音読や複式呼吸…“1分脳活”で維持する“忘れない頭”
(白澤先生・以下同)
「人の名前が出てこない」や「もの忘れが多くなった」という現象は、最も早く現れるWMNの衰えだというのだ。
「頭頂葉の近くには、記憶とイメージをひもづけする領域と、音とイメージをひもづけする領域があります。たとえば、『木村さん』の記憶を、木村さんの『顔』と、『キムラサン』という音とで記憶し、この2つがひもづいて、『この人は木村さんだ』となります。ところが、頭頂葉でアミロイドβの蓄積が始まり、WMNに支障が出始めると、とっさに名前が出てこなくなるのです」
しかし、頭頂葉を鍛えるトレーニングをすることで、WMNの機能低下を遅らせることができると白澤先生は言う。
「たとえば、左手と右手で異なる動きをするようなトレーニングは非常に効果的です。左手を先に出して、右手は後出しで左手に負けるようにする“1人じゃんけん”など、いつもは使わないような機能を使うことが頭頂葉の刺激になるのです」
最も簡単なのは、毎朝、太陽の光を浴びること。朝日は脳に刺激を与え、体内時計のリズムを整えてくれるからだ。ほかにも次のように1分でできる脳活がいろいろとある。
どれもふだん使っていない部分の脳を刺激するものだ。