『映画 夜空はいつでも最高密度の青色だ』が5月13日(土)に、物語の舞台である新宿、渋谷にて先行公開を迎え、主演デビューを飾る石橋静河、池松壮亮、石井裕也監督が舞台挨拶に登壇した。最果タヒによる話題の同名詩集を石井監督が自ら映画脚本家。昼は看護師、夜はガールズバーで働きながら、生きづらさを感じる美香と彼女が運命的に出会った日雇い労働者の慎二の姿を通じて現代社会を切り取る。この日はあいにくの天気にもかかわらず、劇場は満席。これには石井監督、石橋さん、池松さんも感激の面持ち。石橋さんは、石橋凌と原田美枝子の次女で、数年前に女優業を始め、本作が初主演作。「本を読むところから挑戦でした。『これどういうこと?』『わかんない』ということばかりでしたが、見たことがない景色がある気がした」とふり返る。石井監督は石橋さんについて「実力って意味では、天才・池松壮亮の足元にも及ばないけど、“新人”ってところは魅力で、新人であるが故の奇跡を起こしてくれたと思います」と語る。池松さんも「意外と石橋さん本人のことは知らない」と断りつつ「美香という人に関しては、危うくて、生きることが苦しそうで、でも純粋に生きようとまっすぐ立っていて好きです」と語る。そんな石橋さんだが、主演としての初めての舞台挨拶への緊張もあってか、質問に考え込んで沈黙することもしばしば。石井監督の現場での面白い一面について尋ねられると、しばしの沈黙の末に「ちょっと考えます…」とポツリ。石井監督は「舞台挨拶でこんな沈黙は初めて(笑)。やっぱり新人。大物が現れましたね。大型新人です!」と石橋さんの強心臓ぶりを絶賛(?)。「いまの様子で、(撮影が)フラッシュバックしました。大変でしたよ(苦笑)」と現場の様子を明かした。石橋さんは、本作について「この先ずっと心の中にある。忘れたくても忘れられない。始まりだなと思います」とその大きさを語る。池松さんは「昨今、若者に向けて作られた恋愛映画はいっぱいあるけど、そのどこにも属さない稀有な作品ができたと思います。いまをどう生きるかということ、人と人がどう繋がるかということ、そういうものを僕らもこの映画を通して探して、答えを見つけることができたと思っています」と本作への思いを吐露。石橋さんは最後に「大きな思いはあるけど、なかなか言葉にできないんですが…。この映画を撮っていて苦しかったし、いろんな人に迷惑をかけたけど、この映画に私はたくさん救われました。多くの人に届けばと思います」と語り、温かい拍手の中、舞台挨拶は幕を閉じた。『夜空はいつでも最高密度の青色だ』は新宿ピカデリー、渋谷ユーロスペースにて先行上映中。5月27日(土)より全国にて公開。(text:cinemacafe.net)■関連作品:映画 夜空はいつでも最高密度の青色だ 2017年5月13日(土)より新宿ピカデリー、ユーロスペースにて先行、5月27日(土)より全国にて公開(C) 2017「映画夜空はいつでも最高密度の青色だ」製作委員会
2017年05月13日「成宮寛貴さんが、2カ月ほど前に帰国したと聞いています。先日、ある有名ブランドのパーティでも目撃されたそうです。でも、みんなに騒がれる前に会場を後にしたそうですよ」(広告代理店関係者) 昨年12月、写真週刊誌『フライデー』に、コカイン吸引疑惑を報じられた成宮寛貴(34)。その直後《今すぐこの芸能界から消えてなくなりたい》という声明文を残し、芸能界から引退。ヨーロッパ経由でバリ島に渡り、同地に潜伏していると報じられてきた。しかし成宮は2カ月前に帰国していたというのだ。引退するまで住んでいたという自宅マンションでも、こんな動きがあったという。 「たしか今年2月ごろだったでしょうか、マンションの前に引っ越し業者のトラックが来て、何人ものスタッフが成宮さんの部屋からあっという間に荷物を持ち出してしまいました。どうやら引っ越されたようです」(近所の住人) 帰国した成宮は、なぜブランドのパーティに出席したのか――。 「成宮さんはファッションに興味があるようで、デザイナーに転身したいという考えもあったようです。でも彼の場合まだ薬物疑惑のマイナスイメージを払しょくできていません。もしブランドを起ち上げられたとしても、彼の商品を置くことに難色を示す店が大半でしょうね」(前出・広告代理店関係者) ほかにも彼が興味を示している仕事がある、と語るのは成宮と親しいクラブ関係者だ。 「成宮さんは、クラブや飲食店の経営にも関心を持っているようです。海外逃避中も繁華街の流行っている店を覗いたり、経営者が書いた本を日本から取り寄せたりして勉強していたと聞いています」 だが「飲食店の開業も資金などの問題があってすぐにとはいかないようだ」とクラブ関係者は顔を曇らせる。これまで経験したことのない分野に次々と“チャレンジ”しようとしている成宮だが、その理由は何なのか。 「引退当時、成宮君には数千万円の貯金があったと聞いています。しかしこれまでの逃避行で予想外に出費してしまい、『これ以上復帰に時間がかかると金が底をつくのでは』という不安が出てきて焦っているようです」(芸能関係者) しかしアパレルデザイナーは難しい、飲食店を出す資金繰りも目途が立たず、行動に移し切れないでいると、貯金もなくなってしまうだろう。「彼はやはり俳優として復帰するしか道はないと考えているようです」と前出の芸能関係者は言う。そこで成宮が頼っているのが、デビューのきっかけを作りその後も何かと目をかけて来たという舞台関係者のA氏だ。 「演劇の世界に精通しているA氏は、成宮さんを小劇場の舞台に出演させて少しずつ復帰させていく予定を立てています。ただA氏は世間の反応を考えると、早くても本格復帰まで1年以上はかけるべきだと進言しているようです」(前出・芸能関係者) 引退表明から5カ月目の決断だが、疑惑の払しょくはそう簡単にできることではない。成宮の“活動”再開の道のりは、まだまだ長く険しいようだ。
2017年04月25日俳優・鈴木亮平が“宮沢賢治”を演じる、6月スタートのドラマ「連続ドラマW 宮沢賢治の食卓」。この度、新たなキャストとして鈴木さん演じる賢治の最愛の妹・トシ役を石橋杏奈が演じることが決定した。大正10年。青年・宮沢賢治(鈴木亮平)は、岩手・花巻の裕福な実家から東京へ家出していた。8か月に及んだ東京暮らしの間も、心を捉えて離さないのは最愛の妹で女学校の教師を務めるトシのことだった。夏の終わりのある日、実家からトシの大病をほのめかした電報が届く。急ぎ帰郷するが、大したことがなさそうなトシ。賢治は家業の質店を継がせたい父・政次郎の策略に引っ掛かったのだった。久々に帰郷したものの、打ち込むべきものが見つからない賢治。そんな中、手作りしたコロッケを家族にふる舞い喜ばれたことをきっかけに、“幸せを分かち合うこと”こそが自らの理想とする生き方だと気付く。そして、その具体的な形として、教師になり子どもたちに幸せを分かち合うことを教えたいと思うように。トシの陰日向からの尽力もあり教師になれた賢治。だがその一方で、トシの体が病魔に侵されていることを賢治はまだ知らなかった――。ドラマは、賢治が愛した食や音楽を切り口とする、“ヤング宮沢賢治、愛と青春の旅立ちの物語”。特に、鈴木さんと石橋さんが演じる、傑作詩篇「永訣の朝」に綴られた最愛の妹・トシとの死別に描かれる兄妹愛は、涙なくして見られない。これまで、「天皇の料理番」やコント番組「LIFE!~人生に捧げるコント~」などで共演経験もある2人。ドラマで石橋さんは、後に日本を代表する詩人・童話作家となる賢治の一番の理解者で、その才能を評価していた妹という役どころに挑戦する。また、女学校の教師という役柄で、バイオリンの演奏に初挑戦も。石橋さんは、「バイオリンは触るのも初めてで全く分からないところからのスタートでしたが、特にすごく上手という設定ではないのが幸いでした(笑)」と話し、「トシはヴァイオリンが好きでたまらないという役なので、楽に、楽しく、演奏出来たらなと思います」とコメント。鈴木さんとの本格的な共演は今回が初めてだと言う石橋さんは、「すごく楽しみです。どんな兄妹愛が出来上がるのか、わくわくします」と心境を語り、「このドラマで描かれている亮平さん演じる宮沢賢治が、とにかく素敵なんです。個人的にはヤスさんと賢治さんのシーンが楽しみです。みなさま、ぜひご覧下さい!!」とメッセージを寄せている。「連続ドラマW 宮沢賢治の食卓」は6月、毎週土曜日22時~WOWOWにて放送予定(第1話無料放送)。(cinemacafe.net)
2017年04月17日「あなた、自分が優しいと思ってるでしょ?」――。天海祐希の言葉に、阿部寛がたじろぐ。映画を観ながら年配の夫から独身の若者まで、このセリフに思わずドキリとさせられる男性は多いはずだ。「ホント、それ!」と心の中で強くうなずく女性も…。若い層の間で、結婚が“コスパ”という基準で語られたり、年配の夫婦(というか妻?)から“卒婚”“熟年離婚”という言葉が聞かれる昨今。結婚とは何か? 夫婦とはどういうものなのか?映画『恋妻家宮本』(こいさいかみやもと)は笑いと共に問いかける。「家政婦のミタ」、「女王の教室」などの人気ドラマを手掛けてきた脚本家・遊川和彦が満を持しての初監督作品として送り出す本作。大学在学中に子どもを授かり、結婚した宮本陽平と美代子は、息子が27歳となり結婚を機に独立したことで、結婚して以来初めて2人きりの時間を持つことに。互いを名前で呼び合うルールを決めるなど、夫婦水入らずの時間を楽しもうとする2人だったがその矢先、夫は妻が本の間に隠していた捺印済みの離婚届を見つけてしまい…。映画の中の宮本夫婦はちょうど50代を迎えたところ。阿部さん演じる陽平は夫として、父親として、小学校の教師として、50歳にして様々な問題に直面し、妻や息子、生徒たちの思わぬ言葉やリアクションに戸惑う。阿部さんも彼らと同世代として劇中の登場人物たちの行動やセリフに自身を重ねる部分があったのでは?「日本人の家庭って、外国人と比べると言葉も少ないでしょうし、愛情表現も下手なんでしょうね。言葉にしないのが美学だったりもするので。でもやはり、言葉にしないとわかんないことってあるんですよ。特に彼らは、結婚と同時にすぐに子どもが生まれたので、結婚生活27年間で2人だけの時間がなかったので、やっと訪れた新婚生活みたいなものですから、戸惑いもある。お互いに長いし、いつも見てるからわかるよね? という気持ちでやってきた部分が多かったんでしょう。そのへんは、うちの家族であったり、親の世代もそうだったなと重なる部分はありましたね」。中でも阿部さんが「ズキンと突き刺さった」と言うのが、陽平が口にする「正しさよりも優しさ」と説くシーン。「優しさって、口でいうのは簡単だけど、どういうものなのか?どこかで僕自身、そういう気持ちが薄くなっているところがあったなと思います。僕自身や家庭もそうだし、社会にとっても、それこそ戦争とか国家の問題も含め、優しさって大事にしなくてはいけないキーワードだし、それがあれば多くのことが解決できるのにって思いました」。天海さんは、冒頭で紹介した自身のセリフを含め、陽平と美代子の間の「優しさのすれ違い」についてこう語る。「2人とも、優しくありたいと思ってるし、相手に対する優しさを持ち合ってもいるんだけど、ベクトルが反対だったり、気にするところが違ってる。違う2人だからこそ、一緒にいて素敵なのかもしれないけど、気づいてもらえない優しさが『悔しい』って思いが美代子にはあったんだろうと思います。『あなた、自分が優しいと思ってるでしょ?』ってセリフも、ザックリとハッキリと言っちゃうでしょ(笑)。結婚して最初のうちは、遠慮もあったんだと思います。でも、あまりに陽平が気づいてくれず、素通りされたんでしょうねぇ…(苦笑)」。27年前に2人が結婚を決めたのはファミレス(ちなみに重松清による本作の原作小説のタイトルは『ファミレス』。映画の中でもファミレスは度々、重要なシーンで登場する)。「子どもができた」と伝える20代前半の美代子(早見あかり)に、若き陽平(工藤阿須加)は責任と本音のはざまで葛藤しつつ、プロポーズする。天海さんは続ける。「このときから、美代子には『この人の本心が見えない』って気持ちがずっとあったんでしょうね。『子どもができた』『じゃあ結婚しよう』――本当にこの人は自分と一緒にいたい気持ちがあるんだろうか?」と。なかなか手厳しい…。陽平は、優柔不断を絵に描いたような男で、プロポーズの場面に限らず、ファミレスの注文ひとつでも、迷い、決断しては、その後も本当にそれでよかったのかと悩む。とはいえ、決断というのは常に純粋な夢や理想、希望が反映するものでもなく、案外、妥協や打算が入り混じったり、その時の勢いで決めてしまうものだったりするのも事実。それを後からふり返って「こっちに決めてよかった」と思うことも多い…。阿部さんは、自身について「決断は、早くなってきてるとは思いますね」と語る。「若いときは、スパッと決断して失敗したこともあったし、早ければいいかって一概には言えないし、じっくりと時間をかけて考え、迷うこともありますよ。決める基準?特にこれっていうルールがあるわけじゃないけど…経験値かな?」。一方、天海さんは「『決めなきゃ』と思いつつ、迷うことはありますよ」と明かしつつ「だけど…」と続ける。「立場上、私が迷うと周りももっと迷ってしまうから、たとえ迷いがあっても『こっち!』と言い切る強さがないといけない部分もあると思います。そういう根拠のない自信も時には必要です。結局、どちらを選んでも『失敗だった』と言わなきゃいいんだから(笑)。自分が『正解』って思えればいいし、失敗に思えたものが、長い目で見たときに成功になってたりもするんです。でも、誰かのせいにしたら、一生悔やむと思う。自分で決めて、最後には成功に持っていく(笑)! 」。そうした決断の積み重ねが、2人の“いま”を築いたと言える。本作を含め、“アラフィフ”と言われる年齢層の2人が次々と主演作を任されるということは、若さが極端に価値を持ち、持てはやされる日本社会において、かなりすごいことである。「自分が20代の頃、50代の俳優さんはとてつもなく年上に見えたし、ものすごい貫禄があった」と阿部さん。「40代を迎えた頃から『あの先輩は40代の頃、あんな風に見えたけど、自分はいま、若い人からそう見えているのか…?』とか考えるようになりましたね。もちろん、時代も状況も違うし、その中でいまもこうやって仕事をさせてもらえているわけですけど。いまだに模索し、迷いつつ、自分に恥じない仕事をやっていけたらと思います。あとは、どこかで若い頃から考えを曲げずにいたいって気持ちはありますね。それはとんがって見えるかもしれないけど、自分の中でいい意味で“意地”として持っていたいなと」。天海さんも「50代って、人として成熟した印象だったし、いざ自分がそこに近づいてみると『全然違うじゃん!』と思います」と苦笑を浮かべる。その一方で「成長しきれない自分と並走しながら人生を歩んでいく」ことを楽しんでいる。「いまの年齢って、人生でいましかないんですよ。だから、その年齢をきちんと楽しみたいし、その年齢の顔になっていたい。私は父に『年相応、分相応でいなさい』と言われ続けてきたんです。若いときに背伸びをする必要もない。大人になれば毎日、化粧をしないといけないんだから、10代の内からそんなことしなくていいし、50代になって、いい大人が無理に若作りする必要もないと。その年齢で、胸を張っていられる顔をしていたいですね」。では、最後にタイトルにも掲げた質問を。夫婦とは何なのか?血の繋がらない2人が生活を、人生を共にする結婚の意義とは…?「それ、(独身の)私には答えられないでしょ(笑)」と冗談めかし、「答えになっていないかもしれないけど…」と前置きしつつ、天海さんはこう語る。「私は自分が誰かと生活を共にするって向いてないと思います。17歳で家族と離れて、この年齢になって、生活空間に誰か他人がいるってのが無理なんですよね(苦笑)。でも、(結婚について)すごくうらやましいなって思うのは、いいことも悪いことも2人で受け止め、乗り越え、2人でしか見られない景色、2人で築き上げてきた景色がある。自分のことを自分と同じように知ってくれている人が近くにいるって、素敵なことだと思います。まあ、いまから残りの人生を誰かと重ねるのはしんどいなぁ…と思うし、若いときにしておけばよかったのかな?とも思うけど(笑)。まあ、私は仕事で疑似体験させてもらって、それで十分なので(笑)。もめごとに遭遇しつつ『ほら、独りがいいじゃん!』って思ったり(笑)。いや、でも、2人でいることの価値って、絶対にあると思います。あ、お前が言うなって(笑)?」。阿部さんは、天海さんの言葉に笑みを浮かべて静かにうなずく。「やはり、大変なことですよ。自分のペースだけで生きてはいけなくなるし、仕事もある中で調整が必要になることもあります。家族を持つってひとつの集団の中で生きていくことであり、おっしゃる通り、他人と生きていくことですから。それは時に自分を曲げることにもなるけど、だからこそ楽しいこともあるんだなって思います。と言いつつ、僕もまだそれほど(結婚して)長くないので、これからいろんなこと起きるんだろうと勉強中です。いまはそんな状態かな…(笑)?」。(photo / text:Naoki Kurozu)■関連作品:恋妻家宮本 2017年1月28日より全国東宝系にて公開(C) 2017『恋妻家宮本』製作委員会
2017年02月01日石橋凌と原田美枝子の次女で、本作が映画初主演となる石橋静河と俳優・池松壮亮の2人が主演する『映画 夜空はいつでも最高密度の青色だ』。この度、本作の超特報映像が解禁された。舞台は2017年、現代の東京。看護師として病院に勤務する傍ら、夜はガールズバーで働き、言葉にできない不安や孤独を抱えながらも、誰かに甘えることもせず日々をやり過ごす美香(石橋静河)と、工事現場で日雇いの仕事をしながら死の気配を常に感じ、どこかに希望を見出そうとひたむきに生きる青年・慎二(池松壮亮)が排他的な東京で生きづらさを抱えながら出会い、そして、恋がはじまる瞬間を描くラブストーリー。原作は、2008年、当時女性では最年少の21歳で第13回中原中也賞を受賞するなど、各メディアから「新しい表現者」としていま最も注目されている詩人・最果タヒの同名詩集。これを『舟を編む』で賞を総なめにし、その後『ぼくたちの家族』『バンクーバーの朝日』など、33歳にして長編映画12本目となる石井裕也監督が映画化を手掛ける。キャストには、主演の石橋さんと池松さんのほかにも、慎二の同僚役に田中哲司と松田龍平、さらに市川実日子、佐藤玲、三浦貴大らが脇を固めている。このほど到着した初公開となる映像は、セリフは一切なく、消費と喧騒に溢れる都会を疾走する美香と慎二の姿や、ひとり呑み込めない思いを抱えながら、懊悩する2人の姿が映し出されている。そして最後には、そんな2人が出会う瞬間が捉えられている。『映画 夜空はいつでも最高密度の青色だ』は5月13日(土)より新宿ピカデリー、ユーロスペースにて先行、27日(土)より全国にて公開。(cinemacafe.net)
2017年01月07日お笑いコンビ・とんねるずの石橋貴明が、1月2日(18:30~23:30)に放送されるテレビ朝日系バラエティ特番『夢対決 2017 とんねるずのスポーツ王は俺だ!!』で、侍JAPANとリアル野球BANで対決。WBC日本代表に「追加メンバーに入ってくれと言われるかもしれません(笑)」と自信を見せる。今回の「リアル野球BAN」対決は、石橋率いる「石橋ジャパン」に吉岡雄二、ゴルゴ松本(TIM)、杉谷拳士(日本ハムファイターズ)が参戦。対する侍JAPANは、坂本勇人(読売ジャイアンツ)、中田翔(日本ハムファイターズ)、山田哲人(ヤクルトスワローズ)、そして前田健太(ロサンゼルスドジャース)が集結する。試合を終えた石橋は「(WBC日本代表の)小久保監督もオンエアを見てもらえれば分かりますが、選手選考に(自分を入れるか)悩んでしまうかもわかりませんね。追加メンバーに入ってくれと言われるかもしれません(笑)」と自信。「追加招集されたら、侍JAPANの四番は中田君、筒香君と僕の争いになってしまうでしょう。あの打撃、勝負強さを見たら…(笑)」と妄想を膨らませていた。中田選手は「試合の途中からはボールも見え始めて結果も出せるようになりましたが、もっと打たないとダメですね」と反省。前田投手は「今日はすごく楽しかったです。前回(1安打)に比べると今日の結果はいいですよ」と予告している。今回の放送では他にも、ゴルフの松山英樹選手と石川遼選手が登場。とんねるずの2人と、ドラコン対決やトラブルショットストローク対決、ホールインワン対決を繰り広げる。
2016年12月19日俳優の阿部寛が11月26日、都内で行われた主演作『疾風ロンド』の初日舞台あいさつに登壇した。原作は国民的ベストセラー作家・東野圭吾による100万部突破の同名小説。東野原作の『新参者』シリーズでも主演を務めている阿部は、「東野さんらしいサスペンスと思いきや、コミカルな部分もあるので、ぜひ用心してほしい」と笑いの要素を含んだ本作をアピールした。『疾風ロンド』舞台あいさつ その他の写真超巨大スキーリゾート地を舞台に、雪に埋められた超危険生物兵器の行方を探す使命を背負わされてしまった“何だかちょっと頼りなく、とにかくツイテない”主人公(阿部)の奮闘を描いたコメディタッチのサスペンス。舞台あいさつには阿部をはじめ、共演する大倉忠義、大島優子、ムロツヨシ、濱田龍臣、志尊淳、吉田照幸監督が顔をそろえた。スキーやスノボ、スノーモービルを多用したアクションも作品の見どころ。スキー場のパトロール隊員を演じる大倉は、「スノーモービル、気持ち良かったです」と振り返り、スノーボードクロス選手役の大島は「見たことない、体感型の映像が見られます。できれば4Dで見たいくらい」と映像の迫力を推していた。「もし一緒に映画を見るなら、誰がいい?」と質問に、阿部は「吉田監督と一緒がいいですね。『このシーンはどういうことですか?』と聞きながら、解説してもらいたい」。共演陣は「志尊くんですね。ふたり並んで映画館の座席にいたら、ザワつきそうじゃないですか?」(大倉)、「阿部さんがご自分の作品を見て、どんなリアクションをするのか見てみたい」(大島)、「いつもは優子と一緒に見てるけど(笑)、この作品は大倉くんかな」(ムロ)、「監督と一緒に見て、いろいろアドバイスをいただきたい」(濱田)、「ムロさんと一緒だと、ツッコミを入れてくれそうで楽しそう」(志尊)と思い思いの回答で、会場を沸かせていた。『疾風ロンド』公開中取材・文・写真:内田 涼
2016年11月26日さまざまなキャラクターを自在に演じ切り、数々の映画賞に輝く阿部寛さん。男らしい佇まいや深みのあるオーラには年々磨きがかかっていくよう。お芝居に対する最近のスタンスや、現場でのあり方、そして目指すところについて直撃しました!今や日本映画界に欠かせない存在である阿部寛さん。重厚な人間ドラマで観客の脳裏に複雑な思いを抱かせてくれたかと思えば、コミカル演技で爆笑させてくれたり、エキセントリックな山男役で異彩を放ったり。どんなキャラクターも自由自在に演じてみせる阿部さんが新作『疾風ロンド』で演じるのは、上司の命令で危険な生物兵器を捜し回る羽目になる研究員・栗林和幸だ。雪深い山林で右往左往し、ジタバタとあがく前半は、かなり残念な感じが漂う男である。「栗林という男は、自分は会社組織の一部だと思い込み、きっとオタク的に研究に打ち込んできたんでしょうね。そして妻亡き今、思春期の息子にどう接していいかわからなくて、父親としても自信を失っているわけです」かなり厳しい分析だが、演じることに決めた以上は、阿部さんも栗林になんらかの魅力を感じたに違いない。それは何なのか?「基本、ダメな男ですよ(笑)。上司の命令に従って、危険な生物兵器を隠蔽しようとするわけだから。ただ、彼が隠そうとしている弱さを通して垣間見える人間くささが魅力かもしれない。演じるときに栗林の弱さが面白いと思いました。ダメな部分が露呈してもしたたかさで乗り切れる女性と違って、男性はボロを出し切っちゃうから」ダメさとは無縁に思える阿部さんだが、クイズ形式になっているバラエティ番組で司会者に突っ込まれてグダグダになったことがあるそう。クールな阿部さんが見せた意外な隙に視聴者はグッときたはず。ところで、本作出演の最大の理由が、「『サラリーマンNEO』の大ファンで、吉田(照幸)監督と組むのを切望していたから」というのにもちょっと驚く。「NEOを作る人ですからね、いい意味でクレイジーです(笑)。鬼才の吉田監督が東野圭吾さんのベストセラー小説をどう撮るかにすごく興味があった。出演作品を選ぶ理由はその時どきによって違います。監督の情熱に打たれて決めるときもあるし、同じ傾向の作品が続くのを避けたいと思うときもあるし。次は脚本で選ぼうかな」本作には、雪山での栗林の捜し物を手伝うスキー場パトロール隊員役とスノーボードクロス選手役で、大倉忠義さんと大島優子さんが出演。若手役者との共演も阿部さんには新鮮な体験なのだそう。「芝居はどんどん変わるものだし、若い役者にはその世代の芝居がある。大倉君や大島さんはアイドルの世界で一線を走ってきた人たちで、僕とは違う経験をしている。当然ながら、感性も違うわけで、刺激も受けます」若い役者さんと共演する際に、何か心がけていることはあるのだろうか。「若手と組むときは特に、演技プランがかなり違っていることを予想して撮影に臨みます。相手に合わせて柔軟に演技を変えるには、演技を固めていかないほうがいいと思うんです。自身の演技プランに固執して現場でゆずろうとしない役者もいるけど、芝居は相手あってのものだから、全てを自分に合わせろというのはリスペクトがなさすぎると思うんですよね」数々の映画賞に輝き、実力はお墨付きの阿部さんでも、「現場ではみんな対等。同じです」ときっぱり。映画やドラマの制作に関わる人全員が等しく努力するのが当たり前、という考え方なのだ。撮影中はさまざまなアイデアを自ら監督に提案することがあるそう。「役者と作品に対していちばん近いところにいて、ジャッジしてくれるのが監督です。だから下手に遠慮されると、ものを作る上ではプラスにならない。でも僕らの年代になると監督や周りの人から意見してもらえなくなるんですよ。だから、いろいろなことを言ってもらえる状況を自分で作ったほうがいいと思うんです。現場ではいつも自分から『どうですか?』って相談するようにしています」称賛や評価に驕ることなく、いい作品を作り続けたいという阿部さんの情熱が言葉の端々から伝わる。ぶれのない阿部さんの姿勢はやはり、実力のある先輩俳優の背中を見てきた証だろう。「若い頃に素晴らしい俳優だと感銘を受けたのは、大滝秀治さんです。あんなに演技に情熱を傾けて作品を作る俳優さんがいるのか、と感動しました。今はやはり勢いのある役者に目が行きますね。でもその人が勢いを失ったら、別の勢いのある役者に目移りします。とはいえ、佐藤浩市さんと中井貴一さんはずっと気になっている役者さんです。説得力のある、素晴らしい演技を見せてもらうと素直に感動するし、すごく気になる。僕にとっては必要な二人です」阿部さんが気になるお二人はanan“大人の男”特集の常連だ。阿部さんが考えるかっこいい大人の男の定義が気になる。「ポリシーを持つことは大切です。仕事でもいいし、生き方でもいいし、きちっとしたこだわりや情熱を持って生きる人ってすごくかっこいいと思います。年を取ると、一種のあきらめが生まれがちじゃないですか?一線から自ら退いてしまったり、手を抜いてしまったり。そうなったときに踏みとどまって、背筋を伸ばして立ってる男って素敵です。先日、仲代達矢さんが20ページ分くらいの長ゼリフを2回もこなされるのを目の当たりにして、感動しました。記憶力がピークの若い役者でも覚えるのが大変な量ですよ。無名塾の代表である仲代さんの、役者として一歩も引かないぞという気概が伝わってきました」そう話す阿部さん自身が役者として心がけていることは?「見てくれる人が楽しんでくれる、感動してくれる作品を作ることですね。もの作りに純粋に向き合える人間でありたいです。そうなると妥協しなきゃいけないことを妥協しない、という大人げないこともあります。でも自分たちが作るものに対する愛情があるから妙に物わかりよくはなりたくないんです。すごく疲れることですが、いいものを作ることへの努力を今後とも惜しまないで続けたい。それが僕のこだわりです」◇あべ・ひろし1964年生まれ。二枚目半を演じたドラマ『TRICK』でブレイクし、ローマ人になりきった映画『テルマエ・ロマエ』で日本アカデミー賞最優秀主演男優賞を受賞。最新作『疾風ロンド』は11/26から全国公開。◇コート¥450,000ニット¥220,000パンツ¥185,000シューズ¥150,000(以上ボッテガ・ヴェネタ/ボッテガ・ヴェネタ ジャパンTEL:0120・60・1966)※『anan』2016年11月16日号より。写真・みなもと(さんずいに首)忠之スタイリスト・土屋詩童ヘア&メイク・AZUMAインタビュー、文・山縣みどり
2016年11月10日お笑いコンビ・とんねるずの石橋貴明がMCを務める、TBS系バラエティ特番『オール芸人お笑い謝肉祭’16秋』が、10月9日(18:30~21:54)に放送されることが31日、明らかになった。これは前日に放送される、同局系の恒例特番『オールスター感謝祭』で目立てなかった、あるいはそもそも呼ばれなかった芸人たちに、再びチャンスを与える趣旨の番組。"TBS渾身の超大型お笑い特番"と銘打ち、芸人10人で1チームとなった計4チーム・40人が、1泊2日の熱海の旅で、体を張ったクイズ対決を繰り広げる。そんな新たなお笑い特番のMC務めるのは、芸人いじりに長けた石橋。サブMCとしてタカアンドトシがサポートし、総合演出は、同局系『好きか嫌いか言う時間』『バナナマンのせっかくグルメ』などを手がける神尾祐輔氏が担当する。
2016年08月31日写真家の石橋英之による個展「Presage / Connotations」が、9月24日まで東京・六本木のイマ コンセプトストア(IMA CONCEPT STORE)にて開催されている。フランス北部にあるリールを拠点に活動する石橋英之は、ファウンドフォトを使ったコラージュやアプロプリエーションの手法を用いた作品で知られる写真家。13年に東京・神田にあるBTギャラリーで個展「Presage/予兆」を開催し、15年には同作の写真集『Presage』を刊行。同年にフランス・マルセイユでも個展「Presage」を開催し、オランダ・アムステルダムで新作「Connotations」を発表し、高い評価を得ている。「Presage」は、蚤の市で購入した古写真やポストカードの断片を精巧に繋ぎ合わせ、コラージュによってひとつのイメージを作り上げた作品。一見すると複数のイメージで構成されていることが分からない程に手を加えることで、一枚の絵としての完成度が高まっている。また、制作の過程で入ったホコリなどの異物はあえてそのまま残すことで作品に奥行きが与えられている。新作の「Connotations」は、「Presage」で用いた“イメージの盗用”と“再構築”というアプローチをさらに発展させたシリーズ。石橋英之の友人であるアメリカ人女流詩人が自身の恋愛経験を綴った極私的な詩に喚起されたポートレイトとなっており、インターネットのハッシュタグ検索で抽出した無数のイメージを用いてコラージュすることで架空の男性を具象化させている。そこに、典型的なファッション広告のようなイメージをも加えることで個人の私的な経験を超え、より社会に対して開かれたイメージへと昇華させた。この試みは、文学と写真の融合のみならず、現代社会における写真と集団的記憶の関係を問いかけている。今回の個展では、ふたつのシリーズのもととなった写真のオリジナルコラージュも同時公開し、その制作の軌跡を辿る。【イベント情報】「Presage / Connotations」会場:イマ コンセプトストア住所:東京都港区六本木5-17-1 AXISビル3階会期:7月29日~9月24日時間:11:00~19:00入場無料休館日:日月曜日、祝日
2016年08月30日第69回カンヌ国際映画祭「ある視点」部門に出品されている是枝裕和監督の『海よりもまだ深く』が5月21日(土)に全国で封切られ、東京・新宿ピカデリーで阿部寛、真木よう子、樹木希林による初日舞台挨拶が行われた。是枝監督と阿部さんらキャスト陣は5月16日(現地時間)にカンヌ入りし、海外プレスの取材を受けるなど、多忙な時間を過ごしつつ18日の公式上映に立ちあった。是枝監督を残して、3人は帰国したばかりで、阿部さんは「たった3日間の滞在だったが、夢のような体験だった」「お客さんと一緒に映画を観るのも貴重な機会ですし、スタンディング・オベーションも本当にうれしかった。一生忘れない光景でした」と初のカンヌ参戦に感激しきりだった。是枝監督の『そして父になる』以来、2度目のカンヌとなった真木さんは、「前回が連日雨でしたが、今回は晴天続きで、歴史ある街並みを歩くことができた」と現地を満喫した様子。「予想をはるかに超える反応をいただき、うれしかったです」と現地のリアクションに手応えを示した。「ばあさんが行くところじゃないですね。もうヨレヨレ」と少々お疲れ気味の樹木さんは、「カンヌはお客さんが厳しいから、普通にブーイングとか起こるでしょ。もしそうなったらと、逃げる用意もしていた」。同行した阿部さんについて、「背が高くてカッコいいから、カンヌの街にぴったり!」とほれぼれしていた。売れない作家の良多(阿部さん)、愛想を尽かし離婚した妻の響子(真木さん)と息子、そして団地で気楽なひとり暮らしを送る良多の母・淑子(樹木さん)。ある日偶然、淑子の部屋に集まった“元家族”は台風が去るのを待つため、一夜をともに過ごすことに…。暖かくもほろ苦い家族の人間模様を描いた本作は、是枝監督が9歳から28歳までを暮らした東京都清瀬市の旭が丘団地で撮影された。『海よりもまだ深く』は全国にて公開中。(text:cinemacafe.net)
2016年05月21日第69回カンヌ国際映画祭『ある視点』部門に出品されている是枝裕和監督の『海よりもまだ深く』の初日舞台あいさつが5月21日に、東京・新宿ピカデリーで行われ、阿部寛、真木よう子、樹木希林が登壇した。舞台あいさつ/その他の写真小説家を目指すも一向に開花しないバツイチ中年男と、そんな息子を深い愛で包み込む母の姿を感動的に描く本作。阿部ら登壇者3名に加えて、是枝監督がカンヌでの公式上映(現地時間18日)に立ちあったばかりだ。初カンヌから帰国した阿部は、「3日間の滞在でしたが、夢のような体験でした。一生忘れない」と感無量の面持ちで、上映後約7分間に及んだというスタンディング・オベーションを「本当にうれしかった。現地でもいい評判をいただいている」と振り返った。真木のカンヌ入りは、是枝監督の『そして父になる』以来2度目となり、「前回は連日の雨で、観光ができなかった。今回、晴天に恵まれて歴史ある街並みを見ることができて、うれしかった」とニッコリ。「予想をはるかに超える反応だった」とこちらも現地での高評価に喜びを示していた。一方、樹木は「ばあさんが行くところじゃない。もうヨレヨレ」と“希林節”で会場を沸かせ、「カンヌは評論家もお客さんも厳しいから、(ブーイングが起こったら)逃げる用意はしていた」。それだけに暖かな反応に安どした様子で、「やっぱり、カンヌでの是枝監督の評価がすごい」と尊敬の念。阿部も「向こうで一番人気があったのが是枝監督。改めてすごいなと思った」とうなずいていた。『海よりもまだ深く』公開中取材・文・写真:内田 涼
2016年05月21日東野圭吾の人気小説『疾風ロンド』が阿部寛主演で映画化されることが決定した。超危険生物兵器の行方を探すという使命を背負わされてしまった“何だかちょっと頼りなく、とにかくツイテない”主人公の物語で、『サラリーマンNEO』『あまちゃん』を手がけた吉田照幸が監督を務め、サスペンスの中に、コミカルなエッセンスを吹き込んだエンターテイメント作品になるという。その他の画像原作は2013年に発売された17年ぶりの文庫書き下ろし小説で、100万部突破のベセトセラーとなった人気作品。東野原作の『新参者』『麒麟の翼~劇場版・新参者~』では切れ者の刑事を演じた阿部だが、今回の役は、大学の医科学研究所に勤める研究員の栗林和幸。仕事はいまひとつ、家庭でも思春期の息子とのギクシャクした関係に悩んでいる、阿部いわく「最近、あまり演じていないような、ちょっとドタバタとしたキャラクター」だという。阿部は「東野さんの原作なのですが、いい意味のドタバタ感があり、スキー場を舞台にしたアクションもたくさんある」といい、「その東野さんの原作を『サラリーマンNEO』などを手掛けた鬼才の吉田監督が、どうやって作品を仕上げていくのかという期待があります。だからこそ、この作品を引き受けました」と明かす。本作は4月中旬のクランクアップを目指して現在、撮影中。「色々な事件が周りで起きて、それらに振り回されながら話が展開していきます。栗林はある種の受け手なので、その中でどんな面白いことができるかを監督と相談しながら演じています。撮影の途中なのでまだ判りませんが、爽快なアクションコメディが撮れているんじゃないかなと僕も期待しています」とコメント。吉田監督は「これまでの自分の作品は集団劇みたいなことが多く、完全に主役の方がひとり立つ事はあまりありませんでした。阿部さんは、ひとりで立つというパワーがある方だなと、最初率直にそう思いました」と話し、「僕がやってきたのは、真面目にやって笑えるということなんです。ですので、真面目なキャラクターであればあるほど楽しく、しかも共感が得られるという、見世物としての笑いではなく共感して笑えるコメディなんです。そういう意味で、阿部さんは、やっぱり破壊力があります」と語っている。東野は「執筆中から映像化されるといいなと思っていました。でもおそらく無理だろうと諦めていました。撮影が困難だということは、素人でもわかるからです。それだけに今回の映画化には驚きました」といい、「小説を読んだ多くの方が、『これを映像で見てみたい』と思ったのではないでしょうか。その夢が叶う時がきました。関係者の一人によれば、例の雪上チャンバラシーンは、『世界にも通用するレベルの迫力』だとか。目にできる日を楽しみに待ちましょう。」と期待を寄せている。『疾風ロンド』11月26日(土)全国公開
2016年04月13日『エヴェレスト 神々の山嶺』が3月12日に公開を迎え、主演の岡田准一をはじめ、阿部寛、尾野真千子、佐々木蔵之介、ピエール瀧、風間俊介、平山秀幸監督が初回上映後の舞台あいさつに臨んだ。『エヴェレスト』初日舞台あいさつ/その他の写真夢枕獏の世界的ベストセラーの長編小説を原作に、標高5000メートルを超えるのヒマラヤでのロケを敢行。世界一の山に魅せられた男たち、彼らに人生を翻弄される女の運命を壮大な自然の美しさの中で描き出す。映画を観終えたばかりの観客の完成に迎えられた岡田は「朝から観に来てくださってありがとうございます」と笑顔を見せた。「いかがでしたか?」と問いかけると大きな拍手がわき起こる。公開を迎え「1年前の撮影を思い出します。ネパールのみなさんをはじめ、協力してくださったみなさんの思いがあってこの場に立てていることを幸せに思います」と感慨深げに語った。阿部は「命がけでエヴェレストで撮影しました。その情熱を感じていただければ嬉しいです」と語り、風間は岡田と阿部を見やり「エヴェレストを登っているときの2人の目がとんでもないことになってました(笑)! いまの(壇上の)2人との違いを楽しんでください!」と呼びかけ笑いを誘った。改めて、初日を迎え感謝を伝えたい存在を尋ねると岡田は「この映画では阿部さんの背中を追いかけて、勉強させていただきました」と語ったが、それを受け阿部は「岡田くんを泣かせようかな?」とニヤリ。「山は大変でしたが、岡田くんが前を歩き、盛り上げ、全てのスタッフに優しく気を使ってくれました。僕より16歳も年下なんですけど、若い岡田くん、ありがとう!」と岡田への感謝を口にする。岡田は「今日はおれ、泣いてもいいですか…(笑)?」と感激を口にし会場は笑いと拍手に包まれた。そしてもう一人、感謝を伝えるべき存在、紅一点ながらもヒマラヤでの撮影に奮闘した尾野に、男性陣からホワイトデーの贈り物としてエヴェレストを模した88.48センチのケーキが贈られた。尾野は奇抜な形のケーキに驚きつつ、岡田の「現場で元気をいただきました!」という感謝の言葉に笑顔を見せた。『エヴェレスト 神々の山嶺』公開中
2016年03月12日俳優の阿部寛が、夢枕獏の人気小説を映画化した『エヴェレスト 神々の山嶺』(平山秀幸監督)に出演。日本映画史上初となるエベレストでの現地ロケを敢行した本作で、伝説的な孤高のクライマーにして、人生すべてをエベレスト登頂にかけた男・羽生丈二を熱演し、圧倒的な存在感を放っている。その他の画像山岳カメラマンの深町誠(岡田准一)は、イギリスの著名な登山家が残したカメラをもとに、彼がエベレスト初登頂に成功したかという登山史上最大のミステリーを追っていた。そんな深町がネパールの首都カトマンズで出会ったのが、阿部演じる羽生丈二。エベレスト登頂に対する羽生の狂気にも似た情熱は、やがて深町の人生をも呑み込んでいく。高地順応を含めると、およそ1か月にわたり標高5200メートルのロケ現場で“極限のリアル”を求め続けた本作の撮影。現地入りを前に、筋力アップや低酸素ルームでのトレーニングも積んだが、「いざ“上”に行くと自分を取り巻く環境は予想以上に過酷だった」と振り返る。それでも、「エヴェレストという大舞台に立ち、大自然を相手に芝居ができる。役者にとっては最高の環境ですよ」と瞳はキラキラと輝いていた。羽生という男を演じて、感じ取ったのは「どんな窮地に追い込まれても、絶対にあきらめない精神力」だといい、「生きる情熱とは何なのか?この映画に出演したことで、より深く考えるようになったし、今後の人生のテーマになった」と静かに、しかし熱をこめて語る。阿部自身も、俳優として確固たるキャリアを築きながら、決して守りに入らない。「あえて厳しい道を選びたいという気持ちは、常にありますね。綱渡り状態のほうが絶対面白いし、ピンチだからこそ見えてくる選択がある。もちろん、今回はいつも以上に不安がありましたが、それ以上に撮影を楽しみにしている自分がいた。羽生じゃないけど、『この窮地をどう乗り越えるか?』って考えるほうが燃えますよ。だからこそ、自分の気持ちを緩めちゃいけないと思っています」(阿部)。『エヴェレスト 神々の山嶺』3月12日(土)全国ロードショー取材・文・写真:内田涼
2016年03月10日石橋凌が3月6日に東京・EX THEATER ROPPONGIで全国ツアー「Neo Retro Music 2016」の東京公演を開催した。【チケット情報はこちら】同ツアーは石橋の生誕60周年を記念して始動したプロジェクト「R=60 PROJECT」の一環として実施。オープニング・ナンバーは『RESPECT THE NIGHT』。伊東ミキオのピアノと太田惠資のバイオリンをバックに、情感豊かに全身でふりしぼるようなシャウトで、一気に場内の気持ちを鷲づかみにするさまは圧巻。続いてTHE GROOVERSの藤井一彦(g)を呼び込み、ARB時代の名曲『Just a 16』を披露、イントロが奏でられるだけで歓声が沸きあがった。さらにはTHE ROOSTERSの池畑潤二(ds)、HEATWAVEの渡辺圭一(b)も加わり、バンド時代の曲とソロのナンバーを交互に繰り出していく。1977年に結成され日本のロック・シーンに大きな影響を与えたバンド、ARBの曲も、今の石橋が表現することでまた新たな魅力を帯びて輝いていく。映画や小説のように心の琴線に触れる歌世界が、ロックンロールという衝動と融合していく。メンバー紹介の際に、「1980年代、各地のイベントでRCサクセションと共演して凄い人だなと思ってました」と石橋に言わしめた梅津和時(sax)とホーン・セクションも加わった贅沢な編成が素晴らしいアンサンブルを聴かせる。中盤の『形見のフォト』、『ヨロコビノウタを!』を演奏する際には、観客に「歌、手拍子、そして演奏も一緒に」と呼びかけ、たくさんのエッグシェーカーを投げ入れる演出も。それに応えて盛り上がるファンとのコラボレーションが熱い。アンコールで「自分にとって恩人がふたりいる」と切り出した石橋は、デビューのチャンスをくれた福岡KBCラジオのディレクター岸川均氏、俳優になるきっかけとなった松田優作と故人ふたりの名を挙げ『縁のブルース』を披露。さらに「What’s a wonderful world」、「Route66」と不朽の名曲を腕利きのメンバーと共にベテランならではの演奏で魅了した。「最近、国内がまた、きな臭い匂いが強くなってきてます。みんなと一緒にこの歌を歌い続けていきたいと思います」と宣言して『ピカドンの詩』で2時間40分にわたる熱演を締めたこの日のMCで「自分が尊敬する好きなミュージシャンと一緒に、魂が乱舞するカーニバルのような一夜にしたいと思っています」と、石橋の口から直接発表されて場内が大いに盛り上がったが、7月20日(水)に東京・赤坂BLITZでバースデイ・ライブの開催が決定した。チケットの一般発売は4月23日(土)午前10時より。チケットぴあでは独占先行を実施中。受付は3月21日(月・祝)午前11時まで。取材・文:浅野保志(ぴあ)■「SOULFUL CARNIVAL 石橋凌BIRTHDAY LIVE」日時:7月20日(水)開場17:30/開演18:30会場:赤坂BLITZ(東京都)【特電番号】0570(02)9947
2016年03月09日石橋凌が3月6日に東京・EX THEATER ROPPONGIで全国ツアー「Neo Retro Music 2016」の東京公演を開催した。【チケット情報はこちら】同ツアーは石橋の生誕60周年を記念して始動したプロジェクト「R=60 PROJECT」の一環として実施。オープニング・ナンバーは『RESPECT THE NIGHT』。伊東ミキオのピアノと太田惠資のバイオリンをバックに、情感豊かに全身でふりしぼるようなシャウトで、一気に場内の気持ちを鷲づかみにするさまは圧巻。続いてTHE GROOVERSの藤井一彦(g)を呼び込み、ARB時代の名曲『Just a 16』を披露、イントロが奏でられるだけで歓声が沸きあがった。さらにはTHE ROOSTERSの池畑潤二(ds)、HEATWAVEの渡辺圭一(b)も加わり、バンド時代の曲とソロのナンバーを交互に繰り出していく。1977年に結成され日本のロック・シーンに大きな影響を与えたバンド、ARBの曲も、今の石橋が表現することでまた新たな魅力を帯びて輝いていく。映画や小説のように心の琴線に触れる歌世界が、ロックンロールという衝動と融合していく。メンバー紹介の際に、「1980年代、各地のイベントでRCサクセションと共演して凄い人だなと思ってました」と石橋に言わしめた梅津和時(sax)とホーン・セクションも加わった贅沢な編成が素晴らしいアンサンブルを聴かせる。中盤の『形見のフォト』、『ヨロコビノウタを!』を演奏する際には、観客に「歌、手拍子、そして演奏も一緒に」と呼びかけ、たくさんのエッグシェーカーを投げ入れる演出も。それに応えて盛り上がるファンとのコラボレーションが熱い。アンコールで「自分にとって恩人がふたりいる」と切り出した石橋は、デビューのチャンスをくれた福岡KBCラジオのディレクター岸川均氏、俳優になるきっかけとなった松田優作と故人ふたりの名を挙げ『縁のブルース』を披露。さらに「What’s a wonderful world」、「Route66」と不朽の名曲を腕利きのメンバーと共にベテランならではの演奏で魅了した。「最近、国内がまた、きな臭い匂いが強くなってきてます。みんなと一緒にこの歌を歌い続けていきたいと思います」と宣言して『ピカドンの詩』で2時間40分にわたる熱演を締めたこの日のMCで「自分が尊敬する好きなミュージシャンと一緒に、魂が乱舞するカーニバルのような一夜にしたいと思っています」と、石橋の口から直接発表されて場内が大いに盛り上がったが、7月20日(水)に東京・赤坂BLITZでバースデイ・ライブの開催が決定した。チケットの一般発売は4月23日(土)午前10時より。チケットぴあでは独占先行を実施中。受付は3月21日(月・祝)午前11時まで。取材・文:浅野保志(ぴあ)■「SOULFUL CARNIVAL 石橋凌BIRTHDAY LIVE」日時:7月20日(水)開場17:30/開演18:30会場:赤坂BLITZ(東京都)【特電番号】0570(02)9947
2016年03月09日ミュージシャンとしてだけではなく、役者としても、全身全霊“表現者”たることを選び続けて来た石橋凌の最新ツアー「Neo Retro Music 2016」が2月6日、福岡・DRUM LOGOSにて幕を開けた。【チケット情報はこちら】ステージ上には池畑潤二(Ds)、渡辺圭一(B)、藤井一彦(G)、伊東ミキオ(Key)、梅津和時(Sax)という鉄壁不動のメンバーがズラリと顔を揃えている。前回のツアーよりもさらに深く広がった音の世界。今回はオープニングも含めて、ある演出が施されており、圧倒的な声量でフロア全体を包み込む、声そのものの魅力に加えて、時にブルージーに、時にファンキーに、絡み合う楽器同士のアンサンブルが、より豊潤な景色を描いていく。この日演奏されたのは、バンド初期のナンバーから最新のソロ曲まで、これでもか!というくらいにたっぷりと並んだ新旧不問のタイトル20数曲。政治的なものから、“目には見えないもの”について歌った曲まで、いずれも時代を問わない輝きと多くの人の胸を打つ、強くて優しい言葉にあふれた曲ばかり。中でも、エッグシェーカーを会場にバラまき「日頃の鬱憤やストレスを吐き出して帰ってください!」とオーディエンスを煽った後のワンシーンは、実に印象的だった。お決まりのコール&レスポンスに加えて、軽快な手拍子と「ヘイ!」という掛け声が、ある曲において自然発生的に巻き起り、曲後に思わず「嬉しい!やはり私の地元です!」と満面の笑みを浮かべた石橋。その抜群の呼吸をして、より深まったファンとの絆にグッと熱いものがこみ上げてきた瞬間だった。MCでは今年7月に60歳を迎えることに触れ、「R=60 PROJECT」を立ち上げたことを報告。ただ「昔から言われているあの辛気くさい漢字ふた文字は禁句です」「“れ”を“げ”に変えて貰ったら、石橋凌、60歳、感激です」とユーモアたっぷりに笑い飛ばす辺りは、さすが石橋凌といった感じだ。プロジェクトとしては今月3日にリリースしたライヴ・アルバム『LIVE Neo Retro Music 2015』が第1弾で、今回のツアーが第2弾。第3弾としては「全国各地で開催されるイベントやフェスにひとつでも多く出て歌っていく」とのことで、今後の動きにも是非、注目していてほしい。ツアーはこの後、2月9日(火)大阪・心斎橋BIG CAT、2月10日(水)愛知・名古屋BOTTOM LINE、3月6日(日)東京・六本木EX THEATER、3月17日(木)北海道・札幌 cube gardenにて開催。チケットは発売中。取材・文:なかしまさおり
2016年02月09日数々のTVドラマの名作の演出を手掛けてきた石橋冠の79歳にしての映画初監督作『人生の約束』が1月9日(土)に初日を迎え、石橋監督に主演の竹野内豊、江口洋介、優香、高橋ひかる、西田敏行が舞台挨拶に登壇した。会社の拡大だけを考えてきた主人公が、親友の死をきっかけに故郷の祭りのために尽力し、人生を見つめ直すさまを描き出す。石橋監督をはじめ、登壇陣は全員、映画の中の四十物町の祭りの法被(はっぴ)を羽織って登場。監督は「新人の石橋です」と挨拶し「ずっとTVでやってきて、1本だけ映画をやりたくて、なんとかできたのがこの作品です。僕にとっての人生の約束であったかもしれません」と感慨深げに語る。竹野内さんは本作の「つながる」というテーマについて「台本を読んで、言葉では分かっていても、本当の意味でつながるということが分かってなかった」と述懐。一方で、全国各地をキャンペーンで回る中で「地方の方は『わかりますよ』という感じで、熱いものを感じました」と明かす。石橋監督もこれについて「“つながる”という言葉の響きに惚れたけど、何なのか深いところが分かってなかった」とうなずく。すると、西田さんが自身にとって「人生の参考書」であるというネイティブ・アメリカンによる詩集「今日は死ぬのにもってこいの日」を取り出し、その中にある「つながる」という本作のテーマに共通する一編を朗読した。西田さんの朗読を聞き終えた監督は「“絆”というのは人間が手を広げて手を掴んでるイメージですが、“つながり”には横だけでなく縦(世代ごとの結びつき)もあるんだと、撮り終わってから気づきました」とうなずいた。西田さんは、ドラマ「池中玄太 80キロ」シリーズなど30年以上にわたり監督と交流があり、「敏ちゃん」「冠さん」と呼び合う仲だと明かし「“監督”と呼んだことはないけど、そう呼ぶなら冠さんの“冠”に人徳の“徳”で冠徳(かんとく)。素晴らしい作品をありがとうございます」と称えた。竹野内さんは石橋監督、西田さんと並んでの舞台挨拶に「子供のころから家族で『池中玄太』を見てて、まさかそのころは、今日のこのような場があると思ってなかった…」と感激を口にする。江口さんは「またもう1本、お願いします!」と次回作の製作を希望し、会場は期待を込めた温かい拍手に包まれた。『人生の約束』は公開中。(text:cinemacafe.net)■関連作品:人生の約束 2016年1月9日より全国東宝系にて公開(C) 2016「人生の約束」製作委員会
2016年01月10日『池中玄太80キロ』など数々のTVドラマの名作を送り出してきた演出家・石橋冠の79歳にしての映画初監督作『人生の約束』が1月9日に公開。石橋監督をはじめ、竹野内豊、江口洋介、優香、高橋ひかる、西田敏行が舞台あいさつに登壇した。『人生の約束』舞台あいさつ/その他の写真長年、石橋監督が抱いていた「映画を1本だけ撮りたい」という思いを形にした本作。会社の拡大にしか興味のなかった主人公が、かつての親友の死をきっかけに故郷に帰り、人生を見つめ直すさまを、郷土の祭を題材に描き出す。TVドラマの世界で知らぬ者のいない石橋だが、舞台あいさつでは「新人の石橋です」と客席に頭を下げ「初日って怖いですね。(観客が)3人しかいない夢を見ました」と苦笑を浮かべる。本作は「僕にとっても“人生の約束”のようなものであったかも。いま、非常に幸せです」と満足そうにうなずいた。この日は、キャスト陣からサプライズで、石橋監督に“約束”という花言葉を持つ白いバラの花束が贈られた。竹野内は「監督の第1回映画作品に出られて、ただただ光栄です。作り手はハートが大事だと学ばせていただきました。その気持ちを受け継いで、精進したいと思います」と感謝の思いを口にした。『池中玄太』以来、「敏ちゃん」「冠さん」と呼び合う仲だという西田は、監督が語る本作の「つながる」というテーマに触れ、自身の“人生の参考書”としているというネイティブアメリカンの詩集『今日は死ぬのにもってこいの日』の中の一編を朗読。30年に及ぶ付き合いの中でも、そんなことをしたのは「初めて」とのことで照れ笑いを浮かべていた。江口は、花束を渡し、監督の現場について「心で芝居をしないといけないし、そうでないと太刀打ちできない。冠さんのエネルギーに引っ張られました」と語り「もう1本お願いします!」とこの1本で終わらず、次回作の製作を熱望した。高橋は本作で映画デビューを飾ったが、監督の個別指導への感謝を口にした。石橋監督は「タバコを吸ったらまた怒ってください(笑)」と相好を崩していた。『人生の約束』公開中
2016年01月09日映画『人生の約束』の初日舞台あいさつが9日、都内で行われ、キャストの竹野内豊、江口洋介、西田敏行、優香、髙橋ひかると石橋冠監督が出席した。全国公開中の本作は、テレビドラマの演出を手掛けてきた石橋冠の映画初監督作品。IT関連企業CEOで仕事人間の中原祐馬(竹野内)は、かつて共に起業するも決別した親友の死を知る。彼の故郷・富山県新湊を訪れた祐馬は、自身の人生を見つめ直していく――というヒューマンドラマだ。観客の温かい拍手で迎えられた石橋監督は、「映画をなんとか1本撮ることが、僕にとっての"人生の約束"だった。少しでもみなさんの心に届くものがあればうれしい」とあいさつ。主演の竹野内は、「非常に晴れ晴れとした気持ちと同時に寂しい。今度は監督といつ会えるのか」としんみりしながら、「石橋監督の第1作に出演できて本当に光栄。モノづくりとしての情熱、作り手はハートが大事なんだということを学ばせてもらいました」と感謝した。また、1980年のテレビドラマ『池中玄太80キロ』シリーズ以来、幾度もタッグを組んできた西田は、「石橋冠と人徳で“冠徳”と呼ばせて」と初日を祝福。「撮影中も敏ちゃんがいるだけで、すごく励まされた。ありがたいコンビを組ませてもらってます」と振り返る石橋監督に、竹野内は、「子どもの頃から『池中玄太80キロ』を見ていたので、まさか今日のこの場があるとは思っていなかった。世の中の人に、石橋監督の情熱が真っ直ぐ届いたらうれしい」と感慨深い表情を浮かべた。イベント最後は、キャスト全員が石橋監督に"約束"を花言葉に持つ白いバラを手渡すサプライズも。「新人なんだから、これからも勉強して。2年に1回くらいのペースで映画を作れば、世の中に残る監督になるんじゃない?」(西田)、「キャストやスタッフに愛される冠さんを見て、こんな大人になりたいと思いました。まだまだ2作、3作と作って、私を出してください!」(優香)と激励された石橋監督は、「照れくさくて死にそう。葬式の棺桶に入ってるみたい」とジョークを言いながら大感激していた。
2016年01月09日『そして父になる』『海街diary』の是枝裕和監督の新作映画『海よりもまだ深く』が来年5月21日(土)から公開されることが決定した。阿部寛、真木よう子、小林聡美、リリー・フランキー、樹木希林らが出演し、現代を生きる家族の姿を描くという。その他の画像本作で阿部が演じる良多は、15年前に1度だけ文学賞をとった売れない作家で、現在は“取材”と言い訳しながら探偵業をしている大人になりきれない男。息子がいるが、妻と離婚しており、母は団地でひとりで暮らしている。そんなある日、たまたま母の家に集まった良太と元妻、息子は台風のために翌朝まで帰れなくなり、夜が明けるまで“家族”として過ごすことになる。是枝監督は「この映画に登場する、阿部寛さん演じる息子も、樹木希林さん演じる母親も、真木よう子さん演じる別れた元嫁も、みな『こんなはずじゃなかった』という思いを抱きながら、夢見た未来とは違ってしまった今を生きています。そして、映画の主な舞台になる公団住宅も、建設された当時は思いもしなかったであろう、老人ばかりの現在を生きています。今回の映画は、そんなどうしようもない現実を抱えながらも、夢を諦めることも出来ず、だからこそ幸せを手に出来ないでいる、そんな等身大の人々の今に寄り添ったお話です」と説明。「なんというか、僕が死んだ後に、神様か閻魔様の前に連れて行かれて、お前は下界で何をしたんだ、と問われたら、真っ先にこの『海よりもまだ深く』を観せると思います。集大成とか、代表作といった言葉がふさわしいわけではないのですが、自分の今を一番色濃く反映出来た作品であることは間違いないです」と語っている。また主演の阿部は「是枝監督の現場は初めてではありませんが、監督は僕らの演技をしっかりと見ていてくださるので、すごく安心感があります。監督の判断にゆだねれば絶対大丈夫だという安心感。作品を最良のものにするための監督の精神は、本当に尊敬しています」と語る。劇中に登場する団地のシーンは、是枝監督が9歳から28歳まで住んでいた東京都清瀬市の旭が丘団地で行われ、樹木は「撮影中、子供時代を知ってる方々にすれちがう、我が団地の出世頭『コレエダ!』わたしは忘れものしても、とりに戻らない。さてこの映画、まあまあなのか上出来なのか、蓋をあけてみるのが楽しみ」とコメントを寄せている。『海よりもまだ深く』2016年5月21日(土)新宿ピカデリー、丸の内ピカデリーほか全国ロードショー
2015年12月25日ミュージシャンと役者のふたつの顔を持つ石橋凌のツアーが、2月21日愛知・ボトムラインよりスタートした。【チケット情報はこちら】今回のツアーは今年1月発売のソロ活動第2弾ミニアルバム『Neo Retro Music』の名が冠されたものだが、セットリストはソロ1作目『表現者』からの曲やバンド時代の曲、カバー曲など新旧多彩。バンドメンバーはソロ1作目からレコーディングを共にしている池畑潤二(Ds)、渡辺圭一(B)、藤井一彦(G)、伊東ミキオ(Key)、梅津和時(Sax)らが務め、ツアー初日の不安を感じさせない骨太なパフォーマンスを披露してくれた。最新作からの新曲パートでは、「サウンドは多様化するけれど、何を歌うかは九州のアマチュアバンドをやってた頃から変わっていない。それは自分の周りで起きたことや世界のこと」「歌は人に歌われて初めて“歌”になる」「中身のないサラブレッドより、中身のある駄馬でいたい」など、各曲ごとにMCで様々な想いを伝えてくれた。また場内に卵型シェイカーを配り、風刺の効いた歌詞をニューオリンズ的サウンドで表現したナンバーでは、会場全体と一緒に歌い、笑い、拳を上げ、体を揺らし、その目が子どものように輝いていたのも印象的。終盤になるとバンド時代の名曲が多く披露され、観客のテンションは一気に最高潮になり、「みんな上手だね」と本人が笑うほどのかけあいもあった。ライブ後には、「ソロとして3年ぶりの名古屋でしたが、お客さんの待っていてくれた感が凄く伝わってきて思わず力が入ってしまいました(笑)」と石橋本人からコメントが届いた。また「今回のツアーでは冒頭にバラードやミディアムテンポの曲を入れたり実験的な試みを数多く行っています。全体的には“音楽の持つダイナミズム”みたいなものを打ち出したかったのですが、名古屋を終えてそれがお客さんに伝わった手応えを感じられました」とも。“音楽の持つダイナミズム”=“ライブの醍醐味”だとしたら、この日はそれを存分に感じられる圧巻のステージであった。ツアーはこの後、2月27日(金)札幌ジャスマックプラザ・ホテルザナドゥ、3月6日(金)大阪BIG CAT、3月7日(土)福岡DRUM LOGOS、3月20日(金)東京Zepp DiverCityで開催。チケットは発売中。※札幌公演のみ藤井一彦&伊東ミキオによるアコースティック編成取材・文:澤井 敏夫
2015年02月26日阿部寛はメールを見て驚いた。送り主は仲間由紀恵。14年におよぶ「トリック」シリーズの終幕を飾る『トリック劇場版 ラストステージ』の撮影最終日。全てのシーンの撮影を終えたという報告と共にスタッフ、キャスト陣で撮った記念写真が添付されていた。そこに阿部さんの姿はない…。数日前にすでに自らの出演シーンは全て撮り終えていたからだ。「その1週間くらい前です。(意外と)あっさり終わりました。その日のラストシーンですらなくて、(スタッフも)『はい、移動です』って感じで、極めてサラリと…(苦笑)。だからメールを見てびっくりしました。泣いてる人までいるよ!って(笑)。その場にいないのが悔しかったですね」。上田らしい、いや『トリック』らしいと言うべきか…。目の前にいるのは役からすっかり離れ、落ち着いた佇まいの仲間さんと阿部さんなのに、語られるエピソードの中の2人は山田奈緒子と上田次郎そのものである。自称・超売れっ子天才美人マジシャン(金欠・貧乳)の山田と、騙されやすい天才物理学者(巨根・童貞)の上田のコンビが、殺人事件や怪奇現象の裏に隠されたトリックを暴いていく人気シリーズがついに幕を下ろす。人気作品を次々と生み出す堤幸彦監督にとっても歴代最長のシリーズとなったが、その中核を担った2人のコンビネーションはどのように生まれたのか――?14年前、仲間さんは20歳。不安と緊張を胸に連続ドラマの撮影に臨んでいた。「民放初主演ですごく緊張してました。阿部さんに生瀬(勝久)さんと周りは大先輩ばかりで…。掛け合いということもよく分かってない中で、最初は一生懸命、投げるばかりで、阿部さんが全てを受け止めて方向性から何から決めてくださいました」。阿部さんにとっても上田というコミカルで奇妙なキャラクターは未知の領域。「最初は手探りだった」と言いつつ、グイグイとコミカルな方向へと足を踏み出していった。これまでにない3枚目のキャラとして、上田の人物像が固まっていく過程を阿部さんはこうふり返る。「最初は『カッコよくいこうか?』って考えてたんです。(同じ堤作品の)『ケイゾク』の渡部(篤郎)さんみたいに。いろいろ可能性を模索したんだけど、それがこうなるとは…(苦笑)。連ドラで上田が大ウソを吐いた回があったんです。シューマッハがどうのって(※上田がF1世界王者のシューマッハに運転を教えたのは自分だと主張する)。そのあたりで観念しました(笑)。当初、台本を読んだときは疑問だったんです。『これを言って成立するのかな?』って。でも、連ドラが毎話、出来ていき、完成したものを見てまた作っていくわけですけど、『確かにこれは面白い!』って思うようになっていきました」。山田と上田の2人のコンビネーションも回を追うごとに深まり、それがまたそれぞれのキャラクターをはっきりと際立たせていくことにも繋がった。決して山田も上田も人間として成長はしないのだが…。仲間さんは、シーズンを重ねる中で覚えた“駆け引き”の面白さをこう語る。「シーズン1では上田にやられっぱなしでしたけど、シリーズを重ねていくうちに掛け合いが面白いと思うようになりました。上田の言うことに反応したりアドリブで返したり。最初のうちは笑いが止まらなくてNGを連発していました(笑)。シーズン2は『今度は笑わないぞ』と決意して臨んで、気の抜けない現場だと実感しつつ楽しかった。蒔田(光治)さんの脚本を読み込み、回を重ねるごとに奈緒子というキャラの幅が見えてきました。最初は上田さんに対しても敬語なのに、だんだん変わっていって、呼び捨てになって、殴ったりウソついたり…。そういう中でだんだん、私も観念していきました(笑)」。阿部さんも掛け合いの中での仲間さんの変化をひしひしと感じていた。「最初の頃の奈緒子は、過去やいろんなものに精神的にも囚われていて、そこに上田が土足で踏み込んでいくような感じで、まさに仲間さんの目の中に入っていくような芝居でした。それがシリーズが進むにつれて、奈緒子がだんだんと手強くなってきた(笑)。殴り返してきたり、一筋縄ではいかなくなってきて。今回、久々にお会いしてやってみると、やっぱり安心感を持ってやらせてもらえるんですよ。僕がどんな芝居をやっても助けてくれるという信頼感があるんです」。「長いような、あっという間だったような――」。仲間さんは14年という歳月をそんな言葉で表現する。「今回で本当に終わりですが、あの世界観は私たちの知らないところでずっと続いているような気がします。終わってせいせいするという気持ちでもないし、寂しさもあるけど、一生お別れという気もしない…不思議な感じです」といまだはっきりとした実感を伴わない別れを語る。阿部さんは、堤監督からもメールを受け取った。それは仲間さんからメールを受け取った撮影最終日よりもさらにずっと後のこと。編集の最終段階でスタジオから送られたものだった。「『編集していて、涙が止まらくなった。寂しいです』って。あの強い堤さんらしくない…いや、普段は強い人だからこそ、メールで本音をのぞかせて、寂しさを語ってくれたんだなと思います」。ラスト近く、これまでの14年の山田と上田の姿が映し出される。「14年間、一緒に歩いてきたから、パッと見せられてもどこのシーンなのかすぐに分かるんですよ」と阿部さん。「ホントに『やめてよ!』って思いましたね」とスクリーンに映し出された20代前半の姿に仲間さんは苦笑する。その声は照れくさそうで、そして少しだけ寂しげだった。(text:Naoki Kurozu)■関連作品:トリック劇場版 ラストステージ 2014年1月11日より全国東宝系にて公開(C) 2014「トリック劇場版 ラストステージ」製作委員会
2014年01月08日直木賞作家・道尾秀介氏の本格ミステリーを映画化した『カラスの親指』。本作で人生の哀しみを背負うサギ師の中年男を好演した俳優・阿部寛が、頭脳明晰な刑事や古代ローマ人など、まるでカメレオンのようにさまざまなキャラクターに挑み続けている理由を明かした。その他の写真タケこと武沢竹夫(阿部)は新米のテツ(村上ショージ)と組み、競馬や骨董をネタに作戦を考え、シノギを上げるサギ師だ。「サギをするシーンが3か所ほどありますが、毎回違うキャラクターでサギを仕掛けるのは面白かったです」とまずはサギ師役の感想を吐露する阿部。映画は、この中年コンビと偶然出会う3人の若者たちが、タケの過去にまつわる一世一代の大勝負に出るまでを描く。「伊藤(匡史)監督は強いこだわりと愛情を持っていて、カット数が尋常じゃなかった(笑)。ただ、だからこそ自分が演じたどのキャラクターたちよりも、タケという男には人間臭い側面がより強く出ていたように思いました」と人世の悲哀を背負った“人間”を演じることが出来て感謝の念を抱いたという。宣伝コピーにあるように近年の阿部は出演映画に限ってみても、頭脳明晰な刑事や古代ローマ人など、まるでカメレオンのようにさまざまなキャラクターに挑み続けている。今作ではサギ師という新たな表情も話題の的で、そこには「自分ではまったくできないと思っているようなことに挑戦したくて」という俳優としての本質的な、課題にも似た願いがあるという。「先日、舞台でシェイクスピアの戯曲に50歳を前にして挑戦しましたが、大恥かいてもいいと思っていましたよ(笑)」と想いを打ち明ける。「そうやって自分を鍛えていくことで、違う自信を持っちゃう自分を抑えているみたいなことはあると思いますね」。演技について、「間違った方向に進んでいても、役者は気づかないことがある。10年ぐらい切り替えができない場合があります」と明かす阿部。最後に本作で重要なモチーフとなる“親指”に掛けて、「それこそ“これでいい”みたいな間違った“親指”を作ることが一番怖いと思いますよ。つねに自分をイジメ抜いて、何度も失敗していい、そういう意気込みで今はやっています」と語っていた。『カラスの親指』公開中取材・文・写真:鴇田 崇
2012年11月26日2011年3月の香港映画祭を皮切りに、2012年8月のインドのオシアン映画祭まで、約1年半にも及ぶ地球一周の巡回上映を経て、ついに日本に逆上陸! アメリカのニューヨーク・アジア映画祭ではオープニング作品に選ばれ、主演・山田孝之が日本人初のライジング・スター・アワードを受賞。北米最大級の映画祭であるファンタジア・フェスティバルでも長編劇映画部門 最優秀監督賞含む4部門に輝くなど、世界中のシネフィルの熱烈な支持を集めてきた、24日公開の映画『ミロクローゼ』。思想や概念を飛び越えた、型にまったくはまらない本作を手がけた石橋義正監督にインタビューを行った。■「ミロクローゼ」というタイトルにはどういう意味があるのでしょうか?この映画では恋をした相手のことを「ミロクローゼ」と呼びます。そして、それは“太陽”をイメージしています。自分自身を照らし、あらためて自分の生き方を見つめ直させてくれるものです。人は闇の中で生きていくことは簡単にできますが、日向で生きることの方が難しい。日向で生きるには、照らしてくれる太陽が必要です。その太陽を見つけるのに命をかけることがこの映画の軸になっています。■鈴木清順監督、奥田瑛二さん、原田美枝子さんの登場には驚きました。キャスティングの経緯を教えてくださいプロデューサーからの提案もあり、相談しながら決めていきました。特に原田美枝子さんは昔からのファンだったのでどうしても出演していただきたい、ということでお願いにあがりました。清順監督は台本を気に入って下さったのかどうかはわかりませんが(笑)、面白そうなことをやっているな、と思ってもらったようで、快く了承して下さいました。■演出で特にこだわったシーンはありますか?基本的には役者さんにおまかせしていました。ベッソンの笑いには微妙なニュアンスが必要だったので、ナレーション含めセリフの言い回しや間の取り方などに少し指示を出した程度です。■凝った映像が印象的ですが、撮影後の編集にはどのくらいの時間を費やしましたか?撮影後の編集には半年ほど費やしました。でも大変だったのは撮影後よりも撮影前に準備をした、遊女の写真が並ぶシーンのための写真撮影でした。300枚ほど制作するのに1年近くかかりました。■映画に登場するキャラクターを他のメディアにも展開させたいとのことですが、具体的なアイデアは?ベッソンが毎回お悩みを解決するというショート番組(ラジオでも)や、何も起こらないけどひたすら面白いキャラクターが登場するという、オブレネリの冒険物語の絵本を作りたいと思います。■この映画は海外の多くの映画祭に出品されていますが、海外のみなさんはどんな反応でしたか?最近は海外の方々もネットを通じて日本の文化をよく知っているので、案外時代劇のシーンも素直に楽しんでいただけたようです。国によっては激しすぎるくらい盛り上がって観てくれていました。■映画監督になろうと思ったきっかけを教えてください小学校3年生の時に『スター・ウォーズ』を観てすっかりハマってしまい、当時7回観に行きました。ストーリーよりもあの世界観やビジュアルや音楽が大好きだったので、何度も観て覚えて帰り、家で想像して再現してみたりしました。それがきっかけで色々なジャンルの映画をたくさん観るようになったんですが、自分で架空の世界を創造したいと、監督を志す様になりました。■映画を初めて作ったのはいつですか?高校生の時に初めて作りました。実写作品でしたが、思ったようには全然作ることができなくて・・・。大学では映画以外の創作活動を色々と体験しましたが、ずっと映画を撮りたいと思っていたので、きちんと映画の勉強をしたくて、英国王立芸術大学(RCA)との交換留学制度を利用して、映画科に入りました。テリー・ギリアムやリドリー・スコットの出身校でもありましたし、本格的な映画の勉強ができるだろうと。半年という短い期間だったし、講義も英語だったので多くを学べたわけではありませんでしたが、そのことが実際に映画を作る非常に良いきっかけとなりました。■これまでに影響を受けた監督や作品を教えてください強い影響を受けたのはスタンリー・キューブリック監督です。中でも一番好きな作品は『アイズ ワイド シャット』です。他にもブライアン・デ・パルマ監督や黒澤明監督は大好きです。画作りを重視している監督や作品が好きですね。■今後はどのような作品を撮りたいですか?今回は比較的ハチャメチャな構成の映画になりましたが、次はロマンがあって、未来と過去に思いを巡らすことができて、ビジュアル的にも見ごたえのある和物を作りたいと思います。『ミロクローゼ』 公式サイト 出演:山田孝之、マイコ、石橋杏奈、原田美枝子、奥田瑛二配給:ディーライツ・カズモ11月24日(土)シネクイントほか全国順次ロードショー(C)2012「ミロクローゼ」製作委員会
2012年11月21日直木賞作家・道尾秀介の人気ミステリーを映画化した『カラスの親指』の完成会見が8月16日(木)に都内ホテルで開かれ、主演の阿部寛に村上ショージ、原作者の道尾さんが出席した。哀しい過去を抱えた詐欺師に彼とコンビを組むことになった新米の中年男、スリの少女とその姉とその彼氏の5人。奇妙な共同生活をすることになった彼らが実行するある大作戦の行方を描く。阿部さんは「人間の悲哀を奥深いところまで描いた作品。観たら温かい気持ちがあふれてくる映画に仕上がっています」と完成した作品に自信をのぞかせる。ほとんど演技初挑戦のショージさんとコンビを組み、石原さとみ、能年玲奈、小柳友といった若手キャストとの現場となったが「現場の雰囲気をそのまま出していけばいいという感じで、力の抜けた感じでやりました」と語り、初挑戦の詐欺師役についても「世間の聞こえは悪いけど(苦笑)、それを(ショージさんと)2人でユーモラスにやってます。楽しみながら作れました」と笑顔を見せた。ショージさんは「プレッシャーを感じながらやった」とふり返る。長ゼリフには相当苦戦したようで「終わった直後は“二度とやるか!”と思った」と語るが、「試写で完成した作品を見たらハマったような感じ」と役者業への手応えをつかんだよう?「死ぬまでに代表作ができて嬉しい。吉本を辞めたとしてもこの作品があるからいいかと思える」と強い思い入れを明かし「このまま(劇中の詐欺師コンビの)タケ&テツとして歩みたい!」と阿部さんにコンビ結成をラブコール。阿部さんからは「自信ないです…」と断られたが、めげることなく演技中の阿部さんのカッコよさを熱弁し「こういう人とコンビ組んだら楽しいだろうと思った」と再三にわたり新コンビ結成をアピールしていた。道尾さんは「初めて5人が暮らす借家のセットを見たとき、あまりにもイメージにぴったりで驚きました。原作では全く書いてないのに、イメージをくみ取ってくださった。あれを見て『これは絶対に面白い映画になる』と思った」と明かす。実際に完成した映画についても大満足のようで「映画を観て自分の作品を素で味わい『いい物語だな』と改めて思えた。こんなに声を出して笑ったりボロボロ泣いたのは久しぶり」とその完成度の高さを称賛した。映画の中のように、これまで騙された経験について問われたショージさんは「前にお米のCMの仕事で、吉本の担当のお偉いさんから『ほとんどお前に決まりや』と言われたのに待てど暮らせど何もないので、聞いてみたら『残念ながら(オーディションで)素人に負けた』と言われた。芸人は目先のお金を計算して経理に前借するので(笑)、そのお金を返すのに走り回った。あのときは騙されたと思いました」と苦い経験を告白。実は、この日も映画のどんでん返しさながらのドッキリをショージさんに敢行!事前に何も知らせないままショージさんが本作のプロモーションのための全国行脚に出ることが突然、発表された。これにはショージさんも「嘘やろ?アホなこと言うな!」と信じられない様子だったが、阿部さんから「僕は忙しいので。コンビは組めないけどテツ一人で行ってきて下さい」と託されると、観念したように「阿部さんが言うなら行きます」と応じ、そのまま全国への旅に出発した。最後に阿部さんは改めて映画について「人間再生のドラマです。温かい気持ちになっていただければ」と語り、サプライズ仕立ての会見は幕を閉じた。『カラスの親指』は11月23日(金・祝)より公開。■関連作品:カラスの親指 2012年11月23日より全国にて公開© 道尾秀介・講談社/2012「カラスの親指」フィルムパートナーズ
2012年08月16日映画『逆転裁判』が2月11日(土・祝)に公開を迎え、主演の成宮寛貴、斎藤工、桐谷美玲、中尾明慶、石橋凌、小日向文世、三池崇史監督が舞台挨拶に登壇した。シリーズ累計450万本の売り上げを誇る大人気ゲームを実写映画化。新米弁護士の成歩堂龍一が、事件に巻き込まれ殺害された上司の遺志を引き継ぎ、法廷で激しいバトルを繰り広げて真相を明らかにしていく。ゲームの世界観を忠実に再現している本作。キャラクターへの成りきりぶりも話題になっているが、ギザギザの生え際が特徴的な成歩堂を演じた成宮さんは、自身の扮装姿を初めて見たときのことを「やばい、と思いましたね。『監督、大丈夫なんでしょうか?』と聞きました。最初は慣れなくてむず痒かったです」と、ふり返る。さらに、石橋さんは「みんなでカメラの前に立ってるときはいいんです。一人で楽屋に戻って姿見を見て、『誰がタカラジェンヌやねん!』」と、突っ込まずにいられなかった様子を告白。続けて、「僕は高校に入ってバンドを組みまして、胸元まで髪があったんですね」と過去を明かしながら、「ただ、フリフリをつけたのは人生で初めてでした。工くんとフリフリをつけているんですけど、食事をしていても、何をしていても邪魔でした」と語り、「めんつゆがつきそうになるんですよね」と共感する斎藤さんと、頷き合った。一方、「僕は衣裳合わせの時にすっかり気に入ってしまいまして。セーターがチクチクしてちょっと暑かったけど、実はすごくオシャレだったし、かつらもあんなにフサフサの長い毛で。20代の頃の髪型に近い感じで、老けた役にしては僕自身は意外と若くなったかなと思っていました」と言う小日向さんのようにすっかり気に入ってしまった者もおり、原作ゲームの大ファンだという桐谷さんも「衣裳や髪型は何回も合わせました。お姉ちゃん(壇れいさん)が乗り移るシーンは、同じ格好でも(桐谷さんが演じた)真宵サイズにしてもらっているんですよ」と、徹底したこだわりに大満足していた。さらに、ニット帽姿の中尾さんは、地毛で撮影に臨んだことを明かした上で、「そろそろ『2』の話も出てくるんじゃないかと予想して、髪の毛を伸ばそうと今日はニット帽をかぶってきました」と、続編への期待もチラリ。最後には登壇者全員で成歩堂を模した特製だるまに目を書き入れ、まずは本作のヒットを誓っていた。『逆転裁判』は全国東宝系にて公開中。■関連作品:逆転裁判 2012年2月11日より全国東宝系にて公開© CAPCOM/2012「逆転裁判」製作委員会■関連記事:生ハムメロンに異議あり!成宮寛貴VS斎藤工の激しい舌戦が勃発!?シネマカフェ読者ゴコロなんでもベスト5(第23回)あなたが萌える“スーツ男子”は?三池崇史監督最新作は法廷バトル!『逆転裁判』試写会に30組60名様をご招待成宮寛貴の哀しい恋の告白に、桐谷美玲「かわいそう…」と同情
2012年02月13日大人気ゲームを映画化した『逆転裁判』の完成披露試写会が1月16日(月)に都内で行われ、成宮寛貴、斎藤工、桐谷美玲、中尾明慶、石橋凌、柄本明、三池崇史監督が特設の法廷で激論を交わした。長年追いかけてきた事件に関して新たな証言が見つかったというメッセージを遺し、弁護士が殺害される事件が発生。被害者の妹が逮捕されるが、彼女の無実を信じ、被害者の部下であった新米弁護士の青年・成歩堂龍一(成宮さん)が激しい法廷バトルを繰り広げ、事件の真相を解き明かしていく。成宮さんは三池監督について「ひと言で言うなら天才。何が起こるかワクワクしてました」と語り、さらに「甘い匂いがするんです(笑)」とコメント。これには三池監督も「何じゃそりゃ?一般的には加齢臭ですが…」と困ったような笑みを浮かべていた。桐谷さんは、原作ゲームの大ファンだったこともあり「最初に話を聞いたときはびっくりするくらい嬉しくて『わあっ!』って声を上げました。みなさんが衣裳を着てのキャラクター姿を見たときは、『(ゲーム)そのままだ』と感動しました」とファンならではの視点で出演の喜びを語った。三池組の常連、石橋さんも「三池さんがやると聞いてぜひやりたいとすぐに決めました」と明かし、「法廷のセットが素晴らしくて感動しました」と細部にわたって原作の世界を再現した監督の力量を絶賛した。この日、開廷した法廷では、それぞれが自らの行いを証言台に立って告白。周りは「異議あり」or「異議なし」のボードを掲げて判決を下す。斎藤さんは、某有名レンタルビデオ店で「必ず、自分の作品を前に置くようにしています」と意外な行動を証言。これに成宮さんは「僕は雑誌を必ず多めに前に置くようにしてます」と同調。石橋さんも「(自身が主演する)三池監督の『オーディション』を嫌いな監督の作品の上に重ねておいたことがあります」と明かした。桐谷さんは「勇気がないので私の分もやってほしいです」とお願い。少しでも出演作を目立たせたい俳優の心情をのぞかせた。最後に証言台に立った成宮さんは「好きだった子の喜ぶ顔が見たくてサプライズでプレゼントをあげたのに『サプライズプレゼントをくれそうだからあまり驚かない』と言われた」と哀しい恋の思い出を証言。“異議申し立て”というより単なる告白となったが「かわいそうで…」(桐谷さん)と同情を集め、全員から「異議なし」の札を勝ちとり「心が晴れました」とホッとした笑顔を浮かべていた。『逆転裁判』は2月11日(土・祝)より全国東宝系にて公開。■関連作品:逆転裁判 2012年2月11日より全国東宝系にて公開© CAPCOM/2012「逆転裁判」製作委員会
2012年01月16日『麒麟の翼~劇場版・新参者~』の完成披露試写会が1月15日(日)に開催され、主演の阿部寛を始め、新垣結衣、松坂桃李、田中麗奈、三浦貴大が出席。上映直後にはサプライズで歌手のJUJUが登場し、主題歌「Sign」を生で歌い上げた。東野圭吾の人気連作である加賀恭一郎シリーズの1作を、連続ドラマ、スペシャルドラマに続いて映画化した本作。胸を刺され、日本橋の翼のある麒麟像の前で息絶えた男の事件の謎に、日本橋署の敏腕刑事・加賀が挑む。映画上映直後、再び幕が上がるとJUJUが登場し「Sign」をピアノ伴奏に合わせて熱唱。事前にJUJUの登場を知らされていなかった観客は力強い歌声に酔いしれた。このステージが今年の舞台初めというJUJUは「こんな素敵な作品に関わらせていただけたことだけでも光栄ですが、こうして歌わせてもらい幸せです」とニッコリ。「生きていると、素直に言った方がいい、気持ちが言えないことがほとんど。分かってても素直に受け取れないことがありますが、後悔から生み出される明るいこともあるんじゃないかという思いで作りました」と楽曲に込めた思いを明かした。舞台袖で「みんなで横から見てました」という阿部さん。「歌詞の力、歌の力を感じました。思いが伝わる曲で感謝してます」と感動しきりだった。この日の登壇陣のうち、阿部さんと新垣さん、松坂さんの3人は辰年の年男&年女。今年の抱負を尋ねると、阿部さんは「48歳になりますが、この後の映画(『テルマエ・ロマエ』)では裸になったりもしてるので(笑)、恥ずかしいこともどんどんやっていきたいです」と語った。新垣さんは「プライベートでは食生活を改めたい。好きな食べ物が体に悪そうなものばかりなので、野菜も食べて、体を動かして綺麗になりたい」と宣言。司会者から「これ以上綺麗になってどうするんですか?」とツッコまれると「中はドロドロしてるんです」と苦笑交じりに明かした。松坂さんは「風邪をひかないように」とこちらも健康第一。さらに「この作品と共に、龍の如く昇っていけたらと思います」と飛躍を誓った。田中さんは今年、本厄ということだが、実は役者にとって厄年は“厄”と“役”つながりでよい年になると言われているとか。阿部さんからの「僕も本厄の年にいろんな役をやりましたよ。『結婚できない男』とか…(笑)」という本厄の年のご利益(?)の証言に田中さんは「そうですね。『結婚できない女』とか(笑)、いい役に出会えるように精進したいです」と笑顔で語った。三浦さんは「いつもと変わらず暮らしていければ」とマイペース。「仕事が忙しいのはいいけど、それ以外は家にこもって静かに暮らしたい」と新年早々の“ひきこもり”宣言で笑いを誘っていた。『麒麟の翼 ~劇場版・新参者~』は1月28日(土)より全国東宝系にて公開。■関連作品:麒麟の翼~劇場版・新参者~ 2012年1月28日より全国東宝系にて公開© 2012映画『麒麟の翼』製作委員会■関連記事:このミステリーが泣ける!『麒麟の翼~劇場版・新参者~』試写会に10組20名様ご招待駆け引き上手な俳優No.1は藤原竜也!向井理、西田敏行らが上位にランクイン【TIFFレポート】新垣結衣、阿部寛と溝端淳平の“職務質問”に「興奮しました」【TIFFレポート】映画祭開幕!ミラジョヴォら美しき女優陣のファッションに釘づけ癒し系?頼れる系?親友にしたい俳優ランキング三浦春馬と天海祐希が1位に!
2012年01月16日