【お医者さんに聞いてみよう!】Q:高齢出産には脳血管疾患のリスクがあると聞き、妊娠・出産に不安を抱えています。
質問:高齢出産には脳血管疾患のリスクがあると聞き、妊娠・出産に不安を抱えています。
昨年結婚をし、妊娠を計画しています。
予定通りならば高齢出産の枠に入るかと思いますが、高齢出産には妊娠高血圧症による脳血管疾患のリスクがあると聞き、妊娠・出産に不安を抱えています。
出産の際に脳血管疾患を患った場合の危険性や、どのくらいの入院と通院が必要となるのか、また、出産時の脳血管疾患に備えて、今からできる生活改善法などがありましたら教えてください。
島根県:pinohinaさん(35)
回答:高齢出産時の脳血管疾患のリスクについてお答えします。
――妊娠と脳血管障害の関係
ご結婚、おめでとうございます。高齢出産になると、心配の種はつきませんよね。妊娠・出産は、女性の身体にとても負担がかかるものです。
ご相談者さまのおっしゃるとおり、高齢出産では、「妊娠高血圧症候群」になるリスクが上がり、また、妊娠そのものが脳血管障害の危険因子となってしまいます。若い女性に脳血管障害が起こる頻度は、妊娠により、非妊時と比べて1.5倍の発症を見る、という報告があります。原因としては、以下が挙げられます。
- 妊娠による血液量の増加、心拍出量の増加
- 妊娠によるホルモン作用(血管拡張、血管壁の変化など)
- 妊娠による凝固系の亢進
脳血管障害が起きる妊産婦は1万人に1人程度といわれています。出産の際に脳血管疾患を患った場合の危険性、とのことですが、母体の死亡率は9~38%とかなりの高確率になります。また、脳血管疾患を乗り切っても、まひ、言語障害などの後遺症が残る割合は、40~63%とこれもまた高い確率で見られます。どのくらいの入院、通院になるのかは、発症した状態によってまったく異なるので、何とも言えません。