2021年3月8日 11:00
認知症グレーゾーン対策に“自分ほめ”と“トントン運動”
50歳を過ぎたあたりから、「会話中に人や物の名前がスッと出てこない」という人は多いのではないだろうか。
「『ど忘れ』は50代、60代になりますと、誰でも起こってくるものです。頭のなかに記憶は残っているのに、どうしても名前がうまく思い出せず、もどかしいといった感じです。ところが、人や物の名前だけでなく、時系列を間違えて混乱する場面が増えてきたら注意が必要です」
そう語るのは、『認知症グレーゾーン』(青春新書)の著者で、「メモリークリニックお茶の水」の朝田隆院長。
認知症の患者数は年々増加傾向にあり、2040年には高齢者の4人に1人が、認知症を発症するとも予測されている。また、“巣ごもり”が長引くと認知機能が低下するといったデータも出てきている。「ど忘れ」は認知症の前段階、軽度認知障害(MCI)の初期症状のシグナルかもしれないので、「年のせい」と、そのままにしておくのは危険という。
「MCIを“認知症グレーゾーン”と呼んでいます。
MCIが始まってから本格的な認知症に移行するまで平均7年。進行には個人差がありますが、始まって1年後には12%、4年後には半数が認知症を発症するともいわれています。