Huluプレミアにて8月8日(火)より独占配信されるトルコ発の大ヒットドラマ「オスマン帝国外伝~愛と欲望のハレム~」。このほど、世界80の国と地域で放送され、全世界8億人が熱狂したという本作待望の予告編映像が、シネマカフェに到着した。16世紀、オスマン帝国を46年という長きに渡り支配し、最盛期に導いた第10代皇帝スレイマン大帝と、ハレム(後宮)にて皇帝の寵愛を受け、後に皇妃にまでのし上がった美女アレクサンドラ(後のヒュッレム)を中心に、嫉妬と欲望、そして愛が渦巻く宮廷物語を見事に描き出した本作。まさにトルコ版「大奥」ともいえる超大作で、約1,200坪の敷地に23のメインセットを設営、約3万種類もの布を使用し、栄華を誇った当時の宮殿の様子を再現。さらに、25名のデザイナーが常駐し、2,500着以上の衣装と1,000種類以上の装飾品を制作、豪奢で華やかなハレムを作り上げている。今回解禁された予告編では、歴史に刻まれた世紀の愛憎劇がついに幕を開ける。父・セリム1世逝去により、第10代皇帝スレイマン大帝が誕生する一方、家族や恋人を失った絶望のなか、大帝のハレムに献上されるため、オスマン帝国に奴隷として連れてこられたアレクサンドラが、ハレムの中でのし上り、生き抜くことを決意した瞬間が描かれていく。また、彼女に待ち受けるハレム内での女同士の熾烈な戦い、さらには皇子ムスタファを産み、皇帝妃として君臨するマヒデブランの座を狙うため、妖艶な魅力で着実にスレイマンの寵愛を受けていくアレクサンドラと、嫉妬に狂っていく皇帝妃マヒデブランとの泥沼劇も垣間見える。美しい女性たちが集う華やかなハレムの内側で繰り広げられる、プライドをかけた女たちの戦いとともに、その名を歴史に刻んだ1人の女性の生き様と決意が伝わる、見応えたっぷりの予告編となっている。絶世の美女であるだけでなく、したたかさも持ち合わせるアレクサンドラ。果たして、彼女はどのような作戦で宮廷でのし上っていくのか、その運命に注目していて。「オスマン帝国外伝~愛と欲望のハレム~」は8月8日(火)よりHuluプレミアにて独占配信スタート。※8月8日(火)~8月12日(土)1話ずつ配信、以降8月19日(土)~毎週土曜5話ずつ新エピソード追加予定。CS「チャンネル銀河 歴史ドラマ・サスペンス・日本のうた」では8月7日(月)より月曜~金曜、24時~スタート。(text:cinemacafe.net)
2017年07月28日Huluでは、これまでほとんど日本に上陸することのなかったトルコ発の大ヒットTVドラマ「オスマン帝国外伝 ~愛と欲望のハレム~」(字幕版)を、Huluプレミアにて配信することになった。舞台は16世紀。皇帝セリム1世が逝去し、皇太子スレイマン1世が第10代皇帝に即位、今後46年にわたる華麗なるオスマン帝国統治の歴史が始まる。スレイマンの即位と同じころ、ルテニア(現在のウクライナ)では、タタール人による襲撃が続いていた。ある小さな町の司祭の美しい娘アレクサンドラ(後のヒュッレム)は、目の前で家族、そして恋人を皆殺しにされる悲劇に襲われる。その美しい美貌で命拾いしたアレクサンドラは、捕虜となり、幼なじみのマリアとともにオスマン帝国のハレムに献上される奴隷となった。全てに反抗的な態度でいたアレクサンドラだが、ある夜、夢枕に立った両親の言葉に後押しされ、このハレムで生き抜くことを決意。生き抜くためには皇帝スレイマンの側女に選ばれるしかないと考えた彼女は、ある夜の宴で妖艶な舞を披露し、彼の心を掴む。やがてアレクサンドラは、スレイマンの寵愛を得ることに成功し、“人を楽しくさせる者”との意味を持つ「ヒュッレム」の名を賜る。さらに、皇子を身ごもったヒュッレムは、皇妃となることを望み、スレイマンとの結びつきを強くするためイスラム教に改宗、あらゆる知恵を絞り着実にハレムの中でのし上がっていく。しかし、そこには数知れない陰謀と嫉妬が待ちうけ、女同士の熾烈な権力争いがあった…。本作は、オスマン帝国を長きにわたり支配し、最盛期に導いた第10代皇帝スレイマン大帝と、ハレムにて皇帝の寵愛を受け皇妃にまでのし上がった美女ヒュッレムを中心に、嫉妬と欲望、そして愛が渦巻く宮廷物語を見事なまでに描き出したTVシリーズ。目を見張るような美女たち、そして色とりどりの煌びやかな衣装も含め、まさにトルコ版「大奥」ともいえる超大作だ。トルコ国内で放送がスタートすると、瞬く間に人気を博し、トルコ国内の主要TVアワードおいて、最優秀ドラマシリーズ、最優秀歴史ドラマ、最優秀男優賞、最優秀美術監督賞など、多数の賞を総なめに。さらに、トルコのみならず、中東・東欧・アジア・北米を始めとする、世界80か国以上で放送され、各地でトルコブームを巻き起こし世界的大ヒットドラマとなった。なお、CSチャンネル「チャンネル銀河 歴史ドラマ・サスペンス・日本のうた」でも、同時プレミア放送が決定している。奴隷から皇妃にまでのし上がった女性アレクサンドラこと“ヒュッレム”を演じるのは、トルコ人の父とドイツ人の母を両親にもつ、トルコを代表する女優メルイェム・ウゼルリ。2016年ベイルート国際映画祭の海外ドラマ部門最優秀主演女優賞、トルコGQ誌にて「2012年ウーマン・オブ・ザ・イヤー」を受賞するなど、美貌と実力の両方を兼ね備えた彼女は、今後ハリウッドでの活躍も期待されている。今回、本作の日本への輸出が決まったことで、制作会社TIMES PRODUCTIONSの代表で、本作プロデューサーは、「日本での配信を大変嬉しく思います。トルコの大型歴史ドラマが日本で初めて配信されることは、我々にとって初の快挙となります」と日本進出に喜びを明かす。「本作が世界各国で成功した要因を1つに絞ることはできませんが、全世界の人々が共感し得る物語であり、力強い作品であることだと思います。また、豪華な衣装や舞台美術が、(トルコ国内で)新たな社会現象を巻き起こしたほど独創性にあふれていたことも強調したいです」と、その魅力に言及。さらに、「皇帝の偉業を伝えつつ、1人の人間としての内面を描いています。悲惨な失敗や成功を経て、帝国全土と世界を支配していく偉大な皇帝が、愛する1人の女性だけは支配できずにいる」と語り、本作を「壮麗な愛の物語」と位置づけた。また、Huluチーフコンテントオフィサーは、「トルコのドラマが世界中で大ブームだと2年以上前に耳にしてからいろいろな作品を検討して参りました」という。「世界史の教科書に出てきたあのオスマン帝国で実はこんなことが起きていた…いちど観始めたら止められないパワーを持つこの新鮮なエンターテインメントをぜひ多くの方々にご堪能頂きたいと思います」と、コメントを寄せている。年間100か国以上に3億ドルあまりのTVドラマを輸出している、隠れた“ドラマ輸出大国”トルコ。そのクオリティの高さが、早くも注目を集めている。「オスマン帝国外伝 ~愛と欲望のハレム~」は8月8日(火)Huluプレミアにて独占配信スタート。CS「チャンネル銀河 歴史ドラマ・サスペンス・日本のうた」では8月7日(月)より月曜~金曜24時~スタート。(text:cinemacafe.net)
2017年06月28日ソフィア・コッポラ監督最新作の映画『The Beguiled/ビガイルド 欲望のめざめ』が、2018年2月23日(金)よりTOHOシネマズ六本木ヒルズほか全国公開となる。ソフィア・コッポラの新境地、ダークな女性像を描くソフィア・コッポラ監督の長編劇映画第6作目となる『The Beguiled/ビガイルド 欲望のめざめ』は、1966年にトーマス・P・カリナンが発表した同名小説「The Beguiled」を原作にしている。物語の舞台は、南北戦争期アメリカの男子禁制の女学園。負傷した北軍兵士を女学園にかくまったことから、性へ過敏になった女性たちに競争心が芽生え、学園内の均衡が崩れていくというスリラーが描かれている。1971年にドン・シーゲル監督、クリント・イーストウッド主演の『白い肌の異常な夜』として映画化されているが、『The Beguiled/ビガイルド 欲望のめざめ』ではシーゲル監督の作品とは異なり、“女性の登場人物の視点から描いた作品”だとしている。また、これまでのソフィアの作品に見られた、女性のポップでガーリーな魅力とは一転して、女性のダークな一面を垣間見ることができるという。ニコール・キッドマンら豪華キャストキャスト陣にはソフィア映画史上最も豪華ともいえる面々が集まった。女学院の園長役にニコール・キッドマン、恋に恋する純粋な教師役にキルスティン・ダンストを起用。そして、負傷兵役をコリン・ファレルが演じる。なお、2017年5月に開催された第70回カンヌ国際映画祭では、ソフィア・コッポラが監督賞を受賞。また、女学園の校長を演じたニコール・キッドマンが第70回記念名誉賞に輝いている。エル・ファニングの魅せる妖艶な演技中でも注目したいのは、ソフィア・コッポラの作品に『SOME WHERE』以来2度目の出演となるエル・ファニング。当時は子役として演技を光らせていた彼女が、本作では女子寄宿学園に暮らす早熟な少女・アリシアを熱演する。学園に運ばれてきた負傷兵マクバニーを挑発的に誘惑していくが、果たして彼の心を掴むことはできるのか……近年『パーティで女の子に話しかけるには』など、新作への出演が絶えないエル・ファニングの新たな魅力に期待したい。ストーリーアメリカ南部の世間から隔絶された女子寄宿学園に暮らす美しき女性7人。ある日、負傷した北部の敵兵に遭遇し屋敷へと運び手当をする。女性に対し紳士的でかつ美しい男性と触れ合う中で、誰もが彼に心を奪われていく。しかし、次第に彼女たちは情欲と危険な嫉妬に支配されてしまう。秩序を守るか、欲望を取るか、彼女たちが最後に下した決断とは―作品詳細『The Beguiled/ビガイルド 欲望のめざめ』公開日:2018年2月23日(金)よりTOHOシネマズ六本木ヒルズほか全国公開監督:ソフィア・コッポラキャスト:コリン・ファレル、ニコール・キッドマン、キルスティン・ダンスト、エル・ファニング2017/アメリカ/93分/英語/ヨーロッパビスタ/ドルビーデジタル/原題:The Beguiled提供:東北新社配給:アスミック・エース STAR CHANNEL MOVIESPG-12©2017 Focus Features LLC. All Rights Reserved.■写真展概要「Andrew Durham Set Pictures Behind the Scenes with Sofia Coppola」発売記念写真展期間:2018年1月16日(火)~1月19日(金) 11:00~21:00場所:ルミネ 0 スタジオ(新宿ニュウマン 5F)住所:東京都渋谷区千駄ヶ谷5-24-55料金:無料※メモリアル・フォトブックは、1月16日(火)より、BOOKMARC、ツタヤ トウキョウ ロッポンギにて先行発売され、2月2日(金)より全国書店にて発売。問い合わせTEL:㈱東北新社 版権営業部 劇場配給・宣伝チーム 03-5414-0441
2017年06月01日俳優の志尊淳が4日、神奈川県・KAAT 神奈川芸術劇場にて行われた主演舞台『春のめざめ』のゲネプロ及び囲み取材に、共演の大野いと、栗原類、演出の白井晃とともに登場した。同作はドイツの劇作家・ヴェデキントによって1891年に書かれ、センセーショナルな内容から、当時上演禁止処分を受けた。ギムナジウム(中等教育機関)を舞台に、10代の少年少女たちが性の目覚めをむかえ、子供を抑圧する社会や大人への憤りに葛藤する姿を描く。サディスティックな欲望や過ちなど、様々な思春期の性愛を表現し、主人公のメルヒオールを体当たりで演じた志尊。「僕たちが通ってきたことでもありますし、各々が抱えているものは、今の自分たち誰しもがあるようなものだと思ってる」と作品について語った。これまでの出来について聞かれた白井は、「まだ80点くらいかな。ゲネプロで90点、初日で100点の予定です」と力強く宣言。「ベテランでは出せないエネルギーもあると思いますし、技術ではなくて彼らが頑張って立ち向かおうとしているところが一番、我々にとっても新鮮だし、そこが見どころ」とアピールした。「座長という意識はあんまりない」という志尊は、「いろんなことをいろんな人から吸収できるようやってきた」と振り返った。大野は志尊について「すごく真剣に稽古中向き合ってる姿を見ると、人一倍プレッシャーとか感じてるんだろうなと伝わってくる」と語り、栗原も「僕も志尊さんの稽古をずっと見てきた」と頷く。栗原は「(志尊と白井の)2人ともずっとディスカッションもしていたので、どんな感じに幕をあけるのか、楽しみな感覚でいます」と初日への意気込みを見せた。神奈川公演はKAAT 神奈川芸術劇場 大スタジオにて5日~23日。京都公演はロームシアター京都 サウスホールにて27日~28日。北九州公演は北九州芸術劇場 中劇場にて6月4日。兵庫公演は兵庫県立芸術文化センター 阪急中ホールにて6月10日~11日。
2017年05月05日俳優の志尊淳が、舞台『春のめざめ』で初主演を務めることが1日、わかった。公演は2017年5月、KAAT神奈川芸術劇場 大スタジオにて行われる。同作はドイツの劇作家・ヴェデキントによって1981年に書かれ、センセーショナルな内容から、当時上演禁止処分を受けた。2005年にはブロードウェイでロックミュージカルとして上演され、第71回トニー賞8部門を受賞。日本でも劇団四季がミュージカル版を上演したが、今回はストレートプレイとなる。演出はKAAT神奈川芸術劇場・芸術監督の白井晃。優等生でありながら同級生を妊娠させてしまうメルヒオールを志尊が演じ、他キャストに若手の俳優も起用する予定だ。志尊は「以前劇団四季でも上演されたことがあり、海外でも人気のある歴史ある作品に挑戦させていただける事、とても光栄に感じております」と心境を語った。また志尊は「『春のめざめ』は難解な戯曲で、初めて白井さんにお会いした時に『稽古場は厳しくやるから頑張ってね』と激励の言葉をかけて頂きました」と明かす。「白井さんの演出の元で誠実に作品と向き合い、同時に役者としても大きくなっていきたい」と語り、「自分の全てをさらけ出して精進していきたいと思います」と意気込んだ。演出の白井は「100年以上前に書かれた、『春のめざめ』という作品の中には、現代の若者にも通じる生きることへの悩みが組み込まれています」と説明する。そして「一見、穏やかで柔らかな感触のある志尊君ですが、なかなか芯が強く、頑固で頑張り屋だと思っています。この作品を通じて、新たな志尊淳と出逢い、益々俳優として花咲いてくれることを願っています」と、期待を寄せた。
2016年12月01日子供おばさんは、目先の欲望に負けがちです。だから、後先考えずに不倫をしてしまったり、欲しい物があると、お金に余裕がなくても、つい買ってしまったりします。「それをしたら、これから先、どうなるのか?」まで、考えていないのです。逆に大人女子は、たとえ好みのタイプの既婚者男性に不倫に誘われたとしても、その提案には乗らないし、お金がない時は無駄遣いをしないで、節約をします。それは、「目の前の幸せ」と同時に、半年後、1年後、3年後……という「未来の幸せ」も見ているからです。大人女子は自分の生き方について、“人生”というスケールで見ます。「どういう人生が、自分にとって豊かなのか?」を考えるのです。 会社員でいると、出世すること、お金持ちになることが人生の正解だと思いがちですが、“自分の人生”という視点で見た時に、本当に大切なものは何でしょうか。もちろん生きていくためにはお金は必要ですが、人生というスケールで考えたら、「いかに楽しい人生にするのか」「どれだけ素敵な思い出をたくさん作るのか」の方が重要だと思う人は、少なくないでしょう。そこには、「自分がどんな人間として、この世界を生きるのか」という視点も大事です。やはり自分を嫌いな人は、苦しみながら日々を過ごすことが多いので、“自分が好きになれる自分”“自分が誇りに思える自分”として、人生を全うした方が幸せですしね。それによって、言動だって変わってくるでしょう。つまり、より長いスパンで物事を見ることで、人は選ぶものが変わってくるのです。長いスパンで見たときに、重要なものって?実は子供おばさんに限らず、多くの人が目先の仕事や用事に追われ、後回しにしがちな“大切なもの”があります。それは、「健康」です。ある占い師さんが、こんなことをおっしゃっていました。「運を良くするために大切なことは、健康でいることだ」と。健康を損なえば、その分、病院通いなどでお金がかかるし、好きなことも楽しめなくなるし、いいものを食べても美味しさを感じられにくくなります。だから、しっかり寝て体を休めるのは、怠け者なのではなく、すごく重要なことなのです。健康でいるのが大切だというのは、誰もが分かっていることです。でも、その当たり前のことを後回しにして、無理をしすぎて肉体を痛めつけてしまうのは、やはり私たちの視野が狭くなっているところもあるのでしょう。もちろん、だからと言って、「目の前にある仕事を放り投げろ」と言っているわけではありません。それでは仕事を失い、不幸になってしまうこともあります。ただ、常に「目の前にある大切なこと」と「人生というスケールで見た時に大切なこと」の両方を見られるようになることが大事なのです。場合によっては、転職を考えてもいいでしょう。目先のことばかりに囚われるのではなく、人生というスケールで物を見て、大切なものを選択できる人でありたいものですね。・子供おばさん……目先の欲望に負けて、後先考えない行動をしてしまい、後に不幸になる。・大人女子……「目の前の幸せ」と同時に「未来の幸せ」も考えて、大切なものを選択し、幸せでい続ける。
2016年09月20日退屈な大学生活を送っていた青年が「娼夫」となり、さまざまな女性の欲望を受け止め、彼女たちの心を解放し、自身も成長していく──。そんな衝撃的な石田衣良の小説『娼年』と『逝年』が、舞台化される。脚本・演出を手がけるのは、三浦大輔。主人公を松坂桃李が、ボーイズクラブのオーナーを高岡早紀が演じる。この顔ぶれで、何を生み出そうとしているのだろう。舞台『娼年』チケット情報これまでも性的なテーマを追求し、人間の欲情をリアルに描いてきた三浦。『娼年』の舞台化は、「それを限界まで突き詰めるという挑戦になりそう」だと語る。「セックスで何が浮かび上がってくるかというところが原作のテーマで、本当にセックスだけに焦点を当てているので、それを生身で見せる舞台でどう表現するのか。この作品でやり切ることで、締めくくりにできるんじゃないかと思ってるんです。またそこまでたどり着かないとこの原作をやる意味はないと思うんですね」。三浦のそんな覚悟を知って、「今、思わずうれしくなっちゃいました(笑)」と喜びの声をあげる松坂。三浦の「セクシュアルなイメージがない松坂くんだからこそ、普通の青年が様々な欲望に触れ、変わっていく姿が表現できる」という期待に応えて、大胆なセックス描写にも果敢に挑もうとしている。「今まで触れたことのない色の作品ですから、このチャンスを逃したくないと思いましたし。R―15指定がついたと聞いたときも、それぐらいじゃないと表現として攻められないだろうなと覚悟しました」。そして、松坂演じる主人公を、娼夫の世界へ導く役どころを演じる高岡。三浦曰く「男性にとっての理想の女性像」でもあるが、「男性を売ることを仕事にするなんて、これほど理解不能な役をいただいたことはなかったかもしれません(笑)。でも、誰かを演じるというのは、共感できるから面白いということでもないですし、怖いけど、楽しみです。性の表現もそうですけど、それぞれの人間が隠し持っている何かが、きっと見えてくるんでしょうから」と穏やかに燃えている。おそらく、舞台で生々しい描写をする初めての作品になる。しかし、「触れ合うことによってにじみ出てくるやさしさみたいなものが見えれば」と松坂が言うように、そこに浮かぶのはやはり人間の思いになるだろう。「肌と肌の接触を目の当たりして、その温かさやあふれる欲望を、理屈じゃなく体感してほしい。それは演劇のひとつの可能性だと思っています」と三浦も力強く語る。まさに体と心に残る体験ができるかもしれない。東京公演は8月26日(金)から9月4日(日)まで東京芸術劇場 プレイハウスにて。チケットの一般発売は6月11日(土)午前10時より。チケットぴあではインターネット先行抽選を実施中、5月29日(日)午後11時59分まで受付。」取材・文:大内弓子
2016年05月27日女優カトリーヌ・ドヌーヴの主演映画『Standing tall』(原題)が、『太陽のめざめ』の邦題で8月に日本公開されることがこのほど、明らかになった。本作は、ネグレクトにより心に傷を負い、非行を繰り返す少年マロリーを助けるために奮闘する大人たちの姿を描く感動の物語。第68回カンヌ国際映画祭オープニング作品を飾り、最優秀女優賞を獲得したエマニュエル・ベルコ監督最新作で、女性監督の作品が同映画祭の開幕を飾るのは、1987年以来28年ぶりで史上2度目の快挙となっていた。また、カトリーヌの主演映画が日本公開されるのは『しあわせの雨傘』(10年)以来、6年ぶりとなる。カトリーヌが演じるのは、少年に手を差し伸べる、愛のある家庭裁判所の判事。マロニー役は、演技未経験にも関わらずエマニュエル監督にスカウトされ、本作が映画初出演となるロッド・パラドが務める。少年の繊細さと危うさを演じ、フランス国内で権威ある二大映画賞のリュミエール賞とセザール賞で有望新人賞を受賞。『プレミエール』などの現地メディアからも「フランス映画界に風穴を開けたロッド・パラドに注目を。彼は今年最大のハート泥棒だ!」といった評価を受けている。さらに、元不良という過去をもつ教育係に、『ピアニスト』(02年)のブノワ・マジメル。彼もセザール賞の助演男優賞を受けた。このほか、『ゲンズブールと女たち』(11年)のサラ・フォレスティエ、ラリー・クラーク監督の新作『The smell of us』(原題)に出演したディアーヌ・ルーセルらが登場する。(C)2015 LES FILMS DU KIOSQUE - FRANCE 2 CINEMA - WILD BUNCH - RHONE ALPES CINEMA – PICTANOVO
2016年04月08日頭でわかっていても、欲望をコントロールするのはなかなか難しいもの。しかし、ある有名なゲームを3分プレイするだけで、薬物や食べもの、タバコ、アルコールやセックスを欲する気持ちが減るということを科学者が発見しました。この発見は、さまざまな欲望に苦しんでいる人たちの助けになると考えられています。そのゲームとは、なんと「テトリス」!『The Daily Star』が紹介した、驚きの発見を見ていきましょう。■15人が行ったテトリスをプレイする実験プリマス大学とクイーンズランド工科大学の心理学者チームが、31人の被験者を対象に、1週間にわたるモニタリングを行いました。被験者たちは18歳から27歳で、1日のうち任意の時間にゲームをします。また、自分の欲望についてテキストメールで報告することになっています。そして、この実験で15人の被験者がプレイすることになっていたのは「テトリス」でした。報告された欲望のうち、30%は食べものやソフトドリンクについてのものでした。具体的にはコーヒーやタバコ、ワイン、ビールを含む依存物質に関連するもの、16%は睡眠、ゲーム、 セックスなどの活動でした。■テトリスプレイで欲望の度合いが減少した研究者たちは、テトリスをプレイすることは、アルコールやニコチン、カフェインなどの依存物質の欲望の強さや、ゲームやセックスなどの活動への欲望の強さを平均で13.9%減らすということを発見しました。効果は1週間にわたって一貫したものでした。「視覚認識への干渉が、特定の物質や活動への欲望を減少させる可能性を示唆した最初の証明になるかもしれません」と研究者たちは語っています。■テトリスでセルフコントロールする時代に?研究著者のジャッキー・アンドレードさんは次のように語ります。「テトリスをプレイすることは、依存物質、食べもの、活動への欲望の強さを70%から56%に減少させました。これは、認知的干渉が欲望を減らす役割をした初めての実証です。欲望は特定の物質を消費したり、なんらかの活動に没頭したりした経験を想像しているために起きると考えられます。テトリスのように視覚的におもしろいゲームをプレイしていると、心象をつかさどる心理プロセスがそちらに使われてしまい、欲望すべきなにかを想像することができなくなるのではないかと予想しています。テトリスは、人々が生活のなかで自分自身の欲望をコントロールするのに役立つかもしれません」■テトリスの欲望を減らす効果は1週間持続もうひとりの著者、ジョン・メイは効果が1週間にわたり減退する様子がないことにも言及しています。「これは重要な発見になる可能性を秘めています。単独で効果のある干渉は珍しく、普通はないものなのです。たいていは患者たちがその干渉に慣れてしまえば効果が減退するものですから」とも彼は語っています。テトリスのように長く効果が続くものはとても珍しいようです。*日本でもとても有名なテトリスが、自分の欲望をコントロールするために使えるなんて驚きですね。なにかが欲しくてたまらないとき、そっとテトリスをはじめると効果的なのかもしれません。ただし、テトリス依存にならないように要注意。(文/スケルトンワークス)【参考】※Playing Tetris for 3 minutes stops craving sex, alcohol and food-The Daily Star
2015年09月02日性の欲求、欲望は人それぞれ。どういう欲望は正しくて、どういう欲求がおかしいということはありません。ただ、「たくさんの男とセックスしたい」とは、あまり友だちにも言えないかもしれません。一般的な人がもっている「欲望」や倫理観から若干はずれているという意識があるから。でも本当にはずれているのでしょうか。他にも、そういう人はいるのではないでしょうか。■1.自分だけではないと知る知り合いに、こういう女性がいます。「私は彼とのセックスに不満はなかったけど、4年もつきあっているとマンネリにはなるんです。それに、自分がどこまで感じるのか他の人としてみたいという欲求が消せなかった。あるとき、仕事で知り合った人と酔った勢いでそういうことになってしまって。初めての人だととても興奮してしまう自分がいた。それからチャンスがあると、やはり他の人としちゃうんです。彼に知られたら大変だと思うけど、誘われると断れない。だからしかたがないと自分に言い訳しています」(24歳/販売)もちろん、この話に批判的な人もいるはず。ただ、この彼女は自分の欲求に素直に従っているとは言えます。■2.なぜそういう欲望が生まれるのか自問してみるたくさんの男としたい、というのは、一対一で次から次へといろんな人としたいのか、あるいはたくさんの男と、一度にしたいのか・・・。それも含めて、自分の欲求の成り立ちやありかを考えてみてもいいかもしれません。彼とのセックスに不満があるのか、あるいは自分の快感をもっと追求したいのか。セックスが好きで、もっともっといろいろな人としたいのか。セックス自体に、それほど興味があるわけではないが、男性から女として高く評価されたいだけなのか。自分が本当は何を欲しているのかを見極めてみましょう。その欲望に対してどういう行動をするべきなのか判断する手助けになるはずです。■3.行動するか否かは自分で決めるたとえば、男性から口説かれるとします。このままだと、今日はその人と寝るような状況になるかも・・・。そんなとき、行動するのか断るのか、それは自分自身の気持ちで決め、自分自身で責任をとるしかありません。「たくさんの人としたい」という思いを成就させたいなら、行動してみるのもひとつの方法。ただ、あとから「本当はしたくなかったのに、口説かれたから」と人のせいにするのは潔くありません。後悔の元にもなるでしょう。■4.ヘンではないけれど・・・男はあちこちに種蒔きしたいDNAがあるから、いろいろな女性とつきあいたい。女性はひとりの人に本気になるから、並行して他の男性とつきあうことはできない。そんなふうに世間的には思われがちですが、それはやはり個人差が大きいものです。「いろいろな男性としてみたい」という欲求を持っている女性は、私が取材してきた限りでもたくさんいました。ただ、だからといって、全員が行動に移しているわけではありません。他の人としてみて、「やっぱり私は彼とだけでいいわ、今のところ、と思った」と話してくれた女性もいます。欲望として、決してヘンではない。ただ、それをどう自分の中で処理していくか、納得いくような結果を得ていくかは、自分自身で決めるしかないのだと思います。■おわりに十人十色。性に関しては、本当にそうです。だから、どういう欲望をもっても、「ヘン」ではないのです。「人とは違うかもしれない」欲望を持ったとき、それはどうしてなのか、何をすれば自分は満足できるのかを探ってみるのもいいですね。「自分自身」を、より知ることにつながると思います。(亀山早苗/ハウコレ)
2014年06月26日カリスマミュージシャン、ニック・ケイヴが音楽と脚本を担当し、2012年のカンヌ映画祭で話題をさらったジョン・ヒルコート監督の『欲望のバージニア』。禁酒法時代後期、ギャングや腐敗した警察がはびこる米バージニア州を舞台に、密造酒ビジネスで成功した3兄弟の実際にあった復讐劇を描く本作。実は、このボンデュラント兄弟の末っ子・三男の実孫が書き上げた衝撃的な小説が原作となっているのだ。トム・ハーディ、ジェイソン・クラーク、シャイア・ラブーフという“くせ者”豪華キャストが演じる3兄弟の驚くべき不死身伝説。長男・ハワード(ジェイソン)は第一次世界大戦時、一個大隊全員が海に沈む中、その地獄からたった一人で帰還。次男・フォレスト(トム)は全米を襲ったスペイン風邪で両親を失うも、彼だけは無事だった。さらには三男・ジャック(シャイア)と共に打たれても死なない、という凄まじい不死身ぶり。そして、3人とも権力にもギャングにも屈しない強いく気高いプライドを持っている。このボンデュラント兄弟の“バージニアでの伝説”のから、彼らを称えてボンデュラント・ミュージアムまで作られている地元のスター的な存在なのだ。人々は彼らと同じタトゥーを入れ、本作の撮影を覗いては、兄弟のファッションや物語にまで口を出したそうだ。本作の原作は、バージニアを縄張りとして密造酒ビジネスで金を儲けていた無法者兄弟を描いた、「The Wettest County in the World」(邦題:「欲望のバージニア」)という小説。作者のマット・ボンデュラントは、シャイアが好演した旺盛な野心を抱き、後に大きな挫折を経験する三男・ジャックの孫だ。兄弟の実話を基に書き上げられたこの小説は、2008年に出版されるや否や大絶賛を浴びた。マットはあとがきに、「この物語は、家族の様々な秘話、新聞の見出しや記事、裁判の記録に基づいている。と同時に、数十年にわたって伝わるうわさやゴシップも混ざり合っている。私は不確かな記録や曖昧な出来事の奥の“真実”を探ろうとした」と記している。ヒルコート監督は「強烈で生き生きしていて独自性のあるギャング映画が撮りたかったんだ。これはまさしく捜し求めた小説だった」とその出会いを語っている。ジェイソン、トム、シャイアのほかにも、兄弟が思いを寄せる女性役にはミア・ワシコウスカとジェシカ・チャステイン。さらに、ゲイリー・オールドマン、ガイ・ピアースらが悪役を演じるなど、若手からベテランまでハリウッドの人気俳優たちが顔を揃えている。アメリカが最も危険だった禁酒法時代を生き抜き、いまなお人々の記憶に残るバージニア州の伝説の3兄弟の話を覗いてみると、これまで知らなかったアメリカが見えてくるかもしれない。『欲望のバージニア』は、6月29日(土)丸の内TOEI、新宿バルト9ほか全国にて順次公開。(text:cinemacafe.net)■関連作品:欲望のバージニア 2013年6月29日より丸の内TOEI、新宿バルト9ほか全国にて公開(C) OMMXI by BOOTLEG MOVIE LLC. All Rights Reserved.
2013年06月17日マークスタイラーが新たに発信する、26歳~36歳のファッションアディクトに向けたレディースブランド「The Dayz Tokyo」のウェブサイトとオンラインショップが2月10日にOPEN。本日2月3日よりカウントダウンページを見ることができる。「The Dayz Tokyo」のコンセプトは、ディレクター・大塚良子が手がける、モード/ヴィンテージ/ロックをキーワードに、ファッションを楽しむ大人に愛されるもらえるようなハイセンスなセレクトショップ。オリジナルブランド「The Dayz Tokyo」のほか、大塚自身でセレクトしたアメリカ、パリ、ロンドン、カナダ、オーストラリアといったさまざまな国のブランドのアイテムが販売される。また、カウントダウンページでは2月10日のOPENに向けてのキャンペーンを現在展開中。2月7日までにメルマガ登録したユーザーは、2月8日と2月9日のプレオープンに招待され、今回展開される商品やThe Dayz Tokyoの世界をいち早く体験することができ、さらにオンラインショッピングも可能。そのほか、¥15,000以上買い物をしたメルマガ会員のみ・次回の買い物で使用できる1,000ポイントプレゼント・トラベルセット(ノベルティ)抽選で50名にプレゼント・ヴィンテージなどの一点物を先行販売といった特典がつく。今までのマークスタイラーとは一味違う、オリジナルブランド+セレクトならではの「The Dayz Tokyo」は、目の肥えたファッション好きの女性の心も飽きさせることなく、常に違った表情を見せてくれると期待される大注目のブランド。今から是非チェックしてみよう。詳細は The Dayz Tokyo公式サイト へ■大塚 良子 プロフィール17歳より女優/タレントとして活動。カタランの歴史と文化に惹かれ、スペイン留学を経験。その後の人生観やファッションに多大な影響を受けることになる。2005年独自のファッションセンスを活かしアパレルの世界へ。アタッシュ・ドゥ・プレス、レディースブランドMD、セレクトショップバイヤーなどを経て、2012SSシーズンより、オリジナル商品とインポートセレクトを扱う【The Dayz tokyo】のディレクターに就任。 大塚良子オフィシャルブログ
2012年02月03日現代演劇において最も人気ある作品のひとつ、テネシー・ウィリアムズ作『欲望という名の電車』。本作のヒロイン・ブランチは世界の名だたる女優が演じてきた大役として知られているが、この役に長年憧れ続けたという高畑淳子の主演による青年座交流プロジェクト『欲望という名の電車』がいよいよ幕を開ける。都内稽古場で行われた通し稽古を見学した。『欲望という名の電車』公演情報“青年座交流プロジェクト”とは、劇団活性化のため、青年座が他劇団との交流の中で作品を作り上げる企画。創立以来、内部の演出家、俳優で本公演を作ってきた同劇団にとっては革新的な試みだ。今回は青年座から高畑淳子、小林正寛、宇宙、津田真澄、文学座から演出の鵜山仁と、金内喜久夫、山本道子、塾一久、川辺邦弘、また神野三鈴、宅間孝行(東京セレソンデラックス)といった新劇以外のフィールドで活躍する俳優も参加する。そうした目新しさに加え、注目はやはり高畑淳子演じるブランチだ。近年はバラエティ番組などでのざっくばらんなキャラクターで知られ、圧倒的に“陽”の印象がある高畑が、徐々に精神を病んでいく繊細な女性をどう造形するのか。これまで観たことのない『欲望』に出会えそうな予感と期待が高まる。演技スペースの天井にはいくつものカーテンレールが張り巡らされ、その下にはアンティークの家具や生活道具が雑然と置かれている。さりげない生活感の中に、登場人物が味わった息苦しさや混乱までもがこちらに伝わってくるよう。上手にグランドピアノが置かれ、音楽と劇中の演奏を務める小曽根真がスタンバイ。登場人物の気持ちを代弁するかのように、またより高ぶらせるかのように、彼のピアノが随所に織り込まれる。聞けばそのメロディは、ほとんどアドリブだそう。その瞬間瞬間の小曽根のパッションが、指先を伝って的確なメロディとなる。そのフリーなスタイルが、作品全体にも大きく影響しているように感じた。例えば、緊迫感あるドラマとして知られる『欲望』の現場とは思えぬほど、稽古場の雰囲気がラフで明るいのだ。高畑やステラ役の神野の朗らかな笑い声が至るところで響く。スタンリー役・宅間の、異分子的だが自然体でリアリティある演技も、その雰囲気を生むのにひと役買っている。そんな日常的空気感の中で、徐々に自分を失っていく高畑ブランチ。ステレオタイプな“壊れやすい女”ではない高畑が演じるからこそ浮かび上がる哀れさは、現代の女性たちがより共感し得るものかもしれない。今に通じる、ハイブリッドな『欲望』が誕生しそうだ。埼玉・富士見市民文化会館キラリふじみ メインホールで12月9日(金)に開幕し、12月15日(木)より東京・世田谷パブリックシアターにて上演される。取材・文:武田吏都
2011年12月08日変わりやすいものの代表格といえば、女心と秋の空。今月は、揺れ動く女性の心を見事に描写した作品をご紹介しています。第二弾は、『あの日、欲望の大地で』。この作品、静かな語り口なのに、心を揺さぶるほどの激しさと切なさがじんわりと身にしみる秀作です。監督は、『アモーレス・ぺロス』、『21グラム』、『バベル』の脚本家ギジェルモ・アリアガ。繊細な人間心理を描く巨匠、待望の監督デビュー作です。彼のもとに集まったのは、シャーリーズ・セロンとキム・ベイシンガーという2人のオスカー美女。母、娘、そしてその娘という三世代に渡る女性たちの物語です。キムが演じるのは、母、妻としてよりも、女として生きることを選び、その果てに死ぬことになる母親。そんな母の姿を思春期に目の当たりにし、それゆえにとある過ちを犯し、それゆえに愛を遠ざけながら孤独に生き続ける娘をシャーリーズが憂いたっぷりに演じています。2人のうち、より多くの人が感情移入しやすいのは母親の方かもしれません。ある引け目を抱え、それゆえ一度は女性としての悦びを諦めますが、それを再び手に入れたことで、不倫愛に没頭していく女性の姿を妖艶に体現しています。結婚したり、子供ができたりすると、“○○さんの奥さん”とか“○○ちゃんのお母さん”と呼ばれるようになり、女として一種のアイデンティティ・クライシスを経験する人もいるようですが、この母親の場合は、もっと根が深い。その“根”をここで明かすわけにいかないのが申し訳ないのですが、女性なら誰もが考えさせられる事情により、ある種の絶望を抱いているのです。そこで見つけた希望の光が、不倫愛だったとしても誰が彼女を責められるかという気分になるもの。この辺のデリケートな感情を、メロドラマのように陳腐にすることなく、女の宿命による愛の物語の一部として描ききるあたりは、さすがアリアガ氏です。もうひとつ、貴重な女性心理の描写が登場しているのですが、それが、シャーリーズが演じる娘の心理。行きずりの情事を繰り返し、それでも心は頑なに閉ざしたまま。愛を避けるように生きてきた結果生まれた心の隙間を、身体だけの関係で埋めようとするのです。このあたりは、誰もが理解できるわけではありません。それでも、娘時代に経験した壮絶な愛の原体験ゆえに、それなしで生きようとしてきた彼女が、一度は手放した愛を取り戻そうとするまでの心の動きは、説得力たっぷり。複雑な女性心理の描写が丁寧に幾重にも繰り返されているので、心の傷と、そこからの再生へのドラマに引き込まれていくのです。たとえ、身体でものごとを解決しようとする女性に反感を持つ人が観たとしても、決して無下にはできないはずです。アリアガ監督は、つらい過去を背負い、自らの感情を押し殺してきた娘を、控えめで最小主義的なアプローチで演じたシャーリーズに「この手の作品は簡単にメロドラマ化されたり様式化されたりしてしまいがちだが、シャーリーズは単純化することなく演じてくれた」と賞賛を贈っています。そして、4人の子を持つ主婦ながら情事に溺れる母親を演じたキムについても「頭と心で起こっていることの矛盾を具現化してくれた」と絶賛しています。これまでのアリアガ脚本作品と同様、複数の物語が平行して描かれ、過去と現在が交差し、ある種の謎に包まれているこの作品。まるで、心理ミステリーを読み解くようなこの物語の終わりには、心が熱くなるような謎解きが待っています。観終わった後も、彼女たちの儚く切ない感情に支配されてしまい、しばらくぼんやりしてしまうかも。運命に翻弄され、自らも周囲を翻弄する宿命の女たち。揺れ動く彼女たちのドラマで、秋の夜長をしっとりと過ごしてみては?(text:June Makiguchi)■関連作品:あの日、欲望の大地で 2009年9月26日よりBunkamuraル・シネマ、銀座テアトルシネマほかにて全国公開©2008 2929 Productions LLC, All rights reserved.■関連記事:2大オスカー女優が演じる愛と宿命『あの日、欲望の大地で』試写会に3組6名様ご招待
2009年09月25日