【名城大学】スイゼンジノリ由来の紫外線吸収物質「サクリピン」の新たなスキンケア作用を発見
コラーゲンの産生に対してはサクリピンA, Bともに促進効果を有し、ヒアルロン酸の産生に対してはサクリピンBが強い促進作用を示しました。これらの結果から、肌質改善作用をもつスキンケア化粧品への配合剤としてサクリピンBを応用できる可能性があります。
美白:チロシナーゼ活性阻害作用とメラニン生成抑制作用
紫外線照射ストレスを受けると、メラニン色素の合成が促進されてシミの原因となります。メラニンはメラノサイトと呼ばれる細胞中で、チロシナーゼ(注10)という酵素のはたらきによって生産されます。本研究により、サクリピンがチロシナーゼの活性を阻害し、マウスのメラノサイト由来培養細胞におけるメラニンの産生を抑制することを突き止めました(図4)。チロシナーゼ活性については、サクリピンAよりもサクリピンBが強い阻害作用を示しました。これらの結果は、サクリピンがシミの形成を抑制する美白剤としての機能を有することを示唆しています。
サクリピンの化学的安定性
サクリピンの光安定性と熱安定性を調査したところ、夏の平均太陽光強度の範囲にある 33,000 lux の光照射処理を8時間施してもサクリピンは分解されず安定でした(図5A)。