【名城大学】スイゼンジノリ由来の紫外線吸収物質「サクリピン」の新たなスキンケア作用を発見
として化粧品などに応用されています。
光合成微生物であるラン藻は、太陽光と大気中の二酸化炭素をつかって様々な有機化合物をつくり出します。そのうち、紫外線を吸収する物質は、サンスクリーン剤(日焼け止め)に配合可能な天然由来の美容成分として応用可能です。スイゼンジノリが乾燥ストレスに応答して生産する紫外線吸収物質「サクリピン」は、これまでにラン藻がつくりだす紫外線吸収物質として知られていたマイコスポリン様アミノ酸(MAA)(注3)やシトネミンとは構造が全く異なる化合物として2023年に景山教授らの研究チームによって発見されました。
サクリピンにはシス-トランス異性(注4)の関係にあるサクリピンAとサクリピンBが存在します(図1)。サクリピンA, Bは紫外線を吸収するだけでなくアンチエイジングに寄与する抗酸化活性(注5)と抗糖化活性(注6)を示します。乾燥スイゼンジノリ中にはサクリピンAが多く含まれていますが、サクリピンAに光照射処理を施すことで簡単にサクリピンBへと変換できることも分かっています。ヒト由来の培養細胞に対して毒性を示さないため、サクリピンは日焼け止めやスキンケア用途の化粧品製品へ配合可能です。