俳優の藤木直人と女優の松雪泰子が、ディズニー/ピクサー最新作『リメンバー・ミー』(3月16日公開)の日本語吹き替え声優を務めることが11日、明らかになった。ともにディズニー/ピクサー声優初挑戦。藤木は、主人公ミゲルが“死者の国”で出会うガイコツのヘクター役、松雪は、家族に音楽を禁じたミゲルのひいひいおばあちゃん・イメルダ役を演じる。日本時間8日に発表された第75回ゴールデン・グローブ賞で作品賞(アニメーション部門)を受賞した同作は、陽気でカラフルな“死者の国”を舞台にした大冒険を描く物語。主人公は、 音楽を禁じられた少年ミゲルと、彼が死者の国で出会うスケルトンのヘクター。そして、タイトルにもなっている曲"リメンバー・ミー"が本作のストーリーの重要なカギを握る。藤木が演じるヘクターは、ミゲルが迷い込んだカラフルな“死者の国”で出会い、共に冒険する重要なキャラクター。日の出までに元の世界へ帰らないと永遠に家族に忘れられてしまう、という最大のピンチに立たされたミゲルに手を差し伸べる。また、松雪が演じるイメルダは、音楽を選び家族を捨てたミュージシャンの夫との過去から、家族に音楽を禁じたミゲルの先祖(ひいひいおばあちゃん)。彼女は“死者の国”に迷い込んだミゲルが音楽が大好きなことを知り、今後一切音楽をやらなければ生きている世界に戻すと言うが…。藤木は「ピクサー作品をやってみたいという想いがあったので、うれしい反面、決まったからにはやらなきゃという責任感とプレッシャーがありました」と心境を告白。さらに家族がテーマの本作ということもあり、アフレコ時には「劇中では祭壇に家族の写真を飾ったりしていたので、アフレコの時には子供たちの写真を台本に貼ってやってました」と家族思いのエピソードを明かした。松雪は本作について「なんといっても曲が素晴らしくて、聴いているだけで胸を打たれました。自然と涙がこぼれてくる力強さがあり、言葉もスッと魂に刺さってくるようでした。カラフルな色彩が全編通して続くのも観ていてワクワクしました」と絶賛。「家族とはいつもつながっている感覚があります。家系図を見てみたり、ひいひいおばあちゃんがどんな人だったのかという話を改めて聞いたときは、代々守ってきてくれたことによって今自分がここに存在できているんだなと思い、感謝の気持ちがすごくあります」と家族への思いも語った。なお、主人公ミゲル役は、テレビ番組「『sing! sing! sing!』世紀の歌声!生バトル日本一の歌王決定戦」のジュニア部門でグランプリを獲得し、歌とダンスの才能を開花させている13歳の石橋陽彩(いしばしひいろ)が担当。ミゲルが憧れる伝説の歌手デラクルスには、劇団☆新感線出身の俳優橋本さとしが決定した。(C)2018 Disney/Pixar. All Rights Reserved.
2018年01月12日藤木直人と松雪泰子が、陽気でカラフルな“死者の国”を舞台にした大冒険を描く、ディズニー/ピクサーの最新作『リメンバー・ミー』の日本版声優として参加することが明らかになった。■藤木直人、主人公の相棒“ガイコツ”役!藤木さんが声をあてるのは、主人公のミゲルが迷い込んだカラフルな“死者の国”で出会い、共に冒険するガイコツのヘクター。日の出までに元の世界へ帰らないと、永遠に家族に忘れられてしまうという最大のピンチに立たされたミゲルに、手を差し伸べる重要なキャラクターだ。またお調子者で陽気なヘクターだが、実は彼にも家族に会いたいという切なる思いがあり、ミゲルに“ある願い”を託したいと考えている。アフレコ時には「子どもたちの写真を台本に」今回ディズニー/ピクサー声優初挑戦となる藤木さんは、「ピクサー作品をやってみたいという想いがあったので、とても嬉しい反面、決まったからにはやらなきゃという責任感とプレッシャーがありました」と心境を告白。本作について「色々な年代の人が楽しめて、心に染み入る話なんじゃないかな。子どもが見ても楽しんでもらえると思いますし、それぞれの世代で感じる部分があって、いろんな見方ができる作品だと思いました」と話し、自身の子どもと一緒に観たいという藤木さん。“家族”がテーマの本作ということで、アフレコ時には「子どもたちの写真を台本に貼ってやってました」と明かした。■松雪泰子が演じるのは、主人公のひいひいおばあちゃん一方、松雪さんが演じるのは、音楽を選び家族を捨てたミュージシャンの夫との過去から家族に音楽を禁じた、ミゲルのひいひいおばあちゃんイメルダ。彼女は“死者の国”に迷い込んだミゲルが音楽が大好きなことを知り、今後一切音楽をやらなければ生きている世界に戻すと言うが…。楽曲に要注目! 「聴いているだけで胸を打たれました」藤木さん同様、ディズニー/ピクサー声優初挑戦となった松雪さんは、本作について「なんといっても曲が素晴らしくて、聴いているだけで胸を打たれました。自然と涙がこぼれてくる力強さがあり、言葉もスッと魂に刺さってくるようでした。例えるなら子どものころにおもちゃ箱を開けてキラキラした宝石がたくさん詰まっているものを見て嬉しかった感覚と同じような、カラフルな色彩が全編を通して続くのも観ていてワクワクしました」と絶賛。「家族とはいつもつながっている感覚があります」と語る松雪さんは、「一番の味方でいてくれる存在です。親の世代、そのまた親の世代がどんな思いで子どもたちを育ててきたのかということを、自分が子育てをするとより強く感じたりすることがあります。家系図を見てみたり、ひいひいおばあちゃんがどんな人だったのかという話を改めて聞いたときは、代々守ってきてくれたことによって、いま自分がここに存在できているんだなと思い、感謝の気持ちがすごくあります」と思いを明かしている。■藤木さん&松雪さんは歌唱シーンも!ディズニー担当者は、「藤木さんは映画やドラマ、音楽活動など幅広く活躍しており、ヘクターの陽気さと孤独を併せ持つ難しい演技、家族を想う優しさの表現と、歌唱もお任せできると思いました」、「イメルダは家族を愛していて、芯の強さを持った女性。情熱的な歌唱シーンもあります。松雪さんは映画、ドラマ、またミュージカルを含む舞台経験も豊富なことから、イメルダの強さ、厳しさの中にある家族への愛情を表現していただくことができる、また歌もお任せできると思いオファーしました」と2人の起用理由を語っており、歌唱シーンもあると明かしている。さらに、ミゲルが憧れる伝説の歌手デラクルスには、「劇団☆新感線」出身の俳優・橋本さとしに決定。ミゲルが好きな名曲「リメンバー・ミー」を生前に遺した伝説の国民的ミュージシャンを演じる。『リメンバー・ミー』同時上映『アナと雪の女王/家族の思い出』は3月16日(金)より全国にて公開。(cinemacafe.net)
2018年01月12日スマホマガジン「Hot-DogPress」で連載され、絶大な人気を誇ったオリジナル漫画を原作に、知英と竹中直人を迎え派遣OLと年商500億社長の入れ替わりストーリーを描く『レオン』。この度、本作の出演者が大集結した予告編とポスタービジュアルが同時解禁された。今回到着した予告編は、ナイスバディだけが取り柄の地味OL・小鳥遊玲音(知英さん)と、年商500億の女好きワンマン社長・朝比奈玲男(竹中さん)の登場シーンからスタート。そんな正反対の2人だが、交通事故によって“心”が入れ替わってしまう!そして、「俺たち…」「私たち…」「入れ替わってる!?」と驚きのリアクションも。…どこかで見たことあるような。病院で目覚めると、ナイスバディな女の子に入れ替わっている玲男と、オッサンと入れ替わってしまった玲音。“女”な竹中さんと“男”な知英さん、それぞれの行動に思わず笑ってしまう映像となっている。また、2人の秘密を知る玲音の親友・紗理奈(大政絢)、中身がオッサンとは知らず玲男に恋するいい奴すぎる同僚・一条(吉沢亮)、社長になりたい副社長・朝比奈政夫(斉藤慎二)、デカすぎる秘書・猫田(ミッツ・マングローブ)、そして、会社中の女性社員をたぶらかすチャラいプレイボーイ税理士・日下(山崎育三郎)と、2人と取り巻く濃すぎるキャラクターたちも登場している。加えて映像では、「Awesome City Club」が手がけたキラーチューン「Magnet」が音楽初解禁されている。『レオン』は2018年2月24日(土)より新宿バルト9ほか全国にて公開。(cinemacafe.net)
2017年12月28日内村光良さん率いるコント番組「LIFE!~人生に捧げるコント~」の第5弾が12月19日(火)に放送。この度、第1弾ゲストとして、竹中直人と藤野涼子が出演することが明らかになった。本番組の今年度第5弾は、内村さんの故郷・熊本にちなんだコントが盛りだくさんの年末スペシャルを放送。これまで大河ドラマ「秀吉」や「軍師官兵衛」において“豊臣秀吉役”を演じ、鮮烈な印象を残してきた竹中さんだが、今回「LIFE!」でも秀吉役で登場!内村さんは加藤清正に扮し、また連続テレビ小説「ひよっこ」の“乙女寮”の仲間・豊子役で一躍脚光を浴びた藤野さんも出演。コント初挑戦の初々しい姫役も必見だ。収録を終え、竹中さんは「楽しかったけどフラフラになりました。久しぶりに内村君と一緒にコントができて張り切ってしまいました。すごく楽しかったです!」と話し、全力で演じきった様子。一方、藤野さんは「内村さんと竹中さんのかけ合いの中に入れて楽しかった。初めてのコントで新しい自分を見つけることができました。これからもコントに挑戦したい!」とコメントしている。なお、今回も放送を待ちきれない視聴者のために、NHKのネットサービス「1.5チャンネル」と「LIFE!」の番組公式Webサイトにて新作コント、ムロツヨシの顔のみでつづる「顔面ドラマ」の新シリーズ「ムロ24」を配信中。動画では、「24」シリーズのジャック・バウアーの声でお馴染み、小山力也と共演しており、一見シリアスにも見えるが、やはりクスクス笑える仕上がりとなっている。「LIFE!~人生に捧げるコント~」は12月19日(火)22時~NHK総合にて放送。(cinemacafe.net)
2017年12月04日前編(連載2回目)に引き続き、沢村さんとMinottiAOYAMAのインテリアプランナー・金子直人さんとの対談をお届けします。今回は、金子さんから家庭でもすぐ簡単に実践できる、インテリアをもっと良くするための“あるアドバイス”を伝授してもらいました。お見逃しなく!家具は最終地点をイメージして買いそろえていくのが正解沢村一樹さん(以下、沢村さん):ご来店されるお客さまも、多いんじゃないですか?金子直人さん(以下、金子さん):最近は徐々にお客さまが増えていますが、まだまだ一般的に見ると、インテリア自体に興味を持たれている方は少ないと感じています。沢村さん:僕は元々好きだったので興味はありましたが、まだまだ少ないんですね。金子さん:そうですね。興味を持つ方が多くなってくれることを願います。沢村さん:インテリアのトレンドについて、聞かせてください。毎年毎年、大きな変化はないと思いますが、多少なりともトレンドは変わりますよね?金子さん:〔Minotti〕では、イタリアのメーカーでは珍しく、ショールームの空間を新しくアップデートしています。でも、昨年出たものが古いデザインかというと、そうではありません。昨年といっても、古い歴史がある中の1~2年です。結局、バリエーションを増やしているにすぎません。そこが、ファッションのトレンドとは異なる点です。沢村さん:あぁ、なるほど。金子さん:今、私たちが座っているソファも2004年に発売されたものですが、〔Minotti〕では定番になりつつあります。男性の方は首筋がフォローされるのが良いそうで、支持を得ていますね。ただ、お客さまとソファの使い方について話していると、約半分の方から「ソファで横になることが、多い」と聞きます。女性の方はお座りになりますが、男性の方はソファに寝転がりながら使用されるケースが多いようです。沢村さん:僕も、本当にたまにですが、明日は何もなくてゆっくり寝られるなぁ……というときはブランケットを持ってきて、わざとソファで寝ています。朝、みんなが起きてきて、子どもたちが“わちゃわちゃ”やっているのを寝ながら耳で聞いていると、「ぜいたくな時間だな」って思うんですよね。金子さん:イタリアの家具はデザインだけだと思われがちですが、文化からライフスタイルまで、全て考えられているので、家具を配置すると、ある程度のライフスタイルが決まってくるんですよ。それはすごいなと思いますね。沢村さん:家具を購入することについて、何かアドバイスはありますか?金子さん:一人でいろいろ考えていると、好きな家具をどんどん購入していって、最終的に部屋や家の中の統一感がなくなると思うので、最終地点をイメージして購入した方がいいですね。沢村さん:ちょっと前まではカフェみたいなインダストリアルな家具とかが好きだったんですが、最近は年を取ったせいか、ラグジュアリーなテイストが好きになってきましたね。また、好みは変わっていくと思いますが……。金子さん:でも、インテリアは、そうやって楽しんでいってもらった方がいいですね。一つとして同じ部屋はありませんし、家具も置く部屋によって雰囲気が変わります。季節によって家具を買い替える人も、結構いるんですよ。モダンとクラシックの“いい、あんばい”=すてきな家具沢村さん:イタリア家具全体のトレンドはどういったものになっていますか?金子さん:毎年、イタリアのミラノで世界最大規模の家具の見本市である「ミラノサローネ」が開催されます。そこで発表されたトレンドは、昔のイタリア家具ほどギラギラしていないものが比較的多く見られました。どちらかというと、丸みのあるデザインが流行しています。色味的には、ざっくりしていますが、少しトーンが低めのイエロー、グリーン、オレンジを差し色に使うのがトレンドになっているようです。インテリアのトレンドはファッションと違って毎年変わるものではなく、2~3年に1度、ゆっくり変化していくので、面白いですよ。沢村さん:でも、いきなり変わるときもありますよね?『ELLEDECOR(エル・デコ)』を読んでいて一時期、壁から照明から、全てグレーがトレンドになったことがありました。金子さん:確かに、ありました。ちょうど2~3年前ですね。沢村さん:見たときは「何だコレ?」と思ったんですが、見慣れてくると、これがいいんですよ。で、ちょっと前からは、ゴールドが入っていて……。最初は「えっ?ゴールド?」って思いましたけど、見ていると「やっぱり、カッコイイなぁ」ってなってくる。金子さん:他のメーカーがどうかはわかりませんが、最近、〔Minotti〕ではブロンズ系がキテますね。よく〔Minotti〕では“タイムレス”という言葉を使います。インテリアだからこそ、長く使っていただきたい。流行に左右されない意味を込めて、“タイムレス”という言葉を使っているのです。沢村さん:新しいけれど、飽きないようにデザインされているんですね。でも、言うのは簡単ですけど実際に作るのは大変ですよね。金子さん:そうですね。結局、モダン家具といわれていても全部コンテンポラリーにしてしまうと、ちょっと違うイメージになってしまいます。元々、インテリアはクラシックなものとして発展し、今のモダンがあるわけです。だからこそ、モダンとクラシックがいい割合で入ったものが、すてきな家具になるんですね。沢村さん:それ、わかるなぁ……。でも、理解するにはやっぱり勉強が必要ですね~(笑)。セオリーを変えれば、インテリアの意識が変わる沢村さん:昔、ある番組で、映画『グラン・ブルー』でジャン・レノが演じたエンゾ・モリーナのモデルになったイタリア人の男性フリーダイバー——エンゾ・マイオルカの家に行ったことがあるんです。そのとき、彼は77~78歳くらいだったと思うんですが、その家がまぁ、カッコイイ。絶対、日本では実現できないような家でしたね。漆喰(しっくい)の壁があって、家の中は全部石で、古い木製のアンティークの家具があって……。イタリア人は、そういった感覚を持っているんですかね?金子さん:そうかもしれませんね。イタリアではインテリアコーディネーターという職業が建築家と同じように、とても重要な職業なんです。沢村さん:イタリアでは一般の人たちのインテリアに対する意識が高いから、そういった職種の人が注目されるのかもしれないですね。金子さん:私が思うイタリア人と日本人のインテリアの感覚の違いは、家に人を呼ぶか呼ばないかだと思うんですよ。見せるものに人は気を使うものですよね。人が集まる場所だからこそ、見てもらう場所だからこそ、よりすてきな空間にする。日本人は家に人を招き入れることが少ないので、そういった感覚の違いがあるのではないかと思います。沢村さん:やはり、ライフスタイルが違うんでしょうね。金子さん:最近は、日本でもホームパーティーを開く人が増えているので、そうなると、また日本人の感覚が変わってくるかもしれないですね。沢村さん:他人が訪れてきても恥ずかしくないすてきな空間づくりをするために、すぐ実践できることって何でしょう?金子さん:日本のリビングは誰が決めたのかわかりませんが、テレビやオーディオが中心となり、機器やものに寄りすぎています。つまり、それらを変えるだけでも十分、インテリアの意識は変わるんです。家族みんなが生活するからこそ、リビングやダイニングといった空間を大事にした方がいいと思いますね。例えば、ダイニングチェアとリビングのソファの張り地を同じにしてみる。これだけで、空間としての“仕上がり感”が出ます。家具をバラバラに購入していくと、配置したとき、どこかに違和感が出てしまうものです。あとは、ソファを目立たせたい場合、ソファよりも力の強いインテリアやアートを置いてしまうと、その空間が全部その色になってしまうので、気を付けた方がいいですね。ある程度、バランスは必要です。でも、置きたいものを置いちゃうんですよね(笑)。沢村さん:置いちゃいますよね~(笑)。照明を置く際のアドバイスはありますか?金子さん:照明をよく見せるのであれば、部屋全部を明るくするのではなく、必要な所だけ明るくするのがポイントです。そうすることで、雰囲気が出ます。簡単に実践できるインテリアをよく見せる照明テクニックとしては、最初に影をつくること。皆さん、とにかく部屋を明るくしたがります。「この部分は使わないから、いったん、影にしてみよう」。そうすると、他の明るい部分が際立つんです。沢村さん:僕は21時になったら部屋の明かりを消して、間接照明だけにします。「21時からは俺の時間だ!」と言って……。お酒を飲みながら部屋を見ているのが、好きなんです(笑)。金子さん:先ほど(連載2回目)も言ったように、ソファの前に置くセンターテーブルはリモコンやティッシュを置いているだけなら、不要だと思います。それがあることで日本人はソファを背もたれにして、床に座ってしまうんです。だから、そもそもセンターテーブルがない方がソファに座るんですね。サイドテーブルさえあれば、事足りるんです。沢村さん:面白いなぁ。そう考えると、インテリアの常識が変わってきそうですね。金子さん:セオリーを変えるだけで、インテリアはいろいろな角度から楽しめます。意識も変わると思いますので、試行錯誤してみてください。明日公開の連載4回目は、JCDデザインアワード、グッドデザイン賞、INAXデザインコンテストなど、多数の賞を受賞している建築家・谷尻誠さんが登場。沢村さんと「ちょっと楽しい暮らし」について、笑いも交えながら、語り合ってもらいます♪(つづく)【沢村一樹(さわむらいっき)】1967年7月10日生まれ、鹿児島県出身。今年4月からスタートした連続テレビ小説『ひよっこ』(NHK総合)では、谷田部実役で出演中。10月スタートの連続ドラマ『ユニバーサル広告社~あなたの人生、売り込みます!~』(テレビ東京系)では、主演の杉山利史役が決定。また、2018年1月からは大河ドラマ『西郷どん』(NHK総合)に赤山靭負役での出演が決定している。●Photographer:KenjiFujimaki●Stylist:MiyokoOnizuka(Ange)●HairandMake-up:INOMATA(&’smanagement)●Director:ShunsukeNakagawa(CROSSRING)●Casting:HiroSuzuki(Hybiscus)●Writer:YasuyukiUshijima(NOTECH)●Editor:AyaKanaizumi,TakashiOtsubo(LIMIA)【取材協力「MinottiAOYAMA」】Minottistudioがデザインするアート的空間。●Address:東京都渋谷区南青山4-21-26●Tel:03-6434-0142●URL:【衣装「CalvinKleinPLATINUM」】ジャケット:¥45,000/シャツ:¥18,000/パンツ:¥19,000(全て税抜き)●Tel:03-5476-5811(株式会社オンワード樫山・お客様相談室)【特集・沢村一樹さん】私のインテリアとDIY——2匹の愛猫との暮らし【特集・沢村一樹さん】高級家具メーカーMinotti・金子直人さんに聞くインテリアの秘訣(前編)【特集・沢村一樹さん】建築家・谷尻誠さんと語る、住まいと暮らしと仕事のこと(前編)【特集・沢村一樹さん】建築家・谷尻誠さんと語る、住まいと暮らしと仕事のこと(後編)
2017年09月06日派遣OLと会社社長のまさかの入れ替わりストーリーを描き、スマホマガジン「Hot-DogPress」にて絶大な人気を誇ったオリジナル漫画を、知英と竹中直人で実写化する映画『レオン』。このほど、本作の追加キャストに、山崎育三郎、大政絢、吉沢亮、斉藤慎二(ジャングルポケット)らが決定した。根っからのネガティブ思考でイケテない派遣OL役を務める知英さんは、本作で劇場用長編映画に初主演。彼女と入れ替わる、女好きのワンマンオヤジ社長を演じる竹中さんの芸達者な弾けっぷりも、本作の見どころの1つとなっている。そして、ドラマ「あいの結婚相談所」で連ドラ初主演を務めるなど、いま引く手あまたの山崎さんが演じるのは、竹中さん演じる朝比奈玲男が経営する朝比奈フーズの税理士。知英さん演じる地味系OL・小鳥遊玲音をもてあそび、朝比奈フーズを乗っ取ろうとたくらむ、イケメンだがいけ好かない男だ。玲音の親友であり、体が入れ替わった2人をサポートするサリナ役には、「あなたのことはそれほど」の大政さん。朝比奈フーズを愛す、真面目でどこか変わった好青年、一条役には、『銀魂』『ママレード・ボーイ』など話題作への出演が次々と決まる吉沢さん。彼は、中身が“おっさん”になった玲音にほのかな恋心まで抱いてしまうという。さらに、社長の右腕として働きながら、虎視眈々と社長の座を狙う朝比奈政夫役には、「ジャングルポケット」の斉藤さんが抜擢。そのほか、社長秘書・猫田役にミッツ・マングローブ、朝比奈社長に近づく謎のインタビュアーに原幹恵、朝比奈社長が昔、愛した女性・愛梨役に河井青葉など、多種多彩な役者たちが勢ぞろいする。以下、キャストよりコメントが到着した。■山崎育三郎朝比奈フーズ税理士の日下は、常に薔薇を持ち、キレッキレに動く自信過剰のナルシスト。かなりキャラクターの濃い役を今回やらせていただきました。塚本(連平)監督と作り上げた日下はいままでにない「非常にムカつく悪役」になっていると思います。ラストシーンで登場する、日下の超巨大パネルは圧巻です。■大政絢今回私は知英ちゃん演じる玲音の親友「サリナ」を演じました。サリナは同じ会社の同僚でもあり、常に一緒にいる親友で玲音をいつも引っ張るサバサバな性格なんですが、2人が入れ替わってることにはなかなか気付かない天然なところも…。2人の入れ替わったときのお芝居がリアルすぎて何度も現場で笑いを堪えました!皆さんには映画館で思いっきり笑ってもらえればと思います!中身がエロ社長の知英ちゃん…最高すぎます!色んなキャラクターの方達が大集合しているのぜひ皆さんに観ていただきたいです。■吉沢亮一条徹役で出演させていただくことになりました。知英さん演じる小鳥遊の中身がおっさんに変わっているなんていざ知らず、そんな彼女に恋をしてしまうとても可哀想な男です。まっすぐでピュアで少し抜けたところがある、宙にフワフワと浮いているような役でした。というか、撮影中に何度か浮きました。お楽しみに。■斉藤慎二(ジャングルポケット)よろしくお願い致します! まず、映画に出演するのが初めてで私なんかをキャスティングして下さったスタッフさんに感謝の言葉しかありません!素敵な配役をいただいて、実力派な役者さんに囲まれて刺激をうける毎日でした!実際に映画を見てみないと、何とも言えませんが自分なりに演じきれたと思っています!ストーリーがとにかく面白いですし、笑いあり、感動もある貴重な作品になっているのは間違いないので、劇場で濃い顔の私を堪能して下さい!『レオン』は2018年早春、全国にて公開。(text:cinemacafe.net)
2017年08月27日藤木直人が主演を務める音楽劇『魔都夜曲』が、7月7日に東京・Bunkamura シアターコクーンにて開幕した。【チケット情報はこちら】1930年代の中国・上海を舞台に、激動の時代に秘められた恋と人間模様を描き出す本作。マキノノゾミが脚本を、河原雅彦が演出を手がけ、日本政府の要人を父に持つ自由奔放な御曹司・白河清隆(藤木)、日中ハーフの女性・周紅花(マイコ)と、その兄・周志強(小西遼生)の3人を中心とした人間ドラマが展開される。“音楽劇”にふさわしく、物語はバンドのジャズ演奏で幕を開ける。舞台となるジャズクラブ「ル・パシフィーク」の歌姫・字春(秋夢乃)は、メロウなナンバーを艶っぽく歌唱。やがて登場したクラブの支配人・新田日出夫(橋本さとし)とボーイ・サミー(コング桑田)の狂言回しぶりに、観客は自然と“魔都”上海へいざなわれていく。出会ったばかりの清隆、紅花、志強はすぐに意気投合し、夜の街に繰り出すことに。3人が上海観光を楽しむ様子は、本間昭光作曲のオリジナルメインテーマ『オピウム・ラヴァーズ』の軽やかなリズムにのって展開され、ついには上海に暮らす数多くのキャラクターが登場するきらびやかなステージングに発展。妖しくも色鮮やかなネオン街を背景に、最後には全員で合唱する1幕前半の見せ場となった。藤木は目付け役である外交官・籾田(山西惇)の説教に対し、背もたれを飛び越えてソファに正座で着地して懇願してみせる――といった大きなリアクションや、終始たたえている朗らかな笑顔で周囲の人間を自分のペースに巻き込む、屈託のない“御曹司”ぶりを見せつけた。対するマイコは、国と身分の異なる清隆に惹かれていく紅花の喜びと戸惑いを、振れ幅の広い表情で演じる。このふたりの恋愛がどのように変化するのか、結末は劇場で確かめてほしい。このほか、繰り返し歌われるオードウェイの唱歌『旅愁』をはじめ、中国民謡『茉莉花(ジャスミン)』などキャストが歌声を響かせるシーンも見どころ。東京パフォーマンスドールの高嶋菜七と浜崎香帆がWキャストで演じる李香蘭が『蘇州夜曲』をしっとりと歌い上げる場面もあり、多彩な楽曲が作品に華を添えている。東京公演は7月29日(土)まで。その後、8月5日(土)・6日(日)に愛知、8月9日(水)から13日(日)まで大阪に巡演する。取材・文:岡山朋代
2017年07月10日世界的プロダクトデザイナー、深澤直人の国内初となる個展が、7月8日(土)より開催されます。家具や電化製品から腕時計や筆記具まで、選りすぐりの作品を集めた本展。「生活の周囲」というテーマにふさわしく、展示室を居住空間に見立てることで、深澤の思考を視覚化する試みに注目です。深澤直人とは1956年山梨県生まれ。多摩美術大学でプロダクトデザインを修めた深澤は、ALESSI、ARTEMIDE、B&B ITALIA、BOFFI、DANSE、MAGIS、BELUX、LAMY、THONET、HARMAN MILLERなど、世界を代表するブランドのデザインを手がけています。国内においてはパナソニックや無印良品、マルニ木工などのデザインやコンサルティングを数多く手がける深澤。電子精密機器から、家具、インテリアにいたるまで、その分野は多岐にわたります。●Ambient本展のタイトルでもある「Ambient」。直訳すると「環境」ですが、深澤はこの言葉を「周囲」や「雰囲気」と捉えています。環境からものの輪郭を導きだすのが、深澤のデザイン手法。それはつまり、その環境が求めるもの、そこにあるべきものを生み出す作業です。そのようにして生み出されたものがその場に投じられることによって、ものと空間が相互に作用して、「いい雰囲気が」が醸し出される。本展では、そんな「いい雰囲気」を醸し出すことを実践しています。実際の居住空間に見立てた展示室で深澤の思考を立体的に感じ、生活の空気、すなわちAmbientを体感できる展覧会なんですね。●モディファイ スフィア2009年、パナソニック 汐留ミュージアム 蔵シンプルで美しい完全な「光の球」を目指した照明器具。それまでも球体の照明器具は存在していましたが、全体が均一に光るものはありませんでした。●加湿器±0、2004年、NAOTO FUKASAWA DESIGN 蔵使用していないときでも「潤い」を感じさせる置物としてデザインされた加湿器。●HIROSHIMA アームチェアマルニ木工、2008年、株式会社マルニ木工 蔵世代を越えて使い続けることができ、世界に誇れるようにと考え抜かれたアームチェア。フォルムの美しさとすわり心地の良さを追求し、シンプルでありながら細部まで突き詰めたデザインです。●Without Thought人間の無意識下の行動の中に、デザインのきっかけがあることを見いだした深澤。「Without Thought(思わず)」という言葉を冠したデザインワークショップを毎年開催し、発表を続けています。●Cha クリーマーALESSI、2015年、アレッシィショップ青山 蔵流線型が美しいクリーマー。ステンレス製のミラー仕上げでありながら有機的な形状は人の営みにしっくりと馴染み、憩いの空間と時間を提供してくれます。●AWAB&B ITALIA、2009年、NAOTO FUKASAWA DESIGN 蔵クリスタルプラントという人造大理石製のテーブル。成型しやすく、ふんわりと柔らかな陰影を作ることが得意なこの素材で、深澤は曲面を持ち有機的な彫刻のようなテーブルをデザインしました。●行為に相即するデザイン「知っているのに気づかずにいること」、すなわち行為に溶けこんだデザインを探し、心がけてきた深澤。そのデザイン哲学を「行為に相即するデザイン」、「意識の中心」、「ふつう」、「輪郭」、「典型」などといった言葉で表わすとともに、デザインを具体化しつづけています。●NOTOLAMY、2008年、NAOTO FUKASAWA DESIGN 蔵角が丸い三角の軸は、持ちやすく自然と手になじみます。そして、手帳などに挿しやすい、軸に切り込みを入れたようなクリップ。三角おにぎりのようなやさしい三角形が頭にあり、それを実現しようとしたのだとか。●アウトラインアウトラインとは「もの」の輪郭。「もの」はそれを囲んでいる空気のなかに存在しているので、空気のなかで穴を形づくるものがアウトラインである、とも考えられます。穴の周囲にある空気は、人の経験や習慣、技術や歴史といった多くの要素で構成されているわけですね。人々が共有するアウトラインを見つけだし、ぴったりとはまる輪郭を持つものをデザインすること。それが、自分の役割だと深澤は考えています。●ISSEY MIYAKE TWELVE NYOP001セイコーウォッチ株式会社、2015年、セイコーウォッチ株式会社 蔵《ISSEY MIYAKE TWELVE NY0P001》セイコーウオッチ株式会社、2015年、セイコーウオッチ株式会社 蔵文字盤の目盛りをなくし、12角形のガラスをはめこんだシンプルな時計。人が物体の辺や角を無意識に計測の基準することを応用したデザインといえるでしょう。展覧会詳細名称:AMBIENT 深澤直人がデザインする生活の周囲展会場:パナソニック 汐留ミュージアム会期:2017年7月8日(土)~10月1日(日)休館日:水曜日、8月14日(月)~16日(水)入館料:一般:1000円、65歳以上:900円、大学生:700円、中・高校生:500円小学生以下無料所在地:東京都港区東新橋1-5-1 パナソニック東京汐留ビル4階電話:03-5777-8600(NTTハローダイヤル)公式サイト:
2017年07月05日アイドルグループ・NMB48の元メンバーでタレントの藤江れいなが24日、東京・新宿の福家書店 新宿サブナード店で写真集『記憶 Memorial Films』(発売中 2,916円税込 玄光社刊)の発売記念イベントを行った。同写真集は、NMB48を5月に卒業したばかりの藤江れいなが、17歳から23歳までの6年間の写真と撮り下ろし写真で構成されたメモリアル写真集。10代の頃のセーラー服の写真やAKB48、NMB48時代の写真に加え、将来の嫁入りを思わせる白無垢の写真など、藤江の魅力が詰まった1冊となっている。肩がざっくりと開いたセクシーなワンピース姿で登場した藤江れいな。NMB48卒業後初めてのイベントに「卒業してから初めてファンの方とお会いするので、変な緊張をしています(笑)」と緊張した面持ちも、写真集について「撮り下ろした写真はもちろんですが、6年間撮り溜めた写真も詰め込んだので、見返して『あんなことがあったんだ!』と懐かしくなるような1冊になりました。詰め込みすぎて1冊で1kg超え(笑)。とにかくボリューミーになっていますし、皆さんの記憶になる1冊になればと思っています」とアピール。お気に入りを「白無垢の写真」とあげて、「白無垢は初めてだったので重みを感じますね」と満足げだった。藤江れいなが在籍していたNMB48といえば、先の「選抜総選挙」の開票イベントでかつての同僚でもある須藤凜々花が結婚宣言をして物議を醸している。藤江は「スピーチで何を言うのかと思いましたが、まさかの結婚宣言でビックリしましたし、私がランクインした時にはスピーチするだけでも精一杯だったので、そこで言える凛々花はすごいなと思いました」と明かし、「今回は色んな思いの方がいるとは思いますが、私は凜々花に『おめでとう』というよりはエールを送りたいと思います」とコメント。自身の結婚発言は「ないです(笑)」と否定し、「恋愛はいい人がいたらしたいとは思いますが、うちのお父さんは見た目が怖いので、お父さんを乗り越えられる人じゃないと無理ですね(笑)。それにやらなければいけないことがたくさんあるし、(女優としての)夢が叶ったら恋愛とかしたいと思います」と仕事優先を強調していた。
2017年06月24日1930年代の上海を舞台にした新作音楽劇『魔都夜曲』が上演される。主演に藤木直人、相手役にマイコ、その他演劇界で活躍する小西遼生、橋本さとしなど、顔ぶれも華やかだ。演出は、近年、次々と話題作を手がけている河原雅彦。激動の時代のエキゾチズムあふれる上海で、ジャズの音色と共に、秘められた恋と人間ドラマが繰り広げられるという。藤木、マイコ、河原の3人がその意気込みを語った。音楽劇『魔都夜曲』チケット情報『魔都夜曲』は、マキノノゾミ作によるオリジナル・ストーリーだが、モチーフとした実在の人物がいる。シベリア抑留中に亡くなり、悲劇のプリンスと呼ばれた近衛文麿首相の長男、近衛文隆である。彼の上海時代のエピソードをヒントに、今回のドラマチックな物語が生まれたとあって、主人公の白河清隆を演じる藤木も気持ちを引き締める。「自由奔放な御曹司で諸国を遊学しているというキャラクターですが、戦争に向かっていく中で、今では考えられないような運命を背負っていきます。モデルとなった方がいるだけに、責任を持って演じなければなと思っています」。主人公の恋の相手となる周紅花を演じるマイコも、その恋が時代に翻弄されていくとあって、歴史に思いを馳せずにいられないようだ。「中国人の父と日本人の母を持つ女性なのですが、彼女自身、いろいろと秘密を持っているようなんです。そのバックグラウンドを理解しなければいけないと思いますし、やはり簡単に演じてはいけない時代だと思うので、歴史的な部分もしっかり勉強したいと思っています」。マキノが描くそんな骨太な人間ドラマに、演出の河原はどう色付けするのか。「僕はシンプルにエンターテインメントが好きなので、エンタメの華やかさに、いろんなものが混在していた当時の上海の妖しさも加えて、観ている方がドキドキソワソワするような部分を足していければなと思っています」。音楽劇としては、「ミュージカルとは違うので、気持ちを歌にするということではなく、音楽が物語に必要となる状況を作っていきたい」という目論見も。「藤木さんはギターも弾かれると聞いたので、そんなシーンも登場するかもしれません(笑)」。河原が藤木とマイコに期待するのは、「生命力」。「国と国の関係に影響を及ぼすくらいの恋愛を貫くふたりですから。その前に進んでいこうとするプリミティブな人間力は、きっと今の時代に魅力的に映ると思うんです」。華やかに美しく力強く、新しい音楽劇が誕生する。公演は7月7日(金)から29日(土)に東京・シアターコクーンで上演後、8月5日(土)・6日(日)に愛知・刈谷市総合文化センター大ホール、8月9日(水)から13日(日)まで大阪・サンケイホールブリーゼと各地をめぐる。チケットは各地とも先行販売を受付中。取材・文:大内弓子
2017年04月25日オンラインストリーミングサービスのNetflixで配信中のオリジナルドラマ『野武士のグルメ』のプレミア上映会が22日、都内で行われ、主演の竹中直人をはじめ、玉山鉄二、鈴木保奈美、原作の久住昌之が出席した。同ドラマは、『孤独のグルメ』(テレビ東京系)の原作者、久住昌之(原作)と土山しげる(原画)による『漫画版 野武士のグルメ』の実写版。定年退職して時間とお金を自由に使えるようになったサラリーマンの香住武(竹中直人)が、素朴で粗野な野武士(玉山鉄二)のように、好きな時に好きなだけ食することを決意して様々な店で食を楽しんでいく、というストーリーとなっている。竹中は「久住昌之さんのことがずっと好きだったので、まさかこうやってご一緒できるとは夢のようでした。玉山くんとは10数年ぶりの共演で、カウンターで目が合うシーンがあり、玉山くんが僕のことを子どものように優しく見てくれたのが印象に残っています。そして何と言っても保奈美さん! 本当に美しくて、一緒に部屋に入った瞬間に良い時間が流れました。喋らなくても柔らかい気持ちになる女優さんで、今日もお会い出来るとは思いませんでした」と笑顔。鈴木は「撮影初日のケータリングがカレーでした。私は明るい内にカレーを食べると眠くなってその後は本当に使い物にならなくなるんです。なのでお昼にはカレーを食べないようにしています」とロケでのエピソードを語ると、竹中は「僕はそんなにわがままな俳優じゃないんですが、スタッフさんが気を遣ってくれたのかもしれません」と恐縮しきりだった。イベントの前々日(3月20日)は竹中の61歳となる誕生日で、イベントの最後にはサプライズとして竹中の大好きなカレーのケーキが登場じ、鈴木とファーストバイト。「めちゃくちゃうまかったです。保奈美さんとファーストバイトだなんて、夢みたいですね。本当にありがとうございます」とうれしそうだった。
2017年03月23日沢尻エリカが主演する4月期放送の新水曜ドラマ「母になる」。この度、本作の新たなキャストが発表され、藤木直人が主人公の元夫役で出演することが決定。また先日よりドラマがクランクインを迎えたことも明らかになった。3歳の春、愛する息子が誘拐された。いつもの幼稚園の帰り道。繋いでいた手を離した、ほんの一瞬。目を戻すと、そこに息子はいなかった――。そして9年の月日を経て、13歳になった息子が現れる。空白の9年間を埋められるのだろうか?一度壊れた家族をもう一度取り戻せるのだろうか?母親になるとは?家族になるとはどういうことなのか?本作は誘拐事件に直面した家族を通して、3人の女性が傷つきながらも「母になる」までの物語…。本作は3人の女性がそれぞれ「母」として成長する物語。そんな3人の女性たちには、息子を誘拐された過去がある主人公・柏崎結衣役を沢尻さん、結衣のもとに戻ってきた息子が母と慕う女性・門倉麻子役を小池栄子、結衣のママ友・西原莉沙子役を板谷由夏が演じる。今回新たに決定した藤木さんが演じるのは、人工知能の研究をしている大学の准教授だったが、事件後ひきこもってしまう柏崎陽一役。そしてさらに、陽一の母・里恵役に風吹ジュン、陽一と共に人工知能を研究していた大学の教授・西原太治役に浅野和之。そのほか高橋メアリージュン、藤澤遥、望月歩の出演も決定した。ドラマは先日クランクインを迎え、初日は沢尻さん演じる結衣と、藤木さん演じる陽一が出会った、16年前のシーンから撮影がスタート。約12年前にドラマで共演したという沢尻さんについて藤木さんは、「当時からすでに大人でしたね。大変な役柄なのに、しっかりとしていて、すごいなと感心していました。今回、まさか夫婦役をやらせて頂けるなんて思ってもいなかったので、足を引っ張らないように頑張りたいです(笑)」と当時をふり返り意気込み。一方、初日の撮影を終えた沢尻さんは、「やっていく中で少しずつ役の感じがつかめてきました。大変なのは、ちゃんと21歳に見えているかな?ということですね(笑)」とコメント。また藤木さんについて、「以前のドラマの現場では、役柄のせいもあってお話をした記憶があまりないのですが、印象はすごく知的な方というイメージです。今回の陽一という役にもすごくピッタリだなと思いました」と話している。「母になる」は4月期より毎週水曜日22時~日本テレビにて放送予定。(cinemacafe.net)
2017年02月21日アイドルグループ・NMB48からの卒業を発表している上西恵、藤江れいな、薮下柊が、7日にライブ動画ストリーミングプラットフォーム「SHOWROOM」で配信された『「NMB48のお知らせ」生配信!』にて、卒業コンサートの詳細をサプライズ発表した。配信では開始早々に、上西、藤江、薮下がそれぞれ出演する卒業コンサートの詳細が発表された。4月10日に上西、4月11日に薮下、4月17日に藤江という日程で、大阪・オリックス劇場にて開催されることが告げられ、さらに、藤江の卒業コンサートは4月14日に出身地の千葉でも開催されると発表された。会場は千葉・市川市文化会館、藤江チームMでの出演とのこと。番組の最後には、視聴していたファンから惜しむ声とこれまでの活躍をねぎらうコメントが寄せられ、「みなさんに本当にお世話になったので、たくさんの感謝を伝えたいと思います!ぜひ見に来てください!」と最後のコンサートへの意気込みを語った。なお、番組には三田麻央も出演。SNS上でも噂されていた三田の卒業に関して、「三田は卒業しません!」ときっぱり否定した。
2017年02月07日俳優・竹中直人と作・演出家の倉持裕による演劇ユニット・直人と倉持の会Vol.2「磁場」が12月11日に開幕。前日に公開舞台稽古が行われた。直人と倉持の会Vol.2「磁場」チケット情報本作は、2013年12月に第1回公演を行った「直人と倉持の会」のプロデュース公演第2 弾。コメディーの名手でもある倉持が“過剰な期待”が生み出す恐怖をテーマに描いた心理劇を、竹中、そして渡部豪太、長谷川朝晴、黒田大輔、玉置孝匡、菅原永二、田口トモロヲ、大空祐飛という豪華俳優陣が演じる。公開舞台稽古前の囲み取材で、竹中は「大好きな倉持裕さんと素敵な俳優さんたちが集まりました。複雑な人間模様が“6ペンス”…じゃないや“サスペンス”で盛り上がります。今回はかなり怖いですよ。追い詰められ方がどんどん重なっていって…という脚本になっています」と作品を紹介。大空は「素晴らしい皆さんとご一緒できて、稽古場が楽しい…だけじゃいけないんですけど、刺激的で、1秒たりとも無駄にしたくない幸せな日々です」と話した。物語の舞台は、ホテルの豪華なスイートルーム。若い脚本家(渡部)が、マコト・ヒライという芸術家を描いた映画の脚本執筆のために用意された部屋だ。プロデューサー(長谷川)と映画監督(田口)と打ち合わせをしていると、突然、出資者の男(竹中)が秘書(菅原)を引き連れてやって来る。「マコト・ヒライの大ファン」だという男は、あらゆる資料をホテルに運び込み、彼の生涯について熱く語りだし、さらには打ち合わせを見学したいと言い出す。「自分のことは無視してくれていい」と言う男だが、脚本家がアイデアを語り始めると「これはきっとすごい映画になりますよ!」と期待をかけはじめる――。不協和音が鳴り響く中で幕が開いた本作。スイートルームの空気を支配するのは、竹中演じる出資者の男だ。笑顔でゆっくりと近づいてきて、気付けば思考力まで奪うような恐ろしい存在を竹中が怪演。その支配はしんしんと積もっていき、いつしか登場人物たちは、彼の明らかに常軌を逸した行為すら受け入れるようになっていく。途中、追い詰められた脚本家のもとに劇団の友人(黒田)が訪れたとき、その温度差からハッと異常さに気付かされ、恐怖を感じた。客席までも支配する狂気の中、脚本家は過剰な期待に応えられるのか…。その結末はぜひ劇場で。公演は12月25日(日)まで、東京・本多劇場にて。その後、大阪、島根、愛知、神奈川を巡演。取材・文・撮影:中川實穗
2016年12月12日これまでさまざまな顔合わせで舞台にも積極的に取り組んできた竹中直人が、脚本家で演出家でもある倉持裕に惚れこみ、タッグを組んだのが“直人と倉持の会”だ。その第2弾である『磁場』は、竹中のほか渡部豪太、大空祐飛、長谷川朝晴、黒田大輔、玉置孝匡、菅原永二、田口トモロヲという、意外にも竹中と初共演だったり、倉持と初顔合わせだったりするメンバーが多数の新鮮味あるキャストが揃った。今回は映画や演劇の業界の裏側を描いたバックステージもので、登場人物たちのパワーバランス、ヒリヒリする感情の揺らぎを楽しめる心理サスペンス劇となる。その初日を約10日後に控え、着々と準備が進む稽古場を訪れてみた。直人と倉持の会 VOL.2『磁場』 チケット情報舞台となるのは都内にある高級ホテルの33階にあるスイートルームで、物語はこの部屋の中、ワンシチュエーションで進行していく。“マコト・ヒライ”という芸術家に関する映画のシナリオを執筆するためにここに“缶詰”になっている若手脚本家・柳井。彼が監督・黒須、プロデューサー・飯室と打ち合わせをしているところに、映画の出資者・加賀谷がやってくるところから物語は始まる。その芸術家に心酔しているためスポンサーになったという加賀谷を、竹中は高めのテンション、圧倒的な存在感で熱演、怪演。渡部はナイーブそうな青年・柳井を、長谷川は調子のいいプロデューサーを軽妙に、田口はこだわりが深そうなクセもの風の監督をそれぞれ演じ、そこに相手によって急に横柄な態度になる秘書・赤沢役の菅原、少々トボけた味のあるホテルの客室係・時田役の玉置も加わり、スリリングに変化していく人間関係の中にも笑いの要素がしっかりと足されていく。さらにクライマックスシーン直前の稽古では柳井と、彼のアシスタントとして呼ばれた劇団員・姫野、加賀谷が映画に出演させようと目論む女優・椿とのやりとりが印象的だった。今回、紅一点の大空が演じる椿は常にミステリアスな雰囲気が漂っているキャラクターで、女優が女優を演じるという妙もある。また、柳井と姫野との会話のニュアンスがこの時点ではまだ渡部と黒田も手探り中の様子で、2~3分のセリフの応酬が「もう一回」「はい、ではもう一回」という倉持の声に合わせて何度も繰り返されていた。この微妙な感情をどう表現するかについては、その場面には出ていない竹中が一緒になって柳井のセリフを発してみたりしながら熱心にアドバイスする姿も。淡々と静かに場面を重ねていきながら、笑い声も頻繁に巻き起こる活気ある稽古場だった。倉持ならではのイキイキとしたセリフが味わえる上質の会話劇でもあり、その物語の行方には観る側の心理がかなり揺さぶられそうだ。東京公演は下北沢・本多劇場にて2016年12月11日(日)から25日(日)まで。その後、大阪、島根、愛知、神奈川でも公演あり。取材・文/田中里津子
2016年12月07日俳優の竹中直人が、フジテレビ系月9ドラマ『カインとアベル』(毎週月曜21:00~21:54)に、7日放送の第4話からレギュラー出演することが5日、明らかになった。同作は、旧約聖書に登場する神話を現代の東京に置き換え、主演のHey! Say! JUMP・山田涼介演じる優と、桐谷健太演じる兄・隆一を中心に「兄弟の確執」「愛への渇望」「父に認められたい」というテーマで繰り広げられるストーリー。竹中は、優と隆一の叔母(南果歩)の婚約者・黒沢幸助役で登場。黒沢は、アジアを中心に活動する個人投資家で、見るからに詐欺師のような怪しい風貌のキャラクターだ。今作で、竹中は7作目の月9レギュラー出演。「こんなボクをそんなに呼んでくださってるなんて! 今後ともよろしく頼むぜ、月9! 愛してるぜ! 月9!」と喜びながら、初共演となる山田については「真面目で柔らかそうな好青年に見えるけど…、きっとこいつはアナーキーな精神を持ち合わせているに違いない!と思ったぜ」と印象を語る。その山田は、竹中について「テレビで見ていたイメージは、"明るくておちゃらけた人"という感じ」だったそうだが、「"カッコよくてどこかうさんくさい竹中さん"が見られる」と印象が変化。「第4話から竹中さんとタッグを組み、物語の大事なシーンを紡ぎ上げていきますので、僕と竹中さんのやり取りにも注目してもらえれば」と見どころを語っている。
2016年11月05日竹中直人と作・演出家の倉持裕による演劇ユニット「直人と倉持の会」が、3年ぶりに第2弾を上演する。第1弾では女優たちに囲まれて悩める男を演じた竹中だが、今回は、実力も個性も兼ね備えた男優たちと対峙。そこに紅一点で元宝塚トップスターの大空祐飛が登場する。タイトルは『磁場』。このユニークな顔合わせでふたりはどんな芝居を企むのか。【チケット情報はこちら】そもそもこのユニットは、竹中が倉持作品に惚れ込んだことから始まった。「倉持さんの作る世界には独特なムードがあって、観客としても演じる側としても、そのなかにいてとても興奮するんです」と竹中。竹中からアプローチを受けた倉持も、「竹中さん発信で始まったものなのでインディペンデントな感じがあって、ご一緒できるのは本当に楽しい」と率直に話す。普段から、一緒に映画を観に行ったり食事をしたりしながら、さまざまな話をしているそうだ。そして、そのなかからふたりでやりたいことを見つけていく。第2弾もそんなふうにスタートした。今回の発想の元となったのは、竹中が好きな映画『フォックスキャッチャー』。竹中に勧められて映画を観た倉持は、「そこに描かれている男の関係が面白くて、自分でも書いてみたいと思った」のだそうだ。そうして出来上がったのが、竹中演じる映画の出資者と若手脚本家を軸にした物語。過大な“期待”を寄せる男と、過剰な“期待”に押しつぶされそうになっていく男が、缶詰になっているホテルの一室で繰り広げる心理サスペンスである。「これまで竹中さんには書いたことのない、悪意を持った役を書きました。相手のために期待するのではなく、期待している自分が大事な男。片や作家も、作品ではなく相手を喜ばせることに夢中になっていく。そこには狂気が感じられると思うんですよね」と倉持。キャストは、若手脚本家に渡部豪太が扮するほか、映画関係者などに長谷川朝晴、菅原永二、田口トモロヲらが顔を揃え、女優役に大空祐飛が抜擢された。「これだけの個性的な人たちがどんなふうに稽古を重ね、変化していくのか。僕はそれがいちばん楽しみなんです」と竹中が言えば、倉持も、「なかなか珍しい組み合わせのキャスティングだと思うので、ほかでは観られない空気が出るんじゃないかと楽しみにしています」と期待する。「稽古を重ねていくなかで何かを感じていく。僕はそういう重なっていく時間が好きなんです」と竹中は言う。ましてや今回は緻密な心理劇である。まさしく重ねた時間だけ、それは面白くなっていくことだろう。公演は12月11日(日)から12月25日(日)まで本多劇場にて。その後大阪、島根、愛知、神奈川を巡演。なお、チケットぴあではインターネット抽選先行プレリザーブを東京公演は9月19日(月・祝)午後11時59分まで、愛知公演は9月28日(水)午前11時まで受付中。取材・文:大内弓子
2016年09月14日俳優の藤木直人が主演を務めるテレビ朝日系スペシャルドラマ『叡古(えいこ)教授の事件簿』が、きょう21日(21:00~23:06)に放送される。門井慶喜氏の原作『東京帝大叡古教授』の時代設定を新たにしてのドラマ化する今作は、藤木演じる"知の巨人"の異名を取る文系の天才で、スマートフォンやパソコンが一切使えないアナログな変人教授・宇野辺叡古(うのべ・えいこ)が主人公。ココリコ・田中直樹演じる警視庁捜査一課のダメ刑事・南波陽人とともに、連続殺人事件に挑んでいく。南波は、捜査一課長・五十嵐修(武田鉄矢)の指示で、母校の帝都大学法学部教授に監修を頼んでいた本が制作中止になったことについて謝罪へ。不本意ながらも大学へ向かった南波は、そこで医学部教授の遺体が発見される事件に遭遇する。不可解な痕跡を残す現場に、南波が会いたかった教授・叡古が「この事件には物語がありそうだ」との言葉とともに登場。その"物語"を読み解こうと立ち上がった叡古は、娘のさくら子(清水富美加)や、助手の阿蘇藤太(白洲迅)と暗号の解明に着手する。一方、南波ら捜査一課は、容疑者として副学長・戸村麻美(浅野ゆう子)ら、被害者と次期学長の座を争っていた大学関係者たちにも目を付けるが、捜査は難航していく。
2016年05月21日俳優の藤木直人が、18日(19:00~20:54)に放送されるテレビ朝日系バラエティ番組『あいつ今何してる?』(レギュラーは毎週水曜19:00~19:56)の2時間スペシャルに出演し、ファッション雑誌「メンズノンノ」のモデルに選ばれた同級生の存在を明かす。この番組は、ゲストの学生時代の同級生の"今"を調査していくもの。藤木は、高校生の時に「メンズノンノ」のモデルに応募しようとしたが、双子の兄に止められ、諦めた過去があるという。一方で同級生に、同誌のモデルに選ばれたイケメンがいたが、藤木は、文化祭の「ミスター佐倉高校コンテスト」で、その同級生に勝って1位となり、自信をつけてあらためて「メンズノンノ」に応募。最終選考で落ちたものの、これをきっかけに芸能界入りを果たすことになった。番組では、ある意味、藤木の芸能界入りのきっかけを作ったとも言える、この同級生の今を調査。さらに、同じ高校時代、藤木について「横顔はイケてるけど正面がね…」と言っていた、聖子ちゃんカットのかわいい女子同級生についても取材し、彼女が当時の藤木をどう思っていたのか、真相が明らかになる。収録を終えた藤木は「僕自身の高校時代の思い出は、当然僕の主観になっているわけです。ところが、今回は同級生から見た僕というものも知ることができて、僕自身がびっくりしました」と、VTRを見た感想を吐露。自身にとっての懐かしい人の近況が知れて、「すべてが解決しているので、皆さんには見てもらわなくてもいいです(笑)」と大いに満足したようだ。この日の放送では他にも、なぜか「デーモン」と呼ばれていた、俳優・千葉雄大の高校時代の同級生が登場。VTRを通しての再会に、千葉が涙を浮かべる。さらに、俳優・哀川翔の落第の危機を救ったクラスの副委員長、フリーアナウンサー・川田裕美の高校ミスコンでグランプリに選ばれた同級生、長野五輪銅メダリストの岡崎朋美よりもスケートが速かったという同級生も登場する。
2016年05月17日演出家・蜷川幸雄がシェイクスピア戯曲37作品の上演を目指す“彩の国シェイクスピア・シリーズ”。その第32弾『尺には尺を』で、藤木直人が初のシェイクスピア舞台に挑むこととなった。昨年、蜷川の演出舞台『海辺のカフカ』に出演し、ロンドンやニューヨークほかを巡るワールドツアーを経験。長いツアーが終わる直前に、本作への出演が決まったという。「尺には尺を」チケット情報「ようやく『海辺~』が終わる……と思っていた時だったので、ツアー最終のソウル公演の千秋楽は「でも、まだ終わらないんだな…。半年後にはもうシェイクスピアの舞台に立っているの!?」という気持ちでした(笑)。お客様の前で演じるのは当然エネルギーがいるし、緊張感もありますけど、何よりも蜷川さんの前で演じるほうが緊張するんですよ(笑)。だから、またあの稽古場の緊張感を味わうのか…って思いましたね」喜劇であると同時に、衝撃的な展開から問題劇とも呼ばれる本作。藤木が演じるのは、侯爵(辻萬長)の代理でウィーンの統治を任された青年アンジェロだ。とくに性道徳について厳しく市井を取り締まるなか、アンジェロは不貞の罪を犯した貴族クローディオに死刑を宣告する。しかしクローディオの妹イザベラ(多部未華子)に恋をしてしまい……。「内容が気になってしまって」という藤木は、上演台本を渡される前に、戯曲を購入して読んでみたそうだ。「400年前の本であって、文化も大きく違い、独特な言い回し…。やっぱり難解というイメージがありました。しかも、その後に上がってきた上演台本が、内容は同じでも表現がことごとく違っていたんですよ(笑)。そこが翻訳劇の難しいところだなと。英語の台詞という正解があるのに、異文化である日本語に置き換えて上演するということ。でも、その挑戦を蜷川さんはずっと続けてきて、いろんな意見を言われながら闘ってきて、世界に認められた。『海辺~』のワールドツアーでは行く先々で熱狂的に迎え入れてもらったんですが、それは蜷川さんのやってきたことの証なんだなと感じましたね」前作と違い、今回は主演として稽古場の中心に立ち、蜷川の指揮を真っ向から受けとめる。「蜷川さんがどのような切り口で演出されるのか、その楽しみはあります。まあ、自分が出ない立場だったらその楽しみだけで済んだんですが(笑)。打たれ弱いんですよね」と苦笑いしつつ、覚悟は決めている。「蜷川さんが『この役を藤木がやってもいい』と言ってくださったのだから、応えるしかない。ハードルは限りなく高いし、逃げ出したくなるようなことが待っているでしょうけど、通過すべき時間なのかなと思います。あまり台詞を“独特で難解”と意識し過ぎず、自分の言葉として発せられるように頑張っていきたいと思います」公演は、5月25日(水)から6月11日(土)埼玉・彩の国さいたま芸術劇場 大ホール、6月17日(金)から19日(日)まで福岡・北九州芸術劇場 大ホール、6月24日(金)から27日(月)大阪・梅田芸術劇場シアター・ドラマシティにて上演。チケットは発売中。取材・文:上野紀子
2016年04月11日女優の栗山千明、俳優の竹中直人、タレントの小堺一機がこのほど、都内で行われた、WOWOWの無料放送イベント「TOUCH!WOWOW2015」の特集「ジェームズ・ボンドに愛を込めて」の収録に参加した。「TOUCH!WOWOW2015」は、WOWOWが28日に開催する無料放送イベント。映画『007 スペクター』(12月4日公開)とコラボした同特集では、『007』シリーズ過去作品を放送するほか、キャスト&スタッフの独占インタビューなどを紹介する。番組MCを務める栗山は、ゲストで『007』シリーズファンの竹中、小堺、プロ野球・阪神の金本知憲監督との収録を終え、「緊張したけど、みなさんコアなファンなので色々教えて頂きました。車とか秘密兵器とかにも注目して見てみたい」とにっこり。ボンドの魅力については、「異性というよりも単純に格好良い。エレガントで大人の色気を感じる」と話し、「私みたいに『007』をよく知らない人でも分かりやすく楽しめる内容になりました」とアピールした。一方、初代ボンドのショーン・コネリー版からリアルタイムで見続けてきたという竹中は、「小学生の頃は、外国のスターといったらショーン・コネリー。エロいシーンは母親に目隠しされたりしてましたね」とエピソードを明かしつつ、「(現ボンドの)ダニエル・クレイグがアストン・マーティンの前に立つ姿は、本当に格好良い。『007』なりのボンドの立ち方があるんですよね。今は、ダニエル・クレイグが理想のボンドです」と熱弁。また、シリーズの魅力について、「『007』を知らない人はいない。20世紀のアクションの形を作った作品だと思う。他のアクションと違うのは、スーツで戦うところ。そこが格好良い」と語った小堺。「ボンドは、荒唐無稽な夢物語を見せてくれる憧れの存在」だと言い、「今は格好つけると格好悪いという時代だけど、ボンドは『格好良いだろ!』という仕草をやってくれる。似合わないから真似しないけど、真似したくなるくらい格好良い」と興奮気味に話していた。
2015年11月13日「竹中直人さんと芝居がしたい!」という生瀬勝久さんの熱意でスタートした竹生企画。旗揚げ公演となった、マンションに集う人々を描いた群像劇『ヴィラ・グランデ 青山』から4年。久々の第2弾『ブロッケンの妖怪』は、絵本作家と編集者がアイデアを得るために訪れた島が舞台のホラーコメディ。お二人にお話をうかがいました。* **生瀬:正直、この企画は1回だけで終わっちゃうんだと思っていたんです。そしたら今回、竹中さんのほうから、そろそろやりますかって声をかけていただいたんですよね。僕は、それがうれしくって。竹中:本当はもっと早くできたらと思っていましたが、なんだかんだで4年経ってしまって、ここでやらないと次がないだろうと思って。生瀬:4年って、何かあるのかもしれませんね。オリンピックも4年周期だし。前回のことを忘れるのと、新しいことを始める気持ちになるのと、ちょうどいいサイクルなのかも。竹中:そこはやっぱり、前回が楽しかったからだよね。芝居をしていた時間とか、その時に感じていた風とか、なんだかすごく心地よくて。生瀬:それはうれし~なぁ。竹中:その生瀬さんが、どんな芝居にするかは任せますって言うから、前回同様、脚本・演出を倉持裕さんにお願いしたんです。前回の山田優ちゃん、今回の佐々木希ちゃんと、初舞台の女優さんたちを引っ張り込んでいるのも僕だし。生瀬:僕は、竹中さんと芝居がしたいだけなんで、他のことはお任せしています。竹中:あの、倉持君が描く、世界観が好きでね。生瀬:倉持君の作品って、覗き見のような面白さがあるんですよね。例えば、喫茶店で隣のカップルが喧嘩しだした時の、彼らの素性を知らないからこそ面白がれる、あの感じ。ただ、舞台ではいきなりそれが始まるから、観てる人は、会話を通して得られる情報から必死に状況を理解しようとする。その時点で倉持君の罠に引きずり込まれているんだけど。竹中:演じてる僕自身も、分からないまま演じています(笑)。生瀬:僕もそう(笑)。意味を考えてバランスをとっていくのは、作家であり演出家や監督の仕事であって、俳優は、台本どおりにセリフを言えばいいんですよ。そのほうが現場も波風が立たずに進んでいくし。竹中:僕も、言われるがまま。何も考えずやっています。生瀬:僕、竹中さんの、周りに合わそうとしない芝居が好きなんですよ。時々、本当にすっとぼけた顔をする時があって、それが面白くって。竹中:照れるな(笑)。生瀬君とやってると、想像もできない何かが生まれるような気がします。大体、生瀬君って独特の顔してるでしょ。それが本当に凄くて。しかも今回、そこに希ちゃんが参加するのも面白いし。お人形のような美しさがあるんだ。生瀬:生なのにお人形さんみたいって、それだけで凄いですからね。竹中:希ちゃんってすごい独特で、今回声をかけさせていただきました。前回の山田優ちゃんもそうだけど、舞台馴れしてない女優さんを誘うのって、やっぱり覚悟がいるし、責任も感じるからね。でも、その緊張感っていうのもいいんだよね。生瀬:ぶっちゃけて言うと、竹中さんも僕も、この舞台をやらなくったって、生活はしていける。でも、だからこそ純粋に芝居がやりたくてやってるとも言える。大人の俳優さんがやるいい芝居を、多くの人に観ていただきたいんですよ。竹中:今回はホラーコメディなんで、きっと怖くて笑える舞台になっていると思いますよ(笑)。◇なませ・かつひさ’60年、兵庫県生まれ。11月よりスタートする関東ローカルの深夜ドラマ『危篤スルー』(NTV)に主演。スペシャルドラマ『必殺仕事人2015』の放送も控える。たけなか・なおと’56年、神奈川県生まれ。出演ドラマ『海に降る』(WOWOW)が現在放送中。11月には『びったれ!!!』、12月には『海難1890』と出演映画の公開も相次ぐ。◇とある孤島の洋館を訪れた絵本作家と編集者。彼らの目的は、霧の濃い日にだけ海の上に洋館の影が現れるブロッケン現象の取材。そこに島の住人たちの思惑が絡み合っていく。10月30日(金)~11月1日(日)/北千住・シアター101011月12日(木)~29日(日)/日比谷・シアタークリエ作・演出/倉持裕出演/竹中直人、生瀬勝久、佐々木希、大貫勇輔、安藤聖、田口浩正、高橋惠子全席指定9000円(税込み)東宝テレザーブTEL:03・3201・7777(9:30~17:30)広島、大阪、静岡、名古屋、福岡、鹿児島、鳥取、新潟、岩手、栃木公演あり。※『anan』2015年11月4日号より。写真・中島慶子インタビュー、文・望月リサ
2015年10月28日個性派俳優、竹中直人と生瀬勝久のふたりによる“竹生企画”第二弾の舞台『ブロッケンの妖怪』の稽古が進行中。開幕まで3週間あまりとなった10月上旬、その稽古場が公開された。【チケット詳細はこちら】4年前の竹生企画第一弾と同じく、人気劇作家の倉持裕が作・演出を手がけるこの舞台。“ホラーコメディ”と銘打たれるだけに、笑いと怪奇が交錯する倉持ワールドと、竹中、生瀬らの無類の個性がいかに絡み合うのか、期待は自ずと高まっていく。静やかな緊張感が漂う稽古場。竹中、生瀬両氏がその通る声で場の空気を牽引しながら、同作が初舞台となる佐々木希を気遣い、さりげなく手引きする場面も見受けられた。舞台は孤島にぽつんと一軒建つ、大きな洋館。竹中演じる絵本作家の打越と、生瀬演じる編集者の黒柳、打越の恋人の桃(安藤聖)は、この島の“ブロッケン現象”──霧の濃い日に洋館の影が霧に映り、海の上にもうひとつの洋館が現れる現象を取材に来た。ここに暮らすのは、高橋惠子、佐々木希が演じる虹子と小真代という母娘。そこに使用人の稲井(大貫勇輔)と生活必需品を運ぶ船乗りの泊(田口浩正)が加わり、役者が揃う。洋館の一室にまず現れたのは竹中と佐々木。見慣れぬ光景に好奇心いっぱいの竹中と、何か秘密がありそうな佐々木。お互いの正体を探りながらの、可笑しなやりとりがひとしきり続く。「会話をするなかで、だんだんに」と、ふたりの接近を促したり、きっかけを定めたりと、倉持の緻密な指示で徐々に物語の焦点が明白に。いっぽうで、互いに一歩もひかない生瀬と安藤の激しい台詞の応酬に、ぐいぐいと引き込まれる。そして高橋が登場、ドラマは一気に動き出す。美しく上品ながら、何か隠しごとがありそうな彼女、良好とは言えない母娘関係、亡き夫のこと、小真代に対する稲井の使用人らしからぬ強気な態度、そして、霧の中に現れたもうひとつの洋館──と、ホラーへと突き進む要素が次々と示される。場面変わって外は嵐に。暴風雨の中、必死に進もうとする大貫の体当たりのダンスでコメディ感は高まるも、打越の行方不明が発覚。虹子は彼らの滞在が約束の期限を過ぎていると苛立ちを見せ、緊迫感は徐々に増していく。黒柳が彼女を問い詰めるも、謎は深まるばかり。打越はどこへ?霧の中に現れるもう一軒の洋館の秘密とは──。実力派強力タッグが紡ぎ出す、手に汗握る展開が期待される。10月30日(金)より11月1日(日)まで東京・シアター1010にて。その後全国各都市で上演予定。チケットは発売中。取材・文:加藤智子
2015年10月21日約2年9カ月のブランクを経て、4部リーグに当たるJFLのアスルクラロ沼津で現役復帰を果たした「ゴン」ことFW中山雅史。再び魅せてくれる魂のプレーと自ら選んだ背番号「39」を通じて、まもなく48歳になる伝説のストライカーはどんな想いを伝えたいのか。○早朝のテレビ生出演中に届けた第一声48歳の誕生日を9日後に控えた9月14日の午後に、中山の現役復帰が新天地アスルクラロの公式ホームページ上で発表された。もっとも、華やかなスポットライトを浴びながらの記者会見が設けられる予定もなければ、沼津市内で行われているアスルクラロの練習にも18日の時点で中山はまだ参加していない。不思議な沈黙が保たれること3日。中山が第一声をファンに届けた舞台はテレビだった。木曜日のコメンテーターを務めているテレビ朝日系の情報番組『グッド! モーニング』が、午前4時55分にオンエアされてから1時間あまりが経過したころだった。「ゴンさんと言えば、先日、アスルクラロ沼津で選手登録をされましたね」。スポーツコーナーの途中でいきなり話を向けたのは、コンビを組む角澤照治アナウンサー。中山は表情を引き締めながら「そうなんですよね。仕事をしながらですし、毎日は(練習に)行けないんですけど」と断りを入れた上で、約2年9カ月間ものブランクを経て現役復帰を決めるまでの経緯を説明した。「練習する上で『(選手)登録したらどうだ』という誘いもあったので、『じゃあ登録させていただきます』という形で登録させてもらったんですけどね」。○最も大きな背番号「39」に込められた思い角澤アナウンサーが、さらに質問をぶつける。「背番号がちょっと気になったんですよ」。中山が選んだのは「39」番だった。前身のヤマハ発動機時代を含めて20年間プレーしたジュビロ磐田、その後に3年間在籍したコンサドーレ札幌、そして歴代11位となる通算21ゴールをあげている日本代表でも、中山は「9」番を背負ってきた。象徴的な番号と言ってもいい。「そこは埋まっていますしね」。アスルクラロの「9」番は、J3の町田ゼルビアから期限付き移籍で加入している21歳のFW齋藤翔太が背負っている。当然ながら、シーズン中の背番号変更は認められない。一の位と十の位の数字を足して「9」になる二桁番号、というアイデアもある。もっとも、「18」は中山を除くとチームで最年長になる30歳のキャプテン、DF尾崎瑛一郎が今シーズンから背負っている。その他の「27」と「36」は空き番となっていたが、あえて現時点で最も大きな番号を選んだ理由をこう説明している。「感謝の気持ちを込めて『39』で『サンキュー』という思いもありますしね」。新しい背番号をもじって読んだ先に、熱い思いを伝えたい人たちの顔を思い浮かべていたのか。中山は少しはにかんだ表情を浮かべた。○かたくなに「引退」の二文字を封印してきた理由コンサドーレからの退団を表明した2012年のオフ。中山は記者会見の席で「第一線から退くことを決めました」とは言ったものの、かたくなに「引退」の二文字は口にしていない。功労者にとって最後の晴れ舞台となる引退試合も、他の選手たちのそれにはすすんで出場してハッスルプレーを見せてきた一方で、自らのものはいまも開催していない。「まだ未練タラタラです」。退団会見の最後に漏らした言葉が物語るように、解説者やタレント業を務めながら、合間を縫っては一時的にプレーをあきらめる原因となった両ひざの激痛のリハビリを自らに課してきた。専属トレーナーをつけてまで、再びピッチに立つ可能性を追い求めてきた日々。執念すら感じさせる真摯(しんし)な姿に胸を打たれたのが、アスルクラロの役員を務める山本昌邦氏だった。ジュビロのヘッドコーチおよび監督として中山を指導し、日本代表のコーチも務めたことのある山本氏の呼びかけで、アスルクラロの練習に初めて参加したのが9月5日。そのときから、山本氏はこう語っていた。「選手登録までたどり着ければと思う」。現役復帰への道筋を示してくれた、山本氏をはじめとするアスルクラロ関係者へ、まずは感謝の思いを伝えたいはずだ。○パワーと勇気を与えてくれたチャント日本サッカー界において初めて誕生した、特定選手へのチャントの対象となった選手が実は中山だった。「オ~ナカヤマ、オッ! オッ! ナカヤマ、ナカヤマ、ゴン、ゴン、ゴール」。叫びながら思わずジャンプしてしまう歌声が初めて登場したのは、日本代表が初優勝した1992年秋のアジアカップ広島大会だった。当時25歳の中山は、スーパーサブとして劇的なゴールを連発して日本の窮地を救った。その勇姿に魅せられたサポーターが自然と口ずさみ、いつしか定番となったチャントは、現役復帰の舞台となるJFLのスタジアムでも必ず奏でられるだろう。中山の自己評価は、常に「下手くそ」だった。それでも泥臭いプレーを磨き、記録と記憶の両方に残る選手に登り詰めた背景は、チャントを含めたサポーターの大声援を抜きには語れない。「あの大声援は本当に嬉(うれ)しいですよ。あの歌を聞くとフツフツとわいてくるものがあるし、僕が若さを保(たも)てる秘訣(ひけつ)でもあるんですよ」。笑顔とともにこんな言葉を残したのは、2大会連続でワールドカップ日本代表に選出された2002年シーズンのこと。パワーと勇気をもらってきたお礼として。背番号と魂のプレーを見せたい最大の対象は、言うまでもなくファンやサポーターとなるだろう。○最年長出場記録から幕を開ける新伝説頭の回転が素早いからか。中山は当意即妙のコメントを発してはファンを笑わせてきた。例えば、女性の胸の大きさを引き合いに出したこんなものがある。「僕にとってワールドカップは、もうDカップやEカップなんて問題じゃない大きさです。何といってもWカップですからね」。ユーモラスなゴン語録を挙げれば、それこそ枚挙にいとまがない。そして、ファンへの第一声を届けた前出の『グッド! モーニング』でも、センスがまったくさびついていないことを証明している。「そこからサクラサクという形になれば綺麗かなと」。背番号に込めた『サンキュー』の思いを発展させる形で、『39』を「サク」ともじって出演者をうなずかせた。もっとも、最後にこう付け加えて爆笑を誘うオチも忘れない。「散る場合もありますよ」。今シーズンのJFLは残り7試合。仕事とひざのリハビリ、コンディショニング調整を並行させていく中山の復帰戦は、10月3日にホームの愛鷹広域公園多目的競技場で行われるソニー仙台戦となる方向だ。ピッチに立った時点で、FC刈谷のFWアマラオがもつJFLの最年長出場記録(43歳9日)を約6年ぶりに、かつ大幅に更新する。もちろん、それは新たなるゴン伝説の序章にすぎない。※写真と本文は関係ありません○筆者プロフィール: 藤江直人(ふじえ なおと)日本代表やJリーグなどのサッカーをメインとして、各種スポーツを鋭意取材中のフリーランスのノンフィクションライター。1964年、東京都生まれ。早稲田大学第一文学部卒。スポーツ新聞記者時代は日本リーグ時代からカバーしたサッカーをはじめ、バルセロナ、アトランタの両夏季五輪、米ニューヨーク駐在員としてMLBを中心とするアメリカスポーツを幅広く取材。スポーツ雑誌編集などを経て2007年に独立し、現在に至る。Twitterのアカウントは「@GammoGooGoo」。
2015年09月19日竹中直人と生瀬勝久がタッグを組む「竹生企画」が4年ぶりに第二弾を放つ。前回に続き倉持裕を作・演出に迎えて挑戦するのは、『ブロッケンの妖怪』なるホラーコメディ。これが初舞台の佐々木希をはじめ、大貫勇輔、安藤聖、田口浩正、高橋惠子らとともに、笑いと怪奇の不思議な世界を作り上げる。超個性派のふたり、今度はどんな激突を見せるのか。舞台『ブロッケンの妖怪』チケット情報そもそもは、「竹中さんの芝居が好きで、憧れの人とぶつかりたかった」という生瀬のラブコールから始まった「竹生企画」。受けて立った竹中にとっても、「お互いに馴れ合いにならず、心地いい緊張感を持って静かに戦えた」場となったそうだ。実際、「もう1回、もう1回と繰り返していくうちに感情が動く瞬間がある稽古が好き」という竹中に対し、生瀬は「繰り返すよりも早く舞台に上げる形を見つけたい」と、ふたりは考え方も異なる。しかし、「違うから良かった」と竹中が言えば、生瀬も「すごく仲良くなったわけでもないんですけど(笑)、竹中さんという存在は唯一無二。絶対またやりたかった」と、さらなるタッグを望むようになったと話す。そうして立ち上がった第二弾は、洋館が1軒だけ建つ孤島が舞台。そこで、ブロッケン現象で霧に映ったもうひとつの洋館が日に日に近づいてくるという物語が展開していく。第一弾に続いて作・演出を担うのは、「あの何とも言えない不思議な世界がたまらなく好き」と竹中が依頼した倉持裕。「今回も演劇でしか表現できない不思議なエンターテインメントになると思う」と生瀬も期待を膨らませる。さらに、「生瀬くんと僕でホラーコメディをやるなんて、『ヴあああ~!』っていう恐怖の顔合戦がすごいことになるんじゃないかと思う(笑)」と竹中が楽しそうに言うと、「僕、そういうテンションを上げることを良しとする先輩たちの考え方が、今すごく大事だと思うんです。ギリギリでやるっていうことがやっぱり美しいと思う」と生瀬が力強く応えた。今回の物語がホラーコメディになったのは、実は、ホラー映画マニアの竹中の声が発端。自分たちで立ち上げた企画だからこそ、何ものにもとらわれず、やってみたいことに、やってみたい人を呼んでトライできる。「とにかくすごい芝居になる予感がする」と竹中。そして、「2回目が勝負。面白いことやってるらしいよと噂になって、3回目を期待してくれる人が増えたら」と生瀬。純粋に、自由に、ふたりの俳優が舞台に取り組む。10月30日(金)より東京・THEATRE1010を皮切りに、全国で公演。取材・文:大内弓子
2015年09月09日指揮官として臨んだ4度目の浦和レッズ戦。攻守両面で粘り強さを見せながら、湘南ベルマーレは0対1で惜敗を喫した。畏敬の念を抱いてレッズに臨んできたチョウ・キジェ監督は、名門軍団との差を認めながらも「これまでの3戦とは違う」と前を向いた。○時間を空けずに記者会見に臨んだ理由生中継していた「スカパー! 」のフラッシュインタビューを終えてすぐに、ベルマーレのチョウ監督は埼玉スタジアム内の記者会見室に入ってきた。アウェーチームから先に行われる試合後の監督会見。時間を空けずに姿を現すときは、指揮官のなかで終わったばかりの90分間に対する整理がついているときだ。後半13分に奪われた1点を取り返せないまま、ファーストステージの開幕戦に続いて8月16日のセカンドステージ第7節でもレッズに苦杯をなめた。連勝が2で止まっても、しかし、チョウ監督は努めて前を向いた。「浦和さんの技術の高さや戦術眼の熟練度にはまだまだ及ばないと思う一方で、我々が積み重ねてきたことが、彼らを少し慌てさせるところまで出せたという実感もあります」。もちろん満足はしていない。監督に就任して迎えた4度目のレッズ戦。無敗でファーストステージを制し、敬意を込めて「日本で一番力のあるチーム」と呼ぶ赤い悪魔との戦いで、それでも初めて納得できる部分があったことが表情を精悍(せいかん)にさせる。「戦略的にも選手たちの自信という意味でも、一番整理されたなかで戦えた。その結果としての負けは、つまり浦和さんとの差になりますけど、手応えをつかみながら臨んでいる点で、これまでの3試合とは違うのかなと」。○2年前のロッカールームで訴えられた涙の決意振り返ってみれば、ターニングポイントとなる試合の相手はすべてレッズだった。2013年4月14日。場所も同じ埼玉スタジアムで初めて対峙(たいじ)し、0対2で屈した一戦をチョウ監督はいまも忘れていない。「1点を取られたときに、選手が『ダメだな』という表情になってしまった。『やはり差があるんだ』と彼らが感じながら戦ってしまった。内容的には5、6点取られてもおかしくなかったので」。FW興梠慎三に先制点を奪われた前半30分を境に、キャプテンのMF永木亮太の言葉を借りれば「臆(おく)してしまった」となる。試合後のロッカールーム。指揮官は目を真っ赤に腫らしながら訴えた。「オレは絶対に引かない! 」。自分たちのゴール前をガチガチに固めれば、スコアレスドローで勝ち点1を手にできるかもしれない。しかし、必要以上にレッズを畏怖(いふ)して戦うことが、若いチームの成長につながるのか。答えはもちろん「ノー」となる。チョウ監督が発した「引かない! 」には、「就任1年目の2012年シーズンから育んできた『湘南スタイル』は捨てない」という不退転の決意が込められていた。ロッカールームでの光景を見た眞壁潔社長(現会長)が、たとえJ2に降格しても、チョウ監督に引き続き指導を託そうと心に決めた瞬間でもあった。○今シーズンの開幕戦でレッズを望んだ理由5カ月半後の9月28日。ホームにレッズを迎えた再戦で、ベルマーレは見違えるような戦いを演じる。前半18分に先制されながら、前へ、前へと怒涛(どとう)のプレッシャーをかけ続ける。後半30分、36分の連続ゴールで逆転。しかし、直後に退場者を出したことが響き、アディショナルタイムに突入する直前に同点とされた。そのまま試合を終えた直後のロッカールーム。号泣しながら選手たちに頭を下げた理由を、チョウ監督は後にこう明かしている。「選手たちの成長に僕が追いついていない。もっと自分の采配で助けることができたと思うと…」。以来、この一戦の映像を何度も見直してきた。再びJ2での戦いとなった2014年シーズン。発揮された異次元の強さの源には、常に2度目のレッズ戦で味わわされた悔しさがあった。1点を守り切れなかったことに対する「それ」ではない。最後まで攻めの姿勢を貫けなかった悔恨の念が、形を成してきた「湘南スタイル」に新たな1ページを加えた。「90分間を通してリスクを冒す勇気を持ち続けられれば、相手はダメージを受ける」。J1での再挑戦へ。レッズへ畏敬の念を抱いてきたからこそ、チョウ監督は今シーズンの開幕戦で対峙(たいじ)することを望んだ。歩んできた道が正しいか否かが証明されるからだ。○これまでの3度の対戦で学んできたこと果たして、運命に導かれた3月7日の一戦でベルマーレは1対3と苦杯をなめる。DF遠藤航のPKで先制した5分後に同点とされると、後半に入って運動量が激減。立て続けに2ゴールを奪われた。1月のチーム始動時から開幕戦を強く意識してきた軌跡を、チョウ監督は「悪い意味で気持ちが高ぶりすぎてしまった」と自戒の念を込めて振り返っている。入れ込みすぎた分だけ、ミスや思い通りに事が運ばない状況が増えるたびに徒労感が募る悪循環。ともに成長していくと誓う指揮官は、チームマネジメントに非があったと再び頭を下げた。ベルマーレは何度も、何度も荒波に直面してきた。それらを一丸になって乗り越え、時には涙しながら一歩ずつ、愚直に前進してきた。レッズからは「ひるまない闘志」と「リスクを冒し続ける勇気」、そして「平常心」を過去3度の対戦で学んできた。4度目の対戦でそれらをすべてピッチの上で実践できたことが、冒頭の会見での言葉につながっている。ポストを直撃したFW菊地俊介のヘディング弾。日本代表GK西川周作に防がれたFW高山薫の一撃。主導権を握る可能性があったからこそ、試合後に永木は胸を張った。「悔しいけど下を向く必要はない。いままで一番手応えがあった」。○真っ向勝負の末に突きつけられた2つの課題ならば、今回の黒星はベルマーレに何を残したのか。「考え方次第で学ぶことはあるし、負けたら何もないという考え方もできる」。チョウ監督はふた通りの考え方から、迷うことなく前者を選んでいる。「相手のストロングポイントを抑えるよりは、自分たちのよさをどれだけ出せるか、という試合にしたかった。プレーに対する選手の自信、相手を怖がらずに懐へ入ってボールを奪う、懐に入ってボールをもらう回数は、間違いなく2年前より増えた」。プレスをかけてもパス回しでいなされ、すかさず縦パスを入れられる。特にレッズの右MF関根貴大には何度もサイドを突破された。それでも真っ向勝負を挑んだからこそ、現時点でのレッズとの差を肌で感じ、黒星を前向きにとらえられる。「いろいろな経験を積んで、右肩上がりに大きくなっているという思いはある。もちろん、まだまだだし、その意味では監督をやっている限りは、忘れずに僕の頭のなかに残していく試合になる」。負けたとはいえ、セカンドステージで6位タイ、年間総合では10位につけている。「チャンスでゴールをねじ込む力」と「ピンチをはね返す力」。レッズに突きつけられた2つの課題を新たな力に変えながら、ベルマーレは走り続けていく。写真と本文は関係ありません○筆者プロフィール: 藤江直人(ふじえ なおと)日本代表やJリーグなどのサッカーをメインとして、各種スポーツを鋭意取材中のフリーランスのノンフィクションライター。1964年、東京都生まれ。早稲田大学第一文学部卒。スポーツ新聞記者時代は日本リーグ時代からカバーしたサッカーをはじめ、バルセロナ、アトランタの両夏季五輪、米ニューヨーク駐在員としてMLBを中心とするアメリカスポーツを幅広く取材。スポーツ雑誌編集などを経て2007年に独立し、現在に至る。Twitterのアカウントは「@GammoGooGoo」。
2015年08月18日開催中の東アジアカップで右サイドバックとして躍動している遠藤航。初招集された日本代表で、初体験となるポジションで居場所を築きつつある背景には、選手の成長を第一に考える湘南ベルマーレのチョウ・キジェ監督の熱い思いと将来を見すえた慧眼(けいがん)があった。○ほとんど経験がなかった右サイドバック異次元の強さでベルマーレがJ2の首位を独走していた昨シーズンの終盤。3バックの右で1対1において無類の強さを発揮し、7得点3アシストと攻撃面でもまばゆい輝きを放っていた遠藤に、A代表への思いを聞いたことがある。「僕のプレースタイル的には3バックの右や真ん中、4バックのセンターバックやボランチ、あるいはアンカーでもすべて同じクオリティーでできるようにしたいし、そういう準備はしているつもりです」。リオデジャネイロ・オリンピック出場を目指すU‐21日本代表ではボランチを務め、必要なときにはアンカーも任されるなど、マルチな才能を秘めている「湘南の若大将」にこんな質問もぶつけてみた。「右サイドバックはどうなのでしょうか」。遠藤からは極めてポジティブな言葉が返ってきた。「4バックの右はほとんど経験がないですけど、そこもやってみたいという思いはありますね」。守備のオールラウンダーになることを理想像として掲げていた遠藤は、おそらく「チャンスがあれば」と挑戦者のような感覚で右サイドバックをとらえていたのだろう。昨年の時点では、まさか未知のポジションでA代表デビューを果たすとは夢にも思わなかったはずだ。○ハリルホジッチ監督から勝ち取った信頼2015年8月2日。中国・武漢で開催されている東アジアカップの北朝鮮代表戦で、右サイドバックの遠藤はいきなり存在感を見せつける。開始わずか3分。右サイドを攻め上がり、相手のゴールキーパーと最終ラインの間へ低く、速い弾道のアーリークロスを一閃(いっせん)。MF武藤雄樹(浦和レッズ)の代表デビュー戦での初ゴールをアシストした。「顔を上げたら武藤君が見えた。イメージ通りでした」。ディフェンダーとしてもっとも大事にしている、1対1の守備やカバーリングでも奮闘。拙(つたな)いゲーム運びから体力を失い、後半に2ゴールを奪われて無残な逆転負けを喫したなかで、選手個人にスポットをあてれば遠藤のパフォーマンスは数少ない収穫のひとつとなる。ハリルホジッチ監督からは、試合後に「40歳のようなプレーだったな」と声をかけられた。指揮官がこのような言葉を使うときは、期待感が込められていると見ていい。果たして、中2日で迎えた韓国代表戦でも遠藤は右サイドバックとして先発し、北朝鮮戦に続いてフル出場する。右ひざを痛めた内田篤人(シャルケ)が長期離脱を強いられている状況で、ハリルホジッチ監督をして「問題を抱えている」と言わしめてきた右サイドバックへの懸念は解消したといっていい。○ターニングポイントとなった2年前の仙台戦50人が予備登録された段階で、遠藤はMF登録だった。7月23日の代表メンバー発表では一転してDF登録になったことと、招集されたメンバーを見れば、右サイドバックで起用される可能性は高かった。遠藤自身も、ハリルジャパンに合流する前にこう語っている。「湘南でプレーしているときのよさを出すという面では変わらない。1対1の守備やビルドアップの起点になることは、どこでもできると思っています」。もっとも、ポジティブなイメージを抱いていたとはいえ、わずかな準備時間でここまで右サイドバックに順応できるものなのか。その答えは、遠藤の将来を見すえたチョウ監督の指導に求められる。2013年8月31日。ホームにベガルタ仙台を迎えたJ1第24節で、チョウ監督はそれまで3バックの中央で起用していた遠藤を右にシフト。いま現在に至らせた理由を、こう明かす。「(遠藤)航には3バックの真ん中でゲームや最終ラインのコントロール、カバーリングといった仕事を求めてきたんですけど、あるときに『20歳の選手にそういうことばかりをやらせるのは、いくらチーム事情とはいえよくない』と思ったんですね。航がさらに成長するためには、1対1の場面を増やして、もっと攻撃能力をつけていく必要があるんじゃないかと」。○選手の成長を第一に考えたチョウ監督の慧眼チョウ監督のもとで育まれてきた「湘南スタイル」の特徴のひとつに、3バックの左右が積極果敢に攻撃に関わっていくプレーがある。いまでは左から三竿雄斗、右からは遠藤が攻め上がることでチームに前への推進力が生まれている。遠藤を中学3年生のときから見てきたチョウ監督は、その体に搭載されたサッカーセンスをこう振り返る。「当時からボールと相手、そして味方を同時に見ながらパスを出せる選手だった。航を右に回したときのフィーリングが僕のなかですごくよかったし、航自身も相手選手の間をドリブルしてボールを運んでいくプレーなどを覚えていまに至っている。ボランチやあるいはサイドバックでも、同じようなプレーを求められていくと思う」。形のうえでは3バックだが、ボールを奪った後はサイドバックと同じ仕事を求められる。だからこそ、ハリルジャパンでいきなり右サイドバックに配置されても順応できたわけだ。選手の成長を最優先で考える指揮官の慧眼に、遠藤自身も感謝の思いを忘れていない。「自分にとってはいろいろなポジションで使ってくれることは本当にありがたいことですし、プレーの幅を広げるチャンスだと思って取り組んできました」。○ハリルジャパンで戦う遠藤への熱いエールチョウ監督は今年2月に発表した初めての著書『指揮官の流儀 直球リーダー論』(角川学芸出版刊)でも、熱い思いをつづっている。「選手たちが『成長した』という実感をもって、そのシーズンを終えてほしい」。日本代表としてプレーしたベルマーレ所属の日本人選手は、1998年のワールドカップ・フランス大会を戦った中田英寿と呂比須ワグナー以来となる。実に17年ぶりとなる朗報は、2年前に指揮官が下した決断に導かれていたことになる。「当時は航自身の成長とチームの成長が正比例するようにと考えたけど、いまでは航がやれることは明らかに増えているよね。試合の流れを読む、あるいは危険を察知する能力は昔から抜群だし、そういう点がいまのポジションでも活かされていると思う」。韓国戦では攻め上がる回数の少なさで物足りなさが残った。それでも、ベルマーレでの猛練習で培われたタフネスさで宿敵と対峙(たいじ)した。何よりもA代表戦を経験することで、新たな課題や刺激も見つかる。「先頭を切ってA代表にいった僕が結果を残すことが、湘南の成長にもつながる」。キャプテンを務めるU-21日本代表に続いて、ハリルジャパンでも居場所を築きつつあるまな弟子へ。チョウ監督は「自信をもって帰ってきてほしい」と目を細めながらエールを送っている。写真と本文は関係ありません○筆者プロフィール: 藤江直人(ふじえ なおと)日本代表やJリーグなどのサッカーをメインとして、各種スポーツを鋭意取材中のフリーランスのノンフィクションライター。1964年、東京都生まれ。早稲田大学第一文学部卒。スポーツ新聞記者時代は日本リーグ時代からカバーしたサッカーをはじめ、バルセロナ、アトランタの両夏季五輪、米ニューヨーク駐在員としてMLBを中心とするアメリカスポーツを幅広く取材。スポーツ雑誌編集などを経て2007年に独立し、現在に至る。Twitterのアカウントは「@GammoGooGoo」。
2015年08月08日映画『アベンジャーズ エイジ・オブ・ウルトロン』のヒットを記念して7月29日(水)、日本語吹替の声優を務めた竹中直人と、日本でもにわかに増殖中という“マーベル女子”を代表して南海キャンディーズのしずちゃん(山崎静代)が舞台挨拶に登壇した。アイアンマンが人類の平和のために開発した人工知能ウルトロンが暴走し人類を排除しようと動き出したのに対し、アベンジャーズが地球を守るべく、戦いに身を投じる。「こんなに大きいけど心は乙女です(笑)!」というしずちゃんは「アイアンマン」のTシャツにスカート、手にはアメコミ版のブラック・ウィドウの描かれたクラッチバッグを抱え、すっかり“マーベル女子”のいでたちで登場!女子の視点での本作の魅力について「いきなりのすごいアクションの惹きつけられるし、男同士の友情は女には入れない世界で憧れを感じます。それから肉体美のサービスショットも忘れてないので釘付けです」と熱く語る。「腕の筋肉と血管が特に好き」というしずちゃんだが、特にアベンジャーズのメンバーの中で魅力を感じているのは誰かというと「自分と重ね合わせて、なぜか親近感を感じる」というハルク!「優しい怪物という感じがします」と語る。竹中さんは大ヒットの感想を聞かれ「僕は声だけなので…(笑)」と恐縮しきりだったが、そのヒットの理由や女性からも支持を受けるわけについて「いままでのヒーロー像と違い、陰を背負ってるんですよね。抱えているものが重く、屈折してる。それがエネルギーとなって敵と戦うのが魅力」と分析する。ちなみに2人はこの舞台挨拶が初対面。互いの印象を尋ねると、竹中さんは「声がカワイイ!この低音が…。次回の吹き替えを一緒にやりたいし、芝居もやってみたい。小さな芝居小屋で2人で舞台とかやりたい」とその声に魅了されたよう。しずちゃんは「声を褒められるのは初めてです!いつもは洞窟の奥から聞こえてくるような声と言われるので(苦笑)」と喜び、共演にも乗り気だった。『アベンジャーズ エイジ・オブ・ウルトロン』は公開中。(text:cinemacafe.net)■関連作品:アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン 2015年7月4日より全国にて公開(C) Marvel 2015
2015年07月29日県内有数の進学校ながら、強豪私立が集う高校野球の激戦区・神奈川県予選へ第1シードとして臨んだ県立相模原。名門横浜の前に0対3で涙を飲み甲子園への夢は断たれたが、東京大学志望のイケメンエース・宮崎晃亮を中心とする文武両道への挑戦は、ファンの脳裏にさわやかな記憶を残した。○二飛とともに幕を閉じた最後の夏野球の神様は、時に残酷なシナリオを用意する。簡単にツーアウトとなった相模原の9回表の攻撃。打席には横浜打線に10安打を浴びながら3失点に抑える、103球の粘投で希望をつないだ宮崎が入る。初球を豪快に空振りして迎えた2球目。最速146キロの横浜の2年生エース・藤平尚真の直球に再び狙いを定めるも、球威に押されて詰まった打球は力なくセカンドの真上へあがった。非凡なバッティングセンスを期待され、この夏は5番を務めてきたエースの凡退とともに、1951年の希望ヶ丘以来、県立勢として64年ぶりの神奈川県代表を目指した相模原の挑戦が4回戦で幕を閉じた。「藤平君の直球は伸びがすごかった。バットを振っても、その上をボールが通過していくことがあった。力の差を感じました」。最速140キロの直球を内外角にコントロールよく投げ分け、切れ味鋭いスライダーで仕留める。広島東洋カープの前田健太を理想とする宮崎は、東大の文系を志望するイケメンとしても注目を浴びた。何よりも宮崎の成長の軌跡は、偏差値が65を数える県内有数の進学校でありながら、創部51年目にして初めて第1シードを獲得するなど、強豪校の一角に名前を連ねる存在となった相模原の歩みと一致する。○入学直後にショートへコンバートされた理由相模原市立旭中学から入学した2013年当時の宮崎は、思い切り投げても115キロが精いっぱいだった。相模原に赴任して2年目だった佐相(さそう)眞澄監督は、ピッチャー志望の宮崎をショートに転向させる。決して投手としての可能性に見切りをつけられたわけではない。内野手に必要不可欠なフットワークを覚えることで自然と足腰が鍛えられ、送球を繰り返すことで地肩の強さも磨かれていく。将来を見越した佐相監督の指導のもとで、三遊間の深い位置から一塁まで届かなかった宮崎の送球は2年生になるとノーバウンドとなり、ベスト8に進出した昨夏はショートのレギュラーをつかんだ。「相模原に入ってからは本当に厳しい練習の連続だったけど、いまでは自分たちのためだったことがわかります。監督には感謝の思いしかありません。『やればできる』と言われ続けたことが一番の思い出です」。新チームへの移行とともに、満を持して背番号「1」が託される。昨秋のベスト4。今春の準優勝と創部初の関東大会出場。そして、堂々の第1シードとして臨んだ最後の夏。練習後は学習塾に週5日通うなど、文武両道を実践してきた3年間を振り返りながら、宮崎はその表情に感無量の思いをにじませた。○「打撃の伝道師」の赴任に導かれた躍進相模原の躍進は、同市内の公立中学3校を全国大会へ導き、そのうち2校を3位に導いた佐相監督が体育教諭として赴任した2012年度から幕を開ける。指導方針は、56歳になったいまも変わらない。「打ち勝たなければ、強豪私立には勝てません」。中学時代の実績から「打撃の伝道師」と呼ばれ、理論や指導ノウハウをまとめたDVDも販売されている佐相監督の赴任を知り、指導を仰ぎたいと望む中学生が必然的に増えてくる。神奈川県が全県一学区となっていたこともあり、なかには片道2時間近くもかけて通う生徒もいる。一方で推薦制度や野球クラスもないため、入試の前に夢を断たれた中学生の数も決して少なくない。陸上部などと共用するグラウンドでは、当然ながらフリー打撃を行えない。全体での朝練習は原則禁止。午後7時半には完全下校となるため、7時過ぎには練習を切り上げなければいけない。公立校ならではのさまざまな制約があるなかで、佐相監督は自身の座右の銘を実践していく。「環境は人が作る。その環境が人を作る」。保護者会とOB会の全面的な協力を得ながら、ナイター照明、屋根付きブルペン、速球対策用のピッチングマシン、ぬかるまない土への入れ替えなど、コツコツと環境を整えてきた。○元甲子園球児のアドバイスで習得した新球チームの合言葉は「創意工夫」だ。フリー打撃はケージを4つ並べて、バックネットに向かって快音を響かせる。隣接する民家に打球が飛び込むのを防ぐ防御ネットは、保護者が手作りで縫い上げて二重にした。ティー打撃ではあえて1.2kgの重いバットを用い、次第に軽いバットへ移行して思い切り振らせる。その意図を指揮官は「速い動きで筋肉を刺激して、速いスイングスピードを教え込ませる」と説明する。グラウンド脇にある緩やかなスロープは、体幹と腕力を鍛える格好の場所となった。18リットルのポリタンクに水を入れて、抱えながら登り降りするメニューが一日置きに課されてきた。使用エリアが制限されているグラウンドを打撃、守備、体力強化のエリアに分け、65人の部員を3つのグループに分けて効率よくメニューを消化していく。コーチは2人。いずれも佐相監督の教え子で、仕事や勉強の合間を縫って指導に駆けつける。その一人で、桐光学園が甲子園に初出場したときのエース清原尚志氏は今春、宮崎に新球の習得をアドバイスしている。「緩いカーブですね。持ち球が速球系だけだったので、緩急をつけたほうがいいと」。投げるのは一試合で数球。それだけで、ピッチングの幅が大きく広がった。○監督直伝の『陽転』を実践していく先にあるもの横浜戦では、強豪私立の左打者との対戦へ向けて習得していた、もうひとつの新球の封印を解いた。5回裏と8回裏。いずれもシュートで5番打者のタイミングを外し、三振と一塁ゴロ併殺に切って取った。まさに成長途上で高校野球を終えた宮崎は、受験勉強の先に新たな夢を膨らませている。「シュートを覚え始めたのは春前から。甲子園出場という夢は終わったけど、大学に進めばプロという夢も出てくる。大学でしっかりと体を作って、シュートなどを含めて、技術的にももっと伸ばしていきたい」。佐相監督が選手たちに授けた言葉に『陽転』がある。宮崎がその意味を説明する。「ピンチの後には面白いことが起こると思え、という発想です。ピンチをピンチと思えば、体が固まるので」。初回からピンチの連続だった横浜戦。宮崎を中心とするナインを支えたのは、まさに『陽転』の二文字だった。校訓でもある文武両道も、どちらかを困難だと感じれば実践できなかったはずだ。宮崎をはじめとする3年生は卒業後の新たな道で、悔し涙とともに「甲子園」という夢を託された後輩たちは来春の選抜出場を目指して、骨の髄まで染み込んだ相模原伝統の『陽転』を心のなかで叫びながら未来へ進んでいく。○筆者プロフィール: 藤江直人(ふじえ なおと)日本代表やJリーグなどのサッカーをメインとして、各種スポーツを鋭意取材中のフリーランスのノンフィクションライター。1964年、東京都生まれ。早稲田大学第一文学部卒。スポーツ新聞記者時代は日本リーグ時代からカバーしたサッカーをはじめ、バルセロナ、アトランタの両夏季五輪、米ニューヨーク駐在員としてMLBを中心とするアメリカスポーツを幅広く取材。スポーツ雑誌編集などを経て2007年に独立し、現在に至る。Twitterのアカウントは「@GammoGooGoo」。
2015年07月23日セカンドステージで1勝1分けと好スタートを切った湘南ベルマーレ。ファーストステージのトラッキングデータ(総走行距離とスプリント総数)でともにJ1のトップを記録したタフネスさにさらに磨きをかけながら、真夏の戦いを通じてJリーグに革命を起こす。○スポーツ紙に掲載されたコラムが与えた波紋セカンドステージ開幕を翌日に控えた7月10日。ベルマーレを刺激し、名古屋グランパスとの開幕戦へ向けたモチベーションを一気に高める出来事があった。スポーツ新聞に掲載されたあるコラム。「走れば勝てるって訳じゃない」と題されたそれのテーマは、Jリーグで今シーズンから導入されたトラッキングシステム。ファーストステージの集計データを基に、J1の「ある傾向」を指摘していた。最新鋭のミサイル自動追尾技術が応用されたトラッキングシステムは、メーンスタンドに設置された2台の専用カメラがピッチ上のすべての動きを捕捉。選手の走行距離やスプリント回数を解析・数値化し、Jリーグの公式サイトで公表してきた。ファーストステージの集計では、17試合の総走行距離の1位をベルマーレ、2位を松本山雅FCの昇格組が占めた。ベルマーレはスプリント総数でも1位となったが、肝心の順位で前者が10位、後者が15位に甘んじたことで前出のタイトルとなった。ベルマーレのチョウ監督は、グランパス戦前のミーティングでコラムの内容を選手たちに伝えた。「自分たちがそう言われていることに対して、僕は非常に寂しい思いがした。ただ勝った、負けた、よかった、悪かったという基準でウチを語られるのがすごく嫌だったので」。○ファーストステージで抱いた忸怩たる思いファーストステージを戦いながら、チョウ監督は忸怩(じくじ)たる思いを募らせてきた。「走らないと勝てないのがブンデスリーガ、走っても勝てないのがJリーグ」。ドイツを中心にヨーロッパのリーグへの造詣が深く、毎年オフには自ら足を運んで視察してきたなかで、不退転の決意を抱くようになった。「ブンデスリーガでは、相手チームを含めて走らないことが前提になる試合はまずあり得ない。(まず走るという)前提があるのとないのとでは、(コラムの意味)は全然違ってくる。前提がないのであれば、日本サッカー界のレベルがまったく低いと言われているのと同じだと感じなければいけない」。例えば史上初となる無敗でファーストステージを制した浦和レッズは、総走行距離が6位、スプリント総数も8位と決して高い数字を示していない。3位に入ったサンフレッチェ広島は総走行距離で13位、スプリント総数に至っては17位だった。テクニックと老かいさ、そして必要最低限の場面でのみ全力疾走する要領のよさがあれば上位を争える。そうした傾向を目の当たりにして、2012年の就任時から貫いてきた「湘南スタイル」に対するチョウ監督の矜持(きょうじ)はさらに強まった。「ならば我々が走るのをやめるのか、縦への推進力をなくすのかと言えば、そういう訳にはいかない」。○因縁のグランパス戦で示したアイデンティティーファーストステージで喫した7敗のうち、もっとも悔しかった黒星は5月2日、0対3で完敗した敵地でのグランパス戦となるだろう。ベルマーレがペースを握りかけながら、たったひとつのミスからカウンターを許してあっさりと先制点を献上。取り返そうと前掛かりになった背後を突かれては失点を重ねた。何よりも納得がいかないのが、ボールを失っても自陣へ戻らない、いわゆる「攻め残っていた」グランパスの選手たちにかき乱されたこと。ファーストステージにおけるグランパスは、総走行距離が最下位だったのに対してスプリント総数が3位だった。典型的な「省エネスタイル」に屈したことが、逆に自分たちのアイデンティティーを見つめ直すきっかけになった。チョウ監督が力を込める。「チャンスだと思えばゴールへ向かい、ピンチになればFWの選手も戻る。これがサッカーの醍醐味(だいごみ)であり、そこには戦術もへったくれもない。そうしたプレーをさぼって、走行距離が少ないチームが勝つようになれば、選手の潜在能力をどのように引き出していけばいいのかと、指導者は困ってしまう」。果たして、因縁の再戦は2対1でベルマーレが制した。走行距離で112.88km対105.93km、スプリント回数で172対121と大差をつけての、スコア以上の"快勝"だった。○ベルマーレのスタイルをJリーグのスタンダードへ後半19分に、結果的に決勝点となる2点目をダイビングヘッドで決めたのはFW高山薫。3月14日の鹿島アントラーズ戦で、ファーストステージ全体での最長記録となる13.67kmを走破しているタフガイは「まだまだこれから」と不敵に笑う。「どちらにしてもオレはうまい選手じゃないし、1年目から“走るキャラ”でプレーしてきた。ファーストステージで10位だったからダメだと思われているだけ。オレたちが結果を出せばいい」。キャプテンのMF永木亮太も件(くだん)のコラムに目を通した上で、「自分もちょっと違うと思った」とこう続ける。「ウチのサッカーがJリーグのスタンダードになればいいと思っているし、(ベルマーレのスタイルが正しいと)証明するためにも、セカンドステージで結果を出していくしかない」。グランパス戦から中3日で15日に行われたヴィッセル神戸戦は、一転して球際での激しい攻防が繰り広げられる消耗戦となった。相手の気迫に押される時間帯もあり、先制点も許す展開となったが、ハードワークはベルマーレが大事にしてきた根幹的な部分でもある。最終的には走行距離とスプリント回数で圧倒し、永木のミドルシュートで引き分けに持ち込んだ敵地での90分間を、チョウ監督はポジティブにとらえた。「もっとタフにならなければならないと、選手たちも学べたと思う」。○J1を世界基準の戦いへ引き上げるためにチョウ監督は初の著書『指揮官の流儀 直球リーダー論』(角川学芸出版刊)で、こう記していた。「ベルマーレはよく走ると言われていることが、もしかしたら我々の成長や歩みを止めてしまうキーワードになるかもしれない」。世界ではベースになっているハードワークに、必要以上のスポットライトを当てられれば「自分たちの軌跡に酔ってしまうのではないか」と危惧していたとも明かす。そうした不安も、セカンドステージ前に掲載されたコラムが一掃してくれたことになる。高温多湿の日本の夏はこれから真っ盛りになり、セカンドステージでは水曜日開催も3日を数えるなど、さらに過密スケジュールになってくる。「体力的に影響が出ないようなトレーニングを、それこそ昨日、一昨日の話ではなく、何年も前から積み重ねてきた。夏になれば、走る部分では他のチームも落ちてくる。そういうところで上回れば、結果もついてくると思う」。真価を問われる真夏の戦いへ、永木はチーム全体の思いを代弁しながら腕をぶした。戦力や技術で劣る部分を補うために走っている――。ベルマーレを揶揄(やゆ)してきた声を「もう勘弁してくれ」という嘆き節に変え、「走り合った上で勝負」という世界基準に引き上げる戦いはますますヒートアップしていく。写真と本文は関係ありません○筆者プロフィール: 藤江直人(ふじえ なおと)日本代表やJリーグなどのサッカーをメインとして、各種スポーツを鋭意取材中のフリーランスのノンフィクションライター。1964年、東京都生まれ。早稲田大学第一文学部卒。スポーツ新聞記者時代は日本リーグ時代からカバーしたサッカーをはじめ、バルセロナ、アトランタの両夏季五輪、米ニューヨーク駐在員としてMLBを中心とするアメリカスポーツを幅広く取材。スポーツ雑誌編集などを経て2007年に独立し、現在に至る。Twitterのアカウントは「@GammoGooGoo」。
2015年07月18日