【名城大学】スイゼンジノリ由来の紫外線吸収物質「サクリピン」の新たなスキンケア作用を発見
また、サクリピンが光照射および熱に対して化学的に安定な化合物であることを実証しました。これらの成果は、サクリピンがスキンケア化粧品への配合剤として有望な天然由来化合物であることを示しています。
研究成果は2024年11月2日(日本時間)に米国化学会が刊行する国際科学雑誌「ACS Agricultural Science & Technology(電子版)」に掲載されました。
自然界において、スイゼンジノリは環境変化の影響で絶滅が危惧される状態になっていますが、食用海苔同様に養殖が可能です。サクリピンの応用利用によってスイゼンジノリの需要が増えることは、養殖業や環境保全活動の活性化につながる慶事であり、絶滅回避につながることが期待されます。
詳細な説明
1.背景
スイゼンジノリ(学名Aphanothece sacrum)(注1)は、日本固有の淡水性ラン藻(シアノバクテリア)(注2)で九州地方の一部でしか分布が確認されていない希少種です。このラン藻は、古くから食用利用されてきた歴史があり、現在でも高級食材として市場に流通しています。また、スイゼンジノリがつくる多糖類は保水力に優れ、「サクラン」