たばこと塩の博物館では、2023年9月16日(土)から11月12日(日)まで、「芥川龍之介がみた江戸・東京」展を開催します。日本を代表する文豪のひとりである芥川龍之介は、明治25年(1892)に東京市京橋区に生まれ、少年期を東京下町(本所周辺)で過ごしました。大正5年(1916)、東京帝国大学在学中に発表した「鼻」が夏目漱石に評価され文壇に登場、その後数多くの作品を残しました。龍之介が生きた明治20年代から昭和初期にかけては、東京の風景、人々の文化・風習が大きく変わった時代でした。本展では、浮世絵や絵葉書などを多数展示、芥川龍之介の作品と彼の言葉も紹介しながら、“江戸”から“東京”に大きく変わっていく街の様子を伝えます。あわせて、龍之介が愛喫したゴールデンバットをはじめ、龍之介とたばこのエピソード、江戸時代から続いてきた「細刻みたばこをきせるで吸う」形態から紙巻たばこへと大きく変化していった当時のたばこ事情に関しても紹介します。さまざまな資料を通し、芥川龍之介がみたであろう変化していく江戸・東京の姿をご覧いただきます。Photo.01 『芥川龍之介集』より■開催概要名称 : 「芥川龍之介がみた江戸・東京」ヨミ : アクタガワリュウノスケガミタエド・トウキョウ会期 : 2023年9月16日(土)~11月12日(日)主催 : たばこと塩の博物館会場 : たばこと塩の博物館 2階特別展示室所在地 : 東京都墨田区横川 1-16-3(とうきょうスカイツリー駅から徒歩10分)電話 : 03-3622-8801FAX : 03-3622-8807URL : 入館料 : 大人・大学生:100円満65歳以上の方:50円小・中・高校生:50円開館時間: 午前10時~午後5時(入館は午後4時30分まで)休館日 : 月曜日(ただし、9月18日、10月9日は開館)、9月19日(火)、10月10日(火)※やむをえず開館時間や休館日を変更する場合があります。最新の開館情報は、公式X(旧Twitter 「@tabashio_museum」)かお電話でご確認ください。【展覧会の構成と作品紹介】01 龍之介の生い立ち ~明治期の本所・両国~龍之介は、明治25年(1892)3月1日に東京市京橋区入船町8丁目(現・東京都中央区明石町)に生まれました。生後7ヶ月ごろ、母親が病気になり、母の実家である芥川家に引き取られ、母の兄とその妻、母の姉である伯母に育てられることになりました。芥川家は当時、本所区小泉町15番地にあり、龍之介は18歳になるまで本所・両国周辺で過ごしました。芥川家は代々、江戸城内の茶室を管理し、将軍や大名たちを茶の湯で接待した奥坊主の家柄でした。江戸幕府に仕える家柄、さらに本所・両国という土地柄もあって、龍之介は身近に“江戸的なるもの”を感じながら育ちました。また、養母は通人として知られる細木香以の姪でした。細木香以は幕末から活躍する俳人、商人であり、ここにも“江戸的なるもの”がありました。Photo.02 『本所絵図』 嘉永5年(1852) たばこと塩の博物館蔵龍之介の育った芥川家は、江戸時代から隅田川や回向院の近くにあった。Photo.03 「(東京名所)両国回向院」絵葉書 個人蔵後ろに国技館が見えることから明治42年(1909)以降に撮影されたもの。Photo.04 龍之介の養母の叔父である細木香以の銘が彫られたきせる たばこと塩の博物館蔵【芥川龍之介が愛した「東京」の色 大川(隅田川)】龍之介は大正3年(1914)に発表した「大川の水」という作品で大川=隅田川について述べています。「大川」そしてふるさとの「本所・両国」に対して“江戸的なるもの”を感じつつも、近代化によって変化していった“開化的なるもの”を合わせて感じていたとされています。Photo.05 「東京真画名所図解 向島桜」 井上安治画 たばこと塩の博物館蔵井上安治(1864-1889)が東京の名所を描いた「東京真画名所図解」。本シリーズは、「江戸」から「東京」へと変わりつつある風景を写実的に描いた作品として人気を博した。Photo.06 「東京真画名所図解 待乳山夕景」 井上安治画 たばこと塩の博物館蔵Photo.07 「東京真画名所図解 吾妻橋」 井上安治画 たばこと塩の博物館蔵Photo.08 「東京両国橋開橋の光景」絵葉書 個人蔵明治37年(1904)に鉄橋として架けられた両国橋は、関東大震災でも大きな損傷なく生き残ったが、震災後、他の隅田川橋梁群の復旧工事に合わせて、現在の橋に架け替えられた。Photo.09 「東京名所 隅田川之遊泳」絵葉書 個人蔵大正6年(1917)に水質悪化を理由に禁止されるまで、隅田川は各学校の水練所として知られていた。龍之介もここで水泳を習った。02 学生時代・作家への道 ~龍之介と学校制度~龍之介は、明治30年(1897)に回向院にあった江東小学校附属幼稚園に入園、その後、江東小学校(現・両国小学校)、東京府立第三中学校(現・両国高校)へと進学しました。幼い頃から成績優秀だった龍之介は、帝国大学の予科として位置付けられた第一高等学校に無試験検定(推薦)で入学を許可され、大正2年(1913)、東京帝国大学文科大学英文学科へ進学しました。龍之介が学校教育を受けた明治30年代から大正初期は、江戸時代とは全く異なる戦前の日本の学校制度が整備された時期にあたり、龍之介は近代教育の申し子と言えるような履歴を辿った人物でもあります。龍之介は、大学入学の翌年には菊池寛、久米正雄らと共に同人誌『新思潮』(第3次)を刊行、大正4年(1915)年には代表作の一つとなる「羅生門」を『帝国文学』に発表しました。さらに大正5年(1916)に発表した「鼻」は漱石に絶賛され、芥川龍之介の名が文壇に広まるきっかけとなりました。Photo.10 「東京府立第三中学校」絵葉書 個人蔵Photo.11 「東京帝国大学」絵葉書 個人蔵03 龍之介と大正・昭和という時代芥川龍之介が作家としての名声を得たのは大正時代で、昭和2年(1927)に亡くなるまで、多くの作品を残しました。大正時代は、「大正デモクラシー」という言葉に代表されるように、政治、社会、文化とあらゆる面で変化が起こった時代でもあります。文学界でも、作家たちが複数の派閥に分かれてそれぞれ雑誌を発行するなど、非常に華やかな時代でした。近代化が進む中で、新時代への期待を語る作品もあれば、不安定な時代に退廃的な思想を語る作品、耽美的な作品なども登場しました。そうした中で、龍之介は「江戸」(江戸情緒)と「東京」(近代化)を内包し、その狭間でさまざまな葛藤をした作家といわれています。Photo.12 『煙草と悪魔」』昭和10年(1935) 荻原星文館版 たばこと塩の博物館蔵「煙草と悪魔」は、大正5年(1916)11月に『新思潮』誌上に発表された。Photo.13 「河童」が掲載された『改造』(1927年3月号) たばこと塩の博物館蔵「河童」は晩年の代表作として有名で、龍之介の命日7月24日が「河童忌」と呼ばれるのはこのため。【関東大震災と芥川龍之介】大正12年(1923)9月1日に発生した関東大震災は、東京・神奈川をはじめとする関東一円や伊豆諸島に大きな被害をもたらしました。特に江戸時代以来の中心地である銀座、日本橋、そして現在の台東区、墨田区などの被害は大きく、龍之介が育った東京市本所区(現・墨田区南部)は、火災などの影響で、最大の被害者が出た地域でした。政府は、震災直後から帝都復興院(のちに復興局)を立ち上げ、大規模な復興事業を行い、新たな「帝都・東京」がつくられていきました。大正3年(1914)から田端に住んでいた龍之介のもとには、震災直後から震災に関連した執筆依頼が多くありました。龍之介はその中で、震災と人々の姿を克明に記録するとともに、急激に変化していく東京に感じる違和感を著しました。Photo.14 「吾妻橋の惨状」絵葉書 個人蔵Photo.15 「本所被服廠跡写真」絵葉書 個人蔵Photo.16 『改造 大震災号』(1923年10月)に掲載された 芥川龍之介「地震に際せる感想」 個人蔵震災直後に依頼され、寄稿したもの。04 龍之介とたばこ ~近代たばこ小史~たばこは、日本には16世紀末に伝来し、広がっていきました。江戸時代から明治にかけては「細刻みたばこをきせるで吸う」という独自の喫煙風俗が主流でしたが、幕末から明治にかけて紙巻たばこがもたらされると、喫煙風俗も変化していきました。明治期においては都市部を中心に浸透していった紙巻たばこですが、大正時代末ごろになると、全国的に細刻みたばこの製造量を超え、主役になっていきました。龍之介も愛煙家として知られ、両切の紙巻たばこ「ゴールデンバット」を好んでいたようです。龍之介の作品にはさまざまなたばこが登場し、龍之介とたばこに関するエピソードも数多く残されています。ここでは、当館ならではの切り口として、龍之介とたばこ、たばこ文化の変化について紹介します。Photo.17 ビゴー 『おはよ』 明治16年(1883) たばこと塩の博物館蔵フランス人・ビゴー(1860-1927)による銅版画集。明治初期の日本の職人や風景など、そして喫煙風俗も描かれている。Photo.18 龍之介が愛喫した「ゴールデンバット」(両切紙巻たばこ)と「敷島」(口付紙巻たばこ) たばこと塩の博物館蔵Photo.19 龍之介の作品に登場する「三笠」と「朝日」 たばこと塩の博物館蔵小説「あばばばば」には、たばこ屋で「朝日」を注文したところ、旭日旗の描かれた「三笠」が出されるくだりがある。【芥川龍之介の思い出】昭和2年(1927)7月24日、龍之介は、田端の自室で「ぼんやりとした不安」を動機として服毒自殺し、社会に衝撃を与えました。さまざまな雑誌に、多くの作家が龍之介を追悼する文章を寄せましたが、その中には、龍之介とたばこについて語られるものも多くありました。同じ夏目漱石門弟として交流を重ねた内田百けん〈もんがまえに月〉(1889-1971)も、「湖南の扇」(『鶴』【1935年】に所収)で龍之介がマッチでたばこに火をつけるときの癖に触れた追悼文を寄せており、龍之介とたばこのエピソードが多く残されていることが窺えます。 詳細はこちら プレスリリース提供元:@Press
2023年09月15日『Story Rocking「ピーチ」~芥川龍之介「桃太郎」より~』が、10月20日(金) から29日(日) に東京・シアター1010、11月4日(土)・5日(日) に大阪・梅田芸術劇場シアター・ドラマシティで上演されることが決定した。本作では、1924年に芥川龍之介が昔話『桃太郎』を独自の視点・哲学的な観点から再構築した短編小説をベースに物語が展開。舞台単独初主演となる安嶋秀生(少年忍者/ジャニーズJr.)が主人公のピーチ(桃太郎)役を務める。そして、同じく少年忍者/ジャニーズJr.の小田将聖が典型的な子分タイプでピーチの第一の家来レオナルド・ボヌッチ(犬)、細見大輔がボヌッチと犬猿の仲で優柔不断なルカ・モンチ(猿)、久保田秀敏が頭の良さを誇る啓蒙主義者イワン・フェザンチ(雉)で出演。さらにブラザートムが、桃太郎が退治をしようとする鬼役で登場する。演出は、Rock Reading『幸福王子』、モボ朗読劇『二十面相〜遠藤平吉って誰?〜』、朗読劇『ピース-peace or piece?-』、ROCK READING『ロビン』、Sound Fantasy朗読劇『月世界旅行』など、近年ロックバンドの生演奏とリーディングを融合し高い評価を得る鈴木勝秀が上演台本・演出を担当。また音楽は、鈴木の盟友で幅広い音楽の嗜好と数多のアイデア、あらゆる楽器やノイズを駆使したサウンドメイキングで知られる大嶋吾郎が、オリジナル・スコアによるロックバンドの生演奏で舞台を彩る。■鈴木勝秀 コメント本作では、芥川版『桃太郎』を下敷きにはするが、基本的に登場人物(動物・鬼)は全員がおバカ。手塚治虫が、どんなに残虐なシーンを描いても「マンガ」であることを貫いたように、あくまでエンタテインメントに徹し、桃太郎は型破りな王子として描く。また、設定を日本に限定させず、世界のどこかの国のお話に書き換える。童話や芥川版にないエピソードも加え、ピーチとお供の珍道中を中心に物語を進める。音楽は、大嶋吾郎のオリジナル・スコアによるロックバンドのミクスチャー・ロック生演奏により、ミュージカルとも音楽劇とも一線を画した独自ジャンルの成立を目指す。■安嶋秀生(少年忍者/ジャニーズJr.)コメント先輩やJr.の仲間たちがお世話になっている演出家の鈴木勝秀さんの下で、舞台の主演を務めさせていただける事がとても光栄です。初の単独主演を務めさせていただけると知った時はとても嬉しかったです。そしてメンバーの小田将聖も共演という事でとても心強いです。アクロバットやダンスの印象が強い僕だと思うのですが、今回の舞台を経験して演技の印象も付けられるように頑張ります!よく自分の顔は昭和顔と言われているので、昔話の中でも人気の高い『桃太郎』がコンセプトと知って、自分の顔にハマっているなって思いました(笑)。今回の作品の桃太郎では皆さんが知っている勇敢な桃太郎ではなく、芥川龍之介さんの視点で描いた話がベースになるそうで、どんな作品になるのか稽古が待ち遠しいです。ダンスや歌も入るようなので、そちらも楽しみです!■小田将聖(少年忍者/ジャニーズJr.)コメント初めてジャニーズ公演以外の舞台作品に出演させていただくので、今回はたくさん学び、自分自身を磨いていけたらと思います。僕自身かなり後輩気質で、犬っぽい忠誠心があり、おバカなところもあると思うので、普段の自分を出しつつ演技に励みたいです。更に誰もが小さい頃から馴染みのある『桃太郎』とは違った形でのエンターテイメント作品ということで、全く想像もつかないです。これから稽古するのが楽しみです!■細見大輔 コメント2月の音楽劇『逃げろ!』に続いて、今年2度目のスズカツワールドに参戦いたします。今回の題材は『桃太郎』という事ですが、相変わらず奇想天外で、どうなるのか想像もつかない作品になるかと思います。これが稽古場でどんな風に形になっていくのか、今から興奮が止まりません。皆様に、見たこともないような景色をお見せできればと思います。初めましての方々ばかりで緊張しておりますが、最高の化学反応が起こせるよう頑張ります!■久保田秀敏 コメント『桃太郎』は知っていても、いざ内容を詳しく説明しろと言われたら上手く説明できないほど昔に出会った作品です。歳を重ね、ものの考え方や価値観、解釈の仕方も変わった今再び触れてみると、ゾッとするような思考が身体中を駆け巡り、夏の暑さも吹っ飛びそうな心地になります。スズカツさんの作品に出演するのは、2作目。今回の作品では、あらためて自分の生き方含め、思考を巡らされる台詞がたくさん出てきて考えさせられます。軽やかなステップを踏んでると思いきや打ち出の小槌を打たれ何倍にも重くなっていく足。空気。関係。宝の持ち腐れにならぬよう生きたいですね。斬新な音楽と5人のMixtureで新たなピーチ太郎ワールドへと誘います。お楽しみに!■ブラザートム コメントコロナ禍の行動制限のある生活、大変でしたね。生活面も含めて、皆さんよく頑張りました。いや、まだまだこれからですかね!?こんな時こそ、上質なエンターテイメントを!、と当たり障りのないコメントですが、これから届く台本に期待を寄せつつ。「面白そう。面白くなりそう。面白くしなくては!」そして「大変そう。大変なことになりそう。大変なことにならないようにしなくては」。さぁーこの作品は、どうなるんでしょう。楽しみですね。<公演情報>Story Rocking『ピーチ』~芥川龍之介「桃太郎」より~上演台本・演出:鈴木勝秀音楽:大嶋吾郎【出演】ピーチ(桃太郎):安嶋秀生(少年忍者/ジャニーズJr.)レオナルド・ボヌッチ(犬):小田将聖(少年忍者/ジャニーズJr.)ルカ・モンチ(猿):細見大輔イワン・フェザンチ(雉):久保田秀敏鬼:ブラザートム【公演日程】東京公演:10月20日(金)~29日(日) シアター1010大阪公演:11月4日(土)・5日(日) 梅田芸術劇場シアター・ドラマシティ公式サイト:
2023年08月17日井上真央主演「100万回 言えばよかった」が3月17日の放送でフィナーレを迎えた。悠依の頭上から聞こえた直木の口笛…ラストシーンに視聴者からの「空からの口笛で無事に大号泣」「空から見守るって、カッコよすぎる」といった声がSNSに殺到している。井上さんと佐藤健、松山ケンイチが共演し、愛する人を突然失った美容師のもとに、彼女の恋人が“魂”となって現れ、幽霊が視える刑事が2人の架け橋となっていく…というストーリーが展開してきた本作。生身の身体で現れた直木に驚く相馬悠依を井上さんが、生身の身体を伴って悠依のもとに帰ってきた鳥野直木を佐藤さんが。直木の言葉を悠依に伝えてきた魚住譲を松山さんがそれぞれ演じるほか、悠依と親友になる脳神経科医・宋夏英にはシム・ウンギョン。幽霊になった直木を手助けする樋口昌通には板倉俊之(インパルス)。直木を殺した池澤英介には荒川良々。高原涼香に近藤千尋。尾崎莉桜に香里奈。悠依の里親の広田勝に春風亭昇太といったキャストも共演した。※以下ネタバレを含む表現があります。ご注意ください。前回のラストで魚住が英介の身柄を確保した直後、直木は消えていく。だが、その後悠依の前に生身の身体を持った直木が現れる。驚く悠依に直木はこれが「最後の時間」だと説明、優しく悠依を抱きしめ「俺、やっぱり…こうしたかった」とつぶやきキスをする。悠依は魚住を呼び出す。直木は「1日ぐらい」は生身の姿でこの世界にいられると話し、「仕事終わったら来て」と魚住を誘う。魚住が仕事に行くと直木は「悠依のしたいことしよう」と言い、2人は買い物デートを楽しみ、その後、直木は弟・拓海(青木柚)に会いに行く…というのが最終回の展開。直木と兄の死を知らない拓海とのやりとりに「そこだけドキュメンタリーなのかな、って思ってしまうくらいに直木の弟だった」「青木柚のナチュラルさ最高。この子ほんまにすごい!」「青木柚くんの演技びっくりした 普通のシーンを普通に演じる天才」など、青木さんの自然な演技に絶賛の声が集まる。その後、悠依は直木を朝の海を連れ出す。朝焼けを見ながら直木は悠依に感謝とともに「さよなら。愛してる」と告げる。悠依が「大好きだよ」と答えると、再び「愛してる」と口にし、その後「愛してる」と何度も繰り返しながら姿を消す…。「直木の、あれほどに優しく響く「悠依」と「愛してる」涙せずにはいられませんでした」「こんなにも涙が出る愛してるなんて、聞いたことないよ」「直木の表情も声も本当に愛おしい気持ちが伝わる心からの「愛してる」だった」などのコメントでタイムラインが埋め尽くされるなか、悠依の頭上から口笛の音が聞こえる。その音色を聞いた悠依は「空から見てるとか嫌だって言ったのに」とはにかみながら、どこかへと歩き出す…というラストだった。「最後の空からの口笛で無事に大号泣」「直木が空から見てるのが分かったから、悠依が振り返らずに真っ直ぐ歩いていく姿がラストシーンなの良かった」「最後、めっちゃ良すぎる!!!やり残したこと全部やって、空から見守るって、カッコよすぎる!!!」など、このラストシーンにも感動の声が殺到している。(笠緒)
2023年03月18日井上真央と佐藤健、松山ケンイチ共演「100万回 言えばよかった」の7話が2月24日放送。直木が悠依に告げた「堂々と幸せでいろよ」という言葉に「素敵すぎる言葉」「すべての人に刺さりそう」など感動の声が殺到している。美容師の相馬悠依を井上さんが演じ、幽霊になってしまったため譲を通して悠依に言葉を伝える鳥野直木に佐藤さん。幽霊が視え、話せ、乗り移られる体質で、莉桜を連れ去った車を追いかけようとして頭痛に襲われた刑事の魚住譲に松山さん。事故で亡くなった夫が譲にそっくりな脳神経科医の宋夏英にシム・ウンギョン。直木の実家で子どもの世話をしている“幽霊の先輩”樋口昌通には板倉俊之(インパルス)。直木が働いていた洋食屋のオーナーで子ども食堂もやっている池澤英介に荒川良々。里親施設時代は素行が良くなかったが、悠依を何かから守ろうとしていた尾崎莉桜に香里奈といったキャストが出演する本作。※以下ネタバレを含む表現があります。ご注意ください。悠依の目の前で莉桜は車に乗せられ、連れ去られる…。直木は車に侵入するが、車を追いかけようとした譲は頭痛に襲われる。警察に状況を説明する悠依だが、刑事からはこれ以上事件に関わるのは危険だと釘をさされる。譲は病院で検査を受け、偽性脳腫瘍の可能性があると宣告される。さらに譲の姉・叶恵(平岩紙)は譲が直木と接近してると命の危機があると知り、これ以上一緒にいるなと忠告するのだが譲は聞き入れない。莉桜が連れ去られた場所まで付いて行った直木は、その住所やそこで見聞きしたことを譲に伝えるが、正規の手続きを踏まず捜査はできないと譲に言われてしまう。そうは言いながらも譲は直木の証言をもとに単独で捜査に乗りだす…というのが今回のストーリー。今回のエピソードでは前回から本格的に登場した原田弥生(菊地凛子)が、ソウルにいた際、病気で事故を起こし、夏英の夫を死なせてしまったことが判明。夏英に謝罪する弥生だが、夫を失った気持ちを整理できない夏英は「謝られてどうとかじゃない、許すとかじゃない、ごめんなさい、あなたのことを許せない」と号泣する…。視聴者からは「ハヨンさんの気持ちが痛い程わかるから涙が止まらない」「ハヨンさん、気持ちのもっていきようがない…」「簡単に割り切れるようなものじゃないよな…」といった声が上がるとともに「被害者遺族の気持ちを置いてけぼりにしない作品なんだな…」という評価も。その後、悠依は莉桜を連れ去った男に鉄パイプで殴られそうになるが、そこに譲が現れ男を逮捕する。無事助かった悠依だが、莉桜や亡くなった直木に対し自分が無事でいることに呵責を感じてしまう…そんな悠依に直木は「堂々と幸せでいろよ!」と告げる。この直木の言葉に「そうだよ!!そうだよ~~~~~」「堂々と幸せでいろよって素敵すぎる言葉よね」「直木の言ってる言葉良い。幸せでいることに後ろめたさ感じなくてもいい」など感動のコメントがタイムラインに殺到している。【第8話あらすじ】悠依を襲った犯人が特定されたが、依然として莉桜の行方はわからない。一方、譲は、直木の幽霊パワーを跳ね除けられる方法を見つけ、再び悠依と直木と譲は3人で過ごせるようになる。そんななか田中希也(永島敬三)と莉桜が発見されると同時に、直木を殺した証拠も見つかり事件は一気に解決するかと思われたが…。「100万回 言えばよかった」は毎週金曜22時~TBS系で放送。(笠緒)
2023年02月25日「100万回 言えばよかった」第5話が2月10日放送。「私には直木しかいない」と言う悠依に「新しい人生を生きて欲しい」と願う直木、2人のすれ違いに、SNSでは「切なすぎる」の大合唱が巻き起こっている。愛する人を突然失ってしまった主人公の女性と、彼女にプロポーズしようと決めた矢先、何者かに殺められ魂だけになってしまった幼なじみ。その事件を追う魂が視える刑事。この3人を中心に繰り広げられるラブストーリーとなる本作。「美容室ミーレ」で店長を務める美容師で、直木の身体の行方を捜していた相馬悠依に井上真央。悠依と口笛でコミュニケーションをとれるようになったが、自分の亡骸を見つけてしまう鳥野直木に佐藤健。代々霊が見える家系の寺の息子で、直木の魂が見えるだけでなく、1話では自分の身体に直木が憑依した先浜警察署刑事課の巡査部長の魚住譲に松山ケンイチ。亡くなった夫が譲と瓜二つだという脳神経科医の宋夏英にシム・ウンギョン。直木と同じく幽霊だが、紙など軽いものであれば動かすことができる樋口昌通には板倉俊之(インパルス)。直木がシェフをしている洋食屋ハチドリのオーナーで、子ども食堂も開催している池澤英介に荒川良々。何者かに殺害された悠依のかつての友人・高原涼香に近藤千尋。問題を起こして養護施設や自立支援施設を転々とし、高校生の頃に悠依と直木と共に過ごした尾崎莉桜に香里奈。中学時代の悠依や直木の面倒を見ていた里親の広田勝に春風亭昇太といったキャスト。※以下ネタバレを含む表現があります。ご注意ください。5話では直木の葬儀が終わり落ち込んでいる悠依を励ますため、直木は譲を通じて彼女をデートに誘う。悠依は譲も誘い3人で広田家にあった写真の遊園地に行く。そこで直木は再び譲に乗り移る…という展開に。「松ケンめちゃくちゃ難しい芝居してるよな…ちゃんと佐藤健の話し方だ…」「ちゃんと佐藤健の演技の間で芝居する松山ケンイチ、すげえな」「直木が魚住さんに入った時の松山ケンイチの演技がめちゃくちゃ直木でめっちゃ好き」「マツケンの演技力がすごすぎて憑依が自然すぎ」など、1話に続いて直木が憑依した際の松山さんの演技に絶賛が集まる。せっかく直に話せるようになった2人だったが、これからも直木と共に生きていきたいと考える悠依は、「俺はもういない」と自分の死を受け入れるよう告げる直木とケンカしてしまう。ラストでは夏英に「私には直木しかいない」と悠依が語るのに対し、直木は樋口に「悠依には新しい人生を生きて欲しい」と口にする…。「相手を大事に思ってるからこそのすれ違いつらいな」「互いに愛してるから違う決心をしてる悠依さんと直木さん。切なすぎる」「ここに来て悠依と直木お互いの想いがすれ違うとか切なすぎる」など、悠依と直木、それぞれの想いに触れた声もSNSに多数投稿されている。【第6話あらすじ】莉桜が悠依からの手紙を受け取ったのと同じ頃、直木は樋口と共に、成仏する方法を知る自分たち以外の幽霊を探していた。そんな2人を見つめる姿が…。その後、直木は譲の姉・叶恵に会いに行き、自分が成仏するためのヒントをもらう。それを悠依にも話したことがキッカケとなり、直木は譲が抱える“ある思い”に気づく…。「100万回 言えばよかった」は毎週金曜22時~TBS系で放送。(笠緒)
2023年02月11日井上真央が主演する「100万回 言えばよかった」4話が2月3日オンエア。キャンプ場の森で直木が発見したものは…「嘘だと言って」「現実じゃないとよかったのに」「現実を受け入れなきゃいけないの辛い」など、SNSに視聴者の悲痛な声が溢れている。愛する人を突然失った美容師、理由もわからず“魂”になってしまった彼女の恋人。そして“魂”が視えることで2人の媒介者となった刑事。3人をメインにしたラブストーリーが展開しながら、“謎解き”ミステリー要素も盛り込まれた本作。中学時代に里親施設で暮らした直木と20年ぶりに再会し恋人となるが、彼が突如行方不明となった相馬悠依を井上さんが演じるほか、悠依と再会したときは料理人をしており、彼女にプロポーズしようとした矢先“魂”となってしまった鳥野直木に佐藤健。代々霊が見える家系の寺の息子で、直木の失踪と彼が関わっているかもしれない殺人事件の捜査をしている刑事の魚住譲には松山ケンイチ。亡くなった夫が魚住と瓜二つだという脳神経科医の宋夏英にシム・ウンギョン。直木と同じく幽霊だが、紙のようなものであれば動かすことができる力を持つ樋口昌通には板倉俊之(インパルス)。直木がシェフをしていた洋食屋ハチドリのオーナーで、子ども食堂も開催している池澤英介に荒川良々。譲が捜査している殺人事件の被害者・高原涼香に近藤千尋。幼少期から養護施設や自立支援施設を転々とし、高校生の頃に悠依と直木と共に過ごした尾崎莉桜に香里奈。中学時代の悠依や直木の面倒を見ていた里親の広田勝には春風亭昇太といったキャストが出演する。※以下ネタバレを含む表現があります。ご注意ください。悠依と直接コミュニケーションをとりたいと考えていた直木だが、彼の口笛が悠依に聞こえるようになる。そんな時、悠依の元に英介から、こども食堂に来ていた子の一人が行方不明だという電話が入る。悠依と直木は質問に口笛の回数で答える形でコミュニケーションをとり、キャンプ場に子どもを捜しに行くことになる…というのが今回の物語。キャンプ場に向かう際、車に乗り込んだ英介が口にした「なんであんなところに…」というつぶやきに「どーいう意味...」「え、こわいこわい」「やっぱり、オーナーが怪しい」「どんどん怪しくしか見えへんなってきた」「英介さんの言動 全部胡散臭く見える」などの声が。その後キャンプ場で子どもは無事保護されるのだが、直木は何か思い出したかのような顔を見せ森の中へ。そこでブルーシートに包まれた自らの亡骸を発見する…。「いやだぁぁぁ嘘だと言ってーーー」「実は死んでないパターンもありではと思ったが」「現実じゃないとよかったのに……直木」などショックを隠し切れない視聴者の声とともに「自分で自分の遺体を見つけるというのも酷な…」「「身体を探す」って言ったけど本当に対面するとは」「直木は亡くなったという現実を受け入れなきゃいけないの辛い…」など、直木の心情を慮った投稿も多数SNSに寄せられている。【第5話あらすじ】悠依が自分と莉桜、涼香が写る写真を手にしたとき、直木は突然胸の苦しみに襲われる。そして悠依が襲われる事件が発生。幸い無事だったが、悠依はその時襲ってきた人物に言われた言葉が気になっていた。直木は自分の葬儀が終わり落ち込んでいる悠依を励まそうと、譲を通じて彼女をデートに誘う…。「100万回 言えばよかった」は毎週金曜22時~TBS系で放送。(笠緒)
2023年02月04日「100万回 言えばよかった」の3話が1月27日放送。井上真央演じる悠依の“告白”と、それを受け号泣する佐藤健演じる直木…その姿に「なんと強くて優しい告白」「真っ直ぐな告白も、佐藤健の泣きもめちゃくちゃよかった」などの感想がSNSに投稿されている。愛する人を突然失った美容師と、彼女にプロポーズしようと決めた矢先、魂だけになってしまった幼なじみの料理人。そして霊が視える家系に生まれた刑事が織りなすラブストーリーとなる本作。出演は中学時代に里親施設で共に暮らした直木と2年前に20年ぶりの再会を果たし、恋人同士になった「美容室ミーレ」店長の相馬悠依に井上真央。悠依にプロポーズしようとするも、何らかの理由で突然“魂”だけの存在になり、刑事の魚住譲を通じて悠依にメッセージを伝えることができる鳥野直木に佐藤健。代々霊が見える家系で直木の魂が見えるため悠依と彼を繋ぐ存在となるが、同時に直木に疑いの目も向けることになる先浜警察署刑事課・巡査部長の魚住譲に松山ケンイチ。車に轢かれそうになった悠依を助けたことで知り合いになり、その後悠依を診ることになる脳神経科医の宋夏英にシム・ウンギョン。前回“魂”だけの存在であることが明かされた樋口昌通には板倉俊之(インパルス)。直木がシェフをしていた洋食屋ハチドリのオーナーである池澤英介に荒川良々。譲が追う事件の被害者である高原涼香に近藤千尋といったキャスト。※以下ネタバレを含む表現があります。ご注意ください。悠依は直木のマンションの防犯カメラの映像を見る。譲から「見覚えのある人がいたら教えて欲しい」と言われるが、直木以外に知っている顔はいなかった。その後「美容室ミーレ」に女性客が来る。悠依はその女性に、以前どこかで会っていないか問いかける。そして彼女が直木の事件に関わってるかもしれない尾崎莉桜(香里奈)だと気づく…というのが今回の物語。「香里奈さん登場で一気にサスペンス感増し増し」「香里奈最近、怪しい役多い」「また香里奈ちゃん怪しい役だなぁー」といった声が上がる。一方で「ミステリー好きとしては香里奈ミスリード、犯人はあの方かな」「やっぱり初回から荒川良々が怪しく感じる」など、直木が“魂”になってしまったことに莉桜は関係なく、別に“真犯人”がいるのではとする声も寄せられる。そんななか、直木の母親が悠依に会いたいと申し出てくる。譲が立ち合い2人は面会するのだが、そこで直木の母から語られたのは弟の骨髄ドナーとしての役目を負わされてきた過去だった。その後、悠依は姿が見えないがそばにいるはずの直木に「私はあなたのことが好きです。この世界で一番…」と“告白”。そのストレートな言葉に直木は号泣する…。この告白シーンにも「悠依が見えない直木に向かって告白。「理屈じゃない、ただ好きなの」わかるう」「なんと強くて優しい告白シーンなのか…悠依ってすごい」といった感想が。「真央ちゃんの告白、からの健さんのお芝居良すぎて無理」「井上真央ちゃんの真っ直ぐな告白も、佐藤健の泣きもめちゃくちゃよかった」と井上さんと佐藤さんの演技にも賞賛の声が送られている。【第4話あらすじ】悠依の独白のような直木への告白を聞いた譲は、力になりたいと考えるも自分に何ができるか思い悩む。そんななか河川から直木の携帯電話が発見される。殺人事件の容疑者にされたままの直木は、自分の遺体が見つかっていないことを不審に思い、行方不明の自分の身体を捜し始める…。「100万回 言えばよかった」は毎週金曜22時~TBS系で放送。(笠緒)
2023年01月28日井上真央主演「100万回 言えばよかった」の2話が1月20日オンエア。佐藤健演じる直木の失踪の理由を巡って視聴者からは「ミステリードラマ要素のほうがメインになってきた」などの声が上がっている。本作は愛する人を突然失ってしまった主人公と、彼女にプロポーズしようと決めた矢先、魂だけになり側で見守る存在となった恋人。魂が見えるため主人公と恋人との唯一の媒介者となった刑事…この3人を中心に、“当たり前のことは、決して当たり前ではない”というメッセージを伝えると共に、“その当たり前がどんなに愛おしくかけがえのないものか”を改めて訴えかけていく物語となる本作。中学時代に里親施設で暮らした直木と2年前、20年ぶりに再会し恋人同士になるが、突如彼が行方不明に。譲を通して直木の言葉を聞くことになる相馬悠依を井上真央が演じ、悠依にプロポーズしようとした矢先、何らかの理由で幽霊になってしまい、譲に乗り移って彼女に自分の言葉を伝える鳥野直木には佐藤健。代々霊が見える家系の寺の息子で、これまで霊を見ることのない人生を送ってきたが、直木の魂が見えてしまったことで悠依に直木の言葉を伝えることになる刑事の魚住譲には松山ケンイチ。悠依を助けたことで知り合う脳神経科医の宋夏英にシム・ウンギョン。謎の男・樋口昌通には板倉俊之(インパルス)。譲の姉・叶恵には平岩紙。直木がシェフをしていた洋食屋ハチドリのオーナー・池澤英介には荒川良々。直木に疑惑が向けられる殺人事件の被害者・高原涼香に近藤千尋。14歳の頃の悠依や直木の面倒を見ていた里親の広田勝には春風亭昇太といった面々が出演。※以下ネタバレを含む表現があります。ご注意ください。直木には失踪前後の記憶がなかった。こども食堂を終えた後に店を出た記憶がなく、気づくと部屋で寝ていたという。7時間の空白になにがあったのか!?同期されたスマホのメッセージから、直木は行方不明になる直前に、里親施設で一緒だった尾崎莉桜に会いにいく予定だったことを思い出す。莉桜は里親施設から突然姿を消し、その後の足取りはつかめなかったが、勝が亡くなる前に、直木に莉桜を探し、荷物を返すよう頼んでいた…というのが今回のストーリー。「な~んかミステリードラマ要素のほうがメインになってきたな…」「サスペンス的な要素も出てきて面白い」「色々犯人考察しちゃう」「松ケンが犯人…とかいう流れだけは絶対やめて欲しい」など、涼香の死と直木の失踪を巡る謎に、視聴者からも様々な反応が寄せられる。また板倉さん演じる樋口が直木と同じ“魂”の存在であることに「ってか、板倉もそっち側か?」「板倉は見えるだけでなく触れる!!」といった声とともに「この2人同じ事件の関係者か」と推測する視聴者も。また病院に莉桜を迎えに来た譲を見て「ウソでしょ」と驚愕した表情をみせる夏英にも「お医者さん@シム・ウンギョンもなにか見えてるのかな」「もしかしたら彼女にも霊が見えてる感じだったのが気になる」「シム・ウンギョンさんと松ケンにまで何かある感じ」といった感想が投稿されている。【第3話あらすじ】尾崎莉桜が事件に関わっているかもしれないと考えた直木と譲は、莉桜に会おうとする悠依のもとに悠依のもとに駆けつけ、譲は悠依に直木が殺人事件に関与している可能性があることを説明する。しかし悠依は、直木の全てを知ってはいないが決して人を傷つけるような人じゃないと確信しており、真相を突き止めたいと訴える…。「100万回 言えばよかった」は毎週金曜22時~TBS系で放送。(笠緒)
2023年01月21日井上真央主演の金曜ドラマ「100万回 言えばよかった」が1月13日放送開始。直木を演じる佐藤健のタートルネック姿にSNS上では「佐藤健×タートルネックは正義」「世界で最もタートルネックが似合う」などの声が続出している。愛する人を突然失ってしまった主人公と、彼女にプロポーズしようと決めた矢先、魂だけになってしまった幼なじみ…そして霊が視える家系に生まれた刑事。この3人を中心に描かれていく物語となる本作。キャストは「美容室ミーレ」で店長を務める美容師で、中学時代に里親施設で共に暮らしたこと直木と2年前、20年ぶりに再会。恋人同士になった相馬悠依に井上真央ある日突然幽霊になってしまうが、死んだときの記憶がなく、悠依には姿が見えず声も届かないが、譲とは話すことができる鳥野直木に佐藤健。代々霊が見える家系の寺の息子にもかかわらず、今まで霊を見ることのない人生を送ってきたが、直木の魂が見えてしまう先浜警察署刑事課・巡査部長の魚住譲に松山ケンイチ。車に轢かれそうになった悠依を助けた脳神経科医の宋夏英にはシム・ウンギョン。直木と度々遭遇する謎の男・樋口昌通には板倉俊之(インパルス)。譲の姉・魚住叶恵には平岩紙。直木がシェフをしている洋食屋ハチドリのオーナー・池澤英介に荒川良々。悠依の出した行方不明者届を受け付ける村中望海に穂志もえか。譲が追う事件の被害者・高原涼香に近藤千尋といった顔ぶれ。※以下ネタバレを含む表現があります。ご注意ください。店で口にしたハンバーグが直木の作った味だと気づいたことで、悠依と直木は20年ぶりに再会、2人は恋人となる。悠依にプロポーズしようと決めた矢先、直木は不可解な事件に巻き込まれる。直木と連絡が取れなくなった悠依は行方不明者届を出すため警察署に行き、そこで譲と出会う。その後、譲は街中で直木の姿を見かけるが、周囲の人間は直木を“通り抜けて”いく。直木は幽霊になっていた。譲に自分のことが視えていると気づいた直木は、彼に自分の言葉を悠依に伝えてほしいと頼む…というのが1話の展開。1話を見た視聴者からは、佐藤さん演じる直木のタートルネック姿にSNS上では「佐藤健にタートルネックセーターとロングコートは最強なのよ」「佐藤健×タートルネックは正義だって結構前から知ってた」「世界で最もタートルネックが似合う男こと佐藤健」「タートルネックって佐藤健の為に作られたんかな」などの反応が続出。直木が譲に乗り移るシーンにも「直木が憑依したときマツケン完全に佐藤健に見えた!」「霊が乗り移ったときの松山さんの表情が佐藤さんそのもの」「ちゃんと魚住さんの中に直木がいた。仕草も言葉の発し方も直木だった」などの感想が投稿されている。【第2話あらすじ】殺人事件現場の防犯カメラ映像を見ていた譲はそこに映る直木の姿を発見。死んでいる直木が事件に無関係ではないと考えるが、直木はまだ行方不明者扱いのまま。そんななか悠依に呼び出された譲は、直木に何があったのかを捜査して欲しいという依頼を受ける。話をするうち直木には失踪前後の記憶がないことが分かる…。「100万回 言えばよかった」は毎週金曜22時~TBS系で放送。(笠緒)
2023年01月14日2018年に『じっと手を見る』、2019年に『トリニティ』が直木賞候補となった窪美澄さん。今年の7月には、短編集『夜に星を放つ』で第167回直木賞を受賞されました。現在、56歳の窪美澄さんは、どのような生活を送りながら、日々、どんな想いで執筆に取り組まれているのでしょうか。インタビュー3回目の今回は、窪さんの日ごろの生活ぶりを中心にお話を伺いました。★前回:「読者の方から、『この主人公、大嫌いです』と言われたことが(笑)」#窪美澄さんインタビュー 2ワインを飲んでから夕食の準備をするのが楽しみの一つ――小説を書くには相当なエネルギーが必要なのではないかと思います。デビューされたころは息子さんの学費を稼ぐことが一つのモチベーションになっていたそうですが、息子さんが独立された今、何が執筆のエネルギーになっているのでしょうか?窪さん小説というのは、なかなか手強い相手なんですね。特に長編は、作品を書くたびに小説と勝負しているような感覚になるんです。勝負ですから「負かしてやる!」という気持ちで書いているのですが、私の場合、「うまく書けたなぁ」と思えることは稀なんです。これからも続いていくその勝負が、一つのモチベーションになっているように思います。――心身ともに健やかに小説を書き続けていくために、日々、心がけていることを教えてください。窪さん私は昼間に活動する派なんですね。朝7時くらいに起きて、午前中に掃除、洗濯、食材の買い物などをして、午後1時ごろから仕事を始めます。夕方の6時か7時ごろに仕事を終えたらスイッチをオフにして、洗濯物を畳んだり、晩ご飯の用意をしたりします。仕事を離れたら、小説のことは意識的に頭に入れないようにしているんです。――執筆にお忙しい中で、日ごろの楽しみはどんなことなのでしょうか?窪さん週に一度か二度、気分の良い日は、仕事を終えたらワインを飲みます。小さなワイングラスにワインを注いでクッと飲んでから、自分だけの晩ごはんを作るんです。それがささやかな楽しみですし、良い気分転換にもなっています。――ちなみに、お料理はどんなものを作るのでしょうか?窪さん和食が多く、肉か魚の主菜に野菜のおかずと味噌汁が基本です。といっても、凝った料理ではなくて、肉も魚も野菜も調理法は煮るか焼くか蒸すかのいずれかで、バリエーションはあまりないです(笑)。――健康のために運動はなさっているのでしょうか?窪さん基本的には週に3回、ジムのような場所に通っています。ただ、直木賞受賞後は忙しくて生活が不規則になっていまして……。早く自分のペースに戻したいなって思っています。疲れたら“だらだら部屋”でだらだらする――窪さんは44歳のときにデビュー作『ふがいない僕は空を見た』を出版されました。女性の心身が揺らぎやすい時期を小説家として駆け抜けてきていらっしゃいますが、不調を感じたことはあるのでしょうか?窪さん実は私、更年期の症状がほとんどなかったんですね。だから、「このまま更年期症状を体験しないまま終わるのかな」と思っていたんです。でも、直木賞の受賞が決まって帝国ホテルに向かい、舞台袖で受賞会見を待っているときに背中を尋常ではない量の汗が流れ、「もしかして、更年期症状かも」と思いました。――その後も同じような症状はあったのでしょうか?窪さんいえ、そのときだけだったんです。あれは更年期というよりも、直木賞を受賞したことで体がびっくりした反応なのかもしれないですね。――更年期の年代は、疲れやすい、気力が湧かないといった漠然とした不調のようなものも現れやすいといわれています。窪さんにもそうした不調はありますでしょうか?窪さんもちろん、あります。疲れやすいですし、集中もできないです。でも、そのことをあまりネガティブに捉えることはなくて、「56歳だから仕方がないな」って思うようにしています。――ちなみに、疲れたときにはどんな対処をするのでしょうか?窪さん疲れたときには休みます。うちには“だらだら部屋”という部屋があるんです(笑)。――どんなお部屋なのでしょうか?窪さん和室に本棚3つと無印良品の“人をダメにするソファ”を置いています。「この部屋ではだらだらしてもいい」と自分で決めているんですね。だから、疲れるとその部屋に行って、人をダメにするソファでゴロゴロしながら動画を観たり本を読んだりして、だらだら過ごすんです。――集中できないときにすることも決まっているのでしょうか?窪さん立ち上がって、洗面所に行って手を洗いますね。なぜか水に触れると、小説の新しいアイデアが浮かんでくることが多いんです。――健康面で気になっていることがありましたら、教えてください。窪さん体重が徐々に増えていることでしょうか。早めになんとかしたいなぁと思っています。3つの欲しいものは“健康、仕事、お金”――2019年の『トリニティ』の刊行時のインタビューの際に、窪さんは物語の内容にからめた質問で、3つの欲しいものを“健康、仕事、お金”と答えていらっしゃいます。今、欲しい3つのものは何でしょうか?窪さんやっぱり、健康は欲しいですよね。仕事も欲しいしお金も欲しいので、答えは変わっていないですね(笑)。――直木賞を受賞されたことで、仕事とお金に関してはかなり万全の状態のように思えるのですが……。窪さんいえいえ、そんなことはないんです。ずっと危機感を持っていますし、「この先、小説が書けなくなったら、どうやって食べていけばいいのだろう」、「清掃のお仕事、いつからやることになるのかな」ってふと考えるときがあります。おそらく、今の小説家はみんな将来への不安を抱えていると思います。――たくさんのお話をお聞かせくださり、ありがとうございます。ウーマンカレンダーの読者に向けて、最後に改めて『夜に星を放つ』に関するメッセージをお願いします。窪さんこの世代の女性は、子育て中だったり、介護が始まろうとしていたりと、人生で一番忙しい時期を過ごしていると思うんです。それに、家族のことや人間関係で悩んでいる方も少なくないですよね。『夜に星を放つ』は、そうしたときの気分転換に読んでいただけたらうれしいです。寝る前などに一編ずつでも読んでいただければ、ふと心が穏やかになる瞬間が訪れるかもしれないですから。<窪美澄さんプロフィール>1965年東京都生まれ。2009年「ミクマリ」で女による女のためのR-18文学賞大賞を受賞。受賞作を収録した『ふがいない僕は空を見た』が、本の雑誌が選ぶ2010年度ベスト10第1位、2011年本屋大賞第2位に選ばれる。同年、同書で山本周五郎賞を受賞。2012年『晴天の迷いクジラ』で山田風太郎賞、2019年『トリニティ』で織田作之助賞を受賞。その他に『さよなら、ニルヴァーナ』、『よるのふくらみ』、『やめるときも、すこやかなるときも』、『じっと手を見る』、『私は女になりたい』、『朔が満ちる』など著書多数。<著書>『夜に星を放つ』窪美澄著/文藝春秋1400円+税著者/熊谷 あづさライター。1971年宮城県生まれ。埼玉大学教育学部卒業後、会社員を経てライターに転身。週刊誌や月刊誌、健康誌を中心に医療・健康、食、本、人物インタビューなどの取材・執筆を手がける。著書に『ニャン生訓』(集英社インターナショナル)。
2022年10月02日第167回芥川賞と直木賞が20日に発表され、芥川賞は高瀬隼子氏『おいしいごはんが食べられますように』、直木賞は窪美澄氏『夜に星を放つ』が受賞。高瀬氏は2回目の候補、窪氏は3回目の候補で受賞となった。この後、都内のホテルで受賞会見に臨む。受賞者には正賞として時計、副賞として賞金100万円が贈られる。芥川賞はこのほか、小砂川チト氏『家庭用安心坑夫』、鈴木涼美氏『ギフテッド』、年森瑛氏『N/A(エヌエー)』、山下紘加氏『あくてえ』がノミネート。直木賞はこのほか、河﨑秋子氏『絞め殺しの樹』、呉勝浩氏『爆弾』、永井紗耶子氏『女人入眼(にょにんじゅげん)』、深緑野分氏『スタッフロール』がノミネートされていた。
2022年07月20日感情豊かでのびやかな美声と卓越したダンス力でミュージカル界の注目を集める小野田龍之介が、日本初演30周年記念公演のミュージカル『ミス・サイゴン』に出演する。一見、狂言回しのエンジニアやベトナムの少女キムに目が向く作品だが、小野田が海宝直人、チョ・サンウンと交互キャストで演じる米兵クリスもキーパーソンだ。小野田がその思いを熱く語ってくれた。ミュージカル「ミス・サイゴン」 チケット情報1970年代のベトナム戦争末期、戦争孤児のキムと米兵のクリスは恋に落ちる。しかし、陥落寸前のサイゴン混乱の中、キムと離ればなれになったクリスは、母国に戻り、後に米国人女性エレンと結婚する…。6年前にもクリスを演じた小野田は「演じる前から、クリスは世の女性やお客さまから、本当に嫌われる役だなという印象が強かったんです(笑)」と明かす。「“君だけだよ”と言っているのにアメリカに戻ったら別の女性と結婚し、今の時代なら非難を浴びそうですけど(笑)、演じてみるとあの時代だからこそ選択した道というのがある。僕は毎回、クリスの役の価値を上げたい、真意を伝えたいと思っています」と力を込める。『ミス・サイゴン』を作る過程で、キャストは様々な戦争映画やドキュメンタリーを見て参考にするそうだ。「軍人たちは戦争の目的とは別に、破壊行為に走ることがあります。クリスも自分でコントロールできなかった瞬間がたくさんあり、子どもや女性を間違えて撃ってしまい、深い自責の念を抱く中で、キムと出会ったことが自分の贖罪になった。背負った罪を彼女で浄化することができるかもしれない。キムを守り抜くのが使命だと思っていたんです」。『レ・ミゼラブル』のクリエイティブ・チームによる、心に染み入る楽曲も特徴だ。「クリスとキムが歌うシーンは、特にロマンティックですが、ふたりに課せられているのは、絶対に離れないという狂おしいほどのエネルギー。歌っていてこんなにも汗がこぼれる大変なシーンだとは思っていなくて。エネルギーが違った方向へ向くと、チャラチャラした男に見えてしまうので、互いを求める強い力を大切に歌いたいです」。クリスと結婚するエレンについてはどうだろう?「クリスは戦争のすべてを忘れたいと思っている。心にトラウマや傷を負った兵士や市民がたくさんいて、彼も例外ではない。クリスは聖母のような存在のエレンに心を救われた男なんですよね」。自身も年を重ねた今回は、「3人の愛の形」をより大切に演じたいという。2020年の再演はコロナ禍のため中止。世界では新たな戦争も勃発した。「改めて世界に対する祈り、生きるための祈りを深く描いた作品だと痛感しました。今まで以上の覚悟を持って、その祈りを届けたいです」。公演は7月24日(日)から8月31日(水)まで東京・帝国劇場(7月24日(日)から28日(木)はプレビュー公演)、9月9日(金)から19日(月・祝)まで梅田芸術劇場メインホール、その後、愛知、長野、北海道、富山、福岡、静岡、埼玉を巡演。大阪公演のチケットは6月19日(日)一般発売。取材・文:米満ゆう子
2022年06月13日特設展「芥川龍之介 生誕130年旅の記憶」が、山梨県立文学館にて、2022年4月23日(土)から6月19日(日)まで開催される。芥川の旅の軌跡に着目『羅生門』や『河童』などの小説で知られる芥川龍之介は旅を好み、北は北海道から南は九州まで足を運んでいる。また、当時としては珍しく海外旅行も経験し、中国各地を訪れた。山梨や長野への徒歩旅行、失恋の傷を癒やした松江での日々、そして東北から北海道にかけての講演旅行など、旅先での見聞は芥川の生活や作品にさまざまな影響を与えている。特設展「芥川龍之介 生誕130年旅の記憶」では、山梨県立文学館の芥川コレクションを中心に、芥川の旅の軌跡を紹介。旅先で撮影された写真や、松江での見聞を題材とした俳句草稿など、初公開を含む資料の数々を展示する。展覧会概要特設展「芥川龍之介 生誕130年旅の記憶」会期:2022年4月23日(土)〜6月19日(日)会場:山梨県立文学館 展示室C住所:山梨県甲府市貢川1-5-35開館時間:9:00〜17:00(最終入室は16:30まで)休館日:月曜日(5月2日は開館)観覧料:一般 330円(260円)、大学生 220円(170円)※( )内は20名以上の団体料金、県内宿泊者割引料金※高校生以下の児童・生徒は無料※65歳以上は無料(健康保険証などを持参)※障害者手帳の持参者、およびその介護者は無料※展覧会や関連イベントは変更・中止となる場合あり【問い合わせ先】山梨県立文学館TEL:055-235-8080
2022年04月27日TR_Office主催、『高橋龍之介 サクソフォンリサイタル』が2022年4月10日 (日)に東京オペラシティリサイタルホール(東京都新宿区)にて開催されます。チケットはカンフェティ(運営:ロングランプランニング株式会社、東京都新宿区、代表取締役:榑松 大剛)にて発売中です。カンフェティにてチケット発売中 公式ホームページ [プログラム]●ファンタジー/ジュール・デュメルスマンFantaisie sur un theme original/Jules Demersseman●プロヴァンスの風景/ポール・モーリスTableaux de Provence/Paule Maurice●ソナタ 作品29/ロバート・ムチンスキーSonata op.29/Robert Muczynski●ディベルティメント/ロジェ・ブートリーDivertimento /Roger Boutry●スカラムーシュ 作品165b/ダリウス・ミヨーScaramouche op.165b/Darius Milhaud●ソナタ 作品19/ポール・クレストンSonata op.19/Paul Crestonプロフィール高橋龍之介(サクソフォン)神奈川県横浜市出身。昭和音楽大学音楽学部器楽科を特別賞を受賞し首席で卒業。翌年同大学研究科を修了。在学中、コンチェルト定期演奏会にソリストとして推薦される。卒業演奏会、読売新聞社主催第84回読売新人演奏会、ヤマハ管楽器新人演奏会に出演。第12回ジュニア・サクソフォンコンクール3位入賞。第25回大仙市大曲新人音楽祭コンクールにて優秀賞、並びにグランプリを受賞し受賞者記念演奏会に出演。第20回松方ホール音楽賞木管部門、本選出場。第6回秋吉台音楽コンクール、サクソフォン部門入選。浜松国際管楽器アカデミーにおいて講師推薦によるプレミアムコンサートに2度出演。東京芸術劇場による演奏家育成事業“芸劇ウインド・オーケストラ・アカデミー(現: 芸劇オーケストラ・アカデミー・フォー・ウインド)”のオーディションに合格し、第3期生として研鑽を積んだ。2019年フィリアホールにてリサイタルデビューを果たし現在はソロ、室内楽、在京オーケストラ、吹奏楽の公演や録音、学校でのアウトリーチなど幅広く活動を行う。サクソフォンを河西麻希、池上政人、福本信太郎、有村純親の各氏に、室内楽を有村純親、榮村正吾、松原孝政、福本信太郎、大森義基、武藤賢一郎の各氏に師事。Christian Wirth、Miha Rogina、ハバネラ・サクソフォン四重奏団のマスタークラスを受講。(※高ははしごだかの高)【YouTube】 公演概要『高橋龍之介 サクソフォンリサイタル』開催日時:2022年4月10日 (日)開場13:00/開演13:30会場:東京オペラシティリサイタルホール(東京都新宿区西新宿3-20-2)■出演者サクソフォン: 高橋龍之介 / ピアノ: 羽石道代■チケット料金一般:3,000円学生:2,000円(全席自由・税込)[主催]TR_Office[協賛]株式会社ノナカ・ミュージックハウス、株式会社下倉楽器、株式会社セントラル楽器、管楽器工房Geppetto 詳細はこちら プレスリリース提供元:NEWSCAST
2022年02月24日「レ・ミゼラブル」「ミス・サイゴン」「ウエスト・サイド・ストーリー」などで大役を重ねるミュージカル俳優・小野田龍之介のデビュー20周年を記念するコンサートが、11月6日に東京・よみうり大手町ホールで開かれる。今29歳ながらキャリアは長く、2001年に初めてミュージカルの舞台に立ってから、今年で20年目。「お客さんと一緒に、これまでの歩みを噛みしめるような時間になれば」と語る。20曲前後が披露される予定。ファンからのリクエストも交えた、ミュージカルのベスト盤のようなラインナップだ。過去の出演作の楽曲が大半だが、ディズニーファンとして知られる彼のお気に入りナンバーも。圧倒的な歌唱力を誇るが、プロのダンサーを母に持ち、エンターテインメントへの入口は意外にもダンス。歌って踊ってのショースタイルも可能だが、今回は歌を届けることに専念する。「元々はダンスの人間からすると、20周年で自分がこうしてコンサートをするなんて考えられなかった。選曲しているとき、いろんなことが走馬灯のように思い出されて、ワクワクする楽しさというよりありがたさを感じたんです。今までやってきた役への感謝とリスペクトを込めたコンサートにできたら」昼の回は昆夏美、夜の回は知念里奈がゲスト出演。「昆さんはミュージカル界では数少ない同い年の仲間で、知念さんは僕が15歳ぐらいからの長いお付き合い。昼・夜で別のデュエットナンバーも歌わせていただきます」。また、音楽監督はミュージカルファンにはおなじみの大貫祐一郎が務め、「心強いバディを得た」とうれしそう。幼い頃から舞台の世界に生きてきた小野田にとって、今年はかつてない経験だった。「僕たちは舞台上からエネルギーを与えるだけじゃなく、客席からもいただいて返していく。その循環ができなかった期間はエネルギーが枯渇している気がして、ちょっと怖かったし不安でした。一方で、きっと当たり前になっていたものを改めて見出すことができた。今リハーサルをしていても、人間が紡ぐものってこんなにも心を動かすんだなと実感しています」「生涯現役でこの仕事を続けていきたい」と力強く語る彼が、今年得たものを胸に大切な歌を届ける。文章:武田吏都
2020年10月30日直木賞作家の桜木紫乃さんが新作『ふたりぐらし』を上梓。夫婦の“裏切り”がテーマだという同作について、桜木さんに聞きました。「イメージとしては、水色を塗り重ねて暮らす二人のところに誰かが突然藍色を差しはさんでくる感じ」一組の男女の日常を、そんなふうに表現する桜木紫乃さん。新作『ふたりぐらし』に登場する、北海道で静かに暮らす夫婦の話だ。「直木賞をいただいた後の連載依頼で、“裏切り”というテーマを打診されたんです。たぶん、私が原稿で一回も使ったことのない言葉だと思う。“裏切り”は難しいけれど、日常の中で小さな嘘を重ねる話なら書けるかもしれない、と考えた時に、夫婦の話だなと思いました」映写技師だったが映画のデジタル化が進み仕事にあぶれてしまった夫・信好と、看護師の紗弓。子どもはおらず、生活は倹しいが仲の良い夫婦だ。たまに外出先を偽るくらいの嘘はあるが、「夫婦の間にはこれくらいの嘘はある。それは相手を傷つけない嘘、自分のためじゃない嘘でもある。二人ともそうしたことは話さず静かに暮らし、一日が無事に終わったらああよかったと思う。私もこんな満足を手に入れたい」そこに、互いの家族や隣人らが関わり、彼らの日常を少しだけ揺らす。全10話の本作は、1編が原稿用紙30枚の短編。比較的短いなかに、「一編ずつ、夫婦のやりとりを証明問題を解くように書いていき、全体を見た時に二人の間に流れている時間が分かればいいなと思いました」ささやかな波乱はあっても、二人の生活は続く。こうして人と人は一緒に暮らしていくのだという事実に、豊かさすら感じさせる。互いに支えあっている彼らについて、「責任って取るものでなく、持つものだと思う。この二人は、同じだけ二人で責任を持っている。それは継続から生まれたものでしょうね。ただ、夫婦って、毎日ちゃんと出会って、ちゃんと別れないとうまく時間が流れないから難しいですよね」それは“おはよう”“おやすみ”をちゃんと言う、なんてことではない。「毎日上手に別れるというのは上手に忘れる、流す、ということ。毎日出がけにハグする習慣の夫婦もいますが、そうやってリセットできるといいでしょうね。水色を塗り重ねて、同じ景色を見続ける経験が、もし気まずい状況が訪れた時に、救いになるのではないかなと思います」『ふたりぐらし』北海道に暮らす信好と紗弓の夫婦。札幌に住んでいた彼らだが、信好の母が亡くなったことから、実家の江別に移り住むことにして…。新潮社1450円さくらぎ・しの作家。1965年、北海道生まれ。2002年に「雪虫」でオール讀物新人賞を受賞。’13年『ラブレス』で島清恋愛文学賞、『ホテルローヤル』で直木賞受賞。※『anan』2018年9月26日号より。写真・土佐麻理子(桜木さん)大嶋千尋(本)インタビュー、文・瀧井朝世
2018年09月20日直木賞作家・中島京子の『長いお別れ』が、『湯を沸かすほどの熱い愛』の中野量太監督により、映画化することがわかった。公開は、来年。キャストは近日発表されるという。認知症を患った父と、献身的に家族を支える母、そして2人の娘。彼女たちは日々遠ざかっていく父の記憶と向き合いながら、家族の“愛しい思い出”を見る。認知症の父と過ごす、ある家族の幸福な7年間が描かれる。原作者の中島京子は『小さいおうち』で第143回直木賞を受賞。さらに14年には山田洋次監督により映画化され、その年の日本アカデミー賞では最優秀助演女優賞を含む10部門を受賞する話題作となった。今回映画化する『長いお別れ』は、作者自身の実体験を基に書かれた。認知症という病を暖かな眼差しで向き合い、優しさとユーモアに溢れた家族の物語だ。メガホンをとるのは、中野量太監督。自身の長編デビュー作品でもある『湯を沸かすほどの熱い愛』で、日本アカデミー賞ほか数多くの映画賞で受賞し、一躍注目を集めた。そんな彼の待望の監督最新作として選ばれたのが、『長いお別れ』。中野監督は「オリジナル脚本へのこだわりを捨てられた」と語るほど原作に惚れ込み、自身初の小説の映画化となる。原作者・中島京子さんコメント『長いお別れ』は、認知症を患った父親とその家族を描いた物語です。認知症と聞くと、年老いた親が壊れていってしまうと身構える方が多いと思うのですが、発症してからが長いこの病気と向き合う時間は、ただつらいだけの日々ではなく、涙もあれば笑いもあります。家族にとっての大事な「別れの時間」だと、私は思っています。映画の中で、素晴らしい俳優さんたちが、どんなふうに演じてくださるのか、いまからとても楽しみにしています。中野量太監督コメント『長いお別れ』は、僕にとって初の原作を元にした映画になります。この本を読んだ時、オリジナル脚本へのこだわりを簡単に捨てられました。それくらい撮ってみたいと思えたし、僕の頭の中で面白くなる想像が、どんどん膨らみました。アルツハイマー型認知症を患った父を持つ家族の話なのに、何度も笑って、何度も優しい気持ちになって。僕が描きたい家族の映画がそこにありました。納得の脚本に仕上がりました。そこに素晴らしい俳優陣が集まってくれました。認知症を扱った映画としては、今まで観たこともない作品になると思います。ずっと家族を映画で描いてきた僕の、また一歩進化した最高傑作を目指します。すでに、今年8月末にはクラインクインしており、気になるキャストも近日中に発表になるという。『長いお別れ』は2019年、全国にて公開予定。(text:cinemacafe.net)■関連作品:小さいおうち 2014年1月25日より全国にて公開© 2014「小さいおうち」製作委員会湯を沸かすほどの熱い愛 2016年10月29日より新宿バルト9ほか全国にて公開© 2016「湯を沸かすほどの熱い愛」製作委員会
2018年09月13日直木賞作家・西加奈子による絵画展、「おまじない」「“i” beyond」展が東京・千代田区のAI KOWADA GALLERYで開催される。本展は西が「文学」と同じく情熱を傾ける「絵画」にスポットを当てた、2度目となる企画展示となる。孫係 “私たちは、この世界で役割を与えられた係なんだ。” ボール紙にクレヨン 550x460mm 2018©Kanako NISHI courtesy of AI KOWADA GALLERYこれまでも、小説のテーマを絵画でも制作してきた西。その作品は表紙絵や挿絵となり、ストーリーを理解する鍵となる存在でもあった。クレヨンが油絵の具のように厚く塗り重ねられた段ボールのタブローには、西の華奢な体に宿るエネルギーが放出され、力強さに溢れている。西は小説を通し、自己のアイデンティティに悩み、途方に暮れる人々の背中を“あなたはあなたのままでいい”と押し続けてきているが、そのメッセージは絵画にも投影されている。西が画材としているのは、幼少時から親しんでいるクレヨン、そして通っているスーパーで譲り受けるという段ボール 。正式な美術教育を受けず身近な素材を“画材”とし 、表現するという西独自の制作スタイルは、 ニューヨークなどの街角で、描く素材や場所を選ばず、さまざまな社会問題を訴えてきたストリート・ アーティストの姿にも重ねられる。今回の作品展は前期「おまじない」と、後期「“i” beyond」に分けて行われる。前期「おまじない」では、先月刊行された、10年ぶりとなる短編集『おまじない』(筑摩書房、2018)にも表現される心の“ゆらぎ”や“不安定さ”をも見事に表現。夕焼けのように赤く染まる空をバックに煙を吐く煙突や、こちらを見上げる子犬の何か言いたげに揺らぐ瞳、地を這うカタツムリの滑らかな躰と魅惑的な殻模様。具体的な輪郭を与えられて描かれたそれらは優しい印象を持つ一方、不安定さも感じさせる。本展では、短編集それぞれの物語にあわせて描き下ろされた、具象絵画8点を展示する。後期「“i” beyond」は、小説 『 i(アイ)』(ポプラ社、2017)の刊行とともに本ギャラリーで開催された「インスタレーション “i”」 を、再構成したもの。ギャラリー全体を力強いストロークで描き上げた波や渦で埋め尽くし、西の表現世界に包まれる空間インスタレーションは、小説の登場人物たちの心の機微を追体験させ、たくさんの観客を圧倒。今回、そのインスタレーションを、「“i” beyond」というテーマで、個別のタブローとして再構成している。西が様々な色彩を自在に操りながら、鮮烈な生命観を描いた抽象絵画、13点が展示予定だ。小説を読んでなくても、西加奈子の豊穣な表現世界を体験できる貴重な機会となる。 【イベント情報】西加奈子「おまじない」「“I” beyond」会期:前期(「おまじない」)6月10日〜6月24日/後期(「“i” beyond」) 6月30日〜7月16日会場:AI KOWADA GALLERY住所:東京都千代田区外神田6丁目11-14 3331 Arts Chiyoda 2F時間:14:00〜18:00 ※会期中無休入場無料
2018年05月14日主人公を石原さとみが演じる水曜ドラマ「地味にスゴイ!校閲ガール・河野悦子」。今週12月7日(水)に最終回を迎える本作が、先日ついにクランクアップを迎えたことが分かった。本ドラマは、石原さん演じる河野悦子が夢のファッション誌の編集者を目指し出版社に入社。しかし配属されたのは、超地味~な校閲部だった。でもそんな地味な仕事でも真っ向勝負!ド派手ファッションという戦闘服に身を包み、校閲の仕事を超え大暴れする物語。9月初旬にクランクインして、3か月。この日、最後のシーンが撮影された場所は、校閲部のセット。ドラマの開始当初は、殺風景だった部内の模様も、悦子の影響ですっかり様変わりし、あちらこちらに可愛らしい細工が。そんな中、いつもどおり意気揚々と調べものに飛び出してゆく悦子を、部長の茸原渚音(岸谷五朗)、米岡光男(和田正人)や藤岩りおん(江口のりこ)らお馴染みの面々が見守るシーンが撮影された。撮影を終えた石原さんは、「長いようで短かったこの3か月、プライベートな時間も含めて、河野悦子のことだけを考えて生きてきた気がします。台本が面白くて、この役が楽しくて、ベテランで頼りがいのあるスタッフとキャストの皆様と一緒にお芝居をするのが、本当に心地よかったです」と完全に役に入りきっていた3か月だったとコメント。石原さん自身、女優業って実は地味な仕事だと思うときがあると話し、「これだけ反響があって、これまでドラマを見てこられなかった方たちにも観てもらえたりすると、お芝居って、女優業って、作品をみんなで作ることって、こんなにも楽しくて、影響力のあることなんだと知りました」と改めて実感。さらに「20代最後の作品がこれで良かったと、そして、これからもお芝居を続けていこうと思いました。皆さんのおかげです。これからも宜しくお願いします」と感謝を述べていた。そんな最終話は、「Lassy」編集長の亀井(芳本美代子)から、巻頭特集の企画書を書いてプレゼンするように言われた悦子。悦子に「Lassy」編集部に異動できる大チャンス!そんなとき、悦子は貝塚(青木崇高)から本郷(鹿賀丈史)の盗作を訴える告発文が送り付けられたと知らされる。送り主は“直木龍之介”と名乗るWEB小説家。直木は自分が1か月前に発表した作品と、発売されたばかりの本郷の最新作が酷似していると主張。本郷は連絡がつかない状態で、真偽を確かめることができない。貝塚は、本郷の最新作と直木の作品を細かく検証すれば手がかりが得られるかもしれないと考え、校閲部に2つの作品の事実確認を依頼。悦子たち校閲部の面々と幸人(菅田将暉)は協力して、本郷の盗作疑惑を晴らすために奔走する。一方、悦子が「Lassy」編集部に企画をプレゼンする日も近付いていた。そんな中、校閲部に何者かが侵入し…というストーリー。悦子の最後の活躍、ぜひ見逃さないで。「地味にスゴイ!校閲ガール・河野悦子」最終回は12月7日(水)22時~日本テレビ系にて放送。(cinemacafe.net)
2016年12月05日『さみしさサヨナラ会議』(宮崎哲弥と共著)という著書もある月読寺住職の小池龍之介さん。前回、“さみしい”という感情は脳内物質による錯覚が引き起こすもので、人間関係では満たすことができないと伺いました。後編となる今回は、そんな“さみしさ”とうまく付き合う具体的な方法や、「“おひとりさま”はかわいそう」という世間の偏見に負けないための心得を教わりました。さみしさを埋めようとすると“心の借金”が増えていくだけ――そもそも“さみしい”と感じてしまうのは、悪いことなのでしょうか?何を良い/悪いとするかにもよりますが、仏法的な観点からすると、苦しみが増えるのはよくないこと、苦しみが減るのは好ましいこと、とします。ですから、さみしいと感じると苦しみは増えるので、悪いことだと言えそうですね。ところが、これにはカラクリがあって、多くの人は自分のしていることが“悪いこと”だとわかると、自己嫌悪や罪悪感が湧いてきて、苦しみが増えてしまうんです。だから、「さみしくなっている自分はダメだ」と自分を責めたり、抜け出そうともがくことで、余計に苦しみが増えてしまっては本末転倒です。――では、どう対処すればいいのでしょうか?さみしさは、抜け出そうとするとうまくいかないんです。たとえば、さみしいと感じているとき、私たちは「さみしさの部屋」にいるとしましょう。そこで、“さみしさポイント”10Pを受け取ります。でも、その部屋の中にとどまってじっとしていれば、さみしさはやがて消えてなくなり、10Pは返済できるんですよ。ところが、となりに「友達に電話する部屋」があると、多くの人はつい安易に移動して「さみしさの部屋」を抜け出そうとします。でも、そうすると10Pは返済されずに借金として残る。しかも、電話が終わるとまたさみしくなって10Pが発生してしまい、さみしさの総量が増えてしまうんです。――さみしさを埋めるために、別のことをしてはいけないということですか?さみしさを何か別の手段で紛らわそうとする行為はすべて、「さみしさの部屋」から別の部屋へ移動しただけです。つまり、“さみしさポイント”という借金を返済するために、別のところから借金をしている状態なんです。特に、電話やメール、SNSといった人とのつながりや恋愛など、人間関係で孤独を紛らわそうとするのはおすすめしません。自分の欠損を満たしてくれる相手を求めると、特別扱いしてもらおうと傲慢な態度を取ったり、過剰に卑屈になって相手に従属しようとしたりと、ろくでもない行動を引き起こしてしまいます。だから、さみしいときは人に会うべきではないし、新しい出会いも求めてはいけないんです。さみしさも怒りも、必ず消えていくもの――では、具体的にはどうすればいいんですか?何もしないことが大事です。まず、さみしさを感じている自分を、「かわいそうだ」とか「ダメな人間だ」などと一切“評価”しないでください。さみしい自分を、ただ“認めて、受け入れる”だけでいいんです。ざわざわ、もやもやするような、なんらかの身体感覚に意識を向けて、さみしさに寄り添うイメージを持ってください。――さみしさに寄り添うとは…?心の中で、自分自身に声をかけてあげましょう。「さみしいんだね、わかるよ、大丈夫だよ」とか、「じっと待っていればそのうち消えるからね」とか、小さい子どもをなだめるような感じです。他のことで紛らわすのではなく、さみしさのエネルギーそのものと一緒にいてあげて、消えてなくなるまで待つようにしてください。――では、寝て忘れちゃうというのもアリですか?それも「寝て忘れる部屋」という別の部屋に移動して、借金を増やすことと同じになってしまいます。もし、起きていると何かしたくなってしまうなら、楽な状態でゴロゴロと寝転がって天井の木目を数えたり、公園で空を眺めたりして、さみしさが収まるのを静かに待ってあげましょう。意識のある状態で、さみしさが減っていくのを体感しきることが大事なんです。――なぜ、“さみしさポイント”の借金は増えてしまうのでしょうか?前回お話しした通り、“ドーパミン中毒”が原因です。さみしさを別の手段で満たすということは、刺激が入力されることでドーパミンが発生し、脳が快楽を得るということです。ところが、次はもっと強い刺激や快感でないと物足りなくなるため、どんどん耐性ができてしまいます。昔は手紙や電話くらいしか手段がなかったので刺激自体も弱かったし、ドーパミンが切れても、次の刺激を受け取るまでにそれなりの時間がかかりました。そのため、そこまで重いドーパミン中毒にはならずに済んでいたんです。ところが現代のSNSは、刺激が入力される頻度や速度、その強度もケタ違いに大きいですよね。不特定多数の人から一度に注目され、圧倒的な承認を得られますが、私たちの脳には刺激が強すぎるんですよ。一度に受け取るドーパミンが多すぎてすぐに飽和してしまい、耐性がついてどんどんさみしくなっていく。借金がものすごいスピードで増えていくということです。――でも、“さみしさ”には終わりがくる、とは思っていませんでした。この方法はさみしさに限らず、“怒り”に対しても有効です。「物に当たる部屋」や「怒鳴りちらす部屋」、「怒りを我慢する部屋」に移動してしまうと、“怒りポイント”は返済されないまま借金としてどんどん溜まっていきます。だから、必ず「怒りの部屋」にとどまって、「そうか、イライラしてるんだね、大変だね」と怒りの感情に寄り添ってあげれば、怒りポイントのゲージは減っていき、そのエネルギーも自然と収まっていきます。安心感が諸行無常であるように、さみしさも怒りもすべては無常で、必ず消えていってしまいますから。“たまたまひとりでも大丈夫”と思えばいい――無理して恋愛や結婚をしなくていい、と思っている人でも、周囲からの「ひとりなんてさみしい人だ」という価値観にさらされて、考えがグラついてしまうこともあると思うのですが…。いまや、ひとりで生きていくこともひとつのスタンダードですから、以前と比べれば「ひとりなんてかわいそう」という視線の圧力はだいぶ弱まっているとは思います。むしろ、圧力をかけてくる人たちに「他人の愛情に頼って依存する価値観でしか生きられないのね」と心の中で見返してやることもできるでしょう。ただ、味方や仲間がいるとか、“おひとりさま”というグループに所属していることに安心している、という意味では、孤独やさみしさを受け入れているとは言えないでしょうね。――でも、周りの目がどうしても気になります。それは、幼い頃に親の視線を自分の中に内面化するクセがついているからです。子どもは、親に同調することで愛情や承認を得て、庇護やお世話をしてもらう戦略を取ってきました。そのせいで大人になってからも、相手や世間の規範を内面化しないと、見捨てられ見放されてしまうんじゃないか、という恐怖が残っているんです。――自分の身を守るために、周りに同調してしまうんですね。そういった心の仕組みをわかっていれば、「ひとりってさみしくない?」と言われて心がグラついてしまいそうなときに、「ああ、私は今、この人に嫌われたくないという“さみしさ”を抱えているんだな」と自己分析できるようになるのではないでしょうか。まあ、こうなるとほとんど修行の域ですけどね。ただ、“おひとりさま”として生きていこうとしている人が、他人から言われて不安になってしまうようでしたら、その人はたぶん強がりで“おひとりさま”を選んでいる可能性があると思うんです。前の恋愛で痛い目を見たからもう嫌だとか、どうせ他の男もそうに違いないとか、何かしらの強い感情によって孤独を抑え込んでいるのだとすれば、あまりよくない状態だと思います。それは、「強がってやせ我慢する部屋」に移動しているだけですから。――心から“おひとりさま”であることを受け入れていないと、それも借金を増やしていることになるわけですね。私たち人間は、そもそも生まれたときから孤独でさみしい存在なんです。恋愛相手であれ、自分の親であれ子どもであれ、ある特定の人間関係に自分のさみしさを預けて解消してもらおうとすると、必ず痛い目に遭います。まずは「さみしいから」という理由で人とつながるのをやめてみましょう。「さみしい自分はかわいそう」などと評価せず、さみしいという感情にただじっと寄り添い、受け入れることができるようになると、ちょっと大袈裟な言い方ですが、人生が変わります。つまり、人間関係に過剰な期待をしなくなって、精神が自立した状態になります。――かなり強い心が必要になりそうですね。だからといって、一生ひとりぼっちになるわけではありません。むしろそういう状態のときに出会い、関わる人とのほうが、強烈に求め合うような刺激はない代わりに、ほどほどに満たされた、安定した人間関係を築けるようになるでしょう。さみしさとうまく付き合って自立できるようになれば、わざわざ「自分はこの先ずっとひとりで生きていく」と頑なに決めなくてもいいんです。“たまたまひとりでも大丈夫”なだけであって、運良くいい人が現れたら好きになればいいし、結婚してもいい。いなければ、それはそれで「ひとりでもいいや」と思える。そういう精神状態を保っていられるなら、相手がいてもいなくても、どちらでもハッピーなのですよ。Text/福田フクスケ■プロフィール小池龍之介(こいけ・りゅうのすけ)1978年生まれ、山口県出身。東京大学教養学部卒。2003年、ウェブサイト「家出空間」を立ち上げる。同年、寺院とカフェの機能を兼ね備えた「iede cafe」を展開(〜2007年まで)。現在は、鎌倉にある月読寺の住職として、宗派仏教を超えた立場で自身の修行と一般向けの座禅・瞑想指導を続けている。『考えない練習』(小学館文庫)、『超訳 ブッダの言葉』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)、『しない生活 煩悩を静める108のお稽古』(幻冬舎新書)など著書多数。特集「さみしさは敵か」もあわせてご覧ください!・さみしさは“人とのつながり”では満たされない/月読寺・小池龍之介さん(前編)・美しいさみしさの奥にあるグロテスクな本音と向き合う
2016年12月05日アジア最大級の国際短編映画祭ショートショート フィルムフェスティバル & アジア(SSFF&ASIA)で発表された、芥川龍之介「鼻」をモチーフにした第1回「ブックショートアワード」作品『HANA』のキャストに、岡本夏美、北村優衣、小野花梨、大関れいかといった10代の新星キャストたちが決定した。「ブックショート」とは、おとぎ話や昔話、民話、小説などをもとに二次創作された短編小説をWEBで公募し、ショートフィルム化するプロジェクト。本作は、芥川龍之介の「鼻」を女子高を舞台に大胆に書き換えた結城紫雄による作品で、2,330作品もの応募作品から選出された。「鼻」では主人公の和尚は、大きな鼻がコンプレックスとなり、傷つき苦しんでいたが、本作の主人公は女子高生のハナ。成績も中の上、顔もまずまず。なのに、胸の小ささを気にしていることを必死に隠す彼女が、友人から“胸が大きくなる薬”をもらうストーリーは、10代の女性を通して、誰しもが持つ繊細なコンプレックスの克服を鮮やかに描き出していく。主人公のハナを演じるのは、『仮面ライダー1号』や『ボクソール★ライドショー~恐怖の廃校脱出!!~』など女優としての活躍も目覚しく「Seventeen」の専属モデルもつとめる岡本さん。ハナをライバル視するキョウコ役には、期待の新人として『黒崎くんの言いなりになんてならない』など、話題作へ次々と出演が決まっている北村さん、SNS好きのお笑い担当であるレイカ役には、日本一のVineフォロワー数を誇り映画・テレビなどでマルチな才能を発揮する大関さん、ハナとレイカの仲良しのリツ役を『ガールズ・ステップ』の小野さんが演じる。また、バスケ部員役でドラマ「オトナ女子」浦上晟周、『台風のノルダ』の金子大地らが出演。お笑い芸人のゆってぃさんもバスケ部の顧問役として出演するほか、人気モデルを多数輩出し、モデルの登竜門として知られる「女子高生ミスコン」で演技賞に輝いたみづきも参戦し、彩りを加えます。監督は、映画・ドラマ・CMなどを手がけ、SSFF&ASIAでも受賞暦のある岡元雄作が務めている。完成した作品は、6月開催のSSFF&ASIAにて上映される予定。次世代の若々しい才能で蘇る「HANA」の世界が楽しみだ。SSFF&ASIA 2016は6月2日(木)~6月26日(日)、表参道ヒルズほかにて開催。(text:cinemacafe.net)
2016年03月25日二階堂ふみが主演を務め、金魚から人間の姿に変貌する不思議な少女・赤子を熱演する映画『蜜のあわれ』。このほど、本作で文豪・芥川龍之介の“幽霊”役を眼力鋭く演じた高良健吾を、実の孫でクリエイティブ・ディレクターとしても活躍するアクタガワタカトシが大絶賛!初解禁写真とともに高良さん、石井岳龍監督からもコメントが到着した。原作者・室生犀星自身を想起させる老作家と、彼が愛でる少女の姿に変貌する金魚との無邪気かつエロティックな触れ合いを、妖艶な“赤”の世界の中で描き出す本作。二階堂さんが自分のことを“あたい”と呼ぶ赤子を、彼女と共に暮らす老作家を大杉漣、また老作家の過去の女の幽霊を真木よう子、そして金魚売りの辰夫を永瀬正敏が演じるなど、個性豊かな実力派が集結する。そして、室生犀星と同時代に活躍した作家・芥川龍之介もまた、幽霊役として登場する。独特の陰のある色気を漂わす芥川を演じるのは、二階堂さん共演の『ふきげんな過去』が控え、月9ドラマ「いつかこの恋を思い出してきっと泣いてしまう」での繊細で誠実な演技が高い評価を得ている高良さんだ。芥川といえば、萩原朔太郎や中原中也と並び、当代きってのイケメン文豪の一人でもある。元祖“塩顔王子”とでも呼べそうな、面長で端正な顔立ちの芥川だが、繊細なだけでなく、全てのことを見抜いていそうな鋭い眼差しも印象的だ。顎に手を当てている肖像写真はあまりにも有名だが、今回の高良さんも、芥川の繊細さの中に秘める力強さや、眼力ある涼しげな佇まい、全体から醸し出す独特なオーラまで、完璧なまでに“芥川龍之介”を熱演。SNSでは、予告編のワンカットだけでも「高良健吾の芥川はかっこよすぎる!美しい!」などと、早くも大きな話題を呼んでいる。また、芥川龍之介の実孫・アクタガワタカトシさんも、いち早く本作を観た後、祖父の役を演じた高良さんに絶賛の声を贈っている。■アクタガワタカトシ祖父である芥川龍之介は、僕の父が小さいころに既に他界しているので、あまり具体的な話を聞いたことはないのですが、この『蜜のあわれ』という作品を通して、おじいさんに会えた感じがしました。ただ、高良健吾さんの芥川龍之介は、少しカッコよ過ぎるかもしれませんね(笑)。映画は、老作家の妄想で作られた金魚の少女というファンタジックな設定ですが、次第に現実味を帯びていき、現実と夢の世界にはざまのようないるような感覚がありました。■石井岳龍監督芥川役の高良健吾さんは、控えめな優しい役もお上手ですが、彼の尖ったキャラクターがすごく好きなので、今回の役は絶対にハマると思いましたし、実際にすごくかっこよかった。■高良健吾10代のころ、監督の作品に頭を撃ち抜かれた記憶があります。監督は現場でも、とてもかっこよかった。紳士だった。ロックだった。僕は芥川龍之介の幽霊の役です。幽霊役も来るようになったかと不思議な喜びも感じました。石井岳龍監督の世界に参加できた喜びを感じています。是非。蜜のあわれ。お楽しみに。『蜜のあわれ』は4月1日(金)より新宿バルト9ほか全国にて公開。(text:cinemacafe.net)
2016年03月17日第154回芥川賞・直木賞が19日に発表され、芥川賞は滝口悠生氏の『死んでいない者』と、本谷有希子氏の『異類婚姻譚』がダブル受賞、直木賞は青山文平氏の『つまをめとらば』が受賞した。芥川賞を受賞した滝口氏は、1982年東京都生まれ。今回、2回目の候補で受賞となった。本谷氏は4回目の候補で受賞。1979年石川県生まれで、同県出身者の芥川賞受賞は、史上初めてとなる。直木賞を受賞した青山氏は、1948年生まれで神奈川・横浜市出身。2度目の候補で受賞となった。この後、東京・帝国ホテルで受賞会見を開催。いずれの賞も、賞金100万円、賞品として時計が贈られ、2月末に都内で贈呈式が行われる。
2016年01月19日2014年フジテレビ「ノイタミナ」枠にて放送されたアニメ「残響のテロル」が、この度舞台化決定。主要キャスト陣に、松村龍之介、石渡真修、桃瀬美咲ら若手俳優陣の名前が上がると共に、アニメ版で声優を務めた潘めぐみ、かぬか光明が舞台化でも同役を続投することが分かった。アニメ「カウボーイビバップ」を手掛けた渡辺信一郎と菅野よう子がタッグを組み、2014年に放送されたアニメ「残響のテロル」。主要キャラクターのキャスト陣には、若手実力派声優がずらり。主人公・ナイン役を演じたのは、「ハイキュー!!」(影山飛雄役)「境界のRINNE」(六道りんね役)などで知られ、2014年「第8回声優アワード新人男優賞」を受賞した石川界人。もう1人の主人公・ツエルブ役を、本作が自身初主演であり、2015年「第9回声優アワード新人男優賞」を受賞した若手注目株・斉藤壮馬。そして本作のヒロインを、「すべてがFになる THE PERFECT INSIDER」(西之園萌絵役)が現在放送中のネクストブレイク必至な種崎敦美が演じた。今回の舞台化にあたっても、舞台などで活躍する若手実力派俳優が揃った。ナイン役に、「戦国BASARA」真田幸村役、「弱虫ペダル」石垣光太郎役の松村さん。ツエルブ役を「テニスの王子様」7代目青学桃城武役や、「薄桜鬼SSL ~sweet school life~」 藤堂平助役の石渡さん。三島リサ役は「攻殻機動隊ARISE」エマ役の桃瀬さん。柴崎役を「ミュージカル・テニスの王子様」手塚国光役や「弱虫ペダル」福富寿一役でおなじみの滝川英治。ハイヴ役を、アニメで同じくハイヴ役の声優を務め、「俺物語!!」ヒロイン・大和凛子役で注目を集める潘さん。羽村役は「攻殻機動隊ARISE」パズ役の井深克彦、倉橋役を「弱虫ペダル」金城真護役で人気の郷本直也、六笠役をアニメで同じく六笠役の声優を務めるかぬかさん、クラレンス役をお笑い芸人のチャド・マレーンが演じる。演出は舞台「攻殻機動隊ARISE:GHOST is ALIVE」や「ペルソナ」シリーズの演出も手がけ、映画監督でもある奥秀太郎。脚本は「PSYCHO-PASSサイコパス2」や「ペルソナ」シリーズの熊谷純が担当し、舞台上に新たな「残響のテロル」ワールドを創りあげる。舞台「残響のテロル」は2016年3月2日(水)~6日(日)、Zeppブルーシアター六本木にて公演。(text:cinemacafe.net)
2015年10月30日2015年7月16日に行われる「第153回芥川龍之介賞」および「第153回直木三十五賞」の受賞作発表の瞬間と受賞者による記者会見の様子が、動画サービス「ニコニコ生放送」にて生中継されることが決定した。放送は同日18時から。番組では、新進作家による最も優秀な純文学短編作品に贈られる「芥川賞」と、最も優秀な大衆文芸作品に贈られる「直木賞」両賞の選考結果が発表となる一連の模様から、受賞者による記者会見までを生中継。発表までの時間は、出演者である井上トシユキ(ジャーナリスト)、栗原裕一郎(評論家)、ペリー荻野(コラムニスト)の3氏による作品解説なども行われるという。また全国の書店では、同番組のパブリックビューイングを実施。実施店舗は紀伊國屋書店(新宿本店、本町店)、三省堂書店(神保町本店、有楽町店)、丸善&ジュンク堂(丸善丸の内本店、MARUZEN&JUNKUDOネットストア)、蔦屋書店(蔦屋書店武雄市図書館)などで、本屋B&Bでは連動イベントも開催予定となっている。これらに先立ち、ニコニコチャンネル内のテキスト配信サービス「ブロマガ」では、出版元全社の協力により、両賞候補作品の試し読み企画がスタート。話題となっているお笑いコンビ・ピースの又吉直樹の『火花』を含む全12候補作品の冒頭部分が無料にて配信されている。試し読みは「芥川賞・直木賞発表を楽しもう」から。番組名:「第153回 芥川賞・直木賞発表&受賞者記者会見 生放送」放送日:2015年7月16日(木)放送時間:18時~出演者:井上トシユキ(司会・ジャーナリスト)、栗原裕一郎(評論家)、ペリー荻野(コラムニスト)番組ページはこちら
2015年07月02日人気ボーイズラブ映画の続編『愛の言霊〜世界の果てまで〜』の主要キャスト、植野堀まこと、河合龍之介、齋藤ヤスカの3人揃っての動画インタビューが到着した。広告代理店に勤める裕文(植野堀さん)とその上司に当たる慎司(河合さん)の間に芽生えていく“愛”を描いた作品で、植野堀さんにとっては初の長編映画出演にして初主演となる。植野堀さんは「緊張し、悩みながらのお芝居でした」と初主演のプレッシャーを明かしつつ、映画の完成にホッとした様子。撮影については「河合さんに助けられながら、毎日楽しく撮影できた」と笑顔でふり返った。撮影は3月だったそうだが、クライマックスに桜のシーンがあり、河合さんは「複雑な天候の中で、桜が咲くかどうか分からないまま『大丈夫かな?』と思いつつやってました。そうしたら最後の最後で咲いて、それをフィルムに残せて、『完成した。絶対いい作品になる』と感じた」と充実した表情を見せた。見どころを尋ねられると、植野堀さんは、2人からから「チュー?」、「ベッド?」などと茶化されつつ、植野堀さんは「チューやベッドシーンも見どころだよ(笑)!でも、やっぱり最後の桜のシーン」と力強く語ってくれた。前作に続いての出演となる立花都役の齊藤さんは、前作との繋がりについて言及しつつ「立花都の成長を見せられたら…。『1』を観てくれた人の期待を裏切らないように演じた」と優しい笑みを浮かべつつ語ってくれた。3人それぞれの口調から、現場の和気藹々とした雰囲気、そして作品への自身と強い思いが伝わってくる。『愛の言霊〜世界の果てまで〜』は8月7日(土)より渋谷・シアターイメージフォーラムほか全国順次公開。※こちらのインタビュー映像はMOVIE GALLERYにてご覧いただけます。MOVIE GALLERY■関連作品:愛の言霊〜世界の果てまで〜 2010年8月7日より渋谷・シアターイメージフォーラムほか全国順次公開© 2010紺野けい子/フロンティアワークス/「愛の言霊〜世界の果てまで〜」Partners
2010年08月06日