「ステロイドを使っても大丈夫?」と不安な人へ。ステロイドの働きを医師が解説
医師の赤池智子です。皆さん、お久しぶりですが、お元気でしょうか。
多くの方が花粉症で悩んでいた春が終わり、症状が落ち着いたと思ったら、この暑さ。汗で体がかゆい、虫やくらげに刺されてしまった、日焼けで肌が真っ赤になり火傷のようになってしまった……。
そこで、病院へ行くといろんなタイプ(塗り薬、目薬、吸入薬、飲み薬など)の「ステロイド」を処方されたけれど「本当に使っても大丈夫なの?」そう聞かれることが最近たくさんあります。
こうやってよく処方される「ステロイド」。これは、副腎という臓器から出される副腎皮質ステロイドホルモンの働きを薬にしたものだという話をしてきました。
このホルモンはわたしたちの体では、早朝に分泌される量がピークを迎え、徐々に下がっていき、夜になると少なくなります。
それはなぜだかわかりますか?
このホルモンは、「ストレスホルモン」と呼ばれることもあります。これから起きて活動するのにあたり、いろいろな刺激、ストレスに対処するためになくてはならない「命に関わる大切なホルモン」だからです。
ストレスで夜、目が冴えてしまって眠れない、なんて経験した方もいると思いますが、強いストレス下に置かれた状況で、このホルモンが夜も過剰に出てしまうことが理由のひとつとして考えられます。