米Microsoftは2日(現地時間)、iOSやAndroid、Windowsタブレットなどで使用できる折りたたみ式のBluetoothキーボード「Universal Foldable Keyboard」を発表した。2015年7月に発売予定。直販サイト「Microsoft Store」の価格は99.95ドル(約12,000円)。二つに折りたたみできる、小型のBluetoothキーボード。ヒンジなどを設けず、開いた状態で約5mm、折りたたんだ状態でも約11.5mmという薄さを実現した。iPadやiPhoneなどのiOS端末、Android、Windowsタブレット、Windows Phoneなどのモバイル機器での使用を想定する。本体は撥水素材の防滴設計。キーボードを開くと自動的に端末に接続される機能も備える。本体サイズは開いた状態でW295.1×H125.3mm、二つ折りの状態でW147.6×H125.3×D11.5mm。対応OSはWindows 8 / 8.1、Windows Phone 8.1 Update 2、iOS 7~8.1、Android 4.3~5.0。インタフェースはBluetooth 4.0。電源は充電式の内蔵バッテリで、1度の充電で約3カ月使用できるとする。
2015年03月04日米NVIDIAは3日(現地時間)、米国・サンフランシスコで開催中のゲーム開発者向けカンファレンス「Game Developers Conference 2015」(GDC2015)で、Android TV端末「SHIELD」を発表した。本体価格は199ドルで、米国とカナダでは5月、それ以外の国では2015年後半の発売を予定するが、日本国内での販売については現在のところ決まっていないという。「SHIELD」は、次期モバイルSoC(System on Chip)「Tegra X1」を搭載。「Crysis 3」や「Doom 3: BFG Edition」「Borderlands」などの大型タイトルを含む50以上のゲームが「SHIELD」向けに最適化されリリースされるほか、Android向けゲームのプレイも可能。また、「Tegra X1」はH.264/H.265/VP9のハードウェアデコーダを内蔵し、「SHIELD」では、4K解像度での動画再生にも対応する。GDC2015のプレスカンファレンスで製品の概要を説明したNVIDIAの会長兼CEOのジェンスン・ファン氏は「世界初の4K動画再生に対応したAndroid TVデバイス」とアピールする。本体の操作はマイクを内蔵した付属のリモコンで行うが、8型タブレット「SHIELDタブレット」用のワイヤレスコントローラにも対応するという。このほか、「SHIELD」でも「SHIELDタブレット」と同様に、NVIDIA GRIDによるゲームストリーミングサービス「GRIDゲーム」が利用できる。クラウド上でゲームを実行し、ストリーミングで配信するにより、大型タイトルのゲームも「SHIELD」上で1080p/60fpsのプレイが可能になるとしている。料金体系はサブスクリプションのほか、個別のタイトル購入にも対応するという。主な仕様は、SoCがNVIDIA Tegra X1、メモリが3GB、ストレージが16GB、グラフィックスがMaxwell GPU(256コア/統合GPU)。通信機能がギガビット対応有線LAN、IEEE802.11ac対応無線LAN、Bluetooth 4.1/BLE。インタフェースはHDMI 2.0、USB 3.0×2、Micro USB、MicroSDスロット、IRレシーバー。本体サイズはW210×D25mm×H130mm、重量は654g。○「GRIDゲーム」が日本でも提供予定に - ただし時期は未定なお「GRIDゲーム」だが、これまでNVIDIAでは日本国内における「GRIDゲーム」の展開は未定としてきたが、プレスカンファレンスのスライドでは「GRIDゲーム」の提供地域の中に「日本」と思しき場所にも印があった。NVIDIAの広報担当者に確認を取ったところ、「日本でも「GRIDゲーム」の提供を予定しているが、開始時期はいまのところ未定」との答えが返ってきた。これは既存の「SHIELDタブレット」ユーザーにも朗報といえるだろう。
2015年03月04日米SanDiskは1日(スペイン時間)、スペイン・バルセロナで2日より開催したモバイル機器関連の展示会「Mobile World Congress」に先駆け、リバーシブル形状のType-Cコネクタを備えたデュアルUSBドライブ「SanDisk Dual Drive Type C」を発表した。一端にPC向けのUSB 3.0コネクタ、もう一端にモバイル向けのUSB 3.1(Type-C)コネクタを備え、データをPCとモバイル機器間で共有できるデュアルUSBドライブ。Google Playで無料配布している同社製アプリ「Memory Zone」を通じて動作。デバイスを接続すると自動的にMemory Zoneが起動し、データの転送やコンテンツ管理が行える。調査会社Strategy Analyticsの最新レポートによると2016年までにモバイル機器の12%がType Cコネクタを備えるとして、SanDiskは需要を見込み製品を発表。発表時点の製品ラインナップは32GBモデルのみ。対応OSはWindows Vista / 7 / 8 / 8.1、Mac OS 10.1以降。2015年のQ2期に全世界向けに出荷開始する。価格情報は未公開。また、合わせてLightningコネクタとUSBコネクタを備えたiOS向けUSBドライブ 「サンディスク iXpand フラッシュドライブ」の128GBモデルも発表。こちらは149.99ドル(約18,000円)で4月に登場する予定だ。
2015年03月03日米SanDiskは1日(スペイン時間)、microSDカードとして世界最大容量となる200GBのmicroSDXCカードを発表した。同社は2014年3月に、当時世界最大容量だった128GB容量のmicroSDXCカードを発表済み。この128GBモデルを達成した独自技術に加え、新設計と新しい製造プロセスを採用し、今回の200GBの大容量を実現したという。データ転送規格はClass10とUHS-Iに準拠し、最大転送速度は90MB/s。フルHD解像度の動画であれば最大20時間保存できるとし、Androidスマートフォンやタブレット端末などの容量増強に適しているという。防水や耐温度(-25度~85度)、耐衝撃、耐X線仕様。本体サイズはW14.99×D1.02×H10.92mm。2015年のQ2期にワールドワイド向けに出荷。価格は399.99ドル(約48,000円)を予定する。標準サイズのSDXCメモリーカード変換アダプタも付属する。
2015年03月03日米HPは1日(現地時間)、液晶が360度背面に回転する13.3型ノートPC「HP Spectre x360」を発表した。米国で2015年3月1日に直販サイトにて販売開始する。価格は899.99ドル(約108,000円)から。360度回転する新デザインのヒンジを搭載した、13.3型ノートPC。通常のクラムシェル型ノートPCとして使えるほか、キーボード面を底面としたスタンドモード、キーボード面の長辺と液晶面の長辺でスタンドさせるテントモード、キーボード面を360度倒したタブレットモードなどを利用可能。標準構成時の液晶解像度は1,920×1,080ドット。OSはWindows 8.1 64bit。プロセッサは第5世代Core i5/Core i7を用意。標準構成時のメモリとストレージは、Core i5モデルで4GBと128GB SSD、Core i7モデルで8GBと256GB SSD(フルHD解像度モデル)/512GB SSD(Quad HD解像度モデル)を用意する。BTOによるカスタマイズも行える。搭載インタフェースはHDMIやMiniDisplay Port、USB 3.0など。本体サイズは12.79×8.6×0.63インチ(約325×218×16mm)、重量は3.26ポンド(約1.48kg)。バッテリ駆動時間は最大12.5時間。オプションとして、専用のレザースリーブケースやスタイラスペンなどを用意する。
2015年03月02日米IBMは2月24日(現地時間)、新しいモジュラー・モバイル・ソリューションとして「IBM MobileFirst Platform」を発表した。「IBM MobileFirst Platform」では、アプリケーションの利用状況やフィードバックを収集し、センチメント分析やクラッシュ解析を行うことができるほか、ユーザー認証の使用、アプリ発行元認証のサポート、ローカル・データの暗号化、アプリ・スキャンの実行を行う。また、近接性を検知可能なモバイル用アプリを開発して同ソリューションを利用すると、デジタルなエンゲージメントや物理的な存在から得られる洞察を活かし、関連性やコンテキストに基づくモバイル体験を提供する。そのほか、データ・リッチな「アプリケーション-Cloudantモジュール」を通じてモバイル・データを提供することで、企業システム内のデータを保存・同期・拡張・接続可能にする。クラウドあるいはデータセンターで提供されるモバイル・プラットフォーム・サービスの包括的セットにより、IT部門はIBM MobileFirst Platformを既存のアプリケーションに組み入れることができ、ユーザーはいつでも、どこからでもプラットフォーム機能を利用できるという。
2015年03月01日米Googleが現在本社を置くカリフォルニア州マウンテンビュー市に新しいキャンパス計画の許可申請を提出した。「宇宙船」と呼ばれるAppleのドーナッツ型の新キャンパス、周辺の自然環境と調和した秘密基地のようなFacebookの新キャンパスなど、シリコンバレーではユニークなキャンパス計画の発表が続いているが、Googleの計画も新たなキャンパスのあり方を示すものになっている。Googleが27日にマウンテンビューに提出したのは、同市のノースベイショア地区に広がる4つのオフィスサイトの建設計画だ。同社は建築設計事務所BIGのBjarke Ingels氏と建築設計事務所Heatherwick StudioのThomas Heatherwick氏に設計を依頼した。市の認可が得られれば、Googleがゼロから設計・建築計画を進める初めてのオフィスビルになる。自動運転カーやロボットなどGoogleには多様なプロジェクトが存在するが、計画案では軽量でLegoブロックのように柔軟に組み立てられる構造をオフィスサイトに採用しており、開発チームごとに異なるオフィススペースへのニーズに応える。オフィスサイトは透明で巨大なキャノピーで覆われ、キャノピー全体から外部の光が入ってくる。オフィスサイト部分にも樹木が植えられ、周囲の風景が見える透明なキャノピーによってオフィスサイトと自然が和合する。また、周辺の自然環境の保護、再生可能エネルギーの活用も計画に含まれている。キャンパスにはレストランや小売店などのスペースも用意。それらとオフィスサイト、公共の自然公園などを歩行者・自転車用の道で結ぶことでマウンテンビュー市のコミュニティとの融合も図っている。
2015年02月28日米カリフォルニア州アナハイムのカリフォルニア ディズニーランド・リゾートで5月22日よりスタートする開園60周年記念イベント「ダイヤモンド・セレブレーション」のプレス発表会が27日、東京・港区のアメリカ大使館で行われ、キャロライン・ケネディ駐日米大使がスペシャルゲストとして登場。ミッキー&ミニーも駆けつけた。カリフォルニア ディズニーランド・リゾートは、1955年に開園した最初のディズニー・パーク「ディズニーランド・パーク」と、2001年にオープンした「ディズニー・カリフォルニア・アドベンチャー・パーク」の2つのパーク、3つのホテル、ショップ&レストランやライブハウスが集まる「ダウンタウンディズニー」からなる一大リゾート。今年7月に「ディズニーランド・パーク」が60周年を迎えることを記念し、5月22日よりリゾート全体で特別イベント「ダイヤモンド・セレブレーション」を開催する。プレス発表会では、カリフォルニア ディズニーランド・リゾート アンバサダーのジェシカ・バーナード氏らがイベント概要を発表。目玉として、初の全LEDパレード「ペイント・ザ・ナイト」、新しい花火ショー「ディズニーランド・フォーエバー」がスタートし、ウォータースクリーンを用いた人気ショー「ワールド・オブ・カラー」がスペシャルバージョンになって登場することが明かされた。そのほか、リゾート内はもちろん、周辺のアナハイムの通りも特別装飾で輝き、関連グッズやフードも登場すると発表された。発表会には、特別ゲストとしてキャロライン・ケネディ駐日米大使が登場。「開園から60年。累計来園者30億人のうち年間5万人が訪れる日本からのファンはその大きな割合を占めています」と伝え、「米国外で初めてディズニー・パークをオープンした日本は、マジックキングダムの中で特別な場所。ディズニーシーをオープンした時には、日本はアメリカのアイコンをさらに素晴らしいものに昇華させました」と語った。続けて、「私はディズニーと共に育ちました」と自身の思い出を振り返り、「日曜日の夜、テレビで放映される『シンデレラ』『眠れる森の美女』といった初期の長編アニメーション映画、そして、テーマパーク」とコメント。「いとこたちと私はよく"ディズニーの映画ごっこ"をして遊びました。白雪姫と小人のドビー役をだれがやるかが大げんかになり、アマチュア演劇は終わりました」というエピソードを披露すると、笑いが起こった。最後に、「私たち家族にとっても、世代を超えて共通の思い出を持つことができました。ディズニー・パークにしてもそれは同じで、何百万、何千万の親や祖父母が、子供や孫を連れて何度でも戻っています」と語り、「この特別な年に、マジックが始まった場所にまたぜひ行ってみてください」と呼びかけた。写真撮影では、ミッキーとミニーも登場し、盛り上げた。As to Disney photos,logos,properties:(C)Disney
2015年02月27日米Appleは米サンフランシスコで3月9日に行うスペシャルイベントの模様をライブ中継する。中継は現地3月9日の午前10時より。日本時間3月10日の午前2時にスタートする。視聴条件はOS X 10.6.8以降で動作するSafari 5.1.10以降、もしくは、iOS 6.0以降に搭載されているSafari。このほかソフトウェア6.2以降を搭載した第2、3世代Apple TVも視聴可能。今回のイベントでは、Apple Watchの詳細が発表されそうだ。同社が報道関係者に向けて発送した招待状やライブ中継の予告画像には、「Spring forward.」(サマータイムへの移行)と記されており、時計を連想させるメッセージからApple Watchが発表会の中心になるとみられる。発売日はすでに同社のTim Cook CEOが、1月27日の決算カンファレンスコールで4月になるとコメントしており、今回のイベントで4月の何日になるのか注目される。なお、12インチのiPadや新型Mac Book Airなどがかねてより噂されており、Apple Watch以外の製品の発表も期待されている。
2015年02月27日米NetAppはこのほど、ハイブリッド構成のITシステム向けに、Amazon Web Services(AWS)の柔軟性を活用した新ソリューションを発表した。これにより、データのバックアップやリカバリにかかる時間を高速化するとともに、顧客はデータのライフサイクル全体を通じて、柔軟にデータを保管できる。顧客が適切な場所に適切なタイミングでデータを安全に保管するためのツールを提供する「StorageGRID Webscale 10.1」は、AWS上にコスト効率がよい形でデータを保存できるよう、Amazon S3に対応した。これにより、 Amazon S3をNetAppの提供するStorageGRID Webscaleのストレージ階層として利用できるようになる。また、Amazon Elastic Compute Cloud(Amazon EC2)で使用されるOSのディスクイメージであるAmazonマシンイメージ(AMI)として利用できる、クラウドネイティブなバックアップソリューション「NetApp SteelStore」に新たに3つの提供モデルが用意された。これにより、顧客は安全かつ効率的な方法でクラウドベースのワークロードをバックアップできる。クラウド環境でデータをシームレスかつ安全に保護するため、SteelStoreの物理アプライアンスをオンプレミス環境に導入することも可能。さらに、さまざまなクラウド環境に展開可能なソフトウェア型ストレージ アプライアンス「Cloud ONTAP」、Cloud ONTAPやパブリック クラウド向けストレージ ソリューション「NetApp Private Storage」のインスタンス管理ソフトウェア「OnCommand Cloud Manager」、ハイブリッド クラウド環境のリソース管理ソフトウェア「OnCommand Insight」の最新版の提供についても発表された。
2015年02月27日米Appleが3月9日に米サンフランシスコでスペシャルイベントを開催する。会場はYerba Buena Center for the Artsで、現地時間の午前10時(日本時間:10日午前2時)から。報道関係者やアナリストへの配布が始まった招待状には「Spring forward.」と書かれている。米国は3月8日に夏時間に切りかわるが、Spring forwardは春に夏時間に合わせて時計の針を進めることを指す。時計を連想させるメッセージが付けられていることから、4月出荷開始が予告されているスマートウォッチ「Apple Watch」の発売日や価格などを発表すると見られている。また、12インチのiPadや12インチのMacBook Airなど開発が噂された製品の発表も期待されている。
2015年02月27日bitFlyerは26日、米FBIが押収したビットコイン50,000BTC(約14億円)について、米連邦保安局(USMS)主催のオークションの共同入札を顧客向けにアレンジすると発表した。入札は3月5日(EST)に実施される予定で、2014年6月以降3度目の競売となる。bitFlyerへの手数料は2.0%(ビットコインにて支払い)。興味のある人はこちらより応募方法詳細を確認の上、応募する。
2015年02月26日米Googleがフライト検索サービス「Google Flights」をアップデートした。同サービスの利用者は、ビジネスユーザーよりも一般の旅行者が多い。Googleによると一般の旅行者の多くは行き先や期間を決めずに旅行プランを練り始め、面白そうな場所やイベント、安い航空券が見つかったら柔軟に変更している。同社は2013年7月に、行き先を都市で絞り込まずに「ヨーロッパ旅行」「メキシコ旅行」というように地域や国から幅広く検索できる機能をフライト検索に追加した。すると、検索数が倍増したという。新しいGoogle Flightsでは、ユーザーが柔軟に旅行プランを立てられる機能をさらに強化した。例えば、検索結果は月カレンダー上に各日の最安価格を表示して比較できる。旅行期間を柔軟にスケジュールできる場合に、リーズナブルな価格で旅行できる期間を絞り込むのに役立つ。最安価格はグラフ表示することも可能。季節、曜日、祝祭日、イベントなどで航空券の価格が変わる様子を把握できる。検索は、往復/片道/複数都市の選択、乗り継ぎ回数、価格帯、航空会社、出発・到着の時間帯などで絞り込める。またユーザーの検索に対して、旅費を節約できる方法 (指定期間以外のフライト、別の空港の利用など)があったら、そうしたTipsが結果のトップに現れる。マップ表示に切り替えて、行き先の都市をクリックしながら航空券の価格をチェックすることも可能だ。この方法だと世界中の都市への旅行を次々に比較できる。迷ったら、マップ表示で「I’m Feeling Lucky」ボタンを押すと、人気の高い行き先や検索履歴からおすすめを表示してくれる。Googleによると、Google Flightsで最安チケットを選択しているのは10人中4人。最安フライトで移動時間が長くなる場合、10人中2人に減る。多くの利用者は価格と利便性のバランスで選んでおり、85%がGoogle Flightsのベストフライトの1つを選んでいるそうだ。
2015年02月26日米Pebble Technologyは24日、クラウドファウンディングサイトのKickstarterで、同社の最新スマートウォッチ「Pebble Time」を発表し、資金調達を開始した。調達開始から支援者が殺到し、執筆時(日本時間25日12時30分)で3万4000人以上となっている。目標額も50万ドルに対し、調達額はすでに720万ドルと14倍以上が集まっている。Pebble Timeはカラーのe-paperディスプレイ技術を用いたスマートウォッチで、この分野の課題とされるバッテリ持続時間は1回の充電で最長7日間、つまり1週間としている。インターフェイスも一新し、マイク搭載により音声コマンドも可能となった。カラーe-Paper画面について同社は、通知や画面が読みやすい上、LCDやOLEDと比較して省電力である点を優位性にあげている。音声による入力も特徴で、通知に音声で答えたり、音声によるメモを作成できる。音声応対は当初、AndroidではSMS、Hangouts、Gmail、Facebook Messenger、Whatsappなど主要なアプリで利用できるが、iOSはGmailの通知のみに対応しているという。今後対応アプリを拡充すべく作業をしているとのことだ。インターフェイスでは新たな"タイムライン"インターフェイスを導入、利便性を改善すべくアプリによるアプローチから、過去、現在、未来の時間ベースのアプローチに軸を変えた。これまで別々のアプリに格納されていた通知、ニュース、リマインダ、イベントなどは時間ベースで整理され、タイムラインがカレンダー、アラーム、アプリなどとやりとりすることで、1クリックで次を表示したり、逆方向へのスクロールにより過去のメールを見るなどのことができるという。タイムラインでは迅速なアクセスのために、必要に応じて動的にアプリを読み込んだりキャッシュする機能も加わり、多くのアプリにストレスなくアクセスできるようにした。タイムラインにアプリを追加するための”ピン”機能もあり、重要なイベント、天気情報や交通情報などを見逃さないよう設定できるとしている。外観も洗練され、従来の製品と比較して20%薄くなり、腕にフィットするように緩やかなカーブを持つ。レンズは傷防止加工が施されたGorilla Glassを搭載し、ステンレススチールのベゼルで囲んだ。防水加工もされている。色は黒、白、赤の3色展開で、同色のシリコン素材のベルトが付く。自分の好きなベルトにかえるためのピンも付属する。Kickstarterでは、小売価格199ドルを159ドルで得られる枠1万人分が完売、179ドル枠は3万人に対し残り1万人を切っている。2セットを338ドルで得られる枠、5セットを845ドルで得られる枠、さらにはディストリビューター向けの3色を各10セットの5000ドル枠、など用意したすべての枠に入札されている。プロジェクトは3月28日まで、製品の出荷は2015年5月の予定だ。Pebbleは3年前にKickstarterで生まれた経緯を持ち、初代のスマートウォッチには1030万ドルを調達、いまだにクラウドファウンディングの成功例として語られている。その後、小売店などでも発売されるようになったが、そんな同社が第3世代となる最新のスマートウオッチを再びKickstarterで展開するのは興味深い。スマートウォッチ分野では、Appleの「Apple Watch」の登場が迫っており、これにより市場が大きく変化することが予想されている。Pebbleはプロジェクトのページで、「あなた方の圧倒的なサポートとフィードバックが現在のPebbleを形作った。われわれは、自分たちのウェアラブルへのビジョンをサポートするチャンスを提供し、最新製品に独占的にアクセスできるようにするため、Kickstarterに戻って来た」と記し、最初からの支持者を重視する姿勢を見せている。
2015年02月25日米Microsoftは2月24日(現地時間)、新たに「OneDrive API」を公開した。同APIを利用することでアプリ開発者はファイルやフォルダを管理するオンラインストレージとしてOneDriveをアプリに統合できる。Windows、iOS、Android、Webをサポートする。同社はOneDrive APIのページを設けて関連するドキュメントやコードサンプルなどを提供している。OneDrive APIはMicrosoftが同社のアプリで使用しているのと同じAPIだ。OneDrive担当のプリンシパルプログラムマネージャーであるRyan Gregg氏は「全ての開発者がOneDriveの全ての機能にアクセスでき、プラットフォームが発展し続けるための土台としてOneDrive APIを提供する」と述べている。OneDriveへの高速なアクセスを提供するほか、以下のような機能を含む。ファイルやフォルダの変更を取得して、複数のファイルセットを最小限のコールで同期。HDビデオなどサイズの大きなコンテンツでも最大10GBまで対応、断片的なアップロードで中断・再開が可能。アプリとOneDriveで統合的な体験が得られるようにサムネイルイメージのカスタマイズをサポート。OneDrive APIはOneDriveプラットフォームへのアクセスを広げる大きな前進であるが、Gregg氏は「始まりに過ぎない」と述べている。OneDriveに関して同社は他にもたくさんの改善と新機能開発に取り組んでおり、2015年を通じて継続的にリリースするという。
2015年02月25日米Googleは19日(現地時間)、AndroidスマートフォンやiPhone向けアプリとして提供していたメールアプリ「Inbox」が、iPadやAndroidタブレットに対応したと発表した。合わせて、Web版でサポートしていたGoogle Chromeに加え、FirefoxとSafariにも対応した。Inboxは、2014年10月に提供を開始したメールアプリ。カテゴリごとにメールを仕分ける「Bundles:バンドル」、重要なメールを優先表示する「Highlights:ハイライト」、To-Do機能「Reminders:リマインダ」、受信したメールを先送りして再度受け取れる「Snoozes:スヌーズ」などの機能により、ユーザーがメールを効果的に処理できる機能を備えることが特徴となる。なお、同アプリは現在招待制で提供中。他のInboxユーザーのほか、Googleの招待用メール(inbox@google.com)に申請することで、同アプリを利用できるようになる。
2015年02月24日米Googleは23日(現地時間)、キッズ向けのYouTubeアプリ「YouTube Kids」を、米国向けGoogle PlayおよびApp Storeで無料公開した。対応OSはAndroid 4.1以降、iOS 7.0以降。大きなボタンや簡易操作によるフルスクリーンなど、Googleが子供向けに「遊び心のあるデザイン」で作り上げたアプリ。子供が安全にYouTubeを利用できるような配慮もなされている。アプリでは、「セサミストリート」(Sesame Street)や「きかんしゃトーマス」(Thomas and Friends)など、年齢に応じた動画やチャンネル、プレイリストを絞り込んで登録している。ホーム画面はShows、Music、Learning、Exploreの4種類にカテゴライズされ、カテゴリに沿った内容の動画を楽しめる。また、文字入力ができない年齢の子供でも使えるよう、音声検索も搭載した。ペアレンタルコントロール機能は、各家庭で基準が異なるとして、オプションとして搭載。視聴時間を制限できるタイマー設定、バックミュージックや効果音をオフにできるサウンド設定、検索機能をオフにできる設定などを備える。ユーザーからのフィードバック機能も用意する。
2015年02月24日米Google傘下のYouTubeは2月23日(現地時間)、子供用のYouTubeアプリ「YouTube Kids」(Android、iOS)の提供を米国で開始した。子供が安全にYouTubeを利用できるようにデザインされており、子供をユーザー対象にゼロから設計したGoogle初の製品でもある。YouTube Kidsは、保護者がアクセスする設定を含めて全てがシンプルで分かりやすいデザインになっている。ボタンやアイコンは大きく、押すとユニークなサウンドが鳴り、またホーム画面では子供向けのバックグラウンドミュージックが自動的に再生される。ホーム画面にはYouTubeが選んだ子供のためのチャンネルやプレイリストが大きなサムネイルで並ぶ。ホーム画面は「Shows (番組)」「Music (音楽)」「Learning (学ぶ)」「Explore (探す)」の4つのカテゴリに分類されており、上部に配置された大きなボタンでカテゴリを切り換えながらブラウズする。番組は「Sesame Street」「DreamWorksTV」「きかんしゃトーマス」「ぽこよ POCOYO」など。音楽は「Lullaby World」「Mother Goose Club」など。ラーニングには幼児向けよりも子供向けのコンテンツが多く、「TED-Ed」や「Khan Academy」などを含む。エクスプロラーには「LEGOチャンネル」や「EvanTubeHD」など、子供や保護者に人気の高いチャンネルが並ぶ。検索機能を使うと、YouTubeからさらに多くのコンテンツにアクセスできる。検索には安全フィルターが適用されているが、人の手によるフィルタリングではないため、Googleは100%の安全を保証していない。そのため保護者が検索を無効にできるオプションを用意している。コンテンツ画面もシンプルで、下に再生/一時停止ボタンと時間バーが表示され、再生画面をタップするとフルスクリーンに切り替わる。オプションは、字幕のオン/オフ、不適切なコンテンツの報告の2つのみ。コメント機能もない。ただし、コンテンツによっては子供向けの広告が表示される。保護者がアプリをコントロールするオプションは、検索機能のオン/オフ、視聴時間の制限(タイマー機能)、バックグランドミュージックとサウンド効果のオン/オフなど。YouTubeはYouTube Kidsを「家族向けYouTubeの最初の一歩」としており、今後さらに家族向けの製品を充実させるとしている。
2015年02月24日米Googleは2月23日(現地時間)、米国の通信キャリアであるAT&T Mobility、T-Mobile USA、Verizon Wirelessと提携し、同社が提供しているオンライン決済サービス「Google ウォレット」を3社のAndroidスマートフォンにプリインストールすると発表した。Google ウォレットがプリインストールされる端末は、今年後半に販売されるKitKat以降のバージョンのAndroidが稼働するスマートフォンとなる。Google ウォレットは2011年に発表された、NFCに対応したスマートフォンをカードリーダーにタッチすることで、決済が行えるサービス。サービス開始当初は、米Sprintが販売する端末でのみ利用が可能だった。あわせて、Verizon Wireless、AT&T、T-Mobileによって設立されたモバイル決済会社である「Softcard」との提携も発表された。これにより、GoogleはSoftcardが有する技術と知的財産を手に入れることになる。モバイル決済サービスは、Appleが昨年に、iPhone 6/6 PlusとApple Watchで利用可能な「Apple Pay」を発表してから、注目を集め始めている。今月には、韓国Samsung Electronicsがモバイル決済サービス「LoopPay」を買収したことを発表、モバイル決済市場への参入を表明しており、今後、ますます競争が激化することが見込まれる。
2015年02月24日米Googleは現地23日、AT&T Mobility、T-Mobile USA、Verizon Wirelessの米大手携帯電話事業者3社およびその合弁会社のSoftcardと提携したと発表した。同社のGoogle Commerceブログで明らかにされた。今回の提携により、より多くのAndroidデバイスユーザーがデバイスを用いた決済(タップアンドペイ)の恩恵を受けられるとしている。また、タップアンドペイ機能を含むGoogle Walletアプリが今年後半に米3キャリアで販売されるAndoridスマートフォンにプリインストールされることも明らかにされた。さらに、今回の提携により、Google Walletの機能を向上させる技術・知的財産を獲得したとブログではリポートしている。Googleは2011年からAndroidスマートフォンを使った決済サービス「Google Wallet」を提供しているが、サービスを取り巻く環境は厳しかった。使い勝手の悪さが指摘され、使用場所も限定的で、これまでは今回提携したSoftcardの提供サービスと競合状態にあったことなどから、利用者数は伸び悩んだ。一方、携帯3社とSoftcardも、NFC決済サービスの「Softcard」の利用が進まず、苦しい戦いを強いられていたようだ。そうした状況の中で、Goolgeが新たに携帯3社と手を組み、Appleが昨年10月から決済サービス「Apple Pay」に対抗していくことになる。今後は決済サービスを巡って「Google連合 VS Apple」という新たな構図で語られることになりそうだ。
2015年02月24日米AMDは23日(現地時間)、米国・サンフランシスコで開催されているISSCCにおいて、同社の次世代SoC「Carrizo」(開発コード名)の詳細を明らかにした。これに先立ち電話会議の形で説明会が行われたので、その内容をまとめてお届けしたい(Photo01)。ちなみにISSCC(nternational Solid-State Circuits Conference:国際半導体回路会議)という名前からもわかる通り、今回の発表内容はCarrizoで利用された回路技術がメインであり、製品のロードマップなどは出てこないことをあらかじめお断りしておく。○「Carrizo」の概要をおさらいPhoto02がCarrizoの概略である。新開発のCPUコア「Excavator」に、DirectX 12対応のGPUコア、それにARM TrustZone対応のSecure Processorを統合した構成である。またこのスライドには無いが、製造プロセスは28nm(Foundaryは後の質問でも非公開とされたが、おそらく引き続きGlobalFoundriesであろう)である。また、「Carrizo」ファミリとしては、CPUコアに「Puma+」を採用した「Carrizo-L」もラインナップされる。このあたりの情報については2014年11月にお伝えした通りだが、このときの説明ではCarrizoとCarrizo-Lが完全に同じインフラで動作することを強調していた。チップセットを内蔵するという時点でVRM(Voltage Regulator Module:電圧レギュレータモジュール)以外の仕様は当然同じになるし、VRMの仕様も事実上フォームファクタで決まる。このことからもインフラは同じとして差し支えはないだろう。ただ、CarrizoとCarrizo-Lが同じインフラを使うとなると、メモリはCarrizoとCarrizo-Lともにシングルチャネルなのか、あるいはデュアルチャンネルをサポートするのか、それとも信号ピンは2ch分用意するが、Carrizo-Lでは1ch分のみを有効とするのかなど疑問が出てくるが、この情報だけでは判断できない。○高密度で低消費電力な設計を採用さて、ここからが今回の具体的な発表内容である。CarrizoはMobile向けに15~35Wという低いTDPの枠で動作する関係で、絶対性能ではなく性能/消費電力比を向上させることがメインテーマのProcessorだ。AMDはこのテーマに向けて、CarrizoでLibraryを従来のHP(High Performance)からHD(High Density)に切り替えた(Photo03)。Libraryとは何か? を簡単に説明しておけば、半導体回路の設計において良く利用される回路をまとめてものだ。一般的にはCell LibraryとかStandard Libraryなどと呼ばれるが、これは基本的にFoundaryが提供する。Photo04は、ARMが自社のCortex-AプロセッサをFinFETで実装する際にどんな選択肢があるのか説明した際の概略である。左にあるのがStandard Cellのバリエーション、右がそのバリエーションごとの性能特性である。グラフはTrack数(図でいえばStandard Cellの高さにあたる)と動作電圧(LVT/HVT/RVT)でどう特性が変わるかをおおざっぱに示したものである。ここで議論に関係するのはTrack数である。Photo04の左側では、Standard Cellの縦横に配線が交差しているわけだが、高さ(Track数)というのは要するに横方向の配線が何本入るかにあたる。グラフでは12T(12 Track)と9T(9 Track)での比較となっている。昔は16Tとかあったが、最近の先端プロセスでは12Tもだんだん使われなくなり、現在では10.5T/9T/7.5Tあたりが主流になってきている。さて、Track数が多いほど、1つのStandard Cellに多くの機能を持たせることができる。これによって、Pipeline 1段あたりのStandard Cell数を減らせるので、結果として高速動作に有利となる。ただし多くの機能を持たせられるというのはその分無駄が出るということでもあり、エリアサイズはむしろ増える方向にある。逆にTrack数を減らすと、機能も減らさざるを得ないから、Pipeline 1段あたりのCell数が増えることになり、高速動作には不向きとなる。しかし、Cellそのものの無駄な機能が減り、エリアサイズの節約になる。従って、CPUなどの動作速度が速い回路には12Tなどの大きめのStandard Cellを、GPUなどの速度はやや低いものの回路規模が大きなものには9Tあるいは7.5Tといった高密度なStandard Cellを利用するのが一般的な考え方になる。Photo03でいうとTrack数の多いStandard CellのLibraryがHigh Performance Libraryで、少ないStandard CellのLibraryがHigh Density Libraryにあたる。話を戻すと、Kaveri世代まではCPUにHP Libraryを採用していたが、CarrizoではこれをHD Libraryに切り替えた。その結果、FPUやFMACなどは、Kaveriと比較して30%以上面積を削減できたとする。実際にプロセッサ部のダイ写真を比較するとこれは明白である。また、ある閾値(Photo03の場合、2コアで20Wを閾値としている)で同じ動作周波数になるようにKaveriとCarrizo(というか、SteamrollerとExcavator)を設計した場合、その閾値より下では性能/消費電力値が最大23%改善しているとする。動作周波数が低ければ、エリアサイズの縮小はそのまま配線の長さを短縮することにつながる。これは配線抵抗による消費電力低減になるし、その分コア電圧も落とせるから消費電力を低減する効果もあるというわけだ。Photo05の左のグラフは、どんな特性のトランジスタを利用したかの比率である。縦軸のIoffはトランジスタがOffの場合の電流(要するにリーク電流)の多さで、横軸のIonはトランジスタがOnの場合の電流値となっている。CarrizoではKaveriと比べてIon電流が多少減ってもIoff電流を下げる、つまりリーク電流を減らす方向にトランジスタをシフトさせている。また、CPUとGPUを統合したAPUでは、CPUをHP Library、GPUをHD Libraryで分けて作るというのは設計ツール側の問題で不可能だった。そのため、これまではGPUもCPUと同じくHP Libraryで構成されていた。ところがCarrizoではCPUにHD Libraryを使うことで、GPUもHD Libraryを利用することが可能となり、結果として最大で20%の消費電力削減が可能になったとしている。○電圧管理機能を強化Carrizoで、新しく追加された機能としてVoltage Adaptive Operationも紹介された(Photo06)。これは何か? というと、供給電圧が高い場合に、一瞬動作周波数を下げて供給電圧を正規に戻すという仕組みである。一般論として、マザーボード上に搭載されたVRMは、電圧を規定よりも若干(10%程度)高めに供給する傾向がある。電圧で10%増しなら電力では20%増しになり消費電力の増加につながる。これを抑えるために、CarrizoではCPU内部に精密な電圧センサを搭載し、一定時間以上基準値より高い電圧供給が続いたら、一瞬だけ動作周波数を落とす動作をとる。昨今のVRMは動作周波数に応じて電圧を可変する仕組みがあるから、これによって周波数が一瞬下がると、それに伴い電圧も下がり、そこから正規の電圧に復帰することになる。これによって、CPUが最大19%、GPUも最大10%の消費電力節約が可能になるとしている。また、2つのExcavator Moduleに対して合計で10のAVFS(Active Voltage Frequency Scaling)モジュールが搭載され、合計で500カ所で動作周波数の測定を行うほか、AVFSモジュールが測定したデータによってCPUの動作を最適化しているという。AMDはこのVoltage Adaptive Operationと、先に述べたHD Libraryの併用により、動作時の大幅な消費電力削減が可能になったと説明する。○S0i3ステートを追加さて、これに加えてCarrizoではS0i3ステートの実装も行われた(Photo08)。BoostあるいはActive Sustainedというのは稼働中であり、Carrizoの場合であれば製品のTDPは15~35Wとされる。この時には内部の全コンポーネントが稼働する。ここでIdleになると、CPU CoreとGraphicsがPower Gatingにより電源供給が止まる。ただしその他の周辺回路は引き続き保持されているし、CPU/GPU向けのPLL(クロック生成)はとまっているが、周辺回路向けはまだ稼働している。AMDによれば、この状態での消費電力おおむね1.5W未満である。S0i3では、ここからさらにI/OのほとんどとNorthbridge機能、PLLも落とすもので、この段階では50mW未満の消費電力まで削減されるという。ACP/FCHとI/Oの一部が残るのは、どこかに「再び起動する」ための回路を残しておかないと、電源スイッチを入れ直さない立ち上がらなくなってしまうためで、PCでいえばキーボード/マウスが繋がるUSBコントローラ、あるいはMobile向けのConnected Standbyならモデムからの割り込み要求を受ける部分だけは残しておく必要があるためである。ちなみにS0i3からS0への復帰時間は数msのオーダーだとのことである。○絶対性能は向上はどの程度か?次のスライド(Photo09)は2014年のAMD Future of Computing 2014でも公開されたものだが、左のEnergy Efficiencyのグラフは初出であって、CarrizoはKaveriの2倍近い性能/消費電力比を実現するとしている。では絶対性能は? ということで最後にちょっとだけ出て触れられた(Photo10)。まずCPUコアは、IPCの改善は5%程度とされており、この面での改善はあまり期待できそうに無い。H.265に関しては、ハードウェアでDecoderを搭載しており、GPU側でEncodeを行うことで、トータルで3.5倍のTranscode性能としている。GPUは、Kaveriが6つのCU(Compute Unit)で構成されたのに対し、Carrizoでは8つになることが明らかにされている。SP数でいえば512SPが最大構成ということだが、CUが6から8に増えたことで、単純に1.3倍の描画性能になるかどうかはメモリ帯域や動作周波数の関係もあるので、現時点ではなんとも言えないところだ。以上がISSCCにおけるCarrizoに関する発表の詳細である。考察というか、実際の製品に関する話は、また別記事であらためてお届けしたい。
2015年02月24日ユーグレナは2月23日、バイオ燃料精製実証設備の建設に向けて、米石油メジャーChevron U.S.A.とCB&I Technology Venturesの合弁子会社であるChevron Lummus Global(CLG)とバイオ燃料アイソコンバージョンプロセス技術を採用することに関する基本合意契約を締結したと発表した。バイオ燃料アイソコンバージョンプロセス技術とは、CLGと米研究開発会社のApplied Research Associates(ARA)が開発した独自のバイオ燃料製造技術。今回の基本合意は、バイオ燃料精製実証設備を建設するために必要な同技術ライセンスの付与などに関するものとなった。同技術の採用はアジアで初めてとの事で、2015年3月中にライセンス契約などの締結を実施し、その後バイオ燃料精製実証設備の設計、建設を開始する予定となっている。ユーグレナはミドリムシなどのバイオマスから抽出した油脂を国内でバイオジェット燃料に精製することを目指しており、今回の合意はその実現性を高めるものとなるとしている。
2015年02月23日米Appleが「iOS 8.3」の一般向け正式版のリリースを前に、パブリックベータ版が提供されるかもしれない。9to5macが本件に詳しい関係者の話として、現地20日に報じた。iOSのパブリックベータ版がリリースされれば、iOS史上初となる。パブリックベータ版の配布は、正式版のリリース前に、多くの人が利用することで、事前に不具合を発見し、正式版での動作の安定化に役立てる試みのこと。9to5macによると、3月中旬にパブリックベータ版が提供されるという。パブリックベータ版は、iOSの最新版を先んじて利用できるのがメリットとなるが、あくまでプレリリース版であり、動作が不安定な場合があることを認識しておきたい。iOS 8.3では、CarPlayのワイヤレス接続への対応、中国でのApple Pay対応、新しい絵文字キーボードの追加、Googleの二段階認証などとされる。一連の新機能が日本のユーザーにとって、iOSの大幅な機能向上につながるとは考えにくく、パブリックベータ版が提供されても、メリットとデメリットを考慮したうえで利用するか否かを決めたほうがいいだろう。
2015年02月23日米Appleが申請していた小型ディスプレイ搭載デバイスを使ったヘッドマウントディスプレイ(HMD)に関する特許が2月17日(現地時間)、米特許商標庁(USPTO)によって認められた。同特許はUSPTOのサイトで参照できる。似たようなアイデアはSamsungによって「Gear VR」の名称ですでに商品化が行われており、Appleがこうした仕組みにどの程度興味を持ち、何を考えているのかが注目ポイントとなる。今回認められた特許は申請番号が8,957,835で「Head-mounted display apparatus for retaining a portable electronic device with display」の名称がつけられている。特許の最初の申請日は2008年9月30日と古く、2世代目にあたるiPhone 3Gが発売されてすぐのタイミングにあたる。そのため、iPhoneだけでなくiPod touchなどのデバイスの利用も想定していた可能性がある。一方で、これだけiPhoneの普及台数と機能面での差異が特許申請当時から現在において非常に大きく、想定しているユースケースについてもGear VRなどのそれとは大きく異なっている可能性が高い。実際、特許で示されているものもデバイス(iPhone)とグラス型マウンターとの"電気的"な接続方法や、外部コントローラ(Apple Remoteのようなもの)による制御方法、Picture-in-Pictureのような形で複数のアプリを同時に実行して閲覧する方法など、純粋に映像を楽しむための視聴デバイスとしての"HMD"に着目しているように見える。これに対し、SamsungのGear VRはマウンターそのものは単なる「デバイスを固定するための箱」であり、Galaxy Note 4をはめ込むことで視点を調整する役割を果たしているに過ぎない。Gear VRは「Oculus Rift」を多分に意識したもので、実際にOculusとのコラボで実現したものだ。Oculusではデバイスの装着者が頭を動かすと、モーションセンサーがそれを検知して移動量や向きに応じて視点が変更される特性があり、非常に没入感が高い。例えばゲームであれば実際にゲームの世界で行動しているような感覚を味わえ、環境映像や映画コンテンツと連動させた場合、頭を動かすことで固定視点の映像では見られない風景が目に入ったりといろいろ応用が期待されている。最近のスマートフォンの場合、このOculusのようなVR(仮想現実)の世界を体験するのに十分なセンサーやスペックを備えており、Gear VRはそれを実践したものだ。これが、今回のApple特許が申請から認可までの6年半で業界で起きた、大きな変化だといえるかもしれない。
2015年02月20日今夏には初の長編映画『映画 ひつじのショーン~バック・トゥ・ザ・ホーム~』も公開される人気キャラクター“ひつじのショーン”が日本時間23日(月)に発表になる米アカデミー賞を予想する(!?)パロディポスターが公開になった。その他の写真ポスターは本年度のオスカー候補になっている『バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)』と『6才のボクが、大人になるまで。』のポスターを、ひつじのショーンがマネているもの。バードマンの主人公は少しだけ宙に浮いているが、ショーンはトランポリンの力を借りて撮影に臨んだようだ。どちらも、『ウォレスとグルミット』などで知られる英国の名門アニメーション工房、アードマン・アニメーションズが作成した愛らしい画像で、シリーズでも見られる遊び心が感じられるデザインになっている。今夏公開の長編映画では、ショーンのささいなイタズラがきっかけで牧場主が牧場を出てしまい、ショーンと仲間たちが牧場主を助けるために初めて大都会に出て冒険を繰り広げる。『映画 ひつじのショーン~バック・トゥ・ザ・ホーム~』7月4日(土) 新宿ピカデリーほか全国ロードショー『6才のボクが、大人になるまで。』公開中(C)2014 boyhood inc./ifc productions i. L.L.c. aLL rights reserved.『バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)』4月10日(金)、TOHOシネマズ シャンテほか 全国ロードショー(C)2014 Twentieth Century Fox. All Rights Reserved.
2015年02月20日米レッドハットは2月17日(現地時間)、OpenStackを使用したクラウドを構築するための基盤の最新版として「Red Hat Enterprise Linux OpenStack Platform 6」の提供開始を発表した。新製品は、OpenStack Junoリリースをベースとしており、既存のデータセンター内においてOpenStackによる基盤構築を容易にする機能、キャリア間のネットワーク機能仮想化(NFV)デプロイメントを可能にする通信プロバイダーに特化した機能が追加されている。例えば、プロバイダとテナント両方のネットワークでIPv6に対応し、物理ネットワークとステートレスおよびステートフルモードのOpenStackNetworking(Neutron)仮想ルータにわたるIPv6アドレスの割り当てを可能にする。また、Cephによるブロックデバイスの完全サポートを含む新機能が、OpenStack Compute(Nova)とOpenStack Block Storage(Cinder)に追加されるため、「ディスクレス」のコンピュートノードと、新規仮想マシンのほぼ瞬間的なブートが実現される。SR-IOV(Single root I/O virtualization)が、新しいドライバによってサポートされ、ハイパーバイザおよび仮想スイッチのレベルをバイパスしてハードウェア上で直接ネットワーク・スイッチングを実行できるようになる。新製品では相互運用性を高める取り組みが行われており、Red Hat OpenStack Cloud Infrastructure Partner Networkには、275以上の認定OpenStackパートナーと、Red Hat Enterprise Linux OpenStack Platform上での使用を認定された1000以上のソリューションが含まれることになる。
2015年02月20日米Qualcommは18日、高性能モバイル機器向けのSoC「Snapdragon」4製品を発表した。「Snapdragon 620」および「Snapdragon 618」には、英ARM社が現地時間2月3日に発表した最新64bit CPU「Cortex-A72」が統合されている。Cortex-A72は、64bitアーテキクチャの2世代目のプロセッサ。最大2.5GHzで駆動し、従来のCortex-A15比で、性能は3.5倍に向上し、消費電力は25%削減されるという。Snapdragon 620では4コアのCortex-A72(1.8GHz)と、同じく4コアのCortex-A53(1.2GHz)を採用するbig.LITTLE構成。Snapdragon 618でも同様に、2コアのCortex A72(1.8GHz)と、4コアのCortex-A53(1.2GHz)を採用する。いずれも、4K動画の撮影やHEVCハードウェアエンコーディングなど、既に発表済みとなる800シリーズの機能を、600シリーズとして初めて備え、Qualcommの急速充電技術「Quick Charge 2.0」も搭載する。「Snapdragon 425」および「Snapdragon 415」は、400番台で初めてオクタコアを備えたモデル。CPUはオクタコアのCortex A53を採用している。Snapdragon 620 / 618 / 425の搭載デバイスは2015年後半に、Snapdragon 415の搭載デバイスは2015年前半に登場する見込み。
2015年02月19日米Appleがハンドヘルドデバイスを用いたヘッドマウントディスプレイ(HMD)システムの特許を取得したことが、米特許商標局(USPTO)が公開した資料で明らかになった。17日に成立したAppleの特許は「Head-mounted display apparatus for retaining a portable electronic device with display」(US 8,957,835)。頭に装着するヘッドマウントデバイスにiPhoneのようなディスプレイを持つハンドヘルドデバイスを取り付けるHMDシステムと、その操作方法に関するものだ。考案背景の説明では、ディスプレイを備えたHMDとPCやモバイルデバイスをケーブル接続するシステムはケーブルが邪魔になって取り扱いにくく、またHMDとモバイルデバイスの両方がディスプレイを装備するというような機能の重複が生じると指摘している。そうした重複はシステム全体では、コスト、重量やサイズの無駄になる。Appleが考案したHMDシステムは2つのデバイスが直接コネクタ接続し、電気的にも一体化するコードレスシステムだ。ヘッドマウントデバイスにハンドヘルドデバイスを取り付けるとディスプレイの表示がヘッドマウント・モードに切り替わる。頭に装着したユーザーは、左右の眼の部分に配置された光学パネルを通じてハンドヘルドデバイスのディスプレイを見る。またApple Remoteのようなリモコンによる操作補助も想定している。Googleが昨年6月に開発者会議Google I/O 2014で「Google Carboard」を公開し、昨年末にCarl Zeissが「Zeiss VR One」、Samsungが「Gear VR」を発売するなど、すでにスマートフォン一体型のHMDシステムは目新しい仕組みではなくなっているが、Appleは17日に成立した特許を2008年9月に出願していた。
2015年02月19日米MicrosoftのOfficeチームは現地17日、サードパーティのクラウドストレージサービス事業者向けプログラム「Cloud Storage Partner Program」の立ち上げを発表、「Office for iOS」と「Office Online.」で外部クラウドストレージサービスとの統合をすすめることを発表した。すでに発表済みのDropboxとの提携に続くもので、さまざまなプラットフォームやサービスでOfficeを利用できるようにする"新しいOffice"戦略を進めるものとなる。今回の発表は、2014年11月に発表した米Dropboxとの提携に続くもの。Dropboxとの提携は、OfficeアプリからDropboxに保存されているファイルへのアクセス、編集、共有を容易にするものだが、さまざまなデバイス、プラットフォーム、サービスからOfficeを利用できるようにするという方向性をさらに進展させる。まずは、iPadとiPhone向けの「Office for iOS」で、クラウドストレージサービスのネイティブ統合を実現した。これにより、ファイルの場所として、米Appleの「iCloud」とBoxなどが表示され、選択できるようになった。Microsoftによると、同じような統合を「Windows 10」のユニバーサルアプリ、Android向け「Office for Android」でも提供すべく作業を進めていくという。また、無料で提供するブラウザ版の「Office Online」側でも、各種ストレージサービスとの連携を進める。ユーザーが各ストレージサービスに保存されているドキュメントにブラウザからアクセスして開き、閲覧し、編集できるようにするもの。Microsoftはこれらを進めるにあたって、パートナープログラム「Cloud Storage Partner Program」を立ち上げており、すでにBox、Citrix、Salesforceが統合に向けた作業を進めているという。今後もクラウド事業者を拡大する意向だ。Microsoftは、「小さな強化に見えるかもしれないが、これらの新機能はわれわれの顧客にとって大切なアプリやサービスとOfficeとの統合に向けた大きな一歩となる」と記している。
2015年02月18日■職人魂の酒造りを貫きながら新たな伝統を創造していく姿勢福光屋は、毎年9月にその年最初の米を蒸す蒸米甑立て(こしきだて)を行い、10月頃から3月頃まで新酒の仕込み、そして4月には最後の蒸米作業である甑倒し(こしきだおし)で酒造りを終える。7月には、土用洗いといって酒造りに使う道具すべてを洗浄。細かい機材はもちろん、タンクやホースなどにも及ぶため、今でもほぼ1ヶ月はメンテナンスと整備に費やす。さて酒造りには、多くの工程がある。中でも「一麹(こうじ)、二もと、三造り」と昔から言われるほど、麹づくり重要な工程だ。他の作業は機械化しても、麹は手作業という酒蔵は多い。福光屋でも吟醸麹は、昔ながらの手法で蔵人が2日間昼夜を分かたず麹づくりをしている。蔵内の仕込みタンクを覗いてみると表面に泡が広がっている。米麹が蒸米のでんぷんを糖化させ、酵母がその糖分をアルコールへと発酵させているからだ。これを「並行複発酵」といい、世界でも珍しく複雑な醸造方法だとか。この泡の様子を見ながら20日間から1ヶ月ほど発酵させて仕上げる。できあがった醪をしぼり、原酒と酒粕に分けるのが「上槽(じょうそう)」。しぼりたての原酒をいただくが、飲み口のフレッシュさとアルコール度の高さに驚く。「しぼりたてだからアルコール度は高いですよ(笑)。このまましぼりたてとして出荷する以外は、濾過後に火入れして秋まで貯蔵します。味わいの設計に合わせてブレンドを行い、加水して瓶詰め時に再度火入れして出荷します」と生産本部・部長の正司和利さん。条件は同じでも、自然の恵みゆえに味が変わることはある。だからブレンドすることによって、その商品一定の味わいに整えて出荷するのだ。職人魂の酒造りを貫きながら、業界初の取り組みを数多く成し遂げてきた福光屋。「古い業界でもあるので、日本酒造りの領域を広げていくと業界初になってしまう」と福光屋13代当主の福光松太郎さん。老舗の暖簾を守るために、新たな価値を提案して発信し続けている。最後、ご当主に好きな自社銘柄をたずねると「よく嗜むのは『黒帯』ですね。料理に合わせて飲んでいただけるように、悠々、堂々、飄々、燦々と4種類あります。でもパッと直感で飲みたいと思うものを飲んで欲しい。黒帯は、右脳で飲む酒ですから」と笑った。前編に戻る。
2015年02月17日