健康法が“不腸”のもとに!?専門医が語る「腸を痛める食習慣」
しかし、若々しくありたいと思って取り入れている健康法が“不腸”の原因になってしまうケースも。松生院長の患者さんに目立つ主なケースは3つ。1つ目が「玄米食」。玄米は白米より食物繊維とビタミンB1が豊富で、健康食のイメージがあるけれど……。
「食物繊維は、水に溶けない『不溶性食物繊維』と、水に溶ける『水溶性食物繊維』の2つに分けられ、玄米に多く含まれているのは前者です。消化に時間がかかるため、腸にトラブルを抱えている人はかえっておなかが張ったり、便が硬くなったりして、便秘を悪化させてしまうことも。腸の動きが正常ならもちろん食べてもいいですが、その際も、よくかんで食べる、スープなどの水分を多めに取る、水溶性食物繊維が豊富な海藻類と一緒に食べる、などしましょう」
理想的なのは、不溶性食物繊維と水溶性食物繊維を2対1の割合で取ることだという。
次に糖質制限。
生活習慣病の予防や治療として注目を集めているこのダイエット法は、血糖値をコントロールするなど医師の指導のもとに行うのは効果的だが、やみくもに糖質を避けると、腸にダメージを与えるリスクが。
「ごはんやパン、麺類、根菜類などの野菜や果物を食べないことで、体重と体脂肪を一気に減らせるかもしれませんが、同時に食物繊維をはじめ必要な栄養素も不足してしまうと、慢性的な便秘を招き、“汚腸”になってしまいます」