アドバンテストは6月16日、DRAMとNAND型フラッシュメモリの両方の試験に対応可能なメモリ・テスト・システム(メモリテスタ)「T5833」を開発、2015年6月中に出荷を開始すると発表した。同製品は、モバイル製品で用いられるDRAM(LPDDR3など)、NAND、MCP(Multi Chip Package)のウェハ試験とパッケージ試験を実施することができるもので、ウェハ試験は最大2048個、パッケージ試験は最大512個の同時テストが可能。また、複数のCPUを測定対象デバイスの試験工程に最適になるように組み合わせて制御する「フレキシブル・サイトCPU・アーキテクチャ」を採用することで、テスト時間の短縮とスループット向上を実現したとする。さらに、ウェハ試験に不可欠な不良解析機能の解析速度は従来機比で約2倍に向上したほか、不良アドレス各脳機能も高速化しており、テスト時間の短縮と救済可能IC数の増加による歩留り改善を可能とする。加えて、スケーラブルな構造を採用しており、演算用CPUの追加などによる高機能化や高速化、大容量化を図ることができるため、現場のニーズに最適なシステムを初期投資を抑えつつ構築することを可能にするとしている。
2015年06月16日米航空宇宙局(NASA)は米国時間2015年6月8日、将来の火星探査機の着陸技術の試験機「LDSD」の、2回目となる飛行試験を実施した。これまでより大型の探査機を火星に着陸させるには、今までよりも大型のパラシュートや、まったく新しい減速装置が必要となる。LDSDはそうした技術の実証試験を行うために開発された。LDSDは約1年前の2014年6月28日に初の試験を行ったが、パラシュートの展開に失敗し、完璧とはいえない結果に終わっていた。今回はその雪辱戦となったが、今回もパラシュートの展開に失敗し、残念な結果となってしまった。第1回ではLDSDの概要について紹介した。今回は、2015年6月8日に実施された第2回の試験の顛末を見ていきたい。○雪辱に向けて2014年の試験はやや残念な結果に終わったが、米航空宇宙局(NASA)は2回目の試験に向けて、LDSDにいくつかの改良を加えた。まず、機体の側面から膨らむように展開される減速装置の「SIAD-R」(Supersonic Inflatable Aerodynamic Decelerator)は、2014年の試験で成功したことから、今回は新たに一回り大きな「SIAD-E」が搭載された。SIAD-Rの展開時の大きさは直径6mだったが、SIAD-Eは8mとなっており、より大きな減速効果が期待された。また展開方法も、SIAD-Rはガスを注入して膨らませる方式だったが、SIAD-Eはラム圧(空気抵抗の力を利用した圧力)を使って膨らませる方法を採用している。そして最大の違いは、2014年の試験で展開直後に破れてしまったマンモス・パラシュートだ。2014年の試験で使われたものは、パラシュートの頂点から布が放射状に広がる「ディスクセイル」と呼ばれる構造をしていたが、2015年の試験では「リングセイル」と呼ばれる、直径の異なるドーナツ状の布が同心円状に広がる構造に改良された。また強靭な繊維としておなじみのケヴラーもより多くパラシュートに編み込まれ、強度も増している。○Oh, Chute!第2回試験の実施日は2015年6月2日から12日の間に設定された。場所は前回と同じ、ハワイのカウアイ島にある米海軍が保有する太平洋ミサイル試射場が選ばれた。着水海域の天候不良で延期を繰り返したが、現地時間2015年6月8日7時45分(日本時間2015年6月9日2時45分)、ついにLDSDを積んだ気球が上空に向けて放たれた。気球は約2時間20分をかけて、高度約36kmまで上昇し、LDSDを分離した。直後、LDSDは機体を安定させるため、側面に装備された小さなロケット・モーターが噴射され回転をはじめた。さらにその直後、機体の下部に装備されたロケット・モーターに点火され、約1分をかけて高度約55kmまで一気に上昇した。最大速度はマッハ4にも達した。ロケット・モーターの燃焼が終わり、弾道軌道の頂点に差し掛かったところでSIAD-Eの展開が行われた。展開は成功し、降下する過程でマッハ2.4まで機体を減速させることに成功した。そして機体の上部から、折り畳まれた状態のパラシュートが、機体の進行方向の反対側へと引き出された。試験飛行にかかわる科学者や技術者をはじめ、NASA TVを通じて世界中の人々が見守る中、巨大パラシュートが開いた。しかし、パラシュートは一瞬で破れた。それはまるで2014年の試験の再現のようだった。映像を観察していた科学者のひとりが「Oh, Chute!」と思わず声を上げた。LDSDはそのまま高速で降下を続け、太平洋上に落下した。○実験は成功、2016年夏に再々挑戦試験から1日が経った米国時間6月10日午後(日本時間11日未明)、NASAは記者会見を開いた。NASAは、パラシュートの失敗にもかかわらず、実験としては成功と発表した。LDSD計画のプロジェクト・マネージャーを務めるマーク・アドラー(Mark Adler)氏は「実験としては成功だったといえる。ただ、パラシュートが過大な膨脹に耐えることができなかったことは明らかだ」と語った。「どのような科学実験でもそうだが、実験を行うことができ、データが得られ、またそこから何らかの結論が得られるのであれば、それは成功である」。またNASAの宇宙技術ミッション局の責任者を務めるスティーヴ・ジョージック(Steve Jurczyk)氏も「私たちがレコーダーやメモリーからデータを取り出すことができれば、実験チームとしては今回の飛行における成功基準を満たしたと考える」と語った。また記者会見では、海上に落下したLDSDの機体が回収でき、高解像度の映像データを含む、多くの重要なデータが取り出せたことが明らかにされ、これによりパラシュートのより一層の改良に役立つと明言された。パラシュートの失敗原因については、現段階ではまだ調査中のため多くが語られることはなかったが、今回の実験の主任研究員を務めるイアン・クラーク(Ian Clark)氏は「暫定的なデータを見る限りでは、パラシュートは全開か、あるいはほぼ全開まで開いたことを示している。そこで抗力が大きくなった結果、破れたようだ」と語っている。「昨年は展開が始まってすぐに破れてしまったが、今年は完全に開くまで、パラシュートはほぼ無傷だったように見える。またより大きな抗力が生成されたことも確認できた。この2点はプラスの成果だ」。また会見では、将来の火星探査にとって、この新技術は必ず必要なものであるとも語られた。ジョージック氏によると「この新技術は、5t級の探査機を火星表面に降ろすことが可能だ」という。これまで火星に着陸した最も大きな探査機は「キュリオシティ」で、質量は約1tだった。つまりその5倍の質量の探査機を着陸させることが可能になるわけだ。さらにこの新技術を使うことで着陸精度も上げられるため、火星の山岳地帯など、これまでは探査機の着陸が困難だった地域にも降ろすことも可能になるという。また、有人火星探査では、着陸船はおよそ20tにもなることが予想されている。ジョージック氏は「有人着陸では、たとえばSIADのような膨張式の減速装置や、パラシュート、ロケットによる逆噴射といった、さまざまな技術の組み合わせが使われることになるだろう」と語った。なお、2016年の夏には、3回目となる試験飛行の実施が予定されている。これは今回の試験の結果にかかわらず、あらかじめ計画されていたことだ。アドラー氏によると「NASAとしては、それぞれの減速技術(SIADやパラシュートなど)について、実際の火星探査機に採用する前に、最低2回は試験に成功しなければならないとしている。SIADについてはそのハードルをクリアした。パラシュートについては、NASAは4回目の試験までにクリアすることを見込んでいる」と述べた。はたして3度目の正直となるか、来年の試験飛行に期待したい。
2015年06月11日米航空宇宙局(NASA)は米国時間2015年6月8日、将来の火星探査機の着陸技術の試験機「LDSD」の、2回目となる飛行試験を実施した。これまでより大型の探査機を火星に着陸させるには、今までよりも大型のパラシュートや、まったく新しい減速装置が必要となる。LDSDはそうした技術の実証試験を行うために開発された。LDSDは約1年前の2014年6月28日に初の試験を行ったが、パラシュートの展開に失敗し、完璧とはいえない結果に終わっていた。今回はその雪辱戦となったが、今回もパラシュートの展開に失敗し、残念な結果となってしまった。今回はLDSDの概要から今回の試験の顛末を、2回に分けて見ていきたい。○低密度超音速減速装置LDSDはLow Density Supersonic Deceleratorの頭文字から取られている。直訳すると「低密度超音速減速装置」、少し意訳すると「低密度の大気の中で、超音速のスピードから機体を減速させる装置」とでもなろうか。この低密度の大気というのは、火星の大気のことを指している。火星の大気は地球のそれと比べるととても希薄で約1/100程度、火星地表の気圧は地球の高度30km付近の成層圏の気圧と同じぐらいしかない。一方、火星の地表に探査機を着陸させるためには、パラシュートを使って減速しなければならない。実際、これまで火星に着陸した数多の探査機はみな、パラシュートを使って減速してきた。たとえばNASAは、1976年に火星着陸に成功した探査機「ヴァイキング」から、「マーズ・パスファインダー」や「マーズ・エクスプロレイション・ローヴァー」、「フィーニクス」、そして最新の「キュリオシティ」に至るまで、パラシュートの設計をほとんど変えずに使用し続けている。しかし、このヴァイキング由来のパラシュート技術は、能力的にキュリオシティぐらいの規模の探査機までにしか使うことができない。将来的に、今までより大型の探査機を着陸させようとした場合、あるいは有人火星探査を行おうとするならなおさら、これまで以上に大型の新しいパラシュートか、もしくはまったく新しい技術を使わなければ、十分に減速させることができない。希薄な大気の中を超音速で飛ぶ機体をどうやって減速させるのか。LDSDはその技術を試すために開発された。もちろん火星で試験するわけにはいかないので、試験場所は地球の成層圏が選ばれた。地球の成層圏が火星の地表近くの大気と似ているなら、そこで試験ができるではないか、という理屈だ。○NASAの空飛ぶ円盤LDSDはハンバーガーのような円盤状の本体を持ち、その見た目から「空飛ぶ円盤」などと呼ばれる。NASA自身も「flying saucer」と呼んでいるほどだ。この円盤部分の直径は4.7mで、内部には2種類の減速装置が搭載されている。また機体の下部には固体ロケット・モーターが装備されている。これらすべて含めた質量は3088kgになる。2種類の減速装置のうち、ひとつは「SIAD」(Supersonic Inflatable Aerodynamic Decelerator)と呼ばれる装置で、まるでライオンのたてがみのように、LDSDの側面からガスで膨らませる風船が飛び出す仕組みになっている。これにより大気にぶつかる面の表面積が大きくなるため、より大きな抵抗を受けることで減速しやすくなるわけだ。SIADにはSIAD-RとSIAD-Eという2種類があり、SIAD-Rの展開時にはLDSDの直径は6mに、SIAD-Eはさらに大きく8mにもなる。2014年の試験で使われたのはSIAD-R、今回の2015年の試験で使われたのはSIAD-Eだ。そしてもうひとつが、直径30mを超える巨大なパラシュートだ。ヴァイキングやキュリオシティの着陸時に使われたパラシュートの直径は約15mだったので、実に4倍もの面積にもなる。NASAでは「マンモス・パラシュート」などとも呼ばれていいる。SIADとマンモス・パラシュートは、2012年から2014年にかけて、風洞試験や、ロケット・モーターで加速する列車に搭載しての試験などが行われた。そして良好な結果が得られたことから、いよいよ実際に飛行試験が行われることになった。LDSDはまず、気球を使って高度36kmの上空まで運ばれる。そして気球から分離された後、小型のロケット・モーターで機体を回転させ、コマのように安定させる。続いて下部に装備している固体ロケットに点火し、一気に高度55km、成層圏のほぼ上端まで駆け上がる。速度は最大でマッハ4にも達する。試験はここからが本番だ。まずSIADを展開してマッハ2.5ほどにまで速度を落としたのち、巨大なパラシュートが展開される。そしてゆっくりと太平洋上に着水する。SIADとパラシュートの展開と、それらによる減速が実証できれば、この試験は成功となる。○2014年の試験LDSDの最初の試験は、今から約1年前の2014年6月28日、ハワイのカウアイ島にある米海軍が保有する太平洋ミサイル試射場を借りて行われた。現地時間8時45分(日本時間29日3時45分)にLDSDを吊るした気球が放出され、2時間20分後に高度37kmに到達した。そしてLDSDは気球から分離され、ロケット・モーターに点火し、目標の高度55kmに到達した。そしてSIAD-Rの展開に成功、LDSDはマッハ2.5まで速度を落とし、続いてパラシュートの展開が始まった。一瞬無事に開いたかに見えたが、しかし直後、無残にも引き裂かれるように破れてしまった。LDSDはそのまま太平洋上に落下したが、機体や内部の記録装置などはほぼ無傷で回収でき、次の試験に向けた改良に役立てられることになった。またNASAでは、初の飛行で貴重なデータが多数得られたことで、ミッション全体としては成功だったと発表している。とはいえ、パラシュートの展開ができなくては、実際の火星探査機に使うことはできない。NASAではパラシュートを中心に改良を加え、2015年の中ごろを目処に2回目の試験を行うこととした。(続く)
2015年06月10日三菱航空機と三菱重工業は6月8日、次世代のリージョナルジェット機であるMRJ(Mitsubishi Regional Jet)の飛行試験機初号機による走行試験(Low Speed Taxiing Test)を県営名古屋空港(愛知県豊山町)で開始した。Taxiing(タキシング)は航空機が自らの動力で地上を移動するもので、航空機は離陸前と着陸後の移動をほとんどタキシングによって行う。今回の走行試験では、低速自走状態における制動確認およびステアリングによる方向制御の確認を実施する。三菱重工業と三菱航空機は現在、9~10月の初飛行を目指し、各種地上試験や量産段階への移行準備など一体となった事業展開を進めている。(c)2015 MITSUBISHI HEAVY INDUSTRIES, LTD. All Rights Reserved.
2015年06月08日三菱航空機と三菱重工業は6月8日、リージョナルジェット機・MRJ(Mitsubishi Regional Jet)の飛行試験機初号機による走行試験(Low Speed Taxiing Test)を、県営名古屋空港で開始したと発表した。Taxiing(タキシング)とは、航空機が自らの動力で地上を移動することを指し、今回の走行試験では、低速自走状態における制動確認およびステアリングによる方向制御の確認を行う。MRJは70~90席クラスの次世代民間旅客機で、大幅な燃費性能向上と騒音・排出ガスの削減が図られている。現在、407機(確定223機)を受注しており、今年9月~10月の初飛行を目指し、各種地上試験や量産準備などが進められている。
2015年06月08日三菱航空機と三菱重工業は6月8日、次世代のリージョナルジェット機であるMRJ(Mitsubishi Regional Jet)の飛行試験機初号機による走行試験(Low Speed Taxiing Test)を県営名古屋空港(愛知県豊山町)で開始した。Taxiing(タキシング)は航空機が自らの動力で地上を移動するもので、航空機は離陸前と着陸後の移動をほとんどタキシングによって行う。今回の走行試験では、低速自走状態における制動確認およびステアリングによる方向制御の確認を実施する。MRJは三菱航空機が開発する70~90席クラスの次世代民間旅客機で、大幅な燃費性能向上と騒音・排出ガスの削減を実現し、これまでのリージョナルジェット機にはない快適な客室空間を提供する。現在の受注機数は407機(うち確定223機)で、2014年10月にはロールアウト式典を実施した。三菱重工業と三菱航空機は現在、9~10月の初飛行を目指し、各種地上試験や量産段階への移行準備など一体となった事業展開を進めている。(c)2015 MITSUBISHI HEAVY INDUSTRIES, LTD. All Rights Reserved.
2015年06月08日エーザイは5月21日、研究者向けに臨床試験データの公開を開始したと発表した。この取組は外部ウェブサイトを利用して行われており、研究者が臨床試験データへのアクセスをリクエストすると、エーザイが関与しない独立審査委員会による審査が行われる仕組みとなっている。審査でリクエストが承認されると、匿名化された臨床試験データへのアクセス権が研究者に付与される。対象となっている臨床試験データは2014年1月1日以降に米国、欧州に申請し、承認され製品になったもの。なお、同ウェブサイトでは臨床試験の情報が英語で掲載されている。エーザイは「臨床試験に関する情報およびその結果をより広く公開することは、医学、科学の発展につながり、公衆衛生の向上に寄与するものと考えています」とコメントしている。
2015年05月21日エルピーアイジャパンは5月12日、「Apache CloudStack技術者認定試験 by LPI-JAPAN(ACCEL:アクセル)」の受験予約を開始した。6月1日より配信開始となる。同試験では、CloudStackに関する専門知識や構築・運用管理のスキルが認定され、資格の認定者は、下記のようなCloudStackを使用したクラウドシステムの構築・運用管理に必要な技術力を持つプロフェッショナルであることが証明される。CloudStackの機能を活用して、利用用途に応じたインスタンスとネットワークの作成や管理を行えるCloudStackの機能や制限を理解し、適切な構成モデルを選択してCloudStackを構築できる稼動状態を把握し、障害の切り分けに必要な情報を取得できる翻訳やバグの報告を通じてCloudStackの発展に貢献できる受付予約は5月12日より、ピアソンVUE社にて開始されている。試験は90分間のCBT(コンピュータベーストテスティング)方式で、受験料は1万5,000円(税抜)。詳しい申し込み方法についてはこちらを参照のこと。
2015年05月12日IPA情報処理技術者試験センターは5月12日、国家試験「情報処理技術者試験」のうち、「応用情報技術者試験」の午後試験について、出題構成の見直しを実施すると発表した。応用情報技術者試験は、システム開発に関する知識をはじめ、情報セキュリティ、プロジェクトマネジメント、経営戦略など、ITに関する幅広い知識と応用的なスキルを評価・認定される国家試験。春期(4月)と秋期(10月)の年2回実施されており、年間約10万人が応募している。今回の出題構成の見直しでは、ストラテジ分野とプログラミング分野の2分野から構成される選択問題と、ネットワーク分野、データベース分野、プロジェクトマネジメント分野など8分野から構成される選択問題が統合され、全10分野から構成される選択問題に変更された。また、選択問題の解答数がこれまでの5問から4問に変更。午後試験全体の試験時間は変更されないため、1問あたりの解答時間が増加することになる。各問題の配点は、必須問題の情報セキュリティ分野も含め、すべて20点に統一される。これら変更の適用は平成27年度秋期試験から実施される予定。
2015年05月12日Teledyne LeCroyの日本法人であるテレダイン・レクロイ・ジャパンは、USB 3.1試験ソリューションの中核となる物理層の送信機/受信機用自動コンプライアンス試験パッケージ「QPHY-USB3.1-Tx-Rx」を発表した。同製品により、USB 3.1の試験を最新のUSB 3.1の試験規格に準拠してGen1(5Gb/s)およびGen2(10Gb/s)で行うことができる。送信機の試験は、広帯域16GHzのデジタル・オシロスコープを用いて行い、受信機の試験は、Protocol Enabled Reciever and Transimetter Tolerance Tester (PeRT3)を用いて行う。同製品は、QualiPHY自動コンプライアンス試験フレームワークを利用しており、接続図の表示、オシロスコープの自動制御、試験レポートの自動作成をサポートする。同社のデジタル・オシロスコープと独自の機能を持つPeRT3の組み合わせると、統合送信機/受信機試験ソリューションを構築できる。例えば、QPHY-USB3.1-Tx-Rxでは、送信機試験においては、PeRT3を用いて被試験デバイスをコントロールして、各試験に必要な信号パターンを送信させて完全自動で試験を実施したり、受信機試験に先立ち、オシロスコープがPeRT3の構成を自動で行う。このように、2つの試験装置を組み合わせることで試験が簡単になり短時間で終える。複数の機器の設定を異なるインタフェースで行う他社のソリューションと比較して、QPHY-USB3.1-Tx-Rxは、単一のインタフェースで送信機と受信機の試験が行えるため、非常に簡素な操作で省力化にも寄与する。
2015年03月30日イオンリテールはこのほど、マンションのベランダや戸建ての庭向けに造園から保守までトータルに提案する「ガーデニングパック」の試験販売をイオン幕張新都心店にて開始した。○世界的ガーデンデザイナー石原和幸氏とコラボレーション同サービスは、近年、趣味の1つとしてG.G世代に人気のガーデニングを、自宅でも本格的な造園で楽しめるよう、新たなビジネスモデルへの挑戦として進めるもの。世界最高峰のガーデニングショー「英国チェルシーフラワーショー」で何度も金賞に輝くなど世界に認められるガーデンデザイナー石原和幸氏率いる石原和幸デザイン研究所が造園する。限られた空間でも、一流のセンスで緑あふれる上質なくつろぎの場を提案するという。ベランダや戸建てでも、洋ガーデンでも和風庭園でも、予算に応じて選べるプランを用意。洋風の「ベランダガーデンプラン」、和風の「坪庭パック」それぞれ30万円、50万円、80万円のプランを用意する。また、引渡しから3年間は、年に1回の点検付きなので安心できる。訪問時に、不明な点や管理方法についてアドバイスをし、より適切な手入れが可能となる。150cm以上の樹木は1年間保証付きとなり、初心者でも安心のプランとなる。
2015年03月26日Rails技術者認定試験運営委員会は3月13日、Rails技術者認定試験のエントリー資格となる新試験「Rails4技術者認定ブロンズ試験」を実施すると発表した。なお、ベータ試験が4月25日より合計4回実施される。同試験は、Ruby on Railsの専門知識の習得を評価することにより、認定者の雇用機会や認定者が所属する会社のビジネスチャンスの拡大を図ることを目的としている。対応バージョンはRails 4.0。設問は全40問の選択式で、試験時間は1時間。7割以上の正解で合格となる。受験料は1万円(税抜)。第1回目のベータ試験は田町グランパークタワーにて4月25日に行われる。ベータ試験の受験料は無料で、合格者は本認定扱いとなる。本試験は今年の秋より全国160か所のオデッセイコミュニケーションズCBTテストセンターにて実施される。
2015年03月13日Visa、Pizza HutおよびAccentureの3社はこのほど、車での移動中にモバイルやオンラインによる商品購入が可能なコネクテッドカーの実証試験に、共同で取り組んでいると発表した。コネクテッドカーの概念は、車で移動することが多く忙しい消費者を念頭に、最先端の決済セキュリティとセルラーやワイヤレス技術を組み合わせて、同車での決済体験を検証するもの。今回実施する商品購入のデモンストレーションは、この種のものとしては業界初となるという。当面は対象をファーストフード店での注文に限定しているが、ガソリン購入や駐車場など様々な場面で活用できるとしている。コネクテッドカーのダッシュボードには、Visaのオンライン決済サービス「Visa Checkout」を内蔵し、車の中から簡単に食べ物を注文できる。また、自動音声応答装置(IVR)を利用することで、運転中でもハンドルから手を離さずにメニューの注文や認証が行えるという。同車にはこのほか、セルラー接続やBluetooth Low Energy(BLE)技術に加え、Pizza Hutの店舗に導入されている注文客が商品の受け取りに来たことをスタッフに知らせるビーコン(信号)技術も搭載される予定で、これら全ての技術のインテグレーションをAccentureが担当する。Visaは2015年3月2~5日、スペイン・バルセロナで開催中の「Mobile World Congress」にて、デモンストレーションを実施。また、商品購入実験は2015年春から3カ月間に渡り、米・北カリフォルニア地域でパートナー各社により行われる計画となっている。
2015年03月05日富士フイルムは2月24日、抗インフルエンザ薬「アビガン錠200mg(一般名:ファビピラビル)」がギニアで実施されていたエボラ出血熱に対する臨床試験において、その有効性が示唆される中間解析結果が得られたと発表した。フランス国立保健衛生研究機構は2014年12月17日よりギニアの4カ所でアビガン錠の臨床試験を実施しており、今回、最初の80例の中間解析結果を公表した。臨床試験では、治療開始時のエボラウイルス量が中程度から高い患者群(血液1ml中のウイルスコピー数が108以下)で、試験開始3カ月間の同レベルの基礎療法(栄養分や水分を補給する治療法)と比べて死亡率が30%から15%へと半減した。一方、エボラウイルスが非常に高い患者群(血液1ml中のウイルスコピー数が108以上)ではアビガン錠投与による死亡率減少は見られなかった。また、同試験ではインフルエンザ治療に比べて高容量で10日間投薬したが、有害な事象は確認されなかったという。今回、一部のエボラ出血熱患者に対してアビガン錠が有効性を示したことを踏まえ、富士フイルムグループは「引き続きエボラ出血熱の感染終息に貢献するとともに、治療法確立に向けて、フランス政府やギニア政府、日本の関連当局に全面協力していく」とコメントしている。
2015年02月25日リベリアで行われていた、エボラ出血熱の未承認治療薬「ブリンシドフォビル」の臨床試験が中止された。2月4日、国境無き医師団(MSF)が発表した。同試験は英オックスフォード大学主導のもと、MSFがリベリアで運営するエボラ治療センターで1月上旬より開始されたが、患者数が減少傾向にあったため、隣国シエラレオネの治療センターに試験を編入する検討を行っていた。ところが、「ブリンシドフォビル」を製造するChimerixがリベリアに限らず今後一切の臨床試験に参加しないと発表したため、同治療薬の臨床試験中止が決定した。患者数の減少は他の臨床試験にも影響を与えているが、MSFはギニアでの抗ウイルス薬「ファビピラビル(商品名:アビガン)」の臨床試験に継続して協力するほか、2月第2週にはエボラ回復者の血漿を用いる試験を開始するとしている。
2015年02月04日三菱航空機は現在開発を進めている「MRJ」(三菱リージョナルジェット)の、初飛行に向けた各種試験の最新動画を公表した。MRJは今春にも初飛行を予定しており、1月13日には飛行試験機初号機において右舷エンジンの試験運転を初めて実施した。ほかの飛行試験機2,3,4号機においても、最終組み立てを進めている。現在公開されている動画は、1月13日に実施した飛行試験機初号機における右舷エンジンの試験運転と、2014年12月25日に実施した全機静強度試験機の主翼上曲げ試験の様子となっている。飛行試験機初号機における右舷エンジンの試験運転の動画全機静強度試験機の主翼上曲げ試験の動画
2015年01月26日人生を左右する大事な試験のときや大事なプレゼンの日に限って、お腹を壊したことはありませんか?特に受験シーズンは気温の低下でお腹も冷えがちです。今回は良い眠りで、緊張による胃腸症状を改善する方法をお伝えします。試験で緊張すると、お腹を壊しやすいのはなぜ?冬の受験シーズンにお腹を壊しやすい人が増えるのは、主に温度変化とストレスが原因だそうです。脳と腸は、自律神経を介して直接つながっているといいます。気温の変化や試験による緊張が胃腸に出やすいのは、この自律神経の乱れが胃腸に伝わりやすいのが原因と考えられています。また、人は強いストレスを感じると、免疫を抑制するホルモンを分泌することが明らかになっています。免疫力は、腸内環境と密接に関わりがあるのだとか。試験やビジネスシーンでの大切な場面で強いストレスを感じると、免疫力が低下した上に腸内環境が悪化して腸内の悪玉菌が増えるので、下痢・便秘・胃もたれなどの症状が出てしまうようです。睡眠によって、免疫力や記憶力がUPする!?自律神経のバランスを整え、免疫力を上げるには質の良い眠りが欠かせません。入眠ホルモンとよばれるメラトニンには、自律神経を調節し、免疫機能を活性化する作用があるそうです。ストレスによる胃もたれは、交感神経が過剰に働いていることが原因になっているといいます。そのため、交感神経の亢進を抑える副交感神経が優位になれば、胃酸が過剰に分泌されるのを防げるといわれています。質の良い睡眠によって、胃腸症状が改善するのは副交感神経の働きによるものだそうです。また、睡眠には、記憶力を高める効果も期待できます。ある実験では、午後11時に寝たグループと夜中まで勉強して午前3時に寝たグループを比較。しっかりと睡眠を取ったグループの方が、英単語の暗記テストで良い成績を取ったのです。これは深い睡眠によって、脳の記憶を司る部位に記憶したものが刷り込まれるためだといわれています。試験やプレゼン本番で実力を発揮するための睡眠って?睡眠は胃腸の健康だけではなく、記憶力UPにも効果があることがわかりました。では、試験本番で実力を発揮するには、どうしたらいいのでしょうか?まず、しっかりとまとまった時間の睡眠を取ることが大切です。試験前で少しでも追い込んで勉強したい気持ちはあるでしょうが、睡眠不足によって記憶した内容を思い出す「想起力」が低下するそうです。せっかく詰め込んで学習しても、覚えたことを思い出せないと実力は発揮できませんよね。記憶を定着させる脳の働きは、眠りの前半に活発になるといわれています。こまぎれに睡眠を取るのではなく、ぐっすり眠って脳と身体をしっかりと休ませ、万全の体制で試験本番に臨みましょう!Photo by Timothy Krause
2015年01月19日ミクシィは14日、同社が運営するSNS「mixi」において、アカウント追加機能を試験的に提供開始した。PCとスマートフォンのブラウザ版にて利用できる。試験的に提供開始された機能は、自分のmixiアカウントにあたらしいアカウントを追加できる機能。この機能を利用することで、ユーザーは2つのmixiアカウントを保有することができる。同社は、ユーザーより利用用途に合わせアカウントを使い分けたいという要望があったと説明し、具体的な利用例として「友だちとのコミュニケーションと趣味のイベント情報の使い分け」、「学生時代の友だちと会社の同僚との投稿内容の使い分け」などを挙げている。追加されたアカウントについて、既存のアカウントと同一人物が作成したことはユーザーにはわからないが、mixi運営側は2つのアカウントが同一人物によるものだと把握できる。そのため、一方のアカウントで違反行為を行った場合、保有している2つのアカウントに対処するという。正式提供は、2015年3月を目指しており、その際にはログアウトせずにアカウントを切替えられる「アカウント切り替え機能」も提供する予定。また、スマートフォンアプリ版での提供については、順次対応していくとしている。(記事提供: AndroWire編集部)
2015年01月14日三菱航空機は1月13日に初めて行った、「MRJ」(三菱リージョナルジェット)飛行試験機初号機右舷エンジンの試験運転の写真を公開した。MRJは今年第2四半期に予定しているYS-11以来約50年ぶりの国産旅客機かつ初の国産ジェットで、13日より初飛行に向けた本格的な各種試験が始まった。エンジンの初運転によって、機体に搭載されたエンジンなどの動力系統、各種システム(油圧・燃料・空調・電気系統など)が機体として総合的に作動したことが証明されたという。今回の全機静強度試験は、設計・製造された機体の強度が航空機を安全に飛行させるために必要な基準を満たしていることを検証する機体構造試験のひとつ。あらゆる飛行条件の中で想定される最大の力を負荷するもので、予測通りの試験結果が得られたという。
2015年01月14日ライオンは、2015年のセンター試験を受験する予定の全国の高校3年生と、全国の浪人生(予備校生あるいは自宅浪人生)を対象に「ストッパ・センター試験に関する意識調査」を実施した。調査は2014年11月22日~24日に実施し、200名から有効回答を得た。○センター試験の受験、8割が「プレッシャー感じる」2015年のセンター試験の受験にプレッシャーを感じるか尋ねたところ、「とても感じている」(48.0%)、「やや感じている」(30.5%)と、合わせて約8割がプレッシャーを感じていることがわかった。また、新過程に対応している現役生に対して、浪人生はどう感じているのか聞くと、34.0%が「非常にプレッシャーに感じている」、41.0%が「ややプレッシャーを感じている」と回答した。合わせると75%の浪人生が現役生をプレッシャーに感じているようだ。○浪人生の7割が出題範囲の改定は「不利にはたらく」出題範囲の改訂が自分にどのように働くか聞くと、現役生の約6割は「有利にはたらく・やや有利にはたらくと思う」と回答した。一方、浪人生の約7割は「不利にはたらくと思う・やや不利にはたらくと思う」と回答している。出題範囲改定への捉え方がそれぞれ異なり、浪人生の方がより不安に感じていることがわかった。具体的にセンター試験の出題範囲改訂について不安に感じる点について聞いたところ、浪人生は「過去の傾向が読めず対策ができない。運が悪ければ落ちる可能性もある」「対策しなければならない範囲が広くなるため、対策も難しい」などネガティブな回答が多かった。一方現役生は「過去の傾向が読めず対策が出来ない分、皆、同じ条件となり安心」「運がよければ受かる可能性がある」「対策の範囲が広くなるため、周囲と差をつけやすい」など、ポジティブな回答が多くなっている。
2015年01月09日東京商工会議所はこのほど、管理職育成のサポートを目的とした新検定「ビジネスマネジャー検定試験」を創設した。企業では「労働生産性の向上」が課題となっており、企業の中核を担う管理職が人材・業務管理を徹底し、現場の生産性向上を主導することが重要になっている。しかし現場では、管理職の育成が十分に行われているとは言えない面が指摘されている。そこで、管理職が最低限知っているべき知識を体系的に学べるようにするため、新検定を実施する。同検定では、マネジャーのミッションを「チームとして成果を出すこと」とし、そのために必要な知識を大きく3つのカテゴリーに分類している。「人と組織のマネジメント」「業務のマネジメント」「リスクのマネジメント」で、ビジネスの場で必要不可欠な知識や情報を網羅している。カリキュラムは、企業とともに練り上げた実践的な内容であることも特長。地域総合経済団体である商工会議所が、企業の経営者・人事担当者とともに、「企業や職種に関係なく、あらゆる管理職の土台となる知識」を厳選した。同検定の受験は企業にとって「管理職人材の育成にかかる費用・時間・労力の軽減」というメリットがある。一方、受験者も、マネジメントに必要な総合的な知識を効率的に学習することができる。同検定は、各地商工会議所と連携し、全国主要都市で年2回実施する。第1回目となる試験は、2015年7月19日に実施予定。初年度は1万人の受験者を見込んでおり、5年後には年間10万人の受験者を目標としている。公式テキスト「ビジネスマネジャー検定試験公式テキスト」(2,800円/税別)は、12月19日頃から販売予定とのこと。
2014年12月17日受験日が近づくと、受験生は大忙し。連日連夜、追い込みで睡眠もままならないという人も多いのではないでしょうか。けれど、睡眠不足を続けていると、肝心の試験当日の本番で眠ってしまうかも!?そこで、簡単にできる、試験中に襲ってくる眠気退治の方法をご紹介します。受験会場でできる眠気解消法!冬場の受験シーズンは、特に室内は暖房が効いていて、静まり返っている試験会場で眠気が襲ってくることもあるでしょう。「試験中は、緊張しているから眠くなることなんてないだろう」と思っている方は要注意!眠気というのはいくら緊張していても襲ってくるものなのです。居眠りまではしなくとも、頭がぼーっとしてしまうときもくるかもしれません。そんなとき、おすすめなのが「あくび」をすること。実はこのあくび、目覚まし効果があるのです。なぜ「あくび」が効く?試験中にあくびをするなんて不謹慎!と思うかもしれませんが、実はあくびこそ、目を覚ますための大事な行為なのです。あくびが出る瞬間、まず口の周りの筋肉で、あくびをしようとする力と、あくびを我慢しようとする力が同時に働きます。この筋肉の力は、脳にとって強い刺激となり、覚醒が促されます。たちまち頭がスッキリとしてくるのを感じることでしょう。一般的に、あくびはだらしないと思われていますが、生理学的な見地からすれば、あくびが出そうになること自体、体が目を覚ます方向へと向かっている証拠だそうです。こんな対策もある!あくびだけでは退治できないほどの強い眠気を感じたら、ぜひ、ぐーっと伸びをしてみてください。疲れ始めた脳にもリフレッシュ効果が見込めるといわれています。また、咀嚼筋を動かすことも眠気解消にはよいそうです。奥歯を噛みしめるときにつかう咀嚼筋を、伸ばしたり縮めたりすると、脳に刺激が行き渡り、覚醒効果が見込めます。奥歯を強く噛みしめたり、頬の上から、上下のあごの間辺りの咀嚼筋をこすったりすると、さらに効果がアップするでしょう。一度しかない大事な試験。絶対に失敗したくないものです。もし、眠気に耐えられなくなったら、ぜひ試してみてください。Photo by EdTech Stanford University School of Medicine
2014年12月16日鉄道・運輸機構は北陸新幹線長野~金沢間の列車走行試験について、10月31日をもってすべての試験を無事終了したと発表した。新幹線車両を用いた同区間の走行試験は、土木構造物・軌道・電車線・信号設備の機能確認を目的に8月1日から開始。8月5日以降、北陸新幹線の新型車両W7系などによる試験走行も行われた。予定された試験は10月31日までにすべて終了し、今後はJR東日本・JR西日本において、開業に向けた準備が進められるという。北陸新幹線長野~金沢間は2015年3月14日に開業予定。JR東日本・JR西日本によれば、東京~金沢間直通列車として、速達タイプの「かがやき」10往復、停車タイプの「はくたか」14往復が運転されるほか、長野~金沢間運転の「はくたか」1往復、富山~金沢間シャトルタイプの「つるぎ」18往復が設定され、「あさま」も東京~長野間で16往復運転されるとのこと。到達時分は東京~金沢間2時間28分、東京~富山間2時間8分とされている。
2014年11月04日前回はコンタクト試験の手順を説明しましたが、今回はファンクション試験を行ってみます。コンタクト試験というのは、いわば電気的に対象(今回ならMCU)が正常か? を確認するためのものですが、ファンクション試験はもうちょっと高レベルな「対象が正しく動作するか」を確認するものです。具体的にいえば、MCU内に診断用のプログラムをあらかじめロードしておき、これに対して外部から信号を入力、プログラムが入力信号にあわせて出力信号を生成、これをCX1000Pで取得、正しく動作を行っているかを確認することになります。これを実際に行う場合、手順としてはテスト内容を設計し、それに合わせてMCUのファームウェアを記述するMCUにテスト用のファームウェアをロードする(1)の内容に合わせて入出力信号をまとめてパターンファイルを記述、コンパイルするCX1000Pでパターンファイル(を基にしたオブジェクトファイル)を読み込んで、これにあわせて入力信号を生成、出力信号を取得して比較するという形になります。今回はスタータキットに合わせる形で、(1)~(3)の準備が完了しているので(これらについては後で少々触れます)、(4)について説明することにします。○IPの選択ファンクション試験を行うために必要なIPは、FunctionalMeasure_IPです(Photo01)。こちらはCTS Onlineでは「ロジック機能検証」として販売されています(Photo02)。現在は拡張データ・ログ・プラグイン(Photo03)も提供されていますが、これは説明にある通りデータログを2049サイクル以上記録するためのもので、こうした長いテストパターンを実施する場合には必要になりますが、今回はもっと短いパターンで検証を行うので、拡張データ・ログ・プラグインはインストールしておりません。これを(前回の「電流・電圧検証IP」と同じ手順で)入手・インストール後に起動すると、New Measure Itemに"FunctionalMeasure_IP"が出現します。○試験条件の設定今回の試験は、電源ピンに5Vを印加し、その上でRA3/RA5ピンに対して特定の入力信号を印加すると、RA0/RA1/RA2の各ピンに対して、これに対応した出力信号が出てくる形のものです。FunctionalMeasure_IPを選択して"Setup and Executions"画面に映ると、最初に出てくるのがこのParameter画面です(Photo04)。これは続くTabの中で出てくる細かな設定「以外」をまとめて設定するものです。今回のテストでは、"Power Sequence Off"を"ENABLE"に設定する必要があります(電源投入時に実施される、パワーオフシーケンスを実施するの意味)が、デフォルトで"ENABLE"なので、これが設定されていればそれ以上の変更は必要ありません。次がPower Supplyタブです(Photo05)。ここはMCUへの電圧供給の設定を行います。設定項目としてはSelectPinsボタンを押し、"VDD"を指定します。Bypass Capacitorをクリックして、On(接続)状態にします。右端の"Source Value[V]"に5を入力します。の3つです。これが完了すると、テスト中はMCUに5Vを供給する設定ができた事になります。ちなみにSource Valueに4V以上を入力すると、こんなダイアログ(Photo06)が表示されますが、これはただの通知なのでOKを押して下さい。さて、次が肝心の信号パターンの設定部ですが、まず基本的な考え方をちょっとご紹介します。Photo07はCTSのテキストからの抜粋ですが、CX1000ではある期間(Period値)の範囲で信号を監視し、そのPeriodごとに信号がどういう振る舞いをしたか、を0/1/H/L/Z/Xとして区別します。この例で言えば、ピンBを0に、ピンCを1にしたタイミングから2クロック後にピンDの出力がLになり、再びピンCを1にした次のサイクルでピンDがHになる事を確認する、という図式になります。この0/1/H/L/Z/Xそのものの指定は冒頭に出てきたパターンファイルで指定することになりますが、これにあわせてそもそも0/1/H/Lという信号はどういう電圧なのか、という事をCX1000側に設定するのが、次のSignalタブ(Photo08)です。ここではTS(Timing Set) 1の際のPeriodを31.25n(31.25ns)に設定します。CloudTesting Labは最大16種類のTiming Setを保持できるので、たとえばTS1は10MHz、TS2は5MHzといった様に複数の速度での動作を確認することが可能です。ここではまずTS1に31.25ns(32MHz相当)をセットします。ちなみに指定の際にs(second)の入力は不要で、単に"31.25n"だけで十分です。SelectPinsボタンを押して、"IO_PINS"を指定します。"Mode"に"I/O"を指定します。パターン0は立ち下がり(Photo09)、パターン1はダブルエッジ(Photo10)に設定します。この際、パターン1の<B<(ダブルエッジの立ち下がり)の部分の数字をダブルクリックし、"15.625n"(15.625ns)を入力します(Photo11)。VIHに"5"(5V)、VILに"0"(0V)、VOHとVOLに"2.5"(2.5V)を入力します。これは、「入力電圧は、Hが5V、Lが0Vとし、出力電圧は2.5V以上ならH、2.5V未満ならLと判断する」の意味です。LoadModeを"None"に設定します。これは出力に負荷は掛けない事を意味します。ここまでで、IO_PINSに対する設定は完了しましたが、さらにあと2つ、RA3とTRIG_PINについての設定も行います。2行目と3行目のPin NameにそれぞれRA3/TRIG_PINを入力します。設定値はRA3 : ModeはI/O、Timingのパターン0は立ち下がり、パターン1は立ち上がり。VIH/VIL/VOH/VOLはそれぞれ5/0/2.5/2.5に設定します。LZHには"15.625n"を指定します。またLoad Modeは"None"とします。TRIG_PIN : ModeはIn、Timingのパターン0は立ち下がり、パターン1は立ち上がり。VIH/VILは5/0に設定します。ModeがIn(入力)なので、VOH/VOLの設定、あるいはLoad Modeなどは指定出来ない様になる筈です。最終的には、Photo12の様な設定画面になったら、TS 1の設定は完了です。「TS 1の」と書いたからには、もうひとつあります。今度はTSを2に設定し、Periodを"1u"(1μs)にします。ほかの設定はほぼTS 1と同じですが、唯一違うのはIO_PINSの<B<で、こちらはPeriodの半分ということで"500n"(500ns)にすることです。設定が終わった状態がこちら(Photo13)になります。次に"Pattern"タブに移ります(Photo14)。ここは、先に説明したパターンファイル(正確に書けば、パターンオブジェクトファイル)を指定します。今回はスタータキットにあわせたパターンオブジェクトファイルを指定します。最後がPower sequenceタブになります。これは、テストの際に電源と信号をどのタイミングで投入するかを決定するものです。MCUに限らずどんな機器でも、電源投入直後にすぐ動作可能、というものは殆どなく、通常は一定のセットアップ時間が必要です。なので、電源投入から入力信号投入開始までの時間を指定する必要があります。また、テスト終了後、どのタイミングで電源をオフにするかも指定しないと、いつまでも電源が入りっぱなしになってしまいます。こうした設定を行うのがこの画面です。Photo15がその画面で、電源投入後、6ms後に試験を実行します。また、試験終了後、6ms後に電源オフになります。これが初期設定となっています。ここにALL_PINSを追加、2msで信号投入とする。TRIG_PINを追加、2msで信号投入とする。という2項目を追加します。Photo16が設定完了後の画面となります。○テストの実行ここまでの設定が全部終わったら、実行をしてみます。これは前回同様、画面上段の実行ボタンを押すだけで完了します。問題がなければ、Photo17の様に緑色で"Pass"の文字が示されると共に、ログ表示欄に正常実行したという結果のみが示されます。では異常があった場合はどうか? ということで、パターンファイルをちょっと書き換えてエラーが出るようにした場合の結果がPhoto18になります。このケースでいえば、Cycle 39~3Cの4cycleで、本来RA0ピンがHになるべきところが、Lになっているとして示されます。このテスト結果の後処理については来月ご紹介するとして、ここで少しパターンファイルについて説明したいと思います。パターンファイルそのものはテキストファイルで、拡張子は.patになっています。中身は? ということで、今回利用したpic12f1822_fmaxの冒頭をちょっと抜き出すとList 1の様になっています。List 1:Version 1.0;MainPattern{CommonSection{Timing "CTLabTiming.Tim:CTLabTiming";PinDescription "CTLabPins.pin";Domain _CTLabDPINDomain{NOP {V{ALL_PINS=XXX1X0; TRIG_PIN=0;} W{ALL_PINS=TS2;TRIG_PIN=TS2;}}IDXI 1 {V{ALL_PINS=XXX1X1;}}IDXI 4 {V{ALL_PINS=XXX0X1;}} #5uS MCLR=LOWIDXI 47 {V{ALL_PINS=XXX1X1;} W{ALL_PINS=TS1; TRIG_PIN=TS1; TRIG_PIN=TS1;}}IDXI 3 {V{ALL_PINS=LLL1X1;} W{ALL_PINS=TS1;}} #1IDXI 3 {V{ALL_PINS=LLL1X1;} W{ALL_PINS=TS1;}} #2IDXI 3 {V{ALL_PINS=LLL1X1;} W{ALL_PINS=TS1;}} #3IDXI 3 {V{ALL_PINS=LLL1X1;} W{ALL_PINS=TS1;}} #最初の10行ほどを飛ばして、次のNOP {V{ALL_PINS=XXX1X0; TRIG_PIN=0;} W{ALL_PINS=TS2;TRIG_PIN=TS2;}}という行を取り上げると、まず先頭のNOPはパターンニーモニックと呼ばれ、何をするかというコマンドです。NOPであれば続く行を1回実行することになります。次のV{}で囲まれた部分が値の設定です。ここの指定であればRA0/RA1/RA2/RA4 : 不定(チェックしない)RA3/TRIG_PIN : 1(High)を入力RA5 : 0(Low)を入力という事になります。最後のW{}で囲まれた部分はTimingSetの指定で、この場合はALL_PINSとTRIG_PINのどちらもTS2(つまりPhoto13の、Periodが1μsの方)で動作する形です。ちなみに続く行には末尾に #がついているものもありますが、これはコメントです。最初に述べたとおり、これは当然ながらMCU上で動くプログラムの動作と合わせる形で記述する必要があるわけですが、さすがにMCU側のプログラムを記述すると連携して自動的にこのパターンファイルが生成されるところまでは行かず(そもそもCTSは別にPIC12専用でも何でもないので、連携させようというのが無理です)、手でこれを記述することになります。ちなみにこの記述したパターンファイルですが、これをパターンオブジェクトファイルに変更するためにはPattern Compilerが必要になります。これはCloudTesting Labのソフトウェアをインストールすると自動的にインストールされています。使い方ですが、スタートメニューからこれを呼び出すと(Photo19)、コンソールが立ち上がります(Photo20)。このコンソールの中で、パターンファイルが保存してあるフォルダに移動してから、CTLab_patcom パターンファイル名と指定することで、パターンファイルをパターンオブジェクトファイルに変更できます。上でエラーが出るパターン例を示しましたが、これは元々のパターンファイルの一箇所を"L"から"H"に書き換えてコンパイルし直して指定したものです。こんな具合に、比較的簡単にパターンの変更が出来るようになっています。次回は、こうしたテストの集計や連続実行などの手順についてご紹介したいと思います。
2014年10月30日AIRBUS(エアバス)は9月25日、新型旅客機「A320neo」の初試験飛行を、フランス南部のトゥルーズで行った。今回の試験飛行は2時間半行われ、今後1年間にわたっておよそ3000時間の試験飛行を予定しているとのこと。同機は近・中距離向けの「A320」の改良型で、サービス開始時点で1席あたりの燃費効率を15%、その後改良を続け2020年までに20%向上させる計画になっており、2014年第4四半期にカタール航空へ最初に納入される。「NEOシリーズ」には「A320neo」「A321neo」「A319」の3機種があり、同社のFabrice Brégier社長によると、すでに60社から3200機以上を受注しているという。
2014年09月26日アドバンテストは3月10日、モバイル機器や無線LANなどに搭載される次世代RFデバイスの試験向けにテストシステム「T2000」用モジュール「Wireless Test Solution 32-Advanced(WLS32-A)」および「Wireless Test Solution 16-Advanceed(WLS16-A)」を発表した。「WLS32-A/16-A」は、新しい無線LAN規格であるIEEE 802.11acや、高速モバイル通信規格であるLTE-Advancedに最適なテストモジュールとなっている。両モジュールは、信号発生・変調解析ソフトウェアを用いて、IEEE 802.11acやLTE-Advancedに対応する80MHzの広範囲周波数変調が可能。業界に広く採用されている同社の「T2000」プラットフォームに対応し、ワイヤレス通信用デバイスの量産向けに、最小限の投資で高速かつコスト効率に優れたテストソリューションを提供する。「WLS32-A/16-A」はそれぞれ32/16のポート数を備えている。なお、2014年4月ころより順次出荷を開始する予定。
2014年03月11日こんにちは、ぽこひろです。ぽこひろが東大を受験するためにセンター試験を受けてから、早くも1年が経とうとしている模様です。思えば、彼女もいなかったあの頃は、頭の中の妄想彼女に叱咤激励の弁を述べさせ、自分を奮い立たせていました。というわけで今回は、同学年のカレと、そろってセンター試験をはじめとしたテストを控えた高校生のみなさんにターゲットをしぼり「男子が試験前にしてほしい応援」をお届けしたいと思います。答えてくれたのはセンター試験を間近に控えた大学受験生男子30人。リアリティある結果をご覧に入れましょう。■1.「一緒に受かろうね」「彼女とは一緒の都内の大学を受験します。必ず2人とも合格して、一緒に表参道でデートするのが夢です。彼女には、『一緒に合格しようね』って言ってほしいです」(18才/高校生)ベタですね~。でも、やっぱイイっすね。なんか青春って感じで。試験当日は、普段通りの力を出しきれるかが勝負ですから、肩の力を抜きつつ気合を入れて、頑張ってくださいね!■2.「落ちたら別れるからね」「オレよりも数ランク偏差値の高い彼女。一緒の大学に行きたいから、オレも同じ大学を受けるんだけど、あまりに力の差がありすぎて、ヤル気が出ない・・・・・・。いっそのこと、『不合格=さよならだからね』って鼓舞してほしい」(19才/予備校生)1のセリフとは打って変わって、まさに「発破(はっぱ)をかける」というにふさわしい激励。ぽこひろも個人的にはこちらのほうが好きですね。落ちたらヤバイ!このくらいの気持ちで臨ませてあげれば、ほかの受験生にも負けないはず?!■3.「別の大学になったらお互い浮気するかもね」「この前の最後の模試でE判定だった。同じ大学を目指している彼女に報告したら、『別大学だったらお互い浮気するかもね』とサラッと言われた。死ぬ気で勉強中」(18才/高校生)これも手厳しいセリフ。ぽこひろも前の大学と通算して4年以上の大学生活を通し、多くの大学生カップルを見てきましたが、残念ながらインカレカップル(他大学間のカップル)が卒業まで続いたのを見たことがありません・・・・・・。不吉な話ですが、イヤだったら頑張って同じ大学に受かりましょう。■4.「落ちても大丈夫だよ」「ネガティブな僕。落ちたら彼女に振られちゃうんじゃないかと不安なので、『落ちても大丈夫』とはげましてほしいです」(17才/高校生)さんざん厳しいことを言ってきましたが、誰もが厳しいセリフでヤル気が出るわけではありません。カレの性格をよく考えたうえで、ときには甘い励ましの言葉をかけてあげましょう。■おわりにいかがでしたか?寒いし、だるいし、私立の推薦で決めている人はもう春休み気分で遊び始めているし、正直もうスタミナが切れてしまっている頃かもしれません。でも大学受験は、「人生の夏休み」とも言われる大学生活を手に入れるのには避けては通れない道です。カレと2人で力を合わせて、目標を達成してくださいね!サクラサケ!(川上ぽこひろ/ハウコレ)
2014年01月13日2006年、法律を扱う専門職である裁判官、検察官、弁護士の質を高め、法曹人口を増加させるために司法試験制度が変更になり、2012年には新たな試験制度へ完全移行した。現在では、法科大学院課程の修了または司法試験予備試験合格が義務づけられている。また、受験資格だけではなく、受験回数にも制限がある。法科大学院修了の日または司法試験予備試験の合格発表の日の後の、最初の4月1日から5年以内に3回しか受験することができない。これには、法科大学院や予備試験受験による教育効果が薄れないうちに法曹界へ進んでもらうという目的がある。しかしながら、難関である司法試験を突破しても簡単に就職できるわけではないという。また、閉校する法科大学院も増えており、そのあり方が見直されつつあるようだ。そこで今回は、変化の時期を迎えた法曹界の現状について調べてみた。司法試験の合格率は、2006年には48.25%だったが、2011年には23.53%まで落ち込んだ。これは、合格率の低い法科大学院既卒者の増加が原因といわれている。最難関といわれる司法試験に合格し、弁護士として活躍するにはどのような過程が必要なのだろうか。明治大学法科大学院出身の萩生田彩弁護士(65期)にお話をうかがった。――萩生田さんは、法科大学院を修了して司法試験の受験資格を得たとのことですが、従来の司法試験の受験や、司法試験予備試験の受験ではなく法科大学院への進学を選んだ理由を教えてください。萩生田弁護士「従来の司法試験はハードルが高く、合格率も高くありませんでした。また、私たちが法科大学院に進学したのは、まだ予備試験が創設されていないとき。そのため、多くの方は数年間の期間と学費を費やしてでも法科大学院への進学を選択するのですが、私もその一人でした」――法科大学院で学んでよかったと思うことについて教えてください。萩生田弁護士「司法試験委員を務める先生や、弁護士等の実務家の先生方に教えて頂けたこと、また、こうした先生方にいつでも質問できる環境にあったことが、司法試験合格に大変役立ちました。また、身近に司法試験の受験者が多いので、仲間同士で切磋琢磨することもできました。そのなかで、自分はどのように合格を目指せばいいかを模索することができ、この点においては、法科大学院で学んでよかったと思います」――試験に合格後、弁護士事務所に就職するためには、どのような活動をするのでしょうか?萩生田弁護士「出身法科大学院からの支援や、一般企業が開催するようなセミナーは特に印象にありませんが、弁護士会による合同説明会があるのでそれに参加する人が多いように思います。また、各事務所のホームページや、弁護士の求人などが掲載されている『ひまわり求人求職ナビ』というサイトで求人情報をチェックしたりします」――弁護士事務所の就職試験とは、どのようなものなのでしょうか?萩生田弁護士「これは事務所によってまちまちではないでしょうか。一般企業のようなSPI試験に類似した試験を行うところもあると聞いていますし、司法試験の成績・法科大学院の成績やTOEICのスコアなどの資料で判断するところ、筆記試験や口述試験を実施するところもあります」――弁護士でも就職難といわれていますが、実際にはどうでしょうか?萩生田弁護士「実際、本当に厳しいと思います。就職が決まらなくて弁護士会への一斉登録に間に合わない修習生もいます。もっとも、私の同期にも12月の登録に間に合わない者もいましたが、2月には就職先が決まっていました。今後はもっと厳しい状況になっていくと思います」弁護士といえども、就職難を実感することは少なからずあるようだ。また、司法試験の受験資格を得ると同時に、実務家による実務に即した指導を受けられる法科大学院への進学も一般的と言える。現在の司法試験の受験制度では、司法試験予備試験というものが新設された。司法試験予備試験では、「法律科目+一般教養」を問われる短答式試験、さらに法律実務基礎科目が加わる論文試験、法律実務基礎科目に関する口述試験が課せられる。これをクリアしてはじめて司法試験の受験資格を得ることができる。しかし、司法試験法では、司法試験の実施目的を「法科大学院課程における教育及び司法修習生の修習との有機的連携の下に行うもの」と定めている。司法試験制度が変更になったときに、司法修習制度も変更になり、法科大学院で学んだことを前提に修習を実施している。いわば、法科大学院は司法修習の一部に位置付けられているのだ。もちろん、法科大学院は司法試験予備試験の一部の役割も果たしている。ゆえに、法科大学院とは、司法試験の受験資格を得るためだけに存在するのではなく、司法修了後すぐに実務にとりかかれる人材を育成する機関と言える。そのため、法科大学院修了生と、司法試験予備試験合格者では、司法修習に入る前に大きな差が生じることもあるようだ。法科大学院は、法曹の質の低下防止、そして法曹人口の拡大を目的に2004年に開設された。法曹に必要な学識や能力を培うために、主に以下の4つの項目について学習する。・法律基本科目群:憲法、民法、刑法など・法律実務基礎科目群:責任感や倫理観の教育、法文書作成や模擬裁判などの実務体験など・基礎法学・隣接科目群:法哲学、外国法など・展開・先端科目群:労働法、経済法、知的財産法など修学期間は2~3年(法学既修者課程は2年、法学未修者課程は3年)。修了後には法務博士(専門職)が授与される。法科大学院は決して簡単に入学できるわけではない。入学時には、共通試験である法科大学院適性試験や学校ごとの個別試験が課せられる。法科大学院のカリキュラムは、基本的に司法試験の受験および合格に十分有益となる内容となっている。また、実務科目・臨床科目(模擬裁判、リーガルクリニック、エクスターンシップ等)が質・量ともに充実しているので、実際の法曹の仕事のイメージをつかみやすい点にメリットがあると思われる。このように、法科大学院は新たな司法試験制度において重要な役割を果たしているが、具体的にはどのようなことを学ぶのだろうか。成蹊大学法科大学院の尾関幸美教授にお話をうかがった。――学生が司法試験に合格するために、どのようなカリキュラムを組んでいるか、どのようなサポートをしているか教えてください。「全体を通して、法律基本科目を着実に修得し、応用・発展へと段階的に実力を養成できるカリキュラムとなっています。本学では、1年次に法律基本科目を中心に学び、さらに別途、基本演習を設け、必修科目の授業を補いつつも、応用力の向上を目指します。実務科目も必修となり、実務家教員による実践的な授業を行います。法律を理論的に体系的に学べ、実務に必要な素養を身につけるという点で、法科大学院には予備試験の勉強では得られない利点があると言えるのではないでしょうか」――この学習内容について、学生の反応はいかがでしょうか。「学習環境、施設にはかなり満足しているように感じます。カリキュラムについては、実務を身につけられたことに加え、おおむね試験に役立ったと思われている修了者が多いようですね。とくに、演習科目に加え、リーガルライティング、クリニック、模擬裁判などの実務基礎科目に力をいれた学生は合格率が高い傾向にあります」――現在の制度では、予備試験に合格すれば司法試験を受験できますが、法科大学院出身者との違いはありますか。「予備試験の受験者は、実務科目・臨床科目を学ぶ機会はありません。ですので、具体的な裁判手続および、法曹の仕事のイメージをつかみにくいのではないでしょうか。理論と実務を架橋することで、生きた法律学を学ぶことこそが、法科大学院の最大の利点。司法修習の一部と位置づけられているのはそのためだと考えています」――「理論と実務を架橋した法学教育」とは、具体的にどのようなものでしょうか。「本学では、法学の基礎的な知識・理論と、実際にそれがどのように法曹の仕事の中で活用されているのか理解できるように、実務科目や、模擬裁判、リーガルクリニック等の臨床科目を充実させました。これを少人数クラスで実施し、つねに教員が学生と質疑応答することで、学生の理解度を計りながら、授業を進行しています」――予備試験の導入で司法試験制度が変ったことにより、法科大学院は今後どのように変わっていくと思いますか。「時間と金銭的負担を考えれば、短期的には予備試験の方が効率的と思えるかもしれません。しかし、合格後の就職や実務についてからのことを考えると、法科大学院で学んだことが役に立つはずです。幅広い人脈を築くこともできますし、単なる受験勉強に制限されない体系的な法律学の学習、実務科目によるイメージトレーニングなども学べます。ここに利点があることは間違いありません」ビジネスのグローバル化や企業法務のニーズが高まる中、弁護士の需要は拡大し、業務も細分化している。法科大学院が生き残るには、このようなニーズに応えられる学びの提供が必要。受験資格の獲得や法律理論だけではなく、実務を経験できる法科大学院はさらに重要視されるのではないだろうか。(本記事は、2013年6月時点の情報に基づき執筆されています)【拡大画像を含む完全版はこちら】
2013年06月20日世の中には意外に知らない実用的な検定・試験も多いもの。今回は、金融に必要な技能と知識を認定する「銀行業務検定試験」についてご紹介します。受験前に受験内容や難易度などを確認してみましょう。■銀行業務検定試験とは何か?銀行業務検定試験とは、銀行業務検定協会が主催する試験で、銀行業務に関わる人が多く受験しています。多くの金融機関で合格が昇進の条件になっており、年間受験者は30万人ほどです。全部で10分野あり、それぞれ種目が複数あるため、一般企業への就職にも役立ちます。■銀行業務検定試験の概要(内容はいずれも2013年現在のもの)試験分野:1.法務(法務2~4級、融資管理3級)2.財務(財務2~4級)3.税務(税務2~4級)4.年金(年金アドバイザー2~4級)5.信託・証券(信託実務3級、証券3級)6.マネジメント(金融リスクマネジメント2級、営業店管理1、営業店管理2)7.融資・渉外(窓口セールス3級、法人融資渉外2~3級、個人融資渉外3級、経営支援アドバイザー2級)8.外為(外国為替2~3級)9.金融経済(金融経済3級)10.FA・預かり資産等(金融商品取引2~3級、デリバティブ3級、ファイナンシャル・アドバイザー、アシスタント・ファイナンシャル・アドバイザー、預かり資産アドバイザー2級、保険販売3級、投資信託2~3級、相続アドバイザー3級)試験日:年3回(6月、10月、3月)※開催月によって行われる試験種目が異なる申し込み方法:インターネットか郵送(団体申し込みも可)受験資格:特になし参考サイト・経済法令GROUP 銀行業務検定協会■銀行業務検定試験の難易度は?銀行業務検定試験は公式サイトで問題集が紹介されており、それらを使用して勉強すれば取得はそれほど難しくはないといわれています。しかし上位の等級は合格率が20%以下のものもあり、決して油断はできません。■銀行業務検定試験のメリットは?銀行業務検定試験は科目がわかれているため、自分の好きなものだけを受験できるのがメリットといえます。仕事にあわせて選ぶと良いでしょう。【拡大画像を含む完全版はこちら】
2013年06月18日人事院は、15日に開催された「第4回産業競争力会議」において、2015年度を目途に国家公務員試験で英語試験を活用する案を示した。人事院は、「行政の国際化を踏まえると、国家公務員の英語能力の向上は重要な課題」と指摘。2012年度は、総合職試験において、受験申込時における英語試験のスコア申告、ならびに英語による出題の強化を実施したほか、行政研修(課長補佐級)国際コースを設置するといった取り組みを行ったという。人事院は、「第4回産業競争力会議」に、国家公務員採用試験において英語試験を活用することを提案。導入時期については、英語試験の種類や活用方法などの検討、受験者への周知と受験準備に要する期間の確保などを考慮し、2015年度の総合職試験を目途に導入する案を示している。【拡大画像を含む完全版はこちら】
2013年03月18日