くらし情報『直木賞作家の“夫婦論”が深い! 裏切りがテーマの短編集』

2018年9月20日 11:00

直木賞作家の“夫婦論”が深い! 裏切りがテーマの短編集

直木賞作家の桜木紫乃さんが新作『ふたりぐらし』を上梓。夫婦の“裏切り”がテーマだという同作について、桜木さんに聞きました。
直木賞作家の“夫婦論”が深い! 裏切りがテーマの短編集


「イメージとしては、水色を塗り重ねて暮らす二人のところに誰かが突然藍色を差しはさんでくる感じ」

一組の男女の日常を、そんなふうに表現する桜木紫乃さん。新作『ふたりぐらし』に登場する、北海道で静かに暮らす夫婦の話だ。

「直木賞をいただいた後の連載依頼で、“裏切り”というテーマを打診されたんです。たぶん、私が原稿で一回も使ったことのない言葉だと思う。“裏切り”は難しいけれど、日常の中で小さな嘘を重ねる話なら書けるかもしれない、と考えた時に、夫婦の話だなと思いました」

映写技師だったが映画のデジタル化が進み仕事にあぶれてしまった夫・信好と、看護師の紗弓。子どもはおらず、生活は倹しいが仲の良い夫婦だ。
たまに外出先を偽るくらいの嘘はあるが、

「夫婦の間にはこれくらいの嘘はある。それは相手を傷つけない嘘、自分のためじゃない嘘でもある。二人ともそうしたことは話さず静かに暮らし、一日が無事に終わったらああよかったと思う。私もこんな満足を手に入れたい」

そこに、互いの家族や隣人らが関わり、彼らの日常を少しだけ揺らす。

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