国立がん研究センター18万人以上のデータから推定2014年10月7日、国立がん研究センターは肥満と閉経状況別の乳がんの関連性について、日本人を対象とした大規模な前向きコホート研究をあわせたプール解析の結果を発表しました。この研究成果は「Annals of Oncology」に掲載されています。発表概要今回の研究の対象は今まで行われた日本の8つのコホート研究をあわせた18万人以上となっています。平均追跡期間は12年で、この間に乳がんを発病したのは1,783人でした。約100人に1人の割合で発病したことになります。BMI(肥満指数:体重(kg)を身長(m)の2乗で割ったもの)と閉経前乳がんと閉経後乳がんの発生について、BMIが23~25未満の乳がんリスクを1としたときの、各BMIの乳がんリスクを算出しています。(画像はプレスリリースより)閉経前、閉経後にかかわらずBMIが大きくなると乳がんリスクは高くなりました。閉経前乳がんでは、BMIが30以上でリスクは2.25倍になることが分かりました。閉経後乳がんでは、BMIが1上がることにリスクは5%上昇するという関連がありました。この解析ではBMIが途中で変動している可能性があることから、追跡開始から2年目までに発生した乳がんを除いた解析も行っていますが、結果に変動はありませんでした。欧米人との違い欧米人を対象とした同様の研究では閉経前乳がんの場合には、BMIが30を超えると乳がんのリスクが低下するとしたものが大部分です。これに関してはこの研究からは原因を見いだすことはできませんが、がん研究センターは日本人の場合には無排卵やエストロゲンレベルが低下するような極端な過体重が少ないからではないかと推測しています。また、欧米と日本では乳がんのタイプが違うの可能性があるとも推測しています。上記の推測に関しては、今後の研究を待たなければ結論的なものは言えません。痩せすぎはリスクを下げるのか閉経後乳がんでは痩せすぎの人では乳がんのリスクが減少しています。国立がん研究センターはこの件に関しては以下の用にコメントしています。痩せに至るような栄養不足は免疫力を弱めて感染症を引き起こしたり、血管壁がもろくなり脳出血を起こしやすくすることも知られています。国立がん研究センターが科学的根拠に基づいて提唱する「日本人のためのがん予防法」では、総合的な健康にも配慮し、中高年女性のBMIの目標値としては21以上25未満を推奨しています。(プレスリリースより)【参考】・国立がん研究センタープレスリリース
2014年10月13日(画像はイメージです)中性脂肪蓄積を抑制するタンパク質AIMが肝臓においてがん細胞を選択的に除去2014年10月3日、東京大学はメタボリックシンドロームのブレーキとして働くタンパク質AIMが、肝臓に生じたがん細胞を選択的に除去することを明らかにしました。AIM(apoptosis inhibitor of macrophage)はCD36などの受容体を介したエンドサイトーシス(細胞外から細胞内への取り込み)によって脂肪細胞や肝細胞に取り込まれ、細胞内で脂肪酸合成酵素(Fatty Acid Synthase; FASN)の活性を阻害することにより、細胞内での中性脂肪の蓄積を抑制します。このAIMの作用は肥満や脂肪肝の進行を抑制します。AIMが欠損したマウスは、高脂肪食を与えた場合に同じ高脂肪食を与えたマウスよりも、肥満や脂肪肝が高度に進行するとの報告があります。AIMの血中濃度は個人差があり、年齢、性別によって変動します。またいくつかの疾患によって変動することも報告があります。したがって、メタボリックシンドロームの中核になる内臓肥満のなりやすさの指標になる可能性を秘めています。今回の研究成果細胞が癌化するとAIMは細胞内に取り込まれなくなります。その結果、がん細胞の表面にAIM蓄積します。細胞表面上に蓄積したAIMは体の免疫作用の標的となり、結果としてがん細胞が死亡することになります。AIM欠損マウスでは高脂肪食で脂肪肝を誘導するとほぼ全例が肝細胞がんを発症したのに、正常マウスでは脂肪肝の状態でとどまることで実際に発癌抑制に働くことが分かりました。さらにAIM欠損マウスが脂肪肝を発症してから、AIMを定期的に投与すると肝細胞がんの発症を予防できました。AIMの今後に関して日本人の肝細胞がんは、C型慢性肝炎から肝硬変を経過して、発症する場合がほとんどです。今回のAIMが外から与えても効果があることが、マウスで示されたことにより、AIMが肝細胞がんの発癌を抑制する可能性があります。AIMは生体内にあるタンパク質ですから、安全性も高いことが予想されるとのことです。【参考】・東京大学プレスリリース
2014年10月10日もはや社会でも日常的に使われるようになった生活習慣病。国内外を問わず、生活習慣病が原因で命を落としている人が後を絶たないが、実は食生活をほんのちょっと変えるだけでその罹患(りかん)リスクを低減できるのはご存じだろうか。医学博士でもある日本生活習慣病予防協会の池田義雄理事長に、生活習慣病の原因と罹患(りかん)リスクを回避する方法を伺った。○世界の死因の6割が生活習慣病体によくない日々の習慣が積み重なって引き起こされるのが生活習慣病で、代表的なものがメタボリックシンドロームだ。これが内臓脂肪型肥満とともに高血圧、糖尿病、脂質異常症をもたらし、心臓病や脳血管疾患(脳卒中)、糖尿病合併症、さらにはがんをも招く。中高年に患者が多い生活習慣病による死亡数は、世界でも非常に多い。世界保健機関(WHO)が発表した「2012年世界保健統計」によると、2008年の世界の総死亡数(5,700万人)のうち、6割以上の3,600万人の死因が生活習慣病だった。WHOは、2030年までには生活習慣病由来による死者が年間5,500万人に増加するだろうと予測しており、今後も世界中の人々の大きな死因の一つとなりうることが考えられる。「日本では年間に約100万人の方が亡くなられていますが、そのうちの6割にあたる60万人の方は生活習慣病が原因といわれています。そのおおよその内訳は、30万人ががん、15万人が心臓病、15万人が脳血管疾患です」と池田理事長は語る。○糖尿病を招きやすい食後高血糖とは多くの生活習慣病の原因となるのが、メタボリックシンドローム。池田理事長は、メタボリックシンドロームの人は食後にある特徴が見られると話す。「メタボリックシンドロームでは、腹腔内に脂肪がたまるという生物学的異常が見られます。そういった異常を呈している人の食後の血糖値を見ると、普通の人よりもそれが高く推移する『食後高血糖』という症状が見られます」。この食後高血糖の人の血中には、血糖値を下げるホルモンとして知られている「インスリン」が大量に分泌されており、かつそれが働きにくい「インスリン抵抗性」が示されている。そしてこの過剰なインスリンは、動脈硬化やがんを誘導する可能性があることが知られている。内臓脂肪が過剰に蓄積されている人では、血圧を上げたり、インスリンの働きを阻害したりする成分などもここから異常に分泌されてくるため、その結果として、生活習慣病リスクが一層高まってしまう。すなわち健康体でいるには、内臓脂肪をためこまないようにして、インスリンを過度に分泌させないことが必要になってくるというわけだ。○糖の吸収速度を緩やかにするパラチノース内臓脂肪の沈着を防ぐには、適度な運動やバランスのよい食生活などが必要となってくるが、多忙な日々を送る人たちにとっては、それらを日々実行することは難しい。そこで、池田理事長はふだんの食生活にパラチノースという甘味料を取り入れることを提唱する。パラチノースとは、はちみつなどに微量に含まれている天然の糖質で、砂糖に似たすっきりとした味わいが特徴だ。「ブドウ糖と果糖が結合したパラチノースは、砂糖と同じ1gあたり4kcalですが、小腸での吸収速度が砂糖に比べて5分の1という特徴があります」。糖質の吸収速度が緩やかだと、血糖値の上昇も緩やかになり、結果としてインスリンの分泌が抑制される。さらに、糖質が小腸をゆっくりと移動することにより、糖代謝をコントロールするホルモン「インクレチン」が効率よく分泌されるというメリットもあるという。さらに、内臓脂肪をつきにくくするというデータもある。ブラジル在住の日系人30人を対象としたヒト試験では、パラチノース配合糖(パラチノース9割:スクロース1割)を1日45g、16週間にわたって摂取してもらった結果、内臓脂肪面積が対照群(スクロース単体摂取)と比較して有意に低くなったという研究成果が得られている。○スローカロリープロジェクトとはさまざまなメリットがあるパラチノースに着目し、池田理事長は販売元である三井製糖らと共同で「スローカロリープロジェクト」を提唱。「元気で太りにくい健康な体を創る」という理念の下、ゆっくりと消化吸収できるレシピを紹介するといった啓発活動を続けている。「パラチノースは砂糖と同じカロリーで、より食後の血糖値を上がりにくくしてくれます。また、味わいも砂糖と同じくらいおいしいと言われています。そのため、食後の血糖値が高めに推移する人には、ふだん使用している砂糖をパラチノースに置き換えるという選択肢もお奨めです」。
2014年10月09日味の素は10月7日、血中アミノ酸濃度バランスを調べることで、すい臓がんを早期発見することができる技術を開発したと発表した。同成果は、同社と大阪府立成人病センターの片山和宏副 院長らとの共同研究によるもので、第73回日本癌学会学術総会で発表された。同社は血液中のアミノ酸を測定し、健康な人とがんである人を比べることで複数のがんのリスクを評価する「アミノインデックスがんリスクスクリーニング」という検査を2011年から事業化している。今回、同技術がすい臓がんの発見にも有効かどうかを検証するために、360名のすい臓がん患者と、8372名の健康な人の血中アミノ酸濃度バランスを測定し比較した。その結果、すい臓がん患者では健康な人に比べ血中アミノ酸濃度バランスに大きく変化が認められ、手術の可能性のある比較的ステージの早い患者でも進行がん患者と同様のアミノ酸パターンを示したとのこと。すい臓がんは早期では自覚症状が少なく、約6割が手術不可能な進行がんの状態で発見される、治療が困難ながんとして知られており、延命や治癒のためには早期に発見することが重要となる。同社は、今回得られた知見を応用し、すい臓がんの早期発見技術について2015年の事業化を目指していくという。
2014年10月08日厚生労働省や日本対がん協会などは10月4日、「平成26年度 がん検診50%推進全国大会」を東京都・六本木ヒルズの大屋根プラザにて開催。女子マラソン種目においてアトランタ五輪などでメダルを獲得した有森裕子さんらを招き、がん検診の重要性を広く訴えかけた。○がん検診50%推進全国大会とは「平成26年度 がん検診50%推進全国大会」は、厚生労働省などが「がん」に関する正しい知識や、がん検診の重要性を啓発するために行われたイベント。がん対策推進基本計画の個別目標である「がん検診受診率50%以上」を目標に設定し、国と企業、自治体などが協力して取り組む活動の一環として、毎年10月1日から31日までの1カ月間に啓発活動を行っている。この日のイベントではまず、「平成26年度 がん検診50%達成に向けた体験談コンテスト授賞式」が行われた。同コンテストは、がん検診のキャッチフレーズ「がん検診 愛する家族への 贈りもの」にちなんだ体験談を400詰め原稿用紙1枚程度にまとめた作品の中から、がん検診に対する理解を深めるきっかけとなる作品を選ぶというものだ。同コンテストで最優秀賞を受賞した河野ひさ江さんに、厚生労働省の健康局局長・新村和哉氏より賞状とガラス盾が授与された。河野さんは作品の朗読も行い、親友に勧められてがん検診に行ったことや、そのおかげでがんを早期発見できたことなどを語り、がん検診の大切さを訴えた。また、「健康寿命をのばしましょう! 」をスローガンに、運動や食生活、禁煙に関する呼びかけを行っている「スマート・ライフ・プロジェクト」の応援団を務めているアイドル「乃木坂46」から、検診の大切さを伝えるビデオメッセージも届けられた。○早期発見すれば、5年生存率は9割続いて行われた「がんに関するミニ講座」では、東京大学医学部 付属病院放射線科准教授の中川恵一准教授が講演を行った。中川准教授は、「現在、日本は世界一のがん大国になっている」と、2人に1人ががんになり、3人に1人ががんで亡くなっているという日本の現状を説明。そのうえで、がんは早期発見できれば9割が5年生存を達成できることを明らかにした。中川准教授によると、そもそもがん細胞とは「DNAのコピーに失敗してしまった細胞」のことで、毎日約5000個も生まれているという。通常はがん細胞になっても、リンパ液が攻撃することによって消えてしまうが、時折その攻撃をとりこぼしてしまうことがある。そのとりこぼされた1個のがん細胞が検診で発見できる大きさ(約1㎝)になるには、10年~20年もの歳月が必要になるとされている。ところが、1㎝から「早期発見」とされる2㎝までの大きさになるまでは約2年しかない。そのため、「定期的ながん検診が必要になる」と中川准教授は強調した。その他にも、「多少、コゲを食べたところでがんになることはない」「お酒が『百薬の長』になるのは1合まで」「日光浴ががんの原因になるのは白人の事情で、アジア人にはあてはまらない。むしろ、適度な日光浴はアジア人にとってがん予防になる」など、世間でうわさされているがんの情報について、いろいろな誤解があることを明かした。がんは、昨日今日の生活が原因でいきなり発病するものではない。だからこそ、タバコなどの嗜好(しこう)品や運動不足などを含めた日常生活と、がんの発病リスクについての正しい知識を得ることも大切だと伝えた。○適度なスポーツでがん予防を続いては五輪メダリストで、「いきいき健康大使」を務める有森裕子さんと中川准教授とのトークセッションが行われ、がん予防とスポーツについての話で盛り上がった。中川准教授は、「スポーツはやればやるほど、がん予防になる」と断言。「現在、厚生労働省では週2~3回の運動を推奨していますが、欧米では週5回とされている」と、もっと運動してもよいと話した。有森さんは、「以前は学校だけでなく、企業の運動会などの行事もありましたが、最近はあまり聞かなくなりましたね。そういえば、海外に行ってもホテルのスポーツジムにいるのは欧米の方が多い印象」と話し、「企業がスポーツイベントをやってくれたら、そこにどんどん若いアスリートも参加させて盛り上げて、たくさんの方の健康につなげられたら」と希望を語った。○企業にとってのがん検診メリットイベント後、さらに中川准教授にがん検診について話を伺ったところ、「企業ががん検診を推進することは、企業にとってもメリットがある」と語ってくれた。現在、学校などにおいては「がん教育」が授業に取り入れられているが、検診が必要な成人世代にがんのことを知る機会が無い状態になっている。そこで重要になってくるのが、企業によるがん検診の推進。がんの治療は、発見が遅れるほど治療費が高額になってしまうが、早期発見できれば比較的少額に抑えることができるケースがほとんどだ。健康保険の負担額も減らせるうえ、会社の貴重な人材を守ることができるというわけだ。「ある企業では、部下ががん検診に行かないと管理者が減給されるようになっている」と、強くがん検診を推し進める企業も出てきているという。現在、企業が率先して「がん検診受診」の大切さを呼びかける「がん対策推進企業アクション」が行われており、すでに参加している企業に加え、今年は300の企業・団体の参加を目指しているという。「子供たちへのがん教育でも目標にしていることですが、『がんについて知ってもらうこと』と『命の大切さを知ってもらうこと』が大切です。がんという病気を知り、その知識がその人の人生をよくする。体は一種の消耗品で、命はいつか終わる。検診が、大人にとってのそういう機会になればと思います」。
2014年10月07日国立がん研究センターは10月7日、日本人を対象とした研究で、肥満と閉経状況別の乳がんの関連性について確認したと発表した。同成果はがん予防・検診研究センターの笹月静 予防研究部長らの研究グループによるもので、欧州のがん専門誌「Annals of Oncology」にて発表された。今回の研究では18万人以上のデータを解析し、肥満指数(BMI)と乳がんとの関連を閉経状況別に推定した。平均約12年の追跡期間中に乳がんになった1783人について、診断時の状況に応じて閉経前乳がんと閉経後乳がんに分類し、BMIによる乳がんリスクを比較した。その結果、閉経前後ともにBMIが大きくなると乳がんリスクが高くなり、閉経前ではBMI最大群(30以上)でのリスクは基準値に(23以上25未満)の2.25倍だった。一方、BMIが低いほど閉経後ではリスクも低く、閉経前では基準グループと同程度のリスクだった。BMIと乳がんリスクの関連性については、これまで主に欧米の研究成果から、閉経後の乳がんではBMIが大きなリスクとなることが示されており、逆に閉経前の乳がんでは予防的であるという弱い関連が報告されている。しかし、アジア人においてBMIと乳がんの関連がどのようになっているのか、特に閉経前の乳がんとの関連性は明らかにされていなかった。今回の結果によって、乳がん予防の観点からはやせているほうがリスクが低いことが示されたが、やせすぎると免疫力が弱まり、感染症を引き起こすほか、血管壁がもろくなり脳出を起こしやすくなる。そのため、同研究センターではBMIの目標値として21以上25未満を推奨している。
2014年10月07日東京大学は10月3日、メタボリックシンドロームのブレーキとして働くことが知られているタンパク質「AIM」に、肝臓に生じたがん細胞を選択的に除去する働きがあることがわかったと発表した。同成果は同大学大学院医学系研究科の宮崎徹 教授らの研究グループによるもので、10月9日付け(現地時間)の米科学誌「Cell Reports」に掲載される予定。AIMは同研究グループが発見した、血液中に存在するタンパク質で、通常は脂肪細胞や肝臓の細胞(肝細胞)に取り込まれ、細胞中での中性脂肪の蓄積を阻害することによって肥満や脂肪肝の進行を抑制するメタボのブレーキとして知られている。今回の研究では、肝細胞ががん化すると、AIMは肝細胞に取り込まれず、細胞の表面に留まるようになることを確認した。さらに、表面に蓄積したAIMを目印とし、免疫システムがん化した肝細胞を攻撃するようになることがわかったという。近年、メタボリックシンドロームの流行と共に、脂肪肝が進む結果、肝細胞ががん化し肝臓がんが発症するケースが注目されている。今回の発見は血液中のAIM値は肝臓がん発症のリスクを予測するマーカとなり得ることを示唆しているだけでなく、AIM投与による新しい治療法の開発につながる可能性があるという。現在、肝臓がんには有効な抗がん剤がないためその期待は大きく、ヒト由来のAIMを用いた治療剤であれば安全性は高いと考えられている。
2014年10月06日咽頭がん治療のため4月から演奏活動を休止していた指揮者の井上道義が、10月2日、活動復帰記者会見を東京芸術劇場で行った。「井上道義」の公演情報「今はまるで生まれ変わったような気持ち」と語る井上道義。闘病中は喉の痛みや咳、不眠などとても音楽を聴く心境ではなかったという。「本当に辛いときは音楽は全然助けにならない。それよりもどうしたら咳が止むか、眠れるのか必死だった」と過酷な闘病生活を打ち明けた。「この場に戻ってこられたのは、たくさんの人たちの温かい応援があったから」と、オーケストラやファン、友人から贈られた千羽鶴や寄せ書きを紹介。「どう生きていくか。改めて自分の使命について考えさせられた。これからはひとつひとつをもっと大切に考えたい」と真剣な面持ちで語った。治療の経過は順調で、7月の退院後はリハビリテーションに努めている井上道義。復帰後初の公演は、10月11日(土)に鎌倉芸術館でNHK交響楽団、ヴァイオリニストの前橋汀子と共演する。また、今後は「大きな生きがい」と語る新曲の創作活動に加え、演出家・野田秀樹と共に手がけるオペラ『フィガロの結婚』(2015年に10都市13公演を予定)の準備にも取り組むという。<井上道義 今後の公演スケジュール>■NHK交響楽団 井上道義×鎌倉芸術館「いざ、鎌倉への道」Vol.410月11日(土) 鎌倉芸術館 大ホール(神奈川県)■上田市交流文化芸術センター開館記念事業 NHK交響楽団上田公演10月12日(日) 上田市交流文化芸術センター 大ホール(長野県)■大阪フィルハーモニー交響楽団 第482回定期演奏会10月23日(木)・24日(金) フェスティバルホール(大阪府)■佐倉市民音楽ホール会館 30周年記念 東京交響楽団演奏会11月3日(月・祝) 佐倉市民音楽ホール■大阪フィルハーモニー交響楽団 マチネ・シンフォニーVol.1211月13日(木) ザ・シンフォニーホール(大阪府)■オーケストラ・アンサンブル金沢 ファンタスティック・クラシカルコンサート11月23日(日・祝) 石川県立音楽堂 コンサートホール(石川県)■新日本フィルハーモニー交響楽団 埼玉会館公演11月29日(土) 埼玉会館 大ホール(埼玉県)
2014年10月03日岡山大学は9月30日、代表的ながん治療薬であるパクリタキセルを用いた研究で、副作用を抑えながらがんを効率的に標的にする新たなドラッグデリバリーシステム(DDS)を開発したと発表した。同研究成果は同大学大学院自然科学研究科ナノバイオシステム分子設計学研究室の妹尾昌治 教授、岡山理科大学理学部の濱田博喜 教授と塩水港精糖の共同研究グループによるもので、米科学誌「PLOS ONE」に掲載された。パクリタキセルは広範囲ながんに有効ながら、副作用が強く、水にも溶けにくいためヒマシ油とエタノールを含む液に溶解させ、ブドウ糖液に分散させたものを点滴により投薬する方法がとられている。岡山理科大の濱田教授らは20年以上にわたりパクリタキセルに水溶性を持たせ、利用しやすいがん治療薬とする研究を行ってきたという。今回その研究に岡山大の妹尾教授が加わり、水溶性の高くなったパクリタキセルを用い、溶媒に対する溶解度の差を利用することで効率よくリソポーム(人工の小胞)に封入する技術の開発に成功した。さらに、リポソームの表面にがん細胞を認識する抗体を結合させる処理を行うことで、正常細胞には影響が少なく、がん細胞にのみ高い細胞毒性を発揮させることができたとのこと。同研究グループは「水溶性を高めたパクリタキセル誘導体を効率よくリポソームに封入し、がん細胞を特異的に認識する抗体を結合させるこの技術は、がん治療薬の副作用を抑制しつつ、がん細胞への集積効果を高めることのできる新たなDDSだ」とコメント。また、リポソームは肝臓を介して腸管へ排出されるが、パクリタキセルは腸管から吸収されないため、過剰投与しても副作用を起こすことが考えにくい安全な製剤が可能になるという。
2014年10月01日「カバチタレ!」「極悪がんぼ」など、TVドラマ化されるたびに話題を呼ぶ原作・田島隆による新漫画シリーズ「びったれ!!!」が、実力派若手俳優として活躍する田中圭を主演に迎え、TVドラマ化されることが決定。2015年1月より放送されることになった。主人公の伊武 努(いぶ つとむ/田中圭)は、普段は司法書士事務所に勤務するお人好しのサラリーマン。しかも、ちょっぴりドジなシングルファーザー。だが、彼は、弱者が強欲な輩のせいで理不尽な目に遭っているのを見過ごすことが出来ない、誰よりも熱い男だった!「びったれ」 (小心者を意味する広島弁)という言葉を聞くと、法的な手段で庶民を守る“切れ者の司法書士の顔”に、そして、法的な手段でも動じない至極悪徳な輩に対しては、誰にも見せられない“脅威の裏の顔”に変身するのだ――。本作は、常盤貴子、深津絵里が出演し人気を博した「カバチタレ!」、櫻井翔&堀北真希が主演した「特上カバチ!!」、尾野真千子、椎名桔平ら豪華キャストの異色“月9”ドラマ「極悪がんぼ」、竹内結子、北村一輝、松坂桃李が出演した「ダンダリン 労働基準監督官」など、多くのドラマ化作品を持つ原作者・田島隆が「プレイコミック」創刊45周年特別企画として執筆し、2013年6月より連載開始された司法書士漫画の新シリーズ。原作の田島氏自身も法律実務に身を置くことから、一つ一つのエピソードがとにかくリアルな本作。今回のドラマ化でも、放送コードギリギリのリアルにブラックな実態を表現していくという。田島氏は「自分の作品が映像化されると、いつも逆に影響を受けそうになります。映像に負けないよう、頑張らなきゃ!」と、うれしさと共に今後への気合いを覗かせるコメント。また、作画を担当する漫画家・高橋昌大氏も「ただただ感謝です!励みになります!もっともっと、きばります!!」と喜びのコメントを寄せている。社会の弱者のために“スーパー司法書士”として悪徳強者を倒す、田中さん演じる主人公の一人三役ぶりに期待したい。「びったれ!!!」は2015年1月、TVドラマシリーズ放送開始。(text:cinemacafe.net)
2014年09月30日第一三共は9月29日、米創薬ベンチャーAmbit Biosciencesを買収すると発表した。Ambit Biosciencesはキナーゼ阻害剤の創薬・開発を手がけるバイオベンチャー企業で、急性骨髄性白血病治療薬の化合物である「AC220」などを有している。全株式、新株予約権、ワラントなどの対価は約3億1500万米ドル。さらに、「AC220」の開発マイルストーンに応じた対価が支払われるとのことで、合計で最大4億1000万ドルの支払いとなる。第一三共はがん領域において画期的な治療薬を提供することを中長期的な目標としており、今回の買収を通じてがん領域のポートフォリオを強化していくという。
2014年09月29日岡山大学は9月25日、ヒトの血液の中からがん細胞の増殖を抑制する抗体(タンパク)を発見したと発表した。同成果は、同大病院消化器内科の三宅康広助教らによるもの。詳細は10月15~17日にパシフィコ横浜で開催される「BioJapan 2014」で発表される予定だという。日本人が生涯でがんに罹患する確率は約50%と言われており、毎日生じる数千個のがん細胞を生体内の腫瘍免疫システムがそれを排除することで、健康を保てていると考えられている。しかし、どうして同システムがどのようにしてがん細胞を排除しているかについては良く分かっていなかった。今回の研究では、がん細胞に高発現する「リボソームタンパクL29(RPL29)」を認識する血液中に存在する抗体に膵がんや肺がん、乳がん、肝がん、大腸がん、前立腺がんの細胞増殖を抑制する効果があることを確認したほか、膵がん患者105例について検討した結果、血液中に抗RPL29抗体を多く有している患者では、同じ病状で同じ治療を受けた場合でも明らかに生存期間が長いことが判明したという。これらの結果は、抗RPL29抗体を測定して生体内で機能している腫瘍免疫システムの状態を評価することが可能であることを示すものであり、個々のがん患者に適した治療方針を決定することが可能になると研究グループでは説明している。また、同抗体そのものにがん細胞の増殖を抑制したりがん細胞を細胞死(アポトーシス)に誘導したりする効果のあることから、抗RPL29抗体は安全性の高い新規の抗腫瘍薬としても期待されるとしており、すでに抗体医薬やがんワクチンの開発を目指した研究を進めているとしている。
2014年09月26日映画『僕の彼女を紹介します』、ドラマ「チュノ~推奴」「IRIS II-アイリスII」などで知られる韓国の人気俳優チャン・ヒョクの主演映画『愛の棘』が、今週末9月27日(土)より劇場公開となる。このほど、それに先駆け、本編映像の一部が解禁。韓国映画版「高校教師」ともいうべき、女子高生と教師のスキャンダラスな瞬間が公開された。体育教師のジュンギ(チャン・ヒョク)は、親戚一同が集まれば、うだつの上がらない者として扱われ、教師としてもやる気のない平凡な日常を送っていた。だが、ある日、女子高生のヨンウン(チョ・ボア)の恋心に気づく。生徒であるヨンウンとは距離を置こうとするも、純粋で盲目的な彼女の恋は、次第に狂気へと変わっていく――。大ヒット作『火山高』、『オオカミの誘惑』、北朝鮮の過酷な実情を描いた『クロッシング』、日本の漫画原作のホラー『彼岸島』など、話題作を次々と手がけてきたキム・テギュンが監督を務める本作。主演の高校教師役を演じるのは、『火山高』でも監督とタッグを組み、『僕の彼女を紹介します』や数々の人気ドラマに主演し、韓国で終了したばかりドラマ「運命のように君を愛してる」も好評だったチャン・ヒョク。その彼が演じる教師を、まるで“小悪魔”のような狂気で追い詰めていくヒロイン・ヨンウンを射止めたのは、可憐なルックスが目をひく新鋭のチョ・ボア。NHK-BSプレミアムで最近放送された韓国ドラマ「馬医」に高官の娘役で出演しており、本作が映画デビュー作となる。今回公開された本編映像は、ある雨の日、傘がなく雨に濡れてしまったチョ・ボア演じるヨンウンに、チャン・ヒョク演じる体育教師ジュンギが自分の体育着を貸すが、彼に思いを寄せるヨンウンは、その濡れた肢体でジュンギを誘惑するという“禁断”のシーン。彼には妊娠している妻ソヨン(ソン・ウソン)がいるのだが、物語の後半、邪魔な妻に対し、カッターの刃をキリキリとさせながら彼女に近づくヨンウンや、夫を渡すまいとヨンウンに猛攻を仕掛けるソヨンの、恐ろしい女同士のバトルも展開され、やがては、ジュンギに近づくほかの生徒までも、何者かに襲われる殺傷事件が起こっていく…。もはやそれを“盲目の恋”と呼べるのか…。危険な香りがいっぱいの“きっかけ”となる映像を、まずはこちらから覗いてみて。『愛の棘』は9月27日(土)よりヒューマントラストシネマ渋谷ほか全国にて公開。(text:cinemacafe.net)
2014年09月26日京都大学(京大)は9月22日、放射線や抗がん剤を用いたがん治療における精子幹細胞のDNAのダメージによって引き起こされる副作用である不妊症について、精子幹細胞におけるDNAダメージが特定の遺伝子経路を活性化し、その細胞死を誘導することを明らかにしたと発表した。同研究成果は同大学大学院医学研究科の篠原隆司 教授、同 篠原美都 助教、同 森本裕子 研究員、同大学医学部の石井慧氏、同大学放射線生物研究センターの高田穣 教授、同 石合正道 准教授、福島県立医科大学の丹羽太貫 特命教授(京都大学名誉教授)らの研究グループによるもので、9月18日付(現地時間)の米科学誌「Stem Cell Reports」に掲載された。小児がんに対する抗がん剤治療では、7割以上の患者が5年以上生存し、そのうち約3割が不妊症となることが知られている。成人の場合は、精子を凍結して保存することができるが、小児の場合は精子が回収できないため、抗がん剤による不妊症は深刻な問題となっている。精巣はDNAダメージを受けやすい組織として知られているが、放射線を含むDNAダメージがどのようにして精子幹細胞の細胞死を誘導するかはわかっていなかった。同研究チームは今回、マウスを用いた研究などによって、これまで精子幹細胞の細胞死には関係がないと考えられていた「Trp53」遺伝子が関与していることを発見。さらに、放射線の照射によって、「Trp53」の下流遺伝子が次々に活性化され、細胞死を誘導することも突き止めた。今回確認された現象は放射線の照射だけでなく、抗がん剤を加えた場合でも同様で、がん治療の際に起こる不妊症の改善に応用できる可能性があるという。
2014年09月24日代官山のイル・プルー・シュル・ラ・セーヌは、フィナンシェなどの焼き菓子も最高に美味しいフランス風のケーキ屋さん。クリスマスには、シャンパンクリームのブッシュ・ド・ノエルが人気のパティスリーです。そこのパティシエ、弓田亨(ゆみたとおる)さんが10年程前、日本の昔ながらのご飯とおかずの本を出版した時は驚いた方も多いはず。先人の知恵に立ち返るから、その名も“ルネサンスごはん”。フレンチ・パティシェの彼が、なぜ日本の家庭料理に言及したのでしょうか? 気づいた人は続けている、これぞ美味しく正しい普遍的な“うちメシ”! 今あらためてその魅力に迫ります。栄養素の欠落した日本の食を取り戻すため弓田さんが普段の食事に関心を持ったきっかけは、仕事柄フランスやスペインと行き来する中で、あることに気づいたからなのだそう。それは、「あちらにいると、体のムクミが取れてエネルギッシュで5時間睡眠でも元気なのに、帰国すると、なぜ6~7時間寝ないと疲れが取れないんだろう?」「むこうの子供たちはいつも明るく屈託がなくて元気いっぱいなのに、日本の子供たちは怠そうで心の問題も多い…食べものが関係しているのではないか?」ということ。調べ始めると自身が子供の頃と違い、箱詰めに便利なよう大きさを揃えるなど必要のない品種改良や農薬のために野菜の栄養素は何分の一にも減少していることが分かりました。また、料理番組やレストランが勧めるアク抜きや下茹で処理によって野菜本来の栄養素まで抜けてしまい、失われたうま味を補うために砂糖や調味料を大量に加える……それが家庭料理でも普通になったことが原因だ、と実感した弓田さん。何とか日本の食を取り戻そうと、試行錯誤を重ねてたどりついたのが “ルネサンスごはん” なのです。 “ルネサンスごはん”の基本の考え方とは? 次のページへ≫ 砂糖・みりん不使用、アク抜き・下茹で不要ここでルネサンスご飯の基本となる考え方をご紹介します。<ルネサンスご飯 基本の考え方>1)先人の残した日本の食、素材に立ち返ること。乾物をたくさん使うこと。2)いりこを中心として、昆布、鰹節などを合わせてダシを取り、ダシも全部食べること。3)アク抜き・下茹では決してしないこと。米は洗わない、野菜の皮はむかないこと。4)砂糖・みりんは決して使わないこと。冷凍・電子レンジ・圧力釜はNG。5)味噌の重要さを再認識すること。6)化学精製塩を今すぐやめ、海(岩)潮に立ち返ること。また塩を怖がらないこと。実際にやってみると、食べた瞬間、美味しい! と細胞レベルで体が喜ぶのを実感できると思います。甘くないのに美味しく、体が温まってエネルギーが湧いてくる感じがします。美味しさとは、細胞が必要としている栄養素が摂れた時の満足感と安心感、と弓田さんは語ります。テレビ番組やコンビニなどで培った偽りの美味しさに、私たちは慣れ過ぎてしまったのかもしれません。「少し面倒かも?」と思うかもしれませんが、実は大して労力もかかりません。うちメシなのだから、面倒だったら絶対続きませんよね。材料はスーパーで買うものでいい、冷蔵庫にあるものでいい、が弓田さんの持論です。食事が正しいなら、デザートのスイーツは楽しむもので、デザートみたいな食事が常食なのはNG、ということなのです。体は食べるもので作られます。自分と家族の健康のために“ルネサンスごはん”、試してみませんか?・ イル・プルー・シュル・ラ・セーヌ
2014年09月18日理化学研究所(理研)は9月12日、ヒトの頭皮から採取した毛根の細胞に、ヒトの脳の細胞と共通する遺伝子が発現していることを発見し、これらの遺伝子の発現量の変化が、統合失調症や自閉症などの精神疾患の早期診断を補助する指標となる可能性を示したと発表した。この成果は理研脳科学総合研究センター 分子精神科学研究チームの前川素子 研究員、同 吉川武男 チームリーダー、東京都医学総合研究所、浜松医科大学、山口大学、慶応義塾大学からなる共同研究グループによるもので、米科学雑誌「Biological Psychiatry」のオンライン版に掲載された。統合失調症や自閉症などの精神疾患では、遺伝子の発現状態を含めて脳に何らかの変調が生じることが原因と考えられている。しかし、脳の一部を採取することはできないため、現在の診断は患者の行動や体験、家族の情報などに基づくところが大きく、客観的な「生物学的診断ツール」がないため、精神疾患の早期診断を補助する「バイオマーカー」の開発が待たれていた。同研究グループは、脳の細胞と同じ外胚葉由来であり、サンプルの採取が容易な頭皮の毛根細胞に着目。解析の結果、脳だけで発現していると考えられていた遺伝子の多くが、毛根細胞でも発現していることを見いだし、毛根細胞が脳内の遺伝子発現の状態を反映している可能性を突き止めた。さらに詳しく調査した結果、統合失調症の人では脂肪酸結合タンパク質(FABP)の1つであるFABP4をつくる「FABP4遺伝子」の発現量が対照群に比べ約40%低下し、自閉症の方の毛根細胞では神経系の細胞同士の結合に関与する「CNTNAP2遺伝子」の発現が低下していることが判明した。毛根細胞は血液と比べて外部からの刺激や体の状態に影響されにくく、採取も簡単なため、生きた脳の状態を反映している可能性のある、簡便なバイオマーカー診断法の基盤となる可能性が高い。同研究グループは、今後この方法で疾患の発症をどこまでさかのぼれるかを検証することにより、精神疾患の予防法開発や早期治療導入の判定、さらに新しい角度からの創薬のヒントを提供できる可能性があると考えているという。
2014年09月16日最近、睡眠が足りない、良く眠れない。そんなあなたに忍び寄る、生活習慣病の魔の手。不眠は高血圧、心筋梗塞、脳梗塞、糖尿病等の発症リスクと考えられています。「健康づくりのための睡眠指針2014」の第3条は、次のようにうたっています。第3条良い睡眠は、生活習慣病予防につながります。睡眠不足や不眠は生活習慣病の危険を高める睡眠時無呼吸は生活習慣病の原因になる肥満は睡眠時無呼吸のもと睡眠時間が不足している人や、不眠の症状がある人は、生活習慣病を発症するリスクが高いと考えられており、睡眠不足や不眠を解消することで、生活習慣病の発症を予防できる可能性があります。健康のためには、睡眠をおろそかにできないのです。睡眠時無呼吸症候群とは睡眠時無呼吸についていま一度、おさらいしましょう。睡眠時無呼吸症候群は、眠っているときに気道という喉の空気の通り道がふさがれてしまうことで起こります。眠っている間に呼吸が止まる症状です。1時間あたり10秒以上の呼吸停止が20回以上現れる場合には、中等症、重症の睡眠時無呼吸症候群と診断されます。睡眠時無呼吸症候群は、満体型の人や、過体重の人に多く発症する傾向が見られます。睡眠時無呼吸症を発症しないためには、まずは肥満にならないことが大切です。眠りが妨げられるため、深い睡眠が取れない眠っている最中に呼吸が止まると、血液中の酸素濃度が低下するため、これをきっかけに、フッと目が覚めます。そして再び呼吸をし始めますが、眠り出すと、呼吸は再び止まってしまうのです。睡眠時無呼吸症候群は、これを眠っている間中に繰り返すため、深い睡眠がとれません。日中に強い眠気を覚えることになります。仕事中などに居眠りをする人もいます。睡眠時無呼吸症候群が高血圧を引き起こし、高血圧が動脈硬化を引き起こす睡眠時無呼吸症候群になると、睡眠中の酸素濃度が低下するため、心臓は働きを強め、大量の血液を送りだそうとするために、高血圧を引き起こします。また酸素濃度の低下により、動脈硬化が進みます。動脈の血管の弾力性が失われて、硬く、細くなり、血液の流れが滞る状態を動脈硬化と呼びます。心筋梗塞や脳梗塞を起こしやすくなります。血糖値やコレステロール値の上昇もさらに睡眠時無呼吸で熟睡できないストレスは、血糖値やコレステロール値の上昇を招きます。糖尿病や、高コレステロール血症をはじめとする、生活習慣病や、メタボリックシンドロームが深刻化してしまいます。血流の不良は歯周病も引き起こします。睡眠時無呼吸症候群を放置すると、心筋梗塞、脳梗塞、生活習慣病、そして眠気が原因の事故などを起こす危険があります。死亡率が高くなるため、すぐに専門医の治療が必要となります。参考文献『厚生労働省第3回健康づくりのための睡眠指針の改定に関する検討会』『厚生労働省健康づくりのための睡眠指針2014』『厚生労働省e-ヘルスネット』Photo by Christopher【提供:武田薬品工業株式会社】
2014年09月11日カネカは9月9日、国立循環器病研究センターと共同で科学技術振興機構(JST)の産学共同実用化開発事業(NexTEP)に応募していた「羊膜由来間葉系幹細胞(MSC)の細胞製剤化と治療応用」が、プロジェクトとして採択されたことを発表した。羊膜由来MSCは羊膜に存在する未分化の細胞で、筋肉、骨、軟骨、脂肪など間葉系に属するさまざまな細胞に分化する能力や自己複製の能力を持ち、免疫抑制作用があることが知られている。また、増殖性が高い、拒絶反応が起こりにくいため他人に移植しやすい、羊膜は出産後不要となり倫理的にも問題となりにくい、といった特長があり、今回のプロジェクトでは、これを活用し、急性移植片対宿主病(急性GVHD)、およびクローン病を対象とした治験を、先端医療振興財団、兵庫医科大学、および北海道大学をはじめとした国内医療機関・研究機関と連携して実施し、細胞製剤(再生医療を活用した製剤)の製造販売承認を取得することを目標としている。具体的な手順としては、細胞の調製および保存が可能な製造所を神戸国際ビジネスセンターに設置し、同センターにて羊膜由来MSCの大量培養・凍結保存技術(細胞バンク化技術)の確立を図った後、実際の治験を行い、2022年に羊膜由来MSCの細胞製剤の製造販売承認取得を目指すという。なお同社では、今回の取り組みを皮切りに、羊膜由来MSCの細胞製剤をさまざまな難治性疾患の治療に展開し、2037年には1000億円規模の事業に成長させることを目指すとしている。
2014年09月10日味にクセがないので味つけしやすく、漬けても、焼いても、煮ても美味しい万能野菜、ナス。最近は、長なす、米なす、水なすといった聞き馴染みのあるものから、緑色をした青ナスや白ナス、イタリア産のものなど種類も豊富になり、食卓に毎日上がっても飽きのこない存在ですよね。秋ナスが女性の体に悪影響、は本当?昔から“秋ナスは嫁に食わすな”と言われていたりしますが、その意味は「美味しい秋ナスを憎らしい嫁に食べさせるなんてもったいない!」というのがメジャーな解釈がひとつ。そしてもうひとつは、ナスは水分が多く、妊娠を控える嫁の体が冷えてはいけないので食べさせないほうが良い、という解釈もあるようです。後者については、食べ物を温性や冷性などに分類する薬膳の知識が影響していそうですが、科学的なエビデンスがあっての話ではないのです。ただ、ナスはカリウムを多く含み、利尿作用、むくみの予防にも役立つ野菜です。夏野菜でもあるため涼をもたらす食材、というイメージがついてしまったのかもしれません。ナスとキュウリの“だし”でカリウム補給私もこの夏は、さっぱり食べられるナスとキュウリ(こちらもカリウム豊富な野菜)を合わせた山形県の郷土料理“だし”を何度か作りました。ごはんやお豆腐にかけたり、やはりカリウム豊富な納豆に混ぜるのもおすすめです。実はナスは体が温まりやすくなる食材近年にいたっては、ナスはなんと温め食材、アメリカでは抗がん食品として話題に。体温の上昇を促し、血流の改善に働くビタミンPを豊富に含む野菜として認められています。また、ナス特有の紫色の色素は「ナスニン」というポリフェノールの一種で、やはり優れた抗酸化作用、血行促進作用があるそう。野菜の組み合わせで体を温める一品にこれからの季節におすすめなのは、ナスとこれまたビタミンPが豊富なピーマン、トマトを合わせた“秋仕様ラタトゥイユ”。玉ねぎやレンコンなどの根菜も入れてバランスを取るとさらに◎!トマトは加熱調理すると抗酸化成分リコピンの体内吸収がさらにアップするため、ラタトゥイユはアンチエイジングにも最高のひと皿といえそうです。そしてナスは、“成す”にかけた縁起もののお野菜。いろんな調理法で美味しく食べて、抗酸化・血流アップを応援!秋冬もくすみやカサつきと無縁の美を“成し”ていきましょう♪
2014年09月05日(画像はプレスリリースより)病院、ファルマバレーセンター、サンスターの共同開発2014年8月26日、静岡県立静岡がんセンター、静岡県産業振興財団ファルマバレーセンター、サンスターは、看護師の手荒れケアを目的としたハンドクリームを共同開発したことを発表。看護師と手荒れ看護師の場合、手洗いの頻度が高いので、およそ4人に3人が手荒れを感じている。手荒れは看護師のQOL(生活の質)の低下、院内感染、経皮感作によるアレルギーに繋がることから、手荒れケアは重要。開発の経緯2009年より静岡がんセンター研究所とファルマバレーセンターが中心となり、医療現場での使用に適し、手荒れケアを目的としたハンドクリームの開発を開始。看護師約300名の意見からハンドクリームには、高い保湿力があること、べたつかず、直後の作業に影響しにくいこと、ほどよい香りで気分が和らぐことの4点を開発のコンセプトに採用。2012年よりサンスターで製品化に向けた最終処方を設計し、手荒れを有する一般の被験者の方を対象とした連用試験による有用性評価、看護師を対象とした使用感評価において良好な結果を得た。「癒やし」をイメージした香り静岡がんセンターは、約300品種、1300本を越えるバラを庭園で栽培している。評判がよかった白色のハマナス(バラ科)の花の香りを抽出し、再現した香料を配合で「癒やし」をイメージした香りを実現。PRO’S CHOICE(プロズチョイス)ハンドクリームサンスターはこの商品をPRO’S CHOICE(プロズチョイス)ハンドクリームと言う商品名で8月27日(水)より通信販売、及び病院売店にて発売することを発表。【参考】・サンスタープレスリリース(共同開発)・サンスタープレスリリース(PRO’S CHOICEハンドクリーム)
2014年08月31日女性のカラダの悩みとしてよく挙げられるのが便秘。中でも特に夏は普段よりも便秘になりやすいのだとか。たかが便秘と思うかもしれませんが、口臭や体臭・肌荒れに肥満、大腸がんなどの病気を引き起こす可能性もある怖いもの。便秘を解消すれば、日ごろのカラダの悩みも解決するかも。ということで、便秘になりやすいこの夏に便秘を解消すべく、便秘についていろいろ調べてみました。まず、夏に便秘になりやすい理由としては、水分不足、夏バテ(食欲不振)、クーラーによる冷えなどがあり、やはり夏特有の要因によって便秘が引き起こされているようです。夏の暑さで汗をかき、腸内の水分が不足することで、便秘になりやすくなってしまうのだとか。また、熱帯夜に耐え切れず、 寝る前にエアコンをかけてしまいがちですが、これもNG! 体が冷え、外気との気温差で自律神経の働きを悪くしてしまいます。 原因がわかったところで、なんとか手軽に便秘を解消できる方法を探しているとき、面白いサイトを発見! それが 「アスクドクターズ総研」 です。これは、医師の臨床経験の中から引き出される知見をもとに、健康・美容・身体に配慮した一般生活者向けの商品・技術・素材・サービスの商品を開発したり、商品を評価したりすることで、より健康に良い商品の発展を支援していこう! というサイト。専門家である医師の意見に触れることができるので、ぜひ参考にしたいですね。例えば、最近話題の「J!NS PC(R)」も、アスクドクターズのお墨付きの商品。これは、パソコン・テレビなどデジタル機器のディスプレイが発するブルーライトから眼を保護する機能性アイウエアとして注目されていますよね。この「アスクドクターズ総研」で、お腹の調子を良好に保つ商品として医師がオススメしているのが、「毎朝爽快」という飲み物。「毎朝爽快」は、腸内のビフィズス菌を適正に増やし、お腹の調子を整えるラクチュロースを4g配合した、ヨーグルト風味の清涼飲料水。ラクチュロースとは、お腹のビフィズス菌を増殖させて整腸効果を示す乳糖由来のミルクオリゴ糖のこと。一般的に、糖類は胃や小腸で単糖に分解・吸収されて血液中に移行するのですが、ラクチュロースは人間の消化管内酵素では分解吸収されず大腸に達し、そこで善玉菌のビフィズス菌に利用され、その増殖を助けるので、お腹の調子を整えてくれるのですね。さらに「毎朝爽快」は特定保健用食品に認定されており、カルシウムや6種類のビタミンも配合されていて、お腹だけでなくカラダ全体をサポートしてくれるのがうれしいですね。また適量で、甘すぎず後味さっぱりでおいしいから、飲みやすいのも続けるためには大切です。手軽に飲める「毎朝爽快」は試してみる価値がありそう。毎日続けてスッキリ健康生活をぜひ手に入れては?・毎朝爽快 公式サイト
2014年08月27日京都大学は8月22日、ヒトiPS細胞から肺胞上皮細胞を分化誘導し、単離する(取り出す)方法を世界で初めて確立したと発表した。同成果は同大学大学院医学研究科呼吸器内科学講座の三島理晃 教授、同 後藤慎平 研究生、同 伊藤功朗 助教(物質-細胞統合システム拠点連携 助教)、同 iPS細胞研究所増殖分化機構研究部門の長船健二 准教授、同 医学研究科腫瘍生物学講座の小川誠司 教授らの研究グループによるもの。8月21日(米国時間)に米科学誌「Stem Cell Reports」に掲載された。今回の研究では、肺胞上皮細胞の前段階にあたる肺胞前駆細胞を効率よくヒトiPS細胞から分化誘導するのに、CPMという酵素が有用であることを突き止めた。また、蛍光タンパク質(GFP)を注入することで、肺胞を作るのに不可欠な2型肺胞上皮細胞に分化すると光るヒトiPS細胞を作成したという。さらに、CPMを使って単離した肺胞前駆細胞を3次元培養して肺胞上皮細胞を分化誘導したところ、GFPが光り、2型肺胞上皮細胞の単離に成功したことが確認された。同研究グループはこの結果について「ヒトiPS細胞から2型肺胞上皮細胞の分化誘導と単離というプロセスが確立したことで、肺の再生研究だけでなく、さまざまな難治性疾患の研究に踏み込める大きなチャンスが到来した」とコメントしている。
2014年08月22日東京医科歯科大学と科学技術振興機構(JST)は8月16日、マウスをモデルとした実験で体外に取り出して培養した小腸上皮細胞を消化管(大腸)へ移植することに成功したと発表した。この成果は、同大学大学院医歯学総合研究科 消化管先端治療学の中村哲也 教授、同 消化器病態学分野の渡辺守 教授、同 水谷知裕 特任助教、同 福田将義 医員らの研究グループによるもので、米科学誌「Genes & Development」にて発表された。同研究グループは2012年に、大腸の最も内側にならぶ上皮組織の幹細胞を体外で増やし、移植することで傷害を受けた大腸の修復が可能であることをマウス実験で確認していた。しかし、小腸について同様に体外で増やした細胞の移植による上皮組織の再生が可能かどうかはわかっていなかった。今回の研究では、肛門付近の大腸に上皮の欠損を生じる大腸傷害マウスモデルを作成し、全身で蛍光を発する別のマウスから小腸上皮細胞を取り出して増やした後に、大腸傷害マウスへ移植。その後経過を観察して体外で増やした小腸上皮細胞を別のマウスへ移植し上皮組織が再生可能であるか、移植片内で再生する細胞はいかなる性質を示すのかを調べたという。大腸傷害マウスを調べたところ、移植直後から蛍光で識別できる移植小腸細胞が大腸組織に接着して新しい上皮を形成し、2週間後には、移植細胞が生体内で分裂・増殖を繰り返すことが判明。4週間あるいは4カ月経過後にも、小腸細胞が移植を受けたマウスの大腸に安定して組み込まれていることがわかり、移植細胞が体内で上皮組織を再生する幹細胞として機能することが確認されたという。次にこの移植片を詳しく調べたところ、増殖を繰り返す細胞群とともに通常の小腸上皮に含まれるすべてのタイプの細胞を含むことから、移植された細胞が個体内で小腸型の上皮幹細胞として機能していることがわかったという。それに加え、移植片内に通常小腸に見られ大腸には見られない特徴が含まれること、その細胞が示す遺伝子パターンも大腸とは明らかに異なることもわかり、実際に小腸型上皮幹細胞に特徴的な形態と機能を持つ細胞を確認することができたとのこと。同研究グループは、これらの結果から、「体外で増やした小腸上皮幹細胞が、たとえ自身が由来する小腸と異なる(大腸)環境に長期間おかれても、小腸型幹細胞としての性質を維持できることも明らかとなった」と結論付け、今後この発見がさまざまな細胞を利用する消化管上皮再生医療技術の基礎となることが期待されるとしている。
2014年08月18日協和発酵キリンは7月30日、同社が開発している抗CCR4ヒト化抗体「モガムリズマブ(開発コード名:KW-0761)」について、英アストラゼネカと同社が開発している抗PD-L1抗体「MEDI4736」および抗CTLA-4抗体「tremelimumab」との併用療法に関する複数の固形がんを対象にした第1/1b相試験の開発提携契約を締結したと発表した。これらの開発薬は、がん免疫療法向け治療薬として期待されるもので、モガムリズマブはがん細胞を保護する免疫細胞を抑制する一方、MEDI4736とtremelimumabは免疫システムによるがん細胞の検知を回避するシグナルを阻害することで治療効果を発揮する仕組みとなっている。なお、今回の契約により実施される臨床試験の第1相では、モガムリズマブとMEDI4736、モガムリズマブとtremelimumabの各併用療法の推奨用量レジメンを検証し、第1相bでは各併用療法の安全性と有効性の検証が行われる予定だという。
2014年07月30日2012年10月より放送開始となり、2014年1月には第2期も放送されたTVアニメ『中二病でも恋がしたい!』。そのWebラジオとして配信された「中二病でも恋がしたい! ~闇の炎に抱かれて聴け~」の公開録音が2014年7月6日に港区虎ノ門のニッショーホールにて開催された。第1期放送の開始にあわせて2012年にスタートした本番組だが、今回の公開録音をもって最終回。ステージには、パーソナリティを務める小鳥遊六花役の内田真礼、丹生谷森夏役の赤﨑千夏、五月七日くみん役の浅倉杏美、凸守早苗役の上坂すみれの4人が登場し、最後の放送に挑んだ。なお当日のイベントは2部構成で開催され、昼の部の内容は8月29日発売予定のラジオCD用の公開録音を実施。ゲストに小鳥遊十花役の仙台エリを迎えるなど、いつにもまして賑やかな内容の収録が行われた。続く夜の部では、当日行われていた「インターネットラジオステーション<音泉>10周年記念24時間生放送」にあわせて、ニコニコ生放送で配信。ステージは、来場者からのアンケートをもとにしたトークコーナーで過去を振り返りつつ、中二病ラジオをテーマにしたキャスト陣のポエム、七宮智音役の長妻樹里や富樫勇太役の福山潤からのビデオメッセージ、石原監督や下卑Pからの手紙が披露されるなど、盛りだくさんの内容で進行する。ニコ生での配信終了後は、もう一度会いたいと思っている中二病時代のアイテムと再開する「あの中二病をもう一度」のコーナーで会場を盛り上げ、最後はキャスト陣4人が「Black Raison d’être」として「INSIDE IDENTITY」「Van!shment Th!s World」の2曲を披露。会場からの惜別の歓声を受けながら、イベントを締めくくった。(C)虎虎/京都アニメーション/中二病でも製作委員会
2014年07月25日(画像はプレスリリースより)ストレスが皮膚を衰えに関与する機序を発見ポーラ・オルビスグループのポーラ化成工業は、ストレス関連物質「サブスタンスP」が、肌の弾力性やくすみに影響を与える真皮線維芽細胞のコラーゲンの発現を低下させることを発見。サブスタンスPは、刺激によって神経線維から放出される神経物質の一つ。真皮の細胞にはサブスタンスPの受容体があり、サブスタンスPはその受容体と結合して初めて真皮に影響を与えます。サブスタンスPは受容体と結びつくとコラーゲンの生産が低下します。皮膚の透明度、光透過性を支えるIII型コラーゲンに強い影響があることが判明しました。ロータスエキスがサブスタンスPの作用を抑制ポーラ化成工業は上記事実に基づき、III型コラーゲンの産生抑制を防ぐ素材を色々探した結果、ハスの胚芽から抽出した「ロータスエキス」が効果を示すことを発見。その機序はサブスタンスPの受容体の発現を抑制することでした。ロータスエキスは保湿成分として、すでに使われています。フラボノイド類などの成分が含まれています。【参考】・ポーラ・オルビスグループプレスリリース・ポーラプレスリリース(ブルームスパ)
2014年07月08日(画像はプレスリリースより)痩せやすく太りにくい身体づくりのためのジェルクリームマッコイは、イオン化ミネラルで細胞レベルまで浸透する痩身クリーム「ノンFエナジークリームSP」をさらにパワーアップした「ノンFモンスター」を2014年6月2日(月)より発売。「ノンFエナジークリームSP」は、長時間代謝を上げてセルライトを分解させることに特化した商品。「ノンFモンスター」は0.2~0.7ナノ(1ナノは1ミリの百万分の1)の浸透型ミネラルのため浸透が早く、ミネラルバランスを整えながら代謝を上げることで、痩せやすく太りにくい身体づくりができるジェルクリームです。痩身効果のある植物性ケミカルをふんだんに使用し、100%天然由来原料のイソラムネチンが太るメカニズム(脂肪幹細胞からの脂肪細胞への分化・肥大化)を抑制。ミス・ワールドジャパン2014公式認定コスメ、購入できるのは施設リリースセラピー受講サロンのみ。『ノンFモンスター』発売記念キックオフパーティー開催日時は2014年7月7日(月)13~16時、会場は東京都渋谷区宇田川町13-8ちとせ会館B1FT2 Shibuya -International Restaurant-、対象はマッコイが招待するエステサロン及びディーラー。【参考】・マッコイプレスリリース・取り扱いサロン一覧
2014年07月04日東京大学(東大)は、ショウジョウバエを用いて、正常な老化に伴い嗅覚神経細胞死が生じると、特定の匂いを感じることができず、異常な行動をとる原因となることを発見したと発表した。同成果は、同大大学大学院薬学系研究科 薬科学専攻の千原崇裕 准教授、同 三浦正幸 教授、米カリフォルニア大学サンディエゴ校のJing Wang教授、米スクリプス研究所のRonald Davis教授らによるもの。詳細は「PLOS Genetics」に掲載された。老化に伴って記憶学習や認識などの脳機能が低下することの要因の1つとして、老化に伴う神経細胞の細胞死が挙げられるが、正常な老化と神経変性疾患の双方において起きており、神経変性疾患における細胞死の研究は行われてきたものの、正常な老化の過程における細胞死の研究はこれまで、ほとんど研究されていなかった。今回、研究グループはショウジョウバエをモデル動物として用いて、正常な老化における脳内の細胞死の観察を試みた。その結果、老化したショウジョウバエの神経細胞のうち、特に匂いを感知するのに重要な神経細胞「嗅覚神経細胞」で細胞死に必要な酵素「カスパーゼ」が活性化していることを確認した。ショウジョウバエには約50種類の嗅覚神経細胞があり、それぞれの神経細胞ごとに感知する匂いが異なるが、カスパーゼの活性は、「リンゴ酢や酵母の匂い」を感知する「Or42b神経細胞」に見られ、実際に老いたショウジョウバエでは、同神経細胞の数が減少していることも確認したほか、嗅覚中枢の活性化とショウジョウバエのリンゴ酢に対する行動の調査では、老化したショウジョウバエではリンゴ酢を与えても嗅覚中枢がほとんど活性化せず、リンゴ酢がある場所に集まらない(誘引されない)ことを確認したとする。また、Or42b神経細胞でカスパーゼが活性化できないようにしたショウジョウバエでは、たとえ老化してもリンゴ酢の方向へ誘引されることも確認したとする。一般に、老化に伴って匂い感覚能(嗅覚機能)は低下するほか、パーキンソン病を含む神経変性疾患においても運動機能障害に先だって嗅覚機能低下が現れることが知られている。そのため研究グループでは今回の成果について、正常な老化における神経細胞の細胞死の意義、分子機構に迫るとともに、神経変性疾患時における神経細胞の細胞死の原因、ひいてはその発症機序の理解にもがることが期待されるとコメントしている。
2014年07月03日慶應義塾大学(慶応大)は、神経細胞を取り囲むように脳に存在するグリア細胞の突起で起こる微小なカルシウムシグナル(カルシウム濃度の変化)を鮮明に可視化できる手法を開発したと発表した。同成果は、同大医学部 精神・神経科学教室の田中謙二 特任准教授、東京大学大学院医学系研究科 機能生物学専攻細胞分子薬理学分野の金丸和典 助教、同 関谷敬 助教、飯野正光 教授らによるもの。詳細は「Cell Reports」に掲載された。グリア細胞の一種「アストロサイト」は、神経細胞の情報処理や脳血流の制御などの平常時の脳機能に貢献するだけでなく、神経変性疾患や脳梗塞といった病態の制御にも深く関わることが示唆されている細胞で、その活動の指標とされているのが細胞内カルシウムイオンの濃度変化(カルシウムシグナル)だ。しかし、従来の観察手法は、生きた動物個体におけるアストロサイトのカルシウムシグナルを、細胞の中心部の構造である細胞体で観察するものがほとんどであったため、アストロサイト全体あるいは微細突起でカルシウムシグナルがどのような時空間動態を示すかは明らかになっていなかった。今回、研究グループは、超高感度カルシウムセンサ「YC-Nano50」をアストロサイトのみに発現する遺伝子改変マウスを作製。同センサが発する蛍光により微細な突起を観察することに成功したという。さらに、同マウスに生体内イメージング法を用いて、アストロサイトのカルシウムシグナルを測定したところ、動物の心拍・呼吸・運動といった生体内イメージング法では不可避なノイズの影響をある程度減らすことができることが確認されたという。この結果、アストロサイトのカルシウムシグナルの新しい特性として、アストロサイトの微細突起に限局したカルシウムシグナルが多く、細胞体ではほとんど起こらないことを発見。このカルシウムシグナルは、夜空に瞬く星々を連想させることから「Ca2+ twinkle」と命名したとする。また、遺伝子改変マウス尾部を刺激した際のアストロサイトのカルシウムシグナルを観察した結果、アストロサイトの微細突起の先端部分から生じたカルシウムシグナルが徐々に細胞内部へと広がり、最後に細胞体に到達する様子を鮮明に可視化することに成功したという。今回の手法について研究グループは、アストロサイトの活動の謎を解き明かすための極めて強力なツールとなると説明しており、今後のグリア細胞、ひいては脳のさまざまな生理機能や神経変性疾患・脳梗塞などの病理機能解明に光明をもたらすことが期待されるとしている。
2014年07月02日テルモは6月25日、薬剤曝露対策を施した閉鎖式抗がん剤投与システム「ケモセーフ」シリーズの1つである、「ケモセーフインフュージョンセット」に、「点滴筒付バッグアクセス」を追加したと発表した。抗がん剤は、制がん作用がある反面、細胞毒性や発がん性を有するものも多く、抗がん剤を取り扱う医療従事者が薬剤曝露によって健康被害を受けるリスクがあることが知られている。ケモセーフは、そうした抗がん剤を取り扱う各種の作業段階において、薬液の飛び跳ねや手指などへの付着を防ぐ工夫が施されたシステムで、今回の「点滴筒付バッグアクセス」の追加により、よりバイアルとの薬剤調製のほか、投与から廃棄まで、薬液の漏れや飛び散りのリスクを低減することが可能になるという。なお、同製品は、20本の出荷単位で、希望小売価格は3万4800円(税別)からとなっている。
2014年06月26日