AMR臨床リファレンスセンター(厚生労働省委託事業)は、昨年11月の「薬剤耐性(AMR)対策推進月間」啓発活動において、薬剤耐性(AMR)対策を自分の事として関心をもっていただくために、第7回 「薬剤耐性(AMR)あるある川柳」の公募を行いました。今回は、1,685作品のご応募をいただき、当センターにて選考を重ねた結果、一般部門から金賞1作品、銀賞は該当作品なし、医療従事者部門から金賞、銀賞 各1作品、両部門から佳作11作品、一般投票から「いいね賞」1作品の入賞を決定しました。入賞作品はAMR情報サイトで2月21日(水)から公開します。▼AMR情報サイト ▼薬剤耐性(AMR)あるある川柳公式サイト 図1【総評】国立研究開発法人 国立国際医療研究センター病院AMR臨床リファレンスセンター センター長大曲 貴夫図2今回で7回目となる「薬剤耐性(AMR)あるある川柳」の募集に、全国から1,685作品のご応募をいただきました。今回も心に響く素晴らしい作品をありがとうございました。COVID-19のパンデミックが落ち着くと同時に、急性気道感染症の症状があった場合に医療機関を受診控えすることが減り、一般の方の受診行動は元に戻りつつあります。わたしたちの調査では、かぜやインフルエンザに抗菌薬が有効だと思われている方が、まだまだたくさんいらっしゃいます。しかし、今年の入賞作品には、コロナもインフルエンザもかぜもウイルスが原因であり、抗菌薬はウイルスが原因となる疾患には効果がないことを念頭においた川柳が多くみられました。これは抗菌薬の正しい使用についての意識が高まりつつあることを示しているように感じます。新しい抗菌薬の開発はだんだん難しくなってきています。そのようななかで、今ある抗菌薬を適切に使用し、薬剤耐性につながってしまうような不適切な使用を避けることが大切です。川柳を通して、わたしたちができることや、薬剤耐性対策について考えていただけたことを大変うれしく思っています。こうした小さな活動が、小さくはありますが毎年継続し、世の中に広がっていくことを期待しています。今回ご応募いただいた川柳作品は、さまざまな形で活用させていただき、今後も薬剤耐性対策を進めてまいります。*公募期間:2023年11月1日-2023年11月30日*入賞者には賞状と記念品をお送りします。*川柳、ペンネームは、すべて応募者の表記にしたがっているため、一部当て字等の表記で掲載しています。*作品の著作権は、すべて国立国際医療研究センター病院 AMR臨床リファレンスセンターに帰属しています。無断での転載、使用はご遠慮ください。*入賞および応募作品につきましては、当センターのウェブサイト、SNS、報道資料等、広告広報活動の一環として使用いたします。■AMR対策の必要性~ 抗菌薬・抗生物質は不適切に使うことで、本当に必要な時に効果が発揮できなくなる ~抗菌薬・抗生物質は細菌が増えるのを抑えたり、殺したりする大切な薬です。しかし抗菌薬・抗生物質を不必要・不適切に使用していると、本来ならば効くはずの細菌に対して効かなくなることがあり、これを「薬剤耐性 (AMR:Antimicrobial resistance) 」 といいます。2019年4月にWHOが国連事務総長宛に出した報告書*では、AMRに対する持続的な取り組みがなければ、2015年から2050年の間に高所得国でおよそ240万人が死亡する可能性があること、また2008年から2009年の世界金融危機に匹敵する経済的ダメージを受ける可能性があると述べています。AMRの問題は人、動物、植物、食品、環境など多岐にわたるため、すべての関係者が共通のビジョンと目標を持って団結し、持続的なワンヘルス対応が不可欠とされます。日本では、毎年11月を「薬剤耐性(AMR)対策推進月間」に設定して、AMR対策の必要性を伝えるためのさまざまな取り組みを行っております。* 詳細はこちら プレスリリース提供元:@Press
2024年02月21日国立大学法人千葉大学医学部附属病院(病院長:横手幸太郎、以下 千葉大学病院)の次世代医療構想センター(センター長:吉村健佑)とNTTコミュニケーションズ株式会社(代表取締役社長:丸岡亨、以下 NTT Com)はデータを秘匿化したまま分析可能な「析秘(R)」(※1)を活用し、日本で初めて自病院と二次医療圏(※2)単位で薬剤耐性菌(※3)の出現状況を可視化・比較可能なベンチマークシステム(以下 本システム)を開発しました。また、2024年2月より本システムを活用し千葉県における薬剤耐性菌動向調査研究(以下 本研究)に取り組み、薬剤耐性菌の課題解決をめざします。1. 背景近年、抗菌薬などの開発により、菌やウイルスによる感染症の多くは治療が可能となっています。一方で、抗菌薬が効かない、または効きにくいという薬剤耐性をもつ菌 (薬剤耐性菌)が世界的に増加しています。これは、抗菌薬などの過剰処方や、患者が処方された抗菌薬の服用を途中でやめてしまうなどの不適切な使用が要因だと考えられています。薬剤耐性菌の増加は、これまで薬の投与によって治癒していた患者が治癒しにくくなり、結果的に感染症が拡大することや、死亡率の上昇に繋がるとされています。(※4)WHOの調査では、何も対策を取らない場合2050年には世界中で年間約1,000万人の死亡が想定されており(※5)、これはがんの死亡者数を超えるとされています。日本では2016年および2023年に「薬剤耐性(AMR)対策アクションプラン」(※6)が策定されており、「医療・介護分野における薬剤耐性に関する動向調査の強化」が求められています。その中では、薬剤耐性(AMR)の傾向を把握する「院内感染対策サーベイランス事業(JANIS)」(※7)や、医療機関や地域ネットワークで活用する「感染対策連携共通プラットフォーム(J-SIPHE)」(※8)などにより対策を進めていますが、参加施設は大規模な医療機関が多く、中小規模の医療機関については実態の把握や対策が困難となっています。2. 本システムの概要と特長本システムは中小規模を含む医療機関の薬剤耐性菌の動向調査および対策を行うために開発されました。主な特長は以下の通りです。(1)データを秘匿化したまま分析可能中小規模の医療機関は、都道府県単位の薬剤耐性菌動向調査への協力は抵抗感が低い傾向にありますが、より細かな地域単位での調査の場合、自施設の動向を近隣施設に知られることへ懸念がありデータ共有が進まないことが課題です。本システムはデータを秘匿化したまま分析可能な「析秘(R)」を活用し、各施設の情報を保護しつつ動向調査が可能です。(2)自病院と二次医療圏で薬剤耐性菌の出現状況を可視化・比較本システムは、「院内感染対策サーベイランス事業(JANIS)」で収集しているデータをもとに、自病院、二次医療圏および都道府県単位で薬剤耐性菌の出現状況を可視化・比較しベンチマークすることが可能です。ベンチマークした情報は自病院の薬剤耐性菌対策への基礎情報として役立てます。自病院と二次医療圏単位の薬剤耐性菌のデータを可視化・比較できるベンチマークシステムは日本で初めてです。3. 本研究の概要本システムを用いて9つの二次医療圏にて本研究に取り組みます。■実施概要:千葉県の9つの病院で厚生労働省の院内感染対策サーベイランス事業で収集している細菌検査データを「析秘(R)」にアップロードします。「析秘(R)」では各病院の薬剤耐性菌出現状況を秘匿化した状態で分析し、自病院、二次医療圏および都道府県単位での薬剤耐性菌の状況を可視化・比較します。また、時系列での分析を行うことにより、対策後の効果についても確認することが可能です。参加施設数は随時増える見込みとなっています。■期間:2024年2月~2026年3月4. 本研究における各社の役割千葉大学病院:代表共同研究者、本システムの機能要件定義、薬剤耐性菌対策に関する研究推進NTT Com :本システムの開発および提供5. 今後の展開千葉大学病院は、本研究の成果を学会などで発表し広く普及することで薬剤耐性菌の課題解決に貢献していきます。NTT Comは、本システムを他の医療機関へ展開することで日本全国の薬剤耐性菌の課題解決に貢献するとともに、機密性の高い情報を「析秘(R)」により安全に流通・活用可能であることを示すことで、医療データの利活用促進と医療における課題解決に貢献します。今後は本研究に加え、千葉県内の抗菌薬処方データと本研究の結果を組み合わせ、薬剤耐性菌と抗菌薬処方の関係性を明らかにすることでさらなる薬剤耐性菌の課題解決に取り組む予定です。千葉大学医学部附属病院次世代医療構想センターは、2025年以降の人口構成や疾病構造の大きな変化を見据え、安定した地域の保健医療の提供と研究と開発、そして実践をしています。 NTTドコモ、NTT Com、NTTコムウェアは、ドコモグループの法人事業を統合し、法人事業ブランド「ドコモビジネス」を展開しています。「モバイル・クラウドファースト」で社会・産業にイノベーションを起こし、すべての法人のお客さま・パートナーと「あなたと世界を変えていく。」に挑戦します。 (※1):「析秘(R)」とは、NTT Comが提供する、データを秘匿化したまま分析を行い結果のみを出力する秘密計算が、Webブラウザー上で利用できるサービスです。(※2):二次医療圏は救急医療を含む、一般的な入院治療が完結するように設定された区域で一般的には複数の市区町村で構成されています。(※3):薬剤耐性菌とは、従来の抗菌薬が効かない「薬剤耐性」をもった細菌です。(※4):AMR臨床カンファレンスセンターの「日本の薬剤耐性菌の状況」を参照しています。 (※5):OECD(経済協力開発機構)の世界各国の薬剤耐性菌に関する調査レポートを参照しています。 (※6):厚生労働省の薬剤耐性(AMR)対策アクションプランを参照しています。 (※7):「院内感染対策サーベイランス事業(JANIS)」は院内感染対策に有用な情報の還元などを行うことを目的とした厚生労働省が主導する事業です。 (※8):「感染対策連携共通プラットフォーム(J-SIPHE)」は国立研究開発法人国立国際医療研究センター内のAMR臨床リファレンスセンターが運営する薬剤耐性菌対策に活用できるシステムです。 関連リンク千葉大学病院とNTT Com、炎症性腸疾患において患者のプライバシーを保護したまま行う日本初の観察研究を開始(2022年11月29日) 千葉大学病院とNTT Com、「秘密計算ディープラーニング」などの技術を活用した臨床データ分析の共同研究を開始(2021年2月8日)ニュース 2021年2月8日:千葉大学病院とNTT Com、「秘密計算ディープラーニング」などの技術を活用した臨床データ分析の共同研究を開始|ドコモビジネス|NTTコミュニケーションズ 企業情報 詳細はこちら プレスリリース提供元:@Press
2024年02月09日日本政府は、世界的に脅威となっている薬剤耐性(AMR)問題に係る全国的な普及啓発活動を推進するため、毎年11月を「薬剤耐性(AMR)対策推進月間」に設定しています。AMR臨床リファレンスセンターでは、「薬剤耐性(AMR)対策アクションプラン」に基づく取り組みを行っており11月の「薬剤耐性(AMR)対策推進月間」にあわせ、さまざまな啓発キャンペーンや施策を実施しています。今年も、人気が高いTVアニメ「はたらく細胞」とのコラボレーションで、多くの方に薬剤耐性対策の重要性を啓発していきます。さらに、より多くの方に関心をもって理解を深めていただくための施策として、今年で第7回の実施となる 薬剤耐性(AMR)あるある川柳」の公募も11月1日より開始します。メインヴィジュアルキャンペーンサイト公開中 (1) TVアニメ「はたらく細胞」メインヴィジュアル啓発ツールポスター、リーフレット、ノベルティを作成(キャンペーン参加薬局、小児科クリニックを通じて一般の方に配布予定)キャンペーンWEBサイト(2) キャンペーンWEBサイト動画、各啓発ツールの紹介クイズ参加で壁紙のダウンロードなどSAITAMA子育て応援フェスタ(3) YouTube漫画家による啓発動画【注意!】知らぬ間に薬が効かない菌がいた!!チャンネル登録者数 12万人超の著名作家 お楽しみに(4) SAITAMA子育て応援フェスタ2023年11月18日(土)・19日(日) さいたまスーパーアリーナ ブース出展ステージ 18日(土) 12:50~「薬剤耐性(AMR)について 学んでみませんか?」 (お話:藤友 結実子医師)薬剤耐性あるある川柳(5) 第7回「薬剤耐性(AMR)あるある川柳」11月は「薬剤耐性(AMR)対策推進月間」です。「薬剤耐性(AMR)」や「抗菌薬」をテーマにした川柳を11月1日より募集します。薬剤耐性(AMR:Antimicrobial Resistance)とは、感染症を引き起こす原因となる微生物に、本来であれば効果があるはずの薬が効かなくなることをいいます。抗菌薬(抗生物質)は細菌に作用する薬なので、ウイルスが原因となる「かぜ」の時にのんでも効果はありません。不必要・不適切な抗菌薬の使用は、薬剤耐性菌を増やしてしまう原因につながります。意外に身近なAMRの問題。知らなかったり間違って覚えていたりしていませんか。ぜひこれらを題材に詠んだ作品を、「薬剤耐性(AMR)あるある川柳」にご応募ください。詳しくは当センターのウェブサイトをご覧ください 過去の作品はこちらから 【応募規定】応募作品は、本人が創作した未発表で第三者の著作権を侵害しない、個人情報が含まれていない、生成AIを使用した作品でないものに限ります。*入選後に規定違反が判明した場合は、受賞取り消し、賞状・記念品の返還を求めます。【応募方法】●Webから応募 下記ウェブサイトの専用フォームよりご投稿ください。 ●ハガキから応募 下記の必要事項を記入の上、ご応募ください。(1) 一般部門または医療従事者部門(2) 川柳作品 応募作品はひとり5作品まで (入賞はひとり1作品となります)(3) ペンネーム(漢字はフリガナ明記)/本名(漢字はフリガナ明記)(4) 生年月日・年齢・性別・職業(5) 郵便番号・住所・電話番号・メールアドレス【ハガキの送り先・問い合わせ】〒105-0011東京都港区芝公園1-8-21 芝公園リッジビル5F(株式会社公募ガイド社内)第7回「薬剤耐性(AMR)あるある川柳」事務局 宛TEL : 03-5405-2062MAIL: amr-senryu2023@koubo.co.jp 【応募期間】2023年11月1日(水)から11月30日(木)(必着)【入賞発表】2024年2月上旬(予定)当センターウェブサイト等にて発表。(入賞者には賞状・記念品を進呈) 【応募上のご注意】応募作品は返却しませんので控えをおとりください。応募、入賞作品は、当センターのウェブサイト、SNS、報道資料等、広告広報活動等に使用することがあります。ご了承のうえ、ご応募ください。【姫路市役所にて「薬剤耐性(AMR)対策推進月間」ロビー展を開催】姫路市では、2021年10月のWHO西太平洋地域委員会開催に伴い、ホストシティとして、医師会や歯科医師会など医療関係者等と連携し、国際オンラインシンポジウム「AMRという健康危機」を開催しました。このシンポジウムの開催を契機に、2022年2月、AMR対策を推進する「AMR対策推進のまち」を宣言しました。姫路市では、2016年の「薬剤耐性(AMR)アクションプラン」に基づき、さまざまな啓発の取り組みを行っているAMR臨床リファレンスセンターと協力し、11月の「薬剤耐性(AMR)対策推進月間」の啓発キャンペーンの一環として、TVアニメ「はたらく細胞」のポスター展示と啓発ツールの配布、毎年実施されている「薬剤耐性(AMR)あるある川柳」の募集コーナーの展示を行います。開催期間:2023年11月1日(水)~11月30日(木)会場 :姫路市役所 1F 市民ロビー(正面玄関側)姫路市安田四丁目1番地電話 :079-221-2399(姫路市健康福祉局 保健福祉部 地域医療課) 詳細はこちら プレスリリース提供元:@Press
2023年10月26日感染症治療に使われる抗菌薬(いわゆる“抗生物質”)が効かない薬剤耐性(AMR)の問題が世界中で深刻化しています。日本でもメチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)と薬剤耐性大腸菌の感染症による死亡者数が、年間8,000人を超えるとの推計も出ており、深刻な影響が懸念されています。AMRの問題は抗菌薬の不適切な使用が一因であり、その対策として私たちにできることは、抗菌薬の知識や理解を深めて正しく使うことです。AMR臨床リファレンスセンターでは、今年度も一般の方700人を対象に「抗菌薬・抗生物質に関する意識調査」を行いました。その結果、一般国民の抗菌薬への知識やAMR、薬剤耐性菌への正しい認識は不十分なまま、この数年間変化していないことが判明しました。【調査概要】1. 調査方法 :インターネット調査2. 調査機関 :国立研究開発法人 国立国際医療研究センター病院AMR臨床リファレンスセンター3. 調査対象者:全国の15歳以上の男女4. 有効回答数:700サンプル(10代/20代/30代/40代/50代/60代/70代の7つの年代属性で男女各50名ずつ)5. 調査実施日: 2023年9月調査 SUMMARY<サマリー>◇抗菌薬に関する知識は不十分なまま変わっていない・「抗菌薬はウイルスをやっつける」は間違いと正しく回答した人14.7%・「抗菌薬・抗生物質はかぜに効く」は間違いと正しく回答した人23.0%◇抗菌薬・抗生物質の取り置きやその使用は減少・家にとってある抗菌薬・抗生物質がある人は15.9%と昨年より11.5ポイント減少・とっておいた抗菌薬・抗生物質を飲んだことがある人は17.5%で昨年より減少・15歳以下の子どもがいる人(32.5%)では、いない人(15.1%)よりもその割合が高くなる◇感染症予防対策は昨年より減少傾向であるものの、7割程度と多い・感染症予防対策で「マスクの着用」、「咳エチケット」、「こまめな手洗い」を必ず行っている、できるだけ行っている人は7割前後である詳しくは下記URLをご参照ください。「抗菌薬意識調査レポート 2023」URL: 詳細はこちら プレスリリース提供元:@Press
2023年09月27日AMR臨床リファレンスセンター(厚生労働省委託事業)は、昨年11月の「薬剤耐性(AMR)対策推進月間」啓発活動において、薬剤耐性(AMR)対策を自分の事として関心をもっていただくために、第6回「薬剤耐性(AMR)あるある川柳」の公募を行いました。今回は1,777作品のご応募をいただき、当センターにて選考を重ねた結果、一般部門から金賞、銀賞 各1作品、医療従事者部門から金賞、銀賞 各1作品、佳作8作品、一般投票から「いいね賞」1作品の入賞を決定しました。入賞作品はAMR情報サイトで2月11日(土・祝)から公開します。▼AMR情報サイト 二次元コード■医療従事者部門 一般部門図1図2●公募期間:2022年11月1日-2022年11月30日●入賞者には賞状と記念品をお送りします。●川柳、ペンネームは、すべて応募者の表記にしたがっているため、一部当て字等の表記で掲載しています。●作品の著作権は、すべて国立国際医療研究センター病院 AMR臨床リファレンスセンターに帰属しています。無断での転載、使用はご遠慮ください。●入賞および応募作品につきましては、当センターのウェブサイト、SNS、報道資料等、広告広報活動の一環として使用いたします。【総評】今年度で6回目となる「薬剤耐性(AMR)あるある川柳」の募集に、全国から1,777作品のご応募をいただきました。今回も心に響く素晴らしい作品をありがとうございました。薬剤耐性菌は、静かに広がっています。抗菌薬が効かないために、さまざまな医療が困難になったり、わたしたちの生活を一変させてしまうこともあります。新型コロナウイルス感染症の発生以降、感染対策や健康管理の意識はわたしたちの日常生活に定着してきました。今回ご応募いただいた作品は、抗菌薬の正しい知識や薬剤耐性問題をわかりやすいフレーズで表現したもの、将来においても効く抗菌薬を残すために今の自分ができること、自身への戒め、社会への警告など多岐にわたった作品がみられました。川柳を通じて多くの方に抗菌薬の正しい知識を知っていただき、薬剤耐性対策について考えていただけたことを大変うれしく思っています。少しずつですが、そのような意識が世の中に広がってきていることを実感しています。今後、これらの川柳作品をさまざまな形で活用させていただき、薬剤耐性対策の啓発をさらに推進してまいります。国立国際医療研究センター病院 AMR臨床リファレンスセンター センター長 大曲 貴夫大曲 貴夫 画像■AMR対策の必要性~抗菌薬・抗生物質は不適切に使うことで、本当に必要な時に効果が発揮できなくなる~抗菌薬・抗生物質は細菌が増えるのを抑えたり、殺したりする薬です。しかし、細菌もさまざまな手段を使って生き延びようとします。本来ならば効くはずの抗菌薬・抗生物質が効かなくなることを「薬剤耐性(AMR:Antimicrobial resistance)」といいます。2019年4月29日、国連は抗生物質が効きにくい薬剤耐性菌が世界的に増加し、危機的状況にあるとして各国に対策を勧告しています。日本では、外来診療での抗菌薬・抗生物質使用が9割以上を占めており、外来診療で抗菌薬・抗生物質の適正使用を推進することが不可欠といえます。日本では毎年11月を「薬剤耐性(AMR)対策推進月間」と設定して、AMR対策の必要性をお知らせするさまざまな取り組みを行っております。 詳細はこちら プレスリリース提供元:@Press
2023年02月10日家事に育児に仕事にと、分刻みですべてをこなす働く子育て世代のパパ・ママにとって、家族の1人でも体調を崩すことは死活問題。家族の笑顔を守るために自分自身はもちろん、パートナーや子どもの健康管理はとても大切です。▼子どもが発熱すると、ほんともう大変~!(えい子さんの場合)バランスのよい食事に加えて感染対策に力を入れたり、いざというときのために常備薬を切らさないよう注意しているというパパ・ママも多いかもしれません。けれど、よかれと思って何気なくやっていたことが、大切な人の未来に悪影響を及ぼしている可能性も。じつは風邪などの際に自己判断で抗菌薬(抗生物質、抗生剤ともいう)を服用することによって、症状が悪化したり、将来的に薬が効かなくなることがあるんです。これを「薬剤耐性(やくざいたいせい)」(通称:AMR)といい、いま世界的に深刻な問題となっています。データによると、2050年には薬剤耐性による死亡者数ががんによる死亡者数を超えるとも言われているんです。(国立国際医療研究センター病院藤友先生)では、薬を服用する機会も多い子育て世代の私たちはどんなことに気をつければよいのでしょうか? 国立国際医療研究センター病院の藤友先生にわかりやすく解説していただきました!【目次】・クイズ-1 子どもが風邪をひいたとき…・クイズ-2 症状が改善されたので…・薬剤耐性(AMR)をやさしく解説!風邪に抗菌薬(抗生物質、抗生剤)は効く?早速ですが、えい子さんに◯'クイズ です!は、はい!\クイズ その1/風邪をひいたので、以前病院で処方された「抗菌薬」を早めに服用した。これは ◯ か ' か?答え: ' 風邪に「抗菌薬」は効きません覚えていて欲しい!「風邪はほとんどの場合、ウイルスが原因となるため、細菌による感染症の治療に使用される抗菌薬は効果がありません。それどころか、抗菌薬を不適切に飲んでいると「薬剤耐性菌」ができてしまい、本当に抗菌薬が効いて欲しいときに効かなくなる可能性も。また、抗菌薬は腸内環境を整えている菌も攻撃してしまうので、下痢などの副作用が出る場合があるんです。\これ、絶対やっちゃダメ!/子どもが急に発熱したので、自宅に残っていた抗菌薬を飲ませた風邪っぽいけど忙しくて病院に行けないので、以前処方された抗菌薬を飲んだ喉の痛みがあったので、子ども用に処方された抗菌薬を倍量で飲んだ…など、緊急事態に慌ててやってしまいがちなこれらの行動は、絶対にしてはダメですよ!くしゃみや鼻水、咳や発熱などの風邪の症状は、体がウイルスに反応し戦っている証拠。医師に処方された薬や、薬局で売っている風邪薬はこのツラい症状を和らげるもので、原因であるウイルスをやっつけるわけではありません。風邪を治すために必要なのは、体の免疫力や十分な休息。日頃から手洗いや咳エチケット、ワクチン接種で感染対策をし、栄養バランスの整った食事と運動、十分な睡眠で免疫力をつけておくことが大切です。処方を受ける場合は、どんな薬なのかを把握し、用法用量をきちんと守って服用しましょう。自分や子どもの体に直接作用するものなのですから」(藤友先生)\クイズ その2/細菌性の病気と診断され、処方された薬を症状が軽くなったタイミングで飲むのをやめた。これは ◯ か ' か?答え: ' 指示通りに抗菌薬を飲み切らないと完治しません覚えていて欲しい!「医師に処方された抗菌薬を指示通りに最後まできちんと服用することは、じつはとても大切なこと。症状がよくなったからといって自己判断で飲むのをやめてしまうと、体内に残った病原菌によって症状がぶり返す恐れがあるんです。また、症状が軽くなったからといって1日3回の処方を2回に減らしてしまうといった、飲む量を変えてしまうことも危険な行為。中途半端な薬剤の濃度によって完全に死滅しなかった病原菌は、薬への抵抗力をつけ、薬が効かない細菌が生まれてしまうことがあるんです。このような『薬剤耐性菌』が発生しやすい環境を作らないためにも、抗菌薬は決められた処方を正しく服用するようにしましょう」(藤友先生)薬剤耐性が原因で死亡…世界で推定127万人!正しい知識を身につけよう!えい子さん、クイズはいかがでしたか?病気が「ウイルス性」か「細菌性」かなんて考えたこともなかったし、なんとなく抗菌薬って万能な気がして、つい自己判断で飲んでしまっていました。風邪に抗菌薬が効かないと知っている日本人は20%くらいなんです。誤った知識が薬剤耐性につながっていくんですよね。じつは「薬剤耐性(AMR)」が原因で、世界で年間127万人もの人が死亡しているとも言われているんですよ。[出典:Lancet.2022 Feb 12;399(10325):625-655] えっ! そんなに…。多くの人に「薬剤耐性菌」ができてしまうと、将来的に抗菌薬が使えなくなるってことですよね?そうなんです。このままの状況が続くと感染症の治療が難しくなって、死に至るケースも増えてきます。それだけでなく、抗がん剤の治療や手術が難しくなることにもつながるんです。また、身近なところだと抗菌薬の乱用によって体の調子を整えてくれる菌まで殺してしまい、腸内環境が乱れやすくなるということも。せっかくの腸活も意味がなくなります。抗菌薬について正しい知識を身につけて、未来の子どもたちの笑顔を守りましょう!\まとめ/薬剤耐性(AMR)問題、何がどう影響する?▼「細菌性感染症」が治りにくくなる抗菌薬を不必要に飲んだり、処方通りに服用しないことで「薬剤耐性菌」ができてしまい、抗菌薬が効きにくくなってしまいます。将来的にはさまざまな医療の可能性を狭めてしまい、手術や抗がん剤治療に支障をきたすケースも。このままだと「使える薬がなくなってしまう未来」が子どもたちに襲いかかります。\じゃあ、何に注意したらよい?/1)抗菌薬の正しい知識を身につけること抗菌薬は、細菌の感染症治療に使われる薬です。抗菌薬についてわからないことがあれば医師や薬剤師に相談しましょう。☑ ほとんどの風邪はウイルスが原因。風邪に「抗菌薬」は効きません☑ 抗菌薬は医師の処方が必要な薬です。自己判断で服用してはいけません☑ 抗菌薬を処方されたら、指示通りの期間と量を守って服用すること☑ 抗菌薬はあげたりもらったりしてはダメ! その人の状態に合わせて処方されています2)基本的な感染対策を徹底すること病気にならないのが一番! そのためには「手洗い・咳エチケット」を徹底すること。食事や睡眠をしっかり摂って免疫力をつけることも心がけましょう。また、ワクチンで防げる病気はワクチンで予防しましょう。初めて知ることもありましたが、大切なことがよくわかりました! 藤友先生、ありがとうございました!子どもたちの未来のために親である私たちができること毎日忙しいとつい忘れがちですが、家族みんなが笑顔で暮らせるのは決して当たり前なことではなく、健康がベースにあってこそ。薬剤耐性(AMR)というと専門的で少し難しいことのようにも感じますが、じつはとても身近な問題で、私たちが今からできることはたくさんあります。まずは薬剤耐性に関する正しい知識を持つこと、そして手洗い・咳エチケットなど日々の感染対策を徹底すること。子どもたちの未来のためにもぜひ関心を持つことから始めてみてくださいね。 薬剤耐性(AMR)をもっと知る TVアニメ「はたらく細胞」で薬剤耐性を学ぶ! 子どもたちの未来のために薬剤耐性(AMR)をもっと知る ・動画で「薬剤耐性」をもっと知る >> ・「ウイルス」と「細菌」の違いとは? >> ・私たちができること AMR防止3カ条 >> [PR] 国立国際医療研究センター病院 AMR臨床リファレンスセンター イラスト:ちょっ子 文:佐々木彩子※本記事に登場する人物とストーリーは、記事内容をお伝えする目的で作られたフィクションとなります
2022年11月01日日本政府は、世界的に脅威となっている薬剤耐性(AMR)問題に係る全国的な普及啓発活動を推進するため、毎年11月を「薬剤耐性(AMR)対策推進月間」に設定しています。AMR臨床リファレンスセンターでは、「薬剤耐性(AMR)アクションプラン」に基づく取り組みを行っており11月の「薬剤耐性(AMR)対策推進月間」にあわせ、さまざまな啓発キャンペーンや施策を実施しています。今年も、人気が高いTVアニメ「はたらく細胞」とのコラボレーションで、多くの方に「薬剤耐性(AMR)」対策の重要性を啓発していきます。さらに、より多くの方に関心をもって理解を深めていただくための施策として、今年で6回目の実施となる「薬剤耐性(AMR)あるある川柳」の公募も11月1日(火)より始まります。メインヴィジュアルキャンペーンサイト公開 (1)TVアニメ「はたらく細胞」メインヴィジュアル啓発ツールポスター、リーフレット、ノベルティを作成(キャンペーン参加薬局、小児科クリニックを通じて一般の方に配布予定)TVアニメ「はたらく細胞」 メインヴィジュアル啓発ツール(2)キャンペーンWEBサイトキャンペーンWEBサイト(3)啓発動画の制作・YouTube公開(30秒×3編)啓発動画の制作・YouTube公開(4)TGC teen 2022 Tokyo タイアップ2022年11月13日(日) 開演16:00~会場:LINE CUBE SHIBUYA●ステージプログラム「かぜに抗菌薬は効かないシュッ!!」(仮)(5)各種メディア広告・新聞広告:KODOMO新聞、中高生新聞 他・車両サイネージ広告:JR京浜東北線 10月31日(月)-11月6日(日)・子育てマンガWEB広告・SNS配信 他(6)第6回「薬剤耐性(AMR)あるある川柳」11月1日(火)より公募スタート第6回 「薬剤耐性(AMR)あるある川柳」今年も薬剤耐性(AMR)や抗菌薬をテーマにした川柳を募集いたします。近年、抗菌薬が効かない、効きにくい薬剤耐性(AMR)をもった細菌が世界的に増えており、大きな社会問題になっています。そのAMR対策について、一般の方にも自身のこととして捉え、関心をもっていただくための啓発活動として、第6回「薬剤耐性(AMR)あるある川柳」の公募を行います。今回も一般部門と医療従事者部門に分けて募集します。「知らなかった!」「言われてみれば」「ついつい…」「それある?ある!」など、共感できること、日頃感じていることや実体験を川柳として詠んでください。詳しくは、下記応募要項、昨年入賞作品例をご参考ください。 「金賞」「銀賞」「いいね賞」「佳作」を受賞された方には、それぞれ賞状・記念品をお送りします。薬剤耐性(AMR)あるある川柳 昨年入賞作品【応募要項】●応募規定・応募はひとり5句まで・入賞作品はひとり1句までとなります・日本国内および海外に在住する小学生以上の方・本人が創作した未発表で第三者の著作権を侵害しない作品に限ります・個人情報が含まれていない作品に限ります●応募方法▼Webから応募薬剤耐性(AMR)あるある川柳のサイトから、専用フォームに作品、必要事項を記入の上、ご投稿ください。▼ハガキから応募下記の必要事項を記入の上、ご応募ください。(1)作品(2)ペンネーム(漢字はフリガナ明記)本名(漢字はフリガナ明記)(3)生年月日・年齢・性別・職業(4)郵便番号・住所・電話番号・メールアドレス※応募作品は返却いたしませんので控えをお取りください。●送り先・お問い合わせ先〒105-0011 東京都港区芝公園1-8-21 芝公園リッジビル5F第6回「薬剤耐性(AMR)あるある川柳」事務局 行(株式会社公募ガイド社内)TEL : 03-5405-2062Mail: amr-senryu@koubo.co.jp ●応募期間2022年11月1日(火)から11月30日(水)(必着)●入賞発表2023年2月上旬(予定)AMR情報サイト/Facebookページにて発表。受賞者には賞状・記念品を発送します。●応募上のご注意応募及び入賞作品は、当主催者のWebサイト、SNS、報道資料等、広告広報活動に使用することがございます。ご了承のうえ、ご応募ください。【AMR対策の必要性】―抗菌薬・抗生物質は不適切な使用により、本当に必要な時に効かなくなってしまう―抗菌薬・抗生物質は細菌が増えるのを抑えたり、殺したりする薬です。しかし、細菌もさまざまな手段を使って生き延びようとします。本来ならば効くはずの抗菌薬・抗生物質が効かなくなることを、「薬剤耐性(AMR:Antimicrobial resistance)」といいます。2019年4月29日、国連は抗生物質が効きにくい薬剤耐性菌が世界的に増加し、危機的状況にあるとして各国に対策を勧告しています。また、日本でも「薬剤耐性菌」によって、2017年に国内で8,000人以上が死亡したとの推計*が出ており、深刻な影響が懸念されています。特に外来での抗菌薬・抗生物質使用が9割以上を占めており、外来診療で抗菌薬・抗生物質の適正使用を推進することが不可欠です。日本では、毎年11月を「薬剤耐性(AMR)対策推進月間」と設定しており、世界ではWHO(世界保健機関)により11月18日を含む週が「世界抗菌薬啓発週間」として定められています。このように、薬剤耐性(AMR)の問題は世界で一丸となって取り組んでいる緊急課題です。*J Infect Chemother. 2019 Dec 1. pii: S1341-321X(19)30335-6. doi: 10.1016/j.jiac.2019.10.017. 詳細はこちら プレスリリース提供元:@Press
2022年10月27日感染症治療の切り札といわれる抗菌薬が効かない薬剤耐性(AMR)の問題が世界中で深刻化しています。日本でも2種類の「薬剤耐性菌」によって2017年に国内で8,000人以上が死亡したとの推計が出ており、深刻な影響が懸念されています。薬剤耐性(AMR)の問題は抗菌薬・抗生物質の不適切な使用が一因であり、その対策として私たちにできることは、抗菌薬・抗生物質の知識や理解を深めて正しく使うことです。AMR臨床リファレンスセンターでは、今年度も一般の方700人を対象に「抗菌薬・抗生物質に関する意識調査」を行いました。その結果、日本人の抗菌薬・抗生物質や薬剤耐性への知識が未だ不十分であることが見えてきました。しかし、コロナ禍の経験を通じて、体調不良時には学校や職場を休むと回答した人は年々増加し、咳エチケットを行いたいと約6割が回答するなど、感染症に対する行動の高まりが見えてきました。「抗菌薬意識調査レポート 2022」発表 ■調査概要1. 調査方法 :インターネット調査2. 調査機関 :国立研究開発法人 国立国際医療研究センター病院 AMR臨床リファレンスセンター3. 調査対象者:全国の15歳以上の男女4. 有効回答数:700サンプル(10代/20代/30代/40代/50代/60代/70代の7つの年代属性で男女各50名ずつ)5. 調査実施日:2022年8月■調査 サマリー<抗菌薬・抗生物質の正しい知識を持つ人の割合は低く、2020年から変動なし>・「抗菌薬・抗生物質はかぜに効果がある」というのは間違い・「抗菌薬はウイルスをやっつける」は間違いと正答した人 16.4%<抗菌薬・抗生物質の不適切な使用が増加>・家にとってある抗菌薬・抗生物質がある人は27.1%、昨年より増加・とっておいた抗菌薬・抗生物質を自分でのんだことがあると約4人に1人が回答・薬剤耐性菌の感染症にかかるかもしれないと思っても「特になにもしない」人は74.7%<感染対策に対する対する意識は浸透してきている>・体調不良時に「休む」人は60.0%で2019年より年々増加傾向に・感染症予防対策で「咳エチケット」を必ず行いたいと59.6%が回答 詳細はこちら プレスリリース提供元:@Press
2022年10月03日AMR臨床リファレンスセンターは、2022年5月に全国の20歳以上の生活者を対象に「かかりつけ医と薬の処方」に関する調査を行いました。「薬剤耐性(AMR)」が起こる要因の一つに、抗菌薬の不適切な使用があげられます。抗菌薬は病院よりもクリニック(診療所)で、内服薬として処方されることが多いのが日本の実情です。そのためAMR対策は病院だけでなく、クリニックなどの外来診療の場でも進めることが重要です。昨今、患者さんが気軽に質問や相談ができ、患者さんと治療目標を共有し、必要な時、適切に専門の医師や医療機関に紹介できる「かかりつけ医」の役割が重要視されてきています。そのような背景をもとに今回は「かかりつけ医」と、薬の処方・服用、薬剤耐性に関する実態などを調査いたしました。(当調査では、以下の厚生労働省「かかりつけ医」の定義を利用しています)*「かかりつけ医」とは、健康に関することをなんでも相談できる上、最新の医療情報を熟知して、必要な時には専門医、専門医療機関を紹介してくれる、身近で頼りになる地域医療、保健、福祉を担う総合的な能力を有する医師。厚生労働省「上手な医療のかかり方.jp」定義より抜粋 ▼調査概要1. 調査方法 :インターネット調査2. 調査機関 :国立研究開発法人 国立国際医療研究センター病院AMR臨床リファレンスセンター3. 調査対象者:全国の20歳以上で、5年以内に病院・診療所・クリニックで診察を受けた方*健康診断や新型コロナウイルスのワクチン接種などでの受診を除く4. 有効回答数:601サンプル(20代/30代/40代/50代/60代以上の5つの年代属性で男女各60名ずつ)*性別「その他」と回答した方は割付外とする5. 調査実施日:2022年5月18日<調査結果のポイント>●「かかりつけ医」がいる人は約65%、65歳以上になると80%近くに●「かかりつけ医」の決め手は「家から近い」、医師とのコミュニケーション重視●「かかりつけ医」がいる方が、薬剤耐性、抗菌薬について説明を受ける割合が高い●若い世代ほど、薬をのみ切らなかったり、あまった薬を人にあげたりしている●処方された薬がやりとりされるのは家族間が多く、子どもにあげることも【調査結果】Q1 あなたには「かかりつけ医」がいますか (単数回答、n=601)Q1まず、「かかりつけ医」の有無を聞いたところ、全体では「いる」と回答した人は64.9%、50代、60代以上では7割を超えました。一方で、30代は51.7%と他の年代に比べ、低い結果となっています。Q2 あなたがその「かかりつけ医」に通う理由をお答えください (複数回答、n=601)Q2「かかりつけ医」に通う理由は、「家から近い」48.7%、「話を聞いてくれる」26.9%、「説明が分かりやすい」26.4%がトップ3となりました。年代別では、年代が高いほど「家から近い」ところを選んでいます。20代は「子どもの頃から通っている」という回答(22.9%)も多くみられました。その他、60代以上は「待ち時間が短い」が31.3%と他の年代に比べて高くなっていました。年代によって「かかりつけ医」に通う理由に差があるようです。Q3 あなたは抗菌薬(抗生物質)を処方された際、医師や薬剤師から抗菌薬(抗生物質)をのみ切ることの説明を受けたことがありますか (単数回答、n=307)Q3過去5年間に抗菌薬(抗生物質)を処方されたことがある307名に対し、抗菌薬(抗生物質)を処方された際、医師や薬剤師から抗菌薬(抗生物質)をのみ切ることの説明を受けたことがあるかとお聞きしました。「かかりつけ医」がいると回答した人では、83.1%が「ある」と回答しました。「かかりつけ医」がいないと回答した人は、61.4%にとどまる結果となり、その差は21.7ポイントとなりました。Q4 あなたは抗菌薬(抗生物質)を処方された際、医師や薬剤師から抗菌薬(抗生物質)の副作用の説明を受けたことがありますか (単数回答、n=307)Q4抗菌薬(抗生物質)の副作用の説明を受けたことがあるかという質問には、「かかりつけ医」がいると回答した人では47.0%、「かかりつけ医」がいないと回答した人は36.4%が「聞いたことがある」と回答しました。「抗菌薬」(抗生物質)感染症を引き起こす原因には、細菌とウイルスがいます。細菌とウイルスは、大きさや仕組みがまったく違います。一般的な「かぜ」や「インフルエンザ」などはウイルスが原因です。「抗菌薬」(抗生物質)は細菌による感染症の治療に用いられる薬です。「かぜ」をひいて抗菌薬をのんでも、ウイルスには効かないので効果はありません。また、抗菌薬をのむことで、薬が効かない薬剤耐性菌が出現するリスクが高まります。必要な時に、必要な分だけ正しくのむことが大切です。「薬剤耐性」AMR:Antimicrobial Resistance「薬剤耐性」とは、感染症の原因となる細菌に、抗菌薬(抗生物質)が効かなくなることです。細菌が体に入り病気を引き起こした時には、抗菌薬を服用して治療しますが、一部の菌は「薬剤耐性菌」に変化することがあります。また、抗菌薬は病原菌だけでなく健康バランスを保っている細菌(常在菌)も排除して、細菌同士のバランスも崩してしまうので、薬剤耐性菌が増えやすくなります。自己判断で服用したり、医師の処方を守らないと、治らないばかりか副作用が出たり、薬剤耐性菌が出現することにつながります。薬剤耐性は感染症の治療や予防の妨げになります。Q5 あなたは抗菌薬(抗生物質)を処方された際、医師や薬剤師から病原菌の「薬剤耐性」に関する説明を受けたことがありますか (単数回答、n=307)Q5抗菌薬(抗生物質)を処方された際、医師や薬剤師から病原菌の「薬剤耐性」に関する説明を受けたことがあるかという質問には、「かかりつけ医」がいると回答した人では41.6%、「かかりつけ医」がいないと回答した人は、23.9%が「聞いたことがある」と回答しました。Q3、Q4、Q5の結果から、「かかりつけ医」がいる人の方が抗菌薬(抗生物質)の正しいのみ方や、副作用、「薬剤耐性」について、医師や薬剤師から説明を受け、関心を持っている人が多いことが見受けられます。Q6 あなたは過去5年間に、医師や薬剤師からのみ切るよう指示されたにも関わらず、薬の服用を途中でやめてのみ切らなかった経験がありますか (単数回答、n=601)Q6医師からのみ切るよう指示されたにも関わらず、薬の服用を途中でやめてのみ切らなかった経験が37.9%の人に「ある」ことがわかりました。特に20代で「ある」と回答した人は55.8%と半数を超え、次いで30代46.7%、40代32.5%でした。この結果からは、若い世代ほど、医師や薬剤師の指示を守っていないことがうかがえます。抗菌薬(抗生物質)が必要な病気では、このくらいの期間治療をすれば完治するだろう、という見込みのもとに薬が投与されています。自己判断で服用を中止するなどで治療期間を守らないと、症状が再燃したり、薬剤耐性菌が出現する原因を作ることになるかもしれません。Q7 あなたに処方された薬を、似た症状が出ているなど、その他の理由で人にあげたことがありますか (単数回答、n=601)Q7処方された薬を、似た症状が出ているなどの理由で、人にあげたことがあるかを聞きました。その結果、「あげたことがある」、「あげたことはないが可能性はある」と回答した人は若い世代ほど多く、60代以上の計11.7%に対し、20代が計35.0%と最も高くなっていました。症状が似ていても違う病気かもしれません。また、体の大きさや健康状態で処方される薬は人によって異なります。副作用が出ることもあるので、自分に処方された薬を人にあげるのはやめましょう。Q8 あなたが処方された薬をあげた、もしくはあげる可能性のある人をお答えください (複数回答、n=124)Q8Q7で処方された薬を「あげたことがある」、「あげたことはないが可能性はある」と回答した124名に対し、その対象者を聞きました。最も多い回答は「家族(成人)」が88.7%、次いで、「家族(子ども)」45.2%という結果となりました。薬は各人の体の大きさや状態に合わせて処方されています。家族でも自分と同じ体の大きさや体質ではありません。まして子どもは体の大きさだけではなく薬の代謝も成人とは異なります。たとえ家族でも抗菌薬をシェアするのはやめましょう。<総括>国立研究開発法人 国立国際医療研究センター病院 AMR臨床リファレンスセンター 情報・教育支援室 室長 藤友 結実子藤友 結実子 AMR臨床リファレンスセンター 情報・教育支援室 室長今回の調査では、「かかりつけ医」のいる人の方が、処方された抗菌薬ののみ方や副作用についての説明を医師や薬剤師から受けていることが多いという結果が得られました。また、「薬剤耐性」についても聞いたことがある人が多いことがわかりました。「かかりつけ医」をもつことで、日頃から健康や病気について相談しやすくなり、必要な時に適切な医療を受けやすくなります。また「かかりつけ医」との良好なコミュニケーションによって、適切な医療の知識を得やすくなります。今回はそれを示す調査結果であったと思います。今回「かかりつけ医」がいると回答されたのは全体で約65%の方でしたが、今後、ますます多くの方が「かかりつけ医」と良好な関係を築いて、健康に関する正しい知識を得ていただきたいと思います。今回の調査では、若い世代の方が、服薬を中断したり、他の人にあげたことがあるといった不適切な使用をする傾向が見えました。これまでの当センターの抗菌薬意識調査*でも、若い世代の方が、抗菌薬に関する正しい知識を持っている人の割合が低いこととも一致しています。当センターでは、今後、若い世代に対する教育啓発活動にも力を入れていきたいと考えております。*抗菌薬意識調査 2021 詳細はこちら プレスリリース提供元:@Press
2022年08月23日現在も薬剤耐性菌が多い犬猫の感染症は将来、さらに耐性化が進み治らなくなるといわれています。新しい感染症治療法であるファージセラピーを、それらに対して実用化する研究について、医療法人社団予防会(本社所在地:東京都新宿区、代表:下村 正美)は、早稲田大学・ハナ動物病院と共に取り組んでいます。2022年4月25日より、この研究の資金を集めるクラウドファンディングを開始しました。クラウドファンディングサイト「READYFOR」: さらに、クラウドファンディングイベントとして、5月24日21時30分より「犬猫の感染症について~膿皮症を中心に、保護犬猫の感染症も含めて~ 獣医師による座談会(ハナ動物病院院長太田先生、犬と猫の皮膚科院長村山先生)」を行います。医療法人社団予防会は、現在、性感染症検査・治療を中心に行っています。予防会グループの1つである新宿サテライトクリニックの院長を務める北岡は、早稲田大学と協同して、新しい感染症治療法の研究開発にも取り組んでいます。【ファージセラピーについて】現在注力しているのが、バクテリオファージという細菌にのみ感染する生物を使用したファージセラピーという治療法の実用化です。ファージセラピーとは、バクテリオファージという細菌にのみ感染する生物を用い、感染症を引き起こしている細菌を死滅させて、感染症を治癒する治療法です。実は、1920年代に実際に使用されていましたが、抗生物質の隆盛により、廃れていました。昨今の薬剤耐性菌の増加に伴い見直され、海外では応用されている国もあります。しかし、海外で使用されている製剤は効果十分とは言えず、また、日本では、臨床試験すら行われていない状態です。理由の1つとしては、ファージセラピーの研究が、理工学的な研究が中心であり、臨床現場のイメージがなく、実用性が不十分であったということが挙げられます。そこで、感染症の現場を知る医師が研究に取り組むことによって、十分な効果を持ち、実用性のある形でファージセラピーを提供できるようにしようとしています。例えば、北岡は今まで感染症流行株の調査に取り組んできたので、実際に感染症現場で流行している株に対応するファージを準備するといった工夫を行い研究しています。ファージセラピー【犬猫の感染症について】様々な検討を重ね、映画「犬部!」のモデルとなったハナ動物病院の太田先生( )のご協力を得て、まずは、犬猫の感染症に対するファージセラピーの実用化を目指すことにしました。犬猫の感染症の原因菌の薬剤耐性化の速度は著しく、例えば、犬の感染症の主要な病原菌であるスタフィロコッカス・シュードインターメディウスという細菌の危険な耐性菌(MRSP)は、スタフィロコッカス・シュードインターメディウスの中で67%を占めると報告されています(Kawakami T, Shibata S, Murayama N, Nagata M, Nishifuji K, Iwasaki T, Fukata T. Antimicrobial susceptibility and methicillin resistance in Staphylococcus pseudintermedius and Staphylococcus schleiferi subsp. coagulans isolated from dogs with pyoderma in Japan. J Vet Med Sci. 2010 Dec;72(12):1615-9.)。太田先生の実際の診療現場でも、動物病院で使用できる抗生物質が何も効かず、治癒しない感染症があるということです。膿皮症と呼ばれる皮膚の感染症で遭遇することが多く、その場合、犬は痒みが止まらず、夜も十分に寝られず、一日中しょんぼりしているという非常に可哀想な状態になるということでした。このままでは、そのような状況が多発するようになると言われており、そんな未来を防ぐために、ファージセラピーを応用しようとしています。【ファージセラピーの未来】犬猫に限らず、ヒトを含め動物全体の感染症で薬剤耐性菌は深刻であり、2050年には耐性菌による感染症の死亡が世界第一位の死因となると予想されています(O'Neill, J. Tackling Drug-Resistant Infections Globally: Final Report and Recommendations. 2016)。性感染症においても、例えば、淋菌に対する第一選択薬のセフトリアキソンの耐性菌が増加し、アメリカ疾病予防管理センター(CDC)から、セフトリアキソン単独療法は推奨しないと発表されるに至っています(日本と欧米では用量が異なるため、日本の用量では現在でも単独療法が可能と言われてはいます)(St Cyr S, Barbee L, Workowski KA, Bachmann LH, Pham C, Schlanger K, Torrone E, Weinstock H, Kersh EN, Thorpe P. Update to CDC's Treatment Guidelines for Gonococcal Infection, 2020. MMWR Morb Mortal Wkly Rep. 2020 Dec 18;69(50):1911-1916.)。このファージセラピーの実現をきっかけとして、ヒトを含めた動物の他の様々な細菌感染症へファージセラピーを実現できれば、将来感染症に多くのヒト・動物が苦しめられるようになる未来を変えることができます。将来の耐性菌感染死亡【クラウドファンディングご支援のお願い】ファージセラピーはすでに海外では研究が進んでおり、このままではファージ製品もコロナワクチンのように海外製に頼ることになってしまいます。なんとか日本発のファージセラピー製品を実現し、科学技術立国としての姿を少しでも取り戻すことに寄与したいと思います。しかし、こういった新しい薬剤の実用化研究には国などからの研究費が充てられづらく、現時点の予防会だけの資金力で研究を進めることが困難となりました。そこで、クラウドファンディングを行うことにしました。現在、開始2日目で6%達成しています。ご協力よろしくお願いします。【クラウドファンディングイベントのお知らせ】今回のクラウドファンディングで研究対象としている犬猫の感染症について、獣医師の太田先生(ハナ動物病院)、村山先生(犬と猫の皮膚科)による、座談会を開催いたします。なかなか、このような感染症についてざっくばらんなお話を伺える機会は少ないです。村山先生は国内で数人しかいないアジア獣医皮膚科専門医でおられ、正しい知識を吸収することができます。また、太田先生による保護犬猫の感染症もお話しいただけます。参加費無料で、コメントに記載いただければ、質疑応答可能です。ぜひご参加ください。【クラウドファンディングの概要】クラウドファンディング名 : 感染症に苦しむ犬猫たちを救うために、感染症治療法の研究をクラウドファンディングURL: 目的 :耐性化が深刻な犬猫の感染症へ、新しい感染症治療法であるファージセラピーを、実用化する研究を行っています。不足している研究費を獲得するために、クラウドファンディングを開始します。目標金額:150万期間 :2022年4月25日10時-6月17日23時使途 :犬猫の感染症へのファージセラピー研究を進めます。実用化に最適なファージの探索を行い、論文化まで行います。さらに資金が獲得できれば、ファージを実際に実用するために必要な性質の確認(安定性試験など)を行います。SNS : 動画: クラウドファンディング【クラウドファンディングイベントの概要】クラウドファンディング名:犬猫の感染症について~膿皮症を中心に、保護犬猫の感染症も含めて~ 獣医師による座談会クラウドファンディングイベントURL:北岡のYoutubeチャンネル( )を用いてZoomのオンライン配信 URLは配信日が近くなったら上記SNSで告知いたします。内容 :獣医師2人をお迎えして、膿皮症を中心に犬や猫の感染症について、概説、苦労した症例、保護犬猫の感染症などをお話しいただきます。コメントいただければ、そこから質問にもお答えいたします。日時 :2022年5月24日21時30分-22時30分参加費:無料■リターンにつきましてクラウドファンディングの内容が研究費用のご支援となりますので、プロダクトのリターンはございませんが、以下のようなリターンを用意しております。・ファージキャラクターポストカード:本クラウドファンディングのファージキャラクター入りポストカードを送付いたします。・実験体験動画「ファージで犬猫原因菌を倒そう」:本クラウドファンディングにより得た資金によって行う研究の実験の一部を体験できる動画を提供します。ファージによって、犬猫の感染症原因菌を殺菌する様子をお見せします。・愛犬・愛猫動画:本クラウドファンディングのトップ画像の犬猫の散歩などの動画と共にお礼動画を提供します。・早稲田大学研究室ツアー:研究室にご訪問いただき、早稲田大学招聘研究員も務めている北岡よりご案内に加えて研究室メンバーとの懇談会を行います。遠方の方や希望される方には、動画の提供と致します。・ハナ動物病院太田先生と新宿サテライトクリニック北岡との座談会:Zoomを使用した、座談会にご参加いただけます。内容は「犬猫の感染症、保護犬猫について」となります。【会社概要】名称 :医療法人社団予防会代表者:理事長 下村 正美所在地:東京都新宿区北新宿1-13-19 詳細はこちら プレスリリース提供元:@Press
2022年04月28日AMR臨床リファレンスセンター(厚生労働省委託事業)は、昨年11月の「薬剤耐性(AMR)対策推進月間」啓発活動において、薬剤耐性(AMR)対策を自分の事として関心をもっていただくために、第5回「薬剤耐性(AMR)あるある川柳」の公募を行いました。今回は1,617作品のご応募をいただき、当センターにて選考を重ね、一般部門から金賞、銀賞 各1作品、医療従事者部門から金賞、銀賞 各1作品、佳作10作品、一般投票から「いいね賞」1作品の入賞を決定しました。入賞作品はAMR情報サイトで2月11日(金・祝)から公開します。2022年2月11日から公開 医療従事者部門一般部門佳作いいね賞■一般部門・金賞:阻止しよう 使える薬が 無い未来 (はるちゃん)・銀賞:耐性菌 まん延防止の 措置が要る (猫背)■医療従事者部門・金賞:抗菌剤 望まぬ意思と 出さぬ医師 (ルーキー)・銀賞:ウイルスも 人の話も きいてない (副主任)■佳作・薬好き そんなあなたを 菌も好き (古子)・恋だけが 薬が効かぬと 思ってた (あおちゃん)・そのカゼに 抗菌薬は ヤク立たず (ほり・たく)・飲み切って クスリと笑う 人生を (けんちゃん)・効く効いた また効くだろう もう効かず (化猫)・気休めに 飲んだらアカンよ 抗菌薬 (チョウピン)・抗菌薬 あげずもらわず 使いきる (ちゃったマンゴー)・何にでも 効くと思うな 抗菌薬 (小径)・知らぬ間に 未来を変える その処方 (小児科翔平子)・抗菌薬 焦らず血培 採ってから (友蔵)■いいね賞・耐性菌 知らない怖さ 知る強さ (よし得)【総評】今年で5回目となる「薬剤耐性(AMR)あるある川柳」の募集に、全国から1,617作品のご応募をいただき誠にありがとうございました。今年度も、新型コロナウイルス感染症の影響を受けて、感染対策や健康管理の意識が高まった1年だったと思います。このような状況の中で、川柳を通じて多くの方に薬剤耐性対策について考えていただけたことを大変うれしく思っています。薬剤耐性菌は、目に見えないうちに広がっています。治療の切り札となる抗菌薬が効かないために、さまざまな医療が困難になったり、私たちの日常生活を変えてしまう大きな問題です。今回の応募作品は、新型コロナウイルス感染症の流行や感染対策を意識し、世相を反映したもの、使える抗菌薬を残すためにできること、そして医療従事者の心のつぶやきなど、さまざまな視点から薬剤耐性を考えていただきました。抗菌薬の正しい知識や感染対策に対する意識が少しずつ、世の中に広がってきていることを実感しております。私たちはこの川柳を活用させていただき、薬剤耐性対策をさらに推進してまいります。今回も素晴らしい作品をありがとうございました。国立国際医療研究センター病院AMR臨床リファレンスセンターセンター長 大曲 貴夫AMR臨床リファレンスセンター センター長 大曲 貴夫*公募期間:2021年11月1日-2021年11月30日*入賞者には賞状と記念品をお送りします。*川柳、ペンネームは、すべて応募者の表記にしたがっているため、一部当て字等の表記で掲載しています。*作品の著作権は、すべて国立国際医療研究センター病院 AMR臨床リファレンスセンターに帰属しています。無断での転載、使用はご遠慮ください。*入賞および応募作品につきましては、当センターのウェブサイト、SNS、報道資料等、広告広報活動の一環として使用いたします。【AMR対策の必要性】~抗菌薬・抗生物質は不適切に使うことで、本当に必要な時に効果が発揮できなくなる~抗菌薬・抗生物質は細菌が増えるのを抑えたり、殺したりする薬です。しかし、細菌もさまざまな手段を使って生き延びようとします。本来ならば効くはずの抗菌薬・抗生物質が効かなくなることを「薬剤耐性(AMR:Antimicrobial resistance)」といいます。2019年4月29日、国連は抗生物質が効きにくい薬剤耐性菌が世界的に増加し、危機的状況にあるとして各国に対策を勧告しています。日本では、外来診療での抗菌薬・抗生物質使用が9割以上を占めており、外来診療で抗菌薬・抗生物質の適正使用を推進することが不可欠といえます。日本では毎年11月を「薬剤耐性(AMR)対策推進月間」と設定して、AMR対策の必要性をお知らせするさまざまな取り組みを行っております。 詳細はこちら プレスリリース提供元:@Press
2022年02月14日AMR臨床リファレンスセンターは、「全国抗菌薬使用量2020年調査データ」を2021年12月24日に公開します。薬剤耐性菌の増加が世界的に問題となっており、わが国でも2016年に薬剤耐性(AMR)対策アクションプランが策定されました。2020年までの成果指標として、抗菌薬の使用量(全体)を2013年と比較して33%の減少、広域抗菌薬である内服セファロスポリン系薬、内服フルオロキノロン系薬、内服マクロライド系薬をそれぞれ50%減少させることが目標となっています。今回は、あらたに2020年までの全国抗菌薬使用量データを公開いたします。匿名レセプト情報・匿名特定健診等情報データベース(NDB)に基づいた都道府県別・年齢区分別 抗菌薬使用量サーベイランス: ◆今回発表のデータについて2020年の匿名レセプト情報・匿名特定健診等情報(NDB)に基づく抗菌薬使用量は10.82DIDであり、2013年(14.27)比で24.20%減少しました。抗菌薬の種類別にみると、2013年と比べて内服セファロスポリン系薬は36.39%、内服フルオロキノロン系薬は36.00%、内服マクロライド系薬は33.62%減少しています。また、診療所の外来診療における内服薬の減少が大きくなっています。全国抗菌薬使用量推移2013-2020抗菌薬種類(ATC3)による集計全国抗菌薬使用量推移 診療所と病院に分けた集計(厚生局への届け出に基づく)注1) 本データは、診療、調剤時に発生する診療報酬明細書、調剤報酬明細書をもとに集計しています。医療費公費負担制度受給者のデータなどが含まれないことがあり、正確な使用量を示すものではありません。また、データソースが異なるため、販売量サーベイランス( 2021.4.13.更新版)とは数値が異なります。注2) 数値は人口や抗菌薬ごとの使用量の差を補正するため、抗菌薬販売量を1,000住人・1日あたりのDefined Daily Dose(WHOによって定められたその抗菌薬が通常1日に使用される量の目安=DDD)で表したもの(DDDs per 1,000inhabitants per day=DID)です。注3) DDDは2020年1月に更新されましたが、過去との比較のため2017年1月時点のものを使用して計算しています。注4) グラフの「その他」には、セファロスポリン、フルオロキノロン、マクロライド、ペニシリン以外の系統の抗菌薬および、セファロスポリン、フルオロキノロン、マクロライド、ペニシリンの注射薬が含まれます。注5) 人口は、総務省統計局の人口推計を利用しています。注6) 病診区分は厚生局に届け出ている区分(各年12月時点)を用いています。そのため、当該時点の厚生局の届出未記載の施設は施設区分不明としています。注7) WHOのATC分類でJ01に分類されている薬剤のみを抗菌薬と定義して集計しています。◆結果の総括AMR臨床リファレンスセンターで2021年3月に公開した全国抗菌薬販売量データでは、2020年全国の抗菌薬販売量は10.6DIDであり、2013年(14.9DID)と比較して、28.9%減少していました。今回発表したのは、匿名レセプト情報・匿名特定健診等情報(NDB)に基づいて算出した抗菌薬使用量です。今回の結果でも、抗菌薬使用量は2013年(14.27DID)と比較して、24.2%減少しました。AMR対策アクションプランの目標値(2013年の水準の3分の2に減少させる)までは削減されなかったものの、大きな減少が見られます。これは、診療所の外来診療における内服での抗菌薬処方の減少が大きく寄与しています。COVID-19流行の影響で、急性気道感染症の罹患が減り、診療所を受診する患者が減少したことも影響していると考えられます。今回の調査結果は、抗菌薬適正使用が進んでいることを示しているとも考えられますが、今後の動向に注目する必要があります。(参考: ) 詳細はこちら プレスリリース提供元:@Press
2021年12月24日国立国際医療研究センター病院AMR臨床リファレンスセンター(厚生労働省委託事業)は、2019年10月より公開しているホームページ『薬剤耐性(AMR)ワンヘルスプラットフォーム』をリニューアルし、都道府県別ウェブサイトを新設しました。ワンヘルスプラットフォームのいわば“地域版”である都道府県別ウェブサイトは、2021年11月30日より公開されています。URL: 『薬剤耐性(AMR)ワンヘルスプラットフォーム』は、ヒト・動物・環境分野におけるワンヘルスという観点から、日本の感染症関連情報をわかりやすく提供しています。薬剤耐性率や抗菌薬使用量などAMRに関わる指標の動向を、分野別・都道府県別・経年別に閲覧することができます。今回のリニューアルでは、これまでの都道府県別データの指標ごとの閲覧や比較に加えて、新たに都道府県別ウェブサイトを設け、各指標を網羅し、都道府県ごとにさまざまな指標をまとめて見られるようになりました。さらに、各都道府県の「薬剤耐性(AMR)対策について」「基本情報(年齢別人口分布や施設情報など)」「アンチバイオグラム(病院向け、診療所向け)」「上気道炎における抗菌薬使用割合」も新しく追加しています。従来の指標も含め、 AMR対策に必要な情報へのアクセスが、より一層スムーズになっています。地域におけるAMR対策のさらなる推進のために、『薬剤耐性(AMR)ワンヘルスプラットフォーム』リニューアル版を是非ご活用ください。《概要》●名称 : 薬剤耐性(AMR)ワンヘルスプラットフォーム(リニューアル版)●公開日 : 2021年11月30日(火)10時より●URL : ●主な利用者: 行政官、医療関係者、研究者、畜産・水産業関係者、農業関係者、自治体関係者、ほか一般の方※一部項目を除き閲覧制限はありません。どなたでもご覧いただけます。《新しいコンテンツ》【新機能】都道府県別ウェブサイト(地域版ワンヘルスプラットフォーム)【新項目】・各都道府県の薬剤耐性(AMR)対策について・基本情報・薬剤耐性菌(診療所)・アンチバイオグラム(病院向け、診療所向け)・全抗菌薬使用量(DID・AWaRe分類別)・急性上気道炎受診者に対する抗菌薬の使用割合《ホームページ TOP画面》ホームページ TOP画面<ウェブサイトTOP 都道府県別の画面で見たい地域を選択>はじめに、薬剤耐性(AMR)対策について、各地域(都道府県)の取り組みを紹介しています。また、自治体関係者の方々が必要とされるAMR対策情報を「自治体向けリンク集」に集約しました。「基本情報」「薬剤耐性菌関連情報」「抗菌薬使用量情報」「抗菌薬適正使用情報」「感染症情報」「予防接種情報」の6カテゴリーで構成されています。イメージ_ウェブサイトTOP 都道府県別の画面で見たい地域を選択<基本情報>県内の年齢別人口分布、医療機関数、介護保険施設数などがわかります。イメージ_基本情報<急性上気道炎受診者に対する抗菌薬の使用割合>上気道炎に処方された抗菌薬の使用割合がわかります。県内と全国の使用率を比較することもできます。イメージ_急性上気道炎受診者に対する抗菌薬の使用割合<アンチバイオグラム(病院向け、診療所向け)>主要病原菌の抗菌薬に対する感受性(薬が効く)割合を表示した一覧表です。イメージ_アンチバイオグラム(病院向け、診療所向け) 詳細はこちら プレスリリース提供元:@Press
2021年12月10日世界的に脅威となっている薬剤耐性(AMR)問題に係る全国的な普及啓発活動を推進するため、日本では、毎年11月を「薬剤耐性(AMR)対策推進月間」に設定しています。AMR臨床リファレンスセンターは、今年のテーマを「ウイルスに抗菌薬は効きません!!」とし、おなじみのTVアニメ「はたらく細胞」とコラボレーションして、さまざまな施策で啓発活動を行っていきます。(C)清水茜/講談社・アニプレックス・davidproduction■キャンペーンサイト公開中! (1) TVアニメ「はたらく細胞」コラボ 薬剤耐性対策啓発ツール■メインヴィジュアルポスター(C)清水茜/講談社・アニプレックス・davidproduction■リーフレット(C)清水茜/講談社・アニプレックス・davidproduction■ノベルティ(クリアファイル、シール)(C)清水茜/講談社・アニプレックス・davidproduction●リーフレット配布先(総数137,000部)小児科クリニック、薬局●FQ JAPANフリーマガジン設置先産婦人科クリニック、幼稚園等日本科学未来館(11月より配布予定)(2) 2021年新作動画「書に学ぶ」 抗菌薬の正しいのみ方を指南します。「書に学ぶ」「ちょっと待って!!かぜに抗菌薬は効かないよ!」 2人のフェアリーが、ポップな歌とダンスで楽しく薬剤耐性と抗菌薬について教えます。「ちょっと待って!!かぜに抗菌薬は効かないよ!」(3) キャンペーンサイトコンテンツ(C)清水茜/講談社・アニプレックス・davidproduction「薬剤耐性あるある川柳」総集編と第5回告知AMR対策について、一般の方にも自分の事として関心をもって考えていただくため、第5回「薬剤耐性あるある川柳」の公募を行います。公募サイトは11月から公開予定。(C)清水茜/講談社・アニプレックス・davidproduction(4) その他のキャンペーン施策●男性育児雑誌「FQ JAPAN」との誌面・WEBタイアップ「FQ JAPAN」 9月号、「FQ JAPAN BABY&KIDS」 秋号「FQ Kids」 秋号●小田急電鉄車内ビジョン広告 15秒(11月1日-28日)TVアニメ「はたらく細胞」スライド展開、「書に学ぶ」●WEBニュース、SNS広告での発信(11月~) 詳細はこちら プレスリリース提供元:@Press
2021年10月18日感染症治療の切り札といわれる抗菌薬が効かない薬剤耐性(AMR)の問題が世界中で深刻化しています。日本でも「薬剤耐性菌」によって2017年に国内で8,000人以上が死亡したとの推計が出ており、深刻な影響が懸念されています。薬剤耐性(AMR)の問題は抗菌薬・抗生物質の不適切な使用が一因であり、その対策として私たちにできることは、抗菌薬・抗生物質の知識や理解を深めて正しく使うことです。AMR臨床リファレンスセンターでは、今年度も一般の方700人を対象に「抗菌薬・抗生物質に関する意識調査」を行いました。その結果、日本人の抗菌薬・抗生物質や薬剤耐性への知識が未だ不十分であることが見えてきました。また、コロナ禍の経験を通じて、体調不良時の対応の変化やどのような情報を信頼しているのかといった感染症に対する行動が見えてきました。抗菌薬意識調査レポート 2021 ■調査 SUMMARY<サマリー>抗菌薬・抗生物質の正しい知識を持つ人の割合は低い「抗菌薬・抗生物質はウイルスには効かない」正しい知識を持っている人は18.0%薬剤耐性対策への意識は不十分約8割の人が薬剤耐性菌に感染する、するかもしれないと思っているが約6割の人は何も対策を取らないと回答感染対策に対する行動変容が見られる体調不良時に「休む」人は50.6%で、2019年より13.5ポイント増加「休めない・休まない」人は未だに49.5%サンプル:一般人 全国 700名男性10代30名、20代73名、30代62名、40代70名、50代64名、60歳以上51名女性10代20名、20代74名、30代64名、40代64名、50代64名、60歳以上64名調査方法:インターネット調査 調査期間:2021年8月―調査結果のポイント―<抗菌薬・抗生物質の知識>・「抗菌薬・抗生物質という言葉を聞いたことがある」との回答は84.7%であった。・「『抗菌薬・抗生物質はウイルスをやっつける』は間違いである」と正しく回答した人は 18.0%であった。・「『抗菌薬・抗生物質はかぜに効く』は間違いである」と正しく回答した人は24.5%であった。・過去の調査結果と比較すると、上記2問に正しく回答した人の割合はほぼ変わらない。・「抗菌薬・抗生物質はかぜに効く」と正しく回答した人を年代別にみると、40-60代では30%前後が正解しているが、10-30代では10-20%程度に低くとどまった。・「『抗菌薬・抗生物質は治ったら早くやめる方がよい』は間違い」と正しく回答した人は29.5%であった。・「『抗菌薬・抗生物質を飲むと下痢などの副作用がしばしばおきる』 」と正しく回答した人は38.8%であった。・前の2問に比べるとこれら2問には正しく回答した割合が高い。処方の際に医師や薬剤師から注意事項として聞き、知識が身についてきている可能性がある。<抗菌薬の飲み方>・「家にとってある抗菌薬・抗生物質がある」との回答は17.9%、「とっておいた抗菌薬・抗生物質を飲んだことがある」との回答は16.5%であった。これらの抗菌薬・抗生物質の正しい知識は、若年層でやや低い傾向がある。<薬剤耐性について>・「薬剤耐性・薬剤耐性菌という言葉を聞いたことがある」との回答は36.9%であった。・「『薬剤耐性を避けるために必要な時でもできるだけ抗菌薬を避ける』は間違い」と正しく回答した人は40.5%、不正解と「わからない」と回答した人を合わせると59.5%であった。・薬剤耐性の感染症について「怖い」と回答した人は94.2%であった。また、約8割が自分や身近な人が近い将来「感染する、するかもしれない」と回答した。・薬剤耐性に対して「特に何もしない」と回答した人は60.5%であった。<感染症に対する行動>・「発熱等の症状で学校や職場を休む」と回答した人は50.6%であった。2019年8月(コロナ禍前)の同様の調査に比べ13.5ポイント増加した。「休めない・休まない」人は49.5%であった。・感染症について最も信頼できるツールは41.0%の人が「TV」と回答した。10-30代は「TV」、「Webニュース」についで「SNS」が3番目であった。10代は「新聞」と回答した人がいなかった。・最も信頼できる情報発信元は「医師・医療関係者」と回答した人が最多で38.6%であった。・「今後もパンデミックが起こると思う」と回答した人は71.9%であった。―調査目的―感染症治療に必要な抗菌薬・抗生物質が効かない薬剤耐性(AMR)の問題が世界中で深刻化しています。日本でも2016年に「薬剤耐性(AMR)アクションプラン」が発表され、薬剤耐性についての取り組みが始まっています。薬剤耐性の問題は抗菌薬・抗生物質の不適切な使用が一因とされています。今回の調査は、抗菌薬・抗生物質、および薬剤耐性とは何かについて、現在一般の方がどのように認識されているのかを把握し、問題点と今後の取り組みの方向性を提示することを目的としています。―調査概要―・集計期間:2021年8月・調査方法:インターネット・調査対象:10代~60歳以上の男女・調査人数:全国700名<男性>10代30名、20代73名、30代62名、40代70名、50代64名、60歳以上51名<女性>10代20名、20代74名、30代64名、40代64名、50代64名、60歳以上64名■Q1 抗菌薬・抗生物質という言葉を聞いたことがありますかQ1 抗菌薬・抗生物質という言葉を聞いたことがありますか「聞いたことがある」と答えた人は84.7%であった。「聞いたことがない」と答えた15.3%であり、世代別割合でみると「聞いたことがない」と回答した最多の世代は20代であり、20代の25.2%が「聞いたことがない」と回答している。■Q2 抗菌薬・抗生物質についてあなたが当てはまると思うものをお選びくださいQ2-1 抗菌薬・抗生物質はウイルスをやっつける〈Q2-1 抗菌薬・抗生物質はウイルスをやっつける〉「抗菌薬・抗生物質という言葉を聞いたことがある」と回答した人のうち、 「抗菌薬・抗生物質はウイルスをやっつける」に対して「あてはまらない」と正しく回答した人は18.0%、「あてはまる」と回答した不正解の人は59.4%であった。〈Q2-2 抗菌薬・抗生物質はかぜに効く〉Q2-2 抗菌薬・抗生物質はかぜに効く「抗菌薬・抗生物質という言葉を聞いたことがある」と回答した人のうち、「抗菌薬・抗生物質はかぜに効く」に対して「あてはまらない」と正しく回答した人は24.5%、「あてはまる」と回答した不正解の人は46.4%であった。40-60代では30%前後が正解しているが、10-30代では10-20%程度にとどまった。〈Q2-3 抗菌薬・抗生物質は治ったら早くやめる方がよい〉Q2-3 抗菌薬・抗生物質は治ったら早くやめる方がよい「抗菌薬・抗生物質という言葉を聞いたことがある」と回答した人のうち、「抗菌薬・抗生物質は治ったら早くやめる方がよい」に対して「あてはまらない」と正しく回答した人は29.5%、「あてはまる」と回答した不正解の人は42.5%であった。「抗菌薬・抗生物質は治ったら早くやめる方がよい」に対して年代別にみると、40代が39.4%の正解であった。10代は17.5%と低かった。〈Q2-4 抗菌薬・抗生物質を飲むと下痢などの副作用がしばしばおきる〉Q2-4 抗菌薬・抗生物質を飲むと下痢などの副作用がしばしばおきる「抗菌薬・抗生物質という言葉を聞いたことがある」と回答した人のうち、「抗菌薬・抗生物質を飲むと下痢などの副作用がしばしばおきる」に対して「あてはまる」と正しく回答した人は38.8%、「あてはまらない」と回答した不正解の人は14.5%であった。〈Q2-5 家にとってある抗菌薬・抗生物質がある〉Q2-5 家にとってある抗菌薬・抗生物質がある「抗菌薬・抗生物質という言葉を聞いたことがある」と回答した人のうち、「家にとってある抗菌薬・抗生物質がある」に対して「ある」と回答した人は17.9%、「ない」と回答した人は82.1%であった。年代別にみると、「とっておいた抗菌薬がある」のは40代以上は約10-15%であるのに対し、10代-30代では約23-25%となっている。〈Q2-6 とっておいた抗菌薬・抗生物質を自分で飲んだことがある〉Q2-6 とっておいた抗菌薬・抗生物質を自分で飲んだことがある「抗菌薬・抗生物質という言葉を聞いたことがある」と回答した人のうち、「とっておいた抗菌薬・抗生物質を自分で飲んだことがある」に対して「ない」と回答した人は83.5%、「ある」と回答した人は16.5%であった。年代別にみると、「とっておいた抗菌薬を飲んだことがある」のは10代が27.5%と最も多かった。■Q3 薬剤耐性、薬剤耐性菌という言葉を聞いたことがありますか?Q3 薬剤耐性、薬剤耐性菌という言葉を聞いたことがありますか?「聞いたことがある」と答えた人は36.9%、「聞いたことがない」と答えた人は63.1%であった。■Q4 薬剤耐性を避けるために、必要な時でもできるだけ抗菌薬・抗生物質は避ける方がよいと思いますかQ4 薬剤耐性を避けるために、必要な時でもできるだけ抗菌薬・抗生物質は避ける方がよいと思いますか「抗菌薬・抗生物質、および薬剤耐性、薬剤耐性菌という言葉を聞いたことがある」と回答した人のうち、「薬剤耐性を避けるために、必要な時でもできるだけ抗菌薬・抗生物質を避ける方がよいと思いますか」に対して、「あてはまらない」と正しく回答した人は40.5%、「あてはまる」と回答した不正解の人は32.5%であった。■Q5 薬剤耐性の感染症についてどう思いますかQ5 薬剤耐性の感染症についてどう思いますか「薬剤耐性、薬剤耐性菌という言葉を聞いたことがある」と回答した人のうち、「薬剤耐性の感染症についてどう思いますか」に対して、「怖い」と回答した人が最多の42.2%だった。「とても怖い」、「怖い」、「少し怖い」をあわせると94.2%を占めた。■Q6 あなた自身は近い将来(数年内に)薬剤耐性菌の感染症(肺炎、尿路感染症など)にかかると思いますかQ6 あなた自身は近い将来(数年内に)薬剤耐性菌の感染症(肺炎、尿路感染症など)にかかると思いますか「薬剤耐性、薬剤耐性菌という言葉を聞いたことがある」と回答した人のうち、「あなた自身は近い将来薬剤耐性の感染症にかかると思いますか」に対して、「かかるかもしれないと思う」と回答した人が65.5%で最も高く、「かかると思う」、「かかるかもしれないと思う」とあわせると76.4%だった。■Q7 あなた自身の身近な人が近い将来(数年内に)薬剤耐性菌の感染症(肺炎、尿路感染症など)にかかると思いますかQ7 あなた自身の身近な人が近い将来(数年内に)薬剤耐性菌の感染症(肺炎、尿路感染症など)にかかると思いますか「薬剤耐性、薬剤耐性菌という言葉を聞いたことがある」と回答した人のうち、「あなた自身の身近な人が近い将来薬剤耐性の感染症にかかると思いますか」に対して、「かかるかもしれないと思う」と回答した人が67.8%で最も高く、「かかると思う」、「かかるかもしれないと思う」とあわせると79.0%だった。■Q8 薬剤耐性、薬剤耐性菌についてあなたにあてはまると思うものを選んでくださいQ8 薬剤耐性、薬剤耐性菌についてあなたにあてはまると思うものを選んでください「薬剤耐性、薬剤耐性菌という言葉を聞いたことがある」と回答した人のうち、「自分もかかるかもしれないと思うが、特に何もしない」と回答した人が49.6%で最も高かった。自分がかかるか否かに関わらず見てみると「既に対策をとっている人」はあわせて9.7%。「何か対策を取りたいと思っている人」は、あわせて29.8%。「特に何もしない」は、60.5%だった。■Q9 例えば今朝起きたら、だるくて鼻水、咳、のどの痛みがあり、熱を測ったら37度でした。あなたは学校や職場を休みますかQ9 例えば今朝起きたら、だるくて鼻水、咳、のどの痛みがあり、熱を測ったら37度でした。あなたは学校や職場を休みますか「休む」が50.6%で最も高かった。「休みたいが休めない」、「休まない」をあわせ49.5%が結果的に「休まない・休めない」と回答した。同様の質問をコロナ禍以前の2019年8月に実施しており、比較すると「休む」は13.5ポイント高くなり、「休みたいが休めない」は14.6ポイント低くなった。■Q10 感染症について最も信頼できるツールとしてあなたが利用しているものはどれですかQ10 感染症について最も信頼できるツールとしてあなたが利用しているものはどれですか「TV」が最も高く41.0%、「Webニュース」19.4%、「新聞」11.0%、「SNS」6.9%、「日常会話」2.9%、「ラジオ」1.6%、「雑誌」0.6%、「その他」16.7%であった。実際には複数のものを利用している人が多いと想定される。10~30代まではSNSが上位3位以内に入っている。また10代は新聞との回答が見られなかった。■Q11 感染症についての情報を調べる時、最も信頼できる情報発信元としてあなたが認識しているものはどれですかQ11 感染症についての情報を調べる時、最も信頼できる情報発信元としてあなたが認識しているものはどれですか「医師・医療関係者」が最も高く38.6%、次いで「大学・病院などの専門機関」で13.3%、「TV局」7.9%、「政府広報」7.7%、「Webニュース社」6.9%、「家族・友人」3.9%、「新聞社」3.0%、「ラジオ局」0.6%、「著名人」0.6%、「雑誌社」0.4%、「その他」17.3%であった。■Q12 今後もパンデミック(世界的感染症)は起こると思いますかQ12 今後もパンデミック(世界的感染症)は起こると思いますか「思う」と回答した人が71.9%、「思わない」との回答は6.4%であった。―考察―■「抗菌薬・抗生物質はウイルスをやっつける」「抗菌薬・抗生物質はかぜに効く」に「あてはまらない」と正しく回答した割合はそれぞれ18.0%、24.5%であった。昨年の調査でも、正しく回答した割合はそれぞれ18.1%、25.3%であり、正しい知識を持っている人の割合は低い状況が続いている。■「抗菌薬は、治ったら早くやめる方がよい」を間違い、と正しく回答した人、「抗菌薬を飲むと下痢などの副作用がしばしば起きる」と正しく回答した人はそれぞれ29.5%、38.8%であり、抗菌薬についての知識はまだまだ不十分であるが、前の2問と比較すると正しく回答した割合は高い。処方の際に医師や薬剤師から具体的な指示があると、知識として定着する可能性がある。■今回の調査では、「薬剤耐性、薬剤耐性菌」という言葉を聞いたことがある、と回答した人が36.9%であった。過去の調査では49.6%(2019年)であったことからすると、新型コロナウイルス感染症流行の影響もあり、薬剤耐性へは関心が向かなくなっている可能性がある。■感染症について最も信頼できるツールは、10-30代はTV、WebニュースについでSNSが3番目に挙がった。今後、情報発信の一つの手段としてSNSの利用方法を検討ことは必要である。■自分や身近な人が近い将来、薬剤耐性菌の感染症にかかるかもしれないという認識があるものの、何も対策を取らない人が約半数いた。自分がかかることはほとんどないと思うので特に何もしない人も約10%であった。薬剤耐性菌は怖いと思うものの、身近な自分事になっていない、またどのような対策を取ればよいのか分からない人が多数いるのではないかと推察される。■発熱など体調不良の時に学校や職場を「休みたいが休めない」と回答した人の割合が前回と比較して減り、「休む」と回答した人の割合が増加し、約5割を占めた。新型コロナウイルス感染症の流行で感染対策の考え方が広まり、体調不良時には休める職場の体制が少し整ってきたのではないかと考えられる。しかし、休まない人がほぼ半数いるのも現状である。―AMR対策の必要性―~抗菌薬・抗生物質は不適切な使用により、本当に必要な時に効かなくなってしまう~抗菌薬・抗生物質は細菌が増えるのを抑えたり、殺したりする薬です。しかし、細菌もさまざまな手段を使って生き延びようとします。本来ならば効くはずの抗菌薬・抗生物質が効かなくなることを、「薬剤耐性(AMR:Antimicrobial resistance)」といいます。2019年4月29日、国連は抗生物質が効きにくい薬剤耐性菌が世界的に増加し、危機的状況にあるとして各国に対策を勧告しています。また、日本では「薬剤耐性菌」によって2017年に国内で8,000人以上が死亡したとの推計が出ており、深刻な影響が懸念されています。日本では外来での抗菌薬・抗生物質使用が9割以上を占めており、外来診療で抗菌薬・抗生物質の適正使用を推進することが不可欠といえます。* No Time to Wait: Securing the future from drug-resistant infectionsReport to the Secretary-General of the United Nations April 2019 詳細はこちら プレスリリース提供元:@Press
2021年10月05日2017年、2019年生まれの姉妹ママ、芸子さん(@geiko_tumu)の長女ちゃん出産エピソード第1話。自称痛みに弱い超ビビり! 痛みの耐性ゼロ! そんな芸子さんが、夜中に目が覚めて……?2017年、2019年生まれの姉妹ママ、芸子さん(@geiko_tumu)の長女ちゃん出産エピソード第1話。 自称痛みに弱い超ビビり! 痛みの耐性ゼロ! そんな芸子さんが、夜中に目が覚めて……? 地震でも起きない旦那さんがささやきだけで起きてくれました。 大袈裟女でしたが、初めての妊娠なら陣痛と前駆陣痛なんて区別つきませんよね……?(言い訳) ※偏頭痛⇒片頭痛陣痛が来たと思ったら、痛みがおさまってしまった芸子さん。このあと、どうなる……?! このほか、芸子さんの出産、育児エピソードはInstagramから更新されています。ぜひチェックしてみてくださいね。 ※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。 監修/助産師REIKO 著者:イラストレーター 芸子2017年、2019年生まれの姉妹ママ、芸子さん。Instagramでほっこり可愛い育児エピソードやあるあるネタを更新中!
2021年03月01日薬剤による【頭皮のエイジングを予防】するには今の所コレしかありません!ズバリそれは【超高濃度水素】ぜひ最後まで呼んでください^^カラー剤やパーマ剤は髪に変化を与え、お客様をより美しくしてくれるものです。ただ一方で、その分のリスクを知っておく必要があると思うんですね。当店はしっかりとそのリスクをお伝えすることができます、ほとんど全ての薬剤は過酸化水素を使用し、薬剤を反応させて施術を行っていきます。そこで反応させたときに出る物質が重要なんです!それが皆様も聞いたことがある人もいるかもしれませんが『悪玉活性酸素』これが頭皮(バルジ領域内)の色素幹細胞、毛包幹細胞を傷つけてしまいます。そのことで2つの幹細胞のエイジングにつながり白髪、抜け毛、細毛、脱毛、頭皮のエイジングに繋がっていくんですね。その悪玉活性酸素を唯一除去分解してくれるのが最初にも話しましたが【超高濃度水素】になります。水素は悪玉活性酸素を唯一除去分解してくれる優れの。通常のトリートメントとは違い、『ダメージさせる前にダメージさせない』このような考え方は、この先すごく大事になってきます。少しでも興味を持っていただけたら嬉しいです^ ^
2021年03月01日「乳がんは初期に治療できれば治せる病気です。しかし、進行してしまうとがん細胞が多様化したり、薬剤耐性などの問題が起こったりする可能性が高まります。検診を受けることと、乳房に変化を感じたらすぐに病院を受診することが大切です」そう早期検診の重要性を力説するのは、静岡県立静岡がんセンターの西村誠一郎乳腺外科部長。美智子さまの乳がん手術の治療方針を決定する会議・キャンサーボードに参加した医師の一人だ。8月、美智子さまの左胸に乳がんが見つかったと宮内庁が発表し、日本中に衝撃が走った。しかし、幸いなことに腫瘍はステージIの早期乳がんだった。美智子さまも「早い段階で見つけていただき、ありがたい」と話されていた。「9月8日に摘出手術を受けられた美智子さまですが、術後の経過は良好だそうです。がんは完全に切除され、再発リスクは非常に低いという診断でした。現時点では放射線治療を行う必要性はないと判断され、現在はホルモン治療を継続されています」(皇室担当記者)手術が行われたのは東大病院だったが、乳がん発見から手術まで大きな役割を果たしたのは、静岡県立静岡がんセンターの医師たちだった。執刀医の1人だった高橋かおる乳腺センター長は、’07年に宮内庁から依頼を受け、毎年乳がん検診を担当してきた。美智子さまが乳房超音波検査を受け、MRI検査でも乳がんの疑いありと診断されたのは今年7月。そして「針生検」と呼ばれる精密検査を担当したのは植松孝悦医師だった。本誌は植松医師と前出の西村医師に、乳がん“早期発見の極意”を聞いたーー。植松医師はマンモグラフィー(乳房のX線写真)などの乳房画像診断と乳腺インターベンション(超音波などで確認しながらの針生検)の両方が専門。静岡がんセンターにしかない乳腺画像診断科の部長を務める。「画像診断で病変が見つかっても、実際には乳がんではないという場合がかなり多いのです。そこで、発見した病変が乳がんなのか一部を採取して判別し、どのような治療法が有効なのかも決めるために行うのが針生検です。超音波でリアルタイムに病変の位置を確認しながら直接、針を刺して組織を取ります。小さい病変であっても正確に診断できます。慣れた医師であれば10分もかかりません。患者さんの負担も小さい検査です」(植松医師)植松医師の針生検と、東大病院の病理診断、静岡がんセンターの病理検査により、美智子さまの腫瘍は乳がんと診断された。続いて、この検査結果をもとに静岡がんセンターキャンサーボードが開催され、治療内容が検討された。西村医師にキャンサーボードの役割を聞いた。「医師が独りよがりの治療をすることを避けるため、多職種を集めたチームで多角的な視点から治療の方針を決定します。患者さんがどんな生活を望んでいるのか、抗がん剤の使用を望んでいるのか、さらには年齢や収入などさまざまな要素から検討します」ただ、治療法の決定は最終的には患者自身に任せられる。西村医師は、その判断にあたって注意してほしいことがあるという。「たとえば乳がん患者によるブログには、乳がん当事者の心の隙間を埋める言葉がいくつも掲載されています。それらに共感するあまり、ブログの執筆者と自分の状態が違うのに部分手術にこだわったり、医学的根拠がない民間療法に頼ったりする方も少なくありません。ただ、ほかの乳がん患者の経験を実際に聞くことは有益です。体験者から具体的な話を聞くことができる患者会をおすすめします」乳がん検診といえば、近年普及したのがマンモグラフィー検査だ。だが、この検査も決して万能ではないという。「乳がん検診は“対策型検診”と自主的な“任意型検診”に分けることができます。対策型検診は市区町村が実施している、40歳以上の女性を対象とした2年に1度のマンモグラフィー検査です。検診マンモグラフィーによる死亡率の減少という利益は証明されています。しかし、乳がんがあるのに発見できない“偽陰性”や乳がんでないのに要精査となる“偽陽性”など、検診マンモグラフィーによる不利益もあります。マンモグラフィー検査を含めて、100%すべての乳がんが見つかる検査はありません」(植松医師)美智子さまもマンモグラフィー検査を継続的に受けてこられたが、左胸の病変が発見されたのは今年7月の超音波検査でのことだった。西村医師は、マンモグラフィー検査と超音波検査を組み合わせることもすすめている。「今は2年に1度行われている対策型乳がん検診ですが、発見のタイミングを逸してしまうケースも見受けられます。増殖が速いタイプの乳がんであれば、発見できないほど小さな病変が、2年間で2〜3センチの腫瘍にまで大きくなることもあります。心配な方は2年に1度のマンモグラフィー検査の間に超音波検査を任意型検診として受けることもよいかもしれません。治療に不利な状態になる前に発見できる可能性が高まります」進行してしまった乳がんの治療は、医師の立場からも難しく、患者にとっても負担が大きいという。「抗がん剤による脱毛といった副作用、乳房の切除や再建手術の負担、さらに末期がんでのモルヒネでは消せないほどの治療の痛み……。闘病の苦しみをがんになる前から想定できている方はほとんどいないのが実情です。しかし、発見が早ければ治療もスムーズです。そういう意味で上皇后陛下のケースは理想的でした。一般の方が上皇后陛下と同じ水準の検査や治療をすることは難しいですが、まずは一人でも多くの方に検診を受けてもらい、検診率を100%に近づけていくことが大切だと思っています」(西村医師)美智子さまに学び、読者の皆さんもぜひ、早期発見のための乳がん検診を!
2019年11月11日「視線耐性」という言葉をご存知ですか?視線耐性とは他人の視線に対する耐性を言います。つまり相手かの視線を受け止められる力があるかどうか、という事ですね。人と人が向かい合って対話するとき必ず生まれる視線のやり取り。このやり取りが苦手でストレスに感じる人が増えてきていると言われています。視線耐性とはいったいどういうものなのか。そしてなぜ、現代人は視線耐性について悩んでいる人が増えてきているのか?また恋愛における視線耐性の重要性やその鍛え方についてご紹介します。1. あなたの視線耐性レベルは?視線耐性で悩む人が多い理由現代人は視線耐性が弱いと言います。まずはあなたの視線耐性レベルを簡単な質問からチェックしていきましょう。Yes/Noで答えられる簡単な質問で視線耐性レベルがチェックできますよ。その上で現代人が視線耐性に悩む理由や、恋愛においていかに視線耐性が重要なのかをご紹介していきます。視線耐性をUPすることで恋愛だけでなくビジネスにも役立ち、生きやすくなっていくことは間違いないですよ。(1) あなたの視線耐性レベルをチェック次の10の質問にYesまたはNoで答え、Yesの数を数えてください。☐自分には良いところがあまりないと思う☐会って話すより、LINEやメールの方がいい☐LINEやネットではうまく打ち解けるけど、実際に会うと打ち解けられない☐自分の顔は欠点だらけだと思う☐自己主張の強いタイプの人間が苦手だ☐空気を読むのは得意なほうだ☐人と打ち解けるのに時間がかかるほうだ☐第一印象はあまりよくなかった…と言われたことがある☐人の目を見て話を聞くということを意識的にしたことがない☐SNSで自分の姿を加工して良く見せてしまう(2) 視線耐性チェック項目の結果を発表視線耐性レベルのチェック、お疲れさまでした。Yesが8~10個…視線耐性レベル低Yesが5~7個…視線耐性レベル中Yesが2~4個…視線耐性レベル高Yesが0~1個…視線耐性レベル最高専門家が作ったチェック項目ではありませんので、あくまでも参考程度でご了承ください。目と目を合わせて話すのが苦手というのは日本人に多い特性と言えるでしょう。空気を読んだり集団に合わせて行動するのが得意な人ほど、逆に1対1で対面して視線と視線をぶつかり合わせるのは苦手という結果も出ています。(3) 視線耐性が弱い人が多い理由とは?人の視線が気になるという人が近年、ものすごい勢いで増えています。その原因は何なのでしょうか。予測がつくかと思いますが、やはりスマホの普及が原因と言えます。LINEやメール、SNSで気軽につながれる現代。わざわざ面と向かって話しに行かなくても、友達はどんどん増やすことができるんですね。ネット上での気の利いた言葉を即答するのが得意でも、リアルで対面してのトークが苦手という人が増えてきています。またSNSでは写真加工により自分の姿をより良く見せることができます。ところが実際の自分の姿は、SNSとは違う。そんな「差異」にリアルな自分の姿に自信が持てず、臆病になる人も増えてきています。2. 視線耐性を上げて恋愛につなげる方法恋愛では実は視線耐性が重要なカギになってくるんですね。視線と視線がぶつかり合うことで「ドキッ」とするのは今も昔も同じなんです。視線に憶病になって下ばかり向いていては、恋は進みません。では視線耐性を上げていく具体例をご紹介していきます。(1) 鏡に向かう!客観的に自分を見ることが必要視線耐性を上げるには「自分に自信をつける」ことが重要です。まずは恋愛感情のない男友達で試してみるのが早道です。男友達の目をしっかり見て話をしてみてください。そこで、視線耐性のレベルを上げていき、本番に備えるのです。いきなり自分好みのイイ男で視線レベルを上げるのは無理なので、この方法がおすすめです。また鏡に向かって自分の目を見つめながら何かを話してみるのも良いでしょう。最初は気恥ずかしいですが、これが続けるうちに、平気になっていきます。慣れてきたら自分が話す様子を動画で記録してみるのも良いでしょう。これは面接や、仕事でも役に立つのでぜひやってみてください。(2) 多くの人とリアルに話すことが大切人にどう思われたっていい!嫌われてもいい!そんな気持ちで人と対面して触れ合っていくのが実際、一番の近道です。対面する相手は、異性じゃなくてもいいんです。同性でも、安心して話せる年配の人でも親戚のおばちゃんでも良いんです。スーパーのレジの人でも、カフェの店員さんでも良いです。恋愛では第一印象で出遅れると、ほかの女性にその男性が「取られてしまう」ことはよくあります。視線が合わせられなかった!そんなつまらない理由で、運命の男性を逃しては残念過ぎますよね。その時のために、今日会う人とはすべて「視線を合わせる」それくらいのつもりで、やってみましょう。3. まとめ視線耐性のレベルチェックから、レベルを上げる方法などをご紹介しました。視線を合わせる能力が高まると、不思議と人との会話もスムーズになっていきますよ。初対面の人とうまく話せない、緊張してしまう、そんな悩みを抱えている人も、視線耐性を上げていくことで、随分と楽になるはずです。少しずつ成功体験を重ねていき、自分に自信をつけていくことが大切です。恋愛だけでなく、人間関係が円滑になるので、人生できっと役に立つことでしょう。written by さとうまい
2018年11月08日慶應義塾大学、日本医療研究開発機構(AMED)、科学技術振興機構(JST)は3月22日、乳がん、卵巣がん、肝がん、肺がん、膵臓がんなどの難治性がんを含む多くの悪性腫瘍で高発現している膜結合性ヘムタンパク質「PGRMC1」の構造を解明したと発表した。これにより、がん細胞が増殖を活性化する仕組みと、抗がん剤に対する耐性を獲得するメカニズムが明らかになった。同成果は、慶應義塾大学 医学部 医化学教室 加部泰明講師、末松誠教授(研究当時、現:AMED理事長)らの研究グループによるもので、3月18日付けの英科学誌「Nature Communications」オンライン版に掲載された。今回の研究では、X線結晶構造解析を行うことにより、PGRMC1がタンパク質中のチロシン残基を介した珍しい様式でヘムと配位することがわかった。この配位したヘムはタンパク質表面上に突出した構造を取っており、PGRMC1は分子中のアミノ酸残基をほとんど介さずに突出したヘム同士が重なり合った特異なヘム重合体構造を形成している。PGRMC1はヘムのない状態ではアポ体としてモノマー構造で存在するが、今回の生化学的な解析から、ヘムと結合することにより二量体化することが明らかになった。このようなタンパク質中のヘムを介した重合化が見い出されたのは、真核生物では初めてだという。また、生体内ガス分子である一酸化炭素(CO)は、がん細胞が抗がん剤や放射線治療、低酸素などにさらされると増加することが知られているが、同研究グループは今回、このCOがPGRMC1上のヘムに結合すると、ヘム同士の重合が解離してPGRMC1の機能が消失することを見出した。さらに解析を進めた結果、PGRMC1はヘムにより重合化し、がん増殖に関わる上皮成長因子の受容体(EGFR)と会合して、これによるがん増殖シグナルを増強することが明らかになった。重合化したPGRMC1は薬物代謝酵素であるシトクロムP450とも会合し、抗がん剤の分解活性を増強して、がん細胞の薬剤耐性を促進することもわかった。以上の結果からPGRMC1は、がん細胞内のヘム濃度に応答し重合化することによって活性化し、がん細胞の増殖促進や抗がん剤耐性獲得に関与するという、ダイナミックな構造変換によって機能していることが明らかになったといえる。同研究グループは、PGRMC1に結合してその機能を阻害する化合物が見つかれば、新たな抗がん剤の開発につながる可能性があると説明している。
2016年03月22日ラックは10月14日、標的型攻撃の脅威への対策として、企業・組織内のシステムがマルウェアに侵入されたことを想定した耐性検証を行うAPT攻撃耐性診断サービス「APT先制攻撃」の提供を開始した。同社は、標的型攻撃の対策において重要なことは、標的型攻撃により境界防御を破られてマルウェアの侵入を許した場合に、それを既存のセキュリティ対策施策で発見、攻撃の無効化、被害予測を事前に行っておくこと考えており、今回、独自開発した擬似攻撃マルウェアを企業・組織内部に放つことで、企業・組織が標的型攻撃に対してどの程度の耐性があるのかを調べる同サービスを開発した。同サービスは、同社の緊急対応サービスである「サイバー救急センター」が実際に調査した被害実例から、標的型攻撃に見られる攻撃手法や被害発生内容を分析し、この攻撃を再現する無害な擬似攻撃マルウェアを使用し、企業・組織内のシステムに擬似的な攻撃を安全に行う。同サービス向けに開発された擬似攻撃マルウェアは、システムにはダメージを与えずに、マルウェアの感染活動への耐性、権限昇格の耐性、重要情報へのアクセスと窃取に関する耐性に代表される項目の評価を行う。同社のエンジニアは、擬似攻撃マルウェアの実行結果と企業・組織内に残されたログをもとに、標的型攻撃への耐性を評価して具体的な弱点を報告する。診断を受けた企業・組織は、すでに導入されているセキュリティ対策や標的型攻撃対策が有効に機能しているかを評価でき、具体的な弱点への対策を行うことが可能となる。標的型攻撃の脆弱性診断に必要なヒアリングなどの事前準備から、擬似攻撃による診断作業、実施結果の分析を経て報告会まで、約三カ月を必要とする。価格は、診断準備から、診断の実施、分析と報告までを含むパッケージとして600万円からとなっている(税別)。
2015年10月15日国立がん研究センターは6月15日、乳がん細胞の抗がん剤耐性メカニズムに特定のマイクロRNAが関与していることを確認したと発表した。同成果は同研究センター研究所分子細胞治療研究分野の高橋陵宇 研究員、落谷孝広 主任分野長の研究グループによるもので、6月12日付(現地時間)の「Nature Communications」に掲載された。これまでの研究では、薬剤のがん細胞外への排出機序をはじめとして、耐性化に関わる分子自体を解明する研究は多く行われてきたが、「なぜ耐性化が誘導されるのか」という点は十分に解明されていなかった。これまでの研究で、ドセタキセルという抗がん剤の耐性化に伴い、複数のマイクロRNAに発現低下あるいは欠損が生じることが報告されている。今回の研究では、このマイクロRNA群の中で、多くの乳がんで染色体異常が報告されている第9番染色体に位置するmiR-27bというマイクロRNAに注目し解析を行った。その結果、miR-27bの発現が低下した乳がん細胞では、ドセタキセルなどの薬剤を細胞外に排出する分子の発現が亢進し、抗がん耐性が獲得されることが判明した。さらに、miR-27bの標的分子であり抗がん剤耐性を誘導する分子として、糖尿病の関連因子であるENPP1を同定し、乳がんの悪性度を亢進させる可能性があることもわかった。ENPP1は乳がんにおいて発現量が高く、悪性度や骨転移にも関連している。また、動物実験でmiR-27bの発現が低下している細胞集団ではドセタキセル耐性だけでなく、腫瘍形成の維持および亢進が認められた。このことから、miR-27b発現が低下している細胞集団の乳がんの幹細胞集団の形成にも大きく関与していると考えられている。今回の成果は、miR-27bの発現を調べることでドセタキセルに対する感受性の変化を予測しながら行う治療の実現だけでなく、ENPP1の関与も明らかになったことから、糖尿病治療薬で、ENPP1の発現を抑制する作用のあるメトフォルミンのがん治療への応用へつながることが期待される。
2015年06月15日日本調剤は1日、同社薬局において、2014年度に先発医薬品からジェネリック医薬品へ変更することで削減された年間薬剤費の効果額は、前年度比31億円(25.3%)増の154億円に上ると発表した。同社薬局では、特許切れの先発薬に対応するジェネリック医薬品を常時500品目以上用意し、頻度の高い特許切れの先発薬の9割以上をカバーしている。このような在庫対応と患者への働きかけにより、2014年度に先発医薬品からジェネリック医薬品へ変更することで削減された年間薬剤費の効果額は、同社薬局で前年度比31億円増の154億円に拡大。これは患者の金銭的な負担が軽減されたことになり、同社は「ジェネリック医薬品が直接的に医療費低減に効果をもたらしている一つの現れ」としている。また、国が「2018年3月末までに60%以上」を目標に掲げているジェネリック医薬品の使用数量シェアでは、同社薬局平均で74.4%(2014年4月現在)と国の目標を大幅に上回ったという。現在、同社薬局のうちジェネリック医薬品の使用数量シェアが80%以上の店舗は113店舗(全薬局中23%)で、うち90%以上の薬局は8店舗。一方、ジェネリック医薬品普及を妨げる要因となっているのが、ジェネリック医薬品への処方変更不可指定の処方せんの存在で、同社薬局では数量シェア55%以下の店舗が5%あり、その多くが変更不可処方せんによるものとなっている。
2015年06月02日熊本大学は4月30日、乳がん細胞がホルモン療法に対し耐性化する仕組みを明らかにしたと発表した。同成果は熊本大学発生医学研究所細胞医学分野の斉藤典子 准教授、中尾光善 教授らと、同大学院生命科学研究部乳腺・内分泌外科学分野の冨田さおり 医師、岩瀬弘敬 教授、九州大学医学研究院の大川恭行 准教授らの共同研究によるもの。4月29日付(現地時間)の英科学誌「Nature」に掲載された。乳がん治療では、エストロゲンという女性ホルモンとその受容体の働きを阻害する薬剤が使用される。しかし、この治療を長期にわたり受けていると、がん細胞が薬剤に耐性をもって再発する可能性がある。再発したがんは周りの組織に広がっていったり、リンパ節に転移するなど難治性となってしまう。研究グループはエストロゲン受容体を作る遺伝子で、活性化すると乳がん細胞の中でエストロゲン受容体が過剰に働くようになることで知られるESR1に注目し、ホルモン療法が効きにくい状態におけるESR1遺伝子の変化を調査した。その結果、難治性の乳がん細胞ではエストロゲン受容体およびESR1メッセンジャーRNA の量が数倍に増加していた。また、核内のESR1遺伝子の近くに非コードRNAの大きな塊ができていることも判明。エストロゲン受容体をもつ乳がん細胞では、ESR1遺伝子の近くに多量の非コードRNAが蓄積していると考えられた。この非コードRNAを調べたところ、難治性細胞においてESR1遺伝子の働きを高く維持していることがわかった。これらの研究結果から、エストロゲン受容体をもつ乳がん細胞は、ホルモン療法によってエストロゲンを長期に枯渇すると、ゲノム中のESR1遺伝子とその周囲の部分から非コードRNAが誘導されて、エストロゲン受容体を多量につくるように変わることで、ホルモン療法に対して耐性化すると結論づけられた。なお、研究グループはポリフェノールの一種であるレスべラトロールが、その非コードRNAとESR1遺伝子の高発現を阻害し、乳がん細胞の増殖を抑制することを突き止めており、今後新しい乳がん治療の開発につながることが期待される。
2015年04月30日岡山大学はこのほど、マラリア原虫の薬剤耐性タンパク質の働きを解明したと発表した。同成果は同大学大学院医歯薬学総合研究科(薬)の森山芳則 教授、表弘志 准教授、自然生命科学研究支援センターの樹下成信 助教らの研究グループによるもので、3月2日付け(現地時間)の「米科学アカデミー紀要」電子版に掲載された。3大感染症の1つとされるマラリアは現在でも世界で年間2億人が感染し、60万人以上が死亡している。近年、抗マラリア薬に耐性を持つマラリア原虫が出現し、対策が困難となってきている。マラリア原虫の抗マラリア薬に対する耐性の原因としてPfCRTタンパク質の遺伝子変異が知られているが、マラリア原虫の遺伝子が特殊であることや、膜タンパク質の生産が難しいことからタンパク質レベルでの解析ができず、PfCRTの働きについてはわかっていなかった。今回の研究では、PfCRTの遺伝子を合成し、岡山大学が開発した膜タンパク質の生産システムに導入。PfCRTを大腸菌に大量に作らせ、精製し、その機能を測定することに成功した。その結果、PfCRTは薬物を輸送するだけでなく、アミノ酸やポリアミンなどの栄養物質を輸送するトランスポーターであることがわかった。アミノ酸はマラリア原虫が生きていくために必須な栄養素で、抗マラリア薬はこの働きを阻害することで効果を発揮していたことが示唆された。今回、PfCRTが運ぶ物質が特定されたことで、同タンパク質を標的とした新しい抗マラリア薬の開発につながることが期待される。
2015年03月03日大塚製薬は日本において約40年ぶりの抗結核薬の新薬で、日本で唯一の多剤耐性肺結核の薬剤「デルティバ錠50mg」を9月26日より発売すると発表した。日本の結核患者数は先進国の中では最も高い水準にあり、患者は治療のために隔離され、就業できないなどの負担・苦痛を抱えている。さらに、既存の薬に耐性を持つようになった多剤耐性結核の治療成績は向上しておらず、感染が長期化したり、死に至る場合もあるなど、新たなメカニズムを持つ治療薬が望まれていた。「デルティバ」は、結核菌の細胞壁を構成するミコール酸の生成を阻害することにより殺菌効果を示す、新たなメカニズムを有しており、特に結核治療の第一選択薬であり長期間使用されるイソニアジドおよびリファンピシンに対して耐性を獲得した多剤耐性結核に対して強い効果を示す。また、結核菌は薬剤に耐性となりやすいため、同剤についても耐性菌出現を防ぐ必要があり、同社では今後、高精度な薬剤感受性試験が実施できる医療機関を登録することによる薬剤供給統制を含む治療アクセス計画を開始するという。
2014年09月09日警視庁の捜査は早かったのか?帝京大学医学部附属病院において、多剤耐性菌アシネトバクターの院内感染が起こった問題で、医療関係者による警視庁の捜査への抗議が拡がっている。まず日本医師会が9月10日の時点で以下のように抗議声明を発表した。アシネトバクター感染事例に対して、調査結果を待たずに警察が捜査を開始するとされていることに関して、厳重なる抗議の意を表明する※画像はイメージ大事なものは原因究明と再発防止、という声明10月6日には全国保険医団体連合会が、政策部長の名前でやはり抗議の意思を発表した。この中で同連合会は、今回の院内感染の問題で1番大切なのは原因究明と再発防止であると言明。こうしたことの実現のためには、「刑事訴追の可能性を含む警察の事情聴取は厳に慎むべきである。」と断じた。他にも同連合会は、大学病院における医師の超過勤務や、院内感染対策としての診療報酬の低さをあげ、政府として医療費抑制政策の抜本的な転換や、中立的な専門家等で構成される第三者機関の設立などを強く訴えた。また岐阜新聞によれば、岐阜県保険医協会も14日に「多剤耐性菌による院内感染は自然界の不可抗力。業務上過失致死容疑で警察が介入すべきでない」とする声明文を発表した。
2010年10月19日