2021年5月29日 20:00
「いつか授かるよ」が叶わない。家を継ぐため夫を養子にしたけれど…#1
20代後半には自然妊娠するだろうと思っていましたから、“不妊”という言葉すら意識したことはありませんでした」とあゆみさんは振り返る。
健康なのに薬? 抵抗を感じて不妊治療を中断
ところが現実は違った。授からないまま時は過ぎ、気付けばもう30代に。自分より後に結婚した同僚は、既に育休から戻って来ていた。妹は2人の母親に。まるで自分だけ時が止まっているようだった。
「誰よりも早かったはずなのに……」
自然妊娠を望んでから数年経っていたが、毎月生理はやって来た。
誰よりも心配してくれたのは、実家の母だった。
何でも正直に話せる親子関係なので、子どもが授からないことは伝えていた。「不妊治療」という未知の世界へのきっかけをくれたのも、母だった。
「一度受診してみたら?」
31歳のとき、母に促され近くの産婦人科クリニックへ。検査の結果、あゆみさんの体に特に異常はなかった。ほっとした。でも、「とりあえず薬を飲んでください」と排卵誘発剤とホルモンの内服薬を処方された。
「え?薬?って抵抗がありました。特に問題はないって言われたのにって。
母も薬飲んでまで頑張らなくてもいんじゃない?って言ってくれて。そこで通うのをやめちゃったんです」とあゆみさんは悔いる。
(注1)参照/日本産科婦人科学会雑誌第72巻第10号 表11 治療法別出生児数および累積出生児数 2018年
次回、不妊治療専門クリニックに通うことを決意したあゆみさん。しかし、思いもよらない事実が発覚することに……!
監修者:医師 杉山産婦人科 理事長 杉山 力一先生 著者:ライター 大楽眞衣子
社会派子育てライター。全国紙記者を経てフリーランスに。専業主婦歴7年、PTA経験豊富。子育てや食育、女性の生き方に関する記事を雑誌やWEBで執筆中。大学で児童学を学ぶ。
静岡県在住、昆虫好き、3兄弟の母。
「夫なんていらない」他人の体験談に影響されて離婚危機⇒友人に相談したらハッと目が覚める返答が!?