このとき、自分の10本の指がしっかり地面についていないことがケガにつながったと実感し、それ以来、筋力トレーニングや足ツボなど、さまざまな方法で、足の指を鍛えて、浮き指対策を研究してきた。
「いいなと思うことはすべてやりましたが、すべての患者さんが簡単にできて効果が出る方法がなかなか見つかりませんでした」
そんなとき、裸足でデスクワークをしていた伊藤先生は、何げなく、足の指の表を床に押し付ける動作をしてみた。
「本当に偶然でした。くいくいっと床に指を押し付けると、指の筋肉だけでなく、足の甲や脛の筋肉までがのびて、気持ちいい。そこで研究を始め、本格的に『足の甲のばし』として完成させました」
「足の甲のばし」のやり方は次の通りだ。
【1】椅子に浅く座り、左足の指を床に立てて着ける。左足の甲を前方に向けて10秒間、ゆっくり押し出す。
〈ポイント〉5本の指と足の甲全体、脛の前側がのびていることを感じればOK。
【2】ひざを少し外側に開き、左足の甲を小指側に倒すように10秒間、ゆっくり押し出す。
〈ポイント〉薬指、小指、足の甲の外側、脛の外側がのびていることを感じればOK。
【1】〜【2】を右足でも行う。