Cypress Semiconductorは、先進運転支援システム(ADAS)やボディ制御モジュール、インスツルメントクラスタシステムなどの車載アプリケーションに車のバッテリーから電源を安定的に供給するパワーマネージメントIC(PMIC)「Cypress S6BP20xシリーズ」を発表した。同シリーズは、独自の1チャネルバックブーストDC/DCコンバータを利用した電子制御ユニット(ECU)向けのパワーマネージメントソリューションにより、バッテリー電圧の極端な変動を安全に管理することが可能。他社製PMICで必要となる2つの大型電解コンデンサが不要で、小型のセラミックコンデンサ1つで、ECUパワーマネージメントソリューションを実現できるとする。また同社は併せて、インスツルメントクラスタシステム向けPMIC「S6BP50xシリーズ」も発表している。こちらは、異なる電圧の3チャネルを出力することが可能で、スペクトル拡散クロックジェネレータ(SSCG)とともに、降圧コントローラや降圧コンバータ、昇圧コンバータのすべてを1チップに統合している。なお、2シリーズともにすでにサンプル出荷を開始しており、量産開始は2016年前半を予定している。S6BP20x PMICは16ピンのHTSSOPパッケージで提供され、一方のS6BP50x PMICは32ピンの側面濡れ性QFNパッケージで提供されるとしている。
2015年11月12日KDDIは10日、「コミックマーケット89」に配置する車載型基地局に施すラッピングイラストの一般公募を、イラストコミュニケーションサービス「pixiv」上で開始した。イラストの公募は、コンテスト形式で行われ、投稿されたイラストのなかから10作品をKDDIが選考。その後、au Webサイト上で一般投票を行い最優秀賞を決定する。最優秀賞作品は、12月29日から31日まで東京ビッグサイトで開催される「コミックマーケット89」での車載基地局ラッピングに採用するほか、投稿者には賞金30万円を贈呈する。イラストは、「コミケ参加者を応援」をテーマとしたオリジナルキャラクター、もしくはauのCMキャラクターである「三太郎」をモチーフにしたものである必要がある。pixivでタグ「auイラコンC89」を設定して投稿すると応募が完了となる。募集期間は、11月29日までで、一般投票は12月4日から14日にかけて行われる。
2015年11月10日AWAは10月27日、同社が運営する定額制音楽配信サービス「AWA」が、Googleの車載システム「Android Auto」に対応したことを発表した。これにより、Android Auto対応車種で、運転しながらAWAを利用できるようになる。Android Autoは、タッチパネル液晶付きのコンソールにAndroidスマートフォンを接続して使用する車載システム。AWAがAndroid Autoに対応したことにより、普段スマートフォンで利用しているAWAのアカウントでストリーミング再生やオフライン再生、プレイリスト再生を楽しめる。アメリカ、イギリスなど11カ国でサービス提供されているが、日本でのサービス開始は未定だ。AWAは2016年以降の国内サービス開始を見越し、Android Autoのサポートを決定した。また、ドライブ関連のプレイリストに人気が集まっていることも、Android Autoに対応した理由のひとつだと明かした。AWAの車載オーディオ機能は、10月30日から東京ビックサイトで開催される「第44回東京モーターショー2015」の三菱自動車ブースで体験できる。
2015年10月27日Mentor Graphicsの日本法人であるメンター・グラフィックスは10月26日、次世代車載組み込みアプリケーションへの実装に特化したOS「Mentor Automotive Connected OS」を発表した。同OSはGENIVIベースのモジュラー型Linuxプラットフォームで、拡張ボードサポートパッケージ「SuperBSP」および最適化されたミドルウェアレイヤ「OPTstack」を含み、同スタックによりファストブート、インスタントオン、最適化されたオーディオ/ビデオなどの機能が提供されることとなる。また、イーサネットを介したオーディオビデオブリッジング(AVB)の実現に向け、Ethernet AVB(eAVB)が統合されており、低レイテンシでの接続を実現する。このeAVBのスタックは、IEEE802.1 AVB標準規格に対応し、AVnu Alliance規格に準拠。サポートする実装としてはIEEE 802.1 AS、IEEE 802.1 Qat、IEEE 802,1 Qav、IEEE 1722.1、IEEE 1733が含まれている。MentorのSr Manager, Product Marketing Embedded Systens DivisionであるAnil Khanna氏は、「Mentorは2015年より、自動車向けブランド"Mentor Automotive"を立ち上げ、積極的に自動車向けソリューションを提供していこうとしている。今回の発表はその中で、「In-Car Experience」と呼ぶカテゴリに位置づけられるもので、これにより車内ネットワークの接続性とコンシューマ機器との接続の中心的な役割を我々が果たすことが可能となる」と説明する。また、同OSやRTOS「Nucleus」を動作させ、SoC選定よりも先にアプリケーションの開発などを開始できるハードウェアリファレンスプラットフォーム「AXSB」も提供を行っており、こちらは米国での参考価格が2000ドル超(ハードウェアのみの価格)とのことである。なお同氏は、「同OSでは車内エクスペリエンスを集約し、革新的なものを作れるよう、ソフトウェアの手法を用いて、コンシューマ機器との開発タイミングのズレをキャッチアップできるようにした。2018年までには5000万ユニットのMentor AutomotiveのLinuxベースの車載システムの出荷が見込まれており、セーフティOSなどとの組み合わせを提供することで、開発の敷居をさらに下げていければ、と思っている」とコメントしている。
2015年10月27日ルネサス エレクトロニクスは10月26日、BCM(Body Control Module)、車載エアコン、パワーシートなどの車載制御システム分野向けに、低消費電力16ビットマイコン「RL78/F15シリーズ」を開発したと発表した。同シリーズは、同社の16ビットマイコン「RL78ファミリ」の車載向けシリーズ「RL78/F13」および「RL78/F14」と完全互換となる高機能シリーズ。新たに144ピンパッケージもラインアップしたほか、48ピン以上のパッケージには最大512KBのフラッシュメモリ搭載品も用意。シリーズとして36品種を用意しており、従来2シリーズと併せて20ピンから144ピンまで127品種がラインアップされることとなる。また、CANを2チャネル搭載しているため、制御用と診断用の通信としてそれぞれ独立にCAN通信が可能なほか、ハードウェアLINを最大3チャネル搭載に加え、IE BUSしているため、BCMのような通信の集中制御用途や、カーオーディオ用途にも応用が可能となっている。さらに、ピン互換のほか、ソフトウェアの互換性も有しており、将来の機能拡張を見据えたマイコン選択も可能となっている。なお36品種は即日、順次サンプル出荷が開始されており、量産は2016年7月より開始する予定。サンプル価格は48ピンパッケージ/内蔵フラッシュメモリ512KB品で700円(税別)となっており、2017年7月にはシリーズ合計で月産100万個を計画しているという。
2015年10月26日大日本印刷(以下、DNP)は10月22日、カーナビゲーションやスピードメーターなどの車載用液晶ディスプレーの視野角を制御し、フロントガラスへの映り込みを防止することで、ドライバーから見たときの輝度を向上させた、新型「車載ディスプレー用視野角制御フィルム」を開発したと発表した。今月中にサンプルの出荷を開始する。同フィルムは、光の進む方向を制御するルーバーの形状を、従来の半分以下まで細線化することで、(ドライバーからの視点における自社従来比で)透過率1.4倍、輝度1.5倍を実現。これにより、フロントガラスへの映り込みを抑えるとともに、ディスプレー画面の明るさと見えやすさが向上した。また、ルーバー層に新しく開発した材料を使うことで、従来400μm(マイクロメートル)の厚さを280μmまで薄くでき、車載用液晶ディスプレーの薄型化を可能にしたほか、フィルムの表面に、微細なディンプル形状を持つ凹凸を付与したことで、ギラツキとコントラスト低下を防ぎ、ドライバーの目の疲れを軽減する。同社によると、従来品はBMWをはじめとする自動車メーカーで、高級車を中心に採用されているという。同社は今後、国内外の自動車メーカーや車載ディスプレーメーカーを中心にサンプルの出荷を開始し、既存製品と合わせて2018年度に30億円の売上を目指す考えだ。
2015年10月22日ON Semionductorの日本法人であるオン・セミコンダクターは10月21日、車載ADASアプリケーション向けにLEDフリッカー抑制技術(LFM)ならびにASIL レベルBをサポートするさまざまな機能を搭載した2.3MピクセルのCMOSイメージセンサ「AR0231AT」を発表した。同製品に搭載されるLFMは、LEDライトが発生させるフリッカーを抑えることができる技術で、交通標識認識アルゴリズムをあらゆる光条件で作動させることが可能なほか、1フレーム最大4露光時に1928×1208@30fpsのHDR(ハイダイナミックレンジ)キャプチャで120dB以上のダイナミックレンジを低ノイズで実現する。また素子の性能としては、1/2.7インチ光学サイズと、独自技術である「DR-Pix」により3.0μm BSIピクセルを使用する1928×1208アクティブピクセルアレイを備えており、画像をリニア/HDR/LFMのいずれかのモードでキャプチャし、モード間でフレームツーフレームのコンテキストスイッチを可能とする。さらに、マルチカメラ同期をサポートしており、複数のセンサノードの実装を容易に実現できるほか、一般的な2線シリアルインタフェースや、MIPI、パラレル、HiSPiなどのインタフェースも搭載している。加えてオプションとして、自動制御もしくはユーザー制御が選択可能な黒レベルコントロール、スペクトラム拡散入力クロックサポート、複数カラーフィルターアレイなども用意されている。ON Semionductor イメージセンサーグループ オートモーティブ担当プロダクトライン・マネージャーであるナライヤン・ピュロヒット氏は、「時間的に自動運転もしくは半自動運転がいつ実現されるかは明確にはわからないが、近いうちに実現されることは間違いない。そうした背景から、ADASのトレンドは歩行者の保護などの観点から重要になってきており、車内のさまざまなシステムが統合され、最終的にはADASをベースとした自動運転が実現されるだろう」とし、2017~18年ころには昼間の歩行者検知、AEB(自動緊急ブレーキ)が搭載されるようになるほか、2019~20年ころには夜間の歩行者検知が重要になってくることが予想され、SAE(Society of Automotive Engineers) Internationalが示す自動化のレベルが上昇していくことになるとした。また、ADASセンサの要件としては、低照度SNR、フリッカーフリーHDR、高温動作での動作、より高い解像度、すぐれた色再現性、ダイサイズの小型化、ASIL Bから最終的にはDへの対応、そしてコスト性能が重要とし、中でもASIL対応のイメージ出力処理については「それぞれのフレームごとに列ヘッドデータと行ヘッドデータがあり、それぞれの行列ごとにデータの健全性を示すことが可能。カスタマは、こうしたデータを活用することでASIL対応を進めていくことができる」とした。なお、AEC-Q100に完全準拠した同製品はすでにサンプル出荷を開始しており、量産出荷は2016年を予定しているという。
2015年10月21日ユニットコムは13日、パソコン工房の通販サイト内雑貨専門店「Nantena」にて、6.3型までのスマートフォンを設置できる車載用ホルダー「M076-XWJ0845N-BLK」を発売した。価格は税込み843円。スマートフォンを自動車内で使うためのホルダー。ホルダー部が開閉することで、最大6.3型までのスマートフォンを設置可能。開閉幅は53mm~90mmで、両側から挟み込むように固定する。車への取り付けは、エアコンの空気吹き出し口に挟みこめば完了する。本体色はブラック&グレー。重量は30g。
2015年10月14日ルネサス エレクトロニクスは9月29日、車載情報システム向けSoCプラットフォーム「R-Car」の新シリーズとして、車車間・路車間通信(V2X:Vehicle-to-Everything)向け車載無線通信SoC「R-Car W2R」を開発したと発表した。同製品は、欧州ならびに北米地域のITS向け通信規格であるIEEE 802.11pに準拠した5.9GHz帯域の車車間通信(V2V:Vehicle-to-Vehicle)および路車間通信(V2I:Vehicle-to-Infrastructure)向けSoCで、独自のRFシステム設計技術により、LSIから発生する信号ノイズとなる送信帯域外雑音を-65dBm以下に抑えることに成功。これにより、混線の少ない高品質な信号の送信がさまざまな道路状態において可能となり、例えば周波数が近い欧州版ETCへの干渉を最小限に抑え、共存が可能になるとする。また、独自のアナログ回路の小型化設計技術と、デジタル回路から発生する雑音がアナログ回路へ与える影響を高精度に解析できるアナログデジタル混載設計技術により、RFから物理層、データリンク層までの通信機能を10mm角の176ピン Plastic FPBGAに1チップ化している。さらに、既存のR-Carプラットフォーム「R-Car E2」と組み合わせたV2Xスタータキットも用意。パートナー各社の提供するソフトウェア群と組み合わせることにより、短期間での実証試験環境を構築することが可能だ。なお、同製品は10月1日よりサンプル価格は3000円(税別)でサンプル出荷を開始予定。量産は2016年12月より開始する予定で、2018年12月に月産5万個の出荷を計画している。
2015年09月29日ルネサス エレクトロニクスは9月9日、同社の車載情報システム向けSoCプラットフォーム「R-Carシリーズ」として、車載カメラネットワーク用SoC「R-Car T2」を発表した。同製品は、プロセッサとしてARM Cortex-M3(動作周波数は80MHz)を搭載しているほか、Ethernet AVB規格を構成する「IEEE802.1AS」「IEEE802.1Qav」「IEEE802.1Qat」「IEEE1722」の4つの規格すべてに準拠しており、複数のシステムに映像を同時配信することが可能。また、HD(1280×960)映像を高画質のまま低遅延で圧縮する独自開発のH.264エンコーダを搭載しており、1ms以下の速度でネットワークを通じて各システムに配信することが可能となっている。この伝送速度は、時速100km/hで走行する自動車の場合、移動距離として2.8cmに相当するとのことで、ほぼリアルタイムでの伝送が可能とのこと。このため、安全支援システムでの活用が可能であり、現行のLVDS方式をEthernet方式(PoEにも対応可能)に置き換えることもできるようになるほか、マルチディスプレイも手軽に実現できるようになるとする。さらに消費電力も40mW(typ.)と低く、パッケージも6mm角のFPBGAと小型のものを採用しているため、車載カメラモジュールが搭載される密閉された防水・防塵空間においても、発生する熱を抑えることが可能だとしている。なお、同製品は即日サンプル出荷を開始しており、サンプル価格は2000円。量産は2016年12月より開始し、2017年9月には合計で月産50万個の出荷を計画しているとしている。
2015年09月09日サンワサプライは22日、タブレット用車載ホルダー「CAR-HLD7BK」を発売した。価格は8,100円で、同社直販サイト「サンワダイレクト」での価格は6,380円(いずれも税込)。CAR-HLD7BKは、車のダッシュボードに設置して使うタブレットホルダー。タブレットをカーナビ代わりに使用する際に役立つ。本体には8~10インチまでのタブレットを取付可能。本体にタブレットをセットし、背面のワンタッチホールドボタンを押すと、タブレットと本体を固定できる。アーム部分とタブレット取付部分には、上下左右に角度調整できるポールジョイント構造を採用。CAR-HLD7BK本体は、アームに付いたゲル素材の吸盤をダッシュボードに密着させて取り付ける。付属の吸盤取付プレートを使用すると、吸盤が密着しにくい場所にも設置できる。本体サイズはホルダーがW115×D46×H120mm、吸盤マウントがW78×D215×H63mm(アーム水平時)。重量は343g。
2015年07月22日STMicroelectronicsは、CANバス・ラインを静電放電などの過渡現象から保護するとともに、すべての主要な車載インタフェース・プロトコルに対応した保護デバイス「ESDCAN02-2BWY」および「ESDCAN03-2BWY」を発表した。2製品ともに車載グレードに対応したデュアル・ライン保護デバイス(Transil)で、3.5pFの端子間容量値と最低24Vのスタンドオフ電圧などのパラメータの組み合わせを最適化し、すべての主要インタフェース(CAN-FD、LIN、FlexRay、MOST、SENTなど)に対応する。また、基板の小型化を可能とする小型SOT323パッケージを採用しているほか、ISO10605に準拠しており、最大±30kV(標準)に対応するESDサージ保護機能が最終製品の堅牢性を保証するという。なお、2製品ともにすでに量産出荷を開始しており、単価は、100個購入時に約0.078ドルとしている。
2015年07月10日ON Semiconductorの日本法人であるオン・セミコンダクターは7月9日、ADASなどの車載イメージングに向けた裏面照射型(BSI)イメージセンサ「AR0136AT」を発表した。ON Semiconductor オートモーティブ戦略副社長のランス・ウィリアムス氏は自社の車載関連ビジネスについて、「ON Semiconductorでは、自動車分野を重要市場として考えており、中でもパワートレイン、ボディ、ライティング、アクティブセーフティにフォーカスしてビジネスを行ってきた。コンポーネントのみならず、システム全体、そしてソリューション全体をAEC-Q認定を取得した形で提供していく方向で事業を拡大しており、ゼロ不良率による品質の差別化も含めたデザイン獲得活動の強化を進めている」とする。また、今回の製品に関連するイメージセンサ分野については「自動車業界のメガトレンドとして、小型自動車でも1台当たり19個のカメラが搭載されようとしている」とし、そうした世界的なトレンドに合わせた製品をタイムリーに提供していく必要性を強調した。一方、新製品の説明を行ったON Semiconductorイメージセンサーグループ オートモーティブ担当プロダクトライン・マネージャーのナライヤン・ピュロヒット氏は、「CMOSイメージセンサ市場は年率5%程度の成長率が2013年から2018年までのCAGR(年平均成長率)として予測されており、そのけん引役の1つが車載カメラとなる」とし、カメラ主導のアプリケーションとして、リアビューカメラや車線逸脱警告、アクティブ。クルーズコントロール、オートストップ、アドバンスド・フロントライティングなどのアクティブセーフティを挙げる。「単にアクティブセーフティといっても、欧州、米国、日本、中国など、地域や国によって、重視する部分が異なっており、それぞれの地域に対応したソリューションを展開していく必要がある」とのことで、イメージセンサのみの提供ではなく、周辺のコントローラなども含めたパワーマネジメントユニットといったソリューションも、ほぼ自社製品のみで構成可能であるとする。今回の新製品「AR0136AT」は、解像度1280×960(1.2M画素)の1/3インチ型センサ、3.75μm BSIピクセルを実現した製品で、従来品(AR0132)で採用していたFront Side Illumination(FSI)から、Back Side Illumination(BSI)へと改良を加えたことで、可視光の感度が従来品比で40%向上したほか、低照度のSNRが4倍以上向上、NIR性能も60%以上向上したとする。また、1チップでリニア/HDRモードをサポートしており、HDRモードで120dBのダイナミックレンジを提供するほか、74.25MP/秒の出力ピクセルレートにより、960pの解像度で45fps、720pの解像度で60fpsを提供する。さらに、現行品とはピン互換(レジスタコントロール互換)となっているほか、ASIL-Bにも対応するという。なお、エンジニアリングサンプルは2015年第3四半期、量産は2016年初頭を予定しているという。
2015年07月09日セイコーインスツル(SII)は7月6日、相対時間の時間管理向け車載用CMOSタイマICとしてコンビニエンスタイマ「S-35720シリーズ」を発表した。同シリーズはタイマ値とSET0端子、SET1端子に設定した値を比較し、値が一致したときに割り込み信号を出力し、SET0端子、SET1端子の設定に応じて最大4種類の割り込み時間を選択することが可能。タイマは、24ビットのバイナリアップカウンタで、割り込み信号を繰り返し出力するワンショットループ方式、割り込み信号出力中、状態を保持するハンドシェイク方式、/RST信号によりINT出力レベルを反転させるトグル方式の3つのタイムアウト方式を選択することができ、アラーム時間も1秒~194日まで1秒単位でオプション選択可能となっている。また、低消費電流200nA typ.を実現したほか、それ自体で相対時間を計測できるため、システムスリープ期間であってもマイコンを停止することができるため、システム全体の暗電流削減を可能とする。なお、高温動作125℃、3温度テスト(低温、常温、高温)の実施により、自動車などの過酷な環境での使用が可能なほか、AEC-Q100にも対応予定だという。
2015年07月06日●2012年に撤退するも、2013年に再参入を果たした日本市場○車載やIoT関連での活用に期待が集まる日本市場半導体ファウンドリ業界で、台湾TSMC、米国GLOBALFOUNDRIESに次いで世界3位に位置する台湾United Microelectronics Corporation(UMC) が5月27日に東京都内でテクノロジー・ワークショップを開催して、自社の技術開発状況や今後の展望について講演した(図1)。今後急成長が期待できるIoT向けや車載半導体ビジネスに特に力を入れていくことを強調したほか、2015年3月に資本参加した三重富士通セミコンダクターとの協業ついても紹介した。UMCの日本法人(UMC Japan) は、かつて日本(千葉県館山市)に半導体工場(旧NMBセミコンダクタを買収)を持っていたが、2012年8月に閉鎖して、同社は清算され、いったんは日本での事業活動を停止していた。かつては、日本初の300mmファブであるトレセンティテクノロジーを日立製作所と共同設立したこともあり、日本市場に相当力が入っていた。2013年に、日本での営業拠点としてユー・エム・シー・ジャパングループをあらたに東京・秋葉原に設立し、ふたたび日本市場へ参入し、売り上げ拡大を目指している。今回のワークショップでは、UMC Japan Group代表取締役社長の張仁治氏が最初に登壇し、「日本の半導体市場でファウンドリの利用率が上がってきており、UMCにとって追い風となっている。IDMのような垂直統合は、少品種大量生産に向いているが、多品種少量生産には適した構造ではない。一方、水平分業(ファブレスやファウンドリ)は、多品種少量生産に向いているが、成功するためには製品・設計・製造・組立間の協業が重要で、これらの工程前後の協力、そしてエコシステムの構築が必須である。UMCは、U(You=顧客)とM(Me=当社)がCollaborate(協業)する手法に長けた会社でありたい」と述べた。次に、UMCのCEOであるP.W.Yen氏(図2)が「IoTファウンドリ―」と題して講演し、「2020年には500億個ものモノがインターネットに接続される。半導体のテクノロジードライバーもPCからモバイル、そしてIoT関連へと変化しつつある。そんな中、IoT時代にふさわしいファウンドリを目指す」と宣言した。そして「I」、「O」および「T」を頭文字とする、次のような3つのスローガンを掲げた。Innovation for Best C/P+(性能あたりのコストをさらに下げて最小化するイノベーション)Operation with Maximum Flexibility(柔軟性を最大限生かした事業展開)Technology Leading in Speciality(専門領域での技術の主導性)Yen CEOは、さらに、車載半導体ビジネスについて強調し、次のように述べた。「これからの車に搭載されるシリコンコンテンツは急激に増加していく。このため、車載ICセクターは他の半導体セグメントと比較して最高のCAGR(年平均成長率)を達成するのは確実だ。UMCには車載ICサプライヤーとしての素晴らしい歴史があり、業務継続システム、製造工程での「欠陥ゼロ」手法を組み込んだ包括的な車載テクノロジー・プラットフォーム「UMC Auto」の提供により、さらに多くのお客様に車載IC市場でのビジネスチャンスをつかんでいただきたい」UMC Auto(図3)は、5月26日に台湾本社から発表されたばかりの、車載IC設計企業向けサービスパッケージで、0.5μmから28nmのノードに及ぶAEC-Q100に準拠した、幅広く包括的な車載テクノロジ・プラットフォームである。これは、厳しい審査を経て認証されたISO TS-16949自動車品質基準を有するUMCの全工場における堅牢な製造プロセスにサポートされている。自動車産業のサプライチェーンの進化を加速させるために、認証済みの設計モデル、IP、UMC Auto プラットフォームに準拠したファウンドリ設計キットを開発し、チップ設計者が「モノのインターネット」(IoT)などの新たな市場機会を捉え、車載アプリケーションにおけるセンサの使用を促進する手助けをする。車載半導体について、マーケティング部門の技術マネージャーT. T. Yanは、2018年までの半導体の平均成長率は年率5.5%と予想される中で、車載半導体の伸びは10.8%と最も高い伸びが期待できる分野なので、UMCとしても力を入れている。車載用半導体製造委託品数が2013年以降、以前の2倍のペースで増えている(図4)」と述べた。同社の車載用ウェハプロセスは、車載OEM8社に採用され、2010年以降すでに70種類意表の車載製品をてがけ、そのために24万枚以上のウェハ処理を行った実績を強調した(図5)。そして、クルマ仕様の高温動作保証や、車内外を無線でつなげるためのRFプロセス、そしてクルマ独特の高品質なゼロ欠陥プロセスなど、車載プロセスの工程管理も含めた総合パッケージパッケージ、UMC Autoによって、車載アプリケーション向けチップを設計するIC企業の設計を支援することを強調した、●三重富士通セミコンダクターに40nmプロセスをライセンス○三重富士通と資本提携して日本市場での増収狙う最先端プロセス開発担当VPのT. R. Yew氏は、今後の微細化の戦略を説明した(図6)。現在、28nmプロセスを用いたHLP(High- Performance Low-Power)およびHPM(High-Performance Mobile)を量産しているが、ライバルをキャッチアップするため、20nmはスキップして、現在、14nmプロセスを開発中である。UMCにとっては初のFinFET構造(図7)である。もともと米IBMからライセンスされた基礎技術を基に、社内で改良を重ねており、最初の顧客に向けたテープアウトは今年末、顧客へのデザインキットの提供開始は来年第1四半期に行う方向で全力を挙げて開発中。14nmデバイスは、同社の28nm製品に比べて、性能が5割増し、消費電力が6割減を期待できると言う。10nmおよびそれ以降のプロセスについては、先端研究開発エンジニアをIBM半導体研究開発センター(米国ニューヨーク州Albany市ニューヨーク州立大学(SUNY)キャンパス内)に派遣して、IBMと協業開発体制を敷いている。現状では、生産量でも先端プロセスでもTSMCに大きく差をつけられてしまっているが、長期戦でなんとかキャッチアップしようとIBMの英知を活用しようという作戦のようだ。Yew氏によると、今後さらに微細化を続けるためには、多重パターニングとDFM(Design for Manufacturing:製造段階で見いだされた設計起因の問題を迅速に設計へフィードバックし設計側で対応策を盛り込むことで製造を容易にする手法)の徹底活用が鍵を握るとした。またUMCは、ウェハプロセスに留まらずIC設計、IP提供、LSI検査(図8)、パッケージ実装なども含めたトータルサービスを提供する高付加価値タ―ンキーサービスを目指している。さらに富士通とUMCの合弁企業となった三重富士通セミコンダクター(図9、資本金75億円、従業員850名)の代表取締役社長と務める八木春良氏(図10)もUMCのパートナーとして「(UMCが)日本に根付いたお客様サービスのために(Partnership with UMC and its values for Customers)」と題して講演した。同社は2014年12月に富士通セミコンダクターの100%出資のファウンドリとして発足したが2015年3月にUMCの資本参加を受けて、現在の持ち株比率は富士通90.7% UMC9.3%となっている。かつて三重工場は、TSMCへ売却のうわさがあったが、それが立ち消えとなり、その後、UMCの資本をうけいれることになった。富士通は、以前65/55nmプロセスをUMCシンガポールの8インチファブ(Fab12i)へ技術移管した経緯があり、UMCとはかねてより技術交流があった。 2015年3月の両社の資本提携の結果、富士通はUMCから40nmプロセスのライセンスの供与を受け、現在ファブB2(図8)に40nmプロセスラインを構築中である。一方、富士通側からUMCへはNVM(non volatile memory:不揮発性メモリ)およびDDC(Deeply Depleted Channel:チャネルを深く空乏化させモバイル製品の消費電力を抑える技術)を供与している(図11)。富士通は,もともと自主開発してきた90/65/55nmプロセスに新たにUMCの40nmプロセスを加えて、生産規模を現状の3万5000枚/月(300mmウェハ換算)から4万枚に引き上げる計画である。本年度の売り上げは850~900億円をめざす。UMCが今度こそ日本に根づいた半導体受託サービスを行い成功するか否かは、三重富士通とのファウンドリとしての協業の成否に掛っているといえよう。なお、2015年5月20日に発表された最新の世界半導体市場売上高ランキング(2015年第1四半期)(ファブレスやファウンドリを含む、米国調査会社IC Insights調べ)でUMCは2桁成長で20位入りを果たした。ちなみに、2014年通年のランキングは21位だった。
2015年06月02日エルナーは5月28日、車載レーダーなどで活用されるミリ波向け高周波回路基板として開発を進めてきたテフロン材料を基材に使用した「テフロン2層基板」ならびに「テフロン複合基板」の施策受注を2015年8月より受け付けると発表した。テフロン複合基板は、高周波特性に優れた基材「テフロン」と一般基材とを複合積層することで、高周波回路基板で求められる損失の低減化と、ミリ波向け高周波回路基板の低コスト化、小型化を両立しようというものとなっている。なお同社では、今後、さらに多彩な高周波基材と組み合わせることで、多様な層構成に対応出来るようラインアップの拡充を図っていく計画としている。
2015年05月28日セイコーインスツル(SII)は5月27日、車載機器用モーターの回転検知に向けた、150℃動作・26V耐圧の車載用ホールIC「S-57P1シリーズ」を製品化し、このほど受注を開始したと発表した。同製品は交番検知型のホールICで、磁束密度の極性変化を検知し、出力電圧が変化する仕組みで、磁石と組み合わせることにより、さまざまな機器の回転検出が可能となる。動作温度が150℃(ジャンクション温度は170℃)まで、電源電圧が26Vまで、磁気感度精度が±1.0mTとなっており、磁石と組み合わせた機構の動作ばらつきを小さくすることで、過酷な環境でも使用が可能だ。主なアプリケーションとしては、ファンモータ、パワーステアリングなどの車載機器用モータのほか、高温動作が必要な産業用モータなどでの使用が想定されている。SIIは、2015年度の年間販売目標を200万個としている。
2015年05月27日パナソニックは4月21日、車載用のナノイー発生機「CA-NEP01DM-C」「CA-NEP01DP-C」「CA-NEP01DA-C」を発表した。発売は6月下旬。価格はオープンで、推定市場価格は20,000円前後(税込)。同製品は、アロマ機能を追加した車載用ナノイー発生装置。ハーブとアロマセラピーの専門店である「生活の木」とタイアップし、生活の木で販売している9種類のエッセンシャルオイルを推奨する。別売の「ドライブアロマライト専用パッド」に交換すれば、別のアロマも使用可能だ。本体カバーを回すと電源がオンになり、社内にナノイーを噴出する。電源はシガーライターソケットに接続して得るが、内蔵バッテリーも装備。降車時にタイマーボタンを押すと、内蔵バッテリーによって約30分間ナノイー発生を継続させる。ダッシュボードに貼り付けて設置できるほか、付属のアタッチメントを使用することで、カップホルダーにも設置可能だ。本体サイズは直径100×高さ56.5mm、質量は約200g。カラーはウッディベージュ(CA-NEP01DM-C)、コスメティックピンク(CA-NEP01DP-C)、スタイリッシュネイビー(CA-NEP01DA-C)の3色。
2015年04月21日Texas Instruments(TI)は、車載HUD(ヘッドアップ・ディスプレイ)に最適化したDLPチップセット「DLP3000-Q1」を発表した。同製品は、WVGAの解像度に対応した0.3インチDMD(デジタル・ミラー・デバイス)と、「DLPC120」コントローラで構成され、視野(FOV)12度のHUDを実現することを可能とする。これにより、ナビゲーション・インディケータや目標物の詳細な内容を、2mから20m先の知覚深度で運転者の視野内にリアルタイムに表示することができるようになるほか、さまざま仮想現実要素が可能となり、運転者の走行路への集中を維持させることを可能とする。また、輝度は15,000cd/m2、動的な調光範囲は5,000:1、FOFO(full on/full off)、コントラストは1,000:1を超え、NTSC(全米テレビジョン放送方式標準化委員会)色域性能125%を実現している。光源は限定しておらず、現状はLEDを用いているが、車載向けHUCに適したレーザー光源への将来的な移行も提供する予定だという。なお、同製品はすでに大手自動車メーカー各社やティア1サプライヤ各社向けにサンプル出荷を開始しているという。
2015年04月16日キヤノンは4月8日、4K(3,840×2,160ドット)/29.97fps記録対応の業務用ビデオカメラ「XC-10」を発表した。発売は6月中旬で、価格はオープン。XC-10は、映像制作のプロやハイアマチュア向けのコンパクトなデジタルビデオカメラ。光学10倍ズームレンズを搭載し、センサーには有効画素数1,200万画素の1.0型CMOSセンサーを採用した。新開発の映像処理エンジン「DIGIC DV 5」を搭載し、高速な処理が可能だ。新開発の独自ビデオフォーマット「XF-AVC」を採用したことで、4K/フルHDの画質を維持しつつ高圧縮し、動画データを効率よくメモリーカードへ記録できる。「CINEMA EOS SYSTEM」に搭載されている映像記録方式と同様の「Canon Log」と「ワイドDRガンマ」により、高輝度部や暗部でも白とびや黒つぶれの少ない映像を撮影可能だ。記録メディアには、4Kの場合はCFast 2.0カード、フルHD(1,920×1,080ドット)以下の場合はSDメモリーカードを利用する。静止画撮影用にメカシャッターを搭載。「4K フレームキャプチャー」機能を使用すれば、秒間30コマで約829万画素の静止画を記録できる。主な仕様は、撮像素子が有効約829万画素(静止画は約1,200万画素)の1.0型CMOSセンサー、レンズが焦点距離8.9~89mm(35mm判換算時:動画が27.3~273mm、静止画が24.1~241mm)の光学10倍ズーム、開放F値がF2.8(W端)~F5.6(T端)、対応感度がISO160~ISO20000となっている。背面のモニターはチルト式で、約103万画素・3.0型のタッチパネル式。記録形式は静止画がJPEG、動画がMOV(MPEG-4 AVC/H.264)。本体サイズは約W125×D122×H102mm、重量は約1,040g(フード、バッテリ、記録メディア含む)。
2015年04月08日イーソルは4月7日、車載機器開発ソリューション事業を強化することを目的に、100%子会社イーソルトリニティを設立し、2015年4月1日より事業を開始したと発表した。自動車産業において、先進的運転支援システム(ADAS)、自動運転技術などの次世代技術の開発が進められているなか、こうした車載システムおよび管理システムにおけるソフトウェア比重がますます増大している状況がある。セーフティ・クリティカルな車載システムの開発では、テストを膨大にこなすことやコスト削減を目的に、早期のシステム設計やシミュレーション環境を利用した早期の動作検証という新たな開発手法が求められており、これらの重要課題に対して新会社では「ソリューション(コンサルティング、プロフェッショナルサービスなど)」「ツール」「エンジニア教育」を3つの柱として提供していくとしている。
2015年04月07日凸版印刷は4月6日、車載ディスプレイ向けに静電容量方式の3D銅タッチパネルモジュールを開発したと発表した。同製品は微細な銅メッシュ配線技術により、車載ディスプレイの樹脂カバー越しでも高感度マルチタッチに対応し、スワイプや拡大縮小などのディスプレイ操作を実現したもの。また、ワンダーフューチャーコーポレーションの技術協力のもと、銅タッチセンサーフィルムを3次元曲面に成型しモジュール化したことで、センターコンソールへの対応が可能となった。さらに、ディスプレイとコントロールパネルの回路の一体成型が実現したことで、センターコンソールのデザイン性向上にも貢献する。同社は今後、2015年7月にサンプル出荷を行い2017年度に約30億円の売上を目指すとしているほか、同技術を活用した3D曲面タッチパッドの開発も進め、ゲームコントローラーなどアミューズメント市場向けへ展開するとしている。
2015年04月07日サンコーは4月1日、車のドリンクホルダーに入れて固定する「車載がっちりタブレットカップホルダー」を販売開始した。サンコーレアモノショップでの直販価格は税込5,980円となっている。車載がっちりタブレットカップホルダーは、車のドリンクホルダーに固定して使用するタブレット用アームスタンド。ドリンクホルダーに基部を挿しこんで使用する。設置可能なドリンクホルダーは直径63mmから83mmまでで、セットできるタブレットは7インチから11インチまで。なお、サンコーはエアコンの風向口に取り付けるドリンクホルダーへの取り付けについては推奨しないとしている。長さの異なるアームが3本付属。1本のみでも使用できるが、2本を組み合わせて長さを調節でき、180mm/210mm/240mm/275mm/300mm/340mmの合計6パターンでセッティング可能だ。タブレットは、トレー部分に設けられた9カ所のレーンに、5つのフックを取り付けて固定する。タブレットを安定して固定できるよう、フックの位置は自由に調整可能だ。耐荷重は1kg。トレー部の本体サイズはW195×D50×H132mm、重量は746g。
2015年04月03日Cypress Semiconductorは、 車載用マイクロコントローラー(マイコン)の「Traveoファミリ」の新シリーズを市場投入し、ラインアップを拡充することを発表した。今回発表した「S6J32BA」および「S6J32DA」は、2014年10月にSpansionが発表した、中型車向けの「Traveo」2D対応グラフィックマイコン「S6J324C」および3D対応グラフィックマイコン「S6J326C」をベースに開発され、コンパクトカー向けに最適化された製品。この新シリーズのマイコンを採用することで、ダッシュボード、ヘッドアップディスプレイ、冷暖房空調(HVAC) システム向けの先進機能や2D/3Dグラフィックを組み込んだコストパフォーマンスの高いプラットフォームをコンパクトカーに実装できる。Traveoファミリは、最適化された最先端の2D/3Dグラフィックを実現し、消費電力やBOMコストを増やすことなく、車載特有のグラフィック機能を自動車に提供する。初の3D対応「ARM Cortex-R5」搭載クラスタ向けマイコンとして、Cypressのグラフィックエンジンは、外付けビデオRAMを利用することなく、メモリ使用量の低減、セーフティ機能の向上、リッチな画像機能を実現する。これにより、システム全体のコストを低減すると共に、これまで高級自動車のみに限定されていた先進的なドライバーエクスペリエンスを、さらに多くの車種に拡大する。S6J32BAおよびS6J32DAの新製品シリーズは、ARM Cortex-R5プロセッサ、1MBの内蔵フラッシュ、1MBの内蔵VRAM、eSHE(enhanced secure hardware extension)、「HyperBus」インタフェースなどによって構成されている。同インタフェースは、「HyperFlash」メモリや「HyperRAM」メモリなどのHyperBusメモリとシームレスな接続が可能。S6J32BAおよびS6J32DAはその前身であるS6J324CおよびS6J326Cとピン互換性を備える。これにより、ユーザーは基板のレイアウトに変更を加えることなく、柔軟かつ容易にアップグレードできる。また、グラフィック機能に加え、16ビットのオーディオDACおよびマルチチャンネルミキサーを装備した高度なサウンドシステムが採用されている。なおS6J32DAは、現在サンプルを出荷中。S6J32BAは、2015年4月にサンプル出荷を開始する予定となっている。
2015年03月30日STマイクロエレクトロニクス(ST)は3月13日、小型パッケージ(WFDFPN8、2x3mm)で提供される車載用シリアルEEPROMを発表した。同製品は2KB~512KBのメモリ容量オプションを持つと共に、I2C・SPIシリアル・インターフェースに対応している。また、AEC-Q100グレード0に準拠した信頼性試験に合格しており、最高動作温度は125℃となる。このほか、パラメータの高速保存(書き込み時間:4ms)、高速データ交換(最高クロック周波数:20MHz)、組込みトレース機能とセキュリティ機能などの特徴がある。さらに、ソフトウェア識別向けの専用ページや、重要データの保護に役立つ書き込みロックが可能なページなども備わっている。STは、同製品によって、高度に統合されたボディ・コントローラおよびゲートウェイや、高度運転支援システム(ADAS)用レーダーおよびカメラ・モジュールの設計柔軟性を最大限高めることができるとしている。この車載用シリアルEEPROMは現在入手可能で、M24C02-DRMF3TG/K(メモリ容量:2KB、I2Cインターフェース搭載)の単価は、5000個購入時に約0.156ドルとなっている。
2015年03月13日○どのような車載要件にも応えるLEDドライバ製品を提供世界でも十指に入る車載半導体サプライヤーであるオン・セミコンダクターは、車載向けパワーバラストやデュアルチャネルLEDドライバをはじめ、どのような車載要件にも応えるLEDドライバ製品を提供している。2014年に買収した車載・産業市場向け高性能CMOSイメージセンサのリーディングプロバイダーであるアプティナ・イメージングの製品ポートフォリオも加わったことで今後、より広範にわたるライティングソリューションの提供が可能になった。○柔軟性が高く自由な設計に対応する次世代LEDライトソリューションオン・セミコンダクターが提供する「NCV78763」は、小型電力安定器およびデュアルチャネルLEDドライバで、最大60VのLEDストリング2個を駆動できる高性能の1チップ車載ランプソリューションだ。欧州の高級車リーディングカンパニーが採用したことで、次世代ピクセル・マトリックスフロントライトソリューションとして一躍脚光を浴びることとなっている。同製品は、自動車のヘッドライト・アプリケーション用に最適化されたデバイスとなっており、ハイビーム、ロービーム、方向指示器、スタティック・コーナリング、霧および日中走行用ライトに使用できる。インタフェースには、シリアル周辺機器インタフェース(SPI)を搭載、プログラミングが可能なため、柔軟性が高く自由な設計に対応することが可能だ。さらに、多くのLEDストリングを利用することで幅広い車両モデルに対応した複数のシステム構成を実現でき、設計サイクルが大幅に短縮されるとともに、エンジニアリングの負荷も大幅に削減することができる。各LEDチャネルに対して個別にバックスイッチ出力が用意されており、それを通して出力電流と出力電圧両方を特定のアプリケーション基準に合わせて構成できる。また、各出力においてDC電流1.6Aをサポート。組み込み式の電流モードの電圧ブースターコントローラにより入力電流のフィルタを実現できる。さらに、パルス幅変調(PWM)ダイレクトフィードに加え、最大4kHzの周波数に対応した内蔵式のPWM調光機能も含まれており、外部のマイコンからの全周波数域および分解能制御が可能となっている。なお同製品は、5mm×5mm QFN-32、7mm×7mm QFN-32、および36ピンSSOPの3つのパッケージが用意されている。○自動車用ライトはピクセル・マトリックスLEDライトへ自動車用ライトは、より幅広いエリアを照射すると同時に、先行車や対向車などに対して照射範囲を限定する必要がある。これまではモーター制御によるアドバンスド・フロントライトシステムが主流であったが、部品点数が多くなる上に故障の不安のある可動部品を使用する必要があった。そこで、次世代のフロントライトソリューションとして注目されているのが、ピクセル・マトリックス型のLEDライトだ。ピクセルライトは、多数の独立したLEDで構成されているため、配光の組み合わせが自由であることが特長である。個々のLEDを電気的に制御できるため、先行車や対向車のいる方向だけを減光したり、消灯することができる。ピクセルライトはイメージセンサで対向車の距離と位置を測定し、マイコンから送信される信号で光量を調節するため、周囲の状況に合わせて自動的、効率的にライトの照射範囲を最大化することができる。例えば、通常走行時はすべてのLEDを最大光量で点灯して幅広い視界を確保しつつ、先行車や対向車がいるときにはLEDをコントロールして相手の眩惑を防ぐといったことができるようになる。また、カーブの際には曲がる方向にまで照射範囲を広げることも可能なほか、ピクセル・マトリックス型のLEDライトは「シーケンシャル・ターン(連鎖式点灯:流れるウインカー)」にも応用できる。同機能を採用すると、後続車の視認性が大幅に改善されることが最近の実験により検証されているが、そうしたピクセル・マトリックスLEDライトを実現するデバイスが「NCV78763」なのである。○コントローラの試作サンプルを提供中オン・セミコンダクターでは、ピクセルライティングコントローラの新製品「NCV78247」を開発しており、試作サンプルの提供を行っている。また、ブーストとバックのコントローラを分離し、より幅広い要求に対応した第3世代IC「NCV78723/703」を搭載したマスターボードと「NCV78247」を搭載したピクセルボードをセットにしたピクセルライトソリューションも販売予定となっている。
2015年03月09日ドスパラは、2台のスマートフォンを設置できる車載用のスマートフォンホルダー「DN-12790」を、同社直営の「上海問屋」限定で4日に販売開始した。価格は税込1,499円。スマートフォンを2台設置できる吸盤式の車載スマートフォンホルダー。運転する側はナビゲーション用に、助手席側は動画鑑賞用など、用途を分けて使用可能。アームはフレキシブルで、運転席側と助手席側で適切な角度に合わせられる。iPhone6 PlusやXperia Z Ultraといった大画面スマートフォン/タブレットにも対応。ホルダーをロックできるロックボタンも備える。対応機種は本体幅最大9.5cmのスマートフォン/タブレット。吸盤サイズは直径7.3cm。重量は約235g。
2015年03月04日セイコーインスツル(SII)は3月3日、高耐圧36V動作の車載用250mA LDO レギュレータ「S-19212シリーズ」を製品化し、受注を開始した。LDOレギュレータは、出力電圧を一定に保つよう制御する半導体で、S-19212シリーズは±2.0%の出力電圧精度で、2.5V~16.0Vの範囲の出力電圧を0.1Vステップで選択可能。6.5μAの低消費電流のためバッテリー直結システムの暗電流削減に適しており、4種類のパッケージラインアップと合わせて幅広いニーズに対応する。入力電圧36V、定格45Vの高耐圧製品のため、直接12V鉛バッテリーに接続できる。動作温度は125℃まで可能であり、エンジン周りなど高温対応が求められる用途に適応する。三温度テスト(低温、常温、高温)を実施し、車載電子部品評議会(AEC)による各種の信頼性・品質評価試験である「AEC-Q100」に対応予定。また、PPAP(生産部品承認プロセス)にも対応し、自動車などの過酷な環境下での使用が可能となっている。パッケージは、HSOP-8A(6.0mm×5.02mm×1.68mm)、SOT-89-5(4.5mm×4.5mm×1.6mm)、HSOP-6(6.0mm×5.02mm×1.75mm)、SOT-23-5(2.8mm×2.9mm×1.3mm)の4種類で、鉛フリー・ハロゲンフリーとなっている。熱シミュレーションサービスにより、熱抵抗値や推奨配線率などを考慮し最適なパッケージを提案する。販売目標は2015年度で年間200万個となっている。
2015年03月04日2月18日、サンディスクは車載用のフラッシュストレージソリューションを発表した。同製品はカーオーディオやシンプルなアプリ、2D/3Dナビゲーションシステムを備えた従来のベーシックナビ市場はもちろんのこと、4G LTEによるインターネット接続により車内の情報端末化を進め利便性を高める「コネクテッドカー」市場、そして先進運転支援システム(ADAS)や自動運転システムなどによってさらに需要が広がるであろう未来のドライビングシステムを見据えたものだ。2014年にはApple CarPlayやAndroid Autoなど、数多くのカープラットフォームへの参入が発表された。このたびの発表は、こういった車載システムに対応したフラッシュストレージへサンディスクが本格的に参入する決意の表れと言えるだろう。NANDフラッシュメモリの製品マーケティングを担当しているラッセル・ルーベン氏に、サンディスクが車載用フラッシュストレージソリューション向けの製品を発表した経緯についてお話を伺う機会を得られたので、その様子をお伝えしよう。なお実際に出荷される製品は、4GB~64GBのSDカードと、8GB~64GBのiNAND組み込みフラッシュドライブ(EFD)となる。いずれも一次サプライヤーを通じて自動車メーカー各社にすでに供給されており、現在は実際に製品に組み込むための評価テストが行われている最中だという。○コネクテッドカー市場をフラッシュメモリ技術で支えるサンディスク──フラッシュメモリのパイオニアとして市場を牽引してきたサンディスクまずはサンディスクについてお話します。ご存じのとおり弊社はNANDフラッシュメモリを専門としている会社です。8,700人以上の社員が世界中で働いておりまして、25年以上にわたってNANDフラッシュメモリ市場をリードしています。数多くのデジタルカメラやモバイル機器用のフラッシュメモリ、PC用のSSDなどを生産していますので、リテール製品が主力と思われるかもしれません。しかし弊社の売り上げでいうとリテール品は33%でして、残りの67%はビジネス向けに出荷されているOEM製品が占めています。今回発表した車載向けSDカードと車載向けiNANDのNANDフラッシュメモリの製造は四日市の工場で行っておりまして、アセンブリ工程をサンディスクの上海工場で行っております。──車載用フラッシュメモリに求められる高い信頼性とは調査会社のガートナーでは、2020年には世界中で走行する自動車のうち、およそ20%がなんらかの通信接続を利用することになると予想しています。つまり、2億5千万台以上の自動車がインターネットに接続する時代がやってくるのです。そんな自動車の情報端末化に向けて、いま信頼性と応答性、そして容量に優れたフラッシュメモリが求められています。しかし、車載に耐えうるフラッシュメモリを製造するのは簡単ではありません。自動車市場には、大手自動車メーカーおよび電子部品メーカーによって作られた車載用電子部品の信頼性についての規格「AEC-Q100」(Automotive Electronics Council)というものがあり、この規格をクリアした製品でなくては自動車メーカーも製品を採用できないのです。サンディスクの車載用フラッシュストレージはこの「AEC-Q100」に準拠した車載用途に耐えうる製品です。動作温度は-40℃~85℃となり、一般的なモバイル機器向けの製品の-25℃~85℃に比べてより温度の低い環境で動作可能です。読み書き耐性や動作速度なども求められるため、信頼性を重視した設計にしています。また車載向けiNANDはeMMC 4.51(HS200モード)規格に準拠した製品となり、連続書き込み最大30MB//読み出し最大120MB/秒を実現しています。地図読み込みの高速化やタッチスクリーンの応答速度向上などに高い効果を発揮することでしょう。──サンディスクが自動車メーカーの厳しい基準をクリアできる理由サンディスクがこういった車載向けの厳しい基準をクリアできる理由は、垂直統合モデルを採用していることにあります。製品の開発・生産・販売を一社で行うことにより、徹底した品質管理と、迅速な対応を実現しているのです。ファームウェアやコントローラも自社で開発しており、他の会社は介在していません。このような一貫した生産体制により、顧客の要望や不具合にも即座に対応が可能なのです。また自動車に電子機器を組み込むためには、1~2年という非常に長い評価テストが必要となります。そして、一度採用された製品は長い間使用され続けます。つまり、品質を保ったままひとつのプロセスを長期間供給し続けなくてはならないわけです。ですが、サンディスクなら生産ラインを自社でコントロールできるため、このような厳しい要求にも答えられるのです。──サンディスクの車載向け市場への参入の意気込み今回の車載用フラッシュストレージソリューションの発表以前から、サンディスクでは自動車向けにNANDフラッシュメモリの供給を行っていました。過去の評価テストでも他社と比べて信頼性で高い評価を得ています。今後、車載向け市場はより多くの需要が見込まれており、求められる品質も高くなっていくでしょう。サンディスクでは、そんな車載向け市場の動向に合わせて社内組織を改編し、自動車メーカーの要望に答えられる新製品の開発を進めてきました。これから一層、車載向けフラッシュメモリの製造・販売に注力していきます。***ラッセル・ルーベン氏のお話の通り、サンディスクは今後、本格的に車載向けフラッシュメモリの開発・生産・販売を行っていく方針だ。NANDフラッシュメモリに特化したビジネスを行ってきたサンディスクが長い歴史で培ったノウハウが、これから車載向けフラッシュメモリの製造にも活かされることだろう。急速に進んでいる自動車の情報端末化。サンディスクはそんな高度情報処理システムを支える重要な役割を担うことになりそうだ。
2015年02月27日ルネサス エレクトロニクスは2月20日、インスツルメントクラスタ向けに車載用32ビットマイコン「RH850/D1xシリーズ」7グループ22品種を発表した。同シリーズは、ボリュームゾーンであるエントリクラスやミッドレンジクラスに向けてゲージ制御、グラフィックス表示と機能安全を1チップで実現し、システムコストを低減しながら、高信頼度のカラー液晶搭載のインスツルメントクラスタシステムを提供する。具体的には、3.5MBの大容量RAMを搭載するとともに、RAM使用量を低減する独自のグラフィクス表示エンジンと組み合わせて使うことにより、外部DRAMなしで高精細な液晶表示機能を実現した。また、外部に高速DRAMを不要にすることにより、4層基板など安価な基板への実装を可能にした。さらに、ゲージ制御や車載通信といった基本機能と、表示する液晶パネルサイズの組み合わせにより7グループ22品種をラインアップした。ラインアップを通じて、ソフトウェアの流用性を高めることでインスツルメントクラスタシステムのプラットフォーム化を容易に行うことができ、ソフトウェアの開発期間を短縮し、開発コストとメンテナンスコストを低減できる。そして、高機能グラフィックス描画エンジンを内蔵し、ミッドレンジで必要とされる大型、高精細(WVGA)の液晶パネルにグラフィクスを描画する他、ヘッドアップディスプレイへの表現力、視認性を向上させた。このグラフィクス描画エンジンはOpenVG1.1に準拠しており、標準APIをサポートしているHMI(Human Machine Interface)開発ツールを導入することにより開発期間の短縮を可能にした。加えて、フロントガラスなどの曲面に合わせて、画像の遅延なしに自動的に任意の形に画像を変形・補正する機能を搭載し、インスツルメントクラスタにヘッドアップディスプレイ機能の追加を可能にした。この他、インスツルメントクラスタシステムの機能安全を実現するために、システムの誤動作を検出する機能や、ワーニングやギアポジションなどの重要な情報が正常に出力されていることを常に監視し、万が一異常が起こった場合にでも安全を確保できる表示機能を搭載した。なお、サンプル価格は「RH850/D1M2H」が1万円。2016年4月より量産を開始し、2018年4月には月産400万個体制を構築する計画としている。
2015年02月23日