今や日本人の国民病ともいえる糖尿病。
動脈硬化や腎臓病、アルツハイマー型認知症など、さまざまな疾患につながることが知られているが、その大きな原因のひとつに「体の糖化」があると昭和大学医学部の山岸昌一教授は指摘する。
「『糖化』とは体内でタンパク質に糖がくっつくことにより、タンパク質が劣化する現象のこと。糖化タンパク質は体の中でもはや使いものにならなくなった燃えかすのような物質で、正式にはAGE(終末糖化産物)といいます。いわゆる“体のコゲ”です」
血糖値が基準値以上に上がると、体内に断続的にAGEを発生させ続けることになり、これがまた血糖値を上げてしまうというのだ。
さらに、この厄介なAGEは老化の原因にもなるという。
「体内でタンパク質の働きが落ちると、臓器にも悪影響が及びます。私たちの体内ではさまざまな化学反応が起こっていろんな臓器が適切に機能しているのですが、その化学反応を媒介しているのは酵素です。
酵素はタンパク質からできているため、酵素が糖化するとその働きが悪くなってしまうのです」
糖化が進むと、血管や骨、心臓、脳など全身にその影響が及び、さまざまな病気の原因になる。