今年も、この季節になりました。毎年、11月は母の誕生日のお祝いに母娘旅行で福岡と佐賀を巡ってまいりました。この数年は、毎年、行き先が同じなのですが、11月3週目の水曜から佐賀県有田市で「秋の有田陶器市」が開催されるので、その時期にあわせて旅行をしています。春の陶器市はゴールデンウィークにあたり、とても混雑するので、秋の方が空いているし、紅葉も楽しめるので、おすすめです。これまでは、唐津に1泊、福岡に2泊というような旅程でしたが、流石に、10年近くも毎年同じところにきていると、母も飽きてしまうので、今回は、2泊3日と旅程は1日短くして、「泊まる」にこだわって計画を立てました。 母娘旅行は、ずっと運転手旅行中、わたしはずっと運転手で、それは、羽田空港へ向かう時から始まります。旅程が盛り沢山なので、羽田発福岡行きの初便でスタートです。朝の空港は、これから出発する飛行機がたくさん駐機しているので、飛行機好きにはたまらない景色。この時期だと日の出の時間も6時過ぎなので、朝焼けがとても綺麗で、飛行機はシルエットのように浮かんで見えます。 福岡までは約2時間。羽田空港を飛び立つと、少しすれば、富士山上空を通過します。晴れていれば、富士山を左下に臨めるので、座席指定はA席にします。毎回、早起きをしているので、どんなに眠くても、不思議と富士山上空通過のタイミングでしっかり目が覚めて、富士山の写真を撮り、そのタイミングで飲み物のサービスがやってくるので、スープをいただき、飲み終わると睡眠タイムになります。福岡につけば車を運転し続けるので、機内で十分な睡眠を確保します。 福岡空港は、日本の空港の中で、一番便利な空港だったと認識していたのですが、大規模な工事中で、ここ最近は、ちょっと不便な感じでした。が、今年の3月に、市営地下鉄と空港ターミナルビルが直結したことで、また、便利な福岡空港が戻ってきました。ただ、レンタカーの場合は、到着口が空港の両端にあるので、レンタカー会社までの距離は以前に比べると少し遠くなったような感じがします。スーツケースは、機内持ち込みできるサイズではあるものの、機内での収納スペースの争奪戦が嫌なので、いつも荷物は預けます。ターンテーブルから荷物を受け取って、レンタカー会社へ向かいます。 車を借りて、有田の陶器市へ向かって出発です。途中、唐津でお昼ご飯を食べて、唐津市内の七山(ななやま)にある直売所(「あゆのさと」と「鳴神の庄」の二ヶ所あります)でお野菜や果物を買って東京へ送ります。特に「あゆのさと」では、珍しいお野菜や果物があって、福岡の割烹のご主人や唐津のイタリアンのシェフもこの2つの直売所へ仕入れに来ると言っていました。 鳴神の庄のお店の前には、公園があります。 秋の有田陶器市唐津から1時間ほどで、有田です。本当なら、窯元へ直接行って、見て、という方が良いのですが、車も止められて、いろいろ見ることができて、ということで、「アリタセラ」という有田焼専門のショッピングモールへ向かいます。メインの通りがあり、その両側に有田焼専門店がずらっと並んでいて、見応えあり。ただ、あまりにもたくさんあるので、目移りして、選ぶのもなかなか大変です。 KIHARA 店舗の中に、東京にもお店がある「KIHARA」があります。「KIHARA」は有田焼を現代の生活で使いやすいような、形や色合いの器を扱っていて、いろいろなコラボ商品なども販売しています。豆皿やパスタ皿、焼酎用のカップなどなど、かなり身近に有田焼を楽しめる製品が揃っていて、飲食店をしている人も買いに来るようです。 アリタセラ冬の海辺のゲストハウスへ今回泊まるのも、「bbb haus」です。(以前の記事は、こちらとこちら)こういうのを、「偏愛」というのでしょう。糸島が好き過ぎて、移り住みたいほどです。今年になってから、3回目の糸島。(福岡ということでは、5回目。福岡偏愛です。)ただ、今回は、はじめての冬の糸島です。これまでも、「牡蠣小屋」に行ったことはあるのですけど、泊まるのははじめて。福岡は日本海に面しているので、寒々とした冬の日本海をはじめて体験!と、少し変わったワクワク感満載で、チェックインです。 「おかえりなさい」そう、迎えられて、もう感動です。ずっと運転していた疲れもすーっと抜けてしまい、心の開放が始まりました。チェックインは16時からなのですが、有田の陶器市に思いのほか時間をかけてしまったので、bbb hausに着いたのは17時過ぎ。18時からの夕食を楽しみに、部屋に向かいました。 今回は、1階の102号室。これで、5部屋のうち、3つめの部屋に泊まることになります。一階の部屋には、ウッドデッキがあり、とても贅沢な気持ちになります。ウッドデッキから見える夕暮れは、オレンジからパープルへのグラデーションが本当に美しかったです。このまま、ずっと、ここで空を見ていたい… 美味しい食事の時間bbb hausは夕食と朝食が宿泊に含まれていて、食事もここに泊まる楽しみのひとつです。糸島は、海と山に恵まれていて、美味しい食材に溢れた土地です。bbb hausでも、糸島を中心とした季節を感じる美味しい食材を、シンプルでありつつも、美味しく料理して、わたしたちを楽しませてくれます。 「おかえりなさい」 まず、「蕪大根柿のサラダ」です。綺麗な層になっていて、お野菜自体のもつ味が強いから(蕪は甘いし、大根は瑞々しく、柿はすっきり甘く)、まずは、何もつけずにそのまま、そして、マスカルポーネのソースをつけていただきました。 そして、2皿目。「糸島産真海老マイタケ落花生のロワイヤル」。落花生が大きい。「おおまさり」ですね。 3皿目、「福岡県産アオハタのポワレ」。しっかり肉厚な白身のお魚です。表面はカリカリ、身はふんわり。ソースは旬な白菜のソース。かなりボリュームのあるのですが、ソースがそれほど重くないのと、選んでもらったワインがぴったりペアリングしていたので、本当に、美味しかったです。 ペアリングしたワインがこちら。マコン・ヴィラージュ。イワシの絵ですが、柑橘系のさっぱり感がアオハタのカリッとした表面にレモンをかけて食べているような感覚でした。 4皿目は、「糸島産の黒毛和牛のロースト」。赤身が綺麗な脂身の少ないお肉です。ソースは、「ジュ・ド・ブフ」で、少し軽めに。 お口直しに、「糸島産蜜柑のグラニテ」。 デザートは、「コーヒーのアイスショコラテリーヌミツル醤油のクランブル」。ミツル醤油は、今では、東京でも伊勢丹やDEAN & DELUCAで買えますが、糸島市にあるお醤油屋さんです。甘じょっぱいクランブルが濃密なコーヒーのアイスとショコラテリーヌにとてもいいアクセントになっていました。 ふんだんに使われた豊かな糸島の食材を堪能しました。食事が終わって、部屋に戻り、ウッドデッキに出てみると、「わぁ、すごい!」思わず声が出てしまうほど、美しい星空でした。糸島偏愛のわたしですが、冬の夜の糸島ははじめてで、本当に感動しました。その素晴らしい星空を写真におさめられなかったのが、とても残念です。 朝食も糸島の食材満載です。色鮮やかで、新鮮なお野菜とフルーツがお皿せましとふんだんに盛り合わされている朝食です。人参・林檎・蜜柑・梨のコールドプレスジュース、糸島野菜とフルーツのサラダ、自家製ハムとカッテージチーズ ちなみに、今回は連泊だったので、2日目の朝食は、パンケーキでした。ふわふわで、本当に美味しいパンケーキ。 この美味しいお料理を作っているのが、谷口正直(たにぐちまさなお)シェフです。シャイで、たくましい、そしてお料理は繊細で力強い。この日のゲストはわたしたちだけだったので、食後に少しお話をして、写真を撮らせていただきました。 谷口正直シェフ 美味しい福岡、スイーツ編福岡は「美味しい」の宝庫。わたしのお気に入りデザートをご紹介します。まず、 桜坂にある「パティスリー オー フィル ドゥ ジュール (Pâtisserie au fil du jour)」。伺うたびに、新しいケーキがあって、ひとつを選ぶのがかなりの悩み。今回は、初日に「フランジェリコ(Frangerico)」、ピエモンテ産ヘーゼルナッツの生地でコーヒーのクリームを包んだロールケーキです。 フランジェリコ(Frangerico) そして、3日目はとても楽しみだった「モンブラン(Mont-Blanc)」。フランス産のマロンペーストと和栗を使ったクリームを、注文をしてからクリームを絞ってくれるモンブラン。中にはメレンゲが入っていて、フワフワと軽く、繊細なモンブランです。これを目当てに来るお客様が多いようで、わたしがお店にいた間も、何人ものお客様が注文していました。モンブラン(Mont-Blanc) そして、お土産には焼き菓子を。「ビスキュイモカ・ドール(Bisquits Moka d’or)」コーヒー風味のバタークリームをふわっ、サクッなビスキュイモカ・ドールでサンドしたお菓子です。毎日のように、午後になると「完売」のお知らせが発信される人気のお菓子。 キラキラしていて、美しくて、美味しいお菓子です。 今回も、美味しい旅になりました。今回は、お天気に恵まれて、初冬というには暖かく過ごしやすい旅になりました。それでも、食べ物の旬は確実にあって、この季節でないと食べることができないものを美味しくいただけるのは、四季のある日本だからですね。旅も食べることも、一期一会です。 次回は、真冬の福岡を堪能する予定です。 bbb hausミツル醤油醸造元パティスリー オー フィル ドゥ ジュール (Pâtisserie au fil du jour)
2020年01月01日櫻井神社をお参りして、今回泊まる、(前回も泊まった)bbb hausへ向かいました。(前回の記事はこちら) 櫻井神社からは車で15分弱、途中から海沿いの道を気持ちよくドライブです。道沿いに走り続けて少し内陸に入ると、bbb hausのサインが見えてきます。Guest用のパーキングに車を止めて、bbb hausのゲストハウスに入ります。2度目の訪問、今回は、1階の部屋をリクエストしました。 101号室 1階には2部屋あり、お部屋の特徴としては、ウッドデッキがあることと、シャワーのみではなく湯船があることが2階と違う点です。101号室は白を基調に、グレーと茶色の落ち着いた雰囲気です。窓からの眺めは、2階と違って海が目線にあり、もっと緑に囲まれた雰囲気があります。 そして、お風呂がこちら。 チェックイン後に部屋の中から見た景色、バスタブから海が見えます 映画に出てくるような足付きのお風呂、外の景色を眺めながら入っていると、時間が経つのも忘れてしまうくらい、気持ちが良い時間です。 チェックインからディナーまでの過ごし方お天気が良かったら、海に行って、甲羅干しもいいのですが、雨なので、そして、車もあるので、「二丈温泉きららの湯」へ行ってみました。ラドン含有の天然温泉ということで、疲労回復、健康増進に効果があるようです。少し長い時間ドライブしたので、疲労回復に期待です。「きららの湯」には、大浴場や露天風呂があり、日替わりで男女のお風呂が入れ替わるということです。家族風呂もあり、バリヤフリー対応もされているようです。ラドン温泉のみの利用だと560円でした。 待ちに待ったディナータイム温泉でさっぱりして、bbb hausに戻り、軽くお化粧をして、ダイニングルームへ向かいます。福岡は東京より西にあるから、日が長いので、18時半の時点では、まだ明るです。晴れていたら、夕焼けが綺麗だっただろうな、というのがちょっと残念でしたけど、曇りでも夕暮れというのは美しい時間です。 スパークリングがいいかなと、DRINK MENUをみながら考えていると、こちらを勧めてくださいました。「ヒトミワイナリー」のLa Vie Pop。淡いロゼで、アルコール度数も低め、発泡感が爽やかで、この日はこちらを「ボトルで」いただきました。 ディナーの始まりです。まず、ヤリイカのサラダ仕立て。糸島野菜と一緒にいただきます。 そして、これでもか!という糸島野菜のバーニャカウダ。コリンキー、モロッコインゲン、ピーマン、パプリカ、スイスチャード。体が浄化される!と感じる美味しいお野菜をふんだんに、たくさん、いただきました。 そして、イサキのポワレ。大葉のソースで。ガルニチュール(付け合わせ)にはグリーンアスパラガスに蕪。イサキの皮はパリッと、身はふくよかで、とても美味しかったです。(翌日、帰る日に伊都菜彩でイサキを買って帰りました。) そして、メインのお肉は豚肉です。「うきは産桃豚のグリル」です。桃を食べさせて育てた豚で、季節限定でいただける豚肉です。なるほど!豚肉らしい匂いがなくて、桃の香りとは言わないですけど、フルーティーな感じがします。脂身も全然くどくなくて、低温でじっくり調理されているから柔らかく、瑞々しくて、美味しい桃豚がさらにその美味しさを引き出されて、フルーティー感が増しているんですね。グリルした桃豚に、自家製マスタード、それだけで十分です。 そして、デザートはヴァニラアイス。 2日目のディナー今回は2泊したので、続けて2日目のディナーです。まず、パテドカンパーニュ。自家製マスタードと紫キャベツのシュークルートと一緒に。 2皿目めは、白茄子の冷製スープです。こちらの白茄子は「野菜屋トラキ」さんという、夫婦2人で農業をしている農家さんだそうです。糸島は、移住して就農する人たちが多く、規模は小さくても、多品種栽培をしている若い農家がいるのも特徴です。日本で一番売り上げがあるというJA「伊都菜彩」にも、東京ではあまり見かけないお野菜も多く見かけます。 そして、メインのお魚は、「オコゼのポワレ」に自家製パスタ。オコゼは、身は柔らかくても、弾力もありました。奥の自家製パスタは芝エビのビスクソースで、とても美味しかったです。シェフのお料理の幅の広さというか、ストレートに美味しいところが伝わってきます。シンプルなんですね、基本にあるものが。お野菜なら、農家さんが丁寧に作り上げたお野菜とそこに詰まった想いを、シェフが丁寧な料理で美味しさの集大成を伝えるということで、だから、お腹と心に響くのです。 メインのお肉は、糸島牛のロースト。いたってシンプル。赤ワイン塩のみです。糸島牛とは、美しいお肉だと思います。東京ではほとんどお目にかかれないと思うのですが、キメが細かく、柔らかくて、歯ざわりが良いです。調べてみると、佐賀牛と松坂牛の交配種ということです、霜降りの激しそうなイメージですけど、いつも赤身をいただくからか、日本の牛肉の中では一番美味しいのではないかなと思います。綺麗なお肉ですね。 そして、デザートはヘーゼルナッツのアイス。 やはり、1泊では足りないな、2泊してよかった、というのが食後感。Eat Localを堪能する食事の時間も、bbb hausの魅力です。 1 日目の夜、ちょうど雨が止んだので、ハンモックをセットしてくださいました。ハンモックに寝転がって真っ暗な夜、波の音、風の音、虫の声だけが耳に聞こえる状態でぼーっとしていることの気持ち良さは、格別でした。 そして朝食朝食は、コールドプレスジュースから始まります。そして、初日は、ヨーグルト、糸島野菜とフルーツのサラダに、自家製のハムとカッテージチーズ、エッグスラットに自家製パン。 コールドプレスジュースは、スイカ、ニンジン、リンゴ、ブルーベリー。綺麗な赤が朝から元気をくれます。 そして、新鮮な糸島野菜に自家製のハムとカッテージチーズ。 ところが、2日目の朝食にはパンケーキを作ってくださいました。ふわふわのパンケーキはもちろんのこと、付け合わせにあったプラムがすごく美味しかったです。 美味しい2日間の食事を作ってくださったのは、シェフの谷口正直(たにぐちまさなお)さん。熊本出身で、今は糸島で糸島の食材を中心に、九州の美味しい食材を選んで、素材を存分に活かした美味しいお料理を作ってくださいます。 糸島の魅力は、どんな言葉でも、まだまだ伝えることができないもどかしさがあります。今年は、晴れた日の糸島の海をみることができなかったのがちょっとがっかりですが、でも、それ以上に糸島の魅力を再発見しているように思います。ガストロノミーという言葉に対応して、ローカルガストロノミー(「その土地で採れる食材(お野菜、お肉、魚全て)をその土地の文化や伝統を受け継ぎ、その土地ならではの表現で料理に表す」ということだと考えています)という言葉があります。これは、東京 vs地方という意味ではなくて、知らない土地の美味しいものを食べるって楽しいんだ!ということだと思います。糸島で味わうのは、わたしが知るローカルガストロノミーのひとつ。今度は、晩秋の糸島をお伝えできればと思います。 bbb haus
2019年08月29日「糸島に、ゲストハウスができましたよ」友人から聞いたのは、去年のこと。糸島の海辺のゲストハウス、そう聞くだけで、心が躍りました。友人に見せてもらった写真は、ハンモックで寛いでいる姿や、真っ青な海の写真で、そこで過ごす時間を想像するのは簡単なことでした。初めて糸島を訪れたのは、8年前、梅雨が明けた7月のある日でした。スッキリ晴れた夏空に、目の前に突然現れたのは、とても美しいエメラルドグリーンの海がある景色で、一目で糸島に、恋に落ちました。 それ以来、何度も訪れている糸島に、とうとうステキな宿泊ができる場所が誕生しました。オープンから1年がたった今年の5月、海辺のゲストハウス「bbb haus(スリービーハウス)」に予約をいれました。スリービーとはbedのb、breakfastのb、そしてbeachのb。耳馴染みのあるB&BにもうひとつBeachのBがあるのが、糸島らしい、糸島ならでは、です。 bed, breakfast & beach今回は、電車とタクシーで。筑前前原駅からタクシーで2,500円くらい、bbb hausはサンセットロードから海側へ少し入ったところにあります。このゲートを入ると、プライベートな空間になります。 チェックインまで少し時間があったので、宿泊以外でも利用できるTea Roomへ案内されました。ゲストハウスの案内がかかれてあるパンフレット、このイラストは一見とてもシンプルなのですが、わたしがイメージする糸島で過ごす「静かな時間」が凝縮して表現されていて、感動。そして、インテリアがオフホワイト、オレンジ、ブラウンで統一されているTea Roomの空間全体の色のセンスにすっかり魅了されました。この日は少し曇り気味だったので、とても落ち着いた時間を感じる暖かな空間でした。すっかり晴れた日なら、海の青さにも負けない明るい元気になれる空間が想像できます。 「準備ができたました」と、部屋に案内される時間になりました。Tea RoomとPantryからひとつのドアを介して、ゲストハウスのフロントがあり、そこからゲストハウスになります。建物は二階建て、ある企業が所有していたという建物をリノベーションした、5部屋だけのゲストハウスです。宿泊者が食事をするDining Roomの前の廊下を進むと、書斎が現れます。北欧デザインの暖かさを感じるインテリアがとても素敵です。ここはコモンエリアなので、本を読んで過ごしたり、ゲストだけが利用できる空間です。 そして、「ご自由にどうぞ」と置かれてあるのは冷えたルイボスティーと糸島で採れたみかん。 203号室この日の部屋は、2階の突き当たりにある203号室。どの部屋もOcean Viewです。bbb hausがある場所は、国定公園に囲まれているため、電線など視界を邪魔するものが一切なくて、窓からは水平線が見えます。鍵もカードキーではありません。部屋には、テレビもありません。WiFiもありません。パジャマもありません。過度なおもてなしも、ありません。ここにあるのは「心地よい時間」です。 部屋は、オレンジとブルーが暖かくもcoolな印象です。2客並んだ椅子からは、緑の林の向こうに180度海が見えます。音のない部屋で、椅子に座って海を見れば、すっと瞑想タイムに入ってしまいそうなくらい、気持ちがニュートラルになります。空調を切って、窓を少し開ければ、鳥の声と海や風の音が聞こえてきて、動く雲や波を見ているだけの時間が、ひたすら心地よいのです。 まだ、dinnerまで時間もあるので、海まで散歩に出かけてみました。 緑を抜けたら広がるbeach bbb hausは「玄海国定公園」の中にあるため、とても自然が豊かです。 ホテルから海へ抜ける道は、映画の世界のような、緑のトンネルです。 この道は、地元の人が海へ散歩に出かけるときに通る道です。少しアップダウンがあり、道の周りには、てんとう虫がいたり、蟹が歩いていたり、ちょっとした探検気分を味わえます。そして、目の前に現れたのは、誰もいない海。 潮が引いていて、砂浜に太陽の光が反射していて、ウユニ塩湖のように綺麗でした。この日は雲が多かったので、海の色もおとなしい灰色気味の青さですが、この海も、お天気模様によって、変わっていきます。「地元の人が散歩をするくらいで、ほとんど人はいないんですよ」と言われた海、ほとんどプライベートビーチです。1時間くらいビーチで寝転んでいたのですが、その間、わたし以外誰もそこにはいませんでした。 糸島の食材を堪能する さて、Dinner timeです。宿泊者用のdinning roomへ降りていくと、窓側の真ん中のテーブルに案内されました。担当してくださったのは、チェックインを担当してくださった方。その都度、違う担当者がいるサービスというのが普通のホテルと違って、bbb hausでは、同じスタッフが全てを担当しているので、変な緊張から解き放たれて、これも、「心地よい」のひとつですね。 Dinning roomのテーブルから見える景色。Sundeckの向こうには、日本海。博多港に入る船が目の前を通るそうです。陽が落ちて、徐々に、空と海がひとつに溶け合う時間がやってきて、食事が始まります。 さて、この日のdinnerです。糸島野菜といさきのカルパッチョグレープフルーツのドレッシング 糸島の温野菜アンチョビのオランデーゼソース オコゼのスープ仕立て 糸島牛のロースト赤ワインソース 糸島は、海と山に囲まれていて、有名な糸島野菜の産地でもあり、新鮮で美味しい食材にあふれています。移住して就農した人も多くいて、農家も多く、色々な種類の野菜が豊富に採れる土地です。メニューにも、野菜がたくさん。Eat locally 、「本当に美味しいとは、こういうことなんだ」と気づく時間です。 この晩は、霧雨が降ったりやんだりしていたのですが、「こんな日は、あまりないんですよ」ということで、dinning roomの窓を全開にしてくださいました。もう少し季節が夏に向かえば、窓を開け放つと虫が集まってきてしまうし、暑くなるし、この晩は、風もなく、暑くも寒くもなく、ちょうど良い季節にここに来れて、よかった。 そして、breakfast。まず、季節のコールドプレスジュースに続いて、「伊都物語」のヨーグルト。ヨーグルトにはハチミツ、カランツ、ナッツを好きなだけトッピング。 糸島野菜とフルーツのサラダ 自家製ハムとカッテージチーズ エッグスラット 自家製パンとコーヒー or 紅茶。breakfastも糸島の食材ばかり、eat loccalyです。これだけ糸島の食を堪能できるのもbbb hausに泊まることの悦びです。まさに、「ローカルガストロノミー」を体験しました。 名残惜しいチェックアウト食事の後は、オープン前のpantryを見せていただき、記念に糸島がデザインされているイラストのハンカチを購入。駅までのタクシーを呼んでいただき、時間まで、もう一度、海までお散歩です。海へ抜ける道に出ると、地元のおばあさんに遭遇。「おはようございます」と挨拶を交わし、海までの道すがら、ちょっとおしゃべり。「桜貝を採りに行くのよ。小さいのから大きいのまで色々あって、こうやって、毎朝、散歩がてら桜貝を探すの」。beachに着いたら、おばあさんは、「向こうまで行って、かえってくるのよ」ということで、お別れしました。 この日の朝の海も、また、違う色でした。雨の予報だったものの、このまま、晴れそうな空模様で、とても気持ちがいい朝のお散歩でした。わたしも桜貝を探してみるものの、見つけることはできず。地元のボランティアの方たちが、清掃をしているということで、beachはとても綺麗で、プラスチックゴミなどひとつもありません。本当に、ここは、楽園。 前の晩、dinnerの後で部屋に戻り、砂浜を照らしているライトが午前零時の消灯時間を迎え、真っ暗になる瞬間を見ようと思っていたのに、bedに横になってしまったら、そのまま眠ってしまい、気づいたのは明け方。窓からの明るい光で目が覚めました。ベッドリネンの肌ざわりが心地よくて、朝目覚めるまで、久しぶりにぐっすりと熟睡することができました。波の音と月あかりだけの夜、その時間も楽しみだったのに。 フロントで、そんな話をしていると、タクシーが到着して、ゲストハウスとお別れする時間になりました。もちろん、次の予約を入れて、タクシーに乗りました。 bbb haus
2019年06月07日スタンダード&プアーズ・レーティングズ・サービシズ(以下「S&P」)は10日、スペインの長期ソブリン格付けを「BBB+」から「BBB-」に2ノッチ(段階)、短期ソブリン格付けを「A-2」から「A-3」にそれぞれ引き下げた。長期ソブリン格付けのアウトルックは「ネガティブ」。格下げは、経済および政治面での圧力の高まりにより、スペインの財政に対するリスクが増大しつつあるとのS&Pの見方を反映している。S&Pでは、中央政府の政策は以下の要因により制約される可能性が高いとしている。深刻化する景気後退により社会の不満が増大し、中央政府と地方自治体の間で緊張が高まる可能性がある。欧州連合(EU)加盟国間の政策策定の枠組みは、依然として予見可能性に欠けるとS&Pは考える。最近の発言から、S&Pでは、2012年6月29日のEU首脳会議で発表された、銀行とソブリン間の悪循環を断ち切るためのコミットメントによって、ESM(欧州安定メカニズム)から欧州の大手銀行への資本増強が可能になることはないとみている。S&Pの従来の想定は(8月1日に同国の格付けを据え置いた主要な要因であった)、経営難に陥ったスペインの金融機関への公的融資は、最終的にはEU加盟国で相互負担され、これにより、スペインの一般政府純債務は2015年以降も対国内総生産(GDP)比80%を下回るというものであった。S&Pではスペインの統治機構(国内および多国間の機関等とも)が現在の経済・財政危機に起因する深刻な問題に対処する能力は低下しているとみており、したがって、格付け規準(2011年6月30日付「Sovereign Government Rating Methodology And Assumptions」)に準じて、同国の長期ソブリン格付けを2ノッチ引き下げた。【拡大画像を含む完全版はこちら】
2012年10月11日