米AMDは16日(現地時間)、米国で開催中の「E3 2015」に合わせて、記者説明会を開催し、"Fiji"の開発コード名で知られていた次世代GPU「Radeon R9 Fury」シリーズを発表した。「Radeon R9 Fury」はビデオメモリに広帯域メモリHBM(High Bandwidth Memory)を採用した製品。DRAMダイを積層し、GPUと同一のパッケージに収めることで、GDDR5メモリと比較して、電力当たりの性能は3倍に向上するほか、実装面積を大幅に削減することができるという。一方、製造プロセスは従来と同じ28nmプロセスを採用する。「Radeon R9 Fury」シリーズとして、液冷の「Radeon R9 Fury X」、空冷の「Radeon R9 Fury」、6インチの短尺モデル「Radeon R9 Nano」、デュアルGPUモデル(名称不明)の4モデルをラインナップする。このうち、「Radeon R9 Fury X」は6月24日に649ドル、「Radeon R9 Fury」は7月14日に549ドルで発売するという。また、「Radeon R9 Nano」は2015年夏、デュアルGPUモデルは2015年秋に投入される見込み。「Radeon R9 Fury X」のスペックはSP数が4,096基(64Compute Units)、動作クロックが最大1,050MHz、メモリは4GBのHBMで、インタフェースは4096-bit、メモリバンド幅は512GB/s、補助電源は8ピン×2。このほかのモデルについて、スペックは明かされていない。また、AMDは説明会の中で「Radeon R9 Fury」シリーズを搭載した小型フォームファクタのゲーミングPC「Project Quantum」も公開した。「Project Quantum」は2つのボックスを上下につないだようなデザインで、下のボックスにシステムを収め、上のボックスは冷却に使用するとしている。
2015年06月17日エアバス(本社: 仏トゥールーズ)はフランス時間の6月15日、米ロサンゼルスを拠点とする航空機リース会社のエア・リース・コーポレーション(ALC)がA350-900を1機と、A320ファミリーを4機(A321ceoが1機、A320ceoが3機)を発注したことを発表した。今回確定発注された分を合わせると、ALCのエアバス機に対する合計発注数は262機となる。そのうちワイドボディ機が66機(A330ceoが15機、A330neoが25機、A350-900が21機、A350-1000が5機)で、単通路型が196機(A320ceoが30機、A320neoが31機、A321ceoが26機、A321neoが109機)となる。A350XWBはエアバスの最新の長距離用中型ワイドボディ機。多くの革新技術を取り入れ、乗客の快適性、運航効率性、コスト効率性を高めた。また、A320ファミリーはこれまでに1万1,700機以上の受注を獲得し、300社を超える顧客に6,500機以上を引き渡している単通路型機となっている。幅広い客室を備え、エコノミー・クラスで標準18インチの快適な座席を装備。なお、新型エンジンを搭載するA320neoは大型のウイングチップであるシャークレットを装備し、合わせて燃費を15%削減する。
2015年06月16日インティメート・マージャーは6月12日、米Turnへのオーディエンスデータの提供を開始した。Turnは、米シリコンバレーに本社を設け、エンタープライズ向けデータマネジメントプラットフォーム「Audience Suite」と、ビデオ・モバイル・ソーシャル・ディスプレイ広告用のデジタルメディアバイイングプラットフォーム「Campaign Suite」、マーケターのために設計されたデータ検索・最適化・保管ソリューション「DataMine Analytics」の3つのリアルタイムマーケティングアプリケーションを提供する。今回の連携により、広告主や代理店などの担当者は、Turnのプラットフォーム上で、インティメート・マージャーが提供するオーディエンスデータを活用した広告の配信が可能に。5,000を超える性別や年齢などのデモグラフィックな情報や、興味関心などのサイコグラフィックな情報などが利用できる。同社は今後、保有する約4億のオーディエンスデータの精度を高めるとともに、膨大なデータを容易に管理・分析できるツールを提供することで、企業の市場分析やマーケティング課題解決をサポートしていく考えだ。
2015年06月15日米Twitterは6月11日(現地時間)、最高経営責任者(CEO)のDick Costolo氏が同職を退任することを発表した。同氏は取締役にはとどまるが、7月1日より創業者の1人であるJack Dorsey会長が暫定CEOを務める。2013年11月に株式上場を果たしたTwitterは、広告収入こそ順調に伸ばしていたものの、アクティブユーザー数の伸び悩みから減速感を強めていた。ライバルと見なされていたFacebookとの差が開く一方で、InstagramやSnapchatのような新サービスの成長もあり、今年に入って成長戦略を遂行できる舵取り役を求める声がウォール街で高まっていた。今後は取締役会が設置した特別委員会が、内外の候補を対象に新CEO選定作業を進める。同委員会は独立取締役のPeter Currie氏をリーダーとし、創業者の1人であるEvan Williams氏やベンチャー投資家のPeter Fenton氏を含む。
2015年06月12日6月5日に発表された5月の米雇用者数が市場予想を上回ると、同国の年内利上げ観測を背景にメキシコ・ペソが対米ドルで売られました。そして、ペソの対米ドル・レートは、3月に付けた水準を下回り、1993年の通貨単位変更以降の最安値を更新しました。こうしたペソ軟調の主な背景として、米国での利上げとそれに伴なう同国債券利回りの上昇などを受け、これまで新興国に流れ込んでいた投資資金が米市場へ回帰するとの観測に基づく、新興国全般に対する先行き不安が考えられます。しかし、米国で見込まれている利上げは、景気の足取りがより確かになったことを反映する動きであり、結びつきの強い隣国メキシコにとっては、対米輸出の拡大や米国で働いているメキシコ人労働者からの国内送金の増加などにつながると見込まれます。過去を振り返っても、米国経済の好調はメキシコにとってプラスの要因となる傾向があり、2008年のリーマン・ショックのような非常時を除くと、両国の通貨は概ね似通った推移を辿ってきました。ところが、足元では米ドルがほぼ全面高となる一方、ペソは他の新興国通貨とともに売られており、両者の動きに大きなかい離が見られます。こうした中、ペソの状況について、メキシコ中央銀行総裁は5月下旬のインタビューで、市場の過剰反応によって売られ過ぎとなっており、今後、上昇する可能性があるとの見解を示しています。メキシコのGDP成長率は、1-3月期に前年同期比+2.5%にとどまったものの、米国景気の回復に伴なう輸出拡大などを背景に、今後、加速が見込まれています。特に、4月に日米の自動車メーカーが相次いでメキシコでの投資を発表するなど、自動車関連産業の健闘が期待されています。また、6月7日投開票の下院選挙では、連立与党が過半数に迫る議席を確保した模様で、相対的に安定した政治環境の下、今後はエネルギー改革の進展が期待されます。新興国の中でも安定感のある経済・政治状況に加え、先進国に比べて高い長期債利回り水準などから、米国の利上げ開始を巡る市場の動揺が一巡すれば、ペソの見直しが期待されます。(※上記は過去のものおよび予想であり、将来を約束するものではありません。)(2015年6月10日 日興アセットマネジメント作成)●日興アセットマネジメントが提供する、マーケットの旬な話題が楽に読める「楽読」からの転載です。→「楽読」※1 当資料は、日興アセットマネジメントが市況等についてお伝えすることを目的として作成したものであり、特定ファンドの勧誘資料ではありません。また、弊社ファンドの運用に何等影響を与えるものではありません。なお、掲載されている見解は当資料作成時点のものであり、将来の市場環境の変動等を保証するものではありません。※2 投資信託は、値動きのある資産(外貨建資産には為替変動リスクもあります。)を投資対象としているため、基準価額は変動します。したがって、元金を割り込むことがあります。投資信託の申込み・保有・換金時には、費用をご負担いただく場合があります。詳しくは、投資信託説明書(交付目論見書)をご覧ください。
2015年06月10日米Appleは8日(現地時間)、サンフランシスコで開催されたWWDC基調講演において、Apple Watch向けの初のメジャーソフトウェアアップデートとなるwatchOS 2の機能を発表した。Apple Watchの販売が開始されてからわずか6週間でのアナウンスとなる。開発者向けに提供されるwatchOS 2用WatchKitにおいては、これまでiPhoneに依存していたアプリ開発がネイティブで可能になり、Apple Watch単体で稼働するアプリが実現できる。新たにデジタルクラウンやTaptic Engine、心拍センサー、加速度センサー、マイクなどのハードウェアへのアクセスも可能となっている。また、ソフト面ではオーディオや動画の再生とアニメーションが可能。ClockKitフレームワークによって文字盤上のコンプリケーション(文字盤で使用するウィジェット)にデータを提供することもできる。OSの新機能としては、文字盤にユーザーが写真を設定したり、手首を上げる度に指定したフォトアルバムから写真を表示することができる。また、Appleが用意したニューヨーク、ロンドン、上海などの24時間を記録したタイムプラス動画を文字盤に設定し、実際の時刻とシンクロさせて見ることができる。「タイムトラベル」機能では、デジタルクラウンを回すことで時刻表示に合わせて過去・現在・未来のスケジュールやイベント、天気を見たり、またフライト情報などサードパーティーからの情報も確認が可能。「メール」にはリプライ機能が追加され、音声テキスト入力絵文字などで返信が可能に。FaceTimeオーディオでの通話にも対応。「友達」では複数のグループ作成機能が追加され、また手描きでスケッチを送信できるDigital Touchは複数カラーの使用が可能になる。この他、充電中に横置き表示に対応する「ナイトスタンドモード」や、Siriを使ったワークアウトの開始・グランスの起動・メール返信といった新機能を追加。iOS 9の新機能に合わせ、Walletと連携したポイントサービスやカードの利用、マップと連携した乗り換え案内や交通機関の詳細情報の確認にも対応する。セキュリティ面でApple IDでApple Watchを保護し、紛失・盗難時にワイプやアクティベーションを防ぐ「アクティベーションロック」機能が搭載される。watchOS 2用のWatchKitを含むiOS 9 SDKベータは、iOSデベロッパプログラムメンバー向けに即日提供開始。watchOS 2は今秋提供開始予定となっている。なお、一部の機能は地域や言語を限定して提供される可能性がある。
2015年06月09日米Appleは6月8日(現地時間)、同社が米国サンフランシスコで開催中の開発者向けカンファレンス「WWDC2015」の基調講演において、新音楽サービス「Apple Music」を発表した。Apple Musicはストリーミング再生サービスの「Apple Music」、24時間ライブ放送される世界規模のインターネットラジオ局「Beats 1」、アーティストとファンの交流機能「Connect」の3つのサービスで構成される。Apple Musicではユーザーのライブラリの曲がiCloudにアップロードされ、Appleが持つ3,000万局以上のカタログと合わせて自由にストリーミング再生できるようになる。また、ユーザーの設定に合わせてアップルのエキスパートがプレイリストを作成するキュレーションサービス「For You」も定供される。Siriも統合され、「1994年のベストソングは?」「2011年2月のトップソングは?」といった質問からの再生も可能になる。機械による選択ではなく、人間の手による選択がポイントとなる。Beats 1はニューヨーク、ロサンジェルス、ロンドンからそれぞれ著名なDJが24時間規模で放送するインターネットラジオで、音楽や音楽文化について100カ国以上で全リスナーが同時に同じ番組を聞くことになる。アップル自身のミュージックラジオも、著名なDJによって幅広いジャンルの音楽から選択された曲が放送される。有料メンバーの場合は、曲を自由にスキップできるようになる。Connectはアーティストとファンをつなぐ場として機能する、一種のSNSやミニブログといったサービス。アーティストは歌詞や写真、ビデオなどを自身のiPhoneなどから直接アップロードでき、ファンはそれらにコメントできるほか、FacebookやTwitterなどで共有もできる。Apple Musicは月額9.99ドル(約1,250円)の有料サービスで、最初の3カ月は無料で提供される。また月額14.99ドル(約1,800円)で家族6人までが利用できるファミリープランも提供される。利用できる環境はiPhone、iPad、iPod touchと新しいバージョンのiTunesをインストールしたMacおよびWindows。今秋からはApple TVとAndroidでも利用できるようになる。
2015年06月09日米Appleは8日(現地時間)、サンフランシスコで開催されたWWDC基調講演において、この秋に提供される「iOS 9」の機能を発表した。主な特徴は、新設計のSiriと検索機能により、ユーザーの次のアクションを先回りしてアプリや情報提供のアシストを行うことや、iPad向けのマルチタスク機能の搭載、また数々のビルトインアプリ刷新などとなっている。基調講演において、Apple ソフトウェアエンジニアリング担当副社長 クレイグ・フェデリギ氏は、新たなバージョンのSiriは以前のものより40%高速化したと説明。Siriで「昨年8月のユタの写真」と検索し、表示された画像をリマインドする、といった文脈的なリマインド機能をデモで見せた。また、利用者の活動パターンに基づき、最も関連性の高い情報を予測して探し出したり、利用者が入力する前に起動すべきアプリや連絡すべき人物を自動的にサジェストするなど、ユーザーの先を読むアシスタントとして機能。検索結果のカテゴリも、スポーツのスコアやスケジュール、動画、計算機など、より広くなった。iPad向けには新たに「Slide Over」機能により、スワイプするだけで2つのアプリを同時に画面上に表示させることが可能になる。さらにタップすれば画面を分割するSplit View機能が起動し、2つのアプリを並べて使用が可能。「Picture-in-Picture」機能では、他のアプリを使いながらFaceTimeやビデオの視聴が利用できる。これらのマルチタスク機能はビルトインアプリが対応する他、サードパーティー製アプリにも簡単に搭載できるAPIが提供される。入力・編集をアシストするShortcut Barや、Multi-Touchジェスチャー機能も追加されている。ビルトインアプリのアップデートでは、「マップ」が新たに主要都市の交通機関網と時刻表をサポートし、乗り換え案内に対応し、電車・地下鉄・バス・徒歩の組みあわせたルートを提案。飲食やショッピング関連の検索をすると、近くの関連施設を表示するNearby機能も搭載する。「メモ」は新たに指を使ったドローイングに対応する。また、チェックリストの作成や、写真を直接取り込むこと、他のアプリから重要なアイテムを直接ノートに記録することも可能。新たに追加される「ニュース」アプリは、新聞・雑誌のデザインレイアウトとインタラクティブなデジタルメディアを統合し、利用者の関心を学習して関連したコンテンツを配信するパーソナライズされた媒体となるもの。これは、カスタムタイポグラフィー、ギャラリー、オーディオ、ビデオ、インタラクティブアニメーションに対応するデジタル配信フォーマット「Apple News Format」で動作する。Apple Payには、小売業者発行のクレジットカードやポイントサービスに対応する「Discover」機能が搭載される。PassBookが新たに「Wallet」アプリとなり、Wallet内でカードを管理する仕組みとなる。また、7月から英国でもApple Payの提供が開始される。iOSの基盤については、バッテリー消費の最適化により持続時間が標準で約1時間長くなり、さらに延長できる低電力モードも追加。また、より小さな空き容量でソフトウェアをアップデートしたり、「Install Later」機能で使用していない時間にアップデートを行える。パスコードの強化やOSレベルでの2段階認証搭載で、デバイスやApple IDへの不正アクセスをより難しくする。デベロッパ向けのAPIでは、サードパーティー製アプリへのディープリンクへの拡張検索機能、ゲーム開発向けのGameplayKitとModel I/O、またゲームプレイを記録するためのReplayKit、自動車メーカーのCarPlayアプリ開発サポートなどの他、新たなHomeKitプロファイルやHealthKitデータポイントが提供される。iOSおよびOS Xのためのプログラミング言語SwiftはSwift 2にアップデートされ、新機能とパフォーマンス改善を提供。また、Swiftのコンパイラと標準ライブラリは今年後半にオープンソースとして利用可能になる。iOS 9ベータソフトウェアとSDKは、iOSデベロッパプログラムのメンバー向けに即日提供開始。パブリックベータプログラムは7月より提供される。iOS 9のリリースは2015年の秋となる。対象機種は、iPhone 4S以降、第5世代のiPod touch、iPad 2以降、iPad mini以降となっている。なお、今回発表されたうち、一部の機能は地域や言語を限定して提供される可能性がある。
2015年06月09日米Integrated Device Technology(IDT)は、6月2日、高速・高効率半導体素材であるGaN(窒化ガリウム)ベースのデバイス技術を米Efficient Power Conversion(EPC)と共同で開発すると発表した。通信・コンピューティング、ワイヤレス給電。高周波(RF)の3分野で、IDT製品にEPCのGaNデバイスを組み込み、高速・高効率化を図る。通信・コンピューティング部門では、GaNの低容量およびゼロQRRをチップスケールパッケージの低インダクタンスと組み合わせることで、高周波・高効率が得られる。EPCのGaN技術とIDTの高精度な通信およびシステム化ノウハウと組み合わされることで、電力密度を向上し、通信・コンピューティングインフラに高い競争優位性がえられるとしている。ワイヤレス給電分野に関しても、EPCのGaNのノウハウとIDTの高効率を実現する高精度ソリューションを組み合わせることで、ワイヤレス給電はさまざまなところで使用できるようになり、高効率で費用対効果の高いソリューションを実現できる。A4WP(Alliance for Wireless Power)コンソーシアム プロトコルの高共鳴ワイヤレス電力伝送規格の動作周波数は、6.78MHzであり、GaNの高速かつ低損失スイッチング機能により、有線と同レベルの効率が実現できるという。高周波(RF)でも、両社は通信インフラ市場のRF製品群を共同で構築する予定であるが、正本計画は、今後、具体化する。「IDTのような革新的な企業では、シリコンの限界回避策として実績のあるGaN技術を各社ソリューションに組み込む事例が増えています。われわれは、EPCの高速で効率のよいGaN技術をIDTの顧客に届けるため、IDTの技術者とともに仕事をするのを楽しみにしています」と、EPCのCEO兼EPC社共同創設者のAlex Lidow(アレックス・リドウ)は述べている。彼は、独Infineon Technologiesに最近買収されたInternational Rectifier(IR)の創業者である故Eric Lodowの子息で、IRのCEOを務めていたが、2007年にIRの仲間とともにスピンアウトしEPCを創業した。EPCはGaNデバイス専業のファブレス・ベンチャー企業で、エンハンストモードGaN-on-Si(eGaN)FETを世界で最初に実現したことで知られる。同社は、製造は台湾のGaNファウンドリに委託しつつ、企画とデバイス設計を行っており、航空宇宙応用からオーディオアンプへの応用に至る広範囲の用途向けのGaNを販売している。同氏は電力管理用GaNデバイスの普及に尽力し、「GaN Transistors for Efficient Power Conversion、2nd edition (wiley 2014年)」などの啓もう書の編著者としても知られているが、高速・高効率GaNデバイスのさらなる普及のためにパートナーをさがしていた。GaNとSiデバイスを融合させ、従来のシリコンベースの電子システムに一部GaNを採用しさらに高速・高効率・低消費電力化を目指す今回の協業に業界関係者は注目している。
2015年06月08日クリックテック・ジャパンは6月5日、米Qlikが、テキサス州ダラスにて開催されたグローバルパートナーサミット「QONNECTIONS 2015」にて、プラットフォーム型BIツールの最新版となる「Qlik Sense Enterprise 2.0」を発表したことを報告した。Qlik Sense Enterpriseは、組織全体におけるセルフサービス型データ・ビジュアライゼーションやレポート、ダッシュボード、ガイデッド・アナリティックス、組み込み型アナリティックスに至るまでの幅広い活用が可能なBIツールで、これらはすべて特許取得済みのQIX Associative Indexing Engineに基づいて提供される。同社によると、現在のビジュアライゼーションツールは、Excelユーザーにとっては使いやすいが、拡張可能な設計ではなく、データのガバナンスやエンタープライズクラスの管理性が欠如しているという。Qlik Senseは、独自のプラットフォームのアプローチを通じて、「何が起きたか」だけではなく「なぜ起きたのか」に答えられる能力と、「何が起きる可能性があるか」に関する洞察力を、あらゆるユーザーに提供するほか、ビジネスに要求される信頼性・セキュリティ・ガバナンスを維持しつつ、ビジネス成長に伴うあらゆるニーズを満たすために拡張が可能だ。なお、Qlikが提供するビジュアル分析サービスポートフォリオは、「Qlik Analytics Platform」「Qlik Sense Desktop」「Qlik Sense Desktop」「Qlik Sense Enterprise」「Qlik Cloud」となる。
2015年06月08日米Appleは太平洋夏時間の8日午前10時より、開発者会議「WWDC15」のスペシャルイベントの模様をライブストリーミングで中継する。イベントは日本時間9日午前2時よりスタート。ライブの視聴には、MacはMac OS X 10.8.5以降、Safari 6.0.5以降、iOSデバイスはiOS 6.0以降の環境が必要。第2世代以降のApple TVも対応する。WWDCは開発者に向けたイベントだが、例年、Mac OS XやiOSの次期バージョンなどについて発表されており、誰もがApple提供のサービス等をいち早く知ることができる。「WWDC15」では、iOSの次期バージョン「iOS 9」ほか、ストリーミング型音楽配信サービスの発表なども期待されている。
2015年06月05日米Appleは4日(米国時間)、Apple Watchの販売国を拡大し、イタリア、メキシコ、シンガポール、韓国、スペイン、スイス、台湾でも26日より発売すると発表した。Apple Store、Apple Online Store、Apple Watch取扱店で購入できる。現在Apple Watchは、日本、オーストラリア、カナダ、中国、フランス、ドイツ、香港、英国、米国で販売されているが、新たにイタリア、メキシコ、シンガポール、韓国、スペイン、スイス、台湾の7カ国が販売国として追加される。購入は、各国のApple Store、Apple Online Storeで可能なほか、イタリア・ミラノの10 Corso Como、韓国・ソウルのBOONTHESHOP Cheongdam、シンガポールのMalmaison by The Hour GlassでもモデルをセレクトしたApple Watchを取扱う。またAppleは、5月までに注文されたApple Watchが、「Apple Watch 42mm スペースブラックステンレススチールケース スペースブラックリンクブレスレット」を除き、すべて2週間以内にユーザーのもとへ届けられることも合わせて発表している。
2015年06月05日米Appleは4日(米国時間)、6月26日より、イタリア、メキシコ、シンガポール、韓国、スペイン、スイス、台湾の7カ国でApple Watchの販売を開始すると発表した。各国のApple Online Storeと直営店のApple StoreおよびApple Watch取扱販売店で入手が可能となる。今回Apple Watchの販売が始まるのはイタリア、メキシコ、シンガポール、韓国、スペイン、スイス、台湾の7カ国。いずれも6月26日より、Apple Online Storeと直営店のApple Store、Apple Watch取扱販売店で入手が可能となる。オンラインおよび、実店舗でApple Watchを購入したすべてのユーザーはパーソナルセットアップを受けることで、Apple Watchと使用しているiPhoneをペアリングすることができる。ミラノの10 Corso Como、ソウルのBOONTHESHOP Cheongdam、シンガポールのMalmaison by The Hour Glassでは、発売日に特別にセレクトされたApple Watchを購入できるとのことだ。セレクトショップらしいこの販売方法は、日本ではDover Street Market GINZAで取り入れられている。Apple Watchは現在、米国および日本、オーストラリア、カナダ、中国、フランス、ドイツ、香港、英国で販売が行われている。
2015年06月04日米Loigitechは3日(現地時間)、ワイヤレスポータブルマウスの新製品「Logitech MX Anywhere 2」を発表した。動作環境はWindows(7/8/8.1)とMac(OS X 10.8以上)。米国では6月出荷予定、価格は79.99ドルだ。MX Anywhere 2は、日本国内では4月にロジクールから発売された「ロジクール MX MASTER ワイヤレス マウス MX2000」(MX Master)に続く、MXブランドのマウス製品になる。本体サイズはW61.6×D100.3×H34.4mmで、重さは106g。ノートPCと共に持ち歩けるコンパクトサイズだが、快適な操作性と生産性を兼ね備えたデザインになっている。「Darkfield Laser」テクノロジを搭載し、透明なガラステーブルの上や光沢面など通常レーザーマウスを使用できないような場所でも動作し、あらゆる使用面でなめらかなトラッキングを実現する。解像度は1000dpi。PCとの接続方法は付属のPico Unifyingレシーバー(USB)か、Bluetooth Smart。最大3台のPCとペアリングでき、底面のEasy-Switchボタンを押して簡単に接続デバイスを切り替えられる。スクロールホイールは、長い文章やWebページでもフリースピンニングモードですばやく移動でき、Click-to-Clickモードに切り替えると細かいナビゲーションが可能。ユーティリティソフト「Logicool Options」を使って、スクロールやポインターのスピードを調節でき、またマウスボタンの割り当て機能をカスタマイズできる。MacやWindowsのタッチジャスチャー操作の割り当ても可能だ。容量500mAhのリチウムポリマー充電池を内蔵し、Micro USBケーブルを用いて充電する。フル充電で最大2カ月動作する。フル充電する時間がない時でも、1分間の充電で最大2時間の使用が可能になるという。
2015年06月04日米Intelは2日(台湾時間)、コンピュータと周辺機器を接続するためのI/O技術「Thunderbolt」の最新版となる「Thunderbolt 3」を発表した。「USB Type-C」コネクタを採用、速度は最大40Gbpsを実現するという。「Thunderbolt 3」は、台湾・台北で開催中の「COMPUTEX TAIPEI 2015」で発表された。ThunderboltはIntelが米Appleと共同開発しているデータ伝送技術。2011年に登場、2013年のCOMPUTEXではバージョン2としてDisplayPort 1.2/PCI Express 2.0ベース・最大転送速度20GbpsのThunderbolt 2を発表している。2年ぶりの最新版の最大の特徴はUSB Type-Cの採用。USB Type-Cはどちらでも挿せるリバーシブル仕様などを特徴とするもので、USB Implementers Forumが2014年に仕様を策定した。Appleが3月に発表した最新の「MacBook」などでもすでに採用されている。Thunderbolt 3ではUSB Type-CのAltモードを使って、USBケーブルでThunderboltプロトコルを利用できる。このUSB Type-Cの採用により、単一のポートでさまざまな画面、データデバイス、USBデバイスと接続が可能になるとしている。既存のUSBデバイス・ケーブルとの互換性も確保する。PCI Express、DisplayPortもアップデートし、PCI Expressはバージョン3.0に、DisplayPortはバージョン1.2をサポート。DisplayPortでは既存のDisplayPortディスプレイ、デバイス、ケーブルと互換性があるほか、アダプタを利用することでDVI、HDMI、VGAとも接続できる。データ伝送速度は最大40Gbpsと、Thunderbolt 2から2倍高速となった。従来のケーブルと比べ、データは4倍、動画は2倍の帯域幅を備える。また、4K動画などの利用にも適しているという。このほか、100Wの給電もサポートする。10ギガビットイーサネットに対応し、コンピュータ間でファイルを移行するなどのタスクを簡単に処理できるという。既存のThunderboltとの後方互換性については、アダプタを利用することで確保するとのこと。Intelによると、最初の製品は2015年内に出荷開始を見込んでいるという。
2015年06月03日米Microsoftは2日、To-Doリストアプリ「Wunderlist」を開発する独6Wunderkinderを買収したと発表した。買収金額など詳細は非公開。Wunderlistは仕事、家事、ショッピングなどさまざまなタスク向けのTo-Doリストアプリ。期限の設定、リマインド、リストのグループ化、割り当て、メンバーとの共有、To-Doリストの印刷、ハッシュタグなどの機能を備える。iOS、Android、Kindle Fire、Mac OS、Windowsなどに対応、モバイル端末やデスクトップから自分のTo-Doリストにアクセスできる。基本的機能を備える無料版のほか、利用できるファイル形式やサイズが強化されている有料版「Pro」、ビジネス向けの有料版「Wondrlist for Business」もあり、Google、IBMなどが利用している。6Wunderkinderによると、同アプリは2010年に公開以来1,300万人以上のユーザーが利用しており、これまでに10億件以上のTo-Doが作成されたという。MicrosoftはWunderlistの買収について、「モバイルファースト、クラウドファースト向けに生産性製品を再構築する戦略に合うものだ」と狙いを説明している。ここでは「Office」「OneNote」「Skype for Business」などの既存製品に加えて、2月に買収したカレンダーアプリの「Sunrise」、2014年末に買収したメールアプリの「Accompli」などを揃える。今後Wonderlistの技術をMicrosoftのアプリとサービスに組み込むとしているが、それ以上の詳細な予定については明かしていない。6Wunderkinderは、買収後も創業者兼CEOのChristian Reber氏が引き続きチームと製品戦略を統括し、Microsoftの一部となることで新しい新機能を迅速に開発できるとしている。またパートナーとのエコシステムも継続して拡大していくという。なお、買収後も当面は無料版、有料版の変更はなく、これまで通りの価格で利用できるという。(記事提供: AndroWire編集部)
2015年06月03日米Dellは2日、台湾で同日より開催した世界最大級のコンピュータ見本市「COMPUTEX TAIPEI 2015」にて、ノートPCやデスクトップPCの新製品を発表した。同日公開された製品は、15.6型ノートPC「Inspiron 15」5000シリーズ、2-in-1の「Inspiron 15」7000シリーズ、光学ドライブ搭載の15.6型デスクトップPC「Inspiron 15」5000シリーズ、オールインワン型の「Inspiron 20」「Inspiron 24」3000シリーズなど。このうち、「Inspiron」5000シリーズの17型モデルではプロセッサに"Carrizo"ことAMDの新APU「AMD A10-8700P」、Inspiron 24 3000シリーズでは「AMD A6-7310」を採用している。また、7月29日の提供が発表されたWindows 10について、Dell コンシューマ向け製品マーケティング担当でバイスプレジデントのレイモンド・ワー氏は、Windows 10自体が高評価だとした上で、「スタートボタンの復活や顔認識技術、Cortanaなどの魅力的な機能を(新製品に)うまく活用していきたい」とコメントした。それでは新製品の中から注目のモデルを紹介していく。○「Inspiron」5000シリーズ14型、15型、17型をラインナップする様子。Dellブースでは17型のInspiron(グレイ)が展示されており、CPUは選択可能。展示機では、Radeon R6内蔵のAMD A10-8700P(1.80GHz)が採用されていた。解像度は1,600×900ドットで、タッチは非対応だった。価格は14インチが599.99ドルから。他の展示機も含め、日本での発売や価格は未定とのこと。このほか、現行モデルのInspiron 14、15 3000シリーズは、8月上旬からBraswellプロセッサを採用する。○オールインワン「Inspiron 20」&「Inspiron 24」3000シリーズ「Inspiron 20」3000シリーズおよび「Inspiron 24」3000シリーズは、それぞれ19.5型、23.4型ディスプレイを搭載したオールインワンPC(AiO)。「Inspiron 20」3000シリーズでは、BraswellことIntel Pentium N3700(1.6GHz)を、「Inspiron 24」3000シリーズでは、開発コード名「Carrizo」で知られる、Radeon R4を内蔵したAMDの最新APU「AMD A6-7310」を内蔵する。オプションでタッチパネルも選択可能。「Inspiron 24」3000シリーズは中国で販売済みだが、新たに米国市場向けに、479.99ドルからの価格で販売。また、「Inspiron 20」7000シリーズは、中国市場向けに9月上旬から発売予定。米国市場向けにも329.99ドルからの価格で、10月から発売する。○2-in-1の「Inspiron 15」7000シリーズ2-in-1 Inspiron 15 7000シリーズは、15.6型の2-in-1 PC。液晶が背面にぐるっと回転する仕組み(いわゆる「YOGA」状態)、ノートPCやタブレット、テント型、スタンド型の4モードで使用できる。このモデルではCPUにIntel Core i7-5500U(2.4GHz)を搭載。メモリ8GB、ストレージ256GBとなっている。搭載するIPSディスプレイは15.6型で解像度は1,920×1,080ドットのフルHD。規格上のバッテリ駆動時間は最大8時間54分とのこと。米国市場向けに、549.99ドルで6月23日から販売予定。○Inspiron 15 5000シリーズ 3D Camera「Inspiron 15」5000シリーズに、IntelのRealSense 3Dカメラを搭載したモデル。画面解像度は1,920×1,080ドットのフルHDで、CPUにはIntel Core i5-5500U(2.4GHz)を採用する。○クラムシェル型の「Inspiron 15」7000シリーズクラムシェル型の「Inspiron 15」7000シリーズは、学業やゲームなど幅広い用途に向けた15.6型ノートPC。同社はゲーミングブランド「Alienware」も展開しているが、Alienwareはヘビーユーザー向け、Inspiron 15 7000シリーズはライトユーザー向けに位置づけており、「競合しない」と説明する。バッテリは最大8.5時間。こちらは中国市場向けに5,999RMBからの価格で8月7日に発売予定。○Inspiron マイクロデスクトップ13㎝四方の超小型きょう体に、最新のCeleronおよびPentiumプロセッサを採用したデスクトップPC。HDMIポート、DisplayPort、SDカードスロット、USBポート×4など、ホーム向けのデスクトップPCに引けをとらない拡張性を備える。米国市場向けに279.99ドルからの価格で、9月より販売予定。
2015年06月03日東芝は6月3日、米マイクロソフトと、あらゆるモノをインターネットにつなぐIoT(Internet of Things)のソリューションにおける提携関係を構築することに合意し、昨日覚書を締結したと発表した。今回の合意に基づき、IoT機器向けアプリケーションプロセッサ「ApP Lite」、ドライビングレコーダなどのセンシングデバイスやクラウドストレージサービスなどの東芝製品/サービスと、「Azure」を構成するIaaS(Infrastructure as a Service)、「Azure」への専用線接続サービス「Azure ExpressRoute」やデータの分析・機械学習サービス「Azure Machine Learning」などのマイクロソフトのクラウドプラットフォーム・サービスを組み合わせることにより、新たな価値を付加したIoTソリューションを開発する。提携の第1弾として、物流市場向けに、東芝のセンシングデバイスで測定したデータを「Azure」で収集・分析するIoTソリューションの提供を今年中に開始する。今年中に、物流市場のほか、複数の事業領域において、IoTソリューションの提供が予定されている。
2015年06月03日米AMDはCOMPUTEX TAIPEI 2015の2日目となる6月3日、Carrizoの名前で知られていた第6世代のAPUを公式に発表した。これに先駆け、メディア向けの説明会を開催し、製品の特徴や内部構造についての詳細を解説した。この内容をまとめて紹介したい。○新APUの製品概要今回発表されたのはCarrizoが3モデル、それと(出荷は先週から行われているが)GodavariベースのA10-7870Kという合計4製品である(Photo01)。まずGodavariの方だが既報の通り、CPUコアの動作周波数を3.9/4.1GHzに、GPUコアの動作周波数を866MHzにそれぞれ引き上げたものとなる(Photo02)。性能的にはCore i3+GeForce GT 740を十分上回る(Photo03)としており、チャネル向けには5月28日から、OEM向けにも6月2日からそれぞれ発売されるとしている(Photo04)。さて、発表の本題はCarrizoである。AMDとしては第6世代相当となる(Photo05)製品だが、性能/消費電力比の改善に注力したという(Photo06)。この結果として、例えばビデオ再生なら従来比2倍以上(Photo07)、ゲーム性能なら同じ消費電力枠でより高い描画性能が実現される(Photo08)としている。実際いくつかのゲームできちんと30fps以上を確保できているとも説明した(Photo09,10)。当然ながらGPUはGCNベースでHSA対応なので、OpenCLによる性能改善も期待できる(Photo11)。またセキュリティ関連で言えば、Kaveriには間に合わなかったもののBeemaに搭載されたARMのTrustZoneベースとなるPSP(Platform Security Processor)をCarrizoでは搭載しており、これを使うことでより高速に暗号化処理が可能になっているという(Photo12)。さらに7月末の正式発表が決まったWindows 10への対応に関しては従来製品よりも改善されており(Photo13)、またそのWindows 10と合わせてリリースが予定されているDirectX 12を利用した際、より性能が向上する(Photo14)とする。説明会の会場では3DMarkのFeature Testの結果を示していた(Photo15)。ちなみにPhoto16がCarrizoの製品スペックとなる。○Carrizoではさらなる性能/消費電力比の向上を目指すさて、ここまでの話は主に製品寄りの話であったが、同時に内部について突っ込んだ説明もあったので紹介したい(Photo17,18)。Carrizoの内部構造そのものはISSCCである程度発表されているので、今回はそれ以外の話についてまとめる。もともとKaveriでもかなり性能/消費電力比は向上している(Photo19)が、Carrizoではこれをさらに引き上げることが設計目標とされた。これはAMDが掲げる"25x20 Energy Efficiency Initiative"に沿ったもので、2008年のPumaを基点に、2020年までに25倍のエネルギー効率の改善を目指している。2014年発表のKaveriでは10倍のエネルギー効率を実現したという。単純に考えると2020年に25倍のエネルギー効率の改善を目指すならば、2015年の段階では12.5倍のエネルギー効率改善を達成していなければならないことになる。これをどう実現するか? というのがこちら(Photo20)。コアそのものの消費電力を削減するとともに、外付けのチップセットを統合することで消費電力を削減する。これにより、トータルで性能/消費電力比を2.4倍に向上したとしている。ここからは消費電力削減の方法論について紹介する。まず、どのようにコアの消費電力を下げるのか? という方法のひとつが、High Density Libraryの採用である(Photo21)。これによってなぜ消費電力が下げられるかという話は、ISSCCでの記事で紹介したのでここでは繰り返さない。ちなみに質問の過程で、Carrizoが引き続きGlobalFoundriesの28nm SHPプロセスを利用している事は確認できた。○Excavatorコアに関する新情報もさて、ここからいくつか新しい話が。まず新機能として、L1 Data Cacheの大容量化とBTBの改善、FPU周りの改善と新命令の追加などが実装され、最大で15%ほどのIPC改善に繋がっているという話があった(Photo22)。Excavatorコアでは、L2キャッシュの容量を削減しており、これをカバーするためにL1の容量を倍にしながら、Latencyそのものは一定を維持している(Photo23)としている。ついでにbetter clock gatingの話も。Photo24はPower Gatingの方でClock gatingではないのだが、Carrizo内部のPower Domainが結構複雑になっていることが分かる。ここで各々のPower Doaminの中でさらに細かくClock Gatingがなされており、「CarrizoはAMDが今まで製造してきた製品の中で、最も複雑なパワーマネジメント機能が入っている」(Macri氏)という。また、Carrizoの場合、CPUダイとNBがやや複雑な絡み合い方をしたフロアプランになっている(Photo25)が、これは放熱の問題を考えてとのことだそうだ。Kaveriの世代では、2つのCPUコアがPhoto26の右側のように隣接している。この結果、CPUをフルに使うシーンでは熱源が固まるから早く温度が上がりやすい。そこでCarrizoでは左のように2つのCPUコアの間にNBを挟み込んだことで、ここが熱的な緩衝エリアになり、温度が(相対的に)上がりにくくなったそうだ。温度があがりにくいというのは平常時にもThermal Throttlingが動く頻度が下がるし、Turbo動作もより長時間利用できることになるから、性能面へのインパクトが大きい。こうした細かい工夫がフロアプランの決定時になされたとのことだった。話を元のスライドに戻すと、Excavatorは15Wというあたりを消費電力のターゲットにした(Photo27)。つまり一対のCore Pairで5Wとかそのくらいのレンジだ。これは以前のこのスライドと見比べていただくと分かる通り、Kaveriコアは定格の55%程度の動作周波数なのが、Carrizoだと65%ほどになり、おおむね20%程度の消費電力引き上げが可能になる。これに加えてIPCの引き上げにより、最大55%の性能改善が可能、という話だった。逆に言えば、35W(Core Pairで言えば15W程度か)のレンジでは、動作周波数の引き上げは難しいということになる。要するにExcavatorでは、強烈に動作周波数を下げる方向に設計目標を振ったことになる。ここでちょっと気になってBouvier氏に「いつこのデザインの判断をしたのか?」と聞いたところ、2012年ごろ、つまり第2世代のPiledriverのデザインが終わったころには、Excavatorはこの路線に進む決断をしたとのことであった。○動画関連での機能追加こうした工夫はCPUコアだけではない。Video Encoder/Decoderにも工夫がなされている。CarrizoではH.265のDecodeまでサポートされたが、こうした新機能以外にも特に省電力周りでの工夫が多い。まずは再生時の省電力サポート。従来だとVideo再生の際のPost-processing処理はGPUが担っていたが、CarrizoではこのPost-Processingの機能をDisplay Controllerに実装した。これにより、GPUコアを動かす必要もなくなり、またメモリアクセスの頻度も半分になった結果、これまで5W近くを必要としていた1080pの動画再生の消費電力が2W弱まで落ちることになった(Photo28)。UVD自身もずいぶん機能が増えた(Photo29)が、それよりもエンコード/デコード性能が大幅に向上し、結果として動作再生時の駆動時間向上が特徴として挙げられている(Photo30)。ここでもまた、チップセットの機能を統合したことが効果的に作用している(Photo31)。○Carrizoの統合GPU次がGPU周り。Carrizoに統合されたGPUは"3rd Generation GCN Core"ということで、Tongaと同じGCN 1.2相当ということになる。GCN Core数は8で、これはDesktop向けのKaveriとは同じだが、CarizzoがターゲットとしているMobile向けの場合、従来はハイエンドのA10-7400Pでも6だったので、その観点から言えばGCN Coreが2つ増えた計算になる。このほかにも、いくつかの変更が行われている。まずはHSA対応の話で、GCN側にもATC(Address Trasnlation Cache)が追加された(Photo32)。ATCは要するに仮想アドレスと物理アドレスを変換するPage Tableの中身をコピーするものであるが、Kaveri世代ではこれはIOMMU v2の中に存在していた。これに対してCarrizoではGCN側にこのキャッシュを持たせることで、変換をより高速化するとともに、いちいちアドレス変換のためにDRAMアクセスを行うというペナルティを削減した形だ。またRender Backendには新しくColor Compressionの機能が追加(Photo34)され、これにより5~7%の性能改善が可能になったとする。またこれは性能には関係ないが、画像のアップスケール/ダウンスケールを含めたDisplay Engineが機能強化されたことも挙げられている。トータルの性能比較結果がこちら(Photo36)で、15Wの場合で65%、35Wの場合でも20%弱の性能改善があるとしている。最後がPSPの構造である。Photo37ではMicrocontroller扱いされているが、基本はCortex-A5というれっきとしたMicroprocessorで、これに必要なコンポーネントを全部集約した、独立したサブシステムであることが分かる。ということで、駆け足でCarrizoの内部構造についてご紹介したが、とにかくはっきり「設計目標は15W」と明言されたあたりで、これがDesktopに全然適さないのは明白であるし、この先引き上げるのも難しい。なので当面はDesktop分野はGodavariでしのぎながら、2016年のZenコアを待つことになる。ところでAMDのロードマップ、2016年にZenコアをDesktop/Serverに入れることは明らかにされているが、APUについては「第7世代APU」とあるだけで詳細は不明のままだ。このあたりをBouvier氏に確認したところ「別にZenはHigh Performanceなだけではなく、High Efficiencyを狙った設計である」としたうえで、「だからといってExcavatorをもう改良しないというわけではない」と見事に煙幕を張ってくださった。このあたりはもう少し状況の推移を見守る必要があるだろう。
2015年06月03日●銀座に期間限定の「食べ比べ亭」パナソニックは6月3日から21日まで、東京・銀座に「食べ比べ亭」をオープンする。食べ比べ亭とは、「銀座米料亭 八代目儀兵衛」とのコラボレーションで実現した店舗。実際に足を運ぶと、米がおどる炊飯器とおどらない炊飯器での食べ比べ体験ができる。パナソニック独自の炊き技「Wおどり炊き」を搭載した最新の炊飯器「SR-SPX5シリーズ」は、6月1日に発売されたばかり。今回オープンする食べ比べ亭では、パナソニックの最上位モデルであるSR-SPX5シリーズで炊いたご飯を味わえる。SR-SPX5シリーズの詳細については以下の別記事を参照してほしい。■【レポート】パナソニック最新の炊飯器とオーブンレンジで「ほったらかし」の極意を学ぶ - ご飯もハンバーグも家電におまかせ■パナソニック、ご飯の甘みとハリがアップした最上位炊飯器「Wおどり炊き」通常、銀座米料亭 八代目儀兵衛で提供するのは土鍋で炊いたご飯だが、期間中のランチでは、SR-SPX5シリーズで炊いたご飯を提供。さらに、ランチメニューを注文した人は、おどり炊き搭載モデルと非搭載モデルで炊いたご飯の食べ比べも体験できる。○おどり炊きの威力を実感してコラボを決意五つ星お米マイスターでもあり、銀座米料亭 料理長も務める橋本晃治氏は、「はじめ、パナソニックさんから食べ比べ亭のお話をいただいた時は困惑した」と語った。というのも、銀座米料亭 八代目儀兵衛は土鍋を使って炊いたご飯を提供しているお店であって、パナソニックの電気炊飯器で炊いたご飯を出すのはコンセプトにそぐわないと思ったからだ。しかし、実際にWおどり炊きのSR-SPX5シリーズで炊いたご飯を食べた時に「ツヤと甘さ、粒の大きさなどで、おどり炊き非搭載モデルとのちがいが明らかに出ていた。私自身が、SR-SPX5シリーズをクオリティの高い炊飯器だと認めたので、今回のコラボレーションに踏み切った」とする。食べ比べ亭で使用している米は、銀座米料亭 八代目儀兵衛の主力商品でもあるブレンド米の「翁霞(おきなかすみ)」。ブレンド米というと、混ぜ物、ニセモノといわれることも多いが、橋本氏によれば「ブレンド米はワインでいうと"フルボディ"に当たり、重厚感のある味わいを楽しめる。シーズンや年によって、どの銘柄をどのくらいブレンドするか変えているが、今の時期は山形県の『ゆめごこち』、長野県飯山市の『こしひかり』、宮崎県の『ひのひかり』をブレンドしている」とのことだ。●Wおどり炊きで炊いたご飯をお腹いっぱい食べてきた○食べ比べにチャレンジ実際に筆者も、食べ比べ亭限定のオリジナルランチメニュー「ごはんのお供御膳」(税込1,720円)を注文。待っている間に、タブレット端末と食べ比べセットがテーブルにやってくる。タブレットの案内にしたがって、おどり炊き搭載モデルと非搭載モデルで炊いたご飯の食べ比べを楽しんでみよう。食べ比べが終わり、簡単なアンケートに回答すると、おみやげとしてブレンド米「翁霞」がプレゼントされる。食べ比べてみると、おどり炊き搭載モデルで炊いたご飯は、まさに芯からふっくら。単なるご飯好きである筆者にもよく分かるほど、ちがいは顕著で、甘み・ツヤ・香りなど、おどり炊き搭載モデルで炊いたご飯のほうが、おいしく感じられた。○ご飯を楽しむためのセット今回いただいたのは、ツヤツヤでほかほかの炊きたてご飯に、全国各地のおかずがセットになった「ごはんのお供御膳」。豪華すぎて、配膳されてきた時は思わず言葉を失った。具体的には、SR-SPX5シリーズで炊いたご飯と、岩手県産の「海宝漬」、長崎県産の「ごま鯵」、東京都産の「やき豚」、京都府産の「漬物」、静岡県産の「うなぎ蒲焼」、神奈川県産の「釜揚げしらす」、福岡県産の「明太子」の7種類のおかず、味のり、お茶漬け用だし、お味噌汁がセットになっている。橋本氏いわく「お皿の上の方が薄味のおかず、下の方が濃い味のおかず。薄味のものからいただいて、蒲焼きやごま鯵など濃い味のものはお茶漬けにしていただいてもおいしい」とのことだ。運ばれてきたご飯は、ほかほかのあつあつ。それをほおばると「幸せ」としか言いようがない。ふっくら、かつもちもちの食感で、ご飯だけでも箸が進む。おかずをいっしょに食べると、ますます手が止まらず、おかわりしてしまった。特に筆者が気に入ったのは味のりとしらす。どちらもご飯のおいしさをよく引き立てていた。ひと口分残しておいた明太子、お茶漬け用のあられと三つ葉をご飯にのせてから、だしを注いだ明太子茶漬けで〆。お茶漬け用としては、ご飯の粘りが少し強いかもしれないが、1度で2度楽しめるのも心ニクイ。○食べ比べ亭の概要食べ比べ亭の開催概要は以下の通り。期間:2015年6月3日~2015年6月21日定休日(予定):6月10日、6月17日営業時間:ランチタイム11:00~15:30(15:00ラストオーダー)※夜営業時のメニューでは、従来通り儀兵衛オリジナル土鍋釜を使用。ただし、一部のメニューはパナソニックの「Wおどり炊き」で炊いたご飯を提供する。
2015年06月03日ごはんを様々な切り口で体験出来るイベント、第3回「表参道ごはんフェス」が6月7日に東京・表参道で開催される。日本の食卓でお米が主食として根付いたのは戦後。75年頃からは「コシヒカリ」を始め、数々のブランド銘柄が誕生した。そして、現在はお米屋さんから生活者まで全国の様々なフィールドで、お米との向き合い方を変えようとする動きが起こっている。同フェスではそれを“お米のサードウェーブ”と位置づけ、昔は稲作地帯、現在は国内外から流行の発信地として知られる表参道から“新しいお米の楽しみ方”を提案している。第3弾となる今回は“お米の進化”をテーマに、トークやマルシェ、フードイベント、ワークショップなどを実施。そのうち、マルシェでは、同フェスを主催する食のプロデュースチーム「honshoku」が、お米マイスター集団の「東京都ごはん区」と協力して、オリジナルブレンド米を商品化。お米マイスターが、「forest」や「happy time」などの言葉のイメージに合わせたブレンド米を制作する。お米業界のキープレイヤーたちが集結する「コメトーク!」では、「ちいさな田んぼキット」を発売した「ほぼ日刊イトイ新聞」や秋田の若手農家集団「トラ男」、「東京都ごはん区」などが参加。お米業界に変革を起こす団体によるトークが無料で楽しめる。その他、ワークショップでは日本穀物検定協会によるお米の食味官能試験の体験や、ミラノ万博にも登場したおにぎり協会による自分好みの梅干しおにぎりを探すワークショップなど、様々な切り口でお米を体験出来る企画も予定している。【イベント情報】「第3回 表参道ごはんフェス」会場:VACANT、粋場住所:<VACANT>東京都渋谷区神宮前3-20-13:<粋場> 東京都渋谷区神宮前3-21-17会期:6月7日時間:11:00~19:00入場無料
2015年06月02日米IntelがFPGA(Field Programmable Gate Array)大手の米Alteraを買収する。6月1日(現地時間)にIntelとAlteraが買収合意を発表した。1株あたり54ドルの現金による取引で、買収総額は167億ドルになる。Alteraが手掛けるFPGAチップは大規模データセンターに導入される事例が増加しており、今後の爆発的な成長が予想されるInternet of Things (IoT)市場向けにも有効な技術になると期待されている。成長戦略の一環としてAlteraを買収するIntelは、Xeonプロセッサと組み合わせて、高度なカスタマイズに対応する統合製品を提供する計画を明らかにしている。CPUとFPGAのコパッケージまたは統合によって、データセンターのTCO(総保有コスト)を抑えながら、カスタマーIPやアルゴリズムの実装に素早く対応できるようになり、画像認識、セキュリティ、ビッグデータといった分野で飛躍的なパフォーマンスの向上が期待できる。Intelの予想では、2020年までにクラウドサービスプロバイダのサーバノードの最大1/3でFPGAが活用される。
2015年06月02日米Appleは先月29日(米国時間)、「iMessage」で特定のUnicode文字列を受信するとiPhoneがクラッシュするという問題への対応についてコメントした。将来、このバグを修正したアップデートを配信することも明らかにしている。この問題は「iOS 8」で発見されたバグで、同OSをベースとするiPhone、iPad、Apple Watchが影響するとimoreなどのメディアが伝えたもの。特定のUnicode文字列のレンダリングができないため、アプリがクラッシュしたりシステムが再起動するという。Appleは同日付でサポートページに最新情報を掲載。この問題を認識しており、修正したアップデートの配信を予定していると記している。また、Siriに未読のメッセージを読むように指示し、Siriを利用して悪意あるメッセージに返信。その後メッセージを再度開き、問題が継続する場合は、悪意あるメッセージをホールドして「その他」に進み、スレッドからメッセージを削除する、といった対策方法を紹介している。
2015年06月01日米Googleは29日(米国時間)、ウェアラブル関連プロジェクト「Project Jacquard」を発表した。「Levi’s」で知られるジーンズメーカーLevi Straussが最初の公式パートナーとなり、Jacquardを利用したウェアラブル製品を開発する。Project JacquardはGoogleの高度技術およびプロジェクト(ATAP:Advanced Technology and Projects)が開始したプロジェクトで、タッチやジェスチャーインターフェイスとデジタルデバイズを分割することで衣類にインタラクティブ性をもたらすという。装着した人はタップやスワイプなどシンプルなジェスチャーにより、自分のモバイルデバイスを操作し、電話の着信音をオフに設定したり、テキストメッセージの送信などが可能になる。Project Jacquardは、Googleが業界パートナーとの協業により開発した導電性のある糸を利用する。この糸は、綿、ポリエステル、絹などの自然素材、あるいは合成素材を利用し、強度を兼ね備えるという。この導電性のある糸、ビスポークタッチ、ジェスチャー認識エリアを正確な場所に縫い込むことでウェアラブル製品を開発可能なほか、布地全体にセンサーグリッドを縫い込めばインタラクティブな表面の作成もできる。これに、コネクタ、ボタンよりも小型の回路を接続することで、機械学習アルゴリズムによりタッチやジェスチャーを推測。タッチやジェスチャーをキャプチャすると、この情報は無線通信を介してスマートフォンなどのデバイスに送られる。これらJacquardを構成する部品の製造は低コストで、糸や素材は標準的な手法で製造できるという。Googleは、「Jacquardはファッション業界向けの真っ白なキャンバスだ。デザイナーはあらゆる素材でJacquardを利用でき、電子工学を学ぶことなく自分のデザインに機能レイヤーを加えることができる」と説明している。開発者はJacquardベースの洋服に既存のアプリやサービスを接続できるほか、Jacquard向けに新しい機能の構築も可能。Googleはカスタムコネクタ、電子部品、通信プロトコルを開発し、アプリケーションやクラウドサービスのエコシステムを支援する。なお、GoogleもLevi’sも、Jacquardベースの製品の登場時期については明らかにしていない。
2015年06月01日幾つかの海外報道によれば、米IBMが企業規模で従業員が使用するパソコンとして、MacBook Pro、MacBook Airを採用した模様である。IBMではBYODプログラムですでに15,000のMacが使用されているが、2015年末までに50,000のMacBookが導入されるとも報じられている。9 to 5 Mac、Apple Insider、Mashableによれば、米IBMの従業員は、使用するPCとして、MacBook Pro、MacBook Air、またはPC(Windows、Linux)のいずれかを選択できるようになったとのことである。従業員に支給されるマシンは、何を選択しても、VPNやセキュリティツールなど、必要なソフトウエアが予めインストールされた状態で渡されるようだ。IBMではBYODプログラムですでに15,000台のMacが使用されているが、2015年末までに50,000台のMacBookを導入する計画もあるという。IBMとAppleは2014年の7月、企業向けモバイル分野において、広範囲に亘る業務提携を行うと発表し、エンタープライズ向けソリューション「MobileFirst for iOS」の提供を開始した。今年5月には日本郵政グループとも手を携え、高齢者向けのサービス開発で業務提携していくことを明らかにしている。中には「協業の恩恵」といったツイートを投稿している従業員もおり、かつては競合関係にあったIBMとAppleだが、昨年の発表以降、良好なパートナーシップの元、事業が推進されている様子である。
2015年05月29日米Googleは5月28日、米サンフランシスコにある本社で開催中の年次イベント「Google I/O」でダンボールで組み立てるVR(仮想現実)キット「Google Cardboard」の最新版を発表した。iPhoneでも使えるようになったほか、GoProとの提携によるVRカメラキット「Jump」もプレビューとして発表した。CardboardはGoogleが2014年のI/Oで発表したVRキットで、ユーザーがダンボール素材を組み立て、Androidスマートフォンを入れて使う。GoogleによるとCardboard向けのアプリは500種を数えるといい、Cardboardビューアの出荷数は100万に達したという。今年のI/0で発表した新型では、対応するスマートフォンのサイズが6インチまで拡張され、あらゆるスマートフォンで動くという大型のボタンを導入した。作成過程も簡素化し、3ステップで完了する。また、SDKでのiOS開発のサポート、月や水面下のバーチャルトリップを可能にするCardboard向け教育コンテンツ「Google Expeditions」も発表した。Googleは合わせて、VRカメラキット「Jump」のプレビューも披露した。米GoProとの協業により、GoProの「HERO4」カメラモジュールを円形に配置するリグで構成される。16のモジュールが1つのカメラのように動作し、360度の3D動画を楽しめるという。4K TV5台に相当する高解像度も特徴。Googleによると、Jumpで撮影した動画はYouTubeにアップロード、Cardboardでも観られるという。(記事提供: AndroWire編集部)
2015年05月29日米Googleは28日(現地時間)、開発者イベント「Google I/O 2015」にて、次期Android「Android M」のDeveloper Previewを発表した。「Android M」のDeveloper Previewでは、下記の6つのポイントが発表された。App PermissionsWeb ExperienceApp LinksMobile PaymentsFingerprint SupportPower&Charging具体的には、アプリのパーミッションが整理され、マイクやカメラ、カレンダーなど、アプリごとにアクセスできる機能を細かくカスタマイズできるようになる。また、新しいWebブラウザ体験として、セキュリティ性を高め使い勝手を改善したChromeカスタムタブを発表した。モバイル決済サービス「Android Pay」はマクドナルドやサブウェイなど、全米700以上の小売店で利用できる。また、指紋認証もサポート。ロック解除やWebでの買い物などに利用できる。このほか、USB Type-Cをサポートし、ケーブル接続時に、充電や給電、データ通信を行うかなど、接続後の挙動を選択できるようになった。電源管理システムも改善し、端末のバッテリ駆動時間を延伸。例えばNexus 9のスタンバイモード時のバッテリ駆動時間はLollipopから2倍となった。「Android M」のDeveloper Previewは、現地時間28日より、Nexus 5、Nexus 6、Nexus 9、Nexus Player向けにリリースされる。
2015年05月29日米AMDは28日(現地時間)、デスクトップ向けAPUの新モデル「A10-7870K」を発売した。北米での価格は137ドル、日本国内の希望小売価格は税別17,480円。「A10-7870K」は、既存の"Kaveri"(開発コード名)世代のアーキテクチャをベースとしたAPU。対応ソケットは従来と同様のSocketFM2+。従来の最上位モデル「A10-7850K」と比較して、CPUとGPUの動作クロックが向上している。4コアのCPUに加えて、GPUとしてGCNベースのRadeon R7 Graphicsを統合する。GPUのコア数は8。AMDによるとWindows 10に向けた設計を採用し、DirectX 12やVulkan、MantleといったAPIをサポートする。このほか、ディスプレイ表示技術「FreeSYNC」や映像の品質を改善する「VIRTUAL SUPER RESOLUTION」、UVD(Unified Video Decoder)やVCE(Video Coding Engine)といった動画再生向けの機能も備える。主な仕様は、CPUコアが4、動作周波数はベースクロックが3.9GHz、ブーストクロックが4.1GHz、L2キャッシュが4MB、統合GPUがRadeon R7 Graphics、GPUコア数が8、GPUクロックが866MHz、対応メモリがDDR3-2133(AMPを利用した場合、2400MHz動作に対応する)。既存モデルとの比較は以下の通り。
2015年05月28日米Re/code主催のCode Conference 2015(5月26日-28日)において、米GoProのCEOであるNick Woodman氏が、複数の「HERO4」カメラを装着してVR(仮想現実)向けのビデオや画像を撮影できるようにするカメラマウントを今年後半に発売する計画を明かした。同氏はまた、2016年前半の発売を目指してドローンを開発していることも公表した。VR撮影向けマウントは球面マウント(Spherical Mount)と表現されており、サイコロのような正六面体のマウントに6台のHERO4を装着する。GoProは今年4月にVRや360度映像のアプリケーションを手がける仏Kolorを買収しており、GoProのカメラとKolorのソフトを組み合わせて「球面コンテンツ (Spherical contents)」を撮影・共有できる仕組み(球面ソリューション)の開発を進めている。球面マウントは、その一部である。GoProは録画ボタンを押して撮影するだけで、誰でもプロ顔負けの映像を撮れるシンプルさで一般向けアクションカメラ市場を開拓した。VRにも同様のソリューションが必要であると考えており、Code ConferenceにおいてWoodman氏は、VRはもっとシンプルで手頃になるべきだと指摘した。球面マウントを使ったソリューションは手頃とは言いがたいが、誰でも球面コンテンツを扱えることを示す最初の一歩になる。ドローンについては、開発を明らかにしたのみで詳細については不明だ。世界を新たな視点から見るためのソリューションを生み出すのがGoProのDNAであり、「GoProカメラに似たチャンスをクアッドコプター市場に感じている」とWoodman氏は述べた。ただし、自らドローンを開発するものの、従来のドローンメーカーとの関係を保ち、GoProカメラを空撮に使うソリューションを今後も提供し続ける。GoProが重視しているのはコンテンツであり、撮影方法をユーザーが選択できる自由が素晴らしいコンテンツにつながると考えている。
2015年05月28日今年の夏に最新OS「Windows 10」をローンチ予定の米Microsoftは26日(米国時間)、Windows 10に搭載予定のパーソナルアシスタント「Cortana」のiOSとAndroid向けアプリを発表した。Winodws 10内蔵の「Phone Companion」機能を利用するもので、アプリの登場はAndroid向けが6月、iOS向けは年内としている。CortanaはMicrosoftのBingチームが開発したパーソナルアシスタント機能。天気予報などWeb上の情報検索のほか、リマインド設定、メール操作なども音声を利用して可能。Appleの「Siri」、Googleの「Google Now」に対抗するサービスと位置付けられ、2014年4月に発表した「Windows Phone 8.1」の英語と中国語版ユーザー向けにベータ機能として導入された。夏に登場予定のWindows 10では標準機能として提供を予定しているほか、Windows 10で導入する最新ブラウザ「Microsoft Edge」にも統合する予定。Microsoftはこの日、Cortanaをさまざまな端末で利用できるようにするという方針の下で、AndroidとiOSにも拡大することを発表した。AndroidとiOS向けのCortanaアプリはPCおよびWindows Phoneとほぼ同じ機能となり、リマインド、航空機の追跡などが可能だという。一方で、システム設定やアプリの起動などシステムへのアクセスが必要な一部機能については、当初はiOSおよびAndroid向けでは利用できないとしている。また、PCやWindows Phoneでは可能となる「Hey Cortana」と呼びかけての起動もできないとのこと。AndroidとiOS向けのCortanaは、MicrosoftがWindows 10との連携用に用意する「Phone Companion」の一部となる。Phone CompanionはWindows 10に内蔵されPCとスマートフォンとで写真、音楽、ドキュメント、ノートなどの共有を可能にするアプリ。スマートフォンはWindows Phone、Android、iOSに対応する。Cortanaは、PC側のPhone Companionアプリを利用してGoogle Play、App Storeからダウンロードできるという。Microsoftは「Office」などのアプリケーションでマルチデバイス戦略を進めており、CortaraのiOSとAndroid対応もその一環となる。(記事提供: AndroWire編集部)
2015年05月27日