同じドレスを3回着ても印象が毎回違う「キャサリン妃」着回し術
だから英国民は好感を持ち、それどころか海を越えた日本人も彼女の着まわし術を楽しむことができるというわけです。
そして、そのようなコーディネイトを繰り返してきたことによって、キャサリン妃自身がプロ顔負けのセンスを磨いてきたのではないか、著者はそう分析しています。
ちなみに著者もキャサリン妃の着まわし術を踏襲し、そのポジティブな効果を実感しているのだそうです。
キャサリン妃のご成婚のころから約1年、新しい洋服は一点も買わず、持っているものだけでコーディネイトをする、しかも同じコーディネイトはしないと決め、毎日写真を撮ったというのです。
当然のことながら最初は大変だったそうですが、毎晩次の日の組み合わせを考えるうちに、だんだんそれが楽しみになってきたといいます。*
本書の心地よさは、着こなしのセンスから、キャサリン妃の価値観が伝わってくることにあります。
決して派手さや華やかさに頼るのではなく、あるもので、普通に、センスよくコーディネイトする。そんな着こなしの本質を、改めて実感させてくれるのです。
(文/書評家・印南敦史)
【参考】
※にしぐち瑞穂(2015)『幸せを引き寄せる キャサリン妃着こなしルール』幻冬舎