歯の代表的な疾患・虫歯。誰もが、一度はその痛みに悩まされたことだろう。大人から子どもまで、年代を問わずに虫歯リスクはあるわけだが、なりやすい人や職業はあるのだろうか。今回は、M.I.H.O.矯正歯科クリニック院長の今村美穂医師に、虫歯のメカニズム予防方法、なりやすい職業などについて伺った。○虫歯はこうしてできるまずは虫歯ができるまでの過程をきちんと理解しておこう。私たちが食事をする際、細かな食べかすなどが歯に付着していく。このかすを歯垢(プラーク)と呼ぶが、1mgの歯垢の中には10億個の細菌が住みついていると言われている。これらの細菌が、食事のたびに糖などの栄養を取り込み、酸を産生。この歯垢から産生された酸によって、歯の表面からミネラル成分が溶け出すことを「脱灰(だっかい)」と呼ぶ。この状態が虫歯の始まりとなる。だが、食後しばらくすると自浄作用がある唾液などによって、歯垢は酸性から中性方向へと向かう。すると、カルシウムなどのミネラル成分が歯に戻っていき、虫歯ができにくい状態へと戻る。この状態を「再石灰化」と呼ぶ。「歯の表面で脱灰と再石灰化が行われますが、そのバランスが崩れて脱灰が進み、再石灰化が追いつかないと虫歯になります。摂取した糖度が高かったり、唾液量が少なかったりすると、再石灰化への時間が長くかかりそれだけ虫歯になりやすくなります」。「歯と歯の間」「溝などのへこみのある場所」「歯の詰め物と歯の境界」などの歯垢がつきやすい場所が、虫歯になりやすいと言われている。○虫歯予防を一挙紹介虫歯で痛い目に遭わないようにするには、予防が肝要。予防には自宅・オフィスでも簡単にできる方法と歯科医などのプロにやってもらう方法があるので、まとめて紹介しよう。自宅・オフィス編■就寝前の歯磨き……睡眠中は虫歯菌が活発になる一方で、歯を浄化する作用がある唾液の量も減るため虫歯になりやすい。理想は一日3回の歯磨きだが、忙しくてできない場合は就寝前に必ずしっかりと歯磨きをするようにしよう。■デンタルフロス……歯ブラシでは60%、デンタルフロスでは20%の歯の汚れを落とすことができると言われている。「見えない場所や、ブラシが届かないところあるため、歯ブラシだけで歯の汚れを100%取りきることは難しいと覚えておいてください」。2つの併用でも80%ほどの計算となり、歯のすべての汚れは取り除けないが、この20%の差は大きい。歯並びの悪い人は特に除去することが難しくなるので、普段から意識しておこう。■歯磨きできないときのガム……仕事が忙しかったり、会社のトイレで歯を磨くのが恥ずかしかったりして毎日3回の歯磨きをできないケースも多々あるだろう。そういう際は、歯磨き代わりに唾液を促すためのガムを1粒でもいいのでかむようにしよう。歯科編■3DS……デンタル・ドラッグ・デリバリー・システムの略称。歯科で型どりをしてマウスピースを作ってもらい、フッ素などの薬を歯の表面や歯周ポケットの隅々まで浸透させる。唾液に洗い流されずに長時間の薬の効果が期待でき、ホームホワイトニングを実践している人もそのマウスピースを活用できる。■歯科用サプリメント……高濃度のビタミンCや、インプラント前後においてミネラルなどの微量栄養素を効率よく摂取できる製品など、歯科専用のサプリメントがクリニックで販売されている。「定期的に飲んでいただくことで、クリニックへの訪問間隔を徐々にあけていければと思っています」。■唾液検査……国をあげて虫歯予防に努めているスウェーデンでは、虫歯リスクを患者に説明するための専用ソフトなども開発されている。各種唾液検査も、唾液量や細菌の数・種類などを知るため、歯科医院でできる簡易検査から培養発注する精密検査まで行われている。唾液量や虫歯菌の数、食事の頻度、虫歯の経験、汚れのつき具合などを分析することで、自分の虫歯のなりやすさがわかる。「今は、虫歯もソフトを使って管理する時代です。3DSのマウスピース自体は歯科で作ってもらう必要がありますが、あとは自宅でのケアとなります。日本における虫歯予防は、この『この歯科医院での予防&管理』と『ホームケア』が主流となります」。○医師やSEは虫歯になりやすい?虫歯の主たる原因は食事に伴う糖の摂取のため、食事を含めた生活習慣が大きく虫歯リスクへと影響を与えていると考えられる。そこで、今村医師に「虫歯になりやすそうな職業」について伺ってみたところ、「デスクワークが多い人」「医師・看護師」「介護士」「長距離ドライバー」「SE」などが該当する可能性が高いと回答してくれた。「一日中デスクワークの方は、手軽に飲み物やおやつを摂取できる環境がありますし、仕事のストレスから甘い糖分摂取が進む傾向にあります。医師、看護師や介護士などの勤務時間が不規則な職業の方や、不規則な時間に食事を摂(と)る長距離ドライバーの方などは、缶コーヒーなどの嗜好品(しこうひん)の頻度が高いです。結果として生活や食事のバランスも崩れやすいので、口腔(こうくう)内の環境が悪い方が多いようです」。また、SEなどのように休みの取りにくい人も該当するようで、特にSEは極端に対照的な2グループに分類できるという。「SEの方は、虫歯がすごく悪くなっても放置している『極端に無関心なグループ』と、やや神経質気味で問題意識が非常に高い『毎月定期的に来院するグループ』に分けることができます」。そのほか、「ストレスを受けやすい」「喫煙して唾液量が減少している」「ドライマウスになりやすい」「末梢(まっしょう)血管が収縮している」などの特徴がある人も虫歯になりやすいため、注意が必要だ。○将来の「おいしい食事」に備え、きちんとしたケアを日本歯科医師会は、平成元年から現在の厚生労働省と共に「8020運動」を提唱してきた。この運動には、「80歳になっても自分の歯を20本以上持とう」という意味がこめられている。抜歯のリスクもある虫歯は、この運動の"大敵"と言える。20本という数字の基準は、「少なくとも自分の歯が20本以上あれば、 ほとんどの食物をかみ砕け、おいしく食べられる」という考えに由来している。将来、自分が年齢を重ねても好きな食べ物をおいしく食べられるよう、今からきちんと歯のケアをしておこう。※写真と本文は関係ありません○記事監修: 今村美穂(いまむら みほ)M.I.H.O.矯正歯科クリニック院長、MIHO歯科予防研究所 代表。日本歯科大学卒業、日本大学矯正科研修、DMACC大学(米アイオワ州)にて予防歯科プログラム作成のため渡米、研究を行う。1996年にDMACC大学卒業。日本矯正歯科学会認定医、日本成人矯正歯科学会認定医・専門医。研究内容は歯科予防・口腔機能と形態及び顎関節を含む口腔顔面の機能障害。MOSセミナー(歯科矯正セミナー、MFT口腔筋機能療法セミナー)主宰。
2015年09月25日スマホやSNSの普及で、自撮りをする機会が増えた今、若い女性たちはかわいく映るための研究を怠りません。少し前までは、あひる口、虫歯ポーズ、ハムハムポーズなどが流行っていましたが、この秋は「サムポーズ」が大流行の予感。Twitterでは早くも「#サムポーズ」というハッシュタグとともに、自撮り写メを投稿するJKが続出しています。いったいどんなポーズなのでしょうか。可愛く撮る方法をチェックしておきましょう。■盛れること間違いなし?「サムポーズ」とはサムポーズとは、親指を唇に当てるポーズのこと。親指を意味する英語の「Thumb」から名付けられたようです。サムポーズの生みの親は、人気モデル・小梛準子(おなぎじゅんこ)さん。10代女子向け総合メディア『マイナビティーンズ』が、3か月後に流行るものとして「サムポーズ」を予測しているほど、今注目のトレンド。親指を唇に当てたまま、ウィンクをしたり、上目遣いにしたり、自己流のアレンジを加えるのがかわいく撮るコツ。プリクラやSNSにアップする自撮り写メでも、“盛れる”と好評です。■サムポーズの魅力3つここでは、流行のサムポーズに隠された魅力に迫ってみましょう。小顔になれるせめて写真だけでもなるべく小顔に映りたいのが乙女心。口元に手をあてると、気になるフェイスラインや二重あごが隠すことができます。手が大きく映るので、自然と顔が小さく見える効果があります。色っぽくなれるサムポーズはアヒル口とあわせて行うと、可愛さ倍増。ぷっくりとした唇が強調されるので、キスをおねだりしているかのような甘え顔になれちゃいます。口をぽかーんと開けたままにすれば、流行の抜け感も演出できちゃいます。ネイルも自慢できるせっかくおしゃれにネイルをしたなら、写真にも残しておきたいですよね。そんなときも、サムポーズがおすすめ。さりげなく親指の爪をカメラのほうに向けて撮ると、一瞬にしておしゃれ女子に変身できるはず。アレンジ次第でいろんな表情を作れるのが、サムポーズの魅力。いつもより“盛りたい”気分のときに、ぜひ試してみてくださいね。
2015年08月19日新潟大学は6月18日、糖尿病治療で使われるインスリンなどの血糖降下薬による低血糖脳症に対し、新たな動物モデルを作成し、用いることで低血糖脳症の治療薬を発見したと発表した。同成果は新潟大学脳研究所神経内科の下畑享良 准教授を中心とする研究グループによるもので、6月18日の国際科学誌「PLOS ONE」に掲載された。低血糖脳症は、糖尿病の治療でインスリン注射や内服の血糖降下薬を用い血糖値を下げたときに、薬が効きすぎることで起きる。糖は脳にとってのエネルギー源であるため、低血糖脳症は重度の脳障害や認知症の原因となる。近年、その数が増えていることが問題となっているが、ブドウ糖注射を除くと治療薬がなく、治療薬の開発が望まれているが、良い動物モデルがないという課題があった。従来の動物モデルは低血糖におる脳のダメージによって呼吸が止まるため、人工呼吸器を使用していたが、難易度が高いという問題があった。今回の研究では、脳波をモニターしながら脳の傷害をチェックする方法を用いることで、人工呼吸器を使用しないで済む動物モデルを確立した。また、このモデルを用いることで、低血糖の治療として行うブドウ糖注射のあとに、脳内にアルデヒドのひとつである4HNEという物質が蓄積し、神経細胞を傷害すること、その障害の程度は低血糖の時間が長いほど高度になることを発見。アルデヒドを分解する酵素を刺激する薬剤「ALDH2 アゴニスト」をブドウ糖と一緒に注射したところ、脳内のアルデヒドが減少し、神経細胞の障害も抑制されることを確認した。このアルデヒド分解酵素刺激薬が実用化されれば、低血糖脳症患者の一部の予後を改善する可能性がある。同研究グループは今後、今回開発した動物モデルを用いて、さらに低血糖脳症の治療薬候補の同定を進め、最も効果が期待される治療薬を用いた治療の実用化を目指すとしている。
2015年06月18日歯は、虫歯菌などの働きにより歯の成分であるリンやカルシウムが溶け出す「脱灰」と、唾液中に含まれるリンやカルシウムが結晶化して再び歯に戻る「再石灰化」を繰り返しています。この再石灰化の力が弱くなると次第に虫歯に進行してしまいます。日々の歯磨きでこの再石灰化を助けて虫歯を予防する歯磨き粉が登場しました。歯の再石灰化のための最先端技術を取り入れた歯磨きペースト「クリンプロ」(90g・参考価格1,180円)がスリーエム ジャパンから発売。6月2日から歯科専用のケア製品として販売が開始されます。歯磨きペースト「クリンプロ」(90g・参考価格1,180円)クリンプロには、再石灰化の成分となるリンとカルシウムの結晶体「fTCP」を配合。さらに、これらを歯に戻す働きをするフッ素も同時配合。両者の働きによって、歯の石灰化を強力に進めます。これまで、フッ化物のみを配合した歯磨きペーストは多く出ていますが、分子の性質上、フッ化物とリン、カルシウムを同時配合して効果を発揮することはできませんでした。同社は独自の技術により、これらを同時配合して再石灰化を高めることに成功。実験では、フッ化物のみ配合したペースト、fTCPのみ配合したペーストと比べて、両者を配合したクリンプロは最も高い再石灰化率となりました。製品担当のスリーエム ジャパン ヘルスケアカンパニーの相川光広さん歯を守るために重要な唾液は通常、1日に1~1.5リットル分泌されていると言われていますが、ストレスなどで唾液が出にくく、再石灰化の働きが悪くなって虫歯ができやすい状態になってしまっている人も多くいます。再石灰化を促すクリンプロのケアで、少しでも虫歯予防をしませんか?※クリンプロ取り扱い歯科医は、6月下旬から下記ウェブサイトでご紹介します。Tooth! Navi 歯と健康を考えるサイトクリンプロについてのお問い合わせ(フリーダイヤルマーク)0120-332-329(平日9:00~17:00/スリーエムジャパン歯科用製品事業部)Photo by ND Strupler
2015年06月15日多くの人が悩まされる「虫歯」。実は、虫歯になりにくい、なりやすいを決めるポイントがあるのです!虫歯のメカニズムと虫歯を防ぐために気を付けるべきことを日本大学歯学部教授・宮崎真至先生にお聞きしました。知られざる“唾液のパワー”とは――虫歯と唾液の関係について教えてください。加齢や花粉症の薬などの影響で、唾液が出にくくなると、虫歯のリスクが高くなります。また、唾液が少なくなると、食べ物が飲み込みにくいなどの弊害も出てきます。唾液は重要なのです。歯を守ってくれる一番の存在が唾液ですので、きちんとケアして虫歯予防につとめることが大事です。私たち専門家の間でも「唾液の力」と呼んで、その機能や効果にとても注目しています。唾液が歯のミネラルを補給する――唾液はどのように虫歯を防ぐのでしょうか食事をすると、歯の表面に歯垢がつきます。歯にはもともと虫歯をつくるばい菌(主にミュータンス菌)が住んでいて、歯垢の中で酸をつくり、歯を溶かしてミネラル成分などを流出させてしまいます。これを「脱灰(だっかい)」といいます。ただ、脱灰したとしても、唾液に含まれているミネラル分が再び歯の中に入り、歯は補修されます。これを再石灰化といいます。通常、口の中では脱灰と再石灰化が繰り返されていますが、バランスがくずれて酸の力が強くなると、脱灰が進行し虫歯になってしまいます。――唾液が歯を守る役割をしているのですね。唾液の役割は非常に重要で、ミネラルを補給する以外にも、さまざまな機能があります。唾液は主に口の両奥にある耳下腺から出ていて、口の中の汚れを洗い流す働きを持っています。殺菌成分も含まれているので、ばい菌の増殖も防ぎます。また、歯を磨いた後に数分経つと、唾液の中のたんぱく質が静電気のように歯の表面に吸着して保護層をつくります。これも歯を守る役割をしています。“だらだら食い”が虫歯をつくる――唾液が少ないと虫歯ができやすいのでしょうか。唾液が少ないと虫歯のリスクが高くなってしまいます。さらに、虫歯のできやすさを左右するのは、実は、食生活の習慣です。食生活を見直すことで、「歯」、「ばい菌」、「食べ物」の三者をよくコントロールすることが重要です。――どのような食生活が虫歯を招いているのでしょうか。最もよくないのは、だらだら食いや多すぎる間食です。ばい菌は、食べ物が口の中に入るとプラーク(歯垢)という粘着性の膜(バイオフィルム)を形成し、その中で酸を出して歯を溶かします。プラークの膜はとても強力で酸性に傾きやすく、ばい菌にとっては絶好の活躍の場。食べ物が入るたびにプラークの中で酸をつくり、これを繰り返すたびに酸の影響が強くなり虫歯のリスクが高くなってしまいます。お酢の一気飲みが、虫歯を招く?!――注意したほうがよい食べ物はありますか。ばい菌によるものではありませんが、口の中が酸性に傾くと、歯の表面のエナメル質が溶けてしまうので、酸っぱい食べ物や炭酸飲料など酸性の食品を摂るときにも気をつけた方がよいですね。通常は唾液が口の中のpH(酸性度)を一定に保つ働きをしています。しかし、例えばスポーツの後など、発汗により唾液の分泌量も減ってしまっているときにレモンやオレンジなど酸性のジュースや炭酸水を飲むなどの行為は歯の健康にはよくないことです。最近女性でされる方が多いのですが、お酢の一気飲みも危険です。食べ物では、歯にくっつきやすいヌガーやキャラメルが要注意です。なぜ、虫歯になるのか?――そもそも、なぜ、虫歯ができてしまうのでしょうか。虫歯の条件が整うためには、3つの要素が必要となります。ばい菌があること、そしてばい菌の栄養となる食べ物があること、そして歯があることです。歯の表面についているばい菌(主にミュータンス菌)は、食べかすなどをエサにして酸を出します。この酸によって歯が溶けてしまうのです。ただ、ばい菌が一方的に酸を出し続け歯がどんどん溶けていくのかというと、そうではありません。――虫歯のメカニズムを正しく知って、予防することが大事なのですね。そうですね。歯のケアは皆さん疎かにしがちですが、目に見えるところだけではなく、目に見えないところのケアも頑張ってほしいですね。関連ウェブサイト:<ドクタープロフィール>日本大学歯学部 教授宮崎 真至 先生【出身】秋田県秋田市【経歴】1987年日本大学歯学部卒業1991年日本大学大学院修了博士(歯学)1991年日本大学歯学部保存学教室修復学講座助手1994年~1996年米国インディアナ州立大学歯学部留学2003年日本大学歯学部保存学教室修復学講座講師2005年同上教授
2015年05月25日結婚、出産の高齢化が進み、不妊治療を望むカップルが増えています。そこでネックになるのが、高額な治療費。子どもを授かるまで治療を続けたくても、治療費が捻出できず諦めるケースも多いようです。ですが、一定の要件に当てはまれば、「特定不妊治療」という国の助成制度を利用することができます。○平成26年度に変更になった「特定不妊治療」不妊治療には、いくつかのステージがあります。まずは排卵日を予測して自然妊娠を目指す「タイミング法」。次にチューブで精子を子宮に送る「人工授精」となり、最後のステップとして、体外で受精させた受精卵を子宮へ戻す「体外受精」「顕微授精」があります。タイミング法は数千円、人工授精で1万円~2万円程度ですが、体外受精になると、1回30万円~50万円程度の負担になり、資金面で治療の継続が難しくなってきます。治療の負担を軽くするために使えるのが、体外受精と顕微授精を対象にした「特定不妊治療」という国の助成制度ですが、助成を受けるにはいくつかの条件があります。対象者は、特定不妊治療以外の方法で妊娠の見込みが無い、または極めて少ないという医師の診断を受けた夫婦で、戸籍上の夫婦に限られます。また、夫婦合算の所得が730万円以内という所得制限が設けられています。助成制度を実施するのは、各都道府県、指定都市、中核市なので、利用の際は、住所地の自治体に申請をします。また、特定不妊治療ができるのは、各自治体が指定した指定医療機関に限られるので、事前に確認をしておきましょう。この特定不妊治療、平成26年度から制度が変更され、少々ややこしくなっているので注意が必要です。従来は年齢に関係なく、初年度3回、通算5年度で最大10回まで助成が受けられましたが、平成26年度以降、39歳までの女性は通算最大6回までと回数が減りました。40歳以上の女性は、平成27年度までに申請すれば、従来通り通算10回の助成が受けられるのですが、平成28年度以降の申請では、40歳~42歳が通算3回まで、43歳以上になると、制度の対象外となります。年齢が上がると体外受精や顕微授精の成功率が下がり、妊娠、出産のリスクが高まることから、このような見直しがなされたようです。助成額は、A~Fまでの治療ステージによって変わり、治療1回につき最大7万5,000円~25万円です。特定不妊治療は国の制度のため、どの都道府県でも同様の助成となりますが、自治体ごとに、独自の不妊治療支援を実施している場合もあります。例えば、東京都港区では年30万円・通算5年間の助成制度があります。独自の助成制度の有無で、東京都港区の場合では費用負担が150万円も変わってきます。不妊治療に本格的に取り組みたいという夫婦は、各自治体の助成制度について、調べてみるとよいでしょう。※画像は本文と関係ありません。○著者プロフィール武田明日香エフピーウーマン所属ファイナンシャル・プランナー南山大学経済学部卒業後、大手印刷会社に入社。2010年に、法人営業の仕事をしながら自己啓発のためにファイナンシャルプランナーの資格を取得。「女性がライフステージで選択を迫られたときに、諦めではなく自ら選択できるための支援がしたい」という想いから、2013年にファイナンシャルプランナーに転身。日本テレビ「ZIP!」やTBSテレビ「あなたの損を取り戻せ 差がつく!トラベル!」、「Saita」「andGIRL」等の雑誌、「webR25」「わたしのマネー術」等のウェブサイトなど幅広いメディアを通じ、お金とキャリアの両面から女性が豊かな人生を送るための知識を伝えている。お金の知識が身につく初心者向けマネーセミナー受付中(受講料無料)
2015年03月10日エストコーポレーションの連結子会社であるエストドックはこのほど、虫歯に関する調査結果を発表した。同調査は2014年12月16日~30日、全国の男性100名を対象にインターネットで実施したもの。「虫歯の症状が出たらすぐ歯医者に行くか」を聞いたところ、「すぐに行く」と回答した人が35%で最も多かった。「余裕があれば行く」(29%)と合わせると、歯医者に行く人が約6割を占めている。一方で、約3割の男性は「痛まなければ行かない」ことがわかった。
2015年01月30日今や国民病といえるがんの診断と治療技術は、日進月歩で進歩しています。最近のがん治療は通院(外来)で行われることが増えてきました。そのため、入院治療主体の従来型のがん保険では、治療実態と乖離(かいり)し、十分な保障が得られない可能性があります。そこで、最近のがん治療や最新のがん保険について考えてみました。国民の約2人に1人はがんにかかる!?がんは国民病といっていいほど、身近な病気になりました。一生涯のうちにがんと診断される人の割合は、男性58.0%、女性43.1%。約2人に1人ががんにかかるのです。そして、がんは昭和56年(1981年)から日本人の死因第1位を占めています。平成25年のがんによる死亡者数は36万5,000人で、全死亡者のうち28.6%でした。がんは30年以上にわたって死因の第1位を占めていますが、医療技術の進歩によって徐々に治る病気になりつつあります。ただ、治療は長期にわたることもあり、公的医療保険が適用される治療だけを受けても、毎月の医療費負担は家計の重荷になります。もし、高額な先進医療の技術を受けることになると、経済的なダメージはさらに大きくなります。また、がんにかかると、通院のために職場の配置転換や離職を余儀なくされることもあり、収入減や収入途絶が追い打ちをかけます。こういった経済的ダメージへの備えとしてがん保険があるわけですが、最近、保障内容に変革が起きています。それは、治療方法が変わってきたからです。では、最近のがん治療はどう変わったのでしょうか。がん治療は「集学的治療」が主流以前のがん治療は、「入院して手術」が主流でした。現在でも、手術はがん治療の有効な治療法ですが、最近はこれに、放射線治療や抗がん剤治療を効果的に組み合わせる治療法が主流となっています。これを「集学的治療」といいます。放射線治療や抗がん剤治療は通院だけで行われることもあり、手術も技術の進歩で日帰りや短期間の入院ですむケースがあります。こういった治療法の進歩で、がん治療は入院から通院にシフトしているのです。下表は、がんの受療率の年次推移ですが、平成17年を境に、通院治療の方が増えています。ところが、入院・手術を前提とした従来型のがん保険では、通院だけの治療では受け取れる給付金はがん診断給付金くらいで、通院については十分な保障が得られるとは言い難いのです。そこで、最近のがん治療に合わせた保障内容を盛り込んだ新しいがん保険が登場してきています。このタイプをここでは新型がん保険と呼ぶことにします。大きく、「通院重視型」と「一時金重視型」に分かれる新型がん保険の傾向をみてみると、通院だけでも給付金が支払われる「通院重視型」と、診断給付金・治療給付金などまとまったお金の給付を重視した「一時金重視型」に大別されます。通院重視型は、文字通り、手術・放射線治療・抗がん剤治療などの治療を受けるために通院すれば、日数分の給付金が支払われます。入院の有無にかかわらず、がんの治療のために通院すれば給付されるのが通院重視型の新型がん保険の特長です(経口投与による治療は対象外になる等、保障内容は保険商品により異なります)。もちろん、入院治療でも給付金は支払われます。一時金重視型は、診断給付金や治療給付金としてまとまったお金を受け取って、自由に治療費、あるいは生活費の補填等にあてられるタイプの保険です。どちらのタイプがいいかは、その人の考え方によります。入院・通院のどちらの治療を受けても日数分の給付金を受け取りたい人は通院重視型、まとまったお金をもらって治療費などにかかる費用を賄う方がいいと考える人は一時金重視型がいいでしょう。新型がん保険を検討する際は、がん診断給付金の内容もチェックしてください。診断給付金はがんと診断されると支払われるがん保険がほとんどで、入院を伴わなくても受け取れます。ただ、最初のがん診断時に1回のみしか受け取れないがん保険と、複数回(2年に1回が限度の商品が多い)受け取れるがん保険があります。がんは再発や転移が心配な病気なので、複数回の方が安心でしょう。ただ、保障が手厚い分、保険料は高くなるので、1回のみしか受け取れないがん保険でもいいと割り切ることも必要かもしれません。先進医療の保障は、どちらのタイプのがん保険にもセットされているか、特約でつけられるようになっています。がんに関する先進医療の技術料は高額なものがあるので、今や必須の保障といっていいでしょう。通算限度額は1,000万円、2,000万円などがあり、2,000万円が主流になりつつあります。これは、1,000万円か2,000万円あればよいでしょう。ただし、現在ご加入の医療保険に先進医療の保障がセットされていたら、がん保険にはなくてもいいでしょう。医療保険の先進医療でがんの先進医療もカバーしているので、両方につけると重複してしまうからです。なお、公的医療保険適用、自由診療(海外では治療に使われているが、日本国内では承認がおりていない抗がん剤を使用する治療などのこと。治療費が公的医療保険対象部分も含めて全額自己負担になる)のどちらの治療を受けても、先進医療の治療費を含めてかかった治療費の全額が支払われるがん保険もあります。5年以上前にがん保険に加入した人は、保障内容は従来型のがん保険のケースが多いので、この機会に見直しをしましょう。コラム執筆者プロフィール 小川 千尋(おがわ ちひろ)ファイナンシャルプランナー/子育て・教育資金アドバイザー/終活カウンセラー/整理収納アドバイザー1994年AFP資格取得。独立系ファイナンシャルプランナーとして、主にマネー誌、一般誌、新聞などのマネー記事の編集・執筆・監修、セミナー講師などで活動。オールアバウト「生命保険」ガイドも務めている。コラム監修者プロフィール 柳澤 美由紀(やなぎさわ みゆき)CFP(R)/1級ファイナンシャルプランニング技能士関西大学社会学部卒。大学時代に心理学を学び、リクルートグループに入社。求人広告制作業務に携わった後、1997年ファイナンシャルプランナー(FP)に転身する。相談件数は800件以上。家計の見直し、保険相談、資産づくり(お金を増やす仕組みづくり)が得意で、ライフプランシミュレーションや実行支援も行っている。家計アイデア工房 代表※この記載内容は、当社とは直接関係のない独立したファイナンシャルプランナーの見解です。※掲載されている情報は、最新の商品・法律・税制等とは異なる場合がありますのでご注意ください。
2014年12月09日美容外科ガーデンクリニック 池袋院は、切らずに20分で治療が終わる、最新ワキガ・多汗症治療『ビューホット』を、11月より開始いたしました。ガーデンクリニック『ビューホット』 ■『ビューホット』サービス開始背景従来、ワキガ・多汗症を改善する治療法はメスを使用する手術が主流であることから、傷跡が残ったり、一定期間のダウンタイムが必要という問題がありました。また、薬物療法やボトックス法という治療法は効果が永続的でなく、定期的な通院・施術が必要であるため、「手術はしたくない、定期的な通院をせずにワキガ・多汗症を治したい…」という声が多くありました。この声を受け、ガーデンクリニックは、皮膚を切らずに片脇10分・合計20分で治療が終わる最新ワキガ・多汗症治療『ビューホット』を11月より開始いたしました。■『ビューホット』について<極細針で切らない治療法>『ビューホット』は、高周波を発生させる多数の極細針でワキガ・多汗症の原因である汗腺だけを効果的に破壊する最新の治療法です。カートリッジに内蔵されている極細の針を、深さを変えながら汗腺がある層まで到達させ、熱を発する高周波により臭いの元となるアポクリン汗腺、汗の元となるエクリン腺の二つを同時に破壊します。<局所麻酔で痛みにも安心>また、当院では局所麻酔を用いた「完全無痛」の状態で治療を行うため、痛みに不安がある方でも安心して治療いただけます。ダウンタイムもほとんどなく、翌日からシャワーも可能ですぐに日常生活にお戻りいただけます。従来のワキガ・多汗症治療では効果が出なかった方や、気になっているが手術までは踏み出せない方にとって画期的な治療法です。■『ビューホット』治療メニュー<特徴>・高周波を発生させる極細針を装着したカートリッジによる切らない治療法・局所麻酔を用い、冷却システムで冷やしながら行う痛くない治療法・片脇10分・両脇で20分程度の治療時間・治療1~2回で改善率98%の効果が立証済み・圧迫固定なし、翌日からシャワー可能の短いダウンタイム<価格>通常料金:385,000円(税込) → モニター価格:330,000円(税込)※その他各種治療も行っております。詳しくはお問い合わせください。【クリニック概要】美容外科 ガーデンクリニックTEL : 0120-008-219URL : ・池袋院:東京都 豊島区南池袋2丁目26-6 島倉ビル 4階・品川院:東京都 港区高輪4丁目24-58 サマセット品川東京 2階・横浜院:神奈川県 横浜市西区北幸2丁目10-40 横浜西口TYビル 3階・名古屋院:愛知県 名古屋市中区栄3丁目27-18 ブラザー栄ビル 6階・大阪院:大阪府 大阪市北区梅田1丁目11-4 大阪駅前第4ビル 6階・福岡院:福岡県 福岡市中央区大名1丁目15-35 大名247ビル 5階※『ビューホット』の施術は、池袋院のみでご提供致します。 詳細はこちら プレスリリース提供元:@Press
2014年11月11日不妊治療もしたけれど…最終的に下した「産まない」選択不妊治療でもっとも難しいのは、なかなか授からない場合に“やめどき”を決めることかもしれません。この記事を読んでいる人の中にも、今まさに悩んでいる人もいることでしょう。今回は、不妊治療をやめ、「産まない選択」をした女性の体験談を聞きました。●仕事がおもしろくなり、執着がなくなったAさんのケースAさんは38歳で離婚。前夫は家庭を築くというより自由に生きたいタイプで、子どもを持つことにも乗り気ではなく、その意識の違いが離婚の原因の1つにもなったそう。「40歳で再婚し、すぐにタイミング療法(*1)で子づくりを始めたものの授からず、1年経った時点で人工授精(*2)に変更。それでも授からず、体外受精(*3)も試しました。でもやっぱりダメで、不妊治療をストップしたのは44歳の時でした。治療をやめてもいいと思えたのは、仕事がうまくいくようになったからです。子どもが欲しくてたまらなかった時期って、今思えば仕事に行き詰まっていた時期だったんです。そんなつもりはなかったけど、心のどこかで、妊娠を、人生を変えるきっかけにしたかったのかもしれない。年齢的に出産がいよいよ厳しくなる時期と、仕事が充実しだした時期が重なったのは、私にとってラッキーだったかもしれません。『子どもがいなくても人生を楽しめる、無理しなくていい』って、自然に思えるようになりました」また、Aさんは治療をやめて精神的に楽になった、と言います。「治療中は、期待と失望の繰り返しがつらかったし、不妊治療のことしか考えられなくなっていました。検査薬をたくさん買い込んで、生理予定日が近づくとトイレのたびにチェックしたりして。でも不思議なもので、治療から離れた今は、もう執着していません。急な出張があっても思い切り仕事ができるので、これはこれでいいかなと思っています」●夫婦で旅行を楽しむことが生きがいのBさんのケースBさん夫婦は、旅行が趣味。結婚前から2人で毎年旅行に出かけていたそうです。「でも、37歳から不妊治療を始めて、そんな経済的余裕はなくなりました。有名なクリニックに通って何度も体外受精をしたので、治療代がかなり負担になっていましたから。精神的にも旅行を楽しめなくなっていましたね。このお金で体外受精ができるとか考えていましたし、妊娠しているかもしれないと思うと、温泉は良くないかもとか、この食べ物は大丈夫なのかとか、気になってしまって…」Aさん同様、不妊治療中は、そのことしか考えられなくなってしまったという人は多いようです。「治療をやめたのは43歳の時です。たまには旅行にでも、と誘ってくれた夫に『もし妊娠してたらどうするの!』と怒鳴ったところ、『そんな怖い顔をしているお母さんのところに、赤ちゃんも来たくないよ』って言われたんです。その時はひどい夫だと思って大泣きしましたが、その後、夫婦で何度か話し合って、治療をやめました。今はまた、夫婦で旅行を楽しんでいて、老後は海外移住もいいかなって話してるんです。子どもや孫の心配がないぶん、身軽にどこへでも行けますからね」●ペットと生活しながら“ゆる妊活”を続けるCさんのケース完全に不妊治療をやめる人がいる一方で、「治療はやめても完全に諦めたわけではない」というCさんのような人もいます。「タイミング療法、人工授精、体外受精、冷えとり、漢方薬、サプリメントなど、さまざまな不妊治療を行ってきたのですが、残念ながら授かりませんでした。私は、ズルズル続けるのはつらいと思っていたし、『治療をやめたとたんに授かった』という話もありますから、最初から42歳までって決めていたんです。ただ、まだ可能性があるかもとは思っていて、卵子に良いというサプリメント療法だけ続けています。あとは、体を冷やさないように気をつけているくらい。赤ちゃんが授からなかったとしても、美容や健康のためにいいので、気は楽ですね」子どもへの思いもありながら本格的な治療をやめるのは、勇気がいる決断だったのでは?「治療をやめたのと同時に犬を2頭飼い始めたので、この子たちが癒やしになってくれている部分は大きいです。もちろん子どもとは違うけれど、夫婦2人だけよりはだいぶ違いますね。子どもは、できたらうれしいけど、できなくても大丈夫だと思えます」今回、3人の女性にお話をうかがって、「子どもがいる、いないが女性の幸せを左右するのではない」と改めて気づかされました。不妊治療をしていると「子どもを授かる」ことだけに意識がいきがちですが、授かってから子育ての大変さ、子を持つことの責任という壁にぶつかって悩む女性も多いでしょう。子ども以外の生きがいや楽しみを持つのは、子どもを授かっても授からなくても、大事なことなのかもしれません。(*1)タイミング療法:エコーで排卵時期を測定し、タイミングを合わせて性交する方法。軽微な排卵誘発剤を処方されることもある(*2)人工授精:精子を排卵時期に合わせて女性の膣内に戻す方法(*3)体外受精:卵子を体内から取り出し、シャーレで精子と受精させて体内に戻す方法<取材・文/島田彩子>
2014年10月13日先日、 「断乳」「卒乳」を成功させるためのやり方! ベストなタイミングと方法 という記事を書きました。実際、自治体の1歳半検診等で「虫歯の原因にもなるので」と卒乳を勧められました。たしかに、夜おっぱいを何度も飲んでいるとなると乳歯に歯垢が付着するので、虫歯になる可能性がないとはいえません。とはいえ、本当のところはどうなのでしょうか?■子どもの虫歯の原因は?小児の予防歯科に積極的に取り組んでいる歯医者さんに聞いてみました!「お口の中に住み着いている虫歯菌は、さまざまな糖類を栄養分にして有機酸を作ります。この酸によって歯が溶けることで、徐々に虫歯は進行していきます。たしかに母乳には乳糖が含まれていますので、虫歯になる可能性があることを完全には否定できません。しかし、砂糖が入っている食品に比べればリスクは低いのです。当院に通っている多くのお子さんを見てみても、長く母乳を飲んでいるかどうかと虫歯の多い少ないはあまり関係がないといえるでしょう。では、なぜそのような差が出るのでしょうか? それは、一人ひとりの虫歯のリスクが大きく異なるからです。虫歯のリスクとは、虫歯菌数、唾液量、唾液の質、飲食回数など、複数の要素がいくつも組み合わさって決まります。また、生活習慣によっても違ってくるので、かなり複雑な条件により、虫歯のなりやすさが決まってくるといえるでしょう。」( 足立区・前田歯科医院 三浦先生 )おっぱいを長く飲んでいることと虫歯になりやすいことには、あまり関係のないことがわかりました。では、虫歯にならないためには何をすればよいでしょうか?■慌てて卒乳しなくてもできる、虫歯予防とは1.親子でしっかり歯磨きする習慣づくりを私たちのところにも「仕上げ磨きを一切させてくれない」というママたちの悩みが多く寄せられます。大人が思っている以上に子どもは、お口の中に触れられることに抵抗を感じるようです。ですから、最初からしっかり歯磨きできなくても構いません。まずは、上の歯の食べかすを取ることを目標にしてみましょう。特に上の歯の歯垢が虫歯の原因になりやすいようです。歯ブラシではなくママの手にガーゼ等を巻きつけてふき取ることから始めてみるのもおすすめです。お子さんが楽しんで、歯磨きをさせてくれるように歌を歌ったり、インターネットで「歯磨きのお歌」を検索して流したりしてもよいかもしれませんね。2.虫歯になりやすい・なりにくいはママの体質?興味深いことに、ママの口の中に虫歯菌が少ない場合、お子さんも虫歯になりにくいのだとか。このことは予防歯科業界では当たり前の話なのだそうです。そのため、妊娠中からママの虫歯菌を減らしていくことが虫歯ゼロのお子さんを増やすことに繋がる、といわれています(前出の歯医者さん談)。妊娠期、カルシウムが奪われて歯が弱ったり、虫歯になりやすかったりする妊婦さんも多くみられますが、きちんと治療し、できるだけ虫歯菌を減らしていくことがとても重要なのですね。皆さんも、卒乳時期を検討しながら、まずはお子さんの歯のケアをしっかり実践し、安心して母乳育児を続けてくださいね。
2014年08月28日虫歯と言えば、「黒く変色した痛みのある歯」と認識している人も多いかもしれない。しかし、一見虫歯には見えない白い歯も、最新の歯科診断基準「ICDAS」(アイシーダス)では虫歯と診断されることもある。そんな「隠れ虫歯」対策を、東京医科歯科大学大学院の田上順次先生に伺った。「隠れ虫歯」の主な特徴は、通常の歯の色よりも白い「ホワイトスポット」があることで、これは歯からミネラルが溶け出してしまっている状態だ。そのまま放置していると、やがて穴の開いた虫歯へと進行する。「隠れ虫歯」の段階であれば、きちんとケアをすることで健康な歯に戻すこともできるが、一度穴が開いてしまうと、歯を削るなどの治療が必要となる。どうすればこの「隠れ虫歯」を発見できるのか、その対策も含めて田上先生に教えていただいた。まず、以下の項目で当てはまるものがあるかチェックしてみよう。(1)歯の根元にほかよりも白いスポットがある(2)1年以上歯医者に行っていない(3)歯を磨くと歯茎から血が出る(4)仕事をしながらおやつを食べることが多い(5)早食いだと言われる(6)スイーツや柔らかいパンなど、優しい食感の食べ物が好き(7)仕事によるストレスを感じやすい(8)睡眠時間が少ない、又は睡眠不足だと感じることがよくある(1)(2)に該当した人は、既に隠れ虫歯がある可能性が高い。初期虫歯のケアについて歯科医に相談するか、定期的に歯科医院で検診を受けて歯石除去などのケアを検討したい。(3)に該当した人は、毎日のブラッシングが正しくできていない可能性がある。力の加減も含めて、正しいブラッシング方法を歯科医に相談してみるのもいいかもしれない。(4)に該当した人は、常に歯からミネラルが溶け出している状態になっているので注意が必要。おやつに含まれる糖類は歯の中にあるミネラルを溶かしてしまうが、通常は唾液中のミネラルによって再石灰化が促される。しかし、常に口の中に糖がある状態だと再石灰化が損なわれてしまい、結果、虫歯を招いてしまう。対策として、食習慣・おやつを見直すことが挙げられる。また、口さみしい時はシュガーレスガムを噛(か)むことで唾液量を増やし、ミネラルを口の中に補給するのもおすすめだ。ガムは「CPP-ACP」などのように、再石灰化成分を配合したタイプを選ぶようにしよう。(5)~(8)に該当した人は、唾液量が少なくなっている可能性がある。咀嚼(そしゃく)量が少ないことや交感神経の過度な緊張は、唾液の分泌を損ねさせてしまう。(4)と同じようにミネラルが取り込めず、虫歯のリスクが高くなる。対策として、噛み応えのある食材を多く取り入れてよく噛むようにする、「CPP-ACP」など再石灰化成分を配合したシュガーレスガムを噛むことを習慣付けるなどが挙げられる。また、ストレスをためないように、リラックスできる時間を積極的にもつことも心がけたい。【拡大画像を含む完全版はこちら】
2013年06月06日メスもいらない熱治療美容スキン治療の世界的市場リーダーであるSolta Medical, Inc.から、全く新しい、シワ取り治療法Thermage Total Tip 3.0を発表した。同社は美容医療の拡大に向けて、患者に対して安心安全で効果的なソリューションを提供し、肌のリサーフェシングと若返り、ニキビ減らし、ボディーコントゥアリング、肌の引き締め用の美容エネルギー機器および最新の脂肪吸引技術を最適化するツール、付属品を開発している。Thermageと呼ばれる治療法は、非侵襲の高周波処置を利用して、しわを取り除き、なめらかでハリのある肌を取り戻すというもの。メスや注射などを一切使わず、治療部位に高周波による熱処理を行うことで、目元のシワや顎、首のたるみに効果的な治療を施すことが出来る。肌質を選ばず安全にまた、Thermageは均一で大容量の熱を施すために、顔面治療に効果的で、1回の治療でも目に見える違いを感じやすいという特性を持っている。Total Tipは2度程度の大量の熱量を安全に照射し、一時的にセルライト(堆積脂肪)の出現を減らす高周波技術を使うことで、肌のなめらかさを取り戻すというもの。この治療法は、患者への治療を通して10年の技術的改善が行われ、より持続的な結果をもたらすよう開発された。2002年以来、100万回を超えるThermage治療が、80カ国余りで行われ、あらゆる年齢層、肌質、治療部位を選ばずに患者に施され、これまで前例を見ないほどに顕著な治療結果があったと多くの医師に受け入れられている。的確な高周波エネルギーによって即効性のある結果を経験することができる上に、全てのスキンタイプに対して安全であるというこの治療法は日本でも数多くのクリニックで取り入れられている。元の記事を読む
2013年05月15日お菓子を食べたときに、はがしそこねた銀紙をかんで「キーン」という痛みがはしった経験はありませんか?私は虫歯の治療をしている歯が多く、スプーンなどが当たったときにも痛みがはしることがあります。この「キーン」という痛み、どうやら虫歯に反応しているよう。口のなかではいったい何が起こっているのでしょうか。おおはし歯科クリニックの院長大橋康之先生に、くわしいお話をうかがいました。■アルミホイルをかんだときに感じる痛み原因とは?――奥歯でアルミホイルをかんだりすると、歯が「キーン」と痛みます。これは虫歯によるものなのでしょうか?「虫歯の治療をしたときに、歯に金属の詰め物やかぶせ物をしていませんか?実はその痛みは、金属間に電流が流れることでおこっており、この電流のことを『ガルバニー電流』や、『ガルバニック電流』といいます。小学校の理科の実験で、塩酸の水溶液に、銅板と亜鉛版を入れて、中程に豆電球をつけた電線でつなぐと、豆電球が発光するというものがあります。電気を通す液体のなかに、異なる種類の金属を同時に浸すと電気が発生するという実験ですが、同様のことが口のなかでも起こっているということですね」(大橋先生)私の口のなかは金属の詰め物だらけ。虫歯の治療をしたことがないという友人が、アルミホイルをかんでも痛むことがないといっていたのは、こういう理由があったんですね。また、歯の詰め物やかぶせ物に、さまざまな種類の金属が使用されていれば、そこでもガルバニー電流は発生するのだとか。つまり、常に電流が流れているということ。……なんだかとても怖くなってきました。■電流が発生することで、体に影響はないの?――口の中で電気が発生しているなんて、想像するだけで怖いのですが、実際体に影響はないのでしょうか?「電流が流れるということは、『イオン化』している、すなわち金属が溶け出しているということ。溶け出した金属は、口の粘膜から体内に吸収されてしまいますから、重金属の体内への蓄積という問題がでてきます。また、溶け出した金属や電流によって刺激され、味覚が変わってしまうという場合もありますね」――虫歯の治療後、「変な味がするようになった」という話を聞いたことがあります。てっきり、詰め物の味かと思っていましたが、電流の影響もあるんですね。「そのほか、電流が発生したことの影響による脳や神経系統への影響も問題視されていますが、これは真偽のほどがはっきりとはわかっていません。あるとしても、そこには大きな個人差があるでしょう。ただ、実際に頭痛や肩こり、歯の痛み、めまい、不眠などの症状を訴えていた患者さんの金属を除去したところ、症状が改善するかなくなったという人もいました。もちろん、これらの症状すべてがガルバニー電流からくるのではありませんが、ガルバニー電流が原因になって、発生している症状もあることが考えられますね」身近にあるちょっとした「イヤなこと」だと思って調べてみたら、意外と大きな問題につながることがわかりました。もし、金属をつかった歯の治療後、体に不調がでているという人は、ガルバニー電流の影響を疑ってみてはいかがでしょうか。■ガルバニー電流をおこりにくくする対策は?――口の中でガルバニー電流をおこさないため、大切なことはありますか?「体に不調が出ているのであれば、金属はすべて取り除いたほうがいいでしょう。ガルバニー電流にとどまらず、体にあわない金属が口のなかにあると、体調不良の原因になることが多いですね。そのことが原因でおこっている問題であるならば、取り去ってしまえば不調が改善されることも多いんです。また、治療に使用する金属は同じメーカーのものにし、貴金属(金やプラチナを主材料にしたもの)を使用すること。貴金属が良いのは、ほかのものに比べて圧倒的に溶けにくく、電気が発生しにくいからです」大橋先生のお話によれば、ガルバニー電流測定器で測ると、同一の金属でも意外と強い電流が流れる場合があるので、「同じ金属だから問題ない」というわけではないのだとか。また、ノンメタルや貴金属にも、個人個人で合う、合わないという問題があるため、個別の検査が必要だそうです。ちなみに、銀歯が入っているという人に、どんなときに痛みやピリピリ感などを感じるかを聞いてみたところ、一番は予想通りアルミホイルでした。そのほか、フォークやスプーンなどの金属食器、中には、缶ジュースを口につけただけでも感じるという人も。なんにせよ、今回のお話で「口に金属が入っていなければ、あの痛みはない!」ということがわかりました。やっぱり重要なのは虫歯予防。私もこれ以上銀歯を増やさないよう、歯を大切にしたいと思います。(OFFICE-SANGA 梅田丸子)
2013年02月15日緑色自然植物を原料にした健康自然食品の販売を行っているグリーンエッセンスは、緑茶成分と歯の虫歯予防に効果のあるキシリトールを使用した「カテキシリグミ」と「カテキシリチョコ」の販売を行っている。価格は、「カテキシリグミ」が280円、「カテキシリチョコ」が360円。「カテキシリグミ」、「カテキシリチョコ」は、お茶の産地静岡県で歯科医院を経営する斉藤欽也氏が開発した健康自然食品。添加物などを使わず、本来の天然緑茶成分や色、においをそのまま変化させない製法(特許済)で製品化している。甘味料には砂糖を使わず、キシリトールのみ使用。カロリーが少なく、虫歯予防効果があるキシリトールは、歯菌の原因となる歯を溶かす酸を作らせないという。また、緑茶には、虫歯予防になるフッ素が多く、抗菌作用、消臭効果など、口腔の健康維持に効果ある成分が含まれている。なお、「カテキシリグミ」は、適度の硬さがあるので、よく噛むことで唾液の分泌を促進することが可能。「カテキシリチョコ」は、口の中でゆっくりと溶かしながら食べることで、茶カテキン・キシリトール効果を生かすことができるとのこと。購入は、同社ホームページの注文フォームからとなっている。【拡大画像を含む完全版はこちら】
2012年10月29日子どものころに学校で、「食後3分以内に3分間、歯を磨こう」と教えられた記憶があります。虫歯が多い筆者は、ウン十年にわたってそれを愚直に守ってきたのですが、先ごろ耳にした情報では、「虫歯予防として、あまり意味がない」そうです。いったい、いつ磨けばいいのでしょうか。歯学博士で口腔(こうくう)衛生・口腔外科が専門の江上歯科院長・江上一郎先生にお尋ねしました。■食後に歯を磨いても虫歯予防にはならない「食後3分以内に3分間、歯を磨けば虫歯にならない?それは『3・3・3運動』といって、歯を磨く動機づけにはなりますが、虫歯をつくらないという意味ではありません」ときっぱり言う江上先生。続けて、「虫歯の原因は、口の中にいるストレプトコッカス・ミュータンス菌と言います。歯に付着した糖分を餌にして、歯の表面にねばねばした物質をつくり出し、増殖して『かたまり』を形成します。これを『歯垢(プラーク)』といいます。そして、その歯垢から産出される酸によって歯のエナメル質が溶けると、虫歯になります」と、虫歯の原因について説明します。食後の歯磨きに意味がないのはなぜでしょうか。「食事をすると、口の中の細菌をいっしょに食べてしまいます。だから、食後の口の中は、虫歯のもととなる菌が一番少ないんですよ。そんなときに歯を磨いても、虫歯予防にはなりません。食後の口の中のニオイが気になる、口の中をさっぱりさせたいなどで歯を磨く人は多いようですが、水でのうがいでいいのです。歯と歯の間にすき間があってそこに食べ物がはさまる場合は、つまようじや歯間ブラシでそれを除いておいてください。食後は、それで十分です」(江上先生)■起床時と、寝る前に磨こうでは、虫歯予防の効果を高めるには、いつ磨くのがよいのでしょうか。「朝、起きたときです。朝食後ではなく、朝食の前に磨いてください。起床時には、口の中がねばねばしているでしょう。これが口の衛生状態にとって最も良くないのです。虫歯、口臭、歯周病の原因は、このねばねばです。起きたらすぐに歯を磨いて、これを取り除いてください。虫歯菌は、夜寝ている間に、歯に着いている糖分を餌にしてどんどん増殖していきます。そして、その増殖した菌によって生み出される「酸」が歯の表面を溶かしていくのです。つまり、虫歯はこの間、夜につくられる、と考えてよいのです。もう一つ、虫歯を予防するのは、唾液(だえき)です。唾液(だえき)には食べ物を消化する役割がありますが、同時に、細菌を殺して口の中を清潔に保つ役割も担っています。小さな切り傷などのケガなら、ツバをつけたら痛みや傷が癒えるでしょう。これは唾液(だえき)の殺菌力の効果です。寝ている間は口の中で唾液(だえき)が減少するため、唾液(だえき)による殺菌力が弱まり、虫歯菌が活動しやすくなります」と、江上先生は虫歯の原因を明快に語ります。さらに、口の中のねばねばを少なくするためには、「寝る前にも磨いて、プラークをできるだけ除いておきます。つまり、虫歯予防のためには、起床時と寝る前に歯を磨くのが一番効果的なのです」(江上先生)■唾液(だえき)が一番の虫歯予防薬江上先生は、虫歯予防について、こう付け加えます。「口の中で、ねばねばと唾液(だえき)はいつも闘っています。口腔(こうくう)内で悪さをしようとするねばねばに、唾液(だえき)が対抗しているのです。唾液(だえき)がふんだんに出ていると、ねばねばを洗い流してくれて、口の中はさらさらでいることができます。赤ちゃんは唾液(だえき)がいっぱい出ていますね。体に入ってくる細菌を唾液(だえき)で防ごうとしているんです。加齢とともに唾液(だえき)は減りますが、若い人でも、緊張感が高いときやストレスがあるときには唾液(だえき)は出にくくなります。口の中が乾いているな、唾液(だえき)が出ていないなと思えば、赤ちゃんの唾液(だえき)をイメージし、ガムをかむ、梅干しを食べる、またあごを動かしたりして唾液(だえき)が出るように意識をしてください。リラックスすることも大切です。何度も歯磨きをするよりも、その方がずっと虫歯予防になります」(江上先生)寝る前と、朝起きたらすぐに歯を磨く。これだけで虫歯など口の中のトラブルは激減するそうです。今日からすぐに実践しましょう。監修:江上一郎氏。歯学博士。専門は口腔(こうくう)衛生。歯科・口腔外科の江上歯科院長。江上歯科大阪市北区中津3丁目6-6阪急中津駅前1分、御堂筋線中津駅前4分TEL:06-6371-8902藤井空/ユンブル)【関連リンク】【コラム】歯科医に聞く。虫歯だけじゃない!気をつけたい歯のトラブルとは?【コラム】驚異!虫歯は感染するってご存じですか?【コラム】歯科医の教え節水もできる「歯磨き」とは?
2012年01月13日親知らず、歯ぎしり、歯ぐきから血が出た……など、虫歯以外でも何かと多い歯のトラブル。気にはなりつつも、ついつい放置していませんか。そこで、歯学博士で専門は口腔(こうくう)衛生である江上歯科(大阪市北区)院長の江上一郎先生に、虫歯以外の歯のトラブルとそのケアや予防についてお話をうかがいました。■ストレスが原因で歯ぐきに炎症が起こるまず、20代、30代に多い悩みが「親知らず」。江上先生は、次のように話します。「前歯から奥に数えて8番目の歯である智歯(ちし)、いわゆる親知らずは、早い人では15歳くらい、遅い人では40歳くらいに生えてきます。親知らずは4本全部ある人や、上下どちらかがない人、全くない人もいます。昔の人は玄米など固いものを噛(か)んで、あごの骨がしっかりと発達していたので、大人になって親知らずが生えてきても、きちんとゆがまないで生えるすき間がありました。ところが現代人は、子どものころに固いものをあまり食べなくなり、あごが小さいまま大人になってしまい、親知らずが生える場所がないパターンが増えています。そのため、親知らずが途中で埋まっていたり、水平埋伏智歯(すいへいまいふくちし)といって、横に倒れてしまい、手前の歯を押して歯並びが悪くなってしまったりする場合があります。また、倒れた歯の下にすき間ができることで歯垢(しこう)がたまり、虫歯にもなりやすくなります」さらに江上先生は、「最近、30代のビジネスパーソンに増えている症状」として、「急性の潰瘍性歯肉炎(かいようせいしにくえん)があげられます。ストレスや疲れがたまると体の免疫力が落ち、ホルモンバランスが崩れ、だ液の量が少なくなります。だ液は、口の中を洗浄したり微生物の繁殖を抑えたりする役目があるので、だ液が少なくなると、歯肉(しにく)が感染を起こし、炎症を起こし潰瘍(かいよう)ができることがあります。潰瘍性歯肉炎は、歯ぐき全体が急に痛くなって何も食べられなくなるので、歯槽膿漏(しそうのうろう)と勘違いされてクリニックにかけ込む方がいらっしゃいます」と江上先生。続けて、「ほかにも虫歯と勘違いしやすい病気として、上顎洞炎(じょうがくどうえん)があります。これは、風邪、アレルギー性鼻炎や花粉症が原因で、鼻の奥の副鼻腔(ふくびくう)に炎症が起きるものです。この上顎洞炎にかかると、上の奥の3本の歯が、虫歯のような痛みを持ちます。鼻をかんだとき、うつむいたとき、首の後ろをトントンたたいたときなどに歯に痛みが走るようであれば、上顎洞炎の疑いがあります」(江上先生)■歯ぎしりが原因で顎関節症にまた、時々、タレントや歌手が「顎関節症(がくかんせつしょう)で入院した」という話題を耳にしますが、この「顎関節症」は「歯ぎしりが原因になっている場合がある」と江上先生は話します。「ストレスが溜まると、寝ている間に無意識に脳がストレスを解消させようと、歯ぎしりを起こす場合があります。歯ぎしりには3つのパターンがあます。一つは歯をギリギリとこすり合わせる『グラインディング』。もう一つは歯を5分や10分といった長い時間グーッと強く押し当てる『クレンチング(食いしばり)』。最後の一つはカンカンカンと音を鳴らす『タッピング』です。これらは、あごの関節に無理な負担がかかり、顎関節症を引き起こします。一人暮らしの方は、自分が歯ぎしりをしているかどうか自分では分からないでしょうから、歯医者さんに行ったときに、歯が摩耗(まもう)していないかをチェックしてもらうとよいでしょう。また、舌の周囲にデコボコと歯の型(圧跡・あつこん)が付いている場合は、舌を強く歯に押し付けているためで、歯ぎしり(クレンチング)の証明になります」(江上先生)最近、江上先生が気になる病気としては、「若年性の歯周炎です。私が担当している小学校の定期健診では、5年ほど前から虫歯だけでなく、歯の汚れ、歯肉炎、顎関節症のチェックをするようになりました。昔はスルメや昆布など、よくかむおやつを食べていました。かむことで、歯の表面の汚れが取れるという自浄(じじょう)作用があります。しかし、スナック菓子のように粉末にしてから成型したものは、口の中でだ液と混ざって歯の表面に付着します。そのまま放っておくと歯垢となり、歯周炎を起こし、ひどくなると膿(うみ)を持って歯槽膿漏にまで発展します」小学生ではなく、会社の引き出しにスナック菓子を常備している大人も要注意というわけです。しかし、「これらの予防には、ガムが効果的です」と江上先生。「ガムをかむことで歯の表面もきれいになり、口の周りの筋肉が発達し、だ液も出やすくなります」と説明します。どうやら歯のトラブルは、多種にわたって存在するようです。虫歯さえ気を付けていれば大丈夫、というわけではないのです。まずは、デスク脇にある常備菓子のスナックをガムに替えることから始めたいと思います。監修:江上一郎氏。歯学博士。専門は口腔(こうくう)衛生。口腔外科を併せ持つ江上歯科(大阪市北区中津)院長。下関崇子/ユンブル)【関連リンク】【コラム】自分の口臭、足の臭いはやっぱり自覚できない!?【コラム】男より女の方が口臭に敏感!?10秒でできる対策とは?【コラム】クセーと言われて心底傷ついた。あなたの体臭対策は?
2011年09月22日経済的理由で治療中断38%景気に明るい兆しが見えず、失業率の上昇や派遣切りなどが問題視されている一方で、患者が治療費を払うことが困難となり、治療を途中でやめるケースが増えていると報告されます。鳥取県保険医協会が、全国保険医団体連合会の呼びかけに応じて、医師・歯科医467人を対象に115人から回答を得た実態調査で、下記のような調査結果が報告されています。毎日.jpによると「患者の経済的理由で治療を中断した」と答えた医師数は44人(38・3%)▽「なかった」が32人(27・8%)▽「わからない」が39人(33・9%)だった。と、回答した医師のうち38%にあたる44人が「患者の経済的理由で治療を中断した」と答えています。中断した患者の病気は高血圧12人▽糖尿病11人▽高脂血症7人▽虫歯7人▽前立腺肥大3人など。が挙げられており、通院をしいられる慢性的な病気が多く報告されています。調査結果では、治療を継続する上での費用がかさみ途中で治療を断念する様子が伺えます。命に関わるケースが存在する場合もあり、治療費の補助を行政が行うなど、なんらかの形で対処が必要と指摘されます。
2010年11月09日通院による治療費も保障損保ジャパンひまわり生命保険は11月、通院による治療費も保障するがん保険を発売する。入院を伴わない通院治療を制限なく保障するのは、生命保険業界初となる。新しく販売されるのは、「勇気のお守り」で、販売開始は11月2日。初の「がん外来治療給付金」を創設がんの治療は入院から通院に大きくシフトしており、がん保険において通院保障の充実を求める声が多い。損保ジャパンひまわり生命保険では、こういった実態を調査したうえで「勇気のお守り」を開発した。「勇気のお守り」では、生命保険業界初の「がん外来治療給付金」を創設しており、「がん先進医療特約」をはじめとするオプションが用意されている。さらに、医療保険『健康のお守り』用に「がん外来治療給付金」「がん診断給付金」を特約化している。同社は、がん治療に立ち向かう勇気を守りたいとしている。
2010年10月02日虫歯の治療に使う歯科用貴金属が、10月から大幅な値上がりとなる。金などの貴金属の高騰によるもので、原則3割負担となっている現在の保険制度で金銀パラジウム合金を虫歯1本に被せる場合では、患者の材料費負担額が110円(3割分)上昇するという。これは、日本経済新聞が報じたもの。【画像 emrank : Eid Mubarak’s buddy icon】1年前に比べ金は2割、パラジウムは7割アップが背景このところ、金の国際価格は最高値をつけるなど上昇を続けており、国内価格も過去1年前に比べ2割上がっている。パラジウムは何と7割のアップという。貴金属メーカーの歯科医向け金銀パラジウム合金の材料販売価格は、半年毎に見直される仕組みで、厚生労働省の諮問機関である中央社会保険医療協議会が、10月よりグラム当りで802円と、183円の引き上げを決めたことによる。したがい、通常で1本当り2グラム使用することから、先の負担増になるという訳。保険料の値上げは他にもあり、家計には厳しい秋となりそうだ。
2010年09月29日