2021年10月15日 19:00
「ついつい不安で…」は実はNG。助産師が見たちょっと困ったママがやりがちなこと
助産師・国際ラクテーションコンサルタントの榎本さんがちょっと困った妊婦さんについて教えてくれました。母乳が足りないと思って、つい育児用ミルクを足してしまうことありませんか?
あなたも足しすぎているかも?
退院直後の新生児期に、おっぱいが足りているか不安になりますよね。なかなか眠ってくれなかったり、おっぱいをあげたあとに育児用ミルクを足すとどんどん飲んだりするとさらに不安になることもあるかもしれません。
しかし、特に1カ月健診では体重増加が多く母乳が出てきているのに、育児用ミルクを足しすぎているなと感じる場合も多いです。
今回は、在胎週数37週以降に、2500g以上で生まれた病気などない健康な赤ちゃんへの育児用ミルクの補足についてのお話をします。
新生児はどれぐらい飲むの?
赤ちゃんの胃の大きさは下記のように言われています。
・生後1日の赤ちゃんの胃はアメリカンチェリーほどの大きさで、5~7mlの容量で、ティースプーンに1~1.4杯
・生後3日の赤ちゃんの胃はくるみ大で、22~27ml
・生後1週間の赤ちゃんの胃はアプリコットほどで、45~60ml
・生後1ヶ月の赤ちゃんの胃は大きな卵ほどの大きさで、80~150ml
一般に産院で目安にされている育児用ミルク量は日数×10ccとなっていますが、上記から多いことがわかります。
新生児期には、1回に飲める量が少ないので、赤ちゃんの要求にあわせて自律授乳をすると、授乳回数が1日10〜14回になることがあります。また、育児用ミルクが半分程度に消化される半減期は2時間半、母乳は1時間半程度といわれています。
母乳はどれくらい飲めているかわからないので、ミルクを補足する場合は、胃の容量をミルク量の最大量という目安で補足されるといいかと思います。退院してから1カ月健診までの胃の容量を考えると、母乳の後に補足する育児用ミルク量は最大量で60〜80mlになります。
家に赤ちゃん用の体重計がある場合、母乳測定をすることがあるかと思います。1回量が20〜40gであれば、赤ちゃんの欲求に合わせた自律授乳をすることで育児用ミルクの追加はしなくても大丈夫な場合が多いです。
母乳分泌が多いのに赤ちゃんが少ししか飲めない場合、母乳量を増やしたい場合は搾乳を追加するといいでしょう。