乳がんにかかる女性は30代から40代にかけて急増すること、知っていますか? アラフォー女子と乳がんは切っても切れない関係。私たちは何をどう気をつければいいの? 乳がん検診の必要性は? 自分のカラダに関わる大切な問題、しっかりと目を向けていきましょう。
乳がんは怖くない病気、必要以上に恐れなくてもいい病気今回教えていただいたのは、同世代の
乳がんサバイバー(がんを経験した人)であり、モデルの
藤森香衣さん。そして、
乳腺専門医で乳がんの知識や検診の普及に長年尽力している
島田菜穂子先生にもお話をうかがいました。
藤森香衣さん
1976年生まれ。モデル。11才からモデルを始め、広告を中心に活動。出演したCMは70本を超える。
長年の経験で培った知識や感性を活かし、ユーザーの目線に立った様々なプロデュースを展開。2013年4月、乳がんにより右乳房を全摘出。同時に乳房再生治療を受ける。がんについての知識を広めるため、手術と同時に病気を公表。がん全般の啓蒙活動にも積極的。
オフィシャルブログ「白花の薫り」http://ameblo.jp/kae-fujimori/、Doctor’s Me「藤森香衣のがんコラム」https://doctors-me.com/doctor/female/17/column/33
「日本女性の16人に1人が乳がんにかかる」と言われていたのは数年前。それが「14人に1人」に変わり、最近ではもう
「12人に1人」と修正されています。「10人に1人」になるのは時間の問題でしょうか?
「みなさん、知り合いや身内に、乳がんにかかった人が1人か2人いますよね。
私は祖母がそうでした。しかも20代の友人を乳がんで亡くしました。そしてその翌年、私自身、自分の胸にしこりを見つけたんです」淡々と話す藤森さん。
乳がんにより2年前に右乳房を全摘出したことが、嘘のようなキラキラした笑顔が印象的です。
しこりを見つけた当時、藤森さんは
35歳。乳がんにかかるのは40代や50代だけなんて言われていたのは以前の話。確かにピークはそうですが、残念ながら年代にかかわらず、20代30代40代…各年代まんべんなく乳がん患者が増えているのが現状です。
乳がんは、日本を含む先進国で増えている病気。
昔ながらの生活を営む開発途上国では患者数がさして増えていません。食生活が豊かで、発育や健康状態がよくなったこと、
出産・授乳経験が少なくなったことなど、
生活様式の変化が乳がん増加の原因になっていることは確かなようです。
さて、藤森さんが自分の右胸にしこりを見つけたのは、
亡くなった友人の『ちゃんと検診を受けてほしい』という声がまだ記憶に新しかった時期。すぐに近くの乳腺科を受診しましたが、乳がんではないとの診断。ただ、しばらくするとしこりが大きくなっているような気がして、翌年別のクリニックで検診を受けました。そこで
「0期の非浸潤がん」と診断されたのです。
その時がんを見つけたくれたのが、ピンクリボンブレストケアクリニック表参道の
島田菜穂子先生でした。
ピンクリボンブレストケアクリニック表参道 島田菜穂子先生
「ご自分で触って見つけた乳がんが、藤森さんのように0期というのはなかなかないこと。セルフチェックを真面目にされている方でも、発見するのは大抵2cmくらいになってからなんです。
早期であれば90%以上、限りなく100%に近く治ります。乳がんは他のがんと比べても、怖いものではないということ、だから
早期に発見すべきだということを、もっとみなさんに知ってもらいたいですね」と島田先生。
【 乳がんの病期(ステージ)分類 】
Tis:乳管内にとどまるがん。非浸潤がん(超早期)
0期:しこりや画像診断での異常な影を認めないもの
Ⅰ期:2cm以下のしこりで、リンパ節への転移がないと思われるもの
Ⅱ期:2cmを超える5cm以下のしこりがある、もしくはリンパ節への転移が疑われるもの
Ⅲa期:しこりが5cmを超えるもの
Ⅲb期:しこりが皮膚などに及んでいるもの
Ⅳ期:しこりの大きさを問わず、他の臓器に転移がみられるもの