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2016年4月から一般家庭においても電力自由化がスタートしましたが、「そもそも電力自由化ってなに?」「どんなメリットがあるの?」と思っている人も多いはず。今回は、そのような疑問を解決すべく、電力自由化について分かりやすく解説していきます。■電力自由化で押さえておくべき4つのポイント■【ポイント1】電力自由化の仕組み2016年4月からスタートした電力自由化とは、一部の電力会社が独占するのではなく、さまざまな事業者が電力を販売できるようになったことを指します。これにより、大きな工場やオフィスビルから個人商店や一般家庭まで、すべての消費者が、各地域の一般電気事業者(東京電力をはじめとする全国10社の電力会社)以外からも、好きな電力会社を自由に選べます。とはいっても、電力の供給システムがこれまでと大きく変わるわけではありません。電力の供給は、主に発電・送配電・小売の3つの部門に分かれています。発電は、火力や水力などを利用して電気を生み出す部門、送配電は電線を利用して電気を届ける部門、小売は消費者と直接契約をして料金プランやサービスを提供する部門です。発電部門は、原則としてすでに自由に参入できるようになっているため、電力自由化によって大きく変わるのは小売部門のみだといえます。送配電部門は、電力自由化後も安定的な電力の供給の確保が求められることから、従来通り一般電気事業者によって管理されます。■【ポイント2】電力自由化の目的電力の自由化には、主に3つの目的があります。①電力を常に安定して供給する東日本大震災以後、原子力発電所は大きな打撃を受け、電力不足は大きな課題となっています。そのような中、電力自由化により、特定の地域で電力が十分に供給できないとなった場合に、別の場所から電力を融通できる仕組みを確立することを目指しています。②電気料金を抑える各地の原子力発電所が運転停止に追い込まれたことで、現在、電気の中心は火力発電が中心となっています。これにより燃料費のコストが上昇し、各地で電気料金が値上げされたことは、記憶に新しいでしょう。電力自由化には、たとえ供給コストが上昇したとしても、各電気事業者の価格競争を促すことで、電気料金を最大限に抑える狙いがあります。③経済の活性化これまで一般電気事業者によって独占されていた電気の小売市場には、およそ7.5兆円という莫大な市場規模がありました。電力自由化によってさらにこの市場が活性化すれば、大きな経済効果が期待できるでしょう。■【ポイント3】電力会社を切り替える方法新規事業者への切り替えは簡単で、原則として誰でも自由に行えます。まずは、切り替えたい電力会社へ電話や窓口、ホームページなどから申し込みをします。このとき、現在ご契約の従来の電力会社との解約手続きは、契約者自身が行う必要はありません。希望する電力会社が、契約者の同意の下、代わりに行ってくれます。なお、電力会社を切り替える際には、必ずスマートメーターの導入が必要です。ご自宅にスマートメーターが設置されていない場合は、新しい電力会社へ申し込みをしたあとに、現在契約を結んでいる地域の電力会社が交換工事を請け負ってくれます。スマートメーターへの交換に際しては、設備の改修が必要になるなど特別な場合を除き、基本的に費用の負担はありません。■【ポイント4】電力自由化の現状男女100人を対象にしたあるアンケート調査によると、電力の自由化にともなって電力会社を変更したいと考えている人は、引っ越しを機に変更したいと考えている人とすでに変更している人を含めると、全体の約75%に上ったそうです。一方で、電力広域的運営推進機関のデータによれば、電力自由化がスタートして半年の2016年9月末時点において、電力会社を変更した人は全体のわずか3%ほどに留まっています。「電力自由化という言葉は知っているし、興味もあるけれど、その実態をよく把握できていない」という方がまだまだ多いのが現状です。電力自由化は、さまざまな事業者にとってビジネスチャンスとなるのはもちろんですが、消費者にとっても大きなメリットがあります。そこで以下では、電力自由化に関するよくある疑問を4つまとめています。電力会社の切り替えを検討する際の参考にしてみてください。■【疑問1】電力会社によって電気の質は低下する?どの電力会社から購入するかにかかわらず、電力は、これまでと同じ送電線や配電線を使って各家庭に供給されます。そのため、電気事業者によって電気の質が低下する、供給電力への信頼性が保障されない、といったことは起こりません。また、火力発電や原子力発電、再生可能エネルギーによる発電など、電気を生み出すにはさまざまな方法がありますが、発電の違いによって電気の質に差が生まれることもありません。■【疑問2】電力会社が倒産したら電気が止まってしまう?新たに契約した電力会社が倒産した場合でも、電気が止まってしまうことはありません。別の電力会社が見つかるまでは、従来のように、住んでいる地域の電力会社が電力を届けてくれるシステムになっています。また、消費者が電力の供給に関する契約を直接結ぶのは小売業者ですが、物理的に電力を届けてくれているのは、送配電に関わる業者です。先ほど少しご説明しましたが、電力自由化後も、送配電は各地域の一般電気事業者が担います。そのため、たとえば契約している電力会社が十分な電力を賄えなかった場合でも、その分を一般電気事業者が補ってくれるため、電力の供給がストップすることはありません。■【疑問3】賃貸やマンションでも電力会社を変更できる?賃貸の場合、現在電力会社と契約を結んでいる名義人がご本人の場合は、自由に変更が可能です。マンションやその他の集合住宅の場合も、それぞれの家庭で個別に契約を結んでいる場合は、電力会社を切り替えることができます。ただし、集合住宅の場合は、管理組合などを通し、マンション全体でまとめて電気を購入していることもあります。購入の契約内容や集合住宅内の規約によっては、個別の契約が制限されることもあるため、確認をとってから切り替えを検討するようにしましょう。■【疑問4】電力会社を自由に選べない地域がある?基本的には、お住まいの地域に、参入している電気の小売事業者があれば、都市圏や地方の山間部など、住んでいる場所にはかかわらず、好きな電力会社から電力の供給を受けることが可能です。ただし、離島の場合は、電力会社を自由に選べる可能性はほとんどありません。電力会社は「離島供給約款」に基づき、日常生活に必ず必要となる電気を離島の各家庭に届ける義務を負っています。そして、日常生活の妨げになったり、島民の負担になったりすることがないように、供給電力の価格や質を変えることはできません。一方で、海を渡って電気を届けることは簡単ではなく、離島への電力の供給にはコストがかかります。そのため、新たな事業者が離島で電力を販売するには、メリットがほとんどありません。離島にお住まいの場合は、今後も継続して現在の電力会社から供給を受けることになるでしょう。■電力自由化のメリット【大きな経済効果が期待できる】電力の販売は、これまで全国各地の一般電気事業者に独占されている状態でした。しかし、電力自由化によって電力小売事業は開かれた市場になり、それぞれが顧客を獲得するために、さまざまな料金プランやサービスを打ち出すことで、激しい競争が繰り広げられるようになります。これにより、経済の活性化が期待できます。【電気料金が安くなる可能性がある】従来は政府による規制があり、定められた料金でしか電力を提供することができませんでした。しかし、電力自由化によって電気料金も完全に自由化され、それぞれの電力会社は顧客獲得のため、戦略的に価格設定を行っています。たとえば、料金単価そのものの値下げのほか、継続して契約するほどより多く割り引かれたり、早朝・深夜や土日の電気料金が安くなったりする料金プランを提供しているところがあります。ライフスタイルを考慮して適切な電力会社を選べば、今よりぐっと電気料金を抑えられる場合もあり、消費者にとっては最大のメリットになるといえそうです。【電力会社独自のさまざまなサービスが受けられる】電力自由化によりさまざまな分野の企業が電気小売事業に参入してきたことで、各電力会社独自のサービスが打ち出されています。特に注目したいのは、「セット割」といわれるサービスです。セット割とは、現在契約しているガス会社やネット会社、携帯会社などと同じ会社から電力の供給を受けることにより、より大きな割り引きが受けられるというもの。電気代だけで見ればそれほど大幅な値下げとはならなくても、セット割を上手に活用することで、生活費全体の支出を抑えられる可能性があります。【クリーンエネルギーを選択できる】現在、国内の発電は火力発電が中心ですが、そのエネルギーを生み出す手段としてはほとんど、石油や石炭などの化石燃料が用いられています。化石燃料は、はるか昔の枯死した植物や微生物の死骸などが、何億年という長い時間をかけて積み重なることで生まれます。ところが現在は、そのプロセスよりもずっと短い時間で大量の化石燃料を消費し続けており、このままでは、石油の場合は40年ほど、石炭の場合は160年ほどで完全に枯渇してしまうといわれています。そこで注目を集めているのが、風力や地熱、太陽光、バイオマスなどのクリーンエネルギーです。これらは、資源として利用しても比較的短い間に再生することができ、半永久的に枯渇しないことから、「再生可能エネルギー」とも呼ばれています。電力自由化によって各電力会社には電力の調達先を表示することが義務づけられているので、地球環境にやさしい発電方法で生み出された電力を、消費者が意識的に購入することが可能になります。■電力自由化のデメリット【電気料金が高くなる可能性がある】政府は電力自由化により電気料金が最大限に下げられることを期待していますが、価格設定が完全に自由化され、規制がないところで各事業者間での競争が激しくなれば、必ずしも価格が安くなるとは限りません。燃料費のコスト上昇や天候の変動などさまざまな要因が重なれば、逆に価格が高騰してしまう可能性もあるのです。事実、すでに電力自由化が進んでいる海外では、電気料金が以前よりも高くなってしまったケースが少なくありません。また、個々のレベルにおいては、電力会社や料金プランの選び方によっても、今より電気代が高くなることがあります。【解約金・違約金が発生する場合がある】従来は、住んでいる地域の一般電気事業者から自動的に電力が供給されるシステムだったため、一応は年間契約としている電力会社がほとんどですが、契約期間がはっきりと定められているわけではありませんでした。しかし電力自由化となった現在では、シェア拡大の戦略として契約期間をしっかりと定めている電力会社も多く、それにともなって、解約金や違約金が発生することもあります。そのため、場合によっては、より柔軟に、好きなタイミングで電力会社を変更できない可能性も出てきます。電力会社を選ぶ際は、契約の前に解約金・違約金の有無をきちんと確認し、本当に自分に合ったプランであるか慎重に検討しましょう。【適切なプランを選ぶ労力がかかる】上記2つのデメリットからも、適切なプランを選ぶことの重要性がお分かりいただけたと思いますが、2016年9月時点ですでに数百に上る料金プランが存在しており、今後ますます増えていく可能性も大いにあります。そのような中で自分の生活にあった料金プランを探すのは簡単ではなく、時間や労力がかかってしまうことも、デメリットのひとつだといえるでしょう。ただし、電力自由化が進められていく中で、さまざまな料金プランを比較しながら検討できるWebサービスなども増えつつあります。そうしたサービスを有効に活用できれば、より多くの人にとって、電力自由化がもっと身近なものになっていくかもしれません。■まとめいかがでしたか?電力自由化は、デメリットをきちんと把握し、電力会社や電気料金プランを適切に選択すれば、消費者にとって大きなメリットを得られるものです。これを機に、自分なりに情報収集し、電力自由化に関する知識を深めていただければと思います。
2017年02月24日夏のピーク時には、消費電力の約60%を占めるともいわれるエアコン。賢く使ってしっかりと電気代を節約できていますか?こちらの記事では、今からでもはじめられるエアコンの節約術と、一緒に試したい夏冬の節電アイデアをご紹介しています。■冷房と暖房の節電アイデア3つ【1】基本の設定温度を守ろうエアコンの設定温度は、冷房は28℃、暖房は20℃が基本です。温度がたった1℃変わるだけで、電気代は約10%もアップします。夏場は28℃よりも下げないように、冬場は20℃よりも上げないようにし、基本の設定温度を保つようにしましょう。28℃でも暑いな、20℃でも寒いな、というときには、設定温度は変えずに体感温度で調節するのが、賢いエアコンの使い方です。以下に2つのポイントをご紹介します。【2】風量を調節しよう風量を強にすると、冷房時は体感温度が下がり、暖房時は体感温度が上がるので、設定温度を変えなくても快適に過ごせるようになります。電気代も若干高くなりますが、設定温度を上げるよりもずっと少なく済むため、結果的には節電につなげることができます。また、特に風量を強くする必要がないときには、常に自動運転に設定しておくのがベスト。電気代が安く済むからと、はじめからずっと弱運転にしている方もいるかもしれません。しかし実は、エアコンは、室内の温度を設定温度にするまでにもっとも電力を必要とし、その後はそれほど大きな電力を使うことはありません。そのため、はじめから弱で運転を続けてしまうと、室内が設定温度に達するまでに長い時間がかかり、かえって電気代が高くなってしまいます。自動運転には、はじめは設定温度になるまで空気を一気に冷やしたり温めたりし、その後は送風や微弱運転によって室内の温度を一定に保つ機能が備わっています。ムダに電気代をかけないためにも、自動運転機能を上手に使いましょう。【3】風向きを変えてみよう風量と同時に、風向きを調節することでも体感温度を変えることができます。冷たい空気は下に、暖かい空気は上にたまる性質があるので、冷房時は風向きを水平に、暖房時は下向きにしてみましょう。このようにすると、室内の空気が上手く循環し、部屋全体を快適な温度に保つことができます。それでも部屋が冷えにくい、暖まりにくいと感じたら、扇風機やサーキュレーターをエアコンと併用するのがおすすめです。扇風機やサーキュレーターを上に向けて回すと、空気がより循環しやすくなります。冷房時は、下にたまった冷たい空気をかく拌できるので、扇風機やサーキュレーターを少し下に向けて、首ふり機能を使ってもOK。扇風機やサーキュレーターの電気代は、エアコンの10分の1程度ととてもおトクです。最近のものは性能がよいので、さらに電気代がかからない製品も多くあります。有効に活用して、賢く節約しましょう。■エアコンの節電アイデア5つ【1】電源はこまめに切らないようにしよう電気代の節約のために、暑すぎたり寒すぎたりしたらこまめに電源をオフにしている方もいるでしょうが、実は逆効果。前述したとおり、エアコンは、運転直後から設定温度にするまでにもっとも電力を消費するからです。設定温度を28℃よりも上げたり20℃よりも下げたりするか、風量や風向きで調節し、あとは自動運転でつけっぱなしにしておくのが、賢いエアコンの使い方です。とはいえ、もちろん24時間つけっぱなしにしておくのでは、かえって電気代が高くなってしまいます。目安としては、1時間以内のちょっとした外出の間なら、つけたままにしておくほうが節約になる場合がほとんどです。【2】定期的にフィルターの掃除をしようほこりや湿気などでフィルターが汚れていると風の通りが悪くなり、最大で約25%とより多くの電力を消費してしまいます。掃除機でほこりを吸い取るなど、2週間に一度はお手入れをしましょう。こまめにフィルターを掃除していれば、かび臭いにおいや騒音なども改善されます。それほどこまめに掃除をする暇がない場合は、月に一度を目安に、フィルターをシャワーなどで水洗いすればOK。ただし、フィルターが濡れたままでは、カビや目詰まりの原因になります。しっかりと乾かしてから取り付けることを忘れないようにしましょう。【3】室外機の周りを整理しようエアコンは外気との熱交換によって部屋を冷やしたり暖めたりしているので、室外機の役割はとても重要です。外気の出入り口を植木や物などでふさいでしまうと、熱交換の効率が下がり、ムダな電力を消費してしまうことに。室外機の周りは常に整理しておきましょう。その際、枯れ葉や雑草などが詰まっていないかなどもチェックしておくとよいです。また、冷房の場合は、室内の熱を外へ排出するときにも多くの電力を消費します。しかし、直射日光や照り返しなどで室外機が熱を持ってしまうと、室内の熱を排出する力が弱まり、さらに多くの電力が必要になります。そのため、夏場はすだれやよしずなどで室外機の設置場所に日陰を作ってあげることも、節電対策として有効です。ただし、カバーなどで室外機全体を覆ってしまうのは逆効果。外気の出入り口はふさがないように配慮しましょう。【4】夏場は弱冷房除湿を上手に使おうほとんどのエアコンには冷房と暖房のほかに、除湿機能があります。除湿は冷房よりも電力を消費せず、しかも湿度が低くなることで体感温度が下がるため、同じ温度でも除湿のほうが涼しく感じるというメリットがあります。湿度が高い日は除湿機能を有効に活用し、電気代を節約しましょう。ただし、除湿には弱冷房除湿と再熱除湿の2つのタイプがあるため、注意が必要です。空気中から水分を奪うと、それにともなって空気が冷たくなります。弱冷房除湿では冷たくなった空気をそのまま室内に送りますが、再熱除湿では冷たくなった空気を適温に暖め直すプロセスがあります。そのため、再熱除湿の場合は、冷房よりも余計に電気代がかかってしまうのです。ご自宅のエアコンがどちらのタイプであるかは、取扱説明書で確認してみましょう。【5】長期間使わないときはプラグを抜こうエアコンは、比較的待機電力が大きい家電です。製品にもよりますが、エアコンのみの待機電力で1年間にかかる電気代は、500~700円ほど。たったそれだけだと思うかもしれませんが、夏の冷房を1週間~10日間我慢したのと同じくらいの電気代だと考えれば、バカにできない金額ではないでしょうか?生活スタイルによっても異なるでしょうが、エアコンを使うのは夏と冬、それも特に暑さや寒さが厳しくなる数ヵ月です。多くの場合、1年間を通して考えれば、エアコンを使わない期間のほうが長いといえます。長期間エアコンを使わない春や秋、出張や旅行などで数日家を空けるときなどは、プラグを抜いて待機電力を節約しましょう。■夏にできる節電アイデア3つ【1】窓からの熱を遮断しよう建物外から入ってくる熱のうち、約70%が窓からだといわれています。そのため、窓からの熱をしっかりとシャットアウトすることができれば、部屋全体を効率よく冷やすことができます。夏場は薄手のレースカーテンなどを使用している人も多いかもしれませんが、遮熱の点からいえば、厚手のカーテンや遮光カーテンがベスト。特に日差しが強い場所では、朝顔やゴーヤを利用した緑のカーテンも有効です。日差しを遮ってくれるだけでなく、植物の葉は太陽からの熱も吸収してくれます。また、窓からは熱気だけでなく冷気も入ってくるため、冬の暖房効率を上げたいときにも窓は大きなポイントになります。もっとも有効なのは窓ガラス自体を断熱ガラスに変えることですが、窓ガラスに断熱シートや断熱フィルムを貼ったり、カーテンを断熱仕様のものに変えたりすることでも、室内の熱を逃がさないように工夫することができます。【2】エアコンをつける前に換気をしよう外出先から帰ってきたときはすぐにでも涼みたいところですが、部屋を閉め切った状態では熱がこもっているため、エアコンをつけてもなかなか空気が冷えてくれません。そのようなときはまず窓を開けて換気し、こもった熱を逃がしてあげるのが有効です。繰り返しになりますが、エアコンは運転直後から設定温度にするまでにもっとも電力を使います。そのため換気は、部屋全体が早く涼しくなるとともに、節電にも効果的です。【3】昔ながらの涼を取る工夫を取り入れよう日本には、扇風機やエアコンなどが普及するずっと前から、昔ながらの涼みの工夫があります。たとえば、風鈴。最近では見かけることも少なくなりましたが、涼しげな音を聴いて気分だけでもスッキリすると、意外にも暑さをしのぐことができますよ。風がある日は窓を開けて、風鈴の音を聴きながら、気温が落ち着く朝夕だけでも窓辺で涼んでみてはいかがでしょうか。その際、風邪の通り道に濡れたタオルやシーツを干しておくと、さらに効果的です。水分が蒸発するときに周りの空気から気化熱が奪われるので、心地よい風を取り入れることができます。また、同じ気化熱の原理からいえば、ベランダや庭、玄関先など家の周りで打ち水をするのも効果的。打ち水は体感温度を下げるだけでなく、物理的に周辺の温度を2℃ほど下げてくれます。ポイントは、1日の中でも比較的涼しい午前中のうちに行うことです。気温が高い日中に水をまいても、涼しさが持続しません。朝のうちに打ち水をしておけば、午前中いっぱいは過ごしやすくなるでしょう。■冬にできる節電アイデア3つ【1】換気扇は必要なときだけ動かそうこれは暖房時だけでなく冷房時にもいえることですが、換気扇を動かしたままにしてしまうと、エアコンのおかげで適温になった室内の空気が外に逃げてしまいます。料理などで換気扇を使った後は、こまめに止めるようにしましょう。また、同様の理由で、ドアの開け閉めをきちんとするように心がけることも大切です。これだけで暖房効果も冷房効果もぐっと高まります。【2】エアコン以外の暖房器具を有効活用しようなんとなく暖房よりも冷房のほうが、電気代がかかるイメージがありませんか?しかし実は、暖房のほうがより大きな電力を消費するため、冷房よりも暖房のほうが電気代がかかってしまいます。なぜなら、冬のほうが室内の温度と外気温の差が大きいからです。そのため、暖房の消費電力をいかに抑えられるかが、冬の節電の大きなポイントになります。エアコンと併用したいおすすめの暖房器具は、電気ストーブです。エアコンの電気代が運転直後のもっとも電力を使うときで1時間当たり約50円であるのに対し、電気ストーブは強でも1時間当たり約30円です。エアコンに比べて格段に電気代が安いとはいえないかもしれませんが、ピンポイントですぐに暖めてくれるのが、エアコンにはない電気ストーブのメリットだといえます。そのため、まずは電気ストーブを使ってある程度部屋を暖めてから、エアコンを使う方法がおすすめです。室内が設定温度になるまでの時間を短縮でき、体が温まることから設定温度を下げることもできるので、電気代の節約につながります。ただし、電気ストーブはエアコンに比べて部屋全体の空気を暖める力は弱いので、リビングなど比較的広めの空間ではあまり効果が得られない場合もあります。また、意外にも電気代が安い暖房器具として、こたつや電気カーペットが挙げられます。こたつは強で1時間当たり約5円、電気カーペットは高で1時間当たり約9円です。どちらも直接体を温めてくれるので体感温度が上がり、暖房の設定温度を低めに設定しても快適に過ごせます。【3】加湿器を有効活用しようエアコンの節電アイデアでも触れていますが、湿度が低くなると体感温度も低くなり、反対に、湿度が高くなると体感温度も高くなります。そのため、暖房と加湿器を併用することで、暖房の設定温度を2℃上げるのと同じくらいの効果が期待できます。ただし、加湿器はエアコンよりもずっと少ない電気代で済むものが多いのですが、種類によっては電気代がかかるものもあるので注意が必要です。節電で選ぶなら、消費電力が小さい超音波式か気化式がおすすめ。空気が乾燥しやすい冬場はウイルスなども蔓延しやすいため、加湿器を使うと風邪予防にも有効ですよ。■まとめいかがでしたか?エアコンは数ある家電製品の中でも特に電力を消費します。しかし、ちょっとした工夫をするだけで、電気代を大幅に節約することが可能です。今回ご紹介した節約術はすぐにでもはじめられるものばかりですから、ぜひ日常生活に役立ててください。
2017年02月22日みなさんは、きちんと節電していますか?「電気代なんてそんなに変わらないでしょ」と侮るなかれ。すべての節電対策をトータルした年間の節約額が、約1ヶ月分の電気代に相当することもあるのです。そこで今回は、おすすめの節電方法を5つご紹介します。1. 消費電力のピーク時間帯を避けよう■なぜピークの時間帯を避ける必要があるの?電力の使用がある時間帯に集中してしまうと、1日の中で電力需要に格差が生じてしまい、供給設備の利用率が下がります。利用率の低下は供給コスト上昇の一因となってしまうので、安定した適正価格で電力を供給してもらうためには、各家庭でピークの時間帯に大きな電力を消費しない工夫が必要です。ご家庭でできる方法には、主に以下の2つがあります。①ピークカットピークカットとは、ピーク時間帯における電力そのものの消費量を減らす対策です。そのため、節電と省エネを同時に実行できる対策でもあります。ピークカットには、電化製品の使用を抑えたり、消費電力が通常よりも小さくなるように使い方を工夫したり、省エネ機能を備えた電化製品に切り替えたりなど、さまざまな方法があります。②ピークシフトピークシフトとは、1日のうち消費電力がもっとも大きくなる時間帯を他の時間帯に移動させる対策です。複数の電化製品の使用が重ならないようにしたり、電気を多く使用する時間帯を消費電力が小さくなる夜間や早朝にずらしたりする方法があります。また、蓄電システムを利用して夜間のうちに充電しておき、日中はその電力を用いて、電力会社からは電力を供給しないようにする方法も有効です。ただしピークシフトは、ピークカットのように電力そのものの消費量を減らすことはできません。そのため、節電や電気代の節約にはつながっても、省エネ対策にはならないといえます。1日のうちもっとも電力を消費するピーク時間帯は、在宅率が高い夕方頃だといわれています。中でも夕食の準備に取りかかる人が多い18~19時頃は、特に消費電力が大きくなります。18~19時を中心とした夕方の時間帯は、ピークカットやピークシフトで消費電力を抑えましょう。2. 窓の断熱でかしこく節電しよう水が高いところから低いところへと流れていくのと同じように、熱にも、温度の高いところから低いところへと移動していく性質があります。そのため、室内の温度と外気温との差が激しい夏場や冬場は特に、熱の出入りをいかにコントロールできるかが節電を考えるうえで重要なポイントになります。住宅の中でもっとも熱の出入りが激しい場所が、窓。建物から出入りする熱のうち、夏は約50~70%が窓から侵入し、冬は約50%弱が窓から逃げています。最近の住宅は壁や床には断熱材が施され、従来よりも建物の熱の出入りは抑えられるようになっています。しかし、ガラスは熱が伝わりやすく、日本の住宅で一般的なアルミサッシにもそれほど断熱性がないことから、窓はどうしても熱が通りやすい部分になってしまうのです。■外側から断熱対策!窓の外にすだれやよしずを垂らしておくと、直射日光による熱の侵入を防ぐことができるため、夏の冷房効果が格段にアップします。植物には熱を吸収する作用があるので、特に強い日差しが入ってくるところには、ゴーヤや朝顔のツルを利用した緑のカーテンも有効です。ご自宅が洋風の建物なら、サンシェードもおすすめ。インテリアとして、外観のデザイン性を高めることもできますよ。また、夏に窓から侵入してくる熱には、窓周辺の照り返しもあります。窓辺やベランダに、鉢植えや木製のすのこ、レンガなど、熱を吸収してくれるアイテムを設置してみましょう。■内側から断熱対策!暖気を窓から逃がさないようにするためには、窓そのものを真空ガラスなどの断熱性が高いものに交換したり、二重サッシを取り付けたりすることが有効です。とはいえ時間も費用もかかりますし、賃貸の住宅であれば自由に取り換えることは難しいでしょう。そこで活用したいのが、断熱シートや断熱フィルムです。市販のものを窓に貼りつけるだけで、簡単に断熱効果を高めることができます。また、これらは冬場の結露対策としても有効です。結露は、冷えたガラスの表面で空気が冷やされることにより、発生します。そのため、断熱シートやフィルムで冷気をシャットアウトすれば、結露ができにくくなります。シートやフィルムを貼りつけることを手間に感じる方は、断熱スプレーもおすすめ。窓に吹きかけることでシリコンコーティングが施され、断熱効果を高めることができます。コーティングの持続時間は1ヶ月ほどなので、1ヶ月を目安に使用しましょう。断熱シートやフィルムは、外からの熱の侵入を防ぐ効果もあるので、夏の冷房効果を高めるためにも有効です。夏・冬のいずれも、これらに加えてさらに遮熱カーテンやブラインドを活用できればベスト。ただし、遮熱カーテンは通常のカーテンに比べて生地が厚く、部屋が暗い印象になってしまうこともあります。気になる場合は、夏場は明るめのブルーでさわやかな印象にするなどの工夫をするとよいかもしれません。3. 消費電力をこまめにチェックしよう■電力の使用量を計算で求めてみようみなさんは、ご自宅の電化製品がどれくらい電力を使用しているのか、知っていますか?電力使用量の計算は、実はとても簡単です。電化製品には、○W(ワット)という表示があります。これは、その電化製品を動かすために必要な電力を表しています。これに電化製品の使用時間をかければ、電力使用量が求められます。たとえば、50Wの照明を1日に16時間(h)使用しているとすると、50W×16h=800Wh(ワットアワー)となり、照明だけで1日に800Whの電力を使用していることが分かります。Whとは、1時間に消費する電力量の単位です。電力会社はWhをもとに料金を設定しているため、電力使用量が計算できれば、いくらの電気代がかかっているかも知ることができます。上記の例でいうと、電力会社との契約が1kWh(=1,000Wh)当たり20円であれば、照明にかかる電気代は1日当たり16円となります。このように、ワット数が分かれば、おおよその消費電力と電気代を計算することが可能です(運転中に消費電力が大きく変動するエアコンなどは除く)。具体的に数字で表すことができれば、節約のために節電しようという意識も高まるのではないでしょうか?■電力会社のサービスを活用しよう電力会社によっては、電気の使用量や電気代を1日単位や30分単位で細かくチェックできるサービスを提供しているところがあります。ご契約の電力会社がそうしたサービスを提供しているか確認し、サービスがある場合は積極的に利用して、電力使用量の見直しを行いましょう。4. 電化製品の使い方を見直そうご自宅の電化製品を省エネ効果が高い製品に切り替えることは、節電対策として大きな効果があります。しかし、今使っている電化製品はそのままに、使い方を工夫するだけでも消費電力を抑えることができるのです。以下に身の回りの電化製品について、有効な節電対策をご紹介します。■エアコンエアコンは、設定温度がたった1℃変わるだけで、電気代が10%以上もアップします。冷房は28℃より下げないように、暖房は20℃より上げないように心がけましょう。28℃・20℃で室内が快適な温度にならない場合は、設定温度は変えずに、風量を強くするのがベター。自動運転よりも若干電気代は高くなりますが、設定温度を変えるよりもずっと少ない消費電力に抑えられます。また、先ほどご紹介した断熱対策も、冷暖房効果を高めるためには非常に有効です。夏の場合は、窓を断熱するだけで、2~4℃ほども室内温度の上昇を抑えることができます。さらに、定期的にフィルターを掃除する、室外機の周りを整理して空気の通りをよくする、といった方法でも冷暖房の効率を上げることができ、節電につながります。■照明照明は、使い終わったら消すことを習慣にし、点けっぱなしを避けましょう。消し忘れが多い場所では、人感センサー付きの製品を使用するのも有効です。また、照明の場合は取り換えが簡単なので、ご自宅の照明が白熱電球や蛍光灯を使用しているならば、電球そのものをLEDに取り換えてしまうのもおすすめです。LEDは白熱電球や蛍光灯と比較すると価格は少し高くなりますが、それらに比べてはるかに寿命が長く、消費電力も小さいので、長い目で見ればLEDを活用するほうが節約になるといえます。■テレビ見たい番組があるわけでもないのに、なんとなくテレビを点けていることはありませんか?必要がない場合は消すことを意識してみましょう。その際、主電源からオフにすることを心がけてみてください。リモコンの信号を待機している状態での消費電力をカットすることができます。また、テレビは静電気が発生しやすく、付着したホコリで画面は思った以上に汚れています。画面が暗いなと思ったら、輝度を上げる前に拭き掃除をしてみましょう。1週間に一度を目安に行えるとよいです。■トイレ(温水洗浄便座)季節にかかわらず、いつも便座の暖房をオンにしていませんか?春から秋にかけての期間は使わなくてもよいことがほとんどなので、必要なとき以外はスイッチをオフにしておきましょう。また、便座や洗浄水の温度は、冬場であっても低で十分快適に使用できます。温度が高くなっていないかチェックしてみましょう。最近の製品には節電機能が付いているものが多いので、付属の機能を活用できているかも合わせて確認してみるとよいです。■キッチン周りキッチン周りで特にムダな電力を消費しがちなのが、冷蔵庫です。たとえば、冷蔵庫内に最大限にものを詰め込んでいる状態から半分ほどの状態にするだけで年間約960円の節約に、設定温度を強から中に変更する(周辺温度22℃の場合)だけで年間約1,360円の節約に、壁から少し離して設置し熱を逃がしやすくするだけで年間約990円の節約になります。つまり、冷蔵庫の使い方を見直すだけで、トータルでは年間約3,310円もの電気代の節約になることが分かります。常温保存できるものを冷蔵庫にしまっていないか、期限切れの食べ物が庫内に放置されていないか、設定温度は適切であるか、などをチェックしてみましょう。そのほか、炊飯器では、保温機能をなるだけ使わないようにするのがポイントです。ご飯はまとめ炊きしてよく冷ましてから冷蔵庫に保存し、食べる分だけ電子レンジで温めるほうが、電気代の節約になります。また、電気ケトルでお湯を沸かしている方は、魔法瓶を有効活用して保温機能を長時間使わないようにしましょう。5. 節電グッズを有効に活用しようここまでご紹介してきた4つの節電方法に加えて、節電グッズを活用していけば、より高い節電効果が得られます。今回はおすすめの節電グッズを4つご紹介しますので、ぜひ使いやすそうなものをご自宅にも取り入れてみてください。■HEMS(ヘムス)HEMSとは、ホームエネルギーマネージメントシステムの略で、ご自宅の電化製品すべてをネットワークに接続し、電力の使用量を可視化してくれるシステムです。細かな時間単位での消費電力をモニターに表示してくれたり記録してくれたりし、機能性の高いものでは、自動で消費電力を抑制してくれるものもあります。■ワットチェッカーワットチェッカーは電化製品の電源コードとコンセントの間に取り付けて使用するアイテムで、使用する電化製品の電気代をリアルタイムで表示してくれます。HEMSは高性能ですが、価格は数十万円からと気軽に導入できるものではないので、まずは気になる電化製品にワットチェッカーを使用してみるのもおすすめです。1個当たり1,000~1,500円程度で購入できます。■ソーラー充電器さまざまな電化製品を、電力を消費せずに太陽光で充電できるアイテムです。どのような機器を充電するかによって初期投資の金額は異なりますが、スマートフォンの充電器であれば、機能性が高いものでも1万円以内で購入できます。■節電タップ節電グッズとしてはおなじみの、節電タップ。一般家庭における消費電力のうち約7.3%を占めるといわれる待機電力を、コンセントを抜く必要なく簡単にカットできるアイテムです。意識してこまめに待機電力をカットするように心がけると、年間では約1,000円の電気代の節約になります。■まとめいかがでしたか?ここまでさまざまな節電のアイデアをご紹介してきましたが、はじめからすべての節電アイデアを実践する必要はありません。まずはどれか1つでもできることからコツコツはじめて習慣化し、地球環境にもお財布にもやさしい省エネ生活を目指しましょう。
2017年02月22日月々の電気料金は、「電気料金=基本料金+電力量料金+再生可能エネルギー発電促進賦課金」の計算式で算出されます。また電力量料金の算出式は「電力量料金=電力量料金単価×使用量+燃料費調整単価×使用量」です。このうち「電力量料金単価×使用量」の部分は節約努力によって減額が可能だといえます。■電気料金の内訳は?「電気使用量のお知らせ」といった名前のついた電気料金・電気使用量の明細をじっくり見たことがありますか?よく観察してみると、請求予定金額欄の下部などに、電気料金の内訳が書いてあります。これらは何を意味するのでしょうか。電気料金の内訳は以下のとおりです。この3つの合計が月々の電気料金となっています。◼︎基本料金◼︎電力料金◼︎再生可能エネルギー発電促進賦課金電力料金はさらに以下のように分けられます。◼︎電力量料金単価×使用量◼︎燃料費調整単価×使用量使用量はご家庭のメーターの針から読み取ります。当月の指示数から前月の指示数を引いて、その月の使用電力量が決まります。なお口座振替を利用している場合は上記合計額から割引されることもあります。■基本料金とは基本料金とは、契約アンペアごとに決められた一定の料金のことを指します。契約アンペアとは、同時に使用できる電気量のことです。一気にいろいろな電化製品を使ってブレーカーが落ちてしまった経験はありませんか?それは、契約アンペアを超えた電気量を使ってしまったことによるものです。たとえばある電力会社を例に挙げると、10アンペアから60アンペアまで5アンペアもしくは10アンペアごとに契約アンペアが定められています。各基本料金は、・10アンペアで280.80円・15アンペアで421.20円・20アンペアで561.60円といった具合です。契約アンペアの色は、アンペアブレーカーの色によって判別できるのが一般的です。たとえばある送配電事業者の場合であれば、契約アンペアが10アンペアの場合は赤色、15アンペアの場合は桃色、といった具合に決まっています。なお色と契約アンペアの組み合わせは送配電事業者によって異なりますので、利用している送配電事業者の色分けをチェックしてみましょう。契約アンペアは任意で変更できます。頻繁にブレーカーが落ちてしまうという人は契約アンペアの変更を検討したほうがよいでしょう。ただし契約は年間契約が基本で、季節的に契約アンペアを変更できないのが一般的です。たとえば、電気をあまり使わない春や秋には15アンペアで契約し、電気を多く使う夏や冬には30アンペアで契約する、といったことは多くの場合できません。したがって契約アンペアを決める際は、1年または1日のなかでもっとも電気を多く使うタイミングを考えて決定しましょう。たとえば電気機器を同時に多く使いがちな夕食前・夕食時、冷暖房機器を使う真夏や真冬などの電気量を想定して決めてください。なおアパートやマンションなどの集合住宅の場合は、契約アンペアを変更する際に所有者や管理人の許可が必要です。契約アンペアを下げると基本料金は下がりますが、上乗せされる電力量料金は変わらなかったり、逆に増えたりすることもあります。基本料金を減らしても合計としての電気料金は必ずしも減るわけではありませんので注意しましょう。■電力量料金単価の仕組み「三段階料金」とは電力量料金単価とは、使用電力1kWhあたりの料金のことです。電力量料金単価は契約種別によって決まります。契約種別とは、電力料金単価を決める電気料金プランのことです。契約種別はおもに以下の3種類に分かれます。①従量電灯24時間一律の電力量料金単価が設定されている契約種別です。もっともオーソドックスな契約種別だといえます。②時間帯別電灯一日を昼夜2つや朝昼晩3つの時間帯に分け、時間帯ごとに異なる電力量料金単価を設定している契約種別です。「夜得プラン」「朝得プラン」のような名前がついているのを見たことのある人もいるでしょう。たとえば日中自宅にいないことが多く、夜に電気を使うことの多い人は、夜間に電力料金単価が低くなる契約種別を選べば、電気料金をその分安く抑えられます。なお時間帯ごとおよび季節(2季節)ごとに電力量料金単価が設定されている契約種別もあります。③ピーク抑制型時間帯別電灯電気使用量がピークになる夏の午後3時間(北海道は冬期の夕方3時間)の電力量料金単価を高めに設定し、それ以外の時間帯の電力量料金単価を低めに設定しているタイプの契約種別です。「ピークシフト」などという名前がついています。電力量料金単価の多くは「三段階料金」となっています。三段階料金制度とは、電気の使用量に応じて、電力量料金単価を3段階に変動させる制度のことです。省エネを推進する目的で昭和49年6月から実施されています。第1段階は、国が保障すべき最低限度の生活水準である「ナショナル・ミニマム」の考えにのっとった料金で、比較的低額に設定されています。第2段階は標準的な家庭における月ごとの使用量を踏まえた平均的な料金設定です。そして第3段階は若干割高に設定されています。たとえばある地域で従量電灯Bという契約種別で契約した場合、・第1段階は120kWhまでで19.52円/kWh、・第2段階は300kWhまでで26.00円/kWh、・第3段階はそれ以上で30.02円/kWhと設定されています。もしこの電力量料金単価の地域で、ある月の使用量が60kWhだった場合は、第1段階の料金が適用され、19.52円×60=1171.2円の電力量料金という計算です。以上を見るとわかるとおり、電力量料金単価は使用電力が少ないほど低くなるとともに、使用量に比例して電力量料金が決まることから、「電力量料金単価×使用量」は節約努力によって抑えられる部分といえるでしょう。また契約種別の見直しによっても額を抑えられる部分です。■燃料費調整単価とは燃料費調整制度とは、発電に必要な火力燃料(原油、LNG(液化天然ガス)、石炭)の価格変動を電気料金に反映させるための制度です。火力燃料の価格変動に応じて「燃料費調整単価」が毎月調整されます。電気料金においては、この燃料費調整単価に月の使用量をかけた「燃料費調整額」として反映されています。燃料費調整単価の計算式は以下のとおりです。なお燃料費調整単価は、小数点以下第1位で四捨五入されます。◼︎平均燃料価格が基準燃料価格を上回った場合はプラスの燃料費調整単価になります。燃料費調整単価=(平均燃料価格-基準燃料価格)×基準単価÷1,000◼︎平均燃料価格が基準燃料価格を下回った場合はマイナスの燃料費調整単価になります。燃料費調整単価=(基準燃料価格-平均燃料価格)×基準単価÷1,000平均燃料価格とは、原油、LNG、石炭それぞれの燃料価格を原油換算1klあたりの価格に換算した計算用の燃料の価格です。原油、LNG、石炭それぞれにおける3か月間の貿易統計価格にもとづいて、毎月算定されます。平均燃料価格は地域によって異なりますが、たとえば関東エリアの場合であれば、以下のような計算式で算出されます。【平均燃料価格(原油換算1klあたり)=(3か月における1klあたりの平均原油価格×0.1970)+(3か月における1tあたりの平均LNG価格×0.4435)+(3か月における1tあたりの平均石炭価格×0.2512)】なおそれぞれの平均価格にかけられている定数は、地域によって異なります。また、上記の式の基準燃料価格は、電力会社が料金設定をする際に前提条件として用いる平均燃料価格のことです。基準燃料価格と平均燃料価格の差額から、燃料費調整単価のプラスマイナスや額の大きさが決まります。たとえば関東エリアの場合であれば、以下のように平成24年1月~3月における平均貿易統計価格から、原油換算1klあたりの基準燃料価格を算出しています。◼︎1klあたりの平均原油価格57,802円◼︎1tあたりの平均LNG価格67,548円◼︎1tあたりの平均石炭価格11,452円→以上3点から算出し、基準燃料価格は原油換算1klあたり44,200円基準単価とは、平均燃料価格が1,000円/kl変動した場合の燃料費調整単価のことです。たとえば関東エリアでは22.8銭/kWhと決められています。以上を踏まえて、燃料費調整額を具体的に見てみましょう。燃料費調整額は先述したとおり「燃料費調整額=燃料費調整単価×月の使用量」の計算式で算出されます。たとえば使用量60kWhで燃料費調整単価が-4.6円/kWhだった場合、-4.6円×60=-276円がその月の燃料費調整額です。電気使用量や電気料金の明細には燃料費調整単価自体が明記されていることはあまりありませんが、燃料費調整額を使用量で割れば、逆算で燃料費調整単価を導き出せます。なお平均燃料価格、基準燃料価格、基準単価は、電力の提供エリアによって異なるため、この3つから算出される燃料費調整単価も地域によって異なります。ご自身のエリアについて調べてみましょう。以上を踏まえると、燃料費調整額は原油などの燃料の価格に左右され、個人の努力ではあまり節約できない部分であることがわかるでしょう。とはいえ、電気料金を見ることによって燃料の価格増減を身近に感じられるのは興味深いですよね。ニュースなども注意して見て、動向をチェックしておきましょう。■再生可能エネルギー発電促進賦課金とは再生可能エネルギー発電促進賦課金とは、「送配電事業者による再生可能エネルギー電気の調達に関する特別措置法」という法律によって定められている賦課金です。送配電事業者は、太陽光や風力といった再生可能エネルギーによって発電された電気を、一定の期間中、国が定めた単価で購入することが義務づけられています。この購入に必要な費用については、全国一律の単価で、電気を使用する人全員が負担します。この負担が再生可能エネルギー発電促進賦課金です。なぜ再生可能エネルギー発電促進賦課金は全国一律料金なのでしょうか。再生可能エネルギーの導入については、地域によってばらつきが生じる可能性があります。とはいえ、地域によって賦課金に格差があると不公平感が生まれてしまうでしょう。それを避けるため、全国レベルで電気使用者の負担額を調整する「費用負担調整機関」が設置されています。同機関は、各送配電事業者が全国一律料金で集めた賦課金をいったん回収します。そののち、各送配電事業者の買取費用に応じて、交付金を交付します。このようにして、不公平感を防ぎながら、再生可能エネルギーの導入状況に応じて賦課金が使われるようになっています。再生可能エネルギー発電促進賦課金単価は年度ごとに国が定めます。計算式は以下のとおりです。【再生可能エネルギー発電促進賦課金単価=送配電事業者への交付金の見込額合計÷送配電事業者の想定供給電力量の合計】月々の再生可能エネルギー発電促進賦課金は、以下の計算式で算出されています。【再生可能エネルギー発電促進賦課金=再生可能エネルギー発電促進賦課金単価×月の使用量】たとえば使用量が60kWh、再生可能エネルギー発電促進賦課金単価が2.25円/kWhであれば、2.25×60=135円がその月の再生可能エネルギー発電促進賦課金という計算です。再生可能エネルギー発電促進賦課金の部分も、個人の努力で節約できる部分とはいえません。とはいえ、再生可能エネルギー発電促進賦課金の額からは、日本全体の送配電事業者がどれだけ再生可能エネルギーを導入しているかがわかります。賦課金の部分が大きくなるのは電気料金を払う側からすると負担かもしれません。しかし賦課金が大きいということは、それだけ日本の送配電事業者がエコなエネルギーを使うようになっているか、あるいは日本全体の電気使用量が減っているということを意味します。賦課金の額は日本がどれだけエコな電気の使い方をしているかの指標になるといえるでしょう。■まとめ2016年から電力の自由化が実施され、電気料金を見直す機会が増えた人も多いかと思います。電気料金の仕組みを知ることは、電気料金をかしこく節約する第一歩です。毎月の電気使用量・電気料金明細の意味を細部まで理解し、ご家庭の電気料金を見直してみてはいかがでしょうか
2017年02月22日電気料金は、「消費電力×使用時間」の計算式で算出される「消費電力量」を根拠に算出されます。消費電力とは、電気機器を動かすために使われる電力の大きさのことです。家電のラベルやカタログには、定格消費電力や年間消費電力量といった形で消費電力が記載されていることもあります。これらの消費電力から1カ月分の消費電力量を算出し、それに電力量料金単価をかけて基本料金などを加えれば、1カ月間の電気料金が計算できます。■消費電力・消費電力量とは?家電ごとの消費電力目安もご紹介消費電力とは、電気機器を動かす際に使われる電力の大きさを指します。単位はW(ワット)やkW(キロワット)などです。なお1,000W=1kWと換算されます。この電力の大きさで、実際に使われた電力の量が消費電力量です。消費電力量はWh(ワット時)やkWh(キロワット時)という単位で表します。消費電力量を算出する計算式は以下です。・消費電力量=消費電力×使用時間たとえば60Wと書かれてある白熱電球は、消費電力が60Wであることを意味しています。つまりこの電球をオンにするためには60Wの電力が使われるという意味です。この白熱電球を5時間使ったときの消費電力量は以下の計算式から算出できます。・60W×5時間=300Wh白熱電球以外にも、家電などの電気機器のラベルやカタログには、その機器を動かすための消費電力が記載されています。以下はおもな家電の消費電力の目安です。ただし、家電の大きさや型のほか、計算方法によって消費電力の値は異なることがありますので、あくまで参考としてください。◼︎冷蔵庫(「年間消費電力量」の項目も参照)・140リットル以下:48W・141~200リットル:50W・201~250リットル:58W・251~300リットル:62W・301~350リットル:64W・351~400リットル:56W・401~450リットル:60W・451~500リットル:58W・501リットル以上:64W◼︎エアコン・6~9畳用:355W・7~10畳用:508W・8~12畳用:599W・10~15畳用:745W・11~17畳用:905W・14~21畳用:1,220W・15~23畳用:1,730W・17~26畳用:1,890W・20~30畳用:2,490W以上を見てみると、よく電気を使う家電、思ったほど電気を使わない家電などが比較できますよね。アイロンやドライヤーなど、小さいのに多くの電力を使う家電に驚いた人もいるのではないでしょうか。◼︎ドライヤー:800~1200W◼︎アイロン:1,200W(「定格消費電力」の項目も参照)◼︎電子レンジ:1,300W◼︎掃除機:1200W(「定格消費電力」の項目も参照)◼︎IH調理器(卓上):1,200W◼︎コタツ:600W◼︎食洗器:1,300W◼︎ホットカーペット:500~800W(「定格消費電力」の項目も参照)◼︎炊飯器:300~700W◼︎加湿器:300~500W◼︎液晶テレビ(32型):150W◼︎プラズマテレビ(32型):240W◼︎洗濯機:500W◼︎洗濯機(乾燥機能):800~1000W◼︎デスクトップPC:150~300W◼︎ノートPC:50~150W■ラベルにある「定格消費電力」って?家電のラベルやカタログで消費電力を調べてみると、単に「消費電力」と書かれているのではなく「定格消費電力」と書かれている場合が多いことに気づくかと思います。定格消費電力とは、その電気機器を安全な範囲内で最大限使用した際に消費する電力の大きさのことです。実際の消費電力は一般的に、定格消費電力の90%程度になるよう設定されています。これは安全のため、供給電圧が最大限になった場合でも家電の定格消費電力を超えないようにされていることが理由です。以下で、家電のタイプごとに定格消費電力と消費電力の関係を詳しく見ていきましょう◼︎「オン/オフ」のみの家電電球など「オン」または「オフ」しかない家電における消費電力の目安は、先述したとおり、定格消費電力の90%程度です。たとえば定格消費電力が60Wの電球の場合、60W×0.9=54Wが実際の消費電力の目安になります。◼︎タイマー機能のみの家電単純な電子レンジやオーブントースターなど、タイマー機能のみの家電についても、実際の消費電力は定格消費電力の90%程度です。たとえば定格消費電力1000Wのオーブントースターであれば、実際の消費電力は約900Wの計算になります。◼︎「切/弱/強」といったスイッチがついた家電ドライヤーなど強弱の調節ができる家電製品のラベルなどには、「定格消費電力:700W、強:700W、弱:300W」といった表記が見られます。この場合の実際の消費電力は以下のように考えましょう。・強モードを使った場合の消費電力目安=700×0.9=630W・弱モードを使った場合の消費電力目安=300×0.9=270W◼︎サーモスタット機能のついた家電サーモスタットとは、一定の温度を保つために自動的に温度を調節する機能のことです。たとえばアイロンやコタツなどにはサーモスタットがついています。アイロンを例として仕組みを見てみましょう。アイロンの「高」モードは約200度の設定です。スイッチをオンにすると過熱を開始し、200度に達すると自動でスイッチがオフになります。さらに温度が200度を下回るとまた自動でスイッチがオンになる仕組みです。このような家電の場合は、どのように消費電力を計算すればよいのでしょうか。ホットカーペットを例に考えてみましょう。「強」モードが700W、「弱」モード300W、定格消費電力700Wの場合、30分間の平均消費電力は以下のように計算できます。《強モードの場合》・定格消費電力700Wでスイッチオン→実際の消費電力は約630W・一定の温度に達したらスイッチオフ→実際の消費電力は0W・→30分間の消費電力の平均は630Wの約3割~5割→約189~315W《弱モードの場合》・定格消費電力300Wでスイッチオン→実際の消費電力は約270W・一定の温度に達したらスイッチオフ→実際の消費電力は0W・→30分間の消費電力の平均は270Wの約3割~5割→約81~135W実際の消費電力は、表記されている定格消費電力の半分以下になる場合もあるとわかります◼︎2種類の定格消費電力が併記されている家電たとえば冷蔵庫には、以下のように記載されていることがあります。・定格消費電力電動機:90W電熱装置:200W「電動機」の部分は普段の最大消費電力を指し、「電熱装置」の部分は霜取り運転をする際の最大消費電力を指します。なお冷蔵庫の場合は、後述する「年間消費電力」の記載を目安にしたほうが正確な電力量が出ることもあります。◼︎定格消費電力の記載がない家電家電製品の中には、定格消費電力の記載がない家電もあります。たとえば掃除機などは、カタログに「消費電力:1000W~300W」などとかなり幅を持って記載してあることがあります。これは掃除機が、使い方によって消費電力が大きく変わる家電であるためです。たとえば集塵部分にほこりがたまった状態で「強」モードの運転をした場合は消費電力1000W程度、集塵部分を掃除してモーターの負荷を軽くした状態で「弱」モードの運転をした場合は消費電力300W程度になるというように解釈しましょう。発電の負荷をできるだけかからないように使うことが、特に消費電力を抑えるポイントになる家電といえます。計算の際には、普段の使用方法を振り返り、記載されている消費電力の範囲内で計算しましょう。温度設定や気温との関係によって消費電力が変わるエアコンも、定格消費電力の記載がないことが一般的です。たとえば、以下のように記載されています。・消費電力:1,200W~150W(700W)括弧内は平均値を表しています。計算の際には、仮に平均値を使って計算するとやりやすいでしょう。テレビやパソコンも、ディスプレイの明るさやステレオの音量によって消費電力が変わるため、定格消費電力の記載がない場合があります。消費電力の目安値や、後述する年間消費電力の値を使って計算するようにしましょう。■テレビや冷蔵庫にある「年間消費電力」って?年間消費電力は、ある家電製品を1年間使った場合の電力量のことです。たとえば冷蔵庫は、扉を開閉する回数や時間によって瞬間の消費電力が異なってくるため、年間消費電力を目安として表示しています。また待機電力も計算しないといけないテレビのような家電についても、年間消費電力が記載されている傾向があります。年間消費電力は、その家電が実際に使われている状況に近い条件になる基準で計算されています。メーカーが異なっていても、測定基準は一定です。年間消費電力の値を使って他の家電と消費電力を比較する際には、以下のように計算します。・消費電力の目安=年間消費電力×1,000÷365日÷24時間この計算式で、1時間当たりの消費電力量目安が出るため、定格消費電力などで消費電力の目安が記載されている家電と比較できるようになります。■1カ月の電気料金を計算してみよう!実際に1カ月の電気料金を、家電の消費電力から計算してみましょう。以下で1カ月を30日とした場合の例をご紹介します。◼︎【1】自宅にある電気製品とその消費電力、使用頻度を列挙して消費電力量を計算する《具体例》・冷蔵庫:417kWh/年(年間消費電力量)消費電力の目安は、417kWh×1,000÷365日÷24時間≒48Wh1日24時間30日使用するので、1カ月間で使われる消費電力量は、48Wh×24時間×30日=34,560Wh・電子レンジ:1,100W(定格消費電力)実際の消費電力目安は9割の990W1日10分、30日使用するので、990W÷6×30日=4,950Wh・炊飯器:570W(消費電力)1日1時間、30日使用するので、1カ月間で使われる消費電力量は、570W×1時間×30日=17,100Wh・液晶テレビ(65型):326kWh消費電力の目安は、326kWh×1,000÷365日÷24時間≒37Wh1日4時間、30日使用するので、1カ月間で使われる消費電力量は、37Wh×4時間×30日=4,440Wh・エアコン:平均700W1日12時間、30日使用するので、1カ月間で使われる消費電力量は、700W×12時間×30日=252,000Wh・デスクトップパソコン:155W(定格消費電力)実際の消費電力目安は9割で約140W1日3時間、30日使用するので、1カ月間で使われる消費電力量は、140W×3時間×30日=12,600Wh・掃除機:1,000W~300W(消費電力)実際は「強」モードで、毎回メンテナンスをしながら使うため、消費電力目安は800Wと試算月4回、1回30分使用するので、1カ月間で使われる消費電力量は、800W×0.5時間×4日=1,600Wh・ドライヤー:定格消費電力:700W、強:700W、弱:300W常に「強」モードで使っているため、実際の消費電力は9割の630W1日10分、30日使用するので、1カ月間で使われる消費電力量は、630W×÷6×30日=3,150Wh・アイロン:1,200W(定格消費電力)実際の消費電力目安は30分間で1,200W×0.3=360W程度1回10分、15日使用するので、1カ月間で使われる消費電力量は、360W÷3×15日=1,800Wh・洗濯機:500W1回30分、15日使用するので、1カ月間で使われる消費電力量は、500W×0.5時間×15日=3,750Wh◼︎【2】【1】の合計を1,000で割って、1カ月の消費電力量(kWh)を出す(34,560+4,950+17,100+4,440+252,000+12,600+1,600+3,150+1,800+3,750)÷1,000≒336kWh◼︎【3】電力量料金単価に【2】で出た消費電力量をかけるある送配電事業者の従量電灯プランの場合、使用量が300kWを超えた際の電力量料金単価は30.02円/kWhなので、336×30.02=10,086円なお電力料金単価は三段階料金制が採用されていることが多く、電気の使用量によって三段階に変化します。利用している送配電事業者の料金プランを確認してみましょう。◼︎【4】基本料金などを加算して電気料金の合計を出すある地域における送配電業者の従量電灯プランの場合、基本料金が421.20円、燃料費調整単価が4.61円/kWh、再生可能エネルギー発電促進賦課金単価が1.58円/kWhなので、10,086円+421.20円+(4.61+1.58)×336kWh≒12,587円基本料金は電気料金プランである契約種別によって異なります。また燃料費調整単価は地域によって異なり、送配電事業者のホームページや使用量明細に記載してあります。再生可能エネルギー発電促進賦課金単価は年度ごとに決まり、全国一律です。以上の計算で試算額が出ました。1カ月の電気料金試算額は12,587円です。■まとめ今回は、電気料金を消費電力から計算する方法についてご紹介しました。いかがでしたか?実際に計算してみると、電気料金に全体に対してどの家電が多くの割合を占めているかがわかりますよね。消費電力を見直すことは、電気料金の節約の第一歩です。今回ご紹介した内容を参考に、ぜひ自宅の電気料金を試算してみてはいかがでしょうか。意外な無駄遣いが見つかるかもしれませんよ!
2017年02月22日これまでは決められた電力会社との契約しかできませんでしたが、電力自由化により自分たちで電力会社を選べるようになりました。わが家も別の電力会社に切り替えることで年間6,000円の節約ができることを知ったものの、「これまでと何も変わらず電気が供給されるのか」が気になっていました。そこで「物は試し」と実際に切り替えてみることに。新たな電力会社と契約し、電気が供給されるまでの実体験をご紹介しましょう。電力会社選びは「比較サイト」がお手軽電力会社変更の際、とても役に立つのが「電力比較サイト」です。住んでいる地域や家族構成、現在の電気料金などを入力することで、新規参入組を含めた多くの電力会社のプランから「最適なプラン」を知ることができます。年間どのくらい節約できるのかが分かったり、ガスとのセット割ができるサービスもあるなど、具体的な比較材料をもとに電力会社を検討することができます。わが家は「LOOOP電気」にチェンジ!わが家も比較サイトを通じて検討した結果、電気料金が今より年間7,000円程度節約できる「 LOOOP電気 」に電力会社を変更することにしました。こちらの電力会社は電力自由化による新規参入組。通信機能のある、新しい電力量計「スマートメーター」設置の必要があります(立ち合い不要)が、基本料金が無料で解約金がないこと、自然エネルギーの推進をすすめていることを魅力に感じ、決定しました。ちなみにスマートメーターがあると、遠隔地からの検針などが可能になります。2020年度までに、順次・交換が進められていくそうです。申込みはWEBからで、手元に検針票を用意し「お客様番号」や「電力の供給地点特定番号」、「現在の電力プラン」や「契約電力」などを入力すれば完了! 作業にして10分たらずでした。申込みから供給開始までの流れ申込みを行うとすぐにマイページ開設とパスワードのお知らせがメールアドレスに届きます。その2日後には「供給開始日」のお知らせが同じくメールで届き、1週間後には自宅のポストに「スマートメーター設置工事のお知らせ」が入っていました。メーターの設置は各地域の一般送配電事業者が行い、費用負担や立ち合いの必要はありません。そして切り替え日には停電もなく、無事に供給スタート。わが家の場合は申込みから3週間程度で切り替えが完了しました。「これまでと何の変化もなく」快適に生活できています。電力会社の切り替えは、簡単な手続きで節約できるので個人的におすすめできます。ただ、切り替えにより今後は紙の検針票が発行されなくなり、電気使用量などはWeb上での確認となるなど、変更点もありました。電気代節約を考えるなら、各電力会社の特徴やサービスの内容を理解した上で、切り替えを検討してみるのがいいかもしれません。
2016年07月25日こんにちは。在宅ワーカーの川中利恵です。2016年4月1日より、電力の小売り全面自由化が実施されましたね。2月ごろから順次申し込みが始まっているようで、Web上でも電力会社比較サイトがいくつかあるようです。平成28年3月25日現在、家庭向け法人向けを合わせた登録小売電気事業者は、東京電力など一般電気事業者を含めるとなんと276社。これまでお住まいの地域では固定されていた家庭用で利用できる電力会社が大幅に増加し、新たな選択肢として名乗りを上げています。地域によって選択できる会社の数は異なりますが、これまで選択肢がなかったのに、一気にこんなに増えてしまうと、さすがに迷ってしまいますよね。そこで今回は、電力会社選択のポイントをまとめてみました。●「電線やメーターは有料」「電力会社を変えたら停電」はウソ!まず、注意してもらいたいのは、電話勧誘 や訪問販売 です。今はWebを検索すれば詳細な情報がたくさん提供されているので、ご自身でしっかり調べてから電力会社を決めたほうがいいと思います。契約の切り替えはいつでもできるものです。また、契約した電力会社が倒産したとしても電気は止まらないし、停電にもならないので安心してください。契約を急がなくても電気は止まりませんから、じっくり選択しましょう。悪質な業者の場合、電線やメーターを有料で設置する必要があると言ってくることがあるようです。しかし、電力会社をどの業者に替えたとしても、メーターや電線を有料で設置する必要は一切ありません 。メーターは順次スマートメーターと呼ばれる新たなメーターに切り替えられます。各家に訪問して人力で行っている検針から自動検針へ切り替えるものですから、原則無料設置です。また、電線はこれまで使用しているものをそのまま使います。そのため、新たに電線を購入する必要もありませんし、万が一契約した電力会社の発電量が下がってしまったとしても、ほかの電力会社から電気が送られる仕組みが出来上がっています。「電力会社を変えたら停電しやすくなるということはない」 ので、このようなことを言い出す業者との契約はやめましょう。消費者庁も平成28年3月に警告を出しています。万が一契約してしまったとしても、契約8日以内であればクーリング・オフできますので、急いで対応しましょう。契約トラブルが起きた場合は、速やかに消費者ホットライン188に連絡してみてくださいね。●各地における電力会社自由化の実態は?これまでお住まいの地域に合わせて決められていた10社から、一気に276社になった電力会社。ただ単純に「自由に選べる」と言われても、困ってしまうことでしょう。さらに地域によっても選択肢の幅が異なり、どの企業がお住まいの地域にフィットしているかどうかも経済産業省資源エネルギー庁のサイトを見てもよくわかりません。実際のところ、自由化によって最も競争が激しくなるのは、東京電力管内の関東です 。次に関西電力管内、それから中部・九州・北海道の順に続きます。残念ながら東北・北陸・中国・四国の場合は選択肢が少なく、限られてしまうようです。また、沖縄電力管内は新規参入がないため、電力会社を変えることはできません。世帯数が多いほど、新規参入電力会社が多いという結果で、今後も競争が難しいのではないかと言われている地域もあります。それでも自治体が電力販売を予定するなど、東日本大震災をきっかけに電力の地産地消を訴えるケースも増えているため、今後の参入はもっと増えることを期待しましょう。●料金やポリシーを見極めて電力会社を選択しよう!では具体的に、電力会社を順番に選択してみましょう。各電力会社は、自由化に当たりさまざまなサービスや割引、ポリシーなどを打ち立てています。そこで、どんなことに着目すればいいかを知っておくとよいでしょう。●(1)利用できる電力会社を調べるまずはご自分の地域で提供されるサービスを確認してみましょう。良さそうなプランがあってもお住まいの地域に対応できなければ意味がないためです。また、詐欺が流行しているようです。本当に国に登録された電力会社かどうか の確認も忘れずに行っておきましょう。●(2)ご自身の選択基準を決めておきましょう各電力会社によって、PRポイント が異なります。具体的には、「とにかく料金が安くなること」「ほかのサービスを利用することで総合的に生活に必要な経費をコストダウンできる」「ポイントなどでアイテムやサービスを受けられる」「時間帯別で安くなるプランがある」など、コストやサービス面のメリットを大々的に打ち出す電力会社です。コストの安さをウリにする電力会社を選択する場合は、「長い目で見たら損だった」ということがないように、頻繁に利用するサービスとの組み合わせをしっかり調べておくとよいでしょう。また「太陽光など再生可能エネルギーの利用比率が高い」「電力の地産地消ができる」ことなどをPRする企業も少なくありません。ご自身が一番重要だと思うポイント に絞れば、より探しやすくなります。●(3)比較サイトを利用すれば効率アップ!多くの電力会社では、現在の電気使用量からどれぐらい価格差があるのかを調べることができるようです。電力会社を絞り込んだら、まずはコストの確認をしてみましょう。それでも選択が難しい、と思われる方も多くいらっしゃるでしょう。その場合は比較サイト を活用してみてください。多くの電力会社との比較が簡単に行えます。----------電力会社によって、契約内容はさまざまです。ケータイ電話の契約のように、期間が設定されており、期間内の解約は手数料がかかるケースもあります。じっくり家族で話し合って、ご家庭ごとに適した電力会社をセレクトしてくださいね。わが家は再生可能エネルギーの使用率が高い電力会社をセレクトしようかなと思っています。【参考リンク】・経済産業省資源エネルギー庁「電力の小売り全面自由化スタート!」()●ライター/川中利恵(在宅ワーカー)
2016年04月10日米国の第三者安全科学機関であるULの日本法人UL Japanは4月6日、ワイヤレス電力伝送装置(WPT)の型式試験および通信局への届出サービスを開始すると発表した。電波が漏洩すると他の無線通信に妨害を与える可能性があるため、高周波利用設備を設置するためには、総務大臣から許可を取得することが電波法100条で定められている。WPTは2016年3月15日付で型式指定の対象となったことで、所定の試験を受けることで総務大臣の許可が不要となった。ワイヤレス電力伝送は今後、携帯端末充電器、家庭用電気製品、情報通信機器などへの採用が予測されており、需要の増加が見込まれている。今回、UL Japanは横輪(三重県伊勢市)、湘南(神奈川県平塚市)、鹿島(千葉県香取市)の全てのEMC試験所で同サービスに対応することで、ワイヤレス電力装置の型式認証対応のニーズに迅速に対応するとしている。
2016年04月06日ITホールディングスグループのTISは4月5日、IoT(Internet of Things)技術を活用し、各種機器の消費電力データを収集して消費電力の見える化を実現する「消費電力可視化サービス」の提供を開始した。新サービスは分電盤の配線ごとにクリップセンサを取り付け、機器ごとの消費電力データを収集、そのデータを専用のWEBサイトで容易に閲覧することができるサービス。配線ごとにセンサを取り付けられるため、個々の機器の電力使用量を計測でき、消費する電力をリアルタイムに把握することが可能だという。これらのデータを分析することで、電力消費の抑制に加え、各機器の利用時間帯やオペレーション状況なども把握でき、業務改善も実現できるとしている。新サービスでは、サービス導入コンサルティングからセンサの設定、データ分析、そしてデータ分析から得られた結果をベースに業務改善提案などを顧客の要望に合わせて提供する。例えば、飲食業など多店舗展開する業態の企業の施設管理において各拠点の消費電力を測定し、機器ごとの電気使用量を分析することで、電気料金の削減やオペレーションの改善に活用することができる。多くの拠点を有する企業ほど、多数の分電盤が設置されているため、同サービスを有効に活用できるという。TISでは、新サービスを飲食業や物流業など多店舗展開する業態の施設管理ソリューションとして展開し、2019年までに2万拠点への導入を目指し、今後は取得したデータの分析やBIツール、ERPとの連携なども対応していく方針だ。また、同社が小売電気事業者向けに提供している顧客・販売パートナー向け「エネLink Portal+」のオプションメニューとして新サービスを展開していく予定だ。価格は初期費用が個別見積もり、月額費用は1万3000円(センサ、モバイルルーター、Webサイト、月次レポート含む)。
2016年04月06日ビッグローブは4月4日、BIGLOBE接続サービスの利用者向けの電力サービス「ビッグローブでんき」を開始した。「ビッグローブでんき」第1弾として、中部電力と提携し、「中部電力 カテエネプラン for BIGLOBE」を開始。同プランは、BIGLOBE接続サービス利用者向けに中部電力が用意した専用プランで、首都圏エリアから対応を開始する。中部電力 カテエネプランと従来の電気料金を比べると、月に520kwh使用した場合、毎月315円、1年間で3780円得するという。電力と光接続サービス「ビッグローブ光」、高速モバイル通信サービス「BIGLOBE SIM」とのセット割である「光☆でんきセット割」、「光☆SIMでんきトリプル割」では、毎月最大400円を割り引きする。また、従来の電力と光接続サービス、モバイル通信サービスを利用している場合、「中部電力 カテエネプラン for BIGLOBE」と「ビッグローブ光」マンションタイプ、「BIGLOBE SIM」に乗り換え、「光☆SIMでんきトリプル割」を適用すると、毎月4735円、1年間で約57000円得するという。
2016年04月04日ソフトバンクは4月1日、「FITNESSでんき」を発表した。同社は4月の電力自由化にあわせ電力サービス「ソフトバンクでんき」をスタート。電気料金と通信料金をセットで提供することで、月額コストを抑えている。今回発表したFITNESSでんきは、電気料金の値下げ……ではなく、フィットネスで身体を動かして発電するというもの。同社は、太陽光発電や風力発電などの再生可能エネルギーを用いたFITでんきを提供しているが、FITNESSでんきは体力発電として人間の活力を発電に生かすことで、健康的かつ経済的に効率よく発電を行う。同社広報部に「FITNESSでんき、面白いですね」と感想を伝えたところ「ソフトバンクなら、本当にビジネスにしそうな施策をネタにしてみました」との回答を得ました。つまりは、エイプリルフールネタです。ちなみに昨年は「GOLDEN Pepper」を発表していました。
2016年04月01日4月からの電力自由化で、ついに私たち一般の消費者が電力会社を選べる時代になりましたね。どのように選ぶかについてはさまざまですが、「できれば自然エネルギーで作られた電力を買いたい」という基準で選ぶ方もいるのでは? 今回の自由化で、自然エネルギーで発電された電力を購入するために、知っておきたいことをまとめてみました。100%自然エネルギーで作った電気だけを買うことはできない自然エネルギーとは、太陽光、風力、地熱、小水力、バイオマス発電などのことで、再生可能エネルギー(以下再エネ)とも呼ばれています。日本では、今のところ約12.6%がこうしたエネルギーによって発電されています。(2014年度 大規模水力発電含む)(注1)風力や太陽光は、天候次第で発電量が大きく変動するから不安定といわれますが、電気の質が変わったり、停電しやすくなったりといった心配はあるのでしょうか。電力会社は、需要と供給の電気の量をつねに一定にしなければいけません。風力や太陽光発電などの大きく変動する電力は、発電量の微調整が可能な火力発電と組み合わせるなど電力会社で調整がおこなわれます。万一、発電所などにトラブルがあった場合も、地域電力会社(東京電力など既存の電力会社)との間で契約しているため、停電の心配はありません。電気の質は原発でも太陽光でも、発電方法に関わらず同じです。2020年に発送電分離が始まるまでは、これまで通り、地域電力会社の送電線を使って送られてきます。電気は送電線で混ざってしまうため、実際には再エネ発電の電力だけが必ず家庭に届くというわけではありません。ですが、再エネ発電事業を行っていたり、再エネ発電の電気を積極的に購入したりしている会社から電力を購入することで、再エネの比率の高い電気を購入することができます。(注1)内訳 水力8.2% 太陽光2.2% バイオマス1.5% 風力0.5% 地熱0.2%出典:自然エネルギー白書2015 サマリー版 認定NPO法人環境エネルギー政策研究所自然エネルギーで調達した電気=「FIT電気」をチェック電力会社がどういった電力を供給するのかを調べるときは、「電源構成」を調べればわかります。電源構成をみると、「FIT電気」という見慣れない言葉があるかもしれません。この言葉、何のことだかわかりますか?FITは2012年7月にスタートした固定価格買取制度(Feed-In-Tariff)の略称です。「FIT電気」は、この制度によって交付金を受けた再エネ発電による電力のこと。「自然エネルギー」とか「クリーン電力」といった環境にやさしいイメージの言葉を使ってはいけないと決められています。なぜでしょうか。固定価格買取制度(FIT)では、再エネで発電した電力は、電力会社が一定期間、固定価格で買い取らなければなりません。私たちが月々電力会社に支払っている電気料金には、使用した電気料金のほかに「再エネ発電賦課(ふか)金」が課せられていますよね。(平成28年度は2.25円/kWhに決定)利用者全員から徴収した賦課金と、電力会社が発電をしないですんだとみなして算出される「回避可能費用」をもとに、その年の買取価格が決まるというしくみになっています。「国民全体から集めたお金で売買されるFIT電気を、それぞれの会社が環境によさそうな付加価値をつけて販売するべきではない」ということで、「FIT電気」もしくは「FIT(太陽光)」などの表示の仕方が義務化されました。交付金によってまかなわれている電力という意味の「FIT電気」に対して、「再生可能エネルギー」と書かれているものは、FIT制度を利用しないで調達した電力ということになっています。なお、東京新聞の調査によれば、首都圏でホームページなど消費者がみられる形で公表している電力会社は、3割にとどまっているとのこと。(2016年3月26日)今のところ、電源構成の開示は義務ではないため、載せていない電力会社のほうが多いのが現状です。契約を検討している電力会社が開示をしていなければ、問い合わせてみましょう。再生エネの電気代は高くつく?今後どうなっていくのかはわかりませんが、現時点ではこれまでの電気代と同じくらいか、少し安い価格設定が中心で、再エネだからといって特別高いわけではありません。現在の日本のエネルギー自給率はたったの6%。残りの94%は海外からの輸入に頼っているのが現状です。原子力や、CO2排出量の多い化石燃料に頼らず、自然エネルギーで電力を自給自足できるようになれば、社会のしくみも大きく変わっていく…そう考えて未来に投資するつもりで、自分に合った電力会社を探してみるのもひとつの手です。新電力会社で再生可能エネルギーを重視している会社家庭向け電力プランの申し込み受付を始めている、再生可能エネルギーの発電や買取に力を入れている新電力会社をいくつか紹介しましょう。(2016年3月時点の内容です)・ Looopでんき 再生エネ6% FIT電気20% その他74%2016年5月31日申し込み分まで基本料金0円・ みんな電力 ホームページ上での電源構成の公表は準備中FIT電気(太陽光)55% 非FIT電気(太陽光)15% 常時バックアップ30%(2016年2月実績概算)応援したい再生エネ発電所を選ぶと料金の一部が支援される・ ソフトバンクでんき(SBパワー) FITでんきプラン FIT電気57% リサイクル発電5% 卸電力取引所5% その他14%メガソーラー発電所あり・ 株式会社生活クラブエナジー 生活クラブ生協に加入する組合員世帯対象。2016年10月~本格運用開始風力発電所、メガソーラー発電所設置 バイオマス発電提携。再生エネ30~60%予定 ・ 生活協同組合コープさっぽろ(トドック電力) コープさっぽろに加入する組合員世帯対象。FIT電気60%の「FIT電気メニュー」あり。・ エコスタイルでんき ※現状非公開。ホームページ上での公開を検討中。再生可能エネルギーの生産比率は現状12.6%再生可能エネルギーは日本全体で12.6%しか作られていないので、供給量の多い会社ほどFIT電気の比率は低くならざるを得ません。また、現時点では再エネ100%の会社もありません。常時バックアップ用の電力が必要なためです。今後、バイオマスや地熱発電などでバックアップが可能になれば、100%再エネを供給する会社も出てくるかもしれません。ほかにも今後、家庭向けへの配電の準備を進めている電力会社はありますが、地域電力会社による接続保留の問題や、FIT制度の変更によって、苦戦を強いられているところも多いようです。再エネ発電に関心を持つ人が増え、再エネ発電の市場が活発になっていけば、今後もっと選択肢が増えていくことでしょう。
2016年04月01日間もなく始まる電力小売自由化。4月1日の解禁に向け、関係省庁や参入各社が広報活動を活発化させているが、ユーザーの動きはどうなっているのだろうか。マイナビニュースの読者300人に「電力小売自由化」について聞いた。○電力自由化、どれくらいの人が検討している?読者(n=300)に「電力会社の乗りかえを検討しているか」を尋ねたところ、「検討している」は31.6%、「検討していない」は68.3%となった。乗りかえを検討している人(n=95)のうち、「賃貸住まい」は24.3%、「持ち家住まい」は35.9%だった。○どの会社に乗りかえる?続いて「乗りかえを検討している」と回答した人(n=95)に、「具体的な乗りかえ先」について質問した。その結果、「具体的にどの電力会社にする決めている」と回答した人は55.7%、「検討しているが、どの電力会社に乗りかえるかは未定」と回答した人は44.2%だった。それぞれの回答について、まずは乗りかえ先が具体的に決まっている人(n=42人)の意見から紹介する。■エネルギー系・「大阪ガス。セット割引が安い」(建設・土木/事務・企画・経営関連/男性/57歳)・「東京ガス。ガス料金と合わせて払うと今よりもお得になる。Tポイントと交換できるから」(サービス/営業関連/男性/40歳)・「東京電力の価格と東京ガス等の新規価格を比較して、総合的に安ければ乗りかえたいと思っている」(その他/事務・企画・経営関連/男性/50歳)・「東燃ゼネラル石油。全体の料金が下がるから」(その他/その他・専業主婦等/女性/30歳)・「東邦ガス。床暖房割引があるから」(ソフトウェア・情報処理/IT関連技術職/男性/26歳)・「ガス料金と合わせて払うと今よりも得。今まで競争のない環境下にいた電力会社に、民間会社であることの自覚を持たせたい」(その他/その他・専業主婦等/女性/61歳)■通信系・「SoftBank。Tポイントが貯めやすいから」(その他/その他・専業主婦等/男性/50歳)・「パソコンの電源をずっとオンにしているのでできるだけ安いところを探している。またauひかりを利用しているので、auと東電の比較をしているところです」(ソフトウェア・情報処理/IT関連技術職/男性/58歳)・「家族全員がau回線を使用しているため、ユーザーとして、auでんきを検討している」(その他/その他・専業主婦等/女性/22歳)・「J:COM。J:COMファン」(建設・土木/IT関連技術職/男性/52歳)■その他・「HTBエナジー(H.I.S.系列)。関西電力よりも常に5%安い価格というのが分かりやすく、今より高くなることはないので安心できるから」(専門店(その他小売)/販売・サービス関連/男性/40歳)・「大和リビング。家賃支払いと一緒の引き落としになり、料金も現行よりも安くなるということで」(その他/その他・専業主婦等/女性/29歳)・「東急(東急パワーサプライ)。沿線に住んでいるから」(通信関連/IT関連技術職/男性/34歳)・「現時点での最有力は東京電力。いくつか試したシミュレートで一番安くできるかもしれないから」(サービス/販売・サービス関連/男性/46歳)○決まっていない人は何を重視する?「検討しているが乗りかえ先はまだ決めていない」という人(n=53)のコメントは以下のとおり。■乗りかえ先は未定だが安くなるから変更したい・「まだ決まっていないが、安い会社に変更をするつもり」(農林・水産/技能工・運輸・設備関連/男性/27歳)・「乗りかえ先は検討中。料金が安く信頼できる企業にしたいと考えている」(広告・出版・印刷/営業関連/男性/55歳)・「乗りかえ先は未定。年間数千円違う会社を探している」(百貨店/販売・サービス関連/女性/42歳)・「現在検討中だが、どこを選んでも現在より安くなると思うので」(その他/その他・専業主婦等/男性/40歳)■その他・「できるだけ公共料金を一本化したい」(その他/その他・専業主婦等/女性/69歳)・「原子力の比重が高い電力会社を止めたいが、乗りかえ先を迷っている」(日用品・雑貨/事務・企画・経営関連/男性/54歳)・「いくつかの選択肢として考えることで、電気料金の勉強にもなる」(ガラス・化学・石油/事務・企画・経営関連/男性/32歳)○総評「電力小売自由化で、8兆円を超える市場に200を超える会社が新規参入し、電力を消費者自身が選べる時代になる」と鈴木淳司経済産業副大臣がイベントで力説したように、電力小売自由化は国をあげて実施される60年ぶりの大改革だ。アンケートの結果、「電力会社の乗りかえはしない」という意見が多数派となったものの、約3人に1人が乗りかえを検討していることがわかった。また、持ち家住民の方が乗りかえに前向きな傾向にあるようだ。新しい電力会社について、乗りかえを検討している人の半数以上は既にどこの会社にするか目星をつけている。具体的には、東京ガスや大阪ガスなど都市ガスが提供するサービスへの乗りかえを検討している人が目立つ。安いだけでなく、公共料金をまとめて支払えるというところも選択の理由にあがった。他にはauやSoftBank、H.I.S.など、セットでお得になるプランを提供する企業も候補に入っている。一方、「乗りかえたいが電力会社はまだ決まっていない」という人は約4割。「今よりも料金が安くなること」を選定基準としている人が多いが、それ以外に重視する要素としては、「信頼性」「利便性」「発電方法」などが寄せられた。各社がポイント付与や独自のセット割り引きなど、魅力的なプランを発表していることもあり、選ぶのは一筋縄ではいかないだろう。ただし、乗りかえ先を焦って決めてしてしまうと、結果的に損をする可能性もある。節約アドバイザーの丸山晴美氏が指摘するように、「抱き合わせでの割引は本当にお得か」「2年縛りなど、解約時のルールはどうなっているか」といったポイントを事前にしっかりとチェックしおく必要がありそうだ。調査時期: 2016年2月29日~3月3日調査対象: マイナビニュース会員調査数: 男性191名 女性109名 合計300名調査方法: インターネットログイン式アンケート※画像は本文とは関係ありません。
2016年03月24日NTTエレクトロニクス(NEL)は3月22日、100Gb/s QPSK長距離および200Gb/s 16QAMメトロ光リンクに適用可能な、超低消費電力デジタルコヒーレント信号処理回路(DSP)の新製品「ExaSPEED 200」を発表した。同製品では、高性能200G DSPコアと低電力100G DSPコアにDELが提携しているBroadcomの16nm CMOS Fin-FETアナログ・デジタル混載技術を組み合わせ、100Gあたり10Wで高性能デジタルコヒーレント変復調処理を実現する。さらに、階段符号(Staircase Code)を用いて訂正能力を強化した誤り訂正符号(EFEC)も集積化したことで、数百kmにおよぶメトロ光リンクにおいてもオープンなネットワーク環境を提供し、機能ごとに光通信機器を分割するディスアグリゲーションに貢献するとしている。また、光トランスポンダ・ブレードの開発を加速するツールキット「Blade Design Suite」も併せて提供する。同ツールキットには、光通信性能を確認できるシミュレータや、回路図や高周波レイアウトを参照できるリファレンスデザイン基板、さらにはブレード制御ソフトウェアにそのまま組み込めるライブラリが含まれている。「ExaSPEED 200」は2016年度の第1四半期にサンプル出荷を開始し、2016年度の後半には量産を開始する予定となっている。
2016年03月23日ミック経済研究所は3月22日、国内のデータセンター(DC)市場と消費電力量に関する調査「データセンタ市場と消費電力・省エネ対策の実態調査」を発刊したと発表した。調査期間は2015年12月~2016年2月。今回の調査は、日本国内のDC市場の売上高やDCの消費電力量、延床面積、省エネ対策などについて、主要DC事業者31社の面接取材による個別実態調査とデスクワーク調査14社のデータにより全体を推計したという。同調査において、「DC市場」とは「ハウジング、ホスティング、クラウド(SaaS・ASP、PaaS、IaaS)サービス関連売上」としている。また、「DCの消費電力量」は、「IT機器系消費電力量」としてDC内のサーバ、ストレージ、ネットワーク機器などの消費電力量、「ファシリティ系消費電力量」としてDC内の空調機、電源設備(UPSほか)、照明、そのほか設備の消費電力量となっている。同調査によると、2015年度の国内DC市場規模は2014年度に対して8.0%増の1兆8,394億円、国内商用DCの消費電力量は同7.6%増の150.8億kWhとなる見込みであり、市場規模の成長率と比較すると消費電力量の伸びは0.4ポイント低くなるという。DCの市場規模は、今後もユーザ企業のIT環境においてクラウドと物理サーバを統合したシステム構築により利用が拡張することで、年平均成長率4.4%増で成長すると見込んでおり、2020年度には2兆2,807億円になると同社は予測する。消費電力量については、IT機器はクラウドや仮想化技術により集約化が進んでおり、ラックあたりの実効消費電力はわずかだが上昇傾向にあるという。DCの利用が増えると共に稼働ラック数も増えるため、売上に準じてIT機器系の消費電力量はアップする。ファシリティはラック稼働増加に対応するため、空調や電源系の消費電力量もアップする。ただし、継続的に行ってきた省エネ対策の効果や省エネ効率が高い新型DCの稼働率が上がったことにより、ファシリティ系消費電力量のアップを抑えることができていると同社は見ている。消費電力量は年平均2.7%増と売上高の成長性を下回りつつも増えていき、2020年度には171.9億kWhになると同社は予測する。ここ数年間で新設されたDCでは、消費電力の大きな削減効果を期待した対策として、外気冷却の導入が進んでいるという。調査対象事業者が保有する主要DC110拠点のうち、36%にあたる40拠点が外気冷却を利用し、さらに19%にあたる21拠点が外気を直接的にサーバルームに採り入れる方式を採用しているという。直接外気冷却システムを利用するDCでは、部分的であるが、一定の省エネ効果が得られているとのことだ。ただし、年間の温湿度の差が激しい日本では、直接外気冷却は温度や湿度のコントロールに一定のノウハウが必要となること、また外気取入の設備設置には通常のDC建築に追加投資が必要なことなどが課題になるという。今後の新設DCにおいては、現在までにノウハウを蓄積したDC事業者の空調方式の一選択肢となることも想定されるとのこと。
2016年03月23日ゲインは3月16日、「電力自由化の動向調査」の結果を発表した。対象は全国4,700人。期間は2016年2月19日~22日。○電力自由化興味度、電気代「1万4,000円~2万円未満」の層が最多に「2016年の4月から始まる『電力自由化』について知っているか」を聞いたところ、全体では55.2%で「名前を知っている程度」が最も多かった。次いで「内容を知っている」(39.1%)、「知らない」(5.7%)となった。「電力自由化にどれくらい興味があるか」を聞いたところ、全体では52.3%が「興味がある」(「とても興味がある」+「やや興味がある」)、20.6%が「興味がない」(「あまり興味がない」+「まったく興味がない」)となった。電力エリア別にみると、「興味がある」の割合は56.7%で「東京電力エリア」が最も多くなった。次いで「関西電力エリア」(54.0%)、「北海道電力エリア」(53.9%)と続いた。都道府県別では、「興味がある」の割合は1位が「千葉県」(61.0%)だった。次いで2位は「京都府」(58.9%)、3位は「東京都」(58.1%)。以降4位は「神奈川県」「鹿児島県」(ともに57.0%)となった。一方、最下位は「富山県」(33.0%)だった。平常時における電気代の層別に聞いたところ、「興味がある」の割合は63.7%で「1万4,000円~2万円未満」の層が最も多くなった。次いで、「2万円以上」(57.9%)、「6,000円~8,000円未満」(57.4%)、「1万円~1万4,000円未満」(56.8%)が上位にあがった。一方「興味がない」では、23.8%で「2万円以上」が最も多くなった。次いで「4,000円未満」(22.1%)、「4,000~6,000円未満」(20.2%)となった。
2016年03月22日電力自由化で、毎月支払う電気代を安くおさえることが出来るようになっても、電力のムダ遣いをしていては意味がありませんよね。せっかくのこの機会に、家電の省エネ性能を見直してみましょう!そこで今回は、デザインと機能性の高い家電がそろう、二子玉川 蔦屋家電の住コンシェルジュ・久保雄一さんと、食コンシェルジュ・築野由佳さんにインタビュー!スタイリッシュな節電家電と、この春おすすめのミニ家電を紹介していただきました。■オーディオ×LED電球! 省スペースで省エネ久保さん:春の買いかえを機に見直してほしいものの一つが、照明です。LED電球は、省エネなだけではなく、寿命が長いので頻繁に交換しなくていい、熱を持ちにくいなど白熱球に比べてメリットが多いんです。おすすめしたいソニーの『LED電球スピーカー LSPX-100E26J』は、LED電球とBluetoothスピーカーが一体化したアイテム!いま使っている電球と同じように、照明機器に取りつけるだけで使うことができます。取りつけた機器のランプシェードの素材によって、音の響きが変わるのもおもしろいですよ。明るさは全光束360lmで調光も可能と、照明としてもしっかりと使える。それでいて、消費電力は約9W(LED約7W +スピーカー約2 W)なのも特徴です。■冷蔵庫は年間10,000円もムダにしているかも…!―家電の買いかえと言えば、冷蔵庫。なかなか壊れるものでもないので、タイミングが掴めません。築野さん:冷蔵庫の寿命は一般的に10年ですが、10年前と最新モデルの年間電気代を比べると、10,000円近く差が出ることも! 買いかえで、省エネが実感しやすい家電ですね。冷蔵庫は大きめのサイズを選ぶのがおすすめです。冷蔵室は食材をつめこまずに余裕を持たせると、冷気が効率よく循環し、ムダ無く庫内を冷やせて省エネになります。―容量が大きいと価格も高いのでは?確かに大容量モデルは価格が高いですが、最新の省エネ技術を搭載しているので、小容量よりも年間電気代が安くなる傾向です。おすすめは、4人家族なら日立アプライアンスの『R-X5200F』。517Lと大容量ながら、1年間の電気代がおおよそ4,320円(160kWh/年)と、かなり低いことがわかります。また、日立は食材の鮮度を保てる「真空チルドルーム」など、食材の廃棄ロスの軽減につながる独自機能にも注目です!■ドラム式洗濯機はヒートポンプ式。電気代3/4カット!―ドラム式洗濯機も気になっているのですが、省エネ性能はどうですか?久保さん:ドラム式洗濯機にはヒーター式と、ヒートポンプ式がありますが、後者のほうが省エネ。ヒートポンプ式は庫内の湿った空気を熱交換器(ヒートポンプ)で除湿し、再び庫内に送りその風で乾かす方式で、ヒーターを使わないぶん電気代が抑えられるんです。おすすめはパナソニックの『ドラム式洗濯乾燥機 NA-VX5E3L-W』。例えば、家族4人の1日の洗濯物量を6kgとして、これを洗濯から乾燥までさせても、電気代は約16.5円(610wh)。ヒーター式の4分の1の電気代で済みます。また、軽い汚れの化繊衣類(1kgまで)なら60分で洗濯・乾燥が完了するコースを搭載しているのもポイントです。子どもの体操服や給食着、スポーツウェアなど、急ぎで洗い、乾かしたい衣類があるときも安心ですよ。―こんなに電気代に差がでるなんて驚きです。いろいろなお話を聞いていると、家電を見るのが楽しくなってきました! 後編 は、春のおすすめミニ家電です。わずか0.2秒で立ち上がる、おしゃれなオーブントースターも登場!二子玉川 蔦屋家電「ライフスタイルを買う家電店」をテーマに、BOOK&Cafeの空間の中で、家電だけではなく、インテリアや書籍なども販売し、様々なライフスタイルを提案する。売り場は食、住、美といったジャンルに分かれており、各売り場には、それぞれのジャンルの専門知識が豊富な「コンシェルジュ」と呼ばれるスタッフが在籍。「私の生活に合うのはどの商品?」などの疑問に、親身にアドバイスをしてくれます。東京都世田谷区玉川1丁目14番1号二子玉川ライズ S.C. テラスマーケットTEL:03-5491-8550 後編へつづく
2016年03月18日NTTデータ イントラマートは3月16日、外食産業のコロワイドの子会社であるワールドピーコムと提携し、店舗における電力削減を目的としたIoTの実証実験を開始すると発表した。実証実験では、イントラマートが提供するシステム共通基盤「intra-mart」に搭載される「IoTモジュール」「プロセス管理モジュール」を活用したセンサー情報を基に、店舗の電力状況を監視・把握、自動分析し、現場へ状況を通知して改善策を促すプロセスを確立させ、10%以上の電力コスト削減、化石燃料使用量の削減を目指す。さらに、このプロセスをクラウド(MEMソリューションズのクラウドサービスを想定)で展開することで、初期コストを抑え、利用形態に合わせたスケーラブルな運用を可能にするとともに、本部側での各店舗の電力分析と店舗間の電力削減ノウハウのスムーズな共有を実現する。システムを利用する端末としては、ワールドピーコムが提供するスマートワイヤレスルータ(多機能無線ルータ)、タッチパネル式端末「メニウくん」をWeb端末として利用する。
2016年03月17日クロス・マーケティングは3月15日、全国47都道府県に在住する18~69歳の男女を対象に実施した「電力小売りの全面自由化に関する調査」の結果を発表した。同調査は、全国の18歳以上69歳以下の男女で、学生を除く世帯主およびその配偶者を対象として2月17日・18日の両日にインターネットを通じて実施したもの。有効回答数は5,000人。まず、電力会社切り替えの検討意向では、「検討したい」と「やや検討したい」が計45.1%、「検討したくない」と「あまり検討したくない」が計14.9%と、検討意向がある回答者が多い結果となった。検討意向が無い人にその理由を尋ねると、「手続きが面倒だと思う」が41.6%で最多となった。つぎに、電力会社切り替え選択の重視点では、「料金の安さ」が75.8%であり、他の項目と比べて圧倒的に多い結果となった。以下、「料金メニューのわかりやすさ」(47.0%)、「簡便な手続きで契約できる」(32.2%)と続く。電力会社を切り替えようと思う減額割合では、全体としては「10%低下」が41.2%で最も多いが、切り替えの検討意向別でみると「検討したくない」または「わからない」とした回答者は「20%低下」で半数弱(44.3~47.6%)が切り替えるとしている。
2016年03月16日STマイクロエレクトロニクス(ST)は3月16日、低消費電力モータの電力損失を低減する新しいインテリジェントパワーモジュール(IPM)「SLLIMM-nano 2nd」シリーズを発表した。SLLIMM-nanoモジュールには、ハーフブリッジ高耐圧ゲートドライバ3個、IGBT6個、および高速かつ緩やかな逆回復特性を実現するフリーホイールダイオード6個を搭載。組込みIGBT(3A用のプレーナ型、5A用の専用トレンチゲートフィールドストップ)とフリーホイールダイオードは、低消費電力BLDC(ブラシレスDC)モータアプリケーションにおける導通損失とスイッチオフ損失間のトレードオフを最適化するよう設計されており、高効率と低EMIを可能にしている。同シリーズについて同社は、最大出力200Wに対応し、冷蔵庫や洗濯機などの生活家電におけるコンプレッサ、ポンプ、ファンなどのハードスイッチング回路において最大20kHzで駆動する低消費電力モータに適しているとしている。
2016年03月16日STマイクロエレクトロニクス(ST)は3月15日、次世代48Vデータセンター・アーキテクチャに対応した電力変換用ICの新製品ファミリを発表した。同製品ファミリでは48Vからの直接デジタル電力変換が可能となる。直接デジタル電力変換は中間装置を不要にするため、データセンターの配電による電力損失を最小限に抑えるだけでなく、設置面積の縮小や冷却要件の緩和、コスト低減などにつなげることができる。今回発表した電力変換用ICは、インテルのVR12.5(HaswellおよびBroadwell)、VR13(Skylake)、DDR3/4電圧制御規格、ならびにデータセンター・アプリケーション向けFPGAおよびASICの全てに準拠。これらの新製品を、STの低電圧StripFET パワーMOSFETと使用することで、入力電圧36~72V、出力電圧0.5~12Vで動作するシステムを構築することができるとしている。同製品ファミリはすでに量産を開始している。
2016年03月15日ソフトバンクは14日、電力サービス「ソフトバンクでんき」において、FIT電気を活用した電力プラン「FITでんきプラン(再生可能エネルギー)」の申し込み受付を開始した。提供開始日は4月下旬を予定している。「FITでんきプラン(再生可能エネルギー)」は、ソフトバンクグループのSBエナジーが発電したものをはじめ、さまざまな再生可能エネルギーを活用した電力サービス。電力供給は同じくソフトバンクグループのSBパワーが行う。提供エリアは、北海道電力エリアと東京電力エリア。アンペアブレーカ契約の「FITでんきプラン(再生可能エネルギー)S」と主開閉器契約の「FITでんきプラン(再生可能エネルギー)L」が用意されている。いずれも、ソフトバンクの携帯電話、固定通信サービスとの合算支払いが可能だ。料金は提供エリアによって異なる。詳細は同社ホームページを参照いただきたい。契約特典として、支払う電気料金に応じてTポイントが付与(1,000円につき5ポイント)されるほか、ソフトバンクの携帯電話や固定通信とのセット割「おうち割 でんきセット」の対象にもなっており、月額200円の割引きが適用される。また、「水のトラブル」、「カギのトラブル」、「ガラスのトラブル」の発生時に無料で出張対応する「おうちレスキュー」が利用できる。
2016年03月14日●4月1日から始まる電力自由化2016年4月から、電力の小売全面自由化がスタートする。「我が家はおトクになるのかしら?」と各社を比較してリサーチしている家庭も多いことだろう。東京電力や関西電力といった地域の電力会社、ガス会社、通信会社などが熾烈な価格競争を繰り広げているなか、ちょっぴり異色な会社が満を持して参入した。それがLooop(ループ)である。○エネルギーを選べるようにおさらいしておくと、電力の小売全面自由化とは、「どの会社からどの料金プランで電気を買うか」が家庭でも選べるようになるということ。すでに、2000年には大規模工場やデパート、オフィスビルなどの「特別高圧」、2004~2005年にかけては中小ビルなどの「高圧」が自由化されており、今回は家庭や商店向けの「低圧」が対象となる。8兆円を超える電気小売市場に200以上の企業が参入する。となると、価格競争が起こるのは必然であり、消費者にも恩恵がもたらされることだろう。今より安いプランを選べる、ガス料金や通信費とセットでおトクになる、使用料金に応じてポイントをもらえる、電気の使い方を診断してより良いプランを提案してもらえる……このようなメリットのほかに、太陽光や風力、水力、地熱、バイオマスなどの自然エネルギーを中心に発電している会社も選べるようになる。Looopはその自然エネルギーをさらに普及させるべく、4月から「Looopでんき」をスタート。特別高圧と高圧では、すでに2015年7月からサービスを提供しているが、今回低圧でもLooopでんきを開始して自然エネルギーの使用拡大を図る。Looopでんきは、供給電力の約1/4(※)を自然エネルギーでまかなっている。そう聞くと、さぞ電気料金がかかるんだろうなと思われるかもしれないが、Looopでんきは自然エネルギーの供給と低料金を両立しているのが特徴だ。※構成は再生可能エネルギー26%(うち、国の固定価格買取制度に基づいて調達したFIT電気が20%)、そのほか74%Looopでんきでは、一般家庭向けの「おうちプラン」、事務所や商店向けの「ビジネスプラン」を用意。いずれも、5月31日までに申し込めば基本料金が0円となる(ただし、期間を延長する可能性あり)。従量課金部分はおうちプランが26円/kWh、ビジネスプランが27円/kWh。ちなみに、東京電力の一般的な料金プランである「従量電灯B・C」の従量課金部分は、最初の120kWhまでが19円43銭/kWh、120kWh~300kWhまでが25円91銭/kWh、300kWh~が29円93銭/kWhとなる。従量課金部分のみを単純に比較すると高く感じるが、Looopでんきは基本料金が0円というのがポイント。火力発電所や原子力発電所などの大規模な施設を持たないため固定費が少ない、というのが理由だ。加えて、独自の需給管理システムで発電量と需要量をそれぞれ高精度で予測し、最適な調達量を計算できるため、コストが高くなりにくい。おうちプラン、ビジネスプランともに申し込み受付は3月11日から。この日付にはLooopの思いが込められている。●電気のない被災地へ赴く○Looopのルーツ前ページではLooopでんきについて紹介したが、そもそもLooopとは自然エネルギーを発電のスタンダードにするべく、さまざまな取り組みをしている会社だ。会社名のLooopは「循環(ループ)」型社会を目指していることを示し、3つ並んだ「o」は太陽光と風力、水力をメインに事業を行う姿勢を表しているという。創業は5年前の2011年。東日本大震災の被災地に太陽光パネルを設置するボランティア活動から生まれた。Looopの代表取締役社長 中村創一郎氏は、東日本大震災が起こったとき、中国・上海に住んでいたが、「被災地では電力が分断されていると知り、日本のために何かできないかと思いました」と当時を振り返る。「ソーラーパネルを製造している友人に相談したら、パネルさえ持って行ければ、電気を使えるようになると教えてもらいました」(中村氏)。こうして被災地入りしてソーラーパネルを設置し始めた。ボランティアにとどまらず、Looop(設立当時はソーラーバンク)という会社を立ち上げたのは2011年4月4日と、震災があってから1カ月も経っていない。かなりスピーディーな印象だ。甚大な被害をもたらした津波のような自然エネルギーを有効利用できないか? と考えたのが、ボランティアから起業しようと思ったキッカケ。そういう類の技術はこれからの日本に必要なものだと確信したという。以来、Looopは「自然エネルギーをあなたのそばに」という理念のもと、成長を続けている。中村氏は「自然エネルギーは不安定だし、これまでも限定的にしか使われていない。ただ、僕自身はその不安定なエネルギーをテクノロジーの力でコントロールすれば活用できると思っています。目指すのは自然とテクノロジーの融合です」と話す。●当たり前になれば安くなる○パッケージ化された"発電所"自社の太陽光発電所も設置するとともに、被災地支援でのノウハウを生かした「MY発電所キット」の販売を開始。MY発電所キットとは、ユーザーが自分で設置できる太陽光発電所だ。必要な部材はパッケージ化され、DIY感覚で組み立てられる。自身で設置するため、導入時のコストも抑えられるのが特徴だ。中村氏は「FIT制度(固定価格買取制度)がスタートしたことでニーズが拡大したのが成長のキッカケでした」と説明する。なお、MY発電所キットの販売実績は、2015年9月時点で1,391件。kW数に換算すると110,225.54kWに上る。会社の売上高は2014年度で109億円。現在は太陽光だけでなく、風力発電や地熱発電にも積極的に挑戦しているところだ。中村氏に今後の野望を尋ねてみると、「世界で一番安い自然エネルギーを作り続ける会社になりたいです」とシンプルな回答が返ってきた。「電気代が安くなる、もしくはフリーになることで人類の創造性がもっとブレイクして、今までできなかったようなことが実現可能になると思っています。寒冷地にドーム型の人工都市を建設したり、海の中に龍宮城を作ったり……あの天空の城ラピュタも作れるようになるかもしれない。人類が未来を開拓していく一助になれるような会社にしていきたいです」(中村氏)。その先がけとして、Looopはまず国内No.1を目指し、5年以内の海外展開もねらう。○2016年は「自然エネルギー普及元年」になれるか冒頭でも触れたとおり、4月1日の電力小売全面自由化に向けて各社の料金プランが出揃ってきた。大手の事業者が積極的に広告宣伝をしているので、「電力自由化」という言葉はだいぶ浸透してきたように思う。多様な選択肢から自然エネルギーを積極的に選ぶ層は一定数いるだろう。しかし、ほか多数の人にとって、自然エネルギーは「不安定」であり「コストが高い」もの。ここをどうやって切り崩していくかが自然エネルギー普及の試金石だ。特別高圧と高圧の顧客にLooopが評価されている点は「まず価格、次に安定」(中村氏)だそうだ。低圧への参入で同じ評価を得られれば、2016年は「自然エネルギー普及元年」になれるかもしれない。
2016年03月11日パイプドビッツは3月10日、「電力小売り自由化」に関する意識調査の結果を発表した。対象は全国20歳以上の男女2,212名。期間は2016年2月26日~3月1日。○購入先に「料金の安さ」を重視「電力小売り自由化について、どの程度知っているか」を聞くと、49.5%で「聞いたことがあり、なんとなく知っている」が最も多くなった。次いで「聞いたことはあるが、よく分からない」(21.5%)、「よく知っている」(21.2%)、「聞いたことがなく、分からない」(7.7%)と続いた。「電力小売り自由化を機に、電力会社の変更を検討しているか」を聞いたところ、「今のところ検討していない」(45.2%)が最多となった。以降「検討したいと考えている」(27.7%)、「検討するつもりはない」(16.5%)、「検討している」(10.6%)と続いた。「電力の購入先や料金プランの変更を検討するとしたら何を重視するか」を質問すると、最も多かったのは59.0%で「料金の安さ」となった。次いで「メニューや契約内容の分かりやすさ」(25.5%)、「契約期間や切り替えの縛りがないこと」(23.2%)が上位にあがった。以降「顧客対応などのサービス品質」(16.8%)、「ライフスタイルに合わせたメニューの豊富さ」(15.3%)と続いた。
2016年03月10日経済産業省電力取引監視等委員会事務局は3月7日、「電力自由化キャラバン」PRイベントを東京都世田谷区の二子玉川ライズで開催した。経済産業省が主催する同イベントは、4月1日よりスタートする電力小売自由化の周知を目的としたもの。2月29日より全国のショッピングモールや商業施設などを巡回している。今回の二子玉川ライズ会場では、タレントの眞鍋かをりさんをゲストに、鈴木淳司経済産業副大臣による電力小売自由化の解説や「電力小売自由化クイズ」などが行われた。○60年ぶりの大改革で8兆円規模の市場が開かれるまずは、鈴木副大臣による主催者挨拶。副大臣は、間もなく始まる電力小売自由化について次のように語った。「東京電力を始めとする既存の電力会社は日本で10社あり、地域によって電力の購入元が決まっていた。しかし、60年ぶりの大改革で、8兆円を超える電力小売市場に200を超える会社が新規参入し、電力を消費者自身が選べる時代になる。それにより、価格競争が始まり、電力料金が安くなる、様々なメニューが提示されるといったことが予想される。電力小売自由化は安倍内閣にとっても大きなテーマだが、60年ぶりの大改革のため、一般の人にはわかりにくい点もまだまだ多いように思う。電力自由化キャラバンは、電力自由化を皆で考え、それぞれが自分にあった選択をできるような場所としたい」(鈴木副大臣)○眞鍋かをりさんの人生の選択とは?続いては昨年結婚したタレントの眞鍋かをりさんを招いてのトークセッションが行われた。眞鍋さんは「選択」について次のように振り返った。「人生は選択の連続で、時代や状況に応じて選択することが大切です。私は大学入学とともに芸能界に入ったのですが、4年間だけ芸能活動をしてその後は普通に就職しようと考えていたんです。でも、超就職氷河期の時代で、就職するのは大変だろうと思い、芸能界に残ることに。その選択が大きな転換点となりました。電力自由化もまた、時代の大きな転換点だと思います。せっかくターニングポイントが来たので、今の状況を見極めて、選択できたらいいと思います」(眞鍋さん)トークセッション後には、電力小売自由化のポイントをまとめたクイズが行われた。クイズでは、「4月までに乗り換えの手続きをしないと電気が止まる、ということはない」「新規参入企業は電気が不安定だったり停電しやすくなったりすることはない」というものや、「スマートメーターの費用は電力会社が負担する」といった問題が出題された。○「何を最重視するか」がポイントに間もなく始まる電力自由化。鈴木副大臣によると、サービスを選ぶポイントは「自分が何を重視するのか」「何を基準とするのか」を明確にすることだという。「これまでは大手電力会社の独占状態にあったが、電力自由化では消費者が主役。どれを選んでもいい仕組みになり、何をメインにするかで選択は変わる。自分は電力にどのようなものを求めているのか、料金やポイント、社会に対する役割を考えることが求められる」(鈴木副大臣)自分にあった選択をするためには、自分の生活スタイルや家族構成、求めるものを振り返ることが鍵になりそうだ。電力自由化キャラバンは3月31日まで、日本各地を巡回予定。詳細は経済産業省電力取引監視等委員会HPを参照してほしい。
2016年03月08日最近テレビCMなどで頻繁に耳にするようになってきた「電力自由化」。電力会社を自分で選べるようになるとはいえ、いったいなにを基準に選び、いつまでにどうすればいいのか分からない方も多いのでは。そこで『かんたん解説!! 1時間でわかる 電力自由化 入門』の著者で、エネルギービジネスに詳しい、RAUL株式会社代表・江田健二さんにお話をお伺いしました。■安定から競争へ。電気というサービスを高める「電力自由化」―電力自由化とは、どういうことなのでしょうか?電気を使おうと思ったら現在のわたしたちは暮らしている地域の電力会社と契約すればいいですよね。これを「地域独占」といいます。今まではこのように発電、送電、配電、売電までを、地域の電力会社が一括して担っていました。戦後、大きな目標として進められてきたのは「電力の安定供給」だったからです。その結果、日本の電力供給技術は世界的にも高い評価を受けるまでに成長しました。次は、競争し、サービスを高めていく段階なのです。2016年4月から始まる「電力自由化」は、地域独占ではなく電力事業が自由化され、消費者が選択できるというものです。たとえば東京にあるご家庭でも、関西の電力会社を選べるようになるのです。■電力自由化の魅力とリスク―生活者のわたしたちが、知っておかなければいけないことはなんでしょうか?電力自由化によって起こる利点と、懸念点を知っておくのがいいと思います。利点は、なんといっても自分に合った利用プランが生まれること。たとえば、「家を買うと10年分の電力がついてきます」というものも出てくるでしょう。他には、バラバラに住んでいる家族全員が、同じ電力会社に契約することで「家族割り」ができたり、サッカーや野球ファンが「電力を使うことでチームを応援する地産地消プラン」だったり、趣向やコミュニティ単位でアプローチするプランも出てくると思いますよ。電力自由化はイギリス、ドイツ、フランスなどのヨーロッパやアメリカではすでに導入されており、日本は先進国の中で導入に慎重な方だったといえます。いままで電力会社といえば、発電から売電まで同じ会社が行ってきましたが、これからの電力会社は、発電会社から電力を買って売電する会社のことを指すようになります。電力会社は自社発電に限らず、価格や地域、発電方法などにこだわって電力を買い付けます。つまり、ある一定の認可を受ければ誰でも電力会社になれるということ。安さだけで選んでしまっては、突然会社が倒産してしまう可能性もあるので注意したいところです。イギリスでは電力自由化に伴って、多くの電力事業を始める会社が生まれました。しかし、競争の結果ほとんどの会社が吸収合併され、現在6社くらいに集約されています。近い将来、電気だけでなくガスや携帯電話、インターネットなどたくさんのサービスが統合し、大きなエネルギーカンパニーが出てくる可能性もあるのではないかと考えています。では、どのように電力会社を選べばいいのでしょうか? 後編 では、選ぶ際の基準や、導入時期なども教えてもらいました。電力自由化に伴い予想される、とっても便利な近い将来のお話も! 後編へつづく RAUL株式会社 代表取締役社長 江田健二さんプロフィールアンダーセンコンサルティング(現アクセンチュア株式会社)に入社。エネルギー/化学産業本部(リソースグループ)に所属し、電力会社のCRMプロジェクト、大手化学メーカーのSCMプロジェクト等に参画。アクセンチュアで経験したITコンサルティング、エネルギー業界の知識を活かし、2005年に RAUL株式会社 を設立。2016年1月25日に出版された、2016年4月からスタートする「電力自由化」(電力小売完全自由化)について、図解を交えて分りやすく解説した入門書『かんたん解説!! 1時間でわかる 電力自由化 入門』は、Amazonベストセラー1位(エネルギー一般関連書籍部門)に。一般社団法人 エネルギー情報センター 理事/一般社団法人 エコマート 運営委員
2016年03月07日「電力自由化」とは結局のところどういうことなのか、その魅力とリスクについて、エネルギービジネスに詳しい、RAUL株式会社代表・江田健二さんにお話をお伺った 前編 。後編では、気になる電力会社の選び方から、電力自由化になることで予想される、とっても便利な近い将来のお話まで伺いました!■契約の決め手は「実績」と「サポート力」―電力会社は、なにを基準に選べばいいのでしょうか。自分のライフプランやポリシーに合うものを探すのがいいと思います。インターネットで「電力」「比較」などで検索すると、各電力会社の比較サイトや口コミを確認することが出来るので、よくチェックしてみましょう。ほかのポイントでいえば、その会社の「実績」でしょうか。現在は電力自由化で新規参入の会社がたくさんあります。ですから、会社の信用度や過去の配電実績などはきちんとチェックしたいですね。また、カスタマーセンターや、お客様相談窓口がきちんとあるかも確認するといいでしょう。万が一のときに、電話で問い合わせできない、つながらないでは、一大事ですから。価格よりも、万が一の時の対応を見極めることをオススメします。また、携帯電話各社も電力自由化に参入するようなので、すでに「つきあいのある会社」で選ぶのもいいと思います。■世界中どこへ行っても、自分の部屋の環境に!?電力自由化は春に始まりますが、各社のプランが出そろうのはおそらく夏頃。それまでは様子見でいいと思います。また、自由化ですべてが切り替わるわけではなく、2~3年は現在の料金体系が維持されるでしょう。電気はこれから、どんどん自由になっていくと思います。銀行の窓口がATMからアプリになって、いまではスマートフォンから振り込みも完了できてしまうイメージですね。たとえば、友達の家に遊びに行って携帯電話の充電がなくなっても、壁の電気ソケットだけ借りれば電気代は自分で支払うことができたり、自宅で快適な温度・湿度を設定すると、世界中どこのホテルへ行っても自分の部屋ではその環境が自動的に整えられたり、といったことが出来るようになるでしょう。2020年には日本でもほとんどの家庭に「スマートメーター」が設置されます。これは、現在よりももっと詳細に電気使用量を把握できるというものです。「でんき家計簿」をご存じですか? 現在契約してる電気会社の「お客様番号」で、開設できる電気の使用量を確認できるサービスです。これによって、季節での使用量や似た家庭との電力の比較ができ、自分の「電気を使うクセ」が把握できると思います。また、スマートメーターの事前取り付けを行うと、時間ごとの電気の使用量も把握できます。―ありがとうございました!いままでなんとなく使ってきた電気。でもこの機会が、自分のライフサイクルや電気の作り方・使い方を意識するいいきっかけになりそう。まずは気になる電力会社を調査しつつ、近い将来のスマートライフに備えましょう!RAUL株式会社 代表取締役社長 江田健二さんプロフィールアンダーセンコンサルティング(現アクセンチュア株式会社)に入社。エネルギー/化学産業本部(リソースグループ)に所属し、電力会社のCRMプロジェクト、大手化学メーカーのSCMプロジェクト等に参画。アクセンチュアで経験したITコンサルティング、エネルギー業界の知識を活かし、2005年に RAUL株式会社 を設立。2016年1月25日に出版された、2016年4月からスタートする「電力自由化」(電力小売完全自由化)について、図解を交えて分りやすく解説した入門書『かんたん解説!! 1時間でわかる 電力自由化 入門』は、Amazonベストセラー1位(エネルギー一般関連書籍部門)に。一般社団法人 エネルギー情報センター 理事/一般社団法人 エコマート 運営委員
2016年03月07日三菱電機は3月3日、出力5万kW、容量30万kW時の大容量蓄電システムを九州電力に納入したと発表した。同日、全設備の運用を開始した九州電力の「大容量蓄電システム需給バランス改善実証事業」の一環として、同システムが福岡県・豊前発電所構内に設置された。同実証事業は、送変電設備に接続する形で大型蓄電池を設置し、蓄電池の大容量性を活かした電力需給バランスの改善適用の可能性等について実証を行うもの。同システムは、揚水発電設備と同等の電力貯蔵機能を持ち、再生可能エネルギー大量導入時の需給バランスの改善を実現しており、三菱電機の蓄電池監視制御システム「BLEnDer RE」で多数の蓄電池をユニットごとに監視制御することにより、効率的に全体を制御し、蓄電システムの運転効率を向上している。また、蓄電池を2段積みのコンテナ型コンパクト構造としたことで、省スペース化および設置期間の短縮と工事費用の大幅削減を実現した。
2016年03月03日NXPセミコンダクターズ(NXP)は3月3日、低消費電力な汎用MCUの次世代ファミリ「LPC5411x」を発表した。LPC5411xは、LPC54000シリーズに新たに追加されたもので、電力効率の向上、各種シリアルペリフェラルの搭載、柔軟性の高い実行モード、CPU停止時の自律的動作、音声認識DSPハードウェアなどが特徴。低消費電力と常時オンプロセッシングを要求するコンシューマ機器や産業機器をターゲットとしている。具体的な用途としては、ゲーム機、USBアクセサリ、ヘルスケア・デバイス、患者モニタリング、IoT、ビル・オートメーションなど。同ファミリは、ARM Cortex-M4を採用しており、アクティブ動作モード電流は80μA/MHz。また、デュアルコアオプションによる消費電力の切り替えモードを備えており、処理負荷の低いタスクの実行にあたっては消費電力低減のためCortex-M4をシャットダウンし、代わりにCortex-M0+を使用できるため、動作モード電流を60μA/MHzにまで低減することが可能。また、最大256kBのフラッシュメモリと192kBのSRAMを備えており、さらに組み込み機能として、クリスタルレスフルスピードUSB、12チャネルの5MSPS 12ビットADC、CRCエンジン、8チャネルのシリアル通信ブロック、2チャネルのI2S、Cortex-M0+用シングルサイクル乗算器を搭載している。現在、数量限定でサンプル出荷中で、LQFP品は2016年5月に量産開始予定。
2016年03月03日●ソフトバンクでんき2016年4月からスタートする電力自由化により、従来の大手電力会社だけでなく地域の電力会社や新規参入の電力事業者から電気の契約先を選択できるようになる。新規参入の電力会社としてガス会社や石油会社など様々あるが、注目は通信会社によるサービスだ。ポイント付与やモバイル・固定回線の通話料金とのセット割などにより、費用面における割引が期待できる通信会社の電力サービス。ソフトバンクの「ソフトバンクでんき」とKDDIの「auでんき」、ドコモの動向についてまとめて紹介する。○豊富なプランが魅力の「ソフトバンクでんき」ソフトバンクが提供する「ソフトバンクでんき」は4月1日時点では東京電力エリア、中部電力エリア、関西電力エリアのみの提供になるが、順次全国に拡大していく。プランは大きく分けて3種類。「スタンダードプラン」、「バリュープラン」、「プレミアムプラン」だ。スタンダードS/L/X単身・夫婦共働き向け。「スタンダードプラン」は「S」「L」「X」の3つに分かれ、「スタンダードS」はアンペアブレーカ契約で60Aまでのプランで、「スタンダードL」は利用者取り付けのブレーカでの契約で6kVA以上のユーザー向けプラン。また、「スタンダードX」はスマートメーターを使って計測した使用状況で基本料金が決定される。バリュープラン3~4人家族を対象としたプラン。東京電力との提携による共同プランで、毎月の使用電力が300kWhまで定額だ。300kWhに満たなかった場合は、使わなかった分の電力量に応じてTポイントまたはソフトバンクの携帯電話で利用可能なデータ量として還元される。プレミアムプラン大家族向けのプラン。電力量料金が400kWhまで定額で、超えると割安になる単価設定の従量制になっている。ポイント付与については、東京電力との提携を通して提供するプランにおいて、1,000円で5ポイント、Tポイントが貯まるようになっている。また、通信料金とのセット割については「おうち割 でんきセット」を用意。ソフトバンクの携帯電話または「SoftBank 光」などの固定通信サービスと合わせて契約することで、携帯電話また固定通信サービスの利用料金から最大毎月300円を割引かれる。供給エリア: 東京電力・中部電力・関西電力エリア(順次拡大予定)セット割: 「おうち割 でんきセット」セット割の割引額: 最大300円割引ポイント付与対象: Tポイント●auでんき○auのケータイ・スマホユーザーならお得な「auでんき」KDDIが提供する「auでんき」はauの商品を契約しているユーザーが対象で、料金プランがシンプルなのが特徴。「でんきMプラン」と「でんきLプラン」の2種類あるものの、「でんきLプラン」は法人向けなので単身者や一般家庭のユーザーの選択肢は自然と「でんきMプラン」のみになる。電気料金は従来の従量電灯プランと同等の料金だが、注目はauの携帯やスマホとのセット割である「auでんきセット割」を適用することでキャッシュバックされる仕組みだ。「au でんきセット割」では「auでんき」の利用料金に応じてキャッシュバック率が変動し、最大5%相当のWALLETポイントが「au WALLET プリペイドカード」に入金される。供給エリアは沖縄と離島を除く全国。ただし、「auでんき」を利用する上での注意点としては、利用期間が定められていること。利用開始日から1年未満で解約する場合、2,000円が解約違約金として必要となる。供給エリア: 全国(沖縄と一部離島を除く)セット割: 「auでんきセット割」セット割の割引額: 「auでんき」利用料金の最大5%ポイント付与対象: 「au WALLET プリペイドカード」(要・セット割の適用)●ドコモはどうする?○NTTドコモの電力サービスは今後に期待?2016年2月の時点において、キャリアで電力サービスを開始するのはソフトバンクとKDDIの2社。NTTドコモでは発表されていない。NTTドコモの加藤薫社長は、2015年度の第3四半期決算発表会で、「単なるセット割引きではなく、エネルギー各社と連携することで新たな付加価値を提供できるサービスとは何かを、一生懸命考えている」と発言している。また中部電力に続き、関西電力、東京ガスなどとの連携も行っていると明かした。ただし、dポイントを使った連携を考えているとのことで、すぐに電力サービスがスタートするというわけではなさそうだが、今後を期待させる要素のひとつだろう。加えてNTTグループでは、NTTファシリティーズが2000年に東京ガスや大阪ガスと共にエネットを設立。天然ガス発電などを行なっており、新電力として全国9エリアで電力小売りサービスを展開しトップシェアを誇っている。もしかしたらNTTグルーブ内の連携も可能性としてありえるかもしれない。***さて、電力サービスが発表されていないドコモはともかく、ソフトバンクとauのサービスを並べてみるとプラン設定が大きく異なっているのが分かる。様々なプランから家族構成で選択できるソフトバンクに対して、auユーザーを対象に個人・家族ユーザーは実質1プランのKDDI。また、キャリアの電力サービスでおトクさを追求したい場合、電力サービスだけでなく、やはりセット割も視野に入れトータルの月額料金で値引きを期待したいところだ。特にauの場合は電力料金が従量電灯プランと同等ということで、セットで利用することが割引の前提になっている。電力自由化で電力料金の低下やサービスの充実が期待される反面、様々な企業が参入しているだけにどこを選べばいいのか迷うが、ソフトバンクやauで携帯・スマホを契約している場合、ここで紹介したサービスを候補に入れてみてはいかがだろうか。
2016年02月27日