東芝と清水建設は8月25日、東芝のリストバンド型生体センサを活用し、清水建設の三重県四日市市の建設現場に従事する作業員の体調を24時間見守る実証実験を同日より2016年8月24日までの1年間実施すると発表した。同実証実験では、対象者がリストバンド型センサ「Actiband」もしくは「Silmee W20」を24時間装着し、出勤時に前日までの睡眠、食事、活動量などのデータをスマートフォンから確認し、各自で体調を客観的に把握できるようにする。また、その日の体調に合わせた作業量の負荷調整などが行えるように、個人のデータを現場管理者のタブレットや職場の収集し、管理・閲覧できるようなシステムを開発する。清水建設では、夏の屋外作業現場に従事する作業員の健康管理のため、熱中症危険度計測技術をすでに導入するなどしており、今回、リストバンド型生体センサを活用することで作業員の睡眠や食事のデータから作業員個人の日々の健康管理が可能となり、職場の安全性向上につながることが期待されるという。
2015年08月25日長塚圭史(作・演出)、首藤康之、近藤良平、松たか子という4人の実力派が“鏡”をテーマに繰り広げる舞台「かがみのかなたはたなかのなかに」が7月6日(月)に新国立劇場にて幕を開ける。初日まで1か月を切った稽古場に潜入。本作の魅力に迫る。舞台『かがみのかなたはたなかのなかに』チケット情報この4人の組み合わせは2012年から13年にかけて上演された「音のいない世界で」に続いて2度目。長塚は「当時から家族的な雰囲気があり、4人で『もう1回やろう』と言っていた」と語るが、それが実現してしまうのは、よほどの手応えと充実感があったからこそ。鏡のこちらと向こうでタナカ(首藤)とカナタ(近藤)、コイケ(長塚)とケイコ(松)が対をなすという物語。カギとなるのは首藤と近藤のふたりのシンクロ率の高さ。この日も、タナカとカナタが初めて顔を合わせる序盤、ヒロインのケイコを巡りふたりが対峙するクライマックスのシーンが重点的に行われたが、セリフおよび動きに関して同じ動きを何度も繰り返し、試行錯誤しながら少しずつシーンを作り上げていく。共に“ダンサー”という原点を持ちつつも、これまで異なる道筋を歩んできた首藤と近藤。当然、個性も違うわけだが長塚は「まずは全く同じ動きを作り上げる。その精度の高いシンクロがあってこそ、(物語が進むにつれ)ずれていく驚きがあり、それぞれの個性が見えて面白い。この最初の動きを合わせるのが非常に重要なんです」と語る。前作に続き、本作は大人も子どもも楽しめる演劇を、と企画された作品だが、子どもたちは言葉以前にまず目で見て、このふたりの身体性の凄まじさを感じるはずだ。そしてこのふたりに、松が演じるヒロインのケイコがどう絡んでくるのかも楽しみなところ。男性陣とはまた異なる魅力と個性を持ったキャラクターであり、鏡を挟んでケイコと対をなすコイケが、彼女とは似ても似つかないという点もまた、その美しさや個性を色濃く浮かび上がらせる要因となっている。単なる美しいヒロインにとどまらぬ、小悪魔的な要素を含め、松が楽しんで演じているのがうかがえる。長塚曰く「チャーミングでありつつ、子供たちが見て何を思うか……(笑)」。こちらも反応が気になる。「鏡」というモチーフを長塚は「子どもに何かを伝えるという上で、想像力を広げる格好の道具」と言う一方で、「稽古場では『これは子どもに理解できるか?』という視点で作ってはいない」と子どもたちの感受性を信頼する。「夏なので、ちょっとヒヤッとするような怖さも味わってもらえると思う」と手応えをうかがわせた。公演は東京・新国立劇場小劇場にて7月6日(月)より26日(日)まで。チケット発売中。取材・文・撮影:黒豆直樹
2015年06月18日首藤康之のダンス公演『DEDICATED 2014 OTHERS』が明日、10月24日(金)よりKAAT 神奈川芸術劇場 ホールで開幕する。2011年にダンサーの首藤がスタートさせたダンスシリーズ『DEDICATED』の第3作。シリーズのテーマは「ダンスを通して自分の思いを捧げること」。今回は、“OTHERS”(他者)と題し、首藤康之ソロ作品『ジキル&ハイド』(構成・演出:小野寺修二)と、首藤康之・中村恩恵のふたりのダンサーに女優のりょうを迎えた『出口なし』(構成・演出:白井晃)の豪華2本立てで上演する。開幕を目前に控えた稽古場を取材した。『DEDICATED 2014 OTHERS』チケット情報『ジキル&ハイド』は、2011年『DEDICATED』立ち上げの公演で、首藤が最も信頼する演出家のひとりである小野寺修二とタッグを組み上演、好評を博した作品。初演時の会場であるKAAT大スタジオから今回はホールに会場を移し、さらにダイナミックかつ緊密な世界を展開する。リハーサルでは、実際の舞台装置になる鏡や小道具を使い、作品の流れの中で動きの動機を探る細かい作業を積み上げ、本番さながらの通し稽古が行われていた。さまざまなイメージを喚起する舞台美術と構成、それらとせめぎ合う首藤康之のダンスに目を奪われる。『出口なし』はサルトルの同名戯曲を題材にして、KAATのアーティスティック・スーパーバイザー白井晃が構成・演出する作品。稽古場の空気は出演者、スタッフ全員が集中し、その密度は高い。ダンス作品演出に初めて挑む白井、ダンサーの首藤と中村、女優のりょうの4名いずれもが「新しい経験」と話すクリエーションは、言葉とダンス、声と身体を交錯させながら、新たなイメージを立ち上げていく。それぞれがこれまでにない挑戦をしながらも、最終的には同じ方向へ向かっていく、そんな不思議な創作のプロセスが垣間見られた。“OTHERS”(他者)と題された今作。他者を通して見えてくるものとは…。自己の中に潜む他者とは…。2作品の連続上演を通し、人間存在について深く考えさせられるような公演になりそうだ。公演は10月24日(金)から26日(日)まで。
2014年10月23日演劇界のテンション爆発男、清水宏が12月16日(日)、東京・CBGKシブゲキ!!でソロライブ「清水宏のジャパニーズ。ターミネータる!!」を行う。清水宏 公演情報清水は今年8月に単身イギリス・エジンバラで開催されるコメディフェスティバルに参加。1か月に及ぶエジンバラ公演から帰国直後の9月、そのネタを盛り込んだ“すったもんだドタバタ体験レポートトークコメディライブ”を行い、下北沢シアター711を連日超満員にした。今回はさらにパワーアップしての凱旋公演。怒濤のポジティブエネルギーで、イギリス体験ルポを全身で語り倒す。公演まで後1か月、清水から以下のコメントが寄せられた。■清水宏「今回は、エジンバラ公演の舞台上だけじゃなく、舞台裏やステージ準備中の出来事、毎日のように現地で起こる様々なトラブルや事件、思いもかけない出会いなどを描くドキュメンタリーコメディで、日本のお客さん向けに日本語でやります。それにプラスしてその強引さとパワーで話題になった、現地での英語ネタを一部日本の皆さんに披露します。あまりのバカバカしい体当たりチャレンジに笑いながらも、なんだこんなバカな大人がいて生きているなら、じゃあこっちも何をやってもいいんだな、俺のバカ、俺の失敗、俺のみすぼらしさはOK!と思って欲しい。そんなライブです!お楽しみに!」公演チケットの一般発売は11月25日(日)午前10時より。なお、チケットぴあではインターネット先行抽選を実施中。11月20日(火)11:00まで受付。
2012年11月16日ナビスコカップ決勝に勝ち上がった清水エスパルスと鹿島アントラーズの強さを探るには、対戦相手の弁を振り返るのが手っ取り早い。清水との準決勝初戦を2-1と先勝しながら、2戦目を0-3で落としたFC東京・ランコ・ポポヴィッチ監督は敗因を次のように語った。「決定的なチャンスをうちも作ったが決め切れなかった。清水はチャンスとは言えない状況から崩してチャンスを作ったし、ひとつ目の決定機でゴールを決めた。その決定力の差が、勝負を分けたと思います」。「清水エスパルス対鹿島アントラーズナビスコカップ決勝」開催情報決定機をことごとく決めたのが、ハットトリックを達成した大前元紀である。FC東京の守護神・塩田仁史は「大前選手のフリーキックを一度クリアしたが、キッカーだった大前選手にマークをフリーにさせてしまった。相手の2次攻撃、3次攻撃に対し、僕らのコミュニケーションが足りなかった」と語った。FC東京の面々は試合内容がさほど悪くないにもかかわらず0-3となった要因―大前の決定力とわずかな隙を逃さない貪欲さ―に、釈然としないながらもトーナメントを去るほかなかった。鹿島相手に初戦で2-3とアウェイゴールを積み重ねながら、次のホームで2-2と生かせなかった柏レイソル・ネルシーニョ監督は立ち上がりの失点を敗因に挙げた。「前半に予想していた相手の飛び出しから簡単に失点しまい、次はセットプレー、カウンターからも立て続けに攻められゴールを許してしまった。後半、我々は盛り返したが、得点が及ばなかった」。DF・橋本和は「立ち上がりイケイケの時間帯に立て続けに取られてしまった。ホームゲームで嫌な取られ方をした」と言えば、FW・工藤壮人は「先に失点して焦ってしまった。鹿島は試合巧者、一枚相手が上手だった」と語った。柏の面々も後半の戦いぶりに満足しながらも、鹿島の経験に裏打ちされた試合巧者ぶりを打破できなかった。決定力の差が勝敗を左右するのは当たり前。そのゴールが生まれるか否かは、わずかな差が起因する。決勝に生き残った清水には若さがあり、鹿島には経験がある。そして、2チームには決めるべきところで決める決定力があった。両軍はどんな状態で11月3日(土・祝)・東京・国立競技場のピッチに立つのか。ナビスコカップ決勝の1週間前となる10月27日(土)、まずはJ1リーグ戦で、鹿島と清水がカシマサッカースタジアムで激突する。チケット発売中。
2012年10月25日ラッパーのSHUNが行う「TEEN SOLDIER TOUR 2012」の全公演のゲストに歌手の清水翔太が出演する事が決定した。【公演情報はこちら】SHUNは大阪出身。幼少期からダンスを始め、多数のコンテストに出場。16歳からラップに興味を持ち始め、同世代を代表するリリックを数々と生み出し、トラックメイキングも始める。そこからダンスバトルやライブに積極的に参加するようになり、そのマルチな活動が注目を浴び、16歳で清水翔太『Again feat.SHUN』にて客演参加を果たした。さらに2009年から3年連続で清水翔太のツアーでオープニングアクトとして堂々としたパフォーマンスを魅せた。今回のツアーは5月9日にリリースされた初のフルアルバム『TEEN SOLDIER』のリリースツアーで、9月27日(木)に東京・渋谷 club QUATTRO、28日(金)・29日(土)に大阪・心斎橋 JANUSで行われる。前述した通り、SHUNとの関わりが深い清水翔太のゲスト出演ということで、貴重なライブになりそうだ。チケットは発売中。■「TEEN SOLDIER TOUR 2012」9月27日(木)渋谷 club QUATTRO(東京都)18:00/19:009月28日(金)心斎橋 JANUS(大阪府)18:30/19:009月29日(土)心斎橋 JANUS(大阪府)18:30/19:00チケット料金:¥3,800 (税込・入場時別途ドリンク別¥500)
2012年08月15日NEXCO中日本とキズキレンタルサービスは7月21日、全国初となる高速道路の休憩施設でバイクをレンタルできる店舗「レンタルバイク NEOPASA清水」を期間限定でオープンする。「レンタルバイク NEOPASA清水」は、レンタルバイク事業を運営する「レンタルバイクキズキ」のFC店としてNEXCO中日本が運営する。東名高速道路の清水パーキングエリアのぷらっとパークに貸出返却施設を設置し、受付はテナントとして店舗を構えるバイク用品の「KUSHITANI PERFORMANCE STORE」が担当する。清水パーキングエリアは日本のほぼ中心に位置するため、ツーリングのスタート地点として非常に便利で、NEXCO中日本では関東、関西からの集客を見込むとしている。ただし、清水パーキングエリアに自動車を駐車しての利用はできず、一般道からぷらっとパークを利用する必要がある。ぷらっとパークは清水ICから約10分で、4輪用駐車場を完備している。用意される車両はハーレーやドゥカティを含む国内外メーカーの20台。料金はNEXCO中日本のホームページで発表する。同店舗は7月21日~11月30日の期間限定でのオープンとなり、予約受付は6月29日から開始。先着10名にレンタルバイク基本料金を50%オフとするオープニングキャンペーンを実施している。【拡大画像を含む完全版はこちら】
2012年06月29日清水翔太が3月21日(水)に4枚目のアルバム『Naturally』をリリース、6月からは全国ツアーもスタートさせる。清水翔太 全国ツアー情報新作アルバム『Naturally』は「もっと自然に自分の得意とするものを追求した」と清水自身が語るように、シンガーソングライターとしてもトラックメイカー/アレンジャーとしても成長した23歳、清水翔太の“現在”が込められた一作。『love』『マダオワラナイ』『冬が終わる前に』『君さえいれば』のシングル4曲に、新曲8作を加えた全12曲を収録している。このアルバムを携えて、6月5日(火)からは全国ツアーもスタート。初の東京・日本武道館を含め、全国15会場18公演を行う。公演チケットの一般発売は4月21日(土)午前10時より(新潟・石川公演のみ4月22日(日)午前10時より)。チケットぴあでは、一般発売に先がけて3月19日(月)午前11時よりインターネット先行抽選を受付。■清水翔太 “Naturally”Tour 20126月5日(火) 東京/Zepp Tokyo6月8日(金) 北海道/Zepp Sapporo6月10日(日) 仙台/Zepp Sendai6月12日(火) 大阪/Zepp Namba6月13日(水) 大阪/Zepp Namba6月18日(月) 名古屋/Zepp Nagoya6月19日(火) 名古屋/Zepp Nagoya6月22日(金) 福岡/Zepp Fukuoka6月23日(土) 福岡/Zepp Fukuoka6月26日(火) 愛媛/松山市総合コミュニティセンター・キャメリアホール6月28日(木) 香川/サンポートホール高松7月1日(日) 島根/島根県民会館7月3日(火) 広島/広島市文化交流会館7月11日(水) 青森/青森市文化会館7月12日(木) 岩手/盛岡市民文化ホール7月14日(土) 新潟/新潟県民会館7月15日(日) 石川/本多の森ホール7月23日(月) 東京/日本武道館
2012年03月19日携帯専用放送局BeeTVにて、ジャパニーズ・ホラーの旗手・清水崇監修により、星野真里、堀部圭亮らを配して本格ホラー「しってはいけない怖い話」が配信されることが発表された。本作はBeeTVにとって初めての本格ホラー作品。夜のデパート、携帯メール、同窓会など身近なシチュエーションを題材にしつつ、そこに潜む“恐怖”が清水監督の監修の下、5人の新鋭監督によって8つのオリジナルドラマとして映像化される。出演陣も豪華!現在放送中のNHKの連続テレビ小説「ゲゲゲの女房」にも出演している星野真里に、俳優としての活躍に加え、昨年公開された『悪夢のエレベーター』など監督としても高い評価を得ている堀部圭亮。また、ドラマ&劇場版と一大旋風を巻き起こした「ROOKIES」をはじめ、次々と話題作に出演している尾上寛之など幅広い活躍を見せる実力派が集った。いまだ撮影中ということで、各話の内容については明らかにされていないが、星野さんからは今回の発表に際してコメントが到着した。ホラー作品への出演オファーについて「夏を感じました」と語る星野さん。これまでにもホラー作品への出演は多いが自身は「(ホラーは)好きではないですね…。でも、以前よりは免疫ができたような気がします」と明かす。また、これまでに経験した心霊体験について尋ねると「霊感の強い友達が実家に遊びに来て、ある部屋に誰かがいると言われたときはビビりました。でも、悪いものではないようなので。守ってくれているんですかね?」とのこと…。そして自身の出演したエピソードについては「じわじわとくる怖さ、なのでしょうか」と恐怖を煽る。暑〜い夏も携帯のおかげで背筋のあたりがひんやりしてくる…かも?「しってはいけない怖い話」は7月20日(火)より配信開始(全8話/毎週火曜日更新)。BeeTV「しってはいけない怖い話」公式ページ■関連作品:戦慄迷宮3DTHE SHOCK LABYRINTH 2009年10月17日新宿バルト9、梅田ブルク7ほか全国にて公開© ショック・ラビリンス・フィルム・コミッティ2009■関連記事:前田愛、挙式を10日後に控え共演陣からの花束の祝福に、驚き過ぎて3Dメガネで…3連休は新感覚を先取り!『戦慄迷宮3D』見どころ凝縮のフッテージが無料で上映『戦慄迷宮3D』柳楽優弥インタビュー「お化け屋敷はM・キャリーに誘われてもノー」『戦慄迷宮3D』世界配給決定!柳楽優弥は映画祭よりも観光で海外に行きたい?清水崇ティーチイン付き!『戦慄迷宮』3D特別試写会に5組10名様をご招待
2010年07月15日アメリカ西海岸、サンフランシスコに掛かる全長2,790メートル、高さ230メートルのゴールデンゲート・ブリッジ。そこはサンフランシスコの観光名所であるとともに、世界有数の自殺の名所でもある。何故この美しい橋に自殺者が呼び寄せられるのか?世界中で論争を巻き起こした衝撃のドキュメンタリー『ブリッジ』が6月16日(土)に初日を迎え、それを記念して今年4月に出家し僧侶となったばかりの保阪尚希と、NPO法人自殺対策支援センター、ライフリンク代表の清水康之によるトークショーが行われた。6歳の時に両親を交通事故で失ったと公表していたが、実は自殺であった事実や、いじめを受けた少年時代など自身の衝撃的な過去を明かし、多くの注目を浴びている保阪さん。それでも前進してここまで来られたことに感謝して、悩める人々の相談相手になるために僧侶になることを決意。今年4月に得度を行い、出家した。「これから自殺をしようという人に対して活動しようという思いは全くありません。僕の両親は共に自殺しましたが、それと出家したことは全く結びついてなくて。僕は在家なので、精神論として出家するという形をとらせていただきました」。そして「やっぱり自殺というのは、読んで字の如く“自らを殺す”ということ。ですから殺人ですね。これは仏教では大罪ですので、とても認められません。自殺した人に対して何かしてあげようというのはないですね」と、保阪さんは自殺についての持論を語った。その保阪さんの言葉に対して「私自身は日本の多くの自殺は、追い詰められた自然の死だと思っています。実はご本人たちはずっと生きていたいと思っていながら生きる道を閉ざされて、それで亡くなっていく方が多いんです。これは私がNHK時代に、親を自殺で亡くした子供たちを取材して、遺書を読んだり、家族から話を聞いていくうちに、実は日本の自殺の多くは追い詰められた結果だということが分かったんです」と、別の見地から自殺について説明した清水さん。その、当時行った取材がきっかけとなり、自殺対策に本格的に取り組む決意をしたという。「日本では自殺について、なかなか対策がとられてこなかった。自殺対策というのは遠いもののようにイメージされがちなんですが、自殺が追い詰められたものならば、(自殺対策は)生きる支援、命の支援なんです。いままでそういうものが欠けていたという部分があったので、(NHKで)番組を作るだけじゃなくて、もしかして自分が現場に入れば、生きる支援、命の支援が出来るんじゃないかと思って仕事を辞めて立ち上げたんです」と、ライフリンクを設立した経緯を語った。『ブリッジ』では、監督を務めたエリック・スティール自身、自殺者の友人や家族にインタビューを行い、“何故彼らがそのような行為に至ったのか?”という謎に肉迫していく。保阪さんは『ブリッジ』の舞台・アメリカと日本での自殺を比べ、「今の日本のシステムでは、自らを殺しても保険金が出るんです。だからこそ、お金の問題で追いつめられた時に、自らを殺して遺族や会社のためにお金を残すという手段をとってしまう。取らざるを得ない状況になっている。日本の場合、いわゆる中小企業の多くの経営者たちがお金との引き換えに自殺している事実は大きな社会問題です」と、日本での自殺の特質に言及。さらに、「でもそのお金と引き換えの自殺はさておき、死ぬことや生きることの意味があまり分かっていない子供が自殺を選んでいくということに何かできないのかな、とすごく感じています。僕の子供時代には、小学2、3年生や10歳に満たない子供たちが、意味も知らずに遺書を書いて自殺をしていくという状況は無かったんですよ」と、今深刻な問題となっている子供の自殺について思いを語った。それに対して清水さんも日本の自殺問題の現実に「一日に亡くなる人が90人という時代。この社会で僕らと同じ空気を吸ってる人が、一日に90人亡くなってるわけですよ!しかもその人たちの多くが追い詰められて亡くなっている。本当はもっと生きていたいのに生きる道を閉ざされ、それに対して社会が何もやらないのは一体何なんだ!と感じます。国に自殺対策の法律を作らせたというのを足場にして、国に必要なことをやらせていこう、そしてそのために我々が主体的に動いていかなければならない、と僕は思っています」と力強く語った。保阪さんが「自殺して残された者のことを考えてあげなきゃいけない」と語る『ブリッジ』は、恵比寿ガーデンシネマにて公開中。(text:cinemacafe.net)■関連作品:ブリッジ 2007年6月16日より恵比寿ガーデンシネマにて公開(C) 2005 EASY THERE TIGER All rights reserved
2007年06月22日