2023年5月16日 10:10
「血管が浮き出てデコボコ…」下肢静脈瘤の予防法と症状の改善に役立つ簡単セルフケア【医師解説】
予防法として有効なのが下肢の運動です。
なぜかというと、足の静脈は筋肉に囲まれているからです。歩いたり足首を動かしたりするとふくらはぎや太ももの筋肉が収縮し、静脈は周囲の筋肉に押しつぶされて血液が心臓に向かって押し上げられます。この働きを「筋肉ポンプ」と呼びます。よく“足は第2の心臓”といわれますが、この言葉は下肢の筋肉ポンプの働きを表現しています。
下肢の運動として最適なのが歩くことです。「ウーマンカレンダー」世代の女性でしたら、1日5000歩~8000歩程度歩くのが良いでしょう。私のおすすめはテレビを見ながらその場で足踏みをする「ながら歩き」です。
この方法なら外に出かけなくても下肢の運動をすることができます。
例えば、親御さんが下肢静脈瘤の場合、遺伝的に下肢静脈瘤を発症する可能性は高くなります。運動をして下肢の筋肉を鍛えることは、発症を遅らせたり重症化の予防にある程度の効果を発揮すると考えられます。また、下肢の血流が滞らないような生活を心がけることも下肢静脈瘤の予防に有効です。座って仕事をする時間が長い方は、30分から1時間に1度は立ち上がって歩くなど足の筋肉を動かすようにしてもらいたいものです。