オプティムは9月4日、IoTへの「乗っ取り」「のぞき見」「なりすまし」といった不正遠隔操作を防止する、出口対策セキュリティの世界特許技術を発表した。同社はこの技術を利用し、機密性の高い個人情報を不正遠隔操作から守り、IoT時代に必要なセキュリティを提供するとしている。この特許技術では、万が一ウイルス対策ソフトが検知できない新しい不正な遠隔操作ウイルスがネット端末に混入した場合であっても、それを検知し、不正遠隔操作対策を行える。この技術を利用した製品・サービスを全世界で展開する予定で、日本と韓国では特許取得を完了。そのほか米国、中国、欧州などでも特許出願中だという。同技術では、遠隔操作をする場合に呼び出されるコンピューターの「API」コマンドに注目し、不正ソフトにAPIが呼びだされていないかを監視する。このAPIのリアルタイム監視(APIフック)にもとづいた不正遠隔操作防止技術は広範囲に応用できる。特許技術を実用化した不正遠隔操作対策ソフト「Optimal Guard」のPC遠隔操作ウイルス対策機能は、PCへの外部操作を監視し、第三者からの不正な遠隔操作を防止する「遠隔操作監視」とユーザーの意図しない不正な書き込みを監視し防止する「なりすまし書き込み防止」、画面の表示内容の転送やキーボード操作の記録を検知して不正な第三者への送信を防止する「盗み見対策」、不正プログラムが行った通信を記録して身に覚えのないパソコン操作を明らかにする「通信記録の保存」の4種類。このうち、「なりすまし防止」は従来対策が難しいとされてきた機能だという。
2015年09月07日日本マイクロソフトら6社は8月25日、「Microsoft Azure Machine Learning」を活用した診療支援技術研究開発プロジェクトの研究開発事業を10月より開始すると発表した。6社は日本マイクロソフトとUBIC MEDICAL、アドバンスト・メディア、システムフレンド、セムコ・テクノ、ソフトバンクで、慶應義塾と協力して事業を進める。精神科領域において患者症状の重症度は、患者の自覚症状や評価者の観察に基づいて評価されている。しかし、日常臨床における治療導入決定や治療効果判定、新薬開発のための治験では、こうした評価の客観性の低さが障壁となるケースもあるという。これらを踏まえ、慶應義塾大学医学部精神・神経科学教室の岸本 泰士郎専任講師の研究チームは、表情・瞬目モニタリングによる客観的なうつ病・躁うつ病症状の評価研究に取り組む。この研究では、気分、集中力、倦怠感といった患者の主観的体験や、他者が観察可能な気分の表出、動作速度など、病状の中心となる症状を定量化。診療時における表情、音声、体動などのデータをデバイス内で一次解析し、クラウドに転送、重症度評価のアルゴリズムと突合して症状を客観的に評価し、リアルタイムで診察室に結果を提示する診療支援デバイスの開発を目指す。また、スマートフォンなどをプラットフォームとして過去数週間の生活活動データをクラウドで入手し診察室でのデータと融合し、解析を補完していく。取得したデータはマイクロソフトが提供するクラウドベースな機械学習サービス「Microsoft Azure Machine Learning」を活用。各疾患のゴールドスタンダードである評価尺度との相関が高くなる最適なアルゴリズムを探索・構築する。これにより、従来定量化し得なかった患者の思考、表情、発言内容を可視化し、臨床評価や治療に活用することが期待されている。こうしたデバイスの開発によって客観的評価尺度が確立されれば、重症度や治療効果判定の客観性が高まり、治療選択が科学的根拠に基づくものとなる。バイアスの大きい評価に依存しなくてもよくなることで、治験の失敗も防ぐことにつながるという。また、客観的指標の普及によって治療実績の評価・比較が容易になり、国家レベルの施策も行いやすくなる。さらには、医療費抑制だけでなく、基礎研究の促進、医療輸出への貢献も期待される。今回のプロジェクトにおいて、UBIC MEDICALは、事業化および事業化後の販売を担う。研究においては、独自開発の人工知能技術を駆使したテキスト分析を用いて、語彙数・指示語・感情語・文章構造に重点を置いた解析により、テキストにあらわれた患者の思考や表現の定量化を行う。アドバンスト・メディアは、この研究における精神科領域専用辞書を作成し、音声認識技術AmiVoiceを用いてテキスト化する。続くシステムフレンドは、赤外線を使ったモーションセンシング技術で診察室入室から退室までの体動を記録し動作速度や落ち着きのなさを定量化する。セムコ・テクノの担当領域では、システムフレンドとセムコ・テクノの共同作業によって、これら精神症状の定量化のために最適化された各種センサー、解析機能、結果表示モニターといった機能を搭載したデバイスを開発する。また、ソフトバンクは被検者から睡眠、活動量、会話といった日常生活活動について、スマートフォンなどでデータを収集する。日本マイクロソフトは、得られたデータをセキュアに保管、機械学習のAPIを提供し、データ解析を実行するプラットフォームを提供し、全体のシステムの設計も担う。一方で慶應義塾は解析結果と、一般的な臨床症状評価を突合し、重症度評価のアルゴリズムを作成する。なお、表情解析はオムロンとの表情認識技術を用いた共同研究の取り組みとして実施するという。
2015年08月25日ソフトバンクや日本マイクロソフトなど6社は8月25日、慶應義塾と協力し、Microsoft Azure Machine Learning(機械学習)を活用した診療支援技術研究開発プロジェクトの研究開発事業を開始すると発表した。研究開発期間は2015年10月から2019年3月まで。同事業は日本医療研究開発機構の医療機器・システム研究開発事業「ICTを活用した診療支援技術研究開発プロジェクト」における2015年度の委託先として採択されたもので、ソフトバンク、日本マイクロソフト、UBIC MEDICAL、アドバンスト・メディア、システムフレンド、セムコ・テクノが参画する。現在、精神科領域における患者症状の重症度評価は、患者の自覚症状や評価者の観察に基づいており、客観性に乏しい重症度評価が、日常臨床での治療導入の決定や治療効果判定、新薬開発のための治験の大きな障壁となる場合がある。同研究では、慶應義塾大学医学部精神・神経科学教室 岸本泰士郎専任講師の研究チームが行ってきた、表情・瞬目モニタリングによる客観的うつ病・躁うつ病症状の評価研究を発展させ、診療時における表情・音声・体動などのデータをデバイス内で一次解析し、クラウドに転送、重症度評価のアルゴリズムと突合して症状を客観的に評価し、リアルタイムで診察室に結果を提示する診療支援デバイスを開発する。また、スマートフォンなどをプラットフォームとして過去数週間の生活活動データをクラウドで入手し診察室でのデータと融合することで、解析を補完するという。さらに、Microsoft Azure Machine Learningを用いて、得られたデータと各疾患の評価尺度との相関が高くなる最適なアルゴリズムを探索、構築する。これにより、従来定量化できなかった患者の思考、表情、発言内容を可視化し、臨床評価や治療に活用することを目指す。同デバイスの開発により客観的評価尺度が利用できるようになれば、臨床家の経験や感覚に頼っていた重症度や治療効果の判断が客観性をもったものになり、治療選択が科学的根拠に基づくものとなるほか、客観的指標の普及によって治療実績の評価・比較が容易になる。さらに、バイアスの大きい評価に依存しなくてもよくなり、治験の失敗を防ぐことにつながるとしている。
2015年08月25日オプティムとテレパシージャパンは8月5日、遠隔作業支援専用スマートグラス「Remote Action」の販売を同日より開始すると発表した。「Remote Action」は、カメラ映像共有、音声通話、資料送信などの機能を備えたスマートグラスで、遠隔地の専門知識を持ったオペレーターが現場の作業者の目の前の状況をリアルタイムの映像で確認できるため、あたかも現場に専門知識を持ったオペレーターがいるかのような、きめ細かいサポートの提供が可能となる。また、ユーザーが自社でシステムを構築する必要がなく、すぐに「Remote Action」の利用を開始することができるほか、MDMサービスOptimal Bizによる対応したWDM(Wearable Device Management)機能による端末の一括管理などが可能となっている。価格は初期費用が20万円(税別、以下同)で、基本利用料が月額6万円(スマートグラス1台分+オペレーター1台分の利用料含む)となっており、端末台数により追加の月額利用料が必要となる。
2015年08月05日歯科医師が患者宅を訪問し歯科治療や口腔ケアを提供する在宅歯科診療は、高齢化社会を迎えた日本において強いニーズがあるにもかかわらず、従事する歯科医師は圧倒的に不足しているのが今日の状況だ。ある調査によれば、要介護者に占める歯科治療の必要な人の割合は約90%、そのうち実際に歯科受診したのは約27%にとどまるという(出典:河野正司ほか(2002))。東京・国分寺で歯科医院を開く歯科医師、横山雄士氏は早くから在宅歯科診療に取り組む数少ない担い手の一人だ。歯科医院で行う日中・夜間の通常診療と並行して週3~4日は日中に患者宅を訪問して診療に当たっている。かなりのハードワークとなるため、書類作成の業務負荷の軽減や患者の医療・介護に携わる関係者との情報共有にiPadを活用しているという。その概要は、以下の動画のようなものだ。○各種の報告書作成やレセプトコンピュータとの連携で歯科医師の業務負荷を軽減横山医師が使っているのは、在宅歯科医療のために開発されたiPad専用アプリケーション「Sunny-CARE」だ。iPadのタッチパネル式インタフェースを利用して簡単な操作で患者に対して実施した診療記録などを入力できるのが特徴で、さらに入力した情報を基に患者の主治医や介護担当者などへ提出する報告書を自動生成してくれる。「以前は診療記録に基づいた報告書を1カ月分(約100件)まとめて作成するために3~4時間を要していましたが、Sunny-CAREを使うようになって患者宅での2~3分の診療記録を入力しておけば報告書は自動的に作成されるので、後日に報告書を作成する手間は不要になりました。また、iPadで撮影した写真をそのままアプリケーションに取り込んで報告書に転載できるのも便利です。以前は、デジタルカメラで撮影した写真をパソコンに取り込んでプリントアウトして資料に貼り込むという面倒な作業が必要でしたから」と横山医師はiPadを使うメリットを語る。○レセプトコンピュータとの無線による通信機能も備えたソリューションSunny-CAREの開発・販売元であるサンシステムは歯科医院向けのレセプトコンピュータ「Sunny-LOSA」という製品もリリースしており、ネットワーク経由でSunny-CAREとデータ連携する機能も実装している。あらかじめ訪問先の患者データを医院のパソコンからSunny-LOSAに入力しておけば、訪問先のiPadからSunny-CAREを立ち上げてSunny-LOSAにネットワーク接続して患者の治療記録などをその場で確認できる。もちろん、患者宅で入力した診療記録はSunny-LOSAに送信できる。「このソリューションを利用してから、患者宅を訪問する際に持ち出す書類は大幅に減りました。iPadに各種の情報が集約されるので利便性も上がっています。iPadのパスコードや遠隔ロック機能により端末の盗難・紛失時に患者の個人情報漏えいを防ぐ仕組みも用意されていますから、紙の書類を持ち出すよりもセキュリティ面は強化されています」(横山医師)このSunny-CAREというアプリケーションは、当連載第168回「在宅医療を支える薬剤師がiPadで医師や看護師、介護スタッフとSNS連携」で取り上げた在宅医療支援アプリ「ランシステム」を基に、歯科版として開発されたものだ。開発経緯についてサンシステムの三井 康行社長は次のように語る。「医療関係のICTメーカーである当社は診療報酬明細書の作成を支援するレセプトコンピュータを主事業として、特に歯科向けのレセプトコンピュータを創業当初から自社開発・販売してきました。2012年に地域の保健医療・介護福祉環境の向上と発展を目的として、学術経験者、医療コンサルタント、ITソリューションベンダー、関連企業が共同して設立した『eヘルスコネクト コンソーシアム』に参加して各界のメンバーと交流している中、これからの医療は在宅を重視するべきという認識を共有しました。このコンソーシアムを通じて『ランシステム』を開発されたリンク様と知り合い、訪問歯科診療に従事する医師の不足している現状に対し、少しでも歯科医師の業務負荷を軽減できればと思ったのが開発に踏み切ったきっかけです。iOSアプリの開発に長けたリンク様と当社で共同開発し、iPadの提供元であるソフトバンクとの3社で『歯科訪問診療支援ソリューション』として2014年10月にリリースしたのが『Sunny-CARE』と『Sunny-LOSA』の連携システムです」(三井氏)○iPadはコミュニケーションツールとしても非常に便利在宅歯科診療の難しさは、患者を取り巻く医療・介護に関わるメンバーとのコミュニケーションにあると横山医師は指摘する。「医院に通院できない患者ですから、介護を必要とする何らかの疾患を抱えているわけです。健康な患者ならばその人にぴったり合う入れ歯を作ってあげれば歯科医の治療は終わりですが、要介護の患者は自身で入れ歯の手入れをできないケースもあります。介護に当たる家族やヘルパーが入れ歯を扱ったことがなければ、入れ歯の手入れ方法を指導しなければなりません。歯の状態に合わせた食事の指導も必要です。病状によっては食べ物を飲み込む能力が低下している患者もいます。歯を治療して終わりではなく、食べ物をしっかり噛んで飲み込むまでの全般を見ていく必要があり、そのためには主治医、訪問看護師、ケアマネージャ、ヘルパー、家族といった方々との綿密なコミュニケーションは欠かせません」例えば入れ歯の手入れ方法は、文章でマニュアルを作成するよりもiPadで写真や動画を撮影して共有すれば理解が早い。訪問時に気付いた患者の健康状態を主治医や訪問看護師などに申し送る場合でも、その場でiPadからメールにより関係者全員に情報共有すれば効率的だ。iPadを活用した訪問歯科診療は、単に歯科医師の事務処理作業を軽減するツールにとどまらず、患者を取り巻く医師・介護スタッフ・家族との多職種連携を促進することで患者のQOL(クオリティ・オブ・ライフ:生活の質)を向上させる可能性も秘めている。「医科の領域では担当医や介護スタッフ、薬剤師などの多職種連携は進んでいますが、歯科についてはまだ発展途上の状況です。口腔内の清掃や咀嚼(そしゃく)、嚥下(えんげ)を改善するために歯科医と栄養チームの連携を図るなどのコミュニケーションは今後さらに重要となっていきます。『メディカルケアステーション』などのSNSサービスについても、環境が整い次第『Sunny-CARE』に取り込んでいきたいと思っています」と三井氏は、在宅医療における歯科の重要性を指摘する。高齢化社会の進行に備え、ICTを活用した医療支援はますます重要になってくるだろう。
2015年07月31日イッツ・コミュニケーションズは、スマートフォンを利用して遠隔からもドアの施錠・解錠が行える「スマートロック(電子錠)」を8月20日より提供する。8月1日から申し込み受付を開始する。スマートロックは、スマートフォン専用アプリで遠隔からでも施錠、解錠、施錠の確認ができる製品。付属のカードキーや、暗証番号の入力でも解錠可能。また、同社が提供する「家電コントローラー」と連携させることで、解錠時に照明やエアコンをつけたり、子供の帰宅時間に解錠されるとIPカメラで撮影してメールで通知したりすることもできる。機能は、施錠、解錠、状態確認のほか、オートロック、手動ロック、パスワードの盗み見を防ぐランダムテンキー機能、音声ガイダンスがある。解錠は、4~10桁のパスワード入力、カード認証、スマートフォン・タブレットの専用アプリ、パソコンのユーザー管理画面から可能。サイズは室外リーダーが58mm(W)×113mm(H)×16.8mm(D)、室内ボディが70.4mm(W)×163.8mm(H)×38mm(D)。電源はアルカリ乾電池の単3形×4で、1日6回の使用で10カ月利用可能。電池残量が少なくなるとアラーム機能で通知する。利用にあたっては、スマートロックのレンタル代として月額700円かかるが、このほかに、インテリジェントホーム基本利用料、インテリジェントホームゲートウェイ料も必要。
2015年07月28日東京エレクトロン デバイス(TED)は4月23日、各種機器・装置のセキュアな遠隔制御を可能とする「Falcon Link」の販売を開始した。同製品は、既存のシステムを変更することなく対象装置のRGB出力とUSBポートに接続するだけで遠隔制御が可能になるという特徴をもつ。また安全対策としては、リモート/ローカルの切り替えをスイッチ1つで可能とする排他制御機能、対象装置の特定の操作禁止を事前に設定するティーチング機能、強制的にローカル操作に切り替えるインターロック機能などが搭載されている。TEDは、同製品を導入することで、現地の立ち入り作業により生じる費用や時間のロスを抑制し、装置の運用管理コストを抑えることができるとしている。「Falcon Link」のサイズは118.2(幅)×66.5(高さ)×108(奥行)mmで、価格はオープン価格となっている。
2015年04月23日Steinberg Media Technologiesは、インターネットを通じて遠隔地のミュージシャンとのコラボレートを可能にするリモートレコーディングシステム「VST CONNECT PRO 3」を発売した。ダウンロード限定販売で、価格は1万5,000円。同製品では、オーディオ信号の交換を安全に行う暗号化転送処理をはじめ、マルチトラック録音(最大16チャンネル)、ビデオチャット機能を装備し、オーディオシグナル/MIDIデータの送受信にも対応。サンプル単位の同期が可能なP2P接続により、世界中のミュージシャンやプロデューサーとのコラボレーションを実現する。また、VSTインストゥルメントを使ったレコーディングや、ローカルネットワークでの接続もサポート。最新バージョンでは、デザインが刷新されたほか、Cubase Pro 8でのリモートセッションを即座に設定できるワンクリックセットアップ、フローティングビデオウィンドウ、ドラッグ&ドロップでのファイル送信、FXインサートをVST Connect Performerに設定可能になるなどの新機能が追加されている。なお、同製品の利用には、Cubase 7.5.40 / Cubase Pro 8 / Nuendo 6.5.40以降が必須となる。
2015年03月18日○多拠点展開をする企業の強い味方拠点数が多く、頻繁な打ち合わせが難しい企業にとって遠隔会議システムは強い味方だ。古くはテレビ会議システムからはじまり、現在では簡単に利用できるWeb会議システムが増えたことからも積極的に利用している企業は多い。特に、早くから多拠点展開してきた企業の場合、そうした遠隔会議システムを導入している。しかし、旧来のシステムに不満を感じているという声は少なくない。音質の悪さや設定の難しさといった部分に加えて、大人数が参加する会議では集音能力という課題も出てくる。そうした企業が、大人数参加のある拠点から徐々に導入をはじめているのが「YVC-1000」だ。ヤマハのユニファイドコミュニケーションマイクスピーカーシステム「YVC-1000」は、マイクとスピーカー部を分離して設置できるため、話しやすく聞きやすい配置に自由にレイアウトできる大きな特徴があるのだ。○システム刷新で会議開催回数を大幅に伸ばした日世ソフトクリームの総合メーカーである日世株式会社は、ソフトクリームの材料や専用のフリーザーなどを扱っている。日本全国に営業所や工場を構えており、海外を含めると26拠点に上る。社内での意思伝達のために遠隔会議システムを早くから導入している企業だ。しかし、導入したシステムは初期設定が難しく、音声調整にも手間がかかったため現場での利用はあまり進まなかったという。音声品質にも課題があり、社内に設置したサーバの運用も負担がかかることなどからリプレースを検討。その結果、2009年に新たな遠隔会議システムとして導入したのが、ジャパンメディアシステムのWeb会議システム「LiveOn」と、ヤマハのマイクスピーカーだ。全26拠点のうち、25拠点についてはヤマハの一体型マイクスピーカーである「PJPシリーズ」を選択。参加者が多く、より集音能力や臨場感を必要した本社会議室には「YVC-1000」が導入された。「LiveOn」を選択したのは、地域防災システムなど公的機関での導入実績があり信頼性が高いという理由に加えて、煩雑な設定や調整が不要であるということもポイントだったという。これに「YVC-1000」を組み合わせたことで、容易な設定で臨場感のある遠隔会議が可能になった。本社会議室では10~15名程度の出席者がコの字型のテーブルに着席。マイクを2台連結し、スピーカーを搭載した本体を大型モニターの前に設置して利用している。大人数が参加する会議でも十分な収音能力があり、クリアな音声で臨場感のある会話ができるため、会議の開催頻度向上にも貢献したという。「現場間で日常的な打ち合わせ会議が頻繁に行われるようになり、大きな成果が出ました。今後は品質をより高め、社員全員へのライセンス配布を検討するなど、さらに有効な活用方法を追求していきたいと思います」と語るのは、日世 情報システム部 運用管理課の大坪一博氏だ。社内での会議開催回数は、更改前の2008年が49回だったのに対して、2013年には364回と飛躍的に伸びている。今後はさらに「YVC-1000」などを拡充し、臨場感のある会議のあり方を追求したいとしている。
2015年02月10日IPAは、コンピュータウイルスや不正プログラムの状況分析から、「今月の呼びかけ」を発表している。今月は、遠隔操作を行うソフトに関わる事例を取り上げている。○遠隔操作ソフトとは?遠隔操作ソフトといって、どんなイメージがあるだろうか? ちょっと古くなるが、2012年にはIESYSという遠隔操作ソフトを思い出す人もいるだろう。遠隔操作によって、脅迫メールの送信や書き込みを行われた。結果、無実の人間が、誤認逮捕や有罪判決を受けた。また、犯人の挑発的な行動も注目を集めた。最終的には、犯人自らの愚行により、解決へとつながった。また、スマートフォン用のアプリで、交際相手の居場所をGPSを使って追跡するものもあった(追跡はPCで行う)。双方が同意していれば、合法ともいえなくもない。しかし、その機能から、問題視されることも少なくなかった。その後、なくなっては新しいアプリが登場するといった状況を繰り返している。最新のその手のアプリでは、マルチプラットフォーム化し、機能も拡大してきている。位置情報の共有連絡先へのアクセステキストメッセージのチェックフェイスブックのチャット読み取りまた、2014年4月にはセキュリティ対策ソフトと偽り、遠隔操作ソフトを女性のPCにインストールさせ、その後、脅迫などを繰り返していた男性が逮捕された。ここで使われた遠隔操作ソフトは、市販されているもので、PCのメンテナンスや無人観測所のデータ回収などに使われるもので、正しく使う限りは合法なソフトウェアである。本誌でもWindows XPからの移行をサポートするサービスなどを紹介したが、ここでも遠隔操作ソフトが使われている。初心者などを対象に、やや難しいと思われる操作や設定などを代行するのが目的で利用される。しかし、それを逆手にとったような事例が報告されている。○遠隔操作によるプロバイダ変更勧誘トラブル2014年以降、IPAの安心相談窓口に「プロバイダ料金が安くなるという電話勧誘から、遠隔操作ソフトをインストールしてPCの設定を変更してもらった。しかし、PCをこのまま利用して大丈夫か」という相談がよせられている。同様の事例は、国民生活センターにも寄せられている。この遠隔操作によるプロバイダ変更の勧誘トラブルは、2013年以降、急増している。図2は、国民生活センターの発表から作成されたものである。この事例では、実際にプロバイダ料金がどのくらい安くなるのか、文書による変更内容の確認といったことが行われず、また、十分に内容を考慮する時間もなかったとのことである。国民生活センターは、少しでも疑問に思ったら、最寄りの消費生活センターに相談してほしいとのことだ。○遠隔操作された場合のリスク2014年4月の事件では、メール内容や保存していた写真のの閲覧、なりすましを行い、SNSなどへの書き込みが行われた。さらに、年齢などを偽っていたことが知れると脅迫なども行い始めた。遠隔操作ソフトであるが合法なソフトもあるので、セキュリティ対策ソフトでは検知されないこともある。しかし、PCの挙動を注意深くみることで、発見することも不可能ではない。具体的には、勝手にマウスカーソルが動く、ウィンドウが開くファイルが増える(または減る)といったものである。遠隔操作ソフトが疑われる場合、PCから離れず、不審な動きがないか画面に注意を払うことが求められる。しかし、遠隔操作を行う攻撃者が、被害者の操作内容や画面を見ているだけということもある。必ずしも、不審な動きがあるとは限らない点にも注意してほしい。○遠隔操作ソフトを利用したサービスを受ける際の注意点遠隔操作ソフトを利用する流れは、図4のようになる。これをふまえ、IPAでは、遠隔操作ソフトによるサービスを受ける場合の注意点について、以下をあげている。遠隔操作を行う担当者の企業名、所属、名前、連絡先をできるかぎり確認する遠隔操作による作業の内容や目的を事前に確認する遠隔操作ソフトの名称、開発元、ダウンロードサイト(URL)、主な機能を確認する遠隔操作による作業実施中はPCから目を離さず、操作内容を確認する作業完了後は、遠隔操作ソフトを確実にアンインストール(削除)するもし、不審な動きがあった場合には、無線LAN機能をオフにするネットワークケーブルを抜くルータの電源を落とすといったように、ネットワーク接続を遮断すればよい。さらにIPAでは、利用目的などがはっきりしないような場合には、いわれるままに遠隔操作ソフトをインストールしないことが、重要と指摘する。
2014年11月05日アイ・オー・データ機器は29日、既存のネットワークを変える事なく、遠隔地間でバックアップを作成できるVPN専用ボックス「BX-VP1」シリーズを発表した。11月中旬より発売する。価格(税別)は親機と子機のセットが39,800円、増設用子機が22,800円。既存のネットワークをそのままに、低コストでバックアップ専用ネットワークを構築できる遠隔地レプリケーション用VPN専用ボックス。遠隔地で接続する場合、バックアップ元に親機を、バックアップ先に子機を設置する。その後、ルータのIPSecパススルーを有効にすれば、バックアップ専用ネットワークが構築され、遠隔地にあるデータがバックアップ先に保存されるようになる。親機と子機はペアリング済みなので導入も簡単に行える。VPN接続方式はL2TP over IPSecに対応。セキュリティ暗号化方式がDES / 3DES / AES128bit / AES192bit / AES256bit、認証方式がMD5 / SHA1、カプセル方式がAH / ESP。インタフェースはGigabit Ethernet対応有線LAN×1、WAN×1。IPSecスループットは最大約108Mbps。本体サイズはW120×D170×H35mm、重量は約550g。対応OSはWindows Vista / 7 / 8 / 8.1、Mac OS X 10.6~10.9、Android 4.0~4.4、iOS 6~7。
2014年10月29日NECソリューションイノベータは、遠隔地農業指導を可能にする圃場管理システムを開発したと発表した。NECなどがイチゴのハウス栽培ノウハウを日本からインドに展開する「インドICHIGOプロジェクト」に導入し、今年7月から稼働を開始しているという。このシステムは、日本のクラウドサーバを通じて、インドにある複数のハウスで管理している環境データを日本から遠隔監視し、現地に適切なアドバイスを提供するもの。クラウド環境を利用して、栽培ノウハウを持った日本の農業専門家が遠隔で支援することで、日本が得意とする商品価値の高いイチゴの海外栽培を実現する。具体的には、インドの現地作業員が、圃場に設置したセンサーのデータや日々の作業記録などをタブレットに保存し、インターネット環境が存在する場所からまとめてアップロードすることで、日本のクラウドサーバに圃場データを集約。農業生産法人GRAが、圃場管理システム上に可視化されたデータを日本で分析し、遠隔監視・指導を行う。管理するデータとしては、ハウス内の日照量、温湿度、養液や土壌のEC値/pH値、日々の育成状況の写真があり、これらを専門家の目から総合的に判断し、肥料の量や空調の調整などを行うという。
2014年10月21日サンシステムは、リンクおよびソフトバンクテレコムと提携し、訪問歯科医が行う患者訪問前の情報確認や患者宅での診療記録、帰院後の事務処理(レセプト)の効率化と迅速化を実現する、タブレットを活用した国内初の歯科訪問診療支援ソリューションの提供を10月10日から開始すると発表した。同ソリューションは、サンシステムが提供する診療報酬明細書作成のレセプトコンピューター「Sunny-LOSA」とサンシステムとリンクが共同開発した専用アプリケーション「Sunny-CARE」を連動させることで、診療先の患者宅からタブレットを利用して診察記録を作成・保存することが可能となり、歯科訪問診療での事務処理業務の大幅な効率化を実現する。また、移動中でもタブレットからレセプトコンピューター上にある診察履歴を閲覧したり、ケアマネージャーや薬剤師などと共有する歯科診療情報提供書や各種報告書も簡単に作成できるため、診察の合間に取ったメモを帰院後に報告書としてまとめる作業の負荷が大幅に軽減され、歯科医はより多くの時間を診療に充てられる。価格は、初期費用が24万8000円から、月額使用料が1万5758円から(タブレット1台貸与含む)となっている。今後は、診療やケアの状況が歯科医以外の各医療者間でリアルタイムに情報共有ができるように、本ソリューションと専用SNSサービスとを連携させるなど、より効率的な医療介護連携の実現を目指す。
2014年10月13日住友電気工業は、ワイヤレスカメラを使ってハンズフリーで工場や建設現場などの状況を共有し、遠隔地からのトラブル対応や作業支援などを行うためのツール「フィールドリンク」を新たに開発し、住友電工システムソリューションを通じて11月1日より販売を開始すると発表した。「フィールドリンク」は、小型・軽量のワイヤレスカメラをヘルメットに取り付けることができ、Windowsタブレットとモバイル回線(LTE/3G)/Wi-Fi回線を使って、高画質・高音質で現場の状況をリアルタイムにやり取りできるという。ワイヤレスカメラはエルモ社と協業し、高画質なだけでなく、185度の広画角や暗い場所での高い撮影性能を実現している。人の視野以上の範囲を確認できるため、実際に現地で見ているような感覚で現場を確認できるという。さらに、資料も共有できるため、図面を共有しながら、設計通りに施工されているかなどのチェックを行うなどの活用可能。データは端末間で直接やり取りされ、工場内の映像など機密性の高い情報が外部ベンダーの運用するサーバを経由したり、サーバに残ったりする懸念がなく、データはすべて暗号化されている。
2014年10月08日今回のテーマは、ランニング国内の救急・総合診療科で勤務後、ニューヨークに渡り、現在はアメリカで働くための準備をしている最中の市川先生が、海外の医療や美容に関する旬な話題をお届け!今回は、万国共通の悩みともいえる体臭ケア事情を教えてもらいました。お久しぶりです、市川佑一です。めっきり寒くなってきたニューヨーク。朝、氷点下になることもしばしばですが、寒さに関係なく市民に健康法として人気なのがランニングです。11月3日の日曜日には、世界最大規模の5万人以上の参加者がNYの街を駆け抜けたニューヨークシティーマラソンも行われました。日本からもオリンピック代表・走る公務員の川内選手が参戦し活躍されました。というわけで最近日本でも手軽な健康法として人気のランニングにまつわるお話です。ニューヨークのランニングイベントまずは簡単にニューヨークのランニングイベントの紹介です。日本ではランニングというと黙々と…という印象ですが、アメリカ人のなんでも祭りにして楽しもうという気質からか、こちらではさまざまなイベントがあります。1.the color run/ run or dieこのイベントはアメリカ全土で行われ各地で大盛況。5kmのコースを走りながら各チェックポイントで各色にペイントされるのを楽しみ、ラン後はDJイベントでさらに盛り上がるという企画です。実際に参加しましたが、盛り上がり方は生半可でありませんでした。2.electric runこちらは夜行われるrun eventとして有名。5kmのイルミネートされたコースを暗闇で光るペイントや装飾をしながら走り抜け、ラン後は朝までDJイベントで盛り上がるそうです。他にも、障害物を越えながらわざと泥んこになりつつ5kmを走る③dirty mud runやハロウィーンのようにコスプレしながら走る④costume runなど様々。日本でも行われたら楽しいと思いますけどどうでしょう、みなさんは参加されますか?ちなみに①のイベントでは、参加者はそのペイントのまま地下鉄にのってニューヨーク都市部に帰りました。ペイント軍団に挟まれた白シャツの通勤者が窮屈そうに座っているのが印象的でした。ウォーキングとランニングさて、ランニングといえば健康によく、ダイエットの一環としても人気ですが同様に、ウォーキングも健康法として人気があります。走るか歩くか、どちらが健康にいいのか、気になるところです。今回ある研究記事を発見しました。研究はLawrence Berkeley National Laboratoryでポール・ウィリアムス氏によって行われ、ジョガーとウォーカーとどちらがいいかという長年の疑問を解決しようとした研究結果は…1)エネルギー消費が同じ場合(例:女性の場合ウォーキング7.4km=ランニング5.15km)高血圧関連疾患は、ランニングで4.2%、ウォーキングで7.2%低下する。コレステロールは、ランニングで4.3%、ウォーキングで7%低下する。糖尿病リスクは、ランニングでもウォーキングでも12%低下する。肥満(BMI 28以上)は、ランニングは90%の割合で痩せた。という結果になりました。つまり同じカロリー消費の場合、やせる為にはランニングが推奨され、高血圧や高コレステロール、糖尿病予防などを考えた場合にはウォーキングが推奨されるという結果になりました。読者の皆様も自分のニーズに合わせたトレーニングを行って、健康な生活を送りましょう。まず私自身もやらなければ…ですが(苦笑)それではまた。【PROFILE】お名前(ふりがな):市川佑一(いちかわゆういち)先生専門科:救急・総合診療科年齢:28歳勤務先:米国留学中好きな女性のタイプ:明るく、一緒にいて楽な人初デートに連れていく場所は?:お台場とか…海の見える街なぜドクターを志したのですか?:苦しい時に頼りにされる医者という職業は、やりがいのある仕事だと思いました女性たちからイケメンドクターといわれることにどう思いますか?:笑ってごまかします。中身のことを言われていたら、うれしいです<2013年7月17日現在>
2013年11月15日博士タローは12日、がん専門医療施設として指定されている「がん診療連携拠点病院」のがん治療実績を調べることができるサイト、「がん診療連携拠点病院の実力」をオープンした。政府統計値によると、1984年のがん患者数はおよそ13万人だったが、1999年はおよそ27万人、2008年のがん患者数は1984年に対して2倍以上のおよそ30万人にまで増え続けているという。「当たり前のようにがんが受診でき、治療できる病院を要する時代を迎えている」と同社。専門的ながん医療機関として指定を受けているがん連携拠点病院の中で、もっとも多い年間患者数は8,866人、もっとも少ない拠点病院では155人(がん診療連携拠点病院院内がん登録2009年集計)。多種にわたるがんの、それぞれに合った医療を求める際には、がん患者診療経験の高い医療機関の見極めが必要となるという。同サイトは、がんの疑いによるがん受診医療機関検討時、セカンドオピニオンが必要な時、または治療中のがん医療機関を変える時、がん専門医療機関のがん治療実績をもとに、よりふさわしいがん専門医療機関が選択できるよう開発、オープンに至ったとのこと。同社では「一般の人はもちろん、医療機関にも、最新のがんに関連する医療・サイエンス動向を知ってもらえるようなコンテンツをさらに展開していく」としている。【拡大画像を含む完全版はこちら】
2012年11月14日歯の治療に保険診療で白いかぶせ物は可能?前歯と奥歯ではどう違う?審美歯科でも保険診療はしてくれる?歯の治療費について、一般患者は分からないことばかりです。そこで、歯学博士で歯科・口腔(こうくう)衛生外科の江上歯科(大阪市北区)院長・江上一郎先生に詳しいお話を伺いました。■前歯は、白いかぶせ物に保険診療が適用される「むし歯について、すべての治療は『保険診療』で可能です。ただし、見た目の美しさを追求するなど、審美と言われる方法については『自由診療』と言って、保険適用ではなく、歯科医と患者さんの契約による自由な料金設定になっています」と江上先生。前歯を白いかぶせ物にしたい場合は、保険診療が適用されると聞きました。それについて江上先生は、次のように説明します。「前歯は、左の犬歯(糸切り歯)から右の犬歯までの上下12本について、保険診療で白いかぶせ物が適用されます。前歯は常時人の視線に触れる場所です。ここに銀色の詰め物やかぶせ物があれば不自然でしょう。ですから前歯は、白い色の材質でも保険診療が適用されます。患者さんの希望によっては自由診療を適用することもあります」では、奥歯の場合はどうなのでしょうか。「奥歯で保険診療が適用されるのは銀色の詰め物やかぶせ物だけです。奥歯では、白い色の詰め物、かぶせ物は自由診療となります」(江上先生)保険診療と自由診療では、詰め物やかぶせ物の材質は違うと聞きます。江上先生は、こう説明を続けます。「保険診療では、前歯に関して、『レジン』と呼ぶプラスチックを使います。中でも、かぶせ物の場合、『硬質レジン前装冠(ぜんそうかん)』と言って、金属の冠を作って表面に歯の色をした硬質樹脂を張り付けるタイプを使います。ほかに、すべて白色の『硬質レジンジャケット冠』もありますが、噛(か)み合わせに対して強度を考慮すると、硬質レジン前装冠を使うことが多くなります。自由診療の場合は現在、陶材だけで作られた『オールセラミック』、金属で冠を作り表面は陶材の『メタルボンド』、超硬質レジンで作られた『オールハイブリッドセラミック』、超硬質レジン前装冠の『ハイブリッド前装冠』、金を用いた『ゴールドクラウン』など、複数の種類があります。一般的に、使用する歯の位置、強度の必要性、見た目、費用などについて患者さんと歯科医が相談をして決めることになります」■かぶせ物の材質、性能、見た目、費用の違いは?保険診療のレジンと、自由診療のセラミックなどは、材質としてどう違うのでしょうか。「レジンは、セラミックに比べると年月による変色、劣化しやすいというデメリットがあります。ただし、自分の歯でもタバコやコーヒー、お茶などで歯磨きをあまりしないと変色しますし、年齢とともに損傷が出てくるものですから、個人差があります。例えば、陶器とプラスチックの食器の違いをイメージすると理解しやすいと思います。セラミックは、より本物の歯に近い自然な風合い、色目、透明度が出ます。変色はあまりなく、強度もしっかりしています」(江上先生)では気になるそれぞれの費用について、江上先生にお尋ねし、次のようにまとめました。<保険診療・3割負担>・前歯のかぶせ物硬質レジンジャケット冠1本あたり約3,500円硬質レジン前装冠1本あたり約5,000円・奥歯のかぶせ物銀歯1本あたり約3,000円<自由診療>・前歯、奥歯のかぶせ物前歯のかぶせ物オールセラミック1本あたり100,000円~200,000円オールハイブリッドセラミック1本あたり50,000円~120,000円メタルボンド1本あたり80,000円~150,000円ゴールドクラウン 1本あたり50,000円~120,000円など費用について江上先生は、こうアドバイスします。「保険診療の場合、どこの歯科医院でもおおむね同じ費用になります。自由診療では、歯科医が独自に料金設定しているため、大きな幅があります。上記の金額の幅は、それを意味します。詰め物やかぶせ物の材質や技工について、自由診療のほうが質が高いということはありますが、保険診療だからといって、治療の質が劣るということではありません。審美歯科でも、小さなむし歯の治療は保険診療で行われます。例えば近くに審美歯科しかない、保険診療でむし歯の治療をしてくれるのかどうか不安な場合は、訪れるまえに電話をし、『保険診療の範囲で治療をお願いできますか』と確認してください。そのとき、『もちろんです』と返答があればOK、『できないこともないですよ』という返答であれば、ほかを探しtみてはいかがでしょうか。一般的な歯科医療は、保険診療に基づいて治療を行うのが基本ですから」歯科の治療費の体系などよく分からないまま通院している人は多いことでしょう。詰め物、かぶせ物をするときなどは、治療前に費用の説明をしてくれる歯科医であれば安心だろう、とつくづく思います。監修:江上一郎氏。歯学博士。専門は口腔(こうくう)衛生。歯科・歯科口腔外科の江上歯科院長。江上歯科大阪市北区中津3-6-6阪急中津駅から徒歩1分、御堂筋線中津駅から徒歩4分TEL:06-6371-8902藤井空/ユンブル)
2012年10月25日SBI損害保険(以下SBI損保)は1日より、「SBI損保のがん保険(自由診療タイプ)」(正式名称がん治療費用保険)の販売を開始している。厚生労働省「平成21年 人口動態調査」によると、1981年以来、がんは日本人の死因第1位になっており、年間約74万人の人が、がんと新たに診断されているという。その一方で、早期発見、早期治療をすることで、がんは治せる時代になってきたとも言われ、最善な治療を選択することで生存率も高まっている。近年は、医療技術の進歩によって、がんの予防法、診断法をはじめ治療法の選択肢が広がってきているが、選択する治療によっては公的保険が適用されず高額な治療費を患者自身が負担しなければならないケースも生じている。「SBI損保のがん保険(自由診療タイプ)」は、公的医療保険制度の給付対象とならない新たな治療法が随時確立する”今のがん治療”にあわせて、誰もが費用を心配することなく希望する最善の治療を選択し、安心して治療に専念してもらうことをコンセプトに開発した商品になっているという。補償される費用は、先進医療だけでなく自由診療なども含めた実際にかかった治療費だが、公的医療保険制度にて保障されるべき金額(公的保険診療で可能な診療を自由診療にて行った場合の公的保険診療相当分、高額療養費相当額)は支払いの対象外。治療費等の実額を支払う他の保険契約がある場合は、他の保険契約を含めた治療費の実額が限度となる。実際にかかった治療費を実額補償がんの治療費を心配することなく、最適な治療を受けてもらうために実際にがん治療にかかった費用を実額で支払う先進医療だけでなく、自由診療も補償公的保険診療の自己負担分や先進医療だけではなく、自由診療でもがん治療にかかった費用を支払う。希望する最善の治療を選択して、がん治療に専念できる通院治療費は最大1000万円まで補償抗がん剤治療による通院や退院後の補助療法まで補償。しかも、通院日数に制限がなく、退院後も安心してがんの通院治療を続けることができるインターネットを活用した割安な保険料30歳男性の場合で月額970円(保険期間5年)。インターネットを活用し、業務を徹底的に効率化して削減できたコストを保険料に還元【拡大画像を含む完全版はこちら】
2012年08月10日ITを利用した技術の研究開発やコンサルティングを主事業とする有限会社TRIART(トライアート)は、阿蘇市国民健康保険阿蘇中央病院と熊本大学医学部附属病院が遠隔医療コンサルティングに利用するシステムをこのほど提供したことを発表した。このほど提供した遠隔医療コンサルトシステムは、阿蘇中央病院において、専門医が常駐していない時間帯に来院した急患の処置が必要な際に、阿蘇中央病院の医療情報システムと連携するというもの。熊本大学医学部附属病院の担当医師にiPhoneまたはiPadのFaceTime機能を使って連絡を取り、さらに急患の各種生体情報、医療画像等をセキュアに伝送して治療に関する助言・指示も行う。同システムは、遠隔にいる専門医に指示を仰ぐ際に、通話から各種医療情報の伝送、その閲覧と治療指示に至る一連の動作の操作性を、できる限り簡単に行えることを最大の目標として設計を行ったという。また、通常の遠隔医療システムは高額な設備投資を必要とするが、同システムではiPhone、iPadを用いることで、大きな設備投資を講じることなく実現できることが大きな特徴となっている。さらに遠隔での放射線画像の閲覧において、同社ではiPhone、iPad上でより医療用モニタに近いコントラストで放射線画像を閲覧できるよう、独自開発の画像輝度補正エンジンを組み込んだ。その結果、医療用モニタと同様のコントラストでの閲覧が可能となった。同社は今後の展望として、「モバイルの社会インフラとしての活用がますます期待され、とくに医療、教育分野における実践的な利活用が急務とされている。これまで培ってきたモバイルシステム開発のノウハウを医療および教育分野に有効に生かすシステムを多数開発していく」とコメントしている。【拡大画像を含む完全版はこちら】
2012年06月18日医師コミュニティサイト「MedPeer」を運営するメドピア株式会社は、MedPeer会員医師2,660名を対象に「診療場面において本人と家族の意思どちらを尊重しますか?」という質問を行った。調査によると、6割の医師が「重症度・理解度等を考慮し、ケースバイケースである」と回答したことがわかった。調査は、MedPeer会員医師を対象とした「ポスティング調査」と呼ばれるオープン回答型のインターネットリサーチ。調査期間は、2月29日~3月6日。2,660件の有効回答が寄せられた。診療場面において「本人と家族の意思どちらを尊重しますか?」という質問に対して、「重症度・理解度等を考慮し、ケースバイケースである」と回答した医師は6割。「主に本人の意思を尊重する」と答えた医師は31%だった。回答と同時に寄せられた意見では、「本人の意思決定能力や本人への告知などにより異なる」「高齢者の場合、家族の意見にも十分配慮しないと後にトラブルとなる」というものがあった。高齢者、重症患者の場合はやはり家族の意見も重視されるようで、「家族と見解の相違があるときは、家族・本人間で話し合いをしてもらう」といった意見もあった。「主に家族の意向に従う」と答えた医師は7%で、高齢者、終末期の患者など、「家族の協力が不可欠」な場合は家族の意向に従うことも多いとみられる。【拡大画像を含む完全版はこちら】
2012年04月13日3月22日、国立大学法人岩手大学(岩手県盛岡市)にて、ペット専用移動診療車「ワンにゃん号」の寄贈式典と、同車両の見学会が開催された。2011年3月11日に発生した東日本大震災により被災した小動物の救済を行なっていた岩手大学の活動を知ったマースジャパンリミテッドならびに同社のグループ会社であるニュートロジャパン合同会社が、被災動物の救済活動を支援するため「ワンにゃん号」の資金提供を申し出た。寄贈式典では、「ワンにゃん号」のレプリカキー贈呈ならびに感謝状贈呈が行われた。また、岩手大学農学部附属動物病院の佐藤れえ子病院長から、東日本大震災における小動物の移動診療活動が報告。それによると、東日本大震災では、特に津波による被害が甚大で、その地域に暮らす住民への人的被害はもちろん、飼われていたペットの多くも被災した。その数は数千頭にものぼると見られているが、その実態は未だ把握できていないとのこと。岩手大学では被災動物の救援活動に乗り出すため、農学部が使用していた大型の産業動物用車両に獣医や物資を積み込み、大船渡市と陸前高田市で診療活動を行った。中には、重症のペットもいたため、医療施設の整っている盛岡市に搬送し手術等の治療を行い、飼い主の元へと返した事例もあった。藤井克己学長は、「沿岸地域の被災地では、数多くのペットが被災した。また、動物病院も津波による被害を受けケガや病気のペットの診療ができないなどの情報が、被災直後から伝わってきた。そのため、大学が保有する『モーモー号』と名付けた家畜などの産業動物用の巡回診療車両を、急遽『わんにゃんレスキュー号』に改称し移動診療活動を行った。今回、マースジャパン様ならびにニュートロジャパン様のご支援により、日本初となる高度な診療機器を備えたペット専用の移動診療車をご寄贈いただいたが、これからが息の長い活動となる。頑張っていきたい」と式典で語った。一方、ペディグリー、カルカンなどのブランド名で知られるペットフードを輸入・販売するマースジャパンの森澤篤社長は、「私たちは東日本大震災直後から、会社として被災地を支援したいと思い、緊急的に義援金とペットフードなどを被災地へと提供させていただいた。その後も継続的に支援活動を行いたいとの思いから、私たちの販売するペットフード全商品から1円を支援金として積み立てる寄付金支援プロジェクトを展開。2011年5月1日から約6カ月間で、全国のペットオーナーの方から1億円のご支援をいただくことができた。そのような中、インターネット上で岩手大学さんが行なっている被災動物救援活動を知り、この支援金を役立ててもらえないかと申し出た。私たちの会社の理念は、ベター・ワールド・フォー・ペッツ。このたびの東日本大震災で被災した地域の一日も早い復興を祈念するとともに、よりよいペットたちの環境づくりにこれからもお手伝いしていきたい」と語った。マイクロバスを改造したペット専用移動診療車「ワンにゃん号」は、レントゲン装置や超音波画像診断装置、血液分析機器、吸入麻酔機などの最新の診断・医療機器が装備され、災害時におけるペットのあらゆる症例にも対応する。式典の後に行われた見学会では、モデル犬を使ってのエコー実演が行われ、見学者の注目を集めていた。今後、岩手大学では、被災地の拠点病院ならびに岩手県獣医師会、動物愛度団体、被災地支援ボランティア団体などと連携し、「動物何でも相談会」の開催や、被災地における獣医学セミナーおよび市民公開セミナーの開催を予定している。また、全国で発生する災害時には、被災地へ「ワンにゃん号」を派遣する活動も展開していくという。【拡大画像を含む完全版はこちら】
2012年03月28日