【名城大学】スイゼンジノリ由来の紫外線吸収物質「サクリピン」の新たなスキンケア作用を発見
また、サクリピンは食品由来の成分なので、経口サプリメントとしての応用可能性も考えられます。
本研究では、サクリピンのさらなる有用性を探索する目的で、スキンケアの観点から重要な活性を調べると共に、化学的な安定性を評価しました。
2.研究内容及び本成果の意義
肌の弾力維持:エラスターゼ活性阻害作用
エラスターゼ(注7)は蛋白質分解酵素の一つで、肌の弾力を保つ蛋白質エラスチンを分解します。エラスチン繊維の減少により肌の弾力が低下し、しわやたるみの原因になることが知られています。スイゼンジノリから抽出・精製したサクリピンのエラスターゼ阻害作用を調べたところ、サクリピンA, Bともにエラスターゼ活性を強く阻害することが分かりました(図2)。この結果から、サクリピンには肌のハリを維持して老化を抑制する作用を有することが示されました。
肌質改善:コラーゲンおよびヒアルロン酸生産促進作用
コラーゲン(注8)は皮膚の真皮層に存在する繊維状の蛋白質で、エラスチンと共に皮膚組織の構造維持に関与しています。また、ヒアルロン酸(注9)は糖質の一種で保水力をもつため、肌の保湿や弾力に影響します。本研究により、サクリピンがヒト皮膚線維芽細胞のコラーゲンとヒアルロン酸の産生を促進させる作用を示すことが明らかになりました(図3)。