセスには「顕著な普遍的価値」がない、という判断だったのではないかと考えられる。○世界遺産に求められる代表性・独自性歴史上のプロセスについては、価値のありなしの判断というのは非常に難しいものがあり、立場によっても変わってくる。文化財の専門家から見て、キリスト教の「伝来」や「復活」のプロセスは世界の他の土地でも起こったことであり、日本独自のものではないと捉えたのであろう。世界遺産の申請・登録をする際には、すでに登録されている似たような遺産との比較を必ず行い、代表性のあるものを登録することで、独自性や唯一性を持たない遺産はなるべく排除する、という側面がある。キリスト教関連というジャンルは、これまでに全世界で非常に多くの物件が登録されているが、それぞれが建築技術上もしくは歴史上において類をみない独自の価値をもつものとして登録されている。とは言え、西洋的価値観が重視され、教会の登録が多すぎるのではという意見もある。「長崎の教会群」の推薦においても、当然関係者は十分に他の教会との比較検証を行っており、専門家から「このストーリーなら大丈夫」というお墨付きももらっていたはずだ。2013年に『富士山-信仰の対象と芸術の源泉』を推薦した際に、イコモスから「三保松原を構成資産から外すように」との勧告を受けたことがあった(結果、三保松原も含めての登録となっている)。しかし今回は、特定の構成資産を外すかどうかということではなく、「ストーリーや構成資産を見直しなさい」というもののため、非常に重い指摘と言えるだろう。○地元の想いとの乖離に疑問ところで、「推薦の取り下げ」とはどういうことなのか。世界遺産登録の可否が審議される世界遺産委員会は2016年、7月にトルコのイスタンブールで開催される。世界遺産の申請には時期や手順が細かく決まっており、「長崎の教会群」は7月の審議に向けてこれまできちんと手順を踏んできたのだが、「推薦の取り下げ」ということは「世界遺産委員会で審議されることを取りやめる」ということだ。これから内容を練り直して再推薦となると、早くて2018年の委員会に推薦することになる。審議は21カ国からなる委員国が行うのだが、諮問機関の指摘はこの審議に大きく影響する。諮問機関が「この遺産は世界遺産に登録されるには不備がある」という勧告を行いながらも、会議の場でひっくり返されて登録、ということもあるにはあるのだが、そのための推薦国のロビー活動や諮問機関と委員国の見解の食い違いは、近年大きく問題視されている。「長崎の教会群」に関しては、イコモスの指摘通りに修正するとしても7月までには調整が間に合わないし、登録勧告されない状況での推薦といった危ない橋を渡るのはやめよう、という政府の判断があるのかと思われる。筆者が危惧しているのは、イコモスの指摘通りに修正することが本当に望むことなのかどうかということだ。今回推薦しようとしていた14の構成資産は、いずれも国や自治体、地元の人々が世界遺産として守るべきものであると真剣に切実に考えていたはずである。もしイコモスが言うように「弾圧や禁教の歴史に特化した内容への修正」を行った上で再推薦するならば、かなりの構成資産を入れ替え、かつ、キリシタンが殉教したり拷問を受けたりした場所等を加える必要も出てくるだろう。それらは、世界遺産として守るべきものというよりは、ストーリーを優先して後付けで選んだ、という懸念を生む。筆者はこれまで、構成資産をもつ自治体で講演をし、現地の歴史や魅力をたくさんの人たちに伝えていきたいと願う関係者や地元ガイドの方々と交流をしてきた。その人々が今、どれだけの衝撃を受け、不安を感じているのかと思うと言葉を失う。2月8日の週に行われる閣議で最終決定した後に公式発表があるかと思われるため、まずはそれを待ちたい。○筆者プロフィール: 本田 陽子(ほんだ ようこ)「世界遺産検定」を主催する世界遺産アカデミーの研究員。大学卒業後、大手広告代理店、情報通信社の大連(中国)事務所等を経て現職。全国各地の大学や企業、生涯学習センターなどで世界遺産の講義を行っている。
2016年02月05日©TRIPPING!一生に一度は訪れたい憧れの観光地「アンコール遺跡群」。歴史的地理的意義とそのスケールの壮大さで、名実ともに東南アジアを代表する世界遺産の一つ。今回は60以上の遺跡群の中から、ぜひ押さえたい人気の遺跡5か所をご紹介!遺跡群の代名詞「アンコール・ワット」©TRIPPING!東京都23区ほどの広大な土地に悠然と立ち並ぶ数々の遺跡群の中でも、圧倒的な人気と知名度を誇る観光名所「アンコール・ワット」。12世紀前半に30年もの歳月をかけて建築された、石造りとしては世界最大のヒンズー教寺院だ。日の出とともに、太陽の逆光を浴びて水面に浮かび上がるシルエットは、息をのむほどの絶景。アンコール・ワットの記事はこちら>王宮を囲む古代都市遺跡「アンコール・トム」©ASEAN-Japan Centre 南大門一辺3キロの外壁に囲まれた正方形の古代都市遺跡「アンコール・トム」。12世紀後半に造営された、クメール王朝最後の都市だ。構内の仏教寺院「バイオン」の塔や第一回廊の浮彫は、見応え満点。アンコール遺跡群が一望できる「プノン・バケン」の絶景スポットなども有する。アンコール・トムの記事はこちら>多くの謎を残す「アンコール・トム」内の「バイヨン寺院」©ASEAN-Japan Centre古代都市遺跡「アンコール・トム」の中央に位置する仏教寺院「バイヨン寺院」。54基にも及ぶ塔の四面には、巨大な観音菩薩の顔が。その顔には笑みが浮かび、“バイヨンの微笑” “クメールの微笑”と呼ばれる。建造期間は3つの王朝に渡り、その回廊や構造は複雑。そもそもの原型や、寺院建立の意義は現在でも謎に包まれている。「バイヨン寺院の記事はこちら>樹木に覆われた寺院遺跡「タ・プローム」©ASEAN-Japan Centre東西約1000m南北約700mのラテライトの壁に囲まれた寺院遺跡「タ・プローム」は、アンコール遺跡群の中でも最大規模。12世紀末、ジャヤヴァルマン7世が母を弔うために建てられた。内戦の間、長きにわたり放置された遺跡の周辺や下には、樹木が根を張り、遺跡を押しつぶす形に。樹齢300年とも言われるこの樹木は現在も成長中。まるでおとぎの国に迷い込んだようなファンタスティックな雰囲気も味わえる。タ・プロ-ムの記事はこちら>サンセットが美しい「プノンバケン寺院」©Tourism of Cambodiaアンコールの最初の都が置かれた地プノンバケン丘の頂上に立つのは「プノンバケン寺院」。約60メートルの丘に聳えるヒンドゥー寺院は、「アンコール・ワット」を一望できるビュースポットとしても有名。360度のパノラマビューが広がるピラミッド型の寺院の頂上から望むサンセットの圧巻の美しさは、訪れた人々を魅了する。プノンバケン寺院の記事はこちら>
2016年01月17日ワット・ヤイ・チャイモンコン@アユタヤphoto:世界遺産イェーイ!タイには5件の世界遺産があります。前回は、タイ北部にある世界遺産2件を紹介しました。今回は、首都バンコクからのアクセスも良くタイで一番メジャーな世界遺産アユタヤの遺跡と、手長猿や象など貴重な動物に会える自然遺産2件をご紹介致します!アユタヤと周辺の歴史地区(文化遺産)登録基準:「文明の証拠」ワット・プラ・シー・サンペット3基の大仏塔が有名 photo:世界遺産イェーイ!アユタヤは「平和の都」という意味で、約400年間栄えたアユタヤ朝の都です。3つの河川の合流地点にあるアユタヤはかつて「水の都」とも呼ばれ、商業と文化の中心地として栄えていました。アンコール朝を滅ぼし、スコータイ朝を併合したりして17世紀には国際貿易都市に発展するも、1767年のビルマ軍侵攻によって都は徹底的な略奪と破壊にあってしまいました。この際に仏像の頭部が切り落とされたりしたわけです。ワット・プラ・マハータート菩提樹の木に覆われた仏頭 photo:世界遺産イェーイ!仏教を信仰した歴代のアユタヤ朝の王たちが築いた美しい仏像や寺院を楽しむことができるアユタヤ。首都バンコクから北へ約80km、バスや電車に乗って約1時間半で行けることから多くの観光客を集めているアクセス良好な世界遺産でもあります。私たちはレンタサイクルでまわりました! photo:世界遺産イェーイ!前回の記事でご紹介したスコータイも巨大な遺跡でしたが、こちらのアユタヤも広い!!世界遺産に登録されている寺院はたくさんあり、点在しているのでレンタサイクルやトゥクトゥクでまわりましょう!暑いので水分補給はしっかりと!バンコクから日帰りでも十分観光できますが、アユタヤにもホテルがたくさんあるので何泊かしてのんびり寺院巡りをするのもオススメです。ワット・ラー・ジャブーラナ@アユタヤ砲弾系の塔は必見です! photo:世界遺産イェーイ!・アクセス日本から首都バンコクまで飛行機で約6時間。バンコクからアユタヤまでバスか電車で約1時間半~2時間。ドン・パヤーイェン-カオ・ヤイの森林群 (自然遺産)登録基準:「絶滅危惧種」カオヤイ国立公園で出会ったトカゲの一種 photo:世界遺産イェーイ!世界遺産、「ドン・パヤーイェン‐カオ・ヤイ森林群」は、カオヤイ国立公園など4つの国立公園と、ドンヤイ野生生物保護区で構成される広大な山岳地帯です。運が良ければ象やトラが見られる野生動物の宝庫で、トレッキング、バードウォッチング、自然観察、キャンプなどを楽しむことができます!バンコクから日帰りツアーで行くこともできますが、私たちはせっかくなのでバンコクから電車で約4時間のところにあるパクチョンという街に泊まって観光しました。パクチョンにある宿で開催している1日トレッキングツアーでカオヤイ国立公園を満喫しました!ヒルが多いのでこんなのを履いて出発! photo:世界遺産イェーイ!トレッキングをしていると様々な動物に会うことができます。こちらは、ガイドさんが望遠鏡越しに写真を撮ってくれた手長猿!photo:世界遺産イェーイ!トレッキングの最後ではこんな滝で水遊びをすることもできます!photo:世界遺産イェーイ!山歩きを楽しみながら、珍しい動物に会ったり、滝つぼで水遊びをしたりと自然を満喫できる世界遺産カオヤイ!バンコクから少し足を延ばしてみてはいかがでしょうか。・アクセスバンコクからパクチョンまで電車で約4時間。パクチョンのホテルでツアーを申し込む。バンコクからのツアーもある。トゥンヤイ-ファイ・カ・ケン野生生物保護区 (自然遺産)登録基準: 「自然の景観美」、「固有の生態系」、「絶滅危惧種」「トゥンヤイ-ファイ・カ・ケン野生生物保護区」は、タイ北部、ミャンマーとの国境沿いに位置し、東南アジア最大級の動物保護区でもあります。インドゾウなどの珍しい植物を見ることができます。現在野生動物保護区は人の立ち入りが禁止されているため、なかなか見学するのが難しいですが、周辺の国立公園で自然を少し楽しむことはできます。バンコクや、バンコク近郊のカンチャナブリーから、ツアーで観光することができます!・アクセスバンコクやバンコクからバスで約2時間のところにあるカンチャナブリーからツアー。※記事中の情報は、全て2015年12月現在のものです。(参考文献:『すべてがわかる 世界遺産大事典 <上・下> 世界遺産検定公式テキスト』、『きほんを知る世界遺産44 世界遺産検定4級公式テキスト』、『地球の歩き方』、『るるぶ』】4年間世界遺産巡りの旅をした夫婦「世界遺産イェーイ!」のコラムその他の記事はこちら>
2016年01月05日○世界遺産データ「中尊寺(『平泉-仏国土(浄土)を表す建築・庭園及び考古学的遺跡群-』)」(文化遺産)。岩手県。2011年登録。いよいよ大晦日が近づいてきました。皆さんさまざまな形で年末年始をお過ごしになることと思いますが、今回は「世界遺産で聞く除夜の鐘」をテーマに、筆者のオススメのお寺をご紹介したいと思います。1105年、藤原清衡(きよひら)によって再興された「中尊寺」。金ぴかのお堂と言えば、ピンとくることと思います。そう、総緊迫貼りの「金色堂」があるお寺です。清衡がどのような趣旨で中尊寺を建立したのかを示す史料に、このような文言があります。「中尊寺の鐘の音が、世界の果てまで響きわたり、生きとし生けるもの皆の苦しみを払い、安楽をとどけてくれますように……」。度重なる戦をくぐり抜けて東北を平定した清衡のことばだからそこ、重みがあります。現在使用されている梵鐘は1975年に作られたものですが、創建当時と同じ思いで響く鐘の音は、きっと心を安らかにしてくれるものと思います。なお、中尊寺では元旦0時30分より、有料で一般参拝者も鐘を撞くことができるそうです。他にも、京都や奈良など、世界遺産に登録されている寺院を含めたさまざまな寺院で除夜の鐘を撞くことができます。奈良の東大寺では、先着順(要整理券)に8人ずつ程の組になって綱をひきます。興味のある人はお近くの寺院を調べてみてくださいね。それではまた来年も、引き続きよろしくお願いします。○筆者プロフィール: 本田 陽子(ほんだ ようこ)「世界遺産検定」を主催する世界遺産アカデミーの研究員。大学卒業後、大手広告代理店、情報通信社の大連(中国)事務所等を経て現職。全国各地の大学や企業、生涯学習センターなどで世界遺産の講義を行っている。○世界遺産検定とは?世界遺産の背景にある歴史、文化、自然等の理解を深め、学んだことを社会に還元していくことを目指した検定。有名な観光地のほとんどは世界遺産になっているため、旅の知識としても役立つと幅広い世代に人気。主催:世界遺産アカデミー開催月:3月・7月・9月・12月(年4回)開催地:全国主要都市受検料:4級2,670円、3級3,900円、2級5,040円、1級9,250円、マイスター1万8,510円、3・4級併願6,060円、2・3級併願8,220円解答形式:マークシート(マイスターのみ論述)申し込み方法:インターネット又は郵便局での申し込みその他詳細は世界遺産検定公式WEBサイトにて
2015年12月28日©Tourism Authority of Thailand世界遺産登録をきっかけに始まった「アユタヤ世界遺産祭り」。アユタヤ歴史公園で開催される祭典では、幻想的にライトアップされた遺跡群を背景に繰り広げられる光と音のショーを始め、ダンスショーや古代マーケットを再現した市など、様々なイベントが催される。2015年は12月18日~27日に開催。歴史に思いを馳せる10日間©Tourism Authority of Thailandバンコクから北へ約80キロに位置する古代都市「Ayutthaya(アユタヤ)」。1351年から400年以上タイの中心都市として栄えた都市には、現在も貴重な遺跡群が残されている。1991年、このアユタヤの遺跡群がユネスコ世界遺産に登録されたのを機に始まった「The Glorious of Ayutthaya Fair(アユタヤ世界遺産祭り)」は、年に一度のタイを代表する華やかな祭典。幻想的にライトアップされた遺跡群を背景に、光と音を駆使した歴史劇やダンス、花火など、様々なイベントが予定される。会場となるのは、遺跡を数多く有するAyutthaya Historical Park(アユタヤ歴史公園)。ライトアップされた遺産が舞台!幻想的な光と音のショー©Tourism Authority of Thailand華やかな祭典に先駆けて2015年12月9日には、アユタヤを創設したKing U-Thong(ウートン王)の像にて仏陀への敬意を表する宗教的式典が執り行われる。続いて18日に行われるオープニングセレモニーにて、10日間に及ぶ祭典が開幕。アユタヤ世界遺産祭りのメインイベントの一つ、歴史公園内Wat Mahathat(ワット・マハタート)にて行われる光と音のショーは、アユタヤ王朝の歴史が壮大なスケールで表現される観光客にも人気のパフォーマンス。Chao Sam Phraya National Museum(チャオ・サム・パラヤ国立博物館)での古代の金の展示や、中央ステージでの伝統的な仮面のダンスショーやフォークパフォーマンスなども見どころ。©Tourism Authority of ThailandWat Langka Khaoでは、夕方16時~21時の間、古代のマーケットを再現。当時のお金を使い、100を越える店がタイ料理やOne-Tambon-One-Product (OTOP/一村一品運動)の品などのお買い物を楽しめる。ステージでは、毎日17時~19時、伝統的な仮面のダンスやその他民族パフォーマンスも開催。期間中は、Ayutthaya Tourism Center(アユタヤ・ツーリズム・センター)にて、地元の大学「Rajabhat Ayutthaya University」の生徒たちによるガイド付きの無料アユタヤトラムツアーも実施される。荘厳な世界遺産に身を委ね、アユタヤ王朝の歴史に思いを馳せてみては?
2015年12月11日スコータイ歴史公園ワット・スラ・シー photo:世界遺産イェーイ!微笑みの国タイには5件の世界遺産があります。首都バンコクからのアクセスも良く人気の世界遺産アユタヤの遺跡やタイ初の独立国家スコータイの遺跡などの文化遺産3件と、手長猿や象など貴重な動物に会える自然遺産が2件でございます!今回は、タイの北部にあるスコータイなどの文化遺産2件をご紹介致します!そして次回は、タイ中部にある文化遺産1件と自然遺産2件を取り上げますよ!スコータイと周辺の歴史地区 (文化遺産)登録基準:「人間がつくった傑作」、「文明の証拠」スコータイ歴史公園ワット・シー・チュムにある高さ14.7mのアチャナ仏! photo:世界遺産イェーイ!タイの世界遺産一発目は首都バンコクから飛行機で北へ約1時間のところにあるスコータイでございます。スコータイ朝は、カンボジアのアンコール朝の支配から独立し、タイ人初の独立国家となりました。スコータイとは「幸福の夜明け」という意味です。このスコータイ朝は、後にアユタヤ朝に併合され幕を閉じることになります。実はスコータイは巨大な世界遺産なんです!この世界遺産は「スコータイと周辺の歴史地区」と、名称に"周辺の"とある通り、スコータイにある「スコータイ歴史公園」だけでなく、スコータイの北約50kmの所にある「シー・サッチャナーライ歴史公園」と、スコータイから南西約85kmの所にある「カンペーン・ペット歴史公園」を含めた3つの歴史公園で成り立ってます。スコータイ歴史公園城壁内にあるスコータイ最大の寺院ワット・マハータート photo:世界遺産イェーイ!メインの「スコータイ歴史公園」だけでも約70平方kmと結構広くて見どころ満載! 城壁に囲まれたメインエリア、城壁北エリア、城壁西エリア、城壁南エリア、城壁東エリアの5つのエリアに分かれており、各エリアに「ワット」と呼ばれる仏教寺院の遺跡がたくさんあります。photo:世界遺産イェーイ!そんな広大な「スコータイ歴史公園」を巡るのには、トゥクトゥク(三輪自動車)をチャーターするのがオススメ!暑い時期が多いスコータイ、遺跡のほとんどが日影なしで直射日光を浴びるところが多いので、とにかく暑い!屋根のあるトゥクトゥクに乗っている時がかなり幸せなのです。レンタサイクルやレンタルバイクを借りて自分のペースで回るのも楽しいですが、体力を温存したい方はトゥクトゥクで涼しく観光しちゃいましょう!・スコータイ歴史公園へのアクセス日本から首都バンコクまで直行便で約6時間。バンコクからスコータイまで飛行機で約1時間半。バンチェンの考古遺跡(文化遺産)登録基準:「文明の証拠」バンチェンの土器は、このグルグル~となってる渦巻き模様が特徴的! photo:世界遺産イェーイ!「バンチェンの考古遺跡」は、ハーバード大学の学生が転んだときに地表に出ていた土器を偶然に発見したというミラクルな遺跡です!その後発掘を進めると、「青銅器」や「彩文土器」が発見され、当初はこの遺跡が世界最古の青銅器文明ではないかと世界から注目を浴びたのです。しかしその後の調査の結果、世界最古というわけではなくなってしまったのですが、それでも東南アジアの古代文明を伝える貴重な遺跡と位置づけられてます。タイ東北部の街ウドーン・ターニーからバスやらソンテウなどを乗り継いで行く、ちょっぴり辺鄙な場所にある世界遺産です。バンチェン国立博物館 photo:世界遺産イェーイ!土器や人骨などの出土品は博物館に展示されています。博物館からトゥクトゥクで3分くらいのところにある「ワット・ポー・シー・ナイ」というお寺の境内の中に発掘現場があります。こちらもぜひ行ってみましょう!photo:世界遺産イェーイ!土産物屋でこんな可愛らしい土器のキーホルダーなどが売られていたので、私たちはつい買ってしまいました!本物そっくりの土器も売られているので、土産物屋めぐりも楽しいですよ!・アクセスバンコクからウドーン・ターニーまで飛行機で約1時間。ウドーン・ターニーからバスで約1時間のところにあるバス停からトゥクトゥクで約10分。※記事中の情報は、全て2015年11月現在のものです。(参考文献:『すべてがわかる 世界遺産大事典 <上・下> 世界遺産検定公式テキスト』、『きほんを知る世界遺産44 世界遺産検定4級公式テキスト』、『地球の歩き方』、『るるぶ』】4年間世界遺産巡りの旅をした夫婦「世界遺産イェーイ!」のコラムその他の記事はこちら>
2015年12月02日写真:PIXTA遺跡群に囲まれた街「シェムリアップ」世界遺産アンコール・ワットがある街、カンボジア・シェムリアップ。首都プノンペンより北西約300km離れた場所にある小さなこの街は、こじんまりとしていながらも多くの遺跡が点在し、歴史のロマンに浸る旅を堪能できるディスティネーションだ。また遺跡巡り以外にも、都市の南にある東南アジア最大の湖 トンレサップ湖や、オールドマーケットや博物館、地元の工芸品を扱う雑貨店やレストランなど、シェムリアップでしか出会えない魅力が、世界中から訪れる観光客たちを虜にしている。現在日本からの直行便はなく、首都プノンペン空港またはシアヌークビル空港経由、もしくは周辺国の主要空港で乗継ぎが便利。入国にはビザの申請が必要なので、旅行前に必ずチェックを。一生に一度は訪れたい「アンコール遺跡群」©TRIPPING! アンコール・ワット数ある世界遺産の中でも、常に人気の上位にランクインするアンコール遺跡群。シェムリアップ市内から7キロほどいったところの、東京23区ほどの大きさのエリアに60を超える巨大な遺跡が点在している。それは数百年もの間、密林の中に秘められていたクメール王朝時代の古(いにしえ)の都。アンコール遺跡群を代表するのが、言わずと知れたアンコールワット。クメール建築の最高傑作と謳われるヒンドゥー教寺院建築で、日の出をバックにした美しい姿がドラマティックな感動を呼び起こす。アンコール・ワットと並んで人気なのが、その北に位置する遺跡アンコールトム。こちらは、12世紀後半、ジャヤーヴァルマン7世により建設され、かつては10万人の人々が暮らした王都だ。©ASEAN-Japan Centre アンコールトムのバイヨン寺院その他、映画「トゥーム・レイダー」の撮影でも使われたことでも知られるタ・プロム遺跡は、長い年月の間に樹木が浸食した独特の景観でフォトジェニックなスポットとなっている。歴史のロマンと人類の叡智を感じさせるこの巨大な石造遺跡の数々を見ずして、カンボジアは語れない!詳しくはこちら>アンコール遺跡群アンコール・ワットだけじゃない!シェムリアップから冒険へ出かけようシェムリアップから観光できる名物遺跡は、実はアンコール遺跡群だけではないのをご存知だろうか? 市内から車で1時間半~4時間ほどの場所に足を伸ばせば、見たこともないような絶品遺跡に出会える。「天空の城ラピュタ」のモデルになったと噂される密林の中の巨大遺跡ベン・メリアや、クメール最古の遺跡として今後世界遺産への登録が期待されるサンボー・プレイ・クックなど、日本人にはあまり馴染みがないが、アンコール・ワットに負けず劣らずの魅力を秘めた個性的な遺跡に遭遇することができる。シェムリアップへ旅立つ前には、ぜひチェックを!1. ベンメリア遺跡©ASEAN-Japan Centre ベンメリア遺跡「天空の城ラピュタ」のモデルとなったとも言われている森の中の巨大遺跡「ベン・メリア遺跡」。長い年月をかけて熱帯樹が遺跡全体を覆い、建造物が崩れ落ちた廃墟ぶりは、哀愁とロマンに満ちた別次元の風情を醸し出している。遺跡は、野生の虎や象が出没していたので、なかなか修復が進まないまま森の中にひっそりと埋もれていたと言われている。崩れた柱や苔むしたレリーフが散乱する回廊を進みながら探検気分も盛り上がる。遺跡マニアならずしても、引き込まれてしまう不思議なワイルド体験が待っている。©ASEAN-Japan Centre ベンメリア遺跡2. サンボー・プレイ・クック写真提供:H.I.S. サンボー・プレイ・クックアンコール王朝よりも前の時代、7世紀初頭に創られたクメール最古の遺跡サンボー・プレイ・クックは、アンコール遺跡、プレアビヒアに次いで、第三の世界遺産候補として注目されているスポットだ。写真提供:H.I.S. サンボー・プレイ・クック大小50ほどのレンガ造りの遺跡には、巨木が纏わりついてはいるものもあるが、今もほぼその姿を留めたまま発見されていて、特徴的な八角形の祠堂は、足を踏み入れる者を一瞬で神秘的なムードの中に引き込む。壁面に施された見事な彫刻やレリーフは、アンコールワットへと続くカンボジアの優美な建築美術の片鱗を感じさせる。3. プレアビヒア寺院©Tourism of Cambodia プレアビヒア寺院2008年に世界遺産に登録されたできる天空の遺跡プレアビヒア。ここは、タイ国境のダンレク山地の海抜625mの断崖の頂上にあり、眼下に広がる絶景を臨むことができる。クメール語で「神聖な寺院」を意味するサンスクリット語からきているプレアビヒアは、中央祠堂に向かって伸びる参道に並ぶ塔門のレリーフに、シヴァ神、ヴィシュヌ神、グリシュナ神といった神像が描かれ、偉大な神々への深い信仰を見て取れる。©ASEAN-Japan Centre プレアビヒア寺院アンコール・ワットからは、北東120kmに位置し、シェムリアップから遺跡へと向かう道路は全て舗装整備されていて、車で片道3~4時間程度のため日帰りも可能。2014年ほどから観光地としてツアーが組まれ出しているので、これからますます人気のスポットになること間違いなし。今のうちにぜひチェックを。シェムリアップの街へ出かけよう!©TRIPPING! シェムリアップの繁華街「パブ・ストリート」遺跡巡りの起点となるシェムリアップだが、街自体の見どころもぜひ知っておきたい。街の南にあるオールドマーケットをはじめ、アンコール国立博物館やカルチャービレッジなどの観光スポットをはじめ、街中にある雑貨ショップにはカンボジア産のシルクやハンドメイドの工芸品、お茶などの名産品が売られている。夜、現地で有名なナイトマーケットへ繰り出せば、活気づくカンボジアの庶民の暮らしぶりに触れることもできる。また、パブ・ストリートは、シェムリアップで一番の繁華街。食事にショッピングにナイトアウトしてみては!まだ知らないシェムリアップ!特集の後編では、実際にシェムリアップを訪れる際のおすすめのツアー情報をご紹介!TRIPPING!編集部イチオシのプランをチェックしてみて!まだ知らないシェムリアップ!特集・前編:歴史のロマンに浸る世界遺産の街!カンボジア「シェムリアップ」・後編:時空を超えた冒険に出かけよう!カンボジア「シェムリアップ」の旅
2015年11月30日イッツ・コミュニケーションズは12月26日~2016年1月5日まで、世界遺産チャリティーアートエキシビジョン「PIECE OF PEACE-「レゴ ブロック」で作った世界遺産展PART-3」を「iTSCOM STUDIO & HALL 二子玉川ライズ」(東京都世田谷区)で開催する。同展は2012年に「世界遺産条約が採択されて40周年」という節目の年を迎えたことを記念し、『PIECE OF PEACE-「レゴ ブロック」で作った世界遺産展』第3回展として立ち上げたもの。日本各地のみならず香港・台湾といった海外でも開催してきた。今回、年末年始にかけて二子玉川で開催する。展示の中心となる「レゴ ブロックで作った世界遺産」モデルは、「モン‐サン‐ミシェルとその湾」「古都京都の文化財」「サグラダファミリア」「シドニー・オペラハウス」など世界27カ国から40の世界遺産を再現したもの。2013年に新たに世界文化遺産に加わった「富士山-信仰の対象と芸術の源泉」モデルも登場する。さらに、「未来に残したいたからもの」をテーマにさまざまな分野のアーティストや文化人から寄せられたメッセージやアートの展示も行う。今回はPART-1から PART-3までの多数の作品から選んだものを展示する。ほかにもサブ展示として、実物の世界遺産の美しさを体感するミニシアターや、ユネスコ世界遺産活動紹介コーナーなども設置する。入場料は当日券大人(高校生以上)800円、こども(小・中学生)400円。11月28日からは当日券より100円割安になる前売り券を販売する。時間は10:00~21:00(12月25日は17:00~ プレオープン)。2016年1月1日は休館。※価格は税込
2015年11月27日プエルト・プリンセサ地下河川国立公園 photo:世界遺産ハンター7,000以上もの島々から構成される群島国家フィリピンには多種多様な6件の世界遺産があります。前回の記事ではフィリピンの歴史を感じる文化遺産3件についてご紹介しましたが、実はフィリピンは自然遺産もお勧めなんです!今回の記事では、半端ない自然を楽しめるフィリピンの自然遺産3件についてご紹介したいと思います。プエルト・プリンセサ地下河川国立公園(自然遺産)登録基準: 「自然の景観美」、「絶滅危惧種」フィリピンの南西部に位置するパラワン島は、豊かな自然が残るフィリピン最後の秘境と言われている島です。この島に流れているのが世界最長8.2キロのプエルト・プリンセサ地下河川です!地下河川とは洞窟の下を流れる川です。こちらのプエルト・プリンセサ地下河川は、幅約120メートル、高さ約60メートルの巨大な洞窟からダイナミックに海に流れ出ているのです!なぜこのような地下河川ができたのでしょうか?パラワン島は石灰岩でできた島で、「雨の島」と呼ばれるほど雨量が多いです。その大量の雨が石灰岩を削って海に流れ込み、地底に洞窟と川ができたのです。ちなみに以前にご紹介したベトナムの「ハ・ロン湾」も石灰岩の大地でできています。ハ・ロン湾でもプエルト・プリンセサと似たような大きな洞窟を見ることができます。そんな地下河川は手漕ぎボートのツアーで観光することができます。パラワン島の中心都市プエルト・プリンセサから北へ車に揺られること2時間半、サバンという村からボートに乗れます。プエルト・プリンセサから日帰りもできますが、サバンに宿を取った方がゆっくりと地下河川を探検できますよ。photo:世界遺産ハンターツアーは所要時間約45分とそれほど長くないですが、神秘的で忘れられない体験ができます!まずはボートに乗って海からそのまま洞窟へGO!真っ暗な中を懐中電灯の光を頼りに進んで行くのはドキドキです!しばらく狭い洞窟を進んでいくと、広い空間があり様々な形の鍾乳石などを見ることができます。パラワン島北部には、こじんまりとしたプライベート感たっぷりなリゾートホテルが多く立ち並んでいるので、リゾートライフも満喫できます。海が美しく魚影が濃いと評判なので、シュノーケリングやダイビングも人気があるんですよ!・アクセス日本から首都マニラまで直行便で約4時間。マニラからプエルト・プリンセサまで飛行機で約1時間。プエルト・プリンセサから地底河川クルーズの拠点となるサバンまで車で約2時間半。トゥバッタハ岩礁自然公園(自然遺産)登録基準:「自然の景観美」、「固有の生態系」、「絶滅危惧種」プエルト・プリンセサから約200キロ南東のスールー海のど真ん中に、東南アジア最大の珊瑚礁が広がるエリアがあります。こちらがフィリピンで初めて自然遺産として登録されたトゥバタハ岩礁海洋公園です!世界中のダイバーが憧れるトゥバタハ岩礁は、大小3つの環礁(珊瑚礁がリング状に連なったもの)が世界遺産として登録されています。環礁の外側は「ドロップオフ」と呼ばれる珊瑚の断崖になっていて、マンタなど約380の魚介類、海鳥、ウミガメなどが生息しており海洋生物の宝庫となっています。tubbataha- shark airport 2 marble ray and divers,copyright and photo credit: q phia on flickr. Attribution 2.0 Generic. そんなトゥバタハ岩礁海洋公園は、プエルト・プリンセサ発の数日間のダイブクルーズで行くことができます。プエルト・プリンセサからボートに乗って、何と約12時間!!でトゥバタハ岩礁に到着。さすがの秘境ですね~。そしてボートに寝泊まりしながらダイビング三昧の日々を送るのです!ひらひらと舞うマンタを見たり、ギンガメアジの群れに囲まれたり、バラクーダに遭遇したり、沈没船を探索したりと水中世界を存分に楽しむことができます。トゥバタハ岩礁がすごいのは水中だけではありません。珊瑚が砕けてできた砂洲にはカツオドリなどの海鳥がたくさんとまっていたりと、ここは鳥の楽園でもあるのです。海が穏やかな3月から6月くらいしか行くことができないという見事な秘境っぷりなので、訪れるのはなかなか難しいかもしれませんが、日本発1週間程度のツアーもあるようなので行くのも夢ではありませんよ!・アクセスマニラからプエルト・プリンセサまで飛行機で約1時間。プエルト・プリンセサからのツアーが一般的。ハミギタン山地野生生物保護区 (自然遺産)登録基準:「絶滅危惧種」ハミギタン山地野生生物保護区はフィリピン南部、ミンダナオ島の南東部のプハダ半島にあります。固有種が多いことで知られており、ここでしか見ることができないウツボカズラなどが有名です。ウツボカズラは、とても美しい食虫植物でボルネオ島にある世界遺産「キナバル自然公園」などでも見ることができますよ!食虫植物ウツボカズラ キナバル自然公園にて photo:Miho Shimizu2014年に世界遺産に登録されたばかりなのでまた訪れたことがある人は少ないですが、フィリピン第3の都市ダバオからのアクセスが良いので、今後人気が出てくること間違いなしです!・アクセスマニラからダバオまで飛行機で約1時間半。ダバオからバスで数時間。※記事中の情報は、全て2015年10月現在のものです。(参考文献:『すべてがわかる 世界遺産大事典 <上・下> 世界遺産検定公式テキスト』、『きほんを知る世界遺産44 世界遺産検定4級公式テキスト』、『地球の歩き方』、『るるぶ』)4年間世界遺産巡りの旅をした夫婦「世界遺産イェーイ!」のコラムその他の記事はこちら>
2015年11月12日○世界遺産データ『ウィーンの歴史地区』(文化遺産)。オーストリア。2001年登録。季節はすっかり秋ですね。みなさんいろんな形で秋を満喫していらっしゃるかと思います。筆者は「芸術」の秋かなぁ。今秋も面白そうな企画が目白押しなので、週末ごとに美術館めぐりをしています。芸術の都といえば、やはりウィーンですよね! ということで今回は世界遺産『ウィーンの歴史地区』内にある「美術史美術館」に関してお話します。ウィーンは13世紀から20世紀にかけて、ハプスブルク家の本拠地として大きく繁栄しました。ハプスブルク家の手厚い庇護のもとで、芸術や音楽が発展していったのです。美術史美術館は、歴代王たちが数百年以上かけて集めたコレクションを基礎としているだけあって、収蔵品はすばらしいものばかりです。特にブリューゲルの作品数は世界最大です。彼の作品は宗教性がベースにありつつも、人間らしいおかしみや皮肉さにあふれていて、日本人にもなじみやすいと思います。この美術館は当時の皇帝の命により、1871年から1891年にかけて建設されました。優雅で壮麗な、うっとりするような建物です。美術館内のカフェは「世界で最も美しいカフェ」とも言われるとか。かつての王族の気分を味わいながらお茶を楽しむことができるので、ウィーンを訪問した際にはぜひ足を運んでみてくださいね。なお現在、東京・渋谷のBunkamuraザ・ミュージアムでは「ウィーン美術史美術館所蔵 風景画の誕生」を開催中です。都内でウィーンの息吹を感じてみてください。○筆者プロフィール: 本田 陽子(ほんだ ようこ)「世界遺産検定」を主催する世界遺産アカデミーの研究員。大学卒業後、大手広告代理店、情報通信社の大連(中国)事務所等を経て現職。全国各地の大学や企業、生涯学習センターなどで世界遺産の講義を行っている。○世界遺産検定とは?世界遺産の背景にある歴史、文化、自然等の理解を深め、学んだことを社会に還元していくことを目指した検定。有名な観光地のほとんどは世界遺産になっているため、旅の知識としても役立つと幅広い世代に人気。主催:世界遺産アカデミー開催月:3月・7月・9月・12月(年4回)開催地:全国主要都市受検料:4級2,670円、3級3,900円、2級5,040円、1級9,250円、マイスター1万8,510円、3・4級併願6,060円、2・3級併願8,220円解答形式:マークシート(マイスターのみ論述)申し込み方法:インターネット又は郵便局での申し込みその他詳細は世界遺産検定公式WEBサイトにて
2015年10月12日○世界遺産データ『ポトシの市街』(文化遺産)。ボリビア。1987年登録。2014年、2015年と日本から誕生した世界遺産はいずれも産業遺産でした。世界を見てみると、多くの産業遺産が登録されています。例えば南米のボリビアにあるポトシには、かつて世界の銀産出量の半分を産出したという銀山があります。銀の産出が減少すると同時に街も衰退していきました。筆者もこの地を訪れたことがありますが、かつての栄華はどこへやら、土ぼこりで茶色くすすけた街並みが続いていました。街の奥にあるのは、赤茶けた禿山のポトシ銀山です。この銀山を訪問するツアーがあるのですが、かなりハードとのうわさ。筆者は閉所が大の苦手なので断念しました。訪問した旅人によると、鉱山で働く作業員へのお土産にコカの葉などを調達していき、狭い坑道を延々歩いたせいで少々気持ち悪くなったとか。ポトシからバスで3時間ほどのところにも、世界遺産である『スクレの歴史都市』があります。こちらはポトシより標高が低く過ごしやすいことから、支配者のスペイン人はポトシではなくスクレで生活しました。ポトシとはだいぶ趣の異なるヨーロッパ風の街並みが広がっています。○筆者プロフィール: 本田 陽子(ほんだ ようこ)「世界遺産検定」を主催する世界遺産アカデミーの研究員。大学卒業後、大手広告代理店、情報通信社の大連(中国)事務所等を経て現職。全国各地の大学や企業、生涯学習センターなどで世界遺産の講義を行っている。○世界遺産検定とは?世界遺産の背景にある歴史、文化、自然等の理解を深め、学んだことを社会に還元していくことを目指した検定。有名な観光地のほとんどは世界遺産になっているため、旅の知識としても役立つと幅広い世代に人気。主催:世界遺産アカデミー開催月:3月・7月・9月・12月(年4回)開催地:全国主要都市受検料:4級2,670円、3級3,900円、2級5,040円、1級9,250円、マイスター1万8,510円、3・4級併願6,060円、2・3級併願8,220円解答形式:マークシート(マイスターのみ論述)申し込み方法:インターネット又は郵便局での申し込みその他詳細は世界遺産検定公式WEBサイトにて
2015年09月28日富士フイルムは9月3日、カラーネガフィルム「フジカラー F-II400」が国立科学博物館の「重要科学技術資料(未来技術遺産)」に登録されたと発表した。未来技術遺産の登録制度は、科学技術の発展を示す技術的な資料や、国民生活や社会、文化に大きな影響を与えた科学技術資料の保存と次世代への継承を目的に、2008年から実施されているもの。昨年度までに184件が登録されている。このたび登録された「フジカラー F-II400」は、富士フイルムが1976年10月に発売したカラーネガフィルム。それまでのカラーネガフィルムに比べて、感度を約4倍に引き上げ、世界初の高感度(ASA400)を実現した製品だ。フジカラー F-II400によって、ストロボがなければ撮影できなかった室内でも明るく撮れるようになったり、シャッタースピードを4倍速くできたことで手ブレの解消につながったり、とカラー写真の撮影領域拡大に貢献した。
2015年09月04日パイオニアは9月2日、レーザーディスク(LD)プレーヤーの3機種が、国立科学博物館の「重要科学技術資料(未来技術遺産)」に登録されたと発表した。未来技術遺産は、科学技術の発展を示す技術的な資料や、国民生活や社会、文化に大きな影響を与えた科学技術資料の保存と次世代への継承を目的に、2008年に制定された制度。昨年度までに184件が登録されている。今回、未来技術遺産として登録されたのは、世界初の業務用LDプレーヤー「PR-7820」、家庭用のLDプレーヤー「LD-7000」、そして世界初のコンパチプレーヤー(LDのほかにCDの再生も可能)「CLD-9000」だ。レーザーディスクは、パイオニアが開発した光学式ディスクの規格。アナログで記録されている映像と音声を、レーザーピックアップで読み取る方式を採用している。1979年に業務用プレーヤーの「PR-7820」を発売した後、1981年に民生用の国内向けモデル第1号として「LD-1000」を発売。映像を再生できるディスク媒体として一時代を築いた。その後、DVDやBDなどの普及に伴い、2009年にプレーヤーの製造から撤退しているが、レーザーディスクプレーヤーの開発によって培われたピックアップ技術やサーボ技術などは、現在でもさまざまな製品に生かされている。
2015年09月02日コモドドラゴン(コモドオオトカゲ) ©ASEAN-Japan Centre8つの世界遺産を要するインドネシア!“前回の記事”では有名な仏教寺院ボロブドゥールやバリ島など文化遺産4件を紹介しましたが、今回は多種多様な自然遺産4つをご紹介します!日本でも有名な「コモドドラゴン(コモドオオトカゲ)」やオランウータンなど珍しい動物に会えたり、カヌーに乗ってマングローブを観察したり大自然を満喫できるのです!この4つの自然遺産は、コモド島、ジャワ島、スマトラ島、ニューギニア島と全て別の島にあるため、一度の旅行で4つまとめていくのは難しいのですが、バリ島の世界遺産だったり、マレーシアの世界遺産と合わせて旅程を組むと行きやすかったりします!一緒に行くならココ!という世界遺産をそれぞれ紹介しているので、要チェックですよ!コモド国立公園(自然遺産)登録基準:「自然の景観美」、「絶滅危惧種」インドネシアの自然遺産1発目は世界最大にして最強のトカゲ「コモドドラゴン」(写真一番上)が生息するコモド国立公園でございます!!人気番組「世界の果てまでイッテQ!」で、珍獣ハンターイモトアヤコさんと競争したことでも有名な「コモドドラゴン」は、体長2~3m、体重は100kgと巨体で、その姿はさながら恐竜のよう!乱獲によって生産数が激減し現在は絶滅の危機にさらされています。コモド島で食物連鎖の頂点に立つのはコモドドラゴン!彼らは野生のシカ、水牛などを毒などでじわじわと殺めて餌とします。コモド島周辺は海流が激しく天敵が入ってこなかったため、コモド島はコモドドラゴンの楽園となったのです。そんなコモド島へはバリ島から飛行機を使ったツアーが便利。バリ島のデンパサールから、まずは東へ飛行機で約1時間半のところにあるフローレス島へ飛び、フローレス島から船でコモド島とリンチャ島(リンチャ島でもコモドドラゴンが観察できます)をまわる日帰り、または1泊2日のツアーなら短期旅行でもコモドドラゴンを見ることができます。コモド島もリンチャ島もガイドの同行が義務付けられているのでツアーの参加は必須です!フローレス島からコモド島までは船で片道約3時間半、リンチャ島までは片道約2時間なので、時間に余裕があれば、どちらかの島に1泊するか船に泊まるツアーもゆっくりできて良いです。バリ島から東へ約50kmのところにあるロンボク島からコモド島、リンチャ島に寄ってフローレス島まで2泊3日のダイビングツアーなどもあるので、ダイバーの方にはこちらも人気!コモド島周辺はマンタやジンベエザメなど大物が多いんです!・アクセス成田からバリ島のデンパサールまで直行便で約7時間。デンパサールからフローレス島まで飛行機で約1時間半。フローレス島からコモド島までは船で約3時間半。・一緒に行くならこの世界遺産バリの文化的景観:バリ・ヒンドゥー哲学トリ・ヒタ・カラナを表す水利システム「スバック」ウジュン・クロン国立公園(自然遺産)登録基準: 「自然の景観美」「絶滅危惧種」photo:ひさほ ゆう「ウジュン・クロン国立公園」は、ジャワ島の西の端のウジュン・クロン半島とその西にあるスンダ海峡の島々からなる自然遺産です。1883年にジャワ島とスマトラ島の間にあるクラカタウ火山が噴火しウジュン・クロン半島と島々は火山灰に埋もれてしまいましたが、現在は熱帯雨林が復活しています。川をカヌーで行くツアーがお勧め!photo:ひさほ ゆうこちらを楽しむには、インドネシアの首都ジャカルタや、ジャカルタからバスで約4時間のところにあるカリタやラブアンなどでツアーを手配するのが一般的。カヌーに乗って熱帯雨林のジャングルを体感しましょう。運が良いと絶滅危機にさらされているジャワサイや水牛など貴重な動植物に会えるかも?!・アクセス成田からジャカルタまで直行便で約7時間。ジャカルタからカリタやラブアンまでバスで約4時間。カリタやラブアンからのツアー。・一緒に行くならこの世界遺産同じくジャワ島にある世界遺産「ボロブドゥールの仏教寺院群」と「プランバナンの寺院群」ジャカルタから、ボロブドゥール、プランバナンの拠点となるジョグジャカルタまで 飛行機で約1時間。スマトラの熱帯雨林遺産(自然遺産)登録基準: 「自然の景観美」、「固有の生態系」、「絶滅危惧種」インドネシアの西の端にあるスマトラ島は、日本の国土の約1.5倍という巨大な島です。「スマトラの熱帯雨林遺産」は、3つの国立公園にまたがる広大な自然遺産です。スマトラオランウータン写真提供:市川市動植物園森の人オランウータンは、ここスマトラ島とボルネオ島だけに生息しています。絶滅危惧種「スマトラオランウータン」は、出っ張ったエラが特徴です(雄のみ)。3つの公園の1つ「グヌン・レウセル国立公園」では、スマトラオランウータンに会えるかもしれません。こちらの拠点となるのは、インドネシア第3の都市メダンから100kmほど北西にあるブキッ・ラワン。すぐ近くにオランウータン・ビューイングセンターがあり餌付けを見学するミニツアーなどに参加することができます。ラフティング付きの1泊2日のツアーや、ジャングルを移動する5日のジャングルトレッキングツアーなどもあるので、幅広く楽しむことができます。スマトラトラやスマトラゾウなど貴重な動物に会えるかもしれません!・アクセスジャカルタからメダンまで、飛行機で約3時間。メダンからブキッ・ラワンまでバスで約3時間。シンガポール、マレーシアのクアラルンプール、ペナンなどからも1時間前後なのでそちらを経由するのも良し。・一緒に行くならこの世界遺産「シンガポール植物園」メダンからシンガポールまで飛行機で約1時間半。ジェットスターも飛んでいます!2015年、今年登録されたばかりの、シンガポール初の世界遺産を一緒に観光しちゃいましょう!「メラカとジョージ・タウン:マラッカ海峡の歴史都市」ジョージタウンがあるペナンとメダンは飛行機で約1時間!! LCCも各社飛んでいるので低コストで旅ができます。ペナンでマレーシアの歴史に触れつつ、屋台での食い倒れもいいですね。ロレンツ国立公園(自然遺産)登録基準: 「地球の歴史」、「固有の生態系」、「絶滅危惧種」世界で2番目に大きな島ニューギニア島の西部、スディルマン山脈のジャヤ山一帯を含む「ロレンツ国立公園」は東南アジア最大の面積をもつ自然公園です。ニューギニア島はインドネシアとパプアニューギニア2か国の領土で、西半分がインドネシア、東半分はパプアニューギニアとなっています!ちなみに世界で1番大きな島は北極海にあるグリーンランド、そして3番目に大きな島はボルネオ島(インドネシア、マレーシア、ブルネイの領土)です!インドネシアには世界で2番目と3番目に大きな島があるんですよ!美しい万年雪photo:インドネシア政府観光局ここには手つかずの自然が残されており、キノボリカンガルーやハリモグラなど100種類以上の哺乳類や、たくさんの鳥類などが確認されており、先住民族の部族も居住しています。「ロレンツ国立公園」には、ワメナなどからのツアーがお勧め。トレッキングをしたり、先住民族を訪問したり、伝統舞踊を楽しんだり、忘れられない体験ができることでしょう。・アクセスジャカルタからパプア州の州都ジャヤプラまで飛行機で約6時間。ジャヤプラからワメナまで飛行機で約30分。ワメナからツアー。・一緒に行くならこの世界遺産「ウジュン・クロン国立公園」先ほど紹介したインドネシアの自然遺産。ジャカルタを経由するので一緒に行っちゃいましょう。(text : 世界遺産イェーイ!鈴木かの子)(参考文献:『すべてがわかる 世界遺産大事典 <上・下> 世界遺産検定公式テキスト』、『きほんを知る世界遺産44 世界遺産検定4級公式テキスト』、『地球の歩き方』、『るるぶ』、『インドネシア共和国観光省』)4年間世界遺産巡りの旅をした夫婦「世界遺産イェーイ!」のコラムその他の記事はこちら>
2015年09月02日国立科学博物館は9月1日、「国立科学博物館重要科学技術仕様(愛称:未来技術遺産)」に、ソニーの「AIBO」など25件を選定した。「未来技術遺産」は日本の科学技術の歴史を示す事物で、科学技術の発達史上重要な成果を示し、次世代に継承していく上で重要な意義を持つもの、ならびに国民生活、経済、社会、文化の在り方に顕著な影響を与えたものを、国立科学博物館が選定し登録するというもの。2008年から毎年発表されており、昨年は日本初の噴流式洗濯機「電機洗濯機 SW-53」や富士フイルムの「フジカラー 写ルンです」などが選出された。今年は「AIBO」のほか、世界初の産業レーザディスクプレーヤであるパイオニアの「PR-7820」、海軍航空本部が製作した「海軍航空機用塗料識別標準(色見本帳)」などが登録された。2015年度登録の「未来技術遺産」は以下の通り:
2015年09月01日ボロブドゥールの仏教寺院群 photo:世界遺産イェーイ!多くの島々で構成されているインドネシアには8つの世界遺産があります。世界遺産は「ジャワ島」に4つ、「スマトラ島」に1つ、「コモド島」に1つ、「ニューギニア島」に1つ、そして「バリ島」に1つと、5つの島に分布しています。8つの世界遺産のうち4つが自然遺産という豊かな自然を堪能できるインドネシアの世界遺産。自然の宝庫だけあってちょっぴりアクセスが難しい秘境な世界遺産が多いのも特徴です。今回の記事では、比較的アクセスが良好な文化遺産4つをご紹介!ジャワ島のジョグジャカルタ近郊を拠点として行ける世界遺産3つと、世界的に有名なリゾート地バリ島にある世界遺産1つを取り上げます。ボロブドゥールの仏教寺院群(文化遺産)登録基準: 「人間がつくった傑作」「文化交流」、「出来事や宗教、芸術」まずはインドネシア観光のハイライト!ジャワ島にある有名な仏教寺院、ボロブドゥールをご紹介!ボロブドゥール寺院は、カンボジアの「アンコール・ワット」、ミャンマーの「バガン」と合わせ「世界三大仏教遺跡」の1つなのです。現在インドネシアは人口の約87%がイスラム教徒なのですが、イスラム教が伝わるまでは、仏教文化とヒンドゥー教文化が栄えていたのです。ボロブドゥール寺院は、770年頃から820年頃にかけて仏教を信仰するシャイレンドラ朝という王朝によって築かれました。そして何と1871年にイギリスのラッフルズに発見されるまで約1,000年間も密林の中に眠り、歴史上から姿を消していたんです!大乗仏教の宇宙感を表す構造photo:ひさほ ゆうボロブドゥール寺院は遠くから見ると1つのピラミッドみたいなものに見えますが、実は大きく分けると2つの部分から成り立ってます。(丸と四角)上部の「3層の円壇」と下部の「5層の方形壇」です。そして「3層の円壇」の頂上にはストゥーパ(釣鐘状の塔)があります。これらの構造は大乗仏教の宇宙感を表しています。イチオシはレリーフ!photo:世界遺産イェーイ!こちらは仏教の開祖である「釈迦」の生母、摩耶夫人(まやぶにん)のレリーフです!下部の「5層の方形壇」の各層は回廊上になっており、その壁面は仏教をテーマにしたレリーフ(浮き彫り)で埋め尽くされてます。ボロブドゥール寺院は整備された遺跡公園の中にあるのですが、その公園内にある「オーディオ・ビジュアル館」では、遺跡の歴史を解説したビデオが上映されています。レリーフの解説など、図を使ってわかりやすく説明されているので、観光する前にぜひ見てみましょう。ビデオは何と日本語もありますよ!ボロブドゥール観光は、遺跡公園内にある「マノハラ・ホテル」に泊まるのがお薦め!レストランからもボロブドゥールが見えちゃう世界遺産好きにはたまらない宿なんです。ボロブドゥール寺院の向こうから朝日が昇る光景を見ることができる、サンライズツアーも外せません!またボロブドゥール寺院から車で約5分のところにムンドゥー寺院、パウォン寺院があり、こちらも世界遺産として登録されているので必見です。・アクセス成田から首都ジャカルタ、またはバリ島のデンパサールまで直行便で約7時間。ジャカルタ、またはデンパサールからジョグジャカルタまで約1時間。ジョグジャカルタからバスで約1時間半。・必要日数ジョグジャカルタから日帰りで1日あれば十分観光できますが、マノハラ・ホテルに1泊してサンライズツアーに参加するのがオススメです!プランバナンの寺院群(文化遺産)登録基準: 「人間がつくった傑作」、「建築技術」photo:ひさほ ゆうこちらもジャワ島に位置する9世紀に作られた「プランバナン寺院」はヒンドゥー教寺院です。ボロブドゥールは仏教寺院ですが、こちらはヒンドゥー教の寺院なのです!ヒンドゥー教の3大神、「シヴァ神」、「ヴィシュヌ神」、「ブラフマー神」を祀る建物が3つそびえており、さらにそれぞれの神の祠堂の前には、その神の乗り物が祀られた小堂があります。「ラーマヤナ」のレリーフphoto:ひさほ ゆうシヴァ神をまつったシヴァ堂の回廊に、古代インドの叙事詩「ラーマヤナ」のレリーフがあります。ボロブドゥール同様、見事なレリーフを楽しみましょう。世界遺産として登録されている寺院は、プランバナン寺院以外に、仏教寺院のセウ寺院、ヒンドゥー教寺院のカラサン寺院、サンビサリ寺院などがあります。異なる宗教の建造物が混在し、破壊されることなく残されていることから、この地域での宗教の寛容性が垣間見えてきます。・アクセスプランバナン寺院は、ジョグジャカルタから車で約45分。プランバナン寺院以外のセウ寺院などをまわる場合は、タクシーチャーターが便利。・必要日数ジョグジャカルタから日帰りで観光可能。人類化石出土のサンギラン遺跡(文化遺産)登録基準: 「文明の証拠」、「出来事や宗教、芸術」photo:ひさほ ゆうジャワ島にある、サンギラン遺跡は一言でいうと「ジャワ原人の頭蓋骨」が発見された人類の歴史をたどる上で大変貴重な遺跡です!こちらがジャワ原人(ピテカントロプス)photo:ひさほ ゆうこのサンギラン遺跡で発見されたジャワ原人の化石なくしてアジアの人類進化は語れません!こちらでは今までに50件ほど人類の化石が発見されており、世界で発見された人類化石のおよそ半分を占めるほどの「人類の化石祭り」なんです!そんな化石の一部やジャワ原人のジオラマがサンギラン博物館に収められています。博物館へのアクセスは、古都ソロに滞在すると便利です。ソロはそれなりに都会ですが、The観光地という感じでもなく居心地の良い街でした。・アクセスジョグジャカルタからソロまで、バスで約2時間。ソロからタクシーチャーターで約30分。・必要日数ソロを拠点とすれば半日。ジョグジャカルタ拠点だと丸1日必要。バリの文化的景観:バリ・ヒンドゥー哲学トリ・ヒタ・カラナを表す水利システム「スバック」(文化遺産)登録基準: 「文化交流」、「文明の証拠」、「伝統的集落」、「出来事や宗教、芸術」神々が住む島、バリ島。リゾートアイランドとしても知られるこの島に、2012年世界遺産が登録されました。バリ・ヒンドゥー教の哲学の一つである、「トリ・ヒタ・カラナ(神と人、自然の調和がコンセプト)」に基づく棚田の景観や、灌漑施設、9世紀から続いている水利システム「スバック」を司る寺院など5カ所が世界遺産として登録されています。熱帯雨林に広がる棚田の景観photo:Miho Shimizu「スバック」とは寺院に集められた水を分け合う水利システムで、1,000年以上続いています。川や泉から水を引いて、水田に均等に分けています。パワースポットとしても有名な「ウルン・ダヌ・バトゥール寺院」photo:©ASEAN-Japan Centreすべての川や泉を生み出した女神が住んでいると言われている「バトゥール湖」、バトゥール湖の女神を祀る「ウルン・ダヌ・バトゥール寺院」、また「タマン・アユン寺院」も世界遺産として登録されています。バリ人が神と人間と自然の調和を取りながら、水を分け合い、米を収穫して生活してきた様子を知ることができる世界遺産なのです。バリならではのマリンスポーツやスパを楽しみつつ、世界遺産を観光してバリ人の1,000年を超える生活の営みを感じるのも素敵ですね。・アクセス成田からまたはバリ島のデンパサールまで直行便で約7時間。デンパサール空港からウブドまで車で約1時間。世界遺産は点在しているので、ウブドからツアーかタクシーチャーターが便利。・必要日数棚田だけを見るのであれば半日でOK。5つ全部見るのであれば、2日くらいある方が良い。最後にセカイェだったらこんな風にインドネシアの文化遺産をまわりたい!という日程表をお届けします!セカイェツアー日程表 6泊7日 インドネシア4つの文化遺産を巡る旅1日目:日本→バリ バリ島→ジョグジャカルタ(飛行機) ジョグジャカルタ泊2日目:ジョグジャカルタ→ソロ サンギラン観光 ソロ泊3日目:ソロ→ボロブドゥール ボロブドゥール観光 ボロブドゥール泊4日目:ボロブドゥール→ジョグジャカルタ プランバナン観光 ジョグジャカルタ泊5日目:ジョグジャカルタ→バリ島(飛行機) ウブド泊6日目:バリ島観光 ウブド泊7日目:バリ島→日本世界遺産4つを見ようとすると、ちょっぴり忙しい旅になってしまいますね。泣く泣くジャワ原人のサンギランを諦めバリ島を1日延ばすのも良いかもしれません。(text : 世界遺産イェーイ!鈴木かの子)※記事中の情報は、全て2015年7月現在のものです。(参考文献:『すべてがわかる 世界遺産大事典 <上・下> 世界遺産検定公式テキスト』、『きほんを知る世界遺産44 世界遺産検定4級公式テキスト』、『地球の歩き方』、『るるぶ』、『インドネシア共和国観光省』)4年間世界遺産巡りの旅をした夫婦「世界遺産イェーイ!」のコラムその他の記事はこちら>
2015年08月04日