現代は、そのような役割のある体毛を脱毛することが当たり前になってしまっている。無くしてしまって本当に大丈夫なのか不安がよぎるが、「体毛がなくなった結果、体に甚大な問題が起きたという例はこれまで報告されていない」と脇坂先生は話す。まずは、ひと安心といったところだろう。
○毛をコントロールしているのは男性ホルモン
ところで、男性の人は「男性ホルモンが多いとハゲる」という説を聞いた経験はないだろうか。「毛は男性ホルモンでコントロールされている」という事実に間違いはないが、問題はテストステロンとジヒドロテストステロン(DHT)という2つの男性ホルモンのバランスにあるという。
毛髪減少に大きく関わるのは、後者のDHT。DHTは、テストステロンが変換されてできたさらに強力な男性ホルモンで、性欲を増進したり、精液をつくったりすると同時に、毛根を萎縮させる働きがある。
テストステロンをDHTに変換するために必要な酵素が存在しているのが前頭部と頭頂部であるため、DHTが集中する前頭部から頭頂部にかけて毛が減少する「男性型脱毛症」が起きるというわけだ。
そして意外かもしれないが、女性の体にもテストステロンは存在する。